特許第6053185号(P6053185)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6053185エレベーターの監視センタ装置ならびに遠隔監視装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6053185
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】エレベーターの監視センタ装置ならびに遠隔監視装置
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/523 20060101AFI20161219BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   H04M3/523
   G08B25/04 B
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-66862(P2014-66862)
(22)【出願日】2014年3月27日
(65)【公開番号】特開2015-192231(P2015-192231A)
(43)【公開日】2015年11月2日
【審査請求日】2016年2月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土本 秀男
(72)【発明者】
【氏名】小川 顕康
【審査官】 吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−073050(JP,A)
【文献】 特開2013−129527(JP,A)
【文献】 特開平07−215618(JP,A)
【文献】 特開2009−046291(JP,A)
【文献】 特開2012−028833(JP,A)
【文献】 特開2008−152439(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B3/00−5/28
G08B23/00−31/00
H04M3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターホンとかご内の乗客の有無を検出する乗客有無検出部を備えた乗りかごを有するエレベーターの異常を監視する端末装置と通信回線を介して接続され、前記インターホンからの通話要求に応答する複数の管制卓が設置されたエレベーターの監視センタ装置において、
前記端末装置からの前記インターホンの通信要求を入力して、前記複数の管制卓のうち前記インターホンと通話接続されていない管制卓を選択する選択部と、
前記複数の管制卓の全てが通話接続されている場合に、前記インターホンの通話要求に対する前記管制卓への通話接続を順番待ちにする通信処理部と、
前記乗客有無検出部の検出情報に基づいて前記かご内の乗客の有無を判定する判定部を備え、
前記判定部で乗客有の判定がされたことに基づいて、前記通信処理部は、前記管制卓への通話接続の順番を繰り上げる処理を行うことを特徴とするエレベーターの監視センタ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエレベーターの監視センタ装置において、
前記乗客有無検出部としてのビデオカメラが前記乗りかご内に設けられ、
前記判定部は、前記ビデオカメラの映像データを記録する記録部と、前記映像データから乗客の有無を判定する映像判定部を備えていることを特徴とするエレベーターの監視センタ装置。
【請求項3】
エレベーターと、前記エレベーターの異常を検出する端末装置と、前記端末装置と通信回線を介して接続される監視センタ装置を備えたエレベーターの遠隔監視装置において、
前記エレベーターはインターホンとかご内の乗客の有無を検出する乗客有無検出部を設けた乗りかごを有し、
前記端末装置は、各エレベーターの異常を検出する異常検出部と、前記インターホン、乗客有無検出部ならびに前記監視センタ装置と通信するための通信部を有し、
前記監視センタ装置は、
前記複数のエレベーターのそれぞれの前記インターホンから出力される通話要求に対して応答可能な複数の管制卓と、
前記端末装置からの前記インターホンの通信要求を入力して、前記複数の管制卓のうち前記インターホンと通話接続されていない管制卓を選択する選択部と、
前記複数の管制卓の全てが通話接続されている場合に、前記インターホンの通話要求に対する前記管制卓への通話接続を順番待ちにする通信処理部と、
前記乗客有無検出部の検出情報に基づいて前記かご内の乗客の有無を判定する判定部を備え、
前記判定部で乗客有の判定がされたことに基づいて、前記通信処理部は、前記管制卓への通話接続の順番を繰り上げる処理を行うことを特徴とするエレベーターの遠隔監視装置。
【請求項4】
請求項3に記載のエレベーターの遠隔監視装置において、
前記端末装置からの前記インターホンの通信要求を前記監視センタ装置が受信して、前記管制卓の全台が使用されて新規の接続が不可能な場合、前記通信処理部は前記端末装置を介して前記乗客有無検出部に対してかご内の乗客の有無を検出する指示を出し、
前記乗客有無検出部からの検出信号に基づいて前記判定部で前記かご内に乗客有と判定されると、前記通信処理部は前記管制卓への通話接続の順番を繰り上げる処理を行うことを特徴とするエレベーターの遠隔監視装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載のエレベーターの遠隔監視装置において、
前記乗客有無検出部としてのビデオカメラが前記乗りかご内に設けられ、
前記判定部は、前記ビデオカメラの映像データを記録する記録部と、前記映像データから乗客の有無を判定する映像判定部を備えていることを特徴とするエレベーターの遠隔監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベーターの監視センタ装置ならびに遠隔監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多数のエレベーターをまとめて遠隔監視するために、各エレベーターの異常を検出する端末装置と、エレベーターの異常を処理するサービス会社などに設けられている監視センタ装置を通信回線で接続して構成されるエレベーターの遠隔監視システムが知られている。
【0003】
この遠隔監視システムは、端末装置がエレベーターの運行状態などを監視しており、エレベーターに異常が発生した場合の異常情報を通信回線を介して監視センタ装置に送信する。監視センタ装置では、受信した情報に基づいて複数の管制卓にビル名や異常が発生したエレベーター名などを含む異常情報を表示する。
【0004】
監視センタ装置の管制員は、管制卓に表示された異常情報を見ながら情報の種類や異常内容を判断し、当該ビルを管轄する出動拠点などの必要部署に連絡し、必要に応じて作業員を異常が発生したビルに派遣して、エレベーターの復旧作業を行う。
【0005】
監視センタ装置は、端末装置からの異常情報が頻発する場合、管制卓の受信画面の表示順に対応するため、管制卓に空きがないとき、緊急度の比較的高い異常発生信号、例えば公共施設や病院などの特定な施設からの異常情報、エレベーターの閉じ込め事故、あるいはエレベーターの乗りかごに設置されているインターホンからの直話発報などの重要なエレベーターからの異常情報を受信しても、管制卓で先に受信した情報の対応が終了するまで、緊急度の比較的高い異常情報を表示できず、対応が遅れるという課題がある。
【0006】
この課題を解決するため、特許文献1に開示されているような提案がある。この提案の内容は、ビル内の端末装置からの発報を通信回線を介して監視センタ装置で受信して、この受信内容を監視センタ装置内にある管制卓の画面に表示して管制員に報知する遠隔監視装置において、
前記監視センタ装置に、前記端末装置からの発報を種類別に判定する発報種類別判定部を設けるとともに、
前記管制卓に、前記発報種類別判定部の判定結果に基づいて前記発報の種類および発報の受信件数を表示する第1の表示部と、前記ビルの名称を含む発報内容が選択的に表示可能な第2の表示部を備えたことを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−11276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、この監視センタ装置でも端末装置から複数件の情報を受信した場合は受信順で管制員に表示して対応しているため、地震や停電などにより優先度の高い異常情報が同じ時間帯で多量に発生すると、乗客が閉じ込められているエレベーターがあっても、受信順のため対応が遅くなるという課題は残る。
【0009】
本発明の目的は、優先度の高い異常情報に対して迅速かつ効率的に対応可能なエレベーターの監視センタ装置ならびに遠隔監視装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために第1の本発明は、インターホンとかご内の乗客の有無を検出する乗客有無検出部を備えた乗りかごを有するエレベーターの異常を監視する端末装置と通信回線を介して接続され、前記インターホンからの通話要求に応答する複数の管制卓が設置されたエレベーターの監視センタ装置において、前記端末装置からの前記インターホンの通信要求を入力して、前記複数の管制卓のうち前記インターホンと通話接続されていない管制卓を選択する選択部と、前記複数の管制卓の全てが通話接続されている場合に、前記インターホンの通話要求に対する前記管制卓への通話接続を順番待ちにする通信処理部と、前記乗客有無検出部の検出情報に基づいて前記かご内の乗客の有無を判定する判定部を備え、前記判定部で乗客有の判定がされたことに基づいて、前記通信処理部は、前記管制卓への通話接続の順番を繰り上げる処理を行うことを特徴とする。
【0011】
前記目的を達成するために第2の本発明は、エレベーターと、前記エレベーターの異常を検出する端末装置と、前記端末装置と通信回線を介して接続される監視センタ装置を備えたエレベーターの遠隔監視装置において、前記エレベーターはインターホンとかご内の乗客の有無を検出する乗客有無検出部を設けた乗りかごを有し、前記端末装置は、各エレベーターの異常を検出する異常検出部と、前記インターホン、乗客有無検出部ならびに前記監視センタ装置と通信するための通信部を有し、前記監視センタ装置は、前記複数のエレベーターのそれぞれの前記インターホンから出力される通話要求に対して応答可能な複数の管制卓と、前記端末装置からの前記インターホンの通信要求を入力して、前記複数の管制卓のうち前記インターホンと通話接続されていない管制卓を選択する選択部と、前記複数の管制卓の全てが通話接続されている場合に、前記インターホンの通話要求に対する前記管制卓への通話接続を順番待ちにする通信処理部と、前記乗客有無検出部の検出情報に基づいて前記かご内の乗客の有無を判定する判定部を備え、前記判定部で乗客有の判定がされたことに基づいて、前記通信処理部は、前記管制卓への通話接続の順番を繰り上げる処理を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、優先度の高い異常情報に対して迅速かつ効率的に対応可能なエレベーターの監視センタ装置ならびに遠隔監視装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係るエレベーターの遠隔監視システムの概略構成図である。
図2】その遠隔監視システムの動作を説明するフローチャートである。
図3】その遠隔監視装置全体の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。まず図3を用いて、遠隔監視装置全体の構成を説明する。
【0015】
図3に示すように、各ビル30には複数台のエレベーター40が設置されており、各エレベーター40の運行状態や異常などは各ビル30毎に1台設置された端末装置10で監視されている。ビル30内において、複数台のエレベーター40と1台の端末装置10は通信回路4で接続されている。
【0016】
各ビル30の端末装置10と、エレベーター40の異常などを処理する管理サービス会社などに設置されている1台の監視センタ装置20は、通信回路4で接続されている。
【0017】
このようにエレベーターの遠隔監視装置(遠隔監視システム)は、エレベーター40の異常を監視する複数台の端末装置10と、これら端末装置10との間で情報の授受を行う1台の監視センタ装置20と、エレベーター40と端末装置10の間ならびに端末装置10と監視センタ装置20の間を接続する通信回路4から構成されている。
【0018】
次にエレベーター40、端末装置10ならびに監視センタ装置20の具体的な構成や機能について、図1を用いて説明する。
【0019】
エレベーター40の昇降路(図示せず)内を昇降する乗りかご1の内部には、インターホン釦3を有するインターホン2、乗りかご1内の映像データを取得するビデオカメラ5などが設置されている。なお、このビデオカメラ5は、防犯カメラとしても利用されている。
【0020】
端末装置10には、乗りかご1に関係する例えばかご用駆動モータなどの機器の異常を検出する複数の異常検出部(図示せず)と、乗りかご1ならびに監視センタ装置20との通信のための通信部11が設けられ、通信部11には通信回路4が接続されている。
【0021】
監視センタ装置20には、通信処理部21と、管制卓選択部22と、記録部23と、映像判定部24が設けられ、さらに管制卓選択部22には複数台の管制卓25に接続されており、監視センタ装置20内の各部は図に示すような接続関係になっている。
【0022】
端末装置10の通信部11は、乗りかご1のインターホン2、インターホン釦3ならびにビデオカメラ5、監視センタ装置20の通信処理部21とそれぞれ接続されている。
【0023】
乗りかご1内の乗客(図示せず)が監視センタ装置20に異常が発生したことを連絡するためにインターホン釦3を押すと、端末装置10の通信部11はインターホン釦3の押圧信号を検出し、通信回線4を経由して監視センタ装置20に通報する。
【0024】
端末装置10の通報を受信した監視センタ装置20は、管制卓選択部22により複数ある管制卓25から空いている管制卓25を選択して、端末装置10と接続する。
【0025】
管制卓25は管制員が操作するもので、図示していないが情報を表示するディスプレイと、各種の情報ならびに指示を入力するキーボードと、通話処理を行う通話装置(ヘッドセット)などを備えている。
【0026】
この管制卓25が通報を受信したとき、
(1).受信した異常情報の発信顧客の名称、住所、電話番号などの顧客情報。
(2).監視対象エレベーターや監視機器の異常通報の内容(通話通報を含む)。
(3).エレベーター管理サービス会社、あるいはその営業所などの出動要時の連絡先。
などが表示される。
【0027】
異常通報時には、管制卓25を操作する管制員と、乗りかご1内に居る乗客との1対1の対応が必要なため、管制卓25に設置されている通話装置(ヘッドセット)と、乗りかご1に設置されているインターホン2を用いて通話を行い、それ以外の通話系統を用いることはない。
【0028】
管制員は乗りかご1の乗客と通話を行った後、乗りかご1内の乗客を救出するために保守担当拠点に出動を指示する。
【0029】
前述の異常通報を受信した通信処理部21が複数ある管制卓25の一台に接続するとき、管制卓25の全台が端末装置10との通報処理に使用されて、新規の接続が不可能な場合、通信処理部21は管制卓25への接続の順番待ちを行うとともに、異常通報のあった端末装置10に対して映像取得の指示を出す。
【0030】
映像取得の指示を受けた端末装置10は通信部11を通して異常が発生しインターホン釦3が押圧された乗りかご1内のビデオカメラ5を駆動し、乗りかご1内の状況を撮影する。ビデオカメラ5で取得した映像データは、通信回線4、端末装置10の通信部11、通信回線4ならびに監視センタ装置20の通信処理部21を通して、記録部23に送信されて保存される。
【0031】
映像データの保存が終了すると監視センタ装置20の映像判定部24は、記録部23に保存した乗りかご1内の映像により、乗りかご1内が有人か無人かの判定を行い、その結果を通信処理部21に通知する。
【0032】
通信処理部21は映像判定部24の判定結果により、乗りかご1内が有人である場合、管制卓選択部22で管制卓25との接続優先順位を自動的に高くして(本実施形態では最優先としているが、複数段前に繰り上げることも可能である)、管制卓25に空きが生じたとき直ちに通話できるようにする。
【0033】
その結果、乗りかご1からの通報がいたずら通報、誤通報、通報から自動で復旧したような所を後回しにすることができ、乗りかご1内での人の閉じ込め時間を可及的に短縮して、迅速な対応が可能となる。
【0034】
図2は、遠隔監視システムの動作を説明するフローチャートである。この図2において、図面左側に示す端末装置10が行う動作はSに手順番号を付して表記し、図面右側に示す監視センタ装置20が行う動作はTに手順番号を付して表記しており、左右のフローチャートの中間位置に示した矢印は両装置10,20間の信号の授受を示している。
【0035】
図2の左側に示すように端末装置10のS1で、乗りかご1内の乗客によるインターホン釦3の押圧の有無を確認する。インターホン釦3の押圧が無ければ(S1でNO)、繰り返しS1を実施する。インターホン釦3の押圧が有れば (S1でYES)、S2でその押圧信号(通話通報)を監視センタ装置20に送信して、S3に移行する。
【0036】
一方、監視センタ装置20の通信処理部21はT1で端末装置10のS2における通話通報の有無を確認する。端末装置10からの通話通報が無ければ(T1でNO)、繰り返しT1を実施する。
【0037】
端末装置10から通話通報を受信すると (T1でYES)、T2で通信処理部21は管制卓25の空きを確認する。複数ある管制卓25に空きがない場合(T2でNO)、T3で通信処理部21はかご内映像送信要求信号を端末装置10に送信する。
【0038】
端末装置10はS3で、かご内映像送信要求信号の受信の確認をする。かご内映像送信要求信号の受信がない場合(S3でNO)、S5に移行する。
【0039】
かご内映像送信要求信号を受信した場合(S3でYES)、かご内映像送信要求信号に基づいてビデオカメラ5で乗りかご1内の映像データを取得し、S4でその映像データを監視センタ装置20に送信する。
【0040】
一方、監視センタ装置20の通信処理部21は、T3のかご内映像送信要求信号を端末装置10に送信した後、T4で端末装置10から送信されるかご内映像を受信完了まで待機し、受信された映像データは記録部23に保存される。
【0041】
映像データの受信が完了するとT5で、監視センタ装置20の映像判定部24で、記録部23に記録した映像データから乗りかご1内の乗客の有無を判定する。乗りかご1内が無人の場合(T5でNO)、T2からのステップを繰り返して実行する。
【0042】
乗りかご1内に乗客が居る場合(T5でYES)、T6で処理待ち優先順位を高く(最優先)して、T2の判断を繰り返して実行する。この処理待ち順位を最優先にする処理は、通信処理部21で行われる。
【0043】
T2で管制卓25に空きが有ると判断されると (T2でYES)、T7で端末装置10に対して通話接続要求信号を送信する。
【0044】
一方、端末装置10はS5で、監視センタ装置20からの通話接続要求送信の有無を確認する。通話接続要求の送信が無ければ(S5でNO)、S3からのステップを繰り返して実行する。通話接続要求信号の送信が有れば(S5でYES)、S6で監視センタ装置20との通話処理を行う。
【0045】
次にS7で通話処理終了の確認を行い、通話処理終了でなければ(S7でNO)S6を繰り返し、通話処理終了であれば(S7でYES)本処理を終了する。
【0046】
一方、監視センタ装置20は、T8で通話処理を実施し、管制員が乗りかご1内の乗客に対して乗りかご1内の状況などを聞き取る。
【0047】
T9で乗りかご1内の乗客との通話処理終了の確認を行い、通話処理終了でなければ(T9でNO)S8を繰り返し、乗りかご1内の乗客との通話処理が終了すれば(T9でYES)、本処理を終了する。
【0048】
本実施形態では、乗りかご1内の乗客の有無を検出する乗客有無検出部としてビデオカメラ5を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば乗りかごに設けられた重量センサや赤外線センサなど他の検出手段を用いることも可能である。
【0049】
本実施形態では、かご内の乗客の有無を判定する判定部が記録部23と映像判定部24で構成されているが、乗客有無検出部として前述の重量センサや赤外線センサなどのセンサを用いた場合、かご内の乗客の有無を判定する判定部は、予め設定している閾値とセンサからの検出値を比較して、かご内の乗客の有無を判定するようになっている。
【0050】
このように本発明は、地震などで多数の異常情報が発生して、監視センタ(管制卓)からの通話通報ができない場合、かご内の乗客の有無を判定し、かご内に乗客が居るときは、管制卓での処理待ち順番を繰り上げることで、かご内に閉じ込められている乗客を迅速に救出することができる。
【符号の説明】
【0051】
1:乗りかご
2:インターホン
3: インターホン釦
4: 通信回線
5:ビデオカメラ
10:端末装置
11:通信部
20:監視センタ装置
21:通信処理部
22:管制卓選択部
23:記録部
24:映像判定部
25:管制卓
30:ビル
40:エレベーター
図1
図2
図3