(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6053195
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】ダイ実装システムのウエハマップ管理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/52 20060101AFI20161219BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20161219BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
H01L21/52 F
H01L21/02 Z
H01L21/52 C
H01L21/66 A
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-512256(P2014-512256)
(86)(22)【出願日】2012年4月27日
(86)【国際出願番号】JP2012061394
(87)【国際公開番号】WO2013161061
(87)【国際公開日】20131031
【審査請求日】2015年2月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】富士機械製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098420
【弁理士】
【氏名又は名称】加古 宗男
(72)【発明者】
【氏名】保坂 英希
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 友則
(72)【発明者】
【氏名】柘植 邦明
(72)【発明者】
【氏名】小見山 延久
【審査官】
儀同 孝信
(56)【参考文献】
【文献】
特開平07−235557(JP,A)
【文献】
特開2009−105151(JP,A)
【文献】
特開2008−251619(JP,A)
【文献】
特開2001−209520(JP,A)
【文献】
特開2000−091403(JP,A)
【文献】
特開2006−332468(JP,A)
【文献】
特開2004−140084(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0184564(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/52
H01L 21/02
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のダイに分割するようにダイシングされたウエハの各位置のダイの良否を示すウエハマップをダイ実装システムの記憶手段に記憶し、ダイ実装工程で前記ウエハマップを参照して、前記ウエハから良品ダイを順番にピックアップして基板に実装すると共に、良品ダイをピックアップする毎に、前記ウエハマップのうちのピックアップ済みのダイ位置のステータスを「良品ダイ」から「ピックアップ済み」に書き換える一方、画像処理エラー又はピックアップミスが発生したダイ位置のステータスを「良品ダイ」から「画像処理エラー」又は「ピックアップミス」に書き換えるダイ実装システムのウエハマップ管理装置において、
前記ダイ実装システムには、前記ウエハマップのうちの「画像処理エラー」又は「ピックアップミス」に書き換えられたダイ位置のステータスを「良品ダイ」に修正するウエハマップ修正手段が設けられていることを特徴とするダイ実装システムのウエハマップ管理装置。
【請求項2】
前記ダイ実装システムには、前記ウエハマップの各ダイ位置のステータスを表示する表示装置が設けられ、
前記表示装置の画面上で作業者が前記ウエハマップの各ダイ位置のステータスを目視で確認しながら前記ウエハマップ修正手段を操作して「画像処理エラー」又は「ピックアップミス」のステータスを「良品ダイ」に修正できるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のダイ実装システムのウエハマップ管理装置。
【請求項3】
前記ウエハマップ修正手段は、「画像処理エラー」又は「ピックアップミス」に書き換えられた複数のダイ位置のステータスを一括して「良品ダイ」に修正する一括修正機能を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のダイ実装システムのウエハマップ管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエハマップを使用してウエハから良品ダイを順番にピックアップして基板に実装するダイ実装システムのウエハマップ管理装
置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
一般に、ウエハは、ダイシングシートに貼着されてダイシングされ、多数のダイ(半導体チップ)に分割されている。1枚のウエハの中には、不良ダイが含まれるため、ダイ検査工程でダイ毎に良否を検査して不良ダイにインクでバッドマークを付し、ダイ実装工程で、ダイ毎にカメラで撮像してバッドマークの有無を画像認識し、ウエハから良品ダイ(良品チップ)のみを順番にピックアップして基板に実装するようにしていた。
【0003】
しかし、この方法では、ウエハの全てのダイについて、ダイ毎にカメラで撮像してバッドマークの有無を画像認識しなければならず、生産効率が悪いという欠点があった。
【0004】
そこで、近年では、特許文献1(特開2001−250834号公報)に記載されているように、ダイ検査工程で、ダイシング後のウエハの各位置のダイの良否を示すウエハマップを作成し、ダイ実装工程で、ウエハマップを参照して、ウエハから良品ダイ(良品チップ)のみを順番に吸着ノズルでピックアップして基板に実装する方法が主流となってきている。この方法では、良品ダイのみをカメラで撮像して良品ダイの位置のみを画像認識すれば良く、不良ダイについては画像認識を省略できるため、画像認識に要する時間を短縮できる利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−250834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ダイ実装工程で、ウエハマップを参照してウエハから良品ダイをピックアップする毎に、ウエハマップのうちのピックアップ済みのダイ位置のステータスを「良品ダイ」から「ピックアップ済み」に書き換えるようにしているが、何らかの原因で、良品ダイの画像処理を失敗(画像処理エラー)したり、ダイのピックアップを失敗(ピックアップミス)することがある。この場合は、画像処理エラー又はピックアップミスが発生したダイ位置のステータスを「良品ダイ」から「画像処理エラー」又は「ピックアップミス」に書き換えて、「ピックアップ済み」や「良品ダイ」のステータスと区別できるようにしている。
【0007】
画像処理エラーやピックアップミスにより取り残されたダイは、もともと「不良ダイ」ではなく、「良品ダイ」であることが検査で確認されているため、基板に実装しても何ら問題ない。また、ダイの中には、高価なダイも多いため、画像処理エラーやピックアップミスにより取り残されたダイも、「良品ダイ」として残らず使い切りたいというユーザー側の要求も多い。
【0008】
ウエハマップを使用するダイ実装システムでは、ステータスが「画像処理エラー」や「ピックアップミス」となっているダイは、ピックアップできないため、画像処理エラーやピックアップミスにより取り残されたダイをピックアップしようとする場合は、機外(オ
フライン)のウエハマップ作成装置で、画像処理エラーやピックアップミスにより取り残されたダイ位置のステータスを「良品ダイ」とした新たなウエハマップを作成し、この新たなウエハマップでダイ実装システムのサーバーのウエハマップのデータを更新するようにしている。
【0009】
しかし、機外のウエハマップ作成装置で新たなウエハマップを作成する作業は面倒であり、生産効率を低下させる原因となっている。
【0010】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、ウエハマップを使用するダイ実装システムにおいて、画像処理エラー又はピックアップミスにより取り残されたダイを「良品ダイ」として簡単に再使用できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、複数のダイに分割するようにダイシングされたウエハの各位置のダイの良否を示すウエハマップをダイ実装システムの記憶手段に記憶し、ダイ実装工程で前記ウエハマップを参照して、前記ウエハから良品ダイを順番にピックアップして基板に実装すると共に、良品ダイをピックアップする毎に、前記ウエハマップのうちのピックアップ済みのダイ位置のステータスを「良品ダイ」から「ピックアップ済み」に書き換える一方、画像処理エラー又はピックアップミスが発生したダイ位置のステータスを「良品ダイ」から「画像処理エラー」又は「ピックアップミス」に書き換えるダイ実装システムのウエハマップ管理装置において、前記ダイ実装システムに、前記ウエハマップのうちの「画像処理エラー」又は「ピックアップミス」に書き換えられたダイ位置のステータスを「良品ダイ」に修正するウエハマップ修正手段を設けたものである。
【0012】
このようにすれば、作業者がダイ実装システムに設けられたウエハマップ修正手段を操作して、ウエハマップのうちの「画像処理エラー」又は「ピックアップミス」に書き換えられたダイ位置のステータスを「良品ダイ」に修正し、該ダイ実装システムで、修正後のウエハマップを参照して、画像処理エラー又はピックアップミスにより取り残されたダイのピックアップを再実行することが可能となる。これにより、画像処理エラー又はピックアップミスにより取り残されたダイを「良品ダイ」として簡単に修正して再使用することができる。
【0013】
この場合、ダイ実装システムに、ウエハマップの各ダイ位置のステータスを表示する表示装置を設け、該表示装置の画面上で作業者がウエハマップの各ダイ位置のステータスを目視で確認しながらウエハマップ修正手段を操作して「画像処理エラー」又は「ピックアップミス」のステータスを「良品ダイ」に修正できるように構成すると良い。このようにすれば、「画像処理エラー」又は「ピックアップミス」のステータスを「良品ダイ」に修正する際に、間違ったダイ位置のステータスを「良品ダイ」に修正することを未然に防止できると共に、画像処理エラーやピックアップミスにより取り残されたダイが何らかの原因で実際に使用不可になっていることが表示装置の画面上で目視で確認できる場合は、当該ダイのステータスを「良品ダイ」に修正することを取り止めることができ、不良基板を生産せずに済む。
【0014】
この場合、ウエハマップ修正手段は、「画像処理エラー」又は「ピックアップミス」に書き換えられたダイ位置毎にステータスを1つずつ「良品ダイ」に修正するようにしても良いし、複数のダイ位置のステータスを一括して「良品ダイ」に修正する一括修正機能を持たせるようにしても良い。一括修正機能により作業性を向上できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は本発明の一実施例におけるダイピックアップ装置の外観斜視図である。
【
図2】
図2は突き上げユニットとその周辺部分の外観斜視図である。
【
図4】
図4は突き上げ動作時に突き上げポットを吸着位置まで上昇させた状態を示す一部破断拡大図である。
【
図5】
図5は突き上げ動作時に突き上げポットから突き上げピンを突出させた状態を示す一部破断拡大図である。
【
図6】
図6はダイピックアップ装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は表示装置の画面に表示するウエハマップの一例を示す図である。
【
図8】
図8(a)は画像処理エラー又はピックアップミスが発生したダイ位置のステータスが「良品ダイ」から「画像処理エラー」又は「ピックアップミス」に書き換えられた状態を表示装置の画面に表示する一例を示す図、同図(b)は「画像処理エラー」又は「ピックアップミス」に書き換えられたダイ位置のステータスを「良品ダイ」に修正した状態を表示装置の画面に表示する一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態を具体化した一実施例を説明する。
まず、
図1を用いてダイピックアップ装置11の構成を概略的に説明する。
【0017】
ダイピックアップ装置11は、マガジン保持部22(トレイタワー)、パレット引き出しテーブル23、XY移動機構25、突き上げユニット28(
図2参照)等を備え、パレット引き出しテーブル23を部品実装機(図示せず)に差し込んだ状態にセットされる。図示はしないが、部品実装システム(ダイ実装システム)は、1台又は複数台の部品実装機を回路基板の搬送経路に沿って配置され、少なくとも1台の部品実装機にダイピックアップ装置11がセットされている。
【0018】
ダイピックアップ装置11のマガジン保持部22内に上下動可能に収納されたマガジン(図示せず)には、ウエハ30を装着したウエハパレット32が多段に積載され、生産中にマガジンからウエハパレット32がパレット引き出しテーブル23上に引き出されるようになっている。
図3に示すように、ウエハ張設体30は、ウエハを碁盤目状にダイシングして形成したダイ31を貼着した伸縮可能なダイシングシート34を、円形の開口部を有するウエハ装着板33(ダイシングフレーム)にエキスパンドした状態で装着したものであり、該ウエハ装着板33がパレット本体35にねじ止め等により取り付けられている。
【0019】
突き上げユニット28(
図2参照)は、ウエハパレット32のダイシングシート34下方の空間領域をXY方向に移動可能に構成されている。そして、ダイシングシート34のうちのピックアップ(吸着)しようとするダイ31の貼着部分をその下方から突き上げポット37の突き上げピン39(
図4、
図5参照)で局所的に突き上げることで、当該ダイ31の貼着部分をダイシングシート34から部分的に剥離させてダイ31をピックアップしやすい状態に浮き上がらせるようにしている。
【0020】
この突き上げユニット28は、サーボモータ(図示せず)を駆動源として突き上げユニ
ット28全体が上下動するように構成されている。ダイピックアップ動作時には、突き上げユニット28が上昇して突き上げポット37の上面がウエハパレット32のダイシングシート34にほぼ接触する所定のシート吸着位置まで上昇すると、ストッパ機構(図示せず)によって突き上げユニット28の上昇が止まり、更に上昇動作を続けると、突き上げポット37の上面から突き上げピン39(
図4、
図5参照)が上方に突出して、ダイシングシート34のうちのピックアップしようとするダイ31の貼着部分を突き上げるようになっている。この場合、駆動源となるサーボモータの回転量を調整することで、突き上げピン39の突き上げ高さ位置(突き上げ量)を調整できるようになっている。
【0021】
図1に示すように、XY移動機構25には、吸着ヘッド41とカメラ42とが組み付けられ、該XY移動機構25によって吸着ヘッド41とカメラ42が一体的にXY方向に移動するように構成されている。吸着ヘッド41には、ダイシングシート34上のダイ31を吸着する吸着ノズル43(
図4、
図5参照)が上下動するように設けられている。カメラ42は、ダイシングシート34上のダイ31を上方から撮像してその撮像画像を画像処理することで、吸着ノズル43で吸着しようとするダイ31の位置を認識できるようになっている。
【0022】
ダイピックアップ装置11の制御装置51(
図6参照)は、ダイシングシート34上のダイ31のうち、吸着しようとするダイ31をカメラ42で撮像して得られた画像を処理して該ダイ31の位置を認識して、該ダイ31の突き上げ位置及び吸着位置を決定し、
図5に示すように、ダイシングシート34のうちのピックアップ(吸着)しようとするダイ31の貼着部分をその下方から突き上げポット37の突き上げピン39で局所的に突き上げることで、当該ダイ31の貼着部分をダイシングシート34から部分的に剥離させてダイ31をピックアップしやすい状態に浮き上がらせながら、該ダイ31を吸着ノズル43で吸着してピックアップする。
【0023】
一般に、1枚のウエハの中には、不良ダイが含まれるため、ウエハ製造会社では、ダイ検査結果に基づいて、ダイシング後のウエハの各位置のダイ31の良否を示すウエハマップ(
図7参照)を作成して、このウエハマップをウエハと一緒にダイ実装基板製造会社に販売するようにしている。ダイ実装基板製造会社では、ダイピックアップ装置11の制御装置51の記憶装置52(記憶手段)にウエハマップを記憶し、このウエハマップを参照して、ウエハから良品ダイ(良品チップ)の位置をカメラ42の撮像画像により認識して、良品ダイのみを順番にピックアップして基板に実装する。
【0024】
この際、ウエハから良品ダイをピックアップする毎に、ウエハマップのうちのピックアップ済みのダイ位置のステータスを「良品ダイ」から「ピックアップ済み」に書き換えるようにしているが、何らかの原因で、良品ダイの画像処理を失敗(画像処理エラー)したり、ダイ31のピックアップを失敗(ピックアップミス)することがある。この場合は、
図8(a)に示すように、画像処理エラー又はピックアップミスが発生したダイ位置のステータスを「良品ダイ」から「画像処理エラー」又は「ピックアップミス」に書き換えて、「ピックアップ済み」や「良品ダイ」と区別できるようにしている。
【0025】
画像処理エラーやピックアップミスにより取り残されたダイは、もともと「不良ダイ」ではなく、「良品ダイ」であることが検査で確認されているため、基板に実装しても何ら問題ないが、ダイピックアップ装置11では、ステータスが「画像処理エラー」や「ピックアップミス」となっているダイは、ピックアップできない。
【0026】
そこで、本実施例では、ダイピックアップ装置11の制御装置51に、作業者がマウス、キーボード、タッチパネル等の入力装置53(ウエハマップ修正手段)を操作して、ウエハマップのうちの「画像処理エラー」又は「ピックアップミス」に書き換えられたダイ
位置のステータスを「良品ダイ」に修正するウエハマップ修正機能を搭載すると共に、
図8に示すように、表示装置54の画面に、ウエハマップの各ダイ位置のステータスを表示させて、該表示装置54の画面上で作業者がウエハマップの各ダイ位置のステータスを目視で確認しながら入力装置53を操作して「画像処理エラー」又は「ピックアップミス」のステータスを「良品ダイ」に修正できるようにしている。
【0027】
この場合、ウエハマップ修正機能は、「画像処理エラー」又は「ピックアップミス」に書き換えられたダイ位置毎にステータスを1つずつ「良品ダイ」に修正するようにしても良いし、複数のダイ位置のステータスを一括して「良品ダイ」に修正する一括修正機能を持たせるようにしても良い。一括修正機能により作業性を向上できる利点がある。
【0028】
以上説明した本実施例によれば、ダイピックアップ装置11の制御装置51に、ウエハマップのうちの「画像処理エラー」又は「ピックアップミス」に書き換えられたダイ位置のステータスを「良品ダイ」に修正するウエハマップ修正機能を搭載したので、作業者がダイピックアップ装置11の入力装置53を操作して、ウエハマップのうちの「画像処理エラー」又は「ピックアップミス」に書き換えられたダイ位置のステータスを「良品ダイ」に修正し、該ダイピックアップ装置11で、修正後のウエハマップを参照して、画像処理エラー又はピックアップミスにより取り残されたダイのピックアップを再実行することが可能となる。このため、従来のように、画像処理エラー又はピックアップミスにより取り残されたダイのステータスを「良品ダイ」に変更する際に、機外のウエハマップ作成装置を使用して新たなウエハマップを作成する作業を行う必要がなく、ダイピックアップ装置11の入力装置53の操作によって、ダイのステータスを「画像処理エラー」又は「ピックアップミス」から「良品ダイ」に簡単に修正して再使用することができ、生産性及びコスト性(ダイの歩留まり)を向上できる。
【0029】
しかも、本実施例では、表示装置54の画面に、ウエハマップの各ダイ位置のステータスを表示させて、該表示装置54の画面上で作業者がウエハマップの各ダイ位置のステータスを目視で確認しながら入力装置53を操作して「画像処理エラー」又は「ピックアップミス」のステータスを「良品ダイ」に修正できるようにしているため、「画像処理エラー」又は「ピックアップミス」のステータスを「良品ダイ」に修正する際に、間違ったダイ位置のステータスを「良品ダイ」に修正することを未然に防止できると共に、画像処理エラーやピックアップミスにより取り残されたダイが何らかの原因で実際に使用不可になっていることが表示装置53の画面上で目視で確認できる場合は、当該ダイのステータスを「良品ダイ」に修正することを取り止めることができ、不良基板を生産せずに済むという利点がある。
【0030】
尚、本実施例では、ダイピックアップ装置11の制御装置51にウエハマップ修正機能を搭載したが、ダイピックアップ装置11をセットした部品実装機の制御装置にウエハマップ修正機能を搭載しても良く、或は、ダイピックアップ装置11を含む部品実装システム(部品実装ライン)全体を管理するライン管理用コンピュータにウエハマップ修正機能を搭載しても良い。
【0031】
また、本実施例のダイピックアップ装置11は、XY移動機構25によって吸着ヘッド41とカメラ42が一体的にXY方向に移動するように構成したが、吸着ヘッド41とカメラ42がX方向のみに移動し、且つ、ウエハパレット32がパレット引き出しテーブル23上をY方向に移動することで、撮像対象・吸着対象となるダイ31の位置がXY方向に移動するように構成しても良い。
【0032】
その他、本発明は、ダイピックアップ装置11の構成やウエハパレット32の構成を適宜変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できることは言うまで
もない。
【符号の説明】
【0033】
11…ダイピックアップ装置、22…マガジン保持部、23…パレット引き出しテーブル、25…XY移動機構、28…突き上げユニット、30…ウエハ張設体、31…ダイ、32…ウエハパレット、33…ウエハ装着板、34…ダイシングシート、37…突き上げポット、39…突き上げピン、41…吸着ヘッド、42…カメラ、43…吸着ノズル、51…制御装置、52…記憶装置(記憶手段)、53…入力装置(ウエハマップ修正手段)、54…表示装置