特許第6053276号(P6053276)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6053276撮像装置およびその制御方法、画像処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6053276
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】撮像装置およびその制御方法、画像処理装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 13/00 20060101AFI20161219BHJP
   H04N 13/02 20060101ALI20161219BHJP
   H04N 5/92 20060101ALI20161219BHJP
   G03B 35/08 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   H04N13/00 550
   H04N13/00 660
   H04N13/02 170
   H04N13/02 320
   H04N5/92 C
   G03B35/08
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2011-264204(P2011-264204)
(22)【出願日】2011年12月2日
(65)【公開番号】特開2013-118459(P2013-118459A)
(43)【公開日】2013年6月13日
【審査請求日】2014年11月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(72)【発明者】
【氏名】青山 祐三
【審査官】 秦野 孝一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−165115(JP,A)
【文献】 特開2006−13759(JP,A)
【文献】 特開2008−141517(JP,A)
【文献】 特開2008−299184(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/136190(WO,A1)
【文献】 特開2009−124768(JP,A)
【文献】 特開2010−200354(JP,A)
【文献】 特開2011−223562(JP,A)
【文献】 特開2008−310696(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0234861(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0122148(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0262182(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 13/00
H04N 13/02
H04N 5/92
G03B 35/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のマイクロレンズを有し、前記複数のマイクロレンズは、各マイクロレンズがそれぞれ複数の光電変換部に対応する撮像素子と、
前記各マイクロレンズに対応する画素を構成する前記複数の光電変換部より出力される複数の画像信号を画素ごとにそれぞれ合成して合成画像データを生成する画像生成手段と、
前記合成画像データと、前記複数の光電変換部のうちのいずれかより出力された画像信号で構成される画像データとを含む画像ファイルを生成する画像ファイル生成手段と、を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記画像ファイルを記録媒体に記録する記録手段を有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記画像ファイルは、前記合成画像データのJPEG画像を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記画像ファイルはDCF形式であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の撮像装置。
【請求項5】
前記記録手段は、前記合成画像データおよび前記複数の光電変換部のうちのいずれかより出力された画像信号を縮小して生成される画像信号を前記画像ファイルに記録することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記各マイクロレンズに対応する画素を構成する前記複数の光電変換部は、マイクロレンズを介して、撮像光学系の異なる瞳領域を通過した光束をそれぞれ受光することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の撮像装置。
【請求項7】
前記複数の画像信号を用いて焦点検出を行う焦点検出手段を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の撮像装置。
【請求項8】
各マイクロレンズが複数の光電変換部に対応する複数のマイクロレンズを有する撮像素子から出力される複数の画像信号と、前記各マイクロレンズに対応する画素を構成する前記複数の光電変換部より出力される複数の画像信号を画素ごとにそれぞれ合成した合成画像データとを取得する取得手段と、
前記合成画像データと、前記複数の光電変換部のうちのいずれかより出力された画像信号で構成される画像データとを含む画像ファイルを生成する画像ファイル生成手段と、を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
複数のマイクロレンズを有する撮像素子にて各マイクロレンズがそれぞれ対応する複数の光電変換部が画像信号を出力する出力ステップと、
前記各マイクロレンズに対応する画素を構成する前記複数の光電変換部より出力される複数の画像信号を画素ごとにそれぞれ合成して合成画像データを生成する画像生成ステップと、
前記合成画像データと、前記複数の光電変換部のうちのいずれかより出力された画像信号で構成される画像データとを含む画像ファイルを生成する画像ファイル生成ステップと、を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置に関し、特に立体視表示(以下、3D表示ともいう)および2次元表示(以下、2D表示ともいう)に用いる各画像データをファイルに記録する処理に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、3次元(3D)シネマや3Dディスプレイ等、立体映像関連機器の普及が急速に進んでいる。立体映像撮影は従来からフィルム式カメラ等でも行われてきたが、デジタル撮像装置の普及に伴い、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ等により立体映像を生成するための元画像が撮影されるようになってきている。
立体映像をユーザが鑑賞する仕組みとしては、対象物を左目で見た像及び右目で見た像に対応するように、左右方向に視差を持たせた、右目用画像と左目用画像のデータが用意される。各画像をユーザが右目と左目でそれぞれ見ることで立体視可能である。その方法には、視差バリア方式やレンチキュラ方式等のように鑑賞対象の映像を視差分割する方法がある。また左右で特性の異なるフィルタを介して、ユーザの左目と右目に異なる映像を提示する方法等が知られている。
【0003】
一方、立体映像として鑑賞可能な画像の撮影方法として、異なる視点での画像を同時に撮影する方法が、特許文献1に開示されている。特許文献1は、複数の微小レンズが形成され、該微小レンズの各々に近接して、対を成すフォトダイオードが1対以上配置されている固体撮像素子を開示する。フォトダイオード対のうち、一方のフォトダイオードの出力から第1の画像信号が得られ、他方のフォトダイオードの出力から第2の画像信号が得られる。第1及び第2の画像信号を、左目用画像信号、右目用画像信号としてそれぞれ用いることで、ユーザは立体映像の鑑賞が可能となる。
【0004】
ところで、左目用画像と右目用画像のデータを別々のファイルとして管理する方法は可能であるが、画像データの管理に問題がある。つまり、各画像データを別々のファイルにすると管理が煩雑になり、また、片方のファイルが消失すると立体映像が鑑賞できなくなってしまうという問題がある。そこで、特許文献2に開示のファイル生成方式では、左目用画像と右目用画像の各データを同一のファイルに記録することで、効率的なファイル管理が可能である。この場合、2次元表示には左目用画像または右目用画像を使用し、立体視表示には左目用画像と右目用画像の両方を使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭58−24105号公報
【特許文献2】特開2010−200354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1が開示する、複数の微小レンズが形成され、該微小レンズの各々に近接して、対を成すフォトダイオードが1対以上配置されている固体撮像素子を用いて撮影した場合、以下のような問題がある。対をなすフォトダイオードの一方が撮像光学系の射出瞳のある領域を通過した光束を光電変換した左目用画像信号を出力し、他方が射出瞳の上記領域とは異なる領域を通過した光束を光電変換した右目用画像信号を出力する場合を想定する。この場合、被写体によっては、左目用画像、右目用画像のいずれの画像も、被写体の形状を反映した画像でないことがある。
【0007】
例えば、点光源からの光がボケたように撮影される撮影シーンにおいては、本来、円形にボケた光源の写真が撮影されるべきである。しかし、特許文献1が開示する固体撮像素子で撮影した場合には、撮影される画像は、被写体の形状が反映されていない半円形や楕円形等の形状となってしまう。例えば、左目用画像における被写体は左半分が欠けており、右目用画像における被写体は右半分が欠けているというように、左目用画像と右目用画像とでは、画像として写る被写体の形状が異なって撮影される。その理由としては、撮像光学系の射出瞳から出た光束のうち、光軸を境にして、フォトダイオードが受光する光の領域が異なるためである。
【0008】
このような左目用画像と右目用画像の各データを、特許文献2に開示された技術で1つのファイルとして生成しても、画像再生の際に正しくない形状の2次元画像を表示せざるを得なくなるという問題が生じる。
そこで、本発明の目的は、立体視表示に用いる左目用画像および右目用画像のデータと、2次元表示に用いる正しい被写体形状の画像データを同一ファイルに記録することで再生画像の再現性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明に係る装置は、複数のマイクロレンズを有し、前記複数のマイクロレンズは、各マイクロレンズがそれぞれ複数の光電変換部に対応する撮像素子と、前記各マイクロレンズに対応する画素を構成する前記複数の光電変換部より出力される複数の画像信号を画素ごとにそれぞれ合成して合成画像データを生成する画像生成手段と、前記合成画像データと、前記複数の光電変換部のうちのいずれかより出力された画像信号で構成される画像データとを含む画像ファイルを生成する画像ファイル生成手段と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、立体視表示に用いる左目用画像および右目用画像のデータと、2次元表示に用いる正しい被写体形状の画像データを同一ファイルに記録することで再生画像の再現性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る撮像素子の全体構成を概略的に示す図である。
図2】撮像素子の画素の構成例を示す図である。
図3】撮影レンズの射出瞳から出た光束が撮像素子に入射する様子を表した概念図である。
図4】本発明の実施形態に係る撮像装置の構成例を示す図である。
図5】本発明の第1実施形態に係るファイル構造を例示する図である。
図6】本発明の第1実施形態におけるファイル生成処理例を示すフローチャートである。
図7】本発明の第2実施形態におけるファイル生成処理例を示すフローチャートである。
図8】本発明の第3実施形態に係るファイル構造を例示する図である。
図9】本発明の第3実施形態に係るファイル構造の別例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の実施形態の撮像装置に適用する撮像素子の構成例を概略的に示す図である。撮像素子100は、画素アレイ101と、画素アレイ101における行を選択する垂直選択回路102と、画素アレイ101における列を選択する水平選択回路104を含む。読み出し回路103は、画素アレイ101中の画素のうち垂直選択回路102によって選択される画素の信号を読み出す。読み出し回路103は、信号を蓄積するメモリ、ゲインアンプ、AD変換器等を列毎に有する。
【0013】
シリアルインターフェース(SI)部105は、各回路の動作モード等を外部回路からの指示に従って決定する。垂直選択回路102は、画素アレイ101の複数の行を順次選択し、読み出し回路103に画素信号を取り出す。また水平選択回路104は、読み出し回路103によって読み出された複数の画素信号を列毎に順次選択する。なお、撮像素子100は、図1に示す構成要素以外に、例えば、垂直選択回路102、水平選択回路104、読み出し回路103等にタイミング信号を提供するタイミングジェネレータや、制御回路等が存在するが、これらの詳細な説明は省略する。
【0014】
図2は、撮像素子100の画素の構成例を示す図である。図2(A)は1画素の構成を概略的に示す。図2(B)は画素アレイ101の配置を示す。図2(A)に示す画素201は、光学素子としてのマイクロレンズ202と、受光素子としての複数のフォトダイオード(以下、PDと略記する)を有する。
【0015】
図2(A)には、1画素に左側のPD203と右側のPD204の2個を設けた例を示すが、3個以上(例えば、4個または9個)のPDを用いてもよい。PD203は、受光した光束を光電変換して左目用画像信号を出力する。PD204は、受光した光束を光電変換して右目用画像信号を出力する。なお、画素201は、図示の構成要素以外にも、例えば、PD信号を読み出し回路103に取り出す画素増幅アンプや、行選択スイッチ、PD信号のリセットスイッチ等を備える。
【0016】
画素アレイ101は2次元画像を提供するため、図2(B)に示す複数の画素301から304のように、2次元アレイ状に配列して構成される。PD301L、302L、303L、304Lは、図2(A)中のPD203に相当する。また、PD301R、302R、303R、304Rは、図2(A)中のPD204に相当する。すなわち、本実施形態に用いる撮像素子は、各々が、左目用画像信号を出力する第1の光電変換部(PD203)と、右目用画像信号を出力する第2の光電変換部(PD204)とを有する複数の画素を備える。
【0017】
次に、図2(B)に示す画素構成を有する撮像素子100の受光について説明する。図3は撮影レンズの射出瞳から出た光束が撮像素子100に入射する様子を表した概念図である。
画素アレイ101は、マイクロレンズ202と、カラーフィルタ403と、PD404および405を有する。PD404、PD405は、図2(A)中のPD203、PD204にそれぞれ相当する。
【0018】
図3において、マイクロレンズ202に対して、撮影レンズの射出瞳406から出た光束の中心を光軸409とする。射出瞳406から出た光は、光軸409を中心として撮像素子100に入射する。一部領域407、408は、撮影レンズの射出瞳406の領域である。光線410、411は、一部領域407を通過する光の最外周の光線である。光線412、413は、一部領域408を通過する光の最外周の光線である。
【0019】
射出瞳406から出る光束のうち、光軸409を境界線として、図3の上側の光束はPD405に入射し、下側の光束はPD404に入射する。つまり、PD404とPD405は、各々、撮像光学系の射出瞳の異なる領域からの光束を受光する。このように各受光素子は射出瞳での異なる領域の光を検出するため、点光源からの光が暈けた状態で撮影される状況では、それぞれに異なった形状の撮影画像が得られることになる。
【0020】
図4は、本実施形態の撮像装置の構成例を示す図である。図4を参照して、図1に示す撮像素子100をデジタルカメラへ適用した例について説明する。
撮像光学系を構成するレンズ部501は、被写体からの光を撮像素子505に結像する。撮像素子505は、図1に示す撮像素子100に相当し、図2(B)に示す画素構成を有する。レンズ駆動装置502は、ズーム制御、フォーカス制御、絞り制御等を行う。メカニカルシャッタ503は、シャッタ駆動装置504によって制御される。撮像素子505は、レンズ部501により結像した被写体像を画像信号に変換する。撮像信号処理回路506は、撮像素子505の出力する画像信号に対して各種の処理(画素補間処理や色変換処理等)や補正を行う。タイミング発生部507は、撮像素子505や撮像信号処理回路506に必要なタイミング信号を出力する。
【0021】
システム制御部509は各種演算を行い、撮像装置全体を制御する制御手段であり、不図示のCPU(中央演算処理装置)がプログラムを解釈して実行することで各種の処理を行う。なお、システム制御部509は、左目用画像と右目用画像の各データを比較し、位相差検出を行ってAF(オートフォーカス)制御を行うことができる。
【0022】
メモリ部508は、画像データを一時的に記憶するメモリを備える。記録制御を行う記録媒体制御インターフェース部(以下、I/F部と略記する)510は、記録媒体511に画像データ等を記録し、または読み出すために設けられる。撮像装置に着脱可能な記録媒体511は、半導体メモリ等である。外部I/F部512は、コンピュータ機器等の外部装置との間でデータを送受し、ユーザは画像加工を行うことができる。また外部I/F部512に接続された不図示の操作部を用いて、ユーザはデジタルカメラに対する操作を行うことができる。
【0023】
画像合成回路513は撮像素子505から出力された画像データについて画素毎に加算平均処理を行い、また必要なPD信号のみを取得する処理を行う。図2を例にすると、各PDから出力される画素信号301L、301R、302L、302R、303L、303R、304L、304Rに対し、左側PDの出力のみを取り出したものを、(301L,302L,303L,304L)とする。また、右側PDの出力のみを取り出したもの(301R,302R,303R,304R)とする。左側PDおよび右側PDの各出力を加算平均した、((301L+301R)/2,(302L+302R)/2,(303L+303R)/2,(304L+304R)/2)から、合成画像データが作成される。尚、加算合成処理にて加算処理のみ行い、後処理で除算処理やダイナミックレンジの調整を行う形態でも構わない。
【0024】
圧縮伸長回路515は、メモリ部508に記憶した画像データを所定の画像圧縮方法(例えば、適応離散コサイン変換(ADCT)等)に従って画像圧縮する。また、圧縮伸長回路515は、画像圧縮された画像データをメモリ部508に書き込む機能、及びメモリ部508から読み出した画像データを伸長してメモリ部508に書き込む機能を有する。表示部516は、表示制御回路517からの表示用データに従って、各種情報や撮影画像を表示する。
撮像信号処理回路506は、撮像素子505が出力する撮像データを左目用画像と右目用画像の各データに振り分けて画像処理を行う。メモリ部508は、撮像信号処理回路506の出力データ、画像合成回路513によって生成された合成画像データ等を記憶する。
【0025】
次に、撮影時のデジタルカメラの動作について説明する。
撮像装置のメイン電源が投入されると、制御系回路部の電源がオン状態となり、更に撮像信号処理回路506等の撮像処理系回路の電源がオン状態となる。ユーザが図示しないレリーズボタンを操作すると、システム制御部509が撮像素子505からのデータに基づいて、焦点状態検出に係る演算を行い、撮像装置から被写体までの距離を算出する。その後、レンズ駆動装置502がレンズ部501の可動レンズを駆動し、システム制御部509は、合焦状態であるか否かを判定する。
【0026】
システム制御部509は、合焦状態でないと判定した場合、再びレンズ部501の駆動制御により、焦点状態の検出処理を実行する。なお、被写体までの距離を求める演算については、撮像素子505によるデータから算出する方法以外に、図示しない測距専用装置を用いて行う方法でも構わない。システム制御部509は、合焦状態と判定した後に撮影動作を開始させる。撮影動作が終了すると、撮像信号処理回路506は撮像素子505が出力した画像信号を処理し、システム制御部509は画像データをメモリ部508に書き込む制御を行う。
【0027】
撮像素子505が出力する撮像データについては、複数のPDからの画像信号として出力される。図2(B)に示す例では、PD301L、301R、302L、302R、303L、303R、304L、304Rの順に画像信号が出力される。撮像信号処理回路506は、撮像素子505の出力する撮像データを左目用画像データと右目用画像データに振り分けて画像処理を行う。左目用画像データは、図2(B)における左側PD301L、302L、303L、304L等の出力のみを選択して処理した結果得られる画像データである。また、右目用画像データは、図2(B)における右側PD301R、302R、303R、304R等の出力のみを選択して処理した結果得られる画像データである。左目用画像データと右目用画像データとは、別々にメモリ部508に保持される。
【0028】
画像合成回路513は、メモリ部508に保持した左目用画像と右目用画像の各データを読み出して合成画像データを生成する。生成された合成画像データはメモリ部508に格納される。画像合成回路513によって実行される画像処理は、左目用画像と右目用画像について画素毎の加算平均値を算出する処理である。従って、この画像処理によって生成される合成画像は、被写体の形状を反映した画像となる。つまり、撮像素子505にて、左目用画像と右目用画像とで被写体の形状が異なって撮影された場合でも、画像合成回路513の画像処理によって被写体像の形状が補間されるため、正しい形状の画像データが生成される。例えば、被写体の形状が円形状であって、左目用画像と右目用画像では円形状でない場合でも、合成画像では被写体の形状と同じ円形状となる。
【0029】
なお、図4に示す構成例では、撮像素子505による画像データを左目用画像データと右目用画像データに分ける処理を撮像信号処理回路506が行い、両画像データの合成処理を画像合成回路513が行っている。これに限らず、撮像信号処理回路506が、画像処理を行った後の左目用画像と右目用画像の各データを合成する構成でもよい。
【0030】
メモリ部508には、左目用画像と右目用画像、および画像合成回路513によって生成された合成画像の各データが蓄積される。システム制御部509は、記録媒体制御I/F部510を介して、半導体メモリ等の着脱可能な記録媒体511にデータを記録させる制御を行う。あるいは、外部I/F部512を介してコンピュータ等の外部機器に画像データを出力することでユーザは画像加工を行うことができる。
【0031】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について説明する。第1実施形態では、左右のPD、つまり全PDのRAW画像データを撮像信号処理回路506に入力した場合に合成画像データ、右目用画像データ、および左目用画像データをそれぞれ出力可能なシステム構成を有する。RAW画像とは、撮像素子505による各画素のデータから得られる画像であって現像処理等の画像加工を行う前の画像を意味する。
【0032】
図5は、本実施形態における画像データのファイル構造を例示する。画像データファイル600は、デジタルカメラにおいて汎用的に使用されているDCF画像データファイルとする。DCF(Design rule for Camera File system)とは、デジタルカメラにおいて画像データを共通の仕様で扱うための画像ファイル形式である。
画像データファイル600は、DCFヘッダ部610、サムネイル画像部620およびJPEG画像部630の各領域を有する。JPEGは、“Joint Photographic Experts Group”の略号である。
【0033】
DCFヘッダ部610はDCFヘッダ情報を格納する領域であって、予め所定のデータサイズが与えられている。DCFヘッダ情報には、以下の付帯情報、および各画像データを格納する領域を特定するためのオフセット情報が含まれる(括弧内は符号を示す)。
・メタデータA(611):JPEG画像部630に格納される画像データに関連する撮影情報やパラメータ等。
・オフセット値B(612):合成サムネイル画像部621の先頭位置までのオフセットデータ。
・オフセット値C(613):左目用サムネイル画像部622の先頭位置までのオフセットデータ。
・オフセット値D(614):右目用サムネイル画像部623の先頭位置までのオフセットデータ。
・オフセット値E(615):合成JPEG画像部631の先頭位置までのオフセットデータ。
・オフセット値F(616):左目用JPEG画像部632の先頭位置までのオフセットデータ。
・オフセット値G(617):右目用JPEG画像部633の先頭位置までのオフセットデータ。
オフセット値BないしGはDCFヘッダ部610の基準位置から算出される各画像部までの相対位置情報であり、これらの値により、画像ファイル内における各画像データの開始位置が特定される。
【0034】
サムネイル画像部620は、JPEG画像部630に格納されているJPEG画像データ等を間引いてリサイズしたサムネイル画像データを格納する領域である。サムネイル画像データは、例えば、表示部516の画面上に複数枚の縮小画像表示(インデックス表示)を行う際等に利用される。
合成サムネイル画像部621には、2D表示に使用するサムネイル画像データが記録される。左目用サムネイル画像部622と右目用サムネイル画像部623には、3D表示に使用するサムネイルの左目用画像と右目用画像のデータがそれぞれ記録される。
【0035】
JPEG画像部630は、RAW画像データを画像処理した後で圧縮伸長回路515により圧縮して得たJPEG画像データを格納する領域である。この画像データは一般の多くのアプリケーションで扱うことが可能なデータである。合成JPEG画像部631は、2D表示に使用するJPEG画像データが記録される。左目用JPEG画像部632と右目用JPEG画像部633には、3D表示に使用するJPEGの左目用画像と右目用画像のデータがそれぞれ記録される。
以上に説明したファイル構造は一例であって、画像編集等の各種用途に応じて各画像部の配置順序を変更したファイル構造にしてもよい。
【0036】
図6は、デジタルカメラのDCFファイル生成処理についての基本的なフローチャートを示す。
S700で処理が開始すると、次のS701では撮像素子505から読み出した右側PDと左側PDを併せた全PDのRAWデータがメモリ部508上に展開され、S702へ進む。S702にて、メモリ部508上のRAW画像データに対し、RAW画像用の現像パラメータを用いて撮像信号処理回路506が現像処理を行い、出力された画像データがメモリ部508に配置されて、S703へ進む。RAW画像については、全てのPDから読み出した信号が用いられるため、前述した点光源の光が暈けた状態で撮影される被写体に対しても正しい形状の画像データとして認識できる。ここでは便宜上、右側PDと左側PDを併せた全てのPDを用いて加算合成により生成された画像のことを合成画像と呼ぶことにする。RAW画像に対して合成RAW画像、JPEG画像に対して合成JPEG画像、サムネイル画像に対して合成サムネイル画像という。なお、加算合成には加算平均処理も含むものとする。
【0037】
S703では、S702で得た合成RAW画像データが撮像信号処理回路506へ入力され、JPEG画像用の現像パラメータを用いて現像処理が行われる。さらに所定方式での画像圧縮によって、合成JPEG画像と合成サムネイル画像のデータが生成され、S704へ進む。S704は2D用画像ファイルと3D用画像ファイルのどちらを生成するかの判定処理である。3D用画像ファイルを生成する場合、S705へ進み、2D用画像ファイルを生成する場合、S709に進む。なお、ここで定義する3D用画像ファイルとは、3D表示用画像と2D表示用画像の両方を扱うことが可能な形式のファイルのことである。
【0038】
S705では、S701で得た全PDのRAWデータが撮像信号処理回路506へ入力され、右側PDに対応するRAW画像データが抽出される。抽出したRAW画像データに対してRAW画像用の現像パラメータを用いて、撮像信号処理回路506は現像処理を行い、メモリ部508へ右目用のRAW画像データを出力し、S706へ進む。S706ではメモリ部508に展開された右目用RAW画像データが撮像信号処理回路506へ入力され、JPEG画像用の現像パラメータを用いて現像処理が行われる。さらに所定方式での画像圧縮によって、右目用JPEG画像と右目用サムネイル画像の各データが生成され、S707へ進む。
【0039】
S707では、S701で得た全PDのRAWデータが撮像信号処理回路506へ入力され、左側PDに対応するRAW画像データが抽出される。抽出したRAW画像データに対してRAW画像用の現像パラメータを用いて、撮像信号処理回路506は現像処理を行い、メモリ部508へ左目用RAW画像データを出力し、S708へ進む。S708にて、メモリ部508に展開された左目用RAW画像データが撮像信号処理回路506へ入力され、JPEG画像用の現像パラメータを用いて現像処理が行われる。さらに所定方式での画像圧縮によって、左目用JPEG画像と左目用サムネイル画像の各データが生成され、S709へ進む。
【0040】
S709において、撮影時のシャッタースピードや露出時間等を示す情報が、メタデータA(図5の611参照)として設定される。次に、本ステップまでに生成されている各画像のデータサイズに基づいて、各画像部までのオフセット値BないしG(図5の612ないし617参照)が計算され、それらの値が設定される。こうして、メタデータAとオフセット値BないしGを含むDCFヘッダ部610のデータがメモリ部508上に作成され、S710へ進む。S710にて、S709で作成したDCFヘッダ部610と各JPEG画像およびサムネイル画像のデータは、図5で説明した構造のDCFファイルとして1つに結合され、DCFファイル生成処理が終了する。
【0041】
一方、S704で2D用画像ファイルを生成することが判定された場合には、S709へ進む。S709では、撮影情報やパラメータ等のメタデータA(図5の611参照)の設定と、各合成画像までのオフセット値B(612参照)およびE(615参照)が計算されて設定が行われる。ここで、右目用画像および左目用画像までのオフセット値C(613参照)、D(614参照)、F(616参照)、G(617参照)については、画像データファイル600に該当の画像が含まれないことを示す所定値(例えば、“0”)が設定される。あるいは、各オフセット値の項目自体を画像ファイルに記録しない方法を採用する場合、当該項目に対応する領域のないDCFヘッダ部610が作成され、S710へ進む。S710にて、DCFヘッダ部610のデータ、合成JPEG画像および合成サムネイル画像の各データからDCFファイルが生成されて、一連のDCFファイル生成処理が終了する。なお、2D表示用ファイルの構造については従来のDCFファイルと同じであるため、詳細な説明を省略する。
【0042】
第1実施形態では、撮像素子における全てのPDの出力から右目用画像および左目用画像と、これらの加算合成による合成画像の各データを生成することで、2次元表示用画像として正しい被写体形状の画像データをファイルに記録できる。すなわち、被写体を異なる方向から捉えた左目用および右目用の各画像データと併せて、加算合成によって正しい被写体形状を再現する合成画像データを含むファイルが得られる。
【0043】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態では、右側PDと左側PDの各RAWデータをそれぞれ撮像信号処理回路506に入力して、右目用画像データ、左目用画像データを出力する。右目用画像データと左目用画像データは画像合成回路513により合成画像データとして出力される。なお、第2実施形態におけるファイル構造は、第1実施形態の場合と同様である(図5参照)。
【0044】
図7は、第2実施形態におけるDCFファイル生成処理について基本的なフローチャートを示す。
S800で処理が開始すると、次のS801では、撮像素子505から読み出した、右側PDと左側PDによるRAWデータがメモリ部508上に展開され、S802へ進む。S802にて、メモリ部508上の右側PDのRAWデータが抽出され、RAW画像用の現像パラメータを用いて撮像信号処理回路506が現像処理を行う。出力された右目用RAW画像データはメモリ部508に配置され、S803へ進む。S803にて、メモリ部508上の左側PDによるRAWデータが抽出され、RAW画像用の現像パラメータを用いて撮像信号処理回路506が現像処理を行う。出力された左目用RAW画像データはメモリ部508に配置され、S804へ進む。
【0045】
S804では、右目用RAW画像データと左目用RAW画像データが画像合成回路513に入力される。画像合成回路513は両RAW画像データに対して画素毎の加算平均処理を行って合成RAW画像データを生成し、メモリ部508上に配置してS805へ進む。加算合成処理された画像データは被写体形状に係る補間処理が施されるため、前述した点光源の光が暈けた状態で撮影される被写体に対しても正しい形状の画像データとして認識できる。S805では、S804で得た合成RAW画像データが撮像信号処理回路506へ入力され、JPEG画像用の現像パラメータを用いて現像処理が行われる。さらに所定方式での画像圧縮によって合成JPEG画像と合成サムネイル画像の各データが生成され、S806へ進む。
【0046】
S806は、2D用画像ファイルと3D用画像ファイルのどちらを生成するかについての判定処理である。3D用画像ファイルを生成する場合には、S807へ進み、2D用画像ファイルを生成する場合には、S809に進む。S807では、S802で得た右目用RAW画像データが撮像信号処理回路506へ入力され、JPEG画像用の現像パラメータを用いて現像処理が行われる。さらに所定方式での画像圧縮によって右目用JPEG画像と右目用サムネイル画像の各データが生成され、S808へ進む。
【0047】
S808では、S803で得た左目用RAW画像データが撮像信号処理回路506へ入力され、JPEG画像用の現像パラメータを用いて現像処理が行われる。さらに所定方式での画像圧縮によって左目用JPEG画像と左目用サムネイル画像の各データが生成され、S809へ進む。S809では、撮影時のシャッタースピードや露出時間等の情報が、メタデータA(図5の611参照)として設定される。次に、本ステップまでに生成された各画像のデータサイズに基づき、各画像までのオフセット値BないしG(図5の612ないし617参照)が計算されて設定が行われる。こうして、撮影情報のメタデータAとオフセット値BないしGを含むDCFヘッダ部610のデータがメモリ部508上に作成されて、S810へ進む。S810では、S809で作成したDCFヘッダ部610のデータと、各JPEG画像およびサムネイル画像のデータを用いて、図5で説明した構造のDCFファイルとして1つに結合する処理が実行され、DCFファイル生成処理が終了する。
【0048】
一方、S806の判定処理で2D用画像ファイルを生成することが判定された場合には、S809へ進む。S809では、撮影情報やパラメータ等のメタデータA(図5の611参照)の設定と、各合成画像までのオフセット値B(612参照),E(615参照)が計算されて設定が行われる。ここで、オフセット値C(613参照)、D(614参照)、F(616参照)、G(617参照)については、各画像が画像データファイル600に含まれないことを示す所定値が設定される。あるいは、オフセット値の項目自体を画像ファイルに記録せずにDCFヘッダ部610が作成され、S810へ進む。
【0049】
以上のように、第2実施形態では、右側PDと左側PDを用いて右目用画像と左目用画像のデータをそれぞれ生成し、両画像データをもとに合成画像データを生成することで、2次元表示用画像として正しい被写体形状となる画像データをファイルに記録可能である。
【0050】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態では、合成画像データ並びに右目用画像データおよび左目用画像データとともに、RAW画像データを同一ファイルに内包させる。
図8は、本実施形態における画像データのファイル構造を例示する。画像データファイル900はRAWヘッダ部910、サムネイル画像部920、表示用JPEG画像部930、RAW画像部940の各領域からなる。
【0051】
RAWヘッダ部910はRAWヘッダ情報を格納する領域であって、予め所定のデータサイズが与えられている。RAWヘッダ情報には、以下の付帯情報、および各画像データを格納する領域を特定するためのオフセット情報が含まれる(括弧内は符号を示す)。
・メタデータA(911):RAW画像部940に格納される画像データに関連する撮影情報やパラメータ等。
・オフセット値B(912):合成サムネイル画像部921の先頭位置までのオフセットデータ。
・オフセット値C(913):左目用サムネイル画像部922の先頭位置までのオフセットデータ。
・オフセット値D(914):右目用サムネイル画像部923の先頭位置までのオフセットデータ。
・オフセット値E(915):2D表示用JPEG画像部931の先頭位置までのオフセットデータ。
・オフセット値F(916):左目への表示用JPEG画像部932の先頭位置までのオフセットデータ。
・オフセット値G(917):右目への表示用JPEG画像部933の先頭位置までのオフセットデータ。
・オフセット値H(918):左目用RAW画像部941の先頭位置までのオフセットデータ。
・オフセット値I(919):右目用RAW画像部942の先頭位置までのオフセットデータ。
オフセット値BないしIにより、画像ファイル内における各画像データの開始位置が特定される。
【0052】
サムネイル画像部920は、表示用JPEG画像部930に格納されているJPEG画像等を間引いてリサイズしたサムネイル画像データを格納する領域である。サムネイル画像データは、例えばパーソナルコンピュータ等の外部装置の画像表示部に複数枚の縮小画像を表示させるインデックス表示の際等に利用される。
合成サムネイル画像部921には、2D表示に使用するサムネイル画像データが記録される。左目用サムネイル画像部922と右目用サムネイル画像部923には、3D表示に使用するサムネイルの左目用画像と右目用画像の各データがそれぞれ記録される。
【0053】
表示用JPEG画像部930は、RAW画像部940に格納されたRAW画像データを所定の圧縮方式で処理したJPEG画像データを格納する領域である。JPEG画像データは一般に、画像確認の参照等に用いられ、多くのアプリケーションで扱うことが可能である。2D表示用JPEG画像部931は、2D表示に使用するJPEG画像データが記録される。表示用JPEG画像部932および933には、3D表示に使用する表示用JPEGの左目用画像と右目用画像のデータがそれぞれ記録される。
【0054】
RAW画像部940は、撮像素子505から劣化を伴わずに出力したRAW画像データを格納する領域である。RAW画像データはパーソナルコンピュータ等の外部装置によって画像の再現処理(現像)を行えるので、高品質のプリントやユーザの目的に合致したより高度な画像編集が可能である。反面、RAW画像はデータ量が多く、画像表示等には適さないので、実際に3D表示を行う際には表示用JPEG画像部930の画像データが用いられる。よって、RAW画像部940には、データ量を抑えるために素材としてのRAWデータのみを記録すればよい。本実施形態では、左側PDから得られるRAW画像データが左目用RAW画像部941に記録され、右側PDから得られるRAW画像データが右目用RAW画像部942に記録される。
【0055】
また、図9に別例として示すファイル構造の場合、RAW画像部940には、右目用と左目用に分割していない、全PDから得られるRAW画像データが記録される。つまり、RAW画像部940に記録されたRAW画像データは、その後に選別されて3D表示用の画像データに加工される。例えば、パーソナルコンピュータ等の外部装置はRAW画像部940からRAW画像データを取得して、右目用と左目用の各画像データを分離し、現像処理を行うことで3D表示用の画像データを生成することができる。なお、この場合、オフセット値はBからHまでとなり、オフセット値HはRAW画像部940の先頭位置までのオフセットデータである。
【0056】
次に、本実施形態におけるRAWファイル生成処理について説明する。
RAWファイル生成処理は第1実施形態および第2実施形態で説明したDCFファイル生成と同様に行われる。即ち、図6図7で説明した処理に従って、各画像部921ないし923、931ないし933、941および942、あるいは940に格納する画像データがそれぞれメモリ部508上に配置される。その後、撮影情報やパラメータ等のメタデータA(911参照)が作成され、各画像部までのオフセット値BないしI(912ないし919参照)が計算されて設定が行われることにより、RAWヘッダ部910が作成される。このRAWヘッダ部910と各画像データに基づき、図8または図9に示すファイル構造の画像ファイルとして1つに結合する処理が実行され、ファイル生成処理が終了する。
以上のように、本実施形態では2D表示用の画像データとして正しい被写体形状となる画像データと、画像加工前のRAW画像データを含むファイルを生成することができる。
【0057】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、画像編集等の用途に応じて各画像データの配置順序を変更したファイル構造でもよい。例えばサムネイル画像を立体視表示に使用しない場合には、左目用画像および右目用画像の各データを省略して合成画像データのみをファイルに記録してもよく、ファイル構造については種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0058】
501 レンズ部
505 撮像素子
506 撮像信号処理回路
509 システム制御部
510 記録媒体制御I/F部
511 記録媒体
513 画像合成回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9