特許第6053298号(P6053298)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6053298
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】眼科装置及び眼科装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/14 20060101AFI20161219BHJP
【FI】
   A61B3/14 A
   A61B3/14 G
【請求項の数】29
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-51451(P2012-51451)
(22)【出願日】2012年3月8日
(65)【公開番号】特開2013-183910(P2013-183910A)
(43)【公開日】2013年9月19日
【審査請求日】2015年3月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100096943
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100128668
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 正巳
(74)【代理人】
【識別番号】100134393
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 克彦
(74)【代理人】
【識別番号】100174230
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 尚文
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 尚平
【審査官】 宮川 哲伸
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−317626(JP,A)
【文献】 特開平10−179522(JP,A)
【文献】 特開2007−330331(JP,A)
【文献】 特開2001−142347(JP,A)
【文献】 特開2007−048512(JP,A)
【文献】 特開2003−079578(JP,A)
【文献】 特開2010−259531(JP,A)
【文献】 特開平06−047000(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 3/00 − 3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自発蛍光撮影時に発光する撮影光源と、
前記撮影光源からの光の光量を検知する光量検知手段と、
前記撮影光源の発光時間が所定の発光時間に達している際に、前記光量検知手段により検知された前記光量と関連した評価値を取得する取得手段と、
前記取得された評価値と、前記自発蛍光撮影時に必要な光量と関連した基準評価値と、に基づいて、前記撮影光源の状態を判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に基づいて、前記撮影光源の状態を表示手段に表示させる表示制御手段と、
を有することを特徴とする眼科装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記撮影光源の状態を示す表示形態を選択して前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
【請求項3】
前記撮影光源の発光時間は、発光の開始から前記光量検知手段が検知した光量が所定の光量に達するまでの時間であることを特徴とする請求項1又は2に記載の眼科装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記評価値に応じて前記撮影光源の劣化を示す表示形態を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の眼科装置。
【請求項5】
前記評価値、及び被検眼を撮影する複数の撮影モードのうち自発蛍光撮影モードが選択されたこと、に応じて前記自発蛍光撮影を禁止する撮影禁止手段を有し、
前記表示制御手段が、前記自発蛍光撮影の禁止を示す表示形態を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の眼科装置。
【請求項6】
前記判定手段は、前記撮影光源の発光毎に該撮影光源の発光時間を記録手段に記録させる記録制御手段と、
前記撮影光源の発光時間に基づいて該撮影光源の劣化状態の段階を示す劣化度を検出する検出手段と、
を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の眼科装置。
【請求項7】
前記光量検知手段が検知した光量が所定の光量に達した場合に、前記撮影光源の発光を停止する撮影光源の制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の眼科装置。
【請求項8】
観察用光源と、
前記撮影光源からの光を照射した被検眼からの戻り光を受光する受光手段と、
前記受光手段の受光結果に基づいて、前記所定の光量を決定する光量決定手段と、
を有することを特徴とする請求項7に記載の眼科装置。
【請求項9】
前記判定手段は、前記撮影光源の発光毎に該撮影光源の発光時間を記録手段に記録させる記録制御手段と、前記撮影光源の発光時間に基づいて該撮影光源の劣化状態の段階を示す劣化度を検出する検出手段と、を有し、
前記検出手段は、前記撮影光源の発光開始から基準時間までの間に前記光量検知手段が測定した前記光量を撮影毎に前記評価値として記録しており、前記評価値に基づいて前記劣化度を検出することを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
【請求項10】
前記判定手段は、前記撮影光源の発光毎に該撮影光源の発光時間を記録手段に記録させる記録制御手段と、前記撮影光源の発光時間に基づいて該撮影光源の劣化状態の段階を示す劣化度を検出する検出手段と、を有し、
前記検出手段は、前記撮影光源の発光開始から基準光量に達するまでの時間を撮影毎に前記評価値として記録しており、前記評価値に基づいて前記劣化度を検出することを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
【請求項11】
前記撮影光源の発光時間と前記光量検知手段の光量検知結果との関係から、前記撮影光源の不発光を検出する、不発光検出手段を有することを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の眼科装置。
【請求項12】
前記撮影光源の発光の開始から、基準時間までの間に撮影光量が基準光量に達しない場合、撮影光源が前記不発光を起こしていると判定する不発光判定手段を有することを特徴とする請求項11に記載の眼科装置。
【請求項13】
前記不発光の検出時に撮影が失敗したことを操作者に通知する失敗通知手段を有することを特徴とする請求項11又は12に記載の眼科装置。
【請求項14】
前記不発光の記録と、前記撮影光源の発光時間に基づいた該撮影光源の劣化状態の段階を示す劣化度とから、前記撮影光源の劣化状態を判定する劣化状態判定手段を有することを特徴とする請求項11乃至13の何れか一項に記載の眼科装置。
【請求項15】
前記判定される状態は、前記撮影光源が自発蛍光撮影を可能であるか否かを含むことを特徴とする請求項1乃至14の何れか一項に記載の眼科装置。
【請求項16】
前記判定される状態は、前記撮影光源の劣化状態の段階を示す劣化度であることを特徴とする請求項1乃至14の何れか一項に記載の眼科装置。
【請求項17】
前記判定手段は、前記評価値と過去に取得した複数の前記評価値とに基づいて前記撮影光源の状態を判定することを特徴とする請求項1乃至16の何れか一項に記載の眼科装置。
【請求項18】
前記撮影光源はカラー撮影時にも発光し、
前記自発蛍光撮影時に必要な光量は、前記カラー撮影時に必要な光量よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至17の何れか一項に記載の眼科装置。
【請求項19】
前記判定手段は、前記取得された評価値と、前記自発蛍光撮影時に必要な光量と関連した基準評価値と、を比較することにより、前記撮影光源の状態を判定することを特徴とする請求項1乃至18の何れか一項に記載の眼科装置。
【請求項20】
自発蛍光撮影時に発光する撮影光源と、
前記撮影光源からの光の光量を検知する光量検知手段と、
前記撮影光源の発光時間が所定の発光時間に達している際に、前記光量検知手段により検知された前記光量と関連した評価値を取得する取得手段と、
前記取得された評価値と、前記自発蛍光撮影時に必要な光量と関連した基準評価値と、を比較する比較手段と、
前記評価値が前記基準評価値より低い場合は、撮影失敗を示す表示を表示手段に表示させる表示制御手段と、
を有することを特徴とする眼科装置。
【請求項21】
撮影光源と、
前記撮影光源からの光の光量を検知する光量検知手段と、
前記撮影光源の発光時間が所定の発光時間に達している際に、前記光量検知手段により検知された前記光量と関連した評価値を取得する取得手段と、
前記取得された評価値に基づき、前記撮影光源が不発光を起こしていると判定する不発光判定手段と、
前記不発光判定手段の判定結果により、所定回数以上、不発光と判定された場合には、光源の交換を促す表示を表示手段に表示させる表示制御手段と、
を有することを特徴とする眼科装置。
【請求項22】
自発蛍光撮影時に発光する撮影光源からの光の光量を検知する光量検知工程と、
前記撮影光源の発光時間が所定の発光時間に達している際に、前記光量検知工程により検知された前記光量と関連した評価値を取得する取得工程と、
前記取得された評価値と、前記自発蛍光撮影時に必要な光量と関連した基準評価値と、に基づいて、前記撮影光源の状態を判定する判定工程と、
前記判定工程での判定結果に基づいて、前記撮影光源の状態を表示手段に表示させる表示工程と、
を有することを特徴とする眼科装置の制御方法。
【請求項23】
前記表示工程において、前記撮影光源の劣化状態の段階を示す状態を示す表示形態を選択して前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項22に記載の眼科装置の制御方法。
【請求項24】
前記判定される状態は、前記撮影光源が自発蛍光撮影を可能であるか否かを含むことを特徴とする請求項22に記載の眼科装置の制御方法。
【請求項25】
前記判定される状態は、前記撮影光源の劣化状態の段階を示す劣化度であることを特徴とする請求項22に記載の眼科装置の制御方法。
【請求項26】
前記判定工程において、前記評価値と過去に取得した複数の前記評価値とに基づいて前記撮影光源の状態を判定することを特徴とする請求項22に記載の眼科装置の制御方法。
【請求項27】
自発蛍光撮影時に発光する撮影光源からの光の光量を検知する光量検知工程と、
前記撮影光源の発光時間が所定の発光時間に達している際に、前記光量検知工程により検知された前記光量と関連した評価値を取得する取得工程と、
前記取得された評価値と、前記自発蛍光撮影時に必要な光量と関連した基準評価値と、を比較する比較工程と、
前記評価値が前記基準評価値より低い場合は、撮影失敗を示す表示を表示手段に表示させる表示制御工程と、
を有することを特徴とする眼科装置の制御方法。
【請求項28】
撮影光源からの光の光量を検知する光量検知工程と、
前記撮影光源の発光時間が所定の発光時間に達している際に、前記光量検知工程により検知された前記光量と関連した評価値を取得する取得工程と、
前記取得された評価値に基づき、前記撮影光源が不発光を起こしていると判定する不発光判定工程と、
前記不発光判定工程の判定結果により、所定回数以上、不発光と判定された場合には、光源の交換を促す表示を表示手段に表示させる表示制御工程と、
を有することを特徴とする眼科装置の制御方法。
【請求項29】
請求項22乃至28の何れか一項に記載の眼科装置の制御方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検眼の撮影時に撮影光量の制御を行う眼科装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の眼底カメラなどの眼科装置では被検眼の眼底を撮影するための光源に、キセノン管等の光源を使用している。このような光源を撮影光源とする場合は一般的に、撮影時、撮影光の一部をフォトダイオード等の受光素子で受光し、受光素子からの出力をオペアンプとコンデンサにより構成される積分回路により積分を行う。積分回路からの出力と基準電圧を比較し基準電圧以上になった場合に発光を停止させることで光量が一定値になるように制御している。
【0003】
また、上記のような光源は、一般的に経時劣化することが知られている。劣化は、撮影時の不発光や、劣化前と同じ電流、電圧を印加しているにも関わらず光量が低下してしまう光量劣化という形で顕在化する。不発光は撮影失敗を引き起こし、経時使用でその頻度が増加する。光量劣化は、一度劣化すると経時使用でその後も劣化を続け、大光量が必要な撮影(自発蛍光撮影等)ができなくなってしまう。
【0004】
その対策として、撮影毎に発光開始から発光停止までの発光エネルギーを計測する手段を有し、その積算エネルギー、つまり光源がどれだけ使用されたかというデータから、光源の劣化状態を検出するものが知られている。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−47000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のような装置には、積算発光エネルギーに対する、光源の劣化状態を示す正確なモデルが必要となる。しかしながら、一般的にキセノン管等の発光光源は、製造工程上、その品質に大きなばらつきがあることが知られている。また、光源の劣化状態は発光エネルギー以外にも、未使用時の経時変化、保管、使用環境等、様々な要因に左右される複雑系であり、発光エネルギーのみから劣化状態を予測可能な、正確な劣化モデルを作成することは非常に困難であると考えられる。
【0007】
モデルから予測される劣化状態と実際の状態に相違がある場合、検出が行われずに機能自体に意味がなくなるだけでなく、劣化していないにも関わらず劣化していると判定され、使用者が光源を新しいものに交換してしまう等、悪影響を及ぼす可能性さえある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る眼科装置は、
自発蛍光撮影時に発光する撮影光源と、
前記撮影光源からの光の光量を検知する光量検知手段と、
前記撮影光源の発光時間が所定の発光時間に達している際に、前記光量検知手段により検知された前記光量を評価値として取得する取得手段と、
前記取得された評価値と、前記自発蛍光撮影時に必要な光量と関連した基準評価値と、に基づいて、前記撮影光源の状態を判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に基づいて前記撮影光源の状態を表示手段に表示させる表示制御手段と、
を有することを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る眼科装置の制御方法は、
自発蛍光撮影時に発光する撮影光源からの光の光量を検知する光量検知工程と、
前記撮影光源の発光時間が所定の発光時間に達している際に、前記光量検知工程により検知された前記光量を評価値として取得する取得工程と、
前記取得された評価値と、前記自発蛍光撮影時に必要な光量と関連した基準評価値と、に基づいて、前記撮影光源の状態を判定する判定工程と、
前記判定工程での判定結果に基づいて前記撮影光源の状態を表示手段に表示させる表示工程と、
を有することを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る眼科装置は、
自発蛍光撮影時に発光する撮影光源と、
前記撮影光源からの光の光量を検知する光量検知手段と、
前記撮影光源の発光時間が所定の発光時間に達している際に、前記光量検知手段により検知された前記光量と関連した評価値を取得する取得手段と、
前記取得された評価値と、前記自発蛍光撮影時に必要な光量と関連した基準評価値と、を比較する比較手段と、
前記評価値が前記基準評価値より低い場合は、撮影失敗を示す表示を表示手段に表示させる表示制御手段と、
を有することを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る眼科装置は、
撮影光源と、
前記撮影光源からの光の光量を検知する光量検知手段と、
前記撮影光源の発光時間が所定の発光時間に達している際に、前記光量検知手段により検知された前記光量と関連した評価値を取得する取得手段と、
前記取得された評価値に基づき、前記撮影光源が不発光を起こしていると判定する不発光判定手段と、
前記不発光判定手段の判定結果により、過去に所定回数以上、不発光と判定された場合には、光源の交換を促す表示を表示手段に表示させる表示制御手段と、
を有することを特徴とする
【発明の効果】
【0009】
本発明の眼科装置は、撮影光量と発光時間の関係を、光源の劣化状態を示すデータとして蓄積し、その経時変化から光源の劣化状態を評価する。劣化状態を撮影毎に実測することになるため、上記(特許文献1)のような装置で行う劣化状態予測において、誤差要因であった光源自体の個体差、未使用時の経年劣化、保管、使用環境による劣化の違い等に影響されず、光源の劣化状態を知ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】眼底カメラの構成図
図2】キセノン管駆動回路と光量検出部の電気回路図
図3】発光時間、積分回路出力と劣化評価値の関係(実施例1)
図4】正常時、及び不発光時の積分回路出力電圧波形
図5】光源劣化状態判定チャート(実施例1)
図6】撮影フローチャート
図7】発光時間、積分回路出力と劣化評価値の関係(実施例2)
図8】光源劣化状態判定チャート(実施例2)
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施例1]
本発明を図1図7に図示の一実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は、実施例における眼底カメラの構成図を示している。該眼底カメラは、赤外観察用光源の赤外LED1、可視光を発光する撮影用光源キセノン管3、赤外LED1の先にリング状の開口を有する絞り2、キセノン管3の先にリング状の開口を有する絞り4および、赤外光を透過し可視光を反射するダイクロイックミラー5を有する。これらは、キセノン管3から対物レンズ10にいたる光路上にこの記載順序で配置される。ダイクロイックミラー5の先には、リレーレンズ6、ミラー7、リレーレンズ8、孔あきミラー9が順次に配列され、眼底照明光学系O1を構成する。絞り4とダイクロイックミラー9の間には自発蛍光撮影用の励起フィルタ48が配置されており、不図示の駆動系により光軸外に退避可能でカラー撮影時は光軸外に退避させる。なお、該キセノン管3は、本発明における撮影光源に対応する。
【0012】
ミラー7の反射方向には、絞り11、レンズ12、合焦用指標13、合焦用指標光源である赤外LED14が配置されており、合焦用指標投影光学系O3を構成する。
また合焦用指標投影光学系O3は、合焦レンズ15と連動して図中Aの方向へ動く。静止画撮影時には、不図示の駆動系により図中Bの方向へ動き照明光学系O1上から退避される。
【0013】
孔あきミラー9の透過方向の光路上には、合焦レンズ15、撮影レンズ16、撮像手段17が配列され、眼底撮影光学系O2を構成しており撮像手段17の出力は画像信号処理部19、表示器20へ順次接続されている。孔あきミラー9には光ファイバ21を通じて位置合わせ指標用光源である赤外LED22が接続されている。孔あきミラー9と合焦レンズ15の間には自発蛍光撮影用の阻止フィルタ49が配置されており不図示の駆動系により光軸外に退避可能でカラー撮影時は光軸外に退避させる。
【0014】
キセノン管3の後方に光量検出部28が配置され、絞り27を通じてキセノン管3からの発光光束の一部が受光可能である。
【0015】
赤外LED1はLED駆動回路23へ、撮影用キセノン管3はキセノン管駆動回路24へ、赤外発光LED14はLED駆動回路25へ、赤外LED22はLED駆動回路26へとそれぞれ接続されている。LED駆動回路23、キセノン管駆動回路24、LED駆動回路25、LED駆動回路26、光量検出部28、撮像手段17、画像信号処理部19、操作部30、記録部31、メモリ47はCPU29へ接続されている。
【0016】
また、撮像手段17の各画素上にはR(赤)、G(緑)、B(青)の3色のモザイク状に配置されたフィルタ18が配置されておりRのフィルタは赤から赤外光を透過可能である。各画素はR、G、Bのいずれかの光に感度を有し、さらにRの画素は赤外光にも感度を有する。
【0017】
赤外観察時、画像信号処理部19はRの画素の出力を用いてモノクロの動画データを生成し表示部20に動画を出力する。またカラー撮影時、画像信号処理部19はR、G、Bの各画素の出力を用いてカラー静止画を生成し、自発蛍光撮影時は、画像信号処理部19はR、G、Bの各画素の出力を用いて画像処理によりモノクロ静止画を生成しCPU29を介して記録部31に記録する。
【0018】
図2はキセノン管駆動回路24と光量検出部28の電気回路の構成図である。キセノン管駆動回路24はIGBT32、メインコンデンサ35、電源36、抵抗37、トリガー用コンデンサ34、トリガートランス33により構成されており、メインコンデンサ35は電源36により高電圧(例えば300V)に充電されている。トリガー用コンデンサ34も抵抗37を通じて充電されている。この回路構成でCPU29がXe_ON信号をHiとするとIGBT32がONし、まずトリガー用コンデンサ34の電荷が放電されトリガートランス33の左側の巻線に電流が流れることで右側の巻線に高電圧が発生しキセノン管3にトリガーがかかる。また、メインコンデンサ35からキセノン管3に電流が流れることでキセノン管3の発光が開始される。発光開始後CPU29がXe_ON信号をLowにするとIGBT32がOFFしキセノン管3の電流が遮断され発光が停止する。
【0019】
光量検出部28にはフォトダイオード39、積分コンデンサ40、リセット抵抗41、アナログスイッチ42、オペアンプ43からなる積分回路が構成されている。当該光量検出部28は、本発明において撮影光源から照射される撮影光の撮影光量を測定する光量検知手段を構成する。CPU29がアナログスイッチ42をオンにするとリセット抵抗41を通じて積分コンデンサの電荷をリセットすることができる。
【0020】
D/Aコンバータ44はキセノン管3の発光停止の基準電圧と積分コンデンサ40をリセットする基準電圧を出力する。基準電圧を出力するD/Aコンバータ44等の構成は、本発明において撮影時に被検眼に照射する撮影光の目標値となる撮影光量目標値を設定する撮影光量設定手段に対応する。この出力はオペアンプ43の出力とともにコンパレータ46の入力に接続されており、積分回路の出力電圧とD/Aコンバータ44の出力電圧の比較が可能である。
【0021】
コンパレータ46の出力はCPU29に接続させており、積分回路の出力電圧がD/Aコンバータ44の出力電圧より低い場合はコンパレータ46からはHiが出力され逆の場合はLowが出力される。このコンパレータ46は、以上の操作により撮影光源の発光時間を制御することによって実際の撮影光量と撮影光量目標値とが等しくなるように撮影光量を制御する、本発明における撮影光量制御手段として機能する。
【0022】
図3(A)は発光時間に対する積分回路出力電圧(光電流積分値)を、光源劣化前撮影と光源劣化後撮影についてプロットしたグラフである。劣化後の光源を表す例として、装置の使用時間が時間Td経過した状態について示している。本例での時間Tdは光源の劣化を使用者が認識する年単位の時間である。CPU29はA/Dコンバータ45を介して積分回路出力電圧を取得する。ここで、発光開始から、基準時間tb経過後の積分回路の出力電圧を、光量検知手段が測定した評価値あるいは劣化評価値とする。光源が劣化していない初期状態での劣化評価値Viに対し、経年使用により光量が低下した場合の劣化評価値はVdのように低い値をとることとなる。CU29は撮影毎に取得した積分回路出力電圧から、劣化評価値を算出し、メモリ47に格納する。撮影光源光量は発光時間により制御されるため、撮影時の光量設定によっては基準時間tbに達する前に発光を停止し、劣化評価値が収集できない可能性があるが、その場合のデータは無視する。実施例において基準電圧tbは、通常の発光時間に対して十分短く、発光も安定しているtb=2msを設定している。
【0023】
図3(B)は装置の積算使用時間に対する、劣化評価値の経時変化のプロットである。メモリ47に格納されるこの値は、経年使用による光源劣化に伴い、初期値であるViに対して下降していく。ここで装置には、あらかじめ基準劣化評価値Vfafが定められている。Vfafは、装置の最大発光光量である自発蛍光撮影時光量に、フル発光でぎりぎり到達可能な劣化状態の劣化評価値に+5%のマージンを加えた値である。劣化評価値がこの値を下回り、さらにマージン分劣化すると、光源から自発蛍光撮影に必要な発光性能が失われたという事となる。また、装置には劣化評価基準値としてVchgが定められている。Vchgは、カラー撮影モードのMAX撮影光量が出せる、限界劣化状態の劣化評価値に+5%のマージンを加えたものである。自発蛍光撮影に対し、カラー撮影に必要な発光性能は十分低いため、Vfaf>Vchgの関係が成り立つ。
【0024】
図4は発光時間に対する、正常時、不発光時の積分回路出力電圧である。VrefはD/Aコンバータ44の出力であり、積分回路出力電圧がVrefを上回ると、IGBT32がOFFし発光が停止する。また、キセノン管3について制御による発光停止を行わない場合(フル発光)の発光時間は約15msであり、発光停止しなければ出力電圧は約15msで一定となる。ここで、装置にはフル発光時間より長い不発光検知時間teがあらかじめ定められている。発光開始からte経過後もコンパレータ46がLowを出力しない場合、CPU29はその撮影を不発光と判定し、表示部20に不発光による撮影失敗を表示する。また、CUP29はメモリ47に不発光を記録する。
【0025】
以上の光源発光時間と光量検知結果との関係を時間-光量記録として記録するメモリ47、およびこの時間-光量記録の変化から撮影光源の劣化度(後述)を検出するCPU29内のモジュール領域は、本発明における検出手段を構成する。この経年劣化度は、前述した評価値に基づいて判定される。また、前述した不発光の判定は、不発光検出出手段として機能するモジュール領域により実行される。
【0026】
図5は、実施例1における劣化評価値、及び不発光検知結果を元に、光源の劣化状態を判定するフローチャートである。CPU29は撮影毎に劣化評価値を算出し、メモリ47から過去の劣化評価値と、不発光の情報を読み出し、図5の判定チャートに沿って劣化状態を判定する。劣化状態にはState1〜State5までの五段階があり、装置はそれぞれの光源劣化状態に対応して、特定撮影モードの禁止や、表示部20への警告表示を行う。このような劣化状態は、本発明において撮影光源の劣化度として規定する。本発明では、このように検知された撮影光源からの光量と撮影光源の発光時間とに基づいて撮影光源の状態を判定し、その判定結果を後述する種々の態様にて使用者に報知している。この判定はCPU29内にて判定手段として機能するモジュール領域により実行される。この判定手段は、撮影光源の発光毎にその発光時間をメモリ47に対して記録させておく記録制御手段としてのモジュール領域も包含する。また、本発明では、この判定手段により判定された判定結果により撮影光源の状態を得ることとしている。得られた状態は、例えばキセノン管の発光時間の積算値、キセノン管の交換の要否、交換までに可能な発光回数等、効果的な表示形態を選択し、これを表示手段である表示部20に表示させている。これら表示形態には、キセノン管の交換メッセージ等の他に「自発蛍光撮影の場合には必要な光量が得られない」等のメッセージも含まれるが、この選択及び表示手段への指令は、CPU29において表示制御手段として機能するモジュール領域により実行される。
また、これら表示手段等は、その態様をより明確に規定した場合には、警告表示を実行する表示部20は劣化度通知手段に、撮影を禁止するモジュール領域は撮影禁止手段に各々対応する。
【0027】
劣化判定ステップ全てをクリアする場合、劣化状態はState1:劣化なしとして警告表示や撮影禁止等は行わない。
【0028】
ステップ504の条件、最新の劣化評価値がVfafを下回る、に該当する場合、State2:それ以上光量劣化した場合に自発蛍光撮影が行えなくなる状態、すなわち自発蛍光撮影モードが選択されても当該モードの実行が出来ないと判定する。CPU29は、光源を交換せずに継続使用した場合、自発蛍光撮影が行えなくなる旨を表示部20に表示し、警告する。
【0029】
ステップ503の条件、過去5回の劣化評価値が不発光もしくはVfafを下回るのどちらかである、に該当する場合。State3:安定して自発蛍光撮影モードが行えなくなっている状態、と判定する。CPU29は、光源劣化のため自発蛍光撮影モードが行えない旨を表示部20に表示し、モード選択時に自発蛍光撮影が選択できないよう、撮影禁止手段による制御を実行する。また、この場合には、前述した表示制御手段により表示部20に対して自発蛍光撮影の禁止を示す表示形態の表示を行わせる。
【0030】
ステップ502の条件、最新の劣化評価値がVchgを下回る、に該当する場合、State4:自発蛍光撮影だけでなく、さらに劣化が進行した場合にはカラー撮影が行えなくなる状態、と判定する。CPU29は、自発蛍光撮影が行えない旨と、光源交換なしに継続使用した場合、カラー撮影に不具合を生じる事を表示部20に表示し、さらに自発蛍光撮影が選択できないようにする。
【0031】
さらにステップ501の条件、過去5回の劣化評価値が不発光もしくはVchgを下回るのどちらかである、に該当する場合。State5:光源劣化が非常に進行し、安定した撮影が行えなくなっている状態、と判定する。CPU29は、光源劣化のため撮影画像品質が保証できない旨と、光源の交換を促す表示を表示部20に表示する。
【0032】
実施例での実施はないが、例えば光源劣化表示のタイミングは、あらかじめ定められた基準値Vfaf、Vchgを下回った時でなく、メモリ47に格納された劣化評価値の蓄積と劣化予測式による予測に従う等の方法により定めてもよい。また、本装置はカラー撮影、自発蛍光撮影が可能であるが、その他特殊撮影モードを持つ眼科撮影装置であれば、上記Vfafと同様に、撮影モード特有の劣化評価値を設け、其々の撮影モード個別に劣化影響を表示、または撮影禁止を行ってもよい。また、光量に対する複数のパラメータ、例えばISO感度に応じて光量を調整するような眼科撮影装置の場合、各ISO感度の劣化状態に対する撮影可否を判定し、警告表示、撮影禁止等を行ってもよい。
【0033】
図6は撮影の流れを示すフローチャートである。図6を使用して、撮影の流れについて説明する。
撮影前に、ステップ601では、CPU29がメモリ47より劣化評価値と不発光記録を読み出し、光源劣化状態の判定を行う。
【0034】
State1:劣化なしの場合はステップ606にする。
【0035】
State2の場合は、光源劣化により、継続使用すると自発蛍光が撮影できなくなる旨を表示部20に表示し、ステップ606、撮影モード選択に移行する。
【0036】
State3の場合は、光源劣化により、自発蛍光が撮影できなくなった旨を表示部20に表示し、ステップ606をスキップしてステップ607に移行する。
【0037】
State4の場合は、光源劣化により、自発蛍光が撮影できなくなった旨、及びこれ以上の継続使用により、カラー撮影に支障をきたす可能性がある旨を表示部20に表示し、ステップ606をスキップしてステップ607に移行する。
【0038】
State5の場合は、光源劣化が進行し、撮影画像の品質保証ができないため、撮影光源の交換を促す警告を表示部20に表示し、ステップ606をスキップしてステップ607に移行する。
【0039】
ステップ606には自発蛍光撮影可能なState1、2の場合のみ移行する。ステップ606では、操作者は操作部30のモードSW(不図示)を操作しカラー撮影か自発蛍光撮影を選択する。カラー撮影が選択された場合は自発蛍光撮影用の励起フィルタ48を光軸から退避させる。
【0040】
ステップ607では操作部30の光量調整SW(不図示)を操作し撮影時の光量調整値を設定する。CPU29は設定された撮影モードと光量補正値から発光光量を計算し、D/Aコンバータ44を介してコンパレータ46に基準電圧Vrefを設定する。この光量調整スイッチも撮影光量設定手段の一部を構成する。
【0041】
次に表示部20上の表示された赤外観察用光源の赤外LED1により照明された被検眼Eの眼底像と、位置合わせ指標用光源の赤外LED22により被検眼Eの角膜に投影された位置合わせ指標像により眼底カメラと被検眼Eのアライメントを行う。更に、合焦用指標光源の赤外LED14の指標像によりピント合わせを行う。アライメントとピント合わせが完了すると操作者は操作部30の撮影SW(不図示)を押し撮影を開始させる(ステップ608)。赤外観察モードから静止画撮影モードに移行するために、CPU29は赤外LED1、赤外LED22、赤外LED14を消灯させる。合焦用指標投影光学系O2を照明光学系O1の光軸上から退避させる、自発蛍光撮影が選択されている場合は自発蛍光撮影用の阻止フィルタ49を光軸内に挿入する。
【0042】
ステップ608ではCPU29はアナログSW44をOFFにし積分回路のリセットを解除し、ステップ7ではCPU29はXe_ON信号をHiにしIGBT32がONすることでキセノン管3にトリガーがかかり発光が開始される。
【0043】
ステップ609ではCPU29はコンパレータ46の出力がLowになるまで待つ。発光開始から不発光検出時間te経過後にもコンパレータ46の出力がLowにならない場合、ステップ610の発光停止後に、ステップ612が挿入される。ステップ612ではCPU29は表示部20に不発光が発生し、撮影が失敗した旨を表示する。またステップ611の撮影静止画像保存の後にステップ613が挿入される。ステップ613では、CPU29が撮影不発光をメモリ47に記録する。
【0044】
ステップ609に話を戻すと、コンパレータ46の出力がLow、もしくは発光開始から不発光検出時間te経過するとステップ610に移行し、CPU29はXe_ON信号をLowにしてIGBT32をOFFにしてキセノン管3の発光を停止させる。
【0045】
その後、ステップ611では撮像手段17の出力から画像信号処理部19が撮影モードに応じた静止画を生成し記録部31に保存し、ステップ614に移行する。
ステップ614では、CPU29はA/Dコンバータ45からの出力を元に、劣化評価値を計算し、メモリ47に格納する。
【0046】
[実施例2]
実施例2は劣化評価値の算出と、劣化状態の判定のみ実施例1と異なるため、その他部分の説明は割愛する。
【0047】
図7(A)は発光時間に対する積分回路出力電圧(光電流積分値)を、光源劣化前撮影と光源劣化後撮影についてプロットしたグラフである。劣化後の光源を表す例として、装置の使用時間が時間Td経過した状態について示している。CPU29は積分回路出力電圧を取得する。ここで、発光開始から、積分回路の出力が評価基準電圧Vbに達するまでの時間を劣化評価値とする。光源が劣化していない初期状態での劣化評価値tiに対し、経年使用により光量が低下した場合の劣化評価値はtdのように長くなる。CUP29は撮影毎に、取得した積分回路出力電圧から、劣化評価値を算出し、メモリ47に格納する。撮影光源は、撮影前に設定された目標撮影光量に達した時点で発光が停止されるため、目標撮影光量によっては基準電圧Vbに達する前に発光を停止し、劣化評価値が収集できない可能性があるが、その場合のデータは無視する。ただし、基準電圧Vbを低く設定することでそのような状況は極力回避している。
【0048】
図7(B)は装置の積算使用時間に対する、劣化評価値の経時変化のプロットである。メモリ47に格納されるこの値は、経年使用による光源劣化に伴い、初期値であるtiに対して長くなっていく。ここで装置には、あらかじめ基準劣化評価値tfafが定められている。tfafは、装置の最大発光光量である自発蛍光撮影時光量に、フル発光でぎりぎり到達可能な劣化状態の劣化評価値に、5%のマージンもった値である。劣化評価値がこの値を上回り、さらにマージン分劣化すると、光源から自発蛍光撮影に必要な発光性能が失われたという事となる。また、装置には劣化評価基準値としてtchgが定められている。tchgは、カラー撮影モードのMAX撮影光量が出せる限界劣化状態の劣化評価値に、5%のマージンをもった値である。自発蛍光撮影に対し、カラー撮影に必要な発光性能は十分低いため、tchg>tfafの関係が成り立つ。
【0049】
図8は、実施例1における劣化評価値、及び不発光検知結果を元に、光源の劣化状態を判定するフローチャートである。CPU29は図5の判定チャートに沿って劣化状態を判定する。劣化判定ステップ全てをクリアする場合、劣化状態はState1:劣化なしとして警告表示や撮影禁止等は行わない。
【0050】
ステップ804の条件、最新の劣化評価値がtfafを上回る、に該当する場合、State2:それ以上光量劣化した場合に自発蛍光撮影が行えなくなる状態、と判定する。
【0051】
ステップ803の条件、過去5回の劣化評価値が不発光もしくはtfaf上回るの、どちらかである、に該当する場合。State3:安定して自発蛍光撮影が行えなくなっている状態、と判定する。
【0052】
ステップ802の条件、最新の劣化評価値がtchgを上回る、に該当する場合、State4:自発蛍光撮影だけでなく、さらに劣化が進行した場合にはカラー撮影が行えなくなる状態、と判定する。
【0053】
さらにステップ801の条件、過去5回の劣化評価値が不発光もしくはtchgを上回る、のどちらかである、に該当する場合。State5:光源劣化が非常に進行し、安定した撮影が行えなくなっている状態、と判定する。
【0054】
即ち、本実施例では、光源劣化検出手段が、撮影光源の発光開始から基準光量に達するまでの時間を撮影ごとに記録して、これを評価値といて用い且つ当該評価値に基づいて経年劣化度の判定を行っている。また、この場合、コンパレータ46は、基準時間内に撮影光量が基準光量に達しないことから撮影光源が不発光を起こしていることを判定する不発光判定手段を構成する。また、この不発光によって撮影が失敗であってことの操作者への通知は、本発明において失敗通知手段を構成する表示部20により実行される。更に本実施例においては、撮影光源の劣化状態は、光源劣化度に加えてこの不発光状態も加味し、CPU29において劣化状態判定手段として機能するモジュール領域によって判例される。
【0055】
なお、上述した実施例1および2で示した構成では、キセノン管からの撮影光の光量を直接測定する態様としている。しかし、このキセノン管からの撮影光が被検眼に照射され且つ反射させて得られる戻り光に基づいてキセノン管より得る撮影光量を決定することとしても良い。この場合、上述した構成に加え、該戻り光を受光する受光手段と、該受光手段の受光結果より戻り光の光量を検知して更に撮影光源からの光の光量を決定する光量決定手段を配することにより当該態様が得られる。
上述した実施例1および2に示した構成は本発明を具現化した形態を例示するものであって、同等の機能を有する公知の代替手段によっても構築可能である。
【0056】
[その他の実施例]
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0057】
3 キセノン管
20 表示部
24 キセノン管駆動回路
28 光量検出部
29 CPU
30 操作部
32 IGBT
39 フォトダイオード
40 積分コンデンサ
43 オペアンプ
44 D/Aコンバータ
45 A/Dコンバータ
46 コンパレータ
47 メモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8