(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記作業検出手段は、前記収集手段で収集すべき圃場データが無いときに前記作業終了を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の農業機械の圃場データ収集システム。
作業を行う作業装置と、前記作業を行った際に作業装置から出力された作業情報を圃場データとして収集する収集手段と、作業を行った圃場を確認する圃場確認手段と、前記作業装置での作業終了及び作業再開を検出可能な作業検出手段とを備え、
前記圃場確認手段は、前記作業検出手段によって前記作業装置の作業終了を検出したときに当該農業機械で作業した圃場の確認として当該圃場の指定を作業者に要求し、
前記収集手段は、前記作業者により圃場が指定された場合には、当該指定された圃場と、前記作業開始から作業終了までの圃場データ及び前記作業再開から再び作業終了までの圃場データとを関連付けることを特徴とする農業機械。
【背景技術】
【0002】
近年、圃場での作業計画の効率化や圃場で収穫した収穫物の品質等を高めるため、圃場で作業した内容など圃場に関する圃場データを収集して活用することが望まれている。例えば、トラクタやコンバインなどの農業機械を用いて圃場データを収集する技術として、例えば、特許文献1や2に示すものがある。
特許文献1では、農業機械に装着されたデ−タ収集装置にて、作業開始時刻、作業終了時刻、作業した日付、機械の識別コ−ド、作業者名、圃場番号を関連付けて記憶するようにしている。
【0003】
特許文献2では、グレンタンクに順次供給される穀粒の充填量を穀粒センサによって検出し、この穀粒センサが刈取開始から満タンに達するまでの検出時間の総和を所要時間として求め、該所要時間を指定の携帯電話に送信している。
さて、特許文献1や特許文献2に示したように、農業機械にて様々な圃場データを取得した場合、取得した圃場データと、圃場内での農業機械の位置とを関連付けて整理することが好ましい。圃場と農業機械との位置との関係を検出する技術として特許文献3に示すものがある。
【0004】
特許文献3では、農業機械に搭載されたGPSによって作業開始時から作業終了時までの間に検出されたGPSデータを記憶しておき、当該GPSデータと予め登録された圃場位置データとが所定以上重なったときに、圃場位置データに示された圃場に農業機械があると判断している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献3では、農業機械が圃場内に位置する状況下においてGPSデータを取得した場合、GPSデータ内には現在位置とは異なる大きな誤差が含まれる可能性があり、特許文献3に示す技術を用いて圃場内の農業機械の位置を検出することが難しいのが実情である。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、農業機械で作業を行いながら圃場データの収集を行った圃場を容易に確定することができる農業機械及び農業機械における圃場データ収集システムを提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。
農業機械の圃場データ収集システムは、農業機械で作業を行った際の当該農業機械の作業情報を圃場データとして収集する収集手段と、作業を行った圃場を確認する圃場確認手段と、前記農業機械での作業終了
及び作業再開を検出可能な作業検出手段とを備え、前記圃場確認手段は、前記作業検出手段によって前記農業機械の作業終了を検出したときに当該農業機械で作業した圃場の確認として当該圃場の指定を作業者に要求し、前記収集手段は、
前記作業者により圃場が指定された場合には、当該指定された圃場と、前記作業開始から作業終了まで
の圃場データ
及び前記作業再開から再び作業終了までの圃場データとを関連付けることを特徴とす
る。
【0008】
また、前記圃場確認手段は、圃場を表示する表示装置に表示された圃場の中から農業機械で作業した圃場の
指定を要求することを特徴とする。
また、前記作業検出手段は、前記農業機械のエンジンが停止したときに前記作業終了を検出することを特徴とする。
また、前記作業検出手段は、前記収集手段で収集すべき圃場データが無いときに前記作業終了を検出することを特徴とする。
【0009】
農業機械の圃場データ収集システムは、農業機械に搭載されて無線通信可能であり、且つ当該農業機械で作業を行った際の農業機械の作業情報を圃場データとして収集する収集装置と、前記農業機械に搭載され、且つ当該作業終了
及び作業再開を検出可能な作業検出手段を有する制御装置と、前記収集装置と無線通信可能で、且つ作業を行った圃場を確認する圃場確認手段を有する表示装置と、を備え、前記収集装置は、前記作業検出手段が検出した前記農業機械の作業終了を前記表示装置に無線通信によって出力し、前記圃場確認手段は、前記作業検出手段によって検出した前記農業機械の作業終了が
、前記収集装置から無線通信に出力されて前記表示装置に入力されたときに当該農業機械で作業した圃場の確認として当該圃場の指定を作業者に要求し、
さらに、前記収集
装置は、前記作業者により圃場が指定された場合には、当該指定された圃場と、前記作業開始から作業終了まで
の圃場データ
及び前記作業再開から再び作業終了までの圃場データとを関連付けることを特徴とする。
農業機械は、作業を行う作業装置と、前記作業を行った際に作業装置から出力された作業情報を圃場データとして収集する収集手段と、作業を行った圃場を確認する圃場確認手段と、前記作業装置での作業終了
及び作業再開を検出可能な作業検出手段とを備え、前記圃場確認手段は、前記作業検出手段によって前記作業装置の作業終了を検出したときに当該農業機械で作業した圃場の確認として当該圃場の指定を作業者に要求し、前記収集手段は、
前記作業者により圃場が指定された場合には、当該指定された圃場と、前記作業開始から作業終了まで
の圃場データ
及び前記作業再開から再び作業終了までの圃場データとを関連付けることを特徴とする。
【0010】
また、農業機械は、前記圃場を表示する表示装置を備え、前記圃場確認手段は、前記表示装置に表示された圃場の中から作業した圃場の
指定を要求することを特徴とする。
前記作業検出手段は、エンジンが停止したときに前記作業終了を検出することを特徴とする。
前記作業検出手段は、前記収集手段で収集すべき圃場データが無いときに前記作業終了を検出する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
農業機械で作業を行いながら圃場データの収集を行った圃場を容易に確定することができる。特に、作業終了を起点として作業を行った圃場の確認を行っているため、忘却や混同等による圃場指定の誤りを防止することができる。
【0014】
また、本発明によれば、圃場の確認時に表示装置に圃場が表示されるため、圃場の確認が行い易く、誤って圃場を指定することを防止することができる。
また、本発明によれば、作業終了時にはエンジンを停止することが多いため、圃場の指定の忘れを防止することができる。
また、本発明によれば、作業を行っていないことを圃場データの有無によって認識することができるため、圃場の指定の忘れを防止することができる。
【0015】
また、本発明によれば、収集した圃場データと収集した圃場との不一致を確実に防止することができる。
また、本発明によれば、例えば、休憩を繰り返しながら圃場内で作業を行う場合でも、収集した圃場データを1つの圃場で行ったとすることが可能なため、容易に圃場データの管理を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、圃場データ収集システムの全体図を示したものである。
図1に示すように、圃場データ収集システムは、トラクタやコンバインなどの農業機械1を用いて当該農業機械1が圃場2で作業したときの圃場データを収集するシステムである。農業機械1で取得した圃場データは、例えば、農家3や農業管理センター4などで圃場2における作業計画を立てたり、圃場で行った作業日報などの作成等に用いることができる。
【0018】
まず、トラクタを例にとり、農業機械の構成について説明する。
図7はトラクタの全体図を示している。
図7に示すように、トラクタ1は、前後に車輪を有する走行車両(走行車体)10に、エンジン11、変速装置12等が搭載されて構成されている。この走行車両10の後部には、3点リンク機構13などが昇降可能に設けられている。この3点リンク機構13には、耕耘装置、肥料散布装置、農薬散布装置、播種散布装置、収穫装置などの作業装置14が着脱自在となっている。また、エンジン11の後方には、独立搭載型のキャビン15が設けられており、キャビン15内に運転席16が設けられている。
【0019】
このようなトラクタ1では、作業者がトラクタ1に乗車してエンジン11を始動し、運転席16の周囲に設けられた操作レバーや操作スイッチなどの操作具を操作して3点リンク機構13を昇降したり、作業装置14に設けられた操作パネルの操作スイッチ等を操作することによって様々な作業を行うことができる。なお、作業装置14の操作は、運転席16の周囲に設けられた操作具によって行ってもよいし、当該作業装置14を遠隔で操作する操作リモコンで行ってもよい。
【0020】
図2は、圃場データ収集システムのブロック図を示している。
図2に示すように、圃場データ収集システムは、トラクタ1に搭載された制御装置20と、トラクタ1に搭載され且つ作業装置14の操作に関する情報(作業情報)を収集する収集装置(収集手段)21とを備えている。
制御装置20及び収集装置21は、車両通信ネットワーク(例えば、Controller Area Network、FlexRayなど)によって接続されていて、互いに信号(データ)の送受信が行えるようになっている。
【0021】
制御装置20は、例えば、操作具の操作に基づいて3点リンク機構13などの昇降を制御したり、変速装置の変速制御、作業装置14の動作を制御するものであって、主にトラクタ1の全体を制御するものである。
収集装置21は、不揮発性メモリ(記憶部)24を備えていて、この記憶部24に作業装置14を操作したときの様々な作業情報を記憶する。例えば、作業装置14が耕耘装置である場合は、ロータリーの回転数、ロータリーの負荷、エンジン回転数、車速、耕深などの作業情報が、当該耕耘装置に設けられたセンサや走行車体10に設けられたセンサによって検出され、検出された作業情報は車両通信ネットワーク上に出力される。そうすると、収集装置21は、車両通信ネットワークに出力された作業情報(ロータリーの回転数、ロータリーの負荷、エンジン回転数、車速、耕深)を取得して、記憶部24に記憶させる。
【0022】
また、作業装置14が肥料散布装置、農薬散布装置、播種散布装置である場合は、車速、エンジン回転数、散布量(肥料散布量、農薬散布量、播種散布量)などの作業情報が、センサによって検出されて車両通信ネットワーク上に出力される。そうすると、収集装置21は、車両通信ネットワークに出力された車速、エンジン回転数、肥料散布量、農薬散布量、播種散布量を取得して、記憶部24に記憶させる。作業装置14が収穫装置である場合は、車速、エンジン回転数、収穫量などの作業情報がセンサによって検出されて車両通信ネットワーク上に出力されるが、収集装置21は、車速、エンジン回転数、収穫量を取得して記憶部24に記憶する。
【0023】
上述したように、収集装置21では、各作業装置14で作業したときの作業情報を圃場データとして収集することができる。収集装置21には、近距離の無線通信(WiFi(R)、Bluetoooth(R)、ZigBee(R)など)を行うことができる機能が備えられ、収集装置21にて収集した圃場データは、様々な外部機器(タブレットPC、スマートフォン、パーソナルコンピュータなど)に送信することができる。
【0024】
さて、本発明では、複数の圃場2を表示する表示装置25を用いて、どこの圃場で作業を行ったかを確認することとしている。
以下、圃場の確認について、詳しく説明する。
図2に示すように、表示装置25は、タブレットPCや電話機能を有するスマートフォン等の外部機器で構成されている。この表示装置25は、トラクタ1の運転席16等に設置したり、トラクタ1を運転する作業者等が自由に持ち運びができるものである。トラクタ1にて作業を行うときは、作業者が表示装置25をトラクタ1内に持ち込むことが好ましい。
【0025】
表示装置25(外部機器)は、タッチパネル式であって表示部26を操作できるもので、当該表示装置25には、圃場を示す圃場マップが保存されていて、保存された圃場マップを読み出すことにより、当該表示装置25の表示部26に複数の圃場を表示することができる。
また、表示装置25には、近距離の無線通信を行うことができる機能が備えられている。近距離の無線通信を用いることにより、表示装置25とトラクタ側の装置(例えば、制御装置20や収集装置21)とのデータ通信を行うことができるようになっている。
【0026】
表示装置25は、圃場の確認をするための圃場確認手段27を備えている。この圃場確認手段27は表示装置25に格納されたプログラム等から構成されている。圃場確認手段27は、制御装置20に設けられた作業検出手段28によってトラクタ1による作業終了が検出されると、圃場の確認を要求する。
作業検出手段28は、制御装置20に格納されたプログラム等から構成されている。この作業検出手段28は、トラクタ1のエンジン始動後にトラクタ1のエンジン3が停止することによってエンジン回転数が制御装置20に入力されなくなると、トラクタ1の作業終了を検出する。又は、作業検出手段28は、操作具の操作を開始後に当該操作具の操作が所定時間(例えば、数分〜数十分)行われず、操作具の操作を示す信号が制御装置20に入力されなくなると、トラクタ1の作業終了を検出する。或いは、作業検出手段28は、収集装置21で収集すべき作業情報(圃場データ)が無いときにトラクタ1の作業終了を検出する。
【0027】
例えば、トラクタ1による作業が開始されて散布量などの作業情報(作業の負荷に応じて変化する作業情報)が車両ネットワークに出力されている状況下において、散布量が零に変化し、その後、所定時間、連続して散布量が零のままであるときは、作業検出手段28は、収集装置21で収集すべき作業情報が無いとして作業終了を検出する。
或いは、トラクタ1の作業が開始されて収穫量などの作業情報[作業の結果に応じて累積(積算)される作業情報]が車両ネットワークに出力されている状況下において、収穫量の累積値(積算値)が所定時間変化せず、一定のままであるときは、作業検出手段28は、収集装置21で収集すべき作業情報が無いとして作業終了を検出する。
【0028】
このように、エンジン停止、操作具の操作停止、或いは、収集すべき作業情報(圃場データ)の有無のいずれか1つによって、作業検出手段28がトラクタ1の作業終了を検出すると、当該作業検出手段28は、作業終了を示す作業終了信号を車両ネットワークに出力する。なお、作業検出手段28による作業終了の検出を行うに際して、エンジン停止、操作具の操作停止、収集すべき作業情報の有無を組み合わせて判断してもよい。
【0029】
収集装置21は、作業終了信号を受信すると、当該作業終了信号を無線通信によって表示装置25に送信する。
表示装置25が収集装置21から出力された作業終了信号を受信すると、まず、
図3に示すように、表示装置25の表示部26に圃場マップMを表示すると共に、圃場2を確認を要求するためのメッセージFを表示する。なお、表示部26には、圃場マップMと共に各圃場2を特定するための圃場特定情報を圃場を表示することが好ましい。ここで、表示装置25の表示部26に表示された圃場マップMの拡大、縮小、スクロール等は、表示部26に対するドラッグ操作、フリック操作、ピンアウト操作、ピンイン操作等によって行うことができる。
【0030】
そして、表示装置25の表示部26に表示された圃場マップMの中からタップ操作等に
よって1つの圃場2が指定されると、圃場確認手段27は、指定された圃場2を「作業を行った圃場」として認識する。
図3に示すように、例えば、複数の圃場2A〜2Fのうち圃場2Eの圃場が指定されると、圃場確認手段27は、指定された「圃場2E」を「作業を行った圃場」として認識する。指定された圃場を認識後、圃場確認手段27は、指定された圃場2を特定するための圃場特定情報(例えば、圃場の緯度及び経度、圃場を識別するための圃場番号など)を表示装置25に設けられた不揮発性の記憶部に記憶したり、圃場特定情報を無線通信によって収集装置21に出力する。なお、圃場特定情報は、予め表示装置25に記憶されている。
【0031】
収集装置21は、表示装置25から圃場特定情報を受信すると、収集を開始してから収集を終了するまでの圃場データを、指定された圃場で収集したものとし、この圃場と収集した圃場データとを関連付ける。
例えば、
図4(a)に示すように、車速、エンジン回転数、肥料散布量などの圃場データを収集後(作業終了後)、例えば、圃場確認手段27による圃場の確認の要求時に「圃場2E」が指定されると、収集装置21は、
図4(b)に示すように、指定された「圃場2E」を示す圃場特定情報(No.PF023569)と、収集した圃場データとを関連付けて保存する。なお、後述するように、トラクタ1の位置を検出する位置検出器30が表示装置25等に具備されている場合は、位置検出器30で検出した位置(トラクタの位置)と、圃場データと、圃場特定情報とを関連付けすることが好ましい。
【0032】
さて、圃場確認手段27によって圃場2の確認が要求されている状況下で、圃場2の指定が行われないままトラクタ1による作業が再開された場合は、収集装置21は、圃場データの収集を再開する。このとき、収集装置21は、既に収集していた圃場データ(収集再開前、即ち、作業再開前の圃場データ)と、作業を再開して収集された圃場データ(収集再開後の圃場データ)とは、同一の圃場2のものとして扱う。
【0033】
例えば、
図5に示すように、複数の作業と休憩を繰り返し、休憩中では圃場2の指定を行わなかったときを考える(第1作業→休憩→第2作業→休憩→第3作業→圃場指定)。第1作業の開始から第1作業の終了までの間では、収集装置21によって圃場データ(圃場データA)が収集され、第1作業の終了時では圃場確認手段27によって圃場の確認が要求される。その後、トラクタ1が圃場2内で停止して休憩に入ると、休憩中には、圃場確認手段27によって圃場の確認が続けられるものの収集装置21による圃場データの収集は行われない。
【0034】
休憩が終了して、トラクタ1による第2作業が開始されると、再び、収集装置21による圃場データの収集が続けられ、第2作業が終了する時点では、圃場データAに引き続き、圃場データBが収集されている状態にある。そして、再び、休憩を挟み、第3作業が開始されると、収集装置21による圃場データの収集が再開され、第3作業が終了する時点では、圃場データA及び圃場データBに引き続き、圃場データCが収集されている。つまり、第1作業の終了時点で圃場の確認が要求されるが、収集装置21は、圃場2の確認が完了するまで、即ち、第3作業が終了して圃場2の圃場指定が完了するまでは、収集装置21は圃場データを収集を続ける。そして、第3作業が終了し、圃場が指定されたとき(表示装置25からの圃場特定情報を収集装置21が受信したとき)、収集装置21は、第1作業で収集した圃場データAと、第2作業で収集した圃場データBと、第3作業で収集した圃場データCとを、指定された圃場で収集したデータとして、これら圃場データA、圃場データB及び圃場データCと、指定された圃場とを関連付ける。
【0035】
なお、
図5に示すように、作業の終了と再開が繰り返し行われている状況下において、長時間に亘って圃場2の指定が完了せず、例えば、圃場2の確認の要求を行ってからの経過時間が半日以上(12時間以上)であったり、圃場2の確認を開始した後に日付が変わった場合は、収集装置21は、一旦、収集した圃場データ(圃場データA、圃場データB、圃場データC)をグループ化して保存する。
【0036】
以上、本発明では、トラクタ1を用いて圃場データを収集する収集手段(収集装置21)と、作業を行った圃場2を確認する圃場確認手段27と、トラクタ1での作業終了を検出可能な作業検出手段28とを備え、圃場確認手段27は、作業検出手段28によって作
業終了を検出したときに当該トラクタで作業した圃場2の確認を要求しているため、トラクタ1で作業をしながら収集した圃場データと圃場2との関係を確実に関連付けることができる。特に、作業終了を起点として作業を行った圃場2の確認を行っているため、忘却や混同等による圃場指定の誤りを防止することができる。
【0037】
また、圃場確認手段27は、圃場2を表示する表示装置25に表示された圃場の中からトラクタ1で作業した圃場2の確認を要求していることから、作業を行った圃場とは異なる圃場を誤って指定してしまうことを防止することができる。
さらに、作業検出手段28は、トラクタ1のエンジン3が停止したときに作業終了を検出することとしているため、確実に作業終了を検出することができ、圃場の指定を行うことを忘れることを防止することができる。また、作業検出手段28は、収集装置21で収集すべき圃場データが無いときに作業終了としているため、圃場データの収集が終わった時点での圃場の確認が行え、圃場の指定の忘れを防止することができると共に、収集した圃場データと圃場との齟齬を防止することができる。
【0038】
収集装置21は、圃場確認手段27によって圃場2が確認されていない間は圃場データの収集を続けると共に圃場確認手段27によって確認されたときに確認された圃場2と収集続けた圃場データとを関連付けるため、圃場2内で作業を一時的に中断したとしても収集した圃場データを同じ圃場として扱うことができ、容易に圃場単位での圃場データの管理を行うことができる。
【0039】
なお、表示装置25(外部機器)に、衛星測位システムの1つであるGPSによって位置(緯度、経度)を検出する位置検出器30を具備させ、トラクタ1で作業を行う場合には、位置検出器30を備えた表示装置25をトラクタ1内に搭載することが好ましい。このようにすれば、圃場確認手段27によってトラクタで作業した圃場の指定を行うときや収集データの管理を行い易い。
【0040】
具体的には、
図1及び2に示すように、位置検出器30は、例えば、GPS衛星22からの信号を受信する受信部(GPS受信部)31と、GPS受信部31で受信した信号に基づいて位置を演算によって求める位置検出部32とから構成されている。圃場確認手段27は、表示装置25が収集装置21から出力された作業終了信号を受信すると、まず、位置検出部32で検出した位置(トラクタの位置)を取得し、取得した位置の周囲の圃場2を表示部26に表示する。また、圃場確認手段27は、圃場の確認を要求するためのメッセージを表示する
また、収集装置21は、圃場データを保存する場合、位置検出部30で検出した位置と圃場データとを関連付けて保存する。
図4に示すように、例えば、作業情報が車速、エンジン回転数、肥料散布量である場合、収集装置21は、車速と車速を取得したときのトラクタの圃場位置とを関連付け、エンジン回転数とエンジン回転数を取得したときのトラクタの圃場位置とを関連付け、肥料散布量と、肥料散布量を取得したときのトラクタの圃場位置とを関連付けする。圃場位置を検出する検出サンプリング時間は、作業情報を取得する取得サンプリング時間よりも長くしておけば、同一の圃場位置で複数の作業情報を取得することができる。瞬時に複数の作業情報を取得できる場合には、圃場位置を検出するタイミングと作業情報を取得するタイミングとを同一にしてもよい。
[第2実施形態]
第1実施形態では、圃場2を確認するための表示装置25をトラクタ1に搭載した機器(装置)とは別の外部機器で構成していたが、第2実施形態では、表示装置25を、トラクタ1の運転席16等の周囲に搭載した装置で構成したものである。なお、第1実施形態と同様の構成は説明を省略する。
【0041】
図6に示すように、表示装置25は、トラクタ1の様々な情報を表示することができるものであって、例えば、運転席16の前方又は側方に取り付けられている。表示装置25は、トラクタ1の作業に関する情報(エンジンの回転数、燃料、水温、警告など)を表示部26に表示すると共に、圃場マップMを表示することができるものである。表示装置25は、タッチパネル式であっても非タッチパネル式であってもよい。
【0042】
表示装置25には、作業検出手段28によって作業終了を検出したときにトラクタ1で
作業した圃場の確認を要求する圃場確認手段27が設けられている。
以下、圃場を確認することについて詳しく説明する。
トラクタ1による作業が開始された後、エンジン停止、操作具の操作停止、或いは、収集すべき作業情報の有無によって作業検出手段28がトラクタ1の作業終了を検出すると、当該作業検出手段28は、作業終了を示す作業終了信号を車両ネットワークに出力する。車両ネットワークに出力された作業終了信号が表示装置25に入力されると、表示装置25の表示部26に圃場マップMを表示すると共に、圃場の確認を要求するためのメッセージを表示する。ここで、表示装置25がタッチパネル式である場合は、第1実施形態と同様にタップ操作等によって圃場2の指定を行う。表示装置25がタッチパネル式でない場合は、当該表示装置25に設けられた様々なスイッチを操作して表示部26に表示されたポインタ等を表示された圃場マップM上で動かし、ポインタを指定する圃場2に重ねてスイッチ等の決定ボタンを押すことによって圃場2を指定する。この場合、圃場マップMの拡大、縮小、スクロール等はスイッチ操作によって行う。
【0043】
圃場2を指定すると、圃場確認手段27は、表示部26上(圃場マップM上)で指定された圃場2を「作業を行った圃場」として認識し、指定された圃場2を特定するための圃場特定情報を表示装置25の記憶部に記憶したり、圃場特定情報を車両用ネットワークに出力する。収集装置21は、車両用ネットワークに出力された圃場特定情報が入力されると、収集した圃場データと圃場特定情報とを関連付けて保存する。
【0044】
なお、この実施形態においても、上述したように表示装置25に位置検出部30を設けることが好ましい。このようにすれば、圃場確認手段27によってトラクタで作業した圃場の指定を行うときや収集データの管理を行い易い。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。上述した実施形態では、農業機械1で作業したときの作業に関する情報(作業情報)を圃場データとしていたが、作業に関する以外の情報(例えば、圃場の土壌状態を示す情報)などを農業機械1に搭載したセンサやカメラ等によって検出して、作業に関する情報と作業に関する以外の情報とを圃場データとして収集してもよい。
【0045】
表示装置25が近距離の無線通信を行える外部機器で構成されている場合、収集装置21で収集した圃場データを逐次、表示装置25に送信して表示装置25内に圃場データを保存(蓄積)するようにしてもよい。
上述した実施形態では、表示装置25上に圃場マップMを表示して、圃場マップMの中から圃場を選択することによって、圃場の確認及び指定を行っていたが、圃場の確認は圃場マップMを表示装置25に表示するだけでなく、表示装置25から圃場を確認を示す音声を出力することによって、圃場の確認を行ってもよい。また、圃場の指定も音声によって行ってもよい。