(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
<画像形成装置の構成概要>
図2は、画像形成装置100の構成を示す断面図である。
図2に示されるように、『電子写真画像形成装置』である画像形成装置100は、『画像形成装置本体』である装置本体Bを有し、この装置本体Bに『プロセスカートリッジ』であるカートリッジAが着脱可能な構成となっている。このカートリッジAは、感光体ドラム11と現像剤収納ユニット25とが一体化されたものである。装置本体Bの下部に装着されたシートカセット6には、シートSが収納されている。画像形成時には、このシートSは、搬送ローラ7によって『像担持体』である『電子写真感光体ドラム』としての感光体ドラム11の方へと搬送される。
【0018】
この動作と同期して、感光体ドラム11は、帯電ローラ12によって表面を一様に帯電され、露光装置8から露光され、その表面には、静電像が形成される。カートリッジAには、現像剤が収納されると共に、現像剤担持体である現像ローラ13が設けられている。現像剤は、供給ローラ23によって現像ローラ13に供給され、現像ブレード15によって現像ローラ13の表面に薄層で担持される。そして、現像ローラ13に現像バイアスが印加されることによって、前述の静電像は現像剤で現像されて感光体ドラム11の表面には現像剤像が形成される。
【0019】
この現像剤像は、バイアス電圧が印加される転写ローラ9によって、搬送されるシートSに転写される。そして、シートSは、定着装置10へと搬送されて画像定着され、排出ローラ1によって排出部3に排出される。なお、装置本体Bはコントローラ50を有し、このコントローラ50は装置本体Bの内部機器の駆動を制御する。また、コントローラ50は、後述するが、押圧シート21(
図1参照)を回転させて可撓性容器16(
図1参照)を繰り返し押圧させるように押圧シート21の駆動を制御する。
【0020】
<プロセスカートリッジの構成概要>
図1は、カートリッジAの構成を示す断面図である。
図1に示されるように、クリーナユニット24、及び、現像剤収納ユニット25を有する。クリーナユニット24は、感光体ドラム11、感光体ドラム11の表面をクリーニングするクリーニングブレード14、感光体ドラム11の表面を帯電する帯電ローラ12を有する。現像剤収納ユニット25は、現像ローラ13、現像ローラ13に現像剤を供給する供給ローラ23、現像剤を収納する可撓性容器16を有する。この現像剤収納ユニット25に関して、更に詳細を述べると、以下のようになる。
【0021】
現像剤収納ユニット25は、『第1枠体』である枠体17及び『第2枠体』である枠体18を有する。枠体17、18の上側領域には、可撓性容器16及び押圧部材500(押圧体、押圧手段)が配置される。押圧部材500は、後述するが、押圧シート21、封止部材19、及び、回転部材20を有する。ただし、本発明は可撓性容器16に特徴がある。可撓性容器16は、現像剤G(G1)を排出するための開口部35aを有し、現像剤G(G1)を収納する容器である。枠体17、18の下側領域には現像ローラ13及び供給ローラ23が配置される。こうした構成により、枠体17、18の上側領域では、現像剤を有する可撓性容器16を収納しつつ、枠体17、18の下側領域では、可撓性容器16から排出された後の現像剤G(G2)を収納する構成となっている。
【0022】
可撓性容器16の下面に対向するように押圧部材500が配置される。押圧部材500の回転部材20には、押圧シート21、封止部材19が固定される。封止部材19は、開口部35aを封して回転により封を開封した後に可撓性容器16を押圧する部材である。また、押圧シート21は、封止部材19が開口部35aを開封する動作またその後に、可撓性容器16の下面を押圧して可撓性容器16を変形させる。また、枠体17、18中で可撓性容器16がある領域で、互いに対向する可撓性容器16及び枠体17、18を当接させる。この当接させる機構に関しては、実施例1〜5にて詳述する。
【0023】
さらに、現像剤収納ユニット25内において、可撓性容器16の近傍、若しくは、可撓性容器16に接触するように、支持部材が配置されている。この支持部材の構成に関しては、実施例2、6、7にて詳述する。
【0024】
このように、可撓性容器16の開口部35aから排出されて枠体17、18に収納される現像剤G2が、可撓性容器16及び枠体17、18の間の隙間に進入する現象を抑制することが可能となり、現像剤G2が無駄なく現像に用いられる。なお、現像ローラ13及び現像ブレード15は、枠体17に支持されている。さらには、現像ローラ13の回転軸線方向において可撓性容器16の偏り変形を抑制することが可能となり、濃度ムラ等の出力画像不良を抑制している。
【0025】
<現像剤収納ユニットの構成概要>
図3は、枠体17、18の内部機構の断面を取った斜視図である。
図4は、現像剤収納ユニット25の構成を示す断面図であり、封止部材19の封止部19aが開口部35aを閉じている状態を示す。
図6は、現像剤収納ユニット25の構成を示す断面図であり、封止部材19の封止部19aが開口部35aを開いた状態を示す。
【0026】
図3に示されるように、可撓性容器16の上部には枠体17、18に固定するための固定部16eが形成され、可撓性容器16の下部には枠体18に固定するための固定部16dが形成されている。可撓性容器16の面の一部には、その長手方向に延びる排出部35が形成されている。排出部35は、現像剤を排出するための開口部35aを規定する(形づくる)連結部35bと、を有する。ここでは、排出部35を有する面のことは、開口部35aを有する意味からも開口部含有面Xといい、それ以外の面を他面Yということにする。
【0027】
また、可撓性容器16の開口部含有面Xに対向する位置には、回転部材20が配置される。回転部材20は、軸を中心として回転する部材である。回転部材20には、封止部材19の基端部が固定されている。詳しくは以下のようになる。封止部材19は、係合部19b、連結部19c、封止部19aを有している。係合部19bは回転部材20に固定されており、封止部19aは排出部35に固定されている。そして、回転部材20が矢印C方向に回転すると、封止部19aが開口部35aを開放するようになっている。封止部材19は、係合部19bが回転部材20に留め部材(
図4参照)によって固定されており、先端が開口部35aを塞ぐようにして排出部35に固定されている。
【0028】
図4に示されるように、回転部材20には、押圧シート21が固定されている。回転部材20が回転すると、押圧シート21は回転しながら可撓性容器16を押圧したり押圧解除したりする。押圧シート21は、基端部が回転部材20に留め部材によって留められている。また、可撓性容器16の固定部16eは、枠体18の固定部18bに固定される。可撓性容器16の固定部16dは、枠体18の固定部18cに固定される。こうして、可撓性容器16は、枠体17、18の内部に支持される。
【0029】
図6に示されるように、回転部材20が回転すると、封止部材19の封止部19aが開口部35aから次第に離間していく。これと共に、押圧シート21が可撓性容器16を押圧するために可撓性容器16に接近していく。
【0030】
(現像剤を収納した可撓性容器)
図14(a)〜
図14(c)は、可撓性容器16の構成を示す斜視図である。
図14(a)に示されるように、可撓性容器16は、その長手方向の一方の端部に、現像剤を注入する注入口39を有している。また、可撓性容器16は、その表面に、長手方向に一列に(複数列であっても良いが)並ぶ複数の開口部35aを有している。この可撓性容器16の開口部35aには、封止部材19が貼り付けられる。このように、封止部材19の先端は、可撓性容器16の開口部35aを封止するように貼り付けられ、封止部材19の基端には、回転部材20の留め部材と係合する係合部19bである穴が形成されている。なお、ここで現像剤は粉体である。また、
図14(a)の状態では、可撓性容器16に現像剤が充填されておらず、現像剤を入れる注入口39が開口されている。
【0031】
図14(b)に示されるように、可撓性容器16には矢印の方向から注入口39へと現像剤が注入されて、可撓性容器16の内部には現像剤が充填される。可撓性容器16の可撓性により入れる為の注入口39は充填装置に合わせて変形可能であり現像剤の飛散なく充填が容易になる。充填に際しては、公知のオーガー式充填装置を使用して行うが、同様の機能を有する他の方法を用いてもかまわない。
【0032】
図14(c)に示されるように、可撓性容器16は、現像剤が充填されると、接合部39aで接合される。このように現像剤を収納した可撓性容器16のそれぞれの開口部35a、注入口39は封止されているため、収納した現像剤を外に漏れず一つのユニットとして扱うことが可能である。なお、現像剤を入れる為の注入口39の接合部39aの接合は、本実施例では超音波で接合しているが他に熱やレーザなどで接合してもよい。なお、充填する為の注入口39の位置や大きさは現像剤の充填装置やカートリッジAの形状等に合わせて適宜配置すればよい。
【0033】
(枠体内に可撓性容器を有する効果)
現像剤を収納した可撓性容器16が袋形態をとることにより現像剤をユニットとして扱える。そのため現像剤充填工程をカートリッジAのメインの組立工程(製造ライン)から分離できる。これによりカートリッジAのメインの組み立て工程(製造ライン)に現像剤が飛散することがなくなり製造ラインの清掃などのメンテナンスを削減することができる。組立工程時に現像剤の飛散がなくなることにより現像剤を充填した後のカートリッジAの清掃工程を省くことができる。
【0034】
また可撓性容器16の充填工程においても可撓性容器16は可撓性を有しており充填のための注入口39も柔らかいため飛散少なく容易に封止できる。また現像剤を収納した可撓性容器16は可撓性を有しているため枠体の形状に倣わせて組むことができる。
【0035】
また充填工程において可撓性容器16は可撓性を有するため断面を変形させて容積を増やして充填することができるので充填時には充填量を増やすことができる。また現像剤充填前の可撓性容器16は可撓性を有しているため小さく(薄く)することができて、樹脂の構造体である枠体に比べ充填前の保管時の保管スペースを小さくすることができる。
【0036】
<可撓性容器の構成>
図3、
図4に示すように可撓性容器16は内部に現像剤を収納しており形状が変形可能な袋状のものであり、収納した現像剤を排出するために排出部35に複数の開口部35aを備えている。また可撓性容器16は枠体17、枠体18に固定されている可撓性容器固定部(被固定部)16d、16eを有している。
【0037】
(可撓性容器の素材、通気性)
図13は、可撓性容器16の断面説明図である。
図13(a)で示すように可撓性容器16は排出部35を有し通気性を有さないシート16uと、通気部となる通気性を有するシート16sを貼り合わせて可撓性容器16は構成されている。ここでシート16sの通気度は収納する現像剤の大きさ(粉体の粒径)との兼ね合いで現像剤が可撓性容器16の外に漏れないものを適宜選定すれば良い。
【0038】
シート16sの素材としてポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等で、厚さは0.03〜0.15mmの不織布などが好ましい。またシート16sの素材が不織布ではなくても可撓性容器16に収納する現像剤等の粉体よりも微細な穴が開いているものでも良い。
【0039】
またシート16sの配置は本実施例では
図3、
図13に示すように枠体18側に可撓性容器16の長手方向全域にわたりシート16sを配している。なお
図13(b)に示すようにシート16sは可撓性容器16全体を16sで構成してもよい。なお、シート16s以外の可撓性容器16の素材としては後述する現像剤排出時の効率を良くするように可撓性を有するものが好ましい。またシート16sの素材に可撓性をもたせても良い。
【0040】
(可撓性容器の排出部構成)
図10に示されるように、可撓性容器16は排出部35を有する。排出部35は、開口部35a及び連結部35bを有する。開口部35aは、可撓性容器16の排出部35に複数設けられ、内部の現像剤を排出するための開口である。連結部35bは、複数の開口部35a同士の間を結ぶ可撓性容器16の外形に相当する。そして封止部材19により、排出部35の周囲を接合部22で連続して取り囲み開封可能に接合し可撓性容器16に収納する現像剤を封止している。
【0041】
(可撓性容器の接合部構成)
接合部22は長い方向(矢印F方向)に2本、短い方向(矢印E方向)に2本とで囲んだ「ロの字」形状で連続しているため排出部35の封止を可能としている。
【0042】
ここで長い方向(矢印F方向)に溶着された2本の接合部のうち先に開封されるものを第1接合部22a、後に開封されるものを第2接合部22bとする。本実施形態では、封止部材19の表面に沿ってみた場合に、後述する返し部19d(
図12参照)(又は係合部19b)に近い側の接合部を第1接合部22aである。また、開口部35aを挟んで第1接合部22aに対向する接合部が第2接合部22bである。また短い方向の接合部を短手接合部22cとする。
【0043】
本実施例において開封方向は矢印E方向である。開封方向は次のように定義する。封止部材19を移動させて開封を行う場合に、開口部35aを挟んだ第1接合部22aと第2接合部22bとでは、第1接合部22aが先に開封(剥離)される。このように、先に開封される第1接合部22aから第2接合部22bに向かう方向を開封方向(矢印E方向)とする。
【0044】
なお、可撓性容器16から封止部材19をE方向に開封する時(剥離する時)に、微視的に見ると第1接合部22aや第2接合部22bの中においても開封力による可撓性容器16の変形により矢印F方向にも剥離が進む場合がある。しかしながら、本実施例における開封方向は、このような微視的な開封の方向を指すものではない。
【0045】
(可撓性容器と枠体の固定)
ここで、一旦、
図3及び
図4を参照しつつ以下説明する。
図3、
図4に示す様に可撓性容器16は二つの固定部16d、16eにより枠体17、枠体18の内部に固定される。
【0046】
(第1固定部)
まず一つ目の固定部として、後述する封止部材19を可撓性容器16から開封する時に力を受ける可撓性容器16の第1固定部16dを設けている。複数の開口部35aが配置されている矢印F方向と平行に、固定部16dは複数個設けられている。なお固定部16dはこのように複数個設けられる以外に矢印F方向と平行に長いひとつのものでも良い(不図示)。また第1固定部16dの位置は可撓性容器16の開口部35aの近傍に設けられている。また可撓性容器の第1固定部16dは枠体18の第1固定部18aに固定されている。 第1固定部16dは可撓性容器16の開封時の為に必要な固定部所であり、その作用や配置に関しては開封の説明で後述する。
【0047】
(第2固定部)
また二つ目の固定部として、可撓性容器16が下方、もしくは現像ローラ13、供給ローラ23の方へ移動するのを防ぐため第2固定部16eを設けている。第2固定部16eを設けているのは、2つの理由がある。第一の理由としては可撓性容器16の第2固定部16eが可撓性容器16を画像形成時の姿勢で下方に移動しないようにするためである。そのため第2固定部16eは画像形成時の姿勢で上方に配置するのが好ましい。
【0048】
また第二の理由としては、可撓性容器16が画像形成時に現像ローラ13や供給ローラ23に接触して画像を乱すことを防ぐためである。そのため現像ローラ13や供給ローラ23から離れたところに可撓性容器16の第2固定部16eを設ける事が好ましい。本実施例では可撓性容器の第2固定部16eを
図4に示すように現像ローラ13から離れた上方に配置している。また可撓性容器の第2固定部16eは枠体18の第2固定部18bに固定される。
【0049】
なお、枠体18に可撓性容器16を固定する場合には、枠体18の第1固定部18aを可撓性容器16の第1固定部16dに通した後に、枠体18の第1固定部18aを超音波カシメ工具で溶かすことによって固定する。
【0050】
<封止部材の構成>
図3、
図4に示す様に、封止部材19は、カートリッジAの使用前に可撓性容器16の排出部35を覆い可撓性容器16内の現像剤を封止している。封止部材19は、移動されることによって開口部35aを露出させるものである。封止部材19の構成は、可撓性容器16の排出部35を覆う封止部19aと、後述する回転部材20と固定される係合部19bと、封止部19aと係合部19bを連結している連結部19cを有しているシート状のものである。当該シートは後述する易開封性を発揮するシーラント層を持つラミネート材で、基材はポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン等で、厚さは0.03〜0.15mmのものを適宜選定すれば良い。
【0051】
(封止部材の封止部)
封止部19aは、封止部材19が、可撓性容器16の複数の開口部35aと、連結部35bを封止する領域を指している。封止部19aにより、カートリッジAの使用時前までは現像剤が可撓性容器16内部から漏れないようにしている。
【0052】
(封止部材の係合部)
封止部材19は、開封方向(矢印E方向)の一端側に自由端部を有しており、当該自由端部に封止部材19を移動させるための開封部材に係合される係合部19bが設けられる。
【0053】
開口部35aを露出させるための封止部材19の端部の係合部19bは、回転部材20に係合する。封止部材19は、装置本体Bからの駆動を受けて開封を自動的に行うようなものでもよい。または、ユーザが封止部材19を把持して移動させることで開封を行うようなものでもよい。本実施例では回転部材20は枠体に設けられた回転軸であり、回転部材20に係合された封止部材19が引っ張られる事で現像剤を収納した可撓性容器16は開封される。
【0054】
(封止部材の連結部)
接合部22と係合部19bとの間を連結している部分が連結部19c(
図3参照)である。連結部19cは回転部材20からの力を受けて接合部22(22a、22b)を引き剥がすように力を伝達する部分である。
【0055】
(連結部の折り返し)
ここで
図12を用いて開封される瞬間において第1接合部22aと第2接合部22bとで形成された面N1とする。そして面N1に対して垂直で且つ第1接合部22aを通る面N2とする。ここで回転部材20は、第1接合部22aを通る面N2よりも第2接合部22b側に配置されている。言い換えると封止部材19は、シート状である封止部材19の表面に沿って見たときに、接合部22と回転部材20との係合部19bとの間の部分(連結部19c)で折り返されている返し部19dを有しているのである。返し部19dは折り目がついていても、折り目が付いていなくても良い。ここで封止部材19の返しの角度Qは90度以下が好ましい。折り返し角度Qは、可撓性容器16の接合部22の面と封止部材19の引っ張られる矢印Dで示す方向に沿った面の角度Qである。
【0056】
(封止部材の固定)
また封止部材19と回転部材20の固定は、本実施例において、第1固定部16dと同様の超音波カシメで固定している。超音波カシメ以外に第1固定部16dおよび第2固定部16eの固定の手段と同様に熱溶着、超音波溶着、接着、枠体間への挟み込み、穴と凸による引っ掛け等でも良い。
【0057】
<開封部材の構成>
回転部材20は封止部材19に力を与えて封止部材19を移動させ可撓性容器16から引き剥がす目的のものである。回転部材20は軸形状で両端を枠体18に回転可能に支持されている支持部(不図示)と、封止部材19の係合部19bを固定する係合部20bを有している。本実施例では回転部材20は四角い軸形状で、その四角い軸の一面に封止部材19の係合部19bを係合部20bで係合している。
【0058】
(開封部材、押圧部材、撹拌部材の兼用)
また可撓性容器16の外部から作用し可撓性容器16内部の現像剤を排出させる押圧シート21と、回転部材20はそれぞれ別の部材で行っても良いが、本実施例では回転部材20と押圧シート21を同じ部品で機能させている。また可撓性容器16から排出された現像剤を撹拌する機能と、回転部材20の機能をそれぞれ別の部品で行っても良いが本実地例では回転部材20に撹拌の機能を同じ部品で機能させている。
【0059】
(開封部材、押圧部材、撹拌部材兼用の効果)
このように回転部材20、押圧シート21、撹拌部材を兼用することで部品点数の削減によるコストダウン、省スペース化が可能となる。
【0060】
<可撓性容器の開封概要>
次に可撓性容器16の開封について
図8及び
図7を用いて述べる。開封のため回転部材20が封止部材19を引っ張る力を与える力点部20aと、引っ張られる可撓性容器16を固定する枠体の固定部18aを可撓性容器16は有している。
【0061】
力点部20aとは開封の瞬間に封止部材19と回転部材20の接している部分の最も接合部22に近い部分である。
図7(b)では回転部材20の角部20cが力点部20aである。また枠体18の固定部18aは開封時の力による可撓性容器16の移動を抑制する固定部18cを有している。また、接合部22から本実施例では枠体の第1固定部18aと可撓性容器16の第1固定部16dは超音波カシメにより接合されている。
図7(b)(c)、
図8(a)で示す様に第1固定部18aの超音波カシメ部分のうち接合部22に近い部分が固定部18cとなる。
【0062】
まず
図4で示すように回転部材20は装置本体Bに設けられた不図示の駆動手段により駆動力が伝達され矢印Cの方向に回転する。そして回転部材20の回転が進むことで封止部材19が引っ張られて第1接合部22aの開封が始まる直前の状態を
図5、
図7(b)示す。回転に伴い回転部材20に係合部19bで固定された封止部材19は四角い回転部材20の角部20c(力点部20a)により矢印D方向に引っ張られる。
【0063】
封止部材19が引っ張られると接合部22を介して可撓性容器16が引っ張られる。すると可撓性容器16は第1固定部16dに力が加わり固定部18cによって固定部18cから力点部20aに向けて可撓性容器16は引っ張られる。すると回転部材20の回転軸に垂直な断面において、第1接合部22aは力点部20aと固定部18cを結んだ線上に近づくように動く。このとき、矢印D方向において、回転部材20の回転軸に近い方から、開口部35a、第1接合部22a、返し部19d、固定部18cの順に配置されている(
図7(b))。そして封止部材19が第1接合部22aと係合部19bの間で折り返されているため第1接合部22aの部分に矢印D方向に傾斜剥離するように力がかかる。そして第1接合部22aの剥離が行われて排出部35の開封が始まる。
【0064】
また角部20cと共に力点部20aも矢印Cの方向に移動し、角部20dと封止部材19が接すると角部20cから角部20dへ力点部は移動する。ここで
図7(b)が力点部20aが角部20cの状態を示し、
図7(c)が更に回転部材20の回転が進み角部20dへ力点部が移った状態を示す。
【0065】
図6、
図7(c)に示すように回転部材20の回転が進むに連れて開封が進むと共に返し部19dも矢印E方向に進む。そして更に開封が進み開口部35aが露出する。開口部35aが露出した後に第2接合部22bの剥離に入る状態を
図8(a)に示す。この時も第1接合部22aの剥離と同様に封止部材19は力点部20aの方へ引っ張り、可撓性容器16は固定部18cの方向(矢印H方向)に踏ん張ろうとする。すると回転部材20の回転軸に垂直な断面において、第2接合部22bは力点部20aと固定部18cを結んだ線上に近づくように動く。そして第2接合部22bの部分に矢印D方向の力がかかり第2接合部22bが剥離する。そして第2接合部22bが剥がされて開封が完了する(
図8(b)、
図9)。そして可撓性容器16内部の現像剤が排出部35の開口部35aを通り矢印I方向に排出される。
【0066】
このように回転部材20の回転により封止部材19が回転部材20に巻きとられて接合部22を開封するのである。封止部材19が回転で巻き取られる回転部材20の移動に要するスペースは、回転部材20の回転スペースがあれば良く、回転以外の移動により封止部材19を移動させる場合に比べ省スペース化する事が出来る。また回転部材20をユーザーが回転させて封止部材19を巻き取って開口部35aを露出させても良い。しかし装置本体Bからの駆動により回転部材20を回転させて封止部材19を巻き取る方がユーザーの手を煩わせず、より好ましい。
【0067】
また封止部材19が返し部19dを設けられていることで接合部22をせん断剥離せずに傾斜剥離とすることができ確実に開封できる。また複数の開口部35aが並んでいる矢印F方向と略垂直方向の封止部材19の一端側に封止部材19を開封するための回転部材20に係合される係合部19bが設けられることで確実に封止部材19を係合して開封することができる。また枠体に固定部18cを設けて、可撓性容器16を開封時に支持する事により柔らかく変形可能な可撓性容器16でも確実に開封可能となる。また開封時の現像剤の排出に関して、前述のように開封時に力点部20aと固定部18cで結んだ線上に接合部22が動く(
図7(a)→
図7(b)→
図7(c)→
図8(a))。この動きにより開口部35a周辺の現像剤が動かされ現像剤の凝集を崩す事が出来る。
【0068】
<押圧部材と現像剤排出概要について>
(押圧部材)
図16及び
図17に示すように、断面が四角い回転部材20の一面には押圧シート21が取り付けられており、装置本体Bの内部の駆動手段により駆動力が伝達されて、回転部材20が矢印C方向に回転する。そうすると、一緒に押圧シート21が矢印C方向に回転するようになっている。なお押圧シート21の材質としてはPET、PPS(ポリフェニレンスルファイド)、ポリカーボネイト、等の可撓性シートで、厚みは0.05〜0.1mm程度を用い、その先端は回転部材20の外接円より外側に突出している。ここで本実施例では回転部材20の異なる面に封止部材19と押圧シート21を固定しているが、回転部材20の同じ面に封止部材19と押圧シート21を固定しても良い。
【0069】
また
図16、
図17に示すように押圧シート21は現像剤を撹拌し、現像ローラ13や供給ローラ23の方へ搬送する機能も兼ねている。
【0070】
<可撓性容器からの現像剤排出概要>
(開封前から開封時の排出概要)
まず開封前から開封開始時の現像剤の排出に関して前述の
図7、
図8に示すように封止部材19は力点部20aの方へ引っ張り(矢印D)、可撓性容器16は枠体の固定部18cで支えられる。そのため、開封時は力点部20aと、枠体の固定部18cと、接合部22の剥離する場所との3か所は、回転部材20の回転軸に垂直な断面において直線状に並ぶ方向に移動する。このように回転部材20が封止部材19に力を与え開封動作を行う前の時と、開封動作を開始し前記第1接合部22aでの接合が開封される時とで、開口部35aの位置が変化することにより開口部35a近傍の現像剤滞留を防ぐことができて排出性が良い。
【0071】
(開封後の排出概要 押圧時)
また開封後は
図8(b)に示すように前述の可撓性容器16から封止部材19を開封すると、まず開口部35aは可撓性容器16の下方に開くように配置してあるため、重力の作用と開封時の可撓性容器16の振動等により開口部35a付近の現像剤が排出される。
【0072】
開封後更に回転部材20の回転が進むと、回転部材20に固定された可撓性容器16を押す押圧シート21も回転し、
図9で示すように可撓性容器16により回転部材20に巻き着く。ここで
図16に示すように押圧シート21は弾性を有しているため、もとの形状に回復しようとするために可撓性容器16を上側空間X1の矢印方向に押す。この時に可撓性容器16は押圧シート21により押され収納するトナーを介して枠体18に押さえつけられ可撓性容器16全体が変形する。また可撓性容器16は押圧シート21により押され内容積が少なくなる。このように可撓性容器16の容積減と全体形状の変化により、可撓性容器16の内部の現像剤は撹拌され、それにより開口部35aから現像剤が排出されやすくなる。またこの時に可撓性容器16は開口部35a以外は閉じており開口部35a以外に現像剤の逃げ道が無いため開口部35aからの排出性が高い。以上のような排出作用により矢印I方向に現像剤を排出しやすい。
【0073】
なおこの時に可撓性容器16は少なくとも一部が枠体18に当接して押さえつけられれば可撓性容器16は変形できる。また現像ローラ13の回転軸方向と複数の開口部35aの並ぶ矢印F方向を揃えることで、現像剤を排出時に現像ローラ13の長手方向全体に現像剤が偏りなく供給され易くすることができる。
【0074】
また可撓性容器16が画像形成装置100に装着された際に、開口部35aが重力方向に開くように設けられることで現像剤の排出性を向上させる事ができる。また枠体(17、18)内部に設けられて押圧シート21が可撓性容器16を枠体18に押し付けるように押圧することで現像剤の排出性を向上させる事が出来る。また、封止部材19も、基材がポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン等で、厚み0.03〜0.15mmの可撓性シートを用いている為、上記押圧シート21bと同様のメカニズムによって排出作用に関わっている。
【0075】
(排出概要 可撓性容器形状回復)
そして
図17で示すように更に回転部材20の回転が進み押圧シート21が可撓性容器16から離れる。この時に可撓性容器16は可撓性を有しているため収納する現像剤の重さで押圧される前の状態に回復しようとする(矢印K)。そしてまた封止部材19も回転し、可撓性容器16を枠体18に押し可撓性容器16が変形することで開口部35a付近以外の現像剤も動かされ開口部35aより排出される。
【0076】
(排出概要 押圧/回復の繰り返し)
開封直後の現像剤が可撓性容器16内部に多くある場合は、押圧シート21、封止部材19、及び、回転部材20の可撓性容器16への侵入量が繰り返し変化し、枠体18に押しつけるように可撓性容器16を変形させる。この押圧シート21の押圧による可撓性容器16の収縮と、可撓性容器16内部の現像剤の重さと可撓性容器16の可撓性による回復を繰り返す。また前記作用により可撓性容器16自体が動くため可撓性容器16が振動し、この振動によっても可撓性容器16内部の現像剤が開口部35aから排出される。また押圧シート21は回転するため繰り返し可撓性容器16を押圧させることができる。
【0077】
(押圧シートと封止部材の兼用)
なお押圧シート21と封止部材19を兼用させて1部品で両方の機能をもたせてもよい。これは開封封後に接合部22が可撓性容器16と離れるため、封止部材19の接合部22側の端部は自由端となる。このため封止部材19は押圧シート21の機能を有することができる。このように押圧シート21の回転部材20の機能を回転部材20が有し、押圧シート21の機能を封止部材19が有することが可能となる。このようにする部品点数の削減ができてコストダウンが図れる。
【0078】
以上のように現像剤排出口である開口部35aに現像剤排出ローラ等の他の排出部品を設けることなく可撓性容器16内部の現像剤を良好に排出可能とし、開口部35a付近の現像剤の凝集、ブリッジを防止できる。これにより物流、保管時等で可撓性容器16内の現像剤がタッピングにより固まった場合でもこのような可撓性容器16全体や開口部35a周囲の移動により現像剤の塊を崩すことで現像剤の排出が困難になる状態を防止できる。
【0079】
(押圧部材が一部品の例)
また押圧シート21が回転部材20と押圧シート21の別部品ではなく、
図11(a)で示すように同一部品で押圧シート21の作用をする凸部21cを押圧シート21に設けても同様に現像剤の排出を行うことができる。押圧シート21の回転部材20のみで構成される場合に、回転中心に垂直な断面で見たときに前記回転部材20の断面が多角形(
図11(b))の形状やカム形状(
図11(c))を有する場合でも可撓性容器16を枠体29に押圧して変形させる事が可能である。
【0080】
これは押圧シート21を少なくとも可撓性容器16に接するように配置すると、押圧シート21の回転中心から外形への距離が変化する為に押圧シート21の可撓性容器16への侵入量も変化するためである。つまり中心に回転軸をもつ円形断面の軸で無い限り、押圧シート21の回転により可撓性容器16を変形させる事が可能である。
図20で示すように押圧シート21の中心から遠い外形までの凸部21cの先端までの寸法と回転部材20の外形まで近い距離21dが異なっているため押圧シート21の可撓性容器16への侵入量も変化する。
【0081】
また
図5(b)は断面が十字形の押圧シート21の断面図、
図5(a)は十字形の押圧シート21を有する現像剤収納ユニット25の断面説明図である。
図5に示すように押圧部材の中心から外形までの距離が等しい4本の凸部21eを有する場合、4本の凸部21eの外形(21c)は共に等しい。しかし、凸部21e以外に中心から近い外形の部分(距離21d)を有するため可撓性容器16への侵入量を変化させることができる。即ち、押圧シート21は、押圧シート21の回転中心に垂直な断面において、押圧シート21の回転中心から押圧部材の外形までの距離が異なる部分を有する回転部材とすることができる。
【0082】
このように押圧シート21により可撓性容器16は押される事(上側空間X1の矢印)で枠体29に押しつけられて変形して内容積が減少し内部の現像剤が押し出されて開口部35aより排出される(矢印I)。
【0083】
また画像形成時の姿勢において押圧シート21の回転部材20は可撓性容器16の重力方向下方にあり可撓性容器16と接している。そして押圧シート21の回転部材20は断面形状が四角であり、断面形状が丸ではないため回転部材20の回転により可撓性容器16への回転部材20の侵入量は前述のように周期的に変化する。可撓性容器16への回転部材20の侵入量が変化することによっても可撓性容器16の容積を変化させ、また振動させることができて排出性が向上できる。
【0084】
<開封後の現像剤所在概要>
図18は、可撓性容器16の端部に相当する位置で現像剤収納ユニット25の断面を取った斜視図である。
図19は、現像剤収納ユニット25の断面図であり、現像材の所在を網点で図示した。これらの
図18、
図19を参照しつつ、開封後の現像剤の所在について説明する。
【0085】
まず、前述した
図1に示されるように、カートリッジAの内部において、可撓性容器16は固定部16dで枠体17、18に保持されており、可撓性容器16の外面と枠体17、18内面に挟まれた空間が形成される。一方で、現像剤収納ユニット25は可撓性容器16が開封された状態になった後も、ユーザの使用状態により様々な方向に向けられることが容易に推測できる。その結果、可撓性容器16の外面と枠体17、18内面に挟まれた空間に現像剤が入り込み、この現像剤は排出経路がないため現像剤収納ユニット25中に滞留してしまい現像剤として機能しない可能性がある。
【0086】
図18の状態から
図19の状態へと移行して、可撓性容器16における開口部35aの開封が完了すると、通常、現像剤Gは、『押圧手段』である回転機構(回転部材20、押圧シート21、封止部材19)の搬送作用によって現像ローラ13の方向へ送られる。
【0087】
この際に、現像剤Gは、現像ローラ13に供給されると同時に、
図19の矢印Kのように現像剤収納ユニット25の枠体17の内部に向かい上側空間X1の矢印の方向に押圧を生じて、矢印Kの方向に舞い上げられる。そして、可撓性容器16の頂部であり侵入する現像剤の重みによって生じる可撓性容器の鞍部16hに入ってしまう可能性がある。押圧シート21の搬送作用の継続によって、現像剤Gは鞍部16hに溜まり、鞍部16hが現像剤Gに重みによって拡大する他、更なる現像剤Gの侵入を引き起こす可能性がある。
【0088】
また、開封後であってもユーザの使用状況によりカートリッジAは様々な方向に向けられる可能性があるため、
図18の上側空間X1の矢印のような現像剤Gの動きを促進する可能性もある。現像剤Gは、カートリッジAが装置本体Bに装着された状態で、押圧シート21が現像ローラ13へ現像剤を搬送する空間に対して可撓性容器16を挟んで裏側となる枠体18と可撓性容器16が形成する空間26から現像剤を排出する経路がない(
図19参照)。そのために、画像形成に使用することができなくなる。
【実施例1】
【0089】
<現像剤侵入対策の概要>
図15は、現像剤収納ユニット25の断面図である。なお、以下の説明にあたって、上側空間X1は、枠体17の内部の空間で、詳しくは可撓性容器16の内部の空間をいう。また、下側空間X2は、枠体18の内部の空間で、詳しくは枠体17及び枠体18で囲まれる空間のうち、可撓性容器16、よりも下側の空間(図中の右斜め下に向かう斜線の空間)をいう。さらに、隙間空間X3は、枠体17及び可撓性容器16の間の隙間であって、下側空間X2以外の空間をいう。
【0090】
この
図15を参照しつつ、次に固定部の上側空間X1への現像剤侵入防止方法について説明する。現像剤収納ユニット25は当接部51aを備える。当接部51aは、可撓性容器16の一部、及び、枠体17、18の一部を当接させるための部材である。枠体17、18の内部で可撓性容器16がない領域から見て、枠体17、18及び可撓性容器16で囲まれる開口の入口部には、当接部51aが設けられる。当接部51aは、枠体17、18の一部に対して長手方向に亘って粘着性又は接着性を有すると共に、可撓性容器16の一部に対して長手方向に亘って粘着性又は接着性を有する
【0091】
具体的には、当接部51aは、押圧シート21の搬送作用によって発生する上側空間X1の矢印の方向の押圧により、現像ローラ13へ現像剤を搬送する空間から枠体17と可撓性容器16の隙間に侵入がはじまる部位に配置される。また、当接部51aは、枠体17の長手方向に沿って、接着剤や粘着剤または両面テープなど枠体17と可撓性容器16の両方に隙間なく当接するように配置する。
【0092】
図15に示すように、当接部51aは、押圧シート21の搬送作用によって発生する上側空間X1の矢印の方向の押圧により、現像ローラ13へ現像剤を搬送する空間から枠体17と可撓性容器16の隙間に侵入が始まる枠体17の部位に設けられる。当接部51aは、枠体17の長手方向(図の紙面と直交する方向)に沿って、枠体17と可撓性容器16の両方に隙間なく当接する構成をとる。
【0093】
そうすると、当接部51aは、現像剤G2が可撓性容器16及び枠体17の隙間へと侵入することを防止することが可能となる。このような枠体17の裏をまわって侵入してくる現像剤G2を減少させることで、画像形成に供する現像剤G2を増加させて現像剤G2の無駄がない運用が可能となる。
【0094】
実施例1では、当接部51bは、枠体17の長手方向に沿って、接着剤や粘着剤または両面テープなどの当接する部材としたが、その形状は特に限定されず、例えば蛇行する形状であっても途切れなければよい。
【実施例2】
【0095】
図21は、現像剤収納ユニット225の構成を示す断面図である。
図25は、枠体17の構成を示す斜視図である。実施例1の場合と同様に、現像剤G2が、下側空間X2から隙間空間X3へと侵入するのを抑制する構成に関して説明する。
【0096】
図21及び
図25に示されるように、現像剤収納ユニット225は、可撓性容器16の一部、及び、枠体17、18の一部を当接させるために、『当接部』である『枠体側突出部』としてのリブ251bを有する。リブ251bは、枠体17、18の一部に対して長手方向に亘って設けられると共に枠体17、18から可撓性容器16へと向かって突出する(
図25参照)。
【0097】
簡単に言うと、枠体17及び可撓性容器16の間の隙間が開始する開口を塞ぐように、枠体17の裏面にはリブ251bが設けられる。リブ251bは、可撓性容器16の方に向かって延びている。また、このリブ251bは、その部位で枠体17の長手方向に沿って延びている。
【0098】
押圧シート21の搬送作用によって発生する上側空間X1の矢印の方向の押圧により、現像ローラ13へ現像剤G2を搬送する枠体18の内部の空間から枠体17と可撓性容器16の隙間に配置されるリブ251bへと向かう。しかしながら、リブ251bが可撓性容器16に当接することで、現像ローラ13へ現像剤を搬送する下側空間X2から枠体17と可撓性容器16の隙間に現像剤G2が侵入することを防止する。
【0099】
図21に示すように、押圧シート21の搬送作用によって発生する上側空間X1の矢印の方向への押圧により、下側空間X2から枠体17と可撓性容器16の隙間に侵入がはじまる部位にリブ251bが設けられる。枠体17の長手方向に沿って、枠体17と可撓性容器16の両方に隙間なく当接する構成をとる。このことにより、現像剤G2の侵入を防止することが可能となり、裏周り現像剤を減少させることで、画像形成に供する現像剤を増加させて無駄がない運用が可能となる。
【0100】
本実施例で、長手方向に沿ったリブ251bとしたが、必ずしも直線状にするものではなく可撓性容器の立体形状に即した当接関係を実現できる形状であれば円弧上などでもよい。
【0101】
<可撓性容器の偏りと出力画像>
図28は、通常の画像形成時と可撓性容器16と内包する現像剤Gに現像ローラ13の回転軸方向において偏りが生じた時に関して、可撓性容器16の状態を示している。以後、現像ローラ13の回転軸方向と水平方向の事を、長手方向と呼ぶ。上述の通常の画像形成時における出力画像は問題ないが、偏りが生じた時の出力画像では長手方向に濃度ムラが発生し易い。
【0102】
ここで、通常の画像形成時とは、現像ローラ13の回転軸が重力方向と垂直になる姿勢で現像剤収納ユニット25が保管されている場合である。また、偏り発生時とは、現像ローラ13の回転軸が重力方向と平行になる姿勢である現像剤収納ユニット25が立てられた状態で保管された直後に、現像ローラ13の回転軸が重力方向と垂直になる通常の画像形成姿勢に戻した場合である。以後、立てられていた現像剤収納ユニットと呼ぶ。
【0103】
上記の立てられていた現像剤収納ユニット25を画像形成装置100に装着して通常の画像形成時の姿勢に戻したとしても、現像剤Gは凝集された状態である為、上述の長手方向の偏り状態が暫く維持されてしまう。これは、可撓性容器16に長手方向の偏りが生じると、可撓性容器16の膨らんだ部分では元に戻ろうとする張力と、内包された現像剤Gの自重による粉圧がつり合いを保とうとする為である。
【0104】
尚、上記の現像剤収納ユニット25が立った状態は、物流時等に想定される、最も可撓性容器16と内包する現像剤Gの偏りが大きいと考えられる例である。故に、上記の現像剤収納ユニット25が立てられた状態で保管されている場合は、通常の画像形成時と比較すると、出力画像に濃度ムラが発生し易い傾向が有る。
【0105】
出力画像に濃度ムラが発生する理由を、以下に説明する。上述のリブ251bに関して、可撓性容器16を支持する支持部材として働かせ濃度ムラを抑制する効果を生む構成を説明する。リブ251bが配置されていない比較例において、現像剤収納ユニット25内に、可撓性容器16から排出された現像剤Gが充分蓄えられていない画像出力初期時は、上述の濃度ムラがより発生し易い。
【0106】
つまり、可撓性容器16が押圧シート21に押されて、内包されていた現像剤Gが開口部35aより排出されて、供給ローラ23に含まれ、現像ローラ13へ供給される過程を経て出力画像が現像される為、長手方向において現像剤の可撓性容器16からの排出量が異なると、結果的に出力画像上に濃度ムラが発生するのである。
【0107】
<支持部材の効果>
本実施例においては、
図21、及び、
図25に示すように、『当接部』としてのリブ251b(支持部材)が配置されていることによって、上述の現像剤収納ユニット25が立てられた状態で保管されていた場合に発生し易い可撓性容器16の長手方向に関する偏りが抑制されている。
【0108】
図29は、本実施例の現像剤収納ユニットに関して、
図21の封止部材19が開封される前の状況において、枠体17側から可撓性容器16を見た長手方向のイメージ図である。
図29(a)は、リブ251bが配置されて長手方向の偏りが抑制された状態を示している実施例である。また、
図29(b)は、リブ251bが配置されていない為に可撓性容器16に長手方向の偏りが生じた比較例である。
【0109】
上記のように、現像剤収納ユニット25が立てられて長手方向の偏りが生じると、鉛直下方側では現像剤Gが密に凝集されて、
図29(b)のように、鉛直上方側と比較すると可撓性容器16が膨らんだ個所Yが生じる。また、鉛直上方側では、縮んだ個所Zが生じる。なお、これは、
図29(b)中で、左側が鉛直下方、右側が鉛直上方に配置されたとした場合のことである。
【0110】
また、
図30は、現像剤収納ユニットの断面イメージを示している。
図30(a)は、
図29(a)のX部分に関する現像剤収納ユニットの断面イメージを示した実施例である。また、
図30(b)は、
図29(b)のY部分に関する断面イメージを示した比較例であり、
図30(c)は、
図29(b)のZ部分に関する断面イメージを示した比較例である。尚、
図30において、218bは枠体17と可撓性容器16の固定部、218cは枠体18と可撓性容器16の固定部である。
【0111】
リブ251bが配置されていない比較例である、
図30(b)に示すように、現像剤収納ユニット25が立てられた状態において、鉛直下方側では現像剤Gが密に凝集されて、鉛直上方側と比較すると可撓性容器16が膨らみ、現像ローラ13の回転軸に垂直な断面における可撓性容器16の断面積が大きくなっている。
【0112】
断面を示す
図30において、(a)から(b)へ変化するように可撓性容器16が膨らむと、開口部250aの鉛直上方に存在する現像剤の量が増えている。開口部250aに対する現像剤の自重による粉圧を矢印Hと表現すると、(a)から(b)へ変化すると、HからH’と変化して粉圧が高くなっている。開口部250aに対する現像剤の粉圧が高まると、パッキング状態が進行する為、可撓性容器16から現像剤が排出され難くなる。
【0113】
そこで、本実施例
図30(a)のように、リブ251bが配置されると、上述の鉛直下方側の可撓性容器16が膨らみ易い部分に関して、リブ251bと可撓性容器16が接触することによって、可撓性容器16の変形が抑制されている。その結果、開口部250aに対する現像剤の粉圧変化が抑制され、パッキング状態の進行を抑制する事ができ、可撓性容器16からの現像剤Gの排出性が維持される。故に、出力画像上における濃度ムラの発生を抑制する事が可能である。
【0114】
本実施例におけるリブ251bは、
図21に示すとおり、枠体17の一部で形成されており、開口部含有面Xの端部において長手方向全面に配置されているが、リブ251bは、枠体17の一部ではなく、別部材であっても構わない。例えば、リブ251bは、別部材が枠体17に対して接着されていたり、嵌め込まれていても構わない。
【0115】
本実施例では、上述の通常の画像形成時、つまり、可撓性容器16に長手方向の偏りが無い場合においても、リブ251bと可撓性容器16が接触した状態である。しかし、リブ251bが可撓性容器16の極近傍に配置されており、開口部含有面Xに関して長手方向の偏りが生じた場合のみ、可撓性容器16を支持して可撓性容器16の膨らみを抑制しても構わない。
【0116】
<支持部材の配置位置>
図32(a)は、開口部250aよりも鉛直上方にリブ251bが配置された実施例であり、
図32(b)は、開口部250aよりも鉛直下方にリブ251bが配置されている比較例である。
図32(b)のように開口部250aよりも鉛直下方にリブ251bが配置されると、開口部250aよりも鉛直下方側に存在する現像剤Gの量が増える為、開口部250aよりも鉛直上方にリブ251bが配置されている場合よりも、可撓性容器16から現像剤Gが排出され難くなる。
【0117】
何故ならば、可撓性容器16の開口部250aは鉛直下方を向いており、現像剤が自重方向に搬送され易い構成であり、重力に逆らって現像剤Gを汲み上げる状況となる為である。故に、リブ251bは、開口部250aよりも鉛直上方に配置されていることが好ましい。
【0118】
また、開口部250aに対する現像剤の粉圧が高まると、パッキング状態が進行し、可撓性容器16からの現像剤Gの排出が悪化している。尚、パッキング状態の進行は開口部250a近傍に生じるブリッジの影響が大きい為、鉛直下方の変形を抑制する事は、パッキングの抑制に対して好ましい対策である。故に、開口部250a近傍における鉛直下方方向への可撓性容器16の変形を抑制する為には、可撓性容器16表面の現像剤Gの自重に関して重力方向の成分を受けている部分を支持する事が有効である。
【0119】
つまり、通常の画像形成時の姿勢(画像形成可能な状態)において、可撓性容器16の表面上のトナー自重の重力方向成分を受ける部分に対して、支持部材が支持(又は当接)、若しくは、支持可能(又は当接可能)な位置に配置されている事がより好ましい。
【実施例3】
【0120】
図22は、現像剤収納ユニット325の構成を示す断面図である。実施例1及び2の場合と同様に、固定部16dの上側に相当する上側空間X1への現像剤G2の侵入を防止する方法について説明する。
【0121】
図22に示されるように、現像剤収納ユニット225は、可撓性容器16の一部、及び、枠体17、18の一部を当接させるために、リブ351b1、351b2、及び、端部突出部351cを有する。『当接部』である『枠体側突出部』としてのリブ351b1、351b2は、枠体17、18の一部に対して長手方向に亘って設けられると共に枠体17、18から可撓性容器16へと向かって突出する。『当接部』である『容器側突出部』としての端部突出部351cは、可撓性容器16の一部に対して長手方向に亘って設けられると共に可撓性容器16から枠体17、18へと向かって突出する。具体的には、以下の構成となっている。
【0122】
枠体17の裏面には、枠体17及び可撓性容器16の隙間の入口を塞ぐように、
図21で前述したのと同様に、枠体17から可撓性容器16に向かって延びると共に長手方向に沿って延びる複数段のリブ351b1、351b2が設けられている。ここでは、リブ351bが、長手方向と直交する方向に複数段に亘って設けられる構成であるが、この構成に限定されない。すなわち、端部突出部351cの方だけ、又は、端部突出部351cの方も、長手方向と直交する方向に複数段に亘って設けられる構成とすることも可能である。
【0123】
この複数段のリブ51dは、可撓性容器16に当接するものであるが、可撓性容器16の変形具合によっては、その全てが可撓性容器16に当接したり、その一部のみが可撓性容器16に当接したりする状態となる。
図22中では、複数のリブのうち上側のリブ351b1が可撓性容器16に当接し、複数のうち下側のリブ351b2が可撓性容器16に当接しない状態になっている。ただし、この実施例では図示しないが、回転部材20が開口部35aをまだ開封していない状態では、複数のリブ351b1、351b2の全てが可撓性容器16に当接している。
【0124】
また、可撓性容器16の表面の端部には、枠体17及び可撓性容器16の隙間の入口を塞ぐように、枠体17の裏面に向かって延びると共に長手方向に沿って延びる『突出部』端部突出部351cが設けられる。この端部突出部351cは、枠体17の裏面に当接する。
図22中では、端部突出部351cは、上側のリブ351b1と下側のリブ351b2の間に挿入されるように配置されている。このように構成することで、更に、下側空間X2から枠体17及び可撓性容器16の隙間に現像剤G2が侵入することを防止する。
【0125】
図22に示すように、押圧シート21の搬送作用によって発生する上側空間X1の矢印の方向の押圧により、下側空間X2から枠体17及び可撓性容器16の隙間に侵入がはじまる部位に設けられる。枠体17の長手方向に沿って、枠体17と可撓性容器16の両方に隙間なく当接する構成をとることにより、現像剤の侵入を防止することが可能となる。これによって、裏周り現像剤を減少させることで、画像形成に供する現像剤を増加させて無駄がない運用が可能となる。
【0126】
本実施例では、リブ351b1、351b2は、枠体17の長手方向の全てに亘って形成される構成として説明したが、この構成に限定されなくても良い。すなわち、
図26に示されるように、リブ351f、351eがひと畝の連続したリブではなく、長手方向で複数に分割されたリブの組み合わせで構成しても良い。このように、分割された構成であっても、可撓性容器16が柔軟性を有するので、リブの間の隙間は塞がれる。
【0127】
また、
図27に示されるように、リブ351gを、短手方向で複数段として構成しても良い。この場合には、可撓性容器16とリブ351gが複数の箇所で現像剤G2の侵入を防ぐことになる。
【0128】
本実施例で、枠体17、18のリブ251b1、351b2は、長手方向に沿って形成されるが、必ずしも直線状にするものではなく、可撓性容器16の立体形状に即した当接関係を実現できる形状であれば円弧状などでもよい。可撓性容器16のリップ状の端部突出部351cについても、必ずしも直線状にするものではなく、可撓性容器16を構成する端部突出部351cの他に、山折りで生じた突出部など当接関係を実現できる形状であればよい。
【0129】
なお、この実施例3の思想から、実施例1の現像剤収納ユニット25において、当接部51aが、長手方向と直交する方向に複数段に亘って設けられる構成も可能である。
【実施例4】
【0130】
図23は、現像剤収納ユニット425の構成を示す断面図である。実施例1〜3の場合と同様に、固定部16dの上側に相当する上側空間X1への現像剤G2の侵入を防止する方法について説明する。枠体17、18中で可撓性容器16がある領域で、互いに対向する可撓性容器16及び枠体17、18を当接させるために以下のようにする。すなわち、可撓性容器16における現像剤G2の安息角より傾斜が小さい部位、又は、可撓性容器16における下向きに凹む凹部である鞍部16hを、枠体17、18の一部に当接させる。そのために、枠体17、18の一部に対して長手方向に亘って粘着性又は接着性を有すると共に、可撓性容器16の一部に対して長手方向に亘って粘着性又は接着性を有する当接部52が存在する。
【0131】
具体的に以下に説明する。
図19を参照しつつ前述したように、押圧シート21の搬送作用によって、現像剤G2が上側空間X1の矢印の方向に押圧を生じて、矢印Kの方向に舞い上げられ可撓性容器16の頂部に向かって侵入する可能性がある。また、このようにして侵入した現像剤G2の重みによって生じる可撓性容器16に鞍部16hが生じる可能性がある。
【0132】
枠体17の頂部の裏面、及び、可撓性容器16の頂部の表面の間には、その両方に当接する当接部52が配置されている。この可撓性容器16の頂部は、可撓性容器16が現像剤G2の安息角より傾斜が小さい部位、及び、可撓性容器16が鞍部形状を成す鞍部16h(
図19参照)のなど現像剤が滞留する部位に相当する。
【0133】
当接部52は、枠体17の長手方向に沿って、接着剤や粘着剤または両面テープなど枠体17と可撓性容器16の両方に隙間なく当接するように配置される。当接部52が前述の配置であることにより、現像剤G2の侵入を防止することが可能となり、裏周り現像剤G2を減少させることで、画像形成に供する現像剤G2を増加させて無駄がない運用が可能となる。
【実施例5】
【0134】
<開封後の現像剤所在概要>
図18は、可撓性容器16の開口部35aが開封された状態を示す斜視図である。
図18を参照しつつ、開封後の現像剤の所在について説明する。前述のように、開封が完了すると、通常、現像剤は押圧シート21の搬送作用によって現像ローラ13の方向へ送られる。この際に現像剤G2は、現像ローラ13に供給されると同時に
図19の矢印Kのように現像剤収納ユニット25の枠体内部に向かい上側空間X1の矢印の方向に押圧を生じる。これと共に枠体内部で長手方向に沿って、可撓性容器16の長手端部を回りこむような矢印Lの方向の流れを引き起こす可能性がある。
【0135】
押圧シート21の搬送作用の継続によって、現像剤は、現像ローラ13へ現像剤を搬送する空間に対して可撓性容器16を挟んで裏側となる枠体18と可撓性容器16が形成する空間26に入ってしまう可能性がある。カートリッジAの画像形成装置100装着状態において、空間26から現像剤を排出する経路がないため、画像形成に使用することができなくなる。
【0136】
<現像剤侵入対策の概要>
図24は、実施例5に係る現像剤収納ユニット525の構成を示す斜視図である。特に、
図24は、可撓性容器16の端部に相当する位置における現像剤収納ユニット25の断面からの斜視図である。この
図24を参照しつつ、可撓性容器16の長手端部で矢印L方向からの現像剤が侵入するのを防止する方法について説明する。ここでは、『当接部』であるリブ53は、可撓性容器16の端部側で、長手方向と直交する方向に延びるように、可撓性容器16及び枠体18の間に配置される。以下、具体的に説明する。
【0137】
前述のように、可撓性容器16の長手端部で矢印L方向から空間26に現像剤の侵入が始まる部位に、枠体18の短手方向に沿ってリブ53を設けて可撓性容器16に当接する。枠体17からも同様なリブを可撓性容器16に当接する。これらのことで、可撓性容器16の両方に隙間なく当接する構成をとる。こうして、空間26へ現像剤の侵入を防止することが可能となり、裏周り現像剤を減少させることで、画像形成に供する現像剤G2を増加させて無駄がない運用が可能となる。
【実施例6】
【0138】
次に、上述の支持部材に関して、他の構成例を挙げる。実施例2〜3においては、支持部材が長手全面に亘って配置されている例を挙げているが、本実施例6では長手全面に亘っていない例を挙げる。
【0139】
まず、長手方向両端部においてのみ、可撓性容器16の近傍に支持部材が配置されている例を挙げる。
図21、及び、
図33に示すように、支持部材651bは、中央部に対し、長手両端部において長手方向の所定長さでのみ、可撓性容器16の近傍に配置されている。
【0140】
実施例2における<支持部材の効果>にて説明した通り、現像ローラ13の回転軸が重力方向と平行になる姿勢で現像剤収納ユニット25が立てられた状態で保管された時、特に鉛直上方と下方の両端部にて、開口部35aから現像剤Gが排出され難くなり易い。故に、可撓性容器16の長手方向の偏り起因の現像剤排出不足が最も顕著である長手両端部にのみ支持部材を配置しても、実施例2〜3と同様に、偏り抑制の効果が得られる。
【0141】
他の例として、
図21の示すリブ251b(当接部)が長手方向において隙間を有している場合を説明する。
図34に示すように、現像ローラ13の回転軸に垂直な断面において、枠体17側から支持部材651iが可撓性容器16近傍に向って伸びている。長手方向において隙間を有している為、支持部材651b鉛直上方に滞留してしまう現像剤を減らす効果が見込まれる。また、支持部材651b、枠体17の一部ではなく、別部材であっても構わない。例えば、支持部材651b、別部材が枠体17に対して接着されていたり、嵌め込まれていても構わない。
【0142】
<長手方向端部が支持されない場合>
長手方向の端部に支持部材が配置されていなくとも、可撓性容器16の長手方向に関する偏り抑制の効果は奏される。
【0143】
<長手方向の支持位置>
現像ローラ13の回転軸が重力方向と平行になる姿勢で現像剤収納ユニット25が立てられた状態では、両端部のどちらかが鉛直下方になり可撓性容器16が膨らんで変形し得る。また、長手方向の中心から見て片側のみに支持部材が配置されている場合、支持部材の効果が少なくなってしまう可能性がある。故に、支持部材は、可撓性容器16の長手方向の中心に関して、両側に配置されている事が好ましい。
【実施例7】
【0144】
図35は、可撓性容器16が固定部16d、16eの2点によって、吊られた構成の現像剤収納ユニットの例である。
図35(a)は、現像ローラ13の回転軸に垂直な断面を示している。また、
図35(b)〜(d)は、現像ローラ13側から見た可撓性容器16と支持部材751bの長手方向全体イメージ図である。
【0145】
支持部材751bは、実施例2、3、6で説明された構成と同じく、(b)の長手方向端部のみ、(c)の長手方向全面に亘っている、(d)の長手方向において隙間を有しているという構成例が挙げられる。このような支持部材751bを配置することによって、可撓性容器16の長手方向に関する偏りを抑制する事が可能である。なお、750aは開口部である。
【実施例8】
【0146】
図31は、水平方向に関する可撓性容器16の膨らみを抑制する為の変形例を示す現像剤収納ユニットの断面図である。
図31(a)は、支持部材851bが開口部850aよりも鉛直上方、且つ、可撓性容器16の水平方向側に配置された実施例であり、可撓性容器16の変形が抑制されている。しかし、支持部材851bが配置されていない比較例である
図31(b)においては、可撓性容器16が水平方向に変形してしまい、結果的に開口部850aに対する現像剤の粉圧が高まり、パッキング状態が進行することによって、可撓性容器16から現像剤が排出され難くなっている。
【0147】
また、鉛直上方に関しても、以下の説明通り、同様である。
図31(c)は、支持部材851bが開口部850aよりも鉛直上方、且つ、可撓性容器16の鉛直上方向側に配置された実施例であり、可撓性容器16の変形が抑制されている。しかし、支持部材851bが配置されていない比較例である
図31(d)においては、可撓性容器16が鉛直上方向側に変形してしまい、結果的に開口部850aに対する現像剤の粉圧が高まり、パッキング状態が進行することによって、可撓性容器16から現像剤が排出され難くなっている。尚、
図31において、818bは枠体17と可撓性容器16の固定部、818cは枠体18と可撓性容器16の固定部である。
【実施例9】
【0148】
図36は、可撓性容器16の長手方向偏りを抑制する為の変形例を示す現像剤収納ユニットの断面図である。本実施例では、可撓性容器16を形成する面の一部に凸形状部952aが設けられている。枠体17の一部を凸形状部952aに倣うような形状の支持部材951cを配置することによって、凸形状部952aを支持部材951cが支え易くなる為、可撓性容器16の長手方向に関する偏りをさらに抑制する事が可能である。尚、
図36において、918bは枠体17と可撓性容器16の固定部、918cは枠体18と可撓性容器16の固定部である。
【実施例10】
【0149】
押圧シート21を配置せず、封止部材19を開口部の長い方向、つまり、現像ローラの回転軸と平行な方向へ、ユーザー若しくは不図示の巻き取り機構で引きはがすことで開封するような構成においても、支持部材を実施例2、3、6、7、8、9と同様に配置することによって、可撓性容器16の変形を防止して、出力画像上の濃度ムラを抑制する事が有効である。