特許第6053434号(P6053434)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6053434
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】車両用電源回路
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/033 20060101AFI20161219BHJP
   B60R 16/03 20060101ALI20161219BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   B60R16/033 Z
   B60R16/03 Z
   B60R16/02 645D
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-217579(P2012-217579)
(22)【出願日】2012年9月28日
(65)【公開番号】特開2014-69706(P2014-69706A)
(43)【公開日】2014年4月21日
【審査請求日】2015年8月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100105474
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 弘徳
(74)【代理人】
【識別番号】100177910
【弁理士】
【氏名又は名称】木津 正晴
(74)【代理人】
【識別番号】100108589
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 利光
(72)【発明者】
【氏名】松永 元辰
(72)【発明者】
【氏名】羽原 啓仁
【審査官】 田々井 正吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−219625(JP,A)
【文献】 特開平01−265219(JP,A)
【文献】 米国特許第04290004(US,A)
【文献】 実開平04−076120(JP,U)
【文献】 特開2001−342881(JP,A)
【文献】 特許第4947127(JP,B2)
【文献】 特開2003−212065(JP,A)
【文献】 特開2009−029262(JP,A)
【文献】 特開2006−320130(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/033
B60R 16/02
B60R 16/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリと、車両の一の部位に配置され且つノイズを発生する第1の負荷と、前記車両の他の部位に配置され且つノイズを引き込む第2の負荷と、を有する車両に適用される、車両用電源回路であって、
一端が前記第1の負荷に接続され、前記バッテリからの出力電力前記第1の負荷に給電するための第1の導電路と、
一端が前記第2の負荷に接続され、前記バッテリからの出力電力前記第2の負荷に給電するための第2の導電路と、
前記第1の導電路と前記第2の導電路との接続点と、前記第2の負荷と、の間において、前記第2の導電路上に設けられたノイズフィルタと、
前記ノイズフィルタを経て前記第2の負荷に向かう前記第2の導電路とは別に、一端が前記ノイズフィルタに接続され且つ他端が前記第1の負荷GND線に接続され第3の導電路とを備えると共に、
前記第1の負荷、前記接続点、前記ノイズフィルタ、及び、前記第1の負荷のGND線を順に繋ぐ環状の導電路を形成している、
車両用電源回路。
【請求項2】
前記第1の導電路他端が前記バッテリに接続され、
前記第2の導電路他端が前記バッテリに接続される
請求項1に記載の車両用電源回路。
【請求項3】
前記バッテリに一端が接続され且つ他端が前記接続点に接続される第4の導電路をさらに備え、
前記接続点から前記第2の負荷を視た場合の線路抵抗、前記接続点から前記バッテリを視た場合の線路抵抗よりも大きい
請求項1に記載の車両用電源回路。
【請求項4】
前記第2の導電路の線路長が、前記第4の導電路の線路長より長い
請求項3に記載の車両用電源回路。
【請求項5】
前記第1の導電路、複数の前記第1の負荷に接続される、
請求項2〜請求項4のいずれか項に記載の車両用電源回路。
【請求項6】
前記第2の導電路一部が電源分配器に収容される電源回路の一部を構成する
請求項2〜請求項5のいずれか項に記載の車両用電源回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両における各種負荷に対して電源供給を行う車両用電源回路に関する。
【背景技術】
【0002】
ノイズ保護回路を上流側で集約する構造の車両用電源回路が特許文献1に記載されている。特許文献1の車両用電源回路は、接続される負荷の特性に応じて系統を分け、分けた系統毎に適切なノイズ保護回路を備えることにより、ノイズ保護を行うようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4947127号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両用電源回路に接続される負荷は、ノイズを発生し易い負荷(以下、ノイズ発生負荷と称する。)と、発生したノイズを引き込み易い負荷(以下、ノイズ引込負荷と称する。)の2つに大別することができる。ここで、ノイズ引込負荷とは、ノイズが自身に向かって伝搬し易い負荷のことを指す。ノイズを引き込む程度は、主に負荷の内部抵抗の大小によって定まる。内部抵抗が小さい負荷は、ノイズを引き込み易い。ノイズ発生負荷としては、例えば点火装置(イグニッション)、燃料噴射装置(インジェクション)、ワイパー等が挙げられる。また、ノイズ引込負荷としては、例えば電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)、ハイマウントストップランプ、シートヒータ等が挙げられる。
【0005】
ノイズ発生負荷及びノイズ引込負荷によって負荷を大別したとき、特許文献1の車両用電源回路の一態様は、ノイズ引込負荷に向かう導電路を伝搬するノイズをノイズ保護回路により遮断するもの、と読むことができる。特許文献1の車両用電源回路のようにノイズ引込負荷に引き込まれるノイズをノイズ保護回路を用いて抑制する手法は有効である。しかし、より一層、ノイズ発生負荷からノイズ引込負荷へ伝搬するノイズを抑制することが求められる。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ノイズ引込負荷へ引き込まれるノイズを抑制する車両用電源回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明に係る車両用電源回路は、下記(1)〜(6)を特徴としている。
(1) バッテリと、車両の一の部位に配置され且つノイズを発生する第1の負荷と、前記車両の他の部位に配置され且つノイズを引き込む第2の負荷と、を有する車両に適用される、車両用電源回路であって、
一端が前記第1の負荷に接続され、前記バッテリからの出力電力前記第1の負荷に給電するための第1の導電路と、
一端が前記第2の負荷に接続され、前記バッテリからの出力電力前記第2の負荷に給電するための第2の導電路と、
前記第1の導電路と前記第2の導電路との接続点と、前記第2の負荷と、の間において、前記第2の導電路上に設けられたノイズフィルタと、
前記ノイズフィルタを経て前記第2の負荷に向かう前記第2の導電路とは別に、一端が前記ノイズフィルタに接続され且つ他端が前記第1の負荷GND線に接続され第3の導電路とを備えると共に、
前記第1の負荷、前記接続点、前記ノイズフィルタ、及び、前記第1の負荷のGND線を順に繋ぐ環状の導電路を形成している
こと。
(2) 上記(1)の構成の車両用電源回路であって、
前記第1の導電路他端が前記バッテリに接続され、
前記第2の導電路他端が前記バッテリに接続される、
こと。
(3) 上記(1)の構成の車両用電源回路であって、
前記バッテリに一端が接続され且つ他端が前記接続点に接続される第4の導電路をさらに備え、
前記接続点から前記第2の負荷を視た場合の線路抵抗、前記接続点から前記バッテリを視た場合の線路抵抗よりも大きい、
こと。
(4) 上記(3)の構成の車両用電源回路であって、
前記第2の導電路の線路長が、前記第4の導電路の線路長より長い、
こと。
(5) 上記(2)から(4)のいずれか1つの構成の車両用電源回路であって、
前記第1の導電路、複数の前記第1の負荷に接続される、
こと。
(6) 上記(2)から(5)のいずれか1つの構成の車両用電源回路であって、
前記第2の導電路一部が電源分配器に収容される電源回路の一部を構成する、
こと。
【0008】
上記(1)の構成の車両用電源回路によれば、第1の導電路または第2の導電路を伝搬するノイズの一部が第3の導電路に向かって伝搬し、フィルタによって遮断される。このため、ノイズ引込負荷へ引き込まれるノイズを抑制することができる。また、ノイズの一部がフィルタをパスすることが想定されるが、このノイズの一部が、第3の導電路を伝搬し、ノイズを発生する第1の負荷に接続されるGND線に返される。このとき、GND線を伝搬するノイズは、該GND線が接続される車体パネルに向かって伝搬する。このため、フィルタをパスしたノイズが、そのノイズの発生源となる第1の負荷を駆動する回路周辺に返され、第1の負荷が設置された車体パネルに留められる。この結果、他の電子回路に及ぼす影響を抑制することができる。
上記(2)の構成の車両用電源回路によれば、ノイズ引込負荷である第2の負荷にノイズが引き込まれることを抑制することができる。
上記(3)の構成の車両用電源回路によれば、ノイズ引込負荷である第2の負荷にノイズが引き込まれることを抑制することができる。
上記(4)の構成の車両用電源回路によれば、第1の導電路と第2の導電路が単位長さ当たり同程度の抵抗値を有するものである場合、第2の導電路の他端から第2の負荷を視た場合の線路抵抗が、第4の導電路の他端からバッテリを視た場合の線路抵抗よりも大きくなる。このため、ノイズ引込負荷である第2の負荷にノイズが引き込まれることを抑制することができる。
上記(5)の構成の車両用電源回路によれば、ノイズ発生負荷である第1の負荷に接続される導電路が第1の導電路として集められている。この第1の導電路は、ワイヤハーネスを構成する一束のサブハーネスとして設けられる。第1の負荷に接続される導電路を一束のサブハーネスとしてまとめ、そのサブハーネスをバッテリに接続するという簡易なワイヤハーネスの構成によって、ノイズ引込負荷である第2の負荷にノイズが引き込まれることを抑制する回路構成を実現することができる。
上記(6)の構成の車両用電源回路によれば、従前利用されている電源分配器を用いてバッテリとノイズ引込負荷である第2の負荷とを接続する場合であっても、ノイズ引込負荷である第2の負荷にノイズが引き込まれることを抑制する回路構成を実現することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の車両用電源回路によれば、ノイズ引込負荷へ引き込まれるノイズを抑制する回路構成を実現することができる。
【0010】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る車両用電源回路の回路図である。
図2図2は、本発明の第2実施形態に係る車両用電源回路の回路図である。
図3図3は、本発明の第1実施形態に係る車両用電源回路の等価回路を示す図である。
図4図4は、本発明の第2実施形態に係る車両用電源回路の等価回路を示す図である。
図5図5は、本発明の第3実施形態に係る車両用電源回路の回路図である。
図6図6は、本発明の第3実施形態に係る車両用電源回路の等価回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る車両用電源回路の回路図である。以下、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る車両用電源回路の回路構成を説明する。
【0014】
本発明の第1実施形態に係る車両用電源回路は、ノイズ発生負荷10及びノイズ引込負荷20に、バッテリ30から出力される出力電圧を供給する回路である。ノイズ発生負荷10及びノイズ引込負荷20に電圧を供給するために、本発明の第1実施形態に係る車両用電源回路は、ノイズ発生負荷10−バッテリ30間及びノイズ引込負荷20−バッテリ30間を接続する第1の導電路W1、第2の導電路W2、及び第4の導電路W4を備えている。また、本発明の第1実施形態に係る車両用電源回路は、ノイズ発生負荷10に接続されたGND線に他端が接続される第3の導電路W3を備えている。さらに、本発明の第1実施形態に係る車両用電源回路は、電源回路を収容し、第1の導電路W1の一部、第2の導電路W2の一部、及び第4の導電路W4の一部がその電源回路の一部を構成するジャンクションボックス(J/B)50と、バッテリ30の端子に直付接続されるヒューズユニット60と、フィルタ70と、を備えている。尚、J/B50は、電源を分配する機能を有する電源分配器である。本実施形態では、電源分配器としてJ/Bを用いる場合について説明するが、J/Bは各種の電源分配器によって置き換えることができる。
【0015】
第1の導電路W1は、ノイズ発生負荷10の1つである燃料噴射制御装置(INJ)101に一端が接続される電源線W11と、ノイズ発生負荷10の1つである点火装置(IGN)102に一端が接続される電源線W12と、ノイズ発生負荷10の1つである、点火装置102の点火プラグによる点火と共に燃料を噴射する燃料噴射装置(EFI)103に一端が接続される電源線W13と、にJ/B50のバスバーにおいて分岐される。このうち、電源線W12上には、フィルタ701が設けられている。フィルタ701については後述する。他方、第1の導電路W1の他端は、第2の導電路W2の他端及び第4の導電路W4の他端に接続される。第1の導電路W1の他端と第2の導電路W2の他端及び第4の導電路W4の他端との接続点をPと称し、ノイズ発生負荷10に接続される電源線W11、W12、W13の一端から接続点Pまでの区間を第1の導電路W1と定義する。
【0016】
第2の導電路W2は、一端がノイズ引込負荷の1つであるエアバック用電子制御装置(A/B ECU)20に接続され、他端が第1の導電路W1の他端及び第4の導電路W4の他端に接続される。第2の導電路W2上には、フィルタ702が設けられている。フィルタ702については後述する。ノイズ引込負荷に接続される電源線の一端から上述した接続点Pまでの区間を第2の導電路W2と定義する。
【0017】
第3の導電路W3は、電源線W31、W32が該当する。電源線W31は、一端がフィルタ701に接続され、他端がノイズ発生負荷10に接続されたGND線に接続される。図1に示されるように、電源線W31は、点火装置(IGN)102に接続されたGND線に他端が接続される。電源線W32は、一端がフィルタ702に接続され、他端がノイズ発生負荷10に接続されたGND線に接続される。図1に示されるように、電源線W32は、点火装置(IGN)102に接続されたGND線に他端が接続される。
【0018】
第4の導電路W4は、一端がヒューズユニット60におけるヒューズの出力端子側に位置するバスバーに接続され、他端が第1の導電路W1の他端及び第2の導電路W2の他端に接続される。接続点Pからバッテリ30の電源用端子までの区間を第4の導電路W4と定義する。第4の導電路W4は、J/B50からヒューズユニット60までの区間を繋ぐ電源線を含む。
【0019】
J/B50は、ヒューズ402と、ヒューズ403と、リレー501と、ヒューズ502とを有し、これらのヒューズ及びリレーがバスバーに固定される。ヒューズ402は、電源線W11及び電源線W12上に設けられている。また、ヒューズ403は、電源線W13上に設けられている。リレー501は、第4の導電路W4上に設けられ、点火装置102の点火の際に通電される電流によってスイッチがONとなる。また、ヒューズ502は、第2の導電路W2に設けられている。上述した接続点Pは、ヒューズ及びリレーが固定されたバスバー上に位置する。
【0020】
ヒューズユニット60は、可溶体を挟んで入力端子と出力端子が設けられたヒューズと、そのヒューズが固定されるバスバーと、を有する。ヒューズユニット60は、バッテリ30の電源用端子に該ヒューズの入力端子がバスバーを介して接続され、第4の導電路W4の一端に該ヒューズの出力端子がバスバーを介して接続される。
【0021】
フィルタ70は、フィルタ701及びフィルタ702が該当する。フィルタ701、702には、π型フィルタ、T型フィルタ等を用いることができる。フィルタ701、702はそれぞれ、第1の導電路W1の電源線W12、第2の導電路W2上に設置される。また、フィルタ701、702はそれぞれ、電源線W31、W32の一端に接続される。尚、フィルタ701、702は、π型フィルタ、T型フィルタに限られない。
【0022】
本発明の第1実施形態に係る車両用電源回路において、ノイズ発生負荷10及びノイズ引込負荷20は、第1の導電路W1、第2の導電路W2、第4の導電路W4、J/B50、及びヒューズユニット60を介して、バッテリ30から電力が供給される。
【0023】
続いて、本発明の第1実施形態に係る車両用電源回路による作用を説明する。ここでは、ノイズ発生負荷10から発生し、第2の導電路W2及び第4の導電路W4の接続点Pに向かって第1の導電路W1を伝搬するノイズについて注目する。第1の導電路W1を伝搬するノイズは、フィルタ701に到達すると、その一部がフィルタ701によって遮断され、別の一部が電源線W31に向かって伝搬し、さらに別の一部が接続点Pに向かって伝搬する。この結果、フィルタ701を越えて第1の導電路W1を伝搬するノイズが軽減される。
【0024】
さらに、フィルタ701を越えて第1の導電路W1を伝搬するノイズは、接続点Pに到達すると、その一部が第2の導電路W2に向かって伝搬し、残りの一部が第4の導電路W4に向かって伝搬する。このとき、第2の導電路W2を伝搬するノイズは、フィルタ702に到達すると、その一部がフィルタ702によって遮断され、別の一部が電源線W32に向かって伝搬し、さらに別の一部がノイズ引込負荷20に向かって伝搬する。この結果、フィルタ702を越えてノイズ引込負荷20に向かって第2の導電路W2を伝搬するノイズが軽減される。
【0025】
こうして、ノイズ発生負荷10から発生したノイズが、ノイズ引込負荷20に向かって伝搬する過程においてフィルタ701、702によって遮断され、且つ電源線W31、W32に伝搬し、ノイズ引込負荷20に到達するノイズが抑制される。この結果、本発明の第1実施形態に係る車両用電源回路によれば、ノイズ引込負荷にノイズが引き込まれることを抑制することができる。
【0026】
また、本発明の第1実施形態に係る車両用電源回路では、フィルタ701、702に到達したノイズの一部がノイズ発生負荷10に接続されたGND線に向かって伝搬する。このとき、GND線を伝搬するノイズは、該GND線が接続される車体パネルに向かって伝搬する。このため、フィルタをパスしたノイズが、そのノイズの発生源となるノイズ発生負荷10を駆動する回路周辺に返され、ノイズ発生負荷10が設置された車体パネルに留められる。この結果、他の電子回路に及ぼす影響を抑制することができる。
【0027】
尚、本発明の第1実施形態に係る車両用電源回路では、第3の導電路W3である電源線W31、W32及びフィルタ701、702がそれぞれ、第1の導電路W1、第2の導電路W2に設けられる回路構成について説明した。しかし、ノイズ引込負荷20にノイズが引き込まれることを抑制するために、電源線W31及びフィルタ701のみが第1の導電路W1に設けられる回路構成であってもよい。また、電源線W32及びフィルタ702のみが第2の導電路W2に設けられる回路構成であってもよい。この形態であっても、ノイズ引込負荷にノイズが引き込まれることを抑制することができる。
【0028】
(第2実施形態)
図2は、本発明の第2実施形態に係る車両用電源回路の回路図である。以下、図2を参照して、本発明の第2実施形態に係る車両用電源回路の回路構成を説明する。
【0029】
本発明の第2実施形態に係る車両用電源回路は、ノイズ発生負荷10及びノイズ引込負荷20に、バッテリ30から出力される出力電圧を供給する回路である。ノイズ発生負荷10及びノイズ引込負荷20に電圧を供給するために、本発明の第2実施形態に係る車両用電源回路は、ノイズ発生負荷10−バッテリ30間及びノイズ引込負荷20−バッテリ30間を電気的に接続する第1の導電路W1と、第2の導電路W2と、を備えている。また、本発明の第2実施形態に係る車両用電源回路は、ノイズ発生負荷10に接続されたGND線に他端が接続される第3の導電路W3を備えている。さらに、本発明の第2実施形態に係る車両用電源回路は、電源回路を収容し、第1の導電路W1の一部がその電源回路の一部を構成するリレーボックス(R/B)40と、電源回路を収容し、第2の導電路W2の一部がその電源回路の一部を構成するジャンクションボックス(J/B)50と、バッテリ30の端子に直付接続されるヒューズユニット60と、フィルタ70と、を備えている。尚、R/B40及びJ/B50は、電源を分配する機能を有する電源分配器である。本実施形態では、電源分配器としてR/B及びJ/Bを用いる場合について説明するが、R/B及びJ/Bは各種の電源分配器によって置き換えることができる。
【0030】
第1の導電路W1は、ノイズ発生負荷10の1つである燃料噴射制御装置(INJ)101に一端が接続される電源線W11と、ノイズ発生負荷10の1つである点火装置(IGN)102に一端が接続される電源線W12と、ノイズ発生負荷10の1つである、点火装置102の点火プラグによる点火と共に燃料を噴射する燃料噴射装置(EFI)103に一端が接続される電源線W13と、にR/B40において分岐される。このうち、第1の導電路W1は、R/B40からヒューズユニット60までの区間にフィルタ701が設けられている。フィルタ701については後述する。他方、第1の導電路W1の他端は、ヒューズユニット60におけるヒューズの入力端子側に位置するバスバーに接続される。このように接続されることにより、ノイズ発生負荷10がバッテリ30に接続される。第1の導電路W1の他端とヒューズの入力端子側に位置するバスバーとの接続点をPと称し、ノイズ発生負荷10に接続される電源線W11、W12、W13の一端から接続点Pまでの区間を第1の導電路W1と定義する。
【0031】
R/B40は、リレー401と、ヒューズ402と、ヒューズ403と、を有する。リレー401は、分岐していない第1の導電路W1上に設けられ、点火装置102の点火の際に通電される電流によってスイッチがONとなる。また、ヒューズ402は、電源線W11及び電源線W12上に設けられている。また、ヒューズ403は、電源線W13上に設けられている。
【0032】
第2の導電路W2は、一端がノイズ引込負荷の1つであるエアバック用電子制御装置(A/B ECU)20に接続され、他端がヒューズユニット60におけるヒューズの出力端子側に位置するバスバーに接続される電源線を有する。第2の導電路W2上には、フィルタ702が設けられている。フィルタ702については後述する。このように接続されることにより、ノイズ引込負荷20がバッテリ30に接続される。ノイズ引込負荷20に接続される電源線の一端から上述した接続点Pまでの区間を第2の導電路W2と定義する。尚、本実施形態では、A/B ECU20のみをノイズ引込負荷20として挙げた形態について説明するが、A/B ECU20以外にハイマウントストップランプ、シートヒータ等をノイズ引込負荷20とした形態であっても、本発明を適用することができる。複数のノイズ引込負荷20をバッテリ30に接続する場合、第2の導電路W2がJ/B50において分岐され、分岐した各導電路が、対応するノイズ引込負荷20まで区間に敷設されることになる。
【0033】
J/B50は、リレー501と、ヒューズ502とを有する。リレー501は、第2の導電路W2上に設けられ、点火装置102の点火の際に通電される電流によってスイッチがONとなる。また、ヒューズ502は、第2の導電路W2に設けられている。
【0034】
第3の導電路W3は、電源線W31、W32が該当する。電源線W31は、一端がフィルタ701に接続され、他端がノイズ発生負荷10に接続されたGND線に接続される。図2に示されるように、電源線W31は、点火装置(IGN)102に接続されたGND線に他端が接続される。電源線W32は、一端がフィルタ702に接続され、他端がノイズ発生負荷10に接続されたGND線に接続される。図2に示されるように、電源線W32は、点火装置(IGN)102に接続されたGND線に他端が接続される。
【0035】
ヒューズユニット60は、可溶体を挟んで入力端子と出力端子が設けられたヒューズと、そのヒューズが固定されるバスバーと、を有する。ヒューズユニット60は、バッテリ30の電源用端子に該ヒューズユニット60の入力端子がバスバーを介して接続され、第1の導電路W1の他端に該ヒューズの入力端子がバスバーを介して接続され、第2の導電路W2の他端に該ヒューズの出力端子がバスバーを介して接続される。ヒューズユニット60のバスバーには、第1の導電路W1の他端と第2の導電路の他端との接続点Pが形成される。以下では、ヒューズユニット60のバスバーのうち、接続点Pからバッテリ30の電源用端子までの区間を第4の導電路W4と定義する。
【0036】
フィルタ70は、フィルタ701及びフィルタ702が該当する。フィルタ701、702には、π型フィルタ、T型フィルタ等を用いることができる。フィルタ701、702はそれぞれ、第1の導電路W1、第2の導電路W2上に設置される。また、フィルタ701、702はそれぞれ、電源線W31、W32の一端に接続される。尚、フィルタ701、702は、π型フィルタ、T型フィルタに限られない。
【0037】
本発明の第2実施形態に係る車両用電源回路において、ノイズ発生負荷10及びノイズ引込負荷20は、第1の導電路W1、第2の導電路W2、R/B40、J/B50、及びヒューズユニット60を介して、バッテリ30から電力が供給される。
【0038】
続いて、本発明の第2実施形態に係る車両用電源回路による作用を説明する。ここでは、ノイズ発生負荷10から発生し、第1の導電路W1とヒューズユニット60におけるヒューズの入力端子側に位置するバスバーとの接続点Pに向かって第1の導電路W1を伝搬するノイズについて注目する。第1の導電路W1を伝搬するノイズは、フィルタ701に到達すると、その一部がフィルタ701によって遮断され、別の一部が電源線W31に向かって伝搬し、さらに別の一部が接続点Pに向かって伝搬する。この結果、フィルタ701を越えて第1の導電路W1を伝搬するノイズが軽減される。
【0039】
さらに、フィルタ701を越えて第1の導電路W1を伝搬するノイズは、接続点Pに到達すると、その一部がバッテリ30に向かって伝搬し、残りの一部が第2の導電路W2に向かって伝搬する。この結果、接続点Pを越えてノイズ引込負荷20に向かって第2の導電路W2を伝搬するノイズが軽減される。
【0040】
さらに、第2の導電路W2を伝搬するノイズは、フィルタ702に到達すると、その一部がフィルタ702によって遮断され、別の一部が電源線W32に向かって伝搬し、さらに別の一部がノイズ引込負荷20に向かって伝搬する。この結果、フィルタ702を越えてノイズ引込負荷20に向かって第2の導電路W2を伝搬するノイズが軽減される。
【0041】
こうして、ノイズ発生負荷10から発生したノイズが、ノイズ引込負荷20に向かって伝搬する過程においてフィルタ701、702によって遮断され、且つ電源線W31、W32に伝搬し、ノイズ引込負荷20に到達するノイズが抑制される。この結果、本発明の第2実施形態に係る車両用電源回路によれば、ノイズ引込負荷にノイズが引き込まれることを抑制することができる。
【0042】
また、本発明の第2実施形態に係る車両用電源回路では、フィルタ701、702に到達したノイズの一部がノイズ発生負荷10に接続されたGND線に向かって伝搬する。このとき、GND線を伝搬するノイズは、該GND線が接続される車体パネルに向かって伝搬する。このため、フィルタをパスしたノイズが、そのノイズの発生源となるノイズ発生負荷10を駆動する回路周辺に返され、ノイズ発生負荷10が設置された車体パネルに留められる。この結果、他の電子回路に及ぼす影響を抑制することができる。
【0043】
尚、本発明の第2実施形態に係る車両用電源回路では、第3の導電路W3である電源線W31、W32及びフィルタ701、702がそれぞれ、第1の導電路W1、第2の導電路W2に設けられる回路構成について説明した。しかし、ノイズ引込負荷20にノイズが引き込まれることを抑制するために、電源線W31及びフィルタ701のみが第1の導電路W1に設けられる回路構成であってもよい。また、電源線W32及びフィルタ702のみが第2の導電路W2に設けられる回路構成であってもよい。この形態であっても、ノイズ引込負荷にノイズが引き込まれることを抑制することができる。
【0044】
さらに、本発明の第2実施形態に係る車両用電源回路は、第1の導電路W1の一端がノイズ発生負荷10に接続され、他端がバッテリ30のヒューズユニット60に接続される構成を備えている。これにより、フィルタ701を越えて第1の導電路W1を伝搬するノイズは、接続点Pに到達すると、その一部がバッテリ30に向かって伝搬する。これにより、ノイズ発生負荷10が第1の導電路W1及び第4の導電路W4の電源線を介してバッテリ30のヒューズユニット60に接続される第1実施形態の車両用電源回路と比して、ノイズ引込負荷20に向かって引き込まれるノイズを減少することができる。ここで、ノイズの一部がバッテリ30に向かって伝搬する点について、図3及び図4を参照して、本発明の第1実施形態の車両用電源回路と対比しつつ、本発明の第2実施形態に係る車両用電源回路による作用を説明する。図3は、図1に示される回路図において、ノイズ発生負荷10から発生したノイズの伝搬に影響を与える、第3の導電路W3及びフィルタ70を除く、構成を取り出し、すなわち、ノイズ発生負荷10、ノイズ引込負荷20、バッテリ30、ヒューズユニット60を取り出し、それらの構成により成る回路構成の等価回路を記載したものである。図4は、図2に示される回路図において、ノイズ発生負荷10から発生したノイズの伝搬に影響を与える、第3の導電路W3及びフィルタ70を除く、構成を取り出し、すなわち、ノイズ発生負荷10、ノイズ引込負荷20、バッテリ30、ヒューズユニット60を取り出し、それらの構成により成る回路構成の等価回路を記載したものである。
【0045】
図3及び図4に示されるように、本発明の第1実施形態に係る車両用電源回路及び本発明の第2実施形態に係る車両用電源回路は、ノイズ発生負荷10とバッテリ30とを含む閉回路と、ノイズ引込負荷20とバッテリ30とを含む閉回路と、が形成される。図3及び図4において、Z10はノイズ発生負荷10のインピーダンスを、Z20はノイズ引込負荷20のインピーダンスを、それぞれ表している。また、RBはバッテリ30の内部抵抗を、RFはヒューズユニット60の抵抗値のうちの第3の導電路W3に含まれる抵抗値を、RW1は第1の導電路W1の抵抗値を、RW2は第2の導電路W2の抵抗値を、RW4は第4の導電路W4の抵抗値のうちのRFを除く抵抗値を、それぞれ表している。
【0046】
まず、ノイズ発生負荷10から発生したノイズが本発明の第1実施形態に係る車両用電源回路を伝搬する様子について、図3を参照して説明する。ここでは、ノイズ発生負荷10から発生し、第2の導電路W2及び第4の導電路W4の接続点Pに向かって第1の導電路W1を伝搬するノイズNW1について注目する。第1の導電路W1を伝搬するノイズNW1は、接続点Pに到達すると、その一部NW2が第2の導電路W2に向かって伝搬し、残りの一部NW4が第4の導電路W4に向かって伝搬する。このとき、第2の導電路W2に向かって伝搬するノイズの一部NW2と第4の導電路W4に向かって伝搬するノイズNW4の残りの一部との比は、接続点Pからバッテリ30を視た場合の線路抵抗と接続点Pからノイズ引込負荷20を視た場合の線路抵抗との比、つまり、NW2:NW4=(RB+RF+RW4):(RW2+Z20)となる。このことから、第2の導電路W2に向かって伝搬するノイズNW2、つまり、ノイズ引込負荷20に向かって引き込まれるノイズは、RW4が小さい程、或いはRW2が大きい程、減少することが分かる。
【0047】
そこで、ノイズ発生負荷10から発生したノイズが本発明の第2実施形態に係る車両用電源回路を伝搬する様子について、図4を参照して説明する。ここでも、ノイズ発生負荷10から発生し、第2の導電路W2及び第3の導電路W3の接続点Pに向かって第1の導電路W1を伝搬するノイズNW1について注目する。第1の導電路W1を伝搬するノイズNW1は、接続点Pに到達すると、その一部NW2が第2の導電路W2に向かって伝搬し、残りの一部NW4が第4の導電路W4に向かって伝搬する。このとき、第2の導電路W2に向かって伝搬するノイズの一部NW2と第4の導電路W4に向かって伝搬するノイズの残りの一部NW4との比は、接続点Pからバッテリ30を視た場合の線路抵抗と接続点Pからノイズ引込負荷20を視た場合の線路抵抗との比、つまり、NW2:NW4=(RB+RF):(RW2+Z20)となる。本発明の第2実施形態に係る車両用電源回路は、本発明の第1実施形態に係る車両用電源回路と対比した場合、第1の導電路W1がヒューズユニット60に直接接続され、第4の導電路W4の抵抗RW4が回路構成から無くなった分、ノイズ引込負荷20に向かって引き込まれるノイズNW2が減少することが分かる。また、第2の導電路W2がヒューズユニット60に直接接続され、第2の導電路W2の線路長が長くなり第2の導電路W2の抵抗RW2が大きくなった分、ノイズ引込負荷20に向かって引き込まれるノイズNW2が減少することも分かる。
【0048】
以上、本発明の第2実施形態に係る車両用電源回路によれば、フィルタ701を越えて第1の導電路W1を伝搬するノイズは、接続点Pに到達すると、その一部がバッテリ30に向かって伝搬する。これにより、第1実施形態の車両用電源回路と比して、ノイズ引込負荷20に向かって引き込まれるノイズを減少することができる。本発明の第2実施形態に係る車両用電源回路では、ノイズ発生負荷10から発生したノイズが、電源線W31、W32に伝搬するのに加え、さらにバッテリ30に向かっても伝搬するため、ノイズ引込負荷20に到達するノイズが一層、抑制される。
【0049】
尚、本発明の第2実施形態に係る車両用電源回路では、ヒューズユニット60のバスバーのうち、接続点Pからバッテリ30の電源用端子までの区間を第4の導電路W4とした。接続点Pがバッテリ30の電源用端子に近い位置にある場合、例えば、第1の導電路の他端に位置する端子がバッテリ30の電源用端子にねじ締めされる場合、第4の導電路W4は無いものとして看做すことができる。このため、本発明の第2実施形態に係る車両用電源回路には、第4の導電路W4が存在しない形態、つまり、一端がノイズを発生するノイズ発生負荷10に接続され、他端がバッテリ30に接続される第1の導電路W1と、一端がノイズを引き込むノイズ引込負荷20に接続され、他端がバッテリ30に接続される第2の導電路W2と、を備える形態が含まれる。
【0050】
ところで、図2中、ノイズ発生負荷10、バッテリ30、R/B40及びヒューズユニット60と、ノイズ引込負荷20及びJ/B50と、を隔てる点線は、ワイヤハーネスが配索される車体のパネルである。図1中の点線の左方は例えばエンジンルームであり、図2中の点線の右方は例えば車室内である。各パネルにワイヤハーネスがそれぞれ配索される。
【0051】
このとき、エンジンルームに配索されるワイヤハーネスは、R/B40を含む第1の導電路W1によって形成されるサブハーネス、及び第2の導電路W2のうちの点線よりも図2中の左方に位置する部分によって形成されるサブハーネスを含んで構成するようにしてもよい。
【0052】
一方、R/Bを含む第1の導電路W1によって形成されるサブハーネスを含む第1のワイヤハーネスと、第2の導電路W2のうちの点線よりも図2中の左方に位置する部分によって形成されるサブハーネスを含む第2のワイヤハーネスと、を用意し、それぞれのワイヤハーネスをエンジンルームに配索するようにしてもよい。この場合、ノイズ発生負荷10に接続される第1のワイヤハーネスは、ノイズ発生負荷10からのノイズをバッテリ30に向けて伝搬させるための専用のラインとしても機能する。この構成は、第1の導電路W1が複数のノイズ発生負荷10に接続され、各ノイズ発生負荷10からノイズが発生する場合において、有用である。
【0053】
(第3実施形態)
図5は、本発明の第3実施形態に係る車両用電源回路の回路図である。図6は、本発明の第3実施形態に係る車両用電源回路の等価回路を示す図である。以下、図5及び図6を参照して、本発明の第3実施形態に係る車両用電源回路の回路構成を説明する。
【0054】
本発明の第3実施形態に係る車両用電源回路は、本発明の第2実施形態に係る車両用電源回路と比して、第4の導電路W4に電源線が含まれる点で異なる。以下では、第2実施形態にて説明した点についての説明を省略する。
【0055】
第4の導電路W4は、一端がヒューズの出力端子側に位置するバスバーに接続され、他端が第1の導電路W1の他端及び第2の導電路W2の他端に接続される。本発明の第2実施形態に係る車両用電源回路では、第1の導電路W1の他端は、ヒューズの入力端子側に位置するバスバーに直接接続されていたが、本発明の第3実施形態に係る車両用電源回路では、第1の導電路W1の他端は、電源線を有する第4の導電路W4を介して、ヒューズの出力端子側に位置するバスバーに接続される。
【0056】
ワイヤハーネスを設計するにあたって、第1の導電路W1の他端をヒューズの入力端子側に位置するバスバーに直接接続することが困難な状況も想定される。このような状況であっても、ノイズ引込負荷20にノイズが引き込まれることを抑制する回路構成を実現するのが本発明の第3実施形態に係る車両用電源回路である。
【0057】
本発明の第3実施形態に係る車両用電源回路において、第4の導電路W4は、第1の導電路W1の他端及び第2の導電路W2の他端との接続点Pが次の条件を満たすように設計される。すなわち、接続点Pからノイズ引込負荷20を視た場合の線路抵抗が、接続点Pからバッテリ30を視た場合の線路抵抗よりも大きくなるように、つまり、(RW2+Z20)>(RB+RF+RW4)となるように設計される。
【0058】
ノイズ発生負荷10から発生したノイズが本発明の第3実施形態に係る車両用電源回路を伝搬する様子について、図6を参照して説明する。ここでは、ノイズ発生負荷10から発生し、第2の導電路W2及び第4の導電路W4の接続点Pに向かって第1の導電路W1を伝搬するノイズNW1について注目する。第1の導電路W1を伝搬するノイズNW1は、接続点Pに到達すると、その一部NW2が第2の導電路W2に向かって伝搬し、残りの一部NW4が第4の導電路W4に向かって伝搬する。このとき、第2の導電路W2に向かって伝搬するノイズの一部NW2と第4の導電路W4に向かって伝搬するノイズNW4の残りの一部との比は、接続点Pからバッテリ30を視た場合の線路抵抗と接続点Pからノイズ引込負荷20を視た場合の線路抵抗との比、つまり、NW2:NW4=(RB+RF+RW4):(RW2+Z20)となる。このとき、第4の導電路W4が上述のように設計されていれば、第2の導電路W2に向かって伝搬するノイズNW2、つまり、ノイズ引込負荷20に向かって引き込まれるノイズは、第1の導電路W1を伝搬するノイズNW1の半分未満に抑制することができる。接続点Pからノイズ引込負荷20を視た場合の線路抵抗(RW2+Z20)が接続点Pからバッテリ30を視た場合の線路抵抗(RB+RF+RW4)よりも大きくなればなるほど、第2の導電路W2に向かって伝搬するノイズNW2が抑制されることは言うまでもない。
【0059】
(RW2+Z20)>(RB+RF+RW4)を満たす位置に接続点Pを配置するにあたって、例えば、第2の導電路W2と第4の導電路W4が単位長さ当たり同程度の抵抗値を有するものである場合、第2の導電路W2を第4の導電路W4よりも長くすることが考えられる。このような簡易な構造により、接続点Pを(RW2+Z20)>(RB+RF+RW4)を満たす位置に配置することができる。
【0060】
以上、本発明の第3実施形態に係る車両用電源回路は、ノイズ発生負荷10が第1の導電路W1及び第4の導電路W4を介してバッテリ30のヒューズユニット60に接続され、(RW2+Z20)>(RB+RF+RW4)を満たす位置に接続点Pが配置される。これにより、第2の導電路W2に向かって伝搬するノイズNW2、つまり、ノイズ引込負荷20に向かって引き込まれるノイズは、第1の導電路W1を伝搬するノイズNW1の半分未満に抑制することができる。この結果、ノイズ引込負荷20にノイズが引き込まれることを抑制する回路構成を実現することができる。
【符号の説明】
【0061】
10 ノイズ発生負荷
20 ノイズ引込負荷
30 バッテリ
40 リレーボックス(R/B)
50 ジャンクションボックス(J/B)
60 ヒューズユニット
70 フィルタ
W1 第1の導電路
W2 第2の導電路
W3 第3の導電路
W4 第4の導電路
RB バッテリの内部抵抗
RF ヒューズユニットの抵抗
RW1 第1の導電路の抵抗
RW2 第2の導電路の抵抗
RW4 第4の導電路の抵抗
Z10 ノイズ発生負荷のインピーダンス
Z20 ノイズ引込負荷のインピーダンス
図1
図2
図3
図4
図5
図6