特許第6053448号(P6053448)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6053448
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】モータ制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02P 27/08 20060101AFI20161219BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20161219BHJP
【FI】
   H02P27/08
   H02M7/48 F
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-235509(P2012-235509)
(22)【出願日】2012年10月25日
(65)【公開番号】特開2014-87199(P2014-87199A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2015年2月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立アプライアンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】田村 正博
(72)【発明者】
【氏名】田村 建司
(72)【発明者】
【氏名】右ノ子 知恵
(72)【発明者】
【氏名】船山 裕治
(72)【発明者】
【氏名】月井 浩二
【審査官】 池田 貴俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−110171(JP,A)
【文献】 特開2001−327172(JP,A)
【文献】 特開2008−104282(JP,A)
【文献】 特開2008−219966(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 27/08
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3相同期モータに接続されるインバータと、
上下2相変調又は下アーム2相変調を行い、且つ、前記3相同期モータの電流ゼロクロス付近でPWM信号を一定区間停止する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記上下2相変調と下アーム2相変調との切替え点と、前記PWM信号を一定区間停止する間欠通電の切替え点とが一致するように制御している、
ことを特徴とするモータ制御装置。
【請求項2】
電圧の印加方向に沿って上流側にIGBTおよび下流側にMOSFETを配置した直列回路を有し、前記直列回路におけるIGBTとMOSFETの相互接続点が3相同期モータに接続されるインバータと、
上下2相変調又は下アーム2相変調を行い、且つ、前記3相同期モータの電流ゼロクロス付近でPWM信号を一定区間停止する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記上下2相変調と下アーム2相変調との切替え点と、前記PWM信号を一定区間停止する間欠通電の切替え点とが一致するように制御している、
ことを特徴とするモータ制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記3相同期モータの電流ゼロクロス付近でPWM信号を一定区間停止する時は、誘起電圧の高次成分を前記3相同期モータの指令電圧に加えることで前記3相同期モータの電流波形の歪みを抑制することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータ制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PWM制御方式を用いたモータ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機のモータ制御装置のスイッチング素子として、IGBTの代わりにMOSFETが用いられ始めている。
【0003】
モータ制御装置の損失には大別して、スイッチング素子がスイッチングする過渡期に発生するスイッチング損失と、スイッチング素子がターンオンしている時に発生する導通損失の2種類あり、MOSFETは導通損失の低減を期待できる素子である。
【0004】
特許文献1は、電圧の印加方向に沿って上流側に位置するスイッチング素子(以下「上アーム」という。)にIGBT、電圧の印加方向に沿って下流側に位置するスイッチング素子(以下「下アーム」という。)にMOSFETを配置し、下アームの導通時間が相対的に長くなる下アーム2相変調を行うインバータ装置を開示している。特許文献1によれば、導通損失が少ないMOSFETの導通時間を相対的に長くして、インバータ装置の効率を向上することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4942967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のインバータ装置は、下アームの導通時間が長くなるため、下アームの温度上昇防止の為に放熱器を大型化しなければならず、原価アップを招いていた。
【0007】
そこで、本発明は、アームの温度上昇を防止しつつ、モータ制御装置の更なる高効率化を図れるモータ制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のモータ制御装置は、3相同期モータに接続されるインバータと、上下2相変調又は下アーム2相変調を行い、且つ、3相同期モータの電流ゼロクロス付近でPWM信号を一定区間停止する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記上下2相変調と下アーム2相変調との切替え点と、前記PWM信号を一定区間停止する間欠通電の切替え点とが一致するように制御している。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、3相同期モータの電流ゼロクロス付近でPWM信号を一定区間停止するので、アームの導通時間を短くなる。そのため、アームの温度上昇を抑制し、放熱器の大型化を避けることができる。また、トルクに寄与しない区間でモータに流す電流を低減し、モータ制御装置の更なる高効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係るPWM制御方式の電力変換装置の回路構成図。
図2】本実施形態に係る変調率20%における上下2相変調と下アーム2相変調の各アームのオンduty比較図。
図3】本実施形態に係る変調率125%における上下2相変調と下アーム2相変調の各アームのオンduty比較図。
図4】本実施形態に係る上下2相変調と下アーム2相変調の変調率に対する平均オンdutyを示した図。
図5】上下2相変調を行った場合における下アームの電圧及びモータ電流を示した図。
図6】下アーム2相変調を行った場合における下アームの電圧及びモータ電流を示した図。
図7】本実施形態に係る下アーム2相変調及び間欠通電を行った場合におけるモータ電流波形図。
図8】本実施形態に係る下アーム2相変調及び間欠通電を行い、さらに、誘起電圧高次成分を電圧指令値に加えた場合におけるモータ電流波形図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1は本実施形態に係るPWM制御方式の電力変換装置の回路構成図である。本実施形態の電力変換装置は、商用電源から平滑された直流電源1を電源とし、直流電源1から3相交流に変換するインバータ2と、インバータ2で交流に変換した電流が供給される3相同期モータ3と、3相同期モータ3の交流印加電圧を演算しパルス幅変調波信号(PWM信号)に変換して出力する制御手段4と、直流電源1がインバータ2へ供給する母線電流I0を検出する電流検出手段5と、3相同期モータ3の相電圧を検出する相電圧検出手段6と直流電源1の直流電圧を検出する直流電圧検出手段7を有する。
【0013】
制御手段4はモータ電流再現手段401、モータ印加電圧演算手段402、変調率演算手段403、変調方式選択手段404、PWM信号発生手段405を有している。
【0014】
電流検出手段5は、直流電源1がインバータ2へ供給する母線電流I0を検出し、モータ電流再現手段401は、母線電流I0から3相同期モータ3に流れる3相交流電流Iu、Iv、Iwを再現する。モータ印加電圧演算手段402は、3相交流電流Iu、Iv、Iwとモータ指令回転数f*から3相同期モータ3に印加すべき3相交流指令電圧Vu*、Vv*、Vw*を演算する。変調率演算手段403は直流電圧検出手段7から検出した直流電圧Vdとモータ印加電圧演算手段402から変調率khを演算する。変調方式選択手段404は変調率khと予め記憶してある値とを比較して変調方式を選択する。
【0015】
PWM信号発生手段405は、上記3相交流指令電圧Vu*、Vv*、Vw*を変調方式選択手段404によって選択された変調方式で、パルス幅変調信号(PWM信号)u+、u−、v+、v−、w+、w−を発生する。
【0016】
なお、電流検出手段5としてシャント抵抗を例として挙げているが、シャント抵抗に代えて電流センサでも上記の起動方法を実現することができる。
【0017】
ここで、180°通電方式における変調方法は一般的に3相全てが常にスイッチングしている3相変調と、1相がスイッチングしていない(上アームもしくは下アームがON)状態で残りの2相がスイッチングする2相変調とがある。
【0018】
2相変調のスイッチングしていない相の手法には、スイッチングしていない相を60°毎に切り替える方式(以下「上下2相変調」という。)と、下アームのスイッチングしていない相を120°毎に切り替える方式(以下「下アーム2相変調」という。)と、上アームのスイッチングしていない相を120°毎に切り替える方式(以下「上アーム2相変調」という。)がある。
【0019】
例えば、上下2相変調は、スイッチングをオン状態で停止する相をw−、u+、v−、w+、u−、v+というように交互に切り替える。一方、上アーム2相変調及び下アーム2相変調は、オン状態で停止する相は−相もしくは+相固定でw、u、v、w、u、vと切り替える。
【0020】
図2は本実施形態に係る変調率20%における上下2相変調と下アーム2相変調の各アームのオンduty比較図であり、図3は本実施形態に係る変調率125%における上下2相変調と下アーム2相変調の各アームのオンduty比較図である。図2及び図3では、U相、V相及びW相のオンdutyを重ねて記載している。
【0021】
図2に示すように、変調率が20%の時は、下アーム2相変調は上下2相変調よりも下アームのオンdutyが高く、上アームのオンdutyが低い。つまり、下アーム2相変調を行うと、下アームのオン時間が上アームのオン時間に対して相対的に大きくなるため、インバータの損失は下アームに依存するので、下アームでの温度上昇を抑えることが必要であることがわかる。
【0022】
逆に、上アーム2相変調を行うと、上アームのオン時間が下アームのオン時間に対して相対的に大きくなるため、インバータの損失は上アームに依存するので、上アームでの温度上昇を抑えることが必要である。
【0023】
一方、図3に示すように、変調率が125%の時は、上下2相変調と下アーム2相変調のオンdutyの差は少ない。
【0024】
図4は、本実施形態に係る上下2相変調と下アーム2相変調の変調率に対する平均オンdutyを示した図である。図4に示すように、変調率が低いとき、下アーム2相変調の平均オンdutyは上下2相変調よりも低い。一方、変調率が120%付近を超えると、下アーム2相変調の平均オンdutyは上下2相変調よりも高くなる。
【0025】
ここで、モータ電流が低い領域ではMOSFETの損失が小さくなりやすく、大電流時にはIGBTの方が、損失が小さくなる。つまり、下アームにMOSFETを用い、変調率が低い時に下アーム2相変調を行うことで、スイッチング素子の損失を低減することができる。特に、下アームにスーパージャンクションMOSFETを用いることで、スイッチング素子の損失を低減することができる。
【0026】
図5は、上下2相変調を行った場合における下アームの電圧及びモータ電流を示した図である。図6は、下アーム2相変調を行った場合における下アームの電圧及びモータ電流を示した図である。なお、下アームの電圧とは、下アームのドレイン‐ソース間の電圧である。
【0027】
ここで、モータ電流が負の領域において、上下2相変調でのMOSFETのベタオン区間が60°であるのに対して、下アーム2相変調でのMOSFETのベタオン区間は120°である。そのため、MOSFETの導通損失は、下アーム2相変調の方が上下2相変調よりも大きくなる。
【0028】
さらに、変調率が高い領域での各スイッチング素子の導通損失を比較すると、IGBTに比べてMOSFETの方が大きくなる。
【0029】
従って、下アームにMOSFETを配置し、上アームにIGBTを配置した場合、変調率の高い領域では、下アーム2相変調の方が上下2相変調よりも損失が大きくなる。そのため、本実施形態では、変調率の低い領域では下アーム2相変調を行い、変調率の高い領域では上下2相変調を行い、損失の低減を図っている。
【0030】
なお、ここでは2相変調の相固定方式を変調率により変更する方式で説明しているが、モータトルクをエンコーダ等で直接検出し、2相変調の相固定方式を切り替えても同様な効果が得られる。
【0031】
さらに、回転数とモータトルク、あるいは回転数とモータトルク、あるいはモータトルクと変調率、あるいは回転数とモータトルクと変調率、というように複数条件の組み合わせに応じて、2相変調の相固定方式を切り替えても同様な効果が得られる。
【0032】
次に、モータ電流のゼロクロス付近でPWM信号発生手段405で生成されるパルス幅変調信号(以下「PWM信号」という。)を一定区間停止する方式について説明する。
【0033】
本実施形態は、電圧の印加方向に沿って上流側にIGBTおよび下流側にMOSFETを配置した直列回路を有し、直列回路におけるIGBTとMOSFETの相互接続点が3相同期モータに接続されるインバータ2と、を備え、制御手段4は下アーム2相変調を行う。そのため、下アームの導通時間が長くなり、下アームの温度が上昇する。
【0034】
そこで、本実施形態の制御手段4は、上述した変調方式に加えて、3相同期モータ3の電流ゼロクロス付近でPWM信号を一定区間停止する通電方式(以下「間欠通電」という。)を採用している。本実施形態によれば、下二相通電による下アームの導通時間の増大に対し、間欠通電を採用することで下アームの導通時間を短くしている。そのため、下アームの温度上昇を抑制し、放熱器の大型化を避けることができる。
【0035】
また、ゼロクロス付近でモータに電流を流したとしても、トルクにほとんど寄与しない。従って、間欠通電を採用することで、トルクに寄与しない区間でモータに流す電流を低減し、モータ制御装置の更なる高効率化を図ることができる。
【0036】
なお、電圧の印加方向に沿って上流側にMOSFETおよび下流側にIGBTを配置し、制御手段4は上アーム2相変調を行う場合においても、間欠通電を採用することで、上アームの温度上昇を抑制し、放熱器の大型化を避けることができる。
【0037】
つまり、上アーム2相変調又は下アーム2相変調を行う場合に一方のアームの温度が相対的に上昇するという課題に対し、間欠通電を行うことで、アームの導通時間を短くし、アームの温度上昇を抑制することができる。
【0038】
このとき、電流位相のゼロクロス点φを基準にして、位相φと位相φ+πにおいて一定区間停止させる。なお、所望の効率改善効果が出せるように、パルス停止区間は予め実験などで決定すればよい。
【0039】
さらに、本実施形態では、3相同期モータ3の回転数及び負荷が第1の設定範囲より小さい範囲で間欠通電を行い、回転数及び負荷が第1の設定範囲以上のときに、間欠通電を停止する。
【0040】
回転数が第1の設定範囲以上のときは、一周期あたりのスイッチング回数が少なくなるので、PWM信号を一定区間停止することによって電流波形が歪みやすくなる。この波形の歪みに起因する損失が逆に大きくなるからである。
【0041】
また、負荷が第1の設定範囲以上のときは、弱め界磁電流が増え、モータ電流とモータ電圧の位相差が大きくなっていくため、モータ電流のゼロクロス付近でスイッチングを停止しようとしても、モータ電圧のゼロクロス付近以外の箇所でスイッチングを停止してしまい、3相交流指令電圧Vu*、Vv*、Vw*と実際のモータ出力電圧の誤差が大きくなり、制御性を保てなくなるおそれがあるからである。
【0042】
第1の設定範囲にはPWM信号を停止しても制御性が保てるような値を実験により求めて設定している。
【0043】
本実施形態の制御手段4は、変調率演算手段403で演算した変調率が第2の設定値より小さい時に下アーム2相変調及び間欠通電を行い、変調率が第2の設定値より大きい時に、上下2相変調を行い、上下2相変調を選択しているときには間欠通電を行わない。つまり、変調方式の切替え点と、間欠通電を行うか否かの切替え点とを一致させている。変調方式の切替え点と、間欠通電を行うか否かの切替え点とは必ずしも一致させる必要はないが、本実施例では変曲点を減らす目的で切替え点を一致させている。
【0044】
まとめると、本実施例では、下2相変調を行い、且つ、3相同期モータ3の回転数及び負荷が第1の設定範囲より小さい範囲において、間欠通電を行っている。
【0045】
なお、PWM信号を停止するか否かは、回転数、モータトルク、変調率のいずれかに応じて決定するか、或いは、回転数とモータトルク、あるいは回転数とモータトルク、あるいはモータトルクと変調率、あるいは回転数とモータトルクと変調率、というように複数条件の組み合わせに応じて決定してもよい。
【0046】
図7は本実施形態に係る下アーム2相変調及び間欠通電を行った場合におけるモータ電流波形図である。図7に示すように波形が歪んで、電流のピーク付近で波形が突出している。これは、モータの誘起電圧波形の歪みに起因してモータ電流波形が歪んでいるためである。下アームがMOSFETの場合、寄生ダイオードの逆回復電流が大きいため、このように電流波形が突出している部分でスイッチングが行われると、スイッチング損失が増大してしまう。
【0047】
そこで、本実施形態の制御手段4は、間欠通電を行う場合に、あらかじめ実験や解析で取得した誘起電圧高次成分を3相交流指令電圧Vu*、Vv*、Vw*に加えることにより、モータ電流波形の歪みを抑制している。
【0048】
図8は本実施形態に係る下アーム2相変調及び間欠通電を行い、さらに、誘起電圧高次成分を電圧指令値に加えた場合におけるモータ電流波形図である。図8に示すように、電流ピーク付近で生じていた突出部分が無くなっていることが分かる。誘起電圧高次成分を電圧指令値に加えることで、図7で生じていた電流波形の歪みを図8のように改善でき、電流ピーク付近でのスイッチング損失を低減することができる。このように下アーム2相変調及び間欠通電を行い、更にあらかじめ実験や解析で取得した誘起電圧高次成分を3相交流指令電圧Vu*、Vv*、Vw*に加えることで高効率なモータ制御装置を提供することが可能である。
【0049】
なお、誘起電圧高次成分は、図示しない誘起電圧高次成分生成部により生成し、さらに、図示しない電圧加算部によって誘起電圧高次成分を3相交流指令電圧Vu*、Vv*、Vw*に加える。
【0050】
なお、本実施形態では、3相同期モータ3の回転数が高いほど、制御手段4の電圧指令値に加算される誘起電圧の高次成分の次数が少なくすることで、高次成分を出力できなくなり、逆に電流波形が歪んでしまう事態を防止している。
【0051】
具体的には、3相同期モータ3の回転数、3相同期モータ3の出力トルク又は母線電流I0に応じて、誘起電圧の高次成分データから誘起電圧の高次成分を生成し、誘起電圧の高次成分を制御手段4の電圧指令値に加算している。
【0052】
また、3相同期モータ3の回転数が高いほど、永久磁石モータのPWM周波数が高くし、回転数の増加による電流1周期に含まれるPWMパルス数の減少を抑制し、電流波形の歪みを防いでもよい。
【0053】
また、誘起電圧高次成分を3相交流指令電圧に加えるか否かを、回転数、モータトルク、変調率のいずれかに応じて決定するか、或いは、回転数とモータトルク、あるいは回転数とモータトルク、あるいはモータトルクと変調率、あるいは回転数とモータトルクと変調率、というように複数条件の組み合わせに応じて決定してもよい。
【0054】
また、2相変調の相固定方式の切り替え、PWM信号の一定区間停止、誘起電圧高調波成分の加算、の3つの制御を同時に切り替える場合だけでなく、それぞれ独立に切り替えてもよい。
【0055】
また、本実施形態では、電圧の印加方向に沿って上流側にIGBTおよび下流側にMOSFETを配置した直列回路を有し、下アーム2相変調を行う場合について説明したが、電圧の印加方向に沿って上流側にMOSFETおよび下流側にIGBTを配置した直列回路を有し、上アーム2相変調を行う場合でも、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0056】
1 直流電源
2 インバータ
3 3相同期モータ
4 制御手段
5 電流検出手段
6 相電圧検出手段
7 直流電圧検出手段
401 モータ電流再現手段
402 モータ印加電圧演算手段
403 変調率演算手段
404 変調方式選択手段
405 PWM信号発生手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8