(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る液晶表示装置の具体的な実施形態について各図を参照しながら以下に説明する。
【0014】
図1は、本実施形態に係る液晶表示装置100のハードウェアの構成例を示したブロック図である。
【0015】
図1に示すように、液晶表示装置100は、マイクロコンピュータ(CPU:Central Processing Unit)101、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)102、温度センサ103、LCD(Liquid Crystal Display、液晶ディスプレー)104、LCDドライバ105、LCD駆動電源部106、電源回路107、及びインタフェース(I/F)108〜111を備えている。以下では、これら各構成について説明する。
【0016】
マイクロコンピュータ101は、制御部であり、予め用意されたプログラムを実行し、液晶表示装置100の機能を実現するために必要な様々な処理を行う。例えば、後述するLCD104の点灯制御をマイクロコンピュータ101が行う。
【0017】
EEPROM102は、記録部としての電気的に書き換え可能なメモリであり、マイクロコンピュータ101が参照する各種データを保持している。例えば、EEPROM102には、
図8に示す処理のステップS11でマイクロコンピュータ101が参照する温度閾値T1の値が保持されている。
【0018】
温度センサ103は、温度検出部であり、液晶表示装置100の周辺温度Tの値を検出し、検出した周辺温度Tの値をインタフェース108を介してマイクロコンピュータ101に出力する。温度センサ103としては、例えば公知のサーミスタ等が用いられる。温度センサ103は、液晶表示装置100の周辺温度を計測可能な箇所に取付けられる。温度センサ103は、例えば、LCD104の液晶パネルに取付けられ、当該液晶パネルの温度を周辺温度Tとして検出する。或いは、温度センサ103は、液晶表示装置100を構成する筺体外面に取付けられ、液晶表示装置100の周囲の雰囲気温度を周辺温度Tとして算出する。
【0019】
LCD104は、表示部であり、矩形の平面状の表示画面10上に各種情報を表示する。本実施形態では、LCD104の表示画面10は、
図2に示すように、現在の車両の速度を表示する速度表示部11と、冷却水の水温を表示する水温表示部13と、燃料の残量を表示する燃料表示部15と、を備えている。LCD104は、LCD駆動電源部106により所定の駆動電圧が印加されるとオン状態となる。マイクロコンピュータ101は、インタフェース109を介してLCD駆動電源部106に信号を出力して当該駆動電圧の印加状態を制御し、これによりLCD104の電源のオンオフを制御する。
【0020】
速度表示部11は、公知のデジタル速度計であり、表示する数字にしたがって点灯パターンを切り替えることにより、区分された7つのセグメントを用いた7セグメント式の表示によって1桁目及び2桁目に「0」〜「9」の数字のうちのいずれか1つを表示し、2つのセグメントを用いた2セグメント式の表示によって3桁目に「1」を表示する。これら各セグメントの点灯及び消灯は、マイクロコンピュータ101により制御される。
【0021】
より具体的には、マイクロコンピュータ101は、各セグメントの点灯及び消灯に関する情報を含む点灯信号をLCDドライバ105に出力する。当該点灯信号を受け付けたLCDドライバ105は、当該点灯信号に基づいてLCD104の各セグメントに印加する電圧の電圧値を決定し、決定した各セグメントの電圧値を表す信号をLCD104に出力する。そして、LCDドライバ105が出力した信号にしたがってLCD104が動作することにより、速度表示部11の各セグメントが点灯又は消灯される。即ち、本実施形態に係る液晶表示装置100では、マイクロコンピュータ101は、電圧値が可変である電圧をLCD104の各セグメントに印加するダイナミック駆動方式により、LCD104の表示を制御している。
【0022】
更に具体的には、本実施形態に係る液晶表示装置100における速度表示部11の各セグメントは、該セグメントを点灯させるための電圧である臨界電圧(例えば、3V。)よりも電圧値の絶対値が大きい電圧が印加されると、点灯する。したがって、LCDドライバ105は、点灯信号を受け付けた場合には、後述するダミー点灯制御を実行する場合を除いて、点灯するべきセグメントについては臨界電圧以上の電圧値(例えば、5V。)の点灯電圧を印加し、消灯するべきセグメントについては電圧を印加しないとする信号をLCD104に出力する。これにより、速度表示部11の各セグメントには表示すべき点灯パターンに適合した電圧値が印加され、各セグメントが点灯又は消灯される。
【0023】
水温表示部13及び燃料表示部15は、速度表示部11と同様に、LCDドライバ105からの信号にしたがって動作し、各表示要素の点灯及び消灯がマイクロコンピュータ101によって制御されることにより、冷却水の水温及び燃料の残量を表示する。
【0024】
電源回路107は、外部電源である車両に搭載されたバッテリから印加電圧+Bが印加されて駆動し、マイクロコンピュータ101を駆動させるための駆動電圧Vccをマイクロコンピュータ101に印加する。また、電源回路107は、マイクロコンピュータ101の駆動を初期化するリセット信号RESETをマイクロコンピュータ101に出力する。
【0025】
インタフェース110は、マイクロコンピュータ101がイグニッションスイッチのオンオフを表すイグニッション信号(IGN)を受け付けるために用いられるインタフェースである。また、インタフェース111は、マイクロコンピュータ101が、車両上の通信ネットワーク(CAN:Controller Area Network)から、例えば車両の速度や水温計の温度等の車両に関する各種情報を含むCAN信号を受け付けるためのインタフェースである。
【0026】
次に、液晶表示装置100における速度表示部11の表示制御について説明する。
【0027】
(従来の液晶表示装置の動作例)
はじめに、本実施形態に係る液晶表示装置100におけるLCD104の速度表示部11の表示制御を説明する前に、
図3を参照して、従来の液晶表示装置の表示制御の例を比較例として説明する。
図3は、従来の液晶表示装置の表示制御を説明するためのタイムチャートである。
【0028】
以下では、説明の簡単化のために、従来の液晶表示装置が本実施形態に係る液晶表示装置100と同一のハードウェア構成を有しているものとして、従来の液晶表示装置の構成要素にも本実施形態に係る液晶表示装置100と同一の符号を付して説明する。
図3において、横軸は表示開始からの経過時間を表し、上段は各時刻に速度表示部11に本来表示するべき(意図する)表示内容を表し、中段は各時刻にマイクロコンピュータ101からLCDドライバ105に出力される点灯信号を表し、下段は各時刻に速度表示部11に実際に表示される表示内容を表している。但し、
図3では、説明の簡単化のために、1桁目及び2桁目の表示要素のみを用いて表示制御を行う場合について例示している。
【0029】
図3に示す例では、本来表示するべき表示内容として、何も表示しない時刻t0における開始状態から、時刻t1において「0」の表示を開始し、時刻t3において「0」から「2」に表示を切り替え、時刻t6において「2」から「10」に表示を切り替えることを意図して表示する場合について例示している。以下、本明細書中では、説明の簡単化のために、
図4に示すように、1桁目の7セグメント式の表示における各セグメントにa〜gの符号を付し、2桁目の7セグメント式の表示における各セグメントにh〜nの符号を付して説明する。当該符号を用いて説明すれば、
図3では、速度表示部11に表示する点灯パターンを、時刻t0においては全てのセグメントを点灯させない点灯パターンAとし、時刻t1において、当該点灯パターンAから、セグメントa,b,c,d,e,fから成るセグメント群Bを点灯させて「0」を表示する点灯パターンBに切り替え、時刻t3において、当該点灯パターンBから、セグメントa,b,d,e,gから成るセグメント群Cを点灯させて「2」を表示する点灯パターンCに切り替え、時刻t6において、当該点灯パターンCから、セグメントa,b,c,d,e,f及びセグメントi,jから成るセグメント群Dを点灯させて「10」を表示する点灯パターンDに切り替えることを意図して表示する場合について例示している。以下、点灯パターンAでは、いずれのセグメントも含まないセグメント群Aを点灯させていると捉えて説明する場合がある。
【0030】
まず、時刻t1において、マイクロコンピュータ101は、1桁目の「0」の表示を開始するための点灯信号をLCDドライバ105に出力する。即ち、点灯パターンBを点灯させるための点灯信号をLCDドライバ105に出力する。このとき、
図3に示すように、マイクロコンピュータ101が当該点灯信号を出力してから(時刻t1から)、実際に速度表示部11に「0」が表示されるまで(時刻t2まで)には、
図3に示す時間Tを時間の1単位として、4Tだけ時間がかかる(後述するが、時間Tは、セグメントを消灯させる際の応答時間である。)。これは、従来の液晶表示装置に係るLCD104(速度表示部11)の、消灯されているセグメントを点灯させる際の応答時間である応答時間Aが、4Tであるからである。
【0031】
次に、時刻t3において、マイクロコンピュータ101は、「2」の表示を開始するための点灯信号をLCDドライバ105に出力する。即ち、点灯パターンCを点灯させるための点灯信号をLCDドライバ105に出力する。このとき、
図3に示すように、マイクロコンピュータ101が当該点灯信号を出力してから(時刻t3から)、実際に速度表示部11に「2」が表示されるまで(時刻t5まで)には、応答時間Aだけ、即ち4Tだけ時間がかかる。このとき、実際に速度表示部11に「2」が表示されるまで(時刻t3から時刻t5まで)の間には、点灯パターンBが残存する期間(時刻t3から時刻t4までの時間T)と、点灯パターンBから点灯パターンCへ遷移中の期間(時刻t4から時刻t5までの時間3T)と、が含まれる。
【0032】
時刻t3から時刻t4までの期間、点灯パターンBが残存する理由は、セグメントを消灯させる際の応答時間である応答時間Bが、1Tであるためである。また、このとき、
図3に示すように、点灯パターンBから点灯パターンCへ遷移中の期間である時刻t4から時刻t5までの時間3Tの間は、セグメント群Cのうちのセグメントa,b,d,eのみが表示される。即ち、「2」を表示するための点灯パターンCから一部のセグメントが欠けたものが点灯されて表示される。これは、従来の液晶表示装置に係るLCD104(速度表示部11)の、セグメントを消灯させる際の応答時間である応答時間Bが、1Tであるために、表示までの時間が応答時間A(4T)であるセグメントgが点灯されるよりも3Tだけ早く、セグメントc,fが消灯されるからである。
【0033】
次に、時刻t6において、マイクロコンピュータ101は、「10」の表示を開始するための点灯信号をLCDドライバ105に出力する。即ち、点灯パターンDを点灯させるための点灯信号をLCDドライバ105に出力する。このとき、
図3に示すように、マイクロコンピュータ101が当該点灯信号を出力してから(時刻t6から)、実際に速度表示部11に「10」が表示されるまで(時刻t9まで)には、応答時間Aだけ、即ち4Tだけ時間がかかる。このとき、実際に速度表示部11に「10」が表示されるまで(時刻t6から時刻t9まで)には、点灯パターンCが残存する期間(時刻t6から時刻t7までの時間T)と、点灯パターンCから点灯パターンDへ遷移中の期間(時刻t7から時刻t9までの時間3T)と、が含まれる。
【0034】
また、このとき、
図3に示すように、時刻t7から時刻t8までの時間1Tの間は、セグメント群Dのうちのセグメントa,b,d,eのみが表示される。これは、切り替え前の点灯パターンである点灯パターンCのセグメント群Cのうちのセグメントgは、応答時間B(1T)で消灯されるからである。
【0035】
そして、時刻t8から時刻t9までの時間2Tの間は、セグメント群Dのうちのセグメントa,b,c,d,e,fのみが表示される。これは、従来の液晶表示装置に係るLCD104(速度表示部11)の、切り替え前の点灯パターンの更に切り替え前の点灯パターンである前回点灯パターン(時刻t6における点灯パターンの切り替えにおいては、点灯パターンB。)に共通するセグメントを点灯させる場合、当該セグメントを点灯するために要する応答時間である応答時間Cが、2Tであるために、新規に点灯されるために表示までの時間が応答時間A(4T)であるセグメントi,jが点灯されるよりも2Tだけ早く、セグメントc,fが点灯されるからである。
【0036】
ここで、新規にセグメントを点灯させる際の応答時間A(4T)と、前回点灯パターンに共通するセグメントを点灯させる際の応答時間C(2T)との違いは、
図5に示すように、前回消灯時点からの経過時間が長くなる程、各セグメントの点灯時の応答時間が長くなることに起因して生じる。
【0037】
以上説明したように、従来の液晶表示装置においては、新規にセグメントを点灯させる際の応答時間A(4T)、セグメントを消灯させる際の応答時間B(1T)、及び前回点灯パターンに共通するセグメントを点灯させる際の応答時間C(2T)がそれぞれ異なるために、
図3に示す時刻t4から時刻t5、時刻t7から時刻t8、及び時刻t8から時刻t9の表示のように、点灯パターンの切り替え時に、各セグメントの点灯及び消灯が一度に切り替わることなく、各セグメントの一部が異なるタイミングで切り替わり、表示のバラつきが発生する。これにより、液晶表示装置の視認性が悪化し、表示品位が低下する虞があった、と本出願の発明者らは認識している。
【0038】
また、セグメントを点灯させる際の応答時間(応答時間A及び応答時間C)と、セグメントを消灯させる際の応答時間Bとの差は、
図6に示すように、LCD104のパネル温度が低くなる程、大きくなる。したがって、液晶表示装置の周辺温度が低くなる程、セグメントを点灯させる際の応答時間と、セグメントを消灯させる際の応答時間との差が大きくなり、点灯パターンの切り替え時に表示のバラつきが発生し易くなる虞があった、と本出願の発明者らは認識している。
【0039】
(本実施形態に係る液晶表示装置100の動作)
次に
図7を参照して、本実施形態に係る液晶表示装置100におけるLCD104の速度表示部11の表示制御を説明する。
図7は、本実施形態に係る液晶表示装置100の表示制御を説明するためのタイムチャートである。
【0040】
まず、本実施形態に係る液晶表示装置100における表示制御の従来の表示制御との違いについて説明する。
【0041】
本実施形態に係る液晶表示装置100では、概略的には、以下のダミー点灯制御及び消灯遅延制御の2つの表示制御を組み合わせることによって、点灯パターンの切り替え時に、当該切り替え時点から、前回点灯パターンに共通するセグメントを点灯させる際の応答時間C(2T)だけ後に、点灯パターンが一度に切り替わるように制御する。
【0042】
第1に、本実施形態に係る液晶表示装置100では、ダミー点灯制御として、上述した新規にセグメントを点灯させる際の応答時間と、前回点灯パターンに共通するセグメントを点灯させる際の応答時間との違いに起因する表示のバラつきの発生を抑制するために、点灯パターンの切り替え時点の所定時間前から当該切り替え時点までの間、セグメント全体のうちの前回点灯パターンにおけるセグメント群に共通しない(含まれない)セグメント群であるダミーセグメント群に、臨界電圧よりも電圧値の絶対値が小さいダミー電圧(例えば、1V。)を印加する。ダミー点灯制御における処理の詳細については後述する。
【0043】
第2に、本実施形態に係る液晶表示装置100では、消灯遅延制御として、上述したセグメントを点灯させる際の応答時間と、セグメントを消灯させる際の応答時間との違いに起因する表示のバラつきの発生を抑制するために、点灯パターンの切り替え時点から、セグメントを点灯させる際の応答時間から消灯させる際の応答時間を減じた時間だけ、切り替え前の点灯パターンにおけるセグメント群のうちの切り替え後の点灯パターンにおけるセグメント群に共通しないセグメント群である消灯遅延セグメント群に、臨界電圧よりも電圧値の絶対値が大きい消灯遅延電圧(例えば、5V。)を印加する(即ち、消灯遅延セグメント群を点灯させる。)。消灯遅延制御における処理の詳細については後述する。
尚、上述した従来の液晶表示装置では、セグメントを点灯させる際の応答時間は、新規にセグメントを点灯させる際の応答時間A(4T)と、前回点灯パターンに共通するセグメントを点灯させる際の応答時間C(2T)のいずれの応答時間となる場合もあったが、本実施形態に係る液晶表示装置100では、上述したダミー点灯制御により、セグメントを点灯させる際の応答時間は、前回点灯パターンに共通するセグメントを点灯させる際の応答時間C(2T)に統一されている。
【0044】
図7を参照して、本実施形態に係る液晶表示装置100における表示制御の例を説明する。
図7においても、
図3の場合と同様、説明の簡単化のために、1桁目及び2桁目の表示要素のみを用いて表示制御を行う場合について例示している。
【0045】
図7において、横軸は表示開始からの経過時間を表し、最上段は各時刻に速度表示部11に本来表示するべき(意図する)表示内容を表し、2段目は各時刻にマイクロコンピュータ101からLCDドライバ105に出力される点灯信号のうちの消灯遅延制御により出力される部分(消灯遅延信号)を表し、3段目は各時刻にマイクロコンピュータ101からLCDドライバ105に出力される点灯信号を表し、4段目は各時刻にダミー点灯制御によりマイクロコンピュータ101からLCDドライバ105に出力されるダミー点灯信号を表し、5段目は各時刻に速度表示部11に実際に表示される表示内容を表している。
【0046】
図7では、本来表示するべき表示内容として、従来例として示した
図3の場合と同様に、何も表示しない時刻t0における開始状態から、時刻t2において「0」の表示を開始し、時刻t5において「0」から「2」に表示を切り替え、時刻t9において「2」から「10」に表示を切り替えることを意図して表示する場合について例示している。即ち、
図7では、速度表示部11に表示する点灯パターンを、時刻t0においては点灯パターンAとし、時刻t2において点灯パターンAから点灯パターンBに切り替え、時刻t5において点灯パターンBから点灯パターンCに切り替え、時刻t9において、点灯パターンCから点灯パターンDに表示を切り替えることを意図して表示する場合について例示している。
【0047】
まず、時刻t2において「0」の表示を開始するための点灯信号(点灯パターンBを点灯させるための点灯信号)をLCDドライバ105に出力する前に、マイクロコンピュータ101は、時刻t1から時刻t2までの時間2Tの間、ダミー点灯信号として、全セグメントa,b,c,d,e,f,g及びh,i,j,k,l,m,nから成るダミーセグメント群Aにダミー電圧を印加させるための信号を出力する。当該ダミーセグメント群Aとしては、時刻t2における点灯パターンの切り替えは1回目の切り替えであり前回点灯パターンが存在しないため、前回点灯パターンを全てのセグメントを点灯させない点灯パターンAであると見做して、全セグメントのうちの点灯パターンAにおけるセグメント群Aに共通しないセグメント(即ち、全セグメント。)が選択される。当該ダミー点灯信号を受け付けたLCD105は、ダミーセグメント群Aに含まれる各セグメントにダミー電圧を印加する。
【0048】
そして、時刻t2において、マイクロコンピュータ101は、「0」の表示を開始するための点灯信号(点灯パターンBを点灯させるための点灯信号)をLCDドライバ105に出力する。このとき、
図7に示すように、マイクロコンピュータ101が当該点灯信号を出力してから(時刻t2から)時間2T後に、速度表示部11に「0」が表示される。これは、前述したように、点灯パターンの切り替え時点(t2)の前から、ダミー点灯信号がLCDドライバ105に入力されてダミーセグメント群Aにダミー電圧が印加されていたために、点灯パターンBにおけるセグメント群Bの応答時間が、前回点灯パターンに共通するセグメントを点灯させる際の応答時間C(2T)と同程度とされているからである。即ち、本実施形態に係る液晶表示装置100では、本来、点灯パターンの切り替え後に臨界電圧を印加して新規に点灯させるセグメントに対して、臨界電圧よりも電圧値の小さいダミー電圧を予め印加させておくことにより、セグメントを点灯させる際の応答時間が、前回点灯パターンに共通するセグメントを点灯させる際の応答時間である2Tに統一されている。また、
図3に示した従来の表示制御では、マイクロコンピュータ101が点灯パターンBを点灯させるための点灯信号を出力してから速度表示部11に「0」が表示されるまでには、4Tだけ時間がかかっていたのに対して、本実施形態における表示制御によれば、当該ダミー点灯制御が実施されているために、当該時間が2Tに短縮されている。
【0049】
時刻t5において「2」の表示を開始するための点灯信号(点灯パターンCを点灯させるための点灯信号)をLCDドライバ105に出力する前に、マイクロコンピュータ101は、時刻t4から時刻t5までの時間2Tの間、ダミー点灯信号として、セグメントa,b,c,d,e,f,g及びh,i,j,k,l,m,nから成るダミーセグメント群Bを点灯させるための信号を出力する。当該ダミーセグメント群Bとしては、ダミーセグメント群Aの場合と同様に、前回点灯パターンが全てのセグメントを点灯させない点灯パターンAであるため、全セグメントのうちの点灯パターンAにおけるセグメント群Aに共通しないセグメント(即ち、全セグメント。)が選択される。当該ダミー点灯信号を受け付けたLCD105は、ダミーセグメント群Bに含まれる各セグメントにダミー電圧を印加する。
【0050】
そして、時刻t5において、マイクロコンピュータ101は、「2」の表示を開始するための点灯信号(点灯パターンCを点灯させるための点灯信号)をLCDドライバ105に出力する。このとき、当該切り替え時点(t5)の前から、ダミー点灯信号がLCDドライバ105に入力されていたために、
図7に示すように、マイクロコンピュータ101が当該点灯信号を出力してから(時刻t5から)時間2T後に、速度表示部11に「2」が表示される。
【0051】
また、時刻t5において「2」の表示を開始するための点灯信号(点灯パターンCを点灯させるための点灯信号)をLCDドライバ105に出力した後、マイクロコンピュータ101は、時刻t5から時刻t6までの時間1Tの間、消灯遅延信号として、セグメントc,fから成る消灯遅延セグメント群Aを点灯させるための信号を、上記点灯パターンCを点灯させるための点灯信号と併せて出力する。即ち、マイクロコンピュータ101は、時刻t5から時刻t6までの間は、
図7に示すように、点灯信号として、消灯遅延信号と、上記点灯パターンCを点灯させるための信号とを併せた、セグメントa,b,c,d,e,f,gから成るセグメント群を点灯させるための信号を、LCDドライバ105に出力する。当該消灯遅延セグメント群Aとしては、切り替え前の点灯パターンである点灯パターンBのうちの、切り替え後の点灯パターンである点灯パターンCに共通しないセグメント群が選択される。ここで、消灯遅延信号をマイクロコンピュータ101がLCDドライバ105に出力する時間の長さは、セグメントを点灯させる際の応答時間である2Tから、消灯させる際の応答時間である1Tを減じた時間が1Tであるために、1Tに設定されている。
【0052】
尚、
図6に示したように、セグメントを点灯させる際の応答時間とセグメントを消灯させる際の応答時間との差は、周辺温度Tの値にしたがって変化する。より具体的には、周辺温度Tの値が小さくなる程、大きくなる。本実施形態に係る液晶表示装置100では、上述した消灯遅延信号を出力する時間の長さは、周辺温度Tが5℃である温度環境下の場合を想定して設定されている。即ち、周辺温度Tが5℃である温度環境下における、セグメントを点灯させる際の応答時間から、消灯させる際の応答時間を減じた時間である1Tに設定されている。
【0053】
このように、
図3に示した従来の表示制御では、時刻t4から時刻t5までの時間3Tの間は、セグメント群Cのうちのセグメントa,b,d,eのみが表示されていたのに対して、本実施形態に係る表示制御では、ダミー点灯制御及び消灯遅延制御が実施されているために、
図7に示すように、マイクロコンピュータ101が点灯パターンCを点灯させるための点灯信号を出力してから(時刻t5から)時間2T後に、点灯パターンが点灯パターンBから点灯パターンCに一度に切り替わり、速度表示部11には「2」が表示される。
【0054】
以上説明した表示制御と同様に、時刻t9において「10」の表示を開始するための点灯信号(点灯パターンDを点灯させるための点灯信号)をLCDドライバ105に出力する前に、マイクロコンピュータ101は、時刻t8から時刻t9までの時間2Tの間、ダミー点灯信号として、セグメントg及びh,i,j,k,l,m,nから成るダミーセグメント群Cを点灯させるための信号を出力する。当該ダミーセグメント群Cとしては、前回点灯パターンが点灯パターンBであるため、全セグメントのうちの点灯パターンBにおけるセグメント群Bに共通しないセグメントが選択される。当該ダミー点灯信号を受け付けたLCD105は、ダミーセグメント群Cに含まれる各セグメントにダミー電圧を印加する。
【0055】
そして、時刻t9において、マイクロコンピュータ101は、「10」の表示を開始するための点灯信号(点灯パターンDを点灯させるための点灯信号)をLCDドライバ105に出力する。このとき、当該切り替え時点(t9)の前から、ダミー点灯信号がLCDドライバ105に入力されていたために、
図7に示すように、マイクロコンピュータ101が当該点灯信号を出力してから(時刻t9から)時間2T後に、速度表示部11に「10」が表示される。
【0056】
また、時刻t9において「10」の表示を開始するための点灯信号(点灯パターンDを点灯させるための点灯信号)をLCDドライバ105に出力した後、マイクロコンピュータ101は、時刻t9から時刻t10までの時間1Tの間、消灯遅延信号として、セグメントgから成る消灯遅延セグメント群Bを点灯させるための信号を、上記点灯パターンDを点灯させるための点灯信号と併せて出力する。即ち、マイクロコンピュータ101は、時刻t9から時刻t10までの間は、
図7に示すように、点灯信号として、消灯遅延信号と、上記点灯パターンCを点灯させるための信号とを併せた、セグメントa,b,c,d,e,f,g及びi,jから成るセグメント群を点灯させるための信号を、LCDドライバ105に出力する。当該消灯遅延セグメント群Bとしては、切り替え前の点灯パターンである点灯パターンCのうちの、切り替え後の点灯パターンである点灯パターンDに共通しないセグメント群が選択される。
【0057】
このように、
図3に示した従来の表示制御では、時刻t7から時刻t8までの時間1Tの間は、セグメント群Dのうちのセグメントa,b,d,eが表示され、時刻t8から時刻t9までの時間2Tの間は、セグメントa,b,c,d,e,fが表示されていたのに対して、本実施形態に係る表示制御では、ダミー点灯制御及び消灯遅延制御が実施されているために、
図7に示すように、マイクロコンピュータ101が点灯パターンDを点灯させるための点灯信号を出力してから(時刻t9から)時間2T後に、点灯パターンが点灯パターンCから点灯パターンDに一度に切り替わり、速度表示部11には「10」が表示される。
【0058】
尚、時刻t2において点灯パターンを点灯パターンAから点灯パターンBに切り替える際にも、後述するように消灯遅延制御が実施されているが、切り替え前の点灯パターンである点灯パターンAには、切り替え後の点灯パターンである点灯パターンBに共通しないセグメント群が存在しないために、結果的に、いずれのセグメントについても消灯遅延制御によっては点灯されていない。
【0059】
次に、
図8を参照して、本実施形態に係る表示制御を実施する際にマイクロコンピュータ101が実施する処理の手順を説明する。
図8は、本実施形態に係る液晶表示装置100の表示制御を説明するためのフローチャートである。
図8では、マイクロコンピュータ101が、例えば、上述した
図7に示す時間Tの1/10の時間間隔で、周期的に
図8に示す処理を実行し、点灯信号の制御を切り替えている例について説明する。
【0060】
点灯信号を切り替えるタイミングを迎えると、まず、マイクロコンピュータ101は、ステップS11では、温度センサ103から受け付けた周辺温度Tの値が、予め定められた所定の温度閾値T1以下であるか否かを判定する。例えば、本実施形態に係る液晶表示装置100では、温度閾値T1の値として、比較的低めの車内温度としての15℃が定められている。当該判定の結果、周辺温度Tの値が温度閾値T1以下である場合には、マイクロコンピュータ101は、ステップS13の処理を実行する、一方、判定の結果、周辺温度Tの値が温度閾値T1より大きい場合には、マイクロコンピュータ101は、ステップS12の処理を実行する。
【0061】
ステップS12では、マイクロコンピュータ101は、ダミー点灯制御及び遅延点灯制御を実施する必要がないと判断し、現在時刻にLCDドライバ105に出力すべき点灯信号(通常点灯信号)のみを、LCDドライバ105に出力すべき信号として、例えば出力レジスタに格納する。その後、マイクロコンピュータ101は、ステップS19の処理を実行する。
【0062】
ステップS13では、マイクロコンピュータ101は、ダミー点灯信号を出力するタイミングか否かを判定する。より具体的には、マイクロコンピュータ101は、現在時刻が、速度表示部11の表示を切り替える時点から所定時間だけ前の時間帯(上述した表示制御例では、時間2Tの間)に属しているか否かを判定する。当該判定の結果、ダミー信号を出力するタイミングであると判定した場合には、マイクロコンピュータ101は、ステップS14の処理を実行する。一方、判定の結果、ダミー信号を出力するタイミングではないと判定した場合には、マイクロコンピュータ101は、ステップS17の処理を実行する。
【0063】
ステップS14では、マイクロコンピュータ101は、消灯遅延信号を出力するタイミングか否かを判定する。より具体的には、マイクロコンピュータ101は、現在時刻が、速度表示部11の表示の切り替え時点から所定時間だけ後の時間帯(上述した表示制御例では、時間1Tの間)に属しているか否かを判定する。当該判定の結果、消灯遅延信号を出力するタイミングであると判定した場合には、マイクロコンピュータ101は、ステップS15の処理を実行する。一方、判定の結果、消灯遅延信号を出力するタイミングではないと判定した場合には、マイクロコンピュータ101は、ステップS16の処理を実行する。
【0064】
ステップS15では、マイクロコンピュータ101は、ダミー点灯制御及び遅延点灯制御を実施するタイミングであると判断し、通常点灯信号に加えて、ダミー点灯信号及び消灯遅延信号をLCDドライバ105に出力すべき信号として、例えば出力レジスタに格納する。その後、マイクロコンピュータ101は、ステップS19の処理を実行する。
【0065】
ステップS16では、マイクロコンピュータ101は、ダミー点灯制御を実施するタイミングであると判断し、通常点灯信号に加えて、ダミー点灯信号をLCDドライバ105に出力すべき信号として、例えば出力レジスタに格納する。その後、マイクロコンピュータ101は、ステップS19の処理を実行する。
【0066】
ステップS17では、マイクロコンピュータ101は、消灯遅延信号を出力するタイミングか否かを判定する。より具体的には、マイクロコンピュータ101は、現在時刻が、速度表示部11の表示の切り替え時点から所定時間だけ後の時間帯(上述した表示制御例では、時間1Tの間)に属しているか否かを判定する。当該判定の結果、消灯遅延信号を出力するタイミングであると判定した場合には、マイクロコンピュータ101は、ステップS18の処理を実行する。一方、判定の結果、消灯遅延信号を出力するタイミングではないと判定した場合には、マイクロコンピュータ101は、上述したステップS12の処理を実行する。
【0067】
ステップS18では、マイクロコンピュータ101は、消灯遅延制御を実施するタイミングであると判断し、通常点灯信号に加えて、消灯遅延信号をLCDドライバ105に出力すべき信号として、例えば出力レジスタに格納する。その後、マイクロコンピュータ101は、ステップS19の処理を実行する。
【0068】
ステップS19では、マイクロコンピュータ101は、出力レジスタに格納された信号を、LCDドライバ105に出力して、LCDドライバ105にLCD104の各セグメントに電圧を印加させる。これにより、LCDドライバ105が出力した信号にしたがってLCD104が動作して、速度表示部11の各セグメントの点灯及び消灯が制御される。
【0069】
マイクロコンピュータ101は、点灯信号を切り替えるタイミングを迎える度に、以上の処理を繰り返し実行し、速度表示部11の各セグメントの点灯及び消灯を制御する。
【0070】
以下では、本実施形態に係る液晶表示装置100の作用及び効果について説明する。
【0071】
本実施形態に係る液晶表示装置100は、区分された複数のセグメントを有するLCD104(表示部)と、各セグメントに印加する電圧の値を制御して各セグメントを点灯及び消灯させるマイクロコンピュータ101(制御部)と、を備える。
そして、マイクロコンピュータ101は、LCD104に出力する点灯パターンを、上記複数のセグメントから選択された第1のセグメント群(例えば、セグメント群B。)を点灯させる第1の点灯パターン(点灯パターンB)から、上記複数のセグメントから選択された第2のセグメント群(セグメント群C)を点灯させる第2の点灯パターン(点灯パターンC)に切り替えた後、上記複数のセグメントから選択された第3のセグメント群(セグメント群D)を点灯させる第3の点灯パターン(点灯パターンD)に更に切り替える際には、第2の点灯パターン(点灯パターンC)から第3の点灯パターン(点灯パターンD)への切り替え時点(時刻t9)の所定時間(時間2T)前から該切り替え時点(時刻t9)までの間、上記複数のセグメント全体のうちの第1のセグメント群(セグメント群B)に共通しないセグメント(ダミーセグメント群C)にダミー電圧を印加する。
これにより、各セグメントの点灯時における、前回消灯時点からの経過時間が長くなることが防止され、セグメントを点灯させる際の応答時間が、前回点灯パターンに共通するセグメントを点灯させる際の応答時間に統一される。このため、前回消灯時からの経過時間によって各セグメントの点灯時における応答時間が相違することに起因する、表示のバラつきの発生を抑制できる。
この結果、本実施形態に係る液晶表示装置100によれば、視認性を向上した液晶表示装置を提供できる。
【0072】
また、本実施形態に係る液晶表示装置100は、液晶表示装置100の周辺温度Tを検出する温度センサ103(温度検出部)を更に備える。
そして、マイクロコンピュータ101は、温度センサ103から取得した周辺温度Tの値が所定の閾値T1(例えば、本実施形態では、15℃。)以下である場合には、セグメント全体のうちの第1のセグメント群(セグメント群B)に共通しないセグメント(ダミーセグメント群C)に、ダミー電圧を印加する(
図8、ステップS11)。
このように、本実施形態に係る液晶表示装置100では、液晶表示装置100の周辺温度Tの値が所定の閾値T1以下である場合に、セグメント全体のうちの第1のセグメント群に共通しないセグメントにダミー電圧が印加される。これにより、前回消灯時からの経過時間の違いによる各セグメントの点灯時における応答時間の相違がより顕著に現れやすい低温環境下で液晶表示装置100が使用される場合に、表示のバラつきの発生を効果的に抑制できる。また、換言すれば、消灯時からの経過時間の違いによる各セグメントの点灯時における応答時間の相違が現れにくい、比較的高温の環境下で液晶表示装置100が使用される場合には、ダミー点灯制御を実施しないために、消費電力量を低減することができる。
【0073】
また、本実施形態に係る液晶表示装置100では、マイクロコンピュータ101は、例えば第2の点灯パターン(点灯パターンC)から第3の点灯パターン(点灯パターンD)への切り替え時点(時刻t9)の所定時間(時間2T)前から該切り替え時点(時刻t9)までの間、セグメント全体のうちの第1のセグメント群(セグメント群B)に共通しないセグメント(ダミーセグメント群C)に、ダミー電圧を印加し、且つ、該切り替え時点(時刻t9)から所定時間(時間1T)だけ、第1のセグメント群(セグメント群B)のうちの第2のセグメント群(セグメント群C)に共通しないセグメント(消灯遅延セグメント群B)に消灯遅延電圧を印加する。
これにより、前回消灯時からの経過時間によって各セグメントの点灯時における応答時間が相違することに起因する、表示のバラつきの発生に加えて、各セグメントの点灯時における応答時間が消灯時における応答時間よりも長いことに起因する、表示のバラつきの発生をも抑制できる。
【0074】
また、本実施形態に係る液晶表示装置100では、マイクロコンピュータ101は、例えば第2の点灯パターン(点灯パターンC)から第3の点灯パターン(点灯パターンD)への切り替え時点(時刻t9)から、所定の温度環境下(例えば、本実施形態では、5℃。)における、セグメントの点灯時における応答時間から消灯時における応答時間を減じた時間(時間1T)だけ、第1のセグメント群(セグメント群B)のうちの第2のセグメント群(セグメント群C)に共通しないセグメント(消灯遅延セグメント群B)に消灯遅延電圧を印加する。
これにより、各セグメントの点灯時における応答時間が消灯時における応答時間よりも長いことに起因する、表示のバラつきの発生をより効果的に抑制できる。
【0075】
尚、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態は、本発明の技術的範囲内で種々の変形や改良等を伴うことができる。
【0076】
例えば、
図7に例示した表示制御では、ダミー点灯制御及び消灯遅延制御の2つの表示制御を組み合わせた制御を実施する場合について説明したが、消灯遅延制御は実施せず、ダミー点灯制御のみを実施する構成としても構わない。この構成によれば、セグメントを点灯させる際の応答時間と、セグメントを消灯させる際の応答時間との違いに起因する表示のバラつきは抑制することはできないが、新規にセグメントを点灯させる際の応答時間と、前回点灯パターンに共通するセグメントを点灯させる際の応答時間との違いに起因する表示のバラつきの発生は抑制することができる。即ち、
図3及び
図7に示した例に則して説明すれば、従来の表示制御では、切り替え後の点灯パターンを点灯させるための点灯信号を出力してから速度表示部11に当該点灯パターンが表示されるまでには、4Tだけ時間がかかる場合があるのに対して、当該構成における表示制御によれば、当該時間を2Tに短縮することができる。
【0077】
また、本実施形態に係る液晶表示装置100では、ダミー点灯制御として、点灯パターンの切り替え時点よりも時間2Tだけ前から当該切り替え時点までの間、全セグメントのうちの前回点灯パターンに共通しないセグメント群にダミー電圧を印加する構成としたが、当該ダミー電圧を印加する時間は適宜変更されても構わない。例えば、1Tとしてもよいし、3Tとしても構わない。また或いは、LCD104のパネル温度(又は周辺温度T)の値にしたがって変更される可変の値としても構わない。
【0078】
また、本実施形態に係る液晶表示装置100では、ダミー点灯制御として、点灯パターンの切り替え時点よりも時間2Tだけ前から当該切り替え時点までの間、全セグメントのうちの前回点灯パターンに共通しないセグメント群の全てに、ダミー電圧が印加される構成としたが、必ずしも当該セグメント群の全てにダミー電圧が印加される必要はなく、当該セグメント群のうちの少なくとも1つのセグメントにダミー電圧が印加される構成であればよい。例えば、応答性又は視認性が問題となるセグメントのみにダミー電圧が印加される構成であっても構わない。
【0079】
また、同様に、本実施形態に係る液晶表示装置100では、消灯遅延制御として、点灯パターンの切り替え時点から時間1Tの間、切り替え前の点灯パターンのうちの切り替え後の点灯パターンに共通しないセグメント群の全てに消灯遅延電圧が印加される構成としたが、必ずしも当該セグメント群の全てにダミー電圧が印加される必要はなく、当該セグメント群のうちの少なくとも1つのセグメントに消灯遅延電圧が印加される構成であればよい。例えば、応答性又は視認性が問題となるセグメントのみに消灯遅延電圧が印加される構成であっても構わない。
【0080】
また、本実施形態に係る液晶表示装置100では、ダミー点灯制御として、点灯パターンの切り替え時点よりも時間2Tだけ前から当該切り替え時点までの間、全セグメントのうちの前回点灯パターンに共通しないセグメント群にダミー電圧を印加する構成としたが、前回点灯パターンだけでなく、当該前回点灯パターンの更に切り替え前の点灯パターンまでを考慮して、ダミー電圧を印加するセグメントを決定する構成としても構わない。
【0081】
また、本実施形態において示した臨界電圧、ダミー電圧、及び消灯遅延電圧等の各電圧値、並びに応答時間A、応答時間B、及び応答時間C等の各応答時間の長さ、並びに閾値T1等の各温度の値は、それぞれ一例を示したものであり、本発明の技術的範囲は、これらの実施形態に限定されるものではない。
【0082】
また、本実施形態に係る液晶表示装置100では、ダミー点灯制御におけるダミー電圧を印加する時間、及び消灯遅延制御における消灯遅延電圧を印加する時間は、それぞれ一定値であるとしたが、これら時間が、温度センサ103から受け付けた周辺温度Tの値にしたがって随時変更される構成としても構わない。例えば、この場合には、消灯遅延制御に関しては、マイクロコンピュータ101は、
図8のステップS11の処理を実行した後、現在の周辺温度Tの値と、
図6に示した点灯時におけるセグメントの応答時間と消灯時におけるセグメントの応答時間との関係と、に基づいて、当該周辺温度Tにおけるセグメントを点灯させる際の応答時間から消灯させる際の応答時間を減じた時間を算出し、算出された時間を、消灯遅延電圧を印加する時間とすればよい。また、ダミー点灯制御に関しては、マイクロコンピュータ101は、
図8のステップS11の処理を実行した後、周辺温度Tと前回消灯時点からの経過時間と点灯時におけるセグメントの応答時間と、を対応付けたデータに基づいて、現在の周辺温度におけるダミー電圧を印加すべき時間を算出し、算出した時間を、ダミー電圧を印加する時間とすればよい。
【0083】
また、本実施形態に係る液晶表示装置100では、ダミー点灯制御として、点灯パターンの切り替え時点よりも時間2Tだけ前から当該切り替え時点までの間、全セグメントのうちの前回点灯パターンに共通しないセグメント群にダミー電圧を印加する構成としたが、これに加えて、切り替え時点の後、所定時間だけダミー電圧を印加する構成としても構わない。
【0084】
また、本実施形態に係る液晶表示装置100では、マイクロコンピュータ101が、LCD104の各セグメントに電圧値が変化する電圧を印加するダイナミック駆動方式により、LCD104の表示を制御する構成としたが、一定の電圧値の電圧を印加するスタティック駆動方式により、LCD104の表示を制御する構成としても構わない。
即ち、本実施形態に係る液晶表示装置100では、ダミー点灯制御として、ダミーセグメント群に、臨界電圧よりも電圧値の絶対値が小さいダミー電圧を印加する構成としたが、スタティック駆動方式を採用して、ダミーセグメント群に、臨界電圧よりも電圧値の絶対値が大きいダミー電圧(例えば、5V。)を印加する構成としても構わない。このように臨界電圧よりも絶対値が大きい電圧をダミー電圧として印加する場合には、ダミー電圧を印加する時間の長さを、新規にセグメントを点灯させる際の応答時間より短い時間に設定すればよい。