(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(A)成分として、(a1)成分と(a2)成分とを含有し、(a1)成分/(a2)成分の質量比が3/97以上、40/60以下である、請求項1に記載の液体柔軟剤組成物。
(a2)成分が、一般式(1)で表される第3級アミン化合物を、塩化メチル、ジメチル硫酸及びジエチル硫酸から選ばれる1種以上のアルキル化剤で4級化した4級化物である、請求項1又は2に記載の液体柔軟剤組成物。
(B)成分のマイクロカプセルの外殻が、ポリウレタン、ポリアミド、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルギン酸塩、ポリアクリル樹脂、ゼラチン及びアラビアゴムから選ばれる一種以上により構成されている、請求項1〜3の何れかに記載の液体柔軟剤組成物。
(A)成分を5質量%以上、20質量%以下、(B)成分を0.01以上、0.5質量%以下、(C)成分を0.01以上、0.5質量%以下含有する、請求項1〜4の何れかに記載の液体柔軟剤組成物。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔(A)成分〕
(A)成分は、(a1)下記一般式(1)で表される第3級アミン化合物、その酸塩、及び(a2)その4級化物から選ばれる化合物又はそれらを含む混合物である。
〔R
1−C(=O)−O−(C
pH
2pO)
r−C
qH
2q〕
mN(R
2)
3-m (1)
〔式中、
R
1は炭素数11以上、23以下の炭化水素基であり、
R
2は炭素数1以上、3以下の炭化水素基及びHO−(C
pH
2pO)
r−C
qH
2q基から選ばれる基であり、
mは1以上、3以下の数であり、p及びqは2又は3の数であり、rは0以上、5以下の数である。
同一分子内にR
1、R
2、HO−(C
pH
2pO)
r−C
qH
2q基、p、q、rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていても良い。〕
【0017】
一般式(1)中のR
1は、繊維製品の柔軟化の観点から、炭素数13以上、21以下の非環式の炭化水素基が好ましい。R
1の炭化水素基の具体例は、直鎖または分岐鎖のアルキル基、アルケニル基が挙げられ、直鎖がより好ましい。具体的には、炭素数13以上、21以下の直鎖または分岐鎖、好ましくは直鎖のアルキル基及び炭素数13以上、21以下の直鎖または分岐鎖、好ましくは直鎖のアルケニル基から選ばれる基が挙げられる。
【0018】
乳濁型の形態が望まれる場合の液体柔軟剤組成物の製造容易性の観点から、R
1は炭素数11以上、23以上のアルキル基及び炭素数11以上、23以下アルケニル基から選ばれる基が好ましい。より好ましくは、炭素数13以上、21以下のアルキル基及び炭素数13以上、21以下のアルケニル基から選ばれる基である。更に好ましくは一般式(1)の混合物として、アルキル基とアルケニル基とを有することが好ましい。(A)成分の混合物を構成している1つの構造体にアルキル基とアルケニル基の両方の基を有していてもよく、一方の基のみを有していてもよい。アルキル基とアルケニル基の割合は原料となる脂肪酸または脂肪酸エステルの組成によって構成され、水素添加により調製してもよい。
【0019】
アルケニル基に含まれる不飽和基はシス体とトランス体が存在する。シス体とトランス体比の具体例は、モル比でシス体/トランス体=30/70以上、99/1以下のものが挙げられる。アルケニル基の入手性の観点から、シス体/トランス体=50/50以上、97/3以下が好ましい。本発明において、シス体とトランス体の比は
1H−NMRの積分比で算出することができる。
【0020】
p及びqは、それぞれ、2又は3の数である。処理した布吸水性保持の観点から、pは2の数が好ましい。(A)成分の製造の容易性の観点から、qは2の数が好ましい。
rは、繊維製品の柔軟化の点から、0以上、2以下の数が好ましく、0がより好ましい。
【0021】
(a1)成分は一般式(1)で表される第3級アミン化合物及びその酸塩である。第3級アミン化合物は、液体柔軟剤組成物のpHにより、一部又は全てが酸塩の状態で組成物中に存在していても良い。
【0022】
第3級アミン化合物の酸塩で存在する場合の酸としては、無機酸又は有機酸が挙げられる。無機酸の具体例としては、塩酸、硫酸が使用できる。有機酸の具体例としては、炭素数1以下、3以下のアルキル硫酸、炭素数1以下、10以下の1価又は多価のカルボン酸、又は炭素数1以下、20以下の1価又は多価のスルホン酸が挙げられる。より具体的にはメチル硫酸、エチル硫酸、p−トルエンスルホン酸、(o−、m−、p−)キシレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、グリコール酸、クエン酸、安息香酸、サリチル酸が挙げられる。
【0023】
(a1)成分である一般式(1)で表されるアミン化合物を得る製造方法は特に制限されないが、例えば、下記一般式(1−1)で表わされるアルカノールアミン化合物と脂肪酸とのエステル化反応、又は一般式(1−1)で表わされるアルカノールアミン化合物と脂肪酸エステルとのエステル交換反応によって得ることができる。脂肪酸としては、パーム核油由来、ヤシ油由来、牛脂、菜種油、ひまわり油由来の脂肪酸を用いることができ、脂肪酸比率を調製したものであってもよく、由来の違う脂肪酸を併用して用いてもよい。
【0024】
〔HO−(C
pH
2pO)
r−C
qH
2q〕
nN(R
3)
3-n (1−1)
〔式中、R
3は炭素数1以上、3以下の炭化水素基から選ばれる基であり、nは1以上、3以下の数、p、q、rは、前記一般式(1)と同じ意味を表す。〕
【0025】
エステル化反応の例としては、例えば、特表2000−510171号公報の8〜9頁目に記載されている方法を適用することができる。
【0026】
エステル交換反応の例としては、例えば、特開平7−138211号公報の段落〔0013〕〜段落〔0016〕に記載の方法を適用することができる。
【0027】
(a2)成分である前記一般式(1)で表される第3級アミン化合物の4級化物は、一般式(1)で表される第3級アミン化合物とアルキル化剤を用いた4級化反応により得ることができる。
【0028】
アルキル化剤は、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル等が挙げられ、塩化メチル、ジメチル硫酸及びジエチル硫酸から選ばれる一種以上を用いることが好ましい。すなわち、(a2)成分として、一般式(1)で表される第3級アミン化合物を、塩化メチル、ジメチル硫酸及びジエチル硫酸から選ばれる1種以上のアルキル化剤で4級化した4級化物が挙げられる。
【0029】
4級化反応の例としては、例えば、特開平7−138211号公報の〔0017〕〜〔0023〕に記載の方法や、特開平11−106366号公報に記載の製造方法を適用することができる。
【0030】
(A)成分は、1種類の化合物でも良く、2種類以上の化合物の混合物であっても良い。
【0031】
(A)成分が2種類以上の化合物の混合物である場合、mの数平均の数は1.2以上、2.5以下の混合物を用いることができる。繊維製品の柔軟化の観点から、mの数平均の数は、1.3以上、更に1.4以上が好ましく、そして、2.0以下、更に1.9以下が好ましい。
【0032】
前記mの数平均の数を満たす混合物を得る上で、その原料となる一般式(1−1)の化合物は異なる構造の化合物を混合したものを用いてもよい。また、一般式(1−1)のnが3の化合物を脂肪酸や脂肪酸エステルと反応させてmの数平均の数が前記範囲の混合物を得ることも好ましい。
【0033】
本発明では、(A)成分として、(a1)成分と(a2)成分の両方を含有することができる。この場合、(a1)成分/(a2)成分の質量比は、3/97以上、更に5/95以上が好ましく、そして、40/60以下、更に35/65以下が好ましい。また、本発明では、(A)成分として、(a1)成分と(a2)成分とを含む混合物を用いることが好ましい。混合物中の(a1)成分と(a2)成分の割合は混合物中のアミン価から求めることができる。
【0034】
本発明では、例えば次のようにして得られた(A)成分を用いることが好ましい。
すなわち、一般式(1)で示される化合物として、メチルジエタノールアミン[前記一般式(1−1)中、R
3がメチル基であって、n=2、q=2、r=0で示される化合物である]及びトリエタノールアミン[前記一般式(1−1)中、n=3、q=2、r=0で示される化合物である]から選ばれるアルカノールアミン(a0−1)〔以下、(a0−1)成分という〕と、炭素数12以上、24以下の脂肪酸又はその低級アルキル(アルキル基の炭素数1以下、3以下、好ましくはメチル)エステル(a0−2)とを、〔(a0−1)中の水酸基のモル数/(a0−2)のモル数〕=1/1以上、1/0.5以下の比率で反応させて得られるエステル結合を有する第3級アミン化合物(a1)〔(a1)成分〕を、塩化メチル、ジメチル硫酸及びジエチル硫酸から選ばれるアルキル化剤によって4級化反応させることで得られる、(a1)成分と(a2)成分とを含む混合物〔以下、混合物(a)という〕である。(a0−1)成分は、トリエタノールアミンが好ましい。また、アルキル化剤は、ジメチル硫酸が好ましい。
【0035】
混合物(a)は、(a1)成分と(a2)成分とを、(a1)成分/(a2)成分=3/97以上、更に5/95以上、そして、40/60以下、更に35/65以下の質量比で含有することが好ましい。また、混合物(a)は、(a1)成分である第3級アミン化合物及び(a2)成分である4級化物の合計が固形分中の90質量%以上を占めることが好ましい。
【0036】
(A)成分には合成上、未反応の脂肪酸、未反応のアルカノールアミン、脂肪酸メチルエステル及びその4級化物等の不純物を含んだ混合物として入手されるが、経済的な観点と本発明の課題解決において、本発明の柔軟剤組成物にはそれら不純物を含有していてもかまわない。
【0037】
また(A)成分として、一般式(1)中のmが1である化合物、mが2である化合物及びmが3である化合物を含有する混合物を用いることができる。該混合物は、柔軟効果に有効であることから、前記化合物のモル比が、(m=1の化合物)/(m=1の化合物とm=2の化合物とm=3の化合物の合計)=10/100以上、40/100以下であることが好ましい。また、前記混合物は、柔軟効果に有効であることから、前記化合物のモル比が、(m=2の化合物)/(m=1の化合物とm=2の化合物とm=3の化合物の合計)=30/100以上、70/100以下であることが好ましい。また、前記混合物は、柔軟効果に有効であることから、前記化合物のモル比が、(m=3の化合物)/(m=1の化合物とm=2の化合物とm=3の化合物の合計)=5/100以上、40/100以下であることが好ましい。好ましくは、これら3つのモル比から選ばれる2つ以上のモル比を満たすことである。
【0038】
[(B)成分]
本発明のマイクロカプセルは、所定の香料と任意の香料希釈剤又は溶剤とをカプセル化したものである。例えば、マイクロカプセルの外殻(壁材)に樹脂を用いて、公知の方法により香料が封入される。
【0039】
(B)成分のマイクロカプセルの調製法は特に制限されず、公知のマイクロカプセル化方法を採用することができる。具体的には化学的製法(界面重合法、in situ重合法、オリフィス法)、物理化学的方法(コアセルベーション法)、機械的・物理的方法(気中懸濁被覆法、噴霧乾燥法、高速気流中衝撃法)等が挙げられる。マイクロカプセルの外殻としては、ポリウレタン、ポリアミド、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルギン酸塩、ゼラチン、アラビアゴム、デンプン等の各種高分子化合物が挙げられる。(B)成分のマイクロカプセルの外殻が、ポリウレタン、ポリアミド、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルギン酸塩、ポリアクリル樹脂、ゼラチン及びアラビアゴムから選ばれる一種以上により構成されていることが好ましい。
【0040】
本発明のマイクロカプセルの製造方法についてより具体的には、“造る+使うマイクロカプセル”(小石眞純ら、工業調査会、2005年発行)や、特開2008−63575号公報、特開2006−249326号公報、特開平11−216354号公報、特開平5−222672号公報等に記載されている方法を採用することができる。
【0041】
本発明の(B)成分のマイクロカプセルの好ましい製造方法としては、エチレン−無水マレイン酸共重合体等の乳化剤と香料及び任意の希釈剤又は溶剤を水中に分散させて乳化物を得た後、この乳化物にメラミン−ホルムアルデヒド樹脂等の壁材を添加して撹拌することによりマイクロカプセルのスラリーを得る方法が挙げられる。
【0042】
予め、壁材を形成する樹脂となるモノマーと、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、アクリル酸−アクリルアミド共重合等の乳化剤とを水中で混合して、壁材・乳化剤混合物を調製した後、この壁材・乳化剤混合物と香料及び任意の希釈剤又は溶剤とを乳化し、この乳化物にホルムアルデヒドを添加して撹拌することによりマイクロカプセルのスラリーを得る方法等が挙げられる。
【0043】
本発明の(B)成分のカプセルに包含される香料〔以下、香料(B1)という〕は、logP値が2.0以上、6.0以下である香料化合物〔以下、香料化合物(b1)という〕を90質量%以上含有する。香料(B1)は、通常、香料化合物(b1)を含む複数の香料化合物を含有する組成物である。香料(B1)は、香料化合物(b)を、95質量%以上含有することが好ましい。また、香料化合物(B1)は、カプセルの製造容易の観点から、logP値が2.0以上であり、2.3以上、更に2.5以上が好ましく、そして、6.0以下であり、5.5以下、更に5.0以下が好ましい。
【0044】
香料化合物(b1)として、オクタナール(3.0)、ノナナール(3.0)、デカナール(4.0)、リラール(2.2)、リリアール(3.9)、ヘキシルシンナミックアルデヒド(4.9)、アミルシンナミックアルデヒド(4.3)、p,t−ブチルヒドロシンナミックアルデヒド(3.6)、ジメチルテトラヒドロベンズアルデヒド(2.9)、酢酸ヘキシル(4.9)、酢酸トリシクロデセニル(2.4)、酢酸シトロネリル(4.2)、酢酸ゲラニル(3.7)、酢酸リナリル(3.5)、酢酸ターピニル(3.6)、酢酸o,t−ブチルシクロヘキシル(4.1)、酢酸p,t−ブチルシクロヘキシル(4.1)、プロピオン酸アリルシクロヘキシル(2.9)、プロピオン酸トリシクロデセニル(3.9)、カプロン酸アリル(3.2)、サリチル酸アミル(4.6)、サリチル酸ヘキシル(5.1)、サリチル酸ベンジル(4.2)、サリチル酸シクロヘキシル(4.5)、サリチル酸シス−3−ヘキセニル(4.6)、ジヒドロジャスモン酸メチル(2.4)、α−イオノン(3.7)、β−イオノン(3.7)、γ−メチルイオノン(4.0)、α−ダマスコン(3.6)、β−ダマスコン(3.6)、δ−ダマスコン(3.6)、γ−ノナラクトン(2.8)、γ−デカラクトン(3.3)、γ−ウンデカラクトン(3.8)、ネロリンヤラヤラ(3.2)、シクラメンアルデヒド(3.5)、リモネン(4.4)、テトラヒドロリナロール(3.5)、ターピネオール(2.6)、ゲラニオール(2.4)、シトロネロール(3.3)、リナロール(2.6)、テトラヒドロリナロール(3.5)、オイゲノール(3.0)、ジヒドロミルセノール(3.0)、フェニルヘキサノール(3.5)、メチルアンスラニレート(2.0)、メチルβ−ナフチルケトン、(2.8)、イソEスーパー(4.7)、セドリルメチルエーテル(5.1)、サンダルマイソールコア(花王(株)製)(3.9)、ジャバノール(ジボダン社製)(4.7)、アンブロキサン(5.3)、1,8−シネオール(2.9)、ゲラニルニトリル(3.9)、シトロネリルニトリル(4.4)、11-オキサ-16-ヘキサデカノリド(ムスクR-1、ジボダン製)(4.5)、エチレンブラシレート(4.6)、エチレンドデカンジオエート(4.1)、カシュメラン(4.0)から選ばれる1種以上の香料化合物が挙げられる。また、logP値が6.0よりも高い香料として、シクロペンタデカノリド(6.3)、シクロヘキサデカノリド(6.8)、アンブレットリド(6.4)もカプセルに内包する香料として好ましい。ここで、( )内の数字はlogP値である。
【0045】
本発明において、logP値とは、有機化合物の水と1−オクタノールに対する親和性を示す係数である。1−オクタノール/水分配係数Pは、1−オクタノールと水の2液相の溶媒に微量の化合物が溶質として溶け込んだときの分配平衡で、それぞれの溶媒中における化合物の平衡濃度の比であり、底10に対するそれらの対数logPの形で示すのが一般的である。多くの化合物のlogP値が報告されており、Daylight Chemical Information Systems, Inc. (Daylight CIS)などから入手しうるデータベースには多くの値が掲載されているので参照できる。実測のlogP値がない場合には、Daylight CISから入手できるプログラム“CLOGP"等で計算することができる。このプログラムは、実測のlogP値がある場合にはそれと共に、Hansch, Leoのフラグメントアプローチにより算出される“計算logP(ClogP)”の値を出力する。
【0046】
フラグメントアプローチは化合物の化学構造に基づいており、原子の数及び化学結合のタイプを考慮している(cf. A. Leo, Comprehensive Medicinal Chemistry, Vol.4, C. Hansch, P.G. Sammens, J.B. Taylor and C.A. Ramsden, Eds., p.295, Pergamon Press, 1990)。このClogP値を、化合物の選択に際して実測のlogP値の代わりに用いることができる。本発明では、logPの実測値があればそれを、無い場合はプログラムCLOGP v4.01により計算したClogP値を用いる。
【0047】
なお(B)成分のマイクロカプセルは、香料(B1)の他に、希釈剤、溶剤、固化剤を内包してもよく、希釈剤ないし溶剤としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンを挙げることができ、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸の低級アルコール又はグリセリンエステルを挙げることができる。
【0048】
(B)成分のマイクロカプセルの1次平均粒径は、1μm以上が好ましく、そして、100μm以下、更に50μm以下、更に20μm以下が好ましい。本発明のマイクロカプセルの平均粒径は、HORIBA製レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−910によって求められたメジアン径である。なお、(B)成分は、保存安定性を損なわない程度に一部凝集していてもよい。
【0049】
[(C)成分]
(C)成分は、下記(c−1)及び(c−2)から選ばれる1種以上の化合物である。
(c−1):下記一般式(2)で表される化合物であって、R
21、R
22、R
23及びR
24のうち1個以上、4個以下は、アリル位の炭素原子に水酸基を有し、該炭素原子が第1炭素原子または第2炭素原子である、香料として用いられるアルコール化合物(以下、「アリルアルコール性香料」という。)から水酸基を除いた残基(以下、「アリルアルコール性香料残基」という。)であり、残りが独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1以上、30以下の炭化水素基(但し、香料として用いられるフェノール化合物からフェノール性水酸基を除いた残基を除く)である化合物。
(c−2):下記一般式(2)で表される化合物であって、R
21、R
22、R
23及びR
24のうち1個又は2個は、香料として用いられるフェノール化合物(以下、「フェノール性香料」という。)からフェノール性水酸基を除いた残基(以下、「フェノール性香料残基」という。)であり、残りが独立に、置換基を有していてもよい炭素数1以上、30以下の炭化水素基(但し、香料として用いられるフェノール化合物からフェノール性水酸基を除いた残基を除く)である化合物。
【0051】
ここで、(C)成分に関して、“香料として用いられるアルコール化合物”と“香料として用いられるフェノール化合物”は、書籍や文献などの刊行物において香料成分(香料素材)として記載されているアルコール又はフェノール骨格を有する化合物を指すことができる。その他に、当該技術分野に属する者が、経験的に香料素材として使用できることを知っているアルコール又はフェノール骨格を有する化合物を含むことができる。例えば、特許文献に記載された香料化合物、「香料と調香の基礎知識」中島基貴著、産業図書(株)発行 第2刷(1996年5月30日)、「香料の実際の知識」印藤元一著、東洋経済新報社などの書籍に記載された化合物を挙げることができる。
【0052】
(C)成分としては、一般式(2)中のR
21、R
22、R
23及びR
24が全て同一の基である化合物と、R
21、R
22、R
23及びR
24の一部又は全部が異なる基である化合物があり、いずれを使用することもできる。
【0053】
(c−1)成分について説明する。
(c−1)成分に関して、アリル位の炭素原子に水酸基を有し、該炭素原子が第1炭素原子である、香料として用いられるアルコール化合物を、以下、「1級アリルアルコール性香料」という。また、アリル位の炭素原子に水酸基を有し、該炭素原子が第2炭素原子である、香料として用いられるアルコール化合物を、以下、「2級アリルアルコール性香料」という。「アリルアルコール性香料」という場合、これら「1級アリルアルコール性香料」と「2級アリルアルコール性香料」の両方が含まれる。
【0054】
従って、ここでいうアリルアルコール性香料は、香料としても用いられるアルコール性香料であって、且つアリル位(allylic position)に水酸基を有するアルコール化合物を指し、アリル基を有する化合物に限定されない。
【0055】
(c−1)成分を構成するアリルアルコール性香料の具体例としては、1級アリルアルコール性香料として、ゲラニオール、ネロール、シス-3-ヘキセノール、トランス-2-ヘキセノール、3-フェニル-2-プロペン-1-オール(シンナミックアルコール)、トランス-2-シス-6-ノナジエナール、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール(バクダノール)、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール(サンダルマイソルコア)、3,7,11-トリメチル-2,6,10-ドデカトリエン-1-オール(ファルネソール)、2-メチル-5-(2,3-ジメチルトリシクロ[2.2.1.02,6]ヘプト-3-イル-2-ペンテン-1-オール(サンタロール)が挙げられ、2級のアリルアルコール性香料として、4-メチル-3-デセン-5-オール(ウンデカベルトール)、1-オクテン-3-オールが挙げられる。中でも、繊維表面からの香り立ちを強めるリフティング効果の高い香りとして、ゲラニオール、ネロール、ウンデカベルトール及びサンダルマイソルコアから選ばれる香料化合物が好ましい。
【0056】
(c−1)成分は、一般式(2)中のR
21、R
22、R
23及びR
24として、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1以上、30以下の炭化水素基(但し、香料として用いられるフェノール化合物からフェノール性水酸基を除いた残基を除く)を有することができる。炭素数1以上、30以下の炭化水素基としては、置換基を有していてもよい炭素数1以上、30以下の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数7以上、30以下のアラルキル基が挙げられる。脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基又は不飽和脂肪族炭化水素基が挙げられる。
【0057】
なお、前記脂肪族炭化水素基やアラルキル基が有していてもよい置換基としては、途中でエステル結合、アミド結合、エーテル結合などで分断されていてもよい炭素数1以上、10以下のアルキル基、炭素数2以上、10以下のアルケニル基、炭素数1以上、10以下のアルコキシ基、又は炭素数2以上、10以下のアシル基等を挙げることができる。
【0058】
置換基を有していてもよい炭素数1以上、30以下の炭化水素基としては、香料として用いられるアルコール化合物(以下、「アルコール性香料」という。)から水酸基を除いた残基(以下、「アルコール性香料残基」という。)が好ましい。なお、アルコール性香料残基は、前記のアリルアルコール性香料残基を含む概念であるが、(c−1)成分では、一般式(2)の構造を説明するための合理的観点から区別して用いるものとする。
【0059】
適度な香りの持続性を発揮させる観点から、炭素数1以上、更に2以上、20以下、更に18以下の1級アルコールから水酸基を除いた残基が好ましい。1級アルコールの具体例としてはエタノール、ブタノール等の低級アルコール;ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール;2−エチルヘキサノール、4−ブチルオクタノール等のゲルベアルコールが挙げられる。炭素数1以上、20以下の1級アルコールから水酸基を除いた残基には、アルコール性香料残基も含まれる。
【0060】
前記したように(c−1)成分は、一般式(2)中のR
21、R
22、R
23及びR
24のうち、2個以上、更に3個以上、そして、4個以下、更に4個がアリルアルコール性香料残基であることが好ましい。更には、アリルアルコール性香料は、ゲラニオール、ネロール、ウンデカベルトール及びサンダルマイソルコアから得られるアリルアルコール性香料であることがより好ましい。
【0061】
(c−1)成分としては、以下の具体例を挙げることができる。それぞれのグループを混合したものであってもよい。すなわち、
(c−1−1)一般式(2)で表される化合物であって、R
21、R
22、R
23及びR
24のうち1個以上、3個以下がアリルアルコール性香料残基、好ましくはゲラニオール、ネロール、ウンデカベルトール及びサンダルマイソルコアから選ばれるアリルアルコール性香料残基であり、残りが独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1以上、30以下の脂肪族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい炭素数7以上、30以下のアラルキル基である化合物、
(c−1−2)一般式(2)で表される化合物であって、R
21、R
22、R
23及びR
24のうち1個以上、3個以下がアリルアルコール性香料残基、好ましくはゲラニオール、ネロール、ウンデカベルトール及びサンダルマイソルコアから選ばれるアリルアルコール性香料残基であり、残りが独立に、置換基を有していてもよい炭素数1以上、30以下の飽和若しくは不飽和の脂肪族炭化水素基である化合物、
(c−1−3)一般式(2)で表される化合物であって、R
21、R
22、R
23及びR
24のうち1個以上、3個以下がアリルアルコール性香料残基、好ましくはゲラニオール、ネロール、ウンデカベルトール及びサンダルマイソルコアから選ばれるアリルアルコール性香料残基であり、残りが独立に、炭素数1以上、30以下のアルコール性香料残基(但し、アリルアルコール性香料残基を除く)である化合物、
(c−1−4)一般式(2)で表される化合物であって、R
21、R
22、R
23及びR
24のうち1個以上、3個以下がアリルアルコール性香料残基、好ましくはゲラニオール、ネロール、ウンデカベルトール及びサンダルマイソルコアから選ばれるアリルアルコール性香料残基であり、残りが独立に、炭素数1以上、更に2以上、20以下、更に18以下の1級アルコールから水酸基を除いた残基である化合物であり、更に好ましくは、該1級アルコールがエタノール、ブタノール等の低級アルコール;ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール;2−エチルヘキサノール、4−ブチルオクタノール等のゲルベアルコールであり、
(c−1−5)一般式(2)で表される化合物であって、R
21、R
22、R
23及びR
24のうち1個以上、2個以下がアリルアルコール性香料残基、好ましくはゲラニオール、ネロール、ウンデカベルトール及びサンダルマイソルコアから選ばれるアリルアルコール性香料残基であり、1個又は2個が独立に、炭素数1以上、30以下のアルコール性香料残基、及び1個又は2個が炭素数1以上、20以下の1級アルコールから選ばれるアルコール性香料残基以外のアルコール性残基から選ばれる化合物であり、更に好ましくは、該1級アルコールがエタノール、ブタノール等の低級アルコール;ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール;2−エチルヘキサノール、4−ブチルオクタノール等のゲルベアルコールであり、又は
(c−1−6)一般式(2)で表される化合物であって、R
21、R
22、R
23及びR
24の全部がアリルアルコール性香料残基、好ましくはゲラニオール、ネロール、ウンデカベルトール及びサンダルマイソルコアから選ばれる1種以上のアリルアルコール性香料残基である化合物、である。
【0062】
次に(c−2)成分について説明する。
(c−2)成分を構成する本発明のフェノール性香料とは、芳香族環の置換基として水酸基を有する芳香族化合物であって、且つ香料として用いられる化合物を指し、フェノール自体を意味するものではない。また文献によっては香料分類のうち、フェノール性香料をアルコール性香料に分類するものもあるが、本発明では相違する香料化合物として扱う。
【0063】
フェノール性香料の具体例としては、4-(3-オキソブチル)フェノール(ラズベリーケトン)、オイゲノール、イソオイゲノール、4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド(バニリン)、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(エチルバニリン)、チモール、カルバクロール、3-メチル-4-イソプロピルフェノールが挙げられ、中でも、繊維表面に爽やかな甘さのある香りを持続的に付与することができることから、ラズベリーケトン、バニリン及びエチルバニリンから選ばれる香料化合物が好ましい。
【0064】
なお、フェノール性香料残基について、フェノール性香料からフェノール性水酸基を除いた残基とは、芳香族環に置換している水酸基を除いた残基を指す。
【0065】
(c−2)成分は、一般式(2)中のR
21、R
22、R
23及びR
24として、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1以上、30以下の炭化水素基(但し、フェノール性香料残基を除く)を有する。炭素数1以上、30以下の炭化水素基としては、置換基を有していてもよい炭素数1以上、30以下の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数7以上、30以下のアラルキル基が挙げられる。脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基又は不飽和脂肪族炭化水素基が挙げられる。
【0066】
なお、前記脂肪族炭化水素基やアラルキル基が有していてもよい置換基としては、途中でエステル結合、アミド結合、エーテル結合などで分断されていてもよい炭素数1以上、10以下のアルキル基、炭素数2以上、10以下のアルケニル基、炭素数1以上、10以下のアルコキシ基、又は炭素数2以上、10以下のアシル基等を挙げることができる。
【0067】
炭素数1以上、30以下の炭化水素基としては、アルコール性香料残基が好ましい。なお、(c−2)成分では、アルコール性香料残基は、アリルアルコール性香料残基を含む概念である。
【0068】
(c−2)成分としては、フェノール性香料残基を導入した(C)成分の水系組成物中における分解を抑制し、該組成物を適用した繊維表面から香料化合物を長期に亘って安定に徐放させる効果を得る観点から、(c−2)成分において、R
21、R
22、R
23及びR
24のうち2個又は3個がアルコール性香料残基であることが好ましい。更にはフェノール性香料の香りを感知するのに十分な量を放出させるという観点から、2個以上の基が、香料として用いられる1級アルコール化合物から水酸基を除いた残基であることが好ましい。
【0069】
(c−2)として好ましい例としては、以下の具体例を挙げることができる。それぞれのグループを混合したものであってもよい。
(c−2−1)R
21、R
22、R
23及びR
24のうち1個がフェノール性香料残基であり、残り3個がアルコール性香料残基である化合物、
(c−2−2)R
21、R
22、R
23及びR
24のうち2個がフェノール性香料残基であり、残り2個がアルコール性香料残基である化合物、
(c−2−3)R
21、R
22、R
23及びR
24のうち1個がフェノール性香料残基であり、2個がアルコール性香料残基、残り1個がその他の有機基である化合物
が挙げられる。その他有機基としては、アルコール系香料性残基やフェノール性香料残基以外の残基であって、例えば、前記の1級アルコールなどを挙げることができる。
【0070】
(c−2)成分を構成するアルコール性香料としては、水酸基が結合する炭素原子が第1炭素原子、第2炭素原子及び第3炭素原子であることにより分類することができる。なお、(c−1)成分においても、以下のアルコール性香料残基から選ばれる基を有することができる。
【0071】
第1炭素原子の場合は1級アルコール性香料であり、以下のものが挙げられる。
(c−2)成分を構成する1級アルコール性香料である1級の脂肪族アルコールとしては、トランス-2-ヘキセノール、9-デセノール、10-ウンデセノール、シス-3-ヘキセノールが挙げられる。1級アルコール性香料である1級のテルペン型アルコール及びセスキテルペン型アルコールとしては、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、2-イソプロペニル-5-メチル-4-ヘキセン-1-オール、テトラヒドロゲラニオール、ヒドロキシシトロネロール、6,6-ジメチル-ビシクロ[3.1.1]-2-ヘプテン-2-エタノール、3,7,11-トリメチル-2,6,10-ドデカトリエン-1-オール、6-メタノアズレン-3-メタノール、2-メチル-5-(2,3-ジメチルトリシクロ[2.2.1.02,6]ヘプト-3-イル-2-ペンテン-1-オールが挙げられる。1級アルコール性香料である1級の脂環式アルコールとしては、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-メタノール、4-イソプロピルシクロヘキサンメタノール、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-ブタン-1-オールが挙げられる。1級アルコール性香料である1級の芳香族アルコールとしては、ベンジルアルコール、2-フェニルエチルアルコール、フェノキシエチルアルコール、3-フェニル-2-プロペン-1-オール、3-メチル-5-フェニルペンタノール、3-フェニルプロピルアルコール、2-メチル-4-フェニル-1-ペンタノール、4-メトキシベンジルアルコール、2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)プロパノールが挙げられる。また上記以外の(c−1)の1級アリルアルコール性香料も含まれる。
【0072】
また、第2炭素原子の場合は2級アルコール性香料であり以下のものが挙げられる。
(c−2)成分を構成する2級アルコール性香料の好ましい具体例としては、以下のものが挙げられる。2級の脂肪族アルコールとして、3-オクタノール、1-オクテン-3-オール、4-メチル-3-デセン-5-オールが挙げられる。2級のテルペン型アルコール及びセスキテルペン型アルコールとして、1,7,7-トリメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オール、1-メチル-4-イソプロペニルシクロヘキサン-3-オール、3,7-ジメチル-7-メトキシオクタン-2-オール、l-メントールが挙げられる。2級の脂環式アルコールとして、4-イソプロピルシクロヘキサノール(フォルロージア)、1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)-エタノール、p-tert-ブチルシクロヘキサノール、o-tert-ブチルシクロヘキサノール、1-(2-tert-ブチルシクロヘキシルオキシ)-2-ブタノール、3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-ペンタン-2-オール、3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-4-ペンテン-2-オール、3,3-ジメチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-4-ペンテン-2-オール、1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)-3-ヘキサノール、α,β,2,2,6-ペンタメチルシクロヘキシルプロパノールが挙げられる。2級の芳香族アルコールとしては、1-フェニルエチルアルコールが挙げられる。また上記以外の(c−1)の2級アリルアルコール性香料も含まれる。
【0073】
また、第3炭素原子の場合は3級アルコール性香料であり以下のものが挙げられる。
(c−2)成分を構成する3級アルコール性香料の好ましい具体例としては、2-メチル-6-メチレン-7-オクテン-2-オール(ミルセノール)、テルピネオール、リナロール、2,6-ジメチルヘプタノール、2-メチル-3-ブテン-2-オール、アンブリノール、ジヒドロリナロール、テトラヒドロリナロール、トラヒドロムゴール(2,6-ジメチル-2-オクタノールと3,7-ジメチル-4,6-オクタジエン-3-オール)、2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール(ジヒドロミルセノール)、2,6-ジメチル-2-オクタノール(テトラヒドロミルセノール)、オシメノール、3,6-ジメチル-3-オクタノール、エチルリナロール、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、4-ツヤノール、ネロリドール、ビサボロール、パチュリアルコール、3,7,11,15-テトラメチル-1-ヘキサデセン-3-オール(イソフィトール)、ゲラニルリナロール、スクラレオール、α,α-ジメチルフェニルエチルアルコール、p-メチルベンジルジメチルカルビノール、ジメチルフェニルエチルカルビノール、3-メチル-1-フェニル-3-ペンタノール、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール(フロロール)等が挙げられる。
【0074】
また、(c−2)成分のようにフェノール性香料の残基を導入したケイ酸エステルの水系組成物中における分解を抑制し、該組成物を適用した繊維表面から香料化合物を長期に亘って安定に徐放させる効果を得る観点から、アルコール性香料としては、炭素数6以上、更に9以上、そして、20以下、更に15以下、更に13以下のものが好ましい。中でも、水酸基が環状炭化水素基を構成する骨格炭素原子に1個の共有結合を介して結合した2級アルコール性香料である、メントール及びフォルロージアから選ばれる2級アルコール性香料が好ましい。従って、(c−2)成分は、一般式(2)で表される化合物であって、R
21、R
22、R
23及びR
24として、ラズベリーケトン、バニリン及びエチルバニリンから選ばれるフェノール性香料から水酸基を除いた残基と、メントール及びフォルロージアから選ばれるアルコール性香料から水酸基を除いた残基とを有することが好ましい。
【0075】
[液体柔軟剤組成物]
本発明の液体柔軟剤組成物において、(A)成分の含有量は、十分な柔軟効果を得る上で、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上、更により好ましくは10質量%以上であり、そして、保存安定性の観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは18質量%以下、更により好ましくは16質量%以下である。
【0076】
また、本発明の液体柔軟剤組成物において、(B)成分の含有量は、十分な賦香効果を得る上で、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上であり、そして、保存安定性の観点から、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.4質量%以下、更に好ましくは0.3質量%以下である。
【0077】
なお、(B)成分は、(B)成分の質量に対する内包する香料の質量の比、すなわち、内包する香料の質量/(B)成分の質量の質量比が、60/100以上、70/100であることが好ましい。
【0078】
また、本発明の液体柔軟剤組成物において、(C)成分の含有量は、(B)成分により、更に(B)成分と後述する(D)成分との併用により、フレッシュ感など本来親水的な香料成分に特徴的な賦香効果を得る上で、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上であり、そして、保存安定性の観点から好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.4質量%以下、更により好ましくは0.3質量%以下である。
【0079】
また(B)成分と(C)成分の質量比は、匂い立ちを抑制するために、(B)/(C)で、好ましくは1/10以上、より好ましくは1/8以上、更により好ましくは1/5以上であり、バランスのとれた香調を得るために、好ましくは10/1以下、より好ましくは8/1以下、更により好ましくは5/1以下である。
【0080】
本発明の柔軟剤組成物の残部は、水である。水は、脱イオン水、脱イオン水に次亜塩素酸塩を少量配合した滅菌した水、水道水などを用いることができる。
【0081】
本発明の柔軟剤組成物中の(B)成分と(C)成分は、(A)成分で示される第3級アミン化合物及びその4級化物を含有することで、それぞれが安定に分散した状態で含有することが可能となる。理由としては本発明の(B)成分の表面は親水性であり、一方(C)成分は疎水性化合物である。(A)成分が組成物中で構成する会合構造により、それぞれが安定に存在する領域が異なることが考えられる。
【0082】
本発明の液体柔軟剤組成物の30℃の時のpHは2.5以上、4.0以下であり、好ましくは3.5以下である。処理後の繊維製品の発香性及び残香性の両方の点、並びに保存安定性の点からこの範囲が好ましい。
【0083】
pHは、「JIS K 3362;2008の項目8.3に従って30℃において測定する。pHの調整は、アルカリ剤と酸剤によって調整されるが、酸剤は後述するクエン酸、コハク酸などの有機酸を用いてもよい。
【0084】
本発明の液体柔軟剤組成物の粘度(30℃)は、使用勝手の点で、5mPa・s以上、10mPa・s以上、そして、200mPa・s以下、更に150mPa・s以下が好ましい。組成物の粘度は、B型粘度計を用いて、No.1〜No.3ローターの何れかのローターを用い、60r/minで、測定開始から1分後の指示値である。液体柔軟剤組成物は30±1℃に調温して測定する。
【0085】
本発明の液体柔軟剤組成物は、以下に示す成分を含有することが好ましい。
【0086】
[(D)(B)成分、及び(C)成分以外の香料]
本発明の液体柔軟剤組成物は、(D)成分として、(B)成分及び(C)成分以外の香料を含有してもよい。なお、(B)成分以外の香料とは、(B)成分が内包する香料以外の香料の意味である。また、(C)成分以外の香料とは、(C)成分を構成する基として結合する香料化合物以外の香料化合物という意味である。
【0087】
(D)成分は、液体柔軟剤組成物中に分散させた香料であってもよい。本発明では、ケイ酸等の他の化合物と結合せずに、又はマイクロカプセルに内包されずに、液体柔軟剤組成物中に分散させた香料を外香料という場合がある。なお、(B)成分のカプセルの崩壊により組成物中に溶出した香料や(C)成分の分解により組成物中に放出された香料も、外香料とみなすことができる。
【0088】
(D)成分、特に外香料は、(B)成分に用いられる香料化合物や(C)成分に導入される基として用いられる香料化合物と同じ香料化合物を用いても、異なる香料化合物を用いても良い。また、(D)成分、特に外香料の香調も、(B)成分や(C)成分から放出される香料の香調と同じでも異なっていてもよい。また、外香料として使用できる香料としては、制限がなく、例えば「香料と調香の基礎知識、中島基貴 編著、産業図書株式会社発行、2005年4月20日 第4刷」に記載の香料や特許文献などを通じて柔軟剤に配合することが知られている香料の他に、香料メーカーが独自に調製した香料成分又は調香した香料組成物そのものを使用することができる。例えば、β-イオノン(3.7)、γ-ウンデカラクトン(3.8)、γ-ノナラクトン(2.8)、γ-メチルイオノン(4.0)、アンブロキサン(5.3)、イソEスーパー(4.7)、エチルバニリン(1.8)、エチレンブラッシレート(4.6)、オイゲノール(3.0)、カシュメラン(IFF社製)(4.0)、クマリン(1.5)、ゲラニオール(2.4)、酢酸o,t-ブチルシクロヘキシル(4.1)、酢酸シトロネリル(4.2)、酢酸ジメチルベンジルカルビニル(2.8)、サンダルマイソールコア(3.9)、ジヒドロジャスモン酸メチル(2.4)、ジヒドロミルセノール(3.0)、ジメチルテトラヒドロベンズアルデヒド(2.9)、ジャバノール(ジボダン製)(4.7)、ネロリンヤラヤラ(3.2)、ハバノライド(フィルメニッヒ製)(6.2)、フルーテート(花王)(3.4)、ペオニル(ジボダン製)(4.0)、ヘキシルシンナミックアルデヒド(4.9)、ヘリオトロピン(1.1)、メチルβ-ナフチルケトン(2.8)、メチルアンスラニレート(2.0)、ラズベリーケトン(1.1)、リモネン(4.4)、リリアール(3.9)を挙げることができる。なお( )内の数値はlogP値である。前記(C)成分及び(D)成分で挙げた香料を使用してもよい。
【0089】
なお、本発明の液体柔軟剤組成物は、香料の希釈剤や保留剤を含有することができる。希釈剤、保留剤の好適な例としては、ジプロピレングリコール、パルミチン酸イソプロピルエステル、ジエチルフタレート、ペンジルベンゾエート、流動パラフィン,イソパラフィン、油脂等を挙げることができる。(D)成分と保留剤の合計に対する保留剤の割合は0質量%以上、20質量%以下が好ましい。なおこれら希釈剤及び保留剤は(B)成分のマイクロカプセルの香料にも用いることができる。
【0090】
(D)成分は、(B)成分及び(C)成分と併用することで、従来よりも自由度の高い香料設計が可能となり、それら香料システムを用いた本発明の柔軟剤組成物は、繊維製品に処理を施すことで、目的とする香調、例えば、フレッシュ且つリッチな持続性に優れた匂いを、付加させることができる。
【0091】
本発明の液体柔軟剤組成物において、(D)成分の含有量は、0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、保存安定性及び他の香料添加剤とのバランスの観点から、好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.8質量%以下、更により好ましくは1.5質量%以下である。なお、液体柔軟剤組成物中の(D)成分は、製品に合わせてその添加量を調整することは容易である。
【0092】
また、本発明の液体柔軟剤組成物において、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の香料化合物としての合計の含有量は、アルコール性香料残基はアルコール性香料として換算して、繊維製品に対する十分に賦香するために、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上であり、保存安定性及び他の香料添加剤とのバランスの観点から、好ましくは2.5質量%以下、より好ましくは2.3質量%以下、更により好ましくは2.0質量%以下である。
【0093】
香料の組み合わせとして好ましいものは、(B)成分のマイクロカプセルに内包される香料がlogP値2.0以上、6.0以下の香料化合物を90質量%以上含有し、(C)成分のケイ酸エステルのR
21、R
22、R
23及びR
24として固定化される香料化合物中、logP値3以上、5以下の化合物が50質量%以上を占め、(D)成分の香料中、logP値が1.0以上、5.0以下の香料化合物が50質量%以上を占めることである。これら条件において、前記の濃度制限及び比率制限を加えることが更により好ましい。
【0094】
[(E)非イオン界面活性剤]
本発明の液体柔軟剤組成物は、(E)成分として非イオン界面活性剤を含有することが好適である。但し、(E)成分からは、後述する(F)成分を除くものとする。
【0095】
(E)成分としては、炭素数8以上、20以下のアルキル基又はアルケニル基とオキシアルキレン基とを有する非イオン界面活性剤が好ましく、下記一般式(E1)で表される非イオン界面活性剤がより好ましい。
R
1e−A−〔(R
2eO)
x−R
3e〕
y (E1)
〔式中、R
1eは、炭素数8以上、更に10以上、そして、18以下、更に16以下のアルキル基又はアルケニル基であり、R
2eは、炭素数2又は3のアルキレン基、好ましくはエチレン基であり、R
3eは、炭素数1以上、3以下のアルキル基又は水素原子であり、xは2以上、更に5以上、更に10以上、そして、100以下、更に80以下、更に60以下の数であり、Aは−O−、−COO−、−CON−又は−N−であり、Aが−O−又は−COO−の場合yは1であり、Aが−CON−又は−N−の場合yは1又は2である。〕
【0096】
一般式(E1)の化合物の具体例としては、以下の式(E1−1)〜(E1−3)で表される化合物を挙げることができる。
R
1e−O−(C
2H
4O)
k−H (E1−1)
〔式中、R
1eは前記の意味を示す。kは8以上、更に10以上、そして、100以下、更に60以下の数である。〕
R
1e−O−[(C
2H
4O)
s/(C
3H
6O)
t]−H (E1−2)
〔式中、R
1eは前記の意味を示す。s及びtはそれぞれ独立に2以上、更に5以上、そして、40以下の数であり、(C
2H
4O)と(C
3H
6O)はランダム又はブロック付加体であってもよい。“/”は(C
2H
4O)と(C
3H
6O)の結合順序を問わないことを示す符号である。〕
【0098】
〔式中、R
1e、R
3eは前記の意味を示す。Aは −N< 又は −CON< であり、u及びvはそれぞれ独立に0以上、40以下の数であり、u+vは5以上、60以下、更に40以下の数である。〕
【0099】
本発明では、(E)成分として、一般式(E1−1)で示される非イオン界面活性剤を用いることが好ましい。
【0100】
(E)成分は、組成物の粘度を低下させることができることから、柔軟剤組成物の各成分の混合から充填までの製造を容易にする一方で、本発明の(B)成分と(C)成分を組成物中で安定に含有させる。
【0101】
本発明の液体柔軟剤組成物において、(E)成分の含有量は、0.5質量%以上、更に1.0質量%以上が好ましく、そして、長期保存後の増粘の観点から、8質量%以下、更に5質量%以下が好ましい。
【0102】
[(F)脂肪酸多価アルコール誘導体]
本発明の液体柔軟剤組成物は、保存安定性を改善する目的で(F)成分として炭素数8以上、22以下の飽和又は不飽和脂肪酸と多価アルコールとのエステル化合物を含有してもよい。(F)成分としては、トリグリセライド、ジグリセライド、モノグリセライド、ペンタエリスリトールのモノ、ジ、トリ脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルを挙げることができる。
【0103】
本発明の液体柔軟剤組成物において、(F)成分の含有量は、0.1質量%以上、更には0.3質量%以上が好ましく、そして、5.0質量%以下が好ましい。
【0104】
[(G)(A)成分以外の界面活性剤]
本発明の液体柔軟剤組成物は、(G)成分として、(A)成分以外の界面活性剤を含有することができる。
【0105】
(G)成分としては、(A)成分以外の陽イオン界面活性剤[以下(G−1)成分という場合もある。]が挙げられる。(G−1)成分は、本発明の液体柔軟剤組成物の保存安定性の点から好ましい。(G−1)成分としては、具体的には、窒素原子に結合する基のうち、1つ又は2つが炭素数が10以上、22以下のアルキル基又はアルケニル基であり、残りがヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1以上、4以下のアルキル基、ベンジル基、好ましくはメチル基である第3級アミン化合物及びその酸塩、並びに前記第3級アミン化合物の4級化物が挙げられる。炭素数10以上、22以下のアルキル基又はアルケニル基を1つ有し、ベンジル基を1つ有する場合は、柔軟剤組成物に殺菌効果を付与するために有効である。4級化に用いるアルキル化剤としては(A)成分で記載した化合物を用いることができる。
【0106】
(G−1)成分としては、下記(I)〜(III)から選ばれる1種以上の陽イオン界面活性剤が好ましく、更に(II)から選ばれる陽イオン界面活性剤が好ましい。
(I)アルキル基又はアルケニル基の炭素数が10以上、22以下のジ長鎖アルキル又はアルケニルジメチルアンモニウム塩、
(II)アルキル基又はアルケニル基の炭素数が10以上、22以下のモノ長鎖アルキル又はアルケニルトリメチルアンモニウム塩、又は
(III)アルキル基又はアルケニル基の炭素数が10以上、22以下のモノ長鎖アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩
【0107】
具体的には塩化ジデシルジメチルアンモニウム塩、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム塩、塩化ミリスチルトリメチルアンモニウム塩、塩化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム塩、を挙げることができる。
【0108】
本発明の液体柔軟剤組成物において、(G−1)成分の含有量は、液性の粘度を低下させる性質や殺菌性を高める上で、0.01質量%以上が好ましく、そして、保存安定性や柔軟効果を低下させないために2.0質量%以下が好ましい。
【0109】
(G)成分としては、界面活性剤として柔軟剤に配合することが知られている界面活性剤を配合することができる。たとえば、両性界面活性剤として、アルキル(炭素数12以上、22以下)アミドプロピルカルボベタイン、アルキル(炭素数12以上、22以下)アミドプロピルスルホベタイン、アルキル(炭素数12以上、22以下)カルボベタイン、アルキル(炭素数12以上、22以下)スルホベタイン、アルキル(炭素数10以上、18以下)ジメチルアミンオキシドなどが挙げられる。これらの含有量は、組成物の目的に応じて調整する。
【0110】
[(H)無機塩]
本発明の液体柔軟剤組成物は、保存安定性を向上させる目的から必要に応じて(H)成分として無機塩を含有することができる。無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、及び塩化マグネシウムから選ばれる無機塩が保存安定性の点から好ましい。
【0111】
無機塩は柔軟剤自体の液性の保存安定性に寄与するが、(B)成分を凝集させる性質を有することから、本発明の液体柔軟剤組成物において、(H)成分の含有量は、0.01質量%以上、更に2.0質量%以下が好ましく、そして、1.0質量%以下が好ましい。
【0112】
[(I)シリコーン]
本発明の柔軟剤組成物には(I)成分として、水不溶性のシリコーン化合物を含有することが好ましい。ここで(I)成分についての水不溶性とは、20℃のイオン交換水1Lに溶解する量が1g以下であることをいう。(I)成分としては、具体的にはジメチルポリシロキサン、4級アンモニウム変性ジメチルポリシロキサン、アミノ変性ジメチルポリシロキサン、アミド変性ジメチルポリシロキサン、エポキシ変性ジメチルポリシロキサン、カルボキシ変性ジメチルポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性ジメチルポリシロキサン、フッ素変性ジメチルポリシロキサン等のシリコーン化合物が挙げられる。
【0113】
(I)成分としては、重量平均分子量が千以上、更に3千以上、更に5千以上、そして、100万以下、25℃における粘度が2mm
2/s以上、更に500mm
2/s以上、更に1千mm
2/s以上、そして、100万mm
2/s以下のジメチルポリシロキサン、アミノ変性ジメチルポリシロキサン、アミド変性ジメチルポリシロキサン、ポリオキシアルキレン(ポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレン、好ましくはポリオキシエチレン)変性ジメチルポリシロキサンから選ばれる1種以上が好ましい。アミノ変性ジメチルポリシロキサンのアミノ当量(アミノ当量とは窒素原子1個当たりの分子量)は、1,500g/mol以上、更に2,500g/mol以上、更に3,000g/mol以上が好ましく、そして、40,000g/mol以下、更に20,000g/mol以下、更に10,000g/mol以下が好ましい。
【0114】
(I)成分を用いる場合、(A)成分/(I)成分の質量比は、1/50以上、更に1/20以上、更に1/10が好ましく、そして、60/1以下、更に50/1が好ましい。
【0115】
本発明の液体柔軟剤組成物において、(I)成分の含有量は、繊維製品の仕上り感として、さっぱり感を与える観点から、0.1質量%以上、更に0.5質量%以上が好ましく、そして、分散性の観点から5質量%以下が好ましい。
【0116】
[(J)酸剤]
本発明の液体柔軟剤組成物は、(A)成分の第3級アミンを酸塩とする目的やpHの調整を目的で酸剤を含有することができる。本発明の液体柔軟剤組成物は、処理後の繊維製品の発香性及び残香性の両方の点、並びに保存安定性の点から、酸剤を含有させることで組成物原液のpHを30℃で2.5以上、4.0以下に調整することができる。酸としては、無機酸又は有機酸が挙げられる。無機酸の具体例としては、塩酸、硫酸が使用できる。
【0117】
有機酸の具体例としては、炭素数1以上、10以下の1価又は多価のカルボン酸、又は炭素数1以上、20以下の1価又は多価のスルホン酸、炭素数1以上3以下のアルキル硫酸が挙げられる。より具体的にはメチル硫酸、エチル硫酸、p−トルエンスルホン酸、(o−、m−、p−)キシレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、グリコール酸、エチレンジアミン4酢酸、クエン酸、安息香酸、サリチル酸が挙げられる。好ましくは炭素数1以上、10以下の1価又は多価のカルボン酸であり、より好ましくはクエン酸である。
【0118】
酸剤はpHが上記範囲になる範囲で含有され、保存安定性を損なわない程度に制限される。配合量は(A)成分の種類や量によって適宜調整する。
【0119】
[(K)脂肪酸]
本発明の柔軟剤組成物は、柔軟効果を向上させる目的から、(K)成分として、脂肪酸を含有することが好適である。脂肪酸は(A)成分の合成時の未反応物や(A)成分の分解物として含有されてもよい。具体的にはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、エルカ酸、ベヘニン酸等の炭素数12以上、22以下の飽和又は不飽和脂肪酸が好ましく、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸及びリノール酸から選ばれる脂肪酸がより好ましい。
【0120】
[(L)水溶性有機溶剤]
本発明の柔軟剤組成物は、保存安定性や粘度の観点から、(L)成分として、水溶性有機溶剤を含有することができる。(L)成分としては、柔軟剤に配合することが知られている水溶性の有機溶剤が挙げられる。本発明の水溶性有機溶剤とは、100gの20℃の脱イオン水に対して20g以上溶解するものをいう。具体的には、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、モノエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、イソプロパノール、エタノール等を挙げることができる。好ましくはエチレングリコール、エタノールである。
【0121】
水溶性有機溶剤は、柔軟剤組成物が他の成分によって、十分に安定化され粘度が低い場合は、その含有量は低減でき、あるいは含有しなくてもよいが、組成物の安定化のためには配合することが好ましい。本発明の液体柔軟剤組成物において、(L)成分の含有量は、15質量%以下、更に10質量%以下が好ましい。
【0122】
[(M)キレート剤]
キレート剤は、上記の酸剤として使用する以外に、柔軟剤組成物の長期保存時の色相変化や染料の褪色及び香りの変質を抑制するために用いられる。酸剤と兼ねてもよい。キレート剤として有用な化合物としては、例えば、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミン四酢酸、メチルグリシン二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、エチレンジアミン二コハク酸、L−グルタミン酸−N,N−二酢酸、N−2−ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、クエン酸、コハク酸選ばれる一種以上が好ましい。
【0123】
[(N)その他の成分]
その他の成分としては、基材劣化の抑制のためにBTH等の酸化防止剤を含有してもよく、審美や長期保存時の着色による懸念を払拭する観点から、柔軟剤に配合されていることが知られている染料ないし顔料を含有することができる。またプロキセルの商品名で市販されている防菌・防黴剤を、保存安定性を損なわない範囲で含有することが好ましい。
【0124】
本発明の液体柔軟剤組成物は、繊維製品用として好適であり、繊維製品としては、衣料、布帛、寝具、タオル等が挙げられる。
【実施例】
【0125】
〔(A)成分〕
実施例で使用した(A)成分を以下に示す。
(a−1)成分
トリエタノールアミンとのR
1COOHで表される脂肪酸を、反応モル比(脂肪酸/トリエタノールアミン)が1.65/1で、エステル化反応させ、一般式(1)で表されるアミン化合物を含むエステル化反応物を得た。
エステル化反応物中には、未反応の脂肪酸(組成は後述の通り)が5質量%含まれていた。エステル化反応物中のアミン化合物のアミンに対して、メチル基が0.98等量となるように、ジメチル硫酸で4級化反応を行った。
【0126】
得られた反応物をHPLC法で各成分の組成比を分析し、臭化テトラオクチルアンモニウムを内部標準物質として使用し定量した結果、得られた反応物は、下記の(a11−1)成分〜(a11−3)成分、(a21−1)成分〜(a21−3)成分、及び未反応の脂肪酸からなる混合物(合計で100質量%)であった。4級化率は92%であった。4級化率はアミン価から求めることができる。
【0127】
( )内の含有量は、(a11−1)成分〜(a11−3)成分、(a21−1)成分〜(a21−3)成分の第4級アンモニウムイオン部分(CH
3OSO
3-を除く部分)、及び未反応の脂肪酸の合計における各成分の含有割合を示す。
【0128】
【化4】
【0129】
未反応の脂肪酸:(2質量%)
なお反応に用いたR
1COOHの組成を以下に示す。
ミリスチン酸:2質量%
パルミチン酸:27質量%
パルミトレイン酸:3質量%
ステアリン酸:32質量%
炭素数18で、不飽和基を1つ有する脂肪酸:33質量%
炭素数18で、不飽和基を2つ有する脂肪酸:3質量%
前記組成は、原料に使用した脂肪酸をガスクロマトグラフィーで組成分析し、各脂肪酸の面積%を質量%とみなした。前記不飽和基のシス/トランス体の質量比は85/15(
1H―NMRによる、積分比)である。
【0130】
(a−2)成分
N−メチルジエタノールアミンとR
1COOHで表される脂肪酸を、反応モル比(脂肪酸/トリエタノールアミン)が1.9/1で、エステル化反応させ、一般式(1)で表されるアミン化合物を含むエステル化反応物を得た。
エステル化反応物中には、未反応の脂肪酸(組成は後述の通り)が5質量%含まれていた。エステル化反応物中のアミン化合物のアミンに対して、10質量%のエタノールを添加し均一に混合した後、前記アミンに対してメチル基が0.98等量となるように、塩化メチルで4級化反応を行った。
4級化率は90%であった。
得られた反応物をHPLC法で各成分の組成比を分析し、臭化テトラオクチルアンモニウムを内部標準物質として使用し定量した結果、得られた反応物は、下記の(a12−1)成分、(a22−1)成分〜(a22−2)成分、及び未反応の脂肪酸からなる混合物(合計で100質量%)であった。
( )内の数字は、(a12−1)成分、(a22−1)成分〜(a22−2)成分の第4級アンモニウムイオン部分(Cl
-を除く部分)、及び未反応の脂肪酸の合計における各成分の含有割合を示す。
【0131】
【化5】
【0132】
未反応の脂肪酸:(8.7質量%)
なお反応に用いたR
1COOHの組成を以下に示す。
パルミチン酸:10質量%
ステアリン酸:60質量%
炭素数18で、不飽和基を1つ有する脂肪酸:30質量%
前記組成は、原料に使用した脂肪酸をガスクロマトグラフィーで組成分析し、各脂肪酸の面積%を質量%とみなした。前記不飽和基のシス/トランス体比は1/1(
1H−NMRによる、積分比)である。
【0133】
〔(B)成分〕
合成例B1 (b−1)の製造
ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体(デモールEP、固形分25%、花王株式会社)1.7gを塩酸で中和後、さらにイオン交換水で希釈することにより、固形分3%、pH4.3の水溶液を得た。次に、前記ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体水溶液100gに、表1の組成の香料(b1)を36g加え、ホモミキサーを用いて乳化し、これを50℃に昇温した。次に、部分メチロール化メラミン樹脂(商品名Cymel385、固形分80%、Cytec Industries Inc製)を12g、イオン交換水35gを混合した水溶液を滴下した。これを50℃で2時間保持し、さらに70℃で1時間保持し、さらに80℃で3時間保持し、封入を完了させた。その後、放冷することによって、平均粒径7μm、有効分30質量%のマイクロカプセルスラリーを得た。
【0134】
ここで、香料(b1)は、下記表1のものである。
【0135】
【表1】
【0136】
合成例B2 (b−2)の製造
イオン交換水240gを1L4つ口フラスコに加えた。4つ口フラスコには2本の滴下ロートを接続し、1本の滴下ロートにはアクリル酸98.8g(和光純薬工業(株)製)、アクリルアミド20.0gを混合した液(モノマー液)を入れておき、もう1本の滴下ロートにはV−50(和光純薬工業(株)製、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオアミジン)ジヒドロクロライド)3.75gをイオン交換水75gで希釈した液(開始剤液)を入れた。この装置を210kPaまで減圧し、窒素で常圧に戻す作業を3回繰り返すことにより、脱気した。フラスコ内を70℃に加熱後、モノマー液を3.7g/分、開始剤液を1.3g/分となるように滴下し、滴下後さらに2時間熟成後、反応液を冷却した。反応液300gをアセトン800gに滴下することにより、ポリマーの再沈殿を行なった。得られたポリマーを60kPaの減圧下80℃で48時間乾燥し、アクリル酸−アクリルアミド共重合体52gを得た。重量平均分子量は17万であった。
【0137】
上記の方法で得られたアクリル酸−アクリルアミド共重合体2.4gをイオン交換水84gに希釈し、水酸化ナトリウム水溶液でpH4に調製した。これに部分メチロール化メラミン樹脂(商品名Cymel385)3gを加え、30分間攪拌を行なった。次に、前記合成例B1で用いた、表1の組成の香料(b1)を76g加え、ホモミキサーを用いて乳化し、これを50℃に昇温し、1時間保持した。一方で、アクリル酸−アクリルアミド共重合体1g、イオン交換水48gを混合した水溶液を水酸化ナトリウムでpH4.8に調製し、部分メチロール化メラミン樹脂(商品名Cymel385)10g、硫酸ナトリウム1.5gを加え、30分間攪拌後、これを乳化液に加えた。70℃で14時間保持した後、冷却し、平均粒径7μm、有効分30質量%のマイクロカプセルスラリーを得た。
【0138】
〔(C)成分〕
本発明の繊維製品処理剤組成物に用いるケイ酸エステルとして、下記の化合物を合成した。
(C−1):Si[O-Undecav]
4 〔(c−1)成分〕
(C−2):Si[O-Geranyl]
4 〔(c−1)成分〕
(C−3):Si[O-Geranyl]
3 [O-Sandalmysore core] 〔(c−1)成分〕
(C−4):Si[O-Rasp][O-Menthyl]
3 〔(c−2)成分〕
(C−5):Si[O-Rasp][O-Folrosia]
3 〔(c−2)成分〕
(C−6):Si[O-Rasp][O-Menthyl]
2[O-Geranyl] 〔(c−2)成分〕
ここで、
Undecavは、4-メチル-3-デセン-5-オール(ウンデカベルトール)(2級アリルアルコール性香料、logP3.7)から水酸基を1個除いた基を、
Geranylは、ゲラニオール(1級アリルアルコール性香料、logP2.4)から水酸基を1個除いた基を、
Sandalmysore coreは、サンダルマイソルコア(1級アリルアルコール性香料、logP3.9)から水酸基を1個除いた基を、
Raspは、ラズベリーケトン(フェノール性香料、logP1.1)からフェノール性水酸基を1個除いた基を、
Menthylは、メントール(2級アルコール性香料、logP3.2)から水酸基を1個除いた基を、
Folrosiaは、フォルロージア(2級アルコール性香料、logP2.7)から水酸基を1個除いた基を、
それぞれ表す。また、各化合物は、以下の合成例により製造したものである。
【0139】
合成例C1 (C−1):Si[O-Undecav]
4の合成
500mLの四つ口フラスコにテトラエトキシシラン62.50g(0.30mol)、4-メチル-3-デセン-5-オール183.92g(1.08mol)及び5質量%ナトリウムエトキシドエタノール溶液0.90gを入れ、窒素気流下エタノールを留出させながら123〜150℃で約2時間攪拌を行った。その後、槽内の圧力を徐々に18kPaまで下げ、エタノールを留出させながら150℃で1時間撹拌を行った。次いで、エタノールを留出させながら、槽内温度150℃で、8kPaで1時間、4kPaで2時間、2.7kPaで4時間撹拌を行った。その後、0.4kPaの下、槽内温度を170℃に昇温し、系内に残存する4-メチル-3-デセン-5-オールの除去を30分掛けて行った。反応溶液の冷却を行い、メンブレンフィルター(ADVANTEC PTFE T100A090C)により減圧濾過を行い、4-メチル-3-デセン-5-オールのケイ酸エステル香料前駆体を含む176.90gの淡黄色油状物1を得た。
【0140】
合成例C2 (C−2):Si[O-Geranyl]
4の合成
200mLの四つ口フラスコにテトラエトキシシラン27.08g(0.13mol)、ゲラニオール72.30g(0.47mol)及び2.8質量%ナトリウムメトキシドメタノール溶液0.485mLを入れ、窒素気流下エタノールを留出させながら110〜120℃で2時間攪拌した。
2時間後、槽内の圧力を徐々に8kPaまで下げ、エタノールを留出させながら117〜120℃でさらに4時間攪拌した。4時間後、冷却、減圧を解除した後、濾過を行い、ゲラニオールのケイ酸エステル香料前駆体を含む76.92gの黄色油状物を得た。
【0141】
合成例C3 (C−3):Si[O-Geranyl]
3 [O-Sandalmysore core]の合成
200mLの四つ口フラスコにテトラエトキシシラン27.08g(0.13mol)、ゲラニオール54.23g(0.35mol)、サンダルマイソルコア23.32g(0.12mol)及び2.8質量%ナトリウムメトキシドメタノール溶液0.485mLを入れ、窒素気流下エタノールを留出させながら110〜120℃で2時間攪拌した。
2時間後、槽内の圧力を徐々に8kPaまで下げ、エタノールを留出させながら117〜120℃でさらに4時間攪拌した。4時間後、冷却、減圧を解除した後、濾過を行い、ゲラニオールとサンダルマリソルコアのモル比3:1のケイ酸エステル香料前駆体を含む76.92gの黄色油状物を得た。
【0142】
合成例C4 (C−4):Si[O-Rasp][O-Menthyl]
3の合成
500mLの四つ口フラスコにテトラエトキシシラン83.33g(0.40mol)、ラズベリーケトン59.11g(0.36mol)、メントール168.77g(1.08mol)及び5.275質量%ナトリウムエトキシドエタノール溶液0.58gを入れ、窒素気流下エタノールを留出させながら135〜160℃で約2時間攪拌を行った。
2時間後、槽内の圧力を徐々に6kPaまで下げ、エタノールを留出させながら160℃でさらに22時間撹拌を行った。その後、冷却、減圧を解除した後、濾過を行い、ラズベリーケトンとメントールのモル比1:3のケイ酸エステル化合物を含む238.34gの黄色油状物を得た。
【0143】
合成例C5 (C−5):Si[O-Rasp][O-Folrosia]
3の合成
500mLの四つ口フラスコにテトラエトキシシラン83.32g(0.40mol)、ラズベリーケトン59.11g(0.44mol)、フォルロージア153062g(1.08mol)及び5.275質量%ナトリウムエトキシドエタノール溶液0.50gを入れ、窒素気流下エタノールを留出させながら150℃で約2時間攪拌を行った。
2時間後、槽内の圧力を徐々に4kPaまで下げ、エタノールを留出させながら150℃でさらに15時間撹拌した。その後、冷却、減圧を解除した後、濾過を行い、ラズベリーケトンとフォルロージアのモル比1:3のケイ酸エステル化合物を含む202.63gの黄色油状物を得た。
【0144】
合成例C6 (C−6):Si[O-Rasp][O-Menthyl]
2[O-Geranyl]の合成
500mLの四つ口フラスコにテトラエトキシシラン83.33g(0.40mol)、ラズベリーケトン64.49g(0.39mol)、メントール102.29g(0.65mol)、ゲラニオール60.58g(0.39mol)及び5.275質量%ナトリウムエトキシドエタノール溶液0.63gを入れ、窒素気流下エタノールを留出させながら160℃で約2時間攪拌した。
2時間後、槽内の圧力を徐々に6kPaまで下げ、エタノールを留出させながら160℃でさらに9時間撹拌した。その後、冷却、減圧を解除した後、濾過を行い、ラズベリーケトン、メントール及びゲラニオールのモル比1:2:1のケイ酸エステル化合物を含む橙色油状物233.91gを得た。
【0145】
表2に(C)成分の概略を示した。
【0146】
【表2】
【0147】
〔(D)成分〕
(d−1):表3記載の香料
【0148】
【表3】
【0149】
〔(E)成分〕
(e−1):ラウリルアルコールにエチレンオキサイドを平均21モル付加させた化合物。〔すなわち一般式(E1−1)においてR
1eが直鎖の炭素数12のアルキル基であって酸素原子と結合するR
1eの炭素原子が第1級炭素原子であり、kが21である非イオン界面活性剤〕
(e−2):エマルゲン1135S−70〔Exxal 11アルコール(エクソンモービル社製)にエチレンオキサイドを平均35モル付加させた化合物(花王(株)製〕。〔すなわち一般式(E1−1)においてR
1eがExxal 11アルコールのアルキル基であって、kが35である非イオン界面活性剤〕
(e−3):ソフタノール400〔炭素数9以上、11以下の2級アルコールにエチレンオキサイドを平均40モル付加させた化合物、(株)日本触媒製〕。〔すなわち一般式(E1−1)においてR
1eが直鎖の炭素数12のアルキル基であって酸素原子と結合するR
1eの炭素原子が第2級炭素原子であり、kが40である非イオン界面活性剤〕
【0150】
〔その他の成分〕
(f−1)成分:ステアリン酸モノ、ジ、トリグリセリド混合物(モノ:ジ:トリ=60:35:5、質量比)
(g−1)成分:ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド
(h−1)成分:塩化カルシウム
(n−1)成分:プロキセルBDN(アーチ・ケミカル・ジャパン社製)
なお、液体柔軟剤組成物のpHを調整するため、クエン酸、塩酸及び水酸化ナトリウムから選ばれるpH調整剤を使用した。例えば、pHを3.2に調整する場合は、クエン酸0.3質量%、水酸化ナトリウム0.12質量%配合した。
【0151】
<液体柔軟剤組成物の製造方法>
表4、5に示す配合組成となるように各成分を混合することにより、液体柔軟剤組成物を調製した。具体的には、以下の通りである。なお、表中の組成の質量%は、有効分の質量%である。
300mLビーカーに、液体柔軟剤組成物のでき上がり質量が200gとなるのに必要な量の85質量%相当量のイオン交換水と、(E)成分、(g−1)成分、(n−1)成分及びpH調整剤を入れ、ウォーターバスを用いてイオン交換水の温度を60±2℃に調温した。(E)成分及び(g−1)成分がイオン交換水中に均一に溶解するように、必要に応じて下記の攪拌羽根を用いて攪拌した。
【0152】
60±2℃の温度に調温した(E)成分、(g−1)成分を含むイオン交換水を、直径が5mmの攪拌棒の回転中心軸を基準として、長辺が90度方向になるように配置された撹拌羽根(羽根の数:3枚、羽根の長辺/短辺:3cm/1.5cm、羽根の設置:回転面に対して45度の角度)で撹拌(300r/m)しながら、65℃で(f−1)成分とともに加熱溶解させた(A)成分を3分間掛けて投入した。投入終了後に15分間撹拌した。5℃のウォーターバスを用いて、内容物の温度が30±2℃になるまで冷却した。順次、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(h−1)成分を投入し、5分間攪拌した。出来上がり質量(200g)となるようにイオン交換水を加え、5分間攪拌して液体柔軟剤組成物を得た。測定セルとして光路長10mmのガラスセルを使用し、対照セルにイオン交換水を入れ、紫外可視分光光度計(島津製作所製のUV−2500PC)を用いて測定された、液体柔軟剤組成物の可視光線透過率(波長660nm)は10%未満であり、乳濁型液体柔軟剤組成物であった。
【0153】
<評価>
(1)保存安定性
No.6規格瓶に液体柔軟剤組成物30gを封入し、40℃1ヶ月静置させた。その後、外観の変化を目視で確認し、以下の基準で評価した。
*評価基準
○:初期の状態と変化がない
○△:初期の状態と比べ、粒状の粒子がわずかに析出している
△:相分離がおきている
×:初期の状態と比べ、粒状の粒子が多数析出している
【0154】
(2)香り立ち
あらかじめ、市販の弱アルカリ性洗剤(花王(株)アタック)を用いて、グンゼ製肌着17枚を日立製全自動洗濯機NW−6CYで5回洗浄を繰り返し、室内乾燥することによって過分の薬剤を除去した(洗剤濃度0.0667質量%、水道水47L、水温20℃、洗浄10分、ためすすぎ2回、脱水6分)。
【0155】
National電気バケツN−BK2−Aに、4Lの水道水を注入し、液体柔軟剤組成物を10g/肌着1.5kgになるように分散させ、さらに上述の方法で洗濯した肌着1枚を入れて、5分間攪拌した。その後、液体柔軟剤組成物で仕上げた肌着を日立二槽式洗濯機の脱水槽で3分脱水を行ってから、24時間乾燥した。1つの液体柔軟剤組成物につき、この操作を3回行い、液体柔軟剤組成物で仕上げた肌着を3枚ずつ用意した。
【0156】
香りを評価する専門の30代男性パネラー3人がそれぞれ肌着を着用し、1階から7階までの階段の昇降を2往復、午前に1回と午後の1回の割合で行い、2回目の昇降終了直後に、肌着の香り立ちを評価した。評価は、前記パネラー3人から回収した3枚の肌着について、1枚ずつ下記の基準で行い、3枚の評価のうち、一番多い結果となったものを、その液体柔軟剤組成物による評価結果とした。3人の評価結果が、1点、2点、3点と分かれた場合は、2点とした。なお階段の昇降を行うパネラーと評価のパネラーの構成は同じであり、階段の昇降は、気候による影響(温度、湿度の影響)が少ない状況で行った。
*評価基準
3:リッチ且つフレッシュな香りする
2:リッチ又はフレッシュな香りだけがする
1:リッチ且つフレッシュな香りがするが香りが弱い
【0157】
【表4】
【0158】
【表5】