特許第6053544号(P6053544)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6053544
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】突き当てコネクタの基板接続構造
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/71 20110101AFI20161219BHJP
【FI】
   H01R12/71
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-21546(P2013-21546)
(22)【出願日】2013年2月6日
(65)【公開番号】特開2014-154285(P2014-154285A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2016年1月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100105474
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 弘徳
(74)【代理人】
【識別番号】100177910
【弁理士】
【氏名又は名称】木津 正晴
(72)【発明者】
【氏名】原 輝史
(72)【発明者】
【氏名】高松 昌博
【審査官】 竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−016329(JP,A)
【文献】 特開2013−229253(JP,A)
【文献】 実開昭54−167392(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/70 − 12/91
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端に接点接触片が突設された突き当て型の端子金具を収容した突き当てコネクタと、回路基板に取り付けられて前記突き当てコネクタの先端が前記回路基板の表面に当接又は近接した状態に前記突き当てコネクタを係止するコネクタ係止部材と、を備え、前記突き当てコネクタを前記コネクタ係止部材に係止させることで、前記突き当てコネクタ内の前記端子金具を前記回路基板の表面の接点パターンに突き当てた状態を得る突き当てコネクタの基板接続構造であって、
前記突き当てコネクタは、前記接点接触片を先端から突出させた状態に前記端子金具を保持したインナーハウジングと、該インナーハウジングを前記端子金具の突き当て方向に沿って移動自在に収容するハウジング収容部を有したアウターハウジングと、前記アウターハウジング内の前記インナーハウジングを前記端子金具の突き当て方向に付勢する弾発部材と、前記インナーハウジングを前記弾発部材に抗して前記ハウジング収容部内で後退させたときに前記接点接触片が前記アウターハウジング内に引っ込んだ状態となる位置で前記インナーハウジングを前記ハウジング収容部内に仮係止する仮係止機構と、を備え、
前記コネクタ係止部材は、前記突き当てコネクタを係止する際に、前記仮係止機構による仮係止を解除する仮係止解除手段を備えていることを特徴とする突き当てコネクタの基板接続構造。
【請求項2】
前記仮係止機構は、前記ハウジング収容部の内側面に沿って前記インナーハウジングの外側面から前記突き当て方向と逆方向に延出した弾性片と、該弾性片の先端に突設されて前記ハウジング収容部の内側面に凹んで形成された仮係止用凹部に係合することで前記インナーハウジングを仮係止位置に停止させる仮係止突起と、を備え、
前記仮係止解除手段は、前記突き当てコネクタを前記コネクタ係止部材に係止させる際に、前記ハウジング収容部の内側面と前記弾性片との間に進入する板状部を備え、前記板状部により前記弾性片を前記ハウジング収容部の内側面から離間する方向に撓ませて、仮係止を解除する、
ことを特徴とする請求項1に記載の突き当てコネクタの基板接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、突き当てコネクタに収容されている突き当て型の端子金具を回路基板の表面の接点パターンに突き当てて接続する突き当てコネクタの基板接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
図15は、下記特許文献1に開示された突き当てコネクタを示したものである。
この突き当てコネクタ100は、樹脂製のハウジング101に突き当て型の端子金具110を収容したものである。
【0003】
突き当て型の端子金具110は、図16に示すように、先端に接点接触片111が突設されている。接点接触片111は、波形状のばね板112の先端部を折り曲げたもので、ばね板112の弾性変形により、突き当て方向と逆方向(図15の矢印X1方向)に弾性変位可能である。
【0004】
ハウジング101は、その先端101aから端子金具110の先端の接点接触片111を突出させた状態に、端子金具110を支持している。
【0005】
特許文献1の突き当てコネクタ100は、該突き当てコネクタ100と雌雄一対となる相手コネクタに嵌合させた際に、相手コネクタに収容されている端子金具の先端に接点接触片111が突き当たって、相手コネクタ内の端子金具と突き当てコネクタ100内の端子金具110とが導通状態に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表平10−504676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1の突き当てコネクタ100は、収容している端子金具110を回路基板上の接点に接続する場合には、予め、回路基板上の接点に、突き当てコネクタ100と対をなす相手コネクタを半田付けしておかなければならず、回路基板への接続に手間がかかるという問題があった。
【0008】
また、特許文献1の突き当てコネクタ100は、端子金具110の接点接触片111がハウジング101の先端101aから常時突出した状態にあるため、搬送時等に接点接触片111が外部の機材と衝突して、端子金具110の変形を招くおそれもあった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消することに係り、突き当てコネクタに収容した突き当て型の端子金具を簡単に回路基板上の接点パターンに接続することができ、しかも、突き当てコネクタの搬送時等に端子金具が変形することを防止することができる突き当てコネクタの基板接続構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の前述した目的は、下記の構成により達成される。
(1) 先端に接点接触片が突設された突き当て型の端子金具を収容した突き当てコネクタと、回路基板に取り付けられて前記突き当てコネクタの先端が前記回路基板の表面に当接又は近接した状態に前記突き当てコネクタを係止するコネクタ係止部材と、を備え、前記突き当てコネクタを前記コネクタ係止部材に係止させることで、前記突き当てコネクタ内の前記端子金具を前記回路基板の表面の接点パターンに突き当てた状態を得る突き当てコネクタの基板接続構造であって、
前記突き当てコネクタは、前記接点接触片を先端から突出させた状態に前記端子金具を保持したインナーハウジングと、該インナーハウジングを前記端子金具の突き当て方向に沿って移動自在に収容するハウジング収容部を有したアウターハウジングと、前記アウターハウジング内の前記インナーハウジングを前記端子金具の突き当て方向に付勢する弾発部材と、前記インナーハウジングを前記弾発部材に抗して前記ハウジング収容部内で後退させたときに前記接点接触片が前記アウターハウジング内に引っ込んだ状態となる位置で前記インナーハウジングを前記ハウジング収容部内に仮係止する仮係止機構と、を備え、
前記コネクタ係止部材は、前記突き当てコネクタを係止する際に、前記仮係止機構による仮係止を解除する仮係止解除手段を備えていることを特徴とする突き当てコネクタの基板接続構造。
【0011】
(2) 前記仮係止機構は、前記ハウジング収容部の内側面に沿って前記インナーハウジングの外側面から前記突き当て方向と逆方向に延出した弾性片と、該弾性片の先端に突設されて前記ハウジング収容部の内側面に凹んで形成された仮係止用凹部に係合することで前記インナーハウジングを仮係止位置に停止させる仮係止突起と、を備え、
前記仮係止解除手段は、前記突き当てコネクタを前記コネクタ係止部材に係止させる際に、前記ハウジング収容部の内側面と前記弾性片との間に進入する板状部を備え、前記板状部により前記弾性片を前記ハウジング収容部の内側面から離間する方向に撓ませて、仮係止を解除する、
ことを特徴とする上記(1)に記載の突き当てコネクタの基板接続構造。
【0012】
上記(1)の構成によれば、突き当てコネクタは、回路基板に取り付けられたコネクタ係止部材に係止させるまでは、仮係止機構によって、インナーハウジングを仮係止させておくことができる。そして、インナーハウジングが仮係止されている状態では、インナーハウジングに保持されている突き当て型の端子金具は、該端子金具の先端の接点接触片がアウターハウジング内に引っ込んだ状態に維持されている。従って、突き当てコネクタの搬送時等に、端子金具の先端に外部の機材が衝突することを回避して、端子金具が変形することを防止することができる。
【0013】
また、上記(1)の構成によれば、突き当てコネクタは、回路基板に取り付けられたコネクタ係止部材に係止させると、コネクタ係止部材に備えられている仮係止解除手段により、インナーハウジングの仮係止状態が解除される。そして、仮係止状態が解除されたインナーハウジングは、弾発部材による付勢力で端子金具の突き当て方向に押し出され、インナーハウジングに保持されている突き当て型の端子金具の先端が回路基板表面の接点パターンに突き当てられて、突き当てコネクタ内の端子金具が回路基板表面の接点パターンに導通接続された状態となる。即ち、上記(1)の構成によれば、回路基板へのハンダ付け作業が必要となる基板用コネクタが不要なため、突き当てコネクタに収容した突き当て型の端子金具を簡単に回路基板上の接点パターンに接続することができる。
【0014】
また、上記(1)の構成によれば、弾発部材による付勢力が解除されて、端子金具の接点接触片が回路基板表面の接点パターンに突き当てられたときの衝撃で、接点接触片及び接点パターンの表面に存在していた酸化皮膜が破壊されて除去される。これにより、導通時の抵抗上昇を抑制することができる。
【0015】
上記(2)の構成によれば、コネクタ係止部材に備える仮係止解除手段は、突き当てコネクタのハウジング収容部の内側面に沿って延出する単純な板状部で済むため、コネクタ係止部材の構造を単純化することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明による突き当てコネクタの基板接続構造によれば、突き当てコネクタに収容した突き当て型の端子金具を簡単に回路基板上の接点パターンに接続することができ、しかも、突き当てコネクタの搬送時等に端子金具が変形することを防止することができる。
【0017】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は本発明に係る突き当てコネクタの基板接続構造の一実施形態の概略構成を示す分解斜視図である。
図2図2図1の突き当てコネクタに収容される突き当て型の端子金具の拡大斜視図である。
図3図3図1に示した回路基板の突き当てコネクタを接続する表面の構成を示す斜視図である。
図4図4図1に示した突き当てコネクタの分解斜視図である。
図5図5図1に示した突き当てコネクタの正面図である。
図6図6図5のA−A断面図で、端子金具が装着されていない状態の説明図である。
図7図7図5のA−A断面図である。
図8図8図5のB−B断面図である。
図9図9図5のC−C断面図である。
図10図10は一実施形態の突き当てコネクタが回路基板上のコネクタ係止部材に装着途中の状態を示す縦断面図である。
図11図11図10のD−D断面図である。
図12図12は一実施形態の突き当てコネクタが回路基板上のコネクタ係止部材に装着完了した状態の縦断面図である。
図13図13図12のE−E断面図である。
図14図14図13のF部の拡大図である。
図15図15は従来の突き当てコネクタの縦断面図である。
図16図16図15に示した端子金具の一部断面した拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る突き当てコネクタの基板接続構造の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
図1図14は本発明に係る突き当てコネクタの基板接続構造の一実施形態を示したもので、図1は一実施形態の突き当てコネクタの基板接続構造の概略構成を示す分解斜視図、図2図1の突き当てコネクタに収容される突き当て型の端子金具の拡大斜視図、図3図1に示した回路基板の突き当てコネクタを接続する表面の構成を示す斜視図、図4図1に示した突き当てコネクタの分解斜視図、図5図1に示した突き当てコネクタの正面図、図6図5のA−A断面図で、端子金具が装着されていない状態の説明図、図7図5のA−A断面図、図8図5のB−B断面図、図9図5のC−C断面図、図10は一実施形態の突き当てコネクタが回路基板上のコネクタ係止部材に装着途中の状態を示す縦断面図、図11図10のD−D断面図、図12は一実施形態の突き当てコネクタが回路基板上のコネクタ係止部材に装着完了した状態の縦断面図、図13図12のE−E断面図、図14図13のF部の拡大図である。
【0021】
この一実施形態の突き当てコネクタの基板接続構造は、図1に示すように、突き当て型の端子金具10(図2参照)を収容した突き当てコネクタ20と、回路基板30に取り付けられて突き当てコネクタ20を係止するコネクタ係止部材40と、を備える。そして、この一実施形態の突き当てコネクタの基板接続構造は、突き当てコネクタ20をコネクタ係止部材40に係止させることで、突き当てコネクタ20内の端子金具10を回路基板30表面の接点パターン31(図3参照)に突き当てた状態を得る。
【0022】
端子金具10は、図2に示すように、金属板のプレス成形品で、角筒状に形成された端子本体11と、この端子本体11の先端に突設された接点接触片12と、端子本体11の基端側に形成された電線接続部13と、を備えている。接点接触片12は、図7に示すように、端子本体11を形成している上部壁板部11aから延出したばね板部11bの先端に一体形成されている。
【0023】
接点接触片12は、回路基板30に突き当てられた際に、ばね板部11bの弾性変形によって、突き当て方向と逆側(図7の矢印X2方向)に弾性変形可能である。電線接続部13は、電線15の芯線に圧着される芯線加締め片13aと、電線15の外被の上に加締め付けられて電線15の固定を行う外被加締め片13bと、を備えている。
【0024】
回路基板30は、多層基板で、図3に示すように、突き当てコネクタ20が突き当てられる側の表面30aに、複数の接点パターン31と、コネクタ係止部材40を取り付けるための係止部材取付孔32と、が備えられている。
【0025】
接点パターン31は、端子金具10の接点接触片12を突き当てる平面状の導体部である。
【0026】
係止部材取付孔32は、角形の貫通孔で、複数の接点パターン31が配列された領域の両側に、それぞれ1つずつ設けられている。
【0027】
突き当てコネクタ20は、図4に示すように、端子金具10を保持するインナーハウジング21と、インナーハウジング21の先端に嵌合装着されるフロントホルダ22と、インナーハウジング21を収容するアウターハウジング23と、インナーハウジング21を付勢する弾発部材24と、アウターハウジング23内のインナーハウジング21を仮係止する仮係止機構25と、を備えている。
【0028】
インナーハウジング21は、図5図7に示すように、上下2段に配列された複数の端子収容孔21aと、端子収容孔21aに挿入された端子金具10に係合して端子金具10を抜け止めする端子係止ランス21bと、を備えている。
【0029】
インナーハウジング21は、端子収容孔21aに挿入された端子金具10を、図7に示すように、接点接触片12が先端から突出した状態に保持する。
【0030】
フロントホルダ22は、インナーハウジング21に端子金具10を装着する前に、図6に示すように、インナーハウジング21の先端部に嵌合装着される。図6に示した状態は、フロントホルダ22がインナーハウジング21の先端部に仮止めされた状態である。そして、フロントホルダ22は、インナーハウジング21の端子収容孔21aに端子金具10を抜け止めさせた後、図7に示すようにインナーハウジング21内に押し込まれて、インナーハウジング21に本係止された状態になる。
【0031】
フロントホルダ22は、インナーハウジング21に本係止されたときに、端子係止ランス21bの撓み変位を許容するランス逃げ空間21cに進入して、端子係止ランス21bの変位を規制するランス規制部22aを有している。また、フロントホルダ22は、インナーハウジング21に本係止されたときに、端子金具10の先端側を保持する。
【0032】
なお、図7に示すように、フロントホルダ22をインナーハウジング21に本係止された状態で、端子金具10の接点接触片12は、フロントホルダ22の先端面から突出している。
【0033】
アウターハウジング23は、図8及び図9に示すように、インナーハウジング21を端子金具10の突き当て方向(図8の矢印X3方向)に沿って移動自在に収容するハウジング収容部23aを有している。
【0034】
ハウジング収容部23aは、図8及び図9に示すように、インナーハウジング21及びフロントホルダ22の外周面との間に、所定幅の隙間S1,S2を残す大きさに設定されている。
隙間S1,S2は、後述するコネクタ係止部材40の板状部が進入可能な空間である。
【0035】
弾発部材24は、図9に示すように、圧縮コイルばねで、アウターハウジング23とインナーハウジング21との間に圧縮状態で配置される。この弾発部材24は、アウターハウジング23内の前記インナーハウジング21を前記端子金具10の突き当て方向(図9の矢印X4方向)に付勢する。
【0036】
仮係止機構25は、図8に示すように、インナーハウジング21に一体形成された仮係止片251と、ハウジング収容部23aの上下の内側面231に凹んで形成された仮係止用凹部252と、で構成される。
【0037】
仮係止片251は、ハウジング収容部23aの内側面231に沿ってインナーハウジング21の外側面から突き当て方向と逆方向(図8の矢印Y3方向)に延出した弾性片251aと、該弾性片251aの先端に突設された仮係止突起251bと、を備えている。仮係止突起251bは、仮係止用凹部252に係合することで、インナーハウジング21を仮係止位置に停止させる。
【0038】
以上に説明した仮係止機構25は、インナーハウジング21を弾発部材24に抗してハウジング収容部23a内で後退させたときに、接点接触片12がアウターハウジング23内に引っ込んだ状態となる位置で、仮係止突起251bが仮係止用凹部252に係合して、インナーハウジング21をハウジング収容部23a内に仮係止する。
【0039】
本実施形態の場合、仮係止片251の弾性片251aには、仮係止状態を解除するときに利用される仮係止解除用隆起部26が、隙間S1内に突出して形成されている。
【0040】
コネクタ係止部材40は、回路基板30の係止部材取付孔32に係合して回路基板30への固定を果たす一対の基板係止片41と、上下一対の板状部42a,42bと、左右一対の板状部42c.42dと、本係止用孔43と、を備えている。
【0041】
上下一対の板状部42a,42bの両端縁は、左右一対の板状部42c.42dの両端縁に連なり、インナーハウジング21の外周に嵌合する角筒構造を形成している。
【0042】
上下一対の板状部42a,42bは、突き当てコネクタ20をコネクタ係止部材40に係止させる際に、図10に示すように、ハウジング収容部23aの内側面231とインナーハウジング21との間の隙間S1に進入して、仮係止を解除する仮係止解除手段である。隙間S1に進入したそれぞれの板状部42a,42bは、弾性片251a上の仮係止解除用隆起部26に当接することにより、図12に示すように、弾性片251aをハウジング収容部23aの内側面から離間する方向に撓ませて、仮係止を解除する。
【0043】
仮係止解除手段である上下一対の板状部42a,42bによって仮係止が解除されたインナーハウジング21は、図13に示すように、フロントホルダ22の先端面が回路基板30に当接するまで、弾発部材24の付勢力によって回路基板30側に押し出される。
【0044】
このインナーハウジング21の押し出しにより、フロントホルダ22の先端に突出していた端子金具10の接点接触片12は、回路基板30の表面の接点パターン31に突き当てられ、端子金具10と接点パターン31とが導通状態になる。接点パターン31に突き当たった接点接触片12は、端子金具10に装備されているばね板部11b(図7参照)の弾性変形により、接点パターン31との接触圧を保ったまま、端子本体11内に後退する。
【0045】
左右一対の板状部42c.42dは、突き当てコネクタ20をコネクタ係止部材40に係止させる際に、図11に示すように、ハウジング収容部23aの内側面232とインナーハウジング21との間の隙間S2に進入する。
【0046】
前述の一対の基板係止片41は、一対の板状部42c.42dの前縁に延設されている。
【0047】
本係止用孔43は、左右一対の板状部42c.42dに貫通形成されている。この本係止用孔43は、インナーハウジング21の仮係止が解除されて、図13及び図14に示すようにフロントホルダ22の先端が回路基板30に当接したときに、インナーハウジング21の両側面に形成された本係止片217を係止して、インナーハウジング21をコネクタ係止部材40に固定した状態にする。
【0048】
以上に説明した一実施形態の突き当てコネクタの基板接続構造では、突き当てコネクタ20は、回路基板30に取り付けられたコネクタ係止部材40に係止させるまでは、図8に示したように、仮係止機構25によって、インナーハウジング21を仮係止させておくことができる。そして、インナーハウジング21が仮係止されている状態では、インナーハウジング21に保持されている突き当て型の端子金具10は、該端子金具10の先端の接点接触片12がアウターハウジング23内に引っ込んだ状態に維持されている。従って、突き当てコネクタ20の搬送時等に、端子金具10の先端に外部の機材が衝突することを回避して、端子金具10が変形することを防止することができる。
【0049】
また、一実施形態の突き当てコネクタの基板接続構造では、突き当てコネクタ20は、回路基板30に取り付けられたコネクタ係止部材40に係止させると、コネクタ係止部材40に備えられている仮係止解除手段である上下一対の板状部42a,42bにより、インナーハウジング21の仮係止状態が解除される。そして、仮係止状態が解除されたインナーハウジング21は、弾発部材24による付勢力で端子金具10の突き当て方向に押し出され、インナーハウジング21に保持されている突き当て型の端子金具10の先端が回路基板30表面の接点パターン31に突き当てられて、突き当てコネクタ20内の端子金具10が回路基板30表面の接点パターン31に導通接続された状態となる。
【0050】
また、一実施形態の突き当てコネクタの基板接続構造では、弾発部材24による付勢力が解除されて、端子金具10の接点接触片12が回路基板30表面の接点パターン31に突き当てられたときの衝撃で、接点接触片12及び接点パターン31の表面に存在していた酸化皮膜が破壊されて除去される。これにより、導通時の抵抗上昇を抑制することができる。
【0051】
即ち、一実施形態の突き当てコネクタの基板接続構造では、回路基板30へのハンダ付け作業が必要となる基板用コネクタが不要なため、突き当てコネクタ20に収容した突き当て型の端子金具10を簡単に回路基板30上の接点パターンに接続することができる。
【0052】
また、一実施形態の突き当てコネクタの基板接続構造では、コネクタ係止部材40に備える仮係止解除手段は、突き当てコネクタ20のハウジング収容部23aの内側面に沿って延出する単純な板状部42a,42bで済むため、コネクタ係止部材40の構造を単純化することができる。
【0053】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0054】
例えば、前述した実施形態では、本係止状態の時には、フロントホルダ22の先端が回路基板30に当接していたが、端子金具10の接点接触片12が回路基板30上の接点パターン31にしっかりと弾性接触していれば、フロントホルダ22の先端は、回路基板30の表面から離間していてもよい。換言すると、本係止状態の時には、突き当てコネクタ20の先端(フロントホルダ22の先端)が回路基板30の表面に近接した状態に位置決めするようにしても良い。
【0055】
ここで、上述した本発明に係る突き当てコネクタの基板接続構造の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]〜[2]に簡潔に纏めて列記する。
【0056】
[1] 先端に接点接触片(12)が突設された突き当て型の端子金具(10)を収容した突き当てコネクタ(20)と、回路基板(30)に取り付けられて前記突き当てコネクタ(20)の先端が前記回路基板(30)の表面に当接又は近接した状態に前記突き当てコネクタ(20)を係止するコネクタ係止部材(40)と、を備え、前記突き当てコネクタ(20)を前記コネクタ係止部材(40)に係止させることで、前記突き当てコネクタ(20)内の前記端子金具(10)を前記回路基板(30)の表面の接点パターン(31)に突き当てた状態を得る突き当てコネクタの基板接続構造であって、
前記突き当てコネクタ(20)は、前記接点接触片(12)を先端から突出させた状態に前記端子金具(10)を保持したインナーハウジング(21)と、該インナーハウジング(21)を前記端子金具(10)の突き当て方向に沿って移動自在に収容するハウジング収容部(23a)を有したアウターハウジング(23)と、前記アウターハウジング(23)内の前記インナーハウジング(21)を前記端子金具(10)の突き当て方向に付勢する弾発部材(24)と、前記インナーハウジング(21)を前記弾発部材(24)に抗して前記ハウジング収容部(23a)内で後退させたときに前記接点接触片(12)が前記アウターハウジング(23)内に引っ込んだ状態となる位置で前記インナーハウジング(21)を前記ハウジング収容部(23a)内に仮係止する仮係止機構(25)と、を備え、
前記コネクタ係止部材(40)は、前記突き当てコネクタ(20)を係止する際に、前記仮係止機構(25)による仮係止を解除する仮係止解除手段(42a,42b)を備えていることを特徴とする突き当てコネクタの基板接続構造。
【0057】
[2] 前記仮係止機構(25)は、前記ハウジング収容部(23a)の内側面に沿って前記インナーハウジング(21)の外側面から前記突き当て方向と逆方向に延出した弾性片(251a)と、該弾性片(251a)の先端に突設されて前記ハウジング収容部(23a)の内側面に凹んで形成された仮係止用凹部(252)に係合することで前記インナーハウジング(21)を仮係止位置に停止させる仮係止突起(251b)と、を備え、
前記仮係止解除手段は、前記突き当てコネクタ(20)を前記コネクタ係止部材(40)に係止させる際に、前記ハウジング収容部(23a)の内側面(231)と前記弾性片(251a)との間に進入する板状部(42a、42b)を備え、前記板状部(42a、42b)により前記弾性片(251a)を前記ハウジング収容部(23a)の内側面(231)から離間する方向に撓ませて、仮係止を解除する、
ことを特徴とする上記[1]に記載の突き当てコネクタの基板接続構造。
【符号の説明】
【0058】
10 端子金具
12 接点接触片
20 突き当てコネクタ
21 インナーハウジング
23 アウターハウジング
23a ハウジング収容部
24 弾発部材
25 仮係止機構
30 回路基板
30a 表面
31 接点パターン
40 コネクタ係止部材
42a,42b 板状部(仮係止解除手段)
251a 弾性片
251b 仮係止突起
252 仮係止用凹部
図1
図2
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