特許第6053560号(P6053560)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6053560発電システム及び発電システムの運転方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6053560
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】発電システム及び発電システムの運転方法
(51)【国際特許分類】
   F02C 9/42 20060101AFI20161219BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20161219BHJP
   H01M 8/04858 20160101ALI20161219BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20161219BHJP
   F02C 6/00 20060101ALI20161219BHJP
   F02C 6/10 20060101ALI20161219BHJP
   F02C 6/18 20060101ALI20161219BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20161219BHJP
   F02C 9/00 20060101ALI20161219BHJP
   F02C 9/28 20060101ALI20161219BHJP
   F02C 9/48 20060101ALI20161219BHJP
   F01K 23/02 20060101ALI20161219BHJP
   F01K 23/10 20060101ALI20161219BHJP
   H01M 8/12 20160101ALN20161219BHJP
【FI】
   F02C9/42
   H01M8/00 Z
   H01M8/04 P
   H01M8/04 Z
   F02C6/00 E
   F02C6/00 B
   F02C6/00 D
   F02C6/10
   F02C6/18 B
   F02C7/00 A
   F02C9/00 A
   F02C9/28 C
   F02C9/48
   F01K23/02 A
   F01K23/10 A
   F01K23/10 C
   !H01M8/12
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-31451(P2013-31451)
(22)【出願日】2013年2月20日
(65)【公開番号】特開2014-159796(P2014-159796A)
(43)【公開日】2014年9月4日
【審査請求日】2015年12月28日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成24年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、「固体酸化物形燃料電池を用いた事業用発電システム要素技術開発」共同研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱日立パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】大澤 弘行
【審査官】 佐藤 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−002762(JP,A)
【文献】 特開2007−005170(JP,A)
【文献】 特開2009−205930(JP,A)
【文献】 特開2004−199978(JP,A)
【文献】 特開2013−182744(JP,A)
【文献】 特開2010−156324(JP,A)
【文献】 特開2009−156113(JP,A)
【文献】 特開昭62−170735(JP,A)
【文献】 特開昭63−143339(JP,A)
【文献】 特開平11−218004(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02C 9/00、28、42、48
F02C 6/00、08、10
F02C 7/00
F01K 23/02、10
H01M 8/00−24
DWPI(Thomson Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池と、
燃焼器を備えるガスタービンと、
前記燃料電池から排酸化性ガスを前記燃焼器に供給する排酸化性ガスラインと、
前記燃焼器に燃料ガスを供給する燃料ガス供給ラインと、
前記燃料電池から排燃料ガスを前記燃焼器に供給する排燃料ガス供給ラインと、
前記燃料ガス供給ラインから前記燃焼器に供給する前記燃料ガスの量を調整する供給量調整部と、
各部から情報を取得する情報取得部、前記情報取得部が取得した情報を演算処理する演算部及び前記演算部で演算した結果を用いて前記供給量調整部を制御し、前記ガスタービンに供給する燃料ガスの流量を制御する燃料ガス供給制御部を備える制御装置と、を有し、
前記情報取得部は、ガスタービンの出力指令と、大気温度と、前記ガスタービンに供給される前記排酸化性ガスの温度と、前記ガスタービンに供給される前記排燃料ガスの温度と、を取得し、
前記演算部は、少なくとも前記排酸化性ガスの温度を用いた演算で前記排酸化性ガスの入熱を算出し、少なくとも前記排燃料ガスの温度を用いた演算で前記排燃料ガスの入熱を算出し、前記出力指令と前記大気温度とで演算を行い、ガスタービン入熱指令を算出し、前記ガスタービン入熱指令と前記排酸化性ガスの入熱とで演算を行い、ガスタービン燃料入熱指令を算出し、前記ガスタービン燃料入熱指令と前記排燃料ガスの入熱とで演算を行い、前記燃料ガスの供給量を算出することを特徴とする発電システム。
【請求項2】
前記演算部は、前記排酸化性ガスの温度と前記排酸化性ガスの流量との演算で前記排酸化性ガスの入熱を算出することを特徴とする請求項1に記載の発電システム。
【請求項3】
前記情報取得部は、前記燃料電池への指令値と前記ガスタービンの車室の圧力の情報とを取得し、
前記演算部は、前記燃料電池への指令値と前記ガスタービンの車室の圧力の情報の演算で、前記排酸化性ガスの流量を算出することを特徴とする請求項2に記載の発電システム。
【請求項4】
前記情報取得部は、前記排酸化性ガスの流量を取得し、
前記演算部は、前記情報取得部が取得した、前記排酸化性ガスの温度と前記排酸化性ガスの流量との演算で前記排酸化性ガスの入熱を算出することを特徴とする請求項2に記載の発電システム。
【請求項5】
前記情報取得部は、前記燃料電池への指令値を取得し、
前記演算部は、前記燃料電池への指令値に基づいて、前記排燃料ガスの発熱量と、前記排燃料ガスの比熱を算出し、
前記排燃料ガスの温度と、前記排燃料ガスの発熱量と、前記排燃料ガスの比熱と、前記排燃料ガスの流量との演算で前記排燃料ガスの入熱を算出することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の発電システム。
【請求項6】
前記情報取得部は、前記ガスタービンの車室の圧力の情報を取得し、
前記演算部は、前記燃料電池への指令値と前記ガスタービンの車室の圧力の情報の演算で、前記排燃料ガスの流量を算出することを特徴と請求項5に記載の発電システム。
【請求項7】
前記情報取得部は、前記排燃料ガスの流量を取得し、
前記演算部は、前記情報取得部が取得した、前記排燃料ガスの温度と前記排燃料ガスの流量との演算で前記排燃料ガスの入熱を算出することを特徴とする請求項5に記載の発電システム。
【請求項8】
燃料電池と、燃焼器を備えるガスタービンと、前記燃料電池から排酸化性ガスを前記燃焼器に供給する排酸化性ガスラインと、前記燃焼器に燃料ガスを供給する燃料ガス供給ラインと、前記燃料電池から排燃料ガスを前記燃焼器に供給する排燃料ガス供給ラインと、前記燃料ガス供給ラインから前記燃焼器に供給する前記燃料ガスの量を調整する供給量調整部と、を有する発電システムの運転方法であって、
ガスタービンの出力指令と、大気温度と、前記ガスタービンに供給される前記排酸化性ガスの温度と、前記ガスタービンに供給される前記排燃料ガスの温度と、を取得する工程と、
少なくとも前記排酸化性ガスの温度を用いた演算で前記排酸化性ガスの入熱を算出し、少なくとも前記排燃料ガスの温度を用いた演算で前記排燃料ガスの入熱を算出する工程と、
前記出力指令と前記大気温度とで演算を行い、ガスタービン入熱指令を算出する工程と、
前記ガスタービン入熱指令と前記排酸化性ガスの入熱とで演算を行い、ガスタービン燃料入熱指令を算出する工程と、
前記ガスタービン燃料入熱指令と前記排燃料ガスの入熱とで演算を行い、燃料ガスの供給量を算出する工程と、
前記算出した燃料ガスの供給量に基づいて前記供給量調整部を制御することを特徴とする発電システムの運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池とガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた発電システム及び発電システムの運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池としての固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:以下SOFC)は、用途の広い高効率な燃料電池として知られている。このSOFCは、イオン導電率を高めるために作動温度が高くされているので、ガスタービンの圧縮機から吐出された空気を空気極側に供給する空気(酸化剤)として使用することができる。また、SOFCは、利用できなかった高温の燃料及び排熱をガスタービンの燃焼器において燃料及び酸化性ガスとして使用することができる。また、SOFCの他に作動温度が高い燃料電池として溶融炭酸塩形燃料電池が知られており、SOFCと同様にガスタービンとの連携による排熱利用が検討されている。
【0003】
このため、例えば、下記特許文献1に記載されるように、高効率発電を達成することができる発電システムとして、SOFCとガスタービンと蒸気タービンを組み合わせたものが各種提案されている。この特許文献1及び特許文献2に記載されたコンバインドシステムは、SOFCと、このSOFCから排出された排燃料ガスと排空気とを燃焼するガスタービン燃焼器と、空気を圧縮してSOFCに供給する圧縮機を有するガスタービンとを設けたものである。
【0004】
また、特許文献1に記載されたコンバインドシステムは、SOFC(燃料電池)から出力された燃料ガスを燃焼器へ供給する燃料ガス流路と、当該システム内にて精製された可燃性ガスを燃料ガス流路に供給する可燃性ガスバイパス流路と、を有し、ガスタービンの燃焼器の入口における発熱量を一定にするように、可燃性ガスバイパス流路から燃料ガス流路に供給される可燃性ガス量を制御することが記載されている。また、特許文献2には、SOFC(燃料電池)とガスタービンを備えるコンバインドシステムにおいて、ガスタービンに供給する燃料系統を複数備え、それぞれの系統の流量を調整することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−97638号公報
【特許文献2】特開2007−2762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した発電システムにおいて、SOFCから排出されガスタービンの燃焼器に供給される燃料や空気は、成分や温度が変動することがある。特にSOFCの運転開始直後から定常状態での発電が開始されるまでは、SOFCでの昇温や昇圧が必要であり、ガスタービンに供給される排燃料ガスや排空気(排酸化性ガス)の成分、流量、温度の変動が大きくなる。SOFCからガスタービンの燃焼器に供給される排燃料や排空気(排酸化性ガス)の成分、流量、温度が変動すると、ガスタービン燃焼器での燃焼条件が変化することからガスタービンの運転が不安定となり問題である。
【0007】
これに対して、特許文献1では、発電出力に基づいて各系統の制御弁の開度を調整することで供給量を調整し、特許文献2では、発熱量が一定となるように、燃料電池から出力された可燃性ガスと共に供給する別系統で精製した可燃性ガスの供給量を調整しているが、SOFCのからの排燃料ガスと排空気(排酸化性ガス)を用いて燃焼させた燃焼ガスによってガスタービンを安定かつ高効率に運転するために改善の余地がある。なお、SOFC以外の燃料電池を用いた場合も同様の課題が生じる。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するものであり、SOFCの運転状態によらず、ガスタービンの燃焼器における安定した燃焼及び出力制御ができるように燃料流量の制御をかけることで、ガスタービンを安定して運転することができる発電システム及び発電システムの運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための本発明の発電システムは、燃料電池と、燃焼器を備えるガスタービンと、前記燃料電池から排酸化性ガスを前記燃焼器に供給する排酸化性ガスラインと、前記燃焼器に燃料ガスを供給する燃料ガス供給ラインと、前記燃料電池から排燃料ガスを前記燃焼器に供給する排燃料ガス供給ラインと、前記燃料ガス供給ラインから前記燃焼器に供給する前記燃料ガスの量を調整する供給量調整部と、各部から情報を取得する情報取得部、前記情報取得部が取得した情報を演算処理する演算部及び前記演算部で演算した結果を用いて前記供給量調整部を制御し、前記ガスタービンに供給する燃料ガスの流量を制御する燃料ガス供給制御部を備える制御装置と、を有し、前記情報取得部は、ガスタービンの出力指令と、大気温度と、前記ガスタービンに供給される前記排酸化性ガスの温度と、前記ガスタービンに供給される前記排燃料ガスの温度と、を取得し、前記演算部は、少なくとも前記排酸化性ガスの温度を用いた演算で前記排酸化性ガスの入熱を算出し、少なくとも前記排燃料ガスの温度を用いた演算で前記排燃料ガスの入熱を算出し、前記出力指令と前記大気温度とで演算を行い、ガスタービン入熱指令を算出し、前記ガスタービン入熱指令と前記排酸化性ガスの入熱とで演算を行い、ガスタービン燃料入熱指令を算出し、前記ガスタービン燃料入熱指令と前記排燃料ガスの入熱とで演算を行い、前記燃料ガスの供給量を算出することを特徴とする。
【0010】
従って、排酸化性ガスの入熱を、少なくとも排酸化性ガスの温度を用いた演算で算出し、排燃料ガスの入熱を少なくとも排燃料ガスの温度を用いた演算で算出することで、燃焼器に供給される各種流体の熱量をより正確に算出することができる。これにより、ガスタービンを安定して運転することができる。
【0011】
本発明の発電システムでは、前記演算部は、前記排酸化性ガスの温度と前記排酸化性ガスの流量との演算で前記排酸化性ガスの入熱を算出することを特徴とする。
【0012】
従って、排酸化性ガスの入熱を、排酸化性ガスの温度と前記排酸化性ガスの流量を加味して、算出することで、燃焼器に供給される各種流体の熱量をより正確に算出することができる。これにより、ガスタービンを安定して運転することができる。
【0013】
本発明の発電システムでは、前記情報取得部は、前記燃料電池への指令値と前記ガスタービンの車室の圧力の情報とを取得し、前記演算部は、前記燃料電池への指令値と前記ガスタービンの車室の圧力の情報の演算で、前記排酸化性ガスの流量を算出することを特徴とする。なお、情報取得部は、ガスタービンの車室の圧力の情報に基づいて、を元とした圧力変化速度を算出し、演算に用いる。ここで、車室の圧力変化速度を算出する方法としては、車室圧力を直接計測し、その結果から算出する方法の他に、車室圧力を変化させる手段であるIGV(Inlet Guide Vane)の開度(もしくは開度指令)から算出する方法等がある。また、排酸化性ガスの流量を算出する方法としては、排酸化性ガス流量を直接計測する方法もある。
【0014】
従って、排酸化性ガスの流量を、燃料電池への指令値と前記ガスタービンの車室の圧力の情報を加味して算出することで、燃焼器に供給される各種流体の熱量をより正確に算出することができる。これにより、燃料電池から供給される熱量を正確に把握することができるため、ガスタービンの安定運転及び出力制御に必要な燃料ガスの流量を正確に決定することが出来るため、ガスタービンを安定して運転することができる。
【0015】
本発明の発電システムでは、前記情報取得部は、前記排酸化性ガスの流量を取得し、前記演算部は、前記情報取得部が取得した、前記排酸化性ガスの温度と前記排酸化性ガスの流量との演算で前記排酸化性ガスの入熱を算出する。
【0016】
従って、排酸化性ガスの入熱を、前記排酸化性ガスの温度と前記排酸化性ガスの流量を加味して算出することで、燃焼器に供給される各種流体の熱量をより正確に算出することができる。これにより、ガスタービンを安定して運転することができる。
【0017】
本発明の発電システムでは、前記情報取得部は、前記燃料電池への指令値を取得し、前記演算部は、前記燃料電池への指令値に基づいて、前記排燃料ガスの発熱量と、前記排燃料ガスの比熱を算出し、前記排燃料ガスの温度と、前記排燃料ガスの発熱量と、前記排燃料ガスの比熱と、前記排燃料ガスの流量との演算で前記排燃料ガスの入熱を算出することを特徴とする。
【0018】
従って、排燃料ガスの入熱を、排燃料ガスの発熱量を加味して、算出することで、燃焼器に供給される各種流体の熱量をより正確に算出することができる。これにより、燃料電池から供給される熱量を正確に把握することが出来るため、ガスタービンの安定運転及び出力制御に必要な燃料ガス(燃料ガス供給ラインから供給する燃料ガス)の流量を正確に決定することが出来るため、ガスタービンを安定して運転することができる。
【0019】
本発明の発電システムでは、前記情報取得部は、前記ガスタービンの車室の圧力の情報を取得し、前記演算部は、前記燃料電池への指令値と前記ガスタービンの車室の圧力の情報の演算で、前記排燃料ガスの流量を算出することを特徴とする。なお、情報取得部は、ガスタービンの車室の圧力の情報に基づいて、を元とした圧力変化速度を算出し、演算に用いる。
【0020】
従って、排燃料ガスの流量を、前記燃料電池へ指令値と前記ガスタービンの車室の圧力の情報を加味して、算出することで、燃焼器に供給される各種流体の熱量をより正確に算出することができる。これにより、ガスタービンを安定して運転することができる。ここで、車室の圧力変化速度を算出する方法としては、車室圧力を直接計測し、その結果から算出する方法の他に、車室圧力を変化させる手段であるIGV(Inlet Guide Vane)の開度(もしくは開度指令)から算出する方法等がある。また、排酸化性ガスの流量を算出する方法としては、排酸化性ガス流量を直接計測する方法もある。
【0021】
本発明の発電システムでは、前記情報取得部は、前記排燃料ガスの流量を取得し、前記演算部は、前記情報取得部が取得した、前記排燃料ガスの温度と前記排燃料ガスの流量との演算で前記排燃料ガスの入熱を算出することを特徴とする。
【0022】
従って、排燃料ガスの入熱を、前記排燃料ガスの温度と前記排燃料ガスの流量とを加味して、算出することで、燃焼器に供給される各種流体の熱量をより正確に算出することができる。これにより、燃料電池から供給される熱量を正確に把握することが出来るため、ガスタービンの安定運転及び出力制御に必要な燃料ガス(燃料ガス供給ラインから供給する燃料ガス)の流量を正確に決定することが出来るため、ガスタービンを安定して運転することができる。
【0023】
また、本発明の発電システムの運転方法は、燃料電池と、燃焼器を備えるガスタービンと、前記燃料電池から排酸化性ガスを前記燃焼器に供給する排酸化性ガスラインと、前記燃焼器に燃料ガスを供給する燃料ガス供給ラインと、前記燃料電池から排燃料ガスを前記燃焼器に供給する排燃料ガス供給ラインと、前記燃料ガス供給ラインから前記燃焼器に供給する前記燃料ガスの量を調整する供給量調整部と、を有する発電システムの運転方法であって、ガスタービンの出力指令と、大気温度と、前記ガスタービンに供給される前記排酸化性ガスの温度と、前記ガスタービンに供給される前記排燃料ガスの温度と、を取得する工程と、少なくとも前記排酸化性ガスの温度を用いた演算で前記排酸化性ガスの入熱を算出し、少なくとも前記排燃料ガスの温度を用いた演算で前記排燃料ガスの入熱を算出する工程と、前記出力指令と前記大気温度とで演算を行い、ガスタービン入熱指令を算出する工程と、前記ガスタービン入熱指令と前記排酸化性ガスの入熱とで演算を行い、ガスタービン燃料入熱指令を算出する工程と、前記ガスタービン燃料入熱指令と前記排燃料ガスの入熱とで演算を行い、燃料ガスの供給量を算出する工程と、前記算出した燃料ガスの供給量に基づいて前記供給量調整部を制御することを特徴とする。
【0024】
したがって、排酸化性ガスの入熱を、少なくとも排酸化性ガスの温度を用いた演算で算出し、排燃料ガスの入熱を少なくとも排燃料ガスの温度を用いた演算で算出することで、燃焼器に供給される各種流体の熱量をより正確に算出することができる。これにより、ガスタービンを安定して運転することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の発電システム及び発電システムの運転方法によれば、SOFCの運転状態を考慮して、ガスタービン燃焼器への燃料流量の制御を行うことができ、燃料ガスの流量指令の精度を高め、ガスタービンを安定して運転することができる。また、本発明の発電システム及び発電システムの運転方法によれば、SOFCからガスタービンの燃焼器に供給される排燃料ガスと排酸化性ガスの条件を考慮して、燃焼器への燃料流量制御を行うので、SOFCの起動停止時や発電システムの負荷変化時であっても出力制御(ガスタービンの燃焼器への燃料流量制御)を適正に行ことができる。さらに、本発明の発電システム及び発電システムの運転方法によれば、燃料流量制御の偏差を小さくできることから、燃料流量制御の偏差に伴う負荷変化速度の制約を受けずに運転を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本実施例の発電システムを表す概略構成図である。
図2図2は、本実施例の発電システムの制御装置の概略構成を表す概略構成図である。
図3図3は、本実施例の発電システムの動作の一例を示す説明図である。
図4図4は、他の実施例の発電システムを表す概略構成図である。
図5図5は、他の実施例の発電システムの制御装置の概略構成を表す概略構成図である。
図6図6は、他の実施例の発電システムの動作の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る発電システム及び発電システムの運転方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
【実施例1】
【0028】
本実施例の発電システムは、固体酸化物形燃料電池(以下、SOFCと称する。)とガスタービンと蒸気タービンを組み合わせたトリプルコンバインドサイクル(Triple Combined Cycle:登録商標)である。このトリプルコンバインドサイクルは、ガスタービンコンバインドサイクル発電(GTCC)の上流側にSOFCを設置することにより、SOFC、ガスタービン、蒸気タービンの3段階で発電することができるため、極めて高い発電効率を実現することができる。なお、以下の説明では、本発明の燃料電池として固体酸化物形燃料電池を適用して説明するが、この形式の燃料電池に限定されるものではない。
【0029】
図1は、本実施例の発電システムを表す概略構成図である。本実施例において、図1に示すように、発電システム10は、ガスタービン11及び発電機12と、SOFC13と、蒸気タービン14及び発電機15とを有している。この発電システム10は、ガスタービン11による発電と、SOFC13による発電と、蒸気タービン14による発電とを組み合わせることで、高い発電効率を得るように構成したものである。
【0030】
ガスタービン11は、圧縮機21、燃焼器22、タービン23を有しており、圧縮機21とタービン23は、回転軸24により一体回転可能に連結されている。圧縮機21は、空気取り込みライン25から取り込んだ空気Aを圧縮する。圧縮機21は、空気取り込み口に開度を調整できる入口案内翼(IGV:Inlet Guide Vane)21aが設けられている。圧縮機21は、入口案内翼21aの開度を大きくすることで、圧縮機21が生成する圧縮空気量を増加させ、開度を小さくすることで、圧縮機21が生成する圧縮空気量を減少させる。燃焼器22は、圧縮機21から第1圧縮空気供給ライン26を通して供給された圧縮空気A1と、第1燃料ガス供給ライン27から供給された燃料ガスL1とを混合して燃焼する。タービン23は、燃焼器22から排ガス供給ライン28を通して供給された排ガス(燃焼ガス)Gにより回転する。なお、図示しないが、タービン23は、圧縮機21で圧縮された圧縮空気A1が車室を通して供給され、この圧縮空気A1を冷却空気として翼などを冷却する。発電機12は、タービン23と同軸上に設けられており、タービン23が回転することで発電することができる。なお、ここでは、燃焼器22に供給する燃料ガスL1及び後述する燃料ガスL2の各燃料ガスは、例えば、液化天然ガス(LNG)、水素(H)及び一酸化炭素(CO)、メタン(CH)などの炭化水素ガス、石炭など炭素質原料のガス化設備により製造したガスを用いることが可能である。
【0031】
SOFC13は、還元剤としての高温の燃料ガスと、酸化剤としての高温の空気(酸化性ガス)とが供給されることで、所定の作動温度にて反応して発電を行うものである。このSOFC13は、圧力容器内に空気極と固体電解質と燃料極が収容されて構成される。空気極に圧縮機21で圧縮された一部の圧縮空気(圧縮酸化性ガス)A2が供給され、燃料極に燃料ガスL2が供給されることで発電を行う。また、SOFC13に供給される酸化性ガスは、酸素を略15%〜30%含むガスであり、代表的には空気が好適であるが、空気以外にも燃焼排ガスと空気の混合ガスや、酸素と空気の混合ガスなどが使用可能である。以下、本実施形態では、SOFC13に供給される酸化性ガスを空気とした場合で説明する。また、SOFC13から排出される排酸化性ガスは、排空気となる。また、発電システム10は、SOCF13に供給される酸化性ガスまた排参加性ガスが供給される。
【0032】
このSOFC13は、第1圧縮空気供給ライン26から分岐した第2圧縮空気供給ライン(圧縮酸化性ガス供給ライン)31が連結され、圧縮機21が圧縮した一部の圧縮空気(圧縮酸化性ガス)A2を空気極の導入部に供給することができる。この第2圧縮空気供給ライン31は、供給する空気量を調整可能な制御弁32と、圧縮空気A2を昇圧可能なブロワ(昇圧機)33とが圧縮空気A2の流れ方向に沿って設けられている。制御弁32は、第2圧縮空気供給ライン31における圧縮空気A2の流れ方向の上流側に設けられ、ブロワ33は、制御弁32の下流側に設けられている。なお、制御弁32とブロワ(昇圧機)33の配置は図1の配置に限定されることはなく、ブロワ(昇圧機)や制御弁の形式によって順序を逆にして配置してもよい。SOFC13は、空気極で用いられた排空気(排酸化性ガス)A3を排出する排空気ライン34が連結されている。この排空気ライン34は、空気極で用いられた排空気A3を外部に排出する排出ライン35と、燃焼器22に連結される排空気供給ライン(排酸化性ガス供給ライン)36とに分岐される。つまり、排空気ライン34と排空気供給ライン36とは、SOFC13の空気極で用いられた排空気A3を、燃焼器22に供給する排空気供給ラインとして機能する。排出ライン35は、排出する空気量を調整可能な制御弁37が設けられ、排空気供給ライン36は、SOFC13とガスタービン11と間の系統を切り離すための遮断弁38が設けられている。
【0033】
また、SOFC13は、燃料ガスL2を燃料極の導入部に供給する第2燃料ガス供給ライン41が設けられている。第2燃料ガス供給ライン41は、供給する燃料ガス量を調整可能な制御弁42が設けられている。SOFC13は、燃料極で用いられた排燃料ガスL3を排出する排燃料ライン43が連結されている。この排燃料ライン43は、外部に排出する排出ライン44と、燃焼器22に連結される排燃料ガス供給ライン45とに分岐される。排出ライン44は、排出する燃料ガス量を調整可能な制御弁46が設けられ、排燃料ガス供給ライン45は、供給する燃料ガス量を調整可能な制御弁47と、排燃料ガスL3を昇圧可能なブロワ48が排燃料ガスL3の流れ方向に沿って設けられている。制御弁47は、排燃料ガス供給ライン45における排燃料ガスL3の流れ方向の上流側に設けられ、ブロワ48は、制御弁47の排燃料ガスL3の流れ方向の下流側に設けられている。なお、制御弁47とブロワ(昇圧機)48の配置は図1の配置に限定されることはなく、ブロワ(昇圧機)や制御弁の形式によっては順序を逆にして配置してもよい。
【0034】
また、SOFC13は、排燃料ライン43と第2燃料ガス供給ライン41とを連結する燃料ガス再循環ライン49が設けられている。燃料ガス再循環ライン49には、排燃料ライン43の排燃料ガスL3を第2燃料ガス供給ライン41に再循環させる再循環ブロワ50が設けられている。
【0035】
蒸気タービン14は、排熱回収ボイラ(HRSG)51で生成された蒸気Sによりタービン52が回転するものである。この排熱回収ボイラ51は、ガスタービン11(タービン23)からの燃焼排ガスライン53が連結されており、空気と高温の排ガスGとの間で熱交換を行うことで、蒸気Sを生成する。蒸気タービン14(タービン52)は、排熱回収ボイラ51との間に、蒸気供給ライン54と給水ライン55とが設けられている。そして、給水ライン55は、復水器56と給水ポンプ57とが設けられている。発電機15は、タービン52と同軸上に設けられており、タービン52が回転することで発電することができる。なお、排熱回収ボイラ51で熱が回収された排ガスGは、大気へ放出される。なお、本実施例においては排ガスGをHRSG51の熱源として利用しているが、排ガスGはHRSG51以外の各種機器の熱源として利用することも可能である。
【0036】
ここで、本実施例の発電システム10の作動について説明する。発電システム10を起動する場合、ガスタービン11が起動した後に蒸気タービン14、SOFC13が起動する。
【0037】
まず、ガスタービン11にて、圧縮機21が空気Aを圧縮し、燃焼器22が圧縮空気A1と燃料ガスL1とを混合して燃焼し、タービン23が排ガスGにより回転することで、発電機12が発電を開始する。次に、蒸気タービン14にて、排熱回収ボイラ51により生成された蒸気Sによりタービン52が回転し、これにより発電機15が発電を開始する。
【0038】
SOFC13を起動させるために、圧縮機21から圧縮空気A2を供給してSOFC13の加圧を開始し、加熱を開始する。排出ライン35の制御弁37と排空気供給ライン36の遮断弁38を閉止し、第2圧縮空気供給ライン31のブロワ33を停止した状態もしくはブロワ33を運転した状態で、制御弁32を所定開度だけ開放する。発電システム10は、SOFC13の加圧専用の制御弁を設け、当該制御弁を所定開度だけ開放してもよい。なお、ここで昇圧速度を制御するための開度調整を行う。すると、圧縮機21で圧縮した一部の圧縮空気A2が第2圧縮空気供給ライン31からSOFC13側へ供給される。これにより、SOFC13側は、圧縮空気A2が供給されることで圧力が上昇する。
【0039】
一方、SOFC13では、燃料極側に燃料ガスL2、図示されていない圧縮空気ラインの分岐から圧縮空気(酸化性ガス)を供給して昇圧を開始する。発電システム10は、燃料極にパージガスを供給するパージガス供給手段を設け、燃料極にパージガスを供給することで、SOFC13の燃料極側を昇圧させるようにしてもよい。ここで、パージガスとしては、窒素等の不活性ガスを用いることができる。排出ライン44の制御弁46と排燃料ガス供給ライン45の制御弁47を閉止し、ブロワ48を停止した状態で、第2燃料ガス供給ライン41の制御弁42を開放すると共に、燃料ガス再循環ライン49の再循環ブロワ50を駆動する。なお、再循環ブロワ50は燃料極側の加圧前に起動していてもよい。すると、燃料ガスL2が第2燃料ガス供給ライン41からSOFC13側へ供給されると共に、排燃料ガスL3が燃料ガス再循環ライン49により再循環される。これにより、SOFC13の燃料極側は、燃料ガスL2、空気、不活性ガス等が供給されることで圧力が上昇する。このとき、SOFC13の燃料極側の圧力は、SOFC13の空気極側の圧力との差圧が所定値以内になるよう、制御が行われている。
【0040】
そして、SOFC13の空気極側の圧力が圧縮機21の出口圧力になると、制御弁32にてSOFC13への供給空気流量を制御すると共に、ブロワ33が起動していなければブロワ33を駆動する。それと同時に遮断弁38を開放してSOFC13からの排空気A3を排空気供給ライン36から燃焼器22に供給する。すると、圧縮空気A2がブロワ33によりSOFC13側へ供給される。それと同時に制御弁46を開放してSOFC13からの排燃料ガスL3を排出ライン44から排出する。そして、SOFC13における空気極側の圧力と燃料極側の圧力とが目標圧力に到達すると、SOFC13の加圧が完了する。
【0041】
その後、SOFC13の圧力制御が安定したら、制御弁37が開放となっている場合は閉止する一方、遮断弁38の開放を維持する。このため、SOFC13からの排空気A3が排空気供給ライン36から燃焼器22に供給され続ける。また、排燃料ガスL3の成分が燃焼器22へ投入可能な成分となったら、制御弁46を閉止する一方、制御弁47を開放してブロワ48を駆動する。すると、SOFC13からの排燃料ガスL3が排燃料ガス供給ライン45から燃焼器22に供給される。このとき、第1燃料ガス供給ライン27から燃焼器22に供給される燃料ガスL1を減量する。
【0042】
ここで、ガスタービン11の駆動による発電機12での発電、SOFC13での発電、蒸気タービン14の駆動による発電機15での発電が全て行われることとなり、発電システム10が定常運転となる。
【0043】
次に、燃焼器22に供給する燃料ガスの流量の制御について説明する。本実施形態の発電システム10は、第1燃料ガス供給ライン27に制御弁70が設けられている。発電システム10は、制御弁70の開閉、開度を制御することで、第1燃料ガス供給ライン27から燃焼器22に供給する燃料ガスL1の流量を制御することができる。なお、燃焼器22に供給する燃料ガスL1の流量を制御する供給量調整部は、制御弁以外の機構でもよく、例えばポンプ、フィーダで調整をしてもよい。
【0044】
また、本実施形態の発電システム10は、大気圧を検出する大気温度検出部80と、排空気供給ライン36に設けられ、燃焼器22に供給される排空気の温度を検出する排空気温度検出部82と、IGV21aの開度を検出するIGV開度検出部86と、排燃料ガス供給ライン45に設けられ、燃焼器22に供給される排燃料ガスの温度を検出する排燃料ガス温度検出部88と、第2圧縮空気供給ライン31に設けられ、圧縮機21から排出される圧縮空気の温度を基準温度として検出する基準温度検出部89と、を有する。大気温度検出部80、排空気温度検出部82、IGV開度検出部86、排燃料ガス温度検出部88及び基準温度検出部89は、検出結果を制御装置62に送る。
【0045】
次に、図2を用いて、制御装置62の構成について説明する。ここで、図2は、本実施例の発電システムの制御装置の概略構成を表す概略構成図である。なお、図2は、制御装置62の機能のうち、燃焼器22に供給する燃料ガスの流量を制御する機能を抽出した構成である。制御装置62は、図2に示す構成以外にも各種機能を実現する機能を備えている。
【0046】
制御装置62は、各部から情報を取得する情報取得部102と、情報取得部102が取得した情報に基づいて演算を行い、燃焼器22への燃料ガスL1の供給量を算出する演算部104と、演算部104で算出された燃焼器22への燃料ガスL1の供給量に基づいて、制御弁70の動作を制御する燃料ガス供給制御部106と、を有する。情報取得部102は、GT出力指令取得部120と、大気温度取得部122と、SOFC排空気温度取得部124と、SOFC電流指令取得部126と、基準温度検出部127と、IGV開度取得部128と、SOFC排燃料温度取得部130と、を有する。
【0047】
GT出力指令取得部120は、制御装置62の他の機能から出力されるガスタービン11の発電出力の指令値(発電量の指示値)を取得する。大気温度取得部122は、大気温度検出部80から出力される大気温度の検出結果を取得する。SOFC排空気温度取得部124は、排空気温度検出部82から出力される排空気の温度の検出結果を取得する。SOFC電流指令取得部126は、制御装置62の他の機能から出力されるSOFC13の発電出力の指令値(発電量の指示値)を取得する。基準温度設定部127は、熱量を算出するための基準温度を設定する。基準温度設定部127は、基準温度を常時同じ温度に設定する場合と、車室温度を基準温度に設定する場合がある。基準温度設定部127は、設定により基準温度の供給源を選択することができる。基準温度設定部127は、車室温度を基準温度とする場合は、基準温度検出部89から出力される車室温度の情報を取得し、取得した情報を基準温度とする。つまり、発電システム10は、車室温度を基準温度とする場合は、基準温度検出89が必要となる。ここで、基準温度設定部127は、圧縮機21の出口の圧縮空気の大半をSOFC13に供給する場合、基準温度を一定の設定値とすることが好ましい。また、基準温度設定部127は、部分トッピング等で圧縮機21の出口の圧縮空気からSOFC13に供給される空気量が少ない場合、基準温度を車室温度とすることが好ましい。基準温度設定部127は、基準温度を車室温度とすることで、SOFC13に供給されない空気との顕熱差を考慮して基準温度を設定することができる。IGV開度取得部128は、IGV開度検出部86から出力されるIGVの開度の検出結果を取得する。SOFC排燃料温度取得部130は、排燃料ガス温度検出部88から出力される排燃料ガスの温度の検出結果を取得する。情報取得部102は、以上のように各部で情報を取得する。
【0048】
次に、図3を用いて演算部104の処理を説明する。図3は、本実施例の発電システムの動作の一例を示す説明図である。演算部104は、演算処理部140、142、143、144、145、146、150、152、154の各部で、入力された情報に対して、設定された演算式で演算を行うことで、ガスタービンに供給する燃料ガスの流量指令(GT燃料ガス流量指令)を作成する。
【0049】
まず、演算部104は、情報取得部102の各部で取得された、ガスタービン発電出力指令(GT出力指令)、大気温度、排空気温度(SOFC排空気温度)、SOFCの電流指令、基準温度、IGVの開度(GT−IGV開度)、排燃料温度(SOFC排燃料温度)が入力される。演算部104は、演算処理部140がGT出力指令と大気温度とを用いて演算処理を行い、ガスタービン入熱指令(GT入熱指令)を算出する。
【0050】
演算部104は、演算処理部142がSOFC電流指令とGT−IGV開度とを用いて演算処理を行い、SOFC排空気流量を算出する。演算部104は、SOFC電流指令に応じてSOFC13への供給空気流量が設定されることを用いて、これを処理することで、SOFC13への供給空気流量を算出する。また、供給された空気から消費される酸素量は、SOFC13の電流値と反応する酸素モル流量とが比例することを用いて消費量が算出される。これにより、SOFC電流指令からSOFCでの空気の消費量も算出することができ、供給量から消費量を減算することで、排空気量を算出することできる。また、演算処理部142は、IGV開度の変化率やGT圧力変化速度等の出力から、SOFCの系内圧力変化速度を算出する。系内の圧力変化速度と系内の容積に基づいて、圧力変化に伴い増減する排空気量を算出し、算出した排空気量を補正する。これにより、SOFC排空気流量を算出する。
【0051】
演算部104は、演算処理部143がSOFC電流指令を用いて演算処理を行い、SOFC排燃料発熱量を算出する。また、演算部104は、演算処理部144がSOFC電流指令を用いて演算処理を行い、SOFC排燃料比熱を算出する。演算処理部143、144は、SOFC電流指令に基づいて、SOFC13に供給される燃料流量を算出し、さらに、SOFC13での発電反応後のガス組成を特定し、排燃料の組成を算出することで、SOFC排燃料発熱量、SOFC排燃料比熱を算出する。
【0052】
演算部104は、演算処理部145がSOFC排空気流量とSOFC排空気温度と基準温度とを用いて演算処理を行い、SOFC排空気入熱を算出する。具体的には、演算処理部145は、下記演算式1で算出する。

演算式1:SOFC排空気流量×(SOFC排空気温度−基準温度)×排空気比熱
ここで、SOFC13からの排空気は、窒素と酸素の混合気体であり、ガス組成による比熱変化は小さいため、排空気比熱には、定数を用いる。
【0053】
演算部104は、演算処理部146がGT入熱指令とSOFC排空気入熱とを用いて演算処理を行い、ガスタービン燃料入熱指令(GT燃料入熱指令)を算出する。具体的には、演算処理部146は、下記演算式2で算出する。

演算式2:GT入熱指令−SOFC排空気入熱
【0054】
演算処理部104は、演算処理部150がSOFC電流指令とGTIGV開度とを用いて演算処理を行い、SOFC排燃料流量を算出する。演算部104は、SOFC電流指令を処理することで、SOFC13への供給燃料ガスの流量を算出する。また、供給された燃料ガスは、SOFC内での化学変化(改質反応)及びSOFC電流に比例して空気側から移動した酸素と燃料が反応し、変換される。これにより、SOFC電流指令からSOFCで燃料ガスの反応量も算出することができ、供給量と反応量から、排燃料ガスの流量を算出することできる。また、演算処理部150は、IGV開度の変化率やGT圧力変化速度等の出力から、SOFCの系内圧力変化速度を算出する。系内の圧力変化速度と系内の容積に基づいて、圧力変化に伴い増減する排燃料量を算出する。排燃料量の変動に比例させて、算出した排燃料量を補正する。これにより、SOFC排燃料流量を算出する。
【0055】
演算部104は、演算処理部152がSOFC排燃料流量とSOFC排燃料温度と基準温度とSOFC排燃料発熱量とSOFC排燃料比熱とを用いて演算処理を行い、SOFC排燃料入熱を算出する。具体的には、演算処理部152は、下記演算式3で算出する。

演算式3:SOFC排燃料流量×((SOFC排燃料発熱量+(SOFC排燃料温度−基準温度)×SOFC排燃料比熱)
【0056】
演算部104は、演算処理部154がGT燃料入熱指令とSOFC排燃料入熱とを用いて演算処理を行い、ガスタービン燃料ガス流量指令(GT燃料ガス流量指令)を算出する。具体的には、演算処理部154は、下記演算式4で算出する。

演算式4:(GT燃料入熱指令−SOFC排燃料入熱)/燃料ガスの発熱量
【0057】
制御装置62は、以上のように演算を行うことで、大気温度、排空気温度、排燃料温度、排空気流量、排燃料流量を加味して、ガスタービンの燃焼器に供給する燃料ガスの流量を算出することができる。これにより、より高い精度で燃料ガスの流量を算出することができ、例えば、SOFC13の起動停止時や発電システムの負荷変化時であって、排燃料ガスと排空気の成分、流量、温度の変動する状態であっても、上記制御を行うことで、燃料ガスの供給量を調整し、ガスタービンの燃焼器での燃焼及び出力制御を安定させることができる。これにより、ガスタービンを安定して運転することができ、ガスタービンにかかる負荷を少なくすることができる。また、上記制御により、燃料流量制御の偏差を小さくできることから、燃料流量制御の偏差に伴う負荷変化速度の制約を受けずにガスタービンの運転を継続することができる。
【0058】
発電システムの構成は本実施例に限定されず、様々な態様で適用することが可能である。例えば、本実施例では、ガスタービンがIGVの開度の変化等によりガスタービンの車室の圧力が変化する場合としたため、IGVの開度を検出したが、圧力の変化がない場合は、IGVの開度は検出しなくてもよい。また、ガスタービンの車室の圧力の変化を検出するパラメータとして、IGVの開度以外のパラメータを用いてもよい。例えば、ガスタービンの車室圧力変化速度を検出してもよい。また、IGVの開度の検出をセンサではなく制御指令信号の取得で行ってもよい。また、発電システム10は、IGVの開度を検出し、IGVの開度に基づいて、車室の圧力を検出したが、これに限定されない。発電システム10は、IGVの開度に換えて、センサ等により車室の圧力を直接検出してもよい。また、発電システム10は、IGVの開度に基づいて車室の圧力を検出し、車室の圧力に基づいて、排空気の流量を算出したが、これに限定されない。発電システム10は、ICGの開度を検出することに換えて、センサ等により車室の流量を検出してもよい。車室の流量を直接することでも、排空気の流量を取得することができる。
【実施例2】
【0059】
次に、図4から図6を用いて、他の実施例の発電システムを説明する。図4は、他の実施例の発電システムを表す概略構成図である。図5は、他の実施例の発電システムの制御装置の概略構成を表す概略構成図である。図6は、他の実施例の発電システムの動作の一例を示す説明図である。図4から図6に示す発電システム10aは、基本的に、排空気流量と、排燃料ガス流量とセンサを用いて、検出している点と、それに伴い圧力変化速度を算出するためのIGV開度を計測しない点を除いて、他の構成は、発電システム10と同様である。以下、発電システム10aに特有の点を重点的に説明する。
【0060】
発電システム10aは、発電システム10の構成に加え、排空気供給ライン36に設けられ、燃焼器22に供給される排空気の流量を検出する排空気流量検出部92と、排燃料ガス供給ライン45に設けられ、燃焼器22に供給される排燃料ガスの流量を検出する排燃料ガス流量検出部94と、をさらに有する。
【0061】
次に、制御装置62aは、情報取得部102aと、演算部104aと、燃料ガス供給制御部106と、を有する。情報取得部102aは、GT出力指令取得部120と、大気温度取得部122と、SOFC排空気温度取得部124と、SOFC電流指令取得部126と、SOFC排燃料温度取得部130と、SOFC排空気流量取得部162と、SOFC排燃料流量取得部164と、を有する。
【0062】
SOFC排空気流量取得部162は、排空気流量検出部92から出力される排空気の流量の検出結果を取得する。SOFC排燃料流量取得部164は、排燃料ガス流量検出部94から出力される排燃料ガスの流量の検出結果を取得する。
【0063】
次に、演算部104aは、演算処理部140、143、144、146、152、154、170の各部で、入力された情報に対して、設定された演算式で演算を行うことで、ガスタービンに供給する燃料ガスの流量指令(GT燃料ガス流量指令)を作成する。
【0064】
演算部104aは、演算処理部170が、情報取得部102aから入力されたSOFC排空気流量とSOFC排空気温度とを用いて演算処理を行い、SOFC排空気入熱を算出する。具体的には、演算処理部170は、上述した演算式1で出する。本実施例では、圧縮器21の出口の空気温度または燃焼器22の入口における圧縮空気の温度を基準温度として用いればよい。発電システム10aは、車室温度の計測結果や、一定の設定値以外にも圧縮空気の温度の計測結果を基準温度として用いることができる。ここで、発電システム10aは、圧縮機21の出口の圧縮空気の大半をSOFC13に供給する場合、基準温度を圧縮器21の出口の空気温度とすることが好ましい。また、基準温度設定部127は、部分トッピング等で圧縮機21の出口の圧縮空気からSOFC13に供給される空気量が少ない場合、基準温度を燃焼器22の入口における圧縮空気の温度ことが好ましい。基準温度設定部127は、基準温度を燃焼器22の入口における圧縮空気の温度とすることで、SOFC13に供給されない空気との顕熱差を考慮して基準温度を設定することができる。なお、発電システム10aは、発電システム10と同様の基準温度を用いてもよい。制御装置62aは、基準温度の設定を変更する場合、基準温度設定部をさら備えていてもよい。また、排空気比熱には、実施例1と同様の理由により定数を用いればよい。
【0065】
発電システム10aは、排空気流量、排燃料流量をセンサで検出することでも、発電システム10と同様のパラメータを用いて、燃料ガスの流量を制御することができる。これにより発電システム10と同様の効果を得ることができる。また、発電システム10aは、排空気流量、排燃料流量をセンサで検出することで、演算処理を簡単にすることができる。
【符号の説明】
【0066】
10、10a 発電システム
11 ガスタービン
12 発電機
13 SOFC(固体酸化物形燃料電池:燃料電池)
14 蒸気タービン
15 発電機
21 圧縮機
21a IGV
22 燃焼器
23 タービン
25 空気取り込みライン
26 第1圧縮空気供給ライン
27 第1燃料ガス供給ライン
31 第2圧縮空気供給ライン(圧縮酸化性ガス供給ライン)
32 制御弁
33、48 ブロワ
34 排空気ライン(排酸化性ガスライン)
36 排空気供給ライン(排酸化性ガス供給ライン)
41 第2燃料ガス供給ライン
42 制御弁
43 排燃料ライン
44 排出ライン
45 排燃料ガス供給ライン
47 制御弁
49 燃料ガス再循環ライン
50 再循環ブロワ
51 排熱回収ボイラ
52 タービン
53 燃焼排ガスライン
54 蒸気供給ライン
55 給水ライン
56 復水器
57 給水ポンプ
80 大気温度検出部
82 排空気温度検出部
86 IGV開度検出部
88 排燃料ガス温度検出部
89 基準温度検出部
92 排空気流量検出部
94 排燃料ガス流量検出部
102 情報取得部
104、104a 演算部
106 燃料ガス供給制御部
120 GT出力指令取得部
122 大気温度取得部
124 SOFC排空気温度取得部
126 SOFC電流指令取得部
127 基準温度設定部
128 IGV開度取得部
130 SOFC排燃料温度取得部
140、142、143、144、145、146、150、152、154、170 演算処理部
162 SOFC排空気流量取得部
164 SOFC排燃料流量取得部
図1
図2
図3
図4
図5
図6