特許第6053623号(P6053623)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6053623
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】プラント監視制御装置
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20161219BHJP
【FI】
   G05B23/02 301Y
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-131288(P2013-131288)
(22)【出願日】2013年6月24日
(65)【公開番号】特開2015-5234(P2015-5234A)
(43)【公開日】2015年1月8日
【審査請求日】2016年1月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100073759
【弁理士】
【氏名又は名称】大岩 増雄
(74)【代理人】
【識別番号】100088199
【弁理士】
【氏名又は名称】竹中 岑生
(74)【代理人】
【識別番号】100094916
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 啓吾
(74)【代理人】
【識別番号】100127672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 憲治
(72)【発明者】
【氏名】北村 信吾
(72)【発明者】
【氏名】山川 努
(72)【発明者】
【氏名】津高 新一郎
【審査官】 川東 孝至
(56)【参考文献】
【文献】 特開平6−27287(JP,A)
【文献】 特開2008−217622(JP,A)
【文献】 特開平3−256196(JP,A)
【文献】 特開2000−99142(JP,A)
【文献】 特開2013−120536(JP,A)
【文献】 特開2007−310802(JP,A)
【文献】 特開2000−249782(JP,A)
【文献】 特開平7−320174(JP,A)
【文献】 特開2000−76570(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/00−23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラントを構成する各種機器の監視情報を収集する監視情報収集部、
前記各種機器により実現されるプラントの各機能の相関を示す機能階層図を記憶する機能階層図記憶部、
前記各種機器の監視情報を含む前記プラントの詳細情報を表示装置の画面に表示する際の画面定義情報を記憶する詳細情報画面定義記憶部、
前記各機能に関連する画面定義情報を、その関連の度合いと共に記憶する詳細情報関連度記憶部、
前記監視情報収集部から取得した監視情報に基づいて前記プラントの異常を検出し、該異常が想定外事象であるか否かを判定すると共に、想定外事象であると判定した場合には該異常に関連している機能を特定する想定外事象判定部、
前記想定外事象判定部が特定した機能を含む機能階層図を前記機能階層図記憶部から選択する機能階層図選択部、
前記機能階層図選択部が選択した機能階層図を前記画面に表示すると共に、該機能階層図に含まれる各機能の健全性を提示する機能階層図表示部、
前記画面に表示された機能階層図から運転員が選択した機能に関連する画面定義情報を、前記詳細情報関連度記憶部を参照して前記詳細情報画面定義記憶部から選択する詳細情報画面定義選択部、
前記詳細情報画面定義選択部が選択した画面定義情報に基づいて、運転員が選択した機能に関連する詳細情報を前記画面に表示する詳細情報表示部を備えたことを特徴とするプラント監視制御装置。
【請求項2】
前記想定外事象判定部は、監視情報に含まれる計測データが予め設定された想定外事象判定用の規格値を超えた場合、または検出した異常に対し所定の処置を行い所定時間経過後に該異常が改善しない場合、または監視情報として必要な計測データが所定時間以上得られない場合、または複数の計測データの値に矛盾がある場合、該異常を想定外事象であると判定することを特徴とする請求項1記載のプラント監視制御装置。
【請求項3】
前記機能階層図表示部は、健全性が損なわれている機能を、その度合いに応じて強調表示することを特徴とする請求項1記載のプラント監視制御装置。
【請求項4】
前記詳細情報画面定義選択部は、前記機能階層図表示部により提示された各機能の健全性に基づいて、健全性が損なわれている度合いの大きい機能に関連する画面定義情報を優先して選択することを特徴とする請求項3記載のプラント監視制御装置。
【請求項5】
前記プラントの詳細情報は、前記各種機器の監視情報の他に、前記各種機器の仕様、設計図、故障履歴、及び前記プラントの系統図の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1記載のプラント監視制御装置。
【請求項6】
前記詳細情報画面定義記憶部は、画面定義情報として、画面ID、表示される詳細情報の種類、及びそのレイアウト情報を含むことを特徴とする請求項5記載のプラント監視制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラントの監視及び制御を行うプラント監視制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
監視制御装置は、発電プラント、化学プラント、受配電設備及び上下水道等、幅広い分野で用いられている。従来の一般的なプラント監視制御装置101は、図7に示すように、監視対象となるプラント機器201、202と信号の送受信を行う計算機11、12、それらのデータをもとに計算を行う計算機13、及び運転員との間で情報の入出力を行う計算機14等から構成され、各計算機は通信ネットワーク15により接続されている。
【0003】
プラント監視制御装置は、通常運転時のみでなく、災害時を含む異常発生時の監視制御が可能でなければならない。このため、プラント機器及びプラント監視制御装置を設計する際には、地震及び津波等の天災やテロ、ヒューマンエラー等の人災を含め、様々な事象を想定し、これらに対応可能な設計がなされている。
【0004】
特許文献1に提示されたプラント監視制御システムでは、収集されたプラントデータの値あるいは複数のプラントデータの関係が予め設定された条件に適合するように変化した時に、この変化を検出しイベント発生の旨を出力するプラント状態検出手段を備えている。さらに、出力されたイベント発生の通知を公衆回線により予め設定された複数の送信先に送信することにより、緊急時対応に必要な人員を速やかに集め、最小限の時間でプラントを復旧するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−175139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
異常発生時においては、通常想定される事象とは異なる想定外事象が発生することがある。その場合、運転員は、想定外事象の状況を把握し、適切な復旧作業を行って事態の収束を図る必要がある。しかしながら、従来のプラント監視制御装置は、想定外事象に直面する運転員に対して、復旧のための適切な情報を与える機能を備えていないという問題があった。特許文献1においても、プラント状態検出手段は予め設定されたイベントを検出対象としており、想定外事象を対象としていない。
【0007】
また、想定外事象が発生すると、プラントの各機能の健全性が損なわれ、復旧のための通常の処置を行っても期待する効果が得られない、あるいは通常の処置が行えないことがある。このような状況に直面した運転員は、どの機能の健全性が損なわれ、どの機能が正常であるかを把握し、さらにはそれらの機能の相関や各機能に関連する詳細情報を必要とする。しかし、従来のプラント監視制御装置は、それらの情報を運転員に提供する機能を備えていなかった。
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、プラントで想定外事象が発生した際にこれを判定し、運転員が各機能の健全性を確認することができ、健全性が損なわれた機能を復旧させるために必要な詳細情報を速やかに得ることが可能なプラント監視制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るプラント監視制御装置は、プラントを構成する各種機器の監視情報を収集する監視情報収集部と、各種機器により実現されるプラントの各機能の相関を示す機能階層図を記憶する機能階層図記憶部と、各種機器の監視情報を含むプラントの詳細情報を表示装置の画面に表示する際の画面定義情報を記憶する詳細情報画面定義記憶部と、各機能に関連する画面定義情報をその関連の度合いと共に記憶する詳細情報関連度記憶部と、監視情報収集部から取得した監視情報に基づいてプラントの異常を検出し、該異常が想定外事象であるか否かを判定すると共に、想定外事象であると判定した場合には該異常に関連している機能を特定する想定外事象判定部と、想定外事象判定部が特定した機能を含む機能階層図を機能階層図記憶部から選択する機能階層図選択部と、機能階層図選択部が選択した機能階層図を画面に表示すると共に、該機能階層図に含まれる各機能の健全性を提示する機能階層図表示部と、画面に表示された機能階層図から運転員が選択した機能に関連する画面定義情報を、詳細情報関連度記憶部を参照して詳細情報画面定義記憶部から選択する詳細情報画面定義選択部と、詳細情報画面定義選択部が選択した画面定義情報に基づいて、運転員が選択した機能に関連する詳細情報を画面に表示する詳細情報表示部を備えたものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るプラント監視制御装置によれば、監視情報に基づいて検出した異常が想定外事象であると判定した場合に、該異常に関連している機能を含む機能階層図を表示すると共に、該機能階層図に含まれる各機能の健全性を提示するようにしたので、運転員は、該想定外事象により健全性が損なわれている機能を迅速に把握することができ、その原因を容易に推測することができる。さらに、運転員は、表示された機能階層図から適切な詳細情報画面にアクセスすることができ、健全性が損なわれている機能を復旧させるために必要な詳細情報を速やかに得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態1に係るプラント監視制御装置の構成を示す図である。
図2】本発明の実施の形態1に係るプラント監視制御装置における機能階層図を示す図である。
図3】本発明の実施の形態1に係るプラント監視制御装置における機能階層図を示す図である。
図4】本発明の実施の形態1に係るプラント監視制御装置における機能階層図を示す図である。
図5】本発明の実施の形態1に係るプラント監視制御装置における詳細情報関連度記憶部に記憶された各機能と画面IDとの関連度を示す図である。
図6】本発明の実施の形態1に係るプラント監視制御装置の処理の流れを示す図である。
図7】従来のプラント監視制御装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
以下に、本発明の実施の形態1に係るプラント監視制御装置について、図面に基づいて説明する。図1は、本実施の形態1に係るプラント監視制御装置の構成を示している。プラント監視制御装置100は、監視対象であるプラント機器200から計測データまたは状態データを収集し、それらのデータに基づいてプラント機器200の運転状態やプロセス量を監視すると共に、必要な制御指示を与えるものである。なお、プラント機器200とは、プラントを構成する各種機器及び設備の総称であり、モータ、ポンプ、弁、開閉器、油圧装置、及び計測機器等を含んでいる。
【0013】
プラント監視制御装置100は、1台または複数台の計算機で構成される。また、プラント監視制御装置100は、運転員が操作を行うための入出力装置として、画面を有する表示装置(図示省略)と、マウスやキーボード、タッチデバイス等の入力装置(図示省略)を備えている。
【0014】
監視情報収集部1は、監視対象であるプラント機器200の監視情報を収集する。監視情報には、計測機器により測定される温度、湿度、圧力等の計測データや、装置の運転状態(運転/停止)、弁の開閉状態、ポンプの稼働状態等の状態データが含まれる。
【0015】
想定外事象判定部2は、監視情報収集部1から取得した監視情報に基づいて異常を検出し、該異常が想定外事象であるか否かを判定する。具体的には、監視情報に含まれる計測データが予め設定された想定外事象判定用の規格値を超えた場合、または検出した異常に対し所定の処置を行い所定時間経過後に該異常が改善しない場合、または監視情報として必要な計測データが所定時間以上得られない場合、または複数の計測データの値に矛盾がある場合に、該異常を想定外事象であると判定する。
【0016】
なお、計測データに対して「第1の規定値」と「第2の規定値」の2段階の規格値を設け、第1の規定値以上第2の規格値未満の異常の場合は「想定内事象」であると判定し、第2の規定値以上の異常の場合は「想定外事象」と判定するようにしても良い。
【0017】
また、想定外事象判定部2は、検出した異常を想定外事象であると判定した場合、該事象に関連している機能を特定する。なお、想定外事象に関連している機能とは、該事象の発生により健全性が損なわれている機能であり、該事象の直接的あるいは間接的な原因となっている可能性が高い機能である。
【0018】
機能階層図記憶部4は、各種プラント機器200により実現されるプラントの各機能の相関を示す機能階層図を記憶している。機能階層図記憶部4が記憶する機能階層図の例を図2及び図3に示す。図2及び図3の例では、ある機能と、該機能を実現するためのより下位の機能の関係をツリー構造で視覚的に表現している。
【0019】
図2に示す機能階層図41は、大機能1を実現するために中機能A及び中機能Bが存在し、さらに、中機能Aを実現するために小機能a及び小機能bが存在し、中機能Bを実現するために小機能cが存在することを示している。また、図3に示す機能階層図42は、大機能2を実現するために中機能B及び中機能Cが存在し、さらに、中機能Bを実現するために小機能cが存在し、中機能Cを実現するために小機能d及び小機能eが存在することを示している。
【0020】
機能階層図選択部3は、想定外事象判定部2が特定した機能を含む機能階層図を機能階層図記憶部4から選択する。例えば想定外事象判定部2が、関連する機能として大機能2、中機能C、小機能d、及び小機能eを特定した場合、機能階層図選択部3は、上記全ての機能を含む機能階層図42図3)を選択する。図2に示す機能階層図41は上記機能を含んでいないため、機能階層図41は選択されない。
【0021】
機能階層図表示部5は、機能階層図選択部3が選択した機能階層図を表示装置の画面に表示すると共に、該機能階層図に含まれる各機能の健全性を提示する。図4は、機能階層図表示部5により表示された機能階層図を示している。機能階層図表示部5は、機能階層図に含まれる各機能の健全性を提示する機能を有しており、具体的には、機能階層図に含まれる機能のうち、健全性が損なわれている機能をその度合いに応じて強調表示する。
【0022】
なお、健全性が損なわれている度合いは、監視情報収集部1が収集した監視情報から算出される。具体的には、計測データ(温度、湿度、圧力等)の値が所定の範囲から逸脱している度合いや、計測データの値の矛盾の度合い等から算出される。図4に示す機能階層図42aでは、大機能2、中機能C、小機能d及び小機能eにおいて健全性が損なわれており、小機能eは他のものと比べて損なわれている度合いが小さいことを示している。
【0023】
運転員は、画面に表示された機能階層図42aにより、大機能2の健全性が損なわれており、その原因は中機能Cの健全性が損なわれているためであり、さらにその主な原因は小機能dの健全性が損なわれているからであり、小機能eは恐らく主原因ではないと推測することができる。
【0024】
なお、図4のように機能階層図を表示する際に、各機能に関して監視情報収集部1が取得した監視情報を併せて表示しても良い。また、機能階層図が大規模な場合は、より下位の機能を画面上で畳んで表示しないようにしても良い。また、健全性に問題のない機能を表示しない、あるいは小さく表示するようにしても良い。それらの表示形態は、運転員が選択可能に設定され、状況に応じて画面を切り替えることが望ましい。
【0025】
詳細情報画面定義記憶部7は、各種プラント機器200の監視情報を含むプラントの詳細情報を表示装置の画面に表示する際の画面定義情報を記憶している。画面定義情報には、画面ID(または画面名)、表示される詳細情報の種類、及びそのレイアウト情報が含まれる。
【0026】
なお、詳細情報の種類としては、各種プラント機器200の監視情報の他、各種プラント機器200の仕様、設計図、故障履歴、及びプラントの系統図等がある。計測データは、リアルタイムに変化する監視情報であり、監視情報収集部1から得られる。また、各種プラント機器200の仕様、設計図、故障履歴、及びプラントの系統図は、予め設備情報記憶部(図示省略)に記憶されている。
【0027】
詳細情報関連度記憶部8は、各機能に関連する画面定義情報を、その関連の度合いと共に記憶している。各機能に関連する画面定義情報とは、各機能の健全性を復旧させるために必要な詳細情報を得るのに適した画面定義情報である。図5は、詳細情報関連度記憶部8に記憶された各機能と画面定義情報の関連度の例を示している。図5の例では、大機能2に関連する画面定義情報として、関連度の大きい順に、監視画面A−1(関連度1.0)、監視画面A−2(関連度0.5)、監視画面B−1(関連度0.3)の3つがあることを示している。
【0028】
詳細情報画面定義選択部6は、表示装置の画面に表示された機能階層図から運転員が選択した機能に関連する画面定義情報を、詳細情報関連度記憶部8を参照して詳細情報画面定義記憶部7から選択する。すなわち、運転員が、画面上の機能階層図から健全性が損なわれた機能を選択し、その機能の詳細情報を要求すると、これを復旧させるために必要な詳細情報を得るために最適な画面定義情報が選択される。このとき、詳細情報関連度記憶部8に記憶された関連度が考慮される。例えば、図4に示す機能階層図42aにおいて、運転員が大機能2の詳細情報を要求した場合、関連度のより大きい監視画面A−1を優先して選択する。
【0029】
また、詳細情報画面定義選択部6が画面定義情報を選択する際には、運転員が機能階層図から選択した機能のみならず、機能階層図表示部5により提示された各機能の健全性に基づいて、他に健全性が損なわれている機能と監視画面との関連度を勘案して選択を行っても良い。例えば、図4に示す機能階層図42aにおいて、運転員が大機能2の詳細情報を要求した場合、健全性が損なわれている大機能2及び中機能Cにおける関連度を考慮して、関連する監視画面毎に関連度の加算を行うようにしても良い。
【0030】
その場合、図5に示すように、監視画面A−1については、1.0+0.2=1.2、監視画面A−2については0.5+1.0=1.5という結果が得られるため、監視画面A−2が優先して選択される。なお、関連度を単純に加算するのではなく、各関連度に係数を乗じた後に加算するようにしても良い。例えば、運転員が選択した機能に関してはより大きい係数を設定し、健全性が比較的損なわれていない機能に関してはより小さい係数を設定することにより、健全性が損なわれている度合いの大きい機能に関連する画面定義情報を優先して選択することができる。
【0031】
詳細情報表示部9は、詳細情報画面定義選択部6が選択した画面定義情報に基づいて、運転員が選択した機能に関連する詳細情報を画面に表示する。なお、表示装置は1台または複数台のいずれであっても良く、機能階層図表示部5による表示と詳細情報表示部9による表示は、1つの画面を切り替えて行っても良いし、2つの画面で別々に行っても良い。
【0032】
次に、プラント監視制御装置100による処理の流れについて、図6のフローチャートを用いて説明する。図6では、監視情報としてプラント機器200が出力した計測データを収集している。ステップ1(S1)において、監視情報収集部1は、計測データを収集する。続いてステップ2(S2)において、想定外事象判定部2は、S1で収集された計測データの中から異常値を検出し、ステップ3(S3)において、検出された異常が想定外事象であるか否かを判定する。
【0033】
S3において、想定外事象であると判定した場合(YES)、想定外事象判定部2は該想定外事象に関連している機能を特定し、ステップ4(S4)に進む。また、S3において、想定外事象ではないと判定した場合(NO)、ステップ5(S5)に進み、S2で検出した異常値に対する通常の処置すなわち復旧作業を行う。
【0034】
ステップ6(S6)において、S5の処置から所定時間経過後、S2の異常値が改善した場合、復旧したと判断し(YES)、処理を終了する。一方、S6において、所定時間経過後も異常値が改善せず、復旧しない場合(NO)には、これを想定外事象と判定し、該想定外事象に関連している機能を特定してS4に進む。
【0035】
続いてS4において、機能階層図選択部3は、該想定外事象に関連している機能を含む機構階層図を、機能階層図記憶部4から選択する。さらに、機能階層図表示部5は、選択された機能階層図を表示装置の画面に表示すると共に、該機能階層図に含まれる各機能の健全性を提示する。
【0036】
S4に続いて、ステップ7(S7)において、運転員は、マウスやキーボード、またはタッチデバイス等を用いて画面に表示された機能階層図から機能を選択し、該機能に関連する詳細情報を要求する。なお、この時、運転員は、機能階層図に含まれる全ての機能の詳細情報を要求することができるが、主に健全性が損なわれている機能やその原因であると推測される機能を選択する。
【0037】
続いてステップ8(S8)において、詳細情報画面定義選択部6は、詳細情報関連度記憶部8を参照して、詳細情報画面定義記憶部7に記録された画面定義情報からS7で選択された機能に関連する画面定義情報を選択する。さらに、ステップ9(S9)において、詳細情報表示部9は、S8で選択された画面定義情報に基づいて、運転員が選択した機能に関連する詳細情報を画面に表示する。運転員は、画面に表示された詳細情報に基づいて適切な処置を行い、想定外事態の収束を図る。
【0038】
以上のように、本実施の形態1に係るプラント監視制御装置100によれば、監視情報に基づいて検出した異常が想定外事象であると判定した場合に、該異常に関連している機能階層図を表示すると共に、該機能階層図に含まれる各機能の健全性を提示するようにしたので、運転員は、該想定外事象により健全性が損なわれている機能を迅速に把握することができ、その原因を容易に推測することができる。
【0039】
さらに、運転員は、表示された機能階層図から適切な詳細情報画面にアクセスすることができ、健全性が損なわれている機能を復旧させるために必要な詳細情報を速やかに収集し、想定外事象を迅速に収束させることができる。なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、プラントの監視及び制御を行う監視制御装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 監視情報収集部、2 想定外事象判定部、3 機能階層図選択部、
4 機能階層図記憶部、5 機能階層図表示部、6 詳細情報画面定義選択部、
7 詳細情報画面定義記憶部、8 詳細情報関連度記憶部、9 詳細情報表示部、
11、12、13、14 計算機、15 通信ネットワーク、
41、42、42a 機能階層図、100、101 プラント監視制御装置、
200、201、202 プラント機器、300 運転員。
図1
図2
図3
図5
図6
図7
図4