特許第6053670号(P6053670)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6053670
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】シート給送装置、及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 3/52 20060101AFI20161219BHJP
【FI】
   B65H3/52 330F
   B65H3/52 330M
   B65H3/52 330H
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-264686(P2013-264686)
(22)【出願日】2013年12月20日
(65)【公開番号】特開2015-120572(P2015-120572A)
(43)【公開日】2015年7月2日
【審査請求日】2015年10月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】土用 秀明
【審査官】 松井 裕典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−207910(JP,A)
【文献】 特開2003−300640(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00− 3/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚のシート部材を収容可能なシート収容部と、
前記シート収容部から前記シート部材が送り出される第1方向に直交する方向を回転軸として回転可能に支持され、前記シート部材に接触した状態で回転駆動されることによって前記シート収容部から送り出された前記シート部材に対して前記第1方向の給送力を付与する給送ローラーと、
前記給送ローラーの下方に設けられ、前記給送ローラーに接触してニップ部を形成した状態で前記シート収容部から送り出された複数枚のシート部材からなるシート束のうち最上位の前記シート部材以外の前記シート部材を前記ニップ部で分離するための分離ローラーと、
前記分離ローラーを回転可能に支持するとともに、前記給送ローラーよりも前記第1方向の下流側に位置する揺動軸を中心に、前記分離ローラーが前記給送ローラーに接触して前記ニップ部を形成可能な位置と前記分離ローラーが前記給送ローラーから離間する位置との間で揺動可能に支持されたホルダーと、
前記揺動軸が挿通される軸孔を有し、前記揺動軸が前記軸孔に挿通されることにより前記ホルダーを揺動可能に支持する支持部材と、
前記分離ローラーに設けられ、予め定められたトルク設定値以上のトルクを受けたときに前記分離ローラーをその回転軸に対して空転させるトルクリミッターと、
前記分離ローラーを前記給送ローラーに接触する方向へ前記ホルダーを付勢して前記ニップ部にニップ圧を付与する付勢手段と、を備え、
前記ニップ部に前記シート部材が進入する前の第1状態において、前記分離ローラーは前記給紙ローラーに従動回転し、
2枚以上からなる前記シート束が前記ニップ部に進入した第2状態において、前記分離ローラーは停止して最上位の前記シート部材から他のシート部材を分離し、
1枚のシート部材が前記ニップ部に進入した第3状態において、前記分離ローラーは停止するとともに、前記シート部材との接触面との間で摩擦振動を生じ、
前記支持部材は、複数種の前記シート部材に応じた位置に形成された複数の前記軸孔を有し、前記シート収容部に収容される前記シート部材に対応する前記軸孔に前記揺動軸が挿通されることにより、前記ホルダーは前記支持部材に揺動可能に支持されるシート給送装置。
【請求項2】
前記分離ローラーは、前記シート束におけるシート面に平行な方向に生じるシート間の第1摩擦力F1よりも大きく、前記第2状態及び前記第3状態において前記トルク設定値よりも小さい第2摩擦力F2を前記シート部材との間で生じさせる非線形復元力を有する弾性部材によって構成されている請求項1に記載のシート給送装置。
【請求項3】
前記給送ローラー及び前記分離ローラーの前記ニップ部を通り前記給送ローラーによって給送される前記シート部材の給送方向に延びる第1基準線L1と前記揺動軸との垂直距離をD1とし、前記給送ローラー及び前記分離ローラーそれぞれの回転軸を結ぶ第2基準線L2と前記揺動軸とを結ぶ垂直距離をD2と、前記トルク設定値をFt、前記付勢手段による付勢力をP0とした場合に、
前記第3状態で前記給送ローラーが回転駆動されて、前記シート部材を介して前記給送ローラーが前記分離ローラーに食い込んだときの前記ニップ部における食い込み力P1が、
1=P0+Ft×(D1/D2)
の関係を満たすように前記弾性部材の硬度が定められている請求項2に記載のシート給送装置。
【請求項4】
請求項1からのいずれかに記載のシート給送装置と、
前記シート給送装置によって搬送されるシート部材に画像を形成する画像形成部と、を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート収容部に収容されたシート部材を分離して給送するシート給送装置及びこれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンター、複写機、ファクシミリ、及びこれらの機能を備えた複合機などの画像形成装置には、印刷用紙などのシート部材を搬送するシート給送装置が備えられている。シート給送装置は、シート収容部に収容された最上位のシート部材をピックアップローラーよって給送方向へ送り出し、その下流側に位置する給送ローラーによって搬送路にシート部材を給送する。この種のシート給送装置においては、ピックアップローラーによって複数枚のシート部材がピックアップされて送り出される所謂重送が生じる場合がある。従来、重送を防止する機構として、給送ローラー(フィードローラー)に接触した状態で対向配置された分離パッドによる分離機構(特許文献1参照)や、給送ローラー(フィードローラー)に接触した状態で対向配置された分離ローラーによる分離機構(特許文献2参照)が知られている。
【0003】
ところで、ビジネスにおいて様々な様式のシート部材が取り扱われており、例えば、紙面に部分的に糊加工が施されたフォームシート(フォーム用紙)が多用されている。フォームシートは、印刷後に二つ折り又は三つ折りにされた後にメールシーラーと呼ばれるプレス機で圧接され、これにより糊加工部分が接着した状態で使用される。フォームシートは、公共料金等の各種請求書、金融機関や保険会社等の各種金額案内書、督促状、利用明細書などの秘匿性の高い通知書類の他、ダイレクトメール、くじ、給与明細書等、様々な用途に使用されている(特許文献3参照)。従来、この種のフォームシートは、印刷業者が必要事項を印刷用紙に印刷した後に、特殊な糊(感圧糊)を必要箇所に塗布して圧接する後糊圧着方式で作製されるのが一般的であった。しかしながら、近年、フォームシートのユーザー側では、必要事項をフォームシートにオンデマンドで印刷するニーズが高まっている。これに伴い、予め感圧糊が塗布されたフォームシートにユーザー所有の画像形成装置を用いて必要事項を印刷して、それをユーザーがメールシーラーで圧接する先糊圧着方式による作製のニーズが高まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−324815号公報
【特許文献2】特開平8−91610号公報
【特許文献3】特開平7−228077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記フォームシートは糊加工された部分を有するため、糊加工されていないシート部材に比べてシート間の摩擦力が大きい。また、数十枚から数百枚のフォームシートがシート収容部に収容されると、その重みによって糊加工部分が他のフォームシートに圧接され、上下に隣接するフォームシート同士が接着する場合がある。このようなフォームシートは、シート収容部から重送される可能性が高い。このため、分離ローラーによってシート部材を分離させる機構においては、フォームシートなどのようにシート間摩擦の大きいシート部材の重送を防止するために、分離ローラーに設けられたトルクリミッターのトルク設定値を大きくすることが考えられる。しかしながら、前記トルク設定値を大きくすると、給送ローラーと分離ローラーとのニップ部に1枚のシート部材が進入した場合でも分離ローラーの回転が停止する場合がある。この場合、シート部材の給送時に分離ローラーの表面がシート部材に対して常に摺動するため、分離ローラーの摩耗が促進され、分離ローラーの耐用寿命が短くなるという問題がある。
【0006】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シート部材の重送を簡単な構成で確実に防止するとともに分離ローラーの摩耗を抑制することが可能なシート給送装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の局面に係るシート給送装置は、シート収容部と、給送ローラーと、分離ローラーと、支持部材と、トルクリミッターと、付勢手段と、を備える。前記シート収容部は、複数枚のシート部材を収容可能に構成されている。前記給送ローラーは、前記シート収容部から前記シート部材が送り出される第1方向に直交する方向を回転軸として回転可能に支持されている。この給送ローラーは、前記シート部材に接触した状態で回転駆動されることによって前記シート収容部から送り出された前記シート部材に対して前記第1方向の給送力を付与する。前記分離ローラーは、前記給送ローラーの下方に設けられている。この分離ローラーは、前記給送ローラーに接触してニップ部を形成した状態で前記シート収容部から送り出された複数枚のシート部材からなるシート束のうち最上位の前記シート部材以外の前記シート部材を前記ニップ部で分離する。前記支持部材は、前記分離ローラーを回転可能に支持する。また、この支持部材は、前記給送ローラーよりも前記第1方向の下流側に位置する揺動軸を中心に、前記分離ローラーが前記給送ローラーに接触して前記ニップ部を形成可能な位置と前記分離ローラーが前記給送ローラーから離間する位置との間で揺動可能に支持されている。前記トルクリミッターは、前記分離ローラーに設けられ、予め定められたトルク設定値以上のトルクを受けたときに前記分離ローラーをその回転軸に対して空転させる。前記付勢手段は、前記分離ローラーを前記給送ローラーに接触する方向へ前記支持部材を付勢して前記ニップ部にニップ圧を付与する。前記ニップ部に前記シートが進入する前の第1状態において、前記分離ローラーは前記給紙ローラーに従動回転し、2枚以上からなる前記シート束が前記ニップ部に進入した第2状態において、前記分離ローラーは停止して最上位の前記シートから他のシートを分離し、1枚のシートが前記ニップ部に進入した第3状態において、前記分離ローラーは停止するとともに、前記シートとの接触面との間で摩擦振動を生じる。
【0008】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、前記シート給送装置と、前記シート給送装置によって搬送されるシート部材に画像を形成する画像形成部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、シート部材の重送を簡単な構成で確実に防止することが可能であり、しかも、分離ローラーの摩耗を抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示す画像形成装置の内部構成を示す模式図である。
図3図3は、図1に示す画像形成装置の給紙装置の構成を示す拡大図である。
図4図4は、図3に示す給紙装置の各構成要素の位置関係を示す模式図である。
図5図5は、糊付け加工されたフォームシートの一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明を具体化した一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態は適宜変更できる。
【0012】
図1及び図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置10の構成を示す図である。ここで、以下の説明においては、画像形成装置10が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として上下方向6を定義し、手前側(正面側)を前として前後方向7を定義し、画像形成装置10を手前側(正面側)から見て左右方向8を定義する。
【0013】
[画像形成装置10]
図1に示されるように、画像形成装置10は、本発明の画像形成装置の一例であって、入力された画像をトナーなどの印刷材料を用いて、シート部材に印刷するプリンターである。なお、画像形成装置10は印刷機能のみを有するプリンターに限られない。例えば、プリンターやファクシミリ、複写機、或いはこれらの各機能を兼ね備えた複合機などであっても、本発明は適用可能である。
【0014】
画像形成装置10は、不図示のネットワーク通信部を介して外部から入力された画像データに基づいて、シート部材に画像を印刷する。図1及び図2に示されるように、画像形成装置10は、主として、電子写真方式の画像形成部18と、定着部19と、給紙装置15(本発明のシート給送装置の一例)と、搬送ローラー44と、画像形成装置10を統括的に制御する制御部(不図示)と、排紙部21とを備えている。これらは、画像形成装置10の外枠のカバーや内部フレームを構成する筐体14に設けられている。
【0015】
図2に示されるように、給紙装置15は、画像形成装置10の最下部に設けられている。給紙装置15は、給紙トレイ50(本発明のシート収容部の一例)と、ピックアップローラー51と、フィードローラー52(本発明の給送ローラーの一例)と、リタードローラー53(本発明の分離ローラーの一例)と、を備えている。
【0016】
給紙トレイ50は、画像形成部18によって画像が形成されるシート部材を収容するものであり、筐体14に支持されている。本実施形態では、筐体14によって給紙トレイ50が前後方向7にスライド可能に支持されている。これにより、給紙トレイ50は、筐体14に収容された位置と筐体14から前方へ引き出された位置との間で移動可能となる。
【0017】
給紙トレイ50は、底面を有する矩形状の箱形に形成されている。給紙トレイ50の内部に複数枚のシート部材が収容可能である。給紙トレイ50の底面には、リフト板54が設けられており、このリフト板54は、後端部側を基点として前端部が上昇可能に支持されている。前記制御部によってモーターが駆動制御されるなどしてリフト板54に駆動力が入力されると、リフト板54の上昇が開始され、給紙トレイ50内の最上位のシート部材が給送可能な給送位置まで上昇される。給紙トレイ50の上方には不図示のセンサーが設けられており、リフト板54が前記給送位置まで上昇すると、前記制御部は、前記センサーの出力信号を受けてリフト板53の上昇を停止する。なお、給紙トレイ50におけるシート部材の積載量が減少して最上位のシート部材の位置が低下すると、再びリフト板54が上昇されて前記給送位置で停止される。このようなリフト板54の上昇制御が行われることにより、給紙トレイ50内の最上位のシート部材は常に前記給送位置に配置される。
【0018】
給紙トレイ50には、画像形成装置10で画像形成可能なシート部材が収容される。詳細には、フィードローラー52によって一枚ずつ給送可能なシート状のシート部材が給紙トレイ50に収容される。給紙装置15に適用されるシート部材の具体例としては、所謂普通紙(Plain Paper)やコート紙、はがき、光沢紙、更には、加工シートの一例であるフォームシート90(図5参照)がある。本実施形態の給紙装置15は、いずれの種類のシート部材が収容された場合でも、給紙トレイ50からシート部材を重送することなく確実に分離して給送することができるように構成されている。
【0019】
ここで、図5に例示するフォームシート90について説明する。以下、図5(A)に示される面を表面と称し、図5(B)に示される面を裏面と称する。フォームシート90は、展開した状態でA4サイズの大きさであり、その厚みは、普通紙と同程度である。例えば、フォームシート90は、坪量が60g/m〜200g/m2の範囲内ものである。図5に示されるように、フォームシート90は、長手方向に均等に三つ折り可能なように短手方向に延びる折り用ミシン目91,92を有している。フォームシート90の表面において、折り用ミシン目91が山折りにされ、折り用ミシン目92が谷折りにされて、三つ折りにされる。フォームシート90において、三つ折りされたときに互いに当接する当接面の周縁に沿って糊付け加工が施されている。具体的には、前記当接面の周縁に、細幅形状の複数の糊付け部96と、矩形状の複数の糊付け部97とが適宜配置されている。糊付け部96,97は、感圧糊が塗布された部分であり、三つ折りにされた状態でメールシーラーと称されるプレス機械で高圧プレスされることにより、フォームシート90は封書状態に変形される。なお、封書状態にされた後に再び展開できるように、フォームシート90の周囲や折り用ミシン目92の付近には、切り取り用ミシン目93が形成されている。
【0020】
図2に示されるように、ピックアップローラー51、フィードローラー52、及びリタードローラー53は、給紙トレイ50の前方部の上側に設けられている。ピックアップローラー51、フィードローラー52、及びリタードローラー53によって、給紙トレイ50からシート部材を給送する給送機構が構成されている。
【0021】
ピックアップローラー51は、給紙ホルダー55に回転可能に支持されている。ピックアップローラー51は、左右方向8に延びる回転軸51A(図3参照)を中心に備えており、この回転軸51Aが給紙ホルダー55に回転可能に支持されている。図3に示されるように、給紙トレイ50の上方に位置するように給紙ホルダー55に支持されている。詳細には、ピックアップローラー51は、そのローラー面が給紙トレイ50に収容された最上位のシート部材に当接する位置に配置されている。所定の回転駆動力が回転軸51Aに入力してピックアップローラー51が回転駆動されると、ピックアップローラー51はリフト板54により押し上げられたシート部材のうち最上位のシート部材に接触摩擦による給送力を付与する。これにより、ピックアップローラー51は、ピックアップローラー51による送り出し方向(本発明の第1方向の相当)の下流側のフィードローラー52へ向けてシート部材を送り出す。
【0022】
フィードローラー52は、ピックアップローラー51の回転軸51A(図3参照)と平行な回転軸52A(図3参照)を備える。回転軸51Aは、筐体14の内部フレームに回転可能に支持されている。言い換えると、フィードローラー52は、ピックアップローラー51による送り出し方向に直交する方向を回転軸52Aとして回転可能に支持されている。本実施形態では、給紙ホルダー55が回転軸52Aの両端部で揺動可能に支持されている。つまり、回転軸52Aが給紙ホルダー55の揺動軸を兼ねている。図3に示されるように、フィードローラー52は、ピックアップローラー51に対して前記送り出し方向の下流側に配置されている。このため、給紙ホルダー55は回転軸52Aに支持されることにより、回転軸52Aを中心にしてピックアップローラー51側が揺動可能になる。具体的には、給紙ホルダー55は、ピックアップローラー51のローラー面が最上位のシート部材に対して接離する方向へ揺動可能になる。フィードローラー52は、そのローラー面がピックアップローラー51により送り出されたシート部材に当接する位置に配置されている。モーターからの回転駆動力が回転軸52Aに入力してフィードローラー52が回転駆動されると、フィードローラー52は、ピックアップローラー51により送り出されたシート部材に接触摩擦による給送力を付与して、そのシート部材を下流側の第1搬送路26に給送する。なお、フィードローラー52の回転軸52Aとピックアップローラー51の回転軸51Aとの間にはギヤ又はベルトなどによる伝達機構が介在されており、モーターから回転軸52Aに入力された回転駆動力は、前記伝達機構を介して回転軸51Aに伝達される。
【0023】
リタードローラー53は、フィードローラー52の下方に設けられている。リタードローラー53は、後述するホルダー60によって支持される。ホルダー60によって支持されることにより、リタードローラー53は、フィードローラー52のローラー面と接触して、フィードローラー52との間でニップ部79(図3参照)を形成する。このリタードローラー53は、ピックアップローラー51によって一度に複数枚のシード部材が送り出されたときに、その複数枚のシート部材のうち最上位置のシート部材から他のシート部材を分離させる用途として用いられる。なお、リタードローラー53及びその支持機構については後述する。
【0024】
リタードローラー53の外周には、所定の硬度の弾性部材58が設けられている。この弾性部材58は、フィードローラー52の表面の硬度よりも小さく、例えば、JIS規格に定めるデュロメータタイプA型のゴム硬度計による測定値が25度〜50度の範囲内の弾性力を有するウレタンゴムで構成されている。つまり、リタードローラー53の外周面は、フィードローラー52の表面よりも柔らかくて弾性を有する素材で形成されている。なお、硬度25度〜50度の範囲内に属するものであれば、ウレタンゴム以外の材質、例えば、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、シリコンスポンジなどを適用してもよい。
【0025】
リタードローラー53の内部には、トルクリミッター74が設けられている。トルクリミッター74は、リタードローラー53の回転軸53Aに取り付けられている。トルクリミッター74は、リタードローラー53の回転軸53Aが予め定められたトルク設定値Ft以上のトルクを受けたときに、回転軸53Aに対してリタードローラー53を空転させる。
【0026】
画像形成装置10に対してシート部材の給送動作を開始する指示が入力されると、フィードローラー52及びピックアップローラー51が回転駆動されて、給紙トレイ50からシート部材が給送される。ピックアップローラー51によって給紙トレイ50から送り出されたシート部材がフィードローラー52によって給送可能な位置に到達すると、シート部材はフィードローラー52によって更に前記送り出し方向の下流側へ給送される。そして、フィードローラー52よりも下流側に配置された搬送ローラー44にシート部材が到達すると、そのタイミングでピックアップローラー51及びフィードローラー52の回転は停止される。その後、シート部材は、搬送ローラー44のみによって第1搬送路26(図2参照)を搬送される。なお、ピックアップローラー51及びフィードローラー52には一方向の回転のみを伝えるワンウェイクラッチが設けられている。そのため、搬送ローラー44のみによってシート部材が搬送される際に、シート部材とピックアップローラー51及びフィードローラー52とが接触していても、その接触摩擦によってピックアップローラー51及びフィードローラー52は空転する。
【0027】
第1搬送路26の終端近傍に画像形成部18が設けられている。画像形成部18は、外部から入力された画像データに基づいて、シート部材にトナー画像を形成する。具体的には、画像形成部18は、トナーを用いてシート部材にトナー像を転写する。画像形成部18は、図2に示されるように、感光体ドラム31と、帯電部32と、現像部33と、転写部35と、クリーニング部36と、露光部としてのLSU(Laser ScannerUnit)34とを備えている。画像形成動作が開始されると、帯電部32によって感光体ドラム31の表面が一様の電位に帯電される。また、LSU34から帯電した感光体ドラム31に対して画像データに応じてレーザー光が走査される。これにより、感光体ドラム31に静電潜像が形成される。その後、現像部33によって静電潜像にトナーが付着されて、感光体ドラム31にトナー像が現像される。そして、第1搬送路26を搬送ローラー44によって搬送されてきたシート部材に、前記トナー像が転写部35によって転写される。トナー像が形成されたシート部材は、画像形成部18よりもシート部材の搬送方向下流側に形成された第2搬送路27に搬送される。
【0028】
第2搬送路27は画像形成装置10の後方へ延びており、その終端に定着部19が設けられている。画像形成部18から第2搬送路27へ送り出されたシート部材は、第2搬送路27を通って定着部19に搬送される。定着部19は、シート部材に転写されたトナー像を熱と圧力によってそのシート部材に定着させるものであり、加熱ローラー41と加圧ローラー42とを備える。加熱ローラー41は、定着動作時にヒーターなどの加熱装置によって高温に加熱される。シート部材が定着部19を通過する際に定着部19の加熱ローラー41によってトナーが加熱溶融され、更に加圧ローラー42によって加圧される。これにより、トナー像がシート部材に定着して、シート部材に画像が形成される。定着部19によって画像が定着されたシート部材は、定着部19よりもシート部材の搬送方向下流側に形成された第3搬送路28に搬送される。
【0029】
第3搬送路28は、定着部19から上方へ湾曲されてから鉛直上方へまっすぐに延び、更に前方側へ湾曲されて用紙排出口22に至っている。つまり、第3搬送路28は、定着部19から用紙排出口22までの間に形成されている。第3搬送路28には、回転駆動される複数の排紙ローラー対23が設けられている。第3搬送路28に搬送されたシート部材は、回転駆動される排紙ローラー対23によって第3搬送路28を通って上方へ搬送されて、用紙排出口22から画像形成装置10の上面に設けられた排紙部21へ排出される。
【0030】
以下、図3及び図4を参照して、リタードローラー53及びその支持機構の詳細について説明する。
【0031】
図3に示されるように、給紙装置15は、リタードローラー53を支持するホルダー60と、ホルダー60に付勢力を付与するコイルバネ72(本発明の付勢手段の一例)と、を備えている。
【0032】
ホルダー60は、リタードローラー53を回転可能に軸支する。具体的には、ホルダー60は、リタードローラー53を収容するとともに、回転可能に支持する収容部61を有する。リタードローラー53は、ピックアップローラー51やフィードローラー52の軸方向と同じ方向に延びる回転軸53Aを有しており、収容部61の左右方向8の側壁63に設けられた軸孔(不図示)に回転軸53Aが支持されている。ホルダー60は、収容部61からフィードローラー52による給送方向下流側に延びるアーム64を有する。アーム64の下流側の先端部64Aには、揺動軸65が形成されている。つまり、揺動軸65は、フィードローラー52よりもその給送方向の下流側に位置している。揺動軸82は、後述する軸孔82A,82B,82Cのいずれか一つに挿通されている。これにより、ホルダー60は、揺動軸65を中心にして揺動可能に支持される。本実施形態では、ホルダー60は、リタードローラー53がフィードローラー52に接触してニップ部79を形成可能な第1揺動位置(図3及び図4において実線で示される位置)と、リタードローラー53がフィードローラー52から離間可能な第2揺動位置(図3及び図4において破線で示される位置)との間で揺動可能に支持される。
【0033】
筐体14(図2参照)の内部フレームの一部を構成する支持部材81の側壁81Aに軸孔82A,82B,82Cが形成されている。支持部材81は、第1搬送路26におけるリタードローラー53側の搬送ガイド(不図示)の一部を構成するものであり、前記搬送ガイドと一体に形成されている。例えば、支持部材81は、前記搬送ガイドの底面の中央に設けられた凹陥部であり、その凹陥部の両側面が前記側壁81Aとして構成される。もちろん、支持部材81は、前記搬送ガイドとは別の部材として筐体14に設けられていてもよい。軸孔82A,82B,82Cは、揺動軸65が挿通されて支持される部分である。軸孔82A,82B,82Cは、支持部材81の側壁81Aにおいて、概ね上下方向6に並ぶように一列に形成されている。本実施形態では、揺動軸65は軸孔82Bに挿通されている。
【0034】
軸孔82A,82B,82Cの位置は、フィードローラー52との接触により従動回転するリタードローラー53にフィードローラー52が食い込もうとする食い込み力Pを決定する要素である。ここで、前記食い込み力Pは、リタードローラー53がその回転軸53Aとは異なる位置にある揺動軸65によって揺動可能に保持されている構成において、フィードローラー52が回転駆動されるときに生じる力である。具体的には、図3において矢印方向85にフィードローラー52が回転駆動されると、トルクリミッター74によるトルクが作用しているリタードローラー53との間に接触による摩擦力F0(図4参照)が生じる。この摩擦力F0は、フィードローラー52とリタードローラー53とが直接に接触しているときの摩擦力だけでなく、フィードローラー52とリタードローラー53との間にシート部材が介在した状態で前記シート部材に生じる摩擦力を含む。そして、その摩擦力F0におけるホルダー60の回動方向の分力がリタードローラー53をフィードローラー52側へ押しつけるように作用する。この押しつけ力が、後述するコイルバネ72の付勢力Pと合わさって前記食い込み力P図4参照)としてフィードローラー52とリタードローラー53との間に作用する。
【0035】
なお、フィードローラー52に対するリタードローラー53の接触位置や、ホルダー60の揺動軸65の位置などの要素によって前記摩擦力の分力が変わる。そのため、前記食い込み力Pも、フィードローラー52に対するリタードローラー53の接触位置や、ホルダー60の揺動軸65の位置などによって変わる。本実施形態では、軸孔82A,82B,82Cのいずれかに揺動軸65が挿通可能に構成されている。そのため、ホルダー60の取付作業時に揺動軸65の挿通位置を適宜変更することにより、前記食い込み力Pを任意の大きさとなるように調整可能である。本実施形態では、前記食い込み力Pは、揺動軸65が軸孔82Bに挿通された状態よりも軸孔82Cに挿通された状態のときのほうが小さく、軸孔82Aに挿通された状態のときのほうが大きくなるように、軸孔82A,82B,82Cの位置やホルダー60の形状などが定められている。
【0036】
支持部材81には、コイルバネ72を支持する突起83を有する。突起83は、支持部材81から後方へ突出している。突起83にコイルバネ72の一方端が支持される。コイルバネ72は突起83に支持された状態で後方へ延出されている。そして、その延出端がホルダー60に設けられたバネ座62に当接している。バネ座62は、例えば、ホルダー60に形成された凹陥部であり、この凹陥部にコイルバネ72の前記延出端が入り込んだ状態で保持されている。本実施形態では、コイルバネ72は、所謂圧縮バネとして用いられる。したがって、コイルバネ72は、自然長から圧縮された状態で、突起83とバネ座62との間で保持されている。これにより、コイルバネ72は、ホルダー60を後方へ付勢する力を付与するとともに、その力の分力Pによってホルダー60を前記第2揺動位置から前記第1揺動位置へ向かう方向(後述の線分L2の方向)へ付勢する。つまり、コイルバネ72は、リタードローラー53をフィードローラー52に接触する方向へ向けて付勢力Pで弾性的に付勢する。この付勢力Pによって、ニップ部79にニップ圧が付与される。なお、本実施形態では、付勢力Pが95gfとなるようにコイルバネ72のバネ力が定められている。
【0037】
ここで、図4に示されるように、アーム64は、ホルダー60が前記第1揺動位置にあるときに、リタードローラー53から見て前方斜め上方へ向けて延びている。詳細には、アーム64は、前記第1揺動位置を基準に、水平方向に対して傾斜角θ1を成す方向へ延出している。傾斜角θ1は、5度から15度の範囲に設定される。また、ホルダー60が前記第1揺動位置にあるときに、リタードローラー53の回転軸53Aとフィードローラー52の回転軸52Aとを結ぶ線分L2(第2基準線L2)は、回転軸52Aの中心を通る鉛直方向に対して前記送り出し方向に傾斜角θ2傾斜している。つまり、鉛直方向に対して線分L2が傾斜角θ2となるように、リタードローラー53とフィードローラー52とが互いに線分L2の方向に接触している。傾斜角θ2は、5度から15度の範囲に設定される。本実施形態では、傾斜角θ1と傾斜角θ2とは概ね同じ角度に設定されている。
【0038】
また、ホルダー60、リタードローラー53、及びトルクリミッター74の総荷重は、前記線分L2の方向にかかる荷重Pmが前記付勢力Pよりも小さくなるように定められている。具体的には、前記総荷重は、Pm≦0.25Pを満たす重さに設計されている。本実施形態では、荷重Pmが15〜20gfとなるように前記総荷重や傾斜角θ1などが定められている。
【0039】
また、前記第1揺動位置を基準にして、軸孔82Bで支持された揺動軸65の中心と回転軸53Aの中心までの離間距離D2は30.3mmに設定されている。また、軸孔82Bで支持された揺動軸65の中心とニップ部79を通り線分L2に直交する方向に沿って延びる線分L1(第1基準線L1)との離間距離D1は8.8mmに設定されている。また、トルクリミッター74のトルク設定値Ftは480gcmに設定されている。また、上述したようにコイルバネ72によるニップ部79への付勢力Pは95gfに設定されている。なお、リタードローラー53の外径寸法はトルク設定値Ft以上のトルクを受けたときに空転し得るサイズに設定されていればよい。本実施形態では、例えば、半径10mmに設定されている。
【0040】
上述した各要素(傾斜角θ1,θ2、離間距離D1,D2、トルク設定値Ft、荷重Pm、付勢力P0)の設定値は、給紙トレイ50に収容された複数枚のフォームシート90(図5参照)に対して給送動作が行われた際に、フォームシート90が重送せずにリタードローラー53によって確実に分離することを可能にするための設定値である。このような具体的構成に対して、本実施形態では、前記各設定値に加えて、リタードローラー53の弾性部材58は、シート面に平行な方向に生じるフォームシート90間の摩擦力F1(本発明の第1摩擦力に相当)よりも大きく、トルクリミッター74の前記トルク設定値Ftよりも小さい摩擦力F2(本発明の第2摩擦力に相当)をフォームシート90との間で生じさせる弾性を有する。弾性部材58は、押圧された時の復元力が非線形となる素材で構成されている。本実施形態では、弾性部材58は、上述したように、前記ゴム硬度計による測定値が25度〜50度の素材で構成されている。このため、リタードローラー53の弾性部材58がフォームシート90を介してフィードローラー52によって押圧されたときに、弾性部材58は、前記摩擦力F2をフォームシート90との間で生じさせる非線形の復元力(非線形復元力)を発揮する。なお、前記摩擦力F2は、フィードローラー52とリタードローラー53との間のニップ部79にシート部材が介在した状態でフィードローラー52が前記シート部材に付与する給送力よりも小さい値に定められている。
【0041】
更に、本実施形態では、加工シートであるフォームシート90(図5参照)がフィードローラー52とリタードローラー53とのニップ部79に位置した状態でフィードローラー52が回転駆動されたときに、フォームシート90を介してフィードローラー52がリタードローラー53に食い込んだときの前記食い込み力Pが、前記付勢力P、前記トルク設定値Ft、離間距離D1、及び離間距離D2を用いて表される以下の関係式を満たすよう、前記設定値がそれぞれ定められている。
【0042】
=P+Ft×(D1/D2)
【0043】
このように給紙装置15が構成されているため、ニップ部79にフォームシート90が進入する前の状態(第1状態)において、フィードローラー52が回転されると、リタードローラー53はフィードローラー52との接触摩擦によって前記トルク設定値Ft以上の力が付与されて、フィードローラー52に従動して回転する。また、ピックアップローラー51によって複数枚のフォームシート90が束になって送り出されてニップ部79に進入した状態(第2状態)では、リタードローラー53とフォームシート90とが接触したときの前記摩擦力F2がトルクリミッター74の前記トルク設定値Ftよりも小さいので、リタードローラー53は空転せずに停止する。一方、前記摩擦力F2は、フォームシート90間に生じる前記摩擦力F1よりも大きいため、フィードローラー52側の最上位のフォームシート90から他のフォームシート90が分離され、最上位のフォームシート90だけがフィードローラー52によって給送される。これにより、フォームシート90同士を確実に分離させることができる。
【0044】
更にまた、1枚のフォームシート90だけがニップ部79に進入した状態(第3状態)では、前記摩擦力F2が前記トルク設定値Ftよりも小さいので、この場合も、リタードローラー53は空転せずに停止する。一方、フィードローラー52がフォームシート90に与える給送力が前記摩擦力F2よりも大きいため、フォームシート90は給送される。このとき、リタードローラー53はフォームシート90の接触面に対して滑る。そして、本実施形態では、上述したように傾斜角θ1,θ2、離間距離D1,D2、トルク設定値Ft、荷重Pm、付勢力Pが定められているため、リタードローラー53はフォームシート90の接触面との間で摩擦振動を生じる。この摩擦振動は、静摩擦と動摩擦が非線形に切り替わるために起きる現象であり、スティックスリップ現象とも称されている。かかる摩擦振動は非線形振動であり、本実施形態の構成において、上述した食い込み力Pが加振力としてフォームシート90に付与されることにより生じる。このような摩擦振動がリタードローラー53のローラー面に生じるため、リタードローラー53にかかる摩擦力が非線形に変動する。これにより、一定の摩擦力でフォームシート90の接触面を摺動する場合に比べて、リタードローラー53の弾性部材58の摩耗が抑制される。
【0045】
なお、本実施形態ではフォームシート90がニップ部79に給送された例について説明したが、フォームシート90に関わらず、シート状のシート部材がニップ部79に給送された場合も、シート部材とリタードローラー53との間で前記摩擦振動は生じうる。
【0046】
また、本実施形態では、傾斜角θ1,θ2、離間距離D1,D2の具体的な設定値を特定した構成について適用される弾性部材58を例示したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、弾性部材58とフォームシート90との間の摩擦力F2が、前記摩擦力F1よりも大きく、前記トルク設定値Ftよりも小さく、そして、前記摩擦振動が生じ得るように、弾性部材58の硬度を含む上述の各要素の設定値が定められており、フィードローラー52やリタードローラー53などが構成されていればよい。
【符号の説明】
【0047】
10:画像形成装置
15:給紙装置
18:画像形成部
19:定着部
22:用紙排出口
26:第1搬送路
29:反転搬送路
44:搬送ローラー
50:給紙トレイ
51:ピックアップローラー
52:フィードローラー
53:リタードローラー
58:弾性部材
60:ホルダー
74:トルクリミッター
79:ニップ部
図1
図2
図3
図4
図5