特許第6053721号(P6053721)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6053721電解質およびその製造方法、電解質を形成するのに用いる組成物、ならびにそれを含むコンデンサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6053721
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】電解質およびその製造方法、電解質を形成するのに用いる組成物、ならびにそれを含むコンデンサ
(51)【国際特許分類】
   H01G 9/028 20060101AFI20161219BHJP
   C08G 61/12 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   H01G9/02 331G
   C08G61/12
【請求項の数】7
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2014-112229(P2014-112229)
(22)【出願日】2014年5月30日
(65)【公開番号】特開2015-95651(P2015-95651A)
(43)【公開日】2015年5月18日
【審査請求日】2014年5月30日
(31)【優先権主張番号】201310556296.0
(32)【優先日】2013年11月11日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】390023582
【氏名又は名称】財團法人工業技術研究院
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
(73)【特許権者】
【識別番号】514136510
【氏名又は名称】駿瀚生化股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 和子
(74)【代理人】
【識別番号】100107560
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 惣一郎
(72)【発明者】
【氏名】葉 國良
(72)【発明者】
【氏名】張 學明
(72)【発明者】
【氏名】李 豐存
(72)【発明者】
【氏名】魏 家祥
【審査官】 小池 秀介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−053302(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/014692(WO,A1)
【文献】 特開平11−312626(JP,A)
【文献】 特開2005−039276(JP,A)
【文献】 特開2008−227399(JP,A)
【文献】 特開2003−147055(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 9/02−9/022
9/028−9/035
C08G 61/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性高分子 (conductive polymer)、鉄イオン、補助金属イオン(auxiliary metal cation)、およびp−トルエンスルホン酸アニオン (p−toluenesulfonic acid anion)を含む電解質であって、前記補助金属イオンが、コバルトイオン(cobalt cation)、ニッケルイオン(nickel cation)、亜鉛イオン(zinc cation)、マンガンイオン(manganese cation)、またはこれらの組み合わせであり、かつ、前記導電性高分子が、一般式(I)で示される構造を有するモノマーが重合してなるものである、電解質。
【化1】
(式中、XおよびXはそれぞれ独立してOまたはSであり、Yは
【化2】
であり、各Rはそれぞれ独立して水素またはC1−6アルキル基である。)
【請求項2】
前記電解質がアルミニウムイオンをさらに含む請求項1に記載の電解質。
【請求項3】
前記モノマーが下式で示されるものである請求項1または2に記載の電解質。
【化3】
【請求項4】
電解質を形成するのに用いる組成物であって、
p−トルエンスルホン酸鉄 (iron p−toluenesulfonate)と、
p−トルエンスルホン酸コバルト (cobalt p−toluenesulfonate)、p−トルエンスルホン酸ニッケル (nickel p−toluenesulfonate)、p−トルエンスルホン酸亜鉛(zinc p−toluenesulfonate)、p−トルエンスルホン酸マンガン(manganese p−toluenesulfonate)、またはこれらの組み合わせである補助p−トルエンスルホン酸金属塩 (auxiliary p−toluenesulfonate salt)と、
一般式(I)で示される構造を有するモノマーと、
を含み、
前記p−トルエンスルホン酸鉄と前記補助p−トルエンスルホン酸金属塩との重量比が19000から190である、
電解質を形成するのに用いる組成物。
【化4】
(式中、XおよびXはそれぞれ独立してOまたはSであり、Yは
【化5】
であり、各Rはそれぞれ独立して水素またはC1−6アルキル基である。)
【請求項5】
前記p−トルエンスルホン酸鉄および前記補助p−トルエンスルホン酸金属塩と前記モノマーとの重量比が0.4から2である請求項4に記載の電解質を形成するのに用いる組成物。
【請求項6】
p−トルエンスルホン酸アルミニウム (aluminum p−toluenesulfonate)をさらに含む請求項4または5に記載の電解質を形成するのに用いる組成物。
【請求項7】
コンデンサ素子と、
前記コンデンサ素子上に形成される請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解質と、を含、コンデンサ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解質、その製造方法、電解質を形成するのに用いる組成物、およびそれを含むコンデンサに関する。
【背景技術】
【0002】
コンデンサは、各種電子機器に広く用いられている電子素子である。科学技術の発展、電子機器の小型化・軽量化に伴い、それらに用いられるコンデンサには小型化・大容量・高周波数使用下での低抵抗などといった特性が要求される。
【0003】
コンデンサは電解質のタイプによって従来型の液体コンデンサと新たに開発された固体コンデンサとに分けることができる。従来型の液体コンデンサは、比較的低コストで大容量の要求を満たすことができるが、使用する電解液が液体であるため、導電率が比較的低く、高温への耐性に欠けるなどの欠点が存在する。液体電解液に水素吸収剤を添加してコンデンサ破裂の可能性を低くすることができるが、根本的な問題の解決にはなっていない。
【0004】
固体電解質は導電性高分子(conductive polymer)からなり、導電性高分子は、従来型の電解質コンデンサに用いられる液体電解液よりも導電率が高く、かつ適度な高温絶縁化の特性を有する。目下のところ、固体コンデンサの製造においては、一般に反応性モノマー(例えば3,4−エチレンジオキシチオフェン(3,4−ethylenedioxythiophene,EDOT))および鉄塩酸化剤(例えばp−トルエンスルホン酸鉄 (iron p−toluenesulfonate,FePTS)を用いて重合を行い、導電性高分子を得ている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の鉄塩酸化剤を用いて重合反応を進行させ得られる導電性高分子は重合度が高くないため、それを含む固体コンデンサが比較的高い誘電正接(dissipation factor,DF)および等価直列抵抗(equivalent series resistance,ESR)を有することとなってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、導電性高分子 (conductive polymer)、鉄イオン、補助金属イオン(auxiliary metal cation)、およびp−トルエンスルホン酸アニオン (p−toluenesulfonic acid anion)を含む電解質であって、該補助金属イオンがコバルトイオン(cobalt cation)、ニッケルイオン(nickel cation)、銅イオン(copper cation)、亜鉛イオン(zinc cation)、カルシウムイオン(calcium cation)、マンガンイオン(manganese cation)、またはこれらの組み合わせであり、かつ、該導電性高分子が、一般式(I)で示される構造を有するモノマーが重合してなるものである、電解質を提供する。
【0007】
【化1】
(式中、XおよびXはそれぞれ独立してOまたはSであり、Yは
【化2】
であり、各Rはそれぞれ独立して水素またはC1−6アルキル基である。)
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、本発明は、上記電解質を形成するのに用いる組成物であって、p−トルエンスルホン酸鉄 (iron p−toluenesulfonate)と、p−トルエンスルホン酸コバルト (cobalt p−toluenesulfonate)、p−トルエンスルホン酸ニッケル(nickel p−toluenesulfonate)、p−トルエンスルホン酸銅(copper p−toluenesulfonate)、p−トルエンスルホン酸亜鉛(zinc p−toluenesulfonate)、p−トルエンスルホン酸カルシウム (calcium p−toluenesulfonate)、p−トルエンスルホン酸マンガン(manganese p−toluenesulfonate)、またはこれらの組み合わせである補助p−トルエンスルホン酸金属塩(auxiliary p−toluenesulfonate salt)と、一般式(I)で示される構造を有するモノマーと、を含む組成物も提供する。
【0009】
【化3】
(式中、XおよびXはそれぞれ独立してOまたはSであり、Yは
【化4】
であり、各Rはそれぞれ独立して水素またはC1−6アルキル基である。)
【0010】
本発明の別の実施形態によれば、本発明は電解質の製造方法をも提供し、該方法は、p−トルエンスルホン酸鉄と、補助p−トルエンスルホン酸金属塩と、モノマーとを混合し、重合反応を進行させる工程を含み、該補助p−トルエンスルホン酸金属塩は、p−トルエンスルホン酸コバルト、p−トルエンスルホン酸ニッケル、p−トルエンスルホン酸銅、p−トルエンスルホン酸亜鉛、p−トルエンスルホン酸カルシウム、p−トルエンスルホン酸マンガン、またはこれらの組み合わせであり、かつ該モノマーは一般式(I)で示される構造を有する。
【0011】
【化5】
【0012】
式中、XおよびXはそれぞれ独立してOまたはSであり、Yは
【化6】
であり、各Rはそれぞれ独立して水素またはC1−6アルキル基である。
【0013】
本発明のその他の実施形態によれば、本発明はコンデンサも提供し、該コンデンサは、コンデンサ素子と、コンデンサ素子上に形成される電解質と、を含んでいてよく、電解質は、上述した電解質を形成するのに用いる組成物を該コンデンサ素子上に塗布することにより形成される。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、電解質、それを形成するのに用いる組成物、およびその応用を開示する。当該電解質の特徴は、特定の酸化剤を用いてモノマー(例えば3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT))に酸化重合反応を進行させることにある。該特定の酸化剤は、有機スルホン酸鉄の他、さらに有機スルホン酸金属塩を含み、モノマーの鉄イオンにおける酸化重合反応を補助・触媒することができるため、モノマーの反応性を高め、得られる導電性高分子の重合度を上げることができる。上記電解質は固体電解コンデンサへの利用に非常に適しており、容量値を高めることができると共に、誘電正接(dissipation factor,DF)および等価直列抵抗(equivalent series resistance,ESR)を低減することができる。
【0015】
本発明の上述およびその他の目的、特徴および長所がより明瞭にかつ理解し易くなるよう、以下に好適な実施形態を挙げ、添付の図面と対応させながら、詳細に説明していく。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の作製実施例1〜8により得られたp−トルエンスルホン酸金属塩、EDOT、およびPEDOTのUV吸収スペクトルである。
図2】比較例1〜8において記載されたp−トルエンスルホン酸金属塩溶液の波長350nmのUV光に対する吸光度と時間との関係図である。
図3】比較例1および実施例1〜4において記載されたp−トルエンスルホン酸金属塩溶液の波長350nmのUV光に対する吸光度と時間との関係図である。
図4】比較例1および9ならびに実施例2、5〜9において記載されたp−トルエンスルホン酸金属塩溶液の波長350nmのUV光に対する吸光度と時間との関係図である。
図5】比較例1および実施例10〜14において記載されたp−トルエンスルホン酸金属塩溶液の波長350nmのUV光に対する吸光度と時間との関係図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る電解質は固体電解質であり得、導電性高分子、鉄イオン、補助金属イオン(auxiliary metal cation)、およびp−トルエンスルホン酸アニオン(p−toluenesulfonic acid anion)を含む。このうち、補助金属イオンは、コバルトイオン(cobalt cation)、ニッケルイオン(nickel cation)、銅イオン(copper cation)、亜鉛イオン(zinc cation)、カルシウムイオン(calcium cation)、マンガンイオン(manganese cation)、またはこれらの組み合わせであり、かつ導電性高分子は、一般式(I)で示される構造を有するモノマーが重合してなるものである。
【0018】
【化7】
【0019】
式中、XおよびXはそれぞれ独立してOまたはSであり、Yは
【化8】
であり、各Rはそれぞれ独立して水素またはC1−6アルキル基である。本発明の他の実施形態によれば、p−トルエンスルホン酸アニオンを、その他の適した有機スルホン酸アニオンで置換してもよい。
【0020】
また、本発明の1実施形態によれば、鉄イオン、補助金属イオン、およびp−トルエンスルホン酸アニオンの他、電解質はアルミニウムイオンをさらに含んでいてもよい。
【0021】
さらに、本発明の別の実施形態によれば、一般式(I)で示される構造を有するモノマーは、下記のいずれかであってよい。
【0022】
【化9】
【0023】
【化10】
【0024】
本発明の1実施形態は、上記電解質を形成するのに用いる組成物も提供する。該組成物は以下の成分、つまり、溶媒と、p−トルエンスルホン酸鉄と、p−トルエンスルホン酸コバルト、p−トルエンスルホン酸ニッケル、p−トルエンスルホン酸銅、p−トルエンスルホン酸亜鉛、p−トルエンスルホン酸カルシウム、p−トルエンスルホン酸マンガン、またはこれらの組み合わせである補助p−トルエンスルホン酸金属塩と、一般式(I)で示される構造を有するモノマーと、を含み得る。
【0025】
【化11】
【0026】
式中、XおよびXはそれぞれ独立してOまたはSであり、Yは
【化12】
であり、各Rはそれぞれ独立して水素またはC1−6アルキル基である。
【0027】
溶媒は例えばアルコール溶媒であってよく、例としてメタノール (methanol)、エタノール、ブチルアルコール、またはこれらの組み合わせが挙げられる。一般式(I)で示される構造を有するモノマーは、下記のいずれかであってよい。
【0028】
【化13】
【0029】
【化14】
【0030】
本発明の1実施形態によれば、該組成物はp−トルエンスルホン酸アルミニウム (aluminum p−toluenesulfonate)をさらに含んでいてもよい。
【0031】
なお、以下の点に留意すべきである。電解質を形成するのに用いる組成物の固形分は20〜70%とすることができる。固形分が低すぎると当量数が不足して、EDOTと完全に反応することができなくなり、かつコンデンサ中に空隙が多くできてしまい、コンデンサの信頼性が低下する。一方、固形分が高すぎると溶液の粘度が高くなりすぎ、アルミニウム箔の孔に浸入することができずに、容量値が低くなってしまう。組成物中、p−トルエンスルホン酸金属塩(例えばp−トルエンスルホン酸鉄および補助p−トルエンスルホン酸金属塩、またはp−トルエンスルホン酸鉄、補助p−トルエンスルホン酸金属塩、およびp−トルエンスルホン酸アルミニウム)と、モノマーとの重量比は0.4から2とすることができ、例えば0.4から1.8、0.5から1.8、または0.6から1.6である。また、p−トルエンスルホン酸鉄と、補助p−トルエンスルホン酸金属塩(または補助p−トルエンスルホン酸金属塩およびp−トルエンスルホン酸アルミニウム)との重量比は19000から190にすることができ、重量比が19000よりも高いと、補助p−トルエンスルホン酸金属塩およびp−トルエンスルホン酸アルミニウムの効果が顕著でなくなり、一方、重量比が190よりも低いと、p−トルエンスルホン酸鉄の濃度が不足し、p−トルエンスルホン酸金属塩組成の反応性が低くなる。
【0032】
コンデンサの電気的特性(例えば容量値、誘電正接、および等価直列抵抗)は、主に導電性高分子(上記モノマーが重合したもの) の重合度によって決まり、導電性高分子の重合度を左右する主な要素は酸化剤の選択である。モノマー(例えばEDOT)を、配合処方の異なる酸化剤と反応させると、分子量の異なる導電性高分子 (例えばポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン,PEDOT)が得られる。
【0033】
本発明では、少なくとも2種の有機スルホン酸金属塩(このうち1種は有機スルホン酸鉄)を用い、酸化剤の反応活性を高めて、導電性高分子の重合度を増加させる。モノマーが重合する際、鉄イオン以外の金属イオン(M(n+1)+(ただしnは1以上の整数)も存在するため、モノマー(例えばEDOT)が放出する電子をより受け取り易くなる。また同時に、該金属イオンは、電子の鉄イオンへの移動をさらに促進することができ、モノマー(例えばEDOT)の鉄イオンにおける酸化重合反応を補助すると共に触媒することができる。
【0034】
上記の反応メカニズムは下記化学反応式により表すことができる。
【0035】
【化15】
【0036】
【化16】
【0037】
全反応式は次のとおりである。
【0038】
【化17】
【0039】
鉄イオンは、EDOTに酸化重合反応を進行させるときに、EDOTの電子を鉄イオン上へ移させるものである。しかし、EDOTと鉄イオンはエネルギー準位において比較的差が大きいことから、互いの電子移動はそれ程容易でない。したがって、適した金属イオンを提供することにより、EDOTの電子をより容易に金属イオンへ移動させ、かつ金属イオンと鉄イオン間の電子も容易に移動するようにできれば、反応の活性能を低減でき、EDOTの反応性を高めることができる。
【0040】
上述のことを踏まえ、本発明では主に、有機スルホン酸鉄および有機スルホン酸金属塩を酸化剤として用いて、モノマーに酸化重合反応を行わせ、モノマーの反応性を高めて(未反応のモノマーの数を低く抑えて)、より重合度の高い導電性高分子を得る。こうすることで、上記高重合度の導電性高分子を電解質として用いるコンデンサの電気的特性(例えば容量値、誘電正接、および等価直列抵抗)を改善することができる。
【0041】
本発明のその他の実施形態によれば、本発明はコンデンサも提供し、該コンデンサは、コンデンサ素子と、コンデンサ素子上に形成される電解質とを含んでいてよく、電解質は、上述した電解質を形成するのに用いる組成物をコンデンサ素子上に塗布することにより形成される。ここで、コンデンサ素子とは、コンデンサの半製品のこと、つまり電解質を塗布していないコンデンサのことを指す。コンデンサ素子の製造方法は例えば、陽極金属箔(例えばアルミニウム箔)と陰極金属箔(例えばアルミニウム箔)とにそれぞれリード線をかしめつけ、両電極間を隔離紙で隔て、次いで両電極と隔離紙とを巻回し、最後に粘着テープで固定する、という方法とすることができる。さらにコンデンサ素子を、10%アジピン酸二アンモニウム水溶液に中にて20Vの電圧を印加して酸化処理を行い、表面に誘電体層を形成させてから、精製水で洗浄し、次いで120℃で30分加熱乾燥し、さらに250℃で隔離紙を炭化させ、冷却し、使用に備えるようにしてもよい。
【0042】
本発明の上述およびその他の目的、特徴および長所がより明瞭にかつ理解し易くなるよう、以下にいくつか実施例および比較例を挙げ、本発明に係る電解質を形成するのに用いる組成物およびそれを含むコンデンサについて説明する。
【実施例】
【0043】
p−トルエンスルホン酸金属塩の合成
【0044】
作製実施例1:p−トルエンスルホン酸鉄 (iron p−toluenesulfonate)の合成
【0045】
FeO(OH) 8.89gを取り、p−トルエンスルホン酸57gおよび水200gを加え、ゆっくりと昇温して90℃にし、この温度で4時間撹拌した。反応が完了したら、60℃に降温し、不溶物を収集した。次いで、不溶物を25g60℃の精製水で洗浄した。ろ液を収集し、減圧濃縮により一部の水(100g)を除去した。次いで、析出した結晶を加熱して溶解した後、静置して黄色の薄片状結晶を得た。最後に、収集した黄色の薄片状結晶を120℃で加熱乾燥し、橙黄色の固体を得た。収率は51.6%であった。
【0046】
作製実施例2:p−トルエンスルホン酸コバルトの合成
【0047】
FeO(OH)を水酸化コバルト(9.3g)に変え、かつp−トルエンスルホン酸の添加量を57gから38gに変えたこと以外は、作製実施例1で記載した手順のとおりに作製を進行した。結晶後に赤橙色の薄片状結晶が得られ、加熱乾燥後、黄色の固体が得られた。収率は75.4%であった。
【0048】
作製実施例3:p−トルエンスルホン酸ニッケルの合成
【0049】
FeO(OH)を水酸化ニッケル(9.3g)に変え、かつp−トルエンスルホン酸の添加量を57gから38gに変えたこと以外は、作製実施例1で記載した手順のとおりに作製を進行した。結晶後に緑色の薄片状結晶が得られ、加熱乾燥後、桃色の固体が得られた。収率は82.1%であった。
【0050】
作製実施例4:p−トルエンスルホン酸銅の合成
【0051】
FeO(OH)を水酸化銅(9.8g)に変え、かつp−トルエンスルホン酸の添加量を57gから38gに変えたこと以外は、作製実施例1で記載した手順のとおりに作製を進行した。結晶後に青色の針状結晶が得られ、加熱乾燥後、緑色の固体が得られた。収率は85.5%であった。
【0052】
作製実施例5:p−トルエンスルホン酸亜鉛の合成
【0053】
FeO(OH)を水酸化亜鉛(9.9g)に変え、かつp−トルエンスルホン酸の添加量を57gから38gに変えたこと以外は、作製実施例1で記載した手順のとおりに作製を進行した。結晶後に白色の薄片状結晶が得られ、加熱乾燥後、白色の固体が得られた。収率は75.0%であった。
【0054】
作製実施例6:p−トルエンスルホン酸カルシウムの合成
【0055】
水酸化カルシウム (calcium hydroxide)7.4gを10〜20℃の精製水(200g)中にゆっくりと加え、均一に撹拌した。続いて、p−トルエンスルホン酸38gをゆっくりと加え、反応液の温度を40℃より低くなるよう制御した。p−トルエンスルホン酸を全て加え終えた後、80℃に加熱し、2時間撹拌してから、60℃に降温し、不溶物を収集した。次いで、不溶物を25g60℃の精製水で洗浄した。ろ液を収集し、減圧濃縮により一部の水(100g)を除去した。次いで、析出した結晶を加熱して溶解した後、静置して白色の針状結晶を得た。最後に、収集した白色の針状結晶を120℃で加熱乾燥し、白色の固体を得た。収率は70.0%であった。
【0056】
作製実施例7:p−トルエンスルホン酸アルミニウムの合成
【0057】
塩化アルミニウム(aluminum chloride)13.3gを取り、水100gを加えてから撹拌して溶解し、15℃より低くなるまで降温した後、1N NaOH約100mLをゆっくり加え入れ、pH値を5〜9に制御した。このとき、白色の固体が生成された。遠心分離機を使用し、固体を底部に沈殿させ、清澄液を捨ててから、等量の精製水を加えた。遠心分離を行い不純物を取り除き、精製水を加えるという操作を10回繰り返した。最後の1回には水50gだけを加え、さらにp−トルエンスルホン酸57gを加え、80℃まで加熱し、4時間均一に撹拌した。反応が完了したら、熱いうちにろ過し、減圧して約30gの水を除去し、静置して結晶化させ、白色の針状結晶を得た。最後に、白色の針状結晶を120℃で加熱乾燥し、白色の粉末固体を得た。収率は52%であった。
【0058】
作製実施例8:p−トルエンスルホン酸マンガンの合成
【0059】
MnO8.7gを取り、水50mLおよび37%塩酸10mLを加え、60℃に加熱して、MnOが溶解するまで2時間撹拌した。溶解した後、1M NaOH水溶液を加え入れ、pH値を5〜9に調整した。このとき、褐色の固体が生成された。遠心分離機を使用し、固体を底部に沈殿させ、清澄液を捨ててから、等量の精製水を加えた。遠心分離を行い不純物を取り除き、精製水を加えるという操作を10回繰り返した。最後の1回には水を200g加え、さらにp−トルエンスルホン酸76gを加え、80℃まで加熱し、4時間均一に撹拌した。反応が完了したら、熱いうちにろ過し、減圧して適量の水を除去し、静置して結晶化させ、白色の針状結晶を得た。その白色針状結晶を120℃で加熱乾燥し、白色の粉末固体を得た。収率は56%であった。
【0060】
p−トルエンスルホン酸金属塩、EDOT、およびPEDOTのUV吸収
【0061】
作製実施例1〜8で得られたp−トルエンスルホン酸塩(0.1g)、EDOT(3,4−エチレンジオキシチオフェン) 0.1g、およびPEDOT(ポリ3,4−エチレンジオキシチオフェン)0.1gを、それぞれアセトニトリル(acetonitrile) 1kgに溶解し、均一に混合・撹拌した後、100ppmのアセトニトリル溶液に調製し、紫外線分光計でこれら溶液のUV吸収スペクトルを測定した。結果は図1を参照されたい。
【0062】
図1から分かるように、350nmの波長では、PEDOTのみが顕著なUV吸收を示した。よってこれ以降、350nmを検出波長とし、各種p−トルエンスルホン酸金属塩の組成とEDOTとの反応の程度を調べる。
【0063】
PEDOTの重合の程度の評価
【0064】
作製実施例9:EDOT溶液の作製
【0065】
先ず、EDOT(3,4−エチレンジオキシチオフェン)1gを取り、メタノール99g中に溶解し、1%EDOTメタノール溶液を調製した。
【0066】
作製実施例10:p−トルエンスルホン酸鉄溶液の作製
【0067】
p−トルエンスルホン酸鉄(作製実施例1で得たもの)2gを取り、メタノール18gを加え、40〜50℃に加熱して30分撹拌し、溶解した後に温度を室温まで下げ、ろ過して不溶物を除去し、p−トルエンスルホン酸鉄メタノール溶液を得た。
【0068】
作製実施例11:p−トルエンスルホン酸コバルト溶液の作製
【0069】
p−トルエンスルホン酸コバルト(作製実施例2で得たもの)0.2gを取り、メタノール19.8gを加え、40〜50℃に加熱して30分撹拌し、溶解した後に温度を室温まで下げ、ろ過して不溶物を除去し、1%p−トルエンスルホン酸コバルトメタノール溶液を得た。
【0070】
作製実施例12:p−トルエンスルホン酸ニッケル溶液の作製
【0071】
p−トルエンスルホン酸ニッケル(作製実施例3で得たもの)0.2gを取り、メタノール19.8gを加え、40〜50℃に加熱して30分撹拌し、溶解した後に温度を室温まで下げ、ろ過して不溶物を除去し、1%p−トルエンスルホン酸ニッケルメタノール溶液を得た。
【0072】
作製実施例13:p−トルエンスルホン酸銅溶液の作製
【0073】
p−トルエンスルホン酸銅(作製実施例4で得たもの)0.2gを取り、メタノール19.8gを加え、40〜50℃に加熱して30分撹拌し、溶解した後に温度を室温まで下げ、ろ過して不溶物を除去し、1%p−トルエンスルホン酸銅メタノール溶液を得た。
【0074】
作製実施例14:p−トルエンスルホン酸亜鉛溶液の作製
【0075】
p−トルエンスルホン酸亜鉛(作製実施例5で得たもの)0.2gを取り、メタノール19.8gを加え、40〜50℃に加熱して30分撹拌し、溶解した後に温度を室温まで下げ、ろ過して不溶物を除去し、1%p−トルエンスルホン酸亜鉛メタノール溶液を得た。
【0076】
作製実施例15:p−トルエンスルホン酸カルシウム溶液の作製
【0077】
p−トルエンスルホン酸カルシウム(作製実施例6で得たもの)0.2gを取り、メタノール19.8gを加え、40〜50℃に加熱して30分撹拌し、溶解した後に温度を室温まで下げ、ろ過して不溶物を除去し、1%p−トルエンスルホン酸カルシウムメタノール溶液を得た。
【0078】
作製実施例16:p−トルエンスルホン酸アルミニウム溶液の作製
【0079】
p−トルエンスルホン酸アルミニウム(作製実施例7で得たもの)0.2gを取り、メタノール19.8gを加え、40〜50℃に加熱して30分撹拌し、溶解した後に温度を室温まで下げ、ろ過して不溶物を除去し、1%p−トルエンスルホン酸アルミニウムメタノール溶液を得た。
【0080】
作製実施例17:p−トルエンスルホン酸マンガン溶液の作製
【0081】
p−トルエンスルホン酸マンガン(作製実施例8で得たもの)0.2gを取り、メタノール19.8gを加え、40〜50℃に加熱して30分撹拌し、溶解した後に温度を室温まで下げ、ろ過して不溶物を除去し、1%p−トルエンスルホン酸マンガンメタノール溶液を得た。
【0082】
作製実施例18:p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸コバルト含有溶液Iの作製
【0083】
p−トルエンスルホン酸鉄溶液(作製実施例10で得たもの)9.5gを取り、p−トルエンスルホン酸コバルト溶液(作製実施例11で得たもの)0.06g、およびメタノール0.44gを加え、均一に撹拌した後、p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸コバルト含有溶液Iを得た。p−トルエンスルホン酸鉄とp−トルエンスルホン酸コバルトとの比は1580である。
【0084】
作製実施例19:p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸コバルト含有溶液IIの作製
【0085】
p−トルエンスルホン酸鉄溶液(作製実施例10で得たもの)9.5gを取り、p−トルエンスルホン酸コバルト溶液(作製実施例11で得たもの)0.12g、およびメタノール0.38gを加え、均一に撹拌した後、p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸コバルト含有溶液IIを得た。p−トルエンスルホン酸鉄とp−トルエンスルホン酸コバルトとの比は790である。
【0086】
作製実施例20:p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸コバルト含有溶液IIIの作製
【0087】
p−トルエンスルホン酸鉄溶液(作製実施例10で得たもの)9.5gを取り、p−トルエンスルホン酸コバルト溶液(作製実施例11で得たもの)0.25g、およびメタノール0.25gを加え、均一に撹拌した後、p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸コバルト含有溶液IIIを得た。p−トルエンスルホン酸鉄とp−トルエンスルホン酸コバルトとの比は380である。
【0088】
作製実施例21:p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸コバルト含有溶液IVの作製
【0089】
p−トルエンスルホン酸鉄溶液(作製実施例10で得たもの)9.5gを取り、p−トルエンスルホン酸コバルト溶液(作製実施例11で得たもの)0.5g、およびメタノール0.25gを加え、均一に撹拌した後、p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸コバルト含有溶液IVを得た。p−トルエンスルホン酸鉄とp−トルエンスルホン酸コバルトとの比は190である。
【0090】
作製実施例22〜25:p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸ニッケル含有溶液I〜IVの作製
【0091】
使用したp−トルエンスルホン酸コバルト溶液(作製実施例11で得たもの)をp−トルエンスルホン酸ニッケル溶液(作製実施例12で得たもの)に変えたこと以外は、作製実施例18〜21において記載した手順のとおりに作製を進行し、p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸ニッケル含有溶液I〜IVをそれぞれ得た。p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸ニッケル含有溶液I〜IV中、p−トルエンスルホン酸鉄とp−トルエンスルホン酸ニッケルとの比はそれぞれ1580、790、380、および190である。
【0092】
作製実施例26〜29:p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸銅含有溶液I〜IVの作製
【0093】
使用したp−トルエンスルホン酸コバルト溶液(作製実施例11で得たもの)をp−トルエンスルホン酸銅溶液(作製実施例13で得たもの)に変えたこと以外は、作製実施例18〜21において記載した手順のとおりに作製を進行し、p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸銅含有溶液I〜IVをそれぞれ得た。p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸銅含有溶液I〜IV中、p−トルエンスルホン酸鉄とp−トルエンスルホン酸銅との比はそれぞれ1580、790、380、および190である。
【0094】
作製実施例30〜33:p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸亜鉛含有溶液I〜IVの作製
【0095】
使用したp−トルエンスルホン酸コバルト溶液(作製実施例11で得たもの)をp−トルエンスルホン酸亜鉛溶液(作製実施例14で得たもの)に変えたこと以外は、作製実施例18〜21において記載した手順のとおりに作製を進行し、p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸亜鉛含有溶液I〜IVをそれぞれ得た。p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸亜鉛含有溶液I〜IV中、p−トルエンスルホン酸鉄とp−トルエンスルホン酸亜鉛との比はそれぞれ1580、790、380、および190である。
【0096】
作製実施例34〜37:p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸カルシウム含有溶液I〜IVの作製
【0097】
使用したp−トルエンスルホン酸コバルト溶液(作製実施例11で得たもの)をp−トルエンスルホン酸カルシウム溶液(作製実施例15で得たもの)に変えたこと以外は、作製実施例18〜21において記載した手順のとおりに作製を進行し、p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸カルシウム含有溶液I〜IVをそれぞれ得た。p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸カルシウム含有溶液I〜IV中、p−トルエンスルホン酸鉄とp−トルエンスルホン酸カルシウムとの比はそれぞれ1580、790、380、および190である。
【0098】
作製実施例38〜41:p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸アルミニウム含有溶液I〜IVの作製
【0099】
使用したp−トルエンスルホン酸コバルト溶液(作製実施例11で得たもの)をp−トルエンスルホン酸アルミニウム溶液(作製実施例16で得たもの)に変えたこと以外は、作製実施例18〜21において記載した手順のとおりに作製を進行し、p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸アルミニウム含有溶液I〜IVをそれぞれ得た。p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸アルミニウム含有溶液I〜IV中、p−トルエンスルホン酸鉄とp−トルエンスルホン酸アルミニウムとの比はそれぞれ1580、790、380、および190である。
【0100】
作製実施例42〜45:p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸マンガン含有溶液I〜IVの作製
【0101】
使用したp−トルエンスルホン酸コバルト溶液(作製実施例11で得たもの)をp−トルエンスルホン酸マンガン溶液(作製実施例17で得たもの)に変えたこと以外は、作製実施例18〜21において記載した手順のとおりに作製を進行し、p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸マンガン含有溶液I〜IVをそれぞれ得た。p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸マンガン含有溶液I〜IV中、p−トルエンスルホン酸鉄とp−トルエンスルホン酸マンガンとの比はそれぞれ1580、790、380、および190である。
【0102】
作製実施例46:p−トルエンスルホン酸鉄、p−トルエンスルホン酸コバルト、およびp−トルエンスルホン酸銅含有溶液の作製
【0103】
p−トルエンスルホン酸鉄溶液(作製実施例10で得たもの) 9.5gを取り、p−トルエンスルホン酸コバルト溶液(作製実施例11で得たもの)0.06g、およびp−トルエンスルホン酸銅溶液(作製実施例13で得たもの)0.44gを加え、均一に撹拌して、p−トルエンスルホン酸鉄、p−トルエンスルホン酸コバルト、およびp−トルエンスルホン酸銅含有溶液を得た。p−トルエンスルホン酸鉄:p−トルエンスルホン酸コバルト:p−トルエンスルホン酸銅の比率は2375 : 3 : 11である。
【0104】
作製実施例47:p−トルエンスルホン酸鉄、p−トルエンスルホン酸銅、p−トルエンスルホン酸カルシウム、およびp−トルエンスルホン酸マンガン含有溶液の作製
【0105】
p−トルエンスルホン酸鉄溶液 (作製実施例10で得たもの) 9.5gを取り、p−トルエンスルホン酸銅溶液(作製実施例13で得たもの)0.01g、p−トルエンスルホン酸カルシウム溶液(作製実施例15で得たもの)0.01g、およびp−トルエンスルホン酸マンガン溶液(作製実施例17で得たもの)0.3gを加え、均一に撹拌して、p−トルエンスルホン酸鉄、p−トルエンスルホン酸銅、p−トルエンスルホン酸カルシウム、およびp−トルエンスルホン酸マンガン含有溶液を得た。p−トルエンスルホン酸鉄:p−トルエンスルホン酸銅:p−トルエンスルホン酸カルシウム:p−トルエンスルホン酸マンガンの比率は9500:1:2:30である。
【0106】
作製実施例48:p−トルエンスルホン酸鉄、p−トルエンスルホン酸コバルト、p−トルエンスルホン酸ニッケル、p−トルエンスルホン酸銅、およびp−トルエンスルホン酸マンガン含有溶液の作製
【0107】
p−トルエンスルホン酸鉄溶液 (作製実施例10で得たもの) 9.5gを取り、p−トルエンスルホン酸コバルト溶液(作製実施例11で得たもの)0.05g、p−トルエンスルホン酸ニッケル溶液(作製実施例12で得たもの)0.05g、p−トルエンスルホン酸銅溶液(作製実施例13で得たもの)0.1g、およびp−トルエンスルホン酸マンガン溶液(作製実施例17で得たもの)0.2gを加え、均一に撹拌して、p−トルエンスルホン酸鉄、p−トルエンスルホン酸コバルト、p−トルエンスルホン酸ニッケル、p−トルエンスルホン酸銅、およびp−トルエンスルホン酸マンガン含有溶液を得た。p−トルエンスルホン酸鉄:p−トルエンスルホン酸コバルト:p−トルエンスルホン酸ニッケル:p−トルエンスルホン酸銅:p−トルエンスルホン酸マンガンの比率は1900:1:1:2:4である。
【0108】
作製実施例49:p−トルエンスルホン酸鉄、p−トルエンスルホン酸コバルト、p−トルエンスルホン酸ニッケル、p−トルエンスルホン酸銅、p−トルエンスルホン酸亜鉛、およびp−トルエンスルホン酸カルシウム含有溶液の作製
【0109】
p−トルエンスルホン酸鉄溶液 (作製実施例10で得たもの) 9.5gを取り、p−トルエンスルホン酸コバルト溶液(作製実施例11で得たもの)0.05g、p−トルエンスルホン酸ニッケル溶液(作製実施例12で得たもの)0.1g、p−トルエンスルホン酸銅溶液(作製実施例13で得たもの)0.05g、p−トルエンスルホン酸亜鉛溶液(作製実施例14で得たもの)0.1g、およびp−トルエンスルホン酸カルシウム溶液(作製実施例15で得たもの)0.005gを加え、均一に撹拌して、p−トルエンスルホン酸鉄、p−トルエンスルホン酸コバルト、p−トルエンスルホン酸ニッケル、p−トルエンスルホン酸銅、p−トルエンスルホン酸亜鉛、およびp−トルエンスルホン酸カルシウム含有溶液を得た。p−トルエンスルホン酸鉄:p−トルエンスルホン酸コバルト:p−トルエンスルホン酸ニッケル:p−トルエンスルホン酸銅:p−トルエンスルホン酸亜鉛:p−トルエンスルホン酸カルシウムの比率は19000:10:20:10:20:1である。
【0110】
作製実施例50:p−トルエンスルホン酸鉄、p−トルエンスルホン酸コバルト、p−トルエンスルホン酸ニッケル、p−トルエンスルホン酸銅、p−トルエンスルホン酸亜鉛、p−トルエンスルホン酸カルシウム、およびp−トルエンスルホン酸マンガン含有溶液の作製
【0111】
p−トルエンスルホン酸鉄溶液 (作製実施例10で得たもの) 9.5gを取り、p−トルエンスルホン酸コバルト溶液(作製実施例11で得たもの)0.005g、p−トルエンスルホン酸ニッケル溶液(作製実施例12で得たもの)0.05g、p−トルエンスルホン酸銅溶液(作製実施例13で得たもの)0.05g、p−トルエンスルホン酸亜鉛溶液 (作製実施例14で得たもの)0.01g、p−トルエンスルホン酸カルシウム溶液(作製実施例15で得たもの)0.005g、p−トルエンスルホン酸マンガン溶液(作製実施例17で得たもの)0.04g、およびメタノール0.1gを加え、均一に撹拌して、p−トルエンスルホン酸鉄、p−トルエンスルホン酸コバルト、p−トルエンスルホン酸ニッケル、p−トルエンスルホン酸銅、p−トルエンスルホン酸亜鉛、p−トルエンスルホン酸カルシウム、およびp−トルエンスルホン酸マンガン含有溶液を得た。p−トルエンスルホン酸鉄:p−トルエンスルホン酸コバルト:p−トルエンスルホン酸ニッケル:p−トルエンスルホン酸銅:p−トルエンスルホン酸亜鉛:p−トルエンスルホン酸カルシウム:p−トルエンスルホン酸マンガンの比率は19000:1:10:10:2:1:8である。
【0112】
比較例1
【0113】
p−トルエンスルホン酸鉄溶液(作製実施例10で得たもの)5gおよび1% EDOTメタノール溶液(作製実施例9で得たもの)5gを取り、均一に混合した後、UV吸収槽内に入れ、波長350nmのUV光でそのUV吸光度対時間の変化を測定した。結果は図2に示すとおりである。
【0114】
比較例2〜8
【0115】
p−トルエンスルホン酸鉄溶液(作製実施例10で得たもの)を、それぞれp−トルエンスルホン酸コバルト溶液(作製実施例11で得たもの)、p−トルエンスルホン酸ニッケル溶液(作製実施例12で得たもの)、p−トルエンスルホン酸銅溶液(作製実施例13で得たもの)、p−トルエンスルホン酸亜鉛溶液(作製実施例14で得たもの)、p−トルエンスルホン酸カルシウム溶液(作製実施例15で得たもの)、p−トルエンスルホン酸アルミニウム溶液(作製実施例16で得たもの)、およびp−トルエンスルホン酸マンガン溶液(作製実施例17で得たもの)に置き換えたこと以外、比較例2〜8を比較例1の手順のとおりに行った。得られた溶液を均一に混合した後、それぞれUV吸収槽内に入れ、波長350nmのUV光でそのUV吸光度対時間の変化を測定した。結果は図2に示すとおりである。
【0116】
図2から分かるように、EDOTと、p−トルエンスルホン酸コバルト、p−トルエンスルホン酸ニッケル、p−トルエンスルホン酸銅、p−トルエンスルホン酸亜鉛、p−トルエンスルホン酸カルシウム、p−トルエンスルホン酸アルミニウム、またはp−トルエンスルホン酸マンガンとをそれぞれ個々に反応させた後、UV吸収はほぼ0となっており、このことはPEDOTが生成されていないことを表している。つまり、ただ単にp−トルエンスルホン酸コバルト、p−トルエンスルホン酸ニッケル、p−トルエンスルホン酸銅、p−トルエンスルホン酸亜鉛、p−トルエンスルホン酸カルシウム、p−トルエンスルホン酸アルミニウム、またはp−トルエンスルホン酸マンガンを使用するだけでは、EDOTに重合反応を進行させることはできないということである(比較例2〜8)。一方、比較例1を見ると、EDOTはp−トルエンスルホン酸鉄と反応し、時間の経過に伴ってUV吸収も増加してゆき、次第にほぼ一定の値になっている。
【0117】
実施例1
【0118】
p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸コバルト含有溶液I(作製実施例18で得たもの)5g、ならびに1% EDOTメタノール溶液(作製実施例9で得たもの)5gを取り、均一に混合した後、UV吸収槽内に入れ、波長350nmのUV光でそのUV吸光度対時間の変化を測定し、比較例1の結果と比較した。図3を参照されたい。
【0119】
実施例2〜4
【0120】
p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸コバルト含有溶液I(作製実施例18で得たもの)を、それぞれp−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸コバルト含有溶液II(作製実施例19で得たもの)、p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸コバルト含有溶液III(作製実施例20で得たもの)、ならびにp−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸コバルト含有溶液IV(作製実施例21で得たもの)に置き換えたこと以外は、実施例2〜4を実施例1の手順のとおりに行った。得られた溶液を均一に混合した後、それぞれUV吸収槽内に入れ、波長350nmのUV光でそのUV吸光度対時間の変化を測定し、比較例1の結果と比較した。図3を参照されたい。
【0121】
実施例5
【0122】
p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸ニッケル含有溶液II(作製実施例23で得たもの)5g、ならびに1% EDOTメタノール溶液(作製実施例9で得たもの)5gを取り、均一に混合した後、UV吸収槽内に入れ、波長350nmのUV光でそのUV吸光度対時間の変化を測定し、比較例1の結果と比較した。図4を参照されたい。
【0123】
実施例6〜9
【0124】
p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸ニッケル含有溶液II(作製実施例23で得たもの)を、それぞれp−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸銅含有溶液II(作製実施例27で得たもの)、p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸亜鉛含有溶液II(作製実施例31で得たもの)、p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸カルシウム含有溶液II(作製実施例35で得たもの)、ならびにp−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸マンガン含有溶液II(作製実施例43で得たもの)で置き換えたこと以外は、実施例6〜9を実施例5の手順のとおりに行った。得られた溶液を均一に混合した後、それぞれUV吸収槽内に入れ、波長350nmのUV光でそのUV吸光度対時間の変化を測定し、比較例1の結果と比較した。図4を参照されたい。
【0125】
比較例9
【0126】
p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸アルミニウム含有溶液II(作製実施例39で得たもの)5g、ならびに1% EDOTメタノール溶液(作製実施例9で得たもの)5gを取り、均一に混合した後、UV吸収槽内に入れ、波長350nmのUV光でそのUV吸光度対時間の変化を測定し、比較例1の結果と比較した。図4を参照されたい。
【0127】
図3および4から分かるように、p−トルエンスルホン酸コバルト(またはp−トルエンスルホン酸ニッケル、p−トルエンスルホン酸銅、p−トルエンスルホン酸亜鉛、p−トルエンスルホン酸カルシウム、もしくはp−トルエンスルホン酸マンガン)およびp−トルエンスルホン酸鉄を有するメタノール溶液をさらに用いてEDOTの重合を進行させると、10分間反応させた後に得られるUV吸光度が、単にp−トルエンスルホン酸鉄溶液を使用しEDOTの重合を進行させて(比較例1)得られる吸光度に比べ、いずれも高いものであった(向上率が20%から80%に達した)。このことは、p−トルエンスルホン酸コバルト、p−トルエンスルホン酸ニッケル、p−トルエンスルホン酸銅、p−トルエンスルホン酸亜鉛、p−トルエンスルホン酸カルシウム、またはp−トルエンスルホン酸マンガンをp−トルエンスルホン酸鉄溶液と組み合わせることが、EDOTの重合反応の進行を助け、結果得られるPEDOTの重合の程度を高める、ということを示している。また、p−トルエンスルホン酸アルミニウムをp−トルエンスルホン酸鉄と組み合わせてEDOTの重合を進行させた場合では、得られる生成物のUV吸光度にさらなる向上は無いことが分かった(比較例1の単にp−トルエンスルホン酸鉄溶液を使用し重合を進行させた場合と比べて)。このことは、p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸アルミニウムを含有するメタノール溶液では、PEDOTの重合度をさらに向上させることはできない、ということを示す。
【0128】
実施例10
【0129】
p−トルエンスルホン酸鉄、p−トルエンスルホン酸コバルト、およびp−トルエンスルホン酸銅含有溶液(作製実施例46で得たもの)5g、ならびに1% EDOTメタノール溶液(作製実施例9で得たもの)5gを取り、均一に混合した後、UV吸収槽内に入れ、波長350nmのUV光でそのUV吸光度対時間の変化を測定し、比較例1の結果と比較した。図5を参照されたい。
【0130】
実施例11〜14
【0131】
p−トルエンスルホン酸鉄、p−トルエンスルホン酸コバルト、およびp−トルエンスルホン酸銅含有溶液(作製実施例46で得たもの)を、それぞれp−トルエンスルホン酸鉄、p−トルエンスルホン酸銅、p−トルエンスルホン酸カルシウム、およびp−トルエンスルホン酸マンガン含有溶液(作製実施例47で得たもの)、p−トルエンスルホン酸鉄、p−トルエンスルホン酸コバルト、p−トルエンスルホン酸ニッケル、p−トルエンスルホン酸銅、およびp−トルエンスルホン酸マンガン含有溶液(作製実施例48で得たもの)、p−トルエンスルホン酸鉄、p−トルエンスルホン酸コバルト、p−トルエンスルホン酸ニッケル、p−トルエンスルホン酸銅、p−トルエンスルホン酸亜鉛、およびp−トルエンスルホン酸カルシウム含有溶液(作製実施例49で得たもの)、ならびにp−トルエンスルホン酸鉄、p−トルエンスルホン酸コバルト、p−トルエンスルホン酸ニッケル、p−トルエンスルホン酸銅、p−トルエンスルホン酸亜鉛、p−トルエンスルホン酸カルシウム、およびp−トルエンスルホン酸マンガン含有溶液(作製実施例50で得たもの)で置き換えたこと以外は、実施例11〜14を実施例10の手順のとおりに行った。得られた溶液を均一に混合した後、それぞれUV吸収槽内に入れ、波長350nmのUV光でそのUV吸光度対時間の変化を測定し、比較例1の結果と比較した。図5を参照されたい。
【0132】
図5から分かるように、2種以上のp−トルエンスルホン酸金属塩をp−トルエンスルホン酸鉄と組み合わせて用いEDOTの重合を進行させた結果、2種のトルエンスルホン酸金属塩をp−トルエンスルホン酸鉄と合わせた組み合わせ(実施例10)、3種のトルエンスルホン酸金属塩をp−トルエンスルホン酸鉄と合わせた組み合わせ(実施例11)、4種のトルエンスルホン酸金属塩をp−トルエンスルホン酸鉄と合わせた組み合わせ(実施例12)、5種のトルエンスルホン酸金属塩をp−トルエンスルホン酸鉄と合わせた組み合わせ(実施例13)、または6種のトルエンスルホン酸金属塩をp−トルエンスルホン酸鉄と合わせた組み合わせ(実施例14)は、ただ単にp−トルエンスルホン酸鉄溶液を用いてEDOTの重合を進行させた場合(比較例1)に比べ、UV吸光度がいずれも向上しており、よってPEDOTの重合の程度を高め得ることが示された。
【0133】
電解質を形成するのに用いる組成物の作製
【0134】
比較例10
【0135】
p−トルエンスルホン酸鉄(作製実施例1で得たもの)60gを取り、メタノール40gを加え、40〜50℃に加熱して30分撹拌し、溶解した後室温まで下げ、ろ過して不溶物を取り除き、p−トルエンスルホン酸鉄メタノール溶液を得た。次いで、そのp−トルエンスルホン酸鉄メタノール溶液10gを取り、EDOT0.12gを加え、撹拌して、電解質を形成するのに用いる組成物Iを得た。
【0136】
実施例15
【0137】
p−トルエンスルホン酸コバルト(作製実施例2で得たもの)0.038gを取り、p−トルエンスルホン酸鉄(作製実施例1で得たもの)60g、およびメタノール39.962gを加え、均一に撹拌して、p−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸コバルト含有溶液を得た。p−トルエンスルホン酸鉄とp−トルエンスルホン酸コバルトとの比率は1580である。次いで、そのp−トルエンスルホン酸鉄およびp−トルエンスルホン酸コバルト含有溶液10gを取り、EDOT0.12gを加え、撹拌して、電解質を形成するのに用いる組成物IIを得た。
【0138】
実施例16
p−トルエンスルホン酸鉄(作製実施例1で得たもの)60gを取り、p−トルエンスルホン酸コバルト(作製実施例2で得たもの)0.076g、p−トルエンスルホン酸銅(作製実施例4で得たもの)0.278g、およびエタノール39.646gを加え、均一に撹拌して、p−トルエンスルホン酸鉄、p−トルエンスルホン酸コバルト、およびp−トルエンスルホン酸銅含有溶液を得た。p−トルエンスルホン酸鉄:p−トルエンスルホン酸コバルト:p−トルエンスルホン酸銅の比率は2375:3:11である。次いで、そのp−トルエンスルホン酸鉄、p−トルエンスルホン酸コバルト、およびp−トルエンスルホン酸銅含有溶液10gを取り、EDOT0.12gを加え、撹拌して、電解質を形成するのに用いる組成物IIIを得た。
【0139】
実施例17
p−トルエンスルホン酸鉄(作製実施例1で得たもの)60gを取り、p−トルエンスルホン酸銅(作製実施例4で得たもの)0.006g、p−トルエンスルホン酸カルシウム(作製実施例6で得たもの)0.012g、p−トルエンスルホン酸マンガン(作製実施例8で得たもの)0.18g、およびブチルアルコール39.802gを加え、均一に撹拌して、p−トルエンスルホン酸鉄、p−トルエンスルホン酸銅、p−トルエンスルホン酸カルシウム、およびp−トルエンスルホン酸マンガン含有溶液を得た。p−トルエンスルホン酸鉄:p−トルエンスルホン酸銅:p−トルエンスルホン酸カルシウム:p−トルエンスルホン酸マンガンの比率は10000:1:2:30である。次いで、そのp−トルエンスルホン酸鉄、p−トルエンスルホン酸銅、p−トルエンスルホン酸カルシウム、およびp−トルエンスルホン酸マンガン含有溶液10gを取り、EDOT0.12gを加え、撹拌して、電解質を形成するのに用いる組成物IVを得た。
【0140】
実施例18
p−トルエンスルホン酸鉄(作製実施例1で得たもの)60gを取り、p−トルエンスルホン酸コバルト(作製実施例2で得たもの)0.12g、p−トルエンスルホン酸ニッケル(作製実施例3で得たもの)0.12g、p−トルエンスルホン酸アルミニウム(作製実施例7で得たもの)0.012g、p−トルエンスルホン酸マンガン(作製実施例8で得たもの)0.06g、およびメタノール39.688gを加え、均一に撹拌して、p−トルエンスルホン酸鉄、p−トルエンスルホン酸コバルト、p−トルエンスルホン酸ニッケル、p−トルエンスルホン酸アルミニウム、およびp−トルエンスルホン酸マンガン含有溶液を得た。p−トルエンスルホン酸鉄:p−トルエンスルホン酸コバルト:p−トルエンスルホン酸ニッケル:p−トルエンスルホン酸アルミニウム:p−トルエンスルホン酸マンガンの比率は20000:10:10:1:5である。次いで、そのp−トルエンスルホン酸鉄、p−トルエンスルホン酸コバルト、p−トルエンスルホン酸ニッケル、p−トルエンスルホン酸アルミニウム、およびp−トルエンスルホン酸マンガン含有溶液10gを取り、EDOT0.12gを加え、撹拌して、電解質を形成するのに用いる組成物Vを得た。
【0141】
実施例19
p−トルエンスルホン酸鉄(作製実施例1で得たもの)60gを取り、p−トルエンスルホン酸コバルト(作製実施例2で得たもの)0.032g、p−トルエンスルホン酸ニッケル(作製実施例3で得たもの)0.032g、p−トルエンスルホン酸銅(作製実施例4で得たもの)0.063g、p−トルエンスルホン酸アルミニウム(作製実施例7で得たもの)0.063g、p−トルエンスルホン酸マンガン(作製実施例8で得たもの)0.126g、およびメタノール39.684gを加え、均一に撹拌して、p−トルエンスルホン酸鉄、p−トルエンスルホン酸コバルト、p−トルエンスルホン酸ニッケル、p−トルエンスルホン酸銅、p−トルエンスルホン酸アルミニウム、およびp−トルエンスルホン酸マンガン含有溶液を得た。p−トルエンスルホン酸鉄:p−トルエンスルホン酸コバルト:p−トルエンスルホン酸ニッケル:p−トルエンスルホン酸銅:p−トルエンスルホン酸アルミニウム:p−トルエンスルホン酸マンガンの比率は1900:1:2:1:2:4である。次いで、そのp−トルエンスルホン酸鉄、p−トルエンスルホン酸コバルト、p−トルエンスルホン酸ニッケル、p−トルエンスルホン酸銅、p−トルエンスルホン酸アルミニウム、およびp−トルエンスルホン酸マンガン含有溶液10gを取り、EDOT0.12gを加え、撹拌して、電解質を形成するのに用いる組成物VIを得た。
【0142】
実施例20
p−トルエンスルホン酸鉄(作製実施例1で得たもの)60gを取り、p−トルエンスルホン酸コバルト(作製実施例2で得たもの)0.032g、p−トルエンスルホン酸ニッケル(作製実施例3で得たもの)0.063g、p−トルエンスルホン酸銅(作製実施例4で得たもの)0.032g、p−トルエンスルホン酸亜鉛(作製実施例5で得たもの)0.063g、p−トルエンスルホン酸カルシウム(作製実施例6で得たもの)0.0006g、p−トルエンスルホン酸マンガン(作製実施例8で得たもの)0.0012g、およびメタノール39.7785gを加え、均一に撹拌して、p−トルエンスルホン酸鉄、p−トルエンスルホン酸コバルト、p−トルエンスルホン酸ニッケル、p−トルエンスルホン酸銅、p−トルエンスルホン酸亜鉛、p−トルエンスルホン酸カルシウム、およびp−トルエンスルホン酸マンガン含有溶液を得た。p−トルエンスルホン酸鉄:p−トルエンスルホン酸コバルト:p−トルエンスルホン酸ニッケル:p−トルエンスルホン酸銅:p−トルエンスルホン酸亜鉛:p−トルエンスルホン酸カルシウム:p−トルエンスルホン酸マンガンの比率は19000:10:20:10:20:1:2である。次いで、そのp−トルエンスルホン酸鉄、p−トルエンスルホン酸コバルト、p−トルエンスルホン酸ニッケル、p−トルエンスルホン酸銅、p−トルエンスルホン酸亜鉛、p−トルエンスルホン酸カルシウム、およびp−トルエンスルホン酸マンガン含有溶液10gを取り、EDOT0.12gを加え、撹拌して、電解質を形成するのに用いる組成物VII得た。
【0143】
コンデンサの作製
先ず、陽極金属箔と陰極金属箔とにそれぞれリード線をかしめつけ、両電極間を隔離紙で隔て、次いで両電極と隔離紙とを巻回し、最後に粘着テープで固定して、コンデンサ素子を得た。続いて、コンデンサ素子を、10%アジピン酸二アンモニウム水溶液中にて20Vの電圧を印加して酸化処理を行い、表面に誘電体層(材質は酸化アルミニウムAl)を形成させ、精製水で洗浄してから、120℃で30分加熱乾燥し、さらに250℃で隔離紙を炭化させ、冷却した。
【0144】
次に、上記処理済みのコンデンサ素子に、それぞれ比較例10および実施例15〜20に記載した組成物を含浸させ、含浸が完了したら40℃で30分、60℃で30分、80℃で30分、100℃で30分、120℃で30分、および140℃で30分反応させ、冷却後にそれぞれコンデンサI〜VIIを得た(各コンデンサをそれぞれ3個ずつ作製した)。続いて、コンデンサI〜VIIに対して電気容量特性(容量値(Cs)、誘電正接(DF)および等価直列抵抗(ESR)を含む)の分析を行った。結果は表1に示すとおりである。
【0145】
【表1】
【0146】
表1から分かるように、コンデンサI(単にp−トルエンスルホン酸鉄のみを酸化剤として用い電解質を形成したもの)に比して、本発明に係る組成物で作製したコンデンサ(コンデンサII〜VII)は、電解質であるPEDOTがより高い重合度を有することから、容量値がより高く、かつ誘電正接および等価直列抵抗がより低いものとなっている。
【0147】
本発明をいくつかの好ましい実施形態により以上のように開示したが、これらは本発明を限定するものではなく、当業者であれば、本発明の精神および範囲を逸脱しない限りにおいて、任意の変更および修飾を加えることができる。よって、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲の記載を基準とすべできある。
図1
図2
図3
図4
図5