(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記基板は、前記第2支持ロールの前後において移送方向が所定の角度で折り曲げられて転換されることを特徴とする、請求項8に記載のタッチスクリーンパネル製造装置。
前記タッチスクリーンパネル製造装置は、前記基板を間に置いて前記洗浄ガイドロールの反対側に設けられ、前記洗浄ガイドロールによって加圧される前記基板を支持する1つの第2支持ロールをさらに含み、
前記洗浄部材と前記基板の接触地点は、前記基板と前記第2支持ロールの接触面内に位置することを特徴とする、請求項10に記載のタッチスクリーンパネル製造装置。
前記タッチスクリーンパネル製造装置は、前記基板を間に置いて前記洗浄ガイドロールの反対側に設けられ、前記洗浄ガイドロールによって加圧される基板を支持し、前記洗浄ガイドロールと同一個数で備えられる第2支持ロールをさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載のタッチスクリーンパネル製造装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。先ず、各図面の構成要素に参照符号を付する際、同一の構成要素に対してはたとえ他の図面上に表示されるとしても同一の符号を付するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明を説明するにおいて、関連の公知構成または機能に関する具体的な説明が本発明の要旨を不要に濁す恐れがあると判断される場合はその詳細な説明は省略する。
【0014】
図1は本発明の一実施形態によるタッチスクリーンパネル製造方法によって製造されるタッチスクリーンパネルの一例を示す図であり、
図2は本発明の一実施形態によるタッチスクリーンパネル製造方法によって製造されるタッチスクリーンパネルの一例の縦断面図である。
【0015】
また、
図3aおよび
図3bは本発明の一実施形態によるタッチスクリーンパネル製造方法に用いられるベースフィルムに積層された樹脂層に陰刻パターン(engraved pattern)を形成する過程を順に示す図であり、
図4は樹脂層に陰刻パターンを形成する様々な形状のモールドおよび該モールドによって形成された陰刻パターンの縦断面形状を示す図である。
【0016】
図1および
図2を参照すれば、本発明の一実施形態によるタッチスクリーンパネル製造方法によって製造されるタッチスクリーンパネル10は、基板100、陰刻パターン122および電極パターン130を含む。本発明によるタッチスクリーンパネル製造方法および装置は、基板100に形成された陰刻パターン122内に電極物質を充填して電極パターン130を形成する。
本発明に用いられる基板100はベースフィルム110および樹脂層120を含むことができる。
【0017】
ベースフィルム110は所定の透明度を有する基材であり、樹脂性フィルムで製造されることができる。ベースフィルム110の材料となることができる樹脂は、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate;PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリイミド(Polyimide;PI)、アクリル(Acryl)、ポリエチレンナフタレート(Polyethylene Naphthalate;PEN)、トリアセテートセルロース(TAC)、ポリエーテルスルホン(PES)などの樹脂が用いられることができる。ベースフィルム110の厚さは、例えば、25〜250μmの範囲が好適であり、光線透過率は80%以上、より好ましくは90%以上が好適である。
【0018】
樹脂層120はベースフィルム110に積層され、上面には電極物質が充填される陰刻パターン122が形成される。樹脂層120は所定の粘度を有する流動性を有する樹脂(resin)が硬化したものであり、UV(Ultraviolet)樹脂または熱硬化性樹脂からなることができる。
図3aおよび
図3bに示すように、樹脂層120に形成される陰刻パターン122は、所望の断面形状に対応する形状を有する陽刻モールド(mold)を樹脂層に圧着することによって形成される。すなわち、陽刻パターンが形成されたモールドを樹脂層に押すことによって樹脂層120に陰刻パターン122が形成される。これにより、1つ以上の陰刻は所定のパターンをなすことになる。
【0019】
樹脂層120における陰刻パターン122の幅は1μm〜10μmに形成されることができ、陰刻パターン122の深さは1μm〜10μmに形成されることができ、陰刻パターン122と隣り合う陰刻パターン122との間のピッチは200μm〜600μmに形成されることができる。勿論、ユーザの必要に応じて陰刻パターン122の構造は様々に変形可能であることは言うまでもない。
【0020】
樹脂層120としてUV硬化樹脂または熱硬化性樹脂を用いる場合は、硬化する前の樹脂層120にモールド300を圧着し押した状態で熱を加えて樹脂層120を硬化させた後、モールド300を除去することによって陰刻パターン122を形成することができる。この時、樹脂層120に陰刻パターン122を形成するためのモールド300は表面粗度が十分に低い材料を用いて、陰刻パターン122のパターニング後、ヘイズ(haze)が4%以下になるようにすることが好ましい。一方、モールド300と樹脂層120の分離を円滑にするために、モールド300のインプリント前にモールド300の表面に表面処理を行うことが好ましい。表面処理の一例として、スパッタリング(sputtering)方式により厚さ1200〜1500ÅのSiO
2処理を行うことができ、その他にも様々な方式の表面処理が行われることができる。
【0021】
電極パターン130はセンサ電極131を含み、必要によってはダミー電極133をさらに含むことができる。センサ電極131は樹脂層120の陰刻パターン122の内部に形成され、タッチスクリーンパネル10に接触するユーザの接触位置を検知する。ダミー電極133はセンサ電極131の検知機能と動作機能に影響を与えないように他電極とは電気的に隔離して形成され、センサ電極131が形成された陰刻パターン122の線幅、ピッチと同一であるか、または既に設定された類似度を有する線幅、ピッチで陰刻パターン122の内部に形成される。
【0022】
モールド300は、製造しようとするタッチスクリーンパネル10の電極パターン130を有する陽刻が突出して形成される。
図4を参照すれば、樹脂層120の陰刻パターン122の縦断面は、例えば、四角形、三角形および台形のうちいずれか1つの形状を有することができる。
図4の(I)に示すようにモールドの陽刻形状が四角形であれば樹脂層120に形成された陰刻パターン122の形状も四角形であり、
図4の(II)に示すようにモールドの陽刻形状が三角形であれば樹脂層120に形成された陰刻パターン122の形状も三角形であり、
図4の(III)に示すようにモールドの陽刻形状が台形であれば樹脂層120に形成された陰刻パターン122の形状も台形であることは勿論である。
【0023】
しかし、基板100は、上記のように説明した構造および材料に限定されず、所定の透明度を有し、陰刻パターン122が形成できる様々な構造および材料で実現されることができる。
【0024】
図6は本発明の一実施形態によるタッチスクリーンパネル製造装置の全体的な構成を示す図であり、
図7a〜
図7dは各々
図6のA、B、C、D部分の拡大図である。
図8a〜
図8cは陰刻パターン内に銀、銀、カーボンブラックを順に積層して電極パターンを形成する過程を順に示す図である。
【0025】
以下では、
図5〜
図8cを参照して、本発明の一実施形態によるタッチスクリーンパネル製造方法およびそれを実現するための本発明の一実施形態によるタッチスクリーンパネル製造装置を説明する。
【0026】
本発明において、電極パターン130を形成する原理は、陰刻パターン122が形成された樹脂層120を電極物質132で塗布した後、樹脂層120表面の電極物質132を除去すれば、電極物質132は樹脂層120の陰刻パターン122の内部にのみ残る。その結果、樹脂層120の陰刻パターン122の内部に充填された電極物質132が電極パターン130を形成する。
【0027】
このような電極物質は金属物質または導電性高分子のような導電性物質であっても良く、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、銀−カーボン(Ag−C)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、ニッケル−リン(Ni−P)、カーボンブラック(black carbon)、導電性ブラックペーストのうちいずれか1つまたはその混合物であっても良い。
以下では、
図6を参照して、本発明の好ましい一実施形態によるタッチスクリーンパネル製造装置を説明する。
【0028】
本発明の好ましい一実施形態によるタッチスクリーンパネル製造装置は、基板100が巻かれており、巻かれた基板100が解かれる第1ロール520、電極パターン130が形成された基板100が巻かれる第2ロール550、第1ロール520および第2ロール550間に備えられ、基板100の移送をガイドするガイドロール530a,530b,530c、基板100を支持する第1支持ロール542および第2支持ロール544、基板100の樹脂層120に電極物質132を塗布する電極物質塗布部430、樹脂層120表面の電極物質132を除去する電極物質スウィープ部440、樹脂層120の陰刻パターン122の内部に充填された電極物質132を硬化させる硬化部450、および樹脂層120表面を洗浄する洗浄部460を含む。
【0029】
電極物質塗布部430、電極物質スウィープ部440、硬化部450および洗浄部460は、第1ロール520と第2ロール550との間において基板100の移送方向に沿って順に配置される。
【0030】
第1ロール520および第2ロール550は、各々、本発明の一実施形態によるタッチスクリーンパネル製造装置の両端に備えられて回転し、第1ロール520に巻かれた基板100は両端が第1ロール520および第2ロール550にかけられた状態で連続的に移送されて第2ロール550に巻かれる。
【0031】
ガイドロール530a,530b,530cは、第1ロール520および第2ロール550間の基板100の移送経路上に備えられ、基板100の移送をガイドする。ガイドロール530a,530b,530cは設けられる位置に応じて第1ガイドロール530a、第2ガイドロール530bおよび第3ガイドロール530cに区分され、ガイドロール530a,530b,530cは本発明の必要に応じて個数および位置が様々に変更できることは勿論である。
【0032】
電極物質塗布部430は、基板100の移送経路上に設けられ、電極物質132を基板100の樹脂層120に塗布する。電極物質132は、基板100が移送される間に連続的に塗布されるか、または一定間隔をおいて不連続的に塗布されても良い。電極物質132が塗布される量および速度は、基板100の移送速度、陰刻パターン122の幅および深さ、電極物質132の粘性などを考慮して決定されることができる。樹脂層120に電極物質132が塗布されれば、電極物質132のうち一部は陰刻パターン122内に充填され、残りは樹脂層120の表面に残る。しかし、後述する電極物質スウィープ部440が備えられることにより、樹脂層120の表面に残る電極物質132が樹脂層120の陰刻パターン122の内部に充填されることができる。
【0033】
電極物質スウィープ部440は、基板100の移送方向に対して電極物質塗布部430の後方に設けられる。電極物質スウィープ部440は、樹脂層120表面に接触し、樹脂層120に塗布された電極物質132のうち樹脂層120表面の電極物質132を押し出して陰刻パターン122の内部に充填させる役割を果たす。換言すれば、樹脂層120に塗布された電極物質132は基板100と共に移送されが、樹脂層120表面の電極物質132が電極物質スウィープ部440に到達すれば、樹脂層120表面の電極物質132は、電極物質スウィープ部440に遮られて基板100と共に移送されることができず、基板100の移送方向の反対方向に押し出される。樹脂層120表面の電極物質132が電極物質スウィープ部440によって押し出される過程で、電極物質スウィープ部440が加える圧力により、樹脂層120表面の電極物質132は陰刻パターン122の内部に充填される。
【0034】
電極物質スウィープ部440は、ブレード442およびブレードアーム444を含むことができる。ブレードアーム444は、タッチスクリーンパネル製造装置の一側に基板100に対して上下方向に移動可能に設けられる。ブレード442は、ブレードアーム444の一端に回動軸442に結合されて回動し、ユーザーが所望する特定角度において固定されることができる。ブレード442の幅は基板100の幅と同じであるか大きいことが好ましく、ブレード442の先端は基板100の幅方向にかけて所定の角度で基板100に接触する。ブレード442が基板100と接触してなす角度は鋭角であることが好ましい。ブレード442は、電極物質132と反応せず、所定の剛性を有することによって基板100に一定圧力を提供できる材料からなることが好ましい。
【0035】
電極物質スウィープ部440は、ブレード442の先端が樹脂層120の表面に所定の角度で接触し、基板100に所定の圧力を加えるように固定されることにより、基板100の移送時に樹脂層120表面の電極物質132が基板100と共に移送されることを遮断すると同時に、樹脂層120表面の電極物質132を陰刻パターン122の内部に充填させる。換言すれば、電極物質スウィープ部440と基板100の相対移動により、樹脂層120表面の電極物質132は、電極物質スウィープ部440によって遮られ、樹脂層120表面から押し出されて陰刻パターン122の内部に充填される。電極物質スウィープ部440によって電極物質132が基板100の移送方向の反対方向に押し出されることにより、電極物質スウィープ部440を通過した基板100の樹脂層120の表面には電極物質132がほぼ除去される。この時、ブレード442が基板100と鋭角をなして接触することにより、ブレード442によって押し出される樹脂層120表面の電極物質132が陰刻パターン122の内部に効果的に充填される。
【0036】
ブレード442がブレードアーム444に回動可能に結合されると同時に、ブレードアーム444によって上下方向に移動することができるため、ブレード442が基板100と接触する角度およびブレード442が基板100に加える圧力を調節することができる。すなわち、電極物質スウィープ部440が基板100に加える圧力は、ブレード442が基板100に接触する角度を調節するか、またはブレードアーム444の上下方向の位置を調節することによって調節されることができる。電極物質スウィープ部440が基板100に加える圧力が強いほど、樹脂層120表面の電極物質132が効果的に除去されるが、電極物質スウィープ部440の圧力が過度な場合は基板100が損傷する危険がある。
【0037】
基板100を間に置いて電極物質スウィープ部440の反対側には、電極物質スウィープ部440によって加圧される基板100を支持する第1支持ロール542が設けられる。基板100が第1支持ロール542によって支持されることにより、電極物質スウィープ部440の圧力によって基板100が垂れることが防止され、電極物質スウィープ部440が基板100に密着する状態が維持されることができる。
【0038】
硬化部450は、電極物質スウィープ部の後方に備えられ、基板100に熱、熱風、赤外線または近赤外線(near−infrared)を照射して、樹脂層120の陰刻パターン122の内部に充填された電極物質を硬化させる。
【0039】
洗浄部460は、樹脂層120表面上の残余電極物質を洗浄する。樹脂層120表面の電極物質132の大半が電極物質スウィープ部440によって押し出されて陰刻パターン122の内部に充填されても、樹脂層120の表面には電極物質132の残余物135が残り得る。洗浄部460は、電極物質スウィープ部440によって除去されずに樹脂層120表面に残った電極物質132の残余物135を除去する。洗浄部460は、洗浄部材462、第1洗浄ロール466a、第2洗浄ロール466b、および洗浄ガイドロール464を含む。
【0040】
洗浄部材462は、第1洗浄ロール466aと第2洗浄ロール466bとの間に巻かれ、樹脂層120の表面に接触して、樹脂層120の表面に残った電極物質132の残余物135を除去する。洗浄部材462は、基板100が移送される間、第1洗浄ロール466aまたは第2洗浄ロール466bに巻かれて、基板100の移送方向と同一方向または反対方向に移送されることができる。また、洗浄部材462は、基板100が移送される間に移送されずに固定された状態に維持されることもできる。
【0041】
洗浄部材462は、洗浄ガイドロール464によって基板100側に加圧され、樹脂層120の表面に接触して、基板100表面に残った電極物質132の残余物135を除去する。基板100を間に置き、洗浄ガイドロール464の反対側には第2支持ロール544が設けられる。第2支持ロール544は、洗浄ガイドロール464によって加圧される基板100を支持する。基板100が第2支持ロール544によって支持されることにより、基板100は洗浄ガイドロール464が加圧する方向に垂れることなく、洗浄部材462に密着した状態が維持される。また、第2支持ロール544は、基板100に移送力を提供して基板100を移送させる。洗浄部材462が基板100に接触すれば、摩擦力のために洗浄部材462が基板100に接触する地点で基板100の移送速度が遅くなり得る。第1ロール520と第2ロール550との間の各地点で基板100は同一速度で移送されなければならないが、特定地点で基板100の移送速度が遅くなると基板100が変形し得る。したがって、洗浄部材462が接触する地点での基板100の移送速度が他の地点での移送速度と同一に維持されるように、基板100が洗浄部材462と接触する地点で基板100に十分な移送力を提供する必要がある。基板100に移送力を提供するためには、基板100と第2支持ロール544との間に十分な摩擦力が存在しなければならない。基板100と第2支持ロール544との間の摩擦力を向上させるために、第2支持ロール544の前後において基板100の移送方向が転換されることが好ましい。基板100の移送方向が転換されるということは、
図6に示すように、側面から見た時、基板100が第2支持ロール544を中心に所定の角度で折り曲げられることを意味する。基板100が第2支持ロール544によって移送方向が転換されれば、基板100と第2支持ロール544との間の接触面積が広くなって摩擦力が向上する。基板100と第2支持ロール544との間の接触面積が広くなることにより、第2支持ロール544の回転時、基板100にスリップが発生することなく、基板100が第2支持ロール544の回転方向に沿って円滑に移送されることができる。この時、基板100の移送方向は様々な角度に転換されることができるが、
図6に示すように90度以上に転換されることが好ましく、基板100の移送方向の転換角度が大きいほど、基板100を安定的に移送できるという長所がある。
【0042】
一方、上述したように、洗浄部材462は、樹脂層120の表面に接触して、電極物質132の残余物135を除去する。この時、電極物質132の残余物135を効果的に除去するために、洗浄部材462は洗浄液を含有することができる。洗浄液は、例えば、9:1〜8:2の混合比を有するイソプロピルアルコール(isopropyl alcohol;IPA)およびアセトンの混合物であっても良い。洗浄液は、樹脂層120の表面に残った電極物質132の残余物135を軟化させる機能を果たす。
【0043】
また、洗浄部460は、基板100の移送方向に直列に少なくとも2つ備えられることができる。本実施形態の場合、洗浄部460は第1洗浄部460a、第2洗浄部460bおよび第3洗浄部460cが基板100の移送方向に対して直列に備えられ、第1洗浄部460a、第2洗浄部460bおよび第3洗浄部460cは第2支持ロール544の外周面に沿って配置される。この時、最前方に配置される第1洗浄部460aの洗浄部材462には洗浄液が含まれるが、後方に配置される第2洗浄部460bおよび第3洗浄部460cの洗浄部材462には洗浄液が含まれるか又は含まれなくても良い。第1洗浄部460aは、樹脂層120の表面に洗浄液を塗布して、樹脂層120の表面に残った電極物質132の残余物135を軟化させる。第2洗浄部460bは、第1洗浄部460aの後方に設けられ、第1洗浄部460aによって軟化した樹脂層120の表面に残った電極物質132の残余物135をふき取る。第2洗浄部460bの後方に設けられる第3洗浄部460cは、第1洗浄部460aによって樹脂層120の表面に塗布されてから第2洗浄部460bによってふき取られずに残っていた洗浄液を除去する。第3洗浄部460cによって洗浄液が完全に除去されることにより、タッチスクリーンパネルに染みが生じることが防止され、洗浄液によって第2ロール550が汚染されることが防止される。このように、洗浄部460が基板100の移送方向に対して直列に少なくとも2つ備えられれば、樹脂層120表面に残った電極物質132の残余物135は数回にかけて除去されることができる。したがって、洗浄部460が基板100の移送方向に対して直列に少なくとも2つ備えられれば、洗浄部460が1つのみ備えられる時より電極物質132の残余物135を充分に除去することができる。また、洗浄部460が1つのみ備えられる場合は、電極物質132の残余物135を完全に除去するために洗浄部460が基板100に大きい圧力を加えなければならないが、洗浄部460が複数備えられる場合は、電極物質132の残余物135を数回にかけて除去することができるため、基板100に過度に大きい圧力を加えなくても良いので基板100が損傷または変形することを防止することができる。
【0044】
ここで、洗浄部460が基板100の移送方向に対して直列に2つ以上備えられる場合、基板100を安定的に支持できるように第2支持ロール544の直径は十分に大きく形成されることが好ましい。
図9は、第2支持ロールの直径が十分に大きくないので洗浄部材と基板が接触する地点で基板が第2支持ロールによって支持されない状態を示す図である。仮に、
図9に示すように、第2支持ロール544'の直径が十分に大きく形成されない場合は、基板100と第2支持ロール544'の接触面の長さが短く形成されるため、基板100と第2支持ロール544'の接触面内に洗浄ガイドロール464が配置できないことがある。この場合、洗浄ガイドロール464によって洗浄部材462が基板100に接触する地点で基板100が第2支持ロール544'によって支持されることができないため、基板100が洗浄ガイドロール464に密着できないので洗浄が円滑に行われなかったり、基板100が洗浄ガイドロール464によって変形または損傷したりする危険がある。したがって、
図6に示すように、洗浄部材462と基板100の接触地点が基板100と第2支持ロール544の接触面内に位置するように、第2支持ロール544の直径は洗浄ガイドロール464より十分に大きく形成されることが好ましい。この時、第2支持ロール544と洗浄ガイドロール464の直径比は2〜7:1程度が好ましく、より好ましくは5〜7:1である。ここで、洗浄ガイドロール464に対する第2支持ロール544の直径比が2未満である場合は、
図9に示すように第2支持ロール544の周縁に複数の洗浄ガイドロール464が接触し難いため、洗浄部の洗浄力が減少するので完成された基板に不良が発生し得る。また、洗浄ガイドロール464に対する第2支持ロール544の直径比が7を超過する場合は、基板100と第2支持ロール544が互いに接触する面積が大きくなるので基板100に移送力を効果的に伝達できるという長所はあるが、第2支持ロール544が過度に空間を多く占め、第2支持ロール544の製造費用が上昇するという短所がある。その反面、洗浄ガイドロール464に対する第2支持ロール544の直径比が2〜7である場合は、基板100に十分な移送力を伝達できる程度に基板100と第2支持ロール544の接触面積を確保することができるため、基板100の洗浄時に基板100が複数の洗浄部と接触しても各々の洗浄部における基板100の移送速度を一定に維持させることができ、洗浄ガイドロール464に対する第2支持ロール544の直径比が5〜7である場合は、基板100と第2支持ロール544の接触面積がより大きくなるため、基板100により大きい移送力を提供できるという効果がある。
【0045】
一方、洗浄部460が基板100の移送方向に対して直列に2つ以上備えられる場合の他の実施形態として、
図10に示すように、第2支持ロール544''が洗浄部460と同一個数で備えられるように構成されることもできる。第2支持ロール544''が洗浄部460と同一個数で備えられる場合は、1つの第2支持ロール544''に1つの洗浄ガイドロール464のみが接するので第2支持ロール544''の直径を小さくできるという長所があり、複数の洗浄部460が第2支持ロール544''の外周面に沿って配置される必要がないので洗浄部460の設置位置を自由に選択できるという長所があるが、第2支持ロール544''が複数備えらなければならなず、複数の第2支持ロール544''を個別的に制御しなければならないので
図6に示された実施形態に比べて装置の構成が複雑になり、第2支持ロール544''において基板100の移送方向が転換されないので基板100と第2支持ロール544''との間の接触面積の減少によって基板100に十分な移送力を提供し難いという短所がある。
【0046】
このように、洗浄部の構成は
図6に示された実施形態に限定されず、様々な形態に変形可能であり、その一例として
図9および
図10に示された実施形態のように実現されることもできるが、上述したような理由で、第2支持ロール544の前後において基板100の移送方向が転換され、洗浄部材462と基板100の接触地点が基板100と第2支持ロール544の接触面内に位置するように第2支持ロール544の直径が十分に大きく形成される
図6に示された実施形態が最も好ましい実施形態であると言える。
【0047】
一方、タッチスクリーンパネルに形成される電極パターン130を高さ方向に互いに異なる物質で構成しようとする場合、または一度の塗布で十分な量の電極物質132が陰刻パターン122の内部に充填されない場合などのように、必要に応じては、電極物質塗布部430、電極物質スウィープ部440、硬化部450および洗浄部460からなるセットが
図11に示すように基板100の移送方向に複数備えられることができ、これにより、陰刻パターン122の内部には前記セットと同一個数の電極物質132層が順に積層される。
【0048】
例えば、電極パターン130の下部の2つの層を銀で積層し、最上部層をカーボンブラックで積層しようとする場合は、前記セットを基板100の移送方向に対して直列に3つ設置する。基板100が移送されながら前記セットを通過すれば、先ず、樹脂層120に銀136が塗布された後に陰刻パターン122内に銀136が充填され、充填された銀136が硬化した後、樹脂層120表面に残った電極物質132の残余物135が除去されるステップを経て、陰刻パターン122の内部には銀136が充填される(
図8a参照)。基板100が移送し続けられ、前記のような一連のステップが再び銀136およびカーボンブラック137に対して行われ、陰刻パターン122内には下部から順に銀136、銀136、カーボンブラック137が積層されて電極パターンを形成する(
図8bおよび
図8c参照)。
【0049】
一方、電極パターン130の下部層を銀で積層し、上部層をカーボンブラックで積層しようとする場合は、前記セットを基板100の移送方向に対して直列に2つ設置する。上記のように電極物質を2層に形成する場合は、3層に形成する時より工程ステップを縮小し視認性を低減させることができる。
以下、前述した構成要素を参照して、本実施形態によるタッチスクリーンパネル製造装置の作動過程を説明する。
【0050】
先ず、第1ロール520に巻かれた基板100がガイドロール530a,530b,530cによってガイドされ、第2ロール550側に移送される。基板100が移送される過程で、先ず、電極物質塗布部430により、基板100の樹脂層120に電極物質132が塗布される。電極物質132が塗布された基板100は移送されて電極物質スウィープ部440を経る。電極物質スウィープ部440は、基板100に所定の角度で接触して基板100を加圧する。樹脂層120に塗布された電極物質132は、電極物質スウィープ部440と第2ガイドロール530bとの間の圧力により、樹脂層120の陰刻パターン122に均一に充填される(
図7a参照)。基板100が移送されて、樹脂層120の陰刻パターン122の内部に充填された電極物質132を除いた樹脂層120表面の電極物質132は、電極物質スウィープ部440によってほぼ除去される(
図7b参照)。樹脂層120の陰刻パターン122の内部に充填された電極物質は、硬化部450から放出される熱、熱風、赤外線または近赤外線によって硬化する。硬化部450によって電極物質132が硬化した後、基板100は洗浄部460を経る。洗浄部460により、樹脂層120表面に残った電極物質132の残余物135が完全に除去される(
図7c参照)。洗浄部460を経た後、完成されたタッチスクリーンパネル(
図7d参照)は最終的に第2ロール550に巻かれる。
【0051】
前述した本発明の実施形態においては、前記基板100と完成されたタッチスクリーンパネル10は互いに連結された状態であって、本発明の実施形態によって電極パターン130が形成されたか否かに応じて名称が分類されたものである。
図5は、本発明の一実施形態によるタッチスクリーンパネル製造方法のフローチャートである。
次に、本発明の一実施形態によるタッチスクリーンパネル製造方法を説明する。
【0052】
本発明の一実施形態によるタッチスクリーンパネル製造方法は、基板が第1ロールから第2ロールに移送されるステップ(S100)、電極物質塗布部により、第2ロールに移送される基板の樹脂層に電極物質が塗布されるステップ(S200)、電極物質スウィープ部により、基板の樹脂層に塗布された電極物質のうち樹脂層表面の電極物質が基板の移送方向の反対方向に押し出されて陰刻パターンの内部に充填されるステップ(S300)、基板の樹脂層の陰刻パターン122の内部に充填された電極物質が硬化するステップ(S400)、および洗浄部によって樹脂層の表面が洗浄されることにより、樹脂層表面に残った電極物質の残余物が除去されるステップ(S500)を含む。
【0053】
先ず、基板100が第1ロール520から第2ロール550に移送される(S100)。本発明において、基板100は第1ロール520から第2ロール550にロールツーロール(roll to roll)方式によって移送されて巻かれる。換言すれば、両側にロールを備えた状態で、一側のロールに巻かれた基板100が解かれて移送され、他側のロールに再び巻かれる方式である。
【0054】
基板100が移送される過程で、樹脂層120に電極物質132が塗布される(S200)。樹脂層120に電極物質132が塗布されれば、電極物質132のうち一部は陰刻パターン122内に充填され、残りは樹脂層120の表面に残るようになる。電極物質132が塗布された基板100が移送し続けられれば、電極物質132は電極物質スウィープ部440に到達し、樹脂層120に塗布された電極物質のうち樹脂層120表面の電極物質は電極物質スウィープ部440に遮られ、基板100と共に基板100の移送方向に進行することができないことによって基板100の移送方向の反対側に押し出される。樹脂層120表面の電極物質が電極物質スウィープ部440によって基板100に対して相対的に後方に押し出され、電極物質スウィープ部440によって加えられる圧力によって陰刻パターン内に充填される(S300)。基板100が電極物質スウィープ部440を通過すれば、陰刻パターン122内には電極物質132が充填され、樹脂層120表面には電極物質132の残余物135のみが残るようになる。その後、樹脂層120の陰刻パターン122の内部に充填された電極物質132を硬化するステップ(S400)を経て、樹脂層120の表面が洗浄され、樹脂層120表面に残った電極物質132の残余物135が除去される(S500)。その結果、陰刻パターン122の内部に充填された電極物質132が電極パターン130を形成する。
【0055】
以上の説明は本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者であれば、本発明の本質的な特性を逸脱しない範囲内で様々な修正、変更および置換することができる。したがって、本発明に開示された実施形態は本発明の技術思想を限定するためのものでなく説明するためのものであり、このような実施形態によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は下記の請求範囲によって解釈しなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれると解釈しなければならない。