(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6053863
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】汚泥掻き寄せ機
(51)【国際特許分類】
B01D 21/18 20060101AFI20161219BHJP
F16G 13/12 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
B01D21/18 G
B01D21/18 A
F16G13/12 G
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-93936(P2015-93936)
(22)【出願日】2015年5月1日
(62)【分割の表示】特願2011-189620(P2011-189620)の分割
【原出願日】2011年8月31日
(65)【公開番号】特開2015-164730(P2015-164730A)
(43)【公開日】2015年9月17日
【審査請求日】2015年5月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】藤原 克仁
(72)【発明者】
【氏名】安堂 豪
(72)【発明者】
【氏名】松林 由樹
【審査官】
高橋 成典
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭61−102204(JP,A)
【文献】
特開2011−072951(JP,A)
【文献】
特開2009−241022(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 21/18
B65G 19/00、19/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚泥掻き寄せ具を回動方向に間隔を隔てて取り付けてある無端回動体が、横軸芯周りで回転する駆動回転体と従動回転体とに亘って回動自在に巻き掛けられ、前記無端回動体の回転体に対する非巻き掛け部分を、その回動径路の外周側から押圧することにより、その無端回動体に張力を付与する押圧部材が設けられている汚泥掻き寄せ機であって、
前記無端回動体の内周側に前記無端回動体が入り込む凹部を備えたガイド部材が前記押圧部材と一体揺動自在に設けられている汚泥掻き寄せ機。
【請求項2】
前記ガイド部材は位置変更可能に構成されている請求項1に記載の汚泥掻き寄せ機。
【請求項3】
前記ガイド部材は前記押圧部材の下方で且つ前記駆動回転体を起点とする前記無端回動体の回動方向の最上流に配置される前記従動回転体側に設けられている請求項1又は2に記載の汚泥掻き寄せ機。
【請求項4】
前記押圧部材を備えた揺動部材が、前記横軸芯と略平行な揺動軸芯周りで揺動自在に支持され、
前記押圧部材の一部若しくは前記押圧部材に設けられた部材が前記無端回動体の一部に入り込んで、前記押圧部材と無端回動体との位置ずれを防止するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の汚泥掻き寄せ機。
【請求項5】
前記押圧部材が輪体であり、当該輪体の周側面に前記無端回動体の一部に入り込む凸状部が形成されている請求項4に記載の汚泥掻き寄せ機。
【請求項6】
前記凸状部の少なくとも先端部側の所定領域が周側面側ほど幅広に形成されている請求項5に記載の汚泥掻き寄せ機。
【請求項7】
前記無端回動体は一対のリンクプレートを備えたノッチチェーンを前記ノッチチェーンでの回動方向で隣り合うリンクプレートどうしの夫々を、当該リンクプレートの板面が前記駆動回転体の周方向に沿う姿勢で相対揺動自在に連結して構成してあり、
前記ノッチチェーンの外周側に前記汚泥掻き寄せ具が取り付けてあり、
前記一対のリンクプレートが膨出部を備え、前記一対のリンクプレートの前記膨出部間に前記押圧部材の一部若しくは前記押圧部材に設けられた部材が入り込む請求項4に記載の汚泥掻き寄せ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚泥掻き寄せ具を回動方向に間隔を隔てて取り付けてある無端回動体が、横軸芯周りで回転する駆動回転体と従動回転体とに亘って回動自在に巻き掛けられ、前記無端回動体の前記回転体に対する非巻き掛け部分を、その回動径路の外周側から押圧することにより、その無端回動体に張力を付与する押圧部材が設けられている汚泥掻き寄せ機に関する。
【背景技術】
【0002】
上記汚泥掻き寄せ機は、例えば汚水処理設備における沈澱池に設置され、横軸芯周りで回転する駆動回転体と従動回転体とに亘って巻き掛けられた無端チェーンなどの無端回動体を駆動回動させることにより、その無端回動体に取り付けてある汚泥掻き寄せ具で、沈澱池に沈澱している汚泥を沈澱池底部に設けてある排出溝に掻き寄せることができるものである。
このような汚泥掻き寄せ機では、長期に亘る運転のうちに、クリープ現象や磨耗などに起因して無端回動体に伸びが生じるので、無端回動体の伸びにかかわらず、その無端回動体に適度な張力を与えることができるように、無端回動体の回転体に対する非巻き掛け部分を、その回動径路の外周側から内周側に向けて押圧することにより、その無端回動体に張力を付与する押圧部材が設けられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2009−241022号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の汚泥掻き寄せ機では、無端回動体に適切にテンションを付与する必要があり、本発明は無端回動体に適切にテンションを付与することができる汚泥掻き寄せ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る汚泥掻き寄せ機は、汚泥掻き寄せ具を回動方向に間隔を隔てて取り付けてある無端回動体が、横軸芯周りで回転する駆動回転体と従動回転体とに亘って回動自在に巻き掛けられ、前記無端回動体の回転体に対する非巻き掛け部分を、その回動径路の外周側から押圧することにより、その無端回動体に張力を付与する押圧部材が設けられている汚泥掻き寄せ機であって、前記無端回動体の内周側に前記無端回動体が入り込む凹部を備えたガイド部材が前記押圧部材と一体揺動自在に設けられている。
【0006】
上記構成によれば、押圧部材の下方に無端回動体が上方から入り込む凹部を備えたガイド部材が押圧部材と一体揺動自在に設けられている。このため、押圧部材が無端回動体に乗り上げようとする場合、押圧部材がガイド部材と連動してガイド部材が持ち上げられる。この結果、押圧部材が無端回動体に乗り上げて、押圧部材が無端回動体から離脱することを防止することができる。従って、押圧部材により無端回動体を確実に押圧することができる。
【0007】
上記構成において、前記ガイド部材は位置変更可能に構成されていると好適である。
【0008】
本構成のように、ガイド部材を位置変更可能に構成することにより、ガイド部材の位置を適切に設定することができる。
【0009】
上記構成において、前記ガイド部材は前記押圧部材の下方で且つ
前記駆動回転体を起点とする前記無端回動体の回動方向の最上流に配置される前記従動回転体側に設けられていると好適である。
【0010】
上記構成において、前記押圧部材を備えた揺動部材が、前記横軸芯と略平行な揺動軸芯周りで揺動自在に支持され、前記押圧部材の一部若しくは前記押圧部材に設けられた部材が前記無端回動体の一部に入り込んで、前記押圧部材と無端回動体との位置ずれを防止するように構成されていると好適である。
【0011】
上記構成によれば、押圧部材が前記無端回動体を押圧するに際に、押圧部材の一部若しくは押圧部材に設けられた部材が無端回動体の一部に入り込んで、押圧部材と前記無端回転体との位置ずれを防止する。このため、押圧部材が無端回動体に乗り上げて、無端回動体押圧部材から離脱することを防止することができる。従って、押圧部材により無端回動体を確実に押圧することができる。
【0012】
上記構成において、前記押圧部材が輪体であり、当該輪体の周側面に前記無端回動体の一部に入り込む凸状部が形成されていると好適である。
【0013】
本構成のように、押圧部材が輪体である場合、輪体の周側面に凸状部を形成することにより、無端回動体の一部に凸状部が入り込んで、押圧部材と凸状部材との位置ずれを防止する。このため、押圧部材が無端回動体に乗り上げて、押圧部材が無端回動体から脱輪することを防止することができる。従って、押圧部材により無端回動体を確実に押圧することができる。
【0014】
上記構成において、前記凸状部の少なくとも先端部側の所定領域が周側面側ほど幅広に形成されていると好適である。
【0015】
本構成のように凸状部が周側面側ほど幅広に形成されることにより、凸状部の側面が先端側から基端側に広がるように斜面状に形成される。このように、凸状部の側面が斜面状に形成されることにより、押圧部材が無端回動体に乗り上げようとする場合、つまり、凸状部の先端部付近が無端回動体に接触する場合、押圧部材の凸状部を無端回動体の幅方向中央側に戻す方向に力が働く。従って、より確実に無端回動体の位置ずれを防止することができ、押圧部材により確実に無端回動体を押圧することができる。
【0016】
上記構成において、前記無端回動体は一対のリンクプレートを備えたノッチチェーンを前記ノッチチェーンでの回動方向で隣り合うリンクプレートどうしの夫々を、当該リンクプレートの板面が前記駆動回転体の周方向に沿う姿勢で相対揺動自在に連結して構成してあり、前記ノッチチェーンの外周側に前記汚泥掻き寄せ具が取り付けてあり、前記一対のリンクプレートが膨出部を備え、前記一対のリンクプレートの前記膨出部間に前記押圧部材の一部若しくは前記押圧部材に設けられた部材が入り込むと好適である。
【0017】
本構成のように、一対のリンクプレートが上方に膨出する膨出部を備え、一対のリンクプレートの膨出部間に前記押圧部材の一部若しくは前記押圧部材に設けられた部材が入り込むことにより、ノッチチェーンの補強のための膨出部が押圧部材の一部若しくは押圧部材に設けられた部材が入り込む空間に兼用できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】ノッチチェーン及び駆動回転体を示す図である。
【
図3】押圧部材及びガイド部材を示す上面図である。
【
図4】押圧部材及びガイド部材を示す側面図である。
【
図7】別実施形態に係るガイド部材を示す側面図である。
【
図8】別実施形態に係るガイド部材を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、汚水処理設備における沈澱池Aの縦断面を示し、本発明による汚泥掻き寄せ機BとスカムスキマCとが設置されている。
【0020】
図1に示すように、前記汚泥掻き寄せ機Bは、汚泥掻き寄せ具1を回動方向に間隔を隔てて取り付けてある無端回動体としての左右一対の無端チェーン2の夫々が、横軸芯X周りで回転する駆動回転体としての駆動スプロケット3と、従動回転体としての第1〜第3従動スプロケット4(4a,4b,4c)とに亘って回動自在に巻き掛けられ、駆動スプロケット3を駆動回転させる駆動装置5を設けてある。
【0021】
前記駆動スプロケット3は、沈澱池Aの長手方向端部における水面WL近くに支持され、第1従動スプロケット4aは、沈澱池Aの長手方向略中央における水面WL近くに支持され、第2,第3従動スプロケット4b,4cは、沈澱池Aの長手方向両端側における底面6近くに支持されている。
【0022】
前記駆動スプロケット3は、
図2に示すように、回転軸部材7を挿通するボスの外周側に、二枚の円板部材9を互いに平行に同芯状に設けて、その二枚の円板部材9に亘って、複数の円柱状軸部材である係合ピン10を周方向に等間隔を隔てて回転軸芯Xに沿う姿勢で固定してあり、第1〜第3従動スプロケット4a,4b,4cの夫々は、
図3に示すように、無端チェーン2を入り込ませる周溝11をその外周部に設けてある。第1従動スプロケット4aは揺動部材19の近傍(つまり、押圧部材17の近傍)に設けられ、第2従動スプロケット4bは汚泥ピット15とは反対の側の端部に設けられ、第3従動スプロケット4cは、汚泥ピット15側の端部に設けられる。
【0023】
前記無端チェーン2は、
図2に示すように、回動方向で隣り合うリンクプレート12どうしの夫々を、板面が駆動スプロケット3の周方向に沿う姿勢で、連結ピン16で相対揺動自在に連結してあるノッチチェーン2で構成されている。リンクプレート12の夫々の駆動スプロケット3側の側縁部13に、係合ピン10を係合させるノッチ14が形成されている。また、ノッチチェーンの外周側(つまり、ノッチチェーン2が底面6の側に位置する場合の下方側)には、例えばアタッチメント等を介して汚泥掻き寄せ具1が取り付けられている。ノッチチェーン2は、例えば合成樹脂製である。
【0024】
ノッチチェーン2の一対のリンクプレート12は上方に膨出する膨出部を備え、一対のリンクプレート12の膨出部30間に形成された凹部30a(つまり、ノッチチェーン2の一部)に後述する押圧部材17に設けた凸状部が入り込む。本構成のように、リンクプレート12の膨出部30間が凹部30aとして機能することにより、汚泥掻き寄せ具1から離れた上方側で押圧部材17の凸状部17aが凹部30aに入り込んでノッチチェーン2が押圧部材17により押圧される。このように、ノッチチェーンの補強のための膨出部30を押圧部材17に設けた凸状部が入り込む凹部30aとして兼用することができる。
【0025】
そして、ノッチチェーン2を駆動スプロケット3及び第1〜第3従動スプロケット4a,4b,4cにおける二枚の円板部材9の間に入り込ませてノッチ14に係合ピン10を係合させた状態で、駆動装置5による駆動スプロケット3の駆動回転で、左右一対のノッチチェーン2を駆動回動させて、各汚泥掻き寄せ具1を、駆動スプロケット3,第1従動スプロケット4a,第2従動スプロケット4b,第3従動スプロケット4cの順に経由するように循環移動させ、駆動スプロケット3側から第1従動スプロケット4a側に向けた移動で、沈澱池Aの水面WL近くに浮いているスカムをスカムスキマC側に掻き寄せ、第2従動スプロケット4b側から第3従動スプロケット4c側に向けた移動で、沈澱池Aの底面6近くに沈澱している汚泥を沈澱池Aの底部に設けてある汚泥ピット15に掻き寄せることができるように構成してある。
【0026】
図1に示すように、無端チェーン2に張力を付与する押圧部材17が、下方に自重移動自在に設けてある。 前記押圧部材17は、
図3,
図4及び
図5に示すように、ノッチチェーン2の回動移動に従動して回転自在な回転部材としての例えば樹脂製の輪体で構成してある。押圧部材17の外周面の幅方向中央部分には、全周に亘って溝部が形成され、この溝部に弾性体で構成されたリング部材が設けられて、このリングが押圧部材17の外周面から径方向外側に突出して凸状部17aが形成される。このリング部材は押圧部材17に取り付けられた状態で、少なくとも先端部の所定の領域が、先端部から基端部に向かって幅広に形成されている。この凸状部17aがノッチチェーン2の凹部30aに上方から入り込む。なお、凸状部17aは上述の形態に限られるものではなく、押圧部材17の外周面に一体的に形成されたものであっても良い。また、凸状部17aは、必ずしも押圧部材17の全周に亘って設ける必要はなく、一部のみに設けてもよい。また、凸状部17aを設けることなく、押圧部材17自体が凹部30aに入り込むように構成してもよい。
【0027】
本実施形態では、
図5に示すように、凸状部17aの先端部分から所定の領域までの部分が基端側ほど幅が大きくなるように設定されている。凸状部17aが周側面側ほど幅広に形成されることにより、凸状部17aの側面が先端側から基端側に広がるように斜面状に形成される。このように、凸状部17aの側面が斜面状に形成されることにより、押圧部材17がノッチチェーン2に乗り上げようとする場合、つまり、凸状部17aの先端部付近がノッチチェーンの凹部30aに接触する場合、押圧部材17の凸状部17aをノッチチェーン2の凹部30aの幅方向中央側に戻す方向に付勢する。従って、ノッチチェーン2の位置ずれを防止することができる。なお、押圧部材17の凸状部17aの両側に凸状部17aを挟むように突起を設け、凸状部17aを凹部30a(一対の膨出部30の間)に入り込ませるとともに、夫々の膨出部30の外方に突起が位置するように構成してもよい。
【0028】
図3,
図4及び
図5に示すように、押圧部材17は、第1従動スプロケット4aの横軸心Xと略平行な回転軸心Y周りで回転自在に揺動部材19に支持してあり、揺動部材19は、第1従動スプロケット4aを回転自在に支持している支軸部材20に、その第1従動スプロケット4aの横軸心Xと略平行な揺動軸心Z周りで自重揺動自在に支持されている。
【0029】
前記揺動部材19は、押圧部材17と、左右一対の揺動アーム21と、一対の揺動アーム21どうしを互いに連結している連結フレーム22とを備えている。各揺動アーム21の基端側を、第1従動スプロケット4aの支軸部材20に回動自在に外嵌する筒体7に取付け、その筒体7の軸心を揺動軸心Zとしてあり、揺動アーム21の先端部に着脱自在に錘8を取付けてある。尚、前記横軸心Xと揺動軸心Zとは、必ずしも一致していなくとも良い。一対の前記押圧部材17の夫々を、前記連結フレーム22に回転軸心Y周りで回転自在に支持してある。
【0030】
図6に示すように、押圧部材17の下方で且つ第1従動スプロケット4a側には、ノッチチェーン2が上方から入り込む凹部41aを備えたガイド部材40が押圧部材17と一体揺動自在に設けられている。ガイド部材40は回転体としての輪体として構成され、輪体に一対の鍔部41を設けることにより鍔部41間に凹部41aが形成されている。本実施形態では、凹部41aは上方ほど幅が広くなるように形成されている。なお、凹部41aは必ずしも上方ほど幅が広くなるように形成する必要はなく、上下位置に拘わらず同一の幅であってもよい。
【0031】
図4に示すように、ガイド部材40は、揺動アーム21から下方に延びた支持部材42に支持されている。揺動アーム21には揺動アーム21の長手方向に沿って複数の孔部21aが形成され、支持部材42には高さ方向に沿って複数の孔部42aが設けられ、揺動アーム21の何れかの孔部21aと支持部材の何れかの孔部42aとに渡ってボルト21bを挿通することにより、ガイド部材40が支持部材42を介して揺動アーム21に支持される。
【0032】
ここで、揺動アーム21及び支持部材42に複数の孔部21a,42aが設けられていることから、ボルト21bを挿通する孔部21a,42aを変えることでガイド部材40のノッチチェーン2の移動方向における前後位置及び上下位置を変更することができる。なお、ノッチチェーン2の第1従動スプロケット4aと押圧部材17の間の部分は直線状になることが好ましいが、上記のとおり、ガイド部材40の位置を変更することができるので、ノッチチェーン2の第1従動スプロケット4aと押圧部材17の間の部分を直線状にするよう、ガイド部材40の位置を適切に変更することができる。なお、ガイド部材40は1個でもよいが、2個の場合はノッチチェーン2を直線状にできるのでより効果的に脱輪が防止される。
【0033】
本実施形態では、ガイド部材40は、通常の状態つまり、押圧部材17の凸状部17aがノッチチェーン2の凹部30aに入り込んだ状態では、ガイド部材40の鍔部41がノッチチェーン2に触れないようにその位置が設定してある。一方、押圧部材17の凸状部17aがノッチチェーン2に乗り上げようとする場合、押圧部材17と連動してガイド部材40が持ち上げられるので、ノッチチェーン2が下方に移動してガイド部材40の鍔部41に接触する。このとき、鍔部41により形成される凹部41aが上方ほどその幅が大きく設定されているので、ノッチチェーン2が鍔部41に当接することにより、ノッチチェーン2が上方側且つ凹部41aの中央側に付勢される。つまり、押圧部材17のノッチチェーン2への乗り上げが解消される側に付勢される。なお、凹部41aを同一の幅に形成した場合であっても、ノッチチェーン2が鍔部41に当接することにより、ノッチチェーン2が凹部41aの中央側に付勢されるので、押圧部材17のノッチチェーン2への乗り上げが解消される側に付勢される。
【0034】
なお、ガイド部材は上記の形態に限られるものではなく例えば、
図7及び
図8に示すものであってもよい。このガイド部材50はノッチチェーン2の進行方向に沿って延びる一対の板部材51を支持部材52a,52bにより揺動アーム22に支持するよりノッチチェーン2が入り込む凹部51aを形成している。また、例えば、チャンネル材等を用いてもよい。また、この場合も、上記の実施形態と同様に、ガイド部材50の位置を変更可能に構成することができる。
【0035】
また、上述の沈殿池Aの形態は一例であり、この汚泥掻き寄せ機Bは他の形態の沈殿池等にも適用可能であり、その他の汚泥処理装置においても適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、沈殿池等の汚泥処理装置における汚泥掻き寄せ機として利用することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 汚泥掻き寄せ具
2 無端回動体(ノッチチェーン)
17 押圧部材
19 揺動部材
12 リンクプレート
40,50 ガイド部材