特許第6053944号(P6053944)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 古河電気工業株式会社の特許一覧
特許6053944圧着接続構造体、ワイヤーハーネス、圧着接続構造体の製造方法、及び圧着接続構造体の製造装置
<>
  • 特許6053944-圧着接続構造体、ワイヤーハーネス、圧着接続構造体の製造方法、及び圧着接続構造体の製造装置 図000004
  • 特許6053944-圧着接続構造体、ワイヤーハーネス、圧着接続構造体の製造方法、及び圧着接続構造体の製造装置 図000005
  • 特許6053944-圧着接続構造体、ワイヤーハーネス、圧着接続構造体の製造方法、及び圧着接続構造体の製造装置 図000006
  • 特許6053944-圧着接続構造体、ワイヤーハーネス、圧着接続構造体の製造方法、及び圧着接続構造体の製造装置 図000007
  • 特許6053944-圧着接続構造体、ワイヤーハーネス、圧着接続構造体の製造方法、及び圧着接続構造体の製造装置 図000008
  • 特許6053944-圧着接続構造体、ワイヤーハーネス、圧着接続構造体の製造方法、及び圧着接続構造体の製造装置 図000009
  • 特許6053944-圧着接続構造体、ワイヤーハーネス、圧着接続構造体の製造方法、及び圧着接続構造体の製造装置 図000010
  • 特許6053944-圧着接続構造体、ワイヤーハーネス、圧着接続構造体の製造方法、及び圧着接続構造体の製造装置 図000011
  • 特許6053944-圧着接続構造体、ワイヤーハーネス、圧着接続構造体の製造方法、及び圧着接続構造体の製造装置 図000012
  • 特許6053944-圧着接続構造体、ワイヤーハーネス、圧着接続構造体の製造方法、及び圧着接続構造体の製造装置 図000013
  • 特許6053944-圧着接続構造体、ワイヤーハーネス、圧着接続構造体の製造方法、及び圧着接続構造体の製造装置 図000014
  • 特許6053944-圧着接続構造体、ワイヤーハーネス、圧着接続構造体の製造方法、及び圧着接続構造体の製造装置 図000015
  • 特許6053944-圧着接続構造体、ワイヤーハーネス、圧着接続構造体の製造方法、及び圧着接続構造体の製造装置 図000016
  • 特許6053944-圧着接続構造体、ワイヤーハーネス、圧着接続構造体の製造方法、及び圧着接続構造体の製造装置 図000017
  • 特許6053944-圧着接続構造体、ワイヤーハーネス、圧着接続構造体の製造方法、及び圧着接続構造体の製造装置 図000018
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6053944
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】圧着接続構造体、ワイヤーハーネス、圧着接続構造体の製造方法、及び圧着接続構造体の製造装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/18 20060101AFI20161219BHJP
   H01R 4/62 20060101ALI20161219BHJP
   H01R 4/70 20060101ALI20161219BHJP
   H01R 43/048 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   H01R4/18 A
   H01R4/62 A
   H01R4/70 H
   H01R43/048
【請求項の数】12
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2015-542614(P2015-542614)
(86)(22)【出願日】2014年10月14日
(86)【国際出願番号】JP2014077347
(87)【国際公開番号】WO2015056672
(87)【国際公開日】20150423
【審査請求日】2016年2月16日
(31)【優先権主張番号】特願2013-214331(P2013-214331)
(32)【優先日】2013年10月15日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2013-273649(P2013-273649)
(32)【優先日】2013年12月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】川村 幸大
(72)【発明者】
【氏名】外池 翔
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 隆人
(72)【発明者】
【氏名】小林 浩
(72)【発明者】
【氏名】多賀 大泰
【審査官】 前田 仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−030274(JP,A)
【文献】 実開昭54−014386(JP,U)
【文献】 特開2009−087848(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/18
H01R 4/62
H01R 4/70
H01R 43/048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性の導体を絶縁性の絶縁被覆で被覆した被覆電線と、
少なくとも前記絶縁被覆の先端近傍を除去して前記導体を露出させた導体露出部の圧着接続を許容する圧着部を有する圧着端子と備えられ
前記圧着部で前記導体露出部圧着されて接続された圧着接続構造体であって、
前記導体が、導体断面積が0.75mm以上2.5mm以下のアルミ系導体であり、
前記圧着部
少なくとも前記導体露出部を挿入許容するとともに、前記被覆電線の長手方向に延びる略筒状のクローズドバレル形式であり
圧着状態において、前記圧着部における径方向の断面形状
略水平方向に所定の間隔を隔てた位置から内方へ傾斜させた2つの傾斜部分によって凹設した圧着凹部を有する断面略凹形状に形成され
前記所定の間隔
前記略水平方向における前記圧着部の全幅の68.8%以上73.7%以下であり
前記径方向で対面する前記傾斜部分がなす対面角30°以上90°以下であり、
前記径方向の断面において、圧着状態における前記導体露出部と前記圧着部との断面積の和が、圧着前における前記導体露出部と前記圧着部との断面積の和の50%以上60%以下である
圧着接続構造体。
【請求項2】
前記圧着状態の前記圧着部における径方向の断面形状において、
前記圧着凹部における内方へ傾斜させた2つの傾斜部分の間に外周面が隆起する隆起底部分が形成された
請求項1に記載の圧着接続構造体。
【請求項3】
前記圧着部の径方向中心を通る略鉛直方向の中心軸に沿った前記圧着凹部の長さである深さ
前記圧着部におけるクリンプハイトの10%以上50%以下である
請求項1または請求項2に記載の圧着接続構造体。
【請求項4】
前記圧着部の全幅に対するクリンプハイトの比、1対0.4〜1.1である
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の圧着接続構造体。
【請求項5】
圧着状態において、前記圧着部の前記圧着凹部と径方向で対向する位置に、
少なくとも内面を前記径方向の内方へ向けて突設した内面突部備えられ
請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の圧着接続構造体。
【請求項6】
前記圧着部における前記導体露出部側先端に、
前記長手方向に延設するとともに、前記長手方向における先端を封止した封止部備えられ
請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の圧着接続構造体。
【請求項7】
少なくとも前記圧着部が、銅系材料で構成され
請求項1から請求項6のいずれか一つに記載の圧着接続構造体。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の圧着接続構造体複数本備えられ
ワイヤーハーネス。
【請求項9】
導電性の導体を絶縁性の絶縁被覆で被覆した被覆電線と、少なくとも前記絶縁被覆の先端近傍を除去して前記導体を露出させた導体露出部の圧着接続を許容する圧着部を有する圧着端子とを備え、前記圧着部で前記導体露出部を圧着して接続した圧着接続構造体の製造方法であって、
前記導体が、導体断面積が0.75mm以上2.5mm以下のアルミ系導体である前記被覆電線の長手方向に延びる略筒状のクローズドバレル形式の前記圧着部に、少なくとも前記導体露出部を挿入する挿入工程と、
略水平方向における前記圧着部の全幅に対して68.8%以上73.7%以下の間隔を隔てた前記圧着部の位置から内方へ向けて傾斜するように凹設した圧着凹部における2つの傾斜部分の対面角が、30°以上0°以下となるように形成して、前記圧着部における前記径方向の断面形状を断面略凹形状に形成するとともに、前記導体露出部と前記圧着部とを、前記径方向の断面において、圧着状態における前記導体露出部と前記圧着部との断面積の和が、圧着前における前記導体露出部と前記圧着部との断面積の和の50%以上60%以下になるように圧着する圧着工程とをこの順番で行う
圧着接続構造体の製造方法。
【請求項10】
前記圧着工程において、
前記圧着部の前記圧着凹部と径方向で対向する位置に、少なくとも内面が前記径方向の内方へ向けて内面突部を突設するとともに、前記内面突部と前記圧着凹部とを同時に形成する
請求項9に記載の圧着接続構造体の製造方法。
【請求項11】
導電性の導体を絶縁性の絶縁被覆で被覆した被覆電線と、少なくとも前記絶縁被覆の先端近傍を除去して前記導体を露出させた導体露出部の圧着接続を許容する圧着部を有する圧着端子とを備え、前記圧着部で前記導体露出部を圧着して接続した圧着接続構造体の製造装置であって、
前記導体が、導体断面積が0.75mm以上2.5mm以下のアルミ系導体である前記被覆電線の長手方向に延びる略筒状のクローズドバレル形式の前記圧着部に、少なくとも前記導体露出部を挿入する挿入手段と、
略水平方向における前記圧着部の全幅に対して68.8%以上73.7%以下の間隔を隔てた前記圧着部の位置から内方へ向けて傾斜するように凹設した圧着凹部における2つの傾斜部分の対面角が、30°以上0°以下となるように形成して、前記圧着部における前記径方向の断面形状を断面略凹形状に形成するとともに、前記導体露出部と前記圧着部とを、前記径方向の断面において、圧着状態における前記導体露出部と前記圧着部との断面積の和が、圧着前における前記導体露出部と前記圧着部との断面積の和の50%以上60%以下になるように圧着する圧着手段と備えられ
圧着接続構造体の製造装置。
【請求項12】
前圧着手段に、
前記圧着部の前記圧着凹部と径方向で対向する位置に、少なくとも内面が前記径方向の内方へ向けて内面突部を突設するとともに、前記内面突部と前記圧着凹部と同時に形成する手段を備えた
請求項11に記載の圧着接続構造体の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば自動車用ワイヤーハーネスのコネクタ等に装着されるような圧着接続構造体、ワイヤーハーネス、圧着接続構造体の製造方法、及び圧着接続構造体の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等に装備された電装機器は、被覆電線を束ねたワイヤーハーネスを介して、別の電装機器や電源装置と接続して電気回路を構成している。この際、ワイヤーハーネスと電装機器や電源装置とは、それぞれに装着したコネクタ同士を雌雄嵌合することで接続されている。そして、コネクタには、被覆電線と圧着端子とを接続した圧着接続構造体が装着されている。
【0003】
この圧着接続構造体における圧着端子は、被覆電線を圧着する圧着部の形態によって2種類に大別される。より詳しくは、圧着端子には、一方が開放された縦断面略U字形に圧着部が形成されたオープンバレル形式と、略円筒状に圧着部が形成されたクローズドバレル形式とがある。
【0004】
このうち、オープンバレル形式の圧着端子は、例えば、絶縁被覆から露出させた導体を載置した圧着部における被覆電線より飛び出ている部分を内側に折り曲げるとともに、折り曲げた部分の先端を導体に挿し込むようにして導体を圧着する。これにより、オープンバレル形式の圧着端子を用いた圧着接続構造体は、被覆電線の導体と圧着端子の圧着部との接触面積を大きくして導電性を確保している。
【0005】
一方、クローズドバレル形式の圧着端子は、例えば、特許文献1記載の導体接続方法のように、圧縮用カラーを外周面に装着した圧着端子の接続管部に被覆電線の導体を挿通したのち、圧縮用カラーを一対のダイスで断面六角形状に加締めて導体を圧着している。これにより、クローズドバレル形式の圧着部を用いた圧着接続構造体は、断面円形状の内周面形状を維持したまま縮径した接続管部によって導体を圧着できるとしている。
【0006】
また、クローズドバレル形式の圧着端子50を用いた別の圧着接続構造体は、従来の圧着接続構造体における導体圧着部51の幅方向断面を示す図15に示すように、略円筒状の導体圧着部51を縮径方向に塑性変形させるとともに、径方向の中心に向けて任意の形状の圧着凹部52を導体圧着部51に形成して、導体圧着部51と導体60とを圧着接続している。
【0007】
さらに、図15に示した導体圧着部51には、縮径方向への塑性変形に加えて、圧着凹部52の形成によって、径方向外方へ突出した突出部分53が圧着凹部52に隣接して形成される。なお、本明細書において、幅方向断面とは、導体圧着部51の長手方向に対して略直交する幅方向Yにおける断面を示す。
【0008】
このような別の圧着接続構造体は、圧着凹部52で導体60を強圧着するとともに、幅方向Yの断面において、導体圧着部51の内周面と導体60の外周面との接触部分の接触長さを長くして導電性を確保している。
【0009】
ところで、このような別の圧着接続構造体は、導体圧着部51と導体60とを圧着する際、圧着金型の内面形状によって、組付け性の低下や圧着形状のバラツキが生じることがある。
【0010】
例えば、略帯状のキャリアに複数連結した圧着端子50を1組の圧着金型で上下に加締めることで、導体60の圧着、及びキャリアと圧着端子50との切り離しを行う場合、下方に位置する金型の内面深さによっては、圧着端子50の導体圧着部51を載置する工程が必要であった。あるいは、例えば、圧着端子50を1組の圧着金型で圧着する場合、圧着金型の内面形状に沿って突出部分53が塑性変形せず、その形状がばらつくことがあった。
【0011】
さらに、圧着状態における導体圧着部51の略水平方向の長さである全幅W1、及び略鉛直方向の長さであるクリンプハイトH1は、例えば、圧着端子を装着するコネクタにおけるキャビティの大きさや形状、圧着工具の形状、あるいは導体圧着部51と導体60との機械的強度などによって制限されている。
【0012】
このため、幅方向断面において、圧着状態のおける導体圧着部51の外面形状が制限されるが、内面形状や肉厚は、何ら制限されることなく塑性変形することとなる。これにより、従来の圧着接続構造体では、図15に示すように突出部分53の内周面と導体60の外周面との間に隙間などが生じることがあった。
【0013】
つまり、任意の形状の圧着凹部52では、突出部分53の内面形状や肉厚を制御できないため、圧着接続構造体は、導体圧着部51の内周面と導体60の外周面との接触部分の接触長さが安定しないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2011−243467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上述の問題に鑑み、圧着状態における圧着部の断面形状を制御して、安定した導電性を確保することができる圧着接続構造体、ワイヤーハーネス、圧着接続構造体の製造方法、及び圧着接続構造体の製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この発明は、導電性の導体を絶縁性の絶縁被覆で被覆した被覆電線と、少なくとも前記絶縁被覆の先端近傍を除去して前記導体を露出させた導体露出部の圧着接続を許容する圧着部を有する圧着端子と備えられ、前記圧着部で前記導体露出部圧着されて接続された圧着接続構造体であって、前記導体が、導体断面積が0.75mm以上2.5mm以下のアルミ系導体であり、前記圧着部、少なくとも前記導体露出部を挿入許容するとともに、前記被覆電線の長手方向に延びる略筒状のクローズドバレル形式であり、圧着状態において、前記圧着部における径方向の断面形状、略水平方向に所定の間隔を隔てた位置から内方へ傾斜させた2つの傾斜部分によって凹設した圧着凹部を有する断面略凹形状に形成され、前記所定の間隔、前記略水平方向における前記圧着部の全幅の68.8%以上73.7%以下であり、前記径方向で対面する前記傾斜部分がなす対面角30°以上90°以下であり、前記径方向の断面において、圧着状態における前記導体露出部と前記圧着部との断面積の和が、圧着前における前記導体露出部と前記圧着部との断面積の和の50%以上60%以下であることを特徴する。
【0017】
上記アルミ系導体は、アルミニウム製あるいはアルミニウム合金製の芯線や素線を拠った撚線で構成することができる
上記圧着端子は、例えば、銅や銅合金などの銅系材料、あるいはアルミニウムやアルミニウム合金などのアルミ系材料などとすることができる。
上記圧着凹部は、例えば、圧着部の径方向中心を通る略鉛直方向の中心軸に対する傾斜角度が同じ傾斜部分によって形成された逆台形状、W字状、V字状、U字状、あるいは圧着部の径方向中心を通る略鉛直方向の中心軸に対する傾斜角度が互いに異なる傾斜部分によって形成された形状などとすることができる。
【0018】
この発明により、圧着状態における圧着部の断面形状を制御して、安定した導電性を確保することができる。
具体的には、圧着接続構造体は、圧着部と導体露出部とを圧着する際、圧着凹部を形成することにより、径方向外方へ突出した突出部分を圧着凹部の両端に隣接して圧着部に形成することができる。
【0019】
この際、所定の間隔を圧着部の全幅の68.8%以上73.7%以下に制限し、かつ径方向で対面する傾斜部分がなす対面角を30°以上90°以下に制限することにより、圧着接続構造体は、圧着部の全幅に対する突出部分における略水平方向の幅を所定の割合で確保することができる。このため、圧着接続構造体は、突出部分における内面形状や肉厚の制御を容易にして、圧着部と導体露出部との電気的接続をより安定して確保することができる。
【0020】
さらに、圧着直後における接続状態をより良好にすることで、例えば、冷熱衝撃試験のように圧着部や導体露出部に熱膨張及び熱収縮が繰返し生じた場合であっても、圧着接続構造体は、接続状態の変化による電気抵抗の上昇やバラツキを抑制できる。これにより、圧着接続構造体は、圧着直後だけでなく安定した電気的接続を継続して確保することができる。
【0021】
換言すると、所定の間隔、及び対面角のどちらか1つでも上述した範囲を超えた場合、圧着接続構造体は、圧着部と導体露出部との電気的接続を安定して確保できる内面形状を形成できず、安定した導電性を確保することができない。
【0022】
より詳しくは、圧着部の全幅に対する所定の間隔が占める割合が小さいほど、突出部分における略水平方向の幅が広くなる。このため、圧着部は、塑性変形に伴う突出部分の肉厚の変化を小さくできるが、径方向断面において、導体露出部の外周長に対して圧着部の内周長が長くなり易くなるため、導体露出部との間に隙間が生じるおそれがある。
【0023】
一方、圧着部の全幅に対する所定の間隔が占める割合が大きいほど、突出部分における略水平方向の幅が狭くなる。このため、突出部分には、圧着に伴って導体露出部が入り込むことができるような内部空間が形成され難い。さらに、圧着部の全幅に対する所定の間隔が占める割合が大きすぎると、幅方向の断面において、鋭角な断面形状で、部分的に肉厚が薄い突出部分が形成されるため、突出部分に割れが生じるおそれがある。
【0024】
ゆえに、圧着部の全幅に対する所定の間隔が占める割合が所定の範囲を超えた場合、圧着接続構造体は、圧着部と導体露出部との間に隙間が生じるなどして安定した接触長さを確保できない。
【0025】
そこで、圧着凹部における所定の間隔としては、圧着部の全幅の68.8%以上73.7%以下に制限することが望ましい。これにより、より安定した接触長さを確保することができる。
【0026】
また、対面角が小さいほど、傾斜部分が略起立する傾向となるため、圧着凹部における基端側の肉厚が屈曲によって薄肉になり易い。このため、圧着凹部の薄肉部分には、熱膨張及び熱収縮などによって亀裂などが生じ易くなる。
【0027】
さらに、圧着部と導体露出部とを圧着する際、傾斜部分が略起立するように塑性変形することで、突出部分の内部空間に導体露出部がスムーズに入り込み難くなるため、圧着接続構造体は、圧着部と導体露出部との接触長さを安定して確保できない。
【0028】
一方、対面角が大きいほど、圧着部には、突出部分が形成され難くなる。このため、圧着接続構造体は、圧着部の圧着凹部で導体露出部を強圧着することができず、例えば、圧着端子から被覆電線を引抜く荷重に対する機械的強度を確保することができない。なお、機械的強度を確保するためには圧着部全体を強圧着する必要があり、この場合、過剰な塑性変形によって導体露出部が断線するおそれがある。
【0029】
ゆえに、対面角が所定の範囲を超えた場合、圧着接続構造体は、安定した電気的接続を確保することができない。
そこで、径方向で対面する傾斜部分がなす対面角としては、30°以上90°以下に制限することが望ましい。これにより、より安定した電気的接続を確保することができる。
【0030】
そして、所定の間隔を圧着部の全幅の68.8%以上73.7%以下に制限し、かつ径方向で対面する傾斜部分がなす対面角を30°以上90°以下に制限したことにより、圧着接続構造体は、圧着凹部における中心軸に沿った長さである深さを所定の範囲に制限して最適化することができる。このため、圧着接続構造体は、圧着凹部の深さが過度に深く、あるいは過度に浅くなることを防止して、突出部分の内面形状や肉厚をより確実に制御することができる。
【0031】
これにより、圧着接続構造体は、圧着部の外径や導体の外径に関わらず突出部分の内面形状や肉厚などを制御して、圧着部の内周面と導体露出部の外周面との接触部分の接触長さを安定して確保することができる。このため、圧着接続構造体は、略円筒状の圧着部の長手方向において、圧着部と導体露出部との接触面積を安定して確保することができる。加えて、圧着凹部で導体露出部を強圧着することができるため、圧着接続構造体は、電気的接続と機械的強度とを両立して確保することができる。
【0032】
従って、圧着接続構造体は、所定の間隔を圧着部の全幅の68.8%以上73.7%以下に制限し、かつ傾斜部分の対面角を30°以上90°以下に制限することにより、圧着状態における圧着部の断面形状を制御して、安定した導電性を確保することができる。
【0033】
また、前記径方向の断面において、圧着状態における前記導体露出部と前記圧着部との断面積の和を、圧着前における前記導体露出部と前記圧着部との断面積の和の50%以上60%以下とすることにより、圧着接続構造体は、電気的接続と機械的強度とをより安定して確保することができる。
【0034】
具体的には、圧着前における導体露出部と圧着部との断面積の和に対して、圧着状態における導体露出部と圧着部との断面積の和の割合、すなわち圧縮率が小さいほど、圧着接続構造体は、圧着部及び導体露出部を過剰に圧縮した状態となる。このため、被覆電線の導体露出部が、圧着に伴う伸長によって断線することがある。
【0035】
一方、圧着前における導体露出部と圧着部との断面積の和に対して、圧着状態における導体露出部と圧着部との断面積の和の割合、すなわち圧縮率が大きいほど、圧着接続構造体は、圧着部が導体露出部を押圧する圧力が小さくなるため、例えば、圧着端子から被覆電線を引抜く荷重に対する機械的強度を確保することができない。
【0036】
ゆえに、圧着前における導体露出部と圧着部との断面積の和に対して、圧着状態における導体露出部と圧着部との断面積の和の割合が所定の範囲を超えた場合、圧着接続構造体は、電気的接続、あるいは機械的強度を安定して確保することができない。
【0037】
そこで、圧着状態における導体露出部と圧着部との断面積の和としては、圧着前における導体露出部と圧着部との断面積の和の50%以上60%以下の範囲に制限することが望ましい。これにより、圧着接続構造体は、電気的接続と機械的強度とを両立して確保することができる。
【0038】
従って、圧着接続構造体は、圧着状態における導体露出部と圧着部との断面積の和を、圧着前における導体露出部と圧着部との断面積の和の50%以上60%以下の範囲に制限することにより、機械的強度と電気的接続とを両立して確保でき、より安定した導電性を確保することができる。
【0039】
この発明の態様として、前記圧着状態の前記圧着部における径方向の断面形状において、前記圧着凹部における内方へ傾斜させた2つの傾斜部分の間に外周面が隆起する隆起底部分を形成することができる。
【0040】
また、この発明の態様として、前記圧着部の径方向中心を通る略鉛直方向の中心軸に沿った前記圧着凹部の長さである深さを、前記圧着部におけるクリンプハイトの10%以上50%以下とすることができる。
この発明により、圧着接続構造体は、圧着部と導体露出部との電気的接続をより安定して確保することができる。
【0041】
具体的には、圧着凹部の深さが深いほど、深く形成された圧着凹部によって導体露出部が断線する、あるいは塑性変形にて形成される圧着凹部の肉厚が薄くなり、圧着凹部に亀裂が生じるおそれがある。
【0042】
一方、圧着凹部の深さが浅いほど、圧着凹部が導体露出部を強圧着できないため、圧着接続構造体は、圧着部と導体露出部との機械的強度を安定して確保することができない。ゆえに、圧着凹部の深さが所定の範囲を超えた場合、圧着接続構造体は、圧着部と導体露出部との電気的接続を安定して確保できない。
【0043】
そこで、圧着凹部の深さとしては、10%以上50%以下とすることが望ましい。これにより、圧着接続構造体は、圧着部と導体露出部との電気的接続を安定して確保することができる。
【0044】
従って、圧着接続構造体は、圧着凹部の深さを10%以上50%以下に制限することにより、圧着部と導体露出部との電気的接続をより安定して確保することで、より安定した導電性を確保することができる。
【0045】
また、この発明の態様として、前記圧着部の全幅に対するクリンプハイトの比を、1対0.4〜1.1とすることができる。
この発明により、圧着接続構造体は、電気的接続を確保した状態で、例えば、コネクタのキャビティなどに確実に装着することができる。
【0046】
具体的には、圧着後にクリンプハイトが所定の範囲内であるかを測定することで、圧着接続構造体は、切断することなく圧着部の圧着状態を確認することができる。このため、クリンプハイトが所定の範囲を超えた場合、圧着接続構造体は、その圧着状態が不良であると判断される。
【0047】
ところが、圧着部の全幅は、例えば、圧着部が装着されるコネクタにおけるキャビティの形状や大きさによって制限される。加えて、圧着部と導体露出部とを圧着接続する際、導体露出部及び圧着部の圧縮率には、電気的接続を確保する観点からその範囲に限度がある。
【0048】
このため、圧着部の全幅に対してクリンプハイトが小さいほど、圧着接続構造体は、圧着部及び導体露出部が過剰に圧縮され、圧着に伴う伸長によって導体露出部が断線することがある。一方、圧着部の全幅に対してクリンプハイトが大きいほど、圧着接続構造体は、例えば、コネクタのキャビティに装着ができないという問題が生じ易い。
【0049】
ゆえに、圧着凹部で導体露出部を強圧着する圧着接続構造体において、より安定した導電性を確保した状態で、例えば、コネクタのキャビティに装着するためには、圧着部の全幅とクリンプハイトとの関係を最適化する必要がある。
【0050】
そこで、圧着部の全幅に対するクリンプハイトの比としては、1対0.4〜1.1の範囲に制限することが望ましい。これにより、圧着接続構造体は、上述したようなより安定した電気的接続を確保でき、かつコネクタのキャビティなどに確実に装着することができる。
【0051】
従って、圧着接続構造体は、圧着部の全幅に対するクリンプハイトの比を、1対0.4〜1.1の範囲に制限することにより、より安定した導電性を確保したまま、コネクタなどに確実に装着することができる。
【0052】
また、この発明の態様として、圧着状態において、前記圧着部の前記圧着凹部と径方向で対向する位置に、少なくとも内面を前記径方向の内方へ向けて突設した内面突部を備えることができる。
上記内面突部は、径方向断面において圧着凹部と略同一形状、あるいは圧着凹部とは異なる形状、例えば、内面部分だけが径方向の内方へ隆起した形状などとすることができる。
【0053】
この発明により、圧着接続構造体は、圧着部の圧着凹部と内面突部とで導体露出部を挟持することができる。このため、圧着接続構造体は、圧着部と導体露出部との機械的強度をより向上することができる。
【0054】
さらに、内面突部を形成することにより、圧着部は、径方向の断面における内周長が長くなる。加えて、圧着部における突出部分の内面形状や肉厚を制御しているため、圧着接続構造体は、内面突部を形成しても、突出部分の内部空間に導体露出部を入り込ませることができ、導体露出部との接触長さを長くすることができる。
【0055】
これにより、圧着接続構造体は、圧着部と導体露出部との機械的強度を向上するとともに、電気的接続を安定して確保することができる。
従って、圧着接続構造体は、圧着凹部と対向する内面突部を備えることにより、より安定した導電性を確保することができる。
【0056】
また、この発明の態様として、前記圧着部における前記導体露出部側先端に、前記長手方向に延設するとともに、前記長手方向における先端を封止した封止部を備えることができる。
【0057】
この発明により、圧着接続構造体は、圧着部における導体露出部側の開口からの水分の侵入を防止することができる。このため、圧着接続構造体は、侵入した水分によって導体露出部が腐食するなどし、圧着部と導体露出部との電気的接続が確保できなくなることを防止できる。
【0058】
さらに、例えば、被覆電線の絶縁被覆と圧着部とを圧着することにより、圧着接続構造体は、圧着状態における圧着部の内部を容易に密閉状態にすることができる。これにより、圧着接続構造体は、圧着部の内部への水分の侵入をより確実に防止することができる。
従って、圧着接続構造体は、封止部によって止水性を確保して、より安定した導電性を確保することができる。
【0059】
また、この発明の態様として、少なくとも前記圧着部を、銅系材料で構成することができる。
上記銅系材料は、銅、銅合金等で構成することができる。
【0060】
この発明により、圧着接続構造体は、安定した導電性を確保したまま、銅線による導体を有する被覆電線に比べて軽量化することができる。
しかしながら、導体をアルミ系材料で構成し、圧着部を銅系材料で構成した際、圧着部の内部に水分が侵入することで、いわゆる異種金属腐食(以下において電食という)が問題となることがある。
【0061】
詳しくは、クローズドバレル形式の圧着端子において、圧着部の内部に水分が侵入すると、導体及び圧着部の金属表面が酸化、腐食して電気抵抗が上昇するなどの問題があった。特に、被覆電線の導体に従来用いられていた銅系材料をアルミニウムあるいはアルミニウム合金などのアルミ系材料に置き換え、そのアルミ系材料製の導体を圧着端子に圧着した場合においては、端子材料の錫めっき、金めっき、銅合金等の貴な金属との接触により、卑な金属であるアルミ系材料が腐食される現象、すなわち電食が問題となる。
【0062】
なお、電食とは、貴な金属と卑な金属とが接触している部位に水分が付着すると、腐食電流が生じ、卑な金属が腐食、溶解、消失等する現象である。この現象により、圧着端子の圧着部に圧着されたアルミ系材料製の導体露出部が腐食、溶解、消失し、やがては電気抵抗が上昇する。その結果、十分な導電機能を果たせなくなるという問題があった。
【0063】
これに対して、クローズドバレル形式の圧着端子は、圧着部の開口を別体のシール部材によってシールする、あるいは加締めることによって封止することで、圧着部の内部への水分に侵入に対する止水性を容易に確保することができる。このため、圧着接続構造体は、銅系材料による導体を有する被覆電線に比べて軽量化を図りながら、いわゆる電食を防止することができる。
【0064】
従って、圧着接続構造体は、被覆電線の導体を構成する金属種によらず、軽量化を図って、安定した導電性を確保することができる。さらに、圧着接続構造体は、圧着部の開口を封止するなどして止水性を確保することで、より安定した導電性を確保することができる。
【0065】
また、この発明は、上述した圧着接続構造体を複数本備えたワイヤーハーネスであることを特徴とする。
この発明により、圧着状態における圧着部の断面形状を制御して、安定した導電性を確保した複数の圧着接続構造体によって、良好な導電性を確保したワイヤーハーネスを構成することができる。
【0066】
なお、上述した圧着接続構造体における圧着端子をコネクタハウジング内に配置したコネクタ、例えば単極のコネクタなどとしてもよい。
【0067】
また、この発明は、導電性の導体を絶縁性の絶縁被覆で被覆した被覆電線と、少なくとも前記絶縁被覆の先端近傍を除去して前記導体を露出させた導体露出部の圧着接続を許容する圧着部を有する圧着端子とを備え、前記圧着部で前記導体露出部を圧着して接続した圧着接続構造体の製造方法、及び圧着接続構造体の製造装置であって、前記導体が、導体断面積が0.75mm以上2.5mm以下のアルミ系導体である前記被覆電線の長手方向に延びる略筒状のクローズドバレル形式の前記圧着部に、少なくとも前記導体露出部を挿入する挿入工程と、略水平方向における前記圧着部の全幅に対して68.8%以上73.7%以下の間隔を隔てた前記圧着部の位置から内方へ向けて傾斜するように凹設した圧着凹部における2つの傾斜部分の対面角が、30°以上0°以下となるように形成して、前記圧着部における前記径方向の断面形状を断面略凹形状に形成するとともに、前記導体露出部と前記圧着部とを、前記径方向の断面において、圧着状態における前記導体露出部と前記圧着部との断面積の和が、圧着前における前記導体露出部と前記圧着部との断面積の和の50%以上60%以下になるように圧着する圧着工程とをこの順番で行うこと、及び同工程を行う手段を備えた製造装置であることを特徴とする。
【0068】
この発明により、圧着状態における圧着部の断面形状を制御して、安定した導電性を確保することができる。
具体的には、所定の間隔を圧着部の全幅の68.8%以上73.7%以下に制限し、かつ傾斜部分の対面角を30°以上90°以下に制限して圧着凹部を形成することにより、圧着接続構造体の製造方法、及び圧着接続構造体の製造装置は、圧着凹部の両端に隣接して圧着部に突出部分を形成する際、圧着部の全幅に対して所定の割合の幅を確保した突出部分を形成することができる。
【0069】
このため、圧着接続構造体の製造方法、及び圧着接続構造体の製造装置は、突出部分における内面形状や肉厚の制御がより容易となり、圧着部の内周面と導体露出部の外周面との接触長さをより安定して確保することができる。
従って、圧着接続構造体の製造方法、及び圧着接続構造体の製造装置は、所定の間隔を圧着部の全幅の68.8%以上73.7%以下に制限し、かつ傾斜部分の対面角を30°以上90°以下に制限して圧着凹部を形成することにより、圧着状態における圧着部の断面形状を制御して、安定した導電性を確保することができる。
【0070】
また、圧着接続構造体は、圧着状態における導体露出部と圧着部との断面積の和を、圧着前における導体露出部と圧着部との断面積の和の50%以上60%以下の範囲に制限することにより、機械的強度と電気的接続とを両立して確保でき、より安定した導電性を確保することができる。
【0071】
また、この発明の態様として、前記圧着工程、及び圧着手段に、前記圧着部の前記圧着凹部と径方向で対向する位置に、少なくとも内面が前記径方向の内方へ向けて内面突部を突設するとともに、前記内面突部と前記圧着凹部とを同時に形成すること、及び同工程を行う手段を備えることができる。
【0072】
この発明により、圧着接続構造体の製造方法、及び圧着接続構造体の製造装置は、導体露出部を挟持する圧着凹部と内面突部とを圧着部に効率よく形成することができる。このため、圧着接続構造体の製造方法、及び圧着接続構造体の製造装置は、圧着部と導体露出部との機械的強度をより向上するとともに、圧着と導体露出部とを効率よく圧着接続することができる。
【0073】
さらに、圧着部は、径方向の断面における内周長が長くなること、及び圧着部における突出部分の内面形状や肉厚の容易な制御により、圧着接続構造体の製造方法、及び圧着接続構造体の製造装置は、圧着部の内部空間に導体露出部を隙間なく入り込ませて、圧着部と導体露出部とを圧着接続することができる。
【0074】
これにより、圧着接続構造体の製造方法、及び圧着接続構造体の製造装置は、圧着部と導体露出部との機械的強度を向上するとともに、電気的接続を安定して確保した圧着接続構造体を製造することができる。
従って、圧着接続構造体の製造方法、及び圧着接続構造体の製造装置は、圧着凹部と内面突部とを同時に形成することにより、より安定した導電性を確保した圧着接続構造体を製造することができる。
【発明の効果】
【0075】
本発明により、圧着状態における圧着部の断面形状を制御して、安定した導電性を確保できる圧着接続構造体、ワイヤーハーネス、圧着接続構造体の製造方法、及び圧着接続構造体の製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
図1】圧着接続構造体における上方からの外観を示す外観斜視図。
図2】被覆電線、及び圧着端子を説明する説明図。
図3】圧着部における溶接について説明する説明図。
図4図1中のA−A矢視断面図。
図5】圧着状態の導体圧着部について説明する説明図。
図6】製造装置における上方からの外観を示す平面図。
図7】雌雄金型について説明する説明図。
図8】雌雄金型の導体圧着部分における幅方向の断面を示す断面図。
図9】導体圧着部の圧着工程における第1段階を示すA−A矢視断面図。
図10】導体圧着部の圧着工程における第2段階を示すA−A矢視断面図。
図11】全幅に対する所定の間隔が占める割合と、電気抵抗の関係を説明する説明図。
図12】メス型コネクタとオス型コネクタとの接続対応状態を示す外観斜視図。
図13】別の圧着接続構造体におけるA−A矢視断面を説明する説明図。
図14】別の圧着接続構造体におけるA−A矢視断面を説明する説明図。
図15】従来の圧着接続構造体における導体圧着部の径方向断面を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0077】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
まず、本実施形態における圧着接続構造体1について、図1から図5を用いて詳しく説明する。
なお、図1は圧着接続構造体1における上方からの外観斜視図を示し、図2は被覆電線10及び圧着端子20を説明する説明図を示し、図3は圧着部23における溶接について説明する説明図を示し、図4図1中のA−A矢視断面図を示し、図5は圧着状態の芯線圧着部23bについて説明する説明図を示している。
【0078】
また、図1中において、矢印Xは長手方向を示し(以下「長手方向X」とする)、矢印Yは幅方向を示している(以下、「幅方向Y」とする)。さらに、長手方向Xにおいて、後述するボックス部21側(図1中の左側)を前方とし、ボックス部21に対して後述する被覆電線10側(図1中の右側)を後方とする。加えて、図1中の上側を上方とし、図1中の下側を下方とする。
【0079】
また、図2中において、図2(a)は被覆電線10及び圧着端子20の外観斜視図を示し、図2(b)は圧着前の圧着端子20を長手方向Xに沿って分断した断面斜視図を示している。さらに、図4中において、被覆圧着部23aを二点鎖線で示している。
【0080】
圧着接続構造体1は、図1に示すように、被覆電線10と、被覆電線10を加締めて圧着した圧着端子20とで構成している。
被覆電線10は、図2(a)に示すように、複数のアルミニウム素線11aを束ねたアルミニウム芯線11を、絶縁性樹脂で構成する絶縁被覆12で被覆して構成している。例えば、アルミニウム芯線11は、断面が2.5mmとなるように、アルミニウム素線11aを撚って構成している。さらに、被覆電線10は、先端から長手方向Xに所定の長さだけ絶縁被覆12を剥がしてアルミニウム芯線11を露出させることで芯線露出部13を構成している。
【0081】
圧着端子20は、図2に示すように、メス型端子であり、長手方向Xの前方から後方に向かって、図示を省略するオス型端子のオスタブの挿入を許容するボックス部21と、ボックス部21の後方で、所定の長さのトランジション部22を介して配置された圧着部23とを一体に構成している。
【0082】
この圧着端子20は、板厚が0.25mmで、表面が錫メッキ(Snメッキ)された黄銅等の銅合金条(図示せず)を、平面展開した端子形状に打ち抜いた後、中空四角柱体のボックス部21と後方視略O型の圧着部23とからなる立体的な端子形状に曲げ加工するとともに、圧着部23を溶接して構成したクローズドバレル形式の端子である。
【0083】
ボックス部21は、図2に示すように、底面部21aにおける幅方向Yの両側に立設された側面部21bの一方を、他方の端部に重なり合うように折り曲げて、長手方向Xの前方側から見て略矩形の倒位の中空四角柱体で構成されている。
【0084】
さらに、ボックス部21の内部には、図2(b)に示すように、底面部21aにおける長手方向Xの前方側を延設して、長手方向Xの後方に向かって折り曲げて形成するとともに、挿入されるオス型端子の挿入タブ(図示省略)に接触する弾性接触片21cを備えている。
【0085】
圧着部23は、図1及び図2に示すように、絶縁被覆12を圧着する被覆圧着部23aと、芯線露出部13を圧着する芯線圧着部23bと、芯線圧着部23bより前方端部を略平板状に押し潰すように変形させた封止部23cとを、長手方向Xの後方からこの順番で一体にして構成している。
【0086】
被覆圧着部23a及び芯線圧着部23bは、略同等の内外径を有する略円筒状に形成している。なお、芯線圧着部23bの内周面には、図2(b)に示すように、長手方向Xの断面において、径方向外側に向けて凹設するとともに、周方向に沿って連続して形成したセレーション部23dを、長手方向Xに所定の間隔を隔てて3つ形成している。
【0087】
この圧着部23は、図3に示すように、端子形状に打ち抜いた銅合金条を被覆電線10の外径と略同等、もしくは被覆電線10の外径より僅かに大きい内径で被覆電線10の外周を包囲するように丸めるとともに、丸めた端部23e,23f同士を突き合わせて長手方向Xの溶接箇所J1に沿って溶接して後方視略O型に形成している。換言すると、圧着部23は、幅方向Yにおける断面形状を閉断面形状に形成している。
【0088】
さらに、圧着部23の封止部23cは、図3に示すように、端部23e,23f同士を溶接した圧着部23の長手方向Xの前端を閉塞するように押し潰すとともに、幅方向Yの溶接箇所J2に沿って溶接して封止している。
つまり、圧着部23は、長手方向Xの前端、及び端部23e,23f同士を溶着して閉塞して、長手方向Xの後方に開口を有する略筒状に形成している。
【0089】
なお、溶接箇所J1及び溶接箇所J2は、超音波溶接や抵抗溶接のような圧接を伴う溶接では、圧接によるネッキングが生じて材料強度が低下するおそれがあるため、例えばレーザー溶接のように非接触による溶接が好ましい。
【0090】
また、圧着状態の芯線圧着部23bは、図4に示すように、幅方向Yの断面において、圧着に伴う塑性変形によって上部が凹設された断面略凹形状に形成されるとともに、その内周面で芯線露出部13を押圧して圧着状態を構成している。
【0091】
なお、圧着状態の芯線圧着部23bは、幅方向Yにおける長さである全幅W1(図5参照)に対する上下方向の長さであるクリンプハイトH1(図5参照)の比が、1対0.4〜1.1の範囲に制限されるように圧着されている。
【0092】
より詳しくは、圧着状態の芯線圧着部23bは、図4及び図5に示すように、幅方向Yに幅広の略円弧形状に塑性変形した圧着底部231と、圧着底部231から略上方に向けて連続する圧着側部232と、圧着側部232の上端から緩やか湾曲して連続するとともに、下方に向けて凹設した圧着凹部233とで断面略凹形状を構成している。
【0093】
さらに、圧着底部231における下部は、その外周面が略平面となるように形成している。加えて、圧着側部232と圧着底部231との境界には、後述する一組の雌雄金型151(図7参照)によって、幅方向Yの外側に向けて突出するように塑性変形した肉逃げ部分234が形成されている。
【0094】
圧着凹部233は、図4に示すように、幅方向Yの断面が略逆台形状であって、幅方向Yにおける所定の間隔W2を隔てた位置から径方向内方へ向けて傾斜した傾斜部分233aと、傾斜部分233aの下端から略水平に塑性変形した隆起底部分233bとで構成している。この所定の間隔W2は、圧着状態において、芯線圧着部23bにおける全幅W1の90%以下の範囲、好ましくは、80%以下の範囲に制限されるように形成されている。なお、間隔W2の下限としては、W1の45%以上、より好ましくは60%以上となるように形成してもよい。
【0095】
2つの傾斜部分233aは、芯線圧着部23bにおける径方向の中心を通る略鉛直な中心軸Cからの傾斜角度が略同等になるように形成している。そして、幅方向Yで対面する2つの傾斜部分233aがなす対面角θは、30°以上90°以下の範囲、好ましくは90°以下の範囲に制限し、さらに好ましくは30°以上60°以下の範囲に制限されるように形成している。
隆起底部分233bは、後述する雌雄金型151によって、幅方向Yの略中央における外周面が上方へ向けて隆起した形状に形成されている。
【0096】
この傾斜部分233aと隆起底部分233bとで構成された圧着凹部233は、中心軸Cに沿った傾斜部分233aにおける外周面の上端と下端との長さ、すなわち圧着凹部233の深さH2が、圧着状態の芯線圧着部23bにおけるクリンプハイトH1の10%以上50%以下の範囲に制限されるように形成している。
【0097】
そして、圧着凹部233の傾斜部分233aと圧着側部232とでよって、圧着状態における圧着部23に、上方に突出するとともに内部空間を有する突出部分235を形成している。この突出部分235は、芯線圧着部23bにおける全幅W1に対する所定の間隔W2、及び2つの傾斜部分233aがなす対面角θを制限することで、内面形状を制御してアルミニウム素線11aの入り込みを抑制している。
【0098】
より詳しくは、芯線圧着部23bにおける全幅W1に対する所定の間隔W2、及び2つの傾斜部分233aがなす対面角θを制限することで、突出部分235のおける幅方向Yの幅W3(図5参照)を、芯線圧着部23bの圧着底部231における板厚の2倍に、アルミニウム素線11aの直径を加算した値以下に制限している。これにより、圧着状態における芯線圧着部23bは、アルミニウム芯線11をより強圧着している。
【0099】
次に、このような構成の圧着接続構造体1を製造する方法、及び製造装置100について、図6から図10を用いて詳しく説明する。
なお、図6は製造装置100における外観の平面図を示し、図7は雌雄金型151について説明する説明図を示し、図8は雌雄金型151の芯線圧着部分155,157における幅方向Yの断面図を示し、図9は芯線圧着部23bの圧着工程における第1段階のA−A矢視断面図を示し、図10は芯線圧着部23bの圧着工程における第2段階のA−A矢視断面図を示している。
また、図7(a)は雌雄金型151における前方からの外観斜視図を示し、図7(b)は雌雄金型151における後方からの外観斜視図を示している。
【0100】
まず、圧着接続構造体1を製造する製造装置100は、図6に示すように、先端検出工程部110と、被覆ストリップ工程部120と、マーキング工程部130と、検査工程部140と、圧着工程部150と、不良品除去工程部160とをこの順番で配置して構成している。なお、製造装置100には、先端検出工程部110から不良品除去工程部160までの間を移動可能に構成し、被覆電線10及び圧着接続構造体1を搬送する搬送手段である搬送工程部170を備えている。
【0101】
先端検出工程部110は、接触センサなどで構成し、搬送された被覆電線10の先端を検出する機能を有している。
被覆ストリップ工程部120は、例えば、上下二分割された断面V字状の被覆除去刃型(図示省略)や被覆除去刃型を所定の方向に移動させる移動機構(図示省略)などで構成し、搬送された被覆電線10の先端から所定の長さの絶縁被覆12を取り除いてアルミニウム芯線11を露出させる機能を有している。
【0102】
マーキング工程部130は、塗料タンク(図示省略)や塗料を噴出する噴出口(図示省略)などで構成し、被覆電線10における所定の位置に対して塗料を噴出して目印をマーキングする機能を有している。
検査工程部140は、イメージセンサー(図示省略)などで構成し、搬送された被覆電線10における先端近傍を上方から撮像して画像データを取得するとともに、撮像した画像データに基づいて被覆電線10における先端近傍の状態を検出する機能を有している。
【0103】
圧着工程部150は、圧着端子20を連続して搬送する搬送機構(図示省略)、圧着部23を圧着する雌雄金型151(図7参照)、及び雌雄金型151を所定の方向に移動させる移動機構(図示省略)などで構成し、圧着端子20を搬送する機能や圧着部23に挿入された被覆電線10を圧着する機能を有している。なお、雌雄金型151については、後ほど詳しく説明する。
【0104】
不良品除去工程部160は、被覆電線10を切断する切断刃型(図示省略)、及び切断刃型を所定の方向に移動させる移動機構(図示省略)などで構成し、圧着状態が不良と判定された圧着接続構造体1における被覆電線10を切断する機能を有している。
【0105】
搬送工程部170は、被覆電線10を保持する保持機構(図示省略)や、保持機構を移動する移動機構(図示省略)などで構成し、被覆電線10を保持する機能と、保持した被覆電線10を各工程に搬送する機能と、長手方向Xに被覆電線10を搬送する機能とを有している。
【0106】
上述した圧着工程部150における雌雄金型151は、例えば、図7に示すように、圧着部23を圧着可能な長手方向Xの長さを有して、上下二分割されたオス金型152とメス金型153とで構成している。さらに、オス金型152は、絶縁被覆12と被覆圧着部23aとを圧着する被覆圧着部分154、及び芯線露出部13と芯線圧着部23bとを圧着する芯線圧着部分155を一体にして構成している。同様に、メス金型153は、絶縁被覆12と被覆圧着部23aとを圧着する被覆圧着部分156、及び芯線露出部13と芯線圧着部23bとを圧着する芯線圧着部分157を一体にして構成している。
【0107】
詳述すると、オス金型152の被覆圧着部分154は、幅方向Yの断面において、圧着端子20における圧着部23の外径より僅かに小さい幅を有する断面略矩形に形成している。そして、オス金型152の被覆圧着部分154には、幅方向Yにおける両端に設けた平面部154aの間に介在して、圧着部23の外径に対して僅かに小さい直径で下方に向けて凹設した断面略半円状の第1オス側凹部154bを形成している。
【0108】
オス金型152の芯線圧着部分155は、圧着状態における芯線圧着部23bの全幅W1と略同等の幅を有する断面略矩形に形成している。そして、オス金型152の芯線圧着部分155には、幅方向Yにおける両端に設けた平面部155aの間に介在して、圧着部23の外径に対して僅かに小さい直径で下方に向けて凹設した断面略半円状の第2オス側凹部155bを形成している。なお、第2オス側凹部155bの底面は、幅方向Yの断面において、略平面状に形成している。
【0109】
メス金型153の被覆圧着部分156は、オス金型152の被覆圧着部分154が嵌合可能な大きさで、圧着部23の外径に対して僅かに小さい直径で略逆U字状に凹設した第1メス側凹部156aによって、幅方向Yにおける断面形状を略門型形状に形成している。
【0110】
メス金型153の芯線圧着部分157は、オス金型152の芯線圧着部分155が嵌合可能な大きさで、上方に向けて凹設した第2メス側凹部157aによって、幅方向Yにおける断面形状を略門型形状に形成している。この第2メス側凹部157aにおける上面部分には、略門型形状の内側面から緩やかに湾曲して連続するとともに、上述した深さH2と略同等の上下方向の長さで下方に向けて突出した突起部157bが、幅方向Yの略中央に形成されている。
【0111】
この突起部157bは、幅方向Yの断面において、上述した所定の間隔W2と略同等の間隔を隔てた位置から斜め下方に向けて傾斜させるとともに、下端から緩やかに上方に向けて湾曲するように凹設して断面略W字状に形成している。なお、突起部157bにおける斜め下方に傾斜した部分の対面角は、上述した傾斜部分223aの対面角θと略同等になるように形成している。
【0112】
このような製造装置100において、圧着部23と被覆電線10とを圧着接続する工程の動作について説明する。
製造工程を開始すると、搬送工程部170は、図6に示すように、把持した被覆電線10を搬送方向M1に沿って先端検出工程部110に搬送し、先端検出工程部110が被覆電線10の先端を検出するまで被覆電線10を移動させる。
【0113】
そして、先端検出工程部110が被覆電線10の先端を検出すると、搬送工程部170は、被覆電線10を搬送方向M2に沿って被覆ストリップ工程部120に搬送する。
被覆電線10が搬送されると、被覆ストリップ工程部120は、搬送工程部170により固定された被覆電線10に向けて移動するとともに、被覆電線10の先端から所定の長さの位置を被覆除去刃型で挟持する。
【0114】
その後、被覆ストリップ工程部120は、被覆電線10から離間する方向に移動することで、被覆除去刃型で挟持された絶縁被覆12を剥ぎ取ってアルミニウム芯線11を露出させて芯線露出部13を形成する。絶縁被覆12を剥ぎ取ると、搬送工程部170は、被覆電線10を搬送方向M3に沿ってマーキング工程部130に搬送する。
【0115】
被覆電線10が搬送されると、マーキング工程部130は、芯線露出部13の先端から長手方向Xへ所定の長さの位置を検出し、当該位置に塗料を塗布して目印(図示省略)を形成する。なお、芯線露出部13からの所定の長さの位置は、圧着部23に被覆電線10を挿入した際、圧着部23の内部後端に対応する絶縁被覆12の位置とする。
【0116】
絶縁被覆12に目印を塗布すると、搬送工程部170は、被覆電線10を搬送方向M4に沿って検査工程部140に搬送する。
被覆電線10が搬送されると、検査工程部140は、被覆電線10の先端近傍を撮像して画像データとして取得するとともに、取得した画像データをもとに絶縁被覆12の剥ぎ取り状態、あるいは芯線露出部13におけるアルミニウム芯線11のばらけ具合などを検出する。
【0117】
この際、製造装置100は、絶縁被覆12が所望する長さ除去されていないなどの不具合がある場合、当該被覆電線10を排除する。一方、絶縁被覆12の剥ぎ取り状態が正常である場合、製造装置100の指示により搬送工程部170は、搬送方向M5に沿って被覆電線10を圧着工程部150に搬送する。
【0118】
被覆電線10が搬送されると、圧着工程部150は、被覆電線10と圧着部23とが対向するように圧着端子20を搬送する。その後、搬送工程部170は、長手方向Xにおける前方に向けて所定の距離だけ被覆電線10を移動させて、アルミニウム芯線11を露出させた被覆電線10を圧着部23後方から挿入する。この際、図9に示すように、被覆電線10の外径に対して圧着部23の内径が僅かに大きく形成されているため、被覆電線10は、圧着部23に対して緩挿される。
【0119】
そして、圧着工程部150は、図9に示すように、被覆電線10を挿入した圧着部23の下方に位置するオス金型152を、圧着部23の上方に位置するメス金型153に嵌合するようにして圧着部23を上下方向に加締めて、被覆電線10と圧着部23とを圧着接続する。
【0120】
より詳しくは、被覆電線10を挿入した圧着部23に対して、雌雄金型151を上下方向に移動すると、例えば、芯線圧着部23bは、図10(a)に示すように、オス金型152の第2オス側凹部155bとメス金型153の突起部157bとで挟持するように押圧される。この際、芯線圧着部23bは、断面略W字状の突起部157bにおける2カ所の下端と、オス金型152の平面部155aの内側端部とで挟持されることで、芯線圧着部23bの転がりを規制される。
【0121】
そして、雌雄金型151が芯線圧着部23bを押圧すると、芯線圧着部23bは、図10(b)に示すように、オス金型152の芯線圧着部分155、及びメス金型153の芯線圧着部分157の内面形状によって、全幅W1を制限されながら塑性変形する。さらに、メス金型153の突起部157bによって、芯線圧着部23bは、圧着凹部233を形成しながら塑性変形する。
【0122】
芯線圧着部23bの塑性変形が進行すると、芯線露出部13は、芯線圧着部23bによって押圧されて塑性変形を開始する。この際、芯線露出部13は、傾斜部分233a、及び圧着側部232の内面に沿って、突出部分235の内部空間に入り込むように塑性変形する。
【0123】
その後、雌雄金型151は、全幅W1に対するクリンプハイトH1の比を1対0.4〜1.1の範囲に制限するとともに、芯線露出部13及び芯線圧着部23bの圧縮率を40%以上90%以下の範囲に制限して、芯線露出部13及び芯線圧着部23bを塑性変形させる。この際、芯線露出部13の圧縮率が40%以上75%以下の範囲になるようにして塑性変形させる。このようにして、芯線露出部13と芯線圧着部23bとを圧着接続する。
【0124】
なお、絶縁被覆12と被覆圧着部23aとは、詳しい説明を省略するが、オス金型152の被覆圧着部分154、及びメス金型156の被覆圧着部分156の内面形状に沿うように塑性変形して、芯線露出部13及び芯線圧着部23bの圧着と同時に圧着接続される。
【0125】
圧着端子20と被覆電線10とを圧着接続すると、搬送工程部170は、図6に示すように、搬送方向M6に沿って圧着接続構造体1を検査工程部140に搬送する。
圧着接続構造体1が搬送されると、検査工程部140は、圧着接続構造体1の圧着部23近傍を撮像して画像データとして取得するとともに、取得した画像データをもとに圧着部23における圧着状態の良否を検出する。
【0126】
例えば、画像データから圧着部23から目印が露出している場合、圧着部23に対する被覆電線10の挿入長さが短く、芯線露出部13が芯線圧着部23bに到達していない状態で圧着された圧着不良と判定する。もしくは、圧着状態における圧着部23の全幅W1または/及びクリンプハイトH1を検出するとともに、それぞれの所定の値と比較して圧着状態の良否を判定する。
【0127】
圧着接続構造体1の圧着状態が正常であれば、搬送工程部170は、圧着接続構造体1を完成品として搬送方向M7に沿って製造装置100から所定の場所に排出する。一方、圧着接続構造体1の圧着状態が不良であれば、搬送工程部170は、搬送方向M8に沿って圧着接続構造体1を不良品除去工程部160に搬送する。
【0128】
圧着接続構造体1が搬送されると、不良品除去工程部160は、搬送工程部170により固定された被覆電線10に向けて移動するとともに、圧着接続構造体1の先端から所定の長さの位置における被覆電線10を切断刃型で切断して、圧着状態における圧着端子20を分離する。その後、搬送工程部170は、圧着端子20が切断された被覆電線10を搬送方向M9に沿って正常品とは異なる場所に分別して排出する。
このようにして、被覆電線10と圧着部23とを一組の雌雄金型151で上下方向に加締めて圧着接続構造体1を製造する。
【0129】
引続き、上述のように製造された圧着接続構造体1において、全幅W1に対する所定の間隔W2が占める割合(W2/W1)、対面角θ、クリンプハイトH1に対する深さH2が占める割合(H2/H1)、圧縮率、及び全幅W1に対するクリンプハイトH1の比(W1:H1)が異なる圧着接続構造体1における芯線圧着部23bと芯線露出部13との隙間の有無、及び電気抵抗値のバラツキを比較した結果を表1に示す。さらに、圧縮率が同じで、全幅W1に対する所定の間隔W2が占める割合が異なる圧着接続構造体における電気抵抗の違いを、図11を用いて説明する。
なお、図11は全幅W1に対する所定の間隔W2が占める割合と、電気抵抗の関係を説明する説明図を示している。
【0130】
【表1】
なお、表1において、実施例1から実施例12が本実施形態における圧着凹部233を有する圧着接続構造体1を示し、比較例1及び比較例2が任意の形状の凹部52を有する従来の圧着接続構造体(図14参照)を示している。また、実施例1から実施例12と、比較例1及び比較例2とは、いずれも圧着直後の状態では、電気抵抗値に大きな差異がない圧着状態を確保している。
【0131】
また、比較例1及び比較例2における従来の圧着接続構造体は、突出部分53(図14参照)が安定して形成されないため、安定したクリンプハイトH1を計測できない。このため、比較例1及び比較例2におけるクリンプハイトH1に対する深さH2が占める割合、及び全幅W1に対するクリンプハイトH1の比は、算出不可としている。
【0132】
また、表1における芯線断面積は、圧着状態における断面積を示している。
また、表1における抵抗値のバラツキは、同一構成の複数の圧着接続構造体に対して冷熱衝撃試験後に計測した電気抵抗値のバラツキ具合に応じて「極小」、「小」、「中」、あるいは「大」で示した。
【0133】
また、圧着接続構造体の判定条件は、冷熱衝撃試験後における電気抵抗値のバラツキが極小で良好な場合を「◎」と判定し、電気抵抗値のバラツキが小さく許容できる場合を「○」、電気抵抗値のバラツキが中程度の場合を「△」、電気抵抗値のバラツキが許容範囲を超える場合を「×」としている。さらに、幅方向Yの断面において、芯線圧着部23bの内周面と芯線露出部13の外周面との間に隙間がある場合、良好な接続状態ではないため電気抵抗値のバラツキが「極小」であっても、総合的に判断して「×」としている。
【0134】
まず、表1において、圧縮率60%の比較例1と圧縮率70%の比較例2とを比べると、電気抵抗値のバラツキが同程度であっても圧縮率が大きいほど導体圧着部51と導体60との間に隙間が生じ易いことがわかる。
【0135】
一方、実施例1から実施例12は、比較例1及び比較例2と同程度の圧縮率であっても、芯線圧着部23bと芯線露出部13との間に隙間が生じていない。つまり、実施例1から実施例12は、圧着凹部233の形状を制御したことにより、芯線圧着部23bの内面形状が制御されながら塑性変形して、芯線露出部13との良好な接続状態を確保していることがわかる。
【0136】
例えば、同じ圧縮率である実施例9と比較例2とでは、圧着状態における芯線の断面積が実施例9では1.86mmであるのに対して、比較例2では1.93mmとなっている。すなわち、圧着状態における芯線露出部13の周長は、実施例9に比べて比較例2の方が長いといえる。
【0137】
ところが、実施例9では芯線圧着部23bと芯線露出部13との間に隙間がないのに対して、比較例2では導体圧着部51と導体60との間に隙間が生じている。このため、芯線の外周面と導体圧着部の内周面とが接触する接触長さが、比較例2に対して実施例9の方が安定して確保しやすいと言える。
【0138】
さらに、実施例1から実施例12は、対面角θが小さいほど抵抗値のバラツキが小さくなる傾向にあることがわかる。加えて、実施例1から実施例12は、圧縮率が大きくなるほど、すなわち全幅W1に対するクリンプハイトH1の比が小さくなるほど、芯線露出部13の断面積が小さくなるほど抵抗値のバラツキが小さくなる傾向にある。
【0139】
また、芯線露出部及び芯線圧着部の圧縮率が同じで、全幅W1に対する所定の間隔W2が占める割合が異なる圧着接続構造体における電気抵抗を比較すると、図11に示すように、全幅W1に対する所定の間隔W2が占める割合が約40%の場合において、電気抵抗が最も小さくなる。そして、全幅W1に対する所定の間隔W2が占める割合が約40%より小さい、あるいは大きいほど電気抵抗が増加する傾向であることがわかる。
【0140】
上述した表1では断面積が2.5mmのアルミニウム芯線11について説明したが、参考として断面積が0.75mmのアルミニウム芯線11で構成した圧着接続構造体における芯線圧着部23bと芯線露出部13との隙間の有無、及び電気抵抗値のバラツキを表2に示す。
【0141】
【表2】
表2に示すように、アルミニウム芯線の断面積が0.75mmの場合、実施例13から実施例18のいずれも、芯線圧着部23bと芯線露出部13との隙間が無く、かつ電気抵抗値のバラツキが極小の良好な接続となることがわかる。このことから、圧着凹部233における所定の間隔W2、対面角θ、深さH2を制限することで、アルミニウム芯線11の外径や芯線圧着部23bの内外径に関わらず、良好な接続状態を確保しているといえる。
【0142】
引続き、上述した圧着接続構造体1をコネクタハウジングの内部に装着したコネクタについて図12を用いて説明する。
なお、図12はメス型コネクタ31とオス型コネクタ41との接続対応状態の外観斜視図を示し、図12中においてオス型コネクタ41を二点鎖線で図示している。
【0143】
メス型コネクタハウジング32は、圧着端子20を長手方向Xに沿って装着可能な複数のキャビティを内部に有して、幅方向Yにおける断面形状が略矩形状のボックス形状に形成している。このようなメス型コネクタハウジング32の内部に対して、上述した圧着端子20で構成した複数の圧着接続構造体1を長手方向Xに沿って装着してメス型コネクタ31を備えたワイヤーハーネス30を構成する。
【0144】
また、メス型コネクタハウジング32に対応するオス型コネクタハウジング42は、メス型コネクタハウジング32と同様に、圧着端子を装着可能な複数の開口を内部に有して、幅方向Yにおける断面形状が略矩形状であってメス型コネクタハウジング32に対して凹凸対応して接続可能に形成している。
【0145】
このようなオス型コネクタハウジング42の内部に対して、図示を省略するオス型の圧着端子で構成した圧着接続構造体1を長手方向Xに沿って装着してオス型コネクタ41を備えたワイヤーハーネス40を構成する。
そして、メス型コネクタ31とオス型コネクタ41とを嵌合することで、ワイヤーハーネス30とワイヤーハーネス40とを接続する。
【0146】
以上のような構成を実現する圧着接続構造体1は、圧着状態における芯線圧着部23bの断面形状を制御して、安定した導電性を確保することができる。
具体的には、圧着接続構造体1は、芯線圧着部23bと芯線露出部13とを圧着する際、圧着凹部233を形成することにより、径方向外方へ突出した突出部分235を圧着凹部233の両端に隣接して芯線圧着部23bに形成することができる。
【0147】
この際、所定の間隔W2を芯線圧着部23bの全幅W1の90%以下に制限し、かつ傾斜部分233aの対面角θを30°以上90°以下に制限することにより、圧着接続構造体1は、芯線圧着部23bの全幅W1に対する突出部分235における略水平方向の幅を所定の割合で確保することができる。このため、圧着接続構造体1は、突出部分235における内面形状や肉厚の制御を容易にして、芯線圧着部23bと芯線露出部13との電気的接続をより安定して確保することができる。
【0148】
さらに、圧着直後における接続状態をより良好にすることで、例えば、冷熱衝撃試験のように芯線圧着部23bや芯線露出部13に熱膨張及び熱収縮が繰返し生じた場合であっても、圧着接続構造体1は、接続状態の変化による電気抵抗の上昇やバラツキを抑制できる。これにより、圧着接続構造体1は、圧着直後だけでなく安定した電気的接続を継続して確保することができる。
【0149】
換言すると、所定の間隔W2、及び対面角θのどちらか1つでも上述した範囲を超えた場合、圧着接続構造体1は、芯線圧着部23bと芯線露出部13との電気的接続を安定して確保できる内面形状を形成できず、安定した導電性を確保することができない。
【0150】
より詳しくは、芯線圧着部23bの全幅W1に対する所定の間隔W2が占める割合が小さいほど、突出部分235における略水平方向の幅が広くなる。このため、芯線圧着部23bは、塑性変形に伴う突出部分235の肉厚の変化を小さくできるが、幅方向Yの断面において、芯線露出部13の外周長に対して芯線圧着部23bの内周長が長くなり易くなるため、芯線露出部13との間に隙間が生じるおそれがある。
【0151】
一方、芯線圧着部23bの全幅W1に対する所定の間隔W2が占める割合が大きいほど、突出部分235における略水平方向の幅が狭くなる。このため、突出部分235には、圧着に伴って芯線露出部13が入り込むことができるような内部空間が形成され難い。さらに、芯線圧着部23bの全幅W1に対する所定の間隔W2が占める割合が大きすぎると、幅方向Yの断面において、鋭角な断面形状で、部分的に肉厚が薄い突出部分235が形成されるため、突出部分235に割れが生じるおそれがある。
【0152】
ゆえに、芯線圧着部23bの全幅W1に対する所定の間隔W2が占める割合が所定の範囲を超えた場合、圧着接続構造体1は、芯線圧着部23bと芯線露出部13との間に隙間が生じるなどして安定した接触長さを確保できない。
【0153】
そこで、圧着凹部233における所定の間隔W2としては、芯線圧着部23bの全幅W1の90%以下の範囲に制限することが望ましい。より好ましくは、圧着凹部233における所定の間隔W2を、芯線圧着部23bの全幅W1の45%以上90%以下に制限するとよい。これにより、より安定した接触長さを確保することができる。
【0154】
また、対面角θが小さいほど、傾斜部分233aが略起立する傾向となるため、圧着凹部233における基端側の肉厚が屈曲によって薄肉になり易い。このため、圧着凹部233の薄肉部分には、熱膨張及び熱収縮などによって亀裂などが生じ易くなる。
【0155】
さらに、芯線圧着部23bと芯線露出部13とを圧着する際、傾斜部分233aが略起立するように塑性変形することで、突出部分235の内部空間に芯線露出部13がスムーズに入り込み難くなるため、圧着接続構造体1は、芯線圧着部23bと芯線露出部13との接触長さを安定して確保できない。
【0156】
一方、対面角θが大きいほど、芯線圧着部23bには、突出部分235が形成され難くなる。このため、圧着接続構造体1は、芯線圧着部23bの圧着凹部233で芯線露出部13を強圧着することができず、例えば、圧着端子20から被覆電線10を引抜く荷重に対する機械的強度を確保することができない。なお、機械的強度を確保するためには芯線圧着部23b全体を強圧着する必要があり、この場合、過剰な塑性変形によって芯線露出部13が断線するおそれがある。
【0157】
ゆえに、対面角θが所定の範囲を超えた場合、圧着接続構造体1は、安定した電気的接続を確保することができない。
そこで、傾斜部分233aの対面角θとしては、30°以上90°以下に制限することが望ましい。より好ましくは、傾斜部分233aの対面角θを30°以上60°以下に制限するとよい。これにより、より安定した電気的接続を確保することができる。
【0158】
そして、所定の間隔W2を芯線圧着部23bの全幅W1の90%以下に制限し、かつ傾斜部分233aの対面角θを30°以上90°以下に制限したことにより、圧着接続構造体1は、圧着凹部233における中心軸Cに沿った長さである深さH2を所定の範囲に制限して最適化することができる。このため、圧着接続構造体1は、圧着凹部233の深さH2が過度に深く、あるいは過度に浅くなることを防止して、突出部分235の内面形状や肉厚をより確実に制御することができる。
【0159】
これにより、圧着接続構造体1は、芯線圧着部23bの外径やアルミニウム芯線11の外径に関わらず突出部分235の内面形状や肉厚などを制御して、芯線圧着部23bの内周面と芯線露出部13の外周面との接触部分の接触長さを安定して確保することができる。
【0160】
このため、圧着接続構造体1は、略円筒状の芯線圧着部23bの長手方向において、芯線圧着部23bと芯線露出部13との接触面積を安定して確保することができる。加えて、圧着凹部233で芯線露出部13を強圧着することができるため、圧着接続構造体1は、電気的接続と機械的強度とを両立して確保することができる。
【0161】
従って、圧着接続構造体1は、所定の間隔W2を芯線圧着部23bの全幅W1の90%以下に制限し、かつ傾斜部分233aの対面角θを30°以上90°以下に制限することにより、圧着状態における芯線圧着部23bの断面形状を制御して、安定した導電性を確保することができる。
【0162】
また、圧着状態における芯線露出部13と芯線圧着部23bとの断面積の和を、圧着前における芯線露出部13と芯線圧着部23bとの断面積の和の40%以上90%以下としたことにより、圧着接続構造体1は、電気的接続と機械的強度とをより安定して確保することができる。
【0163】
具体的には、圧着前における芯線露出部13と芯線圧着部23bとの断面積の和に対して、圧着状態における芯線露出部13と芯線圧着部23bとの断面積の和の割合、すなわち圧縮率が小さいほど、圧着接続構造体1は、芯線圧着部23b及び芯線露出部13を過剰な圧縮率で圧着した状態となる。このため、被覆電線10の芯線露出部13が、圧着に伴う伸長によって強度が低下し、断線するおそれがある。さらに、断面積の減少に伴い抵抗値が高くなるおそれがある。
【0164】
一方、圧着前における芯線露出部13と芯線圧着部23bとの断面積の和に対して、圧着状態における芯線露出部13と芯線圧着部23bとの断面積の和の割合、すなわち圧縮率が大きいほど、圧着接続構造体1は、芯線圧着部23bが芯線露出部13を押圧する圧力が小さくなるため、例えば、圧着端子20から被覆電線10を引抜く荷重に対する機械的強度を確保することができない。また、十分な接続抵抗を得ることができないおそれがある。
【0165】
ゆえに、圧着前における芯線露出部13と芯線圧着部23bとの断面積の和に対して、圧着状態における芯線露出部13と芯線圧着部23bとの断面積の和の割合が所定の範囲を超えた場合、圧着接続構造体1は、電気的接続、あるいは機械的強度を安定して確保することができない。
【0166】
そこで、圧着状態における芯線露出部13と芯線圧着部23bとの断面積の和としては、圧着前における芯線露出部13と芯線圧着部23bとの断面積の和の40%以上90%以下の範囲に制限することが望ましい。これにより、圧着接続構造体1は、電気的接続と機械的強度とを両立して確保することができる。
【0167】
従って、圧着接続構造体1は、圧着状態における芯線露出部13と芯線圧着部23bとの断面積の和を、圧着前における芯線露出部13と芯線圧着部23bとの断面積の和の40%以上90%以下の範囲に制限することにより、機械的強度と電気的接続とを両立して確保でき、より安定した導電性を確保することができる。
【0168】
また、圧着凹部233の深さH2を、芯線圧着部23bにおけるクリンプハイトH1の10%以上50%以下としたことにより、圧着接続構造体1は、芯線圧着部23bと芯線露出部13との電気的接続をより安定して確保することができる。
【0169】
具体的には、圧着凹部233の深さH2が深いほど、深く形成された圧着凹部233によって芯線露出部13が断線する、あるいは塑性変形にて形成される圧着凹部233の肉厚が薄くなり、圧着凹部233に亀裂が生じるおそれがある。
【0170】
一方、圧着凹部233の深さH2が浅いほど、圧着凹部233が芯線露出部13を強圧着できないため、圧着接続構造体1は、芯線圧着部23bと芯線露出部13との機械的強度を安定して確保することができない。ゆえに、圧着凹部233の深さH2が所定の範囲を超えた場合、圧着接続構造体1は、芯線圧着部23bと芯線露出部13との電気的接続を安定して確保できない。
【0171】
そこで、圧着凹部233の深さH2としては、10%以上50%以下とすることが望ましい。これにより、圧着接続構造体1は、芯線圧着部23bと芯線露出部13との電気的接続を安定して確保することができる。
【0172】
従って、圧着接続構造体1は、圧着凹部233の深さH2を10%以上50%以下に制限することにより、芯線圧着部23bと芯線露出部13との電気的接続をより安定して確保することで、より安定した導電性を確保することができる。
【0173】
また、芯線圧着部23bの全幅W1に対するクリンプハイトH1の比を、1対0.4〜1.1としたことにより、圧着接続構造体1は、電気的接続を確保した状態で、メス型コネクタハウジング32のキャビティなどに確実に装着することができる。
【0174】
具体的には、圧着後にクリンプハイトH1が所定の範囲内であるかを測定することで、圧着接続構造体1は、切断することなく芯線圧着部23bの圧着状態を確認することができる。このため、クリンプハイトH1が所定の範囲を超えた場合、圧着接続構造体1は、その圧着状態が不良であると判断される。
【0175】
ところが、芯線圧着部23bの全幅W1は、例えば、圧着部23が装着されるメス型コネクタハウジング32におけるキャビティの形状や大きさによって制限される。加えて、芯線圧着部23bと芯線露出部13とを圧着接続する際、芯線露出部13及び芯線圧着部23bの圧縮率には、電気的接続を確保する観点からその範囲に限度がある。
【0176】
このため、芯線圧着部23bの全幅W1に対してクリンプハイトH1が小さいほど、圧着接続構造体1は、芯線圧着部23b及び芯線露出部13が過剰に圧縮され、圧着に伴う伸長によって芯線露出部13が断線することがある。一方、芯線圧着部23bの全幅W1に対してクリンプハイトH1が大きいほど、圧着接続構造体1は、例えば、メス型コネクタハウジング32のキャビティに装着ができないという問題が生じ易い。
【0177】
ゆえに、圧着凹部233で芯線露出部13を強圧着する圧着接続構造体1において、より安定した導電性を確保した状態で、例えば、メス型コネクタハウジング32のキャビティに装着するためには、芯線圧着部23bの全幅W1とクリンプハイトH1との関係を最適化する必要がある。
【0178】
そこで、芯線圧着部23bの全幅W1に対するクリンプハイトH1の比としては、1対0.4〜1.1の範囲に制限することが望ましい。これにより、圧着接続構造体1は、上述したようなより安定した電気的接続を確保でき、かつメス型コネクタハウジング32のキャビティなどに確実に装着することができる。
【0179】
従って、圧着接続構造体1は、芯線圧着部23bの全幅W1に対するクリンプハイトH1の比を、1対0.4〜1.1の範囲に制限することにより、より安定した導電性を確保したまま、メス型コネクタハウジング32などに確実に装着することができる。
【0180】
また、圧着部23に封止部23cを備えたことにより、圧着接続構造体1は、圧着部23における芯線露出部13側の開口からの水分の侵入を防止することができる。このため、圧着接続構造体1は、侵入した水分によって芯線露出部13が腐食するなどし、芯線圧着部23bと芯線露出部13との電気的接続が確保できなくなることを防止できる。
【0181】
さらに、被覆電線10の絶縁被覆12と被覆圧着部23aとを圧着することにより、圧着接続構造体1は、圧着状態における圧着部23の内部を容易に密閉状態にすることができる。これにより、圧着接続構造体1は、圧着部23の内部への水分の侵入をより確実に防止することができる。
従って、圧着接続構造体1は、封止部23cによって止水性を確保して、より安定した導電性を確保することができる。
【0182】
また、被覆電線10の芯線をアルミニウム合金で構成するとともに、圧着部23を銅合金で構成したことにより、圧着接続構造体1は、安定した導電性を確保したまま、銅線による芯線を有する被覆電線に比べて軽量化することができる。
【0183】
さらに、上述したような封止部23c、及び被覆圧着部23aによって、圧着部23の長手方向Xの両端の止水性を確保することにより、銅合金による導体部分を有する被覆電線に比べて軽量化を図りながら、いわゆる電食を防止することができる。
【0184】
従って、圧着接続構造体1は、被覆電線10の導体を構成する金属種によらず、軽量化を図って、安定した導電性を確保することができる。さらに、圧着接続構造体1は、封止部23c及び被覆圧着部23aによって止水性を確保することで、より安定した導電性を確保することができる。
【0185】
また、圧着状態における芯線圧着部23bの断面形状を制御して、安定した導電性を確保した圧着接続構造体1を複数本備えたことにより、良好な導電性を確保したワイヤーハーネス30を構成することができる。
【0186】
また、ワイヤーハーネス30における圧着端子20をメス型コネクタハウジング32内に配置したことにより、圧着状態における芯線圧着部23bの断面形状を制御して、安定した導電性を確保した圧着接続構造体1によって、良好な導電性を確保したメス型コネクタ31を構成することができる。
【0187】
さらに、メス型コネクタ31とオス型コネクタ41を互いに嵌合して、各コネクタのコネクタハウジング32,42内に配置した圧着端子20を互いに接続する際、安定した導電性を確保したまま各コネクタの圧着端子20を互いに接続することができる。
従って、メス型コネクタ31は、安定した導電性を確保した圧着接続構造体1によって、より確実な導電性を備えた接続状態を確保することができる。
【0188】
また、芯線圧着部23bの圧着底部231における下部を、その外周面が略平面となるように形成したことにより、圧着接続構造体1は、外周面が略円弧状の圧着底部に比べて、幅方向Yに転がることを防止できる。このため、圧着接続構造体1は、搬送工程部170による搬送を容易にすることができる。
【0189】
また、芯線圧着部23bで芯線露出部13を圧着して接続した圧着接続構造体1の製造方法、及び圧着接続構造体1の製造装置100であって、芯線圧着部23bに芯線露出部13を挿入する挿入工程と、芯線圧着部23bの全幅W1に対して90%以下の間隔を隔てた芯線圧着部23bの位置から凹設した圧着凹部233における2つの傾斜部分233aの対面角θが、30°以上90°以下となるように形成して、芯線圧着部23bにおける幅方向Yの断面形状を断面略凹形状に形成するとともに、芯線露出部13と芯線圧着部23bとを圧着する圧着工程とをこの順番で行うこと、及び同工程を行う手段を備えたことにより、圧着状態における芯線圧着部23bの断面形状を制御して、安定した導電性を確保することができる。
【0190】
具体的には、所定の間隔W2を芯線圧着部23bの全幅W1の90%以下に制限し、かつ傾斜部分233aの対面角θを30°以上90°以下に制限して圧着凹部233を形成することにより、圧着接続構造体1の製造方法、及び圧着接続構造体1の製造装置100は、圧着凹部233の両端に隣接して芯線圧着部23bに突出部分235を形成する際、芯線圧着部23bの全幅W1に対して所定の割合の幅を確保した突出部分235を形成することができる。
【0191】
このため、圧着接続構造体1の製造方法、及び圧着接続構造体1の製造装置100は、突出部分235における内面形状や肉厚の制御がより容易となり、芯線圧着部23bの内周面と芯線露出部13の外周面との接触長さをより安定して確保することができる。
【0192】
従って、圧着接続構造体1の製造方法、及び圧着接続構造体1の製造装置100は、所定の間隔W2を芯線圧着部23bの全幅W1の90%以下に制限し、かつ傾斜部分233aの対面角θを30°以上90°以下に制限して圧着凹部233を形成することにより、圧着状態における芯線圧着部23bの断面形状を制御して、安定した導電性を確保することができる。
【0193】
なお、上述の実施形態において、被覆電線10における芯線をアルミニウム合金としたが、これに限定せず、被覆電線10における芯線を黄銅等の銅合金などで構成してもよい。この場合は、圧着状態における芯線露出部13と芯線圧着部23bとの断面積の和を、圧着前の芯線露出部13と芯線圧着部23bとの断面積の和の40%以上90%以下の範囲とする。この際、圧着状態における芯線露出部13の断面積を、圧着前の芯線露出部13の断面積の40%以上85%以下の範囲に制限することが望ましい。
また、圧着端子20を黄銅等の銅合金としたが、これに限定せず、圧着端子20をアルミニウム合金などで構成してもよい。
【0194】
また、圧着端子20をメス型の圧着端子としたが、これに限定せず、メス型の圧着端子に対して長手方向Xに嵌合するオス型の圧着端子であってもよい。あるいは、ボックス部21ではなく略U字状あるいは環状の平板などであってもよい。
【0195】
また、端子形状に打ち抜いた銅合金条を丸めた端部23e,23f同士を突き合わせて溶着して圧着部23を形成したが、これに限定せず、重ね合わせた端部を溶着して一体にした閉断面形状の圧着部であってもよい。
【0196】
また、被覆圧着部23aと芯線圧着部23bとが略同径の圧着部23としたが、これに限定せず、クローズドバレル形式の圧着部23であれば、被覆圧着部23aと芯線圧着部23bとの内外径がそれぞれ異なる圧着部23としてもよい。
また、圧着部23のアルミニウム芯線11側先端に封止部23cを形成したが、これに限定せず、圧着部23の前端を別部材でシールしてもよい。あるいは、封止部23cを形成せず、圧着部23の前端を開口したままとしてもよい。
【0197】
また、圧着部23の被覆圧着部23aと絶縁被覆12との止水性を向上するため、別部材でシールする、あるいは被覆圧着部23aに径方向内側に向けて凹設するとともに、周方向に連続する強圧着部分を形成するなどしてもよい。
また、アルミニウム芯線11の断面積を2.5mmとしたが、これに限定せず、適宜の断面積、及び外径のアルミニウム芯線11、ならびにこれに対応する適宜の内外径を有する圧着部23としてもよい。
また、圧着接続構造体1を複数本束ねてワイヤーハーネス30を構成したが、これに限定せず、1本の圧着接続構造体1を単極のコネクタハウジングに装着した構成としてもよい。
【0198】
また、圧着凹部233を断面略W字状に形成したが、これに限定せず、例えば、逆台形状、V字状、U字状、あるいは中心軸Cに対する傾斜角度が互いに異なる傾斜部分233aによって形成された形状としてもよい。
また、圧着状態において、芯線圧着部23bの圧着凹部233と径方向で対向する位置に、別の圧着接続構造体1のA−A矢視断面を説明する図13(a)のように、少なくとも内面を径方向の内方へ向けて突設した内面突部236を形成してもよい。なお、図13(a)において、雌雄金型151を二点鎖線で図示している。
【0199】
この内面突部236は、オス金型152の第2オス側凹部155bにおける底面に立設した突起によって、芯線露出部13と芯線圧着部23bとを圧着する際、圧着凹部233を形成すると、同時に形成するものとする。
加えて、圧着凹部233の深さH2と、押し込み長さH3との合計が、クリンプハイトH1の10%以上75%以下の範囲、好ましくは15%以上60%以下の範囲、より好ましくは、15%以上50%以下の範囲に制限されるように形成している。
【0200】
例えば、対面角θが60°で、芯線露出部13の圧縮率が50%となるように圧着した際のクリンプハイトH1が1.45mmである場合、深さH2が0.4mm、押し込み長さH3が0.31mmとなるように圧着する。換言すると、押し込み長さH3がクリンプハイトH1の21%、深さH2と押し込み長さH3の合計がクリンプハイトH1の49%となる。この際、雌雄金型151を圧着部23から外し、除荷した圧着部23内面の平均圧力は、10MPaとなった。
【0201】
あるいは、対面角θが45°で、芯線露出部13の圧縮率が61%となるように圧着した際のクリンプハイトH1が1.67mmである場合、深さH2が0.6mm、押し込み長さH3が0.21mmとなるように圧着する。換言すると、押し込み長さH3がクリンプハイトH1の13%、深さH2と押し込み長さH3の合計がクリンプハイトH1の49%となる。この際、雌雄金型151を圧着部23から外し、除荷した圧着部23内面の平均圧力は、12.5MPaとなった。
【0202】
もしくは、対面角θが60°で、芯線露出部13の圧縮率が71%となるように圧着した際のクリンプハイトH1が1.87mmである場合、深さH2が0.6mm、押し込み長さH3が0.06mmとなるように圧着する。換言すると、押し込み長さH3がクリンプハイトH1の3%、深さH2と押し込み長さH3の合計がクリンプハイトH1の35%となる。この際、雌雄金型151を圧着部23から外し、除荷した圧着部23内面の平均圧力は、12.5MPaとなった。
【0203】
これに対して、押し込み長さH3が0mmである場合、雌雄金型151を圧着部23から外し、除荷した圧着部23内面の平均圧力は、5MPa以下となる。すなわち、圧着後における芯線露出部13と芯線圧着部23bの内面とが十分に接触しているといえる。
【0204】
これにより、圧着接続構造体1は、芯線圧着部23bの圧着凹部233と内面突部236とで芯線露出部13を挟持することができる。このため、圧着接続構造体1は、芯線圧着部23bと芯線露出部13との機械的強度と電気的接続性をより向上することができる。
【0205】
さらに、内面突部236を形成することにより、芯線圧着部23bは、幅方向Yの断面における内周長が長くなる。加えて、芯線圧着部23bにおける突出部分235の内面形状や肉厚を制御しているため、圧着接続構造体1は、内面突部236を形成しても、突出部分235の内部空間に芯線露出部13を入り込ませることができ、芯線露出部13との接触長さを長くすることができる。
【0206】
加えて、圧着後の芯線圧着部23bは、圧着凹部233の深さH2と、押し込み長さH3との合計を、クリンプハイトH1の10%以上75%以下の範囲に制限することで、突出部分235に芯線露出部13を入り込ませながら、芯線露出部13を、突出部分235と内面突部236とで確実に挟持することができる。この際、押し込み長さH3が大きいほど、耐熱試験後の抵抗率上昇を抑制することができる。
【0207】
このため、圧着接続構造体1は、芯線圧着部23bと芯線露出部13との機械的強度を向上するとともに、電気的接続を安定して確保することができる。
従って、圧着接続構造体1は、圧着凹部233と対向する内面突部236を備えることにより、より安定した導電性を確保することができる。
なお、内面突部236を1つ形成したが、これに限定せず、図13(b)に示すように、内面突部236を2つ形成してもよい。これにより、圧着接続構造体1は、芯線圧着部23bと芯線露出部13との機械的強度をより向上するとともに、電気的接続をより安定して確保することができる。
【0208】
また、図13において内面突部236を、圧着凹部233とは異なる形状に形成したが、これに限定せず、例えば、幅方向Yの断面において、圧着凹部233と略同一形状、あるいは内面部分だけが径方向の内方へ隆起した形状などとすることができる。
【0209】
なお、別の圧着接続構造体におけるA−A矢視断面を説明する図14のように、突出部分235は、外面半径から板厚を減算した際、アルミニウム芯線11を構成するアルミニウム素線11aの外径よりも小さく、芯線圧着部23bの板厚よりも大きくなるように外面半径を設定する方が望ましい。
【0210】
これにより、突出部分235にアルミニウム素線11aが、より確実に入り込み易くなるため、芯線圧着部23bの断面において、アルミニウム素線11aが偏らずに圧着され、良好な電気的接続性を確保することができる。
【0211】
さらに、突出部分235における上端部235z,235zは、芯線圧着部23bの圧着状態における径方向の断面において、圧着底部231における下端部231z,231zよりも略水平方向内側に位置するように圧着させることが望ましい。
これにより、芯線露出部13を芯線圧着部23bによってしっかりと圧縮することができるため、良好な電気的接続性を確保することができる。
【0212】
また、圧着工程、及び圧着手段において、内面突部236と圧着凹部233とを同時に形成すること、及び同工程を行う手段を備えることにより、圧着接続構造体1の製造方法、及び圧着接続構造体1の製造装置100は、芯線露出部13を挟持する圧着凹部233と内面突部236とを芯線圧着部23bに効率よく形成することができる。このため、圧着接続構造体1の製造方法、及び圧着接続構造体1の製造装置100は、芯線圧着部23bと芯線露出部13との機械的強度をより向上するとともに、芯線圧着部23bと芯線露出部13とを効率よく圧着接続することができる。
【0213】
さらに、芯線圧着部23bは、径方向の断面における内周長が長くなること、及び芯線圧着部23bにおける突出部分235の内面形状や肉厚の容易な制御により、圧着接続構造体1の製造方法、及び圧着接続構造体1の製造装置100は、芯線圧着部23bの内部空間に芯線露出部13を隙間なく入り込ませて、芯線圧着部23bと芯線露出部13とを圧着接続することができる。
【0214】
これにより、圧着接続構造体1の製造方法、及び圧着接続構造体1の製造装置100は、芯線圧着部23bと芯線露出部13との機械的強度を向上するとともに、電気的接続を安定して確保した圧着接続構造体1を製造することができる。
【0215】
従って、圧着接続構造体1の製造方法、及び圧着接続構造体1の製造装置100は、圧着凹部233と内面突部236とを同時に形成することにより、より安定した導電性を確保した圧着接続構造体1を製造することができる。
【0216】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の導体は、実施形態のアルミニウム芯線11に対応し、
以下同様に、
導体露出部は、芯線露出部13に対応し、
圧着部は、芯線圧着部23bに対応し、
挿入手段は、搬送工程部170に対応し、
圧着手段は、圧着工程部150、及び雌雄金型151に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【符号の説明】
【0217】
1…圧着接続構造体
10…被覆電線
11…アルミニウム芯線
12…絶縁被覆
13…芯線露出部
20…圧着端子
23b…芯線圧着部
23c…封止部
30…ワイヤーハーネス
31…メス型コネクタ
32…メス型コネクタハウジング
40…ワイヤーハーネス
41…オス型コネクタ
42…オス型コネクタハウジング
100…製造装置
150…圧着工程部
151…雌雄金型
170…搬送工程部
233…圧着凹部
233a…傾斜部分
236…内面突部
C…中心軸
H1…クリンプハイト
H2…深さ
W1…全幅
W2…所定の間隔
X…長手方向
θ…対面角
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15