特許第6053979号(P6053979)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6053979
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】連結キャップ
(51)【国際特許分類】
   B67B 1/00 20060101AFI20161219BHJP
   B01L 3/14 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   B67B1/00
   B01L3/14
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-132916(P2016-132916)
(22)【出願日】2016年7月4日
【審査請求日】2016年7月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508090963
【氏名又は名称】株式会社 京埼工業
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】半澤 悟
【審査官】 吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−508217(JP,A)
【文献】 特表2002−520579(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0314638(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67B 1/00
B01L 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に沿って延在する長辺部と、前記長辺部の端部から長辺方向と交差する短辺方向に延在する短辺部とを有する略矩形に形成された枠体と、
前記枠体の一対の前記短辺部同士を前記長辺方向に沿って直線状に連結し、トレイに収容された複数の試験管の開口部の間隔に対応して枠体の短辺部を分割するように形成された直線支持部と、
前記枠体の長辺部と前記直線支持部との間、又は隣接する直線支持部の間に、トレイに収容された複数の試験管の開口部の間隔に対応して配置された複数のキャップと、
各々の前記キャップに対応して設けられ、前記キャップの外周部において前記直線支持部又は前記枠体と前記キャップを連結すると共に、所定値以上の荷重が作用すると破断する複数の分岐支持部と、
を備えた連結キャップ。
【請求項2】
前記分岐支持部は、平面視で前記長辺方向及び短辺方向に対して傾斜した方向に延在して形成されている請求項1記載の連結キャップ。
【請求項3】
前記直線支持部において、前記長辺方向で隣接する前記キャップ間の中間位置から前記分岐支持部が延出されている請求項2記載の連結キャップ。
【請求項4】
前記分岐支持部は、前記キャップ側端部が他の部分よりも細く形成されている請求項1〜3のいずれか1項記載の連結キャップ。
【請求項5】
前記枠体は、前記直線支持部及び前記分岐支持部よりも太く形成されている請求項1〜4のいずれか1項記載の連結キャップ。
【請求項6】
前記短辺部には、前記枠体の外側へ突出したタブが形成されている請求項1〜5のいずれか1項記載の連結キャップ。
【請求項7】
前記連結キャップは、樹脂製である請求項1〜6のいずれか1項記載の連結キャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連結キャップに関する。
【背景技術】
【0002】
血液や尿などの検体が注入された円筒状の試験管は、複数の孔部が形成されたトレイに収容され、試験装置等にトレイ毎セットされることによって、複数の検体が同時に検査処理されている。
【0003】
検査が終了した試験管は、再度の試験等に備えるため、検体が収容された試験管の上部の開口部をキャップで閉塞して一定期間保管する。この際、トレイには多数の試験管が収容されているため、試験管毎にキャップを人手で嵌合するのは手間がかかる。
【0004】
そこで、キャップ嵌合用の凹部が多数形成された樹脂製のプレートにキャップを嵌合させ、トレイに収容された試験管上にプレートを配置して上部から押圧することにより、複数の試験管にキャップを嵌合させると共に、プレートをトレイから離間させることによってプレートの凹部からキャップを離脱させるものが提案されている。
【0005】
このようにすれば、トレイに収容された複数の試験管にキャップを一遍に嵌合させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2004−535290号公報
【特許文献2】特開2003−279586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記提案技術を適用する場合には、プレートの凹部に多数のキャップを嵌合させる作業を、人手により1個ずつ行なわなければならない。すなわち、試験管に対してキャップを嵌合させる点では効率化が図られているが、プレートの凹部に複数のキャップを嵌合させるのに手間がかかる。
【0008】
本発明は上記事実を考慮し、トレイに収容された複数の試験管に対して効率的にキャップを嵌合可能な連結キャップを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明に係る連結キャップは、一方向に沿って延在する長辺部と、前記長辺部の端部から長辺方向と交差する短辺方向に延在する短辺部とを有する略矩形に形成された枠体と、前記枠体の一対の前記短辺部同士を前記長辺方向に沿って直線状に連結し、トレイに収容された複数の試験管の開口部の間隔に対応して枠体の短辺部を分割するように形成された直線支持部と、前記枠体の長辺部と前記直線支持部との間、又は隣接する直線支持部の間に、トレイに収容された複数の試験管の開口部の間隔に対応して配置された複数のキャップと、各々の前記キャップに対応して設けられ、前記キャップの外周部において前記直線支持部又は前記枠体と前記キャップを連結すると共に、所定値以上の荷重が作用すると破断する複数の分岐支持部と、を備えている。
【0010】
請求項1に記載の発明では、略矩形に形成された枠体の短辺部同士を長辺方向に沿って直線状に連結する直線支持部が枠体に形成されている。この直線支持部によって枠体の短辺部が、トレイに収容された試験管の開口部の配置間隔に対応して区分されたものとなっている。
【0011】
また、枠体の長辺部と直線支持部の間、又は隣接する直線支持部の間には、トレイに収容された試験管の開口部の配置に対応した間隔で複数のキャップが配置されており、直線支持部又は枠体から延出して形成された複数の分岐支持部によって各キャップが支持されている。
【0012】
このように、複数のキャップが直線支持部、分岐支持部を介して枠体に支持された連結キャップをトレイに収容された複数の試験管の開口部上に配置し、手あるいはローラ等の器具で上面を押圧することにより各試験管の開口部にキャップを嵌合させる。
【0013】
続いて、枠体の短辺部を保持して枠体を長辺方向に沿って捲り上げることにより、捲り上げられた部分の分岐支持部に所定値以上の荷重が作用し、分岐支持部が破断される。この結果、分岐支持部とキャップとの連結が切断され、個別に分離されたキャップが試験管の開口部に嵌合された状態となる。すなわち、複数の試験管に対するキャップの嵌合を効率的に行なうことができる。
【0014】
請求項2に記載の発明に係る連結キャップは、請求項1記載の発明に係る連結キャップにおいて、前記分岐支持部は、平面視で前記長辺方向及び短辺方向に対して傾斜した方向に延在して形成されている。
【0015】
請求項2記載の発明では、分岐支持部が長辺方向及び短辺方向に対して傾斜した方向に延在して形成されているため、枠体内におけるキャップの配置間隔を詰めることが可能である。すなわち、トレイに収容される試験管の配置密度の上昇に対応してキャップを密に配置することが可能である。
【0016】
請求項3に記載の発明に係る連結キャップは、請求項2記載の発明に係る連結キャップにおいて、前記直線支持部において、前記長辺方向で隣接する前記キャップ間の中間位置から前記分岐支持部が延出されている。
【0017】
請求項3記載の発明では、直線支持部において、長辺方向で隣接するキャップ間の中間位置から長辺方向及び短辺方向に対して傾斜した方向に延出して分岐支持部が形成されている。すなわち、平面視略円形のキャップを長辺方向と短辺方向に沿って所定間隔で複数配置した場合に間隙ができる部分に分岐支持部が形成されているため、枠体内におけるキャップの配置間隔を一層詰めることが可能である。すなわち、トレイに収容される試験管の配置密度の上昇に対応してキャップを一層密に配置することが可能である。
【0018】
請求項4に記載の発明に係る連結キャップは、請求項1〜3のいずれか1項記載の発明に係る連結キャップにおいて、前記分岐支持部は、前記キャップ側端部が他の部分よりも細く形成されている。
【0019】
請求項4記載の発明では、分岐支持部のキャップ側端部が他の部分よりも細く形成されている。したがって、連結キャップのキャップを試験管の開口部に嵌合させた後、枠体を捲り上げた際に、分岐支持部のキャップ側端部でキャップと確実に切断させることができる。
【0020】
請求項5に記載の発明に係る連結キャップは、請求項1〜4のいずれか1項記載の発明に係る連結キャップにおいて、前記枠体は、前記直線支持部や前記分岐支持部よりも太く形成されている。
【0021】
請求項5記載の発明では、枠体が直線支持部や分岐支持部よりも太く形成されている。したがって、枠体は、直線支持部や分岐支持部よりも剛性が高くなる。この結果、トレイに収容された複数の試験管の開口部に連結キャップのキャップを嵌合させた後、枠体を意図した方向に安定的に捲り上げることが可能となる。
【0022】
請求項6記載の発明に係る連結キャップは、請求項1〜5のいずれか1項記載の発明に係る連結キャップにおいて、前記短辺部には、前記枠体の外側へ突出したタブが形成されている。
【0023】
請求項6記載の発明では、枠体の短辺部には、枠体の外側へ突出したタブが形成されている。したがって、試験管の開口部にキャップを嵌合させた後、タブを保持することにより枠体の捲り上げる作業が容易になる。
【0024】
請求項7記載の発明に係る連結キャップは、請求項1〜6のいずれか1項記載の発明に係る連結キャップにおいて、前記連結キャップは、樹脂製である。
【0025】
請求項7記載の発明では、連結キャップが樹脂製であるため、枠体、直線支持部、分岐支持部、キャップを一体成形することができる。したがって、一体成形された連結キャップをトレイに収容された複数の試験管の開口部の上部に配置して押圧するだけで試験管の複数の開口部にキャップを嵌合させ、その後に枠体を捲り上げるだけで各キャップを個別に分離することができる。すなわち、トレイに収容された複数の試験管のそれぞれにキャップを嵌合させる作業の効率が向上する。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、請求項1記載の発明に係る連結キャップでは、トレイに収容された複数の試験管に対して効率的にキャップを嵌合できる。
【0027】
請求項2及び3記載の発明に係る連結キャップでは、トレイに収容される試験管の配置密度の上昇に対応してキャップを密に配置することが可能である。
【0028】
請求項4記載の発明に係る連結キャップでは、枠体の捲り上げ時に、分岐支持部のキャップ側端部でキャップと確実に切断させることができる。
【0029】
請求項5記載の発明に係る連結キャップでは、試験管の開口部に嵌合されたキャップから枠体等を離脱させる際に、枠体の捲り上げ方向を安定させることができる。
【0030】
請求項6記載の発明に係る連結キャップでは、枠体の捲り上げが容易になる。
【0031】
請求項7記載の発明に係る連結キャップは一体成形できるため、作業効率が一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の一実施形態に係る連結キャップ及びトレイに収容された複数の試験管を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係るキャップと試験管を示す分解斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る連結キャップの、(A)は平面図であり、(B)は(A)の部分拡大図である。
図4】本発明の一実施形態に係る連結キャップが、トレイに収容された複数の試験管に嵌合されている状態を示す斜視図である。
図5】本発明の一実施形態に係るトレイに収容された複数の試験管に嵌合されている連結キャップから枠体を捲り上げている状態を示す斜視図である。
図6図5のA−A線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図1図6に基づいて本発明の実施形態に係る連結キャップについて説明する。なお、各図に適宜記す矢印X、矢印Y、矢印Zは、それぞれ長辺方向、短辺方向、高さ方向を示している。なお、連結キャップ10において多数あるキャップ18や直線支持部46、分岐支持部48等は、図の煩雑さを回避するために図示を一部省略している。また、参照符号もその一部にのみ付し、他は省略している。
【0034】
(構成)
図1に示されるように、本実施形態に係る連結キャップ10は、トレイ12に収容された複数の試験管14の開口部16にキャップ18を嵌合させるものである。
【0035】
トレイ12には、図示しない複数の孔部が長辺方向及び短辺方向に一定間隔をあけて形成されており、各孔部に複数の試験管14が挿入されて収容されるものである。すなわち、トレイ12に収容された試験管14は、長辺方向、短辺方向に沿って一定間隔をあけて配置されている。
【0036】
試験管14は、図2に示されるように、上下方向に延在する円筒形の本体部20と、本体部20の下側に形成された先細形状の下端部22と、本体部の上端部に形成された開口部16と、を備えている。開口部16は、本体部20から径方向外側に突出形成された縁部24を有する。また、下端部22には、外周面から径方向外側に突出形成された複数の係止部26を有する。
【0037】
キャップ18は、図2に示されるように、試験管14の開口部16に挿入されて嵌合される円筒形の嵌合部30と、嵌合部30の上側に形成されて試験管14に嵌合した時に開口部16の縁部24上に位置する蓋部32と、を備えている。
【0038】
嵌合部30には、試験管14の開口部16内に嵌合部30が挿入された時に変形が容易になるように、一対の凹部34(一方のみ図示)が形成されている。
【0039】
蓋部32は、嵌合部30の上部に嵌合部30よりも拡径されて形成された円板部35と、円板部35の上部に円板部35よりも径方向外側に突出形成された平面視略八角形の連結部36とを備えている。
【0040】
連結部36は、図3(B)に示されるように、平面視で長辺方向又は短辺方向に沿って形成された4つの直交面38と、平面視で直交面38の端部同士を結ぶ4つの傾斜面40と、を備えている。
【0041】
傾斜面40には、平面視略中央に中央側に窪んだ凹部42が形成されている。対向する一組の凹部42には、後述する分岐支持部48あるいは分岐支持部58の連結部62が連結されている。
【0042】
連結キャップ10は、図1及び図3(A)に示されるように、略矩形の枠体44と、枠体44の内側に形成された直線支持部46と、直線支持部46又は枠体44から延出して形成されキャップ18を支持する分岐支持部48と、分岐支持部48に支持されトレイ12に収容された試験管14の配置に対応した所定位置に形成された複数のキャップ18と、枠体44の外側に突出形成されたタブ50と、を備えている。
【0043】
枠体44は、図1及び図3(A)に示されるように、長辺方向に延在する一対の長辺部52と、長辺方向と直交する短辺方向に延在し長辺部52よりも短い一対の短辺部54とを備えており、一対の短辺部54間に長辺方向に沿って延在する複数の直線支持部46が形成されている。複数の直線支持部46同士あるいは枠体44の長辺部52と長辺部52に隣接する直線支持部46との間隔は、その間にキャップ18(蓋部32)が配設可能となるように設定されている。
【0044】
なお、図3(A)に示されるように、枠体44の短辺部54の直線支持部46との連結位置には、短辺部54から長辺方向に突出した直線支持部46よりも太い基端部56が形成されている。
【0045】
直線支持部46において、枠体44の内側に配置され長辺方向に隣接するキャップ18の中間位置から平面視で長辺方向及び短辺方向から傾斜した方向(以下、「平面視斜め方向」という)に延出した分岐支持部48が形成されている。また、枠体44の長辺部52において、枠体44の内側に配置され長辺方向に隣接するキャップ18の中間位置から短辺方向に突出した基端部56が形成されている。基端部56には、分岐支持部48と平行かつ略同形状に形成された分岐支持部58の一端が連結されている。
【0046】
なお、直線支持部46から延出している分岐支持部48は、図3(A)、(B)に示されるように、直線支持部46の同一位置から反対側にも同様に形成されており、一対の分岐支持部48、48は平面視で一直線上に形成されている。
【0047】
分岐支持部48、58は、図3(B)に示されるように、キャップ18の凹部42に向かって平面視斜め方向に延在して突出形成された本体部60と、本体部60のキャップ18側端部で凹部42と連結され本体部60よりも細く形成された連結部62と、を備えている。したがって、分岐支持部48、58に所定値以上の荷重が作用すると、連結部62が破断する構成である。
【0048】
連結キャップ10は、樹脂製であり、枠体44やキャップ18等が射出成形で一体成形されたものである。したがって、枠体44、直線支持部46、分岐支持部48、58等は、いずれも可撓性を有するものである。
【0049】
(作用)
このように形成された連結キャップ10の作用について説明する。
図1に示されるように、トレイ12に収容された複数の試験管14の上部に連結キャップ10を配置し、試験管14の開口部16と各キャップ18の嵌合部30の位置を合わせ、図示しないローラ等で連結キャップ10の上面を押圧する。これにより、各キャップ18の嵌合部30が各試験管14の開口部16に嵌合され、試験管14の開口部16をキャップ18が閉塞する(図4参照)。
【0050】
続いて、図5及び図6に示されるように、作業者が連結キャップ10のタブ50を保持して長辺方向に沿って枠体44を捲り上げる。これにより、枠体44の短辺部54、54間に長辺方向に沿って形成された直線支持部46と、直線支持部46あるいは枠体44の基端部56から平面視斜め方向に延在して形成された分岐支持部48、58が共に捲り上げられる。この際、分岐支持部48、58に連結されていたキャップ18は、嵌合部30が試験管14の開口部16に嵌合されているため、移動しない。この結果、分岐支持部48、58に所定値以上の荷重が作用し、本体部60のキャップ18側端部に形成され本体部60よりも細い連結部62が破断され、個別に分離されたキャップ18が試験管14に嵌合された状態となる。
【0051】
このように、本実施形態に係る連結キャップ10では、直線支持部46、分岐支持部48、58に支持された複数のキャップ18が、トレイ12に収容された複数の試験管14の開口部16の配置に対応させて枠体44内に配置されている。したがって、連結キャップ10をトレイ12に収容された複数の試験管14(開口部16)の上部に配置して、開口部16とキャップ18の位置合わせを行い、連結キャップ10の上面を押圧するだけで、トレイ12に収容された複数の試験管14の開口部16に複数のキャップ18を一遍に嵌合させることができる。
【0052】
連結キャップ10では、平面視斜め方向に延在して形成されている分岐支持部48、58を介してキャップ18が支持されているため、分岐支持部48、58が長辺方向又は短辺方向に延在して形成されている場合と比較して、枠体44内にキャップ18を密に配置することが可能となる。
【0053】
なお、平面視斜め方向に分岐支持部48が形成されることによって、枠体44の捲り上げ時に分岐支持部48が直線支持部46に対する追従性に優れ、意図した連結部62で確実に破断させることができる。
【0054】
さらに、図3(A)に示されるように、複数のキャップ18は、枠体44の長辺部52に沿って一定の間隔で配置されると共に、短辺部54に沿って一定の間隔で配置されている。したがって、例えば、図3(A)、(B)に示されるように、長辺方向と短辺方向でそれぞれ隣接する4つのキャップ18A〜18Dの間において、長辺方向において隣接するキャップ18Aとキャップ18Cの中間位置で、かつ短辺方向で隣接するキャップ18Aとキャップ18Bとの中間位置に間隙Sが形成されている。すなわち、平面視略八角形(略円形)の各キャップ18A〜18D(連結部36)の傾斜面40同士が対向する位置に間隙Sが形成される。この間隙Sに、直線支持部46から平面視斜め方向に延出した分岐支持部48が形成されている。したがって、分岐支持部48の配置のためにキャップ18の配置間隔を広げる必要がなくなり、隣接するキャップ18間の短辺方向間隔及び長辺方向間隔を短く設定できる。すなわち、連結キャップ10は、キャップ18を一層密に配置することができる。
【0055】
したがって、検査の一層の効率化のために、トレイに収容される試験管の配置密度が上昇しても、連結キャップ10はキャップ18の配置を密にして対応することができる。
【0056】
また、キャップ18を支持する分岐支持部48、58には、キャップ18(蓋部32の連結部36)側に本体部60よりも細い連結部62を形成している。したがって、枠体44を長辺方向に捲り上げた場合には、分岐支持部48、58の連結部62が破断して、各キャップ18と枠体44等を確実に分離させることができる。
【0057】
さらに、連結キャップ10は、枠体44が直線支持部46、分岐支持部48よりも太いため、枠体44の短辺部54(タブ50)を保持して捲り上げる場合、所定の方向に安定的に捲り上げることができる。
【0058】
特に、短辺部54の外側にはタブ50が形成されているため、作業者がタブ50を保持して枠体44を容易に捲り上げることができる。
【0059】
また、連結キャップ10は樹脂製であるため、射出成形で容易に一体成形できる。すなわち、複数のキャップ18が射出成形によって一体的に製造されると共に、トレイ12に収容された複数の試験管14の開口部16の配置に対応した配置状態とされている。したがって、トレイ12に収容された複数の試験管14の開口部16上に射出成形された連結キャップ10を配置し、開口部16とキャップ18を位置あわせした後、連結キャップ10を押圧するだけで、複数の試験管14にキャップ18を嵌合させることができる。この後、枠体44を捲り上げるだけで、キャップ18から枠体44等を離脱させることができる。すなわち、作業の効率化が図れる。
【0060】
さらに、連結キャップ10を樹脂成形する場合に、ゲートが各キャップ18に設けられるため、各キャップ18から注入された樹脂が分岐支持部48や直線支持部46に供給される。このため、連結キャップ10の成形品質が向上する。
【0061】
なお、本実施形態の連結キャップ10では、分岐支持部48が平面視で長辺方向及び短辺方向から傾斜した方向に延在して形成されたものとしたが、短辺方向に延在して形成されたものでも良い。
【0062】
また、本実施形態の連結キャップ10は樹脂製であるが、例えばゴム等の他の部材のものに適用しても良い。
【0063】
さらに、本実施形態の連結キャップ10は、長辺部52と、長辺部よりも短い短辺部54が形成された矩形状の枠体44であったが、正方形の枠体でも良い。この場合には、直交する一方の辺が本発明の長辺部に相当し、他方の辺が本発明の短辺部に相当する。
【0064】
また、本実施形態の連結キャップ10は、矩形状の枠体44であったが、長辺部52と短辺部54が直角以外の角度で交差するものであっても良い。例えば、平行四辺形等であっても良い。
【符号の説明】
【0065】
10 連結キャップ
12 トレイ
14 試験管
16 開口部
18 キャップ
44 枠体
46 直線支持部
48 分岐支持部
50 タブ
52 長辺部
54 短辺部
62 連結部(キャップ側端部)
【要約】
【課題】トレイに収容された複数の試験管に対して効率的にキャップを嵌合できる連結キャップを得る。
【解決手段】連結キャップ10は、略矩形状の枠体44の内側に一対の短辺部54同士を長辺方向に連結する直線支持部46と、直線支持部46又は枠体44と各キャップ18を連結する分岐支持部48、58とによって、トレイ12に収容された試験管14の開口部16の配置に対応して複数のキャップ18が枠体44内に配置されている。したがって、トレイ12に収容された複数の試験管14の開口部16の上部に連結キャップ10を配置して上面を押圧するだけで、複数のキャップ18が複数の試験管14の開口部16に嵌合される。その後、枠体44を捲り上げるだけで、嵌合されたキャップ18から分岐支持部48(連結部62)が切断される。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6