特許6054054IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

偏光子の製造方法および当該製造方法により得られた偏光子に関する。また本発明は当該偏光子を用いた偏光板、光学フィルム、さらには当該偏光子、偏光板、光学フィルムを用いた液晶表示装置、有機EL表示装置、PDP等の画像表示装置

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

一般的に、染色工程において二色性物質としてヨウ素を用いた場合には、偏光子中のヨウ素錯体が可視光領域の光を吸収して偏光特性(偏光度)を示す。そのため、偏光子の光漏れを抑制する方法としては、偏光子中のヨウ素錯体の量を増やすことが考えられる。従って、前記薄型偏光子の製法においても、高い偏光特性を確保するためには、前記積層体(熱可塑性樹脂基材とポリビニルアルコール系樹脂層を有する)に施す染色工程において、二色性物質(ヨウ素等)の濃度を高く設定した染色浴を用いることが望まれる。 一方、前記積層体に染色工程を施した後に、他の工程を施す場合には、染色工程で用いたヨウ素が、染色工程以降の処理工程(処理浴)に持ち込まれてヨウ素により染色工程以降の処理浴が汚染されて、得られる偏光子の特性(単体透過率、偏光度)を低下させていた。特に、染色工程において、偏光子中のヨウ素錯体の量を増やすために、ヨウ素の濃度を高く設定した染色浴を用いる場合には、ポリビニルアルコール分子中のヨウ素錯体が増加する反面で、染色工程以降の処理工程(処理浴)に持ち込まれるヨウ素の量が多くなる。そのため、染色工程以降の処理浴がヨウ素により汚染されて、錯体を形成していないヨウ素が過剰に存在することになるため、結果的に得られる偏光子の特性(単体透過率、偏光度)を低下させていた。 本発明は、熱可塑性樹脂基材上に製膜されたポリビニルアルコール系樹脂層を含む積層体に、染色工程および延伸工程を少なくとも施して、厚み10μm以下の偏光子を製造方法であって、染色工程において、高濃度の二色性物質の染色浴を用いる場合であっても、偏光子の特性(単体透過率、偏光度)を満足することができる、偏光子の製造方法を提供することを目的とする。 また本発明は、当該製造方法によって得られた偏光子を提供すること、当該偏光子を用いた偏光板、光学フィルムを提供することを目的とする。さらに本発明は、当該偏光子、偏光板、光学フィルムを用いた画像表示装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す偏光子の製造方法等により前記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【発明の効果】
偏光子の製造方法において、染色工程以降の処理浴に大量のヨウ素イオン(I3‐)が存在する時、ポリビニルアルコール系樹脂に配向の悪い状態でI3-が取り込まれて、ポリビニルアルコール系樹脂−ヨウ素錯体を形成する。そのため、得られる偏光子は配向性が低下し、偏光子の特性が低下する。本発明の偏光子の製造方法では、ポリビニルアルコール系樹脂層を含む積層体に、染色工程を施した後に、水溶性酸化防止剤を含有する処理浴による処理を行う。水溶性酸化防止剤は、染色浴以降の処理浴に不純物として存在するヨウ素に対する還元力を有しており、前記処理浴中のヨウ素イオン(I3‐)を可視領域(380−780nm)において吸収を示さないI‐に還元することができる。その結果、本発明の製造方法によれば、得られる偏光子の特性の低下を防止することが可能になる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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