【実施例1】
【0007】
図1の外箱1は底板2と右側板3と左側板4と天板5と後板6とドア取付板7(
図2参照)を相互に接合することから構成されたものであり、筐体に相当する。底板2は上面が開口する皿状をなすものであり、上下方向から見た場合に四角形状をなしている。右側板3および左側板4のそれぞれは左右方向から見た場合に台形状をなすものであり、左右方向に相互に対向配置されている。天板5は右側板3および左側板4のそれぞれの上方に配置された水平なものであり、底板2に上方から対向配置されている。後板6は右側板3および左側板4のそれぞれの後方に配置されたものであり、
図2に示すように、上板8と下板9と蓋板10に分割されている。これら上板8および下板9は、
図3に示すように、上下方向に隙間を介して相互に対向するものであり、蓋板10は上板8および下板9相互間の隙間である点検口を開閉可能に覆うものである。
【0008】
外箱1のドア取付板7は、
図2に示すように、後板6の蓋板10に前方から対向するものであり、上から下に向けて前へ指向する傾斜状態に配置されている。このドア取付板7は円形状の貫通孔からなる出入口を有するものであり、ドア取付板7には円形状のドア11が装着されている。このドア11は左端部の軸12を中心に閉鎖状態および開放状態相互間で回動可能にされたものであり、ドア取付板7の出入口はドア11の閉鎖状態で閉鎖されると共にドア11の開放状態で開放される。
【0009】
外箱1には、
図3に示すように、ドア取付板7の前方に位置して前蓋13が固定されている。この前蓋13はドア取付板7を前方から覆い隠すものであり、前蓋13には円形状の貫通孔14が形成されている。この貫通孔14はドア取付板7のドア11が挿入されたものであり、ドア11は前蓋13の貫通孔14を通して閉鎖状態および開放状態相互間で操作可能にされている。
【0010】
外箱1のドア取付板7には、
図2に示すように、ドア取付板7の前側に位置してドアロック装置15が固定されている。このドアロック装置15は前方から前蓋13で覆い隠されたものであり、ドア11に対して右側に配置されている。このドアロック装置15はドアロックソレノイドのプランジャにロック部材を連結してなるものであり、電装部品に相当する。このドアロック装置15はドアロックソレノイドが電気的に操作されることに応じてロック状態およびアンロック状態相互間で機械的な状態が切換えられるものであり、ドアロック装置15がドア11の閉鎖状態でロック状態とされている場合にはドアロック装置15のロック部材がドア11に係合することでドア11が閉鎖状態にロックされ、ドアロック装置15がドア11の閉鎖状態でアンロック状態とされている場合にはドアロック装置15のロック部材がドア11から外れることでドア11がロック解除される。
【0011】
外箱1のドア取付板7には、
図2に示すように、ドアロック装置15の上方に位置してドアオープンボタン16が固定されている。このドアオープンボタン16はドア取付板7の前側に配置されたものであり、ドア11に対して右側に配置されている。このドアオープンボタン16は、
図1に示すように、貫通孔17を通して前蓋13の前方に操作可能に突出するものである。この貫通孔17は前蓋13に形成されたものであり、ドア11の閉鎖状態およびドアロック装置15のアンロック状態でドアオープンボタン16が操作された場合にはドア11が閉鎖状態から開放状態に回動操作される。
【0012】
外箱1内には、
図2および
図3に示すように、2つのサスペンション18が収納されている。これら2つのサスペンション18のそれぞれは外箱1の底板2に固定されたものであり、一方のサスペンション18は電気的なエネルギーが与えられることに応じて減衰特性が変化するアクティブサスペンションから構成されている。
【0013】
外箱1内には、
図2に示すように、2つのサスペンション18の上方に位置して水受槽19が収納されており、水受槽19は2つのサスペンション18で弾性的に支持されている。この水受槽19は前面が開口する円筒状をなすものであり、円形状の後板および後板を取り囲む円筒状の周板を有している。この水受槽19は衣類を洗濯するための水を受けるものであり、軸心線が前から後に向けて下降する傾斜状態に配置されている。この水受槽19の後板にはドラムモータが固定されている。このドラムモータは外箱1内に水受槽19の外部に位置して収納されたものであり、水受槽19内に突出する回転軸を有している。
【0014】
ドラムモータの回転軸には、
図3に示すように、水受槽19内に位置してドラム20が固定されている。このドラム20は前面が開口する円筒状をなすものであり、円形状の後板および後板を取り囲む円筒状の周板を有している。このドラム20は衣類が投入されるものであり、ドラム20の軸心線が水受槽19の軸心線に重なるように前から後に向けて下降する傾斜状態に配置されている。このドラム20は洗濯槽および脱水槽を兼用するものであり、ドラム20内の衣類はドラム20がドラムモータで回転操作されることに応じて洗濯および脱水される。
【0015】
外箱1には、
図1に示すように、左上部に位置して洗剤ケース21が装着されている。この洗剤ケース21は上面が開口するものであり、収納状態および引出状態相互間で前後方向へ移動可能にされている。この洗剤ケース21は収納状態で外箱1内に収納されるものであり、洗剤ケース21の収納状態では洗剤ケース21内に洗剤を投入することが不能となる。この洗剤ケース21は引出状態で外箱1内から前方へ突出するものであり、洗剤ケース21の引出状態では洗剤ケース21内に洗剤を投入することが可能となる。
【0016】
外箱1内には給水弁が収納されている。この給水弁は入口および出口を有するものであり、給水弁の入口は水道の蛇口に接続されている。この給水弁は電気的に操作されることに応じて閉鎖状態および開放状態相互間で切換えられるものであり、給水弁の出口にはホースを介して洗剤ケース21が接続されている。この洗剤ケース21は水受槽19にホースを介して接続されたものであり、給水弁の開放状態では水道の蛇口から洗剤ケース21内を通して水受槽19内に水道水が注入される。
【0017】
外箱1内には排水管が収納されている。この排水管は上端部が水受槽19内に接続されたものであり、排水管には排水弁が介在されている。この排水弁は電気的に操作されることに応じて閉鎖状態および開放状態相互間で切換えられるものであり、排水弁の閉鎖状態では給水弁の出口から洗剤ケース21を通して水受槽19内に注入された水道水が水受槽19内に貯留され、排水弁の開放状態では水受槽19内の水道水が排水管を通して水受槽19外に排出される。
【0018】
外箱1内には、
図3に示すように、後端部に位置してダクト22が固定されている。このダクト22は水受槽19の下方に配置されたものであり、ダクト22の入口および出口のそれぞれは水受槽19内に接続されている。このダクト22内にはヒートポンプのコンデンサおよびエバポレータが収納されている。これらコンデンサおよびエバポレータのそれぞれはコンプレッサの吐出口および吸込口相互間に接続されたものであり、コンプレッサの運転状態ではコンプレッサの吐出口から吐出された冷媒がコンデンサおよびエバポレータのそれぞれを通ってコンプレッサの吸込口に吸込まれる。このコンプレッサは外箱1の底板2に固定されたものであり、外箱1内に水受槽19の下方に位置して収納されている。
【0019】
外箱1内にはファンケーシングが収納されている。このファンケーシングはファンが収納されたものであり、ファンはファンモータの回転軸に連結されている。このファンモータはファンケーシングに固定されたものであり、ファンモータの運転状態ではファンが回転することに応じて水受槽19内の空気がダクト22の入口からダクト22内に進入する。このダクト22内に進入した空気はエバポレータおよびコンデンサのそれぞれに順に接触することで低湿度な温風となる。この低湿度な温風はダクト22の出口から排出され、ダクト22の出口から排出された温風はドラム20内の衣類を乾かすための乾燥風として水受槽19内に戻される。
【0020】
外箱1内には、
図4に示すように、底部に位置して制御部ボックス24が固定されている。この制御部ボックス24は上面が開口するケース25およびケース25の上面を閉鎖するカバー26を相互に接合することから構成された中空な箱状をなすものであり、水受槽19の下方に配置されている。この制御部ボックス24は前端部がドア取付板7の下方を通してドア取付板7の前方へ突出するものであり、上面が前から後に向けて下降する傾斜状態に配置されている。この制御部ボックス24の上面は水が滴下した場合に水を前から後へ流すものであり、水は制御部ボックス24の上面に沿って前から後へ流れた後に制御部ボックス24の後端に到達することで制御部ボックス24の上面から落下する(矢印参照)。
【0021】
外箱1の底板2には水抜き孔が形成されている。この水抜き孔は制御部ボックス24の上面から落下した水が進入するものであり、制御部ボックス24の下方に配置されている。この水抜き孔は外箱1の底板2を貫通する貫通孔からなるものであり、制御部ボックス24の上面から落下した水は底板2の水抜き孔を通して外箱1の外部に排出される。この制御部ボックス24内には制御部基板が収納されており、制御部基板には制御回路が搭載されている。この制御回路はドアロックソレノイドとアクティブサスペンションとドラムモータと給水弁と排水弁とコンプレッサとファンモータのそれぞれに電源を印加する駆動回路部および駆動回路部を電気的に制御することでドアロックソレノイド〜ファンモータのそれぞれを駆動制御する制御回路部を有するものであり、制御部に相当する。
【0022】
図2の符号27は制御回路をドアロック装置15のドアロックソレノイドに電気的に接続する配線であり、配線27は制御回路からドア取付板7の前方でドア11の右側へ回された後に下から上へ真直ぐに延びてドアロックソレノイドに接続されている。
図2の符号28は制御回路をアクティブサスペンションとドラムモータと給水弁と排水弁とコンプレッサとファンモータのそれぞれに電気的に接続する配線であり、配線28は制御回路から水受槽19の下方を通してアクティブサスペンション〜ファンモータのそれぞれに接続されている。
【0023】
外箱1には、
図3に示すように、下部カバー29が固定されている。この下部カバー29は前蓋13の下方に配置されたものであり、制御部ボックス24を前方から覆い隠している。この下部カバー29にはフィルタ扉30が装着されている。このフィルタ扉30は閉鎖状態および開放状態相互間で操作可能にされたものであり、フィルタ扉30の開放状態では糸屑フィルタ31(
図2参照)が操作可能に露出する。この糸屑フィルタ31はドラム20内の衣類から脱落した糸屑を捕捉するものであり、水受槽19内に接続されている。この糸屑フィルタ31は外箱1内に収納されたものであり、フィルタ扉30の閉鎖状態で操作不能に覆われる。
【0024】
外箱1には、
図5に示すように、箱状部32が前蓋13に一体成形により固定されている。この箱状部32は天板5および前蓋13相互間に介在されたものであり、洗剤ケース21に対して右側に配置され、前蓋13に対して上側に一体配置されている。この箱状部32は斜め上に向けて開口する開口部を有する箱状をなすものであり、天板側側壁33と前蓋側側壁34と底壁35を有している。天板側側壁33は天板5に接合されたものであり、前蓋側側壁34は前蓋13に一体成形により接合されたものである。底壁35は天板側側壁33および前蓋側側壁34相互間を一体成形にて連結するものであり、外箱1の正面から見て左から右に向けて下降する傾斜状をなしている。この底壁35の上面は箱状部の底面に相当する。
【0025】
箱状部32には、
図1に示すように、操作パネル36が固定されており、箱状部32の開口部は操作パネル36で覆われている。この操作パネル36は複数のスイッチおよびロータリーエンコーダが固定されたものであり、複数のスイッチおよびロータリーエンコーダのそれぞれは操作パネル36の下面に固定される形態で箱状部32内に収納されている。この操作パネル36にはダイアル37および複数のキー38が装着されている。ダイアル37は操作パネル36の表側に回動操作可能に配置されたものであり、箱状部32内のロータリーエンコーダはダイアル37を介して操作される。複数のキー38のそれぞれは操作パネル36の表側に押圧操作可能に配置されたものであり、箱状部32内の複数のスイッチのそれぞれはキー38を介して操作される。これらロータリーエンコーダおよび複数のスイッチのそれぞれは電子部品に相当し、操作パネル36は操作部に相当する。
【0026】
操作パネル36のロータリーエンコーダおよび複数のスイッチのそれぞれは制御部ボックス24内の制御回路に電気的に接続されている。この制御回路はロータリーエンコーダおよび複数のスイッチのそれぞれの電気的な状態を検出するものであり、ロータリーエンコーダおよび複数のスイッチのそれぞれの電気的な状態の検出結果に応じて運転コースを設定すると共に運転コースの設定結果を開始する。
【0027】
図2の符号39は操作パネル36のロータリーエンコーダおよび複数のスイッチのそれぞれを制御部ボックス24内の制御回路に電気的に接続する配線であり、配線39は箱状部32内から水受槽19の上方を通して外箱1内の左側部で水受槽19の後方に引出されている。この配線39は水受槽19の後方で上板8と蓋板10と下板9のそれぞれの前方を上から下へ真直ぐに通ることで水受槽19の下方に引出され、水受槽19の下方を後から前へ略真直ぐに通ることで水受槽19の前方に引出され、水受槽19の前方を左から右へ通して制御回路に接続されている。
【0028】
箱状部32の天板側側壁33には、
図5に示すように、複数の水抜き孔40が形成されている。これら複数の水抜き孔40のそれぞれは上下方向へ指向する細長な長方形状をなすものであり、左右方向に等ピッチで配列されている。これら複数の水抜き孔40は箱状部32内の最低部である天板側側壁33の右端部に底壁35の傾斜方向に沿って並ぶものであり、箱状部32の内周面および操作パネル36の外周面相互間から箱状部32内に水が浸入した場合には水が箱状部32の底壁35の傾斜に沿って左から右へ流れることで水抜き孔40内に浸入する。これら複数の水抜き孔40のそれぞれは天井側側壁33を貫通する貫通孔からなるものであり、水が水抜き孔40内に浸入した場合には水抜き孔40を通して落下することで箱状部32の内部から外部へ排出される(矢印参照)。
【0029】
複数の水抜き孔40のそれぞれは、
図5に示すように、ドア取付板7の後面に対して後側で且つ水受槽19の上側に配置されたものであり、複数の水抜き孔40のそれぞれから落下した水はドア取付板7に滴下することなく水受槽19の表面19aに滴下する。この水受槽19の表面19aに滴下した水は水受槽19の表面19aに沿って上から下へ流れることで水受槽19の表面19aから落下する。この水受槽19の下方には制御部ボックス24が配置されており、水受槽19の表面19aから落下した水は制御部ボックス24の上面に滴下する。この制御部ボックス24の上面に滴下した水は制御部ボックス24の上面に沿って前から後へ流れた後に制御部ボックス24の上面から落下し、外箱1の底板2の水抜き孔を通して外箱1の外部に排出される。
【0030】
上記実施例1によれば次の効果を奏する。
箱状部32の右端部にドア取付板7に比べて後側に位置して水抜き孔40を設けたので、箱状部32内に水が浸入した場合に水が水抜き孔40からドア取付板7の後側で水受槽19の表面19aに滴下した後に水受槽19の表面19aを伝って制御部ボックス24の上面から外箱1の外部に排出される。従って、ドア取付板7の右端部のドアロック装置15および配線27等の電装部品が水で濡れることがなくなるので、ドアロック装置15および配線27等の電装部品の防水が不要もしくは簡単な構成で済む。
【0031】
箱状部32の底壁35を水抜き孔40とは反対側の左端部から水抜き孔40の側の右端部に向けて下降する傾斜状に設定した。このため、箱状部32内に水が浸入した場合に水が底壁35の傾斜に沿って流れることで水抜き孔40内に浸入するようになるので、箱状部32内に水が残ることが防止される。しかも、水抜き孔40を箱状部32内の最低部に配置したので、この点からも箱状部32内に水が残ることが防止される。
【0032】
箱状部32の右端部に底壁35の傾斜に沿って複数の水抜き孔40を設けた。このため、1つの水抜き孔40が詰まった場合に当該水抜き孔40の右隣の水抜き孔40から水が排出されるので、1つの水抜き孔40が詰まることで水の排出性能が大きく低下することがなくなる。配線39を操作パネル36から水抜き孔40とは反対側の左端部を通して制御部ボックス24内の制御回路に接続した。このため、配線39が水抜き孔40から落下した水で濡れることがなくなるので、配線39の防水も不要もしくは簡単な構成で済む。
【0033】
上記実施例1においては、箱状部32の左端部に複数の水抜き孔40を設けても良い。この場合には箱状部32の底面を右から左に向けて下降傾斜させることで水を複数の水抜き孔40へ案内することが好ましい。
【0034】
上記実施例1においては、箱状部32の左端部に複数の水抜き孔40を設け、外箱1内の底部に左端部に位置して制御部ボックス24を収納しても良い。この場合には配線39を操作パネル36から水抜き孔40とは反対側の右端部を通して制御部ボックス24内の制御回路に接続することが好ましい。
【0035】
上記実施例1においては、ドア11をドア11に対して右側の軸を中心に回動可能としても良い。この場合にはドア11に対して左側にドアロック装置15およびドアオープンボタン16を配置することが好ましい。
【0036】
本発明のいくつかの実施例を説明したが、これらの実施例は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施例はその他の様々な例で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の省略、置換、変更を行うことができる。これら実施例やその変更は発明の範囲や要旨に含まれると共に特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。