特許第6054158号(P6054158)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6054158
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/01 20060101AFI20161219BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   G03G15/01 Y
   G03G21/16 147
【請求項の数】9
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2012-262793(P2012-262793)
(22)【出願日】2012年11月30日
(65)【公開番号】特開2014-109620(P2014-109620A)
(43)【公開日】2014年6月12日
【審査請求日】2015年3月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】591044164
【氏名又は名称】株式会社沖データ
(74)【代理人】
【識別番号】100180275
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 倫太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100090620
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 宣幸
(74)【代理人】
【識別番号】100161861
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 裕介
(72)【発明者】
【氏名】野沢 賢
(72)【発明者】
【氏名】小田 幸良
(72)【発明者】
【氏名】太田 敦士
【審査官】 野口 聖彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−006716(JP,A)
【文献】 特開2003−215880(JP,A)
【文献】 特開2010−008512(JP,A)
【文献】 特開平09−281761(JP,A)
【文献】 特開2008−089661(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
G03G 21/18
G03G 15/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が形成される像担持体、及び前記像担持体に形成された静電潜像に現像剤を現像する現像手段を有する画像形成ユニットと、
前記像担持体に現像された前記現像剤を記録媒体に転写させる転写ユニットと、
前記像担持体と前記現像手段とを近接離間させる第1接離手段と、
前記像担持体と前記転写ユニットとを近接離間させる第2接離手段とを備えて構成され、
前記画像形成ユニットは、前記像担持体を複数有し、
前記第1接離手段と前記第2接離手段は、画像形成する場合、用紙長さに応じて選択的に動作する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成ユニットが、前記像担持体及び前記現像手段を複数備え、複数の前記像担持体と複数の前記現像手段を一体的に保持する保持部材を備えたことを特徴とする請求項1項に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1接離手段は、前記複数の現像手段と複数の像担持体を選択的に接離することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2接離手段は、前記複数の像担持体と転写ユニットを選択的に接離することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1接離手段と前記第2接離手段は、共通の駆動手段により駆動されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1接離手段は前記現像手段を移動させる移動部材を有し、
前記第2接離手段は前記像担持体を移動させる移動部材を有し、
各移動部材を一体に形成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1接離手段と前記第2接離手段は、前記移動部材のスライド量に応じて選択的に動作することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1接離手段と前記第2接離手段は、全てを同時に接離することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記像担持体、前記現像手段及び前記転写ユニットの両側に、アップダウンバーがスライド可能に設けられ、
前記アップダウンバーが、前記現像手段を押し上げたり元に戻したりするための現像アップダウン傾斜と、前記像担持体を押し上げたり元に戻したりするための感光体アップダウン傾斜とを備えたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成ユニットを有する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置においては、感光ドラム、転写ベルト、現像ユニット等を備え、これらが連動して画像が形成される。
【0003】
この画像形成装置では、前記感光ドラムと前記転写ベルトの間、及び前記感光ドラムと前記現像ユニットの間は、所定の押圧力により常時押し付けられている。
【0004】
このような画像形成装置の例としては特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−158629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前記従来の画像形成装置の構成では、画像形成装置の輸送が、高温多湿条件下で長期間に渡った場合などにおいては、前記感光ドラムと前記転写ベルトの押し付け部分、または、前記感光ドラムと前記現像ユニットの押し付け部分が凹んだり汚染したりすることがある。また、初期印字に影響を与える場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像形成装置は、前記課題を解決するために、静電潜像が形成される像担持体、及び前記像担持体に形成された静電潜像に現像剤を現像する現像手段を有する画像形成ユニットと、前記像担持体に現像された前記現像剤を記録媒体に転写させる転写ユニットと、前記像担持体と前記現像手段とを近接離間させる第1接離手段と、前記像担持体と前記転写ユニットとを近接離間させる第2接離手段とを備えて構成され、前記画像形成ユニットは、前記像担持体を複数有し、前記第1接離手段と第2接離手段は、画像形成する場合、用紙長さに応じて選択的に動作する。
【発明の効果】
【0008】
前記構成により、常に安定した印字品位を保つことができ、画像形成装置に対する信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置を示す構成図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る画像形成ユニットを示す斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る感光体ユニットを示す斜視図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る感光体ユニットを示す分解斜視図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る感光体ユニットの要部断面図である。
図6】本発明の第1実施形態に係るバスケットを示す斜視図である。
図7図6のバスケットを背面側から示す斜視図である。
図8】本発明の第1実施形態に係る左右のアップダウンバー及びアップダウンギアの連結構造を示す斜視図である。
図9】本発明の第1実施形態に係る第一のサイドフレームの内側を示す正面図である。
図10】本発明の第1実施形態に係る第一のサイドフレームの内側の要部拡大図である。
図11】本発明の第1実施形態に係る各現像ユニット等にアップダウンバーを架け渡した状態を示す側面図である。
図12】本発明の第1実施形態に係る図11の要部拡大図である。
図13】本発明の第1実施形態に係るアップダウンバーの要部拡大斜視図である。
図14】本発明の第1実施形態に係る各現像ユニット等にアップダウンバーを架け渡した状態を示す要部拡大図である。
図15】本発明の第1実施形態に係る各現像ユニット等にアップダウンバーを架け渡した状態を示す要部拡大図である。
図16】本発明の第1実施形態に係るアップダウンギア及びアップダウンバーの端部のラック部を示す斜視図である。
図17】本発明の第1実施形態に係るアップダウンギア及びアップダウンバーの端部のラック部を示す斜視図である。
図18】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の制御系を示すブロック図である。
図19】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の画像形成制御部での処理例を示すフローチャートである。
図20】本発明の第2実施形態に係る各現像ユニット等にアップダウンバーを架け渡した状態を示す側面図である。
図21】本発明の第2実施形態に係る各現像ユニット等にアップダウンバーを架け渡した状態を示す側面図である。
図22】本発明の第2実施形態に係る各現像ユニット等にアップダウンバーを架け渡した状態を示す側面図である。
図23】本発明の第2実施形態に係る第1接離手段及び第2接離手段の要部拡大図である。
図24】用紙ジャムの発生状態を示す模式図である。
図25】印刷しない色の1つの感光体をアップさせないで用紙ジャムの発生を防止する状態を示す模式図である。
図26】短い用紙のよる用紙ジャムの発生状態を示す模式図である。
図27】印刷しない全ての色の感光体をアップさせないで用紙ジャムの発生を防止する状態を示す模式図である。
図28】複数のパターンの第1接離手段及び第2接離手段を各ユニットに適宜組み込んだ例を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施形態について説明する。
【0011】
[第1実施形態]
まず、第1実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態の画像形成装置を示す構成図であり、図2は画像形成ユニット8の斜視図である。
【0012】
図1に示されるように、画像形成装置1は、ブラック(k)、シアン(c)、マゼンタ(m)、イエロー(y)の各色の感光体ユニット10k、10c、10m、10y、各色の現像ユニット2k、2c、2m、2y、各色のトナーカートリッジ3k、3c、3m、3y、転写ユニット4、露光装置であるLEDヘッド5k、5c、5m、5y、記録媒体を収納・供給する給紙カセット6、記録媒体にトナー像を定着させる定着ユニット7等を備えて構成されている。
【0013】
転写ユニット4は、像担持体である感光体21k、21c、21m、21yに現像された現像剤を記録媒体1001に転写させるためのユニットである。転写ユニット4は、転写ローラAk,Ac,Am,Ay、ドライブローラB、従動ローラCも、転写ベルトD等を備えて構成されている。
【0014】
感光体ユニット10k、10c、10m、10y及び現像ユニット2k、2c、2m、2yは、転写ユニット4に沿って記録媒体1001の供給側から排出側に向かって順次配列されている。これらのユニットは、図2に示すように、画像形成ユニット8として、バスケット50により一体的に構成されて、画像形成装置本体に着脱自在に装着されている。バスケット50は、第一のサイドフレーム51と、第二のサイドフレーム52と、フロントフレーム53と、リアフレーム54とで構成されている。トナーカートリッジ3k、3c、3m、3yは、対応する各現像ユニット2k、2c、2m、2yの上部に位置し、各現像ユニット2k、2c、2m、2yに対して独立して着脱自在に装着されている。
【0015】
感光体ユニット10k、10c、10m、10yは、いずれも同じ構造を成している。具体的には、図1に示すように、感光体ユニット10k、10c、10m、10yは、静電潜像が形成される像担持体である感光体21k、21c、21m、21y、転写されなかった感光体上の残留トナーを除去するクリーニングブレード26k、26c、26m、26y、第一の搬送手段27k、27c、27m、27y、ドラムシャフト29k、29c、29m、29y等を備えて構成されている。なお、転写ユニット4は、像担持体である感光体21k、21c、21m、21yに現像された現像剤を記録媒体1001に転写させるユニットである。転写ユニット4は、転写ベルト、駆動ドラム、従動ドラム等を備えて構成されている。
【0016】
現像ユニット2k、2c、2m、2yは、前記像担持体に形成された静電潜像に現像剤を現像する現像手段である。現像ユニット2k、2c、2m、2yは、いずれも同じ構造を成している。具体的には、現像ユニット2k、2c、2m、2yは、感光体21を現像する現像材担持体としての現像ローラ23k、23c、23m、23y、現像ローラ上にトナー層を形成する現像ブレード24k、24c、24m、24y、現像ローラにトナーを供給する供給ローラ25k、25c、25m、25y等を備えて構成されている。また、バスケット50の第一のサイドフレーム51には第二の搬送手段28を備えている。
【0017】
第一の搬送手段27k、27c、27m、27yは、各クリーニングブレード26k、26c、26m、26yによって除去された廃棄トナーを感光体軸方向の一方(図1中の手前側)に向けて搬送する。第二の搬送手段28は、それぞれの第一の搬送手段27k、27c、27m、27yより送られてきた廃棄トナーを一括して現像ユニット2k、2c、2m、2yの配列方向最上流(図1中の右上)に配置される廃棄トナー収容器32まで搬送する。
【0018】
廃棄トナー収容部32は、第二の搬送手段28により搬送された廃棄トナーを収容する。
【0019】
各トナーカートリッジ3k、3c、3m、3yは、各現像ユニット2k、2c、2m、2yの上部にそれぞれ設けられている。各トナーカートリッジ3k、3c、3m、3yは、未使用トナー40k、40c、40m、40yを収容するトナー収容部31k、31c、31m、31yを備えている。
【0020】
なお、画像形成ユニット8、トナーカートリッジ3k、3c、3m、3y、廃棄トナー収容部32等はいずれも交換可能ユニットである。これらは、トナーが消費されたり構成部品が劣化したりして寿命が来たときに、適宜交換される。
【0021】
画像形成ユニット8には、図2に示すように、各色の感光体ユニット10k、10c、10m、10y、現像ユニット2k、2c、2m、2y、帯電ローラ22k、22c、22m、22yが等ピッチで配列される。それらの周辺をバスケット50が囲うように配設されている。即ち、画像形成ユニット8は、複数の前記像担持体と複数の前記現像手段を一体的に保持する保持部材である。
【0022】
以降の説明では、感光体ユニット10k、10c、10m、10y、現像ユニット2k、2c、2m、2y、帯電ローラ22k、22c、22m、22yなどについて詳述する際、各色とも同じ構造を成しているため、これらを代表して1つユニットについてのみ詳述することにする。
【0023】
図3は感光体ユニット10を示す斜視図、図4は感光体ユニット10を示す分解斜視図、図5は感光体ユニット10の要部断面図である。感光体ユニット10は、感光体21と、アッパフレーム30と、ベースフレーム11と、除電光Assy20と、ドラムシャフト29と、帯電ローラ22とから構成されている。
【0024】
ベースフレーム11は、ベースフレーム本体12と、クリーニングブレード26と、廃棄トナー搬送口13と、クリーニングフィルム14と、第一の搬送路15と、第一の搬送スパイラル16と、搬送駆動ギア17と、搬送アイドルギア18とから構成されている。
第一の搬送路15は、ベースフレーム本体12、クリーニングブレード26及びクリーニングフィルム14に囲まれる空間で形成されている。廃棄トナー搬送口13は、円筒形状に形成されている。廃棄トナー搬送口13は、第一の搬送路15の一端(図4中の左端)に位置して、ベースフレーム本体12から突出するように形成されている。第一搬送スパイラル16は、第一の搬送路15と廃棄トナー搬送口13とを貫くように設置されている。第一搬送スパイラル16の他端(廃棄トナー搬送口13がない方の端部である図4中の右端)には、搬送駆動ギア17が係合している。搬送駆動ギア17は、搬送アイドルギア18に噛み合っており、搬送アイドルギア18側から駆動トルクが伝達するようになっている。第一搬送スパイラル16は、前記駆動トルクによる回転で、廃棄トナー搬送口13に廃棄トナーを搬送する方向に、スパイラルの向きが形成されている。搬送アイドルギア18は、感光体21の端部に配設されているドラムギア19と噛み合って、このドラムギア19から駆動トルクが伝達されるようになっている。
【0025】
図6はバスケット50を示す斜視図、図7は、バスケット50を図6の背面側から示す斜視図である。第一のサイドフレーム51には、現像ユニット2を実装したときの廃棄トナー搬送口13の位置に廃棄トナー受け口34k、34c、34m、34yを設けており、廃棄トナー受け口34k、34c、34m、34yの下方に位置している第二の搬送手段28(図1参照)にそれぞれつながっている。第二の搬送手段28はカバーフレーム35により第一のサイドフレーム51外側からふさがれている。
【0026】
第二のサイドフレーム52には、アップダウンバーR60、アップダウンギアR61、アップダウンアイドルギアR62(図8参照)が実装されている。第一のサイドフレーム51には、前記アップダウンバーR60及びアップダウンギアR61に対応する、アップダウンバーL70及びアップダウンギアL71が実装されている。
【0027】
リアフレーム54内には、アップダウンギアシャフト57が装着されている。このアップダウンギアシャフト57の両端には、前記アップダウンギアL71及び前記アップダウンギアR61がそれぞれ取り付けられている。これにより、アップダウンギアL71とアップダウンギアR61が連動して回転するようになっている。
【0028】
図8は、第二のサイドフレーム52のアップダウンバーR60及びアップダウンギアR61と第一のサイドフレーム51のアップダウンバーL70及びアップダウンギアL71との連結構造を示す斜視図である。アップダウンギアR61は、アップダウンアイドルギアR62を介して、画像形成装置1の本体側に設けられているアップダウン駆動ギア58と噛み合っている。これにより、アップダウン駆動ギア58からの駆動トルクは、アップダウンアイドルギアR62を介してアップダウンギアR61に伝達され、さらにアップダウンギアシャフト57を介してアップダウンギアL71に伝達される。これにより、アップダウンバーR60とアップダウンバーL70とが、その長手方向に且つ同じ方向に連動して移動するようになっている。
【0029】
図9は第一のサイドフレーム51の内側を示す正面図、図10は第一のサイドフレーム51の内側の要部拡大図、図11は各現像ユニット2k、2c、2m、2y等にアップダウンバーL70を架け渡した状態を示す側面図、図12図11の要部拡大図、図13はアップダウンバーL70の要部拡大斜視図である。
【0030】
アップダウンバーL70及びアップダウンギアL71は、第一のサイドフレーム51に実装されている。アップダウンバーL70は、第一のサイドフレーム51のスライドレール55及びスライドレール56にスライド可能に装着されている。アップダウンギアL71は、第一のサイドフレーム51に回転可能に取り付けられている。さらに、アップダウンギアL71は、アップダウンバーL70の端部のラック部78に噛み合っている。これにより、アップダウンバーL70は、アップダウンギアL71の回転に連動してスライドレール55、スライドレール56上を長手方向に移動するようになっている。
【0031】
アップダウンバーL70には、感光体21k、21c、21m、21y(像担持体)と現像ユニット2k〜2y(現像手段)の現像ローラ23k〜23yとを接離可能にする、即ち互いに接触させたり引き離したり(近接離間)する第1接離手段68と、前記感光体21k、21c、21m、21y(像担持体)と前記転写ユニット4とを接離可能にする、即ち互いに接触させたり引き離したり(近接離間)する第2接離手段69と、ラック部78と、スライド検知部79とが設けられている。第1接離手段68と第2接離手段69は、アップダウンバーL70に一体的に設けられることで、共通の駆動手段により駆動されるようになっている。
【0032】
なお、第1接離手段68及び第2接離手段69は、各色のユニットに応じて4カ所にそれぞれ設けられている。4カ所の第1接離手段68及び第2接離手段69は、全て同じ構成になっていて、全てを同時に接離するようになっている。このため、ここでは代表して1箇所の構成についてのみ詳述する。
【0033】
第1接離手段68は、現像アップダウン傾斜72、現像アップ保持面73及び現像ダウン保持面76を備えて構成されている。
【0034】
現像アップダウン傾斜72は、現像ユニット2を押し上げたり元に戻したりするための傾斜である。即ち、現像アップダウン傾斜72は、前記現像手段を移動させる移動部材である。現像アップダウン傾斜72は、現像ユニット2側に設けられた現像アップダウンポスト42に接触する。そして、アップダウンバーL70を長手方向前後(図12の左右方向)にスライドさせることで、現像アップダウンポスト42が現像アップダウン傾斜72をスライドして現像ユニット2を昇降させるようになっている。
【0035】
また、現像ユニット2には、現像アップダウンポスト42に隣接して現像ユニットスライド溝43が設けられている。現像ユニットスライド溝43は、現像ユニット2の昇降方向に形成されている。この現像ユニットスライド溝43には、第一のサイドフレーム51に実装されている現像スライドポスト41が嵌合されている。これにより、現像スライドポスト41に移動可能に嵌合した現像ユニットスライド溝43が、この現像スライドポスト41に支持されて上下に移動することで、現像ユニット2が安定して昇降するようになっている。
【0036】
現像アップ保持面73は、現像ユニット2を、現像アップダウン傾斜72によって上昇させた待機位置で保持するための面である。現像ダウン保持面76は、現像ユニット2を、現像アップダウン傾斜72によって下降させた機能位置で保持するための面である。この機能位置で、感光体21と現像ユニット2とが互いに接触する。現像アップダウンポスト42と現像ダウン保持面76との間は、常に隙間を持たせている。これにより、アップダウンバーL70の現像ダウン保持面76が、現像ユニット2の本来の正確な設置位置に影響を与えないようにしている。
【0037】
第2接離手段69は、感光体アップダウン傾斜74、感光体アップ保持面75及び感光体ダウン保持面77を備えて構成されている。
【0038】
感光体アップダウン傾斜74は、感光体21を押し上げたり元に戻したりするための傾斜である。即ち、感光体アップダウン傾斜74は、前記像担持体を移動させる移動部材である。感光体アップダウン傾斜74は、現像アップダウン傾斜72と一体的に形成されている。感光体アップダウン傾斜74は、感光体21を支持するドラムシャフト29に接触する。アップダウンバーL70を長手方向前後(図12の左右方向)にスライドさせることで、ドラムシャフト29が感光体アップダウン傾斜74をスライドして感光体21を昇降させるようになっている。
【0039】
感光体アップダウン傾斜74は、アップダウンバーL70に形成された長溝の一部によって構成されている。ドラムシャフト29は、感光体アップダウン傾斜74に接触しながら、長溝内を案内されて移動することで、感光体21が安定して昇降するようになっている。
【0040】
感光体アップ保持面75は、感光体21を、感光体アップダウン傾斜74によって上昇させた待機位置で保持するための面である。感光体ダウン保持面77は、感光体21を、感光体アップダウン傾斜74によって下降させた機能位置で保持するための面である。この機能位置で、感光体21と現像ユニット2及び、感光体21と転写ユニット4の転写ベルトDとが互いに接触する。ドラムシャフト29と感光体ダウン保持面77との間は、前記現像アップダウンポスト42及び現像ダウン保持面76と同様に、常に隙間を持たせている。
【0041】
また、現像アップダウン傾斜72は、感光体アップダウン傾斜74よりも勾配を大きくしている。これにより、現像ダウン保持面76と現像アップ保持面73との間の変位量が、感光体ダウン保持面77と感光体アップ保持面75との間の変位量よりも大きくなっている。これにより、待機位置に位置する感光体21と現像ユニット2とが互いに接触しないようになっている。
【0042】
現像アップダウン傾斜72と現像アップ保持面73の幅は、アップダウンバーL70の幅よりも小さくしている。
【0043】
ラック部78は、アップダウンバーL70をその長手方向にスライドさせるための部分である。このラック部78は、図11に示すように、アップダウンバーL70の端部に設けられ、アップダウンギアL71に噛み合っている。そして、図16及び図17に示すように、アップダウンギアL71の回転駆動により、アップダウンバーL70が長手方向にスライドするようになっている。アップダウンギアL71には、通常の歯と共に停止歯71Aが設けられている。ラック部78には、停止歯71Aが噛み合う停止凹部78Aが設けられている。そして、これらが噛み合った位置(図11、16の位置)が前記機能位置であり、この機能位置でアップダウンバーL70が停止するように設定されている。
【0044】
スライド検知部79は、ラック部78を前記待機位置で停止させるための部分である。バスケット50側に設けられたスライド検知センサ45は、スライド検知部79が嵌合することで、このスライド検知部79を検知して、アップダウンバーL70を停止させるようになっている。そして、このスライド検知部79の検知位置が、アップダウンバーL70の前記待機位置となっている。これにより、ラック部78がアップダウンギアL71によってスライドされて、スライド検知部79がスライド検知センサ45に嵌合することで、アップダウンギアL71が停止されて、アップダウンバーL70が待機位置で停止するように設定されている。
【0045】
アップダウンバーR60は、アップダウンバーL70とほぼ同様の構造を成している。即ち、アップダウンバーR60は、アップダウンバーL70にスライド検知部79がないのみで、他の部分は同様の構造を成している。
【0046】
ここで、感光体ユニット10は、画像形成装置1の本体からの駆動をドラムギア19が受けて稼動する。現像ユニット2は、現像ローラ23の一端に設けられている駆動部がドラムギア19からの駆動を受けて稼動する。このため、感光体21と現像ユニット2の間が離間すると、現像ユニット2の駆動は解除されて、機能を停止する。同様に、感光体21と転写ユニット4の間が離間すると、感光体ユニット10の駆動は解除されて、機能を停止する。
【0047】
次に、画像形成装置1の制御系を説明する。図18は画像形成装置1の制御系を示すブロック図である。図中の200は画像形成制御部である。画像形成制御部200は、画像形成装置1の全体の制御を司る。画像形成制御部200は、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、入出力ポート、タイマ等を備えて構成されている。画像形成制御部200は、パーソナルコンピュータ等のホスト装置220から印刷データと制御コマンドを受信して、画像形成装置のシーケンス制御を行う。I/F制御部201は、ホスト装置220に画像形成装置100の情報(プリンタ情報等)を送信すると共に、ホスト装置220から送信されたコマンドを解析し、また、ホスト装置220から送信されたデータを処理する。
【0048】
帯電電圧制御部202は、画像形成制御部200の指示により、現像ユニット2k〜2yの各感光体21k〜21yの表面をそれぞれ一様に帯電させるため、現像ユニット2k〜2yの各帯電ローラ22k〜22yに帯電電圧を印加する制御を行う。
【0049】
露光制御部203は、画像形成制御部200の指示により、各感光体21k〜21yの表面を露光して静電潜像を形成するため、印刷データに従って、各LEDヘッド5k〜5yを駆動する制御を行う。
【0050】
現像電圧制御部204は、画像形成制御部200の指示により、各感光体21k〜21yの表面に形成された静電潜像を現像するため、現像ユニット2k〜2yに現像電圧を印加する制御を行う。
【0051】
転写電圧制御部205は、画像形成制御部200の指示により、各感光体21k〜21yの表面に形成されたトナー像を記録媒体1001に転写するため、各転写ローラAk〜Ayに転写電圧を印加する制御を行う。
【0052】
画像形成駆動制御部206は、画像形成制御部200の指示により、感光体21k〜21y、帯電ローラ22k〜22yおよび現像ユニット2k〜2yの現像ローラ23k〜23yを回転駆動するため、現像ユニット2k〜2y毎に設けられたモータ211k〜211yを駆動する制御を行う。
【0053】
ベルト駆動制御部207は、画像形成制御部200の指示により、ドライブローラBを回転させて転写ベルトDを駆動するため、ベルト駆動モータ212を駆動する制御を行う。なお、ドライブローラBの駆動に伴い、従動ローラCも従動回転する。
【0054】
定着制御部208は、定着装置7の温度を検出するサーミスタ213から検出温度が入力され、定着装置7のヒータ63への通電をオン・オフ制御する。定着制御部208は、また、画像形成制御部200の指示により、定着装置7の第1のローラとしての定着ローラ108を回転させる定着駆動モータ214を駆動する制御を行う。なお、定着ローラ108に当接する第2のローラとしての加圧ローラ109は従動回転する。
【0055】
給紙搬送制御部209は、画像形成制御部200の指示により、記録媒体1001を給紙・搬送するため、給紙モータ215および搬送モータ216を駆動する制御を行う。給紙モー215は、給紙ローラ1103を回転駆動し、搬送モータ216は、媒体搬送用ローラE、Fを回転駆動する。
【0056】
離接制御部Gは、画像形成制御部200の指示により、離接駆動モータHを駆動することで、アップダウンギアR61、L71を駆動する。このとき、スライド検知部79からの信号に基づいて、離接駆動モータHの駆動を制御する。
【0057】
また、画像形成制御部200には、タイマ218及び温度センサ219が接続され、設定時間及び検出温度が検出される。
【0058】
以上のように構成された画像形成装置1は、画像形成制御部200の制御によって、次のように動作する。以下では、図14図17を中心に説明する。ここでも、前記構成の説明と同様に、4色に対応した4つの機構のうちの1つについて詳述する。
【0059】
まず、待機状態にする場合に動作について説明する。この待機状態は、工場出荷時等に設定される。待機指示によって画像形成制御部200が離接駆動モータHを駆動させて、アップダウン駆動ギア58からアップダウンギアR61に駆動トルクが伝わると、アップダウンギアR61と共にアップダウンギアシャフト57が回転する(図8参照)。これにより、アップダウンギアL71がアップダウンギアR61に連動して回転する。アップダウンギアL71、アップダウンギアR61の回転によってラック部78がスライドする。具体的には、図16から図17のように、図中の左方向にラック部78がスライドする。
【0060】
これにより、アップダウンバーL70が図14から図15のように、図中の右方向にスライドする。アップダウンバーR60も同様にスライドする。これにより、第2接離手段69の感光体アップダウン傾斜74は、ドラムシャフト29に当接してこのドラムシャフト29を押し上げる。また、第1接離手段68の現像アップダウン傾斜72は、現像アップダウンポスト42に当接してこの現像アップダウンポスト42を押し上げる。これにより、現像ユニット2及び感光体ユニット10が上方向に移動し始める。
【0061】
そして、図15のように、アップダウンバーL70がさらに右方向にスライドすると、ドラムシャフト29が感光体アップ保持面75に、現像アップダウンポスト42が現像アップ保持面73に乗り上げる。アップダウンバーR60においても同様である。
【0062】
アップダウンバーL70が移動して、スライド検知部79がスライド検知センサ45に嵌合すると、スライド検知センサ45がスライド検知部79を検知して、離接駆動モータHを停止させる。
【0063】
これにより、アップダウン駆動ギア58によるアップダウンギアR61及びアップダウンギアL71の駆動が停止し、現像ユニット2及び感光体ユニット10の上方向への移動が終了して、待機状態になる。
【0064】
このとき、転写ユニット4は移動しないため、感光体ユニット10の上方向への移動により、転写ユニット4と感光体21とが離れる。
【0065】
さらに、現像アップダウン傾斜72の勾配を感光体アップダウン傾斜74の勾配よりも大きくして、現像ダウン保持面76と現像アップ保持面73との間の変位量を、感光体ダウン保持面77と感光体アップ保持面75との間の変位量よりも大きくしたため、感光体ユニット10の上方向への移動距離よりも現像ユニット2の上方向への移動距離の方が大きくなる。これにより、感光体21と現像ユニット2とが離れる。
【0066】
この結果、転写ユニット4の転写ベルトDと感光体21と現像ユニット2の現像ローラ23とが、互いにかつ同時に離間して、待機状態になる。
【0067】
他の色の機構も同様の動作となるため、全ての色の転写ユニット4と感光体21と現像ユニット2とが、互いにかつ同時に離間して、待機状態になる。
【0068】
この状態で、画像形成装置1を、輸送したり、高温多湿条件下で長期間保存したりする。
【0069】
次に、通常使用時の画像形成制御部200での処理の一例を図19のフローチャートに基づいて説明する。
【0070】
画像形成装置1に電源を投入して、予備動作として一度スライド検知センサ45にスライド検知部79を反応させる等により、アップダウンバーL70等がどの位置にあるのかを確認して、待機状態か否かを判断する(ステップS1)。待機状態でない場合は処理を終了する。
【0071】
待機状態の場合は機能状態にする(ステップS2)。即ち、画像形成制御部200が離接駆動モータHを駆動させる。これにより、アップダウン駆動ギア58からアップダウンギアR61に駆動トルクが伝わると、アップダウンギアR61と共にアップダウンギアシャフト57が、前記待機状態の場合と逆方向に回転する。これにより、アップダウンギアL71がアップダウンギアR61に連動して回転する。アップダウンギアL71、アップダウンギアR61の回転によってラック部78が、前記待機状態の場合と逆方向にスライドする。これにより、停止歯71Aが停止凹部78Aに噛み合うまでアップダウンバーL70等がスライドする。これにより、ドラムシャフト29が感光体ダウン保持面77に、現像アップダウンポスト42が現像ダウン保持面76に戻される。
【0072】
この結果、転写ユニット4と感光体21と現像ユニット2とが、互いに接触して、画像形成が可能な機能状態になる。
【0073】
次いで、電源が切断された否かを判断する(ステップS3)。電源が切断されていなければ処理を終了する。
【0074】
電源が切断された場合は、上述した動作により待機状態にする(ステップS4)。
【0075】
以上のように、第1実施形態によれば、1つのアップダウン駆動ギア58を介した画像形成装置1からの駆動トルクのみで、第1接離手段68及び第2接離手段69により、感光体21と転写ユニット4の転写ベルトD及び感光体21と現像ユニット2の現像ローラ23を互いに離間させることができるため、輸送が高温多湿条件下で長期間に渡った場合などでも、感光体21と転写ユニット4の転写ベルトDと現像ユニット2の現像ローラ23とが互いに接触していないため、押し付け部分の凹みや汚染を防止することができる。
【0076】
この結果、常に安定した印字品位を保つことができ、画像形成装置1に対する信頼性が向上する。
【0077】

[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態の画像形成装置の全体は、第1実施形態の画像形成装置とほぼ同様であるため、以下では、両者の相違点を中心に説明する。
【0078】
本実施形態の画像形成装置は、前記第1実施形態のアップダウンバーR60及びアップダウンバーL70にそれぞれ設けられた第1接離手段68及び第2接離手段69を改良したものである。前記第1実施形態では、4つのユニットに設けられた各第1接離手段68及び第2接離手段69をすべて同じ構成にしたが、本実施形態ではそれぞれ異なる構成にしている。
【0079】
具体的には、図20に示す3つのユニット(a)、(b)、(c)でそれぞれ異なる第1接離手段85及び第2接離手段86としている。この3つのユニット(a)、(b)、(c)のうち(b)の第1接離手段85及び第2接離手段86を図23の拡大図に示している。
【0080】
本実施形態の第1接離手段85及び第2接離手段86では、第1実施形態の現像アップ保持面73、感光体アップ保持面75、現像ダウン保持面76、感光体ダウン保持面77の長さを適宜変えている。また、現像アップダウン傾斜72を2分割している。なお、第1実施形態の現像ダウン保持面76と現像アップ保持面73との間の変位量と、感光体ダウン保持面77と感光体アップ保持面75との間の変位量は、本実施形態においても同じ値になっている。また、本実施形態では、アップダウンバーR60及びアップダウンバーL70のスライド位置を3つ設定した。即ち、待機位置、機能位置及び中間位置の3つのポジションにした。これにより、第1接離手段85は、複数の現像手段と複数の像担持体を選択的に接離するようになっている。また、第2接離手段86は、複数の像担持体と転写ユニットを選択的に接離するようになっている。さらに、これらは、移動部材のスライド量に応じて選択的に動作するようになっている。
【0081】
具体的には、図20(a)では、現像アップ保持面73と感光体アップ保持面75の長さを伸ばしている。これにより、前記待機状態を保ったまま、アップダウンバーR60及びアップダウンバーL70をスライドできる距離を伸ばしている。他の構成は第1実施形態と同様である。
【0082】
図20(b)及び図23では、第1実施形態の現像アップダウン傾斜72を2分割している。これにより、現像ダウン保持面76と現像アップ保持面73との間に、現像ダウン保持面76に近いほうから順に、現像アップダウン傾斜A80、現像アップ保持中間面82及び現像アップダウン傾斜B81を備えている。現像アップ保持中間面82は、機能位置である現像ダウン保持面76と待機位置である現像アップ保持面73との中間に位置する面(中間位置の面)である。また、感光体ダウン保持面77の長さを伸ばしている。これにより、感光体21及び現像ユニット2の両方を機能位置又は待機位置に移動させる以外に、これらの中間状態として、感光体21を機能位置に、現像ユニット2を半待機位置(機能位置と待機位置の中間位置)に移動させることができる。
【0083】
図20(c)は、現像ダウン保持面76、感光体ダウン保持面77の長さを伸ばしている。これにより、前記機能位置と待機位置の中間状態である中間位置で、感光体21及び現像ユニット2の両方を機能状態に保つ。
【0084】
以上の3つのパターンである図20(a)、(b)、(c)の第1接離手段85及び第2接離手段86を、前記4つの色のユニットに適宜組み込む。
【0085】
この組み込み例を図28の表に示す。なおここでは、6つのパターンを例示している。具体的には、パターン1は輸送時又は長期保管時等、パターン2は1色(ここではk)のみの印刷時、パターン3は1色(ここではk)のみの印刷時で用紙が短い(A5等)とき、パターン4は1色(ここではk)のみの印刷時で用紙がさらに短い(A6等)とき、パターン5はカラー印刷時、パターン6は全色印刷時又は短時間待機時等である。この表で「Up」は前記待機位置、「Down」は前記機能位置を示す。
【0086】
この例のように、アップダウンバーR60及びアップダウンバーL70の第1接離手段85及び第2接離手段86を、4つの色のユニットに適宜組み込む。即ち、目的に応じて図20(a)、(b)、(c)の構成の第1接離手段85及び第2接離手段86から適宜選んで、アップダウンバーR60及びアップダウンバーL70に組み込む。
【0087】
これにより、第1接離手段85は、複数の現像ユニット2k〜2y(現像手段)と、複数の感光体21k、21c、21m、21y(像担持体)を選択的に接離する。第2接離手段86は、複数の感光体21k、21c、21m、21y(像担持体)と転写ユニット4を選択的に接離する。さらに、第1接離手段85と第2接離手段86は、前記移動部材のスライド量や用紙長さに応じて選択的に動作する。
【0088】
以上のように構成された画像形成装置は、次のように動作する。図21及び図22は本実施形態の画像形成装置の動作を示す説明図である。なお、図20図22が一連の動作になっている。即ち、図21図20から、図22図21からアップダウンバーL70等が移動した状態を示す。
【0089】
第1実施形態と同様に、アップダウンバーL70が図中の右方向に移動すると、図21(a)では、ドラムシャフト29が感光体アップ保持面75に、現像アップダウンポスト42が現像アップ保持面73に乗り上げるため、感光体21と転写ユニット4の間及び感光体21と現像ユニット2の間が離間し、両方とも「Up」になる。これは待機状態である。
【0090】
図21(b)では、ドラムシャフト29は感光体アップダウン傾斜74に当接しておらず、現像アップダウンポスト42が現像アップ保持中間面82に乗り上げているため、感光体21と現像ユニット2の間のみが離間し、感光体21は「Down」、現像ユニット2は半分「Up」(中間状態)になる。なお、感光体21と現像ユニット2の間が離間すると、上述したように、現像ユニット2の駆動は解除されて、機能を停止する。同様に、感光体21と転写ユニット4の間が離間すると、感光体ユニット10の駆動は解除されて、機能を停止する。ここでは、感光体21の印刷機能がなくなるため、感光体21が押さえローラとして機能する状態である。
【0091】
図21(c)では、ドラムシャフト29は感光体アップダウン傾斜74に当接しておらず、現像アップダウンポスト42は現像アップダウン傾斜72に当接していないため、感光体21と転写ユニット4の間及び感光体21と現像ユニット2の間は離間していない。このため、両方とも「Down」になる。これは、印刷可能な機能状態である。
【0092】
図22では、(a)、(b)、(c)とも、ドラムシャフト29が感光体アップ保持面75に乗り上げ、現像アップダウンポスト42が現像アップ保持面73に乗り上げているため、感光体21と転写ユニット4の間及び感光体21と現像ユニット2の間が離間する。このため、すべてのユニットで、両方とも「Up」になる。これはすべてのユニットが待機状態になっていることを示す。
【0093】
次に、前記構成の組み合わせによって、用紙のジャムエラーを解消する例を説明する。
【0094】
図24は用紙ジャムのイメージ図である。例えば、1色印刷時に、先端がカールした用紙39が走行した場合、図24のように用紙39の先端が浮いてくるため、用紙ジャムなどが発生することがある。このとき、図25のように、印刷しない色の感光体をアップさせなければ、用紙39先端の浮きを押さえられる。これは、図28のパターン3の状態である。感光体21mを、印刷機能のない押さえローラとして機能させることで、用紙39の先端の浮きを押さえて、用紙ジャムの発生を抑えている。
【0095】
図26は前記用紙39よりも短い用紙40の用紙ジャムのイメージ図である。用紙サイズが短い用紙40を検知した場合は、図27のように、アップさせない感光体を増やすことで用紙走行を安定させることができる。これは、図28のパターン4の状態である。感光体21y、21m、21cを、印刷機能のない押さえローラとして機能させることで、短い用紙40の先端の浮きを押さえて、用紙ジャムの発生を抑えている。
【0096】
以上のように、第2実施形態では、第1実施形態と同様の効果が得られると共に、アップダウンバーR60とアップダウンバーL70の移動量を調整して、離間させたい色のユニットのみを選択的に離間させることができるため、用紙の大きさ等の条件に応じて、感光体21k、21c、21m、21yを、印刷機能のない押さえローラとして適宜機能させることができるようになる。これにより、用紙ジャムの発生を抑えた、安定した用紙走行性が得られる。
【0097】
また、使用しないユニットは駆動が解除されるため、ユニットの寿命を延ばすことができると共に、トナーの余分な撹拌による劣化を防ぐことができる。
【0098】
[変形例]
本発明の画像形成装置は、プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等に適用することができる。
【0099】
また、前記第2実施形態では、図24〜27に示す動作例として「Up」と「Down」のみを例に説明したが、現像アップ保持中間面82を使用した、「Up」と「Down」の中間位置に感光体21を支持して、用紙39、40を押さえてもよい。中間位置は、「Up」の位置と「Down」の位置の間の任意の位置を設定できる。使用態様に合わせて適宜設定する。
【0100】
前記第2実施形態では、1色印刷の例として、感光体21kを機能させ、感光体21mを押さえローラとして機能させたが、どの感光体を機能させ、どの感光体を押さえローラとするかは、適宜選択することができる。
【0101】
前記各実施形態では、ブラック(k)、シアン(c)、マゼンタ(m)、イエロー(y)の4つの色に対応したユニットを組み合わせて画像形成装置を構成したが、本発明は、4つのユニットに限らず、1又は複数(2、3又は5以上)のユニットを備えた画像形成装置にも適用することができる。
【0102】
本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形、組み合わせが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
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図26
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図28