特許第6054180号(P6054180)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6054180蛍光体及びその製造方法、白色発光装置、面光源装置、ディスプレー装置、及び照明装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6054180
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】蛍光体及びその製造方法、白色発光装置、面光源装置、ディスプレー装置、及び照明装置
(51)【国際特許分類】
   C09K 11/64 20060101AFI20161219BHJP
   C09K 11/08 20060101ALI20161219BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20161219BHJP
   C09K 11/56 20060101ALI20161219BHJP
   C09K 11/88 20060101ALI20161219BHJP
   C09K 11/59 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   C09K11/64CQD
   C09K11/08 B
   C09K11/08 J
   H01L33/50
   C09K11/56
   C09K11/88
   C09K11/59
【請求項の数】2
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2012-552807(P2012-552807)
(86)(22)【出願日】2011年2月11日
(65)【公表番号】特表2013-519750(P2013-519750A)
(43)【公表日】2013年5月30日
(86)【国際出願番号】KR2011000920
(87)【国際公開番号】WO2011099800
(87)【国際公開日】20110818
【審査請求日】2014年2月12日
(31)【優先権主張番号】10-2010-0013626
(32)【優先日】2010年2月12日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユン, チャン ボン
(72)【発明者】
【氏名】ウォン, ヒョン シク
(72)【発明者】
【氏名】ユン, チョル スー
【審査官】 吉田 邦久
(56)【参考文献】
【文献】 特許第3975451(JP,B2)
【文献】 特開2009−263201(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 11/64
C09K 11/08
C09K 11/56
C09K 11/59
C09K 11/88
H01L 33/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
β型Siの結晶構造を有し、組成式Si6−zAl8−z:Eu、M(ここで、MはSrとBaのうちから選択される少なくとも1種であり、Eu添加量(a)は0.65乃至3.90mol%の範囲であり、M添加量(b)は1乃至4mol%の範囲であり、Al組成比(z)は0.1乃至1の範囲である)で表される酸窒化物蛍光体を製造するために、Si含有酸化物又は窒化物、Al含有酸化物又は窒化物、Eu含有化合物、及びM含有化合物を含む原料物質を測量する段階と、
前記M含有化合物を除いた前記原料物質を混合して1次混合物を製造する段階と、
前記1次混合物を1次焼成し、該1次焼成の結果物を粉砕する段階と、
前記粉砕された1次焼成の結果物に前記M含有化合物を混合して2次混合物を製造する段階と、
前記2次混合物を2次焼成し、該2次焼成の結果物を粉砕する段階と、を有し、
Mはドーパントとして前記結晶構造の空隙に添加される、ことを特徴とする蛍光体の製造方法。
【請求項2】
前記1次焼成は1850乃至2300℃の温度範囲で行われ、前記2次焼成は前記1次焼成温度より低い温度で行われることを特徴とする請求項1に記載の蛍光体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光体に関し、より詳細には、高い発光特性と優れた熱的・化学的安定性を有するβ−サイアロン蛍光体とこれを用いた白色発光装置、面光源装置、ディスプレー装置、及び照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、波長変換用蛍光体物質は、多様な光源の特定波長光を所望の波長光に変換させる物質として用いられている。特に、多様な光源のうち、発光ダイオードは低電力駆動及び優れた光効率によってLCDバックライトと自動車照明及び家庭用照明装置として有益に用いることができるため、最近、蛍光体物質は白色光LEDを製造するための核心技術として脚光を浴びている。
【0003】
白色光発光装置は概ね青色LEDに黄色蛍光体を塗布する方式で製造されている。より具体的には、GaN/InGaN活性層を有する青色LEDの光放出面にYAG(YAl12):Ceである黄色蛍光体を塗布して青色光の一部を黄色に変換し、変換された黄色と他の一部の青色光が結合されて白色光を提供する。
【0004】
上述したYAG:Ce蛍光体(又はTAG系蛍光体)−青色LEDで構成された従来の白色発光装置は、低い演色性(color rendering)を有するという短所がある。即ち、黄色蛍光体を用いて得られた白色光の波長は青色と黄色のみに分布しているため、演色性が低くて所望の天然白色光を具現するのに限界がある。
【0005】
一方、従来の波長変換用蛍光体物質は、特定光源の発光色と特定出力光の色に限定して提供されてきており、具現可能な色分布も非常に制限されるため、使用者の必要に応じて多様な光源の発光色及び/又は多様な出力光の色に適用されるのには限界がある。
【0006】
このような問題を解決するために、最近、本出願人は、下記特許文献1における3種の特定の青色、緑色、赤色蛍光体の混合物を用いて演色指数(color rendering index:CRI)に優れ且つ幅広い色分布を具現した。このような赤色、緑色、及び青色の蛍光体の組み合わせによる優れた発光装置を具現するためには、各蛍光体とも高い変換効率を有することが求められる。
【0007】
また、従来のシリケート蛍光体は、熱に不安定であるため、高出力LEDチップに脆弱であるという短所がある。
【0008】
これを改善するために、初めてβ−サイアロンという新たな蛍光物質が提案(特許文献2)されて以来、β−サイアロン蛍光体に対する研究が続いている。
【0009】
下記特許文献3(特許権者:NATIONAL INSTITUTE FOR MATERIALS SCIENCE)では、β−サイアロンを緑色発光蛍光体として提案している。しかしながら、輝度が非常に低くて波長及び色座標の特性が所望の白色光を具現するのに適していないため、実用化が難しい。
【0010】
一方、β−サイアロン蛍光体の基本結晶構造を変形して新たな特性を模索する方案も報告されている。下記非特許文献1では、ストロンチウム(Sr)を結晶構造でSi又はAlの代わりに置換したSrサイアロンを提案している。しかしながら、Srが結晶構造で置換されるため、相安定化が若干低くなって優れた熱的安定性を期待することが困難であるという問題がある。
【0011】
また、下記特許文献4でも、緑色蛍光体としてβ−サイアロン(SiAlON)を提案しているが、粒度がかなり大きくて沈殿速度が早いため、製品による色座標の散布が大きいという問題点がある。また、製造工程において、従来のシリケート蛍光体の焼成条件(約1600℃の水準、約3hr)に比べて高い焼成温度(2000℃以上)と長い焼成時間が要求されるという短所がある。このような問題によって、1族及び2族元素を活性剤として添加するのに困難があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】韓国特願2004−0076300号
【特許文献2】特開昭60−206889号公報
【特許文献3】特許3921545号公報
【特許文献4】韓国特開2009−0028724号
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】論文「Fluorescence of Eu+ inSiAlONs」(2005 Journal of the Ceramic Society of Japan、R.J.Xie他多数)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、高い発光効率を有し且つ再現性に優れ、熱に安定的であることから高出力LEDチップに使用可能な緑色発光のための蛍光体及びその製造方法を提供することにある。
【0015】
また、本発明の目的は、上記蛍光体を用いた白色発光装置、面光源装置、ディスプレー装置、及び照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による蛍光体は、β型Siの結晶構造を有し、組成式Si6−zAl8−z:Eu、Mで表される酸窒化物を含み、
前記組成式中、MはSrとBaのうちから選択される少なくとも1種であり、Eu添加量(a)は0.1乃至5mol%の範囲であり、M添加量(b)は0.1乃至10mol%の範囲であり、Al組成比(z)は0.1<z<1を満足し、
励起源を照射して500乃至550nmの範囲にピーク波長を有する光を放出し、
Mはドーパントとして蛍光体結晶構造の空隙に添加される、ことを特徴とする。
【0018】
前記励起源の照射によって前記蛍光体から放出される光をCIE1931色度座標における(x,y)値で表す場合、xとyはそれぞれx≦0.336及びy≧0.637を満足すし得る。
【0019】
前記蛍光体から放出される光のCIE1931色度座標におけるyの変化量は−0.0065以下であり、前記yの変化量は、前記蛍光体を青色発光ダイオードに適用して3.3V、120mAで駆動する条件で、初期に放出される光で測定されたCIE1931色度座標におけるy値をy1とし、前記駆動条件を85℃で24時間持続して行った後に放出される光で測定されたCIE1931色度座標におけるy値をy2とした場合、y2−y1で定義され得る。
【0025】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による蛍光体は、β型Siの結晶構造を有し、組成式Si6−zAl8−z:Eu、Mで表される酸窒化物を含み、
前記組成式中、MはSrとBaのうちから選択される少なくとも1種であり、Eu添加量(a)は100乃至5000ppmの範囲であり、M添加量(b)は100乃至10000ppmの範囲であり、Al組成比(z)は0.1<z<1を満足し、
励起源を照射して500乃至550nmの範囲にピーク波長を有する光を放出し、
Mはドーパントとして蛍光体結晶構造の空隙に添加される、ことを特徴とする。
【0026】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による蛍光体の製造方法は、β型Siの結晶構造を有し、組成式Si6−zAl8−z:Eu、M(ここで、MはSrとBaのうちから選択される少なくとも1種であり、Eu添加量(a)は0.1〜5mol%の範囲であり、M添加量(b)は0.1〜10mol%の範囲であり、Al組成比(z)は0.1<z<1を満足する)で表される酸窒化物蛍光体を製造するために、Si含有酸化物又は窒化物、Al含有酸化物又は窒化物、Eu含有化合物、及びM含有化合物を含む原料物質を測量する段階と、前記M含有化合物を除いた前記原料物質を混合して1次混合物を製造する段階と、前記1次混合物を1次焼成し、該1次焼成の結果物を粉砕する段階と、前記粉砕された1次焼成の結果物に前記M含有化合物を混合して2次混合物を製造する段階と、前記2次混合物を2次焼成し、該2次焼成の結果物を粉砕する段階と、を有する。
【0027】
前記1次焼成は1850〜2300℃の温度範囲で行われ、前記2次焼成は前記1次焼成温度より低い温度で行われ得る。
【0029】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による白色発光装置は、励起光を放出するLEDチップと、前記LEDチップの周囲に配置されて前記励起光の少なくとも一部を波長変換し、上述したβ−サイアロン蛍光体を含む緑色蛍光体と、前記LEDチップ及び前記緑色蛍光体と異なる波長の光を放出し、追加のLEDチップ及び別の種の蛍光体の少なくとも一つによって提供される少なくとも一つの発光要素と、を有する。
【0044】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による面光源装置、ディスプレー装置、及び照明装置は、上述した蛍光体を波長変換物質として用いる。
【発明の効果】
【0045】
本発明によれば、β−サイアロン(SiAlON)結晶であるホストマトリックスの空隙(empty sphere)にSrを所定量添加することにより、従来のβ−サイアロン(SiAlON)蛍光体より大きく向上させた輝度(例えば、約20%程度)を有する上、より短波長化した緑色蛍光体を提供することができる。
【0046】
このような緑色蛍光体は、CIE1931色座標系において標準RGB(sRGB)の緑色領域を満足させることができる色特性を提供することにより、鮮明な白色を提供するのに寄与する。更に、Srの添加(doping)は、β−サイアロンの相安定化に寄与することにより、信頼性特性を改善し、特に、経時による効率の変化を左右するy色座標の変化を大きく減少させることができ、生産性及び収率の面で大きな改善効果がある。
【0047】
また、本発明で提案したβ−サイアロン蛍光体は、他の蛍光体、例えば青色及び赤色蛍光体と共に用いられることにより広い色表現が可能であり且つ再現性に優れた発光装置を提供することができる。更に、白色発光装置として具現される場合、演色指数が大きく向上した優れた白色光を提供することができる。
【0048】
本発明による酸窒化物蛍光体は、波長変換物質として多様な形態による白色発光装置、面光源装置、ディスプレー装置、及び照明装置に有益に適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】本発明によるβ−サイアロン蛍光体の結晶構造を例示する概略図である。
図2】実施例1及び比較例1によるβ−サイアロン蛍光体に対するXRDグラフである。
図3】実施例1によるβ−サイアロン蛍光体をTOF−SIMSを用いて構成原子を分析した写真である。
図4】比較例1によるβ−サイアロン蛍光体をTOF−SIMSを用いて構成原子を分析した写真である。
図5】実施例1〜3と比較例1によるβ−サイアロン蛍光体の輝度改善効果を示すグラフである。
図6】蛍光体から放出される光の色座標及び経時特性を説明するためのCIE1931色座標系である。
図7】実施例1〜3と比較例1によるβ−サイアロン蛍光体の短波長化効果を示すグラフである。
図8】実施例1〜3と比較例1によるβ−サイアロン蛍光体の経時特性改善効果(y色座標の変化量減少)を示すグラフである。
図9】比較例1〜5によるβ−サイアロン蛍光体の発光スペクトルを示すグラフである。
図10】実施例1、6及び7と比較例1によるβ−サイアロン蛍光体の発光スペクトルを示すグラフである。
図11】実施例8〜13と比較例5及び6によるβ−サイアロン蛍光体の発光スペクトルを示すグラフである。
図12】実施例8〜13と比較例5及び6によるβ−サイアロン蛍光体の強度の積分値及びピーク強度を示すグラフである。
図13】実施例8〜13と比較例5及び6によるβ−サイアロン蛍光体の励起スペクトルを示すグラフである。
図14】実施例14〜23によるβ−サイアロン蛍光体の発光スペクトルを示すグラフである。
図15】実施例14〜23によるβ−サイアロン蛍光体の強度の積分値及びピーク強度を示すグラフである。
図16】実施例14〜23によるβ−サイアロン蛍光体の励起スペクトルを示すグラフである。
図17】実施例14〜23によるβ−サイアロン蛍光体のピーク強度及び半値幅を示すグラフである。
図18】本発明によるβ−サイアロン蛍光体の好ましい粒度条件を示すグラフである。
図19】本発明の一実施形態による白色発光装置を示す概略図である。
図20】本発明の他の実施形態による白色発光装置を示す概略図である。
図21】本発明の更に他の実施形態による白色発光装置を示す概略図である。
図22】本発明に用いられる緑色蛍光体に対するスペクトルである。
図23】(a)及び(b)は本発明に用いられる赤色蛍光体に対するスペクトルである。
図24】(a)及び(b)は本発明に用いられる黄色又は黄橙色蛍光体に対するスペクトルである。
図25】本発明の一実施形態によるLED光源モジュールを概略的に示す側断面図である。
図26】本発明の他の実施形態によるLED光源モジュールを概略的に示す側断面図である。
図27】本発明による白色発光装置に用いられる発光素子の一例を示した側断面図である。
図28】本発明による白色発光装置に用いられる発光素子の他の例を示した側断面図である。
図29】本発明による白色発光装置に用いられる発光素子の一例を示した平面図である。
図30】本発明による白色発光装置に用いられる発光素子の一例を示した側断面図である。
図31】本発明による白色発光装置に用いられる発光素子の他の例を示す側断面図である。
図32】(a)及び(b)は本発明の多様な実施形態によるバックライトユニットを示す断面図である。
図33】本発明の一実施形態による直下型のバックライトユニットを示す断面図である。
図34】本発明の他の実施形態によるエッジ型のバックライトユニットを示す断面図である。
図35】本発明の他の実施形態によるエッジ型のバックライトユニットを示す断面図である。
図36】本発明の一実施形態によるディスプレー装置を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0051】
本発明の一観点による蛍光体は、β型Siの結晶構造を有し、組成式Si6−zAl8−z:Eu、Mで表される酸窒化物を含み、組成式は下記の条件を満足する。
1)MはSrとBaのうちから選択される少なくとも1種である。
2)Eu添加量(a)は0.1〜5mol%の範囲である。
3)M添加量(b)は0.1〜5mol%の範囲である。
4)Al組成比(z)は0.1<z<1である。
【0052】
本発明による蛍光体は、紫外線領域に亘って青色領域までの波長によって励起されて緑色発光を提供する。即ち、300nm〜480nmの範囲にピーク波長を有する励起源を照射して500〜550nmの範囲にピーク波長を有する光を放出する蛍光体を緑色蛍光体として提供する。特に、紫外線帯域の励起光の場合、より高い変換効率を期待することができる。
【0053】
このように、本発明による蛍光体は、β型Siの結晶構造を有するSi6−zAl8−zのホストマトリックスに、Euと共に、Sr及びBaのいずれか一つ又はSrとBaの両方を添加したβ−サイアロン系蛍光体である。
【0054】
図1に示すように、Euと共に添加されるSr(又はBa)は、ホストマトリックスを構成する元素(例えば、Si又はAl)を置換せず、空隙(empty sphere)にドーパントとして添加される形態である。即ち、本発明において、Sr又はBaの添加は、ホストマトリックスを変形させない(図2参照)。
【0055】
SrとBaのうちから選択される少なくとも1種であるMは、添加されることにより、β−サイアロン蛍光体の相安定化に寄与して信頼性を向上させ、発光効率を改善する上、短波長化する役割をする。
【0056】
このようなMの添加量(b)は0.1〜5mol%の範囲である。Srが0.1mol%未満の場合は効率改善効果及び短波長化効果が十分でなく、5mol%を超える場合はSrを添加しない蛍光体よりも却って効率が低下するという問題がある。好ましくは、Sr添加量(a)は0.5〜3mol%の範囲である。より好ましくは、Sr添加量(a)は1〜1.5mol%の範囲である。特に、Mを添加しない場合より輝度が20%以上の水準に改善されるため、高い変換効率を改善することができる。
【0057】
上記の組成式による蛍光体は、励起源の照射によって蛍光体から放出される光のピーク波長が540nm以下と相対的に短波長化する傾向を示す。従って、標準RGBで要求される緑色の波長特性を比較的高い水準で満足させることができる。即ち、励起源の照射によって蛍光体から放出する光をCIE1931色度座標における(x,y)値で表す場合、xとyはそれぞれx≦0.336及びy≧0.637を満足するため、鮮明な白色光を提供することができる緑色蛍光体を有益に用いることができる。
【0058】
上述したように、本発明に採択されたMドーパントは空隙に添加されるため、β−サイアロン蛍光体をより相安定化させることにより経時による効率の変化を減少させることができる。一般的に、経時による効率の変化は、y色座標による。
【0059】
このようなyの変化量を、一測定方法により蛍光体を青色発光ダイオードに適用して3.3V、120mAで駆動を始めるときに放出される光で測定されたCIE1931色度座標におけるy値をy1とし、駆動条件を85℃で24時間持続して行った後に放出される光で測定されたCIE1931色度座標におけるy値をy2として、y2−y1と定義する。この場合、蛍光体から放出される光のCIE1931色度座標におけるyの変化量が−0.0065以下である。
【0060】
本発明の他の態様は、上述した蛍光体の製造方法を提供する。
【0061】
先ず、上記の組成式で要求される所望の化学量論を満足するように、Si含有酸化物又は窒化物、Al含有酸化物又は窒化物、Eu含有化合物、及びM含有化合物を含む原料物質を測量する。
【0062】
次いで、M含有化合物を除いた原料物質を混合して1次混合物を製造する。次に、1次混合物を1次焼成し、1次焼成の結果物を粉砕/ミリングし、粉砕された1次焼成の結果物にM含有化合物を混合して2次混合物を製造する。次いで、2次混合物を2次焼成し、2次焼成の結果物を粉砕することにより、上述したβ−サイアロン蛍光体が得られる。更に、得られた蛍光体を酸洗処理して結晶化を高めることができる。
【0063】
本発明において、2次に亘った焼成処理を用いてβ−サイアロンのホストマトリックスにSrを添加する。また、1次焼成より低い温度で2次焼成を行うことにより、このような工程を円滑に行うことができる。
【0064】
特に、2次焼成温度を1次焼成温度(1850〜2300℃)より低い温度で行うため、所望の1族及び2族元素を含有した化合物を1次焼成の結果物と混合して2次焼成を行うことにより、追加の活性剤として1族及び2族元素を更に添加する。追加の活性剤の添加は、短波長化に大きく寄与する。このような1族及び2族元素は、Li、Na、K、Mg、及びCaからなる群から選択される少なくとも一つの元素である。
【0065】
以下、蛍光体の製造方法の各工程例をより具体的に説明する。
【0066】
原料物質の混合方法としては、乾式と湿式の二つの方法のうちの一つを用いることができる。
【0067】
先ず、湿式混合方法によると、秤量された混合物と、原料物質の混合工程及び粉砕を助けるボール(ball)と溶媒を挿入して混合する。この際、ボールとしては、酸化珪素(Si)又はジルコニア(ZrO)材質又は一般的に原料混合時に用いられるボールを用いることができる。溶媒としては、D.I.ウォーター(Water)、エタノールなどのアルコール類又はn−ヘキサン(Hexane)などの有機溶媒のどちらも用いることができる。即ち、原料物質と溶媒及びボールを挿入した後、容器を密閉し、ミラー(miller)などの装置を用いて1〜24時間程度原料物質を均質に混合する。混合工程が完了した後、混合された原料物質とボールを分離し、乾燥炉(oven)で1〜48時間程度の乾燥工程を経て溶媒をほぼ乾燥させる。乾燥が完了した粉末を金属又はポリマー材質の篩(Sieve)を用いて所望のマイクロメートルのサイズ条件で均一に分給する。
【0068】
一方、乾式混合方法によると、溶媒を用いることなく容器に原料物質を挿入し、ミリングマシン(milling machine)を用いて原料物質を均質に混合する。混合時間は1〜24時間程度であり、この際、ボールを原料物質と共に挿入して混合をより容易にすることにより混合時間を短縮させることができる。このような乾式混合方法は、湿式と比べて溶媒の乾燥工程が不要であるため、全工程時間を短縮することができるという長所がある。原料物質の混合が完了すると、湿式混合と同様に混合工程が完了した粉末を金属又はポリマー材質の篩(Sieve)を用いて所望のマイクロメートルのサイズ条件で均一に分給する。このような蛍光体の粒度条件については図19を参照して後述する。
【0069】
焼成工程は、分給された混合粉末を窒化ホウ素(BN)ルツボに充填して行われる。この際、焼成工程は、加熱炉を用いて所望の焼成温度(例えば、1850〜2300℃、1000〜1800℃)で1〜24時間程度行われる。焼成工程中の雰囲気では、窒素(N)100%又は水素が1〜10%含まれた混合窒素ガスを用いる。合成された蛍光体粉末を乳鉢又は粉砕機を用いて均質に粉砕した後、後熱処理工程を1回〜3回繰り返し行うことにより蛍光体の輝度を向上させる。
【0070】
ここで、Eu3+からEu2+に変更するための熱処理工程を含むことができる。このような熱処理工程は、蛍光特性に関与しない一部のSiAlON内部のEu3+をEu2+に変更して蛍光体の効率を向上させる。このような熱処理工程は、高温のH含有雰囲気で約5時間以上行われる。高温条件は、例えば1300℃以上、好ましくは1500℃以上である。本熱処理工程で用いられるH含有雰囲気は3〜10%の水素を含む。この場合、残りはNガスである。
【0071】
以下、多様な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。
【実施例】
【0072】
(実施例1)
原料物質Si、AlN、Al、Eu、SrCOを下記の表1の組成比を満足する化学量論比で秤量して、実施例1による原料物質群を用意する。原料物質群のうちのSrCOを除いて残りの原料物質を、ボールミルを用いてエタノール溶媒と混合する。
【0073】
乾燥器を用いて原料混合物からエタノール溶媒を揮発させ、窒化ホウ素(BN)ルツボに乾燥した1次原料混合物を充填する。1次原料混合物が充填された窒化ホウ素ルツボを加熱炉に挿入し、N雰囲気のガス状態で、2050℃で10時間1次焼成する。
【0074】
1次焼成の結果物を粉砕した後に秤量されたSrCOを入れてミラーを用いて一緒に2次混合する。次いで、2次混合物を再度1750℃で焼成して、実施例1の組成比による蛍光体を製造した。製造された蛍光体を粉砕し、所定の後熱処理及び酸洗工程を経て最終Si5.8Al0.20.27.8:Eu0.0152、Sr0.01であるβ−サイアロン蛍光体を製造した。
【0075】
(比較例1)
Sr原料物質に関連する事項のみを除き実施例1の条件のうちの1次焼成条件まで工程を同一に行った後、得られた蛍光体を実施例1の条件と同一に粉砕し、後熱処理及び酸洗工程によりSi5.8Al0.20.27.8:Eu0.0152であるβ−サイアロン蛍光体を製造した。
【0076】
先ず、実施例1及び比較例1によるβ−サイアロン蛍光体に対してXRD分析を行った。その結果を図2のXRDグラフで示した。
【0077】
図2に示すように、Srを含むβ−サイアロン蛍光体(実施例1)とSrを含まないβ−サイアロン蛍光体(比較例1)は同一の結晶ピークを有することを確認することができる。即ち、実施例1及び比較例1によるβ−サイアロン蛍光体はいずれも同一のβ型Siの結晶構造を有する。
【0078】
このように、実施例1で添加されたSrは結晶構造に影響を与えないものであることを確認することができる。
【0079】
更に、実施例1にSrが添加されたことを確認すべくSr濃度を検出するためのTOF−SIMS測定を行った。
【0080】
図4(比較例1)のグラフからは、Srの検出を確認することができなかったが、図3(実施例1)からは、Srがドープされたことを確認することができた(4番目のチャート参照)。これは、定性的に評価した結果から同様に確認することができる。即ち、比較例1ではSrが存在しないのに対し、図3(実施例1)ではSrが存在することが示された。
【0081】
本測定及び検出結果によると、実施例1においてSrは構成元素と置換されず、結晶構造を維持しながら空隙にドープされたものであることを確認することができる。
【0082】
【表1】
【0083】
(実施例2〜5)
実施例2〜5では、実施例1の条件と同一に行い、且つ表1の組成比を満足するようにそれぞれSrを1.5mol%、2mol%、3mol%、及び4mol%添加したβ−サイアロン蛍光体を製造した。
【0084】
実施例1〜5によるβ−サイアロン蛍光体と比較例1によるβ−サイアロン蛍光体に対し、色座標と、460nmの励起光源における発光スペクトル(ピーク波長及び半値幅)と共に輝度を測定した。
【0085】
【表2】
【0086】
輝度測定結果は、Srが添加されない比較例1を基準(100)として実施例1〜3の輝度を表示して表2と共に図5のグラフで示した。図5に示しているように、実施例1〜3によるβ−サイアロン蛍光体は、Srが添加されない比較例1のβ−サイアロン蛍光体よりも相対輝度が20%以上改善されることを確認することができる。これに対し、Sr添加量が3mol%、4mol%の場合(実施例4及び5)、それぞれ111.2%、105%と輝度の増加幅が多少小さくなることが確認された。
【0087】
従って、輝度改善、即ち効率改善の面で、Srの添加量を0.1〜5mol%と定めることができる。好ましくは、0.5〜3mol%であり、より好ましくは、実施例1〜3で提示したように1〜1.5mol%である。
【0088】
一方、実施例1〜3によるβ−サイアロン蛍光体の色座標は、比較例1と対比して明らかな特徴を示す。即ち、表2に示しているように、実施例1〜3の色座標におけるx値は比較例1のβ−サイアロン蛍光体のx値より低くなり(短波長化)y値は高くなる傾向を示す。これと関連し、ピーク波長の場合、実施例1〜3のいずれも540nm以下に短波長化したことを確認した。特に、このような傾向は、図7に示しているようにSr添加量の増加に応じて大きくなる。
【0089】
実施例1〜3により提示された色座標は、sRGBの緑色発光条件を高水準で満足させることができるという長所を提供する。即ち、図6のCIE1931色座標系における緑色発光座標は概ねxが低くてyが高いほど有利であるといえる。実施例1〜3によるβ−サイアロン蛍光体の発光色座標は、xが0.336以下、yが0.637以上と示されたことから、比較例1に比べて有益であることを確認することができた。
【0090】
また、実施例1〜3によるβ−サイアロン蛍光体は、Srの添加によって相安定化を高めることができるため、経時による変換効率の変化を大きく減少させることができる。特に、このような効率の変化は、y色座標の変化により比較判断することができる。図8は、経時特性改善効果として比較例1と共に実施例1〜3のyの変化量を示すグラフである。
【0091】
このようなyの変化量を測定する方法には多様な方法があるが、本実験では、蛍光体を460nmの青色発光ダイオードに適用して3.3V、120mAで駆動を始める際に放出される光で測定されたCIE1931色度座標におけるy値をy1とし、駆動条件を85℃で24時間持続して行った後に放出される光で測定されたCIE1931色度座標におけるy値をy2として、y2−y1と定義した。
【0092】
その結果、比較例1の場合は−0.0071と高く示されたが、本発明に該当する実施例1〜3の場合は蛍光体から放出される光のCIE1931色度座標におけるyの変化量が−0.0065以下である。経時特性もSr添加量が高いほど安定化することを確認した。
【0093】
以下、Sr以外の他の組成を添加したときの効果の有無を確認するために、下記の比較例2〜5及び実施例6及び7を行った。
【0094】
(比較例2〜4)
比較例2〜4では、SrCOの代わりにCa含有化合物としてCaCOを用いることを除いては実施例1と同一の条件と工程により表3の比較例2〜4の組成比を満足するようにそれぞれCaを0.5mol%、1.0mol%、及び1.5mol%添加したβ−サイアロン蛍光体を製造した。
【0095】
(比較例5)
比較例5では、SrCOの代わりにMg含有化合物としてMgCOを用いることを除いては実施例1と同一の条件と工程により表3の比較例5の組成比を満足するようにMgを1.0mol%添加したβ−サイアロン蛍光体を製造した。
【0096】
(実施例6)
本実施例では、SrCOと共にBa含有化合物であるBaCOを更に用いることを除いては実施例1と同一の条件と工程により表3の実施例6の組成比を満足するようにSr、Baをそれぞれ0.5mol%ずつ添加したβ−サイアロン蛍光体を製造した。
【0097】
(実施例7)
本実施例では、SrCOの代わりにBa含有化合物であるBaCOを用いることを除いては実施例1と同一の条件と工程により表3の実施例7の組成比を満足するようにBaを1.0mol%添加したβ−サイアロン蛍光体を製造した。
【0098】
【表3】
【0099】
実施例6及び7によるβ−サイアロン蛍光体と比較例2〜5によるβ−サイアロン蛍光体に対し、色座標と、460nmの励起光源における発光スペクトル(ピーク波長及び半値幅)と共に輝度を測定して、その結果を表4に示した。
【0100】
【表4】
【0101】
先ず、輝度測定結果を見ると、SrではなくCa、Mgを添加した比較例2〜5の場合、比較例1を基準(100)とした場合にいずれも低くなると示された(図9参照)。また、CIE1931色座標では、x値は却って大きくなり(長波長化)、y値は低くなるという不利な傾向を示した。
【0102】
しかし、実施例6及び7によるβ−サイアロン蛍光体は、Srのみを添加した場合と同様に、113.4%、116.3%と輝度が改善した(図10参照)。また、CIE1931色座標では、上述した実施例と同様に、x値は低くなり(短波長化)、y値は高くなる傾向を示した。
【0103】
このように、輝度のみならず色座標の面で、Ca、Mgの場合は、Srを代替する活性剤として用いるのに適していないのに対し、実施例6及び7のSrと共にBaを用いるか又はSrの代わりにBaのみを添加する場合は、実施例1〜5と同様に従来よりも改善した効果を期待することができることが確認された。
【0104】
以下、Al組成比(z)の条件を確認するために下記の実施例8〜13及び比較例5及び6を行った。
【0105】
(実施例8〜13)
本実施例では、AlN及びAlを最終蛍光体におけるAl組成比(z)が0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1.0(それぞれ実施例8〜13)となるように秤量し、1次原料混合物に一緒に混合することを除いては実施例1と同一の条件と工程によりβ−サイアロン蛍光体を製造した。
【0106】
(比較例5及び6)
本比較例では、AlN及びAlを最終蛍光体におけるAl組成比(z)が1.5、2.0(それぞれ実施例5及び6)となるように秤量し、1次原料混合物に一緒に混合することを除いては実施例1と同一の条件と工程によりβ−サイアロン蛍光体を製造した。
【0107】
実施例8〜13によるβ−サイアロン蛍光体と比較例5及び6によるβ−サイアロン蛍光体を460nmの光源で励起させた場合の発光スペクトルを測定して図11に示した。図12は、それぞれの実施例と比較例の強度の積分値とピーク強度を示す。
【0108】
図11及び図12を参照すると、Al組成比(z)が1以下である実施例8〜13の場合は正規化強度が約0.8以上と高く示されたのに対し、Al組成比(z)がそれぞれ1.5と2.0である比較例5及び6の場合は輝度が多少低下した。
【0109】
その結果、Al組成比(z)は0.01から1.0に設定される。Al組成比(z)は0.1から0.3であることが好ましく、0.23のときに最も高いピークを示した。
【0110】
図13は、上述した実施例8〜13と比較例5及び6によるβ−サイアロン蛍光体の励起スペクトルを示す。図13に示しているように、青色帯域(430〜470nm)よりも却って紫外線帯域で高い変換効率を期待することができる。従って、本蛍光体は、紫外線を励起光源とする装置でも有用に用いることができる。
【0111】
以下、Eu添加量(mol%)の条件を確認するために下記の実施例14〜23を行った。
【0112】
(実施例14〜23)
本実施例では、Euを最終蛍光体におけるEuモル比(a)が0.65、0.98、1.30、1.52、1.73、1.95、2.17、2.38、2.60、3.90mol%(それぞれ実施例14〜23)となるように秤量し、1次原料混合物に一緒に混合することを除いては実施例1と同一の条件と工程によりβ−サイアロン蛍光体を製造した。
【0113】
実施例14〜23によるβ−サイアロン蛍光体を460nmの光源で励起させたときの発光スペクトルを測定して図14に示した。図15は、それぞれの実施例と比較例の強度の積分値とピーク強度を示す。Eu添加量(a)は0.1〜5mol%に設定される。輝度と共に半値幅(図17参照)を考慮すると、Eu添加量(a)は0.9〜3mol%の範囲であることが好ましい。
【0114】
図16は、上述した実施例8〜13と比較例5及び6によるβ−サイアロン蛍光体の励起スペクトルを示す。図16に示しているように、青色帯域及び近紫外線(特に、406nm)よりも却って紫外線帯域(特に、355nm)で高い変換効率を期待することができる。従って、本蛍光体は、紫外線を励起光源として用いた照明又はディスプレー装置でも有用に用いることができる。
【0115】
このように、本発明で提案したβ−サイアロン蛍光体は、発光装置及び多様な照明及びディスプレー装置に有益に応用することができる。このような応用形態において、蛍光体は、シリコン樹脂などの透明樹脂に混合されて用いることができる。透明樹脂に混合される場合、蛍光体粉末は沈殿を引き起こす。例えば、パッケージに適用される前にシリンジに収容された状態で又はパッケージに適用された後硬化する前に沈殿によって蛍光体の不均一な分布が生じ、パッケージによって色座標散布が大きくなるという問題がある。
【0116】
このような色散布を減らすために、沈殿程度は一定に維持されなければならず、蛍光体粉末は均一なことが好ましい。これは、多様な因子のうちの粒度によって適宜調節される。
【0117】
本発明の多様な実施例によるβ−サイアロン蛍光体も、粒度分布を粉砕及び分給工程により適宜制御することができる。図18は、好ましいβ−サイアロン蛍光体の粒度分布をグラフで示している。粒度条件は、D50値が14.5〜18.5μmの範囲であることが好ましく、14〜18μmの範囲であることがより好ましい。更に、D10は8〜11μmの範囲、D90は23〜25μmの範囲である。
【0118】
以下、図面を参照しながら本発明による蛍光体を含む多様な応用形態について説明する。
【0119】
図19は、本発明の一実施形態による白色発光装置を示す概略図である。
【0120】
図19に示すように、本実施形態による白色発光装置10は、青色LEDチップ15と、これを包装し上部に凸のレンズ形状を有する樹脂包装部19と、を含む。
【0121】
本実施形態に用いられる樹脂包装部19は、広い指向角を確保できるように半球のレンズ形状を有する形で例示している。青色LEDチップ15は、別途の回路基板に直接実装される。樹脂包装部19は、シリコン樹脂やエポキシ樹脂又はその組み合わせからなる。樹脂包装部19の内部には、緑色蛍光体12と赤色蛍光体14が分散される。
【0122】
本実施形態に用いられる緑色蛍光体12は、上述したβ−サイアロン蛍光体の他にも、更にM(4/3)yの組成式で表される酸窒化物蛍光体又はM((2/3)a+(4/3)b−(2/3)c)で表される酸窒化物を蛍光体として用いることができる。ここで、MはBe、Mg、Ca、Sr、Znからなる群から選択される少なくとも1種のII族元素であり、AはC、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Hfからなる群から選択される少なくとも1種のIV族元素である。
【0123】
一方、本実施形態に用いられる赤色蛍光体14は、M1AlSiN:Re(1≦x≦5)である窒化物系蛍光体、M1D:Reである硫化物系蛍光体、及び(Sr,L)SiO4−x:Euであるシリケート系蛍光体(ここで、0<x<4、y=2x/3)のうちから選択される少なくとも一つであり、ここで、M1はBa、Sr、Ca、Mgのうちから選択される少なくとも1種の元素であり、DはS、Se及びTeのうちから選択される少なくとも1種の元素であり、LはBa、Ca及びMgからなる群から選択される少なくとも一つの第2族元素又はLi、Na、K、Rb及びCsからなる群から選択される少なくとも一つの第1族元素であり、DはS、Se及びTeのうちから選択される少なくとも1種であり、ReはY、La、Ce、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、F、Cl、Br及びIのうちから選択される少なくとも一つである。
【0124】
このように、本発明では、半値幅、ピーク波長、及び/又は変換効率等を考慮して特定の緑色蛍光体と特定の赤色蛍光体を組み合わせた形で提供することにより、70以上の高い演色指数を有する白色光を提供することができる。また、複数の蛍光体から多数の波長帯域の光が得られるため、色再現性を向上させることができる。
【0125】
赤色蛍光体のうち(Sr,L)SiO4−x:Euであるシリケート系蛍光体の場合、好ましくはxの範囲が0.15≦x≦3の条件である。組成式中、Siの一部は他の元素に置換される。例えば、B、Al、Ga、及びInからなる群から選択される少なくとも1種の元素に置換されるが、これとは異なりTi、Zr、Gf、Sn、及びPbからなる群から選択される少なくとも1種の元素に置換することができる。
【0126】
青色LEDチップの主波長は430〜470nmの範囲である。この場合、可視光線帯域で広いスペクトルを確保してより大きい演色指数の向上のために、緑色蛍光体12の発光波長ピークは500〜550nmの範囲であり、赤色蛍光体14の発光波長ピークは600〜660nmの範囲である。
【0127】
好ましくは、青色LEDチップは10〜50nmの半値幅を有し、緑色蛍光体は30〜200nmの半値幅を有し、赤色蛍光体は50〜250nmの半値幅を有する。
【0128】
本発明の他の実施形態では、上述した赤色蛍光体12と緑色蛍光体14の他に、更に黄色又は黄橙色蛍光体を含むことができる。この場合、より向上した演色指数を確保することができる。このような実施形態を図20に示す。
【0129】
図20を参照すると、本実施形態による白色発光装置20は、中央に反射カップが形成されたパッケージ本体21と、反射カップの底部に実装された青色LEDチップ25と、反射カップ内に青色LEDチップ25を封止する透明な樹脂包装部29と、を含む。
【0130】
樹脂包装部29は、例えば、シリコン樹脂やエポキシ樹脂又はその組み合わせを用いて形成される。本実施形態では、樹脂包装部29に、図19で説明したものと同様の緑色蛍光体22及び赤色蛍光体24と共に更に黄色又は黄橙色蛍光体26を含む。
【0131】
即ち、緑色蛍光体22は、上述したβ−サイアロン蛍光体の他にも、更にM(4/3)y酸窒化物蛍光体又はM((2/3)a+(4/3)b−(2/3)c)酸窒化物蛍光体を含むことができる。赤色蛍光体24は、M1AlSiN:Re(1≦x≦5)である窒化物系蛍光体及びM1D:Reである硫化物系蛍光体のうちから選択される少なくとも一つである。
【0132】
本実施形態では、第3の蛍光体である黄色又は黄橙色蛍光体26を更に含む。第3の蛍光体は、緑色と赤色波長帯域の中間に位置する波長帯域の光を放出できる黄色又は黄橙色蛍光体である。黄色又は黄橙色蛍光体はシリケート系蛍光体であり、黄橙色蛍光体はα−SiAlON:Re系又はYAG、TAGのガーネット系である蛍光体である。
【0133】
上述した実施形態では、2種以上の蛍光体粉末を単一の樹脂包装部領域に混合分散させた形態を例示したが、他の構造を多様に変更して行うことができる。より具体的には、上述した2種又は3種の蛍光体は、互いに異なる層構造として提供することができる。一例として、緑色蛍光体、赤色蛍光体、及び黄色又は黄橙色蛍光体は、その蛍光体粉末を高圧で分散させて複層構造の蛍光体膜として提供される。
【0134】
図21に示すように、複数の蛍光体含有樹脂層構造に具現することができる。
【0135】
図21を参照すると、本実施形態による白色発光装置30は、上述した実施形態と同様に、中央に反射カップが形成されたパッケージ本体31と、反射カップの底部に実装された青色LEDチップ35と、反射カップ内に青色LEDチップ35を封止する透明な樹脂包装部39と、を含む。
【0136】
樹脂包装部39上には、それぞれ異なる蛍光体が含有された樹脂層が提供される。即ち、緑色蛍光体が含有された第1の樹脂層32、赤色蛍光体が含有された第2の樹脂層34、及び黄色又は黄橙色蛍光体が含有された第3の樹脂層36で波長変換部が構成される。
【0137】
本実施形態で用いられる蛍光体としては、図19で説明した蛍光体と同一であるか類似する蛍光体を用いることができる。
【0138】
本発明で提案した蛍光体の組み合わせから得られる白色光は、高い演色指数が得られる。即ち、一般的に青色LEDチップに黄色蛍光体を結合する場合、青色波長光と共に変換された黄色光が得られる。この場合、可視光線スペクトル全体から見ると、緑色及び赤色帯域の波長光が殆どないため、自然光に近い演色指数を確保することが困難である。特に、変換された黄色光は高い変換効率を得るために狭い半値幅を有するようになるため、この場合には演色指数がより低くなる。また、単一の黄色変換程度によって発現される白色光の特性が容易に変更されるため、優れた色再現性を保障することが困難である。
【0139】
これに対し、青色LEDチップと緑色蛍光体(G)と赤色蛍光体(R)を組み合わせた本発明例は、既存例と比べて緑色及び赤色帯域で発光されるため、可視光線帯域でより広いスペクトルが得られ、結果的には、演色指数を大きく向上させることができる。更に、緑色及び赤色帯域の間に中間波長帯域を提供できる黄色又は黄橙色蛍光体を更に含むことにより、演色指数をより大きく向上させることができる。
【0140】
図22は、本発明に用いられる緑色蛍光体に対する発光スペクトルの一例を示している。図22に示すように、本発明による酸窒化物蛍光体から得られた緑色蛍光体のピーク波長が約540nmであり半値幅が76.7nmである放出スペクトルを有することを確認することができる。
【0141】
図23(a)及び図23(b)は、本発明に用いられる赤色蛍光体に対する発光スペクトルを示している。
【0142】
図23(a)を参照すると、MAlSiN:Re(1≦x≦5)である窒化物系蛍光体(ここで、MはBe、Ba、Sr、Ca、Mgのうちから選択される少なくとも1種の元素であり、ReはY、La、Ce、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、F、Cl、Br及びIのうちから選択される少なくとも1種の元素である)のスペクトルを示している。変換された赤色光は、約640nmのピーク波長と約85nmの半値幅を示す。
【0143】
図23(b)を参照すると、MD:Eu、Reである硫化物系蛍光体(ここで、MはBe、Ba、Sr、Ca、Mgのうちから選択される少なくとも1種の元素であり、DはS、Se及びTeのうちから選択される少なくとも1種の元素であり、ReはY、La、Ce、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、F、Cl、Br及びIのうちから選択される少なくとも1種の元素である)のスペクトルを示している。変換された赤色光は、約655nmのピーク波長と約55nmの半値幅を示す。
【0144】
図24(a)及び図24(b)は、本発明に選択的に用いられる黄色又は黄橙色蛍光体に対するスペクトルを示している。
【0145】
図24(a)を参照すると、シリケート系蛍光体のスペクトルを示している。変換された黄色光は、約555nmのピーク波長と約90nmの半値幅を示す。
【0146】
図24(b)を参照すると、α−SiAlON:Reである蛍光体のスペクトル(ここで、ReはY、La、Ce、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、F、Cl、Br及びIのうちから選択される少なくとも一つであり、Reは1ppmから50000ppmの範囲である)を示している。変換された黄色光は、約580nmのピーク波長と約88nmの半値幅を示す。
【0147】
このように、本発明では、半値幅、ピーク波長及び/又は変換効率等を考慮して特定の緑色蛍光体と特定の赤色蛍光体を組み合わせた形態又はこの組み合わせ形態に黄色又は黄橙色蛍光体を追加することにより、70以上の高い演色指数を有する白色光を提供することができる。上記光において、赤色光の色座標は、CIE1931色座標系を基準として、x,y座標が0.55≦x≦0.65、0.25≦y≦0.35の範囲である領域内にあり、緑色光の色座標は、x,y座標が0.2≦x≦0.4、0.5≦y≦0.7の範囲である領域内にあり、青色光の色座標は、x,y座標が0.1≦x≦0.2、0.02≦y≦0.15の範囲である領域内にある。
【0148】
青色LEDチップの主波長が430〜470nmの範囲の場合、緑色蛍光体の発光波長ピークは500〜550nmの範囲であり、赤色蛍光体の発光波長ピークは600〜660nmの範囲である。黄色又は黄橙色蛍光体の発光波長ピークは550〜600nmの範囲である。
【0149】
また、青色LEDチップが10〜50nmの半値幅を有する場合、緑色蛍光体は30〜200nmの半値幅、好ましくは60〜80nmの半値幅を有し、赤色蛍光体は50〜250nmの半値幅を有する。黄色又は黄橙色蛍光体は20〜100nmの半値幅を有する。
【0150】
このような条件を有する各蛍光体の選択と組み合わせによって、本発明は、可視光線帯域で広いスペクトルを確保することができ、より大きい演色指数を有する優れた白色光を提供することができる。
【0151】
本発明は、LCDバックライトユニットの光源として有益に用いられる白色光源モジュールを提供することができる。即ち、本発明による白色光源モジュールは、LCDバックライトユニットの光源として多様な光学部材(拡散板、導光板、反射板、プリズムシートなど)と結合してバックライトアセンブリーを構成することができる。図25及び図26は、このような白色光源モジュールを例示している。
【0152】
先ず、図25を参照すると、LCDバックライト用光源モジュール50は、回路基板51とその上に実装された複数の白色発光装置10の配列を含む。回路基板51の上面には白色発光装置10と接続される導電パターン(図示せず)が形成される。
【0153】
それぞれの白色発光装置10は、図19で説明した白色発光装置である。即ち、青色LED15が回路基板51にCOB(Chip On Board)方式で直接実装される。それぞれの白色発光装置10が別途の反射壁を有せずにレンズ機能を有する半球状の樹脂包装部19を備えることにより、それぞれの白色発光装置10は広い指向角を示すことができる。それぞれの白色光源の広い指向角は、LCDディスプレーのサイズ(厚さ又は幅)を減少させるのに寄与する。
【0154】
図26を参照すると、LCDバックライト用光源モジュール60は、回路基板61とその上に実装された複数の白色発光装置20の配列を含む。白色発光装置20は、図20で説明したようにパッケージ本体21の反射カップ内に実装された青色LEDチップ25とこれを封止する樹脂包装部29を備え、樹脂包装部29内には、緑色及び赤色蛍光体22、24と共に黄色又は黄橙色蛍光体26が分散されて含まれる。
【0155】
本発明は、上述した蛍光体を波長変化物質として用いる多様な形態の白色発光装置に具現することができる。以下、本発明による白色発光装置に用いられる発光素子について図面を参照しながら説明する。
【0156】
先ず、図27に示した発光素子100の半導体積層構造は、下記のような構造を有する。Si−Al合金からなる基板(以下、「Si−Al合金基板」という)101、Si−Al合金基板101の上面及び下面に形成された保護層120、保護層120上に接合金属層102、反射金属層103、p型半導体層104、活性層105、及びn型半導体層106が順次積層されている。p型及びn型半導体層104、106と活性層105は、GaN系半導体、即ちAlGaIn(1−x−y)N(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)半導体材料などからなり、発光構造物を形成する。
【0157】
n型半導体層106上には、n側電極107が形成されている。接合金属層102とp型半導体層104の間に介在する反射金属層103は、半導体層から入射した光を上方に反射させることにより、発光素子の輝度を更に増加させる。反射金属層103は、高反射率の金属、例えば、Au、Ag、Al、Rh、及びこれらのうちの二つ以上の合金からなる群から選択される金属などからなる。しかし、このような反射金属層103は必要に応じて形成されなくても良い。
【0158】
接合金属層102は、Si−Al合金基板101を発光構造物に接合させる役割をし、接合金属層102としてはAuなどを用いることができる。ここで、本実施形態の発光素子100は接合金属層102を含んでいるが、このような接合金属層102なしにSi−Al合金基板101をp型半導体層104上に直接接合することもできる。従って、本実施形態の発光素子100は、Si−Al合金基板101を導電性基板として用いる。
【0159】
このようなSi−Al合金は、熱膨張係数、熱伝導度、機械的加工性、及び価格の面で有利であるという長所がある。即ち、Si−Al合金基板101の熱膨張係数は、サファイア基板の熱膨張係数と類似する。従って、Si−Al合金基板101を用いて発光素子100を製造する場合、既存のSiからなる導電性基板の接合工程とレーザー照射によるサファイア基板の分離工程時に発生していた基板の反り現象と発光構造物におけるクラック発生現象を大きく減少させることにより欠陥が少ない高品質の発光素子100が得られる。
【0160】
また、Si−Al合金基板101の熱伝導度は約120〜180W/m・Kと熱放出特性に優れる。更に、高圧でSiとAlを溶融させることによりSi−Al合金基板101を容易に製造することができるため、Si−Al合金基板を低コストで容易に得ることができる。
【0161】
特に、本実施形態の発光素子100は、Si−Al合金基板101の上下面に、Si−Al合金基板101へのクリーニング(cleaning)工程時にケミカル浸透を防ぐ保護層120が更に形成されている。ここで、保護層120は、金属又は伝導性誘電体などからなる。この際、保護層120が金属からなる場合、Ni、Au、Cu、W、Cr、Mo、Pt、Ru、Rh、Ti、及びTaのいずれか一つ、又は金属群のうちの少なくとも二つ以上の合金からなる。
【0162】
この場合、保護層120は、無電解メッキ方式、金属蒸着、スパッタ(sputter)又はCVDなどにより形成されたものであり、この際、Si−Al合金基板101と金属材質の保護層120の間には、保護層120のメッキ工程でシード(seed)の役割をするシード金属層110を更に形成することができる。シード金属層110は、Ti/Auなどからなる。また、保護層120が伝導性誘電体からなる場合、伝導性誘電体は、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、又はCIO(Copper Indium Oxide)などからなる。この場合、保護層120は、蒸着又はスパッタ方式などにより形成される。このような保護層120は、0.01μm以上20μm以下の厚さで形成されることが好ましく、1μm以上10μm以下の厚さで形成されることがより好ましい。
【0163】
このように、本実施形態の白色発光装置に用いられる発光素子は、Si−Al合金基板101の表面にNiなどの保護層120を更に形成することにより、サファイア基板の分離後に進行されるクリーニング工程で用いられるHCl、HF、KOHなどのケミカルや、n型半導体層106の表面テクスチャリング(texturing)工程で用いられるKOHなどによって、Si−Al合金基板101のAl金属がエッチングされることを防止することができる効果がある。
【0164】
従って、本実施形態に用いられる発光素子は、Si−Al合金基板101の表面に凹凸が形成されることを防止することによりSi−Al合金基板101上に接合される発光構造物が剥がれる不良の発生を防止できる効果がある。
【0165】
また、保護層120としてNi等のような金属を用いる場合、Si−Al合金基板101の表面粗度を改善することによりSi−Al合金基板101と発光構造物間の接合を堅固にできるという利点がある。即ち、従来では、Si−Al合金基板101が接合金属層102の形成前に自然酸化膜除去のための酸(acid)などの化学物質を用いたクリーニング工程を経ながら、Si−Al合金基板101の表面のAl金属がエッチングされて平均200〜500nmの表面凹凸が形成されたが、本実施例のようにSi−Al合金基板101の表面に保護層120としてNiなどの金属を形成した後、Ni CMP(Chemical Mechanical Polishing)処理をすることで、表面凹凸が5nm以下に減ることによりガラス面のように表面粗度が改善される。
【0166】
このように、Si−Al合金基板101の表面粗度が改善されることにより、Si−Al合金基板と発光構造物間の接合を堅固にし、接合収率を向上させることができる効果がある。
【0167】
本発明による白色発光装置に用いられる発光素子の他の例として、図25に示した発光素子を提供することができる。
【0168】
図28に示した発光素子は、図27に示した発光素子と類似しているが、保護層120がSi−Al合金基板101の上面及び下面全体に形成されておらず、Si−Al合金基板101の上面にSi−Al合金基板101の一部を露出するように形成されており、保護層120及び保護層によって露出したSi−Al合金基板101の上面に導電層122が更に形成されており、Si−Al合金基板101の下面にコンタクト金属層123が形成されている点で相違している。
【0169】
特に、保護層120は、金属や伝導性誘電体ではなく絶縁材からなる。即ち、本実施例による発光素子は、保護層120が金属や伝導性誘電体に代えて絶縁材からなり、保護層120が形成されたSi−Al合金基板101と保護層120の上部の発光構造物間の通電のために、保護層120がSi−Al合金基板101の上面の一部を露出するように形成され、保護層120を含むSi−Al合金基板101の上面に導電層122が更に形成される。ここで、導電層122は、金属などからなる。
【0170】
一方、本発明による白色発光装置は、上述した形態の発光素子とは異なり、高電流動作が可能となるように電極の配置構造が変わった発光素子を用いることができる。図29及び図30は、本発明に用いられる発光素子の他の例として発光素子を示した平面図及び断面図である。ここで、図30は、図29のI−I’線に沿う断面図である。
【0171】
図29及び図30を参照すると、半導体発光素子200は、導電性基板210、第1の電極層220、絶縁層230、第2の電極層240、第2の導電型半導体層250、活性層260、及び第1の導電型半導体層270を含み、各層は順次積層されて備えられている。
【0172】
導電性基板210は、電気が流れる物質で構成される。例えば、導電性基板210は、Au、Ni、Cu、及びWのいずれか一つの金属を含む金属性基板又はSi、Ge、及びGaAsのいずれか一つを含む半導体基板である。導電性基板210上には第1の電極層220が積層されて備えられているが、第1の電極層220は導電性基板210及び活性層260に電気的に連結されることにより導電性基板210及び活性層260との接触抵抗を最小化する物質で構成されることが好ましい。
【0173】
第1の電極層220は、導電性基板210上に積層されて備えられ、図30に示しているようにその一部の領域が絶縁層230、第2の電極層240、第2の導電型半導体層250、及び活性層260を貫通し、第1の導電型半導体層270の一定領域まで貫通したコンタクト孔280を介して伸びて第1の導電型半導体層270と接触することにより導電性基板210と第1の導電型半導体層270が電気的に連結されるように備えられている。即ち、第1の電極層220は、導電性基板210と第1の導電型半導体層270を電気的に連結し、且つコンタクト孔280を介して電気的に連結することにより、コンタクト孔280のサイズ、より具体的にはコンタクト孔280を介して第1の電極層220と第1の導電型半導体層270が接触する面積である接触領域290を介して電気的に連結される。
【0174】
一方、第1の電極層220上には、第1の電極層220が導電性基板210及び第1の導電型半導体層270を除いた他の層と電気的に絶縁させるための絶縁層220が備えられる。即ち、絶縁層220は、第1の電極層220と第2の電極層240の間のみならず、コンタクト孔280によって露出する第2の電極層240、第2の導電型半導体層250、及び活性層260の側面と第1の電極層220の間にも備えられる。また、コンタクト孔280が貫通した第1の導電型半導体層270の一定領域の側面にも絶縁層220を備えて絶縁することが好ましい。
【0175】
第2の電極層240は、絶縁層220上に備えられる。上述したように、コンタクト孔280が貫通する一定領域には第2の電極層240が存在しない。ここで、第2の電極層240は、図29に示しているように第2の導電型半導体層250と接触する界面の一部が露出した領域、即ち、露出領域である電気連結部245を少なくとも一つ以上備えている。露出領域上には、外部電源を第2の電極層240に連結するための電極パッド部247を備える。
【0176】
一方、露出領域上には、後述する第2の導電型半導体層250、活性層260、及び第1の導電型半導体層270が備えられていない。また、露出領域は、図29に示しているように半導体発光素子200のコーナーに形成することが好ましい。これは、半導体発光素子200の発光面積を最大化するためである。一方、第2の電極層240は、Ag、Al、及びPtのいずれか一つの金属を含んで成る。これは、第2の電極層240が第2の導電型半導体層250に電気的に接触することから第2の導電型半導体層250の接触抵抗を最小化する特性を有すると共に活性層260で生成された光を反射させて外部に向かうようにして発光効率を高めることができる機能を有する層として備えられることが好ましいためである。
【0177】
第2の導電型半導体層250は第2の電極層240上に備えられ、活性層260は第2の導電型半導体層250上に備えられ、第1の導電型半導体層270は活性層260上に備えられる。ここで、第1の導電型半導体層270はn型窒化物半導体であり、第2の導電型半導体層250はp型窒化物半導体であることが好ましい。一方、活性層260は、第1の導電型半導体層270及び第2の導電型半導体層250を成す物質に応じて異なる物質を選択して形成される。即ち、活性層260は、電子/正孔の再結合によるエネルギーを光に変えて放出する層であるため、第1の導電型半導体層270及び第2の導電型半導体層250のエネルギーバンドギャップより少ないエネルギーバンドギャップを有する物質で形成されることが好ましい。
【0178】
一方、本発明に用いられる他の発光素子は、図28に示した発光素子とは異なり、コンタクト孔に連結された第1の電極層を外部に露出することもできる。
【0179】
図31に示した発光素子300は、導電性基板310上に第2の導電型半導体層350、活性層360、及び第1の導電型半導体層360が形成される。この場合、第2の導電型半導体層350と導電性基板310の間には第2の電極層340が配置されるが、上述した実施形態とは異なり第2の電極層340は必須ではない。
【0180】
本実施形態の場合、第1の導電型半導体層370と接触する接触領域390を有するコンタクト孔380は第1の電極層320に連結され、第1の電極層320は外部に露出して電気連結部345を有する。電気連結部345には、電極パッド部347が形成される。第1の電極層320は、絶縁層330によって、活性層360、第2の導電型半導体層350、第2の電極層340、導電性基板310と電気的に分離される。
【0181】
上述した実施形態におけるコンタクト孔が導電性基板に連結されたものとは異なり、本実施形態の場合、コンタクト孔380は導電性基板310と電気的に分離され、コンタクト孔380に連結された第1の電極層320が外部に露出する。これにより、導電性基板310は、第2の電極層340に電気的に連結されることから、上述した実施形態の場合と比較して極性が変わる。
【0182】
従って、このような発光素子は、第1の電極を発光面上に一部形成し、残りの一部を活性層の下部に配置することにより、発光面積を最大限確保することができ、発光面上に配置された電極を均一に配置することにより、高い動作電流を印加しても電流の均一な分布が可能となるため、高電流動作での電流集中現象を緩和することができる。
【0183】
このように、図30及び図31に示した発光素子は、互いに対向する第1及び第2の主面を有し、それぞれ第1及び第2の主面を提供する第1及び第2の導電型半導体層とその間に形成された活性層を有する半導体積層体と、第2の主面から活性層を経て第1の導電型半導体層の一領域に連結されたコンタクト孔と、半導体積層体の第2の主面上に形成されて第1の導電型半導体層の一領域にコンタクト孔を介して連結された第1の電極と、半導体積層体の第2の主面上に形成されて第2の導電型半導体層に連結された第2の電極と、を含む。ここで、第1及び第2の電極のいずれか一つが半導体積層体の側方向に引き出された構造を有する。
【0184】
図32(a)及び図32(b)は、本発明の多様な実施形態によるバックライトユニットの一例を示す断面図である。
【0185】
図32(a)は、本発明による発光ダイオードパッケージが光源として用いられるバックライトユニットの一例としてエッジ型のバックライトユニット1500を示している。
【0186】
本実施形態によるエッジ型のバックライトユニット1500は、導光板1440と、導光板1440の両側面に提供されるLED光源モジュール1300を含む。
【0187】
本実施形態では、導光板1440の対向する両側面にLED光源モジュール1300が提供された形態を例示しているが、一側面のみに提供することもでき、これとは異なり、追加のLED光源モジュールを他の側面に提供することもできる。
【0188】
図32(a)に示したように、導光板1440の下部には、反射板1420が更に提供される。本実施形態に用いられたLED光源モジュール1300は、印刷回路基板1310と、印刷回路基板1310の上面に実装された複数のLED光源1350を含み、LED光源1350には、上述した蛍光体を用いた発光素子パッケージが適用される。
【0189】
図32(b)を参照すると、他の形態のバックライトユニットの一例として直下型のバックライトユニット1800を示している。
【0190】
本実施形態による直下型のバックライトユニット1800は、光拡散板1704と、光拡散板1704の下面に配列されたLED光源モジュール1610を含む。
【0191】
図32(b)に例示したバックライトユニット1800は、光拡散板1704の下部に光源モジュールを収容できるボトムケース1710を含む。
【0192】
本実施形態に用いられるLED光源モジュール1610は、印刷回路基板1601と、印刷回路基板1601の上面に実装された複数のLED光源1605を含む。複数のLED光源1605は、上述した蛍光体を波長変換物質として用いる発光素子パッケージである。
【0193】
上述した実施形態の他にも、蛍光体を直接LEDが位置するパッケージに配置せずにバックライトユニットの他の構成要素に配置して、光を変換させることができる。このような実施形態を、図33図35に示している。
【0194】
先ず、図33に示したように、本実施形態による直下型のバックライトユニット1500は、蛍光体フィルム1550と、蛍光体フィルム1550の下面に配列されたLED光源モジュール1510を含む。
【0195】
図33に示したバックライトユニット1500は、LED光源モジュール1510を収容できるボトムケース(図示せず)を含むことができる。本実施形態では、ボトムケースの上面に蛍光体フィルム1550を配置する。LED光源モジュール1510から放出される光の少なくとも一部が蛍光体フィルム1550によって波長変換される。蛍光体フィルム1550は、別途のフィルムとして製造されて適用され得るが、光拡散板と一体的に結合された形で提供することもできる。
【0196】
ここで、LED光源モジュール1510は、印刷回路基板1501と、印刷回路基板1501の上面に実装された複数のLED光源1505を含む。
【0197】
図34及び図35は、本発明の他の実施形態によるエッジ型のバックライトユニットを示している。
【0198】
図34に示したエッジ型のバックライトユニット1600は、導光板1640と、導光板1640の一側面に提供されるLED光源1605を含む。LED光源1605は、反射構造物によって導光板1640の内部に光が案内される。本実施形態において、蛍光体膜1650は、導光板1640の側面とLED光源1605の間に位置する。
【0199】
図35に示したエッジ型のバックライトユニット1700は、図34と同様に、導光板1740と、導光板1740の一側面に提供されるLED光源1705と反射構造物(図示せず)を含む。本実施形態において、蛍光体膜1750は、導光板1740の光放出面に適用される形で例示している。
【0200】
このように、本発明による蛍光体は、LED光源に直接適用されずにバックライトユニットなどの他の装置に適用された形で具現することもできる。
【0201】
図36は、本発明の一実施形態によるディスプレー装置を示す分解斜視図である。
【0202】
図36に示したディスプレー装置2000は、バックライトユニット2200と液晶パネルなどの画像表示パネル2300を含む。バックライトユニット2200は、導光板2240と、導光板2240の少なくとも一側面に提供されるLED光源モジュール2100を含む。
【0203】
本実施形態において、バックライトユニット2200は、図示しているように、ボトムケース2210と導光板2240の下部に位置する反射板2220を更に含む。
【0204】
また、多様な光学的な特性への要求に応じて、導光板2240と液晶パネル2300の間には、拡散シート、プリズムシート、又は保護シートなどの多種の光学シート2260が含まれる。
【0205】
LED光源モジュール2100は、導光板2240の少なくとも一側面に設けられる印刷回路基板2110と、印刷回路基板2110上に実装されて導光板2240に光を入射する複数のLED光源2150を含む。複数のLED光源2150は、上述した発光素子パッケージである。本実施形態に用いられる複数のLED光源は、光放出面に隣接する側面が実装されたサイドビュー型発光素子パッケージである。
【0206】
このように、上述した蛍光体は、多様な実装構造のパッケージに適用されて多様な形態の白色光を提供するLED光源モジュールに適用することができる。上述した発光素子パッケージ又はこれを含む光源モジュールは、多様な形態のディスプレー装置又は照明装置に適用することができる。
【0207】
本発明は、上述した実施形態及び図面によって限定されない。従って、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想を外れない範囲内で当技術分野の通常の知識を有する者による多様な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これもまた本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0208】
10、20、30 白色発光装置
12、22 緑色蛍光体
14、24 赤色蛍光体
15、25、35 青色LEDチップ
19、29、39 樹脂包装部
21、31 パッケージ本体
26 黄色又は黄橙色蛍光体
32 第1の樹脂層(緑色蛍光体)
34 第2の樹脂層(赤色蛍光体)
36 第3の樹脂層(黄色又は黄橙色蛍光体)
50、60 LCDバックライト用光源モジュール
51、61 回路基板
100、200、300 発光素子
101 (Si−Al合金)基板
102 接合金属層
103 反射金属層
104 p型半導体層
105、260、360 活性層
106 n型半導体層
107 n側電極
110 シード金属層
120 保護層
122 導電層
123 コンタクト金属層
210、310 導電性基板
220、320 第1の電極層
230、330 絶縁層
240、340 第2の電極層
245、345 電気連結部(露出領域)
247、347 電極パッド部
250、350 第2の導電型半導体層
270、370 第1の導電型半導体層
280、380 コンタクト孔
290、390 接触領域
1300、1510、1610、2100 LED光源モジュール
1310、1501、1601、2110 印刷回路基板
1350、1505、1605、1705、2150 LED光源
1420、2220 反射板
1440、1640、1740、2240 導光板
1500、1600、1700、1800、2200 バックライトユニット
1550 蛍光体フィルム
1650、1750 蛍光体膜
1704 光拡散板
1710、2210 ボトムケース
2000 ディスプレー装置
2260 光学シート
2300 画像表示パネル
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
図11
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図30
図31
図32
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図35
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