特許第6054181号(P6054181)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6054181端末装置、サービス管理システム、情報提示方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6054181
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】端末装置、サービス管理システム、情報提示方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20161219BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20161219BHJP
【FI】
   G06F13/00 650A
   G06Q50/10
【請求項の数】10
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-1244(P2013-1244)
(22)【出願日】2013年1月8日
(65)【公開番号】特開2014-134886(P2014-134886A)
(43)【公開日】2014年7月24日
【審査請求日】2015年8月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】特許業務法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢野 英司
(72)【発明者】
【氏名】北野 有亮
(72)【発明者】
【氏名】吉川 貴
(72)【発明者】
【氏名】前川 加奈
(72)【発明者】
【氏名】上野 崇宏
【審査官】 新田 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−140867(JP,A)
【文献】 特開昭62−221072(JP,A)
【文献】 特開2008−181184(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに割り当てられたアカウントを使用してサービスを利用する端末装置であって、
自端末と前記アカウントを共有する他端末が1つ以上登録されている場合に、前記サービスにログイン中の前記他端末を少なくとも示す、前記サービスの利用状況データを取得する取得部と、
前記取得部が取得した利用状況データに基づき、登録された前記1つ以上の他端末のうち、前記サービスにログイン中の前記他端末について、前記サービスにログインしている旨を含む前記サービスの利用状況をユーザに提示し、前記サービスにログイン中でない前記他端末については、前記サービスの利用状況を提示しない提示部と
を備える端末装置。
【請求項2】
前記利用状況データは、前記サービスの過去の利用実績を含み、
前記提示部は、
前記サービスにログイン中の前記他端末について、前記利用実績に基づいて前記利用状況を提示する
請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記提示部は、
前記サービスについての特定の処理が行われた時からの経過期間、又は、当該処理が行われた時を示す情報を提示する
請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記サービスが、前記アカウントを使用して取得したデータを記憶する処理を伴う場合に、
前記提示部は、
前記データについての同期処理が最後に行われた時からの経過期間、前記同期処理が最後に行われた時、及び、最新の前記同期処理が完了しているかどうかを示す情報のうち、少なくとも1つを提示する
請求項2又は3に記載の端末装置。
【請求項5】
前記提示部は、
前記サービスについての特定の処理が行われた時に前記他端末があった位置を提示する
請求項2から4のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項6】
前記提示部は、
2つ以上の前記他端末について前記利用状況を提示する場合には、当該他端末の属性又は前記利用実績に応じた表示態様とする
請求項2から5のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項7】
前記提示部は、
前記サービスにログイン中の前記他端末の数又は種別を提示する
請求項1から6のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項8】
ユーザに割り当てられたアカウントを使用するサービスについての情報を管理する管理装置と、前記管理装置と通信可能であり、前記アカウントを使用して前記サービスを利用する複数の端末装置と、を備えるサービス管理システムであって、
前記管理装置は、
前記複数の端末装置が、前記アカウントを共有するものとして自装置に登録されている場合に、前記サービスにログイン中の他の端末装置を少なくとも示す、前記サービスの利用状況データを、前記端末装置宛てに送信する送信制御部と、
前記複数の端末装置への前記サービスの提供を管理するサービス管理部と、
を有し、
前記端末装置は、
前記管理装置から前記利用状況データを取得する取得部と、
前記取得部が取得した利用状況データに基づき、登録された前記複数の端末装置のうち、前記サービスにログイン中の前記端末装置について、前記サービスにログインしている旨を含む前記サービスの利用状況をユーザに提示し、前記サービスにログイン中でない前記端末装置については、前記サービスの利用状況を提示しない提示部と
を有するサービス管理システム。
【請求項9】
ユーザに割り当てられたアカウントを使用してサービスを利用する端末装置での情報提示方法であって、
前記端末装置と前記アカウントを共有する他端末が1つ以上登録されている場合に、前記サービスにログイン中の前記他端末を少なくとも示す、前記サービスの利用状況データを取得するステップと、
取得した利用状況データに基づき、登録された前記1つ以上の他端末のうち、前記サービスにログイン中の前記他端末について、前記サービスにログインしている旨を含む前記サービスの利用状況をユーザに提示し、前記サービスにログイン中でない前記他端末については、前記サービスの利用状況を提示しないステップと
を有する情報提示方法。
【請求項10】
ユーザに割り当てられたアカウントを使用してサービスを利用する端末装置のコンピュータに、
前記端末装置と前記アカウントを共有する他端末が1つ以上登録されている場合に、前記サービスにログイン中の前記他端末を少なくとも示す、前記サービスの利用状況データを取得するステップと、
取得した利用状況データに基づき、登録された前記1つ以上の他端末のうち、前記サービスにログイン中の前記他端末について、前記サービスにログインしている旨を含む前記サービスの利用状況をユーザに提示し、前記サービスにログイン中でない前記他端末については、前記サービスの利用状況を提示しないステップと
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザのアカウントを使用するサービスについての情報提示に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば1人のユーザが、スマートフォンやタブレット端末等の端末装置を複数台所有し、所有する複数台の端末装置を用いて、同じサービスを利用することのできるシステムがある。特許文献1は、ユーザが所有する複数端末によりサービスにマルチログインすることができる場合に、各端末がサービスにログインしているかどうかを一覧表示することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−99099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の発明では、ログインの有無に関わらず、複数端末のすべてについての情報が表示される。特許文献1に記載の発明では、ユーザが所有する端末装置の数が多い場合には、表示される情報量も多くなり、現在ログインしている端末装置の情報をユーザが直ちに把握するのが難しいことがある。
そこで、本発明の目的は、複数端末がユーザのアカウントを共有して同じサービスを利用する場合に、そのサービスを利用中である他端末の存在をユーザが容易に把握することのできるように、情報提示を行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明の端末装置は、ユーザに割り当てられたアカウントを使用してサービスを利用する端末装置であって、自端末と前記アカウントを共有する他端末が1つ以上登録されている場合に、前記サービスにログイン中の前記他端末を少なくとも示す、前記サービスの利用状況データを取得する取得部と、前記取得部が取得した利用状況データに基づき、登録された前記1つ以上の他端末のうち、前記サービスにログイン中の前記他端末について、前記サービスにログインしている旨を含む前記サービスの利用状況をユーザに提示し、前記サービスにログイン中でない前記他端末については、前記サービスの利用状況を提示しない提示部とを備える。
【0006】
本発明の端末装置において、前記利用状況データは、前記サービスの過去の利用実績を含み、前記提示部は、前記サービスにログイン中の前記他端末について、前記利用実績に基づいて前記利用状況を提示するようにしてもよい。
この端末装置において、前記提示部は、前記サービスについての特定の処理が行われた時からの経過期間、又は、当該処理が行われた時を示す情報を提示するようにしてもよい。
これらの端末装置において、前記サービスが、前記アカウントを使用して取得したデータを記憶する処理を伴う場合に、前記提示部は、前記データについての同期処理が最後に行われた時からの経過期間、前記同期処理が最後に行われた時、及び、最新の前記同期処理が完了しているかどうかを示す情報のうち、少なくとも1つを提示するようにしてもよい。
【0007】
本発明の端末装置において、前記提示部は、前記サービスについての特定の処理が行われた時に前記他端末があった位置を提示するようにしてもよい。
本発明の端末装置において、前記提示部は、2つ以上の前記他端末について前記利用状況を提示する場合には、当該他端末の属性又は前記利用実績に応じた表示態様してもよい。
本発明の端末装置において、前記提示部は、前記サービスにログイン中の前記他端末の数又は種別を提示するようにしてもよい。
【0008】
本発明のサービス管理システムは、ユーザに割り当てられたアカウントを使用するサービスについての情報を管理する管理装置と、前記管理装置と通信可能であり、前記アカウントを使用して前記サービスを利用する複数の端末装置と、を備えるサービス管理システムであって、前記管理装置は、前記複数の端末装置が、前記アカウントを共有するものとして自装置に登録されている場合に、前記サービスにログイン中の他の端末装置を少なくとも示す、前記サービスの利用状況データを、前記端末装置宛てに送信する送信制御部と、前記複数の端末装置への前記サービスの提供を管理するサービス管理部と、を有し、前記端末装置は、前記管理装置から前記利用状況データを取得する取得部と、前記取得部が取得した利用状況データに基づき、登録された前記複数の端末装置のうち、前記サービスにログイン中の前記端末装置について、前記サービスにログインしている旨を含む前記サービスの利用状況をユーザに提示し、前記サービスにログイン中でない前記端末装置については、前記サービスの利用状況を提示しない提示部とを有する。
【0009】
本発明の情報提示方法は、ユーザに割り当てられたアカウントを使用してサービスを利用する端末装置での情報提示方法であって、前記端末装置と前記アカウントを共有する他端末が1つ以上登録されている場合に、前記サービスにログイン中の前記他端末を少なくとも示す、前記サービスの利用状況データを取得するステップと、取得した利用状況データに基づき、登録された前記1つ以上の他端末のうち、前記サービスにログイン中の前記他端末について、前記サービスにログインしている旨を含む前記サービスの利用状況をユーザに提示し、前記サービスにログイン中でない前記他端末については、前記サービスの利用状況を提示しないステップとを有する。
【0010】
本発明のプログラムは、ユーザに割り当てられたアカウントを使用してサービスを利用する端末装置のコンピュータに、前記端末装置と前記アカウントを共有する他端末が1つ以上登録されている場合に、前記サービスにログイン中の前記他端末を少なくとも示す、前記サービスの利用状況データを取得するステップと、取得した利用状況データに基づき、登録された前記1つ以上の他端末のうち、前記サービスにログイン中の前記他端末について、前記サービスにログインしている旨を含む前記サービスの利用状況をユーザに提示し、前記サービスにログイン中でない前記他端末については、前記サービスの利用状況を提示しないステップとを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数端末がユーザのアカウントを共有して同じサービスを利用する場合に、そのサービスを利用中である他端末の存在をユーザが容易に把握することのできるように、情報提示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】サービス管理システムの全体構成を示す図。
図2】ユーザ端末のハードウェア構成を示すブロック図。
図3】管理サーバのハードウェア構成を示すブロック図。
図4】利用管理テーブルの構成例を示す図。
図5】サービス管理システムの機能構成を示す機能ブロック図。
図6】サービスの利用状況を提示する手順を示すシーケンス図。
図7】サービス利用画面を示す図。
図8】利用管理テーブルの構成を示す図。
図9】サービス利用画面を示す図。
図10】サービス利用画面を示す図。
図11】サービス利用画面を示す図。
図12】サービス利用画面を示す図。
図13】サービス利用画面を示す図。
図14】サービスの利用状況を提示する手順を示すシーケンス図。
図15】利用管理テーブルの構成を示す図。
図16】サービス利用画面を示す図。
図17】サービス利用画面を示す図。
図18】サービスの利用状況を提示する手順を示すシーケンス図。
図19】サービス利用画面を示す図。
図20】サービス利用画面を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるサービス管理システム1の全体構成を示す図である。図1に示すように、サービス管理システム1は、サービス管理サーバ10と、複数のユーザ端末20とを備える。サービス管理サーバ10及び複数のユーザ端末20は、それぞれネットワークNWに接続し、ネットワークNW経由の通信を行う。図1には、サービス管理システム1に含まれるユーザ端末20として、ユーザ端末20a,20b,20c及び20dを図示している。ユーザ端末20a,20b,20c及び20dは、ここでは、同一ユーザによって所有される端末装置である。以下では、ユーザ端末20a,20b,20c及び20dの各々を特に区別する必要がないときには、これらを「ユーザ端末20」と表す。ネットワークNWは、例えば、移動体通信網、ゲートウェイ及びインターネットを含む通信ネットワークである。
【0014】
サービス管理サーバ10は、通信事業者やコンテンツプロバイダで例示されるサービス提供者によって管理される管理装置である。サービス管理サーバ10は、ネットワークNW経由の通信を用いて、ユーザ端末20のユーザに割り当てられたアカウント(つまりユーザアカウント)を使用するサービスを、ユーザ端末20に提供する。サービス管理サーバ10は、各ユーザ端末20に提供するサービスについてのデータ(以下、「サービスデータ」という。)を、ユーザアカウントを用いてユーザ毎に管理して提供する。
【0015】
また、サービス管理サーバ10は、ユーザアカウントを共有する複数のユーザ端末20に対しては、サービスデータを共有させることができる。これにより、ユーザアカウントを共有する複数のユーザ端末20は、自端末で記憶するサービスデータを、サービス管理サーバ10が記憶するサービスデータと同期させる同期処理を行う。換言すると、ユーザ端末20は、自端末で記憶するサービスデータを、ユーザアカウントを共有する他のユーザ端末20が記憶するサービスデータと同期させる同期処理を行う。この種のサービスは、マルチデバイス対応やマルチデバイス連携等と呼ばれる機能を実現させるためのサービスに対応している。
【0016】
サービス管理サーバ10は、本実施形態では、ユーザ端末20へのメールサービスの提供を管理する。メールサービスは、電子メールを用いた処理を伴うサービスである。本実施形態のメールサービスは、ユーザアカウントを共有するユーザ端末20a,20b,20c及び20dに対し共通の電子メールの記憶領域を提供する、クラウドストレージに関するサービスである。メールサービスは、ユーザアカウントを共有する複数のユーザ端末20宛てに、共通の電子メール(例えば、新着の電子メールや最近の受信メール100件分)を送信したり、共通のメールボックスを参照させたりする(例えば、電子メールの送信履歴や受信履歴を参照させる)サービスを含む。
【0017】
ユーザ端末20は、サービス管理サーバ10によりネットワークNWを用いて提供されたサービスを利用する、サービス利用端末である。ユーザ端末20は、例えば、スマートフォンや携帯電話端末、タブレット端末、ノート型パソコン、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯型ゲーム機、携帯型音楽プレーヤで例示される端末装置である。ここでは、ユーザ端末20aがスマートフォン、ユーザ端末20bがタブレット端末、ユーザ端末20cが携帯電話機、ユーザ端末20dがパーソナルコンピュータである。
なお、この実施形態では、同一ユーザにより、ユーザ端末20a,20b,20c及び20dの4つのユーザ端末20が所有されるが、同一ユーザにより、2つ、3つ又は5つ以上のユーザ端末20が所有されてもよい。
【0018】
図2は、ユーザ端末20のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、ユーザ端末20は、制御部21と、操作入力部22と、通信部23と、表示部24と、記憶部25とを備える。
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)を有するマイクロコンピュータを備える。CPUは、ROMや記憶部25に記憶されたプログラムをRAMに読み出して実行することにより、ユーザ端末20の各部を制御する。操作入力部22は、ユーザによって入力された操作を受け付ける操作装置であり、例えば、表示部24の表示面に重ねて設けられたタッチスクリーンや物理キーを有する。ユーザ端末20が、ユーザの発する声を認識して音声入力操作を受け付ける場合には、操作入力部22は収音用のマイクロホンを備えてもよい。通信部23は、無線通信回路やアンテナを有し、ネットワークNWに接続して通信するためのインタフェースである。表示部24は、例えば液晶ディスプレイであり、表示面に画像を表示する。
【0019】
記憶部25は、例えばEEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)やフラッシュメモリ等の記憶装置を備え、制御部21により実行されるプログラムを記憶する。記憶部25は、例えば、OS(Operating System)やメールアプリ251、サービスデータ252を記憶する。メールアプリ251は、OS上で動作するアプリケーションプログラムであり、メールサービスを利用するときに制御部21により実行される。サービスデータ252は、サービス管理サーバ10から取得された、メールサービスについてのサービスデータである。
【0020】
図3は、サービス管理サーバ10のハードウェア構成を示すブロック図である。図3に示すように、サービス管理サーバ10は、制御部11と、通信部12と、記憶部13とを備える。
制御部11は、CPU、ROM及びRAMを有するマイクロコンピュータを備える。CPUは、ROMや記憶部13に記憶されたプログラムをRAMに読み出して実行することにより、サービス管理サーバ10の各部を制御する。通信部12は、モデム等を有し、ネットワークNWに接続して通信するためのインタフェースである。記憶部13は、例えばハードディスク装置を有する記憶装置であり、制御部11により実行されるプログラムや利用管理テーブル131、サービスデータDB(Data Base)132を記憶する。利用管理テーブル131は、各ユーザ端末20におけるメールサービスの利用状況についてのデータが書き込まれたデータテーブルである。サービスデータDB132は、メールサービスについてのサービスデータを格納したデータベースである。
【0021】
図4は、利用管理テーブル131の構成例を示す図である。図4に示すように、利用管理テーブル131は、「ユーザID(台数)」と、「端末ID」と、「端末種別」と、「利用開始日」と、「最終同期日時」と、「有無情報」という各情報を対応付けたデータテーブルである。
利用管理テーブル131の「ユーザID(台数)」のフィールドには、ユーザ端末20のユーザを識別するユーザ識別情報が、ユーザIDとして書き込まれる。ユーザIDは、ユーザ端末20を所有するユーザを一意に特定することのできる識別情報である。よって、1人のユーザに対して、ユーザIDが1つだけ割り当てられる。また、この「ユーザID(台数)」のフィールドには、ユーザアカウントを共有する複数のユーザ端末20のうち、メールサービスを利用中(つまり、現在メールサービスを利用している)ユーザ端末20の台数が書き込まれている。本実施形態では、ユーザ端末20がメールサービスにログインした状態であれば、メールサービスを利用中であるものとする。一方、ユーザ端末20がサービスにログインした状態でなければ(つまりログアウトした状態であれば)、メールサービスを利用中でないものとする。
【0022】
利用管理テーブル131の「端末ID」のフィールドには、ユーザ端末20の個体を識別する端末識別情報が、端末IDとして書き込まれる。端末IDは、例えば、ユーザ端末20に割り当てられた電話番号やユーザ端末20に装着されるSIM(Subscriber Identity Module Card)カードに記録されたID番号、これらの情報を組み合わせた情報で例示される情報を用いることができる。よって、1つのユーザ端末20に対して、端末IDが1つだけ割り当てられる。
図4に示す例では、利用管理テーブル131では、ユーザIDとして「UID001」と、端末IDとして「MID−a」,「MID−b」,「MID−c」及び「MID−d」のそれぞれとが対応付けられている。ユーザIDとして「UID001」が割り当てられたユーザは、ここでは、ユーザ端末20a,20b,20c及び20dの4つを所有するユーザである。端末ID「MID−a」は、ユーザ端末20aを識別する端末IDである。端末ID「MID−b」は、ユーザ端末20bを識別する端末IDである。端末ID「MID−c」は、ユーザ端末20cを識別する端末IDである。端末ID「MID−d」は、ユーザ端末20dを識別する端末IDである。
【0023】
利用管理テーブル131の「端末種別」のフィールドには、ユーザ端末20の種別を示す情報が、端末種別として書き込まれる。ここでの端末種別は、スマートフォンやタブレット端末といった、機器の種類を表す。
利用管理テーブル131の「利用開始日」のフィールドには、このフィールドに対応付けられた端末IDが示すユーザ端末20において、メールサービスの利用が開始された日時が、利用開始日として書き込まれる。
利用管理テーブル131の「最終同期日時」のフィールドには、このフィールドに対応付けられた端末IDが示すユーザ端末20において、記憶部25に記憶するサービスデータ252と、サービスデータDB132のサービスデータとを同期させる同期処理が行われた最新の日時が、最終同期日時として書き込まれる。
【0024】
利用管理テーブル131の「有無情報」のフィールドには、このフィールドに対応付けられた端末IDが示すユーザ端末20において、メールサービスを利用中かどうかを特定可能な情報が、有無情報として書き込まれる。有無情報は、メールサービスを利用中である場合には「○」で表され、メールサービスを利用中でない場合には「×」で表される。図4に示す例では、利用管理テーブル131に、ユーザ端末20a,20b及び20cの3台がメールサービスを利用中であり、ユーザ端末20dはメールサービスを利用中でない旨の情報が書き込まれている。
【0025】
以上のとおり、利用管理テーブル131には、ユーザアカウントを共有するユーザ端末20をサービス管理サーバ10に登録するための情報が書き込まれる。また、利用管理テーブル131には、各ユーザ端末20におけるメールサービスの利用状況や、ユーザ端末20におけるメールサービスの過去の利用実績を特定可能な情報が書き込まれる。
なお、利用管理テーブル131に書き込まれるユーザIDや端末IDは、回線契約時やユーザ端末20の購入時に、ユーザからの要求に応じてサービス管理サーバ10の管理者によって書き込まれてもよいし、ユーザ端末20の購入後に、ユーザがユーザ端末20を操作して所定の登録操作を行うことでサービス管理サーバ10によって書き込まれてもよい。また、利用管理テーブル131に書き込まれる、「ユーザID(台数)」のうちの台数についての情報や利用開始日、最終同期日時、有無情報の各情報は、ユーザ端末20におけるメールサービスの利用状況に応じて、サービス管理サーバ10により適宜書き換えられる。
【0026】
図5は、サービス管理サーバ10の制御部11及びユーザ端末20の制御部21における機能構成を示す機能ブロック図である。図5に示すように、サービス管理サーバ10の制御部11は、送信制御部111と、サービス管理部112とに相当する機能を実現する。
送信制御部111は、記憶部13に記憶された利用管理テーブル131に基づいて、複数のユーザ端末20がユーザアカウントを共有するものとしてサービス管理サーバ10に登録されている場合に、サービスを利用中の他端末を示す、サービスの利用状況データを、ユーザ端末20宛てに送信する。
この利用状況データは、サービスを利用中のユーザ端末20を示す情報のほか、サービスの過去の利用実績等の情報を含むことがある。
【0027】
サービス管理部112は、記憶部13に記憶された利用管理テーブル131及びサービスデータDB132に基づいて、複数のユーザ端末20に対するサービスの提供を管理する。サービス管理部112は、例えば、利用管理テーブル131やサービスデータDB132を更新する処理を行ったり、サービスデータDB132に格納されたサービスデータをユーザ端末20に送信したりする。
【0028】
図5に示すように、ユーザ端末20の制御部21は、取得部211と、提示部212と、処理実行部213とに相当する機能を実現する。
取得部211は、自端末とユーザアカウントを共有する他端末(他のユーザ端末20)が、1つ以上サービス管理サーバ10に登録されている場合に、登録された他端末についての利用状況データを、サービス管理サーバ10から取得する。
【0029】
提示部212は、取得部211が取得した利用状況データに基づき、サービス管理サーバ10に登録された他端末のうち、サービスを利用中のものについて、サービスの利用状況をユーザに提示する。ここにおいて、提示部212は、ユーザアカウントを共有する他のユーザ端末20がサービスを利用中である旨を、少なくとも提示する。提示部212は、更に、ユーザアカウントを共有する他のユーザ端末20における、サービスの過去の利用実績に基づく情報を提示することもある。一方で、提示部212は、ユーザアカウントを共有する他のユーザ端末20が存在しない場合や、ユーザアカウントを共有する他のユーザ端末20がサービスを利用中でないときには、このユーザ端末20についての情報を提示しない。
【0030】
処理実行部213は、サービス管理サーバ10から提供されたサービスを自端末で利用する場合に、そのサービスについての処理を実行する。例えば、処理実行部213は、メールアプリ251を実行し、サービス管理サーバ10からサービスデータを取得すると、取得したデータを記憶部25に記憶させる。また、処理実行部213は、サービスデータ252に基づいて、サービスの利用中の表示画面であるサービス利用画面を、表示部24に表示させる。また、処理実行部213は、記憶部25に記憶されたサービスデータ252をサービス管理サーバ10に送信する。
【0031】
次に、サービス管理システム1の動作を説明する。
図6は、サービス管理システム1において、利用状況データに基づいてサービスの利用状況が提示されるときの動作例を示すシーケンス図である。ここでは、サービス管理システム1において、ユーザ端末20aがサービスの利用状況を提示する場合の動作例を説明する。以下に説明する動作の前においては、利用管理テーブル131は、図4に示す状態であるものとする。
【0032】
まず、サービス管理サーバ10は、ユーザIDが「UID001」であるユーザ端末20a宛てに、サービスデータDB132に基づくサービスデータを送信するかどうかを判断する(ステップS1)。例えば、サービス管理サーバ10は、ユーザ端末20a宛てに送信するべき電子メールが発生したり、メールボックスに係るデータの送信要求がユーザ端末20aからあったりした場合に、ユーザ端末20a宛てにサービスデータを送信すると判断する。
【0033】
サービス管理サーバ10は、ユーザ端末20a宛てにサービスデータを送信すると判断すると(ステップS1;YES)、利用管理テーブル131を参照して、ユーザ端末20aとユーザアカウントを共有し、且つ、メールサービスを利用中であるユーザ端末20を特定する(ステップS2)。ここでは、ユーザ端末20a,20b,20c及び20dがユーザアカウントを共有することが、利用管理テーブル131に書き込まれている。また、ユーザ端末20a,20b,20c及び20dは、メールサービスを利用中であるが、ユーザ端末20dはメールサービスを利用中でないことが、利用管理テーブル131に書き込まれている。
よって、ステップS2の処理では、サービス管理サーバ10は、ユーザ端末20a,20b及び20cを特定する。
【0034】
次に、サービス管理サーバ10は、サービスデータDB132に格納されたサービスデータと、ステップS2の処理で特定したユーザ端末20についての利用状況データとを、ユーザ端末20a宛てに送信する(ステップS3)。ここでの利用状況データは、ユーザ端末20a,20b及び20cの3台がメールサービスを利用中であることを示す情報を含む。
【0035】
ユーザ端末20は、サービスデータと利用状況データとを、サービス管理サーバ10から取得すると(ステップS4)、取得したサービスデータに基づいてサービスデータ252を更新して(つまり同期処理を行って)、サービス利用画面を表示部24に表示させる。また、ユーザ端末20は、サービス利用画面の表示中に、サービス管理サーバ10から取得した利用状況データに基づいて、サービスの利用状況を提示する(ステップS5)。
【0036】
図7は、ステップS5の処理により表示されるサービス利用画面を例示する図である。図7(a)に示すように、サービス利用画面SC1においては、「メールサービス利用中:3台」というメッセージが、表示部24の表示領域における上部に表示される。ここでの3台のユーザ端末20は、ユーザ端末20a,20b及び20cに対応している。サービス利用画面SC1を見たユーザは、メールサービスの利用画面を閲覧しつつも、メールサービスを利用中である自身のユーザ端末20が全部で3台あることを把握することができる。一方で、ユーザ端末20aは、メールサービスを利用中でないユーザ端末20の情報(ここでは、ユーザ端末20dの情報)については表示させない。
【0037】
サービス管理システム1では、上記処理ステップを繰り返し実行して、ユーザ端末20で提示される情報を更新する。例えば、ユーザ端末20cがメールサービスからログアウトして、メールサービスの利用を終了すると、サービス管理サーバ10は、利用管理テーブル131を、図8に示す構成に更新する。具体的には、サービス管理サーバ10は、端末ID「MID−c」に対応付けられた有無情報のフィールドを、「○」から「×」に書き換える。その後利用状況データを取得したユーザ端末20aは、取得した利用状況データに基づき、ステップS5の処理で、図7(b)に示すサービス利用画面SC1を表示部24に表示させる。図7(b)に示すように、ここでのサービス利用画面SC1においては、「メールサービス利用中:2台」というメッセージが表示される。この2台のユーザ端末20は、ユーザ端末20a及び20bに対応している。これにより、ユーザは、メールサービスの利用画面を閲覧しつつも、メールサービスを利用中である自身のユーザ端末20が全部で2台に変化したことを把握することができる。
【0038】
ユーザ端末20は、サービス利用画面を表示部24に表示しているときには、表示部24の表示領域の上部に、メールサービスを利用中のユーザ端末20の台数を提示するのではなく、他の表示方法で、ユーザ端末20の台数を提示してもよい。
図9は、ステップS5の処理を行ってユーザ端末20が表示するサービス利用画面の他の例を示す図である。図9(a)に示すように、まず、ユーザ端末20は、メールサービスの利用状況を提示しないで、サービス利用画面SC2を表示する。次に、ユーザが、ユーザ端末20に所定の処理の実行を指示するためのメニューの表示を指示する操作を行ったとする。この操作に応じて、ユーザ端末20は、図9(b)に示すサービス利用画面SC2に表示変更する。このサービス利用画面SC2においては、サービス利用画面に表示される複数項目を含むメニュー(サブメニュー)Mに、「メールサービス利用中:3台」というメッセージが含まれる。このメッセージの意味は、図7に示す表示例の場合と同じである。
なお、メニューMは、ここでは、「オプション」、「設定変更」及び「ヘルプ」という複数項目を含むが、他の項目であってもよい。
【0039】
<利用実績の提示>
ユーザ端末20は、ユーザアカウントを共有してメールサービスを利用中であるユーザ端末20の台数を提示するのではなく、このユーザ端末20における、メールサービスの過去の利用実績の情報を提示してもよい。この場合、サービス管理サーバ10は、ステップS3の処理では、利用管理テーブル131に基づいて、利用実績を含む利用状況データを送信する。そして、ユーザ端末20は、利用実績を含む利用状況データをステップS4の処理で取得して、ステップS5の処理でサービスの利用状況を提示すればよい。
以下、利用実績の表示を伴う場合の表示例を説明する。
【0040】
(表示例1)利用開始日
ユーザ端末20は、図10に示すようにして、メールサービスの利用開始日を含むサービスの利用状況を提示してもよい。図10に示すサービス利用画面SC3には、利用開始日が含まれる。ユーザ端末20は、利用管理テーブル131に格納された「利用開始日」の情報に基づいて、メールサービスを利用中のユーザ端末20での利用開始日を表示する。利用開始日を見たユーザは、いつからメールサービスを利用しているかを把握することができる。サービス利用画面SC3で表示される利用開始日は、ここでは、現在メールサービスを利用中のユーザ端末20のすべてで、メールサービスの利用が開始された日であるが、ユーザ端末20毎のメールサービスの利用開始日であってもよい。
【0041】
また、サービス利用画面SC3には、メールサービスを利用中のユーザ端末20の端末種別の象徴となる画像(以下、「種別画像」という。)I1〜I3が含まれる。この種別画像は、ユーザ端末20の端末種別を表現するアイコン画像である。ユーザ端末20は、利用管理テーブル131に格納された「端末種別」の情報に基づいて、各ユーザ端末20に対応する種別画像を表示させる。具体的には、ユーザ端末20aに対応する種別画像I1は、スマートフォンを模したアイコン画像である。ユーザ端末20bに対応する種別画像I2は、タブレット端末を模したアイコン画像である。ユーザ端末20cに対応する種別画像I3は、携帯電話機を模したアイコン画像である。種別画像を見たユーザは、自身が所有するどのユーザ端末20がメールサービスを利用中であるかを、直感的に把握することができる。
【0042】
また、サービス利用画面SC3には、この種別画像に関連付けて、最新の同期処理が完了しているかどうかを意味する付加画像a1,a2が含まれる。付加画像a1は、最新の同期処理が完了していることを意味し、付加画像a2は、最新の同期処理が完了していることを意味する。ユーザ端末20は、利用管理テーブル131に格納された「最終同期日時」の情報に基づいて、各ユーザ端末20に対応する付加画像を表示する。ここでは、ユーザ端末20a,20cでは最新の同期処理が完了しており、ユーザ端末20bでは最新の同期処理が完了していないことを意味する付加画像が表示されている。付加画像を見たユーザは、自身が所有する各ユーザ端末20において、最新の同期処理が完了しているかどうかを直感的に把握することができる。また、ユーザは、最新の同期処理が完了していないユーザ端末20については、この同期処理をすぐに行う等の対処をとることができる。
【0043】
(表示例2)利用開始日からの経過期間
図11は、表示例2のサービス利用画面SC4を示す図である。この表示例2では、表示例1の利用開始日に代えて、この利用開始日からの経過期間が、サービス利用画面SC4に含まれる。ここでの利用開始日からの経過期間は、利用開始日から現在に至るまでの経過に日数を表している。ユーザ端末20は、利用管理テーブル131に格納された「利用開始日」の情報に基づいて、利用開始日からの経過期間を表示させる。利用開始日からの経過期間を見たユーザは、各ユーザ端末20でのメールサービスの利用を開始してからどの程度の期間が経過したかを把握することができる。
【0044】
(表示例3)最終同期日時からの経過期間
図12は、表示例3のサービス利用画面SC5を示す図である。この表示例3では、表示例1の利用開始日に代えて、最終同期日時からの経過期間がサービス利用画面SC5に含まれる。最終同期日時からの経過期間は、最終同期日時から現在に至るまでの経過に日数を表している。ユーザ端末20は、利用管理テーブル131に格納された「最終同期日時」の情報に基づいて、最終同期日時からの経過期間を表示する。最終同期日時からの経過期間を見たユーザは、各ユーザ端末20でのメールサービスの利用を開始してからどの程度の期間が経過したかを、把握することができる。
以上のとおり、ユーザ端末20は、所有するユーザが同じであり、且つ、メールサービスを利用中であるユーザ端末20において、メールサービスの過去の利用実績についての情報を提示することができる。
【0045】
(表示例4)最終同期日時
図13は、表示例4のサービス利用画面SC6を示す図である。この表示例4では、表示例3の最終同期日時からの経過期間に代えて、最終同期日時がサービス利用画面SC6に含まれる。ユーザ端末20は、利用管理テーブル131に格納された「最終同期日時」の情報に基づいて、最終同期日時を表示させる。最終同期日時を見たユーザは、各ユーザ端末20において、どの程度の期間継続して同期処理が行われていないかを把握することができる。よって、ユーザは、最新の情報を記憶しているユーザ端末20がどれであるかを把握できるとともに、古い情報が記憶されたままのユーザ端末20については、同期処理をすぐに行う等の対処をとることができる。
【0046】
<利用状況データの送信タイミングの他の例>
前述した動作例では、サービス管理サーバ10は、サービスデータを送信するときに、このサービスデータとともに利用状況データを送信していた。サービス管理サーバ10は、他のタイミングで利用状況データを送信してもよい。
【0047】
(送信例1:変化タイミング)
サービス管理サーバ10は、利用管理テーブル131に書き込まれた情報に変化した場合に、この変化を通知するための利用状況データを送信してもよい。図14(a)は、サービス管理システム1におけるメールサービスの提供の手順を示すシーケンス図である。
サービス管理サーバ10は、まず、利用管理テーブル131に書き込まれた情報に変化が生じたユーザ端末20があるかどうかを判断する(ステップS1a)。ここでサービス管理サーバ10は、利用管理テーブル131に書き込まれた情報に変化が生じていないと判断した場合には(ステップS1a;NO)、利用状況データを送信せずに待機する。一方で、サービス管理サーバ10は、利用管理テーブル131に書き込まれた情報に変化が生じたユーザ端末20があると判断すると(ステップS1a)、ステップS2の処理に進む。そして、サービス管理サーバ10は、ステップS2では、このユーザ端末20とユーザアカウントを共有し、且つ、メールサービスを利用中のユーザ端末20を特定する。そして、サービス管理サーバ10は、特定したユーザ端末20宛てに利用状況データを送信する(ステップS3a)。ここでは、サービス管理サーバ10は、サービスデータを送信することなく、利用状況データを送信する。ユーザ端末20でのサービスの利用状況の提示は、上記動作例と同じでよいから、ここではその説明を省略する。この送信例によれば、ユーザ端末20は、最新の利用状況データに基づいてサービスの利用状況を提示しやすくなる。
【0048】
(送信例2:所定期間毎)
サービス管理サーバ10は、所定期間が経過するごとに、利用状況データを送信してもよい。図14(b)は、サービス管理システム1におけるメールサービスの提供の手順を示すシーケンス図である。
サービス管理サーバ10は、まず、前回利用状況データを送信したときから所定期間以上経過したかどうかを判断する(ステップS1b)。この所定期間の長さは、どのような長さでもよいが、例えば5分間である。ここでサービス管理サーバ10は、前回利用状況データを送信したときから、所定期間以上経過していないと判断した場合には(ステップS1b;NO)、利用状況データを送信せずに待機する。サービス管理サーバ10は、前回利用状況データを送信したときから、所定期間以上経過したと判断すると(ステップS1b)、ステップS2の処理に進む。そして、サービス管理サーバ10は、ステップS2では、このユーザ端末20とユーザアカウントを共有し、且つ、メールサービスを利用中のユーザ端末20を特定する。そして、サービス管理サーバ10は、特定したユーザ端末20宛てに利用状況データを送信する(ステップS3b)。ここでも、サービス管理サーバ10は、サービスデータを送信することなく、利用状況データを送信する。ユーザ端末20でのサービスの利用状況の提示は、上記の動作例と同じでよいから、ここではその説明を省略する。
これ以外にも、ユーザ端末20が利用状況データの送信要求をサービス管理サーバ10に送信し、サービス管理サーバ10は、この送信要求を受け付けたことを契機に、利用状況データを送信してもよい。
【0049】
以上説明した実施形態によれば、ユーザ端末20は、サービスに使用するユーザアカウントを共有する他のユーザ端末20が、サービス管理サーバ10に1つ以上登録されている場合には、登録された他のユーザ端末20のうち、サービスを利用中のものを、ユーザに知らせるための情報を提示する。ここにおいて、ユーザ端末20は、サービスを利用中のユーザ端末20の台数のほか、サービスの利用を開始した時やその開始時からの経過期間、最終同期を行った時や最終同期を行った時からの経過期間、端末種別や最新の同期処理の完了の有無等の、過去の利用実績の情報も提示することができる。一方、ユーザ端末20は、サービスを利用中でないユーザ端末20の情報を提示しないので、利用状況データに基づいて提示される他の情報の量が多くなることがない。これにより、ユーザ端末20が、サービス利用画面の表示中に、利用状況データに基づいてサービスの利用状況を提示しても、表示部24に表示される各情報がユーザにとって視認しにくくなるのを抑制することができる。また、ユーザは、利用中の端末の数と自身の手元にあるユーザ端末20の数とが相違している場合に、自身のユーザ端末20が手元にないこと(例えば紛失したこと)に気付きやすく、このユーザ端末20が第三者によって悪用されてしまう可能性も抑えることができる。
【0050】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態と異なる形態で実施することが可能である。本発明は、例えば、以下のような形態で実施することも可能である。また、以下に示す変形例は、各々を適宜に組み合わせてもよい。
(変形例1)
上述した実施形態のサービス管理システム1では、メールサービスの過去の利用実績として、メールサービスの利用開始日又は同期処理を行った時、利用開始日又は同期処理を行った日時からの経過期間等の、時間に関する利用実績に基づいて、メールサービスの利用状況を提示していた。これに代えて、サービス管理システム1では、ユーザ端末20の位置に関する利用実績に基づいて、メールサービスの利用状況を提示してもよい。
【0051】
図15は、この変形例の利用管理テーブル131の構成を示す図である。図15に示すように、利用管理テーブル131は、「ユーザID」と、「端末ID」と、「端末種別」と、「利用開始日」と、「最終同期日時」と、「有無情報」と、「サービス開始場所」と、「最終同期場所」いう各情報を対応付けたデータテーブルである。
「ユーザID」、「端末ID」、「端末種別」、「利用開始日」及び「最終同期日時」の各情報、及びそれらを用いたメールサービスの利用状況の提示については、上述した実施形態と同じでよいから、ここではその説明を省略する。利用管理テーブル131の「サービス開始場所」のフィールドには、このフィールドに対応付けられた端末IDが示すユーザ端末20において、メールサービスの利用が開始された場所が、サービス開始場所として書き込まれる。利用管理テーブル131の「最終同期場所」のフィールドには、このフィールドに対応付けられた端末IDが示すユーザ端末20において、自端末内のサービスデータをサービスデータDB132のデータと同期させた最新の場所が、最終同期場所として書き込まれる。サービス開始場所及び最終同期場所は、ここでは場所の名称を表すが、例えば緯度経度の情報や基地局測位の結果等の、端末位置を特定可能な情報であればよい。
【0052】
サービス管理システム1において、サービス開始場所や最終同期場所についての情報を提示するための動作については、上述した実施形態の利用状況データに、サービス開始場所や最終同期場所の情報を含めることによって実現することができる。また、サービス開始場所及び最終同期場所の各情報は、ユーザ端末20におけるサービスの利用状況に応じて、サービス管理サーバ10により適宜書き換えられる。
【0053】
(表示例1)サービス開始場所
ユーザ端末20は、サービス開始場所を提示する場合、図16(a)に示すようにして、サービスの利用状況を提示する。図16(a)に示すサービス利用画面SC7には、サービス開始場所を示す文字列が含まれる。ユーザ端末20は、利用管理テーブル131に格納された「サービス開始場所」の情報に基づいて、サービス開始場所を表示する。このサービス開始場所を見たユーザは、各ユーザ端末20について、どの場所でメールサービスの利用を開始したかを把握することができる。
なお、種別画像及び付加画像の意味は、上述した実施形態と同じであるから、ここではその説明を省略する。
【0054】
(表示例2)最終同期場所
図16(b)は、表示例2のサービス利用画面SC8を示す図である。この表示例2では、表示例1のサービス開始場所に代えて、最終同期場所がサービス利用画面SC8に含まれる。ユーザ端末20は、利用管理テーブル131に格納された「最終同期場所」の情報に基づいて、最終同期場所を表示する。この最終同期場所を見たユーザは、各ユーザ端末20において最後の同期処理が行われた場所を把握することができる。これにより、例えば、ユーザがユーザ端末20を紛失した場合には、この最終同期場所の情報を、ユーザ端末20の発見に役立てることができる。
【0055】
以上のとおり、ユーザ端末20は、サービスの過去の利用実績として様々な情報を提示することができる。利用実績は、サービスの過去の利用実績であれば、前掲以外の情報であってもよい。例えば、上述した実施形態で日時で表していた情報が、日にちのみで表されてもよいし、上述した実施形態で日にちで表していた情報が、日時で表されてもよい。要するに、ユーザ端末20は、サービスについての特定の処理が行われた時からの経過期間、又は、その処理が行われた時を示す情報を提示すればよい。この特定の処理は、同期処理に限らず、メールの最新の受信時や送信時、設定変更時等、メールサービスについてのどのような処理であってもよい。
【0056】
(変形例2)
上述した実施形態では、ユーザ端末20は、ユーザアカウントを共有する自端末及び他端末についての利用状況データに基づいて、メールサービスの利用状況を提示していた。これに代えて、ユーザ端末20は、自端末とユーザアカウントを共有する他端末についての利用状況データに基づいてメールサービスの利用状況を提示し、自端末についてはメールサービスの利用状況を提示しないようにしてもよい。
【0057】
(変形例3)
ユーザ端末20は、2つ以上のユーザ端末20についてメールサービスの利用状況を提示する場合に、これらの2つ以上のユーザ端末20の属性又は利用実績に応じた表示態様としてもよい。図17(a)に示すサービス利用画面SC9のように、ユーザ端末20の種別に応じた表示態様で提示する場合、ユーザ端末20は、発売時期が新しい順又は古い順となりように、他のユーザ端末20の種別画像を並べてもよい。ここにおいて、ユーザ端末20は、発売時期に代えて、ユーザが購入した時期等の他の時期を採用してもよい。また、ユーザ端末20は、機種について型番等を参照してもよいし、モデル名を参照してもよい。また、ユーザ端末20は、機種に代えて、インストールしてあるOSの発売時期やバージョンが新しい順又は古い順となるようにしてもよい。このように、ユーザ端末20は、ユーザ端末20の属性に従った表示態様で、メールサービスの利用状況を提示することができる。
【0058】
また、図17(b)に示すサービス利用画面SC10のように、ユーザ端末20が、メールサービスの過去の利用実績に応じた表示態様で、メールサービスの利用状況を提示する場合に、時を示す情報を提示するときには、その時が新しい順又は古い順となりように、各ユーザ端末20の種別画像を並べてメールサービスの利用状況を提示する。また、期間を提示する場合には、ユーザ端末20は、その期間が長い順又は短い順となりように、各ユーザ端末20の種別画像を並べてメールサービスの利用状況を提示してもよい。変形例1のように場所を提示するのであれば、ユーザ端末20は、自宅等の基準位置から近い順又は遠い順に、各ユーザ端末20の種別画像を並べてメールサービスの利用状況を提示してもよい。
【0059】
(変形例4)
ユーザ端末20は、メールサービスの過去の利用実績が特定条件を満たしたユーザ端末20について、メールサービスの利用を停止する旨を提示してもよい。図18は、サービス管理システム1におけるメールサービスの提供の手順を示すシーケンス図である。
ユーザ端末20は、他のユーザ端末20の利用実績を特定することができるので、例えば、最近あまり利用されていないユーザ端末20を特定することも可能である。そこで、ユーザ端末20は、ステップS1〜S5の処理の実行後、あまりメールサービスが利用されていない他のユーザ端末20があるかどうかを判断する(ステップS6)。ここでは、ユーザ端末20は、最終同期が行われた時からの経過期間が閾値以上となったユーザ端末20がある場合には、そのユーザ端末20が最近あまり利用されていないと判断する。ユーザ端末20は、ステップS6の処理で、メールサービスがあまり利用されていないユーザ端末20があると判断した場合には(ステップS6;YES)、メールサービスの利用を停止する旨をサービス利用画面において提示する(ステップS7)。ここでは、図19(a)に示すサービス利用画面SC11のように、「最終同期から時間が経っています。サービスを停止してみてはどうですか?」というメッセージが表示される。これを見たユーザは、長期間に亘って放置されているユーザ端末20をメールサービスからログアウトさせて、端末の紛失による不正利用の発生を防止することができる。
【0060】
なお、この変形例において、メールサービスの利用を停止する旨を提示することに代えて、図19(b)に示すサービス利用画面SC12のように、ユーザ端末20は、すぐに同期処理を行うようにユーザに促す旨を提示してもよい。ユーザ端末20は、ステップS7の処理で表示するメッセージを変えることで、サービス利用画面SC12を表示することができる。
また、サービス管理システム1において、上述した送信例1,2に従って利用状況データが送信される場合にも、この変形例の構成を適用可能である。
【0061】
(変形例5)
サービス管理サーバ10がユーザ端末20に提供するサービスは、メールサービスに限らない。サービス管理サーバ10がユーザ端末20に提供するサービスは、電子メール以外のデータの記憶領域を提供する、クラウドストレージに関するサービス(例えば、電話帳サービス)であってもよい。電話帳サービスは、電話帳データを用いた処理を伴うサービスである。電話帳サービスは、例えば、ユーザ端末20からの要求に応じて、同一ユーザによって所有される複数のユーザ端末20に対し、電話帳データの内容を参照させたり、電話帳データに含まれる連絡先情報を用いて電子メールを作成させたり電話を掛けさせたりすることのできるサービスを含む。この場合、図20に示すように、ユーザ端末20は、電話帳サービスについてのサービス利用画面の表示時に、サービスを利用中のユーザ端末20の情報や、このユーザ端末20におけるサービスの過去の利用実績に基づく情報を提示すればよい。すなわち、ユーザ端末20が2つ以上のサービスを利用する場合にも、サービスの種類毎に分類して、利用状況を提示することが望ましい。その際、ユーザの切り換え操作に応じて、どの種類のサービスの利用状況を提示するかを決めてもよい。また、サービス管理サーバ10は、サービスの種類毎に分類しないで、他のユーザ端末20で何らかのサービスを利用されていれば、その旨や利用実績の情報を提示してもよい。
【0062】
また、サービス管理サーバ10は、クラウドストレージに関するサービスではなく、音楽や映像、広告等のコンテンツを配信するサービス等の、複数のユーザ端末20同士でユーザアカウントを共有する他のサービスを提供してもよい。また、サービス管理サーバ10は、複数のユーザ端末20同士で情報を共有するサービスではない、他のサービスを提供してもよい。サービス管理サーバ10は、同一ユーザによって所有される複数のユーザ端末20に対してユーザアカウントを共有させるサービスを、通信を用いて提供し、そのサービスについてのデータを各ユーザ端末20に送信したり、各ユーザ端末20から受信したりする。また、本発明のサービスは、アプリケーションの実行により利用可能になるものに限らない。
【0063】
(変形例6)
サービス管理サーバ10に登録される複数のユーザ端末20は、同一ユーザによって所有されるものでなくてもよい。例えば、サービス管理システム1において、ユーザの識別機能を持つユーザIDに代えて、ユーザ属性を示す属性情報を用いてもよい。このユーザ属性は、例えば、ユーザ同士の人間関係(例えば、同じ加入契約者、家族や同じ学校の生徒、会社の同僚等)を表す情報を用いて既定される。
以上のとおり、サービス管理サーバ10は、ユーザアカウントを他人同士で共用しても差し支えないサービスデータを扱う場合には、異なるユーザ同士でユーザアカウントを共用してサービスを提供してもよい。
【0064】
(変形例7)
上記実施形態で、画像を用いて利用状況を提示していた構成は、文字(文字列)を用いた提示する構成に置き換えられてもよいし、音声出力する構成に置き換えられてもよい。
また、サービス管理システム1において、サービスの過去の利用実績の情報を提示しないようにしてもよい。
【0065】
(変形例8)
上述した実施形態において、サービス管理サーバ10が利用管理テーブル131の管理と、サービスデータDB132に基づくサービスの管理との双方を行っていたが、これらの管理を別個のサーバ装置が行うようにしてもよい。この場合、サービスサーバが、管理装置に問い合わせて、利用管理テーブル131に基づくサービスの利用状況を提示するための処理を行えばよい。
上述した実施形態において、サービス管理サーバ10の制御部11やユーザ端末20の制御部21が実現する各機能は、複数のプログラムの組み合わせによって実現され、又は、複数のハードウェア資源の連係によって実現されうる。
また、本発明は、コンピュータや制御部11、制御部21が実行するプログラムや、サービス利用端末での情報提示方法として把握することも可能である。
【符号の説明】
【0066】
1…サービス管理システム、10…サービス管理サーバ、11…制御部、111…送信制御部、112…サービス管理部、12…通信部、13…記憶部、131…利用管理テーブル、132…サービスデータDB、20,20a,20b,20c,20d…ユーザ端末、21…制御部、211…取得部、212…提示部、213…処理実行部、22…操作入力部、23…通信部、24…表示部、25…記憶部、251…メールアプリ、252…サービスデータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
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図20