【実施例】
【0035】
<構成>以下、構成について説明する。
【0036】
図1、
図2に示すように、自動車などの車両1には、車室2内の温度調節を行うための空気調和装置(以下、空調装置3という)が設けられている。
【0037】
この空調装置3は、車室2の前部に設置された空調ユニット4(併せて
図3〜
図5参照)と、この空調ユニット4から車室2の各部に設けられた吹出口5に対して空調用空気6を送給する空調ダクト7とを備えている。
【0038】
上記した空調ユニット4は、
図6、
図7に示すように、空気入口部8および空気出口部9を有する中空の空調ケース11を備えている。
【0039】
そして、
図8に示すように、中空の空調ケース11の内部には、上記した空気入口部8と空気出口部9との間に、風上側から順に、ブロワ12(送風機)と、エバポレータ13(冷却用熱交換器)と、ヒータコア14(加熱用熱交換器)とが設置されている。そして、エバポレータ13の風下側は、仕切部15によって温風通路16とバイパス通路17(またはバイパス部)とに分けられており、ヒータコア14は、温風通路16の内部に設けられている。
【0040】
そして、エバポレータ13とヒータコア14との間には、エバポレータ13を通過した空調用空気6を温風通路16とバイパス通路17とに対して分配可能なミックスドア18(温冷分配装置)が設けられている。
【0041】
また、温風通路16とバイパス通路17との出側には、温風通路16およびバイパス通路17を通ってきた空調用空気6を混合可能なミックス室19が設けられている。
【0042】
そして、上記した空気出口部9は、このミックス室19に対して複数設けられている。これらの空気出口部9には、
図6、
図7に示すように、窓曇防止用にフロントウインドウガラスへ向けて空調用空気6を供給するためのデフ開口22や、乗員の上半身(胸元など)へ向けて空調用空気6を供給するためのベント開口(中央のセンターベント開口24および側部のサイドベント開口25)や、乗員の下半身(足元など)へ向けて空調用空気6を供給するためのフット開口26(
図8参照)などが存在している。このうち、デフ開口22およびベント開口(センターベント開口24およびサイドベント開口25)は、空調ケース11の上部に設置され、フット開口26は、空調ケース11の中間部またはそれよりも下側の部分に設置されている。
【0043】
更に、これらのデフ開口22や、ベント開口(センターベント開口24およびサイドベント開口25)や、フット開口26などの各空気出口部9には、上記した空調ダクト7がそれぞれ接続されると共に、各空気出口部9の内部には、これらの開閉などを切替えるためのモードドアが設けられている。このモードドアには、デフ開口22を開閉するためのデフドア32と、センターベント開口24を開閉するためのセンターベントドア34と、サイドベント開口25を開閉するためのサイドベントドア35と、フット開口26を開閉するためのフットドア36(
図8参照)とが存在している。
【0044】
また、上記した空調ダクト7には、
図3〜
図5に示すように、デフ開口22に接続されるデフダクト42や、ベント開口(センターベント開口24およびサイドベント開口25)に接続されるベントダクト(センタベントダクトおよびサイドベントダクト45)や、フット開口26に接続されるフットダクト46(
図8参照)などが存在している。
【0045】
そして、以上のような構成に対し、この実施例のものでは、以下のような構成を備えている。
【0046】
(構成1)回転軸51
まず、
図9、
図10に示すように、センターベントドア34とサイドベントドア35とデフドア32とが、共通の回転軸51に対して一体に回動可能に取付固定されるようにする。
【0047】
そして、
図11に示すように、センターベントドア34とサイドベントドア35との開閉動作が同じとなり、デフドア32の開閉動作が、センターベントドア34およびサイドベントドア35とは逆となるよう、共通の回転軸51に対する取付角度が設定される。
【0048】
(補足説明1)
ここで、センターベントドア34とサイドベントドア35とデフドア32と回転軸51とは、一体成形によって構成することができる(一体型モードドア)。
【0049】
なお、回転軸51は、必ずしもセンターベントドア34とサイドベントドア35とデフドア32とを連結する連続した軸部を形成している必要はなく、実質的に回転軸51として機能すればどのようなものであっても良い。
【0050】
また、開閉動作が同じとは、センターベントドア34とサイドベントドア35とが、それぞれセンターベント開口24とサイドベント開口25とに対して同時に開となり、また、同時に閉となることである。
【0051】
そして、開閉動作が逆とは、センターベントドア34およびサイドベントドア35がセンターベント開口24およびサイドベント開口25に対して開となる時にデフドア32がデフ開口22に対して閉となり、センターベントドア34およびサイドベントドア35がセンターベント開口24およびサイドベント開口25に対して閉となる時にデフドア32がデフ開口22に対して開となることである。
【0052】
そのために、デフドア32は、センターベントドア34およびサイドベントドア35に対し、これらの開閉に必要な回動角度(開閉角度)分だけ角度をズラして設置される。
【0053】
(構成2)
上記において、
図9〜
図11に示すように、センターベントドア34とサイドベントドア35とが、回転軸51の同一周上に異なる角度を有して配置されるようにする。
【0054】
また、デフドア32が、センターベントドア34およびサイドベントドア35に対し隣接させて配置されるようにする。
【0055】
(補足説明2)
この場合、センターベントドア34とサイドベントドア35とは、回転軸51の両端部に対して(運転席側用および助手席側用として)左右一対設置される。また、デフドア32は、回転軸51の中央部に、左右一対のセンターベントドア34およびサイドベントドア35に挟まれるように設置される。
【0056】
これに対し、
図6、
図7に示すように、センターベント開口24とサイドベント開口25とは、空調ケース11の後面側と上面側とにそれぞれ分けて設置される。そして、センターベント開口24に対し、センターベントドア34は、内側から開閉するように設けられる。また、サイドベント開口25に対し、サイドベントドア35は、外側から開閉するように設けられる。
【0057】
一方、デフ開口22は、空調ケース11の上面側に設置される。この場合、デフ開口22に対し、センターベントドア34は、内側から開閉するように設けられる。
【0058】
(構成3)
上記において、
図11に示すように、デフドア32が、開時に空調用空気6の流れに沿った向きとなるように、共通の回転軸51の回動方向に対する取付角度が設定される。
【0059】
(補足説明3)
ここで、空調用空気6の流れとは、ミックス室19からデフ開口22へ向かう空調用空気6の流動方向のことである。
【0060】
空調用空気6の流れに沿ってとは、空調用空気6の流れと平行な状態と、平行な状態から両側に若干ズレた状態(0°〜±10°程度)とが含まれる。
【0061】
より具体的には、デフドア32は、開時にほぼ鉛直方向、或いは、ほぼ上下方向へ向くように設置される。
【0062】
そして、上記したように、センターベント開口24は、空調ケース11上部の後面側にほぼ後方へ向けて形成されている。よって、センターベントドア34は、閉時にほぼ上下方向へ向くよう配置される(但し、0°〜30°程度以下の傾斜であれば許容できる)。
【0063】
また、サイドベント開口25は、空調ケース11の上面側にほぼ上方へ向けて形成されている。よって、サイドベントドア35は、閉時にほぼ水平方向へ向くよう配置される(但し、0°〜30°程度以下の傾斜であれ許容できる)。
【0064】
更に、デフ開口22は、空調ケース11の上面側にほぼ上方へ向けて形成されている(但し、0°〜30°程度以下の傾斜であれば許容できる)。
【0065】
この際、上記したように、デフ開口22は、サイドベント開口25に対し、サイドベントドア35の開閉角度分だけ傾斜された状態となるように形成される。その結果、デフドア32は、センターベントドア34とサイドベントドア35との中間の角度で、且つ、サイドベントドア35に対し、開閉角度分だけセンターベントドア34側(反時計回りの方向)へ位相をズラせた状態で設置されている。
【0066】
その上で更に、デフドア32が、開時にほぼ鉛直方向あるいはほぼ上下方向へ向くように、各モードアや各空気出口部9の向きを調整することにより、上記したような構成とすることが可能となる。
【0067】
(構成4)
上記において、デフドア32が、開時に空調用空気6の流れと平行な方向に対して、センターベントドア34を閉方向へ付勢可能な方向に僅かに傾斜されるようにしても良い(
図11中の仮想線参照)。
【0068】
(補足説明4)
この場合には、デフドア32は、上記したような、サイドベントドア35に対し開閉角度分だけセンターベントドア34側(反時計回りの方向)へ位相をズラせた状態から、更に1〜10°程度センターベントドア34側へ位相をズラした位置に配置されるようにする。なお、デフ開口22もデフドア32に合わせて設置角度を調整される。
【0069】
なお、サイドベントドア35については、
図9に示すように、窓曇り防止用に僅かな空調用空気6が常時通過可能となるように、予め小開口部35aが形成されているため、特に高いシール性は必要とされない。
【0070】
(構成5)
上記において、
図11に示すように、デフドア32が、回転軸51の半径方向へオフセットした状態で設置されるようにしても良い(オフセットデフドア、オフセット量32a)。
【0071】
(補足説明5)
ここで、上記したデフドア32は、オフセット用アーム32bを介してオフセット配置される。このオフセット用アーム32bは、例えば、デフドア32の両側部に一対設けられる。この場合、デフドア32は、閉状態でほぼ上方または前斜め上方へオフセットされる。
【0072】
一方、センターベントドア34およびサイドベントドア35は、回転軸51に対し、半径方向へ向けて延びるように設置される。
【0073】
(構成6)
上記において、デフドア32が、回動方向の閉側に曲線状部61を有すると共に、回動方向の開側に直線状部62を有するものとしても良い(非平面状デフドア)。
【0074】
(補足説明6)
ここで、上記した曲線状部61は、回転軸51と同心の円弧状のもの、または、上記円弧に近似した形状のもの(例えば、自由曲線や複数の直線によって近似したもの)などとすることができる。
【0075】
また、上記した直線状部62は、曲線状部61の開側端部からほぼ接線方向へ延びるもの、または、上記接線方向から若干ズレた方向へ延びるものとするのが好ましい。
【0076】
(構成7)
上記において、
図9に示すように、回転軸51が、デフドア32の部分で他の部分よりも小径化されるか、または、少なくとも部分的に削除されるようしても良い(小径軸部51a)。
【0077】
(補足説明7)
ここで、上記した回転軸51を部分的に小径化したり部分的に削除したりすることによって、強度確保が必要となった場合には、例えば、上記したオフセット用アーム32bを肉厚にするなどの補強手段で対応することができる(肉厚アーム)。
【0078】
(構成8)
上記において、
図12に示すように、回転軸51が、デフドア32の部分で、曲線状部61の両端部間を結ぶ線とほぼ平行な方向へ延びる細長形状となるようにしても良い(細長軸部51b)。
【0079】
(補足説明8)
ここで、曲線状部61の両端部間を結ぶ線と平行な方向には、若干の角度のズレが含まれる。
【0080】
細長軸部51bは、翼断面(
図12(a))や、長円形断面(
図12(b))や、楕円形断面(
図12(c))や、短冊状断面(
図12(d))などとすることができる(翼形状軸部、長円形軸部、楕円形軸部、短冊状軸部)。
【0081】
なお、細長軸部51bは、上記した小径軸部51aと組合わせることができる。
【0082】
(構成9)
上記において、
図13に示すように、回転軸51が、少なくともデフドア32の部分に、少なくとも空調用空気6の流動方向の下流側に開口する肉盗穴51cを有するものとしても良い(中空状軸部)。
【0083】
(補足説明9)
ここで、上記した肉盗穴51cは、回転軸51を貫通しない盲穴(
図13(a))や、回転軸51を貫通する貫通孔(
図13(b))などとすることができる。盲穴は、回転軸51の軸線方向に対して複数形成することができる。
【0084】
なお、肉盗穴51cは、可能であれば、上記した小径軸部51aや細長軸部51bと組合せることができる。
【0085】
<作用>以下、この実施例の作用について説明する。
【0086】
図5に示すように、上記した空調装置3は、ブロワ12を駆動することによって空気入口部8から空調ケース11の内部に取入れられた空気は、エバポレータ13で除湿されると共に冷却され、ミックスドア18で温風通路16とバイパス通路17とに分配される。
【0087】
温風通路16へ分配された空調用空気6は、ヒータコア14で加熱された後、ミックス室19へ送られる。また、バイパス通路17へ分配された空調用空気6は、そのままミックス室19へ送られてヒータコア14で加熱された空調用空気6と混合され、温度が調整される。そして、ミックス室19の温度調節された空調用空気6は、空気出口部9から空調ダクト7を通って車室2の各部に設けられた吹出口5から吹出される。
【0088】
この際、デフドア32によってデフ開口22を開くことにより、デフダクト42を介して、フロントウインドウガラスへ向け空調用空気6が吹出され、フロントウインドウガラスの窓曇りが防止される。
【0089】
また、センターベントドア34やサイドベントドア35によってベント開口(中央のセンターベント開口24および側部のサイドベント開口25)を開くことにより、ベントダクト(センタベントダクトおよびサイドベントダクト45)を介して、乗員の上半身(胸元など)へ向け空調用空気6が吹出される。
【0090】
そして、フットドア36によってフット開口26を開くことにより、フットダクト46を介して、乗員の下半身(足元など)へ向け空調用空気6が吹出される。
【0091】
より具体的には、この実施例の場合、
図8に示すように、ベント開口(中央のセンターベント開口24および側部のサイドベント開口25(図示せず))を全開にし、デフ開口22を全閉にし、フット開口26を全閉にすることにより、ベントモードになる。
【0092】
また、
図14に示すように、ベント開口(中央のセンターベント開口24および側部のサイドベント開口25(図示せず))を全開にし、デフ開口22を全閉にし、フット開口26を中間開度にすることにより、バイレベルモードになる。
【0093】
また、
図15に示すように、ベント開口(中央のセンターベント開口24および側部のサイドベント開口25(図示せず))を全閉にし、デフ開口22を全開にし、フット開口26を全開にすることにより、デフ・フット第1モードになる。
【0094】
また、
図16に示すように、ベント開口(中央のセンターベント開口24および側部のサイドベント開口25(図示せず))を全閉にし、デフ開口22を全開にし、フット開口26を中間開度にすることにより、デフ・フット第2モードになる。
【0095】
そして、
図17に示すように、ベント開口(中央のセンターベント開口24および側部のサイドベント開口25(図示せず))を全閉にし、デフ開口22を全開にし、フット開口26を全閉にすることにより、デフモードになる。
【0096】
<効果>この実施例によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0097】
(効果1)
センターベントドア34とサイドベントドア35とデフドア32とが、共通の回転軸51に対して一体に回動可能に取付固定されることにより、回転軸51を1本化することができるようになり、軸構造の集約化やモードドアの部品点数削減などを図ることが可能となる。
【0098】
また、これによって、回転軸51の駆動構造を集約して大幅に簡略化することができるようになり、空調ケース11内外に対する回転軸51および駆動構造の取付スペースの削減や、駆動構造の部品点数およびコストの削減や、駆動構造に対する制御機構の簡略化などを得ることができる。以って、空調ユニット4を大幅に小型化および低価格化することが可能となる。
【0099】
更に、センターベントドア34とサイドベントドア35との開閉動作が同じとなり、デフドア32の開閉動作が、センターベントドア34およびサイドベントドア35とは逆となるよう、共通の回転軸51に対する取付角度が設定されたことにより、センターベントドア34とサイドベントドア35とを同時に開閉させつつ、デフドア32をセンターベントドア34およびサイドベントドア35とは逆作動させるようにすることができる。これにより、空調ケース11からの空調用空気6の吹出モードの設定や変更を単純化して素早くモード変更を行なわせることが可能となる。
【0100】
(効果2)
センターベントドア34とサイドベントドア35とが、回転軸51の同一周上に異なる角度を有して配置されることにより、文字通り、センターベント開口24とサイドベント開口25とを軸方向の同一位置に配置することが可能となり、その分だけ回転軸51の軸長を短縮することができる。
【0101】
これにより、空調ケース11に対して、センターベント開口24とサイドベント開口25とを、幅方向の位置が同じとなるように配置することができるようになり、その分、空調ケース11の幅寸法を小さくして、空調ケース11の小型化を図ることが可能となる。
【0102】
そして、センターベント開口24とサイドベント開口25とは、空調ケース11に対して角度を有して設置されることになるが、センターベント開口24とサイドベント開口25とを、空調ケース11の後面側と上面側とにそれぞれ分けて設置することにより、空調ケース11の車両1前後方向に対する寸法(前後寸法)を小さくして、空調ケース11の更なる小型化を図ることが可能となる。
【0103】
また、デフドア32が、センターベントドア34およびサイドベントドア35に対して隣接配置されることにより、デフドア32を回転軸51の中間位置に効率良く設置することが可能となる。
【0104】
(効果3)
デフドア32が、開時に空調用空気6の流れにほぼ沿った向きとなることにより、デフ開口22を通過する際に空調用空気6に与える抵抗を減らして、空調用空気6の流れを妨げないようにすることができる。以って、送風効率を上げて、デフ開口22を通過した空調用空気6による窓曇防止効果を向上することができる。
【0105】
(効果4)
デフドア32が、開時に空調用空気6の流れと平行な方向に対し、センターベントドア34を閉方向へ付勢可能な方向に僅かに傾斜されることにより、空調用空気6がデフドア32を通る際に、デフドア32を介してセンターベントドア34を閉付勢するので、センターベント開口24に対するシール性を向上することができる。
【0106】
(効果5)
デフドア32を回転軸51の半径方向へオフセットさせることにより、デフドア32をセンターベントドア34やサイドベントドア35から離して設けることが可能となる。これにより、センターベントドア34とサイドベントドア35とデフドア32とを同一回転軸51上に一体に設ける場合に、センターベントドア34とサイドベントドア35とが成す角の中間位置にデフドア32を配置する必要をなくすことができるので、各ドアの開閉角度を確保し易くすることができる。また、デフドア32によって開閉されるデフ開口22を、センターベント開口24やサイドベント開口25から切離して設けることができるようになり、各開口や空調ケース11に対する設計自由度を向上することが可能となる。これにより、空調ケース11に対して、センターベント開口24とサイドベント開口25とデフ開口22とを形成し易くすることができる。
【0107】
更に、デフドア32を回転軸51の半径方向へオフセットさせることにより、デフ開口22の開時に、オフセット分だけデフドア32がデフ開口22の中間寄りの位置に配置されるようにすることができる。これにより、デフ開口22を空調用空気6が効率的に通過し得るよう、デフドア32によって空調用空気6を配分させることができる。
【0108】
(効果6)
デフドア32が、回動方向の閉側に曲線状部61を有すると共に、回動方向の開側に直線状部62を有することにより、曲線状部61によってデフドア32がデフ開口22と干渉するのを防止することができるので、デフ開口22を回動方向の閉側(曲線状部61の側)へ拡大することが可能となり、その分だけデフ開口22を大きく拡げることができる。
【0109】
また、デフ開口22を回動方向の閉側へ拡大することにより、デフ開口22の開時に、曲線状部61の分だけデフドア32をデフ開口22の中間寄りの位置に配置させることができる。これによって、デフ開口22を空調用空気6がより効率的に通過し得るよう、デフドア32による空調用空気6の配分を調整することができる。
【0110】
(効果7)
回転軸51が、デフドア32の部分で他の部分よりも小径化されるか、または、少なくとも部分的に削除されたことにより、空調用空気6の流路面積を拡大することができると共に、回転軸51による流路抵抗の軽減や風切音防止や軽量化などを図ることが可能となる。
【0111】
なお、回転軸51をデフドア32の部分で小径化したり削除したりした場合でも、オフセット用アーム32bを介してデフドア32に回転力を伝えることやオフセット用アーム32bで強度確保することができるので支障はない。
【0112】
(効果8)
回転軸51が、曲線状部61の両端部間を結ぶ線と平行な方向へ延びる細長形状を有することにより、空調用空気6の流路面積を拡大すると共に、空調用空気6を整流することができるようになるので、回転軸51による流路抵抗の軽減や風切音防止や軽量化などを図ることが可能となる。
【0113】
(効果9)
回転軸51が、少なくともデフドア32の部分に、少なくとも空調用空気6の流動方向の下流側に開口する肉盗穴51cを有することにより、回転軸51の軽量化を図ることができる。更に、肉盗穴51cを、回転軸51を貫通する抜孔とすることにより、空調用空気6の流路面積の拡大を図ることができる。
【0114】
(効果10)
上記した空調ユニット用ドア構造を空調ユニット4に備えることにより、上記と同様の作用効果を有する空調ユニット4を得ることができる。
【0115】
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、複数の実施例や変形例が示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。更に、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。