【文献】
「日置電機、金属非接触で電力測定するパワーロガー発売」,日刊自動車新聞,2014年 4月16日,URL,http://web.archive.org/web/20140417023210/http://www.njd.jp/product/dt/6406/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ガード電極を内在させたそれぞれの先端部側を測定対象部材である被覆ケーブルへの狭着が可能な挟持片部とし、それぞれの後端部側を開操作片部として相互を略中央部位置にて回動自在に連結する支軸にばね材を介装させて前記挟持片部相互を常閉方向へと付勢して一体的に対向配置される絶縁性樹脂材からなる一対のクリップ片からなり、いずれか一方の前記挟持片部の前記ガード電極の内側に静電誘導により電荷を検知する検知子を引出しコード側に電気的に接続させて配置してなるクリップにおいて、
前記検知子を備える前記挟持片部には、その閉止時に他方の前記挟持片部の先端面側を覆うように回り込ませた湾曲延伸部と、該湾曲延伸部の延伸方向に沿わせて内在させた延長ガード部を有する前記ガード電極とを具備させたことを特徴とするクリップ。
前記検知子を備えない側の前記挟持片部は、その開操作片部側の横幅よりも横幅を広幅に形成するとともに、前記ガード電極もそれだけ広くして内在させた請求項2ないし4のいずれかに記載のクリップ。
【背景技術】
【0002】
測定現場に持ち込んで電気的な測定作業を行う際に用いられる現場測定器としては、その目的に応じて用意されるテスタ、絶縁抵抗計、接地抵抗計、検相器、検電器、クランプ電流計などがある。
【0003】
これらのうち、検相器や検電器などの静電誘導検出器は、検査対象である帯電体としての交流電路から静電誘導により電荷を検出するためのセンサ電極が検知子として配設されており、特に、検相器については、電動機、発電機、継電器などの三相機器を操作したり設置する際における交流三相回路の相順(相回転)を表示する検出器として用いられている。
【0004】
すなわち、例えばファンやポンプの三相誘電電動機を運転する場合には、予め検相器を用いて交流三相回路の相順を検知し、正しい接続が行われいるか否かを予め知っておくことで逆回転による障害を事前に予防することができる。
【0005】
この場合、検相器による交流三相回路の相順は、3本で構成される各被覆ケーブルに対し、例えば特許文献1の
図6に示されているような構造を備えるクリップを狭着させることで必要なデータを取り込むことができるようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、通常、測定現場における測定対象部材としての被覆ケーブルの近傍位置には、今回の測定対象部材とは異なる他の被覆ケーブルも隣り合って存在しているにも拘わらず、
図9に示すような構造を備えるクリップ1による場合には、隣り合う他の被覆ケーブル側からの電気的な影響を阻止するためのガード電極を備えていないため、その影響が検知子6側にまで回り込んでしまい、測定値に誤差が生じてしまうという不都合があった。
【0010】
本発明は、上記した従来技術の課題に鑑み、今回の測定対象部材として特定される被覆ケーブルを測定する際に他の被覆ケーブルからの電気的な影響を受けづらくすることで測定誤差が生じないようにしたクリップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記目的を達成すべくなされたものであり、ガード電極を内在させたそれぞれの先端部側を被測定対象部材である被覆ケーブルへの狭着が可能な挟持片部とし、それぞれの後端部側を開操作片部として相互を略中央部位置にて回動自在に連結する支軸にばね材を介装させて前記挟持片部相互を常閉方向へと付勢して一体的に対向配置される絶縁性樹脂材からなる一対のクリップ片からなり、少なくとも一方の前記挟持片部の前記ガード電極の内側に静電誘導により電荷を検知する検知子を引出しコード側に電気的に接続させて配置してなるクリップにおいて、前記検知子を備える前記挟持片部には、その閉止時に他方の前記挟持片部の先端面側を覆うように回り込ませた湾曲延伸部と、該湾曲延伸部の延伸方向に沿わせて内在させた延長ガード部を有する前記ガード電極とを具備させたことを最も主要な特徴とする。
【0012】
この場合、前記湾曲延伸部を含む前記挟持片部には、他方の前記挟持片部の横幅よりもその横幅を広く張り出させた拡幅部を具備させておくことができる。この場合、前記ガード電極には、前記拡幅部に内在させた拡張ガード部を具備させるのが望ましい。
【0013】
また、前記湾曲延伸部を含む前記挟持片部は、その外表面の長さ方向に沿わせて突設された一列以上の隆起部を具備させておくこともできる。
【0014】
さらに、前記検知子を備えない側の前記挟持片部は、その開操作片部側の横幅よりも横幅を広幅に形成するとともに、前記ガード電極もそれだけ広くして内在させることもできる。この場合、前記挟持片部は、その横幅を前記検知子を備える側の前記挟持片部の横幅と同等長としてもよい。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、今回の測定対象部材である被覆ケーブルにクリップを狭着させた際には、湾曲延伸部を含む挟持片部と延長ガード部を含むガード電極とでその回りを略円形状に囲うように配置することができるので、延長ガード部を含むガード電極により検知子側が電気的に露出する状態となることを抑えることで、該検知子への電気的な外乱の到達を小さくして測定誤差の発生要因をそれだけ少なくすることができる。
【0016】
また、この場合、湾曲延伸部を含む挟持片部は、測定対象部材以外の被覆ケーブルがクリップの先端方向から検知子に接近するのを阻止する障害物として機能させることもできるので、測定対象部材以外の被覆ケーブルを検知子側から物理的に引き離すことで、電気的な外乱による影響をそれだけ受けづらくすることができる。
【0017】
請求項2の発明によれば、湾曲延伸部を含む挟持片部は、他方の挟持片部の横幅よりもその横幅を広く張り出させた拡幅部を備えているので、該拡幅部を狭着時にクリップの両側面方向から接近しようとする測定対象部材以外の被覆ケーブルの障害物として機能させることで、該被覆ケーブルがクリップの側面方向から検知子に近づくのを物理的に阻止して引き離すことができ、検知子がクリップの側面方向から受けがちな電気的な外乱による影響をそれだけ低く抑えることができる。また、湾曲延伸部を含む挟持片部に拡幅部を具備させることにより、測定対象部材に対する接触面積をそれだけ増やすことができるので、より安定した状態のもとでクリップを狭着させることができる。
【0018】
請求項3の発明によれば、ガード電極は、拡幅部に内在させた拡張ガード部も備えているので、それだけガード面積を広く確保することができる結果、検知子への電気的な外乱の到達を小さくして測定誤差の発生要因をより効果的に少なくすることができる。
【0019】
請求項4の発明によれば、湾曲延伸部を含む挟持片部は、その外表面の長さ方向に隆起部を備えているので、該外表面方向から接近しようとする測定対象部材以外の被覆ケーブルの障害物として機能させることで、該被覆ケーブルが検知子を備える挟持片部の外表面方向から近づくのを物理的に阻止して引き離すことができ、検知子が挟持片部の外表面方向から受けがちな電気的な外乱による影響をそれだけ低く抑えることができる。
【0020】
請求項5の発明によれば、検知子を備えない側の挟持片部は、開操作片部側の横幅よりも横幅を広幅に形成し、かつ、ガード電極もそれだけ広く内在させて形成されているので、ガード電極によるガード面積を広く確保することで外乱による影響をそれだけ少なくすることができる。
【0021】
また、検知子を備えない側の挟持片部の横幅を開操作片部側の横幅よりも広幅に形成することで、測定対象部材である被覆ケーブルに対し広く面接触させた状態のもとでクリップを狭着させることができる結果、衝撃や荷重を受けた際に脱落しにくくすることで、より安定した狭着状態を確保することができる。
【0022】
請求項6の発明によれば、検知子を備えない側の挟持片部は、その横幅を検知子を備える側の挟持片部の横幅と同等長にして形成されているので、請求項5の発明が奏する上記効果に加えて、クリップの全体に対し堅牢性に富むより安定した外観印象を付与することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を第1の例〜第4の例との関係で具体的に説明する。まず、
図1および
図2によれば、本発明の第1の例のクリップ11は、ガード電極14,24を内在させたそれぞれの先端部側を測定対象部材である被覆ケーブルAへの狭着が可能な挟持片部13,23とし、それぞれの後端部側を開操作片部15,25として相互を略中央部位置にて回動自在に連結する支軸20にばね材(図示省略)を介装させて挟持片部13,23相互を常閉方向へと付勢して一体的に対向配置される絶縁性樹脂材からなる一対のクリップ片12,22により構成されている。
【0025】
この場合、一方のクリップ片12と他方のクリップ片22とは、いずれも縦方向に二つ割されて形成されており、それぞれを対面合致させて一体化した際に内部に空間部(
図2では、下側に位置する他方のクリップ片22に空間部31として示されている。)を確保することができるようにして形成されている。
【0026】
また、
図1において上側に位置する一方のクリップ片12は、挟持片部13側の空間部内にガード電極14を内在させて形成されており、障壁部19の前側近傍位置である略中央部に位置する両側面に対向配置された軸支孔16を備えているほか、挟持片部13において他方のクリップ片22の挟持片部23との対向面であるやや凹陥された面に鋸歯状に設けられた歯部17と、開操作片部15における手指接触面側に設けられた複数列の段部18とを備えて形成されている。
【0027】
一方、
図1において下側に位置する他方のクリップ片22は、挟持片部23側に位置する空間部31内にガード電極24を内在させて形成されているほか、障壁部29の前側近傍位置である略中央部に位置する両側面に対向配置された一対の軸受け部26を備えている。そして、各軸受け部26は、他方のクリップ片12と組み合わされた際にその軸支孔16と対面する位置に設けられた通孔(図示省略)を備えている。
【0028】
また、他方のクリップ片22は、その挟持片部23において一方のクリップ片12の挟持片部13との対向面であるやや凹陥された面に鋸歯状に設けられた歯部27と、開操作片部25における手指接触面側に設けられた複数列の段部28とを備えて形成されている。
【0029】
このため、一対のクリップ片12,22は、挟持片部13,23相互が常閉方向へと付勢された状態のもとで支軸20を介して一体的に組み合わせることでクリップ11として用いることができるようになっている。
【0030】
また、クリップ11における少なくとも他方のクリップ片、図示例では下側に位置するクリップ片22は、挟持片部23内のガード電極24の内側に静電誘導により電荷を検知する検知子30が、該検知子30を搭載する基板50を介して引出しコード51側と電気的に接続されるように配置することで構成されている。
【0031】
しかも、クリップ片22における挟持片部23は、その閉止時に図示例では上側に位置する一方のクリップ片12における挟持片部13の先端面13a側を覆うように回り込ませてなる湾曲延伸部33を備えている。
【0032】
すなわち、該湾曲延伸部33は、
図1からも明らかなように、一方のクリップ片12における挟持片部13の先端面13aから突出するように挟持片部23側から延伸され、かつ、その延伸部分を先端面13a側に湾曲させることで、あたかも受け口のような外観を呈する形状のもとで形成されている。
【0033】
しかも、挟持片部23が備えるガード電極24は、湾曲延伸部33の延伸方向に沿わせて内在させた延長ガード部24aを備えて形成されている。なお、ガード電極14,24については、導電性フィルム状金属材、導電性スポンジ材、導電性プラスチック材など、薄板状に形成された導電性のある適宜の部材により形成されているものを用いることができる。また、ガード電極14,24は、例えば直方体形状を呈するスポンジ材のようなクッション素材を空間部(例えば
図2に示す空間部31)内に押し込んで内在させるようにしてもよい。
【0034】
図3および
図4は、本発明の第2の例のクリップ11を示すものである。なお、第2の例のクリップ11は、
図1に示す本発明の第1の例のクリップ11と、他方のクリップ片22における挟持片部23が備える湾曲延伸部33の具体的な構成を異にするのみであるから、構成上の相違点を説明するにとどめ、同一の構成のそれぞれの対応部位には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0035】
すなわち、本発明の第2の例のクリップ片11が備える湾曲延伸部33を含む挟持片部23は、一方のクリップ片12における挟持片部13が備える歯部17の基端17a側との対向面に位置する部位から左右方向に、一方の挟持片部13の横幅よりも広くなるように扇状に張り出させた拡幅部34,34を備えて形成されている。
【0036】
そして、拡幅部34,34を含む湾曲延伸部33の全体は、一方のクリップ片12における挟持片部13の先端面13aから突出するように挟持片部23側から延伸され、かつ、その延伸部分を先端面13a側に湾曲させることで、あたかも幅広な受け口のような外観を呈する形状のもとで形成されている。
【0037】
しかも、この場合のガード電極24は、湾曲延伸部33における拡幅部34,34側にも拡張ガード部24bを内在させることで配置するのが望ましい。
【0038】
図5は、本発明の第2の例の変形例のクリップ11を示すものである。この例における湾曲延伸部33を含む挟持片部23は、一方のクリップ片12における挟持片部13が備える歯部17の基端17a側との対向面に位置する部位から左右方向に段差36を介して矩形状に張り出させることで、一方の挟持片部13の横幅から突出する拡幅部34,34を備えて形成されている。
【0039】
図6および
図7は、本発明の第3の例のクリップ11を示すものである。なお、第3の例のクリップ11は、
図1に示す第1の例および
図3に示す第2の例のクリップ11と、他方のクリップ片22における挟持片部23が備える湾曲延伸部33の具体的な構成を異にするのみであるから、構成上の相違点を説明するにとどめ、同一の構成のそれぞれの対応部位には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0040】
すなわち、
図6および
図7によれば、本発明の第3の例のクリップ11が備える湾曲延伸部33を含む挟持片部23は、その外表面23aの長さ方向での中央位置に該外表面23aから突出させた1列の隆起部35が突設されている。
【0041】
この場合、隆起部35は、湾曲延伸部33を含む挟持片部23の外表面23aの長さ方向に沿わせた両側縁側に各1列を突設したり、外表面23aの長さ方向に3列以上の複数列を突設したりすることもできる。
【0042】
図8は、本発明の第4の例のクリップ11を示すものである。なお、第4の例のクリップ11は、第2,3の例のクリップ11と、一方の、図示例では上側に位置しているクリップ片12における挟持片部13の具体的な構成を異にするのみであるから、構成上の相違点を説明するにとどめ、同一の構成のそれぞれの対応部位には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0043】
すなわち、クリップ片12における検知子30を備えない側の挟持片部13は、その開操作片部15側の横幅よりも横幅を広幅にして形成されている。この場合における挟持片部13は、検知子30を備える側の挟持片部23の横幅よりもやや狭幅に形成することもできるが、
図8に示されているように検知子30を備える側の挟持片部23の横幅と同等長にして形成するのが好ましい。
【0044】
次に、このようにして構成されている本発明のうち、まず、第1の例の作用・効果を説明すれば、不使用時におけるクリップ11は、一方のクリップ片12と他方のクリップ片22とが図示しないばね材により付勢されて、挟持片部13,23相互が例えば
図1に示されているように閉止された状態となっている。
【0045】
一方、使用に際しては、一方のクリップ片12の開操作片部15と他方のクリップ片22の開操作片部25とを作業者がばね材の付勢力に抗して押し込むことで、それぞれの挟持片部13,23を必要開度まで拡開させることができる。
【0046】
測定対象部材である被覆ケーブルAに対しては、このように挟持片部13,23を拡開させた状態のもとでその長さ方向と略直交する方向から挟持片部13,23を挟むように送り込んだ上で、開操作片部15,25に対する押し込み力を解除することで、挟持片部13,23を
図2に示すように被覆ケーブルAに狭着させることができる。なお、以上に述べた狭着操作処理は、本発明の第2〜第4の例においても同様なので、以下、重複説明を避ける意味でこれら第2〜第4の例の作用・効果を説明する際の説明内容からは割愛する。
【0047】
しかも、このとき、
図2では下側に位置している他方のクリップ片22における湾曲延伸部33を含む挟持片部23側は、上側に位置している一方のクリップ片12の挟持片部13に対し受け口状となって配置される結果、例えば
図2に示す測定対象部材以外の被覆ケーブルBとの関係で、湾曲延伸部33を含む挟持片部23に内在させた延長ガード部24aを含むガード電極24により検知子30側が電気的に露出する状態となることを抑えることで、該検知子30への電気的な外乱の到達を小さくして測定誤差の発生要因をそれだけ少なくすることができる。
【0048】
しかも、湾曲延伸部33を含む挟持片部23は、測定対象部材以外の他の被覆ケーブルCがクリップ11の先端方向から検知子30に接近するのを阻止する障害物として機能させることもできるので、被覆ケーブルCを検知子30側から物理的に引き離すことで、電気的な外乱による影響をそれだけ受けづらくすることができる。
【0049】
次に、本発明のうちの第2の例について、その作用・効果を説明すれば、
図3では下側に位置している他方のクリップ片22における湾曲延伸部33を含む挟持片部23側は、上側に位置している一方のクリップ片12の挟持片部13に対し受け口状となって配置される結果、
図2に示す測定対象部材以外の被覆ケーブルBとの関係と同様に、湾曲延伸部33を含む挟持片部23に内在させた延長ガード部24aを含むガード電極24により検知子30側が電気的に露出する状態となることを抑えることで、該検知子30への電気的な外乱の到達を小さくして測定誤差の発生要因をそれだけ少なくすることができる。
【0050】
しかも、湾曲延伸部33を含む挟持片部23に拡幅部34,34を具備させることにより、例えば
図2の測定対象部材としての被覆ケーブルAに対する接触面積をそれだけ増やすことができるので、より安定した状態のもとでクリップ11を狭着させることができる。
【0051】
また、
図3に示すように拡幅部34,34を扇状に張り出させてある場合には、測定対象物である被覆ケーブルAに対する狭着を解除して測定位置から手前に引き戻そうとする際に、測定対象以外の被覆ケーブルに引っ掛かることなく円滑に引き戻すことができる。
【0052】
さらに、
図5に示すように拡幅部34,34を段差36を介して矩形状に張り出させてある場合には、測定対象物である被覆ケーブルAに対する狭着を解除して測定位置から手前に引き戻そうとする際に、測定対象以外の被覆ケーブルに引っ掛かることなく円滑に引き戻すことができる。
【0053】
また、これら拡幅部34,34は、狭着時にクリップ11の両側面11a,11b方向から接近しようとする測定対象部材以外の被覆ケーブルDの障害物として機能させることで、該被覆ケーブルDが
図3(a)に示すようにクリップ11の側面方向から検知子30に近づくのを物理的に阻止して引き離すことができ、該検知子30がクリップ11の両側面11a,11b方向から受けがちな電気的な外乱による影響をそれだけ低く抑えることができる。
【0054】
しかも、ガード電極24が拡幅部34,34に内在させた拡張ガード部24b,24bをも備えている場合には、それだけガード面積を広く確保することができる結果、検知子30への電気的な外乱の到達を小さくして測定誤差の発生要因をより効果的に少なくすることができる。
【0055】
さらに、本発明のうちの第3の例について、その作用・効果を説明すれば、
図6では下側に位置している他方のクリップ片22における湾曲延伸部33を含む挟持片部23側は、上側に位置している一方のクリップ片12の挟持片部13に対し受け口状となって配置される結果、
図2に示す測定対象部材以外の被覆ケーブルBとの関係と同様に、湾曲延伸部33を含む挟持片部23に内在させた延長ガード部24aを含むガード電極24により検知子30側が電気的に露出する状態となることを抑えることで、該検知子30への電気的な外乱の到達を小さくして測定誤差の発生要因をそれだけ少なくすることができる。
【0056】
また、第3の例のクリップ11が
図3や
図5に示す拡幅部34,34を備えている場合には、
図3(a)にも示されているように、狭着時にクリップ11の両側面11a,11b方向から接近しようとする測定対象部材以外の被覆ケーブルDの障害物として機能させることで、該被覆ケーブルDが
図3(a)に示すようにクリップ11の側面方向から検知子30に近づくのを物理的に阻止して引き離すことができ、該検知子30がクリップ11の両側面11a,11b方向から受けがちな電気的な外乱による影響をそれだけ低く抑えることができる。
【0057】
しかも、第3の例においては、
図6では下側に位置しているクリップ片22における湾曲延伸部33を含む挟持片部23は、その外表面23aの長さ方向に隆起部35を備えているので、
図7に示すように該外表面23a方向から接近しようとする測定対象部材以外の被覆ケーブルEの障害物として機能させることができる。
【0058】
このため、隆起部35は、被覆ケーブルEが検知子30を備える挟持片部23の外表面23a方向から近づくのを物理的に阻止して引き離すことができる結果、検知子30が挟持片部の外表面方向から受けがちな電気的な外乱による影響をそれだけ低く抑えることができる。
【0059】
最後に、本発明のうちの第4の例について、その作用・効果を説明すれば、
図8において上側に位置する検知子30を備えない側の挟持片部13は、開操作片部15側の横幅よりも横幅を広幅に形成し、かつ、ガード電極14もそれだけ広く内在させて形成されているので、ガード電極14によるガード面積を広く確保することで外乱による影響をそれだけ少なくすることができる。
【0060】
また、検知子30を備えない側の挟持片部13の横幅を開操作片部15側の横幅よりも広幅に形成することで、例えば
図2に示す測定対象部材としての被覆ケーブルAに対し広く面接触させた状態のもとでクリップ11を狭着させることができる結果、衝撃や荷重を受けた際に脱落しにくくすることで、より安定した狭着状態を確保することができる。
【0061】
さらに、検知子30を備えない側の挟持片部13の横幅を検知子30を備える側の挟持片部23の横幅と同等長にして形成されている場合には、クリップ11の全体に対し堅牢性に富むより安定した外観印象を付与することができる。