(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6054255
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】ゴムまたは合成樹脂製成形品および食品加工プラント
(51)【国際特許分類】
C08L 101/00 20060101AFI20161219BHJP
A23P 30/00 20160101ALI20161219BHJP
C08K 3/00 20060101ALI20161219BHJP
A47J 43/28 20060101ALI20161219BHJP
A41D 19/00 20060101ALI20161219BHJP
F16J 15/10 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
C08L101/00
A23P30/00
C08K3/00
A47J43/28
A41D19/00
F16J15/10
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-122039(P2013-122039)
(22)【出願日】2013年6月10日
(65)【公開番号】特開2014-237786(P2014-237786A)
(43)【公開日】2014年12月18日
【審査請求日】2015年6月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】595027549
【氏名又は名称】アラム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100098464
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 洌
(74)【代理人】
【識別番号】100149630
【弁理士】
【氏名又は名称】藤森 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100184826
【弁理士】
【氏名又は名称】奥出 進也
(72)【発明者】
【氏名】吉富 進吾
【審査官】
繁田 えい子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−242782(JP,A)
【文献】
特開2007−237097(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/014038(WO,A1)
【文献】
特開2009−035770(JP,A)
【文献】
特開2004−346380(JP,A)
【文献】
実用新案登録第3165874(JP,Y2)
【文献】
特開昭59−155756(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L
B29C
A23P 30
A41D 19
A47J 43
C08K
F16J 15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数に区分された領域と、区分された領域毎に色分けして使用される成形品と、前記成形品の破片を検出することができる検出装置とを備えた食品加工プラントであって、
前記成形品が、ゴムまたは合成樹脂と、ゴムまたは合成樹脂に分散して混入される顔料および強磁性ステンレス粉とを含み、前記顔料は、前記成形品が使用される領域毎に前記成形品の色を変更するために使用され、前記強磁性ステンレス粉は、前記成形品の破片を磁石により回収するために使用され、前記色により前記破片が生じた場所を特定することが可能であり、
前記成形品が、食品用ヘラ、Oリング、パッキンおよび手袋のうちのいずれかである食品加工プラント。
【請求項2】
請求項1記載の食品加工プラントにおいて、区分された領域毎に色分けして使用される、食品用ヘラ、Oリング、パッキンおよび手袋のうちのいずれかである成形品であって、
ゴムまたは合成樹脂と、ゴムまたは合成樹脂に分散して混入される顔料および強磁性ステンレス粉とを含み、
前記顔料は、前記成形品が使用される前記領域毎に前記成形品の色を変更するために使用され、前記強磁性ステンレス粉は、前記成形品の破片を前記検出装置により検出して磁石により回収するために使用され、前記色により前記破片が生じた領域を特定することが可能である成形品。
【請求項3】
前記ステンレス粉の前記ゴムまたは前記合成樹脂に対する配合率が10〜40重量%である請求項2記載の成形品。
【請求項4】
前記顔料の前記ゴムまたは前記合成樹脂に対する配合率が0.1〜10重量%である請求項2または3記載の成形品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴムまたは合成樹脂製成形品に関する。詳しくは、食品加工プラントで用いられるヘラ、手袋、パッキンなどのゴムまたは合成樹脂製成形品に関する。さらに詳しくは、磨耗などによりゴムまたは合成樹脂製成形品の破片が食品の中に混入した場合でも、その砕片を磁石やX線検査装置などによって容易に検知し、取り除くことのできるヘラ、手袋、パッキンなどのゴムまたは合成樹脂製成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
食品加工プラントにおいては、ヘラ、手袋、パッキンなど、さまざまなゴムまたは合成樹脂製成形品が用いられている。
【0003】
たとえば、クリーム状製品や粉粒状製品を製造する際に、食品用ヘラが使用されている。食品用ヘラには、機械的な大きいものから、従業員が使用する小さなものまである。大きい食品用ヘラは、クリーム状物をかくはんし、粉粒体を混ぜ合わせるのに使用され、小さい食品用ヘラは、たとえば機械的なかくはん作業や混ぜ合わせの作業が終了した後に、最終チェックとして従業員が器にこびりついたクリーム状物や粉粒体をこそげとる(削り落とす)ために使用される。ここでいうクリーム状物としては、たとえばケーキに使用する生クリームやとろみの強いソース、あんこなどがある。また、粉粒体としては、たとえば砂糖、塩や小麦粉などの粉、粒などの集合体である。
【0004】
ここで、食品用ヘラは一般的にブレードと把手とからなり、種々の形状の容器に付着した付着物を削り落とせるように、少なくともブレード部分は可とう性の合成樹脂材料またはゴム材料からプレス成形や打抜き加工などの加工により製造される。素材として使用されるゴムは、Si(シリコーンゴム)やEPDM(エチレンプロピレンゴム)が多く他に耐油性のNBR(ニトリルゴム)やSBR(スチレンブタジエンゴム)、NR(天然ゴム)、CR(クロロプレンゴム)、IIR(ブチルゴム)や特殊用として、FR(フッ素ゴム)、などがあげられる。また使用目的に応じて、耐油性を必要としないものに用いるもの、耐油性が優れているものに用いるもの、耐熱性と耐寒性が優れているものに用いるもの、耐熱性と耐油性が優れているものに用いるものに大別されている。
【0005】
また、別の成形品であるパッキンやシール材は、プレス加硫されたシート状のゴム材料から打抜きなどの加工により製造される。素材として使用されるゴムは、耐油性のNBRが多く、他にSBR、NR、CR、EPDM、IIRや特殊用として、FR、Siなどがあげられる。またパッキン材およびシール材の必要性として使用目的に応じて、耐油性を必要としないものに用いるもの、耐油性が優れているものに用いるもの、耐熱・耐寒性が優れているものに用いるもの、耐熱性と耐油性が優れているものに用いるものに大別されている。
【0006】
また、衛生面の要請上、ゴム製手袋や樹脂製手袋が用いられている。たとえば、パン工場では、熱いパンをつかんだり、魚介類を扱う工場内では、魚を包丁でさばいたり、牡蠣の殻をむいたりするためにゴム製、合成樹脂製手袋(以下、ゴム手袋という)が用いられている。また、スーパーなどで販売されている寿司を握る工場でも使い捨ての手袋が用いられており、様々な工場でゴム製手袋や樹脂製手袋は、衛生面から必須である。
【0007】
以上のように、食品加工プラントにおいては、さまざまなゴムまたは合成樹脂製成形品が用いられているが、これらの成形品の管理は重要な問題である。食品内への異物の混入が大きな問題となっているなかで、食品加工プラント内では、仮に製造ラインで使用される用具の部品が一部なくなっただけでも、食品内への異物混入の可能性がある限りは、生産ラインをストップし、掃除や点検をしなければならない。また、掃除や点検をするために、生産ラインをストップし続けるわけにもいかず、異物混入の疑いが完全に晴れない状況で、生産ラインを再稼動せざるを得ない。異物が混入されたまま出荷され、製品に異物が混入されていたことがわかった場合には、全製品を回収しなければならず、消費者は不快な気分になり、会社のイメージが低下するため非常に好ましくない。そこで、食品加工プラントにおいては、異物混入に対するリスクを減らすことができる、食品の衛生上、安全性の高い成形品が求められている。
【0008】
以上に述べてきた問題を解決するために、黒色酸化鉄粉を混入させたゴムまたは合成樹脂製成形品が考案されてきた(特許文献1〜3)。これらの考案によれば、成形品に黒色酸化鉄粉が混入されているので、食品内に万が一成形品の破片が混入してしまった場合であっても、磁力により確実かつ容易に成形品の破片を回収することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実用新案登録第3151352号公報
【特許文献2】実用新案登録第3135558号公報
【特許文献3】実用新案登録第3149893号公報
【特許文献4】実用新案登録第3154717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
一方、食品加工プラントにおいては、最重要課題である「安全な製品の供給」を可能にすべく、これまで以上に厳しい管理が行なわれるようになってきている。たとえば、原材料・外包装・廃棄物などからの汚染を防ぐため、ゾーン間のバリア設置や床の色分けによる各ゾーンの明確化が行なわれている。それらの色分けは、作業員が身に付けるものから、使用される道具に至るまで、徹底して行なわれる。小麦、ピーナツなどの食物アレルギーを引き起こす原因となる食物を取り除いた製造工程に使用する用具は、特定の色をこの製造工程専用の色とすることにより用具からのアレルギー要因の混入を防ぐことが出来る。したがって、食品加工プラントで用いられるゴムまたは合成樹脂製成形品は、自在に色分けする必要がある。しかし、上述の成形品は、十分な着磁力を確保するために、着色に必要な量以上に黒色酸化鉄粉が混入されており、黒以外の色を出すことは難しいという問題がある。
【0011】
成形品が用いられる場所毎に成形品の色分けをする方法として、成形品に混入させる磁性粉の種類を変える方法が採用されている(特許文献4)。しかし、この方法では、磁性粉の種類によって色が限定されてしまい、色分けの自由度が低いという問題がある。また、成形品の加工時の熱によって、磁性粉が変質するという問題がある。たとえば、成形品の加工時においては、ゴムまたは合成樹脂によっては、300℃以上の高温で処理しなければならない。このような高温で加熱すると、Fe
3O
4である黒色酸化鉄粉は、α−Fe
2O
3に変化するので、黒色から赤褐色にその色が変化するだけでなく、着磁力が減少してしまう。
【0012】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、本発明の課題は、磨耗などによりゴムまたは合成樹脂製成形品の破片が食品の中に混入した場合でも、その砕片を磁石やX線検査装置などによって容易に検知し、取り除くことができ、使用される場所毎に色分けすることが可能であり、成形加工時の熱に対して安定で変質することがない、ゴムまたは合成樹脂製成形品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の成形品は、ゴムまたは合成樹脂と、ゴムまたは合成樹脂に分散して混入される顔料および強磁性ステンレス粉とを含む成形品であって、前記顔料は、前記成形品が使用される場所毎に前記成形品の色を変更するために使用され、前記強磁性ステンレス粉は、前記成形品の破片を磁石により回収するために使用され、前記色により前記破片が生じた場所を特定することが可能な、食品加工プラントで使用される成形品であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の成形品は、食品用ヘラ、Oリング、パッキンおよび手袋のうちのいずれかであることが望ましい。
【0015】
また、前記ステンレス粉の前記ゴムまたは前記合成樹脂に対する配合率が10〜40重量%であることが望ましい。
【0016】
また、前記ステンレス粉が、アトマイズ法により製造され、その粒径が0.5〜25μmであることが望ましい。
【0017】
また、前記顔料の前記ゴムまたは前記合成樹脂に対する配合率が0.1〜10重量%であることが望ましい。
【0018】
本発明の食品加工プラントは、複数に区分された領域と、区分された領域毎に色分けして使用される成形品と、前記成形品の破片を検出することができる検出装置とを備えた食品加工プラントであって、前記成形品が、ゴムまたは合成樹脂と、ゴムまたは合成樹脂に分散して混入される顔料および強磁性ステンレス粉とを含み、前記顔料は、前記成形品が使用される領域毎に前記成形品の色を変更するために使用され、前記強磁性ステンレス粉は、前記成形品の破片を磁石により回収するために使用され、前記色により前記破片が生じた場所を特定することが可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、磨耗などによりゴムまたは合成樹脂製成形品の破片が食品の中に混入した場合でも、その砕片を磁石やX線検査装置などによって容易に検知し、取り除くことができ、使用される場所毎に色分けすることが可能であり、成形加工時の熱に対して安定で変質することがない、ゴムまたは合成樹脂製成形品を提供することができる。また、そのゴムまたは合成樹脂製成形品を用いた食品加工プラントによれば、たとえばどの生産ラインで破片が混入したかが確実にわかるので、破片が混入したラインのみを確認し、対象となるラインの部材の交換と、対象となるラインの製品の廃棄だけで済み、人的労力を減らすことができ、プラント内で全ラインをストップする必要がなくなり、より安全な食料品をより安価に製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態である食品用ヘラを示す斜視図である。
【
図2】(a)は
図1の食品用ヘラのA−A線断面図であり、(b)は
図1の食品用ヘラのB−B線断面図である。
【
図3】(a)は本発明の一実施形態であるOリングの平面図であり、(b)は(a)のOリングのA−A線断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態であるパッキンの断面図である。
【
図5】
図4のパッキンが使用される食品加工プラント用配管継手構造体を示す斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態である手袋を示す図である。
【
図7】(a)および(b)は、
図6の手袋のA−A線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照し、本発明の成形品を詳細に説明する。
【0022】
本発明の成形品は、ゴムまたは合成樹脂と、ゴムまたは合成樹脂に分散して混入される顔料Pおよび強磁性ステンレス粉Sとを含む食品加工プラントで使用される成形品である。その成形品は、後に詳しく述べるように、食品用ヘラ(
図1および2)、Oリング(
図3)、パッキン(
図4および5)、手袋(
図6および7)などであるが、これに限定されることはなく、食品加工プラントで使用されるものであれば、部品、道具、衣類などいかなるものであってもよい。
【0023】
食品加工プラントとは、食品を扱う工場全般を意味し、食品を加工・調理するだけでなく、食品を選別したり、包装したりするだけの工場をも包含する。
【0024】
ゴムとしては、例えば、シリコーンゴム、合成ゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、EPDM、フッ素ゴム、天然ゴム、のほか、エラストマーなどがあり、合成樹脂としては、軟質塩化ビニール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、PTFEのほか、ポリアミドなどの合成樹脂が採用される。しかし、特に限定されることはなく、成形品の目的や用途に応じて適宜選択される。
【0025】
顔料は、無機顔料、有機顔料、アゾ顔料、多環顔料、レーキ顔料などいずれの顔料も採用できるが、特に限定されるものではなく、成形品が使用される場所毎に成形品の色を変更するために使用されるものであればいかなるものであってもよい。成形品の色も、特に限定されるものではなく、適宜選択され、その色に対応する顔料が選択される。ただし、成形品は食品加工プラントで使用されるので、人体に悪影響を及ぼす顔料は除外される。本発明の成形品は、ゴムまたは合成樹脂にこのような顔料が混入されているので、必要に応じて色を変えて着色することができる。
【0026】
ここで、顔料のゴムまたは合成樹脂に対する配合率は、成形品の着色ができ、顔料の抜け落ちが防止できる配合率であれば特に限定されないが、たとえば、0.1〜10重量%であることが望ましい。本発明の成形品は、従来の黒色酸化鉄粉を用いた成形品と比べて、顔料の量を少なくすることができる。
【0027】
成形品が使用される場所とは、食品加工プラント内において区分される装置や区域のことであり、たとえば扱う食材に応じて区分されたり、工程に応じて区分されたり、食品加工プラントにおいて適宜区分される場所のことである。
【0028】
強磁性ステンレス粉は、着磁力を有するステンレスの粉末、一般的にはマルテンサイト系またはフェライト系ステンレスの粉末であればいずれでも採用できるが、特に限定されるものではなく、成形品の破片を磁石により回収するために使用されるものであればいかなるものであってもよい。本発明の成形品は、ゴムまたは合成樹脂に、従来の黒色酸化鉄粉を用いるのではなく、このような強磁性ステンレス粉および顔料を混入している。これにより、成形品が使用される場所毎に成形品の色を変更し、かつ、食品内に万が一成形品の破片が混入してしまった場合であっても、磁力により確実かつ容易に破片を回収することができる。本発明者は、食品加工プラントで色分けして用いられる成形品を、従来の黒色酸化鉄粉を用いることにより成形品に色を付けようと様々な方法を試みたが、X線、金属探知機や磁石により食品内に混入した破片の確実な回収と、多様な色の成形品を得ることを両立させるものを製造することができなかった。上述したように、黒色酸化鉄粉を混入させると、顔料を混入しても、黒色酸化鉄粉の黒色により、成形品を黒以外の色とすることが難しく、黒色酸化鉄粉の成形品の表面に所望の色のコーティングや層を被覆すると、被覆した部分には黒色酸化鉄粉が含まれていないため、食品内に混入した破片を回収することができない。本発明者は鋭意検討した結果、着磁力を有するステンレス粉末と顔料を、ゴムまたは合成樹脂に混入することにより、食品内に混入した破片の確実な回収と、多様な色の成形品を得ることに成功したのである。そして、この本発明のステンレス粉を混入した成形品により、黒色酸化鉄粉では成形時の熱により変質してしまい、色が変化したり、着磁力が減少してしまうという問題も解決し、成形時に高温に加熱しなければならないゴムや合成樹脂の成形品においても、色の変化や着磁力を減少させることがなくなり、従来よりも幅広い加工方法や材料を用いることを可能にしたのである。
【0029】
ステンレス粉のゴムまたは合成樹脂に対する配合率は、十分な着磁力を得ることができ、成形品の強度を確保することができる配合率であれば特に限定されないが、たとえば、10〜40重量%であることが望ましい。
【0030】
また、ステンレス粉は、十分な着磁力を得ることができ、成形品の強度を確保することができれば、その製法や大きさは特に限定されないが、たとえば、アトマイズ法により製造され、その粒径が0.5〜25μmであることが望ましい。アトマイズ法により製造することによって、略球形状のステンレス粉を得ることが可能である。そのようにして得られたステンレス粉は、成形品の加工時において、略球形状であるがゆえにゴムまたは合成樹脂の流れに乗りやすく、ゴムまたは合成樹脂中に均一に分散させ易い。
【0031】
本発明の成形品は、色により破片が生じた場所を特定することが可能なように構成される。本発明の成形品がこのように構成されることにより、破片が生じた場所、すなわち成形品が使用されていた場所を特定することができるので、たとえばどの生産ラインで破片が混入したかが確実にわかるので、破片が混入したラインのみを確認し、対象となるラインの部材の交換と、対象となるラインの製品の廃棄だけで済み、人的労力を減らすことができ、プラント内で全ラインをストップする必要がなくなり、より安全な食料品をより安価に製造することが可能になる。
【0032】
以下、本発明の実施形態として、食品用ヘラ、Oリング、パッキンおよび手袋を例示する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0033】
図1は、本発明の一実施形態である食品用ヘラ1を示している。食品用ヘラ1は、ブレード2と把手3が一体的に形成されている。ここで、ブレード2の先端部2aは、食品用ヘラ1でクリーム状物や粉粒対を削り落とすことができるように鋭利に形成されている。先端部2aは、ブレード2の材質および食品用ヘラ1の用途に合わせて適宜形状を変形可能である。また、ブレード2と把手3が一体的に形成された食品用ヘラ1のブレード2の先端部2aを除いた周縁部には土手1aが形成されている。土手1aにより、食品用ヘラ1を使用する際に把手3を持ちやすい。さらに、土手1aを設けることにより、クリーム状物や粉粒体を削り落とす先端部2a以外が変形しにくいので、食品用ヘラ1全体としての耐久性を向上させることができる。
【0034】
図2(a)および(b)に示すように、ブレード2および把手3は、ゴムまたは合成樹脂と、ゴムまたは合成樹脂に分散して混入された顔料Pおよび強磁性ステンレス粉Sとから構成される。このように、ゴムまたは合成樹脂に顔料Pおよび強磁性ステンレス粉Sを分散して混入させることにより、食品用ヘラ1は、必要に応じて色を変えて着色することができ、食品内に万が一食品用ヘラの破片が混入してしまった場合であっても、磁力により確実かつ容易に破片を回収することができる。そして、食品加工プラント内において、従来の黒色酸化鉄粉を用いた成形品では実現できなかった多数の色分けにより、装置や区域毎に細分化して、どの装置または区域で食品用ヘラ1の破片が混入したかを容易に把握することができる。多数の色分けにより破片が生じた場所、すなわち食品用ヘラ1が使用されていた場所を特定することができるので、たとえばどの生産ラインで破片が混入したかが確実にわかり、破片が混入したラインのみを確認し、対象となるラインの部材の交換と、対象となるラインの製品の廃棄だけで済み、人的労力を減らすことができ、プラント内で全ラインをストップする必要がなくなり、より安全な食料品をより安価に製造することが可能になる。
【0035】
強磁性ステンレス粉Sのゴムまたは合成樹脂に対する配合率としては、10〜40重量%が採用される。強磁性ステンレス粉Sは、アトマイズ法により製造され、粒径が0.5〜25μmの範囲のものが採用される。アトマイズ法により製造することによって、略球形状のステンレス粉を得ることが可能である。そのようにして得られたステンレス粉は、食品用ヘラ1の加工時において、略球形状であるがゆえにゴムまたは合成樹脂の流れに乗りやすく、ゴムまたは合成樹脂中に均一に分散させ易い。また、従来の黒色酸化鉄粉と比べて着磁力が強いので、少ない量でも、磁石により破片をより容易に検知し、取り除くことができる。さらに、強磁性ステンレス粉は、熱的に安定であるので、成形加工時の熱で色や磁性が変化することがない。
【0036】
顔料としては、例えば、無機顔料、有機顔料、アゾ顔料、多環顔料、レーキ顔料などが採用される。顔料のゴムまたは合成樹脂に対する配合率は、0.1〜10重量%が採用される。従来の黒色酸化鉄粉を用いた食品用ヘラと比べて、顔料の量を少なくすることができる。
【0037】
ゴムとしては、例えば、シリコーンゴム、合成ゴム、二トリルゴム、クロロプレンゴム、EPDM、フッ素ゴム、天然ゴム、のほか、エラストマーなどがあり、合成樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、のほか、ポリアミドなどの合成樹脂が採用される。
【0038】
なお、本実施形態では、食品用ヘラ1は、ゴムまたは合成樹脂のみにより形成されているが、食品用ヘラ1の内部に芯材を埋設してもよい。芯材を埋設することにより、食品用ヘラ1の強度を高めることが可能である。また、食品用ヘラ1は、ブレード2と把手3は一体的に形成されているが、ブレード2と把手3を別個に形成し、互いに連結してもよい。このとき、ブレード2または把手3のみを本発明の成形品として、それぞれ別の材料で形成してもよい。このようなバリエーションにより、食品用ヘラの多様化および量産に対応することができる。
【0039】
図3は、本発明の一実施形態であるOリング10を示しており、(a)は、Oリング10の平面図で、(b)は、(a)のA−A線断面図である。
図3を参照すると、本実施形態にかかわるOリング10は、矩形断面を有する環状体10aから構成されている。環状体の厚さL1は、2〜7mmが好適であり、幅L2は、5〜30mmが好適であり、かつOリング10が取り付けられる取付溝の寸法(深さ・幅)よりも僅かに大きいことが好ましい。
【0040】
図3(b)からわかるように、Oリング10は、ゴムまたは合成樹脂と、ゴムまたは合成樹脂に分散して混入された顔料Pおよび強磁性ステンレス粉Sとから構成される。このように、ゴムまたは合成樹脂に顔料Pおよび強磁性ステンレス粉Sを分散して混入させることにより、Oリング10は、必要に応じて色を変えて着色することができ、食品内に万が一Oリング10の破片が混入してしまった場合であっても、磁力により確実かつ容易に破片を回収することができる。そして、食品加工プラント内において、従来の黒色酸化鉄粉を用いた成形品では実現できなかった多数の色分けにより、装置や区域毎に細分化して、どの装置または区域でOリング10の破片が混入したかを容易に把握することができる。多数の色分けにより破片が生じた場所、すなわちOリング10が使用されていた場所を特定することができるので、たとえばどの生産ラインで破片が混入したかが確実にわかり、破片が混入したラインのみを確認し、対象となるラインの部材の交換と、対象となるラインの製品の廃棄だけで済み、人的労力を減らすことができ、プラント内で全ラインをストップする必要がなくなり、より安全な食料品をより安価に製造することが可能になる。
【0041】
強磁性ステンレス粉Sのゴムまたは合成樹脂に対する配合率としては、10〜40重量%が採用される。強磁性ステンレス粉Sは、アトマイズ法により製造され、粒径が0.5〜25μmの範囲のものが採用される。アトマイズ法により製造することによって、略球形状のステンレス粉を得ることが可能である。そのようにして得られたステンレス粉は、Oリング10の加工時において、略球形状であるがゆえにゴムまたは合成樹脂の流れに乗りやすく、ゴムまたは合成樹脂中に均一に分散させ易い。また、従来の黒色酸化鉄粉と比べて着磁力が強いので、少ない量でも、磁石により破片をより容易に検知し、取り除くことができる。さらに、強磁性ステンレス粉は、熱的に安定であるので、成形加工時の熱で色や磁性が変化することがない。
【0042】
顔料としては、例えば、無機顔料、有機顔料、アゾ顔料、多環顔料、レーキ顔料などが採用される。顔料のゴムまたは合成樹脂に対する配合率は、0.1〜10重量%が採用される。従来の黒色酸化鉄粉を用いたOリングと比べて、顔料の量を少なくすることができる。
【0043】
ゴムとしては、例えば、シリコーンゴム、EPDM、IIR、NBR、CR、FRのほか、エラストマーなどがあり、合成樹脂としては、PTFEなどが採用され得る。本実施形態のOリングが食品加工プラントのシール材として使用されることからシリコーンゴム、EPDM、FRなどのゴムと、PTFEが合成樹脂として好適に採用される。
【0044】
図4は、本発明の一実施形態であるパッキン20を示す断面図、
図5は、
図4のパッキンが使用された食品加工プラント用配管継手構造体を示す図である。
【0045】
図4を参照すると、本実施形態にかかわるパッキン20は、Oリング20aと、Oリング20aの外周側に沿ってOリング20aと一体的に形成された環状部20bと、Oリング20aの内周側に沿ってOリング20aと一体的に形成された環状部20cとから構成されている。
【0046】
そして、パッキン20は、ゴムまたは合成樹脂と、ゴムまたは合成樹脂に分散して混入された顔料Pおよび強磁性ステンレス粉Sとから構成される。このように、ゴムまたは合成樹脂に顔料Pおよび強磁性ステンレス粉Sを分散して混入させることにより、パッキン20は、必要に応じて色を変えて着色することができ、食品内に万が一パッキン20の破片が混入してしまった場合であっても、磁力により確実かつ容易に破片を回収することができる。そして、食品加工プラント内において、従来の黒色酸化鉄粉を用いた成形品では実現できなかった多数の色分けにより、装置や区域毎に細分化して、どの装置または区域でパッキン20の破片が混入したかを容易に把握することができる。多数の色分けにより破片が生じた場所、すなわちパッキン20が使用されていた場所を特定することができるので、たとえばどの生産ラインで破片が混入したかが確実にわかり、破片が混入したラインのみを確認し、対象となるラインの部材の交換と、対象となるラインの製品の廃棄だけで済み、人的労力を減らすことができ、プラント内で全ラインをストップする必要がなくなり、より安全な食料品をより安価に製造することが可能になる。
【0047】
強磁性ステンレス粉Sのゴムまたは合成樹脂に対する配合率としては、10〜40重量%が採用される。強磁性ステンレス粉Sは、アトマイズ法により製造され、粒径が0.5〜25μmの範囲のものが採用される。アトマイズ法により製造することによって、略球形状のステンレス粉を得ることが可能である。そのようにして得られたステンレス粉は、パッキン20の加工時において、略球形状であるがゆえにゴムまたは合成樹脂の流れに乗りやすく、ゴムまたは合成樹脂中に均一に分散させ易い。また、従来の黒色酸化鉄粉と比べて着磁力が強いので、少ない量でも、磁石により破片をより容易に検知し、取り除くことができる。さらに、強磁性ステンレス粉は、熱的に安定であるので、成形加工時の熱で色や磁性が変化することがない。
【0048】
顔料としては、例えば、無機顔料、有機顔料、アゾ顔料、多環顔料、レーキ顔料などが採用される。顔料のゴムまたは合成樹脂に対する配合率は、0.1〜10重量%が採用される。従来の黒色酸化鉄粉を用いたパッキンと比べて、顔料の量を少なくすることができる。
【0049】
ゴムとしては、例えば、シリコーンゴム、EPDM、IIR、NBR、CR、FRなどがあり、合成樹脂としてPTFEなどが採用され得る。本発明のパッキンが食品加工プラントのシール材として使用されることからシリコーンゴム、EPDM、FRなどのゴム材と、PTFEが樹脂材として好適に採用される。特に、PTFEは摩擦係数が低いため、フランジでパッキンを挟み込んだ状態でも、フランジを回転し易いので、好適に採用される。
【0050】
つぎに
図5を参照すると、食品加工プラント用配管継手構造体は、隣り合う2つの配管T1、T2と、隣り合う2つの配管T1、T2のそれぞれの端部に設けられたフランジ継手f1、f2と、フランジ継手f1、f2の間に挟持されたパッキン20とから構成される。そして、パッキン20のOリング20aは、前記フランジ継手f1、f2の対向する面に略円形状に設けられた溝gに嵌入され、前記環状部20b、20cは前記フランジ継手f1、f2の対向する面Fに、ボルトナット(図示されず)など従来より公知の締結手段によって挟持される。
【0051】
図5に示されるような食品加工プラント用配管継手構造体を採用すると、少なくともプラントを頻繁に停止して、配管および継手を保守点検する必要はなくなる。配管系統には、濾過器(図示されず)が配設されてはいるが、パッキン20が局所的に崩壊して生じた異物は、配管系統内に磁石が設けられたトラップ(trap)(図示されず)を配設しておくと、パッキン20には磁性粉が含まれているため、当該異物はトラップによって確実に捕捉される。このため、配管系統に異物が混入することを回避でき、ひいては加工された食品中への異物の混入を防止することができる。
【0052】
図6は、本発明の一実施形態である手袋30を示す図であり、
図7(a)および(b)は、
図6のA−A線断面図である。
【0053】
図6および
図7に示されるように、本実施形態の手袋本体30は、手袋本体30内に顔料Pおよび強磁性ステンレス粉Sが分散して混入されている。手袋本体30は、ゴムまたは合成樹脂からなり、ゴムとしては、シリコーンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム等を用いることができ、合成樹脂としては、軟質塩化ビニール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ウレタン樹脂等を用いることができるが、特に限定されることはない。また、手袋本体30の形状も特に限定されることはなく、手首まで覆うものだけでなく、肘または肩までの手袋本体30であっても構わない。
【0054】
強磁性ステンレス粉Sのゴムまたは合成樹脂に対する配合率としては、10〜40重量%が採用される。強磁性ステンレス粉Sは、アトマイズ法により製造され、粒径が0.5〜25μmの範囲のものが採用される。アトマイズ法により製造することによって、略球形状のステンレス粉を得ることが可能である。そのようにして得られたステンレス粉は、手袋本体30の加工時において、略球形状であるがゆえにゴムまたは合成樹脂の流れに乗りやすく、ゴムまたは合成樹脂中に均一に分散させ易い。また、従来の黒色酸化鉄粉と比べて着磁力が強いので、少ない量でも、磁石により破片をより容易に検知し、取り除くことができる。さらに、強磁性ステンレス粉は、熱的に安定であるので、成形加工時の熱で色や磁性が変化することがない。
【0055】
顔料としては、例えば、無機顔料、有機顔料、アゾ顔料、多環顔料、レーキ顔料などが採用される。顔料のゴムまたは合成樹脂に対する配合率は、0.1〜10重量%が採用される。従来の黒色酸化鉄粉を用いた手袋と比べて、顔料の量を少なくすることができる。
【0056】
本実施形態の手袋本体30は、たとえばポリエチレン樹脂の場合、顔料Pおよび強磁性ステンレス粉Sが混入された2枚のポリエチレン樹脂フィルムを溶断、溶着などして作られるが、特に製法は限定されるものではなく、公知の製法を用いることができる。
【0057】
また、手袋本体30の厚さは、0.01〜3mmであることが好ましい。手袋本体30の厚さは、作業する用途によって、適宜変更され、たとえば細かい作業が必要になる場合は、薄くし、パンなどの熱いものを扱う場合には、厚さを厚くすることができる。
【0058】
本実施形態の手袋本体30には、
図7に示されるように、顔料Pが分散して混入されているので、必要に応じて手袋本体30の色を変えて着色することができ、また、強磁性ステンレス粉Sが分散して混入されているので、万が一手袋本体30が破損した場合であっても、マグネットキャッチャー等により、その破片の回収が容易である。そして、食品加工プラント内において、従来の黒色酸化鉄粉を用いた成形品では実現できなかった多数の色分けにより、装置や区域毎に細分化して、どの装置または区域で手袋本体30の破片が混入したかを容易に把握することができる。多数の色分けにより破片が生じた場所、すなわち手袋本体30が使用されていた場所を特定することができるので、たとえばどの生産ラインで破片が混入したかが確実にわかり、破片が混入したラインのみを確認し、対象となるラインの部材の交換と、対象となるラインの製品の廃棄だけで済み、人的労力を減らすことができ、プラント内で全ラインをストップする必要がなくなり、より安全な食料品をより安価に製造することが可能になる。
【0059】
以上、食品用ヘラ、Oリング、パッキンおよび手袋を例にあげて説明したが、これらの成形品は、それぞれまたは組み合わせて食品加工プラント内で用いられる。食品加工プラントは、複数に区分された領域と、区分された各領域毎に色分けして使用される、ゴムまたは合成樹脂と、ゴムまたは合成樹脂に分散して混入される顔料および強磁性ステンレス粉とを含む成形品と、前記成形品の破片を検出することができる検出装置とを備えている。複数に区分された領域とは、どこで成形品の破片が発生したのかを色分けにより把握するために、区分される領域であり、たとえば、あるラインや装置ごとの区分であってもよいし、ラインの中の細かく区分された領域や、1つの装置内の所定の部分であってもよい。また、検出装置は、成形品に混入したステンレス粉を検出することができるものであればよく、たとえば、金属探知機、X線探知機や、強力な磁石により食品内に混入した破片を自動的に除去するマグネットキャッチャーなどを用いることができる。また、検出装置は、ライン毎に設けられてもよいし、複数に区分された領域毎に設けられてもよい。
【0060】
このような食品加工プラントにおいて、複数の領域に区分して、そのそれぞれの領域内において、使用する食品用ヘラ、Oリング、パッキン、手袋などの色を決定し、ある領域内では、1つの色のものしか使用しないようにすれば、食品内に混入した成形品の破片を検出装置が検出したときに、どの領域で成形品が混入したかを容易に把握することができる。そして、本発明では、ステンレス粉を混入した成形品により、食品内に混入した破片の確実な回収と、多様な色の成形品を得ることを両立させることができるため、従来では実現できなかった、食品加工プラント内での多数の色分けによる領域の区分をすることができるようになる。そして、多数の色分けにより、領域を多数に区分して、1つの領域を小さくすることができるため、破片が発生した位置で使用された成形品の確認に要する時間を大幅に減らすことができる。
【0061】
また、ある領域内において、成形品の種類によりさらに色分けをすることもできる。たとえば1つの領域内において、使用される食品用ヘラ、Oリング、パッキン、手袋などの成形品を全て青系の色とし、それぞれの成形品の色を水色や紺色など、微妙に変えてもよい。これにより、破片が発生した領域に加えて、破片が発生した成形品の種類も把握することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 食用品ヘラ
1a 土手
2 ブレード
2a 先端部
3 把手
10 Oリング
10a 環状体
20 パッキン
20a Oリング
20b、20c 環状部
30 手袋本体
f1、f2 フランジ継手
g 溝
P 顔料
S ステンレス粉
T1、T2 配管