(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
Mは、クロム、モリブデン、タングステン、レニウム、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀および金から成る群から選択されることを特徴とする請求項1または2に記載の化合物。
金属配位に対してオルト位にある置換基Rは、前記金属Mに同様に配位する配位基であり、ここで、前記配位基Rは、アリールもしくはヘテロアリール基、シアン化アリールもしくはシアン化アルキル、イソシアン化アリールもしくはイソシアン化アルキル、アミン、アミド、アルコール、アルコラート、チオアルコール、チオアルコラート、ホスフィン、ホスフィット、カルボニル官能基、カルボキシラート、カルバミドまたはアリールもしくはアルキルアセチリドから選択されることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の化合物。
有機エレクトロルミネセンスデバイス(OLED、PLED)、有機集積回路(O−IC)、有機電界効果トランジスタ(O−FET)、有機薄膜トランジスタ(O−TFT)、有機発光トランジスタ(O−LET)、有機太陽電池(O−SC)、有機光学検出器、有機感光体、有機電場消光デバイス(O−FQD)、発光電気化学電池(LEC)または有機レーザーダイオード(O−レーザー)からなる群から選択される、請求項1から11の何れか1項に記載の少なくとも1種の化合物を含む電子デバイス。
請求項1から11の何れか1項に記載の化合物が、1以上の発光層における発光化合物として使用されることを特徴とする請求項14に記載の有機エレクトロルミネセンスデバイス。
前記発光化合物は1種以上のマトリックス材料とともに使用され、前記1種または複数種のマトリックス材料は、ケトン、ホスフィンオキシド、スルホキシド、スルホン、トリアリールアミン、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、インデノカルバゾール誘導体、アザカルバゾール、双極性マトリックス材料、シラン、アザボロール、ボロン酸エステル、ジアザシロール誘導体、ジアザホスホール誘導体、トリアジン誘導体、亜鉛錯体、ジベンゾフラン誘導体または架橋カルバゾール誘導体から成る群から選択されることを特徴とする請求項15に記載の有機エレクトロルミネセンスデバイス。
【発明の概要】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネセンスデバイスにおけるエミッタとしての使用に適する金属錯体に関する。
【0002】
有機半導体が機能性材料として採用された有機エレクトロルミネセンスデバイス(OLED)の構造が、例えば、米国特許第4539507号、米国特許第5151629号、欧州特許第0676461号および国際公開第98/27136号に記載されている。ここに採用された発光材料は、往々にして、蛍光の代わりにリン光を示す有機金属錯体である(M.A.Baldoら、Appl.Phys.Lett.1999、75、4〜6)。量子力学的理由により、有機金属化合物をリン光エミッタとして使用して、4倍までのエネルギーおよび電力効率が可能である。概して、三重項発光を示すOLEDでは、特に効率、動作電圧および寿命に関して、改善の必要性が依然として存在する。これは、特に、比較的短波長領域、すなわち緑色および特に青色で発光するOLEDに当てはまる。
【0003】
従来技術によれば、特に、イリジウム錯体が、リン光OLEDにおける三重項エミッタとして採用されている。錯体により高い熱安定性を持たせて、OLEDの寿命をより長くする多脚型配位子およびクリプタートを含む金属錯体を採用することによって、これらのOLEDの改善を達成することが可能であった(国際公開第2004/081017号、国際公開2005/113563号、国際公開第2006/008069号)。しかし、青色発光、特に飽和濃青色発光では、これらの錯体は、未架橋錯体と同様に、あまり適切でない。
【0004】
従来技術には、また、イミダゾフェナントリジン誘導体またはジイミダゾキナゾリン誘導体を配位子として含むイリジウム錯体が開示されている(国際公開第2007/095118号)。これらの錯体は、有機エレクトロルミネセンスデバイスに使用すると、配位子の正確な構造に応じて、青色リン光をもたらし得る。ここでも、効率、動作電圧および寿命に関してさらなる改善が、依然として望まれる。また、ここでは、濃青色発光を達成することができるように、色座標に関しても改善の必要性が依然として存在する。
【0005】
国際公開第2010/086089号には、イミダゾイソキノリン誘導体を配位子として含む金属錯体が開示されている。このタイプの錯体を使用して、青色三重項エミッタの開発の良好な進歩が既に達成されている。しかし、ここでも、効率、動作電圧および寿命に関してさらなる改善が依然として望まれる。特に、ここでは、濃青色発光を達成することができるように色座標に関しての改善、および錯体を合成できる収率に関しての改善の必要性も依然として存在する。
【0006】
したがって、本発明の目的は、OLEDに使用するためのエミッタとして適切である新規の金属錯体を提供することである。特に、青色リン光OLEDに適し、効率、動作電圧、寿命および/または色座標に関して向上した特性を示し、かつ/または高収率で製造することができるエミッタを提供することを目的とする。
【0007】
意外にも、以下のより詳細に説明する特定の金属キレート錯体が、この目的を達成し、有機エレクトロルミネセンスデバイスの改善をもたらすことが判明した。また、これらの金属錯体は、高収率で入手可能である。したがって、本発明は、これらの金属錯体、およびこれらの錯体を含む有機エレクトロルミネセンスデバイスに関する。
【0008】
したがって、本発明は式(1)の化合物に関する
M(L)
n(L’)
m 式(1)
ここで、前記式(1)の化合物は、式(2)の部分M(L)
nを含み:
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
【0009】
式中、使用した記号および添字には下記の事項が適用される:
Mは金属であり;
Xは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、CR、CR
1およびNから成る群から選択され、但し、少なくとも1つのXはNであり、このNに隣接する少なくとも1つのXはCR
1を意味することを条件とし;
Rは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、H、D、F、Cl、Br、I、N(R
2)
2、CN、NO
2、OH、COOH、C(=O)N(R
2)
2、Si(R
2)
3、B(OR
2)
2、C(=O)R
2、P(=O)(R
2)
2、S(=O)R
2、S(=O)
2R
2、OSO
2R
2、1から20個のC原子を有する直鎖のアルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基、または2から20個のC原子を有するアルケニルもしくはアルキニル基、または3から20個のC原子を有する分枝状もしくは環状のアルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基(これらの各々は、1以上のラジカルR
2により置換されていてもよい)(ここで、1以上の隣接していないCH
2基は、R
2C=CR
2、C≡C、Si(R
2)
2、C=O、NR
2、O、SまたはCONR
2によって置きかえられていてもよく、1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、IまたはCNによって置きかえられていてもよい)、または5から60個の芳香族環原子を有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環系(これは、それぞれの場合に1以上のラジカルR
2によって置換されていてもよい)、または5から40個の芳香族環原子を有するアリールオキシもしくはヘテロアリールオキシ基(これは、1以上のラジカルR
2によって置換されていてもよい)、または5から40個の芳香族環原子を有するアラルキルもしくはヘテロアラルキル基(これは、1以上のラジカルR
2によって置換されていてもよい)、または10から40個の芳香族環原子を有するジアリールアミノ基、ジヘテロアリールアミノ基もしくはアリールヘテロアリールアミノ基(これは、1以上のラジカルR
2によって置換されていてもよい)であり、ここで、2つの隣接するラジカルRまたはRとR
1とは、互いに、単環または多環式の、脂肪族環系を形成していてもよく;
R
1は、出現するごとに同一であるかまたは異なり、CF
3、OCF
3、3から20個のC原子を有する分枝状もしくは環状のアルキルもしくはアルコキシ基(これは、それぞれの場合に1以上のラジカルR
2によって置換されていてもよい)(ここで、当該配位子の芳香族炭素原子に直接結合していない、1以上の隣接していないCH
2基は、R
2C=CR
2、C≡C、Si(R
2)
2、C=O、NR
2、O、SまたはCONR
2によって置きかえられていてもよく、1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、IもしくはCNまたはSi(R
2)
3(ここで、R
2はHまたはDと等しくない)で置きかえられていてもよい)、ジアルキルアミノ基(ここで、前記アルキル基は、それぞれ、1から10個のC原子を有し、直鎖状、分枝状または環状であってよい)、または5から60個の芳香族環原子を有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環系(これは、それぞれの場合に1以上のラジカルR2によって置換されていてもよい)、または5から40個の芳香族環原子を有するアラルキルもしくはヘテロアラルキル基(これは、1以上のラジカルR
2によって置換されていてもよい)であり;
R
2は、出現するごとに同一であるかまたは異なり、H、D、F、Cl、Br、I、N(R
3)
2、CN、NO
2、Si(R
3)
3、B(OR
3)
2、C(=O)R
3、P(=O)(R
3)
2、S(=O)R
3、S(=O)
2R
3、OSO
2R
3、1から20個のC原子を有する直鎖のアルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基、または2から20個のC原子を有するアルケニルもしくはアルキニル基、または3から20個のC原子を有する分枝状もしくは環状のアルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基(これらの各々は、1以上のラジカルR
3により置換されていてもよい)(ここで、1以上の隣接していないCH
2基は、R
3C=CR
3、C≡C、Si(R
3)
2、C=O、NR
3、O、SまたはCONR
3によって置きかえられていてもよく、1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNまたはNO
2によって置きかえられていてもよい)、または5から60個の芳香族環原子を有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環系(これは、それぞれの場合に1以上のラジカルR
3によって置換されていてもよい)、または5から40個の芳香族環原子を有するアリールオキシもしくはヘテロアリールオキシ基(これは、1以上のラジカルR
3によって置換されていてもよい)、または5から40個の芳香族環原子を有するアラルキルもしくはヘテロアラルキル基(これは、1以上のラジカルR
3によって置換されていてもよい)、または10から40個の芳香族環原子を有するジアリールアミノ基、ジヘテロアリールアミノ基もしくはアリールヘテロアリールアミノ基(これは、1以上のラジカルR
3によって置換されていてもよい)であり、ここで、2以上の隣接するラジカルR
3は、互いに、単環または多環式の脂肪族環系を形成していてもよく;
R
3は、出現するごとに同一であるかまたは異なり、H、D、F、または1から20個のC原子を有する脂肪族、芳香族および/またはヘテロ芳香族炭化水素ラジカル(ここにおいて、さらに、1以上のH原子はFで置きかえられていてよい)であり、ここで、2以上の置換基R
3は、また、互いに、単環または多環式の、脂肪族環系を形成していてもよい;
L’は、出現するごとに同一であるかまたは異なり、何れかの所望の共配位子であり;
nは、1、2または3であり;
mは、0、1、2、3または4であり;
複数の配位子Lは、さらに、互いに連結されるか、またはLは単結合もしくは何れかの所望の架橋Vを介してL’に連結され、これにより、三座配位子系、四座配位子系、五座配位子系または六座配位子系を形成していてもよく;
置換基RまたはR
1は、また、付加的に、前記金属に配位されていてもよく;
但し、前記部分が、以下の式(3)、(4)、(5)または(6)の1つと一致する場合、R
1は、4から20個のC原子を有する分枝状もしくは環状アルキル基(これは、1以上のラジカルR
2によって置換されていてもよい)(ここで、配位子の前記芳香族炭素原子に直接結合していない、1以上の隣接していないCH
2基は、R
2C=CR
2、C≡C、Si(R
2)
2、C=O、NR
2、O、SまたはCONR
2によって置きかえられていてもよく、1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、IまたはCNによって置きかえられていてもよい)、または10から60個の芳香族環原子を有するビ−もしくはオリゴアリールもしくは−ヘテロアリール基、または前記配位子との連結に対して少なくとも1つのオルト位においてHまたはD以外のラジカルR
2によって置換されているアリールもしくはヘテロアリール基を意味する:
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
【0010】
(式中、使用した記号および添字は、上述の意味を有する)。
【0011】
Xの定義において、「このNに隣接する少なくとも1つのX」とは、このXが窒素に直接結合され得るか、または式(2)においてXが存在する次の可能な位置であることを意味する。これを、2つの特定の配位子に関して以下の図で再度説明する。
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
【0012】
この図では、窒素に直接結合する位置も、Xが存在する次の可能な位置も明示されている。本出願の常識では、どちらの位置も窒素原子に対する隣接位置であると見なされる。
【0013】
記号Xについて以上に定義したように、少なくとも1つの基XがNを意味し、この窒素原子に隣接するさらなる基Xが基CR
1、すなわち以上に定義した基R
1の1つによって置換されたC原子を意味することが、本発明にとって必須である。
【0014】
式(1)の錯体において、添字nおよびmは、金属Mの全体的な配位数が、金属に応じて、この金属に対して通常の配位数に対応するように選択される。遷移金属については、これは、通常、金属に応じて、配位数4、5または6である。金属配位化合物は、金属および金属の酸化状態に応じて、異なる配位数を有すること、すなわち異なる数の配位子に結合することが一般に知られている。様々な酸化状態における金属または金属イオンの好適な配位数は、有機金属化学または配位化学の分野の当業者の一般的な専門知識に属するため、金属およびその酸化状態、ならびに配位子Lの正確な構造に応じて適切な数の配位子を使用することで、添字nおよびmを適切に選択することは当業者にとって容易である。
【0015】
アリール基は、本発明の常識では、6から40個のC原子を含み;ヘテロアリール基は、本発明の常識では、2から40個のC原子および少なくとも1個のヘテロ原子を含み、C原子とヘテロ原子との合計が少なくとも5になることを条件とする。ヘテロ原子は、好ましくは、N、Oおよび/またはSから選択される。ここでのアリール基またはヘテロアリール基は、単純な芳香族環、すなわちベンゼン、または単純なヘテロ芳香族環、例えばピリジン、ピリミジン、チオフェン等、または縮合アリールもしくはヘテロアリール基、例えばナフタレン、アントラセン、フェナントレン、キノリン、イソキノリン等の何れかを指すものと捉えられる。
【0016】
芳香族環系は、本発明の常識では、環系に6から60個のC原子を含む。ヘテロ芳香族環系は、本発明の常識では、環系に1から60個のC原子および少なくとも1個のヘテロ原子を含み、C原子とヘテロ原子との合計が少なくとも5になることを条件とする。ヘテロ原子は、好ましくは、N、Oおよび/またはSから選択される。芳香族またはヘテロ芳香族環系は、本発明の常識では、必ずしもアリールまたはヘテロアリール基のみを含まず、その代わり、さらに、複数のアリールまたはヘテロアリール基が、例えばC、NもしくはO原子またはカルボニル基などの非芳香族単位(好ましくは、H以外の原子の10%未満)によって割り込まれていてもよい系を指すものと捉えられることを意図する。したがって、例えば、9,9’スピロビフルオレン、9,9−ジアリールフルオレン、トリアリールアミン、ジアリールエーテル、スチルベン等の系も、本発明の常識では2以上のアリール基が、例えば、直鎖状もしくは環状アルキル基、またはシリル基によって割り込まれた系と同様に芳香族環系であると捉えられることを意図する。また、例えばビフェニルまたはターフェニルなどの、2以上のアリールまたはヘテロアリール基が互いに直接結合された系も同様に、芳香族またはヘテロ芳香族環系であると捉えられることを意図する。
【0017】
環状アルキル、アルコキシまたはチオアルコキシ基は、本発明の常識では、単環式、二環式または多環式基を指すものと捉えられる。
【0018】
本発明の目的では、さらに、個々のH原子またはCH
2基が上記の基によって置換されていてもよいC
1−からC
40−アルキル基は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、シクロプロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、2−メチルブチル、n−ペンチル、s−ペンチル、tert−ペンチル、2−ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、s−ヘキシル、tert−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、ネオヘキシル、シクロヘキシル、1−メチルシクロペンチル、2−メチルペンチル、n−ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、4−ヘプチル、シクロヘプチル、1−メチルシクロヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、シクロオクチル、1−ビシクロ[2.2.2]オクチル、2−ビシクロ[2.2.2]オクチル、2−(2,6−ジメチル)オクチル、3−(3,7−ジメチル)オクチル、アダマンチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたは2,2,2−トリフルオロエチルラジカルを指すものと捉えられる。アルケニル基は、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニル、シクロオクテニルまたはシクロオクタジエニルを指すものと捉えられる。アルキニル基は、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、へプチニルまたはオクチニルを指すものと捉えられる。C
1−からC
40−アルコキシ基は、例えば、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシまたは2−メチルブトキシを指すものと捉えられる。
【0019】
それぞれの場合に上記のラジカルRによって置換されていてもよく、任意の所望の位置を介して芳香族またはヘテロ芳香族環系に連結されていてもよい5〜60個の芳香族環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香族環系は、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ベンズアントラセン、フェナントレン、ベンゾフェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレン、フルオランテン、ベンゾフルオランテン、ナフタセン、ペンタセン、ベンゾピレン、ビフェニル、ビフェニレン、ターフェニル、ターフェニレン、フルオレン、スピロビフルオレン、ジヒドロフェナントレン、ジヒドロピレン、テトラヒドロピレン、シス−またはトランス−インデノフルオレン、シス−またはトランス−モノベンゾインデノフルオレン、シス−またはトランス−ジベンゾインデノフルオレン、トルキセン、イソトルキセン、スピロトルキセン、スピロイソトルキセン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ピロール、インドール、イソインドール、カルバゾール、インドロカルバゾール、インデノカルバゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナントリジン、ベンゾ−5,6−キノリン、ベンゾ−6,7−キノリン、ベンゾ−7,8−キノリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ピラゾール、インダゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ナフチミダゾール、フェナントリミダゾール、ピリジミダゾール、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、オキサゾール、ベンゾキサゾール、ナフトキサゾール、アントロキサゾール、フェナントロキサゾール、イソキサゾール、1,2−チアゾール、1,3−チアゾール、ベンゾチアゾール、ピリダジン、ベンゾピリダジン、ピリミジン、ベンゾピリミジン、キノキサリン、1,5−ジアザアントラセン、2,7−ジアザピレン、2,3−ジアザピレン、1,6−ジアザピレン、1,8−ジアザピレン、4,5−ジアザピレン、4,5,9,10−テトラアザペリレン、ピラジン、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン、フルオルビン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントロリン、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1,2,3−オキサゾアゾール、1,2,4−オキサゾアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサゾアゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,3−トリアジン、テトラゾール、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、プリン、プテリジン、インドリジンおよびベンゾチアジアゾールに由来する基を指すものと捉えられる。
【0020】
荷電していないこと、すなわち電気的に中性であることを特徴とする式(1)の化合物が好ましい。これは、錯化金属原子Mの電荷を補償するように配位子LおよびL’の電荷を選択することによって簡単に達成される。
【0021】
また、金属原子の周囲の価電子の合計が、四配位錯体では16であり、五配位錯体では16または18であり、六配位錯体では18であることを特徴とする式(1)の化合物が好ましい。この好ましさは、これらの金属錯体の安定性による。
【0022】
本発明の好適な実施形態において、Mは、遷移金属または主族金属を意味する。Mが主族金属を意味する場合は、好ましくは、第3、第4または第5主族の金属、特に錫を意味する。
【0023】
Mが、ランタニドおよびアクチニドを除く遷移金属、特に、特に好ましくはクロム、モリブデン、タングステン、レニウム、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀および金、特に、モリブデン、タングステン、レニウム、ルテニウム、オスミウム、イリジウム、銅、白金および金から成る群から選択される四配位、五配位または六配位遷移金属を意味する式(1)の化合物が好ましい。イリジウムおよび白金が極めて好ましい。ここで、それらの金属は、様々な酸化状態にあり得る。上記金属は、好ましくは、Cr(0)、Cr(II)、Cr(III)、Cr(IV)、Cr(VI)、Mo(0)、Mo(II)、Mo(III)、Mo(IV)、Mo(VI)、W(0)、W(II)、W(III)、W(IV)、W(VI)、Re(I)、Re(II)、Re(III)、Re(IV)、Ru(II)、Ru(III)、Os(II)、Os(III)、Os(IV)、Rh(I)、Rh(III)、Ir(I)、Ir(III)、Ir(IV)、Ni(0)、Ni(II)、Ni(IV)、Pd(II)、Pt(II)、Pt(IV)、Cu(I)、Cu(II)、Cu(III)、Ag(I)、Ag(II)、Au(I)、Au(III)およびAu(V)の酸化状態にある。Mo(0)、W(0)、Re(I)、Ru(II)、Os(II)、Rh(III)、Cu(I)、Ir(III)およびPt(II)が特に好ましい。Ir(III)およびPt(II)が極めて好ましい。
【0024】
本発明の好適な実施形態において、Mは、四配位金属であり、指数nは1または2を意味する。指数n=1である場合は、1つの二座または2つの一座配位子L’、好ましくは1つの二座配位子L’も金属Mに配位されている。指数n=2である場合は、指数m=0である。好適な四配位金属はPt(II)である。
【0025】
本発明のさらなる好適な実施形態において、Mは、六配位金属であり、指数nは、1、2または3、好ましくは2または3を意味する。指数n=1である場合は、4つの一座、または2つの二座、または1つの二座および2つの一座、または1つの三座および1つの一座、または1つの四座配位子L’、好ましくは2つの二座配位子L’も金属に配位されている。指数n=2である場合は、1つの二座、または2つの一座配位子L’、好ましくは1つの二座配位子L’も金属に配位されている。指数n=3である場合は、指数m=0である。好適な六配位金属はIr(III)である。
【0026】
配位子Lにおいて、好ましくは1つ、2つ、3つまたは4つの基X、特に好ましくは1つ、2つまたは3つの基X、極めて好ましくは1つまたは2つの基XがNを意味する。
【0027】
本発明のさらなる好適な実施形態において、Nを意味する各Xについて、このNに隣接する少なくとも1つのXがCR
1を意味する。
【0028】
まさに1つの基がNを意味する場合は、式(2)の好適な部分は、以下の式(7)から(13)の部分である。
【化4-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化4-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0029】
式中、使用されている記号および添字は、上記の意味を有し、式(7)および(8)におけるR
1は、式(1)の場合において以上に定義されている狭義の意味を有する。
【0030】
2つの基XがNを意味する場合は、式(2)の好適な部分は、以下の式(14)から(27)の部分である。
【化5-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化5-2】
[この文献は図面を表示できません]
【化6-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化6-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0031】
式中、使用されている符号および指数は、上記の意味を有する。
【0032】
3つの基XがNを意味する場合は、式(2)の好適な部分は、以下の式(28)から(36)の部分である。
【化7-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化7-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0033】
式中、使用されている符号および指数は、上記の意味を有する。
【0034】
4つの基XがNを意味する場合は、式(2)の好適な部分は、以下の式(37)および(38)の部分である。
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
【0035】
式中、使用されている符号および指数は、上記の意味を有する。
【0036】
本発明の好適な実施形態において、式(26)、(29)、(34)および(38)における基R
1は、何れも三級アルキル基を意味することはない。
【0037】
以上に定義したように、基R
1は、窒素を意味する少なくとも1つのXに隣接する置換基として結合されている。特に、基R
1は、窒素を意味する各Xに隣接する置換基として結合されている。ここでR
1は、以上に定義したように、CF
3、OCF
3、少なくとも3個のC原子を有する分枝状もしくは環状アルキルもしくはアルコキシル基、三置換シリル基、芳香族もしくはヘテロ芳香族環系、またはアラルキルもしくはヘテロアラルキル基から選択される基である。これらの基は、立体的に嵩高い基である。
【0038】
R
1がアルキル基を意味する場合は、このアルキル基は、好ましくは、4から10個のC原子を有する。それは、さらに好ましくは、第二級または第三級C原子が配位子に直接結合されているか、またはCH
2基を介して配位子に結合されている第二級または第三級アルキル基である。このアルキル基は、特に好ましくは、これらの基の配位子への連結もそれぞれの場合に描かれている以下の式(R
1−1)から(R
1−33)の構造から選択される。
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
【0039】
式中、Ligは、アルキル基の配位子への連結を意味する。
【0040】
R
1がアルコキシ基を意味する場合は、このアルコキシ基は、好ましくは、3から10個のC原子を有する。このアルコキシ基は、好ましくは、これらの基の配位子への連結もそれぞれの場合に描かれている以下の式(R
1−34)から(R
1−47)の構造から選択される。
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
【0041】
式中、Ligは、アルキル基の配位子への連結を意味する。
【0042】
R
1がジアルキルアミノ基を意味する場合は、これらのアルキル基の各々は、好ましくは、1から8個のC原子を有し、特に好ましくは1から6個のC原子を有する。好適なアルキル基の例は、メチル、エチル、または(R
1−1)から(R
1−33)基として以上に示した構造である。ジアルキルアミノ基は、特に好ましくは、これらの基の配位子への連結もそれぞれの場合に描かれている以下の式(R
1−48)から(R
1−55)の構造から選択される。
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
【0043】
式中、Ligは、アルキル基の配位子への連結を意味する。
【0044】
R
1がアラルキル基を意味する場合は、このアラルキル基は、好ましくは、これらの基の配位子への連結もそれぞれの場合に描かれている以下の式(R
1−56)から(R
1−69)の構造から選択される。
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
【0045】
式中、Ligは、アラルキル基の配位子への連結を意味し、フェニル基は、それぞれ1以上のラジカルR
2によって置換されていてもよい。
【0046】
アルキル、アルコキシ、ジアルキルアミノおよびアラルキル基は、正確な構造に応じて、1以上の立体中心を有していてもよい。錯体の基本構造は、キラル構造であってもよいため、特に、立体中心を有する複数の当該アルキル、アルコキシ、ジアルキルアミノおよびアラルキル基が存在する場合にもジアステレオマーの形成が可能である。次いで、本発明に係る錯体は、様々なジアステレオマーまたは対応するラセミ体の混合物と、個別の単離されたジアステレオマーまたは鏡像体との両方を含む。
【0047】
R
1が芳香族またはヘテロ芳香族環系を意味する場合は、この芳香族またはヘテロ芳香族環系は、好ましくは5から30個の芳香族環原子を有し、特に好ましくは5から24個の芳香族環原子を有する。この芳香族またはヘテロ芳香族環系は、さらに好ましくは、2つを超える芳香族6員環が互いに直接縮合されているアリールまたはヘテロアリール基を含まない。芳香族またはヘテロ芳香族環系は、特に好ましくは、縮合アリールまたはヘテロアリール基を全く含まず、極めて好ましくは、フェニル基のみを含む。ここで、芳香族環系は、好ましくは、これらの基の配位子への連結もそれぞれの場合に描かれている以下の式(R
1−70)から(R
1−84)の構造から選択される。
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
【0048】
式中、Ligは、芳香族またはヘテロ芳香族環系の配位子への連結を意味し、フェニル基は、それぞれ1以上のラジカルR
2によって置換されていてもよい。
【0049】
ヘテロ芳香族環系は、さらに好ましくは、これらの基の配位子への連結もそれぞれの場合に描かれている以下の式(R
1−85)から(R
1−112)の構造から選択される。
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
【0050】
式中、Ligは、芳香族またはヘテロ芳香族環系の配位子への連結を意味し、芳香族およびヘテロ芳香族基は、それぞれ1以上のラジカルR
2によって置換されていてもよい。
【0051】
さらなるラジカルRが、ラジカルR
1に加えて式(2)の部分に結合される場合、これらのラジカルRは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、H、D、F、Br、I、N(R
2)
2、CN、Si(R
2)
3、B(OR
2)
2、C(=O)R
2、1から10個のC原子を有する直鎖アルキル基、または2から10個のC原子を有するアルケニル基、または3から10個のC原子を有する分枝状または環状アルキル基(これらの各々は、1以上のラジカルR
2で置換されていてもよい)(ここで、1以上のH原子は、DまたはFで置きかえられていてもよい)、または5から30個の芳香族環原子を有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環系(これは、各々の場合において1以上のラジカルR
2で置換されていてもよい)から成る群から選択され、ここで、2つの隣接するラジカルR、またはRおよびR
1は、さらに、互いに、単環または多環式の、脂肪族環系を形成していてもよい。これらのラジカルRは、特に好ましくは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、H、D、F、N(R
2)
2、1から6個のC原子を有する直鎖状アルキル基、または3から10個のC原子を有する分枝状もしくは環状アルキル基(ここで、1以上のH原子は、DまたはFで置きかえられていてもよい)、または5から24個の芳香族環原子を有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環系(これは、各々の場合において1以上のラジカルR
2で置換されていてもよい)から成る群から選択され、ここで、2つの隣接するラジカルR、またはRおよびR
1は、さらに、互いに、単環または多環式の、脂肪族環系を形成していてもよい。
【0052】
+Mまたは−M効果を有する置換基Rが、本発明に係る錯体の式(2)の部分に結合される場合、これらは、好ましくは、以下の位置で結合される。
【0053】
それが、+M効果を有する置換基Rである場合、これは、好ましくは、金属に対してメタ位の炭素を介して金属に結合される環に結合される。
【0054】
それが、−M効果を有する置換基Rである場合、これは、好ましくは、金属に対してパラ位の炭素を介して金属に結合される環に結合される。
【0055】
どの置換基が+M効果を有し、どの置換基が−M効果を有するかは、有機化学の当業者に既知である。+M効果を有する置換基の例は、F、Cl、Br、I、アミン、アルコキシ基、OH、N(R
2)
2またはチオアルコキシ基である。−M効果を有する置換基の例は、CN、NO
2、ケトン、アルデヒド、ホスフィンオキシド基、スルホキシド基またはスルホンである。
【0056】
+M効果および−M効果を有する置換基が結合する好適な位置を以下に図示する。
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
【0057】
また、金属配位に対してオルト位で結合される置換基Rは、金属Mに同様に配位または結合される配位基を表すことが可能である。好適な配位基Rは、アリールまたはヘテロアリール基、例えば、フェニルもしくはピリジル、シアン化アリールもしくはアルキル、イソシアン化アリールもしくはアルキル、アミンもしくはアミド、アルコールもしくはアルコラート、チオアルコールもしくはチオアルコラート、ホスフィン、ホスファイト、カルボニル官能基、カルボキシラート、カルバミドまたはアリール−もしくはアルキルアセチリドである。以下の式(39)から(44)の部分M(L)
nが、例えば、ここで利用可能である。
【化16-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化16-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0058】
式中、記号および添字は、上記と同じ意味を有し、X
1は、出現するごとに同一であるかまたは異なり、CまたはNを意味し、Wは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、S、OまたはNR
2を意味する。
【0059】
式(39)から(44)は、単に例として、置換基Rがどのようにして金属にさらに配位し得るかを示す。金属に配位する他の基R、例えばカルベンも、さらなる進歩性のあるステップを用いることなく全く同様にして利用可能である。
【0060】
以上に記載したように、この配位子Lを1以上のさらなる配位子LまたはL’に連結する架橋単位Vが、ラジカルRの1つの代わりに存在してもよい。本発明の好適な実施形態において、架橋単位Vは、ラジカルR、特に、配位原子に対してオルト位またはメタ位にあるラジカルRの代わりに存在するため、配位子は、三座または多座もしくは多脚特性を有する。2つの当該架橋単位Vが存在することも可能である。これにより、大環状配位子が形成されるか、またはクリプタートが形成される。
【0061】
多座配位子を含む好適な構造は、以下の式(45)から(50)の金属錯体である。
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
【0062】
式中、使用されている記号は、以上に示した意味を有し、ここで、Vは、好ましくは、単結合、もしくは第3、第4、第5および/または第6主族(IUPACによる、族13、14、15または16)からの1から80個の原子を含む架橋単位、または部分配位子L同士、もしくはLとL’とを互いに共有結合でつなぐ3から6員の同素環もしくはヘテロ環を表す。ここで、架橋単位Vは、非対称構造を有していてもよい(すなわちVのLおよびL’への連結が同一である必要はない)。架橋単位Vは、中性、一負電荷、二負電荷もしくは三負電荷、または一正電荷、二正電荷もしくは三正電荷であり得る。Vは、好ましくは、中性、または一負電荷もしくは一正電荷であり、特に好ましくは中性である。Vの電荷は、好ましくは、全体的に中性の錯体が形成するように選択される。部分ML
nについて以上に記載した好適性が配位子に適用され、nは、好ましくは少なくとも2である。
【0063】
さらに、2つの配位子L
1が、単結合とは別にさらなる二価の架橋を介して互いに連結することも可能である。これにより、以下の式(45a)の構造がもたらされる。
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
【0064】
式中、使用されている記号は、以上に示した意味を有し、V
1は、CR
2、NR、OまたはSを意味する。
【0065】
基Vの正確な構造および化学組成は、この基の役割が、基本的にL同士またはLとL’とを架橋することによって錯体の化学および熱安定性を向上させることであるため、錯体の電子特性に有意な影響を与えない。
【0066】
Vが三価の基である場合、すなわち3つの配位子L同士を、または2つの配位子LをL’に、または1つの配位子Lを2つの配位子L’に架橋する場合、Vは、好ましくは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、B、B(R
2)
−、B(C(R
2)
2)
3、(R
2)B(C(R
2)
2)
3−、B(O)
3、(R
2)B(O)
3−、B(C(R
2)
2C(R
2)
2)
3、(R
2)B(C(R
2)
2C(R
2)
2)
3−、B(C(R
2)
2O)
3、(R
2)B(C(R
2)
2O)
3−、B(OC(R
2)
2)
3、(R
2)B(OC(R
2)
2)
3−、C(R
2)、CO
−、CN(R
2)
2、(R
2)C(C(R
2)
2)
3、(R
2)C(O)
3、(R
2)C(C(R
2)
2C(R
2)
2)
3、(R
2)C(C(R
2)
2O)
3、(R
2)C(OC(R
2)
2)
3、(R
2)C(Si(R
2)
2)
3、(R
2)C(Si(R
2)
2C(R
2)
2)
3、(R
2)C(C(R
2)
2Si(R
2)
2)
3、(R
2)C(Si(R
2)
2Si(R
2)
2)
3、Si(R
2)、(R
2)Si(C(R
2)
2)
3、(R
2)Si(O)
3、(R
2)Si(C(R
2)
2C(R
2)
2)
3、(R
2)Si(OC(R
2)
2)
3、(R
2)Si(C(R
2)
2O)
3、(R
2)Si(Si(R
2)
2)
3、(R
2)Si(Si(R
2)
2C(R
2)
2)
3、(R
2)Si(C(R
2)
2Si(R
2)
2)
3、(R
2)Si(Si(R
2)
2Si(R
2)
2)
3、N、NO、N(R
2)
+、N(C(R
2)
2)
3、(R
2)N(C(R
2)
2)
3+、N(C=O)
3、N(C(R
2)
2C(R
2)
2)
3、(R
2)N(C(R
2)
2C(R
2)
2)
+、P、P(R
2)
+、PO、PS、PSe、PTe、P(O)
3、PO(O)
3、P(OC(R
2)
2)
3、PO(OC(R
2)
2)
3、P(C(R
2)
2)
3、P(R
2)(C(R
2)
2)
3+、PO(C(R
2)
2)
3、P(C(R
2)
2C(R
2)
2)
3、P(R
2)(C(R
2)
2C(R
2)
2)
3+、PO(C(R
2)
2C(R
2)
2)
3、S
+、S(C(R
2)
2)
3+、S(C(R
2)
2C(R
2)
2)
3+、または式(51)、(52)、(53)もしくは(54)の単位から成る群から選択される。
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
【0067】
式中、破線で示される結合は、それぞれの場合に部分配位子LまたはL’に対する結合を示し、Zは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、単結合、O、S、S(=O)、S(=O)
2、NR
2、PR
2、P(=O)R
2、P(=NR
2)、C(R
2)
2、C(=O)、C(=NR
2)、C(=C(R
2)
2)、Si(R
2)
2またはBR
2から成る群から選択される。使用されている他の記号は、以上に示した意味を有する。
【0068】
Vが基CR
2を意味する場合、2つのラジカルRが、互いに連結されてもよく、そのため、例えば9,9−フルオレンなどの構造体も好適な基Vである。
【0069】
Vが二価の基である場合、すなわち2つの配位子L同士を、または1つの配位子LをL’に架橋する場合、Vは、好ましくは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、BR
2、B(R
2)
2−、C(R
2)
2、C(=O)、Si(R
2)
2、NR
2、PR
2、P(R
2)
2+、P(=O)(R
2)、P(=S)(R
2)、AsR
2、As(=O)(R
2)、As(=S)(R
2)、O、S、Se、または式(55)から(64)の単位から成る群から選択される。
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
【0070】
式中、破線で示される結合は、それぞれの場合に部分配位子LまたはL’に対する結合を示し、Yは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、C(R
2)
2、N(R
2)、OまたはSを意味し、使用されている他の記号は、それぞれ、以上に示した意味を有する。
【0071】
式(1)に出現する好適な配位子L’を以下に記載する。配位子基L’も、それらが、式(45)から(50)に示されるように、架橋基Vを介してLに結合される場合は相応に選択され得る。
【0072】
配位子L’は、好ましくは、中性、単陰イオン性、二陰イオン性または三陰イオン性配位子であり、特に好ましくは中性または単陰イオン性配位子である。それらは、一座、二座、三座または四座であることができ、好ましくは二座である(すなわち、2つの配位部位を有する)。以上に記載したように、配位子L’も架橋基Vを介してLに結合され得る。
【0073】
好適な中性一座配位子L’は、一酸化炭素、一酸化窒素、シアン化アルキル、例えばアセトニトリル、シアン化アリール、例えばベンゾニトリル、イソシアン化アルキル、例えばメチルイソニトリル、イソシアン化アリール、例えばベンゾイソニトリル、アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モルホリン、ホスフィン、特に、ハロホスフィン、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィンまたはアルキルアリールホスフィン、例えば、トリフルオロホスフィン、トリメチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス−(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ビス(tert−ブチル)フェニルホスフィン、ホスファイト、例えば、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、アルシン、例えば、トリフルオロアルシン、トリメチルアルシン、トリシクロヘキシルアルシン、トリ−tert−ブチルアルシン、トリフェニルアルシン、トリス(ペンタフルオロフェニル)アルシン、スチビン、例えば、トリフルオロスチビン、トリメチルスチビン、トリシクロヘキシルスチビン、トリ−tert−ブチルスチビン、トリフェニルスチビン、トリス(ペンタフルオロフェニル)スチビン、窒素含有ヘテロ環、例えば、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、およびカルベン、特にアルデュエンゴ(Arduengo)カルベンから成る群から選択される。
【0074】
好適な単陰イオン性一座配位子L’は、水素化物、重水素化物、ハロゲン化物、F
−、Cl
−、Br
−およびI
−、アルキルアセチル化物、例えば、メチル−C≡C−、tert−ブチル−C≡C
−、アリールアセチル化物、例えばフェニル−C≡C
−、シアン化物、シアナート、イソシアナート、チオシアナート、イソチオシアナート、脂肪族または芳香族アルコラート、例えば、メタノラート、エタノラート、プロパノラート、イソプロパノラート、tert−ブチラート、フェノラート、脂肪族または芳香族チオアルコラート、例えば、メタンチオラート、エタンチオラート、プロパンチオラート、イソプロパンチオラート、tert−チオブチラート、チオフェノラート、アミド、例えば、ジメチルアミド、ジエチルアミド、ジイソプロピルアミド、モルホリド、カルボキシラート、例えば、アセタート、トリフルオロアセタート、プロピオナート、ベンゾアート、アリール基、例えば、フェニル、ナフチル、および陰イオン性窒素含有ヘテロ環、例えば、ピロリド、イミダゾリド、ピラゾリドから選択される。これらの基におけるアルキル基は、好ましくはC
1〜C
20−アルキル基であり、特に好ましくはC
1〜C
10−アルキル基であり、極めて好ましくはC
1〜C
4−アルキル基である。アリール基は、また、ヘテロアリール基を指すものと捉えられる。これらの基は、以上に定義した通りである。
【0075】
好適な二陰イオン性または三陰イオン性配位子は、O
2−、S
2−、R−C≡Mの形の配位をもたらす炭化物、およびR−N=Mの形の配位をもたらすニトレンである(ここで、Rは、一般に、置換基またはN
3−を意味する)。
【0076】
好適な中性または単陰イオン性もしくは二陰イオン性二座または多座配位子L’は、ジアミン、例えば、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、プロピレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、シス−またはトランス−ジアミノシクロヘキサン、シス−またはトランス−N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノシクロヘキサン、イミン、例えば、2−[1−(フェニルアミノ)エチル]ピリジン、2−[1−(2−メチルフェニルアミノ)エチル]ピリジン、2−[1−(2,6−ジイソプロピルフェニルイミド)エチル]ピリジン、2−[1−(メチルイミノ)エチル]−ピリジン、2−[1−(エチルイミノ)エチル]ピリジン、2−[1−(イソプロピルイミノ)エチル]ピリジン、2−[1−(tert−ブチルイミノ)エチル]ピリジン、ジイミン、例えば、1,2−ビス(メチルイミノ)エタン、1,2−ビス(エチルイミノ)エタン、1,2−ビス(イソプロピルイミノ)エタン、1,2−ビス(tert−ブチルイミノ)エタン、2,3−ビス(メチルイミノ)ブタン、2,3−ビス(エチルイミノ)ブタン、2,3−ビス(イソプロピルイミノ)ブタン、2,3−ビス(tert−ブチルイミノ)ブタン、1,2−ビス(フェニルイミノ)エタン、1,2−ビス(2−メチルフェニルイミノ)エタン、1,2−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニルイミノ)エタン、1,2−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニルイミノ)エタン、2,3−ビス(フェニルイミノ)ブタン、2,3−ビス(2−メチルフェニルイミノ)−ブタン、2,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニルイミノ)ブタン、2,3−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニルイミノ)ブタン、2個の窒素原子を含むヘテロ環、例えば、2,2’−ビピリジン、o−フェナントロリン、ジホスフィン、例えば、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、ビス(ジメチルホスフィノ)メタン、ビス(ジメチルホスフィノ)エタン、ビス(ジメチルホスフィノ)プロパン、ビス(ジエチルホスフィノ)メタン、ビス(ジエチルホスフィノ)エタン、ビス(ジエチルホスフィノ)プロパン、ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)メタン、ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)エタン、ビス(tert−ブチルホスフィノ)プロパン、1,3−ジケトン、例えば、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、1,5−ジフェニルアセチルアセトン、ジベンゾイルメタン、ビス(1,1,1−トリフルオロアセチル)メタンに由来する1,3−ジケトナート、3−ケトエステル、例えばアセト酢酸エチルに由来する3−ケトナート、アミノカルボン酸、例えば、ピリジン−2−カルボン酸、キノリン−2−カルボン酸に由来するカルボキシラート、グリシン、N,N−ジメチルグリシン、アラニン、N,N−ジメチルアミノアラニン、サリチルイミン、例えば、メチルサリチルイミン、エチルサリチルイミン、フェニルサリチルイミンに由来するサリチルイミナート、ジアルコール、例えば、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコールに由来するジアルコラート、およびジチオール、例えば、1,2−エチレンジチオール、1,3−プロピレンジチオールに由来するジチオラートから選択される。
【0077】
好適な三座配位子は、例えばホウ酸テトラキス(1−イミダゾリル)およびホウ酸テトラキス(1−ピラゾリル)などの窒素含有へテロ環ボラートである。
【0078】
さらに、少なくとも1つの金属−炭素結合を有する環状金属化5または6員環、特に環状金属化5員環を金属と形成する二座の単陰イオン性、中性または二陰イオン性配位子L’が好ましい。これらは、特に、有機エレクトロルミネセンスデバイスのためのリン光性金属錯体の分野で一般に使用される配位子、すなわちそれぞれ1以上のラジカルRによって置換されていてもよいフェニルピリジン、ナフチルピリジン、フェニルキノリン、フェニルイソキノリン等のタイプの配位子である。このタイプの多数の配位子が、リン光性エレクトロルミネセンスデバイスの分野での当業者に既知であり、当業者は、進歩性のあるステップを用いることなく、このタイプのさらなる配位子を式(1)の化合物のための配位子L’として選択することが可能である。以下の式(65)および(92)によって示される2つの基の組合せが、一般にこの目的に特に好適であり、ここで、一方の基は、好ましくは中性窒素原子またはカルベン炭素原子を介して結合され、他方の基は、好ましくは負電荷炭素原子または負電荷窒素原子を介して結合される。次いで、配位子L’は、それぞれの場合に#によって表されている位置で互いに結合するこれらの基を通じて式(65)から(92)の基から形成され得る。それらの基が金属に配位する位置は、*によって表されている。これらの基は、1つまたは2つの架橋単位Vを介して配位子Lに結合されてもよい。
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
【0079】
ここで、Xは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、CRまたはNを意味し、Rは、以上に記載したのと同じ意味を有する。好ましくは、各基における3つの記号Xの最大値がNを意味し、特に好ましくは各基における2つの記号Xの最大値がNを意味し、極めて好ましくは各基における1つの記号Xの最大値がNを意味する。特別に好ましくは、すべての記号XがCRを意味する。
【0080】
式(76)から(80)は、さらにまた、硫黄の代わりに酸素を含んでいてもよい。
【0081】
同様に好適な配位子L’は、それぞれ1以上のラジカルRによって置換されていてもよいη
5−シクロペンタジエニル、η
5−ペンタメチル−シクロペンタジエニル、η
6−ベンゼンまたはη
7−シクロヘプタトリエニルである。
【0082】
同様に好適な配位子L’は、特に式(93)の1,3,5−cis,cis−シクロヘキサン誘導体、特に式(94)の1,1,1−トリ(メチレン)メタン誘導体、および特に式(95)および(96)の1,1,1−三置換メタンである。
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
【0083】
ここで、それらの式の各々に、金属Mへの配位が示されており、Rは、以上に示した意味を有し、Aは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、O
−、S
−、COO
−、PR
2またはNR
2を意味する。
【0084】
以上に示した構造における好適なラジカルRは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、H、D、F、Br、N(R
2)
2、CN、B(OR
2)
2、C(=O)R
2、P(=O)(R
2)
2、1から10個のC原子を有する直鎖アルキル基、または2から10個のC原子を有する直鎖アルケニルまたはアルキニル基、または3から10個のC原子を有する分枝状または環状アルキル基(これらの各々は、1以上のラジカルR
2で置換されていてもよい)(ここで、1以上のH原子は、DまたはFで置きかえられていてもよい)、または5から14個の芳香族環原子を有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環系(これは、各々の場合において1以上のラジカルR
1によって置換されていてもよい)から成る群から選択され、ここで、2以上の隣接するラジカルRは、互いに、単環または多環式の、脂肪族、芳香族および/またはベンゾ縮合環系を形成してもよい。特に好適なラジカルRは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、H、D、F、Br、CN、B(OR
2)
2、1から5個のC原子を有する直鎖状アルキル基、特にメチル、または3から5個のC原子を有する分枝状または環状アルキル基、特にイソプロピルまたはtert−ブチル(ここで、1以上のH原子は、DまたはFで置きかえられていてもよい)、または5から12個の芳香族環原子を有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環系(これは、各々の場合において1以上のラジカルR
2によって置換されていてもよい)から成る群から選択され、ここで、2以上の隣接するラジカルRは、互いに、単環または多環式の、脂肪族、芳香族および/またはベンゾ縮合環系を形成してもよい。
【0085】
本発明に係る錯体は、フェイシャル型もしくはプソイドフェイシャル型であり得るか、またはそれらは、メリジオナル型もしくはプソイドメリジオナル型であり得る。
【0086】
以上に示した好適な実施形態を、要望に応じて互いに組み合わせることができる。本発明の特に好適な実施形態において、以上に示した好適な実施形態は同時に適用される。
【0087】
本発明に係る金属錯体は、基本的に、様々な方法によって製造され得る。しかし、以下に記載の方法が特に好適であることが証明された。
【0088】
したがって、本発明は、また、対応する遊離配位子と、式(97)の金属アルコキシドとの反応、式(98)の金属ケトケトナートとの反応、式(99)の金属ハロゲン化物との反応、または式(100)の二量体金属錯体との反応によって式(1)の金属錯体化合物を製造するための方法に関する。
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
【0089】
式中、記号M、m、nおよびRは、以上に示した意味を有し、Hal=F、Cl、BrまたはIである。
【0090】
同様に、アルコキシドおよび/またはハロゲン化物および/またはヒドロキシルラジカルならびにケトケトナートラジカルを何れも担持する金属化合物、特にイリジウム化合物を使用することも可能である。これらの化合物は、電荷を有していてもよい。出発物質として特に好適である、対応するイリジウム化合物が、国際公開第2004/085449号に開示されている。[IrCl
2(acac)
2]
─、例えばNa[IrCl
2(acac)
2]が特に好適である。アセチルアセトナート誘導体を配位子として有する金属錯体、例えば、Ir(acac)
3またはトリス(2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオナト)イリジウム、およびIrCl
3・xH
2O(ここで、xは、通常、2から4の数字を意味する)。
【0091】
好適なプラチナ出発物質は、例えば、PtCl
2、K
2[PtCl
4]、PtCl
2(DMSO)
2、Pt(Me)
2(DMSO)
2またはPtCl
2(ベンゾニトリル)
2である。
【0092】
錯体の合成は、好ましくは、国際公開第2002/060910号、同第2004/085449号および同第2007/065523号に記載されているように実施される。国際公開第2005/042548号に従ってヘテロレプチック錯体を合成することもできる。合成は、ここで、例えば、熱的に、光化学的に、および/またはマイクロ波放射により活性化することもできる。
【0093】
これらの方法は、場合により例えば再結晶または昇華などの精製がその後に行われるが、本発明に係る式(1)の化合物を、(
1H−NMRおよび/またはHPLCによって測定した場合に)好ましくは99%を超える高純度で得ることを可能にする。
【0094】
本発明に係る化合物を、例えば、(約4から20個のC原子の)比較的長いアルキル基、特に分枝状アルキル基、または場合により置換されたアリール基、例えば、キシリル、メシチル、または分枝状ターフェニルもしくはクオーターフェニル基による好適な置換によって可溶性にすることもできる。次いで、このタイプの化合物は、例えばトルエンまたはキシレンなどの有機溶媒に、溶液から錯体を処理するのに十分な濃度で室温にて可溶である。これらの可溶性化合物は、例えば印刷法による溶液からの処理に特に好適である。
【0095】
以上に記載した式(1)または好適な実施形態の錯体を電子装置における活性成分として使用することができる。電子装置は、アノード、カソード、および少なくとも1つの層(ここで、この層は、少なくとも1つの有機または有機金属化合物を含む)を含むデバイスを指すもの捉えられる。したがって、本発明に係る電子装置は、アノード、カソード、および以上に示した式(1)の少なくとも1つの化合物を含む少なくとも1つの層を含む。ここで、好適な電子装置は、有機エレクトロルミネセンスデバイス(OLED、PLED)、有機集積回路(O−IC)、有機電界効果トランジスタ(O−FET)、有機薄膜トランジスタ(O−TFT)、有機発光トランジスタ(O−LET)、有機太陽電池(O−SC)、有機光検出器、有機光受容体、有機電場消光デバイス(O−FQD)、発光電気化学セル(LEC)または有機レーザダイオード(O−レーザー)(これらは、以上に示した式(1)の少なくとも1つの化合物を少なくとも1つの層に含む)から成る群から選択される。有機エレクトロルミネセンスデバイスが特に好ましい。活性成分は、一般に、アノードとカソードとの間に導入された有機または無機材料、例えば、電荷注入、電荷輸送または電荷遮断材料、特に発光材料およびマトリックス材料である。本発明に係る化合物は、有機エレクトロルミネセンスデバイスにおける発光材料として特に良好な特性を示す。したがって、有機エレクトロルミネセンスデバイスは、本発明の好適な実施形態である。
【0096】
有機エレクトロルミネセンスデバイスは、カソード、アノード、および少なくとも1つの発光層を含む。これらの層とは別に、それは、さらなる層、例えば、1以上の正孔注入層、正孔輸送層、正孔遮断層、電子輸送層、電子注入層、励起子遮断層、電子遮断層、電荷発生層、および/または有機もしくは無機p/n接合を含んでいてもよい。例えば、励起子遮断機能を有し、かつ/またはエレクトロルミネセンスデバイスにおける電荷バランスを制御する中間層が、同様に2つの発光層の間に導入されてもよい。しかし、これらの層の各々が、必ずしも存在する必要がないことに留意されたい。
【0097】
有機エレクトロルミネセンスデバイスは、ここで、1つの発光層または複数の発光層を含んでいてもよい。複数の発光層が存在する場合、これらは、好ましくは、全体で、380nmと750nmの間に複数の発光極大を有するため、全体的に白色発光をもたらす(すなわち、蛍光またはリン光を発することが可能である様々な発光性化合物が発光層に使用される)。3つの層が青色、緑色および橙色もしくは赤色発光を示す三層系(その基本構造については、例えば国際公開第2005/011013号参照)、または3つを超える発光層を有する系が特に好ましい。それは、1以上の層が蛍光を発し、1以上の他の層がリン光を発するハイブリッド系であってもよい。
【0098】
本発明の好適な実施形態において、有機エレクトロルミネセンスデバイスは、以上に示した式(1)または好適な実施形態の化合物を発光性化合物として1以上の発光層に含む。
【0099】
式(1)の化合物が発光性化合物として発光層に採用される場合、それは、好ましくは、1以上のマトリックス材料と組み合わせて採用される。式(1)の化合物およびマトリックス材料を含む混合物は、エミッタおよびマトリックス材料を含む混合物全体に対して、1から99体積%、好ましくは2から90体積%、特に好ましくは3から40体積%、特別好ましくは5から15体積%の式(1)の化合物を含む。よって、該混合物は、エミッタおよびマトリックス材料を含む混合物全体に対して、1から99.9体積%、好ましくは10から99体積%、特に好ましくは60から97体積%、特に85から95体積%のマトリックス材料を含む。
【0100】
採用されるマトリックス材料は、概して、従来技術によるこの目的に対して既知の何れの材料であってもよい。マトリックス材料の三重項準位は、好ましくは、エミッタの三重項準位より高い。
【0101】
本発明に係る化合物のための好適なマトリックス材料は、例えば、国際公開第2004/013080号、同第2004/093207号、同第2006/005627号もしくは同第2010/006680号に記載されているケトン、ホスフィン酸化物、スルホキシドおよびスルホン、国際公開第2005/039246、米国特許出願公開第2005/0069729号、特開2004−288381、欧州特許第1205527号、国際公開第2008/086851号もしくは米国特許出願公開第2009/0134784号に開示されているトリアリールアミン、カルバゾール誘導体、例えばCBP(N,N−ビスカルバゾリルビフェニル)、m−CBPもしくはカルバゾール誘導体、例えば国際公開第2007/063754号もしくは同第2008/056746号に記載されているインドロカルバゾール誘導体、例えば国際公開第2010/136109号もしくは同第2011/000455号に記載されているインデノカルバゾール誘導体、例えば欧州特許第1617710号、同第1617711号、同第1731584号、特開2005−347160に記載されているアザカルバゾール、例えば国際公開第2007/137725号に記載されている双極性マトリックス材料、例えば国際公開2005/111172号に記載されているシラン、例えば国際公開第2006/117052号に記載されているアザボロールもしくはボロン酸エステル、例えば国際公開第2010/054729号に記載されているジアザシロール誘導体、例えば国際公開第2010/054730号に記載されているジアザホスホール誘導体、例えば国際公開第2010/015306号、同第2007/063754号もしくは同第2008/056746号に記載されているトリアジン誘導体、例えば欧州特許第652273号もしくは国際公開第2009/062578号に記載されている亜鉛錯体、例えば国際公開第2009/148015号に記載されているジベンゾフラン誘導体、または例えば米国特許出願公開第2009/0136779号、国際公開第2010/050778号、もしくは未公開出願独国102009048791.3号および同第102010005697.9号に記載されている架橋カルバゾール誘導体である。
【0102】
複数の異なるマトリックス材料、特に少なくとも1つの電子伝導性マトリックス材料および少なくとも1つの正孔伝導性マトリックス材料を混合物として採用することも好適であり得る。好適な組合せは、例えば、芳香族ケトン、トリアジン誘導体またはホスフィン酸化物誘導体と、トリアリールアミン誘導体またはカルバゾール誘導体との、本発明に係る金属錯体としての混合マトリックスとしての使用である。例えば国際公開第2010/108579号に記載されている、電荷輸送性マトリックス材料と、電荷輸送に関与しないかまたは実質的に関与しない電気的に不活性なマトリックス材料との混合物の使用も好ましい。
【0103】
また、2以上の三重項エミッタをマトリックスとともに採用することが好適である。より短波長の発光スペクトルを有する三重項エミッタは、より長波長の発光スペクトルを有する三重項エミッタに対する共マトリックスとして機能する。したがって、例えば、本発明に係る式(1)の錯体を、より長波長で発光する三重項エミッタ、例えば緑色または赤色発光三重項エミッタに対する共マトリックスとして採用することができる。
【0104】
本発明に係る化合物を電子装置における他の機能に、例えば、正孔注入もしくは輸送層における正孔材料として、電荷発生材料として、または電子遮断材料として採用することもできる。本発明に係る錯体を、発光層における他のリン光性金属錯体のためのマトリックス材料として採用することもできる。
【0105】
カソードは、好ましくは、仕事関数が小さい金属、金属合金、または例えばアルカリ土類金属、アルカリ金属、主族金属もしくはランタノイドなどの様々な金属(例えば、Ca、Ba、Mg、Al、In、Mg、Yb、Sm等)を含む多層構造体を含む。アルカリ金属またはアルカリ土類金属および銀を含む合金、例えば、マグネシウムおよび銀を含む合金も好適である。多層構造の場合は、前記金属に加えて、仕事関数が比較的大きいさらなる金属、例えばAgを使用してもよく、その場合は、例えばMg/Ag、Ca/AgまたはBa/Agなどの金属の組合せが一般に使用される。高い誘電率を有する材料の薄い中間層を金属カソードと有機半導体との間に導入することも好適であり得る。例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のフッ化物、さらには対応する酸化物または炭酸塩(例えば、LiF、Li
2O、BaF
2、MgO、NaF、CsF、Cs
2CO
3等)がこの目的に好適である。有機アルカリ金属錯体、例えばLiq(キノリン酸リチウム)もこの目的に好適である。この層の層厚は、好ましくは、0.5から5nmである。
【0106】
アノードは、好ましくは、仕事関数が大きい材料を含む。アノードは、好ましくは、真空に対して4.5eVを超える仕事関数を有する。一方では、高い酸化還元電位を有する金属、例えば、Ag、PtまたはAuがこの目的に好適である。他方では、金属/金属酸化物電極(例えば、Al/Ni/NiO
X、Al/PtO
X)も好適であり得る。用途によっては、有機材料の照射(O−SC)または光の取出し(OLED/PLED、O−LASER)の何れかを促進するために、電極の少なくとも1つが透明または部分的に透明でなければならない。ここで、好適なアノード材料は、導電性混合金属酸化物である。インジウム錫酸化物(ITO)またはインジウム亜鉛酸化物(IZO)が特に好ましい。また、導電性ドープ有機材料、特に導電性ドープポリマー、例えば、PEDOT、PANIまたはこれらのポリマーの誘導体が好ましい。
【0107】
一般に、従来技術によりそれらの層に使用されているすべての材料をさらなる層に使用することができ、当業者は、進歩性のあるステップを用いることなく、電子装置において、これらの材料の各々と本発明に係る材料とを組み合わせることが可能である。
【0108】
デバイスは、(用途に応じて)相応に構成され、接触が設けられ、最終的に密封される(当該デバイスの寿命は、水および/または空気の存在下では著しく低下するためである)。
【0109】
また、材料を真空昇華装置にて、通常10
−5mbar未満、好ましくは10
−6mbar未満の初期圧力で真空蒸着する昇華法によって1以上の層を塗布することを特徴とする有機エレクトロルミネセンスデバイスが好ましい。初期圧力をさらに低くするか、またはさらに高くすること、例えば10
−7mbar未満にすることも可能である。
【0110】
材料を10
−5mbarから1barの圧力で塗布するOVPD(有機気相成長)法またはキャリヤガス昇華を利用して1以上の層を塗布することを特徴とする有機エレクトロルミネセンスデバイスも好ましい。この方法の特殊なケースは、ノズルを介して材料を直接塗布するOVJP(有機蒸気ジェット印刷)法である(例えば、M.S.Arnoldら、Appl.Phys.Lett.2008、92、053301)。
【0111】
また、1以上の層を、例えば、回転塗布により、または例えばスクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷もしくはノズル印刷などの任意の所望の印刷法、特に好ましくはLITI(光誘発熱画像化、熱転写印刷)もしくはインクジェット印刷によって溶液から作製することを特徴とする有機エレクトロルミネセンスデバイスが好ましい。この目的には可溶性の化合物が必要であり、それらは、例えば好適な置換を通じて得られる。
【0112】
有機エレクトロルミネセンスデバイスは、1以上の層を溶液から塗布し、1以上の他の層を蒸着によって塗布することによってハイブリッド系として製造されてもよい。したがって、例えば、式(1)の化合物およびマトリックス材料を含む発光層を溶液から塗布し、正孔遮断層および/または電子輸送層を真空蒸着によって上部に塗布することが可能である。
【0113】
これらの方法は、当業者に広く知られており、当業者によって、以上に示した式(1)または好適な実施形態の化合物を含む有機エレクトロルミネセンスデバイスに、問題なく適用され得る。
【0114】
本発明に係る電子装置、特に有機エレクトロルミネセンスデバイスは、以下の驚くべき利点により、従来技術と区別される。
【0115】
1.式(1)の化合物を発光性材料として含む有機エレクトロルミネセンスデバイスは、非常に良好な寿命を有する。
【0116】
2.式(1)の化合物を発光性材料として含む有機エレクトロルミネセンスデバイスは、優れた効率性を有する。
【0117】
3.本発明に係る金属錯体は、青色領域でリン光を発する有機エレクトロルミネセンスデバイスに利用しやすい。特に、従来技術では、大きな困難を伴わずに、効率および寿命が良好な青色リン光を達成することができない。
【0118】
4.本発明に係る金属錯体は、合成に高収率で容易に利用可能である。
【0119】
以上に挙げたこれらの利点は、他の電子特性の悪化を伴わない。
【0120】
本発明を以下の例によってより詳細に説明するが、それらによって本発明を限定することを望まない。当業者は、進歩性のあるステップを用いることなく、それらの説明に基づいてさらなる電子装置を製造することが可能であるため、特許請求の範囲全体を通じて本発明を実施することが可能である。
【0121】
[実施例]
他に指定する場合を除いて、以下の合成を乾燥溶媒中保護ガス雰囲気下で実施する。さらに、金属錯体を、光を遮った状態で扱う。溶媒および試薬を、例えば、Sigma−ALDRICHまたはABCRから購入することができる。
【0122】
A:シントンSの合成:
1)塩化3,5−ビスフェニルベンゾイル(S1)
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
【0123】
2滴のDMFを添加して3,5−ビスフェニル安息香酸[99710−75−5]を2当量の塩化チオニルとともに煮沸することによる、Organikum[実践有機化学]、VEB Deutscher Verlag der Wissenschaften、Berlin、第5版、1965、409頁に記載の調製。収率:定量的。
1H−NMRによる純度:>98%。
【0124】
2)2−(2−アミノフェニル)ベンズイミダゾール誘導体:
2−(2−アミノ−4−メチルフェニル)ベンズイミダゾール(S2)の調製
B.Sahaら、Synth.Commun.2007、37、19、3455と同様の調製。
【0125】
33.8g(55mmol)のオキソン[70693−62−8]を、150mlのDMFと5mlの水との混合物中13.5g(100mmol)の2−ニトロ−4−メチルベンズアルデヒド[20357−22−6]および11.9g(110mmol)の1,2−ジアミノベンゼンの溶液に撹拌しながら、温度が35℃を超えない速度で少しずつ添加し、20℃まで冷却する。続いて、反応混合物を、アルデヒドの変換が終了するまで室温で撹拌する(約4時間)。反応混合物を、2000mlの水中40gの炭酸カリウムの溶液に混ぜ込み、さらに15分間撹拌し、それぞれの場合に300mlのジクロロメタンで3回抽出し、有機相を300mlの水で2回、500mlの飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥する。ジクロロメタン溶液をシリカゲルで濾過し、ジクロロメタンを真空除去する。黄色残渣を500mlのメタノールに溶解させ、撹拌しながら窒素で覆い、3gの10%Pd/Cを添加し、混合物を2barの水素圧のオートクレーブにて室温で水素化する。水素の取込みが完了すると、触媒をセライト床で濾別し、メタノールを真空除去する。収率:18.5g。
1H−NMRによる純度:>95%。
【表1-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表1-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0126】
3)2−(2−ブロモフェニル)ベンズイミダゾール誘導体
3.1)変形体A、酸化剤としてのオキソン
B.Sahaら、Synth.Commun.2007、37、3455と同様の調製
150mlのDMFと5mlの水との混合物中100mmolのアルデヒドおよび110mmolの1,2−ジアミノベンゼンの溶液を冷水浴(約10℃で約1000ml)に入れ、次いで33.8g(55mmol)のオキソン[70693−62−8]に、撹拌しながら温度が35℃を超えない速度で少しずつ添加する。発熱反応が沈静した後、混合物を、アルデヒドの変換が完了するまで室温で撹拌する(1〜6時間)。反応混合物を2000mlの水中40gの炭酸カリウムの溶液に混ぜ込み、さらに15分撹拌する。沈殿した固体を吸引濾過し、毎回100mlの水で3回洗浄し、次いで吸引乾燥する。油を、それぞれの場合に300mlのジクロロメタンで3回抽出し、有機相を毎回300mlの水で2回、500mlの飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥する。ジクロロメタン溶液を短シリカゲルカラムで濾過し、ジクロロメタンを真空除去し、残渣を酢酸エチル/エーテルまたはエタノール/水から再結晶させる。
【0127】
2−(2−ブロモ−4−フルオロフェニル)−D4−ベンズイミダゾール(S9)の調製
33.8g(55mmol)のオキソン[70693−62−8]を、150mlのDMFと5mlの水との混合物中20.3g(100mmol)の2−ブロモ−4−フルオロベンズアルデヒド[59142−68−6]および11.9g(110mmol)の1,2−ジアミノベンゼン−D4[291765−93−0]の10℃まで冷却された溶液に撹拌しながら、温度が35℃を超えない速度で少しずつ添加する。発熱反応が沈静した後、混合物を、アルデヒドの変換が完了するまで室温で撹拌する(約2時間)。反応混合物を2000mlの水中40gの炭酸カリウムの溶液に混ぜ込み、さらに15分撹拌し、褐色固体を吸引濾過し、毎回100mlの水で3回洗浄し、真空乾燥する。固体を200mlのジクロロメタンに溶解させ、短シリカゲルカラムで濾過し、ジクロロメタンを真空除去し、残渣を酢酸エチル/エーテルから再結晶させる。収率:12.2g(42mmol)、42%。
1H−NMRによる純度:>95%。
【0128】
3.2)変形体B:酸化剤としてのニトロベンゼン
D.Jerchelら、Ann.Chem.1952、575、162と同様の調製
100mlのエタノール中100mmolのアルデヒドおよび110mmoの1,2−ジアミノベンゼンの溶液を、分離器および還流凝縮器を備えた500mlフラスコから成る装置に入れ、室温で30分間撹拌する。続いて、40mlのニトロベンゼンを添加し、反応混合物を加熱して弱還流させ(油浴温度:約220℃)、その間、形成されたエタノールおよび水を留去する。弱還流下で45分後に、混合物を冷却させ、40mlのジエチルエーテルを添加し、混合物をさらに30分間撹拌し、固体を吸引により濾別し、50mlのジエチルエーテルで1回洗浄する。固体を200mlのジクロロメタンに溶解させ、短シリカゲルカラムで濾過し、ジクロロメタンを真空除去し、残渣を酢酸エチル/エーテルまたはエタノール/水から再結晶させる。
【0129】
2−(2−ブロモ−4−フルオロフェニル)−D4−ベンズイミダゾール(S9)の調製
100mlのエタノール中20.3g(100mmol)の2−ブロモ−4−フルオロベンズアルデヒド[59142−68−6]および11.9g(110mmol)の1,2−ジアミノベンゼンの溶液を、分離器および還流凝縮器を備えた500mlフラスコから成る装置に入れ、室温で30分間撹拌する。続いて、40mlのニトロベンゼンを添加し、反応混合物を加熱して弱還流させ(油浴温度:約220℃)、その間、形成されたエタノールおよび水を留去する。弱還流下で45分後に、混合物を冷却させ、40mlのジエチルエーテルを添加し、混合物をさらに30分間撹拌し、固体を吸引により濾別し、50mlのジエチルエーテルで1回洗浄する。固体を200mlのジクロロメタンに溶解させ、短シリカゲルカラムで濾過し、ジクロロメタンを真空除去し、残渣を酢酸エチル/エーテルから再結晶させる。収率:19.7g(68mmol)、68%。
1H−NMRによる純度:>95%。
【表2-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表2-2】
[この文献は図面を表示できません]
【表2-3】
[この文献は図面を表示できません]
【0130】
4)2−(2−アミノフェニル)ベンズイミダゾール誘導体:
2−(2−アミノ−4−フルオロフェニル)−D4−ベンズイミダゾール(S18)の調製
N.Xiuaら、Angew.Chem.Int.Ed.2009、48、337と同様の調製
オートクレーブに29.5g(100mmol)の2−(2−ブロモ−4−フルオロフェニル)−D4−ベンズイミダゾール(S9)、65.2g(200mmol)の炭酸セシウム、200mlのDMF、30mlの濃アンモニア溶液、1.3g(5mmol)のアセチルアセトン酸銅(II)および2.1ml(20mmol)のアセチルアセトンを充填し、密閉する。反応混合物を90℃で24時間撹拌する。冷却後、反応混合物を真空蒸発させ、500mlの水を残渣に添加し、混合物を200mlのジクロロメタンで5回抽出する。一緒にした有機相を毎回200mlの水で3回、300mlの飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥する。溶媒を除去した後、残渣を、ジエチルエーテルとともに撹拌することによって洗浄する。収率:16.9g(73mmol)、73%。
1H−NMRによる純度:>95%。
【表3-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表3-2】
[この文献は図面を表示できません]
【表3-3】
[この文献は図面を表示できません]
【0131】
5)2−tert−ブチル−3−ブロモ−4−ヨードピリジン(S27):
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
【0132】
5.1)2−tert−ブチル−3−ブロモ−6−トリメチルシリルピリジン:
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
【0133】
国際公開第2007/073303号と同様の手順:12.4g(73mmol)の硝酸銀を、128.8g(560mmol)の3−ブロモ−6−トリメチルシリルピリジン[291312−74−8]と286.0g(2.8mol)のピバル酸[75−98−9]と400mlの水との混合物に添加し、混合物を室温で30分間撹拌する。1000mlの10重量%硫酸を反応混合物に15分間にわたって滴加し、混合物を70℃に加温し、300mlの水中168.5g(730mmol)のペルオキソ二硫酸アンモニウムの溶液を30分間にわたって滴加する。二酸化炭素の放出が終了すると、混合物を70℃でさらに3時間撹拌し、反応混合物を冷却させ、500mlの酢酸エチルを添加し、水相を分別し、500mlの酢酸エチルで再び抽出し、有機相を一緒にし、毎回300mlの飽和炭酸水素ナトリウム溶液で10回洗浄し、最後に500mlの飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を真空除去し、このようにして得られた油を油ポンプ真空で60℃にて乾燥する。収率:59.4g(207mmol)、37%。
1H−NMRによる純度:>95%。
【0134】
5.2)2−tert−ブチル−3−ブロモ−4−ヨード−6−トリメチルシリルピリジン:
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
【0135】
P.N.W.Baxter、Chem.Eur.J.2003、9、2531と同様の手順:ヘキサン中65.6ml(105mmol)のn−BuLi(1.6M)を、14.0ml(100mmol)のジイソプロピルアミンと500mlのTHFとの−78℃まで冷却した、激しく撹拌された混合物に15分間にわたって滴加する。反応混合物を−78℃で45分間撹拌し、次いで−90℃まで冷却する。100mlのTHF中30.1g(105mmol)の2−tert−ブチル−3−ブロモ−6−トリメチルシリルピリジンの−90℃まで予備冷却した溶液を、温度が−80℃を超えない速度で滴加する。−90℃でさらに1時間撹拌した後に、反応混合物を−75℃に加温し、−75℃でさらに15分間撹拌し、次いで−90℃まで再冷却する。次いで、80mlのTHF中30.5g(120mmol)のヨウ素の溶液を、温度が−75℃を超えない速度で滴加し、反応混合物を−75℃でさらに4時間撹拌し、室温まで加温させる。10mlの水を添加し、THFを真空除去した後、1000mlのtert−ブチルメチルエーテルを添加し、過剰のヨウ素を低減するために100mlの飽和亜硫酸ナトリウム溶液を混合物に滴加する。有機相を分別し、毎回300mlの水で3回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を真空除去し、残渣をシクロヘキサンから1回再結晶させる。収率:14.8g(36mmol)、34%。
1H−NMRによる純度:>95%。
【0136】
5.3)2−tert−ブチル−3−ブロモ−4−ヨードピリジン:
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
【0137】
150mlのTHF中14.8g(36mmol)の2−tert−ブチル−3−ブロモ−4−ヨード−6−トリメチルシリルピリジンおよび14.0g(40mmol)のフッ化テトラブチルアンモニウム三水和物の溶液を還流下で5分間加熱する。冷却し、THFを真空除去した後、残渣を200mlのジクロロメタンに溶解させ、有機相を毎回100mlの水で5回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥する。ジクロロメタンを真空除去した後、残渣をエタノールから再結晶させる。収率:9.2g(27mmol)、75%。
1H−NMRによる純度:>95%。
【0138】
6)2−クロロ−3−シアノ−6−tert−ブチルピリジン(S28)
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
【0139】
128.8g(560mmol)の3−ブロモ−6−トリメチル−シリルピリジンの代わりに77.6g(560mmol)の2−クロロ−3−シアノピリジン[6602−54−6]を使用する5.1と同様の手順。収率:92.5g(475mmol)、85%。
1H−NMRによる純度:>95%。
【0140】
7)2−(2−クロロ−6−tert−ブチルピリジン−3−イル)ベンズイミダゾール誘導体
2−(2−クロロ−6−tert−ブチルピリジン−3−イル)ベンズイミダゾール(S29)の調製
19.5g(100mmol)の2−クロロ−3−シアノ−6−tert−ブチルピリジン(S28)と36.2g(200mmol)のo−フェニレンジアミンと38.0g(200mmol)のp−トルエンスルホン酸一水和物との乳鉢で均質化された混合物を220℃(油浴温度)で3時間加熱する。冷却後、黒色のガラス状シンターケーキを、激しく撹拌しながら100mlのエタノールと100mlの1N塩酸との混合物に溶解させる。30分間撹拌した後、灰緑色の固体を吸引により濾別し、毎回50mlの水で3回洗浄し、真空乾燥する。固体を200mlの酢酸エチルに溶解させ、2−tert−ブチル−6,11−ジヒドロベンゾ[b]ピリド−[2,3−e]−1,4−ジアゼピン−5−オンおよび褐色の副生物を除去するためにシリカゲル上でクロマトグラフィー処理する(酢酸エチル/ヘプタン1:1、Rf:約0.7)。このようにして得られた粗製物を沸騰温度で酢酸エチルに溶解させ、4倍量のシクロヘキサンを滴加する。室温で18時間撹拌した後、形成された結晶を吸引により濾別し、n−ヘプタンで洗浄し、真空乾燥する。収率:7.5g(26mmol)、26%。
1H−NMRによる純度:>95%。
【表4】
[この文献は図面を表示できません]
【0141】
8)3−シアノ−4−クロロ−6−tert−ブチルピリジン(S32)
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
【0142】
128.8g(560mmol)の3−ブロモ−6−トリメチルシリルピリジンの代わりに77.6g(560mmol)の3−シアノ−4−クロロ−ピリジン[89284−61−7]を使用する5.1と同様の手順。収率:60.9g(313mmol)、56%。
1H−NMRによる純度:>95%。
【0143】
9)2−(4−クロロ−6−tert−ブチルピリジン−3−イル)ベンズイミダゾール誘導体
2−(4−クロロ−6−tert−ブチルピリジン−3−イル)ベンズイミダゾール(S33)の調製
19.5g(100mmol)の2−tert−ブチル−3−クロロ−4−シアノピリジン(S32)と36.2g(200mmol)のo−フェニレンジアミンと38.0g(200mmol)のp−トルエンスルホン酸一水和物との乳鉢で均質化された混合物を220℃(油浴温度)で3時間加熱する。冷却後、黒色のガラス状シンターケーキを、激しく撹拌しながら100mlのエタノールと100mlの1N塩酸との混合物に溶解させる。30分間撹拌した後、灰緑色の固体を吸引により濾別し、毎回50mlの水で3回洗浄し、真空乾燥する。固体を200mlの酢酸エチルに溶解させ、3−tert−ブチル−5,10−ジヒドロベンゾ[b]ピリド[4,3−e]−1,4−ジアゼピン−11−オンおよび褐色の副生物を除去するためにシリカゲル上でクロマトグラフィー処理する(酢酸エチル/ヘプタン1:1、Rf:約0.7)。このようにして得られた粗製物を沸騰温度で酢酸エチルに溶解させ、4倍量のシクロヘキサンを滴加する。室温で18時間撹拌した後、形成された結晶を吸引により濾別し、n−ヘプタンで洗浄し、真空乾燥する。収率:7.5g(26mmol)、26%。
1H−NMRによる純度:>95%。
【表5】
[この文献は図面を表示できません]
【0144】
10)2−tert−ブチル−5−クロロ−1,6−ナフチリジン(S36)
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
【0145】
15.7g(100mmol)の2−クロロ−3−ホルミル−4−アミノピリジン[338452−92−9]と37.6ml(300mmol)のtert−ブチルメチルケトンと1.0ml(10mmol)のピペリジンと100mlのエタノールとの混合物を還流下で60時間加熱する。冷却後、反応混合物を500mlのジクロロメタンで希釈し、毎回500mlの水で5回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を真空除去する。残渣をエタノールから再結晶させる。収率:8.2g(37mmol)、37%。
1H−NMRによる純度:>95%。
【0146】
11)8−フェニル−5−クロロ−1,6−ナフチリジン(S37)
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
【0147】
12.1ml(130mmol)の塩化ホスホリルを100mlのトルエン中22.2g(100mmol)の8−フェニル−1,6−ナフチリジン−5(6H)−オン[173773−04−1]の懸濁液に室温で滴加する。5滴のN,N−ジメチルアニリンを添加した後、反応混合物を還流下で5時間加熱する。冷却後、反応混合物を300mlのトルエンで希釈し、1000gの氷上に注ぎ、5NのNaOHの添加によってアルカリ性(pH:約9)とする。有機相を分別し、300mlの飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、トルエンを真空除去する。収率:22.9g(95mmol)、95%。
1H−NMRによる純度:>95%。
【0148】
12)5−アミノ−1,6−ナフチリジン誘導体
2−tert−ブチル−5−アミノ−1,6−ナフチリジン(S38)の調製
100mlのスルホラン中22.1g(100mmol)の2−tert−ブチル−5−クロロ−1,6−ナフチリジン(S36)と32.1g(600mmol)の塩化アンモニウムとの混合物を200℃で20時間撹拌する。その冷却混合物に300mlの水を添加し、次いでそれを室温で2時間撹拌する。固体を吸引により濾別し、毎回50mlの水で2回洗浄し、続いて50mlのメタノールと150mlの濃アンモニア溶液との混合物に懸濁させる。懸濁液を室温で20時間撹拌する。固体を濾別し、毎回50mlの水で3回洗浄し、真空乾燥させ、昇華させる(p:約1×10
−2mbar、T=150℃)。収率:16.7g(83mmol)、83%。
1H−NMRによる純度:>97%。
【表6】
[この文献は図面を表示できません]
【0149】
13)3−ブロモ−4−アミノ−6−tert−ブチルピリミジン(S40)
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
【0150】
V.Canibanoら、Synthesis 2001、14、2175と同様の手順
18.7g(105mmol)のN−ブロモスクシンイミドを、500mlのアセトニトリル中15.0g(100mmol)の2−tert−ブチル−4−アミノピリジン[39919−69−2]の激しく撹拌された光保護溶液に40℃で少しずつ添加し、混合物をさらに30時間撹拌する。溶媒を真空除去し、残渣を500mlのジクロロメタンに溶解させ、毎回500mlの水で5回、300mlの飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで溶媒を真空除去する。粗製物をシクロヘキサンから再結晶させる。収率:17.9g(78mmol)、78%。
1H−NMRによる純度:>95%。
【0151】
14)1−アミノ−6−tert−ブチル−2,7−ナフチリジン(S41)
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
【0152】
A.Zhangら、J.Combi.Chem.2007、9、6、916と同様の手順:
17.4g(100mmol)の3−シアノ−4−メチル−6−tert−ブチルピリジン[942938−45−6]と14.0ml(105mmol)のN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール[4637−24−5]と150mlのDMFとの混合物を還流下で16時間加熱する。次いで、DMFを70℃で真空除去する。46.3g(600mmol)の無水酢酸アンモニウムを油性残渣に添加し、混合物を均質化し、油浴(温度:約135℃)にて加熱して溶融し、3時間撹拌する。冷却後、溶融物を200mlの水と100mlのエタノールとの混合物に溶解させ、濃アンモニウム溶液の添加によってアルカリ性(pH:約9)とし、毎回300mlのジクロロメタンで3回抽出し、一緒にした有機相を毎回300mlの水で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥する。有機相を真空蒸発させた後、残留する残渣を蒸発させる(p:約1×10
−2mbar、T=150℃)。収率:13.7g(68mmol)、68%。
1H−NMRによる純度:>95%。
【0153】
15)2−N−ピバロイルアミド−3−シアノ−6−tert−ブチルピリジン(S42)
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
【0154】
400mlのジオキサン中19.5g(100mmol)の2−クロロ−3−シアノ−6−tert−ブチルピリジン(S28)と14.2g(140mmol)のピバラミド[754−10−9]と48.9g(150mmol)の炭酸セシウムと1.7g(3mmol)の9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテンと630mg(2.8mmol)の酢酸パラジウム(II)との混合物を100℃で12時間撹拌する。冷却後、溶媒を真空除去し、残渣を1000mlの酢酸エチルに溶解させ、有機相を毎回300mlの水で3回、300mlの飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を除去した後、褐色の固体が残留する。収率:24.9g(96mmol)、96%。
1H−NMRによる純度:>95%。
【0155】
16)2−(2−アミノ−6−tert−ブチルピリジン−3−イル)ベンズイミダゾール誘導体
2−(2−アミノ−6−tert−ブチルピリジン−3−イル)ベンズイミダゾール(S43)の調製
25.9g(100mmol)の2−N−ピバロイルアミド−3−シアノ−6−tert−ブチルピリジン(S42)と90.5g(500mmol)のo−フェニレンジアミン二塩化水素化物[615−28−1]との乳鉢で均質化された混合物を、240℃に予備加熱された油浴に入れ、この温度で3.5時間放置する。冷却後、濃青色の溶融物を、150mlのエタノールと300mlの水との混合物に高温で溶解させ、次いで200mlの水中40gの炭酸ナトリウムの溶液を、激しく撹拌しながら滴加する(注:発泡、二酸化炭素の放出)。添加が完了すると、混合物をさらに30分間撹拌し、次いで灰色の固体を吸引により濾別し、毎回100mlの水で3回洗浄し、真空乾燥する。収率38.0g、86%の生成物と2−tert−ブチルベンズイミダゾールとの1:1混合物(それをさらに精製することなく反応させる)。
【表7】
[この文献は図面を表示できません]
【0156】
17)3−シアノ−4−N−ピバロイルアミド−6−tert−ブチルピリジン(S46)
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
【0157】
400mlのジオキサン中19.5g(100mmol)の3−シアノ−4−クロロ−6−tert−ブチルピリジン(S32)と14.2g(140mmol)のピバラミド[754−10−9]と48.9g(150mmol)の炭酸セシウムと1.7g(3mmol)の9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテンと630mg(2.8mmol)の酢酸パラジウム(II)との混合物を100℃で12時間撹拌する。冷却後、溶媒を真空除去し、残渣を1000mlの酢酸エチルに溶解させ、有機相を毎回300mlの水で3回、300mlの飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を除去した後、褐色の固体が残留する。収率:24.4g(94mmol)、94%。
1H−NMRによる純度:>95%。
【0158】
18)2−(4−アミノ−6−tert−ブチルピリジン−3−イル)ベンズイミダゾール(S47)
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
【0159】
25.9g(100mmol)の3−シアノ−4−N−ピバロイルアミド−6−tert−ブチルピリジン(S46)と90.5g(500mmol)のo−フェニレンジアミン二塩化水素化物[615−28−1]との乳鉢で均質化された混合物を、240℃に予備加熱された油浴に入れ、この温度で3.5時間放置する。冷却後、濃青色の溶融物を、150mlのエタノールと300mlの水との混合物に高温で溶解させ、次いで200mlの水中40gの炭酸ナトリウムの溶液を、激しく撹拌しながら滴加する(注:発泡、二酸化炭素の放出)。添加が完了すると、混合物をさらに30分間撹拌し、次いで灰色の固体を吸引により濾別し、毎回100mlの水で3回洗浄し、真空乾燥する。収率33.5g、76%の生成物と2−tert−ブチルベンズイミダゾールとの1:1混合物(それをさらに精製することなく反応させる)。
【0160】
19)2−(2−tert−ブチルピリミジン−5−イル)ベンズイミダゾール(S48)
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
【0161】
16.9g(55mmol)のオキソン[70693−62−8]を、100mlのDMFと3mlの水との混合物中16.4g(100mmol)の2−tert−ブチルピリミジン−5−カルボキサルデヒド[104461−06−5]および11.9g(110mmol)の1,2−ジアミノベンゼンの溶液に10℃で撹拌しながら少しずつ添加し、続いて混合物を、アルデヒドの変換が完了するまで(約2時間)室温で撹拌する。反応混合物を、2000mlの水中40gの炭酸カリウムの溶液に混ぜ込み、さらに15分間撹拌し、形成された固体を吸引により濾別し、毎回100mlの水で3回洗浄し、真空乾燥する。固体を約50mlの高温の酢酸エチルに溶解させ、冷却中に、わずかに不透明になるまでジエチルエーテルを添加し、混合物をさらに12時間撹拌し、結晶を吸引により濾別し、50mlのジエチルエーテルで1回洗浄し、真空乾燥する。収率:16.6g(66mmol)、66%。
1H−NMRによる純度:>95%。
【0162】
20)4−クロロ−8−tert−ブチルキナゾリン(S49)
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
【0163】
20.1)8−tert−ブチル−4(3H)キナゾリノン
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
【0164】
M.Bergら、Chem.Med.Chem.2009、4、2、249と同様の手順:19.3g(100mmol)の2−アミノ−3−tert−ブチル安息香酸[917874−35−2]と31.4g(300mmol)の酢酸ホルムアミジン[3473−63−0]と4.4ml(110mmol)のホルムアミドとの混合物を160℃で12時間撹拌する。60℃まで冷却後、200mlのエタノールと200mlの2N水酸化ナトリウム溶液との混合物を滴加し、ポリマー物質を除去するために海砂で覆われたP4フリットで混合物を濾過し、次いで2N塩酸の添加によって中性にする。12時間撹拌した後、形成された結晶を吸引により濾別し、毎回100mlの水で3回洗浄する。収率:13.9g(68mmol)、68%。
1H−NMRによる純度:>95%。
【0165】
20.2)4−クロロ−8−tert−ブチルキナゾリン(S49)
18.6ml(200mmol)の塩化ホスホリルを、100mlのトルエン中10.2g(50mmol)の8−tert−ブチル−4(3H)−キナゾリノンの懸濁液に室温で滴加する。5滴のN,N−ジメチルアニリンを添加した後、反応混合物を還流下で5時間加熱する。冷却後、反応混合物を300mlのトルエンで希釈し、1000gの氷上に注ぎ、濃アンモニア溶液の添加によってアルカリ性(pH:約9)とする。有機相を分別し、300mlの飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、トルエンを真空除去する。残渣をシリカゲル上でクロマトグラフィー処理する(n−ヘプタン:酢酸エチル3:1(v:v))。収率:9.3g(42mmol)、84%。
1H−NMRによる純度:>95%。
【0166】
21)3,4−ジアミノ−6−tert−ブチルピリジン二塩化水素化物(S50)
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
【0167】
29.5g(100mmol)の2−(2−ブロモ−4−フルオロフェニル)−D4−ベンズイミダゾール(S9)の代わりに22.9g(100mmol)の3−ブロモ−4−アミノ−6−tert−ブチルピリジン(S40)を使用する4)S18と同様の手順。100mlのエタノールに溶解させ、気体の塩酸を導入することによって、粗製物を二塩化水素化物に変換する。このようにして得られた結晶を吸引により濾別し、真空乾燥する。収率:13.3g(56mmol)、56%。
1H−NMRによる純度:>95%。
【0168】
22)2−(2−アミノ−6−tert−ブチルピリジン−3−イル)−6−tert−ブチル−3H−イミダゾ−[4,5−c]ピリジン(S51)
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
【0169】
90.5g(500mmol)のo−フェニレンジアミン二塩化水素化物の代わりに71.4g(300mmol)の3,4−ジアミノ−6−tert−ブチルピリジン二塩化水素化物(S50)を使用する16)S43と同様の手順。冷却後、濃青色の溶融物を、150mlのエタノールと300mlの水との混合物に高温で溶解させ、次いで100mlの水中25gの炭酸ナトリウムの溶液を、激しく撹拌しながら滴加する(注:発泡、二酸化炭素の放出)。添加が完了すると、混合物をさらに30分間撹拌し、次いで褐色の固体を吸引により濾別し、毎回100mlの水で3回洗浄し、真空乾燥する。収率43.8g、79%の生成物と2,6−ジ−tert−ブチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジンの1:1混合物(それをさらに精製することなく反応させる)。
【0170】
23)2−(2−tert−ブチルピリミジン−5−イル)−6−tert−ブチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン(S52)
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
【0171】
25.9g(100mmol)の2−N−ピバロイルアミド−3−シアノ−6−tert−ブチルピリジン(S42)および90.5g(500mmol)のo−フェニレンジアミン二塩化水素化物[615−28−1]の代わりに16.1g(100mmol)の2−tert−ブチル−5−シアノピリミジン[126230−72−6]および71.4g(300mmol)の3,4−ジアミノ−6−tert−ブチルピリジン二塩化水素化物(S50)を使用する16)、S43と同様の調製。冷却後、紫色の溶融物を、150mlのエタノールと300mlの水との混合物に高温で溶解させ、次いで100mlの水中25gの炭酸ナトリウムの溶液を、激しく撹拌しながら滴加する(注:発泡、二酸化炭素の放出)。添加が完了すると、混合物をさらに30分間撹拌し、次いで褐色の固体を吸引により濾別し、毎回100mlの水で3回洗浄し、真空乾燥する。収率:23.8g(77mmol)、77%。
1H−NMRによる純度:>95%。
【0172】
24)2−(4−アミノ−6−tert−ブチルピリジン−3−イル)−6−tert−ブチル−3H−イミダゾ−[4,5−c]ピリジン(S53)
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
【0173】
90.5g(500mmol)のo−フェニレンジアミン二塩化水素化物の代わりに71.4g(300mmol)の3,4−ジアミノ−6−tert−ブチルピリジン二塩化水素化物(S50)を使用する18)S47と同様の手順。冷却後、濃青色の溶融物を、150mlのエタノールと300mlの水との混合物に高温で溶解させ、次いで100mlの水中25gの炭酸ナトリウムの溶液を、激しく撹拌しながら滴加する(注:発泡、二酸化炭素の放出)。添加が完了すると、混合物をさらに30分間撹拌し、次いで褐色の固体を吸引により濾別し、毎回100mlの水で3回洗浄し、真空乾燥する。収率40.5g、74%の生成物と2,6−ジ−tert−ブチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジンの1:1混合物(それをさらに精製することなく反応させる)。
【0174】
25)メチル2−tert−ブチル−4−(N−ピバロイルアミド)ピリミジン−5−カルボキシラート(S54)
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
【0175】
400mlのジオキサン中22.9g(100mmol)のメチル2−tert−ブチル−4−クロロピリミジン−5−カルボキシラート[897375−22−3]と14.2g(140mmol)のピバラミド[754−10−9]と48.9g(150mmol)の炭酸セシウムと1.7g(3mmol)の9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテンと630mg(2.8mmol)の酢酸パラジウム(II)との混合物を100℃で12時間撹拌する。冷却後、溶媒を真空除去し、残渣を1000mlの酢酸エチルに溶解させ、有機相を毎回200mlの水で3回、300mlの飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を除去した後、褐色の固体が残留する。収率:28.2g(96mmol)、96%。
1H−NMRによる純度:>95%。
【0176】
26)2−(2−tert−ブチル−4−アミノピリミジン−5−イル)ベンズイミダゾール(S55)
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
【0177】
25.9g(100mmol)の2−N−ピバロイルアミド−3−シアノ−6−tert−ブチルピリジン(S42)の代わりにメチル2−tert−ブチル−4−(N−ピバロイルアミド)ピリミジン−5−カルボキシラート(S54)を使用する16)S43と同様の調製。反応混合物の加熱中に形成されたメタノールおよび水を弱いアルゴン流で追い出す。冷却後、黒色の溶融物を、150mlのエタノールと300mlの水との混合物に高温で溶解させ、次いで2700mlの水中40gの炭酸ナトリウムの溶液を、激しく撹拌しながら滴加する(注:発泡、二酸化炭素の放出)。添加が完了すると、混合物をさらに30分間撹拌し、次いで褐色の固体を吸引により濾別し、毎回100mlの水で3回洗浄し、真空乾燥する。収率28.3g、64%の生成物と2−tert−ブチルベンズイミダゾールの1:1混合物(それをさらに精製することなく反応させる)。
【0178】
27)2−(2−tert−ブチル−4−アミノピリミジン−5−イル)−6−tert−ブチル−3H−イミダゾ−[4,5−c]ピリジン(S56)
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
【0179】
25.9g(100mmol)の2−N−ピバロイルアミド−3−シアノ−6−tert−ブチルピリジン(S42)の代わりにメチル2−tert−ブチル−4−(N−ピバロイルアミド)ピリミジン−5−カルボキシラート(S54)を使用し、90.5g(500mmol)のo−フェニレンジアミン二塩化水素化物の代わりに71.4g(300mmol)の3,4−ジアミノ−6−tert−ブチルピリジン二塩化水素化物(S50)を使用する16)43と同様の調製。反応混合物の加熱中に形成されたメタノールおよび水を弱いアルゴン流で追い出す。冷却後、黒色の溶融物を、150mlのエタノールと300mlの水との混合物に高温で溶解させ、100mlの水中25gの炭酸ナトリウムの溶液を、激しく撹拌しながら滴加する(注:発泡、二酸化炭素の放出)。添加が完了すると、混合物をさらに30分間撹拌し、次いで褐色の固体を吸引により濾別し、毎回100mlの水で3回洗浄し、真空乾燥する。収率38.9g、70%の生成物と2,6−ジ−tert−ブチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジンの1:1混合物(それをさらに精製することなく反応させる)。
【0180】
28)2−(N−アルキルアミド)ベンズアルデヒド誘導体
2−(N−ピバロイルアミド)−4−フルオロベンズアルデヒド(S57)の調製:
400mlのジオキサン中20.3g(100mmol)の2−ブロモ−4−フルオロベンズアルデヒド[59142−68−6]と14.2g(140mmol)のピバラミド[754−10−9]と81.5g(250mmol)の炭酸セシウムと1.7g(3mmol)の9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテンと630mg(2.8mmol)の酢酸パラジウム(II)との混合物を100℃で4時間撹拌する。冷却後、溶媒を真空除去し、残渣を1000mlの酢酸エチルに溶解させ、有機相を毎回300mlの水で3回、300mlの飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、短シリカゲルカラムで濾過する。溶媒を真空で除去した後に得られた固体をさらに反応させる。収率:20.8g(93mmol)、95%。
1H−NMRによる純度:>95%。
【表8】
[この文献は図面を表示できません]
【0181】
29)2−(2−N−アルキルアミド)フェニル)ベンズイミダゾール誘導体
2−(2−(N−ピバロイルアミド)−4−フルオロフェニル)ベンズイミダゾール(S59)の調製:
50mlのエタノール中22.3g(100mmol)の2−(N−ピバロイルアミド)−4−フルオロベンズアルデヒド(S57)および11.9g(110mmol)のo−フェニレンジアミン[95−54−5]の溶液を、水分離器を備えた500ml丸底フラスコに入れ、50℃で30分間撹拌する。次いで、50mlのニトロベンゼンを添加し、昇温してニトロベンゼンを静かに還流させ、形成されたエタノールおよび水を加熱中に除去する。静かな還流下で2時間後、混合物を50℃まで冷却させ、40mlのメタノールを添加し、次いで混合物を撹拌しながら十分に冷却させ、室温でさらに2時間撹拌し、次いで形成された結晶を吸引により濾別し、毎回20mlのメタノールで2回洗浄し、真空乾燥する。収率:28.6g(92mmol)、92%。
1H−NMRによる純度:>95%。
【表9】
[この文献は図面を表示できません]
【0182】
30)6−クロロベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2−c]キナゾリン(S61)
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
【0183】
23.5g(100mmol)のベンズイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−6(5H)−オン[16367−99−0]と22.9g(110mmol)の五塩化リンと250mlの塩化ホスホリルとの混合物を還流下で24時間加熱する。過剰の塩化ホスホリルを真空除去し、1000mlのジクロロメタンを残渣に添加し、混合物を1000gの氷の添加によって加水分解し、10重量%の水酸化ナトリウム溶液の添加によって弱アルカリ性とし、有機相を分別し、硫酸ナトリウムで乾燥し、次いでジクロロメタンを真空除去する。収率:24.1g(94mmol)、94%。
1H−NMRによる純度:>95%。
【0184】
31)6−tert−ブチル−2−(3,3−ジメチルブタ−1−イニル)ニコチノニトリル(S62)
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
【0185】
15.7g(60mmol)のトリフェニルホスフィン、6.7g(30mmol)の酢酸パラジウム(II)、5.7g(30mmol)のヨウ化銅(I)および155.6g(1.9mmol)のtert−ブチルアセチレンを、1800mlのDMFと1000mlのトリエチルアミンとの混合物中194.7g(1mol)の2−クロロ−3−シアノ−6−tert−ブチルピリシン(S28)の溶液に連続的に添加し、混合物を65℃で4時間撹拌する。冷却後、沈殿した塩酸トリエチルアンモニウムを吸引により濾別し、300mlのDMFで濯ぐ。濾液から溶媒を真空で除去する。油性残渣を1000mlの酢酸エチルに溶解させ、溶液を毎回500mlの水で5回、500mlの飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥する。酢酸エチルを真空除去した後、黒色の油性残渣をクーゲルロール蒸留する(p:約10
−2mbar、T=120〜140℃)。収率:190.6g(793mmol)、79%。
1H−NMRによる純度:>97%。
【表10-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表10-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0186】
32)6−tert−ブチル−2−(3,3−ジメチルブタ−1−イニル)ピリジン−3−カルボキサルデヒド(S69)
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
【0187】
トルエン中310ml(315mmol)の水素化ジイソブチルアルミニウム(1M)を、1500mlのジクロロメタン中72.1g(300mmol)の6−tert−ブチル−2−(2,3−ジメチルブタ−1−イニル)ニコチノニトリル(S62)の−78℃まで冷却した溶液に、温度が−65℃を超えない速度で滴加する。添加が完了すると、反応混合物を−78℃でさらに2時間撹拌し、次いで室温まで徐々に加温させ、さらに12時間撹拌する。−10℃まで再冷却した後、300mlのTHFを添加し、次いで激しく撹拌しながら400mlの2N硫酸(発熱!)を添加し、混合物を室温でさらに12時間撹拌する。−10℃まで再冷却した後、300mlの水中70gのNaOHの溶液を添加し、水相を分別し、有機相を毎回1000mlの水で3回、500mlの飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を真空除去する。収率:69.6g(286mmol)、95%。
1H−NMRによる純度:>95%。
【表11-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表11-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0188】
B.配位子Lの合成
1)ベンズイミダゾ[1,2−c]キナゾリン系
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
【0189】
1.1)2−(2−アミノフェニル)ベンズイミダゾール誘導体から
一般的な配位子合成変形体A:
100mmolの2−(2−アミノフェニル)ベンズイミダゾール誘導体と350mmolのカルボン酸塩化物と350mmolのカルボン酸との激しく撹拌された混合物を、150℃以下で沸騰するカルボン酸塩化物の場合は180℃まで、150℃を超える温度で沸騰するカルボン酸塩化物の場合は2−(2−アミノフェニル)ベンズイミダゾール誘導体が反応するまで、還流下で24から100時間加熱する。冷却後、反応混合物をエタノールまたは酢酸エチル(50〜200ml)に溶解させる。反応混合物を500gの氷と500mlの濃アンモニア水溶液との混合物に、激しく撹拌しながら混ぜ込む。生成物が固体として生成される場合、これを吸引により濾別し、水で洗浄し、吸引乾燥する。生成物が油として生成される場合、これをそれぞれの場合に300mlの酢酸エチルで3回抽出する。有機相を分別し、500mlの水で洗浄し、真空蒸発させる。粗製物を酢酸エチルまたはジクロロメタンに溶解させ、褐色の不純物を除去するために、酸化アルミニウムを含む短カラム(塩基性、活性グレード1)、またはシリカゲルで濾過する。このようにして得られた生成物を(メタノール、エタノール、アセトン、ジオキサン等から)2回再結晶した後、低沸点成分および不揮発性の二次成分をクーゲルロール蒸留または昇華によって除去する(p:約1×10
−5mbar、T:約150〜230℃)。
1H−NMRによる典型的純度:>99.5%。
【0190】
一般的配位子合成変形体B:
カルボン酸の代わりに50mmolの水を添加すること以外は、変形体Aと同様の手順。
【0191】
一般的配位子合成変形体C:
カルボン酸を添加しないこと以外は、変形体Aと同様の手順。
【0192】
L13の調製:
20.9g(100mmol)の2−(2−アミノフェニル)ベンズイミダゾールと42.2g(350mmol)の塩化ピバロイルと30.6g(300mmol)のピバル酸との混合物を還流下で50時間加熱する。反応混合物を約60℃まで冷却させ、100mlのエタノールを添加し、このようにして得られた混合物を、500gの氷と500mlの濃アンモニアとの混合物に混ぜ込み、混合物をさらに15分間撹拌し、次いで沈殿した固体を吸引により濾別し、毎回100mlの水で2回洗浄し、吸引乾燥する。粗製物を200mlのジクロロメタンに溶解させ、短シリカゲルカラムで濾過し、200mlのジクロロメタンで濯ぎ、ジクロロメタンを真空除去し、残渣を約600mlのエタノールから2回再結晶させ、生成物を最後に真空で2回昇華させる(p=1×10
−5mbar、T=160℃)。収率:21.2g(77mmol)、77%。
1H−NMRによる純度:>99.5%。
【0193】
L23の調製:
20.9g(100mmol)の2−(2−アミノフェニル)ベンズイミダゾールと47.1g(350mmol)の塩化3,3−ジメチルブチリルと34.8g(300mmol)の3,3−ジメチル酪酸との混合物を還流下で20時間加熱する。反応混合物を約60℃まで冷却させ、100mlのエタノールを添加し、このようにして得られた混合物を、500gの氷と500mlの濃アンモニアとの混合物に混ぜ込み、混合物をさらに15分間撹拌し、次いで沈殿した固体を吸引により濾別し、毎回100mlの水で3回洗浄し、吸引乾燥する。粗製物を200mlのジクロロメタンに溶解させ、短シリカゲルカラムで濾過し、シリカゲルカラムを200mlのジクロロメタンで濯ぎ、ジクロロメタンを真空除去し、残渣を約400mlのエタノールから2回再結晶させ、生成物を最後に真空で2回昇華させる(p=1×10
−5mbar、T=170℃)。収率:25.2g(87mmol)、87%。
1H−NMRによる純度:>99.5%。
【0194】
L42の調製
20.9g(100mmol)の2−(2−アミノフェニル)ベンズイミダゾールと63.9g(350mmol)の塩化2,4,6−トリメチルベンゾイルと0.9mlの水との混合物を還流下で24時間加熱する。反応混合物を約40℃まで冷却させ、50mlの酢酸エチルを添加し、このようにして得られた混合物を500gの氷と500mlの濃アンモニアとの混合物に混ぜ込み、混合物をさらに15分間撹拌し、水相を毎回300mlの酢酸エチルで3回抽出し、一緒にした有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、有機相を短シリカゲルカラムで濾過し、シリカゲルカラムを200mlの酢酸エチルで濯ぎ、酢酸エチルを真空除去し、残渣を約300mlのメタノールから1回、約100mlのアセトンから1回再結晶させ、生成物を最後に真空で2回昇華させる(p=1×10
−5mbar、T=170℃)。収率:21.9g(65mmol)、65%。
1H−NMRによる純度:>99.5%。
【0195】
1.2)2−(2−(N−アルキルアミド)フェニル)ベンズイミダゾール誘導体から
一般的配位子合成変形体D:
100mmolの2−(2−(N−アルキルアミド)フェニル)ベンズイミダゾール誘導体と350mmolのカルボン酸塩化物との激しく撹拌された混合物を、150℃以下で沸騰するカルボン酸塩化物の場合は180℃まで、150℃を超える温度で沸騰するカルボン酸塩化物の場合は2−(2−(N−アルキルアミド)フェニル)ベンズイミダゾール誘導体が反応するまで、還流下で24から100時間加熱する。反応混合物の粘着性が強すぎる場合は、それを、その沸点が使用するカルボン酸塩化物に対応する不活性溶媒、例えば、ジオキサンまたはジエチレングリコールジメチルエーテルで希釈する。冷却後、反応混合物をジオキサン(50〜200ml)に溶解させる。反応混合物を500gの氷と500mlの濃アンモニア水溶液との混合物に、激しく撹拌しながら混ぜ込む。生成物が固体として生成される場合は、これを吸引により濾別し、水で洗浄し、吸引乾燥する。生成物が油として生成される場合は、これを、それぞれの場合に300mlの酢酸エチルで3回抽出する。有機相を分別し、水で洗浄し、真空蒸発させる。粗製物を酢酸エチルまたはジクロロメタンに溶解させ、褐色の不純物を除去するために、酸化アルミニウムを含む短カラム(塩基性、活性グレード1)、またはシリカゲルで濾過する。このようにして得られた生成物を(メタノール、エタノール、アセトン、ジオキサン等から)2回再結晶した後、低沸点成分および褐色の二次成分をクーゲルロール蒸留または昇華によって除去する(p:約1×10
−5mbar、T:約150〜230℃)。
1H−NMRによる典型的純度:>99.5%。
【0196】
1.3)6−クロロベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2−c]キナゾリン誘導体から
一般的配位子合成変形体E:
25.4g(100mmol)の6−クロロベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2−c]キナゾリン(S61)と200mmolのナトリウムアルコキシドとの混合物を、200mlの対応するアルコール中で、6−クロロベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2−c]キナゾリンが反応するまで(2〜12時間)還流下で加熱する。アルコールまたは溶媒を流去し、固体を300mlの水に溶解させ、撹拌することによって洗浄する。吸引により濾過した後、固体を100mlの水で2回、30mlの低温メタノールで1回洗浄し、次いで真空乾燥する。このようにして得られた生成物を(エタノール、アセトン、ジオキサン等から)2回再結晶した後、低沸点成分をクーゲルロール蒸留または昇華によって除去する(p:約1×10
−5mbar、T:約150〜230℃)。
1H−NMRによる典型的純度:>99.5%。
【表12-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表12-2】
[この文献は図面を表示できません]
【表12-3】
[この文献は図面を表示できません]
【表12-4】
[この文献は図面を表示できません]
【表12-5】
[この文献は図面を表示できません]
【表12-6】
[この文献は図面を表示できません]
【表12-7】
[この文献は図面を表示できません]
【表12-8】
[この文献は図面を表示できません]
【表12-9】
[この文献は図面を表示できません]
【表12-10】
[この文献は図面を表示できません]
【表12-11】
[この文献は図面を表示できません]
【表12-12】
[この文献は図面を表示できません]
【表12-13】
[この文献は図面を表示できません]
【表12-14】
[この文献は図面を表示できません]
【表12-15】
[この文献は図面を表示できません]
【表12-16】
[この文献は図面を表示できません]
【表12-17】
[この文献は図面を表示できません]
【表12-18】
[この文献は図面を表示できません]
【表12-19】
[この文献は図面を表示できません]
【表12-20】
[この文献は図面を表示できません]
【表12-21】
[この文献は図面を表示できません]
【表12-22】
[この文献は図面を表示できません]
【表12-23】
[この文献は図面を表示できません]
【表12-24】
[この文献は図面を表示できません]
【0197】
2)2,6a,11−トリアザベンゾ[a]フルオレン系
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
【0198】
2.1)2−(4−クロロピリジン−3−イル)ベンズイミダゾールおよび末端アルキンから
14.3g(50mmol)の2−(4−クロロ−6−tert−ブチルピリジン−3−イル)−ベンズイミダゾール誘導体と55mmolの末端アルキンと191mg(1mmol)のヨウ化銅(I)と112mg(0.5mmol)の酢酸パラジウム(II)と315mg(1.2mmol)のトリフェニルホスフィンと100mlのトリエチルアミンと100mlのジオキサンとの混合物を、120℃にてオートクレーブ中で16時間撹拌する。冷却後、溶媒を真空除去し、残渣を300mlの酢酸エチルに溶解させ、有機相を毎回100mlの水で3回、100mlの飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、短シリカゲルカラムで濾過する。溶媒を真空除去した後、残渣をメタノールから2回再結晶させる。このようにして得られた固体から低沸点成分および不揮発性の二次成分を昇華によって除去する(p:約1×10
−5mbar、T:約180〜230℃)。
1H−NMRによる典型的純度:>99.5%。
【表13-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表13-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0199】
3)4,6a,11−トリアザベンゾ[a]フルオレン系
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
【0200】
3.1)2−(2−クロロピリジン−3−イル)ベンズイミダゾールおよび末端アルキンから
14.3g(50mmol)の2(2−クロロ−6−tert−ブチルピリジン−3−イル)−ベンズイミダゾール誘導体と55mmolの末端アルキンと191mg(1mmol)のヨウ化銅(I)と112mg(0.5mmol)の酢酸パラジウム(II)と315mg(1.2mmol)のトリフェニルホスフィンと100mlのトリエチルアミンと100mlのジオキサンとの混合物を、120℃にてオートクレーブ中で16時間撹拌する。冷却後、溶媒を真空除去し、残渣を300mlの酢酸エチルに溶解させ、有機相を毎回100mlの水で3回、100mlの飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、短シリカゲルカラムで濾過する。溶媒を真空除去した後、残渣をメタノールから2回再結晶させる。このようにして得られた固体から低沸点成分および不揮発性の二次成分を昇華によって除去する(p:約1×10
−5mbar、T:約180〜230℃)。
1H−NMRによる典型的純度:>99.5%。
【表14-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表14-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0201】
3.2)2−(2−クロロピリジン−3−イル)ベンズイミダゾールおよび内部アルキンから
14.3g(50mmol)の2(2−クロロ−6−tert−ブチルピリジン−3−イル)−ベンズイミダゾール誘導体と55mmolの内部アルキンと225mg(1mmol)の酢酸パラジウム(II)と1.1g(4mmol)のトリフェニルホスフィンと14g(100mmol)の炭酸カリウムと200mlのキシレンとの混合物を、還流下で16時間加熱する。冷却後、固体をシリカゲル床で濾別し、500mlのTHFで濯ぎ、濾液を蒸発させて乾固する。残渣を沸騰温度で50mlの酢酸エチルに溶解させ、200mlのn−ヘプタンを徐々に添加する。冷却後、晶出した固体を吸引により濾別し、毎回50mlのn−ヘプタンで2回洗浄し、真空乾燥する。このようにして得られた固体から低沸点成分および不揮発性の二次成分を昇華によって除去する(p:約1×10
−5mbar、T:約200〜250℃)。
1H−NMRによる典型的純度:>99.5%。
【表15】
[この文献は図面を表示できません]
【0202】
3.3)ピリジン−3−カルボキサルデヒドおよび1,2−ジアミノベンゼンから
1000mlのニトロベンゼン中500mmolのピリジン−3−カルボキサルデヒドおよび550mmolの1,2−ジアミノベンゼンの溶液を、止め栓および装着蒸留ブリッジを備えた2000mlの一口フラスコから成る装置に入れ、200℃で2時間撹拌し、その間、生成した水を留去する。次いで、約215℃に昇温し、ニトロベンゼンをアルゴン流で留去する。蒸留の終了に向けて、ニトロベンゼンの最終残留物を除去するために約100mbarの真空にし、次いで反応混合物を冷却させる。粗製物がガラス状で生成される場合は、ガラスを機械的に細かく粉砕し、油を200〜400mlのメタノールと直に混合し、混合物を還流下で加熱し、その間、溶解したガラスまたは油ならびに生成物を晶出させる。このようにして得られた粗製物は、既に高い純度を有する(
1H−NMRの典型的純度:97〜99%)。それらを場合により再び再結晶させ、次いで低沸点成分および不揮発性の二次成分を昇華によって除去する(p:約1×10
−5mbar、T:約200〜250℃)。
1H−NMRによる典型的純度:>99.5%。
【表16-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表16-2】
[この文献は図面を表示できません]
【表16-3】
[この文献は図面を表示できません]
【表16-4】
[この文献は図面を表示できません]
【表16-5】
[この文献は図面を表示できません]
【表16-6】
[この文献は図面を表示できません]
【表16-7】
[この文献は図面を表示できません]
【表16-8】
[この文献は図面を表示できません]
【表16-9】
[この文献は図面を表示できません]
【表16-10】
[この文献は図面を表示できません]
【表16-11】
[この文献は図面を表示できません]
【表16-12】
[この文献は図面を表示できません]
【表16-13】
[この文献は図面を表示できません]
【表16-14】
[この文献は図面を表示できません]
【0203】
4)6a,8,11−トリアザベンゾ[a]フルオレン系
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
【0204】
4.1)1−アミノイソキノリン誘導体から
K.T.J.Loonesら、Tetrahedron 2007、63、3818と同様の手順:500mlのo−キシレン中100mmolの1−アミノイソキノリン誘導体と37.4g(110mmol)の2−tert−ブチル−3−ブロモ−4−ヨードピリジン(S27)または27.9g(110mmol)の2−トリフルオロメチル−4−ヨード−5−クロロピリジンと35.0g(250mmol)の炭酸カリウムと200gのガラスビーズ(直径3mm)と2.6g(10mmol)のトリフェニルホスフィンと450mg(2mmol)の酢酸パラジウム(II)との激しく撹拌された混合物を、1−アミノイソキノリン誘導体が消費されるまで(典型的には3〜30時間)還流下で加熱する。冷却後、固体をシリカゲル床で濾別し、1000mlのTHFで濯ぎ、濾液を蒸発させて乾固する。残渣を沸騰温度で100mlの酢酸エチルに溶解させ、250mlのn−ヘプタンを徐々に添加する。冷却後、晶出した固体を吸引により濾別し、毎回50mlのn−ヘプタンで2回洗浄し、真空乾燥する。このようにして得られた固体から低沸点成分および不揮発性の二次成分を昇華によって除去する(p:約1×10
−5mbar、T:約180〜230℃)。
1H−NMRによる典型的純度:>99.5%。
【表17-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表17-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0205】
4.2)1−クロロイソキノリン誘導体から
500mlのo−キシレン中100mmolの1−クロロイソキノリン誘導体と29.8g(130mmol)の3−ブロモ−4−アミノ−6−tert−ブチルピリジン(S40)と35.0g(250mmol)の炭酸カリウムと200gのガラスビーズ(直径3mm)と2.6g(10mmol)のトリフェニルホスフィンと450mg(2mmol)の酢酸パラジウム(II)との激しく撹拌された混合物を、1−クロロイソキノリン誘導体が消費されるまで(典型的には3〜30時間)還流下で加熱する。冷却後、固体をシリカゲル床で濾別し、1000mlのTHFで濯ぎ、濾液を蒸発させて乾固する。残渣を沸騰温度で75mlの酢酸エチルに溶解させ、250mlのn−ヘプタンを徐々に添加する。冷却後、晶出した固体を吸引により濾別し、毎回50mlのn−ヘプタンで2回洗浄し、真空乾燥する。このようにして得られた固体から低沸点成分および不揮発性の二次成分を昇華によって除去する(p:約1×10
−5mbar、T:約150〜230℃)。
1H−NMRによる典型的純度:>99.5%。
【表18-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表18-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0206】
5)4,6a,8,11−テトラアザベンゾ[a]フルオレン系
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
【0207】
5.1)5−クロロ−1,6−ナフチリジン誘導体から
500mlのo−キシレン中100mmolの5−クロロ−1,6−ナフチリジン誘導体と29.8g(130mmol)の2−tert−ブチル−4−アミノ−5−ブロモピリジン(S40)と35.0g(250mmol)の炭酸カリウムと200gのガラスビーズ(直径3mm)と2.6g(10mmol)のトリフェニルホスフィンと450mg(2mmol)の酢酸パラジウム(II)との激しく撹拌された混合物を、5−クロロ−1,6−ナフチリジン誘導体が消費されるまで(典型的には3〜30時間)還流下で加熱する。冷却後、固体をシリカゲル床で濾別し、1000mlのTHFで濯ぎ、濾液を蒸発させて乾固する。残渣を沸騰温度で75mlの酢酸エチルに溶解させ、250mlのn−ヘプタンを徐々に添加する。冷却後、晶出した固体を吸引により濾別し、毎回50mlのn−ヘプタンで2回洗浄し、真空乾燥する。このようにして得られた固体から低沸点成分および不揮発性の二次成分を昇華によって除去する(p:約1×10
−5mbar、T:約180〜230℃)。
1H−NMRによる典型的純度:>99.5%。
【表19】
[この文献は図面を表示できません]
【0208】
5.2)5−アミノ−1,6−ナフチリジン誘導体から
500mlのo−キシレン中100mmolの5−アミノ−1,6−ナフチリジン誘導体と37.4g(110mmol)の2−tert−ブチル−3−ブロモ−4−ヨードピリジン(S27)または27.9g(110mmol)の2−トリフルオロメチル−4−ヨード−5−クロロピリジン[823221−95−0]と35.0g(250mmol)の炭酸カリウムと200gのガラスビーズ(直径3mm)と2.6g(10mmol)のトリフェニルホスフィンと450mg(2mmol)の酢酸パラジウム(II)との激しく撹拌された混合物を、5−アミノ−1,6−ナフチリジン誘導体が消費されるまで(典型的には3〜30時間)還流下で加熱する。冷却後、固体をシリカゲル床で濾別し、1000mlのTHFで濯ぎ、濾液を蒸発させて乾固する。残渣を沸騰温度で75mlの酢酸エチルに溶解させ、250mlのn−ヘプタンを徐々に添加する。冷却後、晶出した固体を吸引により濾別し、毎回50mlのn−ヘプタンで2回洗浄し、真空乾燥する。このようにして得られた固体から低沸点成分および不揮発性の二次成分を昇華によって除去する(p:約1×10
−5mbar、T:約180〜230℃)。
1H−NMRによる典型的純度:>99.5%。
【表20】
[この文献は図面を表示できません]
【0209】
6)2,6a,8,11−テトラアザベンゾ[a]フルオレン系
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
【0210】
500mlのo−キシレン中20.1g(100mmol)の1−アミノ−6−tert−ブチル−2,7−ナフチリジン(S41)と37.4g(110mmol)の2−tert−ブチル−3−ブロモ−4−ヨードピリジン(S27)または27.9g(110mmol)の2−トリフルオロメチル−4−ヨード−5−クロロピリジンと35.0g(250mmol)の炭酸カリウムと200gのガラスビーズ(直径3mm)と2.6g(10mmol)のトリフェニルホスフィンと450mg(2mmol)の酢酸パラジウム(II)との激しく撹拌された混合物を、1−アミノ−6−tert−ブチル−2,7−ナフチリジンが消費されるまで(典型的には3〜30時間)還流下で加熱する。冷却後、固体をシリカゲル床で濾別し、1000mlのTHFで濯ぎ、濾液を蒸発させて乾固する。残渣を沸騰温度で75mlの酢酸エチルに溶解させ、250mlのn−ヘプタンを徐々に添加する。冷却後、晶出した固体を吸引により濾別し、毎回50mlのn−ヘプタンで2回洗浄し、真空乾燥する。このようにして得られた固体から低沸点成分および不揮発性の二次成分を昇華によって除去する(p:約1×10
−5mbar、T:約170〜200℃)。
1H−NMRによる典型的純度:>99.5%。
【表21】
[この文献は図面を表示できません]
【0211】
7)4,5,6a,11−テトラアザベンゾ[a]フルオレン系
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
【0212】
100mmolの2−(2−アミノピリジン−3−イル)ベンズイミダゾール誘導体(合成16)から得られた、対応する2−tert−ブチルベンズイミダゾール誘導体との等モル混合物として採用)と1モルの対応するカルボン酸塩化物との混合物を、150℃以下で沸騰するカルボン酸塩化物の場合は180℃まで、150℃を超える温度で沸騰するカルボン酸塩化物の場合は2−(2−アミノピリジン−3−イル)ベンズイミダゾール誘導体が反応するまで、還流下で8から40時間加熱する。反応混合物を80℃まで冷却させ、100mlのジオキサンで場合により希釈し、次いで500mlの濃アンモニア溶液と500gの氷との混合物に混ぜ込み、さらに3時間撹拌する。続いて、固体を吸引により濾別し、それぞれの場合に100mlの水で2回洗浄し、真空乾燥する。固体を1000mlの酢酸エチルに溶解させ、短シリカゲルカラムで濾過し、500ml酢酸エチルで濯ぎ、酢酸エチルを真空除去し、褐色の残渣をメタノールから再結晶させる。このようにして得られた固体から低沸点成分および不揮発性の二次成分を昇華によって除去する(p:約1×10
−5mbar、T:約170〜200℃)。
1H−NMRによる典型的純度:>99.5%。
【表22-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表22-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0213】
8)2,5,6a,11−テトラアザベンゾ[a]フルオレン系
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
【0214】
26.6g(100mmol)の2−(4−アミノ−6−tert−ブチルピリジン−3−イル)ベンズイミダゾール(合成18)から得られた、2−tert−ブチルベンズイミダゾールとの等モル混合物として採用)と1モルの対応するカルボン酸塩化物との混合物を、150℃以下で沸騰するカルボン酸塩化物の場合は180℃まで、150℃を超える温度で沸騰するカルボン酸塩化物の場合は2−(4−アミノピリジン−3−イル)ベンズイミダゾール誘導体が反応するまで、還流下で8から40時間加熱する。反応混合物を80℃まで冷却させ、100mlのジオキサンで場合により希釈し、次いで500mlの濃アンモニア溶液と500gの氷との混合物に混ぜ込み、さらに3時間撹拌する。続いて、固体を吸引により濾別し、毎回100mlの水で2回洗浄し、真空乾燥する。固体を1000mlの酢酸エチルに溶解させ、短シリカゲルカラムで濾過し、500ml酢酸エチルで濯ぎ、酢酸エチルを真空除去し、褐色の残渣をメタノールから再結晶させる。このようにして得られた固体から低沸点成分および不揮発性の二次成分を昇華によって除去する(p:約1×10
−5mbar、T:約180〜220℃)。
1H−NMRによる典型的純度:>99.5%。
【表23】
[この文献は図面を表示できません]
【0215】
9)2,4,6a,11−テトラアザベンゾ[a]フルオレン系
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
【0216】
N.Umedaら、Angew.Chem Int.Ed.2008、47、4019と同様の調製:400mlのDMF中25.2g(100mmol)の2−(2−tert−ブチルピリミジン−5−イル)−ベンズイミダゾール(S48)および110mmolのアルキンの溶液を最初にシュレンクチューブに導入し、1.5g(4mmol)のテトラフェニルシクロペンタジエン、547mg(1mmol)の塩化ペンタメチルシクロペンタジエニルロジウム二量体および21.0(105mmol)の酢酸銅(II)一水和物を添加し、混合物を密封管中にて100℃で18時間撹拌する。冷却後、DMFを真空除去し、残渣を1000mlのTHFに溶解させ、短シリカゲルカラムで濾過する。THFを真空除去した後、油性残渣を高温メタノール(約75ml)に溶解させる。冷却後、形成された結晶を吸引により濾別し、少量の酢酸エチルを添加しながらメタノールから再び再結晶させる。このようにして得られた固体から低沸点成分および不揮発性の二次成分を昇華によって除去する(p:約1×10
−5mbar、T:約180〜220℃)。
1H−NMRによる典型的純度:>99.5%。
【表24】
[この文献は図面を表示できません]
【0217】
10)5,6a,8,11−テトラアザベンゾ[a]フルオレン系
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
【0218】
500mlのo−キシレン中100mmolの4−クロロキナゾリン誘導体と29.8g(130mmol)の3−ブロモ−4−アミノ−6−tert−ブチルピリジン(S40)と35.0g(250mmol)の炭酸カリウムと200gのガラスビーズ(直径3mm)と2.6g(10mmol)のトリフェニルホスフィンと450mg(2mmol)の酢酸パラジウム(II)との激しく撹拌された混合物を、4−クロロキナゾリン誘導体が消費されるまで(典型的には16時間)還流下で加熱する。冷却後、固体をシリカゲル床で濾別し、1000mlのTHFで濯ぎ、濾液を蒸発させて乾固する。残渣を沸騰温度で75mlの酢酸エチルに溶解させ、250mlのn−ヘプタンを徐々に添加する。冷却後、晶出した固体を吸引により濾別し、毎回50mlのn−ヘプタンで2回洗浄し、真空乾燥し、続いてシリカゲルカラム(ヘプタン:酢酸エチル、3:1vv)に通す。このようにして得られた固体から低沸点成分および不揮発性の二次成分を昇華によって除去する(p:約1×10
−5mbar、T:約150〜230℃)。
1H−NMRによる典型的純度:>99.5%。
【表25】
[この文献は図面を表示できません]
【0219】
11)4,5,6a,8,11−ペンタアザベンゾ[a]フルオレン系
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
【0220】
100mmolの2−(2−アミノピリジン−3−イル)ベンズイミダゾール誘導体の代わりに32.3g(100mmol)の2−(2−アミノ−6−tert−ブチルピリジン−3−イル)−6−tert−ブチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン(S51)(合成22)から得られた2,6−ジ−tert−ブチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジンとの等モル混合物として採用)を使用する7)と同様の調製。メタノールから再結晶した後、粗製物をシリカゲルカラム(ヘプタン:酢酸エチル、3:1vv)に通す。このようにして得られた固体から低沸点成分および不揮発性の二次成分を昇華によって除去する(p:約1×10
−5mbar、T:約200〜240℃)。
1H−NMRによる典型的純度:>99.5%。
【表26】
[この文献は図面を表示できません]
【0221】
12)2,4,6a,8,11−ペンタアザベンゾ[a]フルオレン
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
【0222】
25.2g(100mmol)の2−(2−tert−ブチルピリミジン−5−イル)ベンズイミダゾール(S48)の代わりに30.9g(100mmol)の2−(2−tert−ブチル−ピリミジン−5−イル)−6−tert−ブチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン(S52)を使用する9)と同様の調製。メタノールから再結晶した後、粗製物をシリカゲルカラム(ヘプタン:酢酸エチル、3:1vv)に通す。このようにして得られた固体から低沸点成分および不揮発性の二次成分を昇華によって除去する(p:約1×10
−5mbar、T:約200〜240℃)。
1H−NMRによる典型的純度:>99.5%。
【表27】
[この文献は図面を表示できません]
【0223】
13)2,5,6a,8,11−ペンタアザベンゾ[a]フルオレン
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
【0224】
100mmolの2−(2−アミノピリジン−3−イル)ベンズイミダゾール誘導体の代わりに32.3g(100mmol)の2−(4−アミノ−6−tert−ブチルピリジン−3−イル)−6−tert−ブチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン(S53)(合成24)から得られた2,6−ジ−tert−ブチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジンとの等モル混合物として採用)を使用する7)と同様の調製。メタノールから再結晶した後、粗製物をシリカゲルカラム(ヘプタン:酢酸エチル、3:1vv)に通す。このようにして得られた固体から低沸点成分および不揮発性の二次成分を昇華によって除去する(p:約1×10
−5mbar、T:約200〜240℃)。
1H−NMRによる典型的純度:>99.5%。
【表28】
[この文献は図面を表示できません]
【0225】
14)2,4,5,6a,11−ペンタアザベンゾ[a]フルオレン
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
【0226】
100mmolの2−(2−アミノピリジン−3−イル)ベンズイミダゾール誘導体の代わりに26.7g(100mmol)の2−(2−tert−ブチル−4−アミノピリミジン−5−イル)ベンズイミダゾール(S55)(合成26)から得られた2−tert−ブチルベンズイミダゾールとの等モル混合物として採用)を使用する7)と同様の調製。メタノールから再結晶した後、粗製物をシリカゲルカラム(ヘプタン:酢酸エチル、3:1vv)に通す。このようにして得られた固体から低沸点成分および不揮発性の二次成分を昇華によって除去する(p:約1×10
−5mbar、T:約200〜240℃)。
1H−NMRによる典型的純度:>99.5%。
【表29】
[この文献は図面を表示できません]
【0227】
15)2,4,5,6a,8,11−ヘキサアザベンゾ[a]フルオレン
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
【0228】
100mmolの2−(2−アミノピリジン−3−イル)ベンズイミダゾール誘導体の代わりに32.4g(100mmol)の2−(2−tert−ブチル−4−アミノピリミジン−5−イル)−6−tert−ブチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン(S56)(合成27)から得られた2,6−ジ−tert−ブチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジンとの等モル混合物として採用)を使用する7)と同様の調製。メタノールから再結晶した後、粗製物をシリカゲルカラム(ヘプタン:酢酸エチル、3:1vv)に通す。このようにして得られた固体から低沸点成分および不揮発性の二次成分を昇華によって除去する(p:約1×10
−5mbar、T:約200〜240℃)。
1H−NMRによる典型的純度:>99.5%。
【表30】
[この文献は図面を表示できません]
【0229】
16)四座配位子
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
【0230】
A)9,9’−ジブロモ−3,6,8,3’,6’,8’−ヘキサ−tert−ブチル[10,10]ビ[4,6a,11−トリアザベンゾ[a]フルオレニル](S76)
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
【0231】
39.2g(220mmol)のNBSを、300mlのDMF中77.3g(100mmol)の3,6,8,3’,6’,8’−ヘキサ−tert−ブチル[10,10]ビ[4,6a,11−トリアザベンゾ[a]フルオレニル](L213)の100℃に加温された溶液に少しずつ添加し、続いて混合物をさらに6時間撹拌する。反応混合物を真空にて約100mlまで蒸発させ、200mlのメタノールを滴加し、混合物をさらに2時間撹拌し、次いで沈殿した結晶を吸引により濾過し、最後に毎回50mlのメタノールで2回洗浄する。収率:67.0g(72mmol)、72%。
1H−NMRによる純度:97%。
【0232】
B)L216、X=S
22.0ml(55mmol)のn−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M)を、1000のTHF中23.3g(25mmol)の9,9’−ジブロモ−3,6,8,3’,6’,8’−ヘキサ−tert−ブチル[10,10]ビ[4,6a,11−トリアザベンゾ[a]フルオレニル]の−78℃まで冷却された溶液に撹拌しながら滴加し、続いて混合物をさらに1時間撹拌する。次いで、2.8ml(35mmol)の二塩化二硫黄と50mlのTHFとの混合物を滴加する。室温まで徐々に加温した後、THFを真空除去し、残渣を200mlの高温メタノールで1回撹拌することによって洗浄し、次いでDMFから2回再結晶させる。固体から低沸点成分および不揮発性の二次成分を昇華によって除去する(p:約1×10
−5mbar、T:約340℃)。収率:8.4g(10.5mmol)、42%。
1H−NMRによる純度:99%。
【0233】
C)L217、X=CH
2
22.0ml(55mmol)のn−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M)を、1000のTHF中23.3g(25mmol)の9,9’−ジブロモ−3,6,8,3’,6’,8’−ヘキサ−tert−ブチル[10,10]ビ[4,6a,11−トリアザベンゾ[a]フルオレニル]の−78℃まで冷却された溶液に撹拌しながら滴加し、続いて混合物をさらに1時間撹拌する。次いで、2.7ml(35mmol)のクロロギ酸メチルと50mlのTHFとの混合物を滴加する。室温まで徐々に加温した後、THFを真空除去する。固体を100mlのジエチレングリコールに溶解させ、4mlのヒドラジン水和物を添加し、混合物を水分離器上で190℃まで徐々に加熱する。16時間後、混合物を室温まで冷却させ、50mlのメタノールで希釈し、沈殿した結晶を吸引により濾別し、毎回30mlのメタノールで3回洗浄し、DMFから2回再結晶させる。固体から低沸点成分および不揮発性の二次成分を昇華によって除去する(p:約1×10
−5mbar、T:約340℃)。収率:7.3g(9.3mmol)、39%。
1H−NMRによる純度:99%。
【0234】
17)六座配位子
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
【0235】
A)10−ブロモ−3,6−ジ−tert−ブチル−8,9−ジメチル−4,6a,11−トリアザベンゾ[a]−フルオレン(S77)
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
【0236】
19.6g(110mmol)のNBSを、300mlのDMF中36.0g(100mmol)の3,6−ジ−tert−ブチル−8,9−ジメチル−4,6a,11−トリアザベンゾ[a]−フルオレン(L111)の100℃まで加温された溶液に少しずつ添加し、続いて混合物をさらに6時間撹拌する。反応混合物を真空にて約150mlまで蒸発させ、さらに2時間撹拌し、沈殿した結晶を吸引により濾別し、最後に毎回50mlのメタノールで2回洗浄する。収率:33.8g(77mmol)、77%。
1H−NMRによる純度:97%。
【0237】
B)10−ヒドロキシ−3,6−ジ−tert−ブチル−8,9−ジメチル−4,6a,11−トリアザベンゾ[a]−フルオレン(S78)
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
【0238】
13.2ml(33mmol)のn−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M)を、300mlのTHF中13.2g(30mmol)の10−ブロモ−3,6−ジ−tert−ブチル−8,9−ジメチル−4,6a,11−トリアザベンゾ[a]−フルオレンの−78℃まで冷却された溶液に激しく撹拌しながら滴加し、混合物をさらに30分間撹拌する。4.7ml(42mmol)のホウ酸トリメチルをこの溶液に1回で添加し、混合物をさらに1時間撹拌し、次いで室温まで加温させる。溶媒を真空除去し、残渣を1000mlの酢酸エチルに溶解させ、溶液を5℃まで冷却し、19mlのH
2O
2水溶液(30重量%)を激しく撹拌しながら添加し、次いで20mlの水中825mgのNaOHの溶液を滴加する。3時間撹拌した後、300mlの飽和塩化アンモニウム溶液を添加し、有機相を分別し、毎回200mlの水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで有機相を真空にて約50mlの体積まで蒸発させる。200mlのメタノールを結晶スラリーに添加し、結晶を吸引により濾別し、50mlのメタノールで1回洗浄し、真空乾燥する。収率:8.1g(22mmol)、72%。
1H−NMRによる純度:95%。
【0239】
C)L218
0.5mlのメタノール中1Nナトリウムメトキシド溶液を、100mlのトルエンと50mlのメタノールとの混合物中5.63g(15mmol)の10−ヒドロキシ−3,6−ジ−tert−ブチル−8,9−ジメチル−4,6a,11−トリアザベンゾ[a]フルオレンの懸濁液に滴加し、混合物を50℃で1時間撹拌する。次いで、681mgのトリメトキシメチルシランを添加し、混合物をさらに2時間撹拌し、次いでメタノールを徐々に留去し、次いですべてのトルエンが留去されるまで昇温する。終了に向けて、トルエンの最終残留物を除去するために真空にする。このようにして得られた無色の発泡体を、精製することなくさらに反応させる。収率:5.82g(5mmol)(定量的)。
1H−NMRによる純度:90%。
【0240】
18)大環状四座配位子(L219)
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
【0241】
A)6−tert−ブチル−2−クロロ−5−メチルニコチノニトリル(S79)
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
【0242】
128.8g(560mmol)の3−ブロモ−6−トリメチルシリルピリジンの代わりに85.4g(560mmol)の2−クロロ−3−シアノ−5−メチルピリジン[66909−34−0]を使用する5.1と同様の手順。収率:78.4g(376mmol)、67%。
1H−NMRによる純度:>95%。
【0243】
B)6−tert−ブチル−2−(3,3−ジメチルブタ−1−イニル)−5−メチルニコチノニトリル(S80)
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
【0244】
194.7g(1mol)の2−クロロ−3−シアノ−6−tert−ブチルピリジン(S28)の代わりに62.6g(300mmol)の6−tert−ブチル−2−クロロ−5−メチルニコチノニトリル(S79)を使用し、それに応じて残留試薬をモルレベルでスケール変換する31と同様の手順。収率:68.9g(271mmol)、90%。
1H−NMRによる純度:>95%。
【0245】
c)6−tert−ブチル−2−(3,3−ジメチルブタ−1−イニル)−5−メチルピリジン−3−カルボキサルデヒド(S81)
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
【0246】
72.1g(300mmol)の6−tert−ブチル−2−(3,3−ジメチルブタ−1−イニル)ニコチノニトリル(S62)の代わりに63.6g(250mmol)の6−tert−ブチル−2−(3,3−ジメチルブタ−1−イニル)−5−メチルニコチノニトリル(S80)を使用し、それに応じて残留試薬をモルレベルでスケール変換する32と同様の手順。収率:57.7g(224mmol)、90%。
1H−NMRによる純度:>95%。
【0247】
D)3,6,8,3’,6’,8’−ヘキサ−tert−ブチル−2,2’−ジメチル[10,10]ビ[4,6a,11−トリアザベンゾ[a]フルオレニル](S82)
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
【0248】
3,3(L213)と同様の手順。収率38%。
【0249】
E)L219
200gのガラスビーズ(直径5mm)を、1000mlのジエチルエーテル中40.0g(50mmol)の3,6,8,3’,6’,8’−ヘキサ−tert−ブチル−2,2’−ジメチル[10,10]ビ[4,6a,11−トリアザベンゾ[a]フルオレニル](S82)の−5℃まで冷却された懸濁液に添加する。40ml(100mmol)のn−ブチルリチウム(n−ヘキサン中2.5M)を激しく撹拌しながら徐々に滴加し、混合物をさらに30分間撹拌し、次いで10.3ml(120mmol)の1,2−ジブロモエタンを1回で添加し、混合物を撹拌しながら室温まで加温させる。50mlのエタノールを添加し、混合物をガラスビーズから注ぎ出し、有機相を200mlの水で1回洗浄し、真空にて約200mlまで蒸発させる。100mlのメタノールを添加した後、固体を吸引により濾別し、200mlのメタノールで2回洗浄し、真空乾燥する。固体をDMFから3回再結晶させ、低沸点成分および不揮発性の二次成分を昇華によって除去する(p:約1×10
−5mbar、T:約350℃)。収率:20.8g(26mmol)、52%。
1H−NMRによる純度:99%。
【0250】
C.金属錯体の合成
1)ホモレプチックトリス−フェイシャル型イリジウム錯体
変形体A:イリジウム出発物質としてのトリアセチルアセトナトイリジウム(III)
10mmolのトリアセチルアセトナトイリジウム(III)[15635−87−7]と60mmolの配位子Lとの混合物を真空(10
−5mbar)で50mlガラスアンプルに溶融導入する。アンプルを指定温度で指定時間にわたって加熱し、その間、マグネチックスターラーを用いて溶融混合物を撹拌する。冷却後(注:アンプルは通常加圧下にある!)、アンプルを開放し、シンターケーキを100mlの指定の懸濁媒体中で100gのガラスビーズ(直径3mm)とともに3時間撹拌すると同時に、機械的に温浸する。微細懸濁液をガラスビーズから注ぎ出し、固体を吸引により濾別し、真空乾燥する。乾燥した固体を、高温抽出器における深さ10cmの酸化アルミニウム床(酸化アルミニウム、塩基性、活性グレード1)上に配置し、次いで指定の抽出媒体を用いて抽出する(初期導入量:約500ml)。抽出が完了すると、抽出媒体を真空にて約100mlまで蒸発させる。抽出媒体への溶解性が高すぎる金属錯体を、200mlのメタノールの滴加によって結晶化させる。このようにして得られた懸濁液の固体を吸引により濾別し、約50mlのメタノールで1回洗浄し、乾燥させる。乾燥後、金属錯体の純度をNMRおよび/またはHPLCによって測定する。純度が99.5%未満である場合は、高温抽出ステップを繰り返し、99.5〜99.9%の純度に到達すると、金属錯体を加熱するか、または昇華させる。加熱を高真空(p:約10
−6mbar)にて200〜300℃の温度範囲で実施する。昇華を高真空(p:約10
−6mbar)にて約320から約400℃の温度範囲で実施する(ここで、昇華は、好ましくは、分別昇華の形で実施される)。ポイントグループC1の配位子の場合は、誘導金属錯体は、ジアステレオマー混合物として得られる。
【0251】
変形体B:イリジウム出発物質としてのトリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)イリジウム
10mmolのトリアセチルアセトナトイリジウム(III)[15635−87−7]の代わりに10mmolのトリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)イリジウムを使用する変形体Aと同様の手順。
【表31-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表31-2】
[この文献は図面を表示できません]
【表31-3】
[この文献は図面を表示できません]
【表31-4】
[この文献は図面を表示できません]
【表31-5】
[この文献は図面を表示できません]
【表31-6】
[この文献は図面を表示できません]
【表31-7】
[この文献は図面を表示できません]
【表31-8】
[この文献は図面を表示できません]
【表31-9】
[この文献は図面を表示できません]
【表31-10】
[この文献は図面を表示できません]
【表31-11】
[この文献は図面を表示できません]
【表31-12】
[この文献は図面を表示できません]
【表31-13】
[この文献は図面を表示できません]
【表31-14】
[この文献は図面を表示できません]
【表31-15】
[この文献は図面を表示できません]
【表31-16】
[この文献は図面を表示できません]
【0252】
2)ヘテロレプチックイリジウム錯体
変形体A:
ステップ1:
10mmolのナトリウムビスアセチルアセトナトジクロロイリダート(III)[770720−50−8]と24mmolの配位子Lとの混合物を真空(10
−3mbar)で50mlのガラスアンプルに溶融導入する。アンプルを指定温度で指定時間にわたって加熱し、その間、マグネチックスターラーを用いて溶融混合物を撹拌する。冷却後(注:アンプルは通常加圧下にある!)、アンプルを開放し、シンターケーキを100mlの指定の懸濁媒体中で100gのガラスビーズ(直径3mm)とともに3時間撹拌すると同時に、機械的に温浸する。微細懸濁液をガラスビーズから注ぎ出し、固体を吸引により濾別し、真空乾燥する。
【0253】
ステップ2:
このようにして得られた式[Ir(L)
2Cl]
2の粗製クロロ二量体を、75mlの2−エトキシエタノールと25mlの水との混合物に懸濁させ、13mmolの共配位子CLまたは共配位子化合物CLおよび15mmolの炭酸ナトリウムを添加する。還流下で20時間後、さらなる75mlの水を滴加し、冷却後、固体を吸引により濾別し、毎回50mlの水で3回洗浄し、毎回50mlのメタノールで3回洗浄し、真空乾燥する。乾燥した固体を、高温抽出器における深さ10cmの酸化アルミニウム床(酸化アルミニウム、塩基性、活性グレード1)上に配置し、次いで指定の抽出媒体を用いて抽出する(初期導入量:約500ml)。抽出が完了すると、抽出媒体を真空にて約100mlまで蒸発させる。抽出媒体への溶解性が高すぎる金属錯体を、200mlのメタノールの滴加によって結晶化させる。このようにして得られた懸濁液の固体を吸引により濾別し、約50mlのメタノールで1回洗浄し、乾燥させる。乾燥後、金属錯体の純度をNMRおよび/またはHPLCによって測定する。純度が99.5%未満である場合は、高温抽出ステップを繰り返し、99.5〜99.9%の純度に到達すると、金属錯体を加熱するか、または昇華させる。加熱を高真空(p:約10
−6mbar)にて200〜300℃の温度範囲で実施する。昇華を高真空(p:約10
−6mbar)にて約300から約390℃の温度範囲で実施する(ここで、昇華は、好ましくは、分別昇華の形で実施される)。
【表32-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表32-2】
[この文献は図面を表示できません]
【表32-3】
[この文献は図面を表示できません]
【表32-4】
[この文献は図面を表示できません]
【0254】
変形体B:
ステップ1:
変形体A、ステップ1参照。
【0255】
ステップ2:
式[Ir(L)
2Cl]
2の粗製クロロ二量体を、1000mlのジオキサン/水混合物(1:1、vv)中80mmolの共配位子CLおよび75mmolのN,N−ジメチルグリシンの存在下で、国際公開第2007/065523の例5に従ってさらに反応させる。このようにして得られた固体を、高温抽出器における深さ10cmの酸化アルミニウム床(酸化アルミニウム、塩基性、活性グレード1)上に配置し、次いで指定の抽出媒体を用いて抽出する(初期導入量:約500ml)。抽出が完了すると、抽出媒体を真空にて約100mlまで蒸発させる。抽出媒体への溶解性が高すぎる金属錯体を、200mlのメタノールの滴加によって結晶化させる。このようにして得られた懸濁液の固体を吸引により濾別し、約50mlのメタノールで1回洗浄し、乾燥させる。乾燥後、金属錯体の純度をNMRおよび/またはHPLCによって測定する。純度が99.5%未満である場合は、高温抽出ステップを繰り返し、99.5〜99.9%の純度に到達すると、金属錯体を加熱するか、または昇華させる。加熱を高真空(p:約10
−6mbar)にて200〜300℃の温度範囲で実施する。昇華を高真空(p:約10
−6mbar)にて約300から約390℃の温度範囲で実施する(ここで、昇華は、好ましくは、分別昇華の形で実施される)。
【表33-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表33-2】
[この文献は図面を表示できません]
【表33-3】
[この文献は図面を表示できません]
【0256】
変形体C:
ステップ1:
変形体A、ステップ1参照
ステップ2:
このようにして得られた式[Ir(L)
2Cl]
2の粗製クロロ二量体を100mlのTHFに懸濁させ、40mmolの共配位子CL、20mmolのトリフロロ酢酸銀(I)および80mmolの炭酸カリウムを懸濁液に添加し、混合物を還流下で24時間加熱する。冷却後、THFを真空除去する。残渣を、エタノールと濃アンモニア溶液との200mlの混合物(1:1、vv)に溶解させる。懸濁液を室温で1時間撹拌し、固体を吸引により濾別し、毎回エタノールと濃アンモニア溶液との50mlの混合物(1:1、vv)で2回洗浄し、毎回50mlのエタノールで2回洗浄し、次いで真空乾燥する。このようにして得られた固体を、高温抽出器における深さ10cmの酸化アルミニウム床(酸化アルミニウム、塩基性、活性グレード1)上に配置し、次いで指定の抽出媒体を用いて抽出する(初期導入量:約500ml)。抽出が完了すると、抽出媒体を真空にて約100mlまで蒸発させる。抽出媒体への溶解性が高すぎる金属錯体を、200mlのメタノールの滴加によって結晶化させる。このようにして得られた懸濁液の固体を吸引により濾別し、約50mlのメタノールで1回洗浄し、乾燥させる。乾燥後、金属錯体の純度をNMRおよび/またはHPLCによって測定する。純度が99.5%未満である場合は、高温抽出ステップを繰り返し、99.5〜99.9%の純度に到達すると、金属錯体を加熱するか、または昇華させる。加熱を高真空(p:約10
−6mbar)にて200〜300℃の温度範囲で実施する。昇華を高真空(p:約10
−6mbar)にて約300から約390℃の温度範囲で実施する(ここで、昇華は、好ましくは、分別昇華の形で実施される)。
【表34-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表34-2】
[この文献は図面を表示できません]
【表34-3】
[この文献は図面を表示できません]
【0257】
変形体D:
ステップ1:
変形体a、ステップ1参照。
【0258】
ステップ2:
このようにして得られた式[Ir(L)
2Cl]
2の粗製クロロ二量体を1000mlのジクロロメタンに懸濁させ、150mlのエタノール、40mmolのトリフルオロメタンスルホン酸銀(I)を懸濁液に添加し、混合物を室温で24時間撹拌する。沈殿した固体(AgCl)を、短セライト床を介して吸引により濾別し、濾液を真空にて蒸発させて乾固する。このようにして得られた固体を100mlのエタノールに溶解させ、30mmolの共配位子CLを添加し、次いで混合物を還流下で30時間加熱する。冷却後、固体を吸引により濾別し、毎回50mlのエタノールで2回洗浄し、真空乾燥する。このようにして得られた固体を、高温抽出器における深さ10cmの酸化アルミニウム床(酸化アルミニウム、塩基性、活性グレード1)上に配置し、次いで指定の抽出媒体を用いて抽出する(初期導入量:約500ml)。抽出が完了すると、抽出媒体を真空にて約100mlまで蒸発させる。抽出媒体への溶解性が高すぎる金属錯体を、200mlのメタノールの滴加によって結晶化させる。このようにして得られた懸濁液の固体を吸引により濾別し、約50mlのメタノールで1回洗浄し、乾燥させる。乾燥後、金属錯体の純度をNMRおよび/またはHPLCによって測定する。純度が99.5%未満である場合は、高温抽出ステップを繰り返し、99.5〜99.9%の純度に到達すると、金属錯体を加熱するか、または昇華させる。加熱を高真空(p:約10
−6mbar)にて200〜300℃の温度範囲で実施する。昇華を高真空(p:約10
−6mbar)にて約300から約390℃の温度範囲で実施する(ここで、昇華は、好ましくは、分別昇華の形で実施される)。イオン性金属錯体の場合は、酸化アルミニウムを高温抽出ステップにおいてセライトに置きかえる。
【表35-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表35-2】
[この文献は図面を表示できません]
【表35-3】
[この文献は図面を表示できません]
【0259】
変形体E:
10mmolのIr錯体Ir(L)
2(CL)と30mmolの配位子との混合物を真空(10
−5mbar)で50mlのガラスアンプルに溶融導入する。アンプルを指定温度で指定時間にわたって加熱し、その間、マグネチックスターラーを用いて溶融混合物を撹拌する。冷却後(注:アンプルは通常加圧下にある!)、アンプルを開放し、シンターケーキを100mlの指定の懸濁媒体中で100gのガラスビーズ(直径3mm)とともに3時間撹拌すると同時に、機械的に温浸する。微細懸濁液をガラスビーズから注ぎ出し、固体を吸引により濾別し、真空乾燥する。乾燥した固体を、高温抽出器における深さ10cmの酸化アルミニウム床(酸化アルミニウム、塩基性、活性グレード1)上に配置し、次いで指定の抽出媒体を用いて抽出する(初期導入量:約500ml)。抽出が完了すると、抽出媒体を真空にて約100mlまで蒸発させる。抽出媒体への溶解性が高すぎる金属錯体を、200mlのメタノールの滴加によって結晶化させる。このようにして得られた懸濁液の固体を吸引により濾別し、約50mlのメタノールで1回洗浄し、乾燥させる。乾燥後、金属錯体の純度をNMRおよび/またはHPLCによって測定する。純度が99.5%未満である場合は、高温抽出ステップを繰り返し、99.5〜99.9%の純度に到達すると、金属錯体を加熱するか、または昇華させる。加熱を高真空(p:約10
−6mbar)にて200〜300℃の温度範囲で実施する。昇華を高真空(p:約10
−6mbar)にて約340から約400℃の温度範囲で実施する(ここで、昇華は、好ましくは、分別昇華の形で実施される)。
【表36】
[この文献は図面を表示できません]
【0260】
変形体F:
ステップ1:
10mmolの塩化イリジウム(III)水和物と21mmolの配位子Lと60mlの2−エトキシエタノールと30mlの水との混合物を還流下で160時間加熱する。冷却後、固体を吸引により濾別し、エタノールと水との20mlの混合物(1:1、v/v)で1回洗浄し、毎回10mlのエタノールで3回洗浄し、真空乾燥する。
【0261】
ステップ2:
このようにして得られた式[Ir(L)
2Cl]
2の粗製クロロ二量体を変形体A、B、CおよびDのステップ2における出発物質として採用することができる。
【0262】
3)ヘテロレプチックプラチナ錯体
30mlのジクロロメタン中10mmolの塩化プラチナ(II)と12mmolの配位子Lと1mmolの塩化テトラ−n−ブチルアンモニウムとの混合物を還流下で12時間加熱する。100mlのメタノールの滴加後、微細固体を吸引により濾別し、25mlのメタノールで2回洗浄し、真空乾燥する。このようにして得られた式[Pt(L)Cl]
2の粗製クロロ二量体を、60mlの2−エトキシエタノールと20mlの水との混合物に懸濁させ、12mmolの共配位子CLまたは共配位子化合物CLおよび12mmolの炭酸ナトリウムを添加する。還流下で20時間後、さらなる100mlの水を滴加し、冷却後、固体を吸引により濾別し、毎回50mlの水で3回洗浄し、毎回50mlのメタノールで3回洗浄し、真空乾燥する。このようにして得られた固体を、高温抽出器における深さ10cmのセライト床(酸化アルミニウム、塩基性、活性グレード1)上に配置し、次いで指定の抽出媒体を用いて抽出する(初期導入量:約500ml)。抽出が完了すると、抽出媒体を真空にて約100mlまで蒸発させる。抽出媒体への溶解性が高すぎる金属錯体を、200mlのメタノールの滴加によって結晶化させる。このようにして得られた懸濁液の固体を吸引により濾別し、約50mlのメタノールで1回洗浄し、乾燥させる。乾燥後、金属錯体の純度をNMRおよび/またはHPLCによって測定する。純度が99.5%未満である場合は、高温抽出ステップを繰り返し、99.5〜99.9%の純度に到達すると、金属錯体を加熱するか、または昇華させる。加熱を高真空(p:約10
−6mbar)にて200〜300℃の温度範囲で実施する。昇華を高真空(p:約10
−6mbar)にて約300から約390℃の温度範囲で実施する(ここで、昇華は、好ましくは、分別昇華の形で実施される)。
【表37】
[この文献は図面を表示できません]
【0263】
4)四座配位子のプラチナ錯体:
変形体A:
100mlの氷酢酸中10mmolのテトラクロロ白金酸カリウムと10mmolの配位子Lと50mmolの無水酢酸リチウムとの混合物を還流下で60時間加熱する。100mlのメタノールおよび100mlの水を冷却反応混合物に添加した後、固体を吸引により濾別し、毎回25mlのメタノールで5回洗浄し、真空乾燥する。このようにして得られた固体を、高温抽出器における深さ3cmのセライト床(酸化アルミニウム、塩基性、活性グレード1)上に配置し、次いで指定の抽出媒体を用いて抽出する(初期導入量:約300ml)。抽出が完了すると、抽出媒体を真空にて約100mlまで蒸発させる。抽出媒体への溶解性が高すぎる金属錯体を、200mlのメタノールの滴加によって結晶化させる。このようにして得られた懸濁液の固体を吸引により濾別し、約50mlのメタノールで1回洗浄し、乾燥させる。乾燥後、金属錯体の純度をNMRおよび/またはHPLCによって測定する。純度が99.5%未満である場合は、高温抽出ステップを繰り返し、99.5〜99.9%の純度に到達すると、Pt錯体を昇華させる。昇華を高真空(p:約10
−6mbar)にて約350から約390℃の温度範囲で実施する(ここで、昇華は、好ましくは、分別昇華の形で実施される)。
【0264】
変形体B:
50mlのベンゾニトリル中10mmolの二塩化ビス(ベンゾニトリル)プラチナ(II)と10mmolの配位子Lとの混合物を還流下で24時間加熱する。100mlのメタノールを冷却反応混合物に滴加した後、固体を吸引により濾別し、毎回25mlのメタノールで5回洗浄し、真空乾燥する。変形体Aの場合に記載した処理の残り。
【表38-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表38-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0265】
例:OLEDの製造
本発明に係るOLEDおよび従来技術によるOLEDを、ここに記載する状況(層厚範囲、使用材料)に適応する国際公開第2004/058911に記載の一般的方法によって製造する。
【0266】
それぞれのOLEDについての結果を以下の例1から146に示す(表1および2参照)。構造化ITO(インジウム錫酸化物)が150nmの厚さで塗布されたガラス板に、処理の向上のために水から回転塗布される20nmのPEDOT(ポリ(3,4−エチレンジオキシ−2,5−チオフェン))(H.C.Starck(ドイツGoslar)より購入)を塗布する。これらの塗布されたガラス板は、OLEDを塗布する基板を構成する。OLEDは、基本的に以下の層構造を有する。基板/任意の正孔注入層(HIL)/正孔輸送層(HTL)/電子遮断層(EBL)/発光層(EML)/任意の正孔遮断層(HBL)/電子輸送層(ETL)/任意の電子注入層(EIL)/および最後にカソード。カソードは、100nmの厚さのアルミニウム層によって構成される。
【0267】
最初に、真空処理OLEDについて記載する。この目的では、すべての材料を真空チャンバにおける熱蒸着によって塗布する。ここで、発光層は、常に、少なくとも1つのマトリックス材料(宿主材料)と、同時蒸発によって特定の体積比でマトリックス材料(単数または複数)と混合される発光ドーパント(エミッタ)から成る。ここで、M3:M2:Ir(L1)
3(55%:35%:10%)などの表現は、材料M3が55%の体積比で層に存在し、M2が35%の割合で層に存在し、Ir(L1)
3が10%の割合で層に存在することを意味する。同様に、電子輸送層も2つの材料から成るものあってもよい。OLEDの正確な構造を表1に示す。OLEDの製造に使用される材料を表3に示す。
【0268】
OLEDは、標準的な方法によって特徴づけられる。この目的では、エレクトロルミネセンススペクトル、電流効率(cd/Aで測定)および電圧(V単位の1000cd/m
2で測定)を電流/電圧/輝度特性直線(IUL特性直線)から求める。選択した実験では、寿命を求める。寿命は、その後に輝度密度が特定の初期輝度密度から特定の割合まで低下する時間で定義される。LD50という表現は、与えられた寿命が、輝度密度が初期輝度密度の50%まで、すなわち例えば4000cd/m
2から2000cd/m
2まで低下する時間であることを意味する。発光色に応じて、異なる初期輝度を選択した。当業者に既知の変換式を利用して、寿命に対する値を他の初期輝度密度に対する値に変換することができる。ここでは、1000cd/m
2の初期輝度密度に対する寿命が通常の値である。
【0269】
リン光性OLEDにおけるエミッタ材料としての本発明に係る化合物の使用
本発明に係る化合物を、特に、OLEDにおける発光層のリン光性エミッタ材料として採用することができる。ここでは、中心原子IrおよびPtを有する金属錯体を使用する。従来技術による比較として化合物Ir(ref)
3を使用する。OLEDについての結果を表2に要約する。OLEDの場合は、本発明に係る材料は、効果的な青色および緑色発光OLEDをもたらすことがわかる。
【表39-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表39-2】
[この文献は図面を表示できません]
【表39-3】
[この文献は図面を表示できません]
【表39-4】
[この文献は図面を表示できません]
【表39-5】
[この文献は図面を表示できません]
【表39-6】
[この文献は図面を表示できません]
【表39-7】
[この文献は図面を表示できません]
【表39-8】
[この文献は図面を表示できません]
【表39-9】
[この文献は図面を表示できません]
【表40-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表40-2】
[この文献は図面を表示できません]
【表40-3】
[この文献は図面を表示できません]
【表40-4】
[この文献は図面を表示できません]
【表40-5】
[この文献は図面を表示できません]
【表41-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表41-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0270】
本発明に係る材料を溶液から使用することもできる(ここで、これらの材料は、良好な特性を有しながら真空処理OLEDと比較して有意により単純なOLEDをもたらす)。このタイプの成分の製造は、既に文献(例えば国際公開第2004/037887号)に幾度も記載されているポリマー発光ダイオード(PLED)の製造に基づくものである。その構造は、基板/ITO/PEDOT(80nm)/中間層/発光層(80nm)/カソードで構成される。使用される中間層は、正孔注入のために機能する。この場合、MerckのHIL−012を使用する。本発明の場合は、発光層のための本発明に係るエミッタをマトリックスとともにトルエンに溶解させる。当該溶液の典型的な固体含有量は、ここで、デバイスに対する80nmの典型的層厚が回転塗布によって達成される場合に16から25g/lである。発光層を不活性ガス雰囲気、本発明の場合はアルゴン中で回転塗布により塗布し、120℃で10分間加熱することによって乾燥する。最後に、バリウムおよびアルミニウムを含むカソード真空蒸着によって塗布する。上記例に使用した層HBLおよびETLをEMLとカソードとの間に蒸着によって塗布することもでき、後の溶液からのEML蒸着の処理ステップによって再び脱離しないという条件を満たすだけでよい1以上の層によって中間層を置きかえてもよい。溶液処理デバイスは、マトリックスPS(ポリスチレン):M6:M1:Ir(LX)3(26%:14%:42%:20%)における標準的な方法によって特徴づけられ、示されたOLED例は、まだ最適化されていない。表4は、得られたデータを要約したものである。処理OLEDの場合は、ここで、本発明に係る材料が効率的な青色発光OLEDをもたらすことがわかる。
【表42-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表42-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0271】
例243:白色発光OLED
以下の層構造を有する白色発光OLEDを一般的な方法によって製造する。
【表43-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表43-2】
[この文献は図面を表示できません]