(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記外側シース部分が、第1バヨネットピンを含み、前記外側シースが、第1スロットを含み、前記第1バヨネットピン及び前記第1スロットが、バヨネット接続を形成する、請求項2に記載の外科用器具。
前記本体アセンブリが、前記ケーシングに枢動可能に結合され、かつ前記ケーシングに対して前記外側シースを作動させるように動作可能である、トリガーを含む、請求項1に記載の外科用器具。
前記内側管状作動部材が、前記内側管状作動部材の近位端から近位方向に延出する、キーを含み、前記トランスデューサが、前記キーを受容するように構成された、相補形の長手方向スロットを有する、キー止め部材を含む、請求項7に記載の外科用器具。
前記クランプアームが、湾曲状アームを含み、前記ブレードアセンブリが、湾曲状ブレードを含み、前記キーが前記長手方向スロット内に挿入される際、前記キー及び前記長手方向スロットが、前記湾曲状アームを前記湾曲状ブレードと位置合わせする、請求項9に記載の外科用器具。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本技術の特定の実施例に関する以下の説明は、本技術の範囲を限定するために使用されるべきではない。本技術の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び有利点は、例として、本技術を実施するために想到される最良の形態の1つである、以下の説明から、当業者には明らかとなるであろう。理解されるように、本明細書で説明される本技術は、全て本技術から逸脱することなく、他の種々の明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明は、制限的なものではなく、例示的な性質のものとして見なすべきである。
【0010】
I.例示的な超音波外科システムの概要
図1は、超音波外科用器具(50)、ジェネレータ(20)、及び外科用器具(50)にジェネレータ(20)を結合するケーブル(30)を含む、例示的な超音波外科システム(10)を示す。一部の変形では、ジェネレータ(20)は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)による販売の、GEN 300を含む。更には、又は代替案では、ジェネレータ(20)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2011年4月14日公開の、米国特許公開第2011/0087212号、表題「Surgical Generator for Ultrasonic and Electrosurgical Devices」の少なくとも一部の教示に従って、構築することができる。外科用器具(50)は、本明細書では、超音波外科用器具として説明されるが、本明細書の教示は、様々な外科用器具に対して容易に適用することができる点を理解するべきであり、それらの外科用器具としては、エンドカッター、把持具、カッター、ステープラー、クリップ適用器具、アクセス装置、薬物/遺伝子治療送達装置、及び超音波、RF、レーザなどを使用するエネルギー送達装置、並びに/あるいは本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるような、これらの任意の組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。更には、本実施例は、ケーブル接続式の外科用器具(50)を参照して説明されるが、外科用器具(50)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2009年6月4日公開の、米国特許公開第2009/0143797号、表題「Cordless Hand−held Ultrasonic Cautery Cutting Device」で開示されるものなどの、コードレス操作に関して適合させることができる点を、理解するべきである。例えば、外科装置(50)は、バッテリーなどの、一体型の携帯電源などを含み得る。更には、外科装置(50)はまた、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2004年8月31日発行の、米国特許第6,783,524号、表題「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」で開示されるものなどの、ロボット支援手術環境で使用することもでき、又は使用されるように適合させることもできる。
【0011】
本実施例の外科用器具(50)は、組立形ハンドルアセンブリ(60)、細長形の伝達アセンブリ(70)、及びトランスデューサ(100)を含む。伝達アセンブリ(70)は、伝達アセンブリ(70)の近位端で組立形ハンドルアセンブリ(60)に結合され、組立形ハンドルアセンブリ(60)から遠位方向に延出する。本実施例では、伝達アセンブリ(70)は、内視鏡用途のための、細長形の管状アセンブリとして構成されるが、伝達アセンブリ(70)は、あるいは、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年12月6日公開の、米国特許公開第2007/0282333号、表題「Ultrasonic Waveguide and Blade」、及び2008年8月21日公開の、同第2008/0200940号、表題「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」で開示されるものなどの、短いアセンブリとすることもできる点を、理解するべきである。本実施例の伝達アセンブリ(70)は、外側シース(72)、内側管状作動部材(図示せず)、導波管(図示せず)、及び伝達アセンブリ(70)の遠位端上に配置されるエンドエフェクタ(80)を含む。本実施例では、エンドエフェクタ(80)は、導波管に機械的かつ音響的に結合されるブレード(82)と、伝達アセンブリ(70)の近位端で枢動するように動作可能なクランプアーム(84)と、クランプアーム(84)に結合されるクランプパッド(86)とを含む。クランプアーム(84)及び関連する機構は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1999年11月9日発行の、米国特許第5,980,510号、表題「Ultrasonic Clamp Coagulator Apparatus Having Improved Clamp Arm Pivot Mount」の少なくとも一部の教示に従って構築し、動作可能とすることができる点もまた、理解するべきである。
【0012】
一部の変形では、トランスデューサ(100)は、第1共振器(図示せず)と第2共振器(図示せず)との間で圧縮されて、圧電素子の積み重ね体を形成する、複数個の圧電素子(図示せず)を含む。この圧電素子は、任意の好適な材料、例えば、ジルコン酸チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、チタン酸鉛、及び/又は、例えば、任意の好適な圧電結晶材料から製作することができる。トランスデューサ(100)は、1つ以上の圧電素子の両端間で電位差を作り出すように構成される、少なくとも1つの陽電極及び少なくとも1つの陰電極を含む、電極を更に含むことにより、圧電素子は、電力を超音波振盪に変換する。本実施例のトランスデューサ(100)が作動される場合、トランスデューサ(100)は、超音波周波数(55.5kHzなど)での線形振動又は線形振盪を作り出すように、動作可能である。トランスデューサ(100)が、伝達アセンブリ(70)に結合される場合、これらの線形振動は、伝達アセンブリ(70)の内部導波管を通じて、エンドエフェクタ(80)に伝達される。本実施例では、ブレード(82)が導波管に結合されていることにより、ブレード(82)は、超音波周波数で振動する。それゆえ、ブレード(82)とクランプアーム(84)との間に、組織が固定される場合、ブレード(82)の超音波振動が、組織を切断すると同時に、隣接する組織細胞内のタンパク質を変性させることにより、熱の拡散が比較的小さい、凝固効果を提供することができる。組織を焼灼するために、ブレード(82)及びクランプアーム(84)を通じて、電流を提供することもできる。単に例示的な1つの好適な超音波トランスデューサ(100)は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)による販売の、モデル番号HP054であるが、任意の他の好適なトランスデューサを使用することができる点を、理解するべきである。トランスデューサ(100)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2011年10月10日出願の、米国特許出願第13/269,883号、表題「Surgical Instrument with Clutching Slip Ring Assembly to Power Ultrasonic Transducer」、米国特許公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2011/0015660号、米国特許第6,500,176号、米国特許公開第2011/0087218号、及び/又は同第2009/0143797号の、少なくとも一部の教示に従って、更に構築することができる。
【0013】
本実施例の組立形ハンドルアセンブリ(60)は、接合ハウジング部分(62)及び下方部分(64)を含む。接合ハウジング部分(62)は、組立形ハンドルアセンブリ(60)内部の空洞を画定するものであり、接合ハウジング部分(62)の近位端で、トランスデューサ(100)を受容し、かつ接合ハウジング部分(62)の遠位端で、伝達アセンブリ(70)の近位端を受容するように構成される。本実施例では、伝達アセンブリ(70)及びトランスデューサ(100)を回転させるための、回転ノブ(66)が示さるが、回転ノブ(66)は、単に任意選択であるに過ぎないことを、理解するべきである。
図1に示す組立形ハンドルアセンブリ(60)の下方部分(64)は、トリガー(68)を含み、ユーザーが片手を使用することによって把持されるように構成される。下方部分(64)に関する単に例示的な1つの代替的変形は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2011年1月20日公開の、米国特許公開第2011/0015660号、表題「Rotating Transducer Mount for Ultrasonic Surgical Instruments」の
図1に示される。
【0014】
一部の変形では、トグルボタンが、下方部分(64)の遠位表面上に配置され、ジェネレータ(20)を使用して、種々の動作レベルで、トランスデューサ(100)を選択的に作動させるように、動作可能である。例えば、第1のトグルボタンは、最大エネルギーレベルで、トランスデューサ(100)を作動させることができ、その一方で、第2のトグルボタンは、最小の、非ゼロのエネルギーレベルで、トランスデューサ(100)を作動させることができる。当然ながら、トグルボタンは、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるような、最大及び/又は最小のエネルギーレベル以外のエネルギーレベルに関して、構成することができる。更には、単一のトグルボタンのみを提供することができ、又は3つ以上のトグルボタンを提供することもできる。組立形ハンドルアセンブリ(60)は、2つの別個の部分(62、64)を参照して説明されているが、組立形ハンドルアセンブリ(60)は、双方の部分(62、64)が組み合わされた、一体型アセンブリとすることができる点を、理解するべきである。組立形ハンドルアセンブリ(60)は、あるいは、別個のトリガー部分(ユーザの手又は足によって動作可能)、及び別個の接合ハウジング部分(62)などの、複数の個別構成要素へと分割することもできる。そのようなトリガー部分は、トランスデューサ(100)を作動させるように動作可能とすることができ、接合ハウジング部分(62)から遠隔性のものとすることができる。組立形ハンドルアセンブリ(60)は、耐久性プラスチックケーシング(61)(ポリカーボネート又は液晶ポリマーなど)、セラミック、金属、及び/又は本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるような、任意の他の好適な材料から、構築することができる。組立形ハンドルアセンブリ(60)に関する他の構成もまた、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。例えば、一部の変形では、トリガー(68)を省略することができ、外科用器具(50)は、ロボットシステムの制御によって作動させることができる。他の変形では、外科用器具(50)は、ジェネレータ(20)に結合される際に、作動させることができる。
【0015】
また更には、外科用器具(50)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1994年6月21日発行の、米国特許第5,322,055号、表題「Clamp Coagulator/Cutting System for Ultrasonic Surgical Instruments」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1999年2月23日発行の、同第5,873,873号、表題「Ultrasonic Clamp Coagulator Apparatus Having Improved Clamp Mechanism」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1997年10月10日出願の、同第5,980,510号、表題「Ultrasonic Clamp Coagulator Apparatus Having Improved Clamp Arm Pivot Mount」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2001年12月4日発行の、同第6,325,811号、表題「Blades with Functional Balance Asymmetries for use with Ultrasonic Surgical Instruments」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2006年4月13日公開の、米国特許公開第2006/0079874号、表題「Tissue Pad for Use with an Ultrasonic Surgical Instrument」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年8月16日公開の、同第2007/0191713号、表題「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年12月6日公開の、同第2007/0282333号、表題「Ultrasonic Waveguide and Blade」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2008年8月21日公開の、同第2008/0200940号、表題「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2009年6月4日公開の、同第2009/0143797号、表題「Cordless Hand−held Ultrasonic Cautery Cutting Device」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2010年3月18日公開の、同第2010/0069940号、表題「Ultrasonic Device for Fingertip Control」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2011年1月20日公開の、同第2011/0015660号、表題「Rotating Transducer Mount for Ultrasonic Surgical Instruments」、及び/又はその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2010年11月5日出願の、米国仮出願第61/410,603号、表題「Energy−Based Surgical Instruments」の少なくとも一部の教示に従って、構築することができる。
【0016】
本明細書で説明される、教示、表現、実施形態、実施例などのうちの、いずれの1つ以上も、本明細書で説明される、他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちの、いずれの1つ以上とも組み合わせることができる点を、更に理解するべきである。以下で説明される、教示、表現、実施形態、実施例などは、それゆえ、互いに切り離して考慮するべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる、様々な好適な方法が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には容易に明らかとなるであろう。そのような修正及び変形は、特許請求の範囲内に含まれることを意図する。
【0017】
II.例示的なモジュラー式エンドエフェクタアセンブリ
一部の状況では、クランプアーム(84)、内側管状作動部材の一部分、外側シース(72)の一部分、及び/又はブレード(82)のみを、外科用器具(50)から取り外しすることが好ましい場合がある。例えば、外側シース(72)の諸部分、内側管状作動部材の諸部分、ブレード(82)、及び/又はクランプアーム(84)は、外科手術の間に、汚れた状態になる場合がある。そのような場合には、内側管状作動部材及び外側シース(72)に対する、クランプアーム(84)の枢動可能な接続のために、その外側シース(72)の部分、内側管状作動部材の部分、ブレード(82)、及び/又はクランプアーム(84)を、使用の合間に、洗浄並びに再滅菌することが、困難な場合がある。したがって、外科用器具(50)の残りの部分に、結合及び分離させることができる、使い捨てのエンドエフェクタを有することが、好ましい場合がある。この外科用器具(50)の残部は、再使用可能、再生利用可能、かつ/又は再滅菌可能であるように、構成することができる。それゆえ、ユーザーは、使用済みのエンドエフェクタを廃棄して、外科用器具(50)の残部を再滅菌し、別の手技で使用するために、新たなエンドエフェクタを、外科用器具(50)上に結合することができる。他の状況では、クランプアーム(84)並びに/あるいはクランプパッド(86)が、損耗、故障、及び/又は動作不能若しくは使用不能の状態となる場合には、エンドエフェクタの取り替えが可能であることが、有用な場合がある。そのような状況では、伝達アセンブリ(70)及び/又は外科用器具(50)ではなく、エンドエフェクタの取り替えが可能であることが、有用な場合がある。したがって、分離可能なエンドエフェクタに関する様々な構成を、以下で説明する。
【0018】
A.例示的なエンドエフェクタ
図2A、2Bは、閉鎖位置の
図2A、及び開放位置の
図2Bで示される、例示的なエンドエフェクタ(200)の分解図を示す。本実施例では、エンドエフェクタ(200)は、ブレード(210)、遠位クランプパッド(220)、近位クランプパッド(230)、クランプアーム(240)、内側管状作動部材(260)、及び外側シース(280)を含む。ブレード(210)は、上述のブレード(82)の少なくとも一部の教示に従って、あるいは、それぞれの開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2011/0015660号、及び/又は同第2009/0143797号の、少なくとも一部の教示に従って、構築することができる。本実施例では、ブレード(210)は、トランスデューサ(100)などの、トランスデューサに結合されて、超音波周波数で振動するように構成される。トランスデューサに対する、そのようなブレード(210)の結合は、導波管(図示せず)を介するものとすることができる。ブレード(210)とクランプアーム(240)との間に、組織が固定される場合、ブレード(210)の超音波振動が、組織を切断すると同時に、隣接する組織細胞内のタンパク質を変性させることにより、熱の拡散が比較的小さい、凝固効果を提供することができる。組織を焼灼するために、ブレード(210)及びクランプアーム(240)を通じて、電流を提供することもできる。図示のように、ブレード(210)は、円筒形の本体部分(212)と、ブレード(210)の遠位端の湾曲状部分(214)とを含む。単なる例として、ブレード(210)は、湾曲状の直方体末端部を有する、中実のチタンロッドを含む。ブレード(210)は、実質的に直線状とすることができ、かつ/又はブレード(210)は、他の幾何学形状を有し得ることを理解するべきであり、他の幾何学形状としては、円錐形末端部、三角柱末端部、円筒形末端部、実質的に平面的な末端部、直方体本体部、及び/又は本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるような、任意の他の幾何学形状が挙げられる。また更には、ブレード(210)は、チタン以外の材料を含み得、その材料としては、アルミニウム、スチール、鉄、複合材料、合金などが挙げられる。当然ながら、ブレード(210)に関する他の構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【0019】
本実施例の遠位クランプパッド(220)は、Teflon(登録商標)(E.I.du Pont de Nemours and Company(Wilmington,Delaware)製)を含む。例えば、遠位クランプパッド(220)は、Teflon(登録商標)でコーティングされたスチールで形成することができる。あるいは、遠位クランプパッド(220)は、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるような、任意の他の好適な材料で形成することができ、かつ/又は任意の他の好適な超低摩擦材料でコーティングすることができる。遠位クランプパッド(220)は、遠位クランプパッド(220)から延出し、かつクランプアーム(240)のT形状陥凹部(図示せず)内に挿入可能な、T形状部材(222)を介して、クランプアーム(240)上に装着される。遠位クランプパッド(220)は、ブレード(210)に実質的に平行で、かつブレード(210)と接触する位置へと、枢動可能である。したがって、クランプアーム(240)が、
図2Aに示す閉鎖位置へと作動される場合、遠位クランプパッド(220)とブレード(210)との間で、組織が圧縮及び把持される。図示のように、遠位クランプパッド(220)は、鋸歯状の構成などの、非平滑表面(224)を含むことにより、遠位クランプパッド(220)による組織の把持が増強される。この鋸歯状の構成、すなわち歯は、ブレード(210)に対する組織の移動に抵抗する、静止摩擦を提供する。当業者には理解されるように、この鋸歯状の構成は、ブレード(210)の移動に対する組織の移動を、防止するために使用することができる、多くの組織係合表面のうちの、単なる一実施例である。他の例示的実施例としては、隆起部、交錯パターン、トレッドパターン、ビーズ又はサンドブラスト処理表面などが挙げられる。図示の実施例では、遠位クランプパッド(220)は、クランプアーム(240)内に、遠位端で挿入可能であり、近位クランプパッド(230)の遠位方向に配置される。
【0020】
近位クランプパッド(230)は、Teflon(登録商標)(E.I.du Pont de Nemours and Company(Wilmington,Delaware)製)を含む、実質的に平坦なクランプパッドを含む。例えば、近位クランプパッド(230)は、Teflon(登録商標)でコーティングされたスチールで形成することができる。あるいは、近位クランプパッド(230)は、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるような、任意の他の好適な材料で形成することができ、かつ/又は任意の他の好適な超低摩擦材料でコーティングすることができる。近位クランプパッド(230)は、近位クランプパッド(230)から延出し、かつクランプアーム(240)の鳩尾形状陥凹部(図示せず)内に挿入可能な、鳩尾形状部材(232)を介して、クランプアーム(240)上に装着される。近位クランプパッド(230)もまた、ブレード(210)に実質的に平行で、かつブレード(210)と接触する位置へと、枢動可能である。したがって、クランプアーム(240)が、
図2Aに示す閉鎖位置へと作動される場合、近位クランプパッド(230)とブレード(210)との間で、組織が圧縮される。当然ながら、遠位クランプパッド(220)と近位クランプパッド(230)とは、別個の構成要素であるため、遠位クランプパッド(220)及び近位クランプパッド(230)に関する材料は、異なるものとすることができる。遠位クランプパッド(220)及び近位クランプパッド(230)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2006年4月13日公開の、米国特許公開第2006/0079874号、表題「Tissue Pad for Use with an Ultrasonic Surgical Instrument」の少なくとも一部の教示に従って、更に構築することができる。
【0021】
本実施例の内側管状作動部材(260)は、外側シース(280)内部で長手方向に作動すると共に、ブレード(210)が、内側管状作動部材(260)の中を通って、長手方向に延在するように構成される、中空の円筒形部材を含む。内側管状作動部材(260)の近位端は、トリガー(68)などの、トリガーに結合され、このトリガーは、トリガーが押されると、内側管状作動部材(260)を近位方向に作動させるように、構成される。トリガーが解放されると、内側管状作動部材(260)は、遠位方向に作動する。内側管状作動部材(260)の遠位端(262)は、内側管状作動部材(260)の対向側面上に配置され、かつクランプアーム(240)の1対の下方ピン(252)を受容するように構成される、1対の作動穴(264)を含む。したがって、クランプアーム(240)が、作動穴(264)及び下方ピン(252)を介して、内側管状作動部材(260)に結合される場合、内側管状作動部材(260)の長手方向運動により、クランプアーム(240)は、クランプアーム(240)の1対の上方ピン(254)の周りを枢動する。当然ながら、内側管状作動部材(260)に関する、他の構成及び結合機構が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。例えば、内側管状作動部材(260)は、一体ヒンジを含み、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、本明細書と同日出願の、米国特許出願第[代理人整理番号END6895USNP19.0587843]号、表題「Surgical Instrument with Modular Clamp Pad」の少なくとも一部の教示に従って、構築することができる。一部の変形では、内側管状作動部材(260)を省略することができ、ロッド(図示せず)を、クランプアーム(240)に結合することができる。このロッドは、それゆえ、クランプアーム(240)を枢動させるように、動作可能とすることができる。
【0022】
本実施例の外側シース(280)もまた、外側シース(280)の近位端(図示せず)で、ハンドルアセンブリのケーシングに結合すると共に、ブレード(210)、内側管状作動部材(260)、及びブレード(210)に関連する導波管が、その中を通って長手方向に延在するように構成される、中空の円筒形部材である。外側シース(280)は、外側シース(280)の対向側面上に配置され、かつクランプアーム(240)の1対の上方ピン(254)を受容するように構成される、1対の上方穴(284)を含む、遠位端(282)を有する。当業者には明らかとなるように、上方穴(284)は、周りをクランプアーム(240)が枢動可能となる、枢動点を提供する。外側シース(280)は、内側管状作動部材(260)に対して長手方向で固定されるように、更に構成される。それゆえ、内側管状作動部材(260)が長手方向に作動する場合、外側シース(280)は、クランプアーム(240)を枢動させることを可能にする、機械的基底部を提供する。当然ながら、外側シース(280)は、内側管状作動部材(260)に対して、必ずしも固定される必要はない。単なる例として、内側管状作動部材(260)を固定することができ、かつ外側シース(280)を作動可能とすることができ、又は他の変形では、内側管状部材(260)及び外側シース(280)の双方を、作動可能とすることができる。当然ながら、外側シース(280)に関する他の構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。例えば、外側シース(280)は、一体ヒンジを含み、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、本明細書と同日出願の、米国特許出願第[代理人整理番号END6895USNP19.0587843]号、表題「Surgical Instrument with Modular Clamp Pad」の少なくとも一部の教示に従って、構築することができる。
【0023】
クランプアーム(240)は、係合部分(242)と、係合部分(242)より近位の、取り付け部分(248)とを含む。本実施例の係合部分(242)は、遠位クランプパッド(220)のT形状部材(222)を受容するように構成されるT形状陥凹部を含む、実質的に平坦な底部面を有する、湾曲状部材を含む。係合部分(242)は、本実施例のブレード(210)の曲率と、実質的に同様の曲率を有する。当然ながら、ブレード(210)が直線状である場合には、係合部分(242)もまた、直線状とすることができる。係合部分(242)は、ブレード(210)の側面の周りで下向きに湾曲することにより、係合部分(242)が、ブレード(210)によって中に組織を圧縮して切断することができる、凹型部を形成するように、更に構成することができる。取り付け部分(248)は、本体部材(250)、1対の下方ピン(252)、及び1対の上方ピン(254)を含む。本体部材(250)は、近位クランプパッド(230)の鳩尾形状部材(232)を受容するように構成される、鳩尾形状陥凹部(図示せず)を含む。上述のように、下方ピン(252)は、内側管状作動部材(260)の作動穴(264)内に挿入可能であり、上方ピン(254)は、外側シース(280)の上方穴(284)内に挿入可能である。したがって、ピン(252、254)が、穴(264、284)内に挿入される場合、クランプアーム(240)は、外側シース(280)及び内側管状作動部材(260)に結合され、クランプアーム(240)は、ブレード(210)に対して枢動可能となる。当然ながら、クランプアーム(240)に関する他の構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。一部の変形態様では、ピン(252、254)は、本体部材(232)内に形成される穴に通して挿入可能な、別個のピンとすることができる。一部の他の変形では、クランプアーム(240)は、一体ヒンジを含み、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、本明細書と同日出願の、米国特許出願第[代理人整理番号END6895USNP19.0587843]号、表題「Surgical Instrument with Modular Clamp Pad」の少なくとも一部の教示に従って、構築することができる。
【0024】
単に例示的な1つのエンドエフェクタ(200)が、本明細書で説明されているが、他のエンドエフェクタも同様に使用することができる。例えば、クランプアーム(240)、遠位クランプパッド(220)、近位クランプパッド(230)、内側管状作動部材(260)、及び/又は外側シース(280)を、エンドエフェクタ(200)から省略することができる。近位クランプパッド(230)、内側管状作動部材(260)、及び外側シース(280)を省略している、単に例示的な1つのエンドエフェクタは、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年8月16日公開の、米国特許公開第2007/0191713号、表題「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」で説明される。クランプアーム(240)、遠位クランプパッド(220)、近位クランプパッド(230)、及び内側管状作動部材(260)を省略している、単に例示的な別のエンドエフェクタは、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2008年8月21日公開の、米国特許公開第2008/0200940号、表題「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」で説明される。エンドエフェクタ(200)に関する更なる他の構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【0025】
B.例示的なねじ付きエンドエフェクタ
図3は、ねじ式結合を介して伝達アセンブリ(350)に結合可能な、例示的なエンドエフェクタ(300)の近位端を示す。本実施例の伝達アセンブリ(350)は、ハンドルアセンブリ(図示せず)に結合され、近位外側シース(360)、近位管状作動部材(370)、及び導波管(380)を含む。伝達アセンブリ(350)の導波管(380)は、トランスデューサ(100)などの、トランスデューサ(図示せず)に結合され、導波管(380)は、そのトランスデューサによって作り出される超音波周波数で振動するように構成される。近位管状作動部材(370)は、トリガー(68)などの、トリガー(図示せず)に結合され、そのトリガーが使用される場合に、長手方向で作動するように構成される。一部の変形では、近位管状作動部材(370)に、力制限機構(図示せず)を結合して、トリガーが、その可動域の限界にある場合の、作動力を低減することができる。近位外側シース(360)は、ハンドルアセンブリ(図示せず)に、固定して結合される。一部の変形では、近位外側シース(360)は、近位外側シース(360)が、ハンドルアセンブリに対して回転可能であるように、回転ノブに固定して結合することができる。伝達アセンブリ(350)は、本明細書で説明される伝達アセンブリ(70、400)、本明細書と同日出願の、米国特許出願第[代理人整理番号END6895USNP19.0587843]号、表題「Surgical Instrument with Modular Clamp Pad」、米国特許公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2011/0015660号、及び/又は同第2009/0143797号の、少なくとも一部の教示に従って、更に構築することができる。
【0026】
本実施例のエンドエフェクタ(300)は、外側シース(310)、内側管状作動部材(320)、及びブレード(330)を含む。
図3に示すエンドエフェクタ(300)の構成要素は、単に例示的なものであり、エンドエフェクタ(300)に関しては、追加的構成要素を含めることができる点を、理解するべきである。例えば、エンドエフェクタ(300)は、本明細書で説明されるエンドエフェクタ(80、200、300、700)、本明細書と同日出願の、米国特許出願第[代理人整理番号END6895USNP19.0587843]号、表題「Surgical Instrument with Modular Clamp Pad」、米国特許公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2011/0015660号、及び/又は同第2009/0143797号の、少なくとも一部の教示に従って、更に構築することができる。例えば、エンドエフェクタ(300)は、湾曲状ブレード、クランプアーム、クランプパッド、及び/又は本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるような、任意の他の構成要素を含み得る。当然ながら、外側シース(310)、内側管状作動部材(320)、及び/又はブレード(330)のうちの1つ以上もまた、エンドエフェクタ(300)から省略することができる。
【0027】
図3に示すように、外側シース(310)は、近位外側シース(360)の相補形ねじ切り(362)に、ねじ込み式に結合する、ねじ切り(312)を含む。同様に、内側管状作動部材(320)は、近位管状作動部材(370)の相補形ねじ切り(372)に、ねじ込み式に結合する、ねじ切り(322)を含む。ブレード(330)は、相補形ねじ切り(382)を有する、導波管(380)の遠位端を、ねじ込み式に受容するように構成される、ねじ切り(334)を有する陥凹部(332)を含む。したがって、外側シース(310)、内側管状作動部材(320)、及びブレード(330)は、近位外側シース(360)、近位管状作動部材(370)、及び導波管(380)に、ねじ込み式に取り付け可能であることにより、エンドエフェクタ(300)を、伝達アセンブリ(350)に結合する。そのような結合の結果として、導波管(380)に結合されるトランスデューサによって作り出される超音波振動が、ブレード(330)に伝達される。更には、トリガーを介した、近位管状作動部材(370)の長手方向の作動もまた、内側管状作動部材(320)を長手方向で作動させる。更には、近位外側シース(360)が、外側シース(310)に結合される場合、エンドエフェクタ(300)の外側シース(310)はまた、ハンドルアセンブリ及び/又は回転ノブにも、固定して結合される。それゆえ、ユーザーは、伝達アセンブリ(350)上にエンドエフェクタ(300)をねじ込むことにより、ハンドルアセンブリで、エンドエフェクタ(300)を使用することができる。ユーザーはまた、伝達アセンブリ(350)から、エンドエフェクタ(300)をねじ式に抜き取ることにより、エンドエフェクタ(300)を、伝達アセンブリ(350)から係合解除することもできる。したがって、ユーザーは、伝達アセンブリ(350)上に、様々なエンドエフェクタ(300)を選択的に結合させると共に、機械的接続及び音響的接続を依然として維持して、エンドエフェクタ(300)を動作させることができる。例えば、エンドエフェクタ(300)が損耗し、かつ/又は、もはや滅菌されない場合には、ユーザーは、伝達アセンブリ(350)から、エンドエフェクタ(300)を取り外しする、エンドエフェクタ(300)を処分する一方で、伝達アセンブリ(350)を再使用することができる。
【0028】
一部の変形では、エンドエフェクタ(300)及び/又は伝達アセンブリ(350)は、チクソ成形部品、金属射出成形部品、プラスチック部品、及び/又は本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるような、他の部品を含み得る。一部の変形では、外側シース(310)、内側管状作動部材(320)、近位外側シース(360)、及び/又は近位管状作動部材(370)は、外側シース(310、360)と管状作動部材(320、370)とが、ねじ込みに関して同時進行することを可能にする、空転機構を更に含み得る。例えば、ラチェット歯(390)が、外側シース(310)の内部表面、及び内側管状作動部材(320)の外部表面の周りに、円周方向で配置されることにより、ラチェット歯(390)を空転させるために十分な回転力が加えられるまで、ラチェット歯(390)は係合して、2つの構成要素間の回転を選択的に制限する。単なる例として、管状作動部材(320、370)が、互いに、ねじ込み式に完全に係合しているが、外側シース(310、360)が、完全には係合していない場合には、ユーザーは、エンドエフェクタ(300)を継続して回転させることにより、ねじ込み式に完全に係合している管状作動部材(320、370)からの回転抵抗により、ラチェット歯(390)を空転させることができる。このことにより、ユーザーは、継続して、外側シース(310、360)を、ねじ込み式に一体に係合させ、その一方で、管状作動部材(320、370)を過剰に締め付けないことが、可能となる。ラチェット歯(390)は、内側管状作動部材(320、370)に対する、外側シース(310、360)の並進には、影響を及ぼさないことに留意するべきである。その代わりに、ラチェット歯(390)は、内側管状作動部材(320、370)に対する、外側シース(310、360)の回転を制限するのみであり、逆もまた同様である。当然ながら、ラチェット歯(390)は、近位管状作動部材(370)の外部表面と、外側シース(360)の内部表面との間、ブレード(330)の外部表面と、内側管状作動部材(320)の内部表面との間、導波管(380)の外部表面と、近位管状作動部材(370)の内部表面との間に、含めることができる。管状作動部材(320、370)を省略する一部の変形では、ラチェット歯(390)は、ブレード(330)と外側シース(310)との間、及び/又は導波管(380)と近位外側シース(360)との間に、提供することができる。更なる他の空転機構が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。例えば、クラッチ板、選択的に係合解除可能な歯止め及び歯車などを、エンドエフェクタ(300)及び/又は伝達アセンブリ(350)内に含めることができる。あるいは、空転機構は、単純に省略することもできる。
【0029】
あるいは、エンドエフェクタ(300)と伝達アセンブリ(350)とを、相補形ねじ切り(312、322、334、362、372、382)を介して結合することができるように、取り外し可能なピン(図示せず)を、エンドエフェクタ(300)及び/又は伝達アセンブリ(350)に貫通させて挿入することにより、外側シース(310)、内側管状作動部材(320)、及びブレード(330)を、互いに対して回転可能に固定し、近位外側シース(360)、近位管状作動部材(370)、及び導波管(380)を、互いに対して回転可能に固定することができる。エンドエフェクタ(300)及び伝達アセンブリ(350)を、一体に結合した後に、ピンを取り外すことにより、外側シース(310、360)、管状作動部材(320、370)、並びに/あるいはブレード(330)及び導波管(380)の、他に対する回転を可能にすることができる。このピンは、必ずしも取り外し可能である必要はないことを、理解するべきである。当然ながら、エンドエフェクタ(300)及び/又は伝達アセンブリ(350)に関する、更なる構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。例えば、一部の変形形態では、内側管状作動部材(320)を省略することができ、ロッド(図示せず)を提供して、クランプアームを枢動させることができる。
【0030】
C.例示的なラチェット式エンドエフェクタ
図4は、ラチェット歯(412、422、462、472)を介して、伝達アセンブリ(450)に結合可能な、例示的な代替的エンドエフェクタ(400)の近位端を示す。本実施例の伝達アセンブリ(450)は、ハンドルアセンブリ(図示せず)に結合され、近位外側シース(460)、近位管状作動部材(470)、及び導波管(480)を含む。伝達アセンブリ(450)の導波管(480)は、トランスデューサ(100)などの、トランスデューサ(図示せず)に結合され、導波管(480)は、そのトランスデューサによって作り出される超音波周波数で振動するように構成される。近位管状作動部材(470)は、トリガー(68)などの、トリガー(図示せず)に結合され、そのトリガーが使用される場合に、長手方向で作動するように構成される。一部の変形では、近位管状作動部材(470)に、力制限機構(図示せず)を結合して、トリガーが、その可動域の限界にある場合の、作動力を低減することができる。近位外側シース(460)は、ハンドルアセンブリ(図示せず)に、固定して結合される。一部の変形では、近位外側シース(460)は、近位外側シース(460)が、ハンドルアセンブリに対して回転可能であるように、回転ノブに固定して結合することができる。伝達アセンブリ(450)は、本明細書で説明される伝達アセンブリ(70、350)、本明細書と同日出願の、米国特許出願第[代理人整理番号END6895USNP19.0587843]号、表題「Surgical Instrument with Modular Clamp Pad」、米国特許公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2011/0015660号、及び/又は同第2009/0143797号の、少なくとも一部の教示に従って、更に構築することができる。
【0031】
本実施例のエンドエフェクタ(400)は、外側シース(410)、内側管状作動部材(420)、及びブレード(430)を含む。エンドエフェクタ(400)は、
図4には示されない追加的構成要素を含み得ることを、理解するべきである。例えば、エンドエフェクタ(400)は、本明細書で説明されるエンドエフェクタ(80、200、300、700)、本明細書と同日出願の、米国特許出願第[代理人整理番号END6895USNP19.0587843]号、表題「Surgical Instrument with Modular Clamp Pad」、米国特許公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2011/0015660号、及び/又は同第2009/0143797号の、少なくとも一部の教示に従って、更に構築することができる。例えば、エンドエフェクタ(400)は、湾曲状ブレード、クランプアーム、クランプパッド、及び/又は本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるような、任意の他の構成要素を含み得る。
【0032】
図4に示すように、外側シース(410)は、近位外側シース(460)の相補形ラチェット歯(462)に結合する、ラチェット歯(412)を含む。同様に、内側管状作動部材(420)は、近位管状作動部材(470)の相補形ラチェット歯(472)に結合する、ラチェット歯(422)を含む。ブレード(430)は、相補形ねじ切り(482)を有する、導波管(480)の遠位端を、ねじ込み式に受容するように構成される、ねじ切り(434)を有する陥凹部(432)を含む。したがって、ブレード(430)が、ねじ切り(434、482)を介して、ねじ込み式に導波管(480)に結合される場合、ラチェット歯(412、422、462、472)は、外側シース(410、460)及び管状作動部材(420、470)を、一体に係合させてラチェット駆動させる。それゆえ、本実施例のエンドエフェクタ(400)は、伝達アセンブリ(450)に結合可能である。そのような結合の結果として、導波管(480)に結合されるトランスデューサによって作り出される超音波振動が、ブレード(430)に伝達される。更には、トリガーを介した、近位管状作動部材(470)の長手方向の作動もまた、ラチェット歯(422、472)の係合を介して、内側管状作動部材(420)を長手方向で作動させる。更には、近位外側シース(460)が、外側シース(410)に結合される場合、エンドエフェクタ(400)の外側シース(410)はまた、ラチェット歯(412、462)を介して、ハンドルアセンブリ及び/又は回転ノブにも、固定して結合される。
【0033】
それゆえ、ユーザーは、伝達アセンブリ(450)上にエンドエフェクタ(400)をねじ込み、ラチェット駆動させることにより、ハンドルアセンブリで、エンドエフェクタ(400)を使用することができる。伝達アセンブリ(450)から、エンドエフェクタ(400)を係合解除するためには、ユーザーは、最初に、ねじ切り(434、482)を介して、導波管(480)からブレード(430)を、ねじ式に抜き取ることができる。ユーザーが、導波管(480)からブレード(430)を、ねじ式に抜き取っているとき、ラチェット歯(412、422、462、472)が、係合解除に抵抗する。一部の変形では、エンドエフェクタ(400)のラチェット歯(412、422)は、射出成形プラスチックによって形成することができ、その一方で、ラチェット歯(462、472)は、金属射出成形によって形成することができる。そのように成形される構成要素は、一体に結合することにより全体部分を形成することができる、2つの半部分部材を含み得る。ブレード(430)が、導波管(480)から、ねじ式に係合解除される際に、近位外側シース(460)及び近位管状作動部材(470)から、外側シース(410)及び内側管状作動部材(420)を係合解除するように、ラチェット歯(412、422)が変形する。このラチェット歯(412、422)の変形を使用して、ユーザーは、伝達アセンブリ(450)から、エンドエフェクタ(400)を取り外す。次いで、伝達アセンブリ(450)に新たなエンドエフェクタ(400)を結合して、使用することができる。したがって、ユーザーは、伝達アセンブリ(450)上に、様々なエンドエフェクタ(400)を選択的に結合させると共に、機械的接続及び音響的接続を依然として維持して、エンドエフェクタ(400)を動作させることができる。例えば、エンドエフェクタ(400)が損耗し、かつ/又は、もはや滅菌されない場合には、ユーザーは、伝達アセンブリ(450)から、エンドエフェクタ(400)を取り外し、エンドエフェクタ(400)を処分する一方で、伝達アセンブリ(450)を再使用することができる。更には、ラチェット歯(412、422)の変形はまた、エンドエフェクタ(400)が従前に使用されたことの、視覚フィードバック及び/又は触覚フィードバックも、提供することができる。一部の他の変形では、ラチェット歯(412、422)は、ラチェット式ねじ山を含み得ることにより、ユーザーは、ラチェット歯(412、422)を、ねじ式に抜き取ることによって、ラチェット歯(412、422)を係合解除することができる。エンドエフェクタ(400)及び/又は伝達アセンブリ(450)に関する、他の好適な構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。例えば、一部の変形では、内側管状作動部材(420)を省略することができ、ロッド(図示せず)を提供して、クランプアームを枢動させることができる。
【0034】
D.例示的なバヨネットピン及びスロットのエンドエフェクタ
図5〜9Cは、例示的なバヨネットピン及びスロットの取り外し可能エンドエフェクタを利用する外科装置の、構成要素並びにアセンブリを示す。
【0035】
i.例示的なトランスデューサ及びブレードアセンブリ
図5は、
図7に示す取り外し可能エンドエフェクタ(700)と共に、
図6に示すハンドルアセンブリ(600)内で使用するための、再使用可能なトランスデューサ及びブレードアセンブリ(500)を示す。トランスデューサ及びブレードアセンブリ(500)は、トランスデューサ(510)と、トランスデューサ(510)に結合され、トランスデューサ(510)から遠位方向に延出する、細長形のブレードアセンブリ(550)とを含む。本実施例のトランスデューサ(510)は、トランスデューサ本体(512)、トランスデューサ本体(512)の遠位端内に形成される円周方向ノッチ(514)、キー止めスロット部材(520)、及びケーブル(530)を含む。本実施例のケーブル(530)は、ジェネレータ(20)などの、電源に結合可能であり、トランスデューサ(510)に電力を提供する。トランスデューサ(510)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2009年6月4日公開の、米国特許公開第2009/0143797号、表題「Cordless Hand−held Ultrasonic Cautery Cutting Device」で開示される、コードレストランスデューサの場合のように、ケーブル(530)を省略するように構成することができる点を、理解するべきである。
【0036】
ノッチ(514)は、
図9A〜9Cを参照して、より詳細に論じられるように、ラッチ部材(640)の末端部(642)を受容して、ハンドルアセンブリ(600)内に、トランスデューサ(510)を選択的にラッチ留めするように構成される、トランスデューサ本体(512)内の円周方向溝を含む。一部の変形では、ノッチ(514)は、
図9A〜9Cに示す、ラッチ部材(640)の末端部(642)上の電気的コネクタ(644)に電気的に結合する、電気的リングコネクタ(516)を含み、ハンドルアセンブリ(600)内部の構成要素に、トランスデューサ(510)を電気的に結合する。例えば、そのような電気的接続は、
図6に示すトグルボタン(630)に、又は、トランスデューサ(510)を、ハンドルアセンブリ(600)内に挿入するときに作動させる、電気スイッチ(図示せず)に、トランスデューサ(510)を結合することができる。当然ながら、他の電気的接続を提供して、トランスデューサ(510)を、ハンドルアセンブリ(600)の電気的構成要素と結合することができる。
【0037】
キー止めスロット部材(520)は、
図8を参照して、より詳細に論じられるように、内側管状作動部材(670)の近位端上のキー(672)を受容するように構成される、長手方向スロット(522)を有する、円筒形部材を含む。トランスデューサ(510)は、2011年10月10日出願の、米国特許出願第13/269,883号、表題「Surgical Instrument with Clutching Slip Ring Assembly to Power Ultrasonic Transducer」、米国特許公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2011/0015660号、米国特許第6,500,176号、米国特許公開第2011/0087218号、及び/又は同第2009/0143797号の、少なくとも一部の教示に従って、更に構築することができる。
【0038】
ブレードアセンブリ(550)は、細長形の導波管(560)、及び遠位ブレード(570)を含む。導波管(560)は、近位端で、トランスデューサ(510)に結合される。本実施例では、導波管(560)は、トランスデューサ(510)に固定して結合されるが、導波管(560)は、トランスデューサ(510)から取り外し可能とすることができる点を、理解するべきである。導波管(560)は、トランスデューサ(510)によって作り出される超音波周波数で振動する。本実施例では、遠位ブレード(570)が導波管(560)に結合されていることにより、ブレード(570)もまた、超音波周波数で振動する。それゆえ、ブレード(570)と、以下でより詳細に説明されるエンドエフェクタ(700)のクランプアーム(644)との間に、組織が固定される場合、ブレード(570)の超音波振動が、組織を切断すると同時に、隣接する組織細胞内のタンパク質を変性させることにより、熱の拡散が比較的小さい、凝固効果を提供することができる。本実施例では、ブレード(570)は、湾曲状ブレードであるが、他の変形では、ブレード(570)は、直線状とするか、又は他の幾何学的構成を有するものとすることができる。当然ながら、ブレードアセンブリ(550)に関する他の構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【0039】
ii.例示的なハンドルアセンブリ
ここで
図6を参照すると、本実施例のハンドルアセンブリ(600)は、ケーシング(610)、枢動可能なトリガー(620)、1対のトグルボタン(630)、ラッチ部材(640)、回転ノブ(650)、外側シース(660)、及び内側管状作動部材(670)を含む。トリガー(620)、トグルボタン(630)、ラッチ部材(640)、回転ノブ(650)、外側シース(660)、及び内側管状作動部材(670)は、単に任意選択であるに過ぎず、一部の変形では省略することができる点を、理解するべきである。更には、ハンドルアセンブリ(600)は、上述の組立形ハンドルアセンブリ(60)の少なくとも一部の教示に従って、あるいは、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、本明細書と同日出願の、米国特許出願第[代理人整理番号END6895USNP19.0587843]号、表題「Surgical Instrument with Modular Clamp Pad」、__________出願の、同第[代理人整理番号END6895USNP15.0587839]号、表題「Gear Driven Coupling Between Ultrasonic Transducer and Waveguide in Surgical Instrument」、__________出願の、同第[代理人整理番号END6895USNP14.0587838]号、表題「Cam Driven Coupling Between Ultrasonic Transducer and Waveguide in Surgical Instrument」、2011年10月10日出願の、同第13/269,870号、表題「Surgical Instrument with Modular Shaft and End Effector」、2011年10月10日出願の、同第13/269,899号、表題「Ultrasonic Surgical Instrument with Modular End Effector」、米国特許公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2011/0015660号、米国特許第6,500,176号、米国特許公開第2011/0087218号、及び/又は同第2009/0143797号の、少なくとも一部の教示に従って、構築することができる。
【0040】
本実施例では、ケーシング(610)は、
図5のトランスデューサ及びブレードアセンブリ(500)を受容するように構成される、近位開口(612)を含む。トリガー(620)は、ケーシング(610)に枢動可能に結合され、
図6に示すような開放位置から、閉鎖位置へと枢動するように構成される。トリガー(620)は、
図9A〜9Cを参照して、より詳細に論じられるように、トリガー(620)が閉鎖位置にある場合に、作動アセンブリ(622)を介して、外側シース(660)を遠位方向に作動させるように、構成される。トグルボタン(630)は、電源を使用して、種々の動作レベルで、トランスデューサ(510)を選択的に作動させるように動作可能な、ボタンを含む。例えば、第1のトグルボタン(630)は、最大エネルギーレベルで、トランスデューサ(510)を作動させることができ、その一方で、第2のトグルボタン(630)は、最小の、非ゼロのエネルギーレベルで、トランスデューサ(510)を作動させることができる。当然ながら、トグルボタン(630)は、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるような、最大及び/又は最小のエネルギーレベル以外のエネルギーレベルに関して、構成することができる。更には、単一のトグルボタン(630)のみを提供することができ、又は3つ以上のトグルボタン(630)を提供することもできる。本実施例のトグルボタン(630)は、リングコネクタ(516)、及び
図9A〜9Cに示すラッチ部材(640)の電気的コネクタ(644)を介して、トランスデューサ(510)に電気的に結合するように構成される。当然ながら、複数の円周方向溝及び/又は電気的コネクタを、トランスデューサ(510)及び/又はラッチ部材(640)上に含めることにより、ハンドルアセンブリ(600)内部の構成要素と、トランスデューサ(510)との間に、複数の電気的結合を提供することができる。単なる例として、複数個のリングコネクタ(516)をノッチ(514)内部に配置して、ラッチ部材(640)上の複数個の電気的コネクタ(644)に結合させることができる。したがって、様々な電気的構成要素を、ハンドルアセンブリ(600)内部に含めることにより、トランスデューサ(510)に、また一部の変形では、上述のジェネレータ(20)などの外部電源に、電気的に結合させることができる。単に例示的な電気的構成要素としては、トグルボタン(630)、ハンドルアセンブリ(600)内部のセンサー、エンドエフェクタ(700)内部のセンサー、エンドエフェクタ(700)用の焼灼構成要素、及び/又は、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるような、任意の他の好適な電気的構成要素を挙げることができる。そのような電気的結合は、トランスデューサ(510)が、ケーシング(610)に対して回転される場合であっても、電気的導通を提供することができる。
【0041】
ラッチ部材(640)は、ケーシング(610)に枢動可能に装着され、以下でより詳細に論じられるように、トランスデューサ(510)のノッチ(514)内に選択的に挿入されることにより、ケーシング(610)内部でトランスデューサ(510)を長手方向で保持するように構成される、末端部(642)を含む。
図9A〜9Cに示すように、ラッチ部材(640)は、トランスデューサ(510)のリングコネクタ(516)に、電気的に結合するように構成される、電気的コネクタ(644)を含む。当然ながら、複数個の電気的コネクタ(644)及び/又は複数個のラッチ部材(640)を含めることにより、複数個のリングコネクタ(516)に、電気的に結合させることができる。本実施例では、ラッチ部材(640)は、ケーシング(610)に対して、回転式にバネ押しされることにより、
図9A〜9Cに示すように、ラッチ部材(640)は、枢動点の周りを、時計回りの方向で回転するように付勢される。当然ながら、ラッチ部材(640)は、単に任意選択であるに過ぎない。一部の変形では、挿入可能なクリップを、ケーシング(610)内のスロットに通して挿入することにより、ケーシング(610)に対して、トランスデューサ(510)を長手方向で固定し、かつ/又はケーシング(600)内部の構成要素に、トランスデューサ(510)を電気的に結合することができる。他の変形では、止めねじ及び/又はピンを、トランスデューサ(510)内部の陥凹部内に挿入することにより、ハンドルアセンブリ(600)に、トランスデューサ(510)を、機械的かつ/又は電気的に結合することができる。ハンドルアセンブリ(600)に、トランスデューサ(510)を保持し、かつ/又は電気的に結合するための、更なる好適な結合部材が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【0042】
回転ノブ(650)は、ケーシング(610)の遠位端に回転可能に結合され、外側シース(660)及び内側管状作動部材(670)に結合されることにより、ケーシング(610)に対して、外側シース(660)及び内側管状作動部材(670)を回転させる。一部の変形では、外側シース(660)及び内側管状作動部材(670)は、回転ノブ(650)に選択的に結合するように構成される。単に例示的な、選択的に結合可能な構成は、2011年10月10日出願の、米国特許出願第13/269,899号、表題「Ultrasonic Surgical Instrument with Modular End Effector」、及び2011年10月10日出願の、同第13/269,870号、表題「Surgical Instrument with Modular Shaft and End Effector」内で開示される。当然ながら、他の変形では、外側シース(660)及び内側管状作動部材(670)を、回転ノブ(650)に固定することができる。
【0043】
外側シース(660)は、細長形管状部材を含み、この細長形管状部材は、外側シース(660)の近位端で作動アセンブリ(622)に結合され、第1のL形状スロット(662)を遠位端に有する。
図9A〜9Cに示す実施例では、外側シース(660)は、作動アセンブリ(622)の一部分が挿入可能な、円周方向溝(664)を含む。外側シース(660)は、トリガー(620)が閉鎖位置へと枢動する場合に、作動アセンブリ(622)を介して、遠位方向に作動するように構成される。L形状スロット(662)は、遠位端に開口部を有する、長手方向部分(666)と、外側シース(660)の遠位端より近位の、円周方向部分(668)とを含む。円周方向部分(668)は、エンドエフェクタ(700)の第1バヨネットピン(714)が挿入可能な(以下でより詳細に論じられるように)、ロック部分(669)を更に含む。一部の変形では、ロック部分(669)は、第1バヨネットピン(714)を中に保持するための、スナップ機構を含む。更なる変形では、バネ押しカム(図示せず)を含めることにより、ロック部分(669)内部に、第1バヨネットピン(714)を保持することができる。また更には、他の変形では、外側シース(660)の遠位端上に、L形状スロット(662)の代わりに、ねじ山(図示せず)を含めることにより、エンドエフェクタ(700)上の相補形ねじ山に、ねじ込み式に結合することができる。更に別の配置構成では、第1バヨネットピン(714)は、外側シース(660)内に形成される穴(図示せず)内に、押し下げて挿入されるように構成される、バネ押しバヨネットピンを含み得る。外側シース(660)に関する更なる構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【0044】
内側管状作動部材(670)は、外側シース(660)内部に配置され、かつケーシング(610)に対して回転可能である、細長形管状部材を含む。本実施例では、内側管状作動部材(670)は、外側シース(660)に対して、長手方向で固定されることにより、本明細書で後により詳細に論じられるように、クランプアーム(750)は、外側シース(660)が遠位方向に作動すると、内側管状作動部材(670)の遠位端の周りを枢動する。内側管状作動部材(670)の遠位端は、その遠位端に、第2のL形状スロット(674)を含む。L形状スロット(674)は、遠位端に開口部を有する、長手方向部分(676)と、内側管状作動部材(670)の遠位端より近位の、円周方向部分(678)とを含む。円周方向部分(678)は、エンドエフェクタ(700)の第2バヨネットピン(734)が挿入可能な、ロック部分(679)を更に含む。一部の変形では、ロック部分(679)は、第2バヨネットピン(734)を中に保持するための、スナップ機構を含む。他の変形では、バネ押しカム(図示せず)を含めることにより、ロック部分(679)内部に、第2バヨネットピン(734)を保持することができる。また更には、他の変形では、内側管状作動部材(670)の遠位端上に、L形状スロット(674)の代わりに、ねじ山(図示せず)を含めることにより、エンドエフェクタ(700)上の相補形ねじ山に、ねじ込み式に結合することができる。更に別の配置構成では、第2バヨネットピン(734)は、内側管状作動部材(670)内に形成される穴(図示せず)内に、押し下げて挿入されるように構成される、バネ押しバヨネットピンを含み得る。
【0045】
ここで
図8を参照すると、内側管状作動部材(670)は、内側管状作動部材(670)の近位端から近位方向に延出し、スロット(522)内に挿入されることにより、内側管状作動部材(670)をトランスデューサ(510)と回転方向で位置合わせするように構成される、キー(672)を含む。一部の変形では、キー(672)は、導波管(560)及び/又はブレード(570)上に提供されることにより、内側管状作動部材(670)を、導波管(560)及び/又はブレード(570)と位置合わせすることができる。内側管状作動部材(670)、及び/又はエンドエフェクタ(700)とブレード(570)との位置合わせを確実にするための位置合わせ機構に関する、更なる構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【0046】
iii.例示的なエンドエフェクタ
図7は、
図6のハンドルアセンブリ(600)の、外側シース(660)及び内側管状作動部材(670)に結合するように構成される、例示的なエンドエフェクタ(700)を示す。本実施例のエンドエフェクタ(700)は、外側シース部分(710)、内側管部分(730)(仮想線で示す)、及びクランプアーム(750)を含む。外側シース部分(710)は、挿入可能部分(712)及び末端部分(720)を含むが、末端部分(720)は、単に任意選択であるに過ぎないことを理解するべきである。例えば、末端部分(720)は省略することができ、挿入可能部分(712)を、エンドエフェクタ(700)の遠位端まで、遠位方向に延在させることができる。挿入可能部分(712)は、外側シース(660)の遠位端内に挿入されるように構成される、管状部材を含む。挿入可能部分(712)は、挿入可能部分(712)から外向きに延出して、外側シース(660)のL形状スロット(662)に入るように構成される、第1バヨネットピン(714)を更に含む。本実施例の末端部分(720)もまた、管状部材であるが、外側シース(660)の外部直径と実質的に等しい、外部直径を有する。末端部分(720)は、フレア部分によって、挿入可能部分(712)に接続される。末端部分(720)は、第1枢動ピン(722)及びスロット(724)を含む。第1枢動ピン(722)は、外側シース部分(710)に、クランプアーム(750)の近位端を、枢動可能に結合するように構成される。一部の変形では、第1枢動ピン(722)は、外側シース部分(710)上に、一体的に形成される。他の変形では、第1枢動ピン(722)は、クランプアーム(750)上に一体的に形成され、外側シース部分(710)内の穴(図示せず)内に挿入可能である。更に他の変形では、第1枢動ピン(722)は、クランプアーム(750)及び外側シース部分(710)内の穴に通して挿入可能である、別個のピンであり、溶接、接着剤、機械的取り付け具などによって、クランプアーム(750)又は外側シース部分(710)に取り付けられる。スロット(724)は、外側シース部分(710)の一部分内に形成される、長手方向スロットであり、第2枢動ピン(738)が、スロット(724)内部で摺動することを可能にするように、構成される。したがって、外側シース部分(710)が、外側シース(660)に結合され、外側シース(660)が、遠位方向に作動されると、第2枢動ピン(738)が、スロット(724)内部で近位方向に摺動することにより、クランプアーム(750)は、第2枢動ピン(738)の周りを枢動することが可能となる。当然ながら、外側シース部分(710)に関する他の構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【0047】
内側管部分(730)(仮想線で示す)は、内側管状作動部材(670)の遠位端内に挿入されるように構成される、管状部材を含む。内側管部分(730)は、内側管部分(730)から外向きに延出して、内側管状作動部材(670)の第2のL形状スロット(674)に入るように構成される、第2バヨネットピン(734)(仮想線で示す)を含む。内側管部分(730)は、第2枢動ピン(738)を更に含む。第2枢動ピン(738)は、外側シース部分(710)のスロット(724)を通って、内側管部分(730)に、クランプアーム(750)の近位端を、枢動可能に結合するように構成される。一部の変形では、第2枢動ピン(738)は、内側管部分(730)上に、一体的に形成される。他の変形では、第2枢動ピン(738)は、クランプアーム(750)上に一体的に形成され、内側管部分(730)内の穴(図示せず)内に挿入可能である。更に他の変形では、第2枢動ピン(738)は、クランプアーム(750)及び内側管部分(730)内の穴に通して挿入可能である、別個のピンであり、溶接、接着剤、機械的取り付け具などによって、クランプアーム(750)又は内側管部分(730)に取り付けられる。したがって、内側管部分(730)が、内側管状作動部材(670)に結合され、外側シース(660)が、遠位方向に作動されると、第2枢動ピン(738)が、スロット(724)内部で近位方向に摺動することにより、クランプアーム(750)は、第2枢動ピン(738)の周りを枢動することが可能となる。当然ながら、内側管部分(730)に関する他の構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。一部の変形では、内側管部分(730)を省略することができ、第2枢動ピン(738)が示される場所で、クランプアーム(750)に、ロッド(図示せず)を結合することができる。このロッドは、第1枢動ピン(722)の周りでクランプアーム(750)を枢動させるように、動作可能とすることができる。そのような構成では、ロッドの近位端を屈曲させて、第2バヨネットピン(734)を形成することができる。当然ながら、上述の代替案は、単に例示的であるに過ぎない。
【0048】
クランプアーム(750)は、内側管部分(730)及び外側シース部分(710)に枢動可能に結合される、近位端を含むことにより、クランプアーム(750)は、上述の第2枢動ピン(738)の周りを枢動可能である。本実施例のクランプアーム(750)はまた、上述のトリガー(620)を介して、クランプアーム(750)が枢動される際に、ブレード(570)に対して組織を圧迫するように構成される、湾曲状アームも含む。このクランプアーム(750)の湾曲状アームは、上述のクランプアーム(240)の少なくとも一部の教示に従って、構築することができる。クランプアーム(750)は、クランプパッド(752)を更に含むが、これは単に任意選択であるに過ぎないことを理解するべきである。クランプパッド(752)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2006年4月13日公開の、米国特許公開第2006/0079874号、表題「Tissue Pad for Use with an Ultrasonic Surgical Instrument」の少なくとも一部の教示に従って、構築することができる。一部の変形では、クランプアーム(750)は、直線状アームを含み得るか、又は完全に省略することができる。
【0049】
エンドエフェクタ(700)に関する更なる構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。例えば、エンドエフェクタ(700)は、上述のエンドエフェクタ(80、200、300)、本明細書と同日出願の、米国特許出願第[代理人整理番号END6895USNP19.0587843]号、表題「Surgical Instrument with Modular Clamp Pad」、米国特許公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2011/0015660号、及び/又は同第2009/0143797号の、少なくとも一部の教示に従って、構築することができる。
【0050】
iv.例示的なバヨネットピン及びスロットのエンドエフェクタを有する、外科用器具の例示的アセンブリ
図9A〜9Cは、
図4のトランスデューサ及びブレードアセンブリ(500)、
図5のハンドルアセンブリ(600)、及び
図7のエンドエフェクタ(700)を有する、外科用器具のアセンブリを示す。
図9Aは、トランスデューサ及びブレードアセンブリ(500)を受容するように構成される、近位開口(612)を有する、ケーシング(610)を示す。エンドエフェクタ(700)は、外側シース(660)及び内側管状作動部材(670)と位置合わせされているが、取り外された位置で示される。最初に、ユーザーは、トランスデューサ及びブレードアセンブリ(500)を、近位開口(612)に通して挿入する。ブレードアセンブリ(550)は、
図9Bに示すように、内側管状作動部材(670)の中を通って誘導され、内側管状作動部材(670)の遠位端を通って外に出る。トランスデューサ及びブレードアセンブリ(500)が、完全に挿入されると、ラッチ部材(640)が、ノッチ(514)に係合して、ハンドルアセンブリ(600)内部で、トランスデューサ及びブレードアセンブリ(500)を長手方向で保持する。ラッチ部材(640)は、バネ押しされることにより、ノッチ(514)に自動的に係合することができ、又はラッチ部材(640)は、ノッチ(514)に係合するように、手動で回転させることができる。
図9Bに示す実施例では、末端部(642)が、ノッチ(514)に係合する際、電気的コネクタ(644)が、ノッチ(514)内部のリングコネクタ(516)に、電気的に結合する。トランスデューサ及びブレードアセンブリ(500)は、ハンドルアセンブリ(600)に対して自由に回転することができるが、その一方で、電気的コネクタ(644)とリングコネクタ(516)との電気的接続は、依然として維持されることを理解するべきである。更には、トランスデューサ及びブレードアセンブリ(500)を、ハンドルアセンブリ(600)内に挿入する際、ユーザーは、トランスデューサ及びブレードアセンブリ(500)並びに/あるいは内側管状作動部材(670)を回転させて、キー(672)を、スロット(522)と位置合わせすることができる。そのような位置合わせによって、ブレード(570)と、エンドエフェクタ(700)のクランプアーム(750)との間の、配向が維持される。例えば、本実施例では、ブレード(570)及びクランプアーム(750)は、双方とも湾曲状部材であり、クランプアーム(750)に対するブレード(570)の誤った位置合わせは、この外科用器具の有効性を低減させ、かつ/又はエンドエフェクタ(700)が、組織を適切にクランプすることを妨げる恐れがある。更には、又は代替案では、エンドエフェクタ(700)の近位端上に、キー(672)を提供することができ、内側管状作動部材(670)の遠位端上に、スロット(522)を提供することができ、又は逆も可能である。
【0051】
トランスデューサ及びブレードアセンブリ(500)が、ハンドルアセンブリ(600)内部で、軸方向で拘束されると、次いで、
図9Cに示すように、本実施例のエンドエフェクタ(700)が、外側シース(660)及び内側管状作動部材(670)に取り付けられる。一部の変形では、エンドエフェクタ(700)は、トランスデューサ及びブレードアセンブリ(500)の結合よりも前に、外側シース(660)及び内側管状作動部材(670)に結合されることを、理解するべきである本実施例では、内側管状作動部材(670)及び外側シース(660)の、L形状スロット(662、674)は、バヨネットピン(714、734)が、各L形状スロット(662、674)の長手方向部分(666、676)内に挿入可能となるように、位置合わせされる。バヨネットピン(714、734)が、長手方向部分(666、676)の近位端に到達すると、ユーザーは、エンドエフェクタ(700)を回転させて、バヨネットピンがロック部分(669、679)に到達するまで、半径方向部分(668、678)内へと、バヨネットピン(714、734)を回転させる。一部の変形では、スナップ機構、バネ押しカムなどのような、保持機構を使用して、L形状スロット(662、674)内部に、バヨネットピン(714、734)を更に固定することができる。エンドエフェクタ(700)、並びにトランスデューサ及びブレードアセンブリ(500)が、ハンドルアセンブリ(600)に結合されると、次いで、ユーザーは、手技のために、この外科用器具を使用することができる。
【0052】
本実施例では、トリガー(620)は、作動アセンブリ(622)及び外側シース(660)を遠位方向に作動させるように、閉鎖位置へと枢動可能である。本実施例では、内側管状作動部材(670)は、外側シース(660)の作動に対して、軸方向で固定される。したがって、外側シース(660)が、第1枢動ピン(722)を遠位方向に作動させて、クランプアーム(750)を閉鎖位置へと回転させることにより、クランプアーム(750)とブレード(570)との間で、組織が掴持される。一部の変形では、作動アセンブリ(622)は、外側シース(660)を近位方向に作動させることができる。他の変形では、作動アセンブリ(622)は、内側管状作動部材(670)に結合され、内側管状作動部材(670)を近位方向又は遠位方向に作動させることができ、その一方で、外側シース(660)は、内側管状作動部材(670)の作動に対して固定される。次いで、トランスデューサ(510)を作動させて(未だ作動されていない場合には)、ブレード(570)を振動させ、組織を切断すると同時に、隣接する組織細胞内のタンパク質を変性させることにより、熱の拡散が比較的小さい、凝固効果を提供することができる。したがって、ユーザーは、外科手術の間に、この組立式の外科装置を使用して、組織を切断及び凝固させることができる。トリガー(620)を、開放位置へと枢動させると、作動アセンブリ(622)が近位方向に作動して、クランプアーム(750)が開放される。
【0053】
手技が終了すると、ユーザーは、ハンドルアセンブリ(600)から、エンドエフェクタ(700)、並びにトランスデューサ及びブレードアセンブリ(500)を分離することができる。例えば、ユーザーは、エンドエフェクタ(700)を単純に捻って引き出すことにより、バヨネットピン(714、734)を係合解除することができる。バネ押しバヨネットピン(714、734)を含む、一部の変形では、外側シース(660)の外側上、外側シース(660)と内側管状作動部材(670)との間、及び/又は内側管状作動部材(670)の内側に、スリーブ(図示せず)を提供することができるため、このスリーブを、遠位方向に平行移動させて、バネ押しバヨネットピン(714、734)を押し下げることができる。次いで、エンドエフェクタ(700)を取り外すことができる。一部の変形では、このスリーブを、近位方向にバネ付勢することができる。
【0054】
本実施例のエンドエフェクタ(700)は、手技の後に廃棄される、使い捨ての構成要素を含む。一部の変形では、エンドエフェクタ(700)を洗浄して、トランスデューサ及びブレードアセンブリ(500)、並びに/あるいはハンドルアセンブリ(600)と共に、再使用することができる。トランスデューサ及びブレードアセンブリ(500)は、ハンドルアセンブリ(600)、エンドエフェクタ(700)、及び/又は新たなエンドエフェクタ(700)と共に再使用するために、洗浄並びに/あるいは再生利用することができる、再使用可能な構成要素を含む。当然ながら、一部の変形では、トランスデューサ及びブレードアセンブリ(500)も、同様に使い捨ての構成要素とすることができ、又は、トランスデューサ(510)が、ブレードアセンブリ(550)から分離可能である場合には、ブレードアセンブリ(550)が処分される一方で、トランスデューサ(510)を再使用可能とすることができる。また更なる代替案では、ブレードアセンブリ(550)を、ブレード(570)及び導波管(560)へと分解可能とすることができるため、ブレード(570)を処分することができる一方で、導波管(560)及びトランスデューサ(510)は、洗浄されて再使用される。本実施例のハンドルアセンブリ(600)は、トランスデューサ及びブレードアセンブリ(500)、エンドエフェクタ(700)、並びに/あるいは新たなエンドエフェクタ(700)と共に再使用するために、洗浄及び/又は再生利用することができる、再使用可能な構成要素を含む。当然ながら、一部の変形では、ハンドルアセンブリ(600)も、同様に使い捨ての構成要素とすることができ、あるいは、外側シース(660)及び/又は内側管状作動部材(670)が、ハンドルアセンブリ(600)の残部から分離可能である場合には、外側シース(660)及び/又は内側管状作動部材(670)が処分される一方で、ハンドルアセンブリ(600)の残部を再使用可能とすることができる。
【0055】
トランスデューサ及びブレードアセンブリ(500)、ハンドルアセンブリ(600)、並びに/あるいはエンドエフェクタ(700)に関する他の構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【0056】
参照により本明細書に組み込まれるとされる、いずれの特許、公開、又は他の開示資料も、その組み込まれる資料が、本開示に記載される既存の定義、記述、又は他の開示資料と矛盾しない範囲でのみ、全体的若しくは部分的に、本明細書に組み込まれることを、理解するべきである。それゆえ、また必要な範囲で、本明細書で明示的に記載されるような開示は、参照により本明細書に組み込まれる、いずれの矛盾する資料にも優先する。参照により本明細書に組み込まれるとされるが、本明細書に記載される既存の定義、記述、又は他の開示資料と矛盾する、いずれの資料若しくはその部分も、組み込まれる資料と既存の開示資料との間に矛盾が生じない範囲でのみ、組み込まれるものとする。
【0057】
本発明の実施形態は、従来の内視鏡及び開腹外科用器具での用途、並びにロボット支援手術での用途を有する。
【0058】
本明細書で開示される装置の実施形態は、少なくとも1回の使用の後に、再使用のために再調整することができる。再調整は、装置の分解工程、その後に続く、特定部品の洗浄若しくは交換工程、及びその後の再組み立て工程の、任意の組み合わせを含み得る。具体的には、本明細書で開示される装置の実施形態は、分解することができ、本装置の、任意数の特定部片又は部品を、任意の組み合わせで、選択的に交換するか若しくは取り外すことができる。特定部品の洗浄及び/又は交換の際、本装置の実施形態は、その後の使用のために、再調整用の施設で、又は外科手術の直前に外科チームによって、再組み立てすることができる。装置の再調整は、分解、洗浄/交換、及び再組み立てに関する、様々な技術を利用することができる点が、当業者には理解されるであろう。そのような技術の使用、及びその結果として得られる再調整済みの装置は、全て、本出願の範囲内にある。
【0059】
単なる例として、本明細書で説明される実施形態は、手術の前に工程処理することができる。最初に、新品又は使用済みの器具を入手して、必要に応じて洗浄することができる。次いで、この器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、この器具は、プラスチック又はTYVEKバッグなどの、閉鎖及び密封された容器内に定置される。次いで、この容器及び器具を、γ放射線、x線、又は高エネルギー電子などの、容器を透過することができる放射線場内に定置することができる。この放射線は、器具上及び容器内の細菌を、死滅させることができる。次いで、滅菌済みの器具を、この滅菌容器内で保管することができる。この密封容器は、医療施設内で開放されるまで、器具を滅菌状態に保つことができる。装置はまた、当該技術分野で既知の、任意の他の技術を使用して滅菌することもでき、その技術としては、β若しくはγ放射線、エチレンオキシド、又は蒸気が挙げられるが、これらに限定されない。
【0060】
本発明の様々な実施形態が、図示及び説明されているが、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な修正によって、本明細書で説明される方法及びシステムの更なる適合化を達成することができる。そのような可能な修正のうちの幾つかが記述されているが、当業者には、他の修正も明らかとなるであろう。例えば、上述の実施例、実施形態、幾何学形状、材料、寸法、比率、工程などは、例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきであり、本明細書及び図面に示され、かつ説明される、構造並びに動作の詳細に限定されるものではないとして、理解される。
【0061】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具であって、
(a)本体アセンブリであって、
i.ケーシングと、
ii.前記ケーシングから遠位方向に延出する、外側シースと、を含む、本体アセンブリと、
(b)トランスデューサ及びブレードアセンブリであって、
i.トランスデューサと、
ii.前記トランスデューサに音響的に結合され、かつ前記トランスデューサから遠位方向に延出して、組織を切断するように動作可能である、ブレードアセンブリと、を含む、トランスデューサ及びブレードアセンブリと、
(c)前記外側シースの遠位端に選択的に結合可能であり、前記ブレードアセンブリの遠位端に対して組織をクランプするように動作可能である、エンドエフェクタと、を含む、外科用器具。
(2) 前記本体アセンブリが、前記ケーシングに結合され、かつ前記ケーシング内部で、前記トランスデューサ及びブレードアセンブリを軸方向で拘束するように動作可能である、ラッチ部材を更に含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記ラッチ部材が、電気的コネクタを含み、前記トランスデューサが、リングコネクタが中に配置された、ノッチを含む、実施態様2に記載の外科用器具。
(4) 前記エンドエフェクタが、
(a)前記外側シース内に挿入可能な、外側シース部分と、
(b)前記外側シース部分に枢動可能に結合された、クランプアームと、を含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(5) 前記外側シース部分が、第1バヨネットピンを含み、前記外側シースが、第1スロットを含み、前記第1バヨネットピン及び前記第1スロットが、バヨネット接続を形成する、実施態様4に記載の外科用器具。
【0062】
(6) 前記第1スロットが、前記第1バヨネットピンを選択的に中に保持するための、保持機構を含む、実施態様5に記載の外科用器具。
(7) 前記第1スロットが、L形状スロットである、実施態様5に記載の外科用器具。
(8) 前記本体アセンブリが、前記ケーシングに枢動可能に結合され、かつ前記ケーシングに対して前記外側シースを作動させるように動作可能である、トリガーを含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(9) 前記本体アセンブリが、前記本体アセンブリに対して回転可能であり、かつ前記外側シース内部に配置された、内側管状作動部材を含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(10) 前記内側管状作動部材が、前記内側管状作動部材の近位端から近位方向に延出する、キーを含み、前記トランスデューサが、前記キーを受容するように構成された、相補形の長手方向スロットを有する、キー止め部材(keyed member)を含む、実施態様9に記載の外科用器具。
【0063】
(11) 前記エンドエフェクタが、
(a)前記内側管状作動部材内に挿入可能な、内側管部分と、
(b)前記内側管部分に枢動可能に結合された、クランプアームと、を含み、
前記内側管部分が、第2バヨネットピンを含み、前記内側管状作動部材が、第2スロットを含み、前記第2バヨネットピン及び前記第2スロットが、バヨネット接続を形成する、実施態様9に記載の外科用器具。
(12) 前記第2スロットが、前記第2バヨネットピンを選択的に中に保持するための、保持機構を含む、実施態様11に記載の外科用器具。
(13) 前記クランプアームが、湾曲状アームを含み、前記ブレードアセンブリが、湾曲状ブレードを含み、前記キーが前記長手方向スロット内に挿入される際、前記キー及び前記長手方向スロットが、前記湾曲状アームを前記湾曲状ブレードと位置合わせする、実施態様11に記載の外科用器具。
(14) 前記エンドエフェクタが、前記外側シースの遠位端に、ねじ込み式に結合可能である、実施態様1に記載の外科用器具。
(15) 前記本体アセンブリが、
(a)前記本体アセンブリに対して回転可能であり、かつ前記外側シース内部に配置された、内側管状作動部材又はロッドと、
(b)前記内側管状作動部材又は前記ロッドと、前記外側シースとの間に配置された、空転機構と、を含み、前記空転機構が、前記内側管状作動部材又は前記ロッドに対して前記外側シースが回転することを、選択的に可能にするように動作可能である、実施態様13に記載の外科用器具。
【0064】
(16) 外科用器具であって、
(a)本体アセンブリであって、
i.ケーシングと、
ii.前記ケーシングから遠位方向に延出する、近位外側シースと、
iii.前記外側シース内部に配置された、導波管と、を含む、本体アセンブリと、
(b)エンドエフェクタであって、
i.遠位外側シースと、
ii.前記遠位外側シース内部に配置された、ブレードと、を含む、エンドエフェクタと、を含み、
前記遠位外側シースが、前記近位外側シースの遠位端に選択的に結合され、前記ブレードが、前記導波管に選択的に結合された、外科用器具。
(17) 前記遠位外側シースが、前記近位外側シースに、ねじ込み式に結合し、前記ブレードが、前記導波管に、ねじ込み式に結合した、実施態様16に記載の外科用器具。
(18) 前記本体アセンブリが、前記導波管と前記近位外側シースとの間に配置された、近位管状作動部材を更に含み、前記エンドエフェクタが、前記遠位外側シースと前記ブレードとの間に配置された、遠位内側管状作動部材を更に含み、前記近位管状作動部材が、前記遠位内側管状作動部材に、ねじ込み式に結合した、実施態様17に記載の外科用器具。
(19) 前記外側シースと前記内側管状作動部材とを、選択的に結合及び分離するように動作可能な、空転機構を更に含む、実施態様18に記載の外科用器具。
(20) 外科用器具であって、
(a)本体アセンブリであって、
i.ケーシングと、
ii.前記ケーシングから遠位方向に延出し、第1のラチェット歯のセットを有する、近位外側シースと、
iii.前記外側シース内部に配置された、導波管と、を含む、本体アセンブリと、
(b)エンドエフェクタであって、
i.前記第1のラチェット歯のセットに相補形の、第2のラチェット歯のセットを有する、外側シースと、
ii.前記外側シース内部に配置された、ブレードと、を含む、エンドエフェクタと、を含み、
前記ブレードが、前記導波管に選択的に結合するように構成され、前記第1のラチェット歯のセットが、前記ブレードが前記導波管に結合される際、前記第2のラチェット歯のセットに係合するように構成された、外科用器具。