【実施例】
【0037】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその主旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、実施例において示す質量部および質量%は乾燥固形分あるいは実質成分の値を示す。また、塗工量は、乾燥固形分の値を示す。
【0038】
<耐コックリング性の評価>
キヤノン社製インクジェットプリンタ「ImagePROGRAF iPF610」でブラックベタを印刷し、印刷部分のコックリングの発生度合いを目視により次の4段階にて官能評価した。本発明において、3または4の評価であればインクジェット記録用紙は耐コックリング性が良好であるとする。
4:コックリングの発生が無く、極めて良好なレベル。
3:コックリングの発生が僅かであり、良好なレベル。
2:コックリングの発生が見られ、良好とはいえず、実用上の下限レベル。
1:コックリングの発生が見られ、実用上問題となるレベル。
【0039】
<画像鮮鋭性の評価>
キヤノン社製インクジェットプリンタ「ImagePROGRAF iPF610」で所定の評価画像を印刷し、ブラック・シアン・マゼンタ・イエローの各色ベタ画像部に配置した抜き文字の細部にわたる鮮明さ、色間境界のくっきり度を判断材料にして次の4段階にて官能評価した。本発明において、3または4の評価であればインクジェット記録用紙は画像鮮鋭性が良好であるとする。
4:極めて良好なレベル。
3:上記「4」より劣るが、良好なレベル。
2:上記「3」より劣り、良好とはいえず、実用上の下限レベル。
1:上記「2」より劣り、実用上問題となるレベル。
【0040】
<印刷部光沢感抑制性の評価>
キヤノン社製インクジェットプリンタ「ImagePROGRAF iPF610」でブラックベタを印刷し、印刷部の光沢ムラを次の4段階にて官能評価した。本発明において、3または4の評価であればインクジェット記録用紙は印刷部光沢感抑制性が良好であるとする。
4:印刷部光沢感が認識できず、極めて良好なレベル。
3:印刷部光沢感が僅かに認識できるが、良好なレベル。
2:印刷部光沢感が幾分認められ、良好とはいえず、実用上の下限レベル。
1:印刷部光沢感が認められ、実用上問題となるレベル。
【0041】
<支持体の作製>
LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)をカナディアン・スタンダード・フリーネスで350mlになるまで叩解し、パルプスラリーを得た。これに填料として炭酸カルシウム、サイズ剤としてアルキルケテンダイマー、紙力増強剤としてポリアクリルアミド、カチオン化澱粉およびポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を配合し、水で希釈して1質量%の紙料を調成した。この紙料を長網抄紙機で抄造し、乾燥・調湿した後、マシンカレンダーにてカレンダー処理を施し支持体を作製した。この時、最終的に所望のステキヒトサイズ度、厚さ、密度となるように、サイズ剤の配合量およびカレンダー条件を主に調整した。得られた支持体を以下に示す。
【0042】
<支持体1>
ステキヒトサイズ度127秒、紙厚117μm、密度1.03g/cm
3
<支持体2>
ステキヒトサイズ度150秒、紙厚113μm、密度1.06g/cm
3
<支持体3>
ステキヒトサイズ度75秒、紙厚117μm、密度0.77g/cm
3
<支持体4>
ステキヒトサイズ度120秒、紙厚117μm、密度0.77g/cm
3
<支持体5>
ステキヒトサイズ度127秒、紙厚113μm、密度1.15g/cm
3
<支持体6>
ステキヒトサイズ度150秒、紙厚110μm、密度1.20g/cm
3
<支持体7>
ステキヒトサイズ度110秒、紙厚117μm、密度1.04g/cm
3
【0043】
<インク受理層塗工液1の調製>
水に、シリカ(エボニックデグサ社製カープレックスBS−510BX、平均粒子径10.5μm)100質量部を添加し、ノコギリ型ブレードを有する分散機を用いて十分に分散した。次いでシラノール変性ポリビニルアルコール(クラレ社製Rポリマー1130)30質量部、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(中央理化工業社製リカボンドBEF−9857)5質量部を添加・攪拌し、その後、ポリアミン−エピハロヒドリン重縮合物(BASF社製Magnafloc LT7990)10質量部、ポリビニルアミジン(ハイモ社製ハイマックスSC−700M)10質量部、塩化カルシウム2水和物を3質量部添加し、十分攪拌してインク受理層塗工液1を調製した。
【0044】
<インク受理層塗工液2の調製>
インク受理層塗工液1のシラノール変性ポリビニルアルコールを33質量部、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を3.5質量部とした以外はインク受理層塗工液1と同様にして、インク受理層塗工液2を調製した。
【0045】
<インク受理層塗工液3の調製>
インク受理層塗工液1のシラノール変性ポリビニルアルコールを35質量部、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を2.5質量部とした以外はインク受理層塗工液1と同様にして、インク受理層塗工液3を調製した。
【0046】
<インク受理層塗工液4の調製>
インク受理層塗工液2のシリカ(エボニックデグサ社製カープレックスBS−510BX、平均粒子径10.5μm)を、シリカ(水澤化学工業社製ミズカシルP−78D、平均粒子径12μm)に変更した以外はインク受理層塗工液2と同様にして、インク受理層塗工液4を調製した。
【0047】
<インク受理層塗工液5の調製>
インク受理層塗工液2のシリカ(エボニックデグサ社製カープレックスBS−510BX、平均粒子径10.5μm)をシリカ(グレースジャパン社製サイロイドED5、平均粒子径9μm)に変更した以外はインク受理層塗工液2と同様にして、インク受理層塗工液5を調製した。
【0048】
<インク受理層塗工液6の調製>
インク受理層塗工液1のシラノール変性ポリビニルアルコールを30質量部、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を7.25質量部とした以外はインク受理層塗工液1と同様にして、インク受理層塗工液6を調製した。
【0049】
<インク受理層塗工液7の調製>
インク受理層塗工液1のシラノール変性ポリビニルアルコールを32質量部、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を1.8質量部とした以外はインク受理層塗工液1と同様にして、インク受理層塗工液7を調製した。
【0050】
<インク受理層塗工液8の調製>
インク受理層塗工液3のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を0質量部とした以外はインク受理層塗工液3と同様にして、インク受理層塗工液8を調製した。
【0051】
<インク受理層塗工液9の調製>
インク受理層塗工液8のシラノール変性ポリビニルアルコールをポリビニルアルコール(クラレ社製PVA235)とした以外はインク受理層塗工液8と同様にして、インク受理層塗工液9を調製した。
【0052】
<インク受理層塗工液10の調製>
インク受理層塗工液2のシリカ(エボニックデグサ社製カープレックスBS−510BX、平均粒子径10.5μm)をシリカ(グレースジャパン社製サイロジェットP508、平均粒子径8μm)に変更した以外はインク受理層塗工液2と同様にして、インク受理層塗工液10を調製した。
【0053】
<インク受理層塗工液11の調製>
インク受理層塗工液2のシリカ(エボニックデグサ社製カープレックスBS−510BX、平均粒子径10.5μm)をシリカ(水澤化学工業製ミズカシルP−78F:平均粒子径18μm)に変更した以外はインク受理層塗工液2と同様にして、インク受理層塗工液11を調製した。
【0054】
<インク受理層塗工液12の調製>
インク受理層塗工液1のシラノール変性ポリビニルアルコール(クラレ社製Rポリマー1130)をポリビニルアルコール(クラレ社製PVA235)に変更した以外はインク受理層塗工液1と同様にして、インク受理層塗工液12を調製した。
【0055】
<インクジェット記録用紙の作製>
インク受理層塗工液を塗工量が9g/m
2となるようにエアナイフコーターを用いて支持体上に塗工し、熱風型乾燥機を用いて乾燥し、得られた塗工紙をソフトカレンダーでカレンダー処理を施し、各実施例および各比較例のインクジェット記録用紙を作製した。
【0056】
表1に、用いた支持体、支持体の「ステキヒトサイズ度/厚さ」の値および密度、用いたインク受理層塗工液、インク受理層のシリカの平均粒子径および「シラノール変性ポリビニルアルコール/エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂」の含有質量比、並びに各評価結果を示す。なお、各実施例および各比較例のインクジェット記録用紙のJIS Z8741:1997で規定される85度表面光沢度はいずれも5%以下であった。
【0057】
【表1】
【0058】
表1から、本発明に相当する各実施例は、耐コックリング性、印刷部光沢感抑制性、画像鮮鋭性が良好であると分かる。一方、本発明の構成を満足しない各比較例は、これらのいずれかが良好でないと分かる。