【実施例】
【0304】
【化196】
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[4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]メチルピバレート(5) 撹拌棒、隔壁、熱電対、500mL添加漏斗および窒素流入口を装備した炉乾燥3L四つ首丸底フラスコに、水素化ナトリウム(NaH、鉱油中60重量%,0.82mol、1.20当量)および無水1,2−ジメトキシエタン(DME、500mL、4.8mol)を投入し、その結果生じた混合物を0〜3℃に冷却した。炉乾燥1L丸底フラスコに、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(1、105.0g、0.684mol)および1,2−ジメトキシエタン(DME、750mL、7.2mol)を投入し、その結果生じたスラリーを次に、30分に亘って5〜12℃で、大口径カニューレによりDME中の水素化ナトリウムの懸濁液に少しずつ付加した。その結果生じた反応混合物は、不均質であった。付加後、冷浴を取り除き、混合物を徐々に室温に温めて、室温で1時間撹拌した後、0〜5℃に冷却した。ピバル酸クロロメチル(ピバロイルオキシメチルクロリド、POM−Cl、112ml、0.752mol、1.1当量)を、0〜5℃で撹拌しながら30分間に亘って、反応混合物中に滴下した。ピバル酸クロロメチルの付加は軽度に発熱性で、反応温度は14℃という高さまで上がった。ピバル酸クロロメチルの付加後、冷却浴を除去して、反応混合物を室温に戻し、室温で90分間撹拌した。TLCおよびLCMSにより確認して反応が完了したと思われたら、水(100mL)で反応を注意深くクエンチした。そして、粗製POM保護化クロロデアザプリン(2)を含有するこのクエンチされた反応混合物を、その後の鈴木カップリング反応に直接用いて、さらなる後処理および精製をしなかった。
【0305】
上記のように製造された粗製POM保護化クロロデアザプリン(2)を含有するクエンチされた反応混合物に、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(3、200g、0.75mol、1.10当量)および炭酸カリウム(K
2CO
3、189g、1.37mol、2.0当量)を室温で付加した。その結果生じた混合物を、窒素流をその溶液に15分間通すことにより、脱気し、その後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh
3)
4、7.9g、0.68mmol、0.01当量)で処理し、その結果生じた反応混合物を、10時間、還流(約82℃)加熱した。TLC(1:1 ヘキサン/酢酸エチル)およびLCMSにより確認して反応が完了したと思われたら、反応混合物を室温に冷まして、酢酸エチル(2L)および水(1L)で希釈した。2つの層を分離し、水性層を酢酸エチル(EtOAc、500mL)で抽出した。併合有機層を水(2×1L)およびブライン(1L)で洗浄した後、減圧下で濃縮して、粗製{4−[1−(1−エトキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}メチルピバレート(4)を淡黄色油として得て、これを、さらに精製せずに、その後の脱保護反応に直接用いた。
【0306】
THF中の粗製{4−[1−(1−エトキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}メチルピバレート(4)の溶液(1L、12.3mol)に、室温で、4NのHCl水溶液(500mL)を付加した。その結果生じた反応混合物を、その後、室温で5時間撹拌した。TLCおよびLCMSにより確認して反応が完了したと思われたら、反応混合物を0〜5℃に冷却した後、1M水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液(2L)でpHを9〜10に調整した。混合物を減圧下で濃縮して、THFのほとんどを除去し、その結果生じた懸濁液を室温で2時間撹拌した。固体を濾過により収集し、水(3×500mL)で洗浄し、真空乾燥して、粗製[4−(1−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]メチルピバレート(5、157.5g、204.43g(理論値)、3つのステップの収率77%)をオフホワイト色固体として得たが、これはさらに精製せずにその後の反応を実行するのに十分に純粋(HPLCにより>98面積%)であることが判明した。5に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δppm 13.42 (br s, 1H), 8.76 (s, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.33 (s, 1H), 7.68 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 7.11 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 6.21 (s, 2H), 1.06 (s, 9H);
13C NMR(DMSO−d
6,100 MHz)δppm 177.74, 152.31, 152.09, 151.91, 139.52, 130.39, 120.51, 113.93, 101.91, 67.26, 38.98, 27.26; C
15H
17N
5O
2(分子量299.33),LCMS(EI)m/e300(M
++H)。
【0307】
【化197】
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シアナトベンゼン(6) オーバーヘッド撹拌、隔壁、熱電対および窒素流入口を装備した炉乾燥500mL三つ首丸底フラスコに、フェノール(20.0g、0.210mol)、ジエチルエーテル(Et
2O、290mL)および臭化シアン(BrCN、23.0g、0.210mol、1.0当量)を室温で付加した。その結果生じた溶液を0〜3℃に冷却した後、トリエチルアミン(TEA、61.9mL、0.442mol、2.1当量)を、25分間に亘って注射器で滴下した。反応混合物へのトリエチルアミンの付加は軽度に発熱性で、反応温度は15℃という高さまで上がった。トリエチルアミンの付加後、反応混合物は白色スラリーになったが、これを、5〜15℃で2時間、激しく撹拌して0℃にした。TLCおよびLCMSにより確認して反応が完了したと思われたら、反応混合物をペンタン(150mL、1.30mol)で希釈した。沈澱塩酸トリエチルアミンを濾し取り、塩をジエチルエーテルおよびペンタン(容量で1:1、200mL)で洗浄した。次に、濾液を減圧下で濃縮して、大部分の溶媒を除去し、粗製シアナトベンゼン(6)を含有する残渣を、さらに精製せずにその後の反応に直接用いたが、理論的収率が推定された。
【0308】
3−シクロペンチルプロピオロニトリル(8) 撹拌棒、窒素流入口、125mL添加漏斗および熱電対を装備した炉乾燥500mL三つ首丸底フラスコに、シクロペンチルアセチレン(7、15.0g、0.143mol)および無水テトラヒドロフラン(THF、170mL、2.10mol)を室温で付加した。その結果生じた溶液を−78℃に冷却した後、ヘキサン中の2.5Mのn−ブチルリチウムの溶液(63.1mL、0.158mol、1.1当量)を、25分間に亘って滴下した。その結果生じたリチウムシクロペンチルアセチレン溶液を−78℃で15分間撹拌した後、無水テトラヒドロフラン(THF、30.0mL、0.400mol)中の粗製シアナトベンゼン(6、25.0g、0.210mol、1.5当量)の溶液を−78℃でカニューレにより滴下した。その結果生じた反応混合物を−78℃でさらに10分間撹拌した後、冷却バッチを除去し、反応混合物を徐々に室温に温めて、室温で1〜2時間撹拌した。反応が完了したと思われたら、反応混合物を6N水酸化ナトリウム水溶液(NaOH、200mL)および20%ブライン水溶液(200mL)でクエンチした。水溶液を酢酸エチル(EtOAc、200mL)で処理した後、2つの層を分離した。有機層を硫酸マグネシウム(MgSO
4)上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO
2、0〜5%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶離液)により精製して、3−シクロペンチルプロピオロニトリル(8、14.3g、17.0g(理論値)、2つのステップの収率84%)を、黄色〜橙色油として得た。8に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δ 2.97 (m, 1H), 1.97 (m, 2H), 1.64 (m, 4H), 1.56 (m, 2H)。
【0309】
【化198】
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4−(1−(2−シアノ−1−シクロペンチルビニル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート(9) 撹拌棒および窒素流入口を装備した500mL三つ首丸底フラスコに、3−シクロペンチルプロピオロニトリル(8、8.50g、0.0713mol、1.52当量)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF、84mL、1.08mol)および[4−(1−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]メチルピバレート(5、14.0g、0.0468mol)および固体炭酸カリウム(K
2CO
3、0.329g,0.00238mol、0.05当量)を室温で投入した。その結果生じた反応混合物を、次に、室温で60分間撹拌した。反応が完了したと思われることをTLCおよびHPLCが示したら、反応混合物を20%ブライン水溶液(75mL)でクエンチし、その結果生じた溶液を酢酸エチル(EtOAc、3×75mL)で抽出した。併合有機抽出物を20%ブライン水溶液(75mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO
4)上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、0〜20%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶離液)により精製して、4−(1−(2−シアノ−1−シクロペンチルビニル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート(9、16.4g、19.6g(理論値)、収率83.7%)を白色固体として得た。9に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,300 MHz)δ 9.09 (s, 1H), 8.84 (s, 1H), 8.63 (s, 1H), 7.78 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 7.17 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 6.24 (s, 2H), 5.82 (s, 1H), 3.55 (m, 1H), 1.92 (m, 2H), 1.59 (br m, 6H), 1.06 (s, 9H); C
23H
26N
6O
2(分子量 418.49)、LCMS(EI)m/e419(M
++H)。
【0310】
(Z)−(4−(1−(3−アミノ−1−シクロペンチル−3−オキソプロプ−1−エニル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート(10) 撹拌棒および窒素流入口を装備した200mL丸底フラスコに、4−(1−(2−シアノ−1−シクロペンチルビニル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート(9、8.00g、0.019mol)、トリフルオロ酢酸(TFA、40.6mL、0.528mol)および濃硫酸(H
2SO
4、3.77mL、0.0707mol)を室温で投入した。その結果生じた反応混合物を、室温で60分間撹拌した。反応が完了したと思われることをTLCおよびHPLCが示したら、反応混合物を水(30.1mL、1.67mol)でクエンチした。クエンチされた反応混合物を室温で30分間撹拌した後、0〜5℃に冷却した。次いで、冷却溶液を3N水酸化ナトリウム水溶液(NaOH、223mL)で処理してpHを8に調整した後、酢酸エチル(EtOAc、200mL)で処理した。2つの層を分離し、次に、水性層を酢酸エチル(EtOAc、2×50mL)で抽出した。併合有機抽出物を飽和NaCl水溶液(100mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO
4)上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、0〜100%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶離液)により精製して、(Z)−(4−(1−(3−アミノ−1−シクロペンチル−3−オキソプロプ−1−エニル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート(10、6.79g、8.34g(理論値)、収率81.4%)を薄黄色固体として得た。10に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,300 MHz)δ 8.77 (s, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 7.71 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 7.51 (br. s, 1H), 7.09 (br. s, 1H), 7.05 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 6.22 (s, 2H), 5.97 (s, 1H), 3.27 (m, 1H), 1.77 (m, 2H), 1.54 (m, 6H), 1.06 (s, 9H);C
23H
28N
6O
3(分子量 436.51)、LCMS(EI)m/e437(M
++H)。
【0311】
【化199】
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(4−(1−(3−アミノ−1−シクロペンチル−3−オキソプロピル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート(11) 撹拌棒を装備した25mL丸底フラスコに、(Z)−(4−(1−(3−アミノ−1−シクロペンチル−3−オキソプロプ−1−エニル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート(10、1.15g、2.63mol)、テトラヒドロフラン(THF、20.0mL、246mol)および10%パラジウム炭素(含水率50%、130mg)を室温で投入した。その結果生じた反応混合物を、毎回水素ガスを裏込めしながら3回脱気した後、水素バルーンにより放出される安定流の水素ガス下で水素化を実行した。17時間後に反応を調べた結果、完了していることが判明した。次に、反応混合物をセライト床に通して濾過して触媒を除去し、セライト床を少量のテトラヒドロフラン(THF)ですすいだ。併合濾液を減圧下で濃縮して、粗製(4−(1−(3−アミノ−1−シクロペンチル−3−オキソプロピル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート(11、1.15g、1.153g(理論値)、収率99%)を黄色〜褐色油として得て、これを室温で真空中で放置して固化した。この粗製(11)は、さらに精製せずに以後の反応を実行するのに十分に純粋(HPLCにより>98%)であることが判明した。11に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,300 MHz)δppm8.73 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 8.27 (s, 1H), 7.70 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 7.32 (bs, 1H), 7.09 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 6.75 (bs, 1H), 6.21 (s, 2H), 4.56 (td, 1H, J = 4.0, 9.8 Hz), 2.86 (dd, 1H, J = 10.5, 5.6 Hz), 2.63 (dd, 1H, J = 4.0, 15.3 Hz), 2.32 (m, 1H), 1.77 (m, 1H), 1.56 - 1.19 (m, 7H), 1.06 (s, 9H);LCMS(EI)m/e439(M
++H);C
23H
30N
6O
3(分子量 438.52)、LCMS(EI)m/e439(M
++H)。
【0312】
(R)−(4−(1−(3−アミノ−1−シクロペンチル−3−オキソプロピル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート((R)−11)および(S)−(4−(1−(3−アミノ−1−シクロペンチル−3−オキソプロピル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート((S)−11)
光学的富化生成物(4−(1−(3−アミノ−1−シクロペンチル−3−オキソプロピル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート((R)−11または(S)−11)を得るために基質(Z)−(4−(1−(3−アミノ−1−シクロペンチル−3−オキソプロプ−1−エニル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート(10)を用いる不斉水素化のための一般スクリーニング手順:ガラスバイアル(20mL)を有する300mL容量オートクレーブに、窒素下で、基質(10)、触媒(金属、リガンドおよび触媒前駆体)および無酸素溶媒(4〜6mL)を入れた。このオートクレーブに水素ガスを投入して所望の圧力にして、室温で撹拌するかまたは油浴を用いて加熱した。水素ガスを放出後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を、酢酸エチルおよびメタノール(v/v=9/1)の混合物を用いてシリカゲルパッドを通して溶離することにより精製して、生成物(4−(1−(3−アミノ−1−シクロペンチル−3−オキソプロピル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート((R)−11または(S)−11)を、化学変換(HPLCおよびキラルHPLC)、LC/MSおよびNMR分光法、ならびにエナンチオマー過剰率(キラルHPLCによる%ee)決定のために生成した。
【0313】
キラルHPLC分析により、生成物のエナンチオマー過剰率(%ee)の決定を実行した。キラルパク(登録商標)IAカラムを用いた。移動相は、ヘキサンとエタノールの混合物(v/v=90/10)であった。流量は1mL/分であり、UV検出波長は254nmに設定した。基質(10)、非所望のエナンチオマー((S)−11、第一ピーク)および所望のエナンチオマー((R)−11、第二ピーク)を、それぞれ保持時間46分、36分および38分で良好に分割した。(R)−11または(S)−11に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,300 MHz)δppm8.73 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 8.27 (s, 1H), 7.70 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 7.32 (bs, 1H), 7.09 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 6.75 (bs, 1H), 6.21 (s, 2H), 4.56 (td, 1H, J = 4.0, 9.8 Hz), 2.86 (dd, 1H, J = 10.5, 5.6 Hz), 2.63 (dd, 1H, J = 4.0, 15.3 Hz), 2.32 (m, 1H), 1.77 (m, 1H), 1.56 - 1.19 (m, 7H), 1.06 (s, 9H);LCMS(EI)m/e439(M
++H);C
23H
30N
6O
3(分子量 438.52)、LCMS(EI)m/e439(M
++H)。
【0314】
以下の表は、この不斉水素化に関する分析および反応条件を要約する。
【表1】
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【0315】
この試験に用いたキラルホスフィンリガンドの構造を、以下に列挙する。
【化200】
[この文献は図面を表示できません]
【0316】
代表的分取不斉水素化手順ならびに結晶化による生成物キラル純度増大を、以下に記載する。
【0317】
(S)−(4−(1−(3−アミノ−1−シクロペンチル−3−オキソプロピル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート((S)−11) 圧力ガラス管中の塩化メチレン(CH
2Cl
2、12.5mL)およびトリフルオロエタノール(CF
3CH
2OH、0.25mL)中の(4−{1−[(1Z)−3−アミノ−1−シクロペンチル−3−オキソプロプ−1−エン−1−イル]−1H−ピラゾール−4−イル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート(10、215mg)の溶液を、窒素下で触媒Rh(COD)(SSRR−TangPhos)BF
4(8.8mg)で処理した後、反応混合物を水素ガスで40bar圧に加圧した。反応混合物を、この水素圧下で20時間、50℃で撹拌した。基質が完全に消費されたことをHPLCが示したら、反応混合物を室温に下げた。反応混合物のエナンチオマー過剰率を、キラルHPLCにより、88%ee(94%の第一ピーク、(S)−11;6%の第二ピーク、(R)−11)であると確定した。反応混合物を薄いシリカゲルパッドを通して濾過して、パッドを塩化メチレン(5mL)で洗浄した。次に、濾液を減圧下で濃縮して、乾燥した。その結果生じた泡状固体(180mg)に、ヘプタン(5mL)および酢酸エチル(EtOAc、5mL)の混合物を投入した。20℃で撹拌すると、白色固体が析出した。スラリーを、20℃で16時間撹拌した。固体を濾過により収集し、収集固体(52mg)に関するキラルHPLC分析は、66.0%のエナンチオマー過剰率を示し、第一ピークが優位であった(83%の第一ピーク、(S)−11;17.0%の第二ピーク、(R)−11)。得られた濾液を、次に、蒸発、乾燥させた。その結果生じた油(108mg)を、キラルHPLCにより分析したが、99.6%のエナンチオマー過剰率を示し、第一ピークが優位であった(99.83%の第一ピーク、(S)−11;0.17%の第二ピーク、(R)−11)。この結果は、原則として、記載されたような適切な溶媒系、例えば酢酸エチル/ヘプタンを用いた固体の沈降による少ない方のエナンチオマーの選択的除去により、不斉水素化生成物の光学純度が大幅に増強され得る、ということを示した。
【0318】
(R)−(4−(1−(3−アミノ−1−シクロペンチル−3−オキソプロピル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート((R)−11) 圧力ガラス管中のメタノール(MeOH、8.0mL)中の(4−{1−[(1Z)−3−アミノ−1−シクロペンチル−3−オキソプロプ−1−エン−1−イル]−1H−ピラゾール−4−イル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート(10、500mg)の溶液を、窒素下で触媒Ru(COD)(SL−A153−1)(CF
3CO
2)
2(6.6mg)で処理した後、反応混合物を水素ガスで50bar圧に加圧した。反応混合物を、この水素圧下で21時間、30℃で撹拌した。基質が完全に消費されたことをHPLCが示したら、反応混合物を室温に下げた。反応混合物のエナンチオマー過剰率を、キラルHPLCにより、98%ee(99%の第二ピーク、(R)−11;1%の第一ピーク、(S)−11)であると確定した。次いで、反応混合物を薄いシリカゲルパッドを通して濾過して、パッドをメタノール(5mL)で洗浄した。次に、濾液を減圧下で濃縮して、乾燥した。その結果生じた泡状固体(470mg)をキラルHPLC分析により分析し、結果は、98.0%のエナンチオマー過剰率を示し、第二ピークが優位であった(99.0%の第二ピーク、(R)−11;1.0%の第一ピーク、(S)−11)。
【0319】
【化201】
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(R)−(4−(1−(2−シアノ−1−シクロペンチルエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート((R)−12) 方法A:撹拌棒および窒素流入口を装備した50mL丸底フラスコに、(R)−(4−(1−(3−アミノ−1−シクロペンチル−3−オキソプロピル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート((R)−11、413mg、0.942mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF、10mL、129mmol)およびトリエチルアミン(TEA、0.525mL、3.77mmol、4.0当量)を室温で投入した。その結果生じた混合物を、次に、氷浴中で0〜5℃に冷却した後、塩化トリクロロアセチル(0.315mL,2.82mmol、3.0当量)を室温で注射器で滴下した。その結果生じた反応混合物を、0〜5℃で90分間撹拌した。反応が完了したと思われることをTLCおよびHPLCが示したら、反応混合物を酢酸エチル(EtOAc、25mL)および20%ブライン水溶液(20mL)で処理した。2つの層を分離して、水性層を酢酸エチル(EtOAc、2×25mL)で抽出した。併合有機抽出物を20%ブライン水溶液(35mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO
4)上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留褐色油状粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、0〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶離液)により精製して、(R)−(4−(1−(2−シアノ−1−シクロペンチルエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート((R)−12、278mg、396.1mg(理論値)、収率70.2%)を軽油として得て、これを、真空中で室温で放置して固化した。(R)−12に関しては:アキラル純度(220nmで検出されたHPLCにより99.1面積%);キラル純度(キラルHPLCにより99.6面積%;99.2%ee);
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δppm8.84 (s, 1H), 8.78 (s, 1H), 8.39 (s, 1H), 7.74 (d, 1H, J = 3.7 Hz,), 7.11 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 6.23 (s, 2H), 4.53 (ddd, 1H, J = 9.9, 9.6, 4.2 Hz), 3.26 (dd, 1H, J = 17.4, 9.9 Hz), 3.19 (dd, 1H, J = 17.2, 4.3 Hz), 2.41 (m, 1H), 1.87 - 1.13 (m, 8H), 1.07 (s, 9H);C
23H
28N
6O
2(分子量 420.51)、LCMS(EI)m/e421.4(M
++H)。
【0320】
(3R)−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピラゾール−1−イル]プロピオニトリル((R)−13、遊離塩基) 方法A:撹拌棒および窒素流入口を装備した25mL丸底フラスコに、(R)−(4−(1−(2−シアノ−1−シクロペンチルエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート((R)−12、278mg、0.661mmol)およびメタノール(MeOH、2.50mL、37.0mmol)を室温で投入した。その結果生じた均質反応溶液を、次に、室温で、0.l0M水酸化ナトリウム水溶液(NaOH、1.5mL,0.15mmol、2.3当量)で処理した。その結果生じた反応混合物を、室温で22時間撹拌した。反応が完了したと思われたら、反応混合物を20%ブライン水溶液(10mL)および酢酸エチル(EtOAc、25mL)で希釈した。2つの層を分離して、水性層を酢酸エチル(EtOAc、25mL)で抽出した。併合有機分画を硫酸マグネシウム(MgSO
4)上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、0〜100%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶離液)により精製して、(3R)−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピラゾール−1−イル]プロピオニトリル((R)−13、遊離塩基、188mg、202.5mg(理論値)、収率92.8%)を無色油として得て、これを、真空中で室温で放置して固化した。(R)−13(遊離塩基)に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δppm12.1 (bs, 1H), 8.80 (d, 1H, J = 0.42 Hz), 8.67 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.59 (dd, 1H, J = 2.34, 3.51 Hz), 6.98 (dd, 1H, J = 1.40, 3.44 Hz), 4.53 (td, 1H, J = 19.5, 4.63 Hz), 3.26 (dd, 1H, J = 9.77, 17.2 Hz), 3.18 (dd, 1H, J = 4.32, 17.3 Hz), 2.40 (m, 1H), 1.79 (m, 1H), 1.65 to 1.13 (m, 7H);C
17H
18N
6(分子量 306.37)LCMS(EI)m/e307(M
++H)。
【0321】
(3R)−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピラゾール−1−イル]プロピオニトリルリン酸塩((R)−14、リン酸塩) イソプロパノール(IPA、8L)中の(3R)−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピラゾール−1−イル]プロピオニトリル((R)−13、遊離塩基、575g、1.87mol)の溶液に、60〜65℃で、イソプロパノール(1.6L)中のリン酸(186.2g,1.9mol、1.10当量)の溶液を付加した。リン酸の溶液の付加の間、発熱は観察されず、ほぼ直ちに、沈澱が形成された。その結果生じた混合物を、次に、76℃で1.5時間加熱し、次いで、徐々に周囲温度に冷まして、室温で一晩撹拌した。混合物を濾過し、固体をヘプタンとイソプロパノールの混合物(1/1、v/v、3L)で洗浄した後、元のフラスコに戻して、ヘプタン(8L)中で1時間撹拌した。固体を濾過により収集し、ヘプタン(1L)で洗浄して、真空中で40℃で対流式炉中で乾燥して、一定重量として、(3R)−シクロペンチル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピラゾール−1−イル]プロピオニトリルリン酸塩((R)−14、リン酸塩、634.2g、755g(理論値)、収率84%)を白色〜オフホワイト色結晶固体として得た。(R)−14(リン酸塩)に関しては:融点197.6℃;
1H NMR(DMSO−d
6,500 MHz)δppm12.10 (s, 1H), 8.78 (s, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.36 (s 1H), 7.58 (dd, 1H, J = 1.9, 3.5 Hz), 6.97 (d, 1H, J = 3.6 Hz), 4.52 (td, 1H, J = 3.9, 9.7 Hz), 3.25 (dd, 1H, J = 9.8, 17.2 Hz), 3.16 (dd, 1H, J = 4.0, 17.0 Hz), 2.41, (m, 1H), 1.79 (m, 1H), 1.59 (m, 1H), 1.51 (m, 2H), 1.42 (m, 1H), 1.29 (m, 2H), 1.18 (m, 1H);
13C NMR(DMSO−d
6,125 MHz)δppm 152.1, 150.8, 149.8, 139.2, 131.0, 126.8, 120.4, 118.1, 112.8, 99.8, 62.5, 44.3, 29.1, 29.0, 24.9, 24.3, 22.5;C
17H
18N
6(遊離塩基に関する分子量 306.37)LCMS(EI)m/e307(M
++H、塩基ピーク)、329.1(M
++Na)。
【0322】
【化202】
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4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(17) 1,2−ジメトキシエタン(DME、20.0mL、192.4mmol)中の水素化ナトリウムの懸濁液(NaH、60重量%油性、4.05g、101.3mmol、1.54当量)に、0〜5℃(氷浴)で、温度を5℃以下(−7℃〜5℃)に保持するよう徐々に、1,2−ジメトキシエタン(DME、80.0mL、769.6mmol)中の4−クロロピロロ[2,3−d]ピリミジン(1、10.08g,65.6mmol)を付加した。基質(1)の溶液を導入直後に、大量のガスが放出された。その結果生じた反応混合物を0〜5℃で30分間撹拌した後、トリメチルシリルエトキシメチルクロリド(SEM−Cl、12.56g、75.3mmol、1.15当量)を、反応温度を5℃より低く保持しながら、徐々に付加した。付加後、反応物を0℃で1時間撹拌した後、23時間、室温に温めた。反応が完了したようであるとHPLCおよびTLCが示したら、反応混合物を室温で水(46mL)でクエンチし、所望の生成物(15)を含有するクエンチされた反応混合物を、さらなる後処理および精製をせずに、次の鈴木カップリング反応に直接移した。
【0323】
上記のような前の反応からの粗製4−クロロ−7−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(15、18.63g、65.64mmol)を含有するクエンチされた反応混合物に、室温で、1,2−ジメトキシエタン(DME、38mL)、粉末炭酸カリウム(K
2CO
3、23.56g、170.5mmol、2.6当量)、1−(1−エトキシエチル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(3、18.60g、69.89mmol、1.06当量)を付加した。その結果生じた混合物を、毎回窒素ガスを裏込めしながら4回脱気した後、室温で、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh
3)
4、244.2mg、0.21mmol、0.003当量)で処理した。その結果生じた反応混合物を、毎回窒素ガスを裏込めしながら4回脱気した後、4〜8時間、80℃に温めた。反応が完了したようであることをTLCおよびHPLCが示したら、反応混合物を徐々に室温に冷まして、短床のセライト(10g)に通して濾過した。セライト床を酢酸エチル(EtOAc、20mL)で洗浄した。濾液の2つの層を分離し、水性層を酢酸エチル(EtOAc、2×30mL)で抽出した。併合有機抽出物を飽和NaCl水溶液(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO
4)上で乾燥して、減圧下で濃縮した。粗製の所望の鈴木カップリング生成物(16)を含有する残渣を、次に、THF(22mL)を含入する500mL丸底フラスコに移して、その後、さらに精製せずに脱保護反応に付した。
【0324】
THF(22mL)中の粗製鈴木カップリング生成物(16)の溶液を、室温で、水(108mL)で、ならびに、19.6mLの濃HClを64mLのH
2Oと混合することにより調製された10%HCl水溶液で処理した。その結果生じた反応混合物を、室温で4〜6時間撹拌した。脱保護反応が完了したようであることをTLCおよびHPLCが示したら、21.0mLのH
2O中に10.4gのNaOHを溶解することにより調製された30%水酸化ナトリウム水溶液(NaOH)を、25℃より低い温度を保持しながら、反応混合物に徐々に付加した。固体は徐々に溶解し、10分後に再沈澱した。混合物を室温で1〜2時間撹拌した後、固体を濾過により収集し、H
2O(50mL)で洗浄した。湿潤ケークを250mL三つ首フラスコに移して、室温で、アセトニトリル(MeCN、112mL)で処理した。混合物を2時間、加熱、還流した後、徐々に室温に冷まして、室温で1時間撹拌した。固体を濾過により収集し、MeCN(36mL)で洗浄し、真空炉中で40〜45℃で乾燥して、4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(17、15.3g、20.7g(理論値)、3つのステップの収率73.9%)を、白色結晶固体として得た(HPLCにより99.4面積%)。17に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δppm 13.41 (bs, 1H), 8.74 (s, 1H), 8.67 (bs, 1H), 8.35 (bs, 1H), 7.72 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 7.10 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 5.61 (s, 2H), 3.51 (t, 2H, J = 8.2 Hz), 0.81 (t, 2H, J = 8.2 Hz), 0.13 (s, 9H);C
15H
21N
5OSi(分子量 315.45)、LCMS(EI)m/e316(M
++H)。
【0325】
【化203】
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メチル3−シクロペンチルプロピオレート(18) 無水テトラヒドロフラン(THF、200mL、2466mmol)中のシクロペンチルアセチレン(7、17.49mL、150.0mmol)の撹拌溶液に、−78℃で、ヘキサン中の2.50Mのn−ブチルリチウム(66.0mL、165mmol、1.1当量)を付加した。その結果生じた乳状懸濁液を、−78℃で30分間撹拌した。次に、メチルクロロホルメート(17.6mL、225mmol、1.5当量)を付加した。反応混合物は透明溶液になった。次に、冷却浴を除去し、反応混合物を室温に上げさせて、室温で1時間撹拌した。反応混合物は、再び懸濁液になった。反応が完了したようであることをTLC(5%EtOAc/ヘキサン、KMnO
4染色)が示したら、反応混合物を飽和NH
4Cl水溶液(150mL)でクエンチして、ジエチルエーテル(Et
2O、2×200mL)で抽出した。併合有機層を飽和NaCl水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO
4)上で乾燥して、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を真空下で蒸留して(99〜101℃/16mbar)、メチル3−シクロペンチルプロピオレート(18、21.856g、22.83g(理論値)、収率96%)を無色油として得た。
1H NMR(CDCl
3、400 MHz)δppm 3.74 (s, 3H), 2.73 (m, 1H), 1.95 (m, 2H), 1.72 (m, 4H), 1.57 (m, 2H)。
【0326】
【化204】
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(Z)−3−シクロペンチル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)アクリロニトリル(19) N,N−ジメチルホルムアミド(DMF、40.0mL、516mmol)中の4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(17、7.260g、23.01mmol)および3−シクロペンチルプロプ−2−イネニトリル(8、6.140g、34.52mmol、1.5当量)の撹拌溶液に、室温で、固体炭酸カリウム(K
2CO
3、318mg、2.30mmol、0.1当量)を付加した。その結果生じた反応混合物を、室温で30分間撹拌した。反応が完了したと思われることをTLCおよびHPLCが示したら、反応混合物を水(80mL)でクエンチし、EtOAc(2×150mL)で抽出した。併合有機層を水(80mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO
4)上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、0〜30%EtOAc/ヘキサン勾配溶離液)により精製して、(Z)−3−シクロペンチル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)アクリロニトリル(19、8.256g、10.0g(理論値)、収率82.6%)を無色シロップとして得た。19に関しては:
1H NMR(CDCl
3,300 MHz)δppm9.15 (bs, 1H), 8.96 (s, 1H), 8.56 (s, 1H), 7.51 (d, 1H, J = 3.5 Hz), 6.93 (d, 1H, J = 3.5 Hz), 5.75 (s, 2H), 5.29 (s, 1H), 3.62 (m, 1H), 3.60 (t, 2H, J = 8.2 Hz), 2.16 (m, 2H), 1.81 (m, 4H), 1.59 (m, 2H), 0.98 (t, 2H, J = 8.2 Hz), 0.00 (s, 9H);C
23H
30N
6OSi(分子量 434.61)、LCMS(EI)m/e435.2(M
++H)。
【0327】
(R)−3−シクロペンチル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパンニトリル((R)−20)および(S)−3−シクロペンチル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパンニトリル((S)−20)
光学的富化生成物3−シクロペンチル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパンニトリル((R)−20または(S)−20)を得るために基質(Z)−3−シクロペンチル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)アクリロニトリル(19)を用いる不斉水素化のための一般スクリーニング手順:ガラスバイアル(20mL)を有する300mL容量オートクレーブに、窒素下で、基質(19)、触媒(金属、リガンドおよび触媒前駆体)および無酸素溶媒(4〜6mL)を入れた。このオートクレーブに水素ガスを投入して所望の圧力にして、室温で撹拌するかまたは油浴を用いて加熱した。水素ガスを放出後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を、酢酸エチルおよびメタノール(v/v=9/1)の混合物を用いてシリカゲルパッドを通して溶離することにより精製して、生成物3−シクロペンチル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパンニトリル((R)−20または(S)−20)を、化学変換(HPLCおよびキラルHPLC)、LC/MSおよびNMR分光法、ならびにエナンチオマー過剰率(キラルHPLCによる%ee)決定のために生成した。
【0328】
キラルHPLC分析により、生成物のエナンチオマー過剰率(%ee)の決定を実行した。セルローストリス(3,5−ジメチルフェニルカルバメート)(キラルセル(登録商標)OD)で被覆されたシリカゲルを詰め込まれたキラルセル(登録商標)OD−Hカラム(4.6×250mm、5μm)(Chiral Technologies, Inc.から購入)を用いて、キラルHPLC法を開発した。1mL/分の流量で、室温で、10%エタノールおよび90%ヘキサンからなる移動相を用いることにより、3.0より大きい分解能で、2つのエナンチオマー(R)−20または(S)−20を分離する。UV検出波長は220nmである。(S)−エナンチオマー((S)−20)および(R)−エナンチオマー((R)−20)に関する保持時間は、それぞれ10.3分(第一ピーク)および13.1分(第二ピーク)である。(R)−20または(S)−20に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δppm8.83 (s, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.39 (s, 1H), 7.77 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 7.09 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 5.63 (s, 2H), 4.53 (td, 1H, J = 19.4, 4.0 Hz), 3.51 (t, 2H, J = 8.1 Hz), 3.23 (dq, 2H, J = 9.3, 4.3 Hz), 2.41 (m, 1H), 1.79 (m, 1H), 1.66 - 1.13 (m, 7H), 0.81 (t, 2H, J = 8.2 Hz), 0.124 (s, 9H);C
23H
32N
6OSi(分子量 436.63)、LCMS(EI)m/e437(M
++H)および459(M
++Na)。
【0329】
以下の表は、この不斉水素化に関する分析および反応条件を要約する。
【表2】
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【0330】
この試験に用いたキラルホスフィンリガンドの構造を、以下に列挙する。
【化205】
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【0331】
代表的な分取不斉水素化手順を以下に記載する。
【0332】
(S)−3−シクロペンチル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパンニトリル((S)−20) 圧力ガラス管中の塩化メチレン(CH
2Cl
2、4.0mL)中の(Z)−3−シクロペンチル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)アクリロニトリル(19、116mg)の溶液を、窒素下で触媒[Ru(p−シメン)(S−C3−TunePhos)Cl]Cl(8.5mg)で処理した後、反応混合物を水素ガスで60bar圧に加圧した。反応混合物を、この水素圧下で19時間、75℃で撹拌した。基質が完全に消費されたことをHPLC分析が示したら、反応混合物を室温に下げた。反応混合物のエナンチオマー過剰率を、キラルHPLCにより、34.1%ee(67,05%の第一ピーク、(S)−20;32.95%の第二ピーク、(R)−20)であると確定した。反応混合物を薄いシリカゲルパッドを通して濾過して、パッドを塩化メチレン(CH
2Cl
2、5mL)で洗浄した。次に、濾液を減圧下で濃縮して、乾燥した。その結果生じた泡状固体(107mg)をキラルHPLC分析により分析し、結果は34.1%のエナンチオマー過剰率を示し、第一ピークが優位であった(67.05%の第一ピーク、(S)−20;32.95%の第二ピーク、(R)−20)。
【0333】
【化206】
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(E)−メチル3−シクロペンチル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)アクリレート(21) アセトニトリル(76mL、1400mmol)中の4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(17、12.08g、38.31mmol)およびメチル3−シクロペンチルプロプ−2−イノエート(18、8.970g、45.97mmol、1.2当量)の撹拌懸濁液に、室温で、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU、2.92mL、19.2mmol、0.5当量)を付加した。その結果生じた反応混合物を、室温で2時間撹拌した。反応が完了したようであるとLCMSが示したら、反応混合物を水(50mL)および1NのHCl水溶液(20mL)でクエンチした。1NのHCl水溶液での処理後、クエンチされた反応混合物をpH4に調整した。次に、混合物をEtOAc(2×100mL)で抽出し、併合有機層をブラインで洗浄して、硫酸マグネシウム(MgSO
4)上で乾燥し、濾過して、減圧下で濃縮した。残渣をコンビフラッシュ(SiO
2、0〜50%EtOAc/ヘキサン勾配溶離液)により精製して、(E)−メチル3−シクロペンチル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)アクリレート(21、6.838g、17.92g(理論値)、収率38%)を無色の非常に粘性の油として得た。19に関しては:
1H NMR(CDCl
3、400 MHz)δppm8.93 (s, 1H), 8.55 (bs, 1H), 8.44 (s, 1H), 7.49 (d, 1H, J = 3.5 Hz), 6.86 (d, 1H, J = 3.5 Hz), 6.34 (s, 1H), 5.74 (s, 2H), 4.56 (m, 1H), 3.84 (s, 3H), 3.60 (t, 2H, J = 8.2 Hz), 2.01 (m, 2H), 1.96 (m, 4H), 1.77 (m, 2H), 0.98 (t, 2H, J = 8.2 Hz), 0.00 (s, 9H);C
24H
33N
5O
3Si(分子量 467.64)、LCMS(EI)m/e468.2(M
++H)。
【0334】
(R)−メチル3−シクロペンチル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパノエート((R)−22)および(S)−メチル3−シクロペンチル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパノエート((S)−22)
光学的富化生成物メチル3−シクロペンチル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパノエート((R)−22または(S)−22)を得るために基質(E)−メチル3−シクロペンチル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)アクリレート(21)を用いる不斉水素化のための一般スクリーニング手順:ガラスバイアル(20mL)を有する300mL容量オートクレーブに、窒素下で、基質(21)、触媒(金属、リガンドおよび触媒前駆体)および無酸素溶媒(4〜6mL)を入れた。このオートクレーブに水素ガスを投入して所望の圧力にして、室温で撹拌するかまたは油浴を用いて加熱した。水素ガスを放出後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を、酢酸エチルおよびメタノール(v/v=9/1)の混合物を用いてシリカゲルパッドを通して溶離することにより精製して、生成物メチル3−シクロペンチル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパノエート((R)−22または(S)−22)を、化学変換(HPLCおよびキラルHPLC)、LC/MSおよびNMR分光法、ならびにエナンチオマー過剰率(キラルHPLCによる%ee)決定のために生成した。
【0335】
キラルHPLC分析により、生成物のエナンチオマー過剰率(%ee)の決定を実行した。セルローストリス(3,5−ジメチルフェニルカルバメート)(キラルセル(登録商標)OD)で被覆されたシリカゲルを詰め込まれたキラルセル(登録商標)OD−Hカラム(4.6×250mm、5μm)(Chiral Technologies, Inc.から購入)を用いて、キラルHPLC法を開発した。1mL/分の流量で、室温で、15%エタノールおよび85%ヘキサンからなる移動相を用いることにより、3.0より大きい分解能で、2つのエナンチオマー(R)−22または(S)−22を分離した。UV検出波長は254nmである。(S)−エナンチオマー((S)−22)および(R)−エナンチオマー((R)−22)に関する保持時間は、それぞれ5.3分(第一ピーク)および8.2分(第二ピーク)である。(R)−22または(S)−22に関しては:C
24H
35N
5O
3Si(分子量 469.65)、LCMS(EI)m/e470(M
++H)および492(M
++Na)。
【0336】
以下の表は、この不斉水素化に関する分析および反応条件を要約する。
【表3】
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【0337】
この試験に用いたキラルホスフィンリガンドの構造を、以下に列挙する。
【化207】
[この文献は図面を表示できません]
【0338】
代表的な分取不斉水素化手順を以下に記載する。
【0339】
(S)−メチル−3−シクロペンチル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパノエート((S)−22) 圧力ガラス管中の酢酸エチル(EtOAc、5.0mL)中の(E)−メチル3−シクロペンチル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)アクリレート(21、109mg)の溶液を、窒素下で触媒[Rh(COD)(+)−DuanPhos](BF
4)(5.5mg)で処理した後、反応混合物を水素ガスで20bar圧に加圧した。反応混合物を、この水素圧下で19時間、室温で撹拌した。基質が完全に消費されたことをHPLC分析が示したら、反応混合物を室温に下げた。反応混合物のエナンチオマー過剰率を、キラルHPLCにより、97.9%ee(98.95%の第一ピーク、(S)−22;1.05%の第二ピーク、(R)−22)であると確定した。反応混合物を薄いシリカゲルパッドを通して濾過して、パッドを酢酸エチル(EtOAc、5mL)で洗浄した。次に、濾液を減圧下で濃縮して、乾燥した。その結果生じた泡状固体(98mg)をキラルHPLC分析により分析し、結果は97.9%のエナンチオマー過剰率を示し、第一ピークが優位であった(98.95%の第一ピーク、(S)−22;1.05%の第二ピーク、(R)−22)。
【0340】
(R)−メチル−3−シクロペンチル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパノエート((R)−22) 圧力ガラス管中のテトラヒドロフラン(THF、8.0mL)中の(E)−メチル3−シクロペンチル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)アクリレート(21、815mg)の溶液を、窒素下で触媒[Rh(COD)(−)−DuanPhos](BF
4)(4.6mg)で処理した後、反応混合物を水素ガスで50bar圧に加圧した。反応混合物を、この水素圧下で22時間、35℃で撹拌した。基質がほぼ完全に消費されたことをHPLC分析が示したら、反応混合物を室温に下げた。反応混合物のエナンチオマー過剰率を、キラルHPLCにより、94.7%ee(97.35%の第二ピーク、(R)−22;2.65%の第一ピーク、(S)−22)であると確定した。次いで、反応混合物を薄いシリカゲルパッドを通して濾過して、パッドをテトラヒドロフラン(THF、5mL)で洗浄した。次に、濾液を減圧下で濃縮して、乾燥した。その結果生じた泡状固体(778mg)をキラルHPLC分析により分析し、結果は94.7%のエナンチオマー過剰率を示し、第二ピークが優位であった(97.35%の第二ピーク、(R)−22;2.65%の第一ピーク、(S)−22)。
【0341】
【化208】
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(3R)−3−シクロペンチル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパン酸((R)−23). THF(30mL)中の(3R)−メチル3−シクロペンチル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパノエート((R)−22、2.47g、5.26mmol)の撹拌溶液に、室温で、水(15mL)中の水酸化リチウム一水和物(LiOH−H
2O、265mg、6.31mmol、1.2当量)の溶液を付加した。反応混合物を、室温で3時間撹拌した。反応が完了したことをLCMSが示したら、反応混合物を、次に、1NのHCl水溶液でpH5に酸性にした後、それをEtOAc(2×25mL)で抽出した。併合有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO
4)上で乾燥し、濾過して、減圧下で濃縮し、(3R)−3−シクロペンチル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパン酸((R)−23、2.40g、2.40g(理論値)、収率100%)を無色油として得て、これを真空中で室温で放置すると、固化した。(R)−23に関しては:
1H NMR(CDCl
3、300 MHz)δppm 8.95 (s, 1H), 8.95 (bs, 1H), 8.36 (s, 1H), 7.57 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 6.99 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 5.74 (s, 2H), 4.65 (dt, 1H, J = 3.1, 10.3 Hz), 3.58 (t, 2H, J = 8.2 Hz), 3.24 (dd, 1H, J = 16.5, 10.3 Hz), 3.04 (dd, 1H, J = 16.2, 3.1 Hz), 2.59 (m, 1H), 2.00 (m, 1H), 1.77-1.24 (m, 7H), 0.97 (t, 2H, J = 8.2 Hz), 0.00 (s, 9H);C
23H
33N
5O
3Si(分子量 455.63)、LCMS(EI)m/e456.1(M
++H)。
【0342】
(3R)−3−シクロペンチル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパンアミド((R)−24). DMF(1mL)中の(3R)−3−シクロペンチル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパン酸((R)−23、20mg、0.044mmol)の撹拌溶液に、室温で、N,N−カルボニルジイミダゾール(CDI、21mg、0.13mmol、3.0当量)を付加した。次いで、反応混合物を室温で撹拌し、TLCを用いてアシルイミダゾールの精製のための反応に続いた(30%EtOAc/ヘキサンを用いたより高いRfスポットへの酸の消費)。アシルイミダゾール変換が完了したことをTLCが示したら、次に、アンモニアガスを撹拌溶液を通して30分間発泡させて、アミドを得た(その後、LCMS)。窒素を溶液に通して激しく発泡させることにより、余分量のアンモニアガスを蒸発させた。DMF中の粗生成物(3R)−3−シクロペンチル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパンアミド((R)−24)をその後の反応に直接用いて、アミド((R)−24)を対応するニトリル((R)−20)に変換した。
【0343】
(3R)−シクロペンチル−3−{4−[7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]ピラゾール−1−イル}プロピオニトリル((R)−20). 方法A: DMF(1mL)中の(3R)−3−シクロペンチル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパンアミド((R)−24、20mg、0.044mmol)の撹拌溶液に、0℃で、塩化メチレン(1mL)およびトリエチルアミン(0.12mL、0.88mmol、20.0当量)を、その後、塩化トリクロロアセチル(0.052ml、0.462mmol、10.5当量)を付加した。その結果生じた反応混合物を、0℃で1時間、撹拌した。反応が完了したことをLCMSが示したら、反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液(NaHCO
3、5mL)でクエンチした後、EtOAc(2×10mL)で抽出した。併合有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO
4)上で乾燥して、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、0〜75%EtOAc/ヘキサン勾配溶離液を用いたシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、(3R)−シクロペンチル−3−{4−[7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]ピラゾール−1−イル}プロピオニトリル((R)−20、10mg、19mg(理論値)、収率53%)を得た。(R)−20に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6、400 MHz)δppm 8.83 (s, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.39 (s, 1H), 7.77 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 7.09 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 5.63 (s, 2H), 4.53 (td, 1H, J = 19.4, 4.0 Hz), 3.51 (t, 2H, J = 8.1 Hz), 3.23 (dq, 2H, J = 9.3, 4.3 Hz), 2.41 (m, 1H), 1.79 (m, 1H), 1.66 - 1.13 (m, 7H), 0.81 (t, 2H, J = 8.2 Hz), 0.124 (s, 9H);C
23H
32N
6OSi(分子量 436.63)、LCMS(EI)m/e437(M
++H)および459(M
++Na)。
【0344】
(3R)−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピラゾール−1−イル]プロピオニトリル((R)−13、遊離塩基). 方法B: アセトニトリル(4.5L)中の(3R)−シクロペンチル−3−{4−[7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]ピラゾール−1−イル}プロピオニトリル((R)−20、463g、1.06mol、98.6%ee)の溶液に、室温で、水(400mL)を、その後直ちにテトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF
4、987.9g、10.5mol、10.0当量)を付加した。反応温度を観察して、水の付加時に周囲温度から12℃に下げ、次いで、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF
4)の付加中に33℃に上げた。その結果生じた反応混合物を、一晩、加熱還流(約80℃)した。アリコートを酢酸エチル/水中に入れてクエンチし、LCMSおよびTLC(95:5 酢酸エチル/メタノール、v/v)により検査した。ヒドロキシルメチル中間体((R)−25)および完全脱保護化物質((R)−13、遊離塩基)がともに生じたが、しかし出発物質((R)−20)は残っていないことをLCMSおよびTLCが示したら、反応混合物を徐々に<5℃に冷却し、その後、水酸化アンモニウムの20%水溶液(NH
4OH、450mL)を徐々に付加して、反応混合物のpHを9に調整した(pHストリップで検査)。冷却浴を除去し、反応混合物を徐々に室温に上げて、室温で一晩撹拌した。アリコートを酢酸エチル/水中に入れてクエンチし、LCMSおよびTLC(95:5 酢酸エチル/メタノール、v/v)により検査して、完全脱保護を確証した。反応が完了したようであることをLCMSおよびTLCが示したら、反応混合物を濾過し、固体をアセトニトリル(1L)で洗浄した。次に、併合濾液を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチル(EtOAc、6L)および半飽和ブライン(3L)間に分配した。2つの層を分離し、水性層を酢酸エチル(2L)で抽出した。併合有機層を半飽和重炭酸ナトリウム(NaHCO
3、3L)およびブライン(3L)で洗浄し、硫酸ナトリウム(Na
2SO
4)上で乾燥し、減圧下で濃縮して、粗生成物を橙色油として得た。次いで、粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO
2、40〜100%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶離液)により精製して、(3R)−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピラゾール−1−イル]プロピオニトリル((R)−13、遊離塩基、273mg、324.9mg(理論値)、収率84%)を、白色発泡体として得た。この物質を
19F NMRにより検査して、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF
4)が残存していないことを保証し、キラルHPLC(キラルセル(登録商標)OD、90:10 ヘキサン/エタノール)により、エナンチオマー純度を確証して、さらに精製せずに用いて、対応するリン酸塩を調製した。(R)−13(遊離塩基)に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δppm 12.1 (bs, 1H), 8.80 (d, 1H, J = 0.42 Hz), 8.67 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.59 (dd, 1H, J = 2.34, 3.51 Hz), 6.98 (dd, 1H, J = 1.40, 3.44 Hz), 4.53 (td, 1H, J = 19.5, 4.63 Hz), 3.26 (dd, 1H, J = 9.77, 17.2 Hz), 3.18 (dd, 1H, J = 4.32, 17.3 Hz), 2.40 (m, 1H), 1.79 (m, 1H), 1.65 to 1.13 (m, 7H);C
17H
18N
6(分子量 306.37)LCMS(EI)m/e307(M
++H)。
【0345】
【化209】
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(2E)−3−シクロペンチルアクリルアルデヒド(28). 無水ベンゼン(400mL、4476mmol)中のトリフェニルホスホルアニリデンアセトアルデヒド(27、62.75g,200.0mmol、1.0当量)の撹拌懸濁液に、室温で、シクロペンタンカルブアルデヒド(26、21.36mL、200.0mmol)を付加した。その結果生じた反応混合物を、次に、80℃で16時間加熱した。反応が完了したようであることをTLCおよびHPLCが示したら、反応混合物を減圧下で濃縮した。次いで、残渣をコンビフラッシュ(SiO
2)により、0〜10%EtOAc/ヘキサン勾配溶離液を用いて、直接精製して、(2E)−3−シクロペンチルアクリルアルデヒド(28、14.4g、24.84g(理論値)、収率58%)を黄色油として得た。28に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6、400MHz)δppm
1H NMR(CDCl
3、400 MHz)δ9.49 (d, 1H, J = 7.8 Hz), 6.82 (dd, 1H, J = 15.6, 7.8 Hz), 6.08 (dd, 1H, J = 15.6, 8.0 Hz), 2.72 (m, 1H), 1.89 (m, 2H), 1.67 (m, 4H), 1.44 (m, 2H);C
8H
12O(分子量 124.18)LCMS(EI)m/e125(M
++H)。
【0346】
【化210】
[この文献は図面を表示できません]
(2R)−1−エチル2−メチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレート((R)−30). 0℃の無水メタノール(MeOH、240mL、5295mmol)中のDプロリン((R)−29、13.955g、120.0mmol)および炭酸カリウム(K
2CO
3、33.17g、240.0mmol、2.0当量)の撹拌懸濁液に、エチルクロロホルメート(28.4mL、288mmol、2.4当量)を室温で付加した。次いで、その結果生じた反応混合物を、室温で18時間撹拌した。反応が完了したようであるとLCMSが示したら、減圧下で溶媒を除去した。その結果生じた残渣を、次に、水(80mL)および飽和NaHCO
3水溶液(80mL)で処理した後、EtOAc(2×100mL)で抽出した。併合有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO
4)上で乾燥して、減圧下で濃縮し、純(2R)−1−エチル2−メチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレート((R)−30、18.792g、24.14g(理論値)、収率77.8%)を無色揮発性油として得た。(R)−30に関しては:
1H NMR(CDCl
3、400 MHz)δppm 4.35 (dd, 0.5H, J = 8.7, 3.5 Hz), 4.28 (dd, 0.5H, J = 8.7, 3.7 Hz), 4.13 (m, 2H), 3.72 (s, 1.5H), 3.70 (s, 1.5H), 3.59-3.41 (m, 2H), 2.20 (m, 1 H), 2.01-1.86 (m, 3H), 1.25 (t, 1.5H, J = 7.1 Hz), 1.18 (t, 1.5H, J = 7.1 Hz);C
9H
15NO
4(分子量 201.22)、LCMS(EI)m/e201.9(M
++H)。
【0347】
(7aR)−1,1−ビス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)テトラヒドロピロロ[1,2−c]オキサゾール−3(1H)−オン((R)−32). 無水THF(50mL)中の3,5−ビス(トリフルオロメチル)ブロモベンゼン(31、15.2mL、60.0mmol、3.0当量)の撹拌溶液に、0℃で、テトラヒドロフラン(THF、31.5mL)中のイソプロピルマグネシウムクロリド(iPrMgCl)の2.0M溶液を滴下した。その結果生じた混合物を0℃で1時間撹拌した後、無水THF(14mL)中の(2R)−1−エチル2−メチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレート((R)−30、4.024g、20.0mmol)の溶液で、0℃で滴下処理した。付加後、氷浴を除去し、反応混合物を65℃に加熱して、65℃で5時間撹拌した。反応が完了したようであることをLCMSが示したら、反応混合物を飽和NH
4Cl水溶液(120mL)でクエンチして、EtOAc(2×100mL)で抽出した。併合有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO
4)上で乾燥して、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製(7aR)−1,1−ビス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)テトラヒドロピロロ[1,2−c]オキサゾール−3(1H)−オン((R)−32、11.03g、100%)を粘性油として得て、さらに精製せずにその後の反応に直接用いた。粗製(R)−32に関しては:C
22H
13F
12NO
2(分子量 551.32)、LCMS(EI)m/e552(M
++H)。
【0348】
(2R)−ビス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)(ピロリジン−2−イル)メタノール((R)−33). メタノール(MeOH、80mL、1975mmol)中の粗製(7aR)−1,1−ビス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)テトラヒドロピロロ[1,2−c]オキサゾール−3(1H)−オン((R)−32、11.03g、20.0mmol)の撹拌溶液に、室温で、固体水酸化カリウム(KOH、3.366g、60.0mmol、3.0当量)を付加した。その結果生じた暗色反応混合物を65℃に加熱し、65℃で22時間撹拌した。反応が完了したようであることをLCMSが示したら、反応混合物を室温に下げた後、溶媒を減圧下で蒸発させた。次いで、残渣を水(100mL)で処理し、EtOAc(2×100mL)で抽出した。併合有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO
4)上で乾燥して、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をコンビフラッシュ(SiO
2)により、0〜30%EtOAc/ヘキサン勾配溶離液を用いて精製して、(2R)−ビス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)(ピロリジン−2−イル)メタノール((R)−33、8.30g、10.51g(理論値)、2つのステップに関して収率79%)を黄色粘性ペーストとして得た。(R)−33に関しては:
1H NMR(CD
3OD、400MHz)δppm8.24 (s, 2H), 8.16 (s, 2H), 7.85 (s, 2H), 4.49 (t, 1H, J = 7.7 Hz), 2.92 (m, 2H), 1.74 (m, 2H), 1.67 (m, 1H), 1.55 (m, 1H);C
21H
15F
12NO(分子量 525.33)、LCMS(EI)m/e526.0(M
++H)。
【0349】
(2R)−2−ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)−フェニル][(トリメチルシリル)オキシ]−メチルピロリジン((R)−34). 無水塩化メチレン(CH
2Cl
2、56.0mL、874mmol)中の(2R)−ビス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)(ピロリジン−2−イル)メタノール((R)−33、8.30g、14.2mmol)およびトリエチルアミン(TEA、5.98mL、42.6mmol、3.0当量)の撹拌溶液に、0℃で、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(TMSOTf、3.89mL、21.3mmol、1.5当量)を付加した。その結果生じた反応混合物を、0℃で1時間撹拌した。反応が完了したようであることをLCMSが示したら、反応混合物を水(80mL)でクエンチして、EtOAc(2×100mL)で抽出した。併合有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO
4)上で乾燥して、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をコンビフラッシュ(SiO
2)により、0〜10%EtOAc/ヘキサン勾配溶離液を用いて精製して、(2R)−2−ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)−フェニル][(トリメチルシリル)オキシ]−メチルピロリジン((R)−34、6.869g、8.48g(理論値)、収率81%)を非常に粘性の黄色シロップとして得た。(R)−34に関しては:
1H NMR(CDCl
3、300MHz)δppm8.08 (s, 2H), 7.92 (s, 2H), 7.84 (s, 2H), 4.32 (t, 1H, J = 7.2 Hz), 2.98 (m, 1H), 2.63 (m, 1H), 1.79 (m, 1H), 1.58 (m, 2H), 1.20 (m, 1H), 0.00 (s, 9H);C
24H
23F
12NOSi(分子量 597.51)、LCMS(EI)m/e598.0(M
++H)。
【0350】
(2R)−2−ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル][(トリエチルシリル)オキシ]−メチルピロリジン((R)−35). 無水塩化メチレン(CH
2Cl
2、15.0mL、234mmol)中の(2R)−ビス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)(ピロリジン−2−イル)メタノール((R)−33、3.832g、7.294mmol)および2,6−ルチジン(4.27mL、36.5mmol、5.0当量)の撹拌溶液に、0℃で、トリエチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(TESOTf、5.0mL、21.9mmol、3.0当量)を付加した。その結果生じた反応混合物を、室温で21時間撹拌した。反応が完了したようであることをLCMSが示したら、反応混合物を飽和NaHCO
3水溶液(70mL)でクエンチして、EtOAc(2×50mL)で抽出した。併合有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO
4)上で乾燥して、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をコンビフラッシュ(SiO
2)により、0〜10%EtOAc/ヘキサン勾配溶離液を用いて精製して、(2R)−2−ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)−フェニル][(トリエチルシリル)オキシ]−メチルピロリジン((R)−35、4.575g、4.665g(理論値)、収率98%)を非常に粘性の無色シロップとして得た。(R)−35に関しては:
1H NMR(CDCl
3、400MHz)δppm8.06 (s, 2H), 7.86 (s, 2H), 7.76 (s, 2H), 4.29 (m, 1H), 2.94 (m, 1H), 2.53 (m, 1H), 1.83 (m, 2H), 1.53 (m, 2H), 0.85 (t, 9H, J = 7.8 Hz), 0.34 (q, 6H, J = 7.8 Hz);C
27H
29F
12NOSi(分子量 639.59)、LCMS(EI)m/e640.0(M
++H)。
【0351】
(2R)−2−(ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル][tert−ブチル(ジメチル)シリル]−オキシメチル)−ピロリジン((R)−36). 無水塩化メチレン(5.0mL、78mmol)中の(2R)−ビス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)(ピロリジン−2−イル)メタノール((R)−33、1.051g、2.0mmol)およびトリエチルアミン(TEA、1.68mL、12.0mmol、6.0当量)の撹拌溶液に、0℃で、tert−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(TBDMSOTf、1.41mL、6.0mmol、3.0当量)を付加した。その結果生じた反応混合物を、室温で20時間撹拌した後、100℃で10〜20時間加熱した。反応が完了したようであることをLCMSが示したら、反応混合物を水(30mL)でクエンチして、EtOAc(2×50mL)で抽出した。併合有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO
4)上で乾燥して、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をコンビフラッシュ(SiO
2)により、0〜10%EtOAc/ヘキサン勾配溶離液を用いて精製して、(2R)−2−ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)−フェニル][tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル)ピロリジン((R)−36、1.167g、1.279g(理論値)、収率91.2%)を非常に粘性の無色シロップとして得た。(R)−36に関しては:
1H NMR(CDCl
3、400MHz)δppm8.09 (s, 2H), 7.87 (s, 2H), 7.75 (s, 2H), 4.33 (m, 1H), 2.98 (m, 1H), 2.54 (m, 1H), 1.86 (m, 1H), 1.70 (m, 1H), 1.56 (m, 2H), 0.95 (s, 9H), -0.21 (s, 3H), -0.45 (s, 3H);C
27H
29F
12NOSi(分子量 639.59)、LCMS(EI)m/e640.4(M
++H)。
【0352】
【化211】
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(1R)−(4−(1−(1−シクロペンチル−3−オキソプロピル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート((R)−37). 無水クロロホルム(CHCl
3、2.0mL、25mmol)中の(2E)−3−シクロペンチルアクリルアルデヒド(28、345mg、2.50mmol、5.0当量)、(2R)−2−ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)−フェニル][(トリエチルシリル)オキシ]−メチルピロリジン((R)−35、16mg、0.025mmol、0.05当量)および4−ニトロ安息香酸(4.3mg、0.025mmol、0.05当量)の溶液を、室温で10分間撹拌した後、[4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]メチルピバレート(5、0.150g、0.50mmol)を付加した。その結果生じた反応混合物を、室温で23時間撹拌した。反応が完了したようであることをLCMSが示したら、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をコンビフラッシュ(SiO
2)により、0〜80%EtOAc/ヘキサン勾配溶離液を用いて直接精製して、(1R)−(4−(1−(1−シクロペンチル−3−オキソプロピル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート((R)−37、1.69g、211.8g(理論値)、収率80%)を薄黄色発泡体として得た。(R)−37に関しては:C
23H
29N
5O
3(分子量 423.5)、LCMS(EI)m/e424(M
++H)。
【0353】
(R)−(4−(1−(2−シアノ−1−シクロペンチルエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート((R)−12) 方法B:テトラヒドロフラン(THF、1.2mL、15mmol)中の(1R)−(4−(1−(1−シクロペンチル−3−オキソプロピル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート((R)−37、169mg、0.399mmol)の溶液に、室温で、水(1.2mL)中の水酸化アンモニウム(NH
4OH)の14.3M溶液を、その後、ヨウ素(I
2、112mg、0.439mmol、1.1当量)を付加した。その結果生じた混合物を、室温で25分間撹拌した。反応が完了したようであることをLCMSが示したら、反応混合物を10%Na
2S
2O
3水溶液(10mL)でクエンチした後、EtOAc(2×15mL)で抽出した。併合有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO
4)上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をコンビフラッシュ(SiO
2)により、0〜60%EtOAc/ヘキサン勾配溶離液を用いて精製して、(R)−(4−(1−(2−シアノ−1−シクロペンチルエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート((R)−12、145.6mg、167.8mg(理論値)、収率86.8%)を無色発泡体として得た。
【0354】
セルローストリス(3,5−ジメチルフェニルカルバメート)(キラルセル(登録商標)OD)で被覆されたシリカゲルを詰め込まれたキラルセル(登録商標)OD−Hカラム(4.6×250mm、5μm)(Chiral Technologies, Inc.から購入)を用いて、(R)−12および(S)−12の両エナンチオマーのキラル純度評価のために、キラルHPLC法を開発した。1mL/分の流量で、室温で、10%エタノールおよび90%ヘキサンからなる移動相を用いることにより、3.5より大きい分解能で、2つのエナンチオマー(R)−12および(S)−12を分離した。UV検出波長は220nmである。保持時間は、それぞれ、(S)−12に関しては14.1分(第一ピーク)および(R)−12に関しては18.7分(第二ピーク)である。(R)−12に関しては:アキラル純度(220nmで検出されたHPLCにより99.3面積%);キラル純度(キラルHPLCにより94.9面積%;89.8%ee);
1H NMR(DMSO−d
6、400 MHz)δppm8.84 (s, 1H), 8.78 (s, 1H), 8.39 (s, 1H), 7.74 (d, 1H, J = 3.7 Hz,), 7.11 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 6.23 (s, 2H), 4.53 (ddd, 1H, J = 9.9, 9.6, 4.2 Hz), 3.26 (dd, 1H, J = 17.4, 9.9 Hz), 3.19 (dd, 1H, J = 17.2, 4.3 Hz), 2.41 (m, 1H), 1.87 - 1.13 (m, 8H), 1.07 (s, 9H);C
23H
28N
6O
2(分子量 420.51)、LCMS(EI)m/e421.4(M
++H)。
【0355】
【化212】
[この文献は図面を表示できません]
(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(7−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパナル((R)−38). 無水トルエン(5.0mL、47mmol)中の(2E)−3−シクロペンチルアクリルアルデヒド(28、327mg、2.50mmol、5.0当量)、(2R)−2−ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)−フェニル][(トリエチルシリル)オキシ]−メチルピロリジン((R)−35、32mg、0.050mmol、0.10当量)および4−ニトロ安息香酸(8.5mg、0.050mmol、0.10当量)の溶液を室温で10分間撹拌した後、4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(17、158mg、0.50mmol)を付加した。その結果生じた反応混合物を、室温で24時間撹拌した。反応が完了したようであることをLCMSが示したら、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をコンビフラッシュ(SiO
2)により、0〜70%EtOAc/ヘキサン勾配溶離液を用いて直接精製して、(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(7−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパナル((R)−38、184.1mg、219.8mg(理論値)、収率83.8%)を薄黄色粘性油として得た。(R)−38に関しては:C
23H
33N
5O
2(分子量 439.63)、LCMS(EI)m/e440(M
++H)。
【0356】
(3R)−シクロペンチル−3−{4−[7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]ピラゾール−1−イル}プロピオニトリル((R)−20). 方法B:テトラヒドロフラン(THF、1.2mL、15mmol)中の(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(7−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパナル((R)−38、184mg、0.418mmol)の撹拌溶液に、室温で、水(1.2mL)中の水酸化アンモニウム(NH
4OH)の14.3M溶液を、その後、ヨウ素(I
2、117mg、0.460mmol、1.1当量)を付加した。その結果生じた混合物を、室温で30分間撹拌した。反応が完了したようであることをLCMSが示したら、反応混合物を10%Na
2S
2O
3水溶液(10mL)でクエンチした後、EtOAc(2×15mL)で抽出した。併合有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO
4)上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をコンビフラッシュ(SiO
2)により、0〜50%EtOAc/ヘキサン勾配溶離液を用いて精製して、(3R)−シクロペンチル−3−{4−[7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]ピラゾール−1−イル}プロピオニトリル((R)−20、148.9mg、182.5mg(理論値)、収率81.6%)を無色粘性油として得た。
【0357】
キラルHPLC分析により、生成物((R)−20)のエナンチオマー過剰率(%ee)の決定を実行した。セルローストリス(3,5−ジメチルフェニルカルバメート)(キラルセル(登録商標)OD)で被覆されたシリカゲルを詰め込まれたキラルセル(登録商標)OD−Hカラム(4.6×250mm、5μm)(Chiral Technologies, Inc.から購入)を用いて、キラルHPLC法を開発した。1mL/分の流量で、室温で、10%エタノールおよび90%ヘキサンからなる移動相を用いることにより、3.0より大きい分解能で、2つのエナンチオマー(R)−20または(S)−20を分離した。UV検出波長は220nmである。(S)−エナンチオマー((S)−20)および(R)−エナンチオマー((R)−20)に関する保持時間は、それぞれ10.3分(第一ピーク)および13.1分(第二ピーク)である。(R)−20に関しては:アキラル純度(220nmで検出されたHPLCにより99.0面積%);キラル純度(キラルHPLCにより94.4面積%;88.8%ee);
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δppm8.83 (s, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.39 (s, 1H), 7.77 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 7.09 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 5.63 (s, 2H), 4.53 (td, 1H, J = 19.4, 4.0 Hz), 3.51 (t, 2H, J = 8.1 Hz), 3.23 (dq, 2H, J = 9.3, 4.3 Hz), 2.41 (m, 1H), 1.79 (m, 1H), 1.66 - 1.13 (m, 7H), 0.81 (t, 2H, J = 8.2 Hz), 0.124 (s, 9H);C
23H
32N
6OSi(分子量 436.63)、LCMS(EI)m/e437(M
++H)および459(M
++Na)。
【0358】
【化213】
[この文献は図面を表示できません]
(3R)−3−(4−ブロモ−1H−ピラゾール−1−イル)−3−シクロペンチルプロパナル((R)−40). 無水トルエン(4.0mL、38mmol)中の(2E)−3−シクロペンチルアクリルアルデヒド(28、654mg、5.0mmol、5.0当量)、(2R)−2−ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)−フェニル][(トリエチルシリル)オキシ]−メチルピロリジン((R)−35、64mg、0.10mmol、0.10当量)および4−ニトロ安息香酸(17mg、0.10mmol、0.10当量)の溶液を室温で10分間撹拌し、次いで0℃に冷却した後、4−ブロモ−1H−ピラゾール(39、148mg、1.0mmol)を次に付加した。その結果生じた反応混合物を、0℃で22時間撹拌した。反応が完了したようであることをLCMSが示したら、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をコンビフラッシュ(SiO
2)により、0〜30%EtOAc/ヘキサン勾配溶離液を用いて直接精製して、(3R)−3−(4−ブロモ−1H−ピラゾール−1−イル)−3−シクロペンチルプロパナル((R)−40、230.5mg、271.2mg(理論値)、収率85%)を薄黄色粘性油として得た。(R)−40に関しては:C
11H
15BrN
2O(分子量 271.15)、LCMS(EI)m/e271/273(M
++H)。
【0359】
(3R)−3−(4−ブロモ−1H−ピラゾール−1−イル)−3−シクロペンチルプロパンニトリル((R)−41). テトラヒドロフラン(THF、2.4mL、29mmol)中の(3R)−3−(4−ブロモ−1H−ピラゾール−1−イル)−3−シクロペンチルプロパナル((R)−40、230.5mg、0.85mmol)の撹拌溶液に、室温で、水(2.4mL)中の水酸化アンモニウム(NH
4OH)の14.3M溶液を、その後、ヨウ素(I
2、237mg、0.935mmol、1.1当量)を付加した。その結果生じた混合物を、室温で30分間撹拌した。反応が完了したことをLCMSが示したら、反応混合物を10%Na
2S
2O
3水溶液(15mL)でクエンチした後、EtOAc(2×15mL)で抽出した。併合有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO
4)上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をコンビフラッシュ(SiO
2)により、0〜30%EtOAc/ヘキサン勾配溶離液を用いて精製して、(3R)−3−(4−ブロモ−1H−ピラゾール−1−イル)−3−シクロペンチルプロパンニトリル((R)−41、180.7mg、227.9mg(理論値)、収率79.3%)を無色粘性油として得た。
【0360】
キラルHPLC分析により、生成物((R)−41)のエナンチオマー過剰率(%ee)の決定を実行した。セルローストリス(3,5−ジメチルフェニルカルバメート)(キラルセル(登録商標)OD)で被覆されたシリカゲルを詰め込まれたキラルセル(登録商標)OD−Hカラム(4.6×250mm、5μm)(Chiral Technologies, Inc.から購入)を用いて、キラルHPLC法を開発した。1mL/分の流量で、室温で、15%エタノールおよび85%ヘキサンからなる移動相を用いることにより、3.0より大きい分解能で、2つのエナンチオマー(R)−41または(S)−41を分離した。UV検出波長は220nmである。(S)−エナンチオマー((S)−41)および(R)−エナンチオマー((R)−41)に関する保持時間は、それぞれ12.8分(第一ピーク)および16.7分(第二ピーク)である。(R)−41に関しては:アキラル純度(220nmで検出されたHPLCにより99.0面積%);キラル純度(キラルHPLCにより91.7面積%;83.4%ee);
1H NMR(CDCl
3、400 MHz)δppm 7.52 (s, 2H), 4.10 (m, 1H), 3.02 (dd, 1H, J = 17.0, 8.6 Hz), 2.86 (dd, 1H, J = 17.0, 3.9 Hz), 2.47 (m, 1H), 1.90 (m, 1H), 1.72-1.46 (m, 5H), 1.23 (m, 1H), 1.13 (m, 1H);C
11H
14BrN
3(分子量 268.15)、LCMS(EI)m/e268/270(M
++H)。
【0361】
(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル((R)−42). 無水1,4−ジオキサン(4.0mL、51mmol)中の(3R)−3−(4−ブロモ−1H−ピラゾール−1−イル)−3−シクロペンチルプロパンニトリル((R)−41、363mg、1.35mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−[2,2’]ビス[1,3,2]ジオキサボロラニル(366mg、1.43mmol、1.06当量)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh
3)
4、47mg、0.041mmol、0.03当量)および酢酸カリウム(KOAc、402mg、4.06mmol、3.0当量)の脱気混合物を、マイクロ波により1時間、120℃で加熱した。反応が完了したことをLCMSが示したら、粗製所望生成物(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル((R)−42)を含有する反応混合物を、さらに後処理せずにその後の鈴木反応のために直接用いた。粗製(R)−42に関しては:C
17H
26BN
3O
2(分子量 315.22)、LCMS(EI)m/e316(M
++H)。
【0362】
(3R)−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)pyrazol−1−イル]プロピオニトリル((R)−13、遊離塩基). 方法C. 上記のように生成された反応混合物である1,4−ジオキサン(4.0mL、51mmol)中の粗製(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル((R)−42、427mg、1.35mmol)の撹拌溶液に、4−クロロピロロ[2,3−d]ピリミジン(1、0.160g、1.04mmol、0.77当量)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh
3)
4、36mg、0.031mmol、0.03当量)、ならびに水(2.0mL、110mmol)中の炭酸カリウム(K
2CO
3、432mg、3.13mmol、3.0当量)の溶液を室温で付加した。その結果生じた反応混合物を3回脱気し、毎回窒素を再充填した後、100℃で21時間加熱した。反応が完了したことをLCMSが示したら、反応混合物を飽和NaHCO
3水溶液(10mL)でクエンチして、EtOAc(2×25mL)で抽出した。併合有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO
4)上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をコンビフラッシュ(SiO
2)により、0〜100%EtOAc/ヘキサン勾配溶離液で、その後、0〜5%MeOH/EtOAcで溶離して精製し、(3R)−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピラゾール−1−イル]プロピオニトリル((R)−13、遊離塩基、204.3mg、318.6mg(理論値)、収率64%)を無色油として得て、これを、真空中で室温で放置して固化した。(R)−13(遊離塩基)に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δppm12.1 (bs, 1H), 8.80 (d, 1H, J = 0.42 Hz), 8.67 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.59 (dd, 1H, J = 2.34, 3.51 Hz), 6.98 (dd, 1H, J = 1.40, 3.44 Hz), 4.53 (td, 1H, J = 19.5, 4.63 Hz), 3.26 (dd, 1H, J = 9.77, 17.2 Hz), 3.18 (dd, 1H, J = 4.32, 17.3 Hz), 2.40 (m, 1H), 1.79 (m, 1H), 1.65 to 1.13 (m, 7H);C
17H
18N
6(分子量 306.37)LCMS(EI)m/e307(M
++H)。
【0363】
【化214】
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4−クロロ−7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(3a). 窒素流入口、添加漏斗、サーモウェルおよび機械的撹拌機を装備したフラスコに、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(1、600g、3.91mol)およびジメチルアセトイミド(9.6L)を付加した。混合物を氷/ブライン浴中で−5℃に冷却し、水素化ナトリウム(NaH、60重量%、174g、4.35mol、1.1当量)を固体として分けて付加した。混合物は15分の間に暗色溶液になり、トリメチルシリルエトキシメチルクロリド(2、763mL、4.31mol、1.1当量)を、温度が5℃を超えない速度で転化漏斗により徐々に付加した。反応物を30分間撹拌して、TLCおよびHPLCにより完了したと思われ、水(1L)を徐々に付加して反応をクエンチした。次に、混合物を水(12L)およびMTBE(8L)で希釈した。層を分離して、水性層をMTBE(8L)で再抽出した。併合有機層を水(2×4L)およびブライン(4L)で洗浄し、硫酸ナトリウム(NaSO
4)上で乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。残渣をヘプタン(2L)中に溶解し、濾過し、シリカゲル(3.5kg)カラム上に載せて、ヘプタン(約6L)、95%ヘプタン/酢酸エチル(約12L)、90%ヘプタン/酢酸エチル(10L)で、そして最後に80%ヘプタン/酢酸エチル(10L)で溶離した。純粋分画を併合し、減圧下で濃縮して、4−クロロ−7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(3a、987g、1109.8g(理論値)、収率88.9%)を淡黄色油として得て、これを、室温で放置すると油状固体に部分的に固化した。3aに関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,300 MHz)δppm 8.67 (s, 1H), 7.87 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 6.71 (d, 1H, J = 3.6 Hz), 5.63 (s, 2H), 3.50 (t, 2H, J = 7.9 Hz), 0.80 (t, 2H, J = 8.1 Hz), 1.24 (s, 9H);
13C NMR(DMSO−d
6,100 MHz)δppm 151.3, 150.8, 150.7, 131.5, 116.9, 99.3, 72.9, 65.8, 17.1, -1.48;C
12H
18ClN
3OSi(分子量 283.83)、LCMS(EI)m/e284/286(M
++H)。
【0364】
4−クロロ−7−(ジエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(3b). 撹拌棒、冷却器および窒素流入口を装備した1リットル丸底フラスコに、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(1、31.0g、0.202mol)およびトリエチルオルトホルメート(330ml、2.00mol、10.0当量)を投入した。反応混合物を加温還流して、透明溶液を生成した。HPLCにより63時間後に反応を検査した。反応が完了したと思われたら、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、20%〜25%酢酸エチル/ヘキサン(v/v)勾配(TLC条件:30%酢酸エチル/ヘキサン)により溶離して、4−クロロ−7−(ジエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(3b、48.56g,51.65g(理論値)、収率94%)を薄黄色油として得た。3bに関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δppm 8.68 (s, 1H), 7.79 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 6.75 (s, 1H), 6.72 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 3.68 (dd, 2H, J = 9.4, 7.2 Hz), 3.54 (dd, 2H, J = 9.4, 7.2 Hz), 1.11 (t, 6H, J = 7.2 Hz);C
11H
14ClN
3O
2(分子量 255.70)、LCMS(EI)m/e182/184(M
++H(1 の対応する7−ホルミル化生成物に関して)および154/156(M
++H(1に関して))。
【0365】
tert−ブチル4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボキシレート(3c). 撹拌棒および窒素流入口を装備した250mL丸底フラスコに、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(1、5.00g、0.0326mol)、1,4−ジオキサン(40ml、0.500mol)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU、24.3mL、0.163mol、5.0当量)および4−(N,N−ジメチル)アミノピリジン(DMAP、0.80g、0.0065mol、0.2当量)を投入した。この溶液に、ジ−tert−ブチルジカルボネート(BOC
2O、21.2g,0.0976mol、3.0当量)を室温で一度に付加した。その結果生じた反応溶液は、二酸化炭素の発生に伴って黄色/橙色になる。反応をTLC(80%ヘキサン/酢酸エチル)によりモニタリングし、室温で約24時間撹拌後に完了した。次いで、反応混合物を20%ブライン水溶液(40mL)および酢酸エチル(40mL)で希釈した。2つの層を分離し、水性層を酢酸エチル(40mL)で抽出した。併合有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して、粗製所望生成物(3c)を赤色〜橙色油として得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(SiO
2、0〜15%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶離液)により、純tert−ブチル4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボキシレート(3c、6.28g、8.27g(理論値)、収率75.9%)をオフホワイト色固体として得た。3cに関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δppm 8.79 (s, 1H), 7.94 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 6.80 (d, 1H, J = 4.2 Hz), 1.60 (s, 9H);C
11H
12ClN
3O
2(分子量 253.68)、LCMS(EI)m/e276/278(M
++Na)。
【0366】
4−クロロ−7−(トリイソプロピルシリル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(3d). 撹拌棒、冷却器、隔壁、窒素流入口および熱電対を装備した250mL炉乾燥三つ首丸底フラスコに、水素化ナトリウム(NaH、60重量%、1.56g、0.039mol、1.2当量)および無水テトラヒドロフラン(THF、26mL、0.320mol)を投入した。混合物を0〜5℃に冷却した。炉乾燥100mL丸底フラスコに、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(1、5.00g、0.0326mol)および無水テトラヒドロフラン(42mL、0.520mol)を投入し、その結果生じたスラリーを次に、15分に亘って、大口径カニューレによりTHF中の水素化ナトリウム(NaH)懸濁液に少量ずつ付加した。基質の付加後、反応温度を6.8℃に上げた。反応混合物を、0〜5℃で40分間撹拌した後、5分間に亘って注射器で無希釈トリイソプロピルシリルクロリド(6.6g、7.24mL、0.0342mol、1.05当量)を投入した。冷却浴を除去し、反応混合物を4時間、加温還流した。反応をTLC(80%ヘキサン/酢酸エチル)によりモニタリングした。反応が完了したと思われたら、反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(100mL)および20%ブライン水溶液(50mL)で希釈した。2つの層を分離し、水性層を酢酸エチル(100mL)で抽出した。併合有機分画を1M重炭酸ナトリウム(NaHCO
3)水溶液(100mL)および20%ブライン水溶液(100mL)で洗浄して、硫酸マグネシウム(MgSO
4)上で乾燥し、濾過して、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、10%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶離液)により精製して、4−クロロ−7−(トリイソプロピルシリル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(3d、10.0g、10.10g(理論値)、収率99%)を琥珀色油として得た。3dに関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δppm 8.61 (s, 1H), 7.67 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 6.76 (d, 1H, J = 3.5 Hz), 1.86 (m, 3H), 1.02 (d, 18 H, J = 7.5 Hz);C
15H
24ClN
3Si(分子量 309.91)、LCMS(EI)m/e310/312(M
++H)。
【0367】
7−[(ベンジルオキシ)メチル]−4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(3e). 撹拌棒、熱電対、隔壁および窒素流入口を装備した炉乾燥250mL三つ首丸底フラスコに、水素化ナトリウム(NaH、60重量%、1.56g、0.039mol、1.2当量)および無水テトラヒドロフラン(THF、25.0mL、0.308mol)を投入し、その結果生じた混合物を0〜5℃に冷却した。100mL炉乾燥丸底フラスコに、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(1、5.00g、0.0326mol)および無水テトラヒドロフラン(50mL、0.616mol)を投入し、その結果生じたスラリーを、20分間に亘って、大口径カニューレによりTHF中の水素化ナトリウム(NaH)懸濁液に少量ずつ付加した。付加完了後に冷却浴を除去し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。それが16.5℃に温められると、スラリーは緑色になる。混合物を0〜5℃に冷却した後、13分間に亘って注射器で無希釈ベンジルクロロメチルエーテル(5.28mL、0.0342mol、1.05当量)を投入した。冷却浴を除去し、反応混合物を徐々に室温に上げて、室温で20時間撹拌した。反応混合物を20%ブライン水溶液(50mL)でクエンチし、反応が完了したと思われたら、酢酸エチル(100mL)で希釈した。2つの層を分離し、水性層を酢酸エチル(50mL)で抽出した。併合有機分画を硫酸マグネシウム(MgSO
4)上で乾燥し、濾過して、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、10%〜15%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶離液)により精製して、7−[(ベンジルオキシ)メチル]−4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(3e、6.31g、8.92g(理論値)、収率70.7%)を緑色油として得た。3eに関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δppm 8.69 (s, 1H), 7.90 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 7.26 (m 5H), 6.71 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 5.75 (s 2H), 4.51 (s, 2H);C
14H
12ClN
3O(分子量 273.72)、LCMS(EI)m/e274/276(M
++H)。
【0368】
(4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート(3f). オーバーヘッド撹拌、隔壁、熱電対、500mL添加漏斗および窒素流入口を装備した炉乾燥2L四つ首丸底フラスコに、水素化ナトリウム(NaH、60重量%、29.7g、0.742mol、1.34当量)および無水テトラヒドロフラン(THF、400mL、5.0mol)を投入し、その結果生じた混合物を0〜3℃に冷却した。炉乾燥1L丸底フラスコに、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(1、85.0g、0.553mol)およびテトラヒドロフラン(600mL、7.0mol)を投入して、スラリーを生じた。その結果生じたスラリーを、次に、27分間に亘って、0〜5℃で、大口径カニューレによりTHF中の水素化ナトリウムの懸濁液に少量ずつ付加した。その結果生じた溶液は、均質で緑色であった。付加後、冷却浴を除去し、混合物を徐々に室温に上げて、室温で1時間撹拌した後、0〜5℃に冷却した。0〜5℃で撹拌しながら、注射器を用いて25分間に亘って反応混合物中に、クロロメチルピバレート(ピバロイルオキシメチルクロリド、POM−Cl、103ml、0.692mol、1.25当量)を少量ずつ付加した。クロロメチルピバレート(POM−Cl)の付加は軽度に発熱性で、反応温度は14℃という高さになった。クロロメチルピバレート(POM−Cl)の付加後、冷却浴を除去し、反応温度を室温に戻して、室温で一晩撹拌した。約16時間後に反応が完了したと思われたら、20%ブライン水溶液(250mL)および酢酸エチル(250mL)で反応をクエンチすると、スラリーを生じた。混合物が均質になるまで、付加量の水(250mL)を付加した。2つの層を分離し、水性層を酢酸エチル(250mL)で抽出した。併合有機分画を硫酸マグネシウム(MgSO
4)上で乾燥し、濾過して、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO
2、10%〜15%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶離液)により精製して、所望の生成物を黄色結晶固体(155g)として得た。併合固体をヘキサン(750mL)で処理し、その結果生じたスラリーを55℃に温めると、均質溶液を生じた。その結果生じた溶液を、次に、徐々に室温に冷まして、室温で一晩撹拌した後、0〜5℃に2時間冷却した。固体を濾過により収集し、予備冷却ヘキサン(2×30mL)で洗浄し、真空乾燥して、(4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート(3f、134.9g、148.0g(理論値)、収率91%)を白色固体として得た。3fに関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δppm8.71 (s, 1H), 7.83 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 6.73 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 6.23 (s 2H), 1.06 (s, 9H);
13C NMR(DMSO−d
6、100 MHz)δppm 176.9, 151.2, 151.1, 151.0, 131.6, 117.1, 99.9, 66.9, 38.3, 26.5;C
12H
14ClN
3O
2(分子量 267.71)、LCMS(EI)m/e268/270(M
++H)。
【0369】
【化215】
[この文献は図面を表示できません]
3−シクロペンチルアクリロニトリル(8). 無水THF(5.75L)中のジエチルシアノメチルホスホネート(7、742.5g、4.2mol、1.1当量)の溶液を、氷−水−メタノール浴上で窒素下で撹拌し、THF中の1Mカリウムtert−ブトキシドの溶液(4L、4.0mol、1.05当量)を、0℃より低い温度を保持するような速度で付加した。THF中の1Mカリウムtert−ブトキシドの付加の完了後、冷却浴上で1時間、撹拌を継続して、ドライTHF(290mL)中のシクロペンタンカルブアルデヒド(6、374g、3.81mol)の溶液を、0℃より低い温度を保持するような速度で付加した。冷却浴を除去し、反応混合物を徐々に室温に上げて、室温で一晩撹拌した。反応が完了したと思われたら、反応混合物をメチルtert−ブチルエーテル(MTBE、14L)、水(10L)およびブライン(6L)間に分配した。2つの層を分離し、併合有機相をブライン(6L)で洗浄した。水性相をMTBE(10L)で抽出し、ブライン(6L)で洗浄した。併合有機抽出物を減圧下で濃縮し、残渣を蒸留して(65〜78℃/6torr)、3−シクロペンチルアクリロニトリル(8、437.8g、461.9g(理論値)、収率94.8%)を無色油として得て、これは、E−およびZ−異性体の混合物であることが判明した。8に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)(Z異性体に関して)δppm6.58 (t, 1H, J = 10.6 Hz), 5.55 (dd, 1H, J = 10.8, 0.59 Hz), 2.85 (m, 1H), 1.90 - 1.46 (m, 6H), 1.34 (m, 2H)および(E異性体に関して)δppm6.83 (q, 1H, J = 8.3 Hz), 5.66 (dd, 1H, J = 16.5, 1.4 Hz), 2.60 (m, 1H), 1.90 - 1.46 (m, 6H), 1.34 (m, 2H);
13C NMR(DMSO−d
6,100 MHz)(Z異性体に関して)δppm 159.8, 116.6, 97.7, 42.3, 32.3, 25.1および(E異性体に関して)δppm160.4, 118.1, 97.9, 43.2, 31.5, 24.8; C
8H
11N(分子量 121.18)、GCMS (EI)m/e120(M
+−H)。
【0370】
【化216】
[この文献は図面を表示できません]
4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(5). 方法A:還流冷却器、窒素流入口、機械的撹拌器およびサーモウェルを装備したフラスコに、4−クロロ−7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(3a、817g、2.88mol)およびジオキサン(8L)を付加した。この溶液に、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(4、728g、3.75mol、1.30当量)を、その後、水(4L)中の炭酸カリウム(K
2CO
3、1196g、8.67mol、3.0当量)の溶液を付加した。窒素流をその溶液に15分間通すことにより溶液を脱気し、その後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(167g、0.145mol、0.05当量)で処理し、その結果生じた反応混合物を、2時間、還流(約90℃)加熱した。TLC(1:1 ヘキサン/酢酸エチル)およびLCMSにより反応が完了したと思われたら、反応混合物を室温に冷まして、酢酸エチル(24L)および水(4L)で希釈した。2つの層を分離し、水性層を酢酸エチル(4L)で抽出した。併合有機層を水(2×2L)およびブライン(2L)で洗浄し、硫酸マグネシウム(Na
2SO
4)上で乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をトルエン(4L)中に懸濁し、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、最終的に、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE、3L)で粉砕して、固体を濾過により収集し、MTBE(1L)で洗浄して、4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(5、581.4g、908.5g(理論値)、収率64%)を白色結晶固体として得た。5に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δppm 13.41 (bs, 1H), 8.74 (s, 1H), 8.67 (bs, 1H), 8.35 (bs, 1H), 7.72 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 7.10 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 5.61 (s, 2H), 3.51 (t, 2H, J = 8.2 Hz), 0.81 (t, 2H, J = 8.2 Hz), 0.13 (s, 9H);C
15H
21N
5OSi(分子量 315.45)、LCMS(EI)m/e316(M
++H)。
【0371】
ラセミ3−シクロペンチル−3−{4−[7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]ピラゾール−1−イル}プロピオニトリル(9,ラセミSEM−保護化合物). 方法A:3−シクロペンチルアクリロニトリル(8、273.5g、2.257mol、1.20当量)およびDBU(28mL、0.187mol、0.10当量)を、室温で、アセトニトリル(4.7L)中の4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(5、591.8g、1.876mol)の懸濁液に付加した。その結果生じた反応混合物を、17時間、50〜60℃に加熱し(加熱の途中で透明溶液が出現した)、次いで、8時間、70〜80℃に加熱した。反応が完了したようであることをLCMSが示したら、反応混合物を室温に冷ました。次に、冷却溶液を減圧下で濃縮して、粗生成物(9)を濃い琥珀色油として得た。粗生成物をジクロロメタン(DCM)中に溶解し、シリカゲル上に吸収させて、次いで、33%EtOAc/ヘプタン中に詰め込まれたシリカカラム(3Kg)上に乾燥負荷した。カラムを、33%EtOAc/ヘプタン(21L)、50%EtOAc/ヘプタン(28L)、60%EtOAc/ヘプタン(12L)および75%EtOAc/ヘプタン(8L)で溶離した。所望の生成物(9)を含有する分画を併合し、減圧下で濃縮して黄色油を得て、これを、EtOAcを有する3Lフラスコに移した。減圧下で溶媒を除去し、ヘプタンと同時蒸発させることにより残留EtOAcを除去した。残渣を高真空下で一晩さらに乾燥して、ラセミ3−シクロペンチル−3−{4−[7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]ピラゾール−1−イル}プロピオニトリル(9、ラセミSEM−保護化合物、800g、819g(理論値)、収率97.7%)を、非常に粘性の黄色油として得た。9に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δppm8.83 (s, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.39 (s, 1H), 7.77 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 7.09 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 5.63 (s, 2H), 4.53 (td, 1H, J = 19.4, 4.0 Hz), 3.51 (t, 2H, J = 8.1 Hz), 3.23 (dq, 2H, J = 9.3, 4.3 Hz), 2.41 (m, 1H), 1.79 (m, 1H), 1.66 - 1.13 (m, 7H), 0.81 (t, 2H, J = 8.2 Hz), 0.124 (s, 9H);C
23H
32N
6OSi(分子量 436.63)、LCMS(EI)m/e437(M
++H)および459(M
++Na)。
【0372】
(3R)−シクロペンチル−3−{4−[7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]ピラゾール−1−イル}プロピオニトリル((R)−10)および(3S)−シクロペンチル−3−{4−[7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]ピラゾール−1−イル}プロピオニトリル((S)−10) イソプロパノール(IPA)3.0L中の20μのキラルセル(登録商標)ODキラル固定相(CSP)(Daicel製)1.5Kgのスラリーを、150barの充填圧下で、PROCHROM動的軸方向圧縮カラムLC110−1(内径11cm×長さ25cm;カラム隙間容積:約1.5L)中に詰め込んだ。次に充填されたカラムを、Novasep Hipersep HPLCユニット上に据え付けた。カラムおよびHipersepユニットを、メタノール(17L)で、その後、イソプロパノールおよびヘキサンの混合物(容積で2:8、17L)からなる移動相で洗い流した。次いで、移動相中に3−シクロペンチル−3−{4−[7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]ピラゾール−1−イル}プロピオニトリル(9、ラセミSEM−保護化合物、2795g、6.4mol)を溶解して、80g/Lの濃度にすることにより、供給溶液を調製した。次に、分離のために供給溶液を、順次、分取キラルカラム中に注入した。各々注入は、120ml容積であった。キラルカラムを、室温で、570mL/分の流量で、移動相で溶離した。330nmの波長でのUVにより、カラム溶離をモニタリングした。これらの条件下で、2つのエナンチオマーの基線分離を達成した。保持時間は、それぞれ、16.4分(ピーク1、非所望(S)−エナンチオマー(S)−10)および21.0分(ピーク2、所望(R)−エナンチオマー(R)−10)であった。各注入のための周期時間は11分で、この分離工程のために合計317回の注入を実施した。ピーク1(非所望(S)−エナンチオマー、(S)−10)およびピーク2(所望(R)−エナンチオマー、(R)−10)に対する分画を、各注入から別々に収集した。収集分画を減圧(40〜120bar)下で、40℃で、それぞれ、1平方フィートおよび2平方フィートROTOTHERM蒸発器中で継続的に濃縮した。各蒸発器からの残渣をさらに、高真空下で一定重量に乾燥して、(3R)−シクロペンチル−3−{4−[7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]ピラゾール−1−イル}プロピオニトリル((R)−10、1307g、1397.5g(理論値)、93.5%)を薄黄色油としてピーク2から、および(3S)−シクロペンチル−3−{4−[7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]ピラゾール−1−イル}プロピオニトリル((S)−10、1418g、1397.5g(理論値)、101.5%)を黄色油としてピーク1から得た。
【0373】
セルローストリス(3,5−ジメチルフェニルカルバメート)(キラルセル(登録商標)OD)で被覆されたシリカゲルを詰め込まれたキラルセル(登録商標)OD−Hカラム(4.6×250mm、5μm)(Chiral Technologies, Inc.から購入)を用いて、SEM−保護化合物の両エナンチオマー((R)−10および(S)−10)のキラル純度評価のために、キラルHPLC法を開発した。1mL/分の流量で、室温で、10%エタノールおよび90%ヘキサンからなる移動相を用いることにより、3.0より大きい分解能で、SEM保護化合物の2つのエナンチオマーを分離した。UV検出波長は220nmである。(S)−エナンチオマー((S)−10)および(R)−エナンチオマー((R)−10)に関する保持時間は、それぞれ10.3分および13.1分である。
【0374】
化学純度(HPLC面積%および重量%)、キラル純度(キラルHPLC面積%)および残留溶媒(IPAおよびヘキサン)を含めた分取キラルHPLCにより分離された各エナンチオマーの質を分析し、それらの構造をNMRおよびLC/MSにより確証する。(R)−10に関しては:アキラル純度(220nmで検出されたHPLCにより99.0面積%;HPLC重量パーセント検定により100.1重量%);キラル純度(キラルHPLCにより99.7面積%;99.4%ee);残留溶媒(IPAに関して3.7重量%;ヘキサンに関して0.01重量%);
1H NMR(DMSO−d
6、400 MHz)δppm8.83 (s, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.39 (s, 1H), 7.77 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 7.09 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 5.63 (s, 2H), 4.53 (td, 1H, J = 19.4, 4.0 Hz), 3.51 (t, 2H, J = 8.1 Hz), 3.23 (dq, 2H, J = 9.3, 4.3 Hz), 2.41 (m, 1H), 1.79 (m, 1H), 1.66 - 1.13 (m, 7H), 0.81 (t, 2H, J = 8.2 Hz), 0.124 (s, 9H);C
23H
32N
6OSi(分子量 436.63)、LCMS(EI)m/e437(M
++H)および459(M
++Na)。(S)−10に関しては:アキラル純度(220nmで検出されたHPLCにより99.3面積%;HPLC重量パーセント検定により99.9重量%);キラル純度(キラルHPLCにより99.7面積%;99.4%ee);残留溶媒(IPAに関して4.0重量%;ヘキサンに関して0.01重量%);
1H NMR (DMSO−d
6,400 MHz)δppm 8.83 (s, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.39 (s, 1H), 7.77 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 7.09 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 5.63 (s, 2H), 4.53 (td, 1H, J = 19.4, 4.0 Hz), 3.51 (t, 2H, J = 8.1 Hz), 3.23 (dq, 2H, J = 9.3, 4.3 Hz), 2.41 (m, 1H), 1.79 (m, 1H), 1.66 - 1.13 (m, 7H), 0.81 (t, 2H, J = 8.2 Hz), 0.124 (s, 9H);C
23H
32N
6OSi(分子量 436.63)、LCMS(EI)m/e437(M
++H)および459(M
++Na)。
【0375】
(3R)−シクロペンチル−3−{4−[7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]ピラゾール−1−イル}プロピオニトリル((R)−10)および(3S)−シクロペンチル−3−{4−[7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]ピラゾール−1−イル}プロピオニトリル((S)−10).
8つのカラムを装備したSMBユニット上で、ラセミ混合物を処理した。以下の実施例で提示される種々の条件を用いて、種々の規模で、分離を実施した。純度の迅速確定を可能にするために分離に用いられる同一移動相および同一固定相を用いてキラルHPLC法により、各エナンチオマーの純度をモニタリングした。各々の場合に、回転蒸発器または流下薄膜蒸発器を用いて、真空下での蒸発により、濃縮溶液として、両エナンチオマーを回収した。実施例1〜3では、所望のエナンチオマーをラフィネートとして回収する。実施例4では、所望のエナンチオマーを抽出物として回収する。報告されるキラル純度および収率は、定常状態操作を保証するためにSMBユニットが少なくとも10〜15サイクルの間操作された後に測定されたデータである。種々の操作条件を試験して、高純度および高生成物収率を保証した。実施例1〜3では、同一固定相および移動相を用いる分離を、種々のカラム直径を有する種々のSMBユニットに関して試験する。実施例4では、SMBを、2つの異なる操作圧で操作する。実施例4では、SMBゾーンIIIの長さを増大することにより、カラム形状を古典的<2>/<2>/<2>/<2>から<2>/<2>/<3>/<1>に変更して、ラフィネートの純度を増大し、処理量を増大した。
【0376】
実施例 1:50g規模
カラム: キラルセル(登録商標)OD
移動相: イソプロピルアルコールおよびn−ヘプタン 20/80(v/v)
カラム長: 10cm
カラム内径:10 mm
カラム数: 8
供給濃度:80g/l
温度: 25℃.
【表4】
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【0377】
実施例 2:25g規模
カラム: キラルセル(登録商標)OD
移動相: イソプロピルアルコールおよびn−ヘプタン 20/80(v/v)
カラム長: 9.5cm
カラム内径:49 mm
カラム数: 8
供給濃度:80g/l
温度: 25℃.
【表5】
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【0378】
実施例 3:100g規模
カラム: キラルセル(登録商標)OD
移動相: イソプロピルアルコールおよびn−ヘプタン 20/80(v/v)
カラム長: 9.0cm
カラム内径:200 mm
カラム数: 8
供給濃度:53.7g/l
温度: 25℃.
【表6】
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【0379】
実施例 4:100g規模
カラム: (S,S) ウェルク−O(登録商標)1
移動相: メチル−tert−ブチルエーテル
カラム長: 10.0cm
カラム内径:10mm
カラム数: 8
供給濃度:90g/l
【表7】
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【0380】
(3R)−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピラゾール-1-イル]プロピオニトリル((R)−12、遊離塩基). 方法A:アセトニトリル(4.5L)中の(3R)−シクロペンチル−3−{4−[7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]ピラゾール−1−イル}プロピオニトリル((R)−10、463g、1.06mol、98.6%ee)の溶液に、水(400mL)を、その後直ぐに、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF
4、987.9g、10.5 mol、10.0当量)を室温で付加した。反応温度を観察して、水の付加時に周囲温度から12℃に下げ、次いで、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF
4)の付加中に33℃に上げた。その結果生じた反応混合物を、一晩、加熱還流(約80℃)した。アリコートを酢酸エチル/水中に入れてクエンチし、LCMSおよびTLC(95:5 酢酸エチル/メタノール、v/v)により検査した。ヒドロキシルメチル中間体((R)−11)および完全脱保護化物質((R)−12、遊離塩基)がともに生じたが、出発物質((R)−10)は残っていないことをLCMSおよびTLCが示したら、反応混合物を徐々に5℃未満に冷却し、その後、水酸化アンモニウムの20%水溶液(NH
4OH、450mL)を徐々に付加して、反応混合物のpHを9に調整した(pHストリップで検査)。冷却浴を除去し、反応混合物を徐々に室温に上げて、室温で一晩撹拌した。アリコートを酢酸エチル/水中に入れてクエンチし、LCMSおよびTLC(95:5 酢酸エチル/メタノール、v/v)により検査して、完全脱保護を確証した。反応が完了したようであることをLCMSおよびTLCが示したら、反応混合物を濾過し、固体をアセトニトリル(1L)で洗浄した。次に、併合濾液を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチル(6L)および半飽和ブライン(3L)間に分配した。2つの層を分離し、水性層を酢酸エチル(2L)で抽出した。併合有機層を半飽和重炭酸ナトリウム(NaHCO
3、3L)およびブライン(3L)で洗浄し、硫酸ナトリウム(Na
2SO
4)上で乾燥し、減圧下で濃縮して、粗生成物を橙色油として得た。次いで、粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO
2、40〜100%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶離液)により精製して、(3R)−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピラゾール−1−イル]プロピオニトリル((R)−12、遊離塩基、273mg、324.9mg(理論値)、収率84%)を、白色発泡体として得た。この物質を
19F NMRにより検査して、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF
4)が残存していないことを保証し、キラルHPLC(キラルセル(登録商標)OD、90:10 ヘキサン/エタノール)により、エナンチオマー純度(98.7%ee)を確証して、さらに精製せずに用いて、対応するリン酸塩を調製した。(R)−12(遊離塩基)に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δppm 12.1 (bs, 1H), 8.80 (d, 1H, J = 0.42 Hz), 8.67 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.59 (dd, 1H, J = 2.34, 3.51 Hz), 6.98 (dd, 1H, J = 1.40, 3.44 Hz), 4.53 (td, 1H, J = 19.5, 4.63 Hz), 3.26 (dd, 1H, J = 9.77, 17.2 Hz), 3.18 (dd, 1H, J = 4.32, 17.3 Hz), 2.40 (m, 1H), 1.79 (m, 1H), 1.65 to 1.13 (m, 7H);C
17H
18N
6(分子量 306.37)LCMS(EI)m/e307(M
++H)。
【0381】
【化217】
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(R)−3−(4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)−3−シクロペンチルプロパンニトリル(R)−10. アセトニトリル(600mL)中の(R)−3−シクロペンチル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピラゾール−1−イル)プロパンニトリル((R)−10、75.0g、0.172mol、98.8%ee)の溶液を、0〜5℃に冷却した。内部反応温度を5℃より低く保持しながら、10分間に亘って、冷却溶液にボロントリフルオリドジエチルエテレート(54.4mL、0.429mol)を付加した。付加後、冷却浴を除去し、反応混合物を室温に上げさせた。(R)−10のレベルが1%より低いことをHPLC分析が示したら、脱保護反応の初期相は完了したと考えられた。次に、反応物を0〜5℃に冷却し、その後、水(155mL)を徐々に付加した。水付加後、冷却浴を除去し、その結果生じた反応混合物を13〜17℃に加温して、さらに2〜3時間撹拌した。その結果生じた反応混合物を再び0〜5℃に冷却した。内部反応温度を5℃より低く保持しながら、冷却反応混合物に、水中のアンモニアの溶液[28%アンモニア水溶液(104.5mL)と水(210.5mL)を混合することにより調製]を徐々に付加した。アンモニア水溶液を付加した後、冷却浴を除去し、反応物を室温に上げた。ヒドロキシルメチル中間体のレベルがHPLC分析により1%より低い場合に、加水分解が完了したと考えられた。
【0382】
その結果生じた反応混合物を、酢酸エチル(315mL)で希釈し、20%ブライン(315mL)で洗浄した。水性分画を、酢酸エチル(315mL)で抽出し戻した。有機分画を併合し、40℃の浴温度で真空下で濃縮して、容積を380mLとした。濃縮残渣を酢酸エチル(600mL)で希釈し、1M NaHCO
3(2×345mL)および20%ブライン(345mL)で洗浄した。水性洗浄液を併合し、酢酸エチル(345mL)で抽出し戻した。有機分画を併合し、透明2L丸底フラスコ中に研磨濾過した。有機分画を温水(50℃、2×450mL)で洗浄し、次いで、15分間撹拌しながら、65℃で、活性炭で処理した。スラリーを、セライト床を通して濾過した。濾液を、40℃の浴温度で、真空下で濃縮した。その結果生じたシロップを高真空下において、(R)−3−(4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)−3−シクロペンチルプロパンニトリル[(R)−12、54.2g、収率103%]を薄黄色発泡体として得た。この物質を
19F NMRにより検査して、如何なるフッ素化不純物によっても汚染されていないことを保証した。単離遊離塩基の化学純度は、96.3%であった。遊離塩基のキラル純度は、HPLC(キラルセルOD、90:10 ヘキサン/エタノール)により98.8%であった。遊離塩基をさらに精製せずに用いて、リン酸塩を調製した。
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δ12.11(bs, 1H), 8.79(d, 1H, J=0.43 Hz), 8.67(s, 1H), 8.37(s, 1H), 7.59(q, 1H, J=2.3 Hz), 6.98(q, 1H, J=1.6 Hz), 4.53(td, 1H, J=19.2, 4.1 Hz), 3.22(dq, 2H, J=9.8, 4.3 Hz), 2.40(m, 1H), 1.79(m, 1H), 1.65-1.13(m, 7H).;C
17H
16N
6(分子量 306.37)、LCMS(EI)m/e307(M
++H)。
【0383】
【化218】
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(3R)−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピラゾール−1−イル]プロピオニトリルリン酸塩((R)−13、リン酸塩).
方法A.:イソプロパノール(IPA、8L)中の(3R)−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピラゾール−1−イル]プロピオニトリル((R)−12、遊離塩基、572g、1.87mol)の溶液に、60〜65℃で、イソプロパノール(1.6L)中のリン酸(186.2g,1.9mol、1.10当量)の溶液を付加した。リン酸の溶液の付加の間、発熱は観察されず、ほぼ直ちに、沈澱が形成された。その結果生じた混合物を、次に、76℃で1.5時間加熱し、次いで、徐々に周囲温度に冷まして、室温で一晩撹拌した。混合物を濾過し、固体をヘプタンとイソプロパノールの混合物(1/1、v/v、3L)で洗浄した後、元のフラスコに戻して、ヘプタン(8L)中で1時間撹拌した。固体を濾過により収集し、ヘプタン(1L)で洗浄して、真空中で40℃で対流式炉中で乾燥して、一定重量として、(3R)−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピラゾール−1−イル]プロピオニトリルリン酸塩((R)−13、リン酸塩、634.2g、755g(理論値)、収率84%)を白色〜オフホワイト色結晶固体として得た。(R)−13(リン酸塩)に関しては:融点197.6℃;
1H NMR(DMSO−d
6,500 MHz)δppm12.10 (s, 1H), 8.78 (s, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.36 (s 1H), 7.58 (dd, 1H, J = 1.9, 3.5 Hz), 6.97 (d, 1H, J = 3.6 Hz), 4.52 (td, 1H, J = 3.9, 9.7 Hz), 3.25 (dd, 1H, J = 9.8, 17.2 Hz), 3.16 (dd, 1H, J = 4.0, 17.0 Hz), 2.41, (m, 1H), 1.79 (m, 1H), 1.59 (m, 1H), 1.51 (m, 2H), 1.42 (m, 1H), 1.29 (m, 2H), 1.18 (m, 1H);
13C NMR(DMSO−d
6,125 MHz)δppm 152.1, 150.8, 149.8, 139.2, 131.0, 126.8, 120.4, 118.1, 112.8, 99.8, 62.5, 44.3, 29.1, 29.0, 24.9, 24.3, 22.5;C
17H
18N
6(遊離塩基に関する分子量 306.37)LCMS(EI)m/e307(M
++H、塩基ピーク)、329.1(M
++Na)。
【0384】
方法B.:ジクロロメタン(782mL)および2−プロパノール(104mL)中の(R)−3−(4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)−3−シクロペンチルプロパンニトリル((R)−12、54.2g、177mol)の溶液に、還流で、47分の期間に亘って、2−プロパノール(34.0mL)中のリン酸(19.9g、0.173mol、1.15当量)の溶液を付加した。酸付加後、その結果生じた混合物を、さらに1時間、加熱還流した。混合物を徐々に周囲温度に冷まして、3時間撹拌した。固体を濾過により収集し、ジクロロメタン(390mL)で、その後、n−ヘプタン(390mL)で洗浄した。固体を、部分的に、室温で真空下で、次いで、62℃で真空下で乾燥して、(R)−3−(4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)−3−シクロペンチルプロパンニトリルリン酸塩(、60.1g、収率84%)を、白色〜オフホワイト色結晶固体として得た。キラルHPLCによる分析(キラルセルOD、90:10 ヘキサン/エタノール)により、エナンチオ純度 99.2%eeを得た。
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δ 12.11(bs, 1H), 8.79(d, 1H, J=0.59 Hz), 8.67(s, 1H), 8.36(s, 1H), 7.59(q, 1H, J=2.3 Hz), 6.98(q, 1H, J=1.6 Hz), 4.53(td, 1H, J=19.6, 4.4 Hz), 3.22(dq, 2H, J=9.6, 4.3 Hz), 2.40(m, 1H), 1.79(m, 1H), 1.65-1.13(m, 7H).;C
17H
21N
6O
4P(分子量 404.36)、LCMS(EI)m/e307(M
++H)およびm/e329(M
++Na)。
【0385】
【化219】
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(R)−3−(4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)−3−シクロペンチルプロパンニトリルリン酸塩. 撹拌棒、ト字管、添加漏斗および加熱マントルを装備した1L丸底フラスコに、メタノール(520mL)および(R)−3−(4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)−3−シクロペンチルプロパンニトリルリン酸塩((R)−13、リン酸塩、40.0グラム,98.92mmol)を投入した。スラリーを55℃に加熱して、わずかに桃色の溶液を生じた。溶液を50℃に冷却して、オーバーヘッド撹拌器、ト字管、添加漏斗および加熱マントルを装備した2Lフラスコ中に濾過した。1L丸底フラスコおよび濾過漏斗を、さらなるメタノール(104.0mL)ですすいだ。濾液を加熱還流して、大気圧下で1時間に亘ってメタノール(281mL)を蒸留した。内部温度を約65℃に保持しながら、80分に亘って、付加的漏斗により徐々にイソプロピルアルコール(IPA)(320mL)を投入した。IPA付加中に、リン酸塩の沈降が観察された。IPAの付加完了後、n−ヘプタン(175mL)を同一温度で徐々に付加した。蒸留を、大気圧下で継続した。内部温度を約65℃に保持しながら、追加のn−ヘプタン(825mL)を、蒸留速度とほぼ同一速度で付加した。蒸留物の容積が742mL(前の蒸留からのメタノール281mLを除く)に達したら、蒸留は完了した。蒸留は、約1時間を要した。蒸留中の蒸気温度は54〜64℃の範囲であり、内部温度は蒸留終了時に67℃であった。混合物を徐々に室温に冷まして、さらに3時間撹拌した。固体を濾過により収集した。湿潤ケーキを、n−ヘプタン中の16.7%(v/v)のイソプロピルアルコール(384.0mL)で、その後、n−ヘプタン(280.0mL)で洗浄し、55℃で真空下で乾燥して、36.1グラムの所望の生成物を白色固体として収率90%で得た。化学純度は、HPLC分析により99.79%である。キラル純度は、キラルHPLC分析により99.8%である。
1H NMR(499.7 MHz、DMSO−d6)δ(ppm):12.21 (s, 1H), 10.71 (s, 3H), 8.80 (s, 1H), 8.72 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 7.60 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 7.00 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 4.51 (td, J = 9.75, 4.0 Hz, 1H), 3.25 (dd, J = 17.3, 9.75 Hz, 1H), 3.14 (dd, J = 17.0, 4.0 Hz, 1H), 2.43-2.35 (m, 1H), 1.79-1.73 (m, 1H), 1.58-1.42 (m, 3H), 1.41-1.33 (m, 1H), 1.30-1.23 (m, 2H), 1.19-1.12 (m, 1H);
13C NMR(125.7 MHz、DMSO−d6)δ(ppm):152.8, 151.2, 150.3, 140.0, 131.8, 127.7, 120.8, 118.8, 113.5, 100.7, 63.3, 45.0, 29.8, 25.6, 25.0, 23.2;LCMSm/z:C
17H
18N
6に関する理論値(M+H)
+:=307.2。実測値(M+H)
+:307.0。
【0386】
【化220】
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4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(5). 方法B:オーバーヘッド撹拌、冷却器、サーモウェルおよび窒素流入口を装備した反応器に、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(4、600g、3.09mol)、トルエン(4.2L)およびエチルビニルエーテル(334.5g、4.64mol、0.44L、1.50当量)を室温で投入した後、ジエチルエーテル中のHClの2M溶液(39mL、0.0078mol、0.025当量)を滴下した。その結果生じた反応混合物を、4〜8時間、35〜40℃に加熱した。反応が完了したようであることをHPLCが示したら、反応混合物を15〜25℃に冷却した後、NaHCO水溶液で処理してpH>8とした。2つの層を分離し、有機層を減圧下で濃縮して、粗製1−(1−エトキシエチル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(14)を得て、これを、さらに精製せずに、その後の鈴木カップリング反応に直接用いた。
【0387】
オーバーヘッド撹拌、冷却器、サーモウェルおよび窒素流入口を装備した反応器に、水(H
2O、1.5L)、炭酸カリウム(K
2CO
3、1047g、7.58mol、2.45当量)、4−クロロ−7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(3a、755g、2.66mol)、粗製1−(1−エトキシエチル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(14、822g(100%変換を基礎にして)、3.09mol、1.16当量)(上記と同様に製造)および1−プロパノール(6L)を、室温で投入した。その結果生じた反応混合物を、毎回窒素ガスを裏込めしながら3回脱気した後、室温で、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(9.2g、0.008mol、0.0026当量)で処理した。その結果生じた反応混合物を、1〜4時間、加熱し、静かに還流させた(約90℃)。反応が完了したようであることをHPLCが示したら、反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。次いで、残渣を室温に冷まして、酢酸エチル(9L)および水(4L)で希釈した。2つの層を分離し、水性層を酢酸エチル(2×2.5L)で抽出した。併合有機層を水(2×2L)で洗浄し、減圧下で濃縮して、粗製4−(1−(1−エトキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(15)を得て、これをさらに精製せずに、その後の酸促進脱保護反応に直接用いた。
【0388】
オーバーヘッド撹拌、冷却器、サーモウェルおよび窒素流入口を装備した反応器に、粗製4−(1−(1−エトキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(15、1030.9g(100%変換を基礎にして)、2.66mol)、テトラヒドロフラン(THF、0.9L)、水(H
2O、4.4L)および10%HCl水溶液(2.7L、10.64mol、3.44当量)を室温で投入した。その結果生じた反応混合物を、室温で2〜5時間撹拌した。反応が完了したようであることをHPLCが示したら、反応混合物を、室温で、30%水酸化ナトリウム溶液(940mL、11.70mol、3.78当量)で処理した。その結果生じた反応混合物を、室温で1〜2時間撹拌した。固体を濾過により収集し、水(2×0.75L)で洗浄して、45〜55℃で真空炉中で乾燥して一定重量にして、粗製4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(5、826.8g、839.1g(理論値)、収率98.5%)を、オフホワイト固体として得た(HPLCにより94.2面積%純粋)。この粗製物質を、その後、アセトニトリル中で再結晶化して、純粋化合物5(738.4g、839.1g(理論値)、収率88%)を白色結晶として得て(HPLCにより99.5面積%)、これは、方法Aから製造される物質と、全ての比較可能な態様において、同一であることが判明した。
【0389】
【化221】
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4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(5). 方法C:オーバーヘッド撹拌、冷却器、サーモウェルおよび窒素流入口を装備した反応器に、水(H
2O、9.0L)、炭酸カリウム(K
2CO
3、4461g、32.28mol、2.42当量)、4−クロロ−7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(3a、3597g、12.67mol)、1−(1−エトキシエチル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(14、3550、13.34mol、1.05当量)および1−ブタノール(27L)を、室温で投入した。その結果生じた反応混合物を、毎回窒素ガスを裏込めしながら3回脱気した後、室温で、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(46g、0.040mol、0.003当量)で処理した。その結果生じた反応混合物を、1〜4時間、加熱し、静かに還流させた(約90℃)。反応が完了したようであることをHPLCが示したら、反応混合物を室温に冷ました後、セライト床を通して濾過した。セライト床を酢酸エチル(2×2L)で洗浄し、その後、濾液および洗浄溶液を併合した。2つの層を分離し、水性層を酢酸エチル(12L)で抽出した。併合有機層を減圧下で濃縮して、溶媒を除去し、粗製4−(1−(1−エトキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(15)を、これをさらに精製せずに、その後の酸促進脱保護反応のために、テトラヒドロフラン(THF、4.2L)とともに反応器に直接戻し入れた。
【0390】
反応器中のテトラヒドロフラン(THF、4.2L)中で上記と同様に製造した粗製4−(1−(1−エトキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(15)の懸濁液に、水(H
2O、20.8L)および10%HCl水溶液(16.2L、45.89mol、3.44当量)を室温で投入した。その結果生じた反応混合物を、16〜30℃で2〜5時間撹拌した。反応が完了したようであることをHPLCが示したら、反応混合物を、室温で、30%水酸化ナトリウム(NaOH)溶液(4L、50.42mol、3.78当量)で処理した。その結果生じた反応混合物を、室温で1〜2時間撹拌した。固体を濾過により収集し、水(2×5L)で洗浄した。湿潤ケーキを、アセトニトリル(21.6L)とともに反応器に戻し入れて、その結果生じた懸濁液を1〜2時間、加熱し、静かに還流させた。次いで、透明溶液を撹拌しながら徐々に室温に冷まして、冷却しながら固体を溶液から析出させた。混合物を、さらに1〜2時間、室温で撹拌した。固体を濾過により収集し、アセトニトリル(2×3.5L)で洗浄し、45〜55℃で減圧下で炉中で乾燥して一定重量にして、4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(5、3281.7g、3996.8g(理論値)、収率82.1%)を、白色結晶固体として得て(HPLCにより99.5面積%純粋)、これを、これは、方法AおよびBから製造される物質と、全ての比較可能な態様において、同一であることが判明した。
【0391】
【化222】
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4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(5). 1,2−ジメトキシエタン(DME、20.0mL,192.4mmol)中の水素化ナトリウム(NaH、60重量%油性、4.05g、101.3mmol、1.54当量)の懸濁液に、0〜5℃(氷浴)で、温度を5℃以下(−7℃〜5℃)に保持するよう徐々に、1,2−ジメトキシエタン(DME、80.0mL、769.6mmol)中の4−クロロピロロ[2,3−d]ピリミジン(1、10.08g,65.6mmol)を付加した。直ちに、大量のガスが放出された。その結果生じた反応混合物を0〜5℃で30分間撹拌した後、トリメチルシリルエトキシメチルクロリド(2、12.56g、75.3mmol、1.15当量)を、反応温度を5℃より低く保持しながら、徐々に付加した。付加後、反応物を0℃で1時間撹拌した後、23時間、室温に温めた。反応が完了したようであるとHPLCおよびTLCが示したら、反応混合物を室温で水(46mL)でクエンチし、所望の生成物(3a)を含有するクエンチされた反応混合物を、さらなる後処理および精製をせずに、次の鈴木カップリング反応に直接移した。
【0392】
上記のような前の反応からの粗製4−クロロ−7−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(3a、18.63g、65.64mmol)を含有するクエンチされた反応混合物に、室温で、1,2−ジメトキシエタン(DME、38mL)、粉末炭酸カリウム(K
2CO
3、23.56g、170.5mmol、2.6当量)、1−(1−エトキシエチル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(14、18.60g、69.89mmol、1.06当量)を付加した。その結果生じた混合物を、毎回窒素ガスを裏込めしながら4回脱気した後、室温で、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(244.2mg、0.21mmol、0.003当量)で処理した。その結果生じた反応混合物を、毎回窒素ガスを裏込めしながら4回脱気した後、4〜8時間、80℃に温めた。反応が完了したようであることをTLCおよびHPLCが示したら、反応混合物を徐々に室温に冷まして、短床のセライト(10g)に通して濾過した。セライト 床を酢酸エチル(EtOAc、20mL)で洗浄した。濾液の2つの層を分離し、水性層を酢酸エチル(2×30mL)で抽出した。併合有機抽出物を飽和NaCl水溶液(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO
4)上で乾燥して、減圧下で濃縮した。粗製の所望の鈴木カップリング生成物(15)を含有する残渣を、次に、THF(22mL)を含入する500mL丸底フラスコに移して、その後、さらに精製せずに脱保護反応に付した。
【0393】
THF(22mL)中の粗製鈴木カップリング生成物(15)の溶液を、室温で、水(108mL)で、ならびに、19.6mLの濃HClを64mLのH
2Oと混合することにより調製された10%HCl水溶液で処理した。その結果生じた反応混合物を、室温で4〜6時間撹拌した。脱保護反応が完了したようであることをTLCおよびHPLCが示したら、21.0mLのH
2O中に10.4gのNaOHを溶解することにより調製された30%水酸化ナトリウム水溶液(NaOH)を、25℃より低い温度を保持しながら、反応混合物に徐々に付加した。固体は徐々に溶解し、10分後に再沈澱した。混合物を室温で1〜2時間撹拌した後、固体を濾過により収集し、H
2O(50mL)で洗浄した。湿潤ケーキを250mL三つ首フラスコに移して、室温で、アセトニトリル(MeCN、112mL)で処理した。混合物を2時間、加熱、還流した後、徐々に室温に冷まして、室温で1時間撹拌した。固体を濾過により収集し、MeCN(36mL)で洗浄し、真空炉中で40〜45℃で乾燥して、4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(5、15.3g、20.7g(理論値)、収率73.9%)を、白色結晶固体として得て(HPLCにより99.4面積%)、これは、方法A、BおよびCから製造された物質と、全ての比較可能な態様において、同一であることが判明した。
【0394】
【化223】
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ラセミ3−シクロペンチル−3−{4−[7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]ピラゾール−1−イル}プロピオニトリル(9、ラセミSEM−保護化合物). 方法B:撹拌棒、熱電対、冷却器および窒素流入口を装備した四つ首250mL丸底フラスコ中に、(3S)−シクロペンチル−3−{4−[7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]ピラゾール−1−イル}プロピオニトリル((S)−10、13.9 g、31.5mmol)、
アセトニトリル(84mL)および3−シクロペンチルアクリロニトリル(8、EおよびZ異性体の混合物、3.82g、31.5mmol、1.0当量)を、室温で投入した。その結果生じた混合物を、次に、室温で、炭酸セシウム(Cs
2CO
3、2.57g、7.88mmol、0.25当量)で処理した。反応混合物を65℃に加温して、12時間後に、キラルHPLCにより検査して、化合物(R)−10対化合物(S)−10のエナンチオマー比を決定した。化合物(R)−10対化合物(S)−10の比が1:1に達したら、次に、反応混合物を室温に徐々に冷却させて、室温で24〜48時間撹拌した。反応混合物をHPLCによりモニタリングして、4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(5)のレベルを確定した。化合物5のレベルがHPLC面積%により≦2%であることが判明した場合、反応は完了したと考えられた。次に、反応混合物をセライトパッドに通して濾過して、反応溶液中に存在する不溶性固体を除去した。次いで、濾液を減圧下で濃縮して、約40mLの溶媒を除去した。濃縮溶液を酢酸エチル(40mL)で希釈して、HClの1N水溶液(40mL)で洗浄した。2つの層を分離し、酸洗浄水溶液を酢酸エチル(20mL)で戻し抽出した。併合有機分画を1M重炭酸ナトリウム(NaHCO
3)水溶液(45mL)および20%(w/w)ブライン溶液(40mL)で洗浄した。有機分画を硫酸マグネシウム(MgSO
4)上で乾燥し、減圧下で濃縮して、粗製ラセミ3−シクロペンチル−3−{4−[7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]ピラゾール−1−イル}プロピオニトリル(9、ラセミSEM−保護化合物、13.6g、13.9g(理論値)、97.8%)を琥珀色油として得て、これは、方法Aにより製造された物質と同一であることが判明した。この粗生成物は、十分に純粋であることが判明し(HPLCにより>96面積%)、さらに精製せずにその後のキラル分離に直接用いた。
【0395】
4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(5). 方法E:オーバーヘッド撹拌、熱電対、2L添加漏斗および窒素流入口を装備した22L四つ首フラスコ中に、(3S)−3−シクロペンチル−3−{4−[7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]ピラゾール−1−イル}プロピオニトリル((S)−10、491g、1.11mol)およびアセトニトリル(4.5L)を室温で投入した。混合物を0〜10℃に冷却した後、1.5時間に亘って、添加漏斗により、THF中のカリウムtert−ブトキシドの1M溶液(KO
tBu、2.0L、2.0mol、1.8当量)で滴下処理した。塩基の付加後、反応混合物を室温に戻して、室温で12〜24時間撹拌した。反応が完了したようであるとLC/MSが示したら、反応混合物を酢酸エチル(EtOAc、6L)および50%(w/w)塩化アンモニウム水溶液(NH
4Cl、4L)で希釈した。2つの層を分離し、水性分画を酢酸エチル(2L)で戻し抽出した。併合有機分画を水(2L)およびブライン(3L)で洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO
4)上で乾燥し、減圧下で濃縮して、粗製4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(5、354g、350.1g(理論値)、収率101.1%)を琥珀色油として得て、これは、真空中で室温で放置すると固化した。この粗製物質をその後、アセトニトリル中で再結晶化して、純粋化合物5(308g、350.1g(理論値)、収率88%)を白色結晶(HPLCにより99.5面積%)として得て、これは、方法A、B、CおよびDから製造される物質に対して、全ての比較可能態様において、同一であることが判明した。
【0396】
【化224】
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(2S,3S)−2,3−ビス(ベンゾイルオキシ)コハク酸−(3R)−シクロペンチル−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル(1:1; 17). 撹拌棒および窒素流入口を装備した250ml丸底フラスコに、ラセミ3−シクロペンチル−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル(9、6.92g、0.0158mol)、アセトニトリル(89.0mL、1.70mol)、テトラヒドロフラン(15mL、0.185mol)およびアセトン(15.0mL、0.204mol)を室温で投入した。その結果生じた溶液を50℃に加温した後、(+)−2,3−ジベンゾイル−D−酒石酸(16、8.52g、0.0238mol、1.5当量)を一度に用いて処理した。その結果生じた均質溶液を、次に、50℃Cで10分間撹拌した後、室温に徐々に冷却して、室温で21時間撹拌した。次いで、固体を濾過により収集し、少量のヘキサンですすいで、減圧下で乾燥して、(2S,3S)−2,3−ビス(ベンゾイルオキシ)コハク酸−(3R)−シクロペンチル−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル(1:1;17、6.85g、12.6g(理論値)、収率54%)を白色結晶として得た。単離塩のエナンチオマー純度をキラルHPLCにより分析して、74:26であることが判明し、これは、所望のR−エナンチオマーが優位であることを示す。17に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δppm 8.86 (s, 1H), 8.78 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 8.04 (dd, 4H, J = 1.1, 8.4 Hz), 7.80 (d, 1H, J = 3.5 Hz), 7.76 (tt, 2H, J = 7.5, 1.3 Hz), 7.73 (dd, 4H, J = 7.9, 7.4 Hz), 7.12 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 5.90 (s, 2H), 5.66 (s, 2H), 4.55 (td, 1H, J = 4.2, 9.6 Hz), 3.54 (t, 2H, J = 7.8 Hz), 3.30 (dd, 1H, J = 10.1, 17.6 Hz), 3.22 (dd, 1H, J = 4.2, 16.9 Hz), 2.43 (m, 1H), 1.82 (m, 1H), 1.70 - 1.14 (m, 7H), 0.85 (t, 2H, J = 7.8 Hz), -0.083 (s, 9H)。
【0397】
(3R)−シクロペンチル−3−{4−[7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]ピラゾール−1−イル}プロピオニトリル((R)−10). 方法B:250mL丸底フラスコに、エナンチオマー富化(2S,3S)−2,3−ビス(ベンゾイルオキシ)コハク酸−(3R)−シクロペンチル−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル(1:1、17、6.85g、0.00862mol)、酢酸エチル(EtOAc、70mL、0.717mol)および水(20mL、1.11mol)を室温で投入し、その結果生じた溶液を12℃に冷却した後、3N水酸化ナトリウム水溶液(NaOH、10.7ml、0.0321mol、3.72当量)で処理して、pHを8〜9に調整した。2つの相を分離し、水性層を酢酸エチル(30mL)で抽出した。併合有機分画を20%ブライン水溶液(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、エナンチオマー富化(3R)−シクロペンチル−3−{4−[7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]ピラゾール−1−イル}プロピオニトリル((R)−10、3.31g、3.76g(理論値)、88%)を無色油として得て、これをキラルHPLCにより分析して、74:26であることが判明し、これは所望のR−エナンチオマーに優位であることを示す。(R)−10に関しては:
1H NMR(CD
3OD,300 MHz)δppm 8.77 (s, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.43 (s, 1H), 7.66 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 7.06 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 5.7 (s, 2H), 4.53 (td, 1H, J = 4.5, 10.2 Hz), 3.62 (dd, 2H, J = 8.0, 16.0 Hz), 3.26 (dd, 1H, J = 9.7, 17.2 Hz), 3.17 (dd, 1H, J = 4.0, 17.0 Hz), 2.59 (m, 1H), 1.97 (m, 1H), 1.80 - 1.25 (m, 7H), 0.92 (t, 2H, J = 8.4 Hz), -0.03 (s, 9H);C
23H
32N
6OSi(分子量 436.63)、LCMS(EI)m/e437(M
++H)。
【0398】
【化225】
[この文献は図面を表示できません]
{4−[1−(1−エトキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]メチルピバレート(18). 撹拌棒、冷却器および3方向切替弁を装備した250mL丸底フラスコに、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート(3f、30g、0.112mol)、1,4−ジオキサン(300mL、4.0mol)、1−(1−エトキシエチル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(14、35.8g、0.134mol、1.2当量)、水(150mL、8.3mol)および炭酸カリウム(K
2CO
3、61.9g、0.448mol、4.0当量)を室温で投入した。その結果生じた混合物を、毎回窒素を裏込めしながら4回脱気した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(5.0g、0.00433mol、0.039当量)を投入した。次いで、反応混合物を、毎回窒素を裏込めしながら4回脱気した後、85℃に温めた。反応混合物を、85℃で2〜5時間撹拌した。反応が完了したと思われたら、反応混合物を徐々に室温に冷ました後、20%ブライン水溶液(250mL)および酢酸エチル(250mL)で希釈した。2つの層を分離し、水性層を酢酸エチル(250mL)で抽出した。併合有機分画を水およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO
4)上で乾燥して、減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO
2、25〜40%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶離液)により精製して、{4−[1−(1−エトキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]メチルピバレート(18)を橙色油として得て、これを、その後の反応に直接用いて、理論的収率を得た。18に関しては:C
19H
25N
5O
3(分子量 371.43)、LCMS(EI)m/e372(M
++H)。
【0399】
[4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]メチルピバレート(19). 方法A:撹拌棒および窒素流入口を装備した1L丸底フラスコに、上記と同様に製造された{4−[1−(1−エトキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]メチルピバレート(18、理論量 41.6g、0.112mol)およびテトラヒドロフラン(THF、610mL、7.5mol)を室温で投入し、その結果生じた混合物を室温で塩酸の2.0N水溶液(140mL、0.28mol、2.5当量)で処理した。その結果生じた反応混合物を、その後、室温で一晩撹拌した。反応が完了したと思われたら、反応混合物を0〜5℃に冷却した後、3M水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液(95mL)でpHを9〜10に調整した。次いで、混合物を酢酸エチル(2×300mL)で抽出し、併合有機抽出物を20%ブライン水溶液(250mL)で洗浄して、硫酸マグネシウム(MgSO
4)で乾燥し、減圧下で濃縮して、粗生成物をオフホワイト色〜薄黄色固体として得た。粗生成物をメチルt−ブチルエーテル(MTBE、200mL)で処理し、スラリーを加温して30分間還流させた後、室温に冷ました。固体を濾過により収集し、MTBE(2×40mL)で洗浄し、減圧下で乾燥して、[4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]メチルピバレート(19、30.5g、33.52g(理論値)2つのステップに関して91%)を白色〜オフホワイト色固体として得た。19に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,300MHz)δppm 13.40 (br s, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.66 (s, 1H), 8.32 (s, 1H), 7.68 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 7.11 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 6.21 (s, 2H), 1.06 (s, 9H);C
15H
17N
5O
2(分子量 299.33)、LCMS(EI)m/e300(M
++H)。
【0400】
ラセミ(4−(1−(2−シアノ−1−シクロペンチルエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート(20). 方法A:3−シクロペンチルアクリロニトリル(8、14.6g、0.12mol、1.20当量)およびDBU(18.2mL、0.12mol、1.2当量)を、室温で、アセトニトリル(45mL)中の4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7イル]メチルピバレート(19、30.0g、0.1mol)に付加した。その結果生じた反応混合物を、50〜60℃で17時間(加熱の途中で透明溶液が出現した)、次いで、室温で8時間、加熱した。反応が完了したようであることをLCMSが示したら、反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチル2L中に溶解した。その結果生じた溶液を水(3×200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム(Na
2SO
4)上で乾燥し、減圧下で濃縮して、粗生成物(20)を濃い油として得た。次に、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、0〜50%EtOAc/ヘキサン勾配溶離液)により精製して、ラセミ(4−(1−(2−シアノ−1−シクロペンチルエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート(20、13.0g、42.14g(理論値)、収率30.8%)を、白色固体として得た。20に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δppm 8.84 (s, 1H), 8.78 (s, 1H), 8.39 (s, 1H), 7.74 (d, 1H, J = 3.7 Hz,), 7.11 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 6.23 (s, 2H), 4.53 (ddd, 1H, J = 9.9, 9.6, 4.2 Hz), 3.26 (dd, 1H, J = 17.4, 9.9 Hz), 3.19 (dd, 1H, J = 17.2, 4.3 Hz), 2.41 (m, 1H), 1.87 - 1.13 (m, 8H), 1.07 (s, 9H);C
23H
28N
6O
2(分子量 420.51)、LCMS(EI)m/e421.4(M
++H)。
【0401】
方法B:ジメチルスルホキシド(DMSO、1.0mL、14mmol)中の[4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]メチルピバレート(19、158mg、0.50mmol)および3−シクロペンチルアクリロニトリル(8、122mg、1.0mmol、2.0当量)の撹拌懸濁液に、室温で、粉末炭酸カリウム(K
2CO
3、10.4mg、0.075mmol、0.15当量)を付加した。次いで、反応混合物を室温で5時間撹拌した。反応混合物は、2時間で透明溶液になった。反応が完了したようであることをLCMSが示したら、反応を水(H
2O、5mL)でクエンチして、酢酸エチル(EtOAc、3×15mL)で抽出した。併合有機抽出物を飽和NaCl水溶液(10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO
4)上で乾燥し、減圧下で濃縮した。次いで、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、0〜50%EtOAc/ヘキサン勾配溶離液)により精製して、ラセミ(4−(1−(2−シアノ−1−シクロペンチルエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート(20、172.6mg、210mg(理論値)、収率82%)を、白色固体として得た。20に関しては:
1H NMR(CDCl
3,400MHz)δppm 8.87 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 8.29 (s, 1H), 7.47 (d, 1H, J = 3.9 Hz), 6.75 (d, 1H, J = 3.9 Hz), 6.24 (s, 2H), 4.25 (m, 1H), 3.12 (dd, 1H, J = 17.0, 8.7 Hz), 2.95 (dd, 1H, J = 17.0, 3.9 Hz), 2.58 (m, 1H), 1.95 (m, 1H), 1.72 - 1.52 (m, 5H), 1.25 (m, 2H), 1.14 (s, 9H);C
23H
28N
6O
2(分子量 420.51)、LCMS(EI)m/e421.4(M
++H)。
【0402】
(R)−(4−(1−(2−シアノ−1−シクロペンチルエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート((R)−21). エタノールとヘキサンの混合物(容積で1:9)中のラセミ(4−(1−(2−シアノ−1−シクロペンチルエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート(20、5.2g、12.36mmol)の溶液を、セルローストリス(3,5−ジメチルフェニル)カルバメート(「キラルセル(登録商標)OD−H」としてDaicel Chemical Industries, Ltd. (Daicel)から入手可能、(5μm))で被覆されたシリカゲルベースのパッキングを詰め込まれたキラルカラムを装備した分取HPLCシステム中に注入した。室温で、32mL/分の流量で、1対9の容積比のエタノール(EtOH)およびヘキサンの混合物からなる移動相で、キラルカラムを溶離した。220nmの波長でのUVにより、カラム溶離をモニタリングした。これらの条件下で、2つのエナンチオマーの基線分離を達成した。保持時間は、それぞれ、16.4分(ピーク1、非所望(S)−エナンチオマー(S)−21)および21.0分(ピーク2、所望(R)−エナンチオマー(R)−21)であった。各注入は、50mg/mLの濃度での1.4mLの供給溶液であり、各実行周期はスタック注入により14分であった。この分離工程のために合計75回の注入を実施した。ピーク1(非所望(S)−エナンチオマー、(S)−21)およびピーク2(所望(R)−エナンチオマー、(R)−21)に関する分画を、各注入から別々に収集し、各ピークに関して収集された分画を、減圧下で濃縮した。各蒸発器からの残渣をさらに、高真空下で一定重量に乾燥して、(R)−(4−(1−(2−シアノ−1−シクロペンチルエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート((R)−21、2.36g、2.6g(理論値)、収率90.8%)をオフホワイト色固体としてピーク2から、そして(S)−(4−(1−(2−シアノ−1−シクロペンチルエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート((S)−21、2.4g、2.6g(理論値)、収率92.3%)をオフホワイト色固体としてピーク1から得た。
【0403】
キラルセル(登録商標)OD−Hカラム(4.6×50mm、5μm)(Chiral Technologies, Inc.から購入)を用いて、POM−(R)−21および(S)−21の両エナンチオマーのキラル純度評価のために、キラルHPLC法を開発した。1mL/分の流量で、室温で、10%エタノールおよび90%ヘキサンからなる移動相を用いることにより、3.5より大きい分解能で、2つのエナンチオマー((R)−21および(S)−21)を分離した。UV検出波長は220nmである。保持時間は、それぞれ、(S)−21に関しては14.1分および(R)−21に関しては18.7分である。
【0404】
化学純度(HPLC面積%)およびキラル純度(キラルHPLC面積%)を含めた分取キラルHPLCにより分離された各エナンチオマーの質を分析し、それらの構造をNMRおよびLC/MSにより確証する。(R)−21に関しては:アキラル純度(220nmで検出されたHPLCにより99.2面積%);キラル純度(キラルHPLCにより99.6面積%;99.2%ee);
1H NMR(DMSO−d
6、400 MHz)δppm8.84 (s, 1H), 8.78 (s, 1H), 8.39 (s, 1H), 7.74 (d, 1H, J = 3.7 Hz,), 7.11 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 6.23 (s, 2H), 4.53 (ddd, 1H, J = 9.9, 9.6, 4.2 Hz), 3.26 (dd, 1H, J = 17.4, 9.9 Hz), 3.19 (dd, 1H, J = 17.2, 4.3 Hz), 2.41 (m, 1H), 1.87 - 1.13 (m, 8H), 1.07 (s, 9H);C
23H
28N
6O
2(分子量 420.51)、LCMS(EI)m/e421.4(M
++H)。(S)−21に関しては:アキラル純度(220nmで検出されたHPLCにより99.3面積%);キラル純度(キラルHPLCにより99.8面積%;99.6%ee);
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δppm 8.84 (s, 1H), 8.78 (s, 1H), 8.39 (s, 1H), 7.74 (d, 1H, J = 3.7 Hz,), 7.11 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 6.23 (s, 2H), 4.53 (ddd, 1H, J = 9.9, 9.6, 4.2 Hz), 3.26 (dd, 1H, J = 17.4, 9.9 Hz), 3.19 (dd, 1H, J = 17.2, 4.3 Hz), 2.41 (m, 1H), 1.87 - 1.13 (m, 8H), 1.07 (s, 9H);C
23H
28N
6O
2(分子量 420.51)、LCMS(EI)m/e421.4(M
++H)。
【0405】
(3R)−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピラゾール−1−イル]プロピオニトリル((R)−12、遊離塩基). 方法B. メタノール(4.0mL、99mmol)中の(4−{1−[(1R)−2−シアノ−1−シクロペンチルエチル]−1H−ピラゾール−4−イル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート((R)−21、376mg、0.894mmol)の撹拌溶液に、室温で、水中の水酸化ナトリウムの1.0M溶液(NaOH、179μL、0.179mmol、2.0当量)を付加した。反応混合物を、室温で一晩(15時間)撹拌した。反応がきちんと実行されたことをLCMSが示したら、反応混合物を水(10mL)および飽和NaCl水溶液(20mL)でクエンチして、EtOAc(2×10mL)で抽出した。併合有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、(3R)−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピラゾール−1−イル]プロピオニトリル((R)−12、遊離塩基、274mg、274mg(理論値)、収率100%)を淡黄色発泡体として得て、これは、方法Aから製造される物質と同一であることが判明した。
【0406】
【化226】
[この文献は図面を表示できません]
[4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]メチルピバレート(19). 方法B. 撹拌棒、隔壁、熱電対、500mL添加漏斗および窒素流入口を装備した炉乾燥3L四つ首丸底フラスコに、水素化ナトリウム(NaH、鉱油中60重量%、32.82g、0.82mol、1.20当量)および無水1,2−ジメトキシエタン(DME、500mL、4.8mol)を投入し、その結果生じた混合物を0〜3℃に冷却した。炉乾燥1L丸底フラスコに、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(1、105.0g、0.684mol)および1,2−ジメトキシエタン(DME、750mL、7.2mol)を投入し、その結果生じたスラリーを次に、30分に亘って5〜12℃で、大口径カニューレによりDME中の水素化ナトリウムの懸濁液に少量ずつ付加した。その結果生じた反応混合物は、不均質であった。付加後、冷浴を取り除き、混合物を徐々に室温に温めて、室温で1時間撹拌した後、0〜5℃に冷却した。ピバル酸クロロメチル(ピバロイルオキシメチルクロリド、POM−Cl、112ml、0.752mol、1.1当量)を、0〜5℃で撹拌しながら30分間に亘って、反応混合物中に滴下した。ピバル酸クロロメチルの付加は軽度に発熱性で、反応温度は14℃という高さまで上がった。ピバル酸クロロメチルの付加後、冷却浴を除去して、反応混合物を室温に戻し、室温で90分間撹拌した。HPLCにより確認した後、反応が完了したと思われたら、水(100mL)で反応を注意深くクエンチした。そして、粗製POM保護化クロロデアザプリン(3f)を含有するこのクエンチされた反応混合物を、その後の鈴木カップリング反応に直接用いて、さらなる後処理および精製をしなかった。
【0407】
上記のように製造された粗製POM保護化クロロデアザプリン(3f)を含有するクエンチされた反応混合物に、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(14、200g、0.75mol、1.10当量)および炭酸カリウム(K
2CO
3、189g、1.37mol、2.0当量)を室温で付加した。その結果生じた混合物を、窒素流をその溶液に15分間通すことにより、脱気し、その後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(7.9g、0.68mmol、0.01当量)で処理し、その結果生じた反応混合物を、10時間、還流(約82℃)加熱した。TLC(1:1 ヘキサン/酢酸エチル)およびLCMSにより確認して反応が完了したと思われたら、反応混合物を室温に冷まして、酢酸エチル(2L)および水(1L)で希釈した。2つの層を分離し、水性層を酢酸エチル(500mL)で抽出した。併合有機層を水(2×1L)およびブライン(1L)で洗浄した後、減圧下で濃縮して、粗製{4−[1−(1−エトキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}メチルピバレート(18)を淡黄色油として得て、これを、さらに精製せずに、その後の脱保護反応に直接用いた。
【0408】
THF中の粗製18の溶液(1L、12.3mol)を、室温で、4NのHCl水溶液(500mL)で処理した。その結果生じた反応混合物を、その後、室温で5時間撹拌した。反応が完了したと思われたら、反応混合物を0〜5℃に冷却した後、1M水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液(2L)でpHを9〜10に調整した。混合物を減圧下で濃縮して、THFのほとんどを除去し、その結果生じた懸濁液を室温で2時間撹拌した。固体を濾過により収集し、水(3×500mL)で洗浄し、減圧下で乾燥して、[4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]メチルピバレート(19、157.5g、204.43g(理論値)、3つのステップの収率77%)を白色〜オフホワイト色固体として得たが、これはさらに精製せずにその後の反応を実行するのに十分に純粋(HPLCにより>98面積%)であることが判明した。19に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δppm 13.42 (br s, 1H), 8.76 (s, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.33 (s, 1H), 7.68 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 7.11 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 6.21 (s, 2H), 1.06 (s, 9H);
13C NMR(DMSO−d
6,100 MHz)δppm 177.74, 152.31, 152.09, 151.91, 139.52, 130.39, 120.51, 113.93, 101.91, 67.26, 38.98, 27.26; C
15H
17N
5O
2(分子量299.33),LCMS(EI)m/e300(M
++H)。
【0409】
【化227】
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(2S,3S)−2,3−ビス(ベンゾイルオキシ)コハク酸−(R)−(4−(1−(2−シアノ−1−シクロペンチルエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート(1:1;22). アセトニトリル、テトラヒドロフランおよびアセトンの混合物(4mL、6:1:1)中のラセミ(4−(1−(2−シアノ−1−シクロペンチルエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート(20、200mg、0.47mmol)の溶液を、50℃に加温した後、(+)−2,3−ジベンゾイル−D−酒石酸(16、84mg、0.0235mol、0.5当量)を一度に用いて処理した。その結果生じた均質溶液を、次に、50℃Cで10分間撹拌した後、室温に徐々に冷却して、室温で23時間撹拌した。次いで、固体を濾過により収集し、少量のヘキサンですすいで、減圧下で乾燥して、(2S,3S)−2,3−ビス(ベンゾイルオキシ)コハク酸−(R)−(4−(1−(2−シアノ−1−シクロペンチルエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート(1:1;22、145mg、183mg(理論値)、収率79.2%)を白色結晶として得た。単離塩のエナンチオマー純度をキラルHPLCにより分析して、87:13の比であることが判明し、これは、所望のR−エナンチオマーが優位であることを示す。22に関しては:C
23H
28N
6O
2(分子量 420.51)、LCMS(EI)m/e421.4(M
++H)。
【0410】
(R)−(4−(1−(2−シアノ−1−シクロペンチルエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート((R)−21). 方法B:酢酸エチル(10mL)および水(5.0mL)中のエナンチオマー富化(2S,3S)−2,3−ビス(ベンゾイルオキシ)コハク酸−(R)−(4−(1−(2−シアノ−1−シクロペンチルエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート(1:1;22、120mg、0.154mmol)の溶液を、12℃に冷却した後、2N炭酸カリウム水溶液(K
2CO
3、0.39mL、0.77mmol、5.0当量)で処理して、pHを8〜9に調整した。2つの相を分離し、水性層を酢酸エチル(30mL)で抽出した。併合有機分画を20%ブライン水溶液(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、エナンチオマー富化(R)−(4−(1−(2−シアノ−1−シクロペンチルエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート((R)−21、55.7mg、64.8mg(理論値)、収率86%)を白色固体として得て、これをキラルHPLCにより分析して、87:13の比であることが判明し、これは所望のR−エナンチオマーが優位であることを示す。(R)−21に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δppm 8.84 (s, 1H), 8.78 (s, 1H), 8.39 (s, 1H), 7.74 (d, 1H, J = 3.7 Hz,), 7.11 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 6.23 (s, 2H), 4.53 (ddd, 1H, J = 9.9, 9.6, 4.2 Hz), 3.26 (dd, 1H, J = 17.4, 9.9 Hz), 3.19 (dd, 1H, J = 17.2, 4.3 Hz), 2.41 (m, 1H), 1.87 - 1.13 (m, 8H), 1.07 (s, 9H);C
23H
28N
6O
2(分子量 420.51)、LCMS(EI)m/e421.4(M
++H)。
【0411】
【化228】
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ラセミ3−シクロペンチル−3−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパンニトリル(23). 撹拌棒、冷却器および窒素流入口を装備した500mL丸底フラスコに、3−シクロペンチルアクリロニトリル(8、EおよびZ異性体の混合物、8.46g、0.067mol、1.3当量)、アセトニトリル(242mL、4.64mol)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(4、10.0g、0.0515mol)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU、16.2ml、0.108mol、2.1当量)を、室温で投入した。その結果生じた溶液を、次に、加温、還流して、反応混合物を18時間還流で撹拌した。反応が完了したようであれば、反応混合物を室温に冷ました後、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO
2、0%〜30% 酢酸エチル/ヘキサン勾配溶離液)により直接精製して、3−シクロペンチル−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル(23、13.1g、16.2g(理論値)、81%)を、オフホワイト色固体として得た。このラセミ混合物を、さらに精製せずにその後のキラルカラム分離に直接用いた。23に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δppm 8.07 (d, 1H, J = 0.53 Hz), 7.65 (s, 1H), 4.42 (td, 1H, J = 19.2, 4.5 Hz), 3.14 (dd, 1H, J = 9.39, 17.2 Hz), 3.08 (dd, 1H, J = 4.58, 17.2 Hz), 2.31 (m, 1H), 1.75 (m, 1H), 1.62 - 1.32 (m, 4H), 1.29 - 1.01 (m, 15H);C
17H
26BN
3O
2(分子量 315.22)LCMS(EI)m/e316[M
++H]。
【0412】
(R)−3−シクロペンチル−3−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパンニトリル((R)−24)および(S)−3−シクロペンチル−3−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパンニトリル((S)−24). エタノールおよびヘキサンの混合物(容積で8:2)中のラセミ3−シクロペンチル−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル(23、13.1g、41.56mol)の溶液を、シリカゲル上に固定されるアミローストリス(3,5−ジメチルフェニルカルバメート)を詰め込まれたキラルカラム(20×250mm)(「キラルパク(登録商標)IA」としてChiral Technologies Inc.から入手可能)を装備した分取HPLCシステム中に注入した。室温で、18mL/分の流量で、1対9の容積比のエタノール(EtOH)およびヘキサンの混合物からなる移動相で、キラルカラムを溶離した。220nmの波長でのUVにより、カラム溶離をモニタリングした。これらの条件下で、2つのエナンチオマーの基線分離を達成した。保持時間は、それぞれ、7.0分(ピーク1、非所望(S)−エナンチオマー(S)−24)および8.3分(ピーク2、所望(R)−エナンチオマー(R)−24)であった。各注入は、100mg/mLの濃度での0.8mLの供給溶液であり、各実行周期はスタック注入により14分であった。この分離工程のために合計164回の注入を実施した。ピーク1(非所望(S)−エナンチオマー、(S)−24)およびピーク2(所望(R)−エナンチオマー、(R)−24)に関する分画を、各注入から別々に収集し、各ピークに関して収集された分画を、減圧下で濃縮した。各蒸発器からの残渣をさらに、高真空下で一定重量に乾燥して、(R)−3−シクロペンチル−3−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパンニトリル((R)−24、6.19g、6.55g(理論値)、収率94.5%)をオフホワイト色固体としてピーク2から、そして(S)−3−シクロペンチル−3−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパンニトリル((S)−24、6.08g、6.55g(理論値)、収率92.8%)をオフホワイト色固体としてピーク1から得た。
【0413】
キラルパク(登録商標)IAカラム(4.6×50mm、5μm)(Chiral Technologies, Inc.から購入)を用いて、化合物24((R)−24および(S)−24)の両エナンチオマーのキラル純度評価のために、キラルHPLC法を開発した。1mL/分の流量で、室温で、15%エタノールおよび85%ヘキサンからなる移動相を用いることにより、3.0より大きい分解能で、2つのエナンチオマー((R)−24および(S)−24)を分離した。UV検出波長は220nmである。保持時間は、それぞれ、(S)−24に関しては6.4分および(R)−24に関しては7.6分である。
【0414】
化学純度(HPLC面積%)およびキラル純度(キラルHPLC面積%)を含めた分取キラルHPLCにより分離された各エナンチオマーの質を分析し、それらの構造をNMRおよびLC/MSにより確証する。(R)−24に関しては:アキラル純度(220nmで検出されたHPLCにより98.8面積%);キラル純度(キラルHPLCにより99.8面積%;99.6%ee);
1H NMR(DMSO−d
6、400 MHz)δppm8.07 (d, 1H, J = 0.53 Hz), 7.65 (s, 1H), 4.42 (td, 1H, J = 19.2, 4.5 Hz), 3.14 (dd, 1H, J = 9.39, 17.2 Hz), 3.08 (dd, 1H, J = 4.58, 17.2 Hz), 2.31 (m, 1H), 1.75 (m, 1H), 1.62 - 1.32 (m, 4H), 1.29 - 1.01 (m, 15H);C
27H
26BN
3O
2(分子量 315.22)、LCMS(EI)m/e316(M
++H)。(S)−24に関しては:アキラル純度(220nmで検出されたHPLCにより98.6面積%);キラル純度(キラルHPLCにより99.6面積%;99.2%ee);
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δppm8.07 (d, 1H, J = 0.53 Hz), 7.65 (s, 1H), 4.42 (td, 1H, J = 19.2, 4.5 Hz), 3.14 (dd, 1H, J = 9.39, 17.2 Hz), 3.08 (dd, 1H, J = 4.58, 17.2 Hz), 2.31 (m, 1H), 1.75 (m, 1H), 1.62 - 1.32 (m, 4H), 1.29 - 1.01 (m, 15H);C
17H
26BN
3O
2(分子量 315.22)LCMS(EI)m/e316[M
++H]。
【0415】
【化229】
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ラセミ3−シクロペンチル−3−{4−[7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]ピラゾール−1−イル}プロピオニトリル(9、ラセミSEM−保護化合物). 方法C:撹拌棒、冷却器、熱電対および3方向切替弁を装備した250mL丸底フラスコに、3−シクロペンチル−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル(23、0.697g、2.21mmol、1.3当量)、4−クロロ−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(3a、0.506g、1.69mmol)、1,4−ジオキサン(4.44mL)、水(4.44mL)および重炭酸ナトリウム(NaHCO
3、0.666g、7.93mmol、4.7当量)を室温で投入した。その結果生じた混合物を、毎回窒素を裏込めしながら4回脱気した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(91.6mg、0.079mmol、0.047当量)を付加した。その結果生じた反応混合物を、毎回窒素を裏込めしながら4回脱気した。次いで、反応物を90℃に2〜6時間加温した。反応が完了したようであるとTLCおよびHPLCが示したら、反応混合物を室温に冷ました後、水(5mL)および酢酸エチル(10mL)で希釈した。2つの層を分離し、水性層を酢酸エチル(10mL)で抽出した。併合有機分画を水(10mL)および飽和NaCl水溶液(10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO
4)上で乾燥して、減圧下で濃縮して、粗生成物(9)を琥珀色油として得た。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO
2、0〜40%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶離液)により精製して、ラセミ3−シクロペンチル−3−{4−[7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]ピラゾール−1−イル}プロピオニトリル(9、ラセミSEM−保護化合物、617mg、737.9mg(理論値)、収率83.6%)を黄色油として得た。9に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δppm 8.83 (s, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.39 (s, 1H), 7.77 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 7.09 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 5.63 (s, 2H), 4.53 (td, 1H, J = 19.4, 4.0 Hz), 3.51 (t, 2H, J = 8.1 Hz), 3.23 (dq, 2H, J = 9.3, 4.3 Hz), 2.41 (m, 1H), 1.79 (m, 1H), 1.66-1.13 (m, 7H), 0.81 (t, 2H, J = 8.2 Hz), 0.124 (s, 9H);C
23H
32N
6OSi(分子量436.63)、LCMS(EI)m/e437(M
++H)およびm/e459(M
++Na)。
【0416】
ラセミ(4−(1−(2−シアノ−1−シクロペンチルエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート(20). 方法B. 撹拌棒、冷却器、ならびに窒素および真空に連結された3方向切替弁を装備した50ml丸底フラスコに、(4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート(3f、700mg、2.61mmol)、3−シクロペンチル−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル(23、935mg、2.97mmol、1.13当量)、1,2−ジメトキシエタン(DME、10mL、96mmol)、水(5mL、0.28mol)および炭酸カリウム(K
2CO
3、1.82g、7.84mmol、3.0当量)を、室温で投入した。その結果生じた反応混合物を、毎回窒素を裏込めしながら3回脱気した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(30mg、0.026mmol、0.010当量)を投入した。その結果生じた反応混合物を、毎回窒素を裏込めしながら4回脱気し、次いで、82℃に加温した。反応混合物を、82℃で6時間撹拌した。反応が完了したと思われたら、反応混合物を室温に冷ました後、酢酸エチル(45mL)および水(10mL)で希釈した。その結果生じた混合物を、大多数の固体が溶液中に溶けるまで撹拌した。2つの層を分離し、水性層を酢酸エチル(1×25mL)で抽出した。併合有機分画をブライン水溶液(2×25mL)で洗浄し、濾過して、減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、0〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶離液)により精製して、ラセミ4−(1−(2−シアノ−1−シクロペンチルエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチルピバレート(20、0.97g、1.1g(理論値)、収率88.6%)を無色油として得て、これは、真空中で室温で放置すると固化した。20に関しては:
1H NMR(CDCl
3,300 MHz)δ 8.85 (s, 1H), 8.29 (s, 1H), 8.27 (s, 1H), 7.45 (d, 1H, J = 3.8 Hz,), 6.73 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 6.22 (s, 2H), 4.23 (ddd, 1H, J = 10.0, 8.6, 4.0 Hz), 3.10 (dd, 1H, J = 17.0, 8.6 Hz), 2.92 (dd, 1H, J = 17.0, 4.0 Hz), 2.56 (m, 1H), 2.00 - 1.25 (m, 8H), 1.12 (s, 9H);C
23H
28N
6O
2(分子量 420.51)、LCMS(EI)m/e421(M
++H)。
【0417】
【化230】
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(3R)−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピラゾール−1−イル]プロピオニトリル((R)−12、遊離塩基). 方法C: 撹拌棒、冷却器ならびに窒素および真空に連結された3方向切替弁を装備した25ml丸底フラスコに、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(1、154mg、1.00mmol)、(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル((R)−24、445mg、1.41mmol、1.41当量)、1,4−ジオキサン(2.78mL、35.6mmol)、水(1.39mL、77.2mmol)および炭酸カリウム(K
2CO
3、693mg、5.02mmol、5.0 当量)を、室温で投入した。その結果生じた混合物を、毎回窒素を裏込めしながら3回脱気した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(207mg、0.180mmol、0.18当量)を投入した。その結果生じた反応混合物を、毎回窒素を裏込めしながら4回脱気し、次いで、95℃に加温した。反応混合物を、95℃で17時間撹拌した。反応が完了したと思われたら、反応混合物を室温に冷ました後、酢酸エチル(20mL)および20%ブライン水溶液(11mL)で希釈した。混合物を、大多数の固体が溶液中に溶けるまで、室温で激しく撹拌した。2つの層を分離し、水性層を酢酸エチル(20mL)で抽出した。併合有機抽出物を飽和ブライン(10mL)で洗浄し、MgS
4O上で乾燥し、濾過して、減圧下で濃縮した。次いで、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、0〜100%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶離液)により精製して、(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル((R)−12、197mg、306.4mg(理論値)、収率64.3%)を無色油として得て、これは、室温で放置すると固化した。(R)−12に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δppm 12.1 (bs, 1H), 8.80 (d, 1H, J = 0.42 Hz), 8.67 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.59 (dd, 1H, J = 2.34, 3.51 Hz), 6.98 (dd, 1H, J = 1.40, 3.44 Hz), 4.53 (td, 1H, J = 19.5, 4.63 Hz), 3.26 (dd, 1H, J = 9.77, 17.2 Hz), 3.18 (dd, 1H, J = 4.32, 17.3 Hz), 2.40 (m, 1H), 1.79 (m, 1H), 1.65 to 1.13 (m, 7H);C
17H
18N
6(分子量 306.37)LCMS(EI)m/e307[M
++H]。
【0418】
(S)−3−シクロペンチル−3−(4−(7−(ジエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパンニトリル((S)−25). 撹拌棒、冷却器ならびに窒素および真空に連結された3方向切替弁を装備した100ml丸底フラスコに、4−クロロ−7−(ジエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(3b、3.30g、0.0129mol)、(3S)−3−シクロペンチル−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル((S)−24、5.12g、0.0146mol、1.13当量)、1,4−ジオキサン(33.4mL、0.428mol)、水(16.7mL、0.929mol)および炭酸カリウム(K
2CO
3、8.03g、0.0581mol、4.5当量)を室温で投入した。その結果生じた混合物を、毎回窒素を裏込めしながら3回脱気した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.49g、0.00129mol、0.10当量)を投入した。混合物を、毎回窒素を裏込めしながら4回脱気し、次いで、95℃に加温した。反応混合物を、95℃で21時間撹拌した。反応が完了したと思われたら、反応混合物を室温に冷ました後、酢酸エチル(45mL)および水(20mL)で希釈した。その結果生じた混合物を、大多数の固体が溶液中に溶けるまで撹拌した。2つの層を分離し、水性層を酢酸エチル(50mL)で抽出した。併合有機分画を20%ブライン水溶液(50mL)で洗浄し、MgS
4O上で乾燥し、濾過して、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、0%〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶離液)により精製して、(3S)−3−シクロペンチル−3−{4−[7−(ジエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−1H−ピラゾール−1−イル}プロパンニトリル((S)−25、4.11g、5.27g(理論値)、収率78%)を無色油としてえて、これは、室温で放置すると固化した。(S)−25に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δppm 8.84 (s, 1H), 8.74 (s, 1H), 8.38 (s, 1H), 7.71 (d, 1H, J = 3.8 Hz,), 7.12 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 6.76 (s, 1H), 4.53 (td, 1H, J = 19.4, 4.3 Hz), 3.68 (m, 2H), 3.52 (m, 2H), 3.26 (dd, 1H, J = 9.6, 17.3 Hz), 3.19 (dd, 1H, J = 4.3, 17.2 Hz), 2.41 (m, 1H), 1.80 (m, 1H), 1.63 - 1.09 (m, 13H);C
22H
28N
6O
2(分子量 408.50)、LCMS(EI)m/e409(M
++H)。
【0419】
【化231】
[この文献は図面を表示できません]
3−シクロプロピルアクリロニトリル(27). ドライテトラヒドロフラン(THF、5.75L)中のジエチルシアノメチルホスホネート(7、779.5g、4.4mol、1.1当量)の溶液を、氷水−メタノール浴中で窒素下で撹拌した後、THF中の1Mカリウムtert−ブトキシ(KO
tBu、4.2L、4.2mol、1.05当量)の溶液を、0℃より低い温度を保持するような速度で付加した。カリウムtert−ブトキシド溶液の付加の完了後、0〜5℃で1時間、撹拌を継続して、無水THF(290mL)中のシクロペンタンカルブアルデヒド(26、280g、4.0mol)の溶液を、0℃より低い温度を保持するような速度で付加した。冷却浴を除去し、反応混合物を徐々に室温に上げて、室温で一晩撹拌した。反応が完了したと思われたら、反応混合物をMTBE(14L)、水(10L)およびブライン(6L)間に分配した。有機相をブライン(6L)で洗浄した。水性相をメチルtert−ブチルエーテル(MTBE、10L)で抽出し、ブライン(6L)で洗浄した。併合有機抽出物を減圧下で濃縮し、残渣を蒸留して、3−シクロプロピルアクリロニトリル(27、342.7g、372.5g(理論値)、収率92%)を無色油として得て、これは、E−およびZ−異性体の混合物であることが判明した。27に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)(E異性体に関して)δppm6.33 (dd, 1H, J = 16.3, 10.3 Hz), 5.69 (d, 1H, J = 16.4 Hz), 1.66 (m, 1H), 1.02 (m, 1H,), 0.93 (m, 1H), 0.69 (m, 2H)および(Z異性体に関して) δppm 6.05 (t, 1H, J = 10.8 Hz), 5.45 (d, 1H, J = 9.7 Hz), 1.82 (m, 1H), 1.02 (m, 1H), 0.93 (m, 1H), 0.69 (m, 2H);
13C NMR(DMSO−d
6,100 MHz、E異性体に関して)δppm 160.9, 118.4, 95.4, 15.4, 8.64および(Z異性体に関して)δppm 160.0, 117.3, 95.2, 14.8, 8.4;C
6H
7N(分子量 93.13)、GCMS(EI)m/e92(M
+−H)。
【0420】
ラセミ3−シクロプロピル−3−{4−[7−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]ピラゾール−1−イル}プロピオニトリル(28、ラセミSEM−保護化合物). アセトニトリル(11L)中の4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(5、1.115Kg、3.54mol、1.0当量)の懸濁液に、3−シクロプロピルアクリロニトリル(27、428.7g、4.60mol、1.3当量)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU、55mL、0.37mol、0.105当量)を付加した。その結果生じた反応混合物を、約18時間、加熱し、静かに還流させた。反応が完了したようであることをHPLCおよびLCMSが示したら、透明溶液である反応混合物を室温に冷ました後、減圧下で濃縮して、粗マイケル付加生成物(28)を暗赤色油として得た。次いで、粗生成物をジクロロメタンで希釈し、3つの部分に分けて、シリカゲル(3×2Kg)上に吸収させた。シリカゲル上に吸収された粗生成物を、3つの2Kgシリカゲルカラム(ヘプタン/EtOAcを87.5:12.5で詰め込まれ、87.5:12.5〜25:75のヘプタン/EtOAcで溶離される)上でのカラムクロマトグラフィーにより精製した。純粋な所望の生成物(28)を含有する分画を併合し、減圧下で濃縮して、移して、ラセミ3−シクロプロピル−3−{4−[7−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ピラゾール−1−イル}−プロピオニトリル(28、ラセミSEM−保護化合物、1.310Kg、1.446Kg(理論値)、収率90.6%)を琥珀色シロップとして得て、これを、さらに精製せずに、キラルカラム分離のために用いた。28に関しては:C
21H
28N
5OSi(分子量 408.57)、LCMS(EI)m/e409(M
++H)。
【0421】
(3R)−3−シクロプロピル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパンニトリル((R)−29)および(3S)−3−シクロプロピル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパンニトリル((S)−29). イソプロパノール(IPA)3.0L中の20μのキラルセル(登録商標)ODキラル固定相(CSP)(Daicel製)1.5Kgのスラリーを、150barの充填圧下で、PROCHROM動的軸方向圧縮カラムLC110−1(内径11cm×長さ25cm;カラム隙間容積:約1.5L)中に詰め込んだ。次に充填されたカラムを、Novasep Hipersep HPLCユニット上に据え付けた。カラムおよびHPLCシステムをメタノール(17L)で、ならびにイソプロパノールおよびヘキサンの混合物(容積で2:8、17L)からなる移動相で洗い流した。次いで、移動相中に3−シクロペンチル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパンニトリル(28、ラセミSEM−保護化合物、2500g、6.119mol)を溶解して、80g/Lの濃度にすることにより、供給溶液を調製した。次に、分離のために供給溶液(120mL/注入)を、順次、分取HPLCキラルカラム中に注入した。キラルカラムを、室温で、570mL/分の流量で、移動相で溶離した。330nmの波長でのUVにより、カラム溶離をモニタリングした。これらの条件下で、2つのエナンチオマーの基線分離を達成した。各注入のための周期時間は11分で、この分離工程のために合計216回の注入を実施した。ピーク1(非所望(S)−エナンチオマー、(S)−29)およびピーク2(所望(R)−エナンチオマー、(R)−29)に関する分画を、各注入から別々に収集し、各ピークに関して収集した分画を、減圧(40〜120bar)下で、40℃で、継続的に濃縮した。各蒸発器からの残渣をさらに、高真空下で一定重量に乾燥して、(3R)−3−シクロプロピル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパンニトリル((R)−29、1150g、1250g(理論値)、92%)を薄黄色油(これは、真空中で室温で放置すると固化した)としてピーク2から得て、そして(3S)−シクロプロピル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパンニトリル((S)−29、1200g、1250g(理論値)、96%)を黄色油(これは、真空中で室温で放置すると固化した)としてピーク1から得た。
【0422】
キラルセル(登録商標)OD−Hカラム(4.6×250mm、5μm)(Chiral Technologies, Inc.から購入)を用いて、SEM−保護化合物の両エナンチオマーのキラル純度評価のために、キラルHPLC法を開発した。1mL/分の流量で、室温で、15%エタノールおよび85%ヘキサンの移動相を用いることにより、4.0より大きい分解能で、SEM保護化合物の2つのエナンチオマーを分離した。UV検出波長は220nmである。(S)−エナンチオマー((S)−29)および(R)−エナンチオマー((R)−29)に関する保持時間は、それぞれ9.4分および12.4分である。
【0423】
化学純度(HPLC面積%)およびキラル純度(キラルHPLC面積%)を含めた分取キラルHPLCにより分離された各エナンチオマーの質を分析し、それらの構造をNMRおよびLC/MSにより確証する。(R)−29に関しては:アキラル純度(220nmで検出されたHPLCにより99.1面積%);キラル純度(キラルHPLCにより99.4面積%;98.8%ee);C
21H
28N
5OSi(分子量 408.57)、LCMS(EI)m/e409(M
++H)。
【0424】
(3R)−3−シクロプロピル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピラゾール−1−イル]プロピオニトリル((R)−30). MeCN(900mL)およびH
2O(75mL)中の(3R)−3−シクロプロピル−3−{4−[7−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ピラゾール−1−イル}−プロピオニトリル((R)−29、102g、0.25mol、1.0当量)の溶液を、固体テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF
4、186.0g、2.0mol、8.0当量)を一度に用いて処理した(反応温度は、付加時に15℃から38℃に増大した)。次に、その結果生じた反応混合物を、20時間、静かに還流しながら加熱した(軽い懸濁液が生じた)。SEM基の開裂が完了したことをLCMSが示したら、反応混合物を室温に、その後、12℃に冷却した後、NH
4OH水溶液(20%、80mL)を付加して、pHを9〜10に調整した。典型的には24〜36時間以内にN−ヒドロキシメチル中間体(M
++H=309)が残存していないことをLCMSが示すまで、その結果生じた懸濁液を室温で撹拌した。この期間中、反応混合物のpHは7〜8に低下したので、さらにNH
4OH水溶液(20%)を付加して、混合物をpH9〜10に再調整した。混合物をアセトニトリル(300mL)で希釈し、濾過し、アセトニトリル(500mL)で固体を洗浄した。混濁濾液を減圧下で濃縮して、MeCNの大半を除去して、多少の固体を含有する濃い油を得た。混合物をH
2O(500mL)で徐々に希釈し、混濁溶液を種として入れた。次いで、濃い懸濁液が形成されるまで、溶液を室温で減圧下で濃縮した。懸濁液をさらにH
2O(1L)で希釈し、その結果生じた懸濁液を室温で2時間撹拌した。固体を濾過により収集し、H
2O(2×500mL)で洗浄し、1.5時間、漏斗上で吸引乾燥した。
19F NMRは、少量の無機フッ化物が存在することを示し、そしてTLC(5%MeOH/EtOAc)は、少量の基線物質が存在することを示した。したがって、粗製固体を、1時間機械的に撹拌しながらH
2O(1L)中で再スラリー化した後、濾過により収集し、H
2O(500mL)で洗浄した。湿潤ケークを1.5時間、漏斗上で吸引乾燥して、次に、45〜50℃Cで16時間、真空炉中で乾燥して、(3R)−3−シクロプロピル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピラゾール−1−イル]プロピオニトリル((R)−30、60.8g、69.6g(理論値)、収率87.4%)をオフホワイト色固体として得た。(R)−30に関しては:C
15H
14N
6(分子量 278.31)、LCMS(EI)m/e279(M
++H)。
【0425】
(3R)−3−シクロプロピル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピラゾール−1−イル]プロピオニトリルリン酸塩((R)−31、リン酸塩). イソプロパノール(IPA、900mL)中の(3R)−3−シクロプロピル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピラゾール−1−イル]プロピオニトリル((R)−30、60.0g、0.2158mol、1.0当量)の懸濁液を、77℃に加熱して、透明淡黄色溶液を得た。IPA(200mL)中の結晶H
3PO
4(23.3g、0.2374mol、1.1当量)の溶液を、77〜79℃で添加漏斗から定常流で付加し、IPA(25mL)で添加漏斗をすすいだ。直ちに混濁が生じ、その後、白色懸濁液を生じた。約半量のHPO溶液を付加後、懸濁液は非常に濃くなった。さらなる量のIPA(100mL)を付加して、撹拌を助長した。付加が完了したら、懸濁液を75℃Cで1時間加熱すると、懸濁液はより流動性になったが、しかし依然として非常に濃い液であった。懸濁液を1時間掛けて室温に冷まして、固体を濾過により収集し、50%IPA/ヘプタン(750mL)で洗浄し、乾燥した。一晩撹拌しながら固体をヘプタン(1.2L)で粉砕した後、濾過により収集し、ヘプタン(300mL)で洗浄して、40〜50℃Cで真空炉中で乾燥して一定重量にして、(3R)−3−シクロプロピル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピラゾール−1−イル]プロピオニトリルリン酸塩((R)−31、リン酸塩、76.7g、81.2g(理論値)、収率94.5%)を微細白色結晶固体として得た。(R)−31に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δppm 12.2 (bs, 1H), 9.62 (bs, 3H, H
3PO
4), 8.77 (s, 1H), 8.69 (s, 1H), 8.39 (s, 1H), 7.59 (q, 1H, J = 2.0 Hz), 6.98 (d, 1H, J = 2.7 Hz), 4.04 (m, 1H), 3.37 (dd, 1H, J = 16.8, 8.0 Hz), 3.28 (dd, 1H, J = 16.8, 5.1 Hz), 1.43 (m, 1H), 0.68 (m, 1H), 0.49 (m, 3H);
13C NMR(DMSO−d
6,100 MHz)δppm 152.2, 150.9, 149.9, 139.3, 130.4, 127.0, 120.8, 118.1, 112.9, 100.0, 62.6, 23.3, 15.7, 4.3, 3.8;C
15H
14N
6(分子量 278.31)、LCMS(EI)m/e279.1(M
++H)。
【0426】
【化232】
[この文献は図面を表示できません]
ラセミ4,4,4−トリフルオロ−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)ブタンニトリル(33、ラセミSEM−保護化合物). 機械的撹拌器、窒素流入口およびサーモウェルを装備したフラスコに、化合物4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(5、1424g、4.52mol)およびアセトニトリル(14L)を付加した。その結果生じた懸濁液に、4,4,4−トリフルオロクロトニトリル(32、601.6g、4.97mol、1.1当量)を、その後、1,8−ジアゾビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU、67 mL、0.452mol、0.1当量)を付加した。DBUの付加時に、わずかな発熱(5℃)が認められた。反応混合物を室温で30分間撹拌し、その際反応が完了したようであることをTLCおよびLCMSが示したら、。次に、反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒の大半を除去し、クロマトグラフィー精製のために、残渣を2つのシリカゲルカラム(各々3Kg)により精製した。カラムを、2:1 ヘキサン/酢酸エチル(30L)で、その後、1:1 ヘプタン/酢酸エチル(30L)で溶離した。純粋な所望の生成物(33)を含有する分画を併合し、減圧下で濃縮して、ラセミ4,4,4−トリフルオロ−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)ブタンニトリル(33、ラセミSEM−保護化合物、1802g、1973g(理論値)、収率91.3%)を濃い油として得て、これを、さらに精製せずにその後のキラルカラム分離に直接用いた。33に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400MHz)δppm 8.99 (s, 1H), 8.79 (s, 1H), 8.56 (s, 1H), 7.80 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 7.09 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 6.05 (m, 1H), 5.63 (s, 2H), 3.82 (dd, 1H, J = 17.5, 10.6 Hz), 3.66 (dd, 1H, J = 17.0, 4.9 Hz), 3.50 (t, 2H, J = 7.9 Hz), 0.80 (t, 2H, J = 8.2 Hz), -0.145 (s, 9H);
13C NMR(DMSO−d
6,100MHz)δppm 151.7, 151.3, 149.5, 140.8, 132.9, 130.4, 123.2 (J
CF = 282 Hz), 121.9, 116.2, 113.5, 100.2, 72.3, 65.7, 57.8 (J
CF = 32.4 Hz), 17.1, -1.46;C
19H
23F
3N
6OSi(分子量 436.51)、LCMS(EI)m/e437(M
++H)。
【0427】
(R)−4,4,4−トリフルオロ−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)ブタンニトリル((R)−34)および(S)−4,4,4−トリフルオロ−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)ブタンニトリル((S)−34). イソプロパノール(IPA)3.0L中の1.5Kgの20μキラルセル(登録商標)ODキラル固定相(CSP)(Daicel製)のスラリーを、150barの充填圧下で、PROCHROM動的軸方向圧縮カラムLC110−1(内径11cm×長さ25cm;カラム隙間容積:約1.5L)中に詰め込んだ。次に充填されたカラムを、Novasep Hipersep HPLCユニット上に据え付けた。カラムおよびHPLCシステムをメタノール(17L)で、ならびにイソプロパノールおよびヘキサンの混合物(容積で2:8、17L)からなる移動相で洗い流した。次いで、移動相中に4,4,4−トリフルオロ−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)ブタンニトリル(33、ラセミSEM−保護化合物、3100g、7.1mol)を溶解して、120g/Lの濃度にすることにより、供給溶液を調製した。次に、分離のために供給溶液(120mL/注入)を、順次、分取HPLCキラルカラム中に注入した。キラルカラムを、室温で、570mL/分の流量で、移動相で溶離した。330nmの波長でのUVにより、カラム溶離をモニタリングした。これらの条件下で、2つのエナンチオマーの基線分離を達成した。各注入のための周期時間は11分で、この分離工程のために合計210回の注入を実施した。ピーク1(非所望(S)−エナンチオマー、(S)−34)およびピーク2(所望(R)−エナンチオマー、(R)−34)に関する分画を、各注入から別々に収集し、各ピークに関して収集した分画を、減圧(40〜120bar)下で、40℃で、継続的に濃縮した。各蒸発器からの残渣をさらに、高真空下で一定重量に乾燥して、(3R)−3−シクロプロピル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパンニトリル((R)−34、1457g、1550g(理論値)、94%)を薄黄色油(これは、真空中で室温で放置すると固化した)としてピーク2から得て、そして(3S)−シクロプロピル−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパンニトリル((S)−34、1488g、1550g(理論値)、96%)を黄色油(これは、真空中で室温で放置すると固化した)としてピーク1から得た。
【0428】
キラルセル(登録商標)OD−Hカラム(4.6×250mm、5μm)(Chiral Technologies, Inc.から購入)を用いて、SEM−(R)−34および(S)−34の両エナンチオマーのキラル純度評価のために、キラルHPLC法を開発した。1mL/分の流量で、室温で、15%エタノールおよび85%ヘキサンの移動相を用いることにより、9.0より大きい分解能で、SEM保護化合物の2つのエナンチオマーを分離した。UV検出波長は220nmである。(S)−エナンチオマー((S)−34)および(R)−エナンチオマー((R)−34)に関する保持時間は、それぞれ11.2分および22.2分である。
【0429】
化学純度(HPLC面積%)およびキラル純度(キラルHPLC面積%)を含めた分取キラルHPLCにより分離された各エナンチオマーの質を分析し、それらの構造をNMRおよびLC/MSにより確証する。(R)−34に関しては:アキラル純度(220nmで検出されたHPLCにより99.2面積%);キラル純度(キラルHPLCにより99.4面積%;98.8%ee);
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δppm 8.99 (s, 1H), 8.79 (s, 1H), 8.56 (s, 1H), 7.80 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 7.09 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 6.05 (m, 1H), 5.63 (s, 2H), 3.82 (dd, 1H, J = 17.5, 10.6 Hz), 3.66 (dd, 1H, J = 17.0, 4.9 Hz), 3.50 (t, 2H, J = 7.9 Hz), 0.80 (t, 2H, J = 8.2 Hz), -0.145 (s, 9H);
13C NMR(DMSO−d
6,100 MHz)δppm 151.7, 151.3, 149.5, 140.8, 132.9, 130.4, 123.2 (J
CF = 282 Hz), 121.9, 116.2, 113.5, 100.2, 72.3, 65.7, 57.8 (J
CF = 32.4 Hz), 17.1, -1.46;C
19H
23F
3N
6OSi(分子量 436.51)、LCMS(EI)m/e437(M
++H)。(S)−34:アキラル純度(220nmで検出されたHPLCにより99.1面積%);キラル純度(キラルHPLCにより99.2面積%;98.4%ee);
1H NMR(DMSO−d
6,400 MHz)δppm 8.99 (s, 1H), 8.79 (s, 1H), 8.56 (s, 1H), 7.80 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 7.09 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 6.05 (m, 1H), 5.63 (s, 2H), 3.82 (dd, 1H, J = 17.5, 10.6 Hz), 3.66 (dd, 1H, J = 17.0, 4.9 Hz), 3.50 (t, 2H, J = 7.9 Hz), 0.80 (t, 2H, J = 8.2 Hz), -0.145 (s, 9H);
13C NMR(DMSO−d
6,100MHz)δppm 151.7, 151.3, 149.5, 140.8, 132.9, 130.4, 123.2 (J
CF = 282 Hz), 121.9, 116.2, 113.5, 100.2, 72.3, 65.7, 57.8 (J
CF = 32.4 Hz), 17.1, -1.46;C
19H
23F
3N
6OSi(分子量 436.51)、LCMS(EI)m/e437(M
++H)。
【0430】
4,4,4−トリフルオロ−3(R)−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピラゾール−1−イル]−ブチロニトリル((R)−35). サーモウェル、還流冷却器、機械的撹拌器および窒素流入口を装備したフラスコに、4,4,4−トリフルオロ−3(R)−{4−[7−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ピラゾール−1−イル}−ブチロニトリル((R)−34、312g、0.716mol)、アセトニトリル(4.5L)および水(376mL)を付加した。その結果生じた混合物を、次に、室温で、固体テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF
4、697g、7.16mol、10.0当量)を分けて用いて処理した。混合物を、13時間、加熱、還流した。出発物質は残っておらず、2つの生成物(完全に保護化された、およびヒドロキシメチル類似体)が生成されたことをTLCが示したら、反応混合物を室温に、次いで、氷/水浴中で0℃に冷却し、その後、水酸化アンモニウム水溶液(NH
4OH、20%、245mL)を0〜5℃で滴下して、5〜10範囲のpHストリップで検査して、pHを9〜9.5とした。氷浴を除去し、濃い懸濁液を室温で一晩撹拌した。反応が完了したことをHPLCが示したら、反応混合物を、水(1L)、ブライン(500mL)および酢酸エチル(7L)で処理した。2つの層を分離し、水性層を酢酸エチル(2×2L)で抽出した。併合有機層を減圧下で濃縮して、残渣を酢酸エチル(4L)中に再溶解させて、ブライン(2×2L)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を減圧下で除去して、濃いスラリーを得た。ヘプタンを濃いスラリーに付加し、酢酸エチルのほとんどが除去されるまで溶媒除去を継続した。固体を濾過により収集し、真空乾燥して、粗生成物((R)−35、206g、219.3g(理論値)、収率94%、HPLCによる純度98%)を白色粉末として得た。粗生成物をエタノールから再結晶化して、純粋な4,4,4−トリフルオロ−3(R)−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピラゾール−1−イル]−ブチロニトリル((R)−35、188.6g、219.3g(理論値)、収率86%、HPLCによる純度>99.5%)を微細白色結晶固体として得た。(R)−35に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,500MHz)δppm 12.2 (bs, 1H), 8.95 (s, 1H), 8.74 (s, 1H), 8.53 (s, 1H), 7.63 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 6.97 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 6.04 (m, 1H), 3.81 (dd, 1H, J = 17.1, 10.1 Hz), 3.65 (dd, 1H, J = 17.1, 5.0 Hz).;
13C NMR(DMSO−d
6,125MHz)δppm 152.3, 151.0, 149.0, 140.7, 132.7, 127.2, 123.1 (J
CF = 284 Hz), 122.2, 116.2, 113.1, 99.5, 57.7 (J
CF = 33.0 Hz), 17.3 ;C
13H
9F
3N
6(分子量306.25)、LCMS(EI)m/e307(M
++H)。
【0431】
【化233】
[この文献は図面を表示できません]
3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル(37).撹拌棒、冷却器、熱電対および窒素流入口を装備した250mL三つ首丸底フラスコに、4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(5、10.3g、0.033mol)、2−ブテンニトリル(36、3.0mL、0.037mmol、1.12当量)およびアセトニトリル(100mL、2.0mol)を、室温で投入した。その結果生じた混合物を、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU、2.0mL、0.013mol、0.4当量)で処理し、その後、55℃に加温した。反応混合物を、55℃で15〜20時間撹拌した。反応が完了したようであることをLC/MSが示したら、反応混合物を減圧下で濃縮して、橙色油を得た。次いで、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO
2、40〜80% 酢酸エチル/ヘキサン勾配溶離)により精製して、3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル(37、12.3g、12.62g(理論値)、収率97.5%)を無色油として得た(これは真空中で室温で放置すると固化した)。37に関しては:
1H NMR(CDCl
3,400MHz)δppm 8.84 (s, 1H), 8.33 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 7.39 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 6.79 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 5.67 (s, 2H), 4.77 (m, 1H), 3.53 (t, 2H, J = 8.2 Hz), 3.05 (dd, 1H, J = 16.8, 6.2 Hz), 2.98 (dd, 1H, J = 16.8, 6.3 Hz), 1.79 (d, 3H, J = 6.5 Hz), 0.91 (t, 2H, J = 8.3 Hz), -0.068 (s, 9H);C
19H
26N
6OSi(分子量 382.53)、LCMS(EI)m/e383(M
++H)。
【0432】
(S)−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)ブタンニトリル((S)−38)および(R)−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)ブタンニトリル((R)−38). エタノールおよびヘキサンの混合物(容積で15:85)中のラセミ3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル(37、38.3g、0.1mmol)の溶液を、セルローストリ(3,5−ジメチルフェニルカルバメート)で被覆されたシリカゲルを詰め込まれたアキラルカラム(30×250mm)(キラルセル(登録商標)OD−HとしてChiral Technologies Inc.から入手可能、5μm)を装備した分取HPLCシステム中に注入した。室温で、32mL/分の流量で、15対85の容積比のエタノール(EtOH)およびヘキサンの混合物からなる移動相で、カラムを溶離した。220nmの波長でのUV検出により、カラム溶離をモニタリングした。これらの条件下で、2つのエナンチオマーの基線分離を達成した。保持時間は、それぞれ、15.1分(ピーク1、非所望(R)−エナンチオマー(R)−38)および19.6分(ピーク2、所望(S)−エナンチオマー(S)−38)であった。各注入は、200mg/mLの濃度での0.5mLの供給溶液であり、各注入のための周期時間はスタック注入により14分であった。この分離工程のために合計384回の注入を実施した。ピーク1(非所望(R)−エナンチオマー、(R)−38)およびピーク2(所望(S)−エナンチオマー、(S)−38)に関する分画を、各注入から別々に収集し、各ピークに関して収集された分画を、減圧下で濃縮した。各蒸発器からの残渣をさらに、高真空下で一定重量に乾燥して、((S)−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)ブタンニトリル((S)−38、17.43g、19.15g(理論値)、収率91%)をオフホワイト色固体としてピーク2から、そして(R)−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)ブタンニトリル((R)−38、17.8g、19.15g(理論値)、収率93%)をオフホワイト色固体としてピーク1から得た。
【0433】
キラルセル(登録商標)OD−Hカラム(4.6×250mm、5μm)(Chiral Technologies, Inc.から購入)を用いて、SEM−(R)−38および(S)−38の両エナンチオマーのキラル純度評価のために、キラルHPLC法を開発した。0.8mL/分の流量で、室温で、15%エタノールおよび85%ヘキサンからなる移動相を用いることにより、3.0より大きい分解能で、2つのエナンチオマー((R)−38および(S)−38)を分離した。UV検出波長は220nmである。保持時間は、それぞれ、(R)−38に関しては17.8分および(S)−38に関しては21.5分である。
【0434】
化学純度(HPLC面積%)およびキラル純度(キラルHPLC面積%)を含めた分取キラルHPLCにより分離された各エナンチオマーの質を分析し、それらの構造をNMRおよびLC/MSにより確証する。(S)−38に関しては:アキラル純度(220nmで検出されたHPLCにより99.3面積%);キラル純度(キラルHPLCにより99.5面積%;99.0%ee);
1H NMR(CDCl
3,400MHz)δppm 8.84 (s, 1H), 8.33 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 7.39 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 6.79 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 5.67 (s, 2H), 4.77 (m, 1H), 3.53 (t, 2H, J = 8.2 Hz), 3.05 (dd, 1H, J = 16.8, 6.2 Hz), 2.98 (dd, 1H, J = 16.8, 6.3 Hz), 1.79 (d, 3H, J = 6.5 Hz), 0.91 (t, 2H, J = 8.3 Hz), -0.068 (s, 9H);C
19H
26N
6OSi(分子量 382.53)、LCMS(EI)m/e383(M
++H)。(R)−38に関しては:アキラル純度(220nmで検出されたHPLCにより99.1面積%);キラル純度(キラルHPLCにより99.4面積%;98.8%ee);
1H NMR(CDCl
3,400MHz)δppm 8.84 (s, 1H), 8.33 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 7.39 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 6.79 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 5.67 (s, 2H), 4.77 (m, 1H), 3.53 (t, 2H, J = 8.2 Hz), 3.05 (dd, 1H, J = 16.8, 6.2 Hz), 2.98 (dd, 1H, J = 16.8, 6.3 Hz), 1.79 (d, 3H, J = 6.5 Hz), 0.91 (t, 2H, J = 8.3 Hz), -0.068 (s, 9H);C
19H
26N
6OSi(分子量 382.53)、LCMS(EI)m/e383(M
++H)。
【0435】
(3S)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル((S)−39). オーバーヘッド撹拌、冷却器、熱電対および窒素流入口を装備した5リットル四つ首丸底フラスコに、(3S)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル((S)−38、82.3g、0.215mol)、アセトニトリル(1510mL)、水(135mL)および固体テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF
4、206g、2.15mol、10.0当量)を投入した。その結果生じた反応混合物を加温、還流して、24〜36時間、還流撹拌した。反応が完了したようであることをHPLCおよびTLCが示したら、反応混合物を室温に冷却した。水酸化アンモニウム(NH
4OH)水溶液(20%v/v)を付加して、pHを9〜10に調整した。その結果商事多反応混合物を室温で15〜24時間撹拌した。脱保護反応が完了したようであることをHPLCおよびTLCが示したら、反応混合物を、セライトパッドに通して濾過して、不溶性物質を除去した。セライトパッドを酢酸エチル(500mL)で洗浄した。濾液をさらに酢酸エチル(1L)で希釈した後、20%塩化ナトリウム(NaCl)水溶液(1L)で洗浄した。水性分画を酢酸エチル(2×500mL)で抽出し戻した。次いで、併合有機分画を減圧下で濃縮して、溶媒を除去して、濃い白色スラリーを得た。スラリーを水(2L)で処理し、その結果生じた混合物を室温で18時間撹拌した。固体を濾過により収集し、湿潤ケークをメチルtert−ブチルエーテル(MTBE、500mL)およびヘプタン(500mL)で洗浄した後、真空炉中で50℃Cで一定重量に乾燥した。乾燥粗生成物(45g)を、次に、エタノール(500mL)およびヘプタン(350mL)中で再結晶化して、(3S)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル((S)−39、42.8g、54.2g(理論値)、収率79%)を白色固体として得た。(S)−39に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6、400MHz)δppm 12.1 (bs, 1H), 8.76 (s, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.36 (s, 1H), 7.59 (d, 1H, J = 3.5 Hz), 6.98 (d, 1H, J = 3.5 Hz), 4.98 (m, 1H), 3.19 (d, 2H, J = 6.6 Hz), 1.57 (d, 3H, J = 6.6 Hz);C
13H
12N
6(分子量 252.27)、LCMS(EI)m/e253(M
++H)。
【0436】
【化234】
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2−シアノ−4,4−ジエトキシ−酪酸エチルエステル(4). ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタル(3、541g、2.75mol)を、エチルシアノアセテート(2、 1.55Kg、13.75mol、5.0当量)中の粉末炭酸カリウム(379.6g、2.75mol、1.0当量)およびヨウ化ナトリウム(33g、0.22mol、0.08当量)の懸濁液に付加した。反応混合物にアルデヒドを付加すると、その結果生じた溶液は黄色に変わった。反応混合物を徐々に140〜150℃Cに加熱して、ディーン・スタークトラップ中に揮発性物質を収集した。この物質を廃棄した。140℃で、かなり激しい気体発生が観察され始めた。反応をG.C.によりモニタリングし、90分でほぼ完了することが観察された。気体発生が終わったことが認められたら、さらに45分間、加熱を継続した。次いで、反応混合物を室温に冷まして、4L水および2Lメチルtert−ブチルエーテル(MTBE)間に分配した。層を分離し、水性層をさらに2LのMTBEで抽出した。水性層をG.C.により生成物に関して検査し、次いで廃棄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空濃縮した。粗生成物を分留(91〜105℃@0.53〜0.65mm/Hg)により精製して、2−シアノ−4,4−ジエトキシ−酪酸エチルエーテル(4、359.4g、630.5g(理論値)、57%)を油として得た。4に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,300MHz)δppm 4.60 (t, 1H, J = 5.6 Hz), 4.15 (m, 3H), 3.59 (m, 2H), 3.45 (m,1H), 2.11 (t, 2H, J = 6.2 Hz), 1.22 (t, 3H, J = 6.9 Hz), 1.10 (dt, 6H, J=7.1, 6.9 Hz)。
【0437】
7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−オール (7). 酢酸ホルムアミジン(5、1.04Kg、10mol、1.25当量)を、エタノール(EtOH、62.5当量)中の(21%wt)ナトリウムエトキシド(EtONa) 7.52 Lに付加し、その結果生じた溶液を60分間撹拌した。2−シアノ−4,4−ジエトキシ酪酸エチルエステル(4、 1.8Kg8.0mol)を次に付加し、その結果生じた反応混合物を7時間還流させた。溶液が冷却し、固体を沈澱させた後、撹拌を中止した。上清エタノール溶液を除去し、固体は反応フラスコの底部に残った。エタノールを蒸発させて、残渣を、600mL/molの比率で水および氷とともに、反応フラスコ中に残存する固体に付加し戻した。その結果生じた溶液に、15℃で、500mL/molの比率で、6NのHCl水溶液を付加した。その結果生じた溶液を、次に、45℃で45分間加熱した。溶液を再び15℃に冷まして、水酸化アンモニウム水溶液の付加によりpHを8.0に調整した。沈澱固体を濾過により収集し、水(2×225mL/mol)で洗浄して、吸引乾燥した。固体をさらに1:1 酢酸エチル/ヘプタン(500mL/mol)で、次いでヘプタン(2×250mL/mol)で洗浄して、真空乾燥し、7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−オール(7、738.6g、1081g(理論値)、68.3%)を、黄色〜褐色〜黄色結晶物質として得た。7に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,300MHz)δppm 11.88 (bs, 1H), 11.80 (bs, 1H), 7.81 (s,1H), 7.02 (dd,1H, J = 3.2, 2.3 Hz), 6.42 (dd, 1H, J = 3.5, 2.3 Hz);C
6H
5N
3O(分子量 135.12)、LCMS(EI)m/e136(M
++H)および(M
++Na)m/e158。
【0438】
4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(1). 4−ヒドロキシ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(7、306g、2.25mol)を、20分間に亘って、分けて、オキシ塩化リン(1050ml、1727g、11.26mol、5.0当量)に付加した。撹拌を室温で15分間継続し、次いで、この懸濁液を徐々に加熱、還流して、発生する塩酸を20%水酸化ナトリウム溶液を通してガス洗浄した。全ての物質が溶液中に溶けた後、30分間還流を継続した。反応混合物を60℃に冷却させて、それを撹拌しながら氷(5Kg)上に注いだ。撹拌を20分間継続し、炭酸カリウムを徐々に分けて付加して、pHを7.5に調整した。氷を、必要な場合は付加して、温度を20℃より低く保持した。沈殿物を濾過により収集し、水で十分に洗浄して、真空炉(30℃)中で乾燥した。粗製物質を酢酸エチル中に取り、50℃Cで1.5時間撹拌した。この溶液を木炭で処理して、さらに20分間、50℃Cで撹拌して、セライトを通して熱濾過した。その結果生じた溶液を900mlに濃縮し、氷浴中で撹拌しながら冷却した。沈殿物を濾過により収集し、少量の冷酢酸エチルで洗浄し、真空炉(40℃)中で乾燥して、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(1、227g、334.8g(理論値)、67.8%)を黄色〜褐色結晶固体として得た。母液のさらなる濃縮により、所望生成物のさらなる収穫物(5〜10%)を低純度の黄色〜褐色結晶として得た。1に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400MHz)δppm 12.58 (bs, 1H), 8.58 (s,1H), 7.69 (d,1H, J = 3.5 Hz), 6.59 (d, 1H, J = 3.5 Hz);C
6H
4ClN
3(分子量 153.57)、LCMS(EI)m/e154/156(M
++H)。
【0439】
【化235】
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4,6−ジクロロピリミジン−5−カルブアルデヒド(9). 機械的撹拌器、添加漏斗、冷却器、熱電対、ならびにNaOHガス洗浄水溶液中へのN
2スイープを装備した5L四つ首フラスコ中で、オキシ塩化リン(1L、10.572mol、4.82当量)を氷/塩浴中で冷却した。N,N−ジメチルホルムアミド(DMF、320mL、4.138mol、1.85当量)を、0±2℃で滴下した。〜100mLのDMFの付加後(約0.5時間)、結晶化が起こり、反応温度を0〜10℃に上げた。付加を停止し、混合物を約2℃に再冷却させた。残りのDMFを、<8℃で2.5時間に亘って付加した。懸濁液は非常に濃くなって、撹拌を困難にした。DMFの付加が完了したら、混合物を、3〜5℃で0.5時間撹拌した。4,6−ジヒドロキシピリミジン(8、250g、2.232mol)を、固体として少量ずつ付加した。4,6−ジヒドロキシピリミジンの約3分の1が付加された後、反応混合物はより流動性になり、0.5時間掛けて反応温度が約12℃に上がるとともに、徐々に発熱が起きた。残りの4,6−ジヒドロキシピリミジンを、0.25時間掛けて少量ずつ付加すると、反応温度は12℃から27℃に増大した。完結的に冷却しながら反応温度を25〜27℃に保持したが、この間、黄色懸濁液は薄くなり、次いで再び濃くなった。発熱現象が約1時間で鎮まった後、反応混合物を徐々に加熱した。約55℃で、反応混合物は非常に濃くなり、2度目のの軽度の発熱現象が起きた。加熱マントルを除去したが、反応温度は約63℃まで増大し続け、数分間、この温度のままであったが、その後、下がった。穏やかな還流(約100℃)が得られるまで、混合物の加熱を再開した。約95℃で、HClの安定したかなり急速な発生が開始し、反応混合物は次第に薄くなり、暗色になった。1.25時間に亘って還流温度を徐々に115℃に上げるに伴って、約0.5時間後に、透明褐色溶液が生じた。合計で2.5時間還流後、反応混合物を室温に冷まして、一晩撹拌した。余分量のPOCl
3(出来るだけ多くの)を、減圧下で除去した(浴温度45〜50℃)。濃い残留褐色油を、20L分離漏斗中の冷H
2O(5L)中に非常にゆっくり注ぎ入れ、必要な場合は氷を付加して、水性混合物をほぼ室温に保持した。水性混合物を、EtOAc(2×3L、1×2L)で抽出した。併合EtOAc抽出物をH
2O(2×2.5L)、飽和NaHCO水溶液(1L)、ブライン(1L)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して(浴温度35℃)、粗製4,6−ジクロロピリミジン−5−カルブアルデヒド(9、270g、395g(理論値)、68.4%)を黄色−橙色固体として得た。この粗製物質の20g部分をクーゲルロール蒸留(炉温度 90〜100℃、225mTorr)により精製して、15.3gの純粋4,6−ジクロロピリミジン−5−カルブアルデヒド(9)を白色固体として得て、これは、室温で放置すると黄色に変わった(放置すると、粗製9はゆっくりと加水分解を受けて、HClを生じる。次のステップで用いる前に、粗製9をEtOAcとトルエンの混合物中に溶解し、濾過して不溶性物質を除去した。濾液をH
2O、飽和NaHCO
3溶液、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過して、減圧下で濃縮し、その結果生じた黄色固体を翌日用いた)。9に関しては:
1H NMR(CDCl
3,300MHz)δppm 10.46 (s, 1H), 8.89 (s,1H)。
【0440】
4−アミノ−6−クロロピリミジン−5−カルブアルデヒド(10). MeOH(265mL、1.8602mol、2.0当量)中の7M NH
3の溶液を、トルエン(3L)中の4,6−ジクロロピリミジン−5−カルブアルデヒド(9、163.7g、0.9301mol)の溶液に、1.25時間掛けて付加した。反応温度が20℃から26℃に徐々に上がり、黄色懸濁液が生じた。軽度の冷却を適用して、反応温度を≦26℃に保持した。懸濁液を室温で3.5時間撹拌した後、固体を濾過により収集した。固体をEtOAc(1L)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、固体をトルエン/ヘプタン(2:1 v/v、600mL)で粉砕し、濾過し、乾燥して71.1gの4−アミノ−6−クロロピリミジン−5−カルブアルデヒド(10)を黄色固体として得た。反応混合物から濾過された元の固体は、さらなる10を含有した。生成物を、1.5時間、EtOAc(1.25L)中での撹拌により濾過固体から抽出し、濾過し、次いでTHF(750mL)中で1時間撹拌して、濾過した。EtOAcおよびTHF濾液をともに、減圧下で濃縮し、その結果生じた固体をトルエン/ヘプタン(2:1 v/v、450mL)で粉砕し、濾過し、乾燥してさらに44.1gの4−アミノ−6−クロロピリミジン−5−カルブアルデヒド(10)を黄色固体として得た。4−アミノ−6−クロロピリミジン−5−カルブアルデヒド(10、115.2g、146.4g(理論値))の併合収率は、78.6%であった。10に関しては:
1HNMR(DMSO−d
6,300MHz)δppm 10.23 (s, 1H), 8.71 (bs,1H), 8.55 (bs, 1H), 8.39 (s, 1H);C
5H
4ClN
3O(分子量 157.56)、LCMS(EI)m/e158(M
++H)。
【0441】
6−クロロ−5−(2−メトキシビニル)ピリミジン−4−イルアミン(12). A THF(1.5L)中の(メトキシメチル)トリフェニル−ホスホニウムクロリド(11、276.0g、0.807mol、1.1当量)の懸濁液を、氷/塩よく中で−2℃に冷却し、THF中の1M KO
tBu(807mL、0.807mol、1.1当量)を、−2〜−3℃で1.5時間に亘って付加した。深赤色〜橙色混合物を、−2〜−3℃で1時間撹拌した。4−アミノ−6−クロロピリミジン−5−カルブアルデヒド(10、115.2g、0.7338mol、1.0当量)を、次に、THF(200mL)を用いて固体形態として反応混合物に少量ずつ付加して、容器および漏斗をすすいだ。付加中、反応温度が−3℃から13℃に上がると、褐色となった。反応温度が10℃に下がったら、冷却浴を除去し、反応混合物を室温に上げさせて、42時間撹拌した。反応混合物を−2℃に冷却後、飽和NH
4Cl水溶液(750mL)を徐々に付加してクエンチした。混合物を減圧下で濃縮して、THFのほとんどを除去した。残渣を、EtOAc(3L)およびH
2O(1L)間に分配した。有機相を濾過して、界面での不溶性物質を除去し、次いで、2NのHCl(4×250mL)で、その後、3NのHCl(2×250mL)で抽出した。併合HCl抽出物をEtOAc(500mL)で戻し抽出して、次いで、セライトを通して濾過し、不溶性物質を除去した。6NのNaOH水溶液で/は8に調整された氷/ブライン浴中で濾液を冷却し、EtOAc(3×1L)で抽出した。併合EtOAc抽出物をブライン(1L)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、木炭(10g)およびシリカゲル(10g)を用いて1時間撹拌した。混合物をセライトを通して濾過し、EtOAc(1L)でセライトパッドを洗浄した。濾液を濃縮し、残留EtOAcをヘプタン(500mL)と同時蒸発させた。その結果生じた黄褐色固体を高真空下で2時間ポンプ流送して、粗製6−クロロ−5−(2−メトキシビニル)ピリミジン−4−イルアミン(12、72.3g、136.2g(理論値)、53.1%)を得た。粗製12を、さらに精製せずに、その後の反応に用いた。粗製12(2.3g)の試料を、シリカゲル上でのクロマトグラフィーにより精製し、0〜35%EtOAc/ヘプタンで溶離して、1.7gの純粋12を白色固体として得た(これはE/Z異性体の1:2混合物である)。12に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,300MHz) E−異性体に関して: δppm 8.02 (s, 1H), 7.08 (bs, 2H), 6.92 (d, 1H, J = 13.1), 5.35 (d, 1H, J = 13.0 Hz), 3.68 (s, 3H) およびZ異性体に関して:δppm 8.06 (s, 1H), 7.08 (bs, 2H), 6.37 (d, 1H, J = 6.8 Hz), 5.02 (d, 1H, J = 6.7 Hz), 3.69 (s, 3H);C
7H
8ClN
3O(分子量 185.61)、LCMS(EI)m/e186/188(M
++H)。
【0442】
4−クロロ−7H−[ピロロ[2,3−d]ピリミジン(1). 濃塩酸(5mL)を、THF(700mL)中の粗製6−クロロ−5−(2−メトキシビニル)ピリミジン−4−イルアミン(12、70.0g、0.3784mol)の溶液に付加し、その結果生じた反応混合物を、7.5時間、加熱、還流した。加温時に、薄い懸濁液が形成され、これは次第に再溶解された。反応が完了したと思われたら、反応混合物を室温に冷まして、一晩撹拌した。固体NaHCO
3(15g)を付加し、混合物を室温で1時間撹拌した。木炭(7g)、シリカゲル(7g)およびNa
2SO
4(20g)を付加し、混合物を40℃に加熱した。混合物を室温に冷まして、セライトを通して濾過し、セライトパッドをTHF(1L)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、その結果生じた固体を減圧下で乾燥して、粗製4−クロロ−7H−[ピロロ[2,3−d]ピリミジン(1、 58.1g、58.1g(理論値)、100%)を黄色〜褐色固体として得た。この粗生成物を50〜55℃でEtOAc(1L)中に溶解し、活性炭(3g)で処理した。混合物をセライトを通して温めながら濾過し、セライトパッドを温EtOAc(250mL)で洗浄した。濾液を約500mLに濃縮し、懸濁液を一晩放置した。懸濁液を2時間0〜5℃に冷却した後、固体を濾過により収集した。固体を乾燥して、純粋な4−クロロ−7H−[ピロロ[2,3−d]ピリミジン(1、54.5g、58.1g(理論値)、94%)を黄色〜褐色結晶として得た。1に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400MHz)δppm 12.58 (bs, 1H), 8.58 (s,1H), 7.69 (d,1H, J = 3.5 Hz), 6.59 (d, 1H, J = 3.5 Hz);LCMS(EI)m/e154/156(M
++H)。
【0443】
【化236】
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4−ヨードピラゾール(14). 窒素流入口、添加漏斗、サーモウェルおよび機械的撹拌器を装備したフラスコに、ピラゾール(13、450g、6.62mol)およびテトラヒドロフラン(5L)を投入した。混合物を10℃に冷却して、N−ヨードスクシンイミド(NIS、1490g、6.62mol、1.0当量)を固体として分けて付加した。反応混合物(わずかに懸濁液)を、室温で1時間撹拌した(周囲温度によってはさらに長い反応時間を要することもある)。次に、混合物を濾過し、THFを減圧下で除去した。残渣を酢酸エチル(6L)中に懸濁し、不溶性物質を濾過した。暗色濾液を、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(2x3L)(有機層は薄くなって淡黄色になる)、水(2x3L)およびブライン(2L)で順次洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、4−ヨードピラゾール(14、1138g、1284.1g(理論値)、88.6%)を、真空炉中で30℃で一晩乾燥後に、白色〜淡黄色固体として得た。14に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400MHz)δppm 13.17 (bs, 1H), 7.93 (bs,1H), 7.55 (bs,1H);C
3H
3IN
2(分子量193.97)、LCMS(EI)m/e195(M
++H)。
【0444】
1−トリメチルシリル−4−ヨードピラゾール(15). 還流冷却器、窒素流入口、機械的撹拌器およびサーモウェルを装備したフラスコに、4−ヨードピラゾール(14、200g、1.03mol)およびTHF(2L)を投入した。この溶液に、トリエチルアミン(TEA、158mL、1.13mol、1.1当量)を付加し、その結果生じた溶液を氷−ブライン浴中で0℃に冷却した。この溶液に、クロロトリメチルシラン(TMS−Cl、137mL、1.08mol、1.05当量)を迅速に撹拌しながら付加すると、温度は18℃になった(反応液は非常に濃くなり、撹拌が難しくなるが、しかし時間が経つと扱い易くなる)。発熱が鎮まったら、冷却浴を除去し、反応液を室温に加温した。反応にGCを施すと、約1時間後に完了したようであることが判明した(TMS加水分解を防止するために、反応液のサンプリングは脱気して実行し、ドライ溶媒で希釈しなければならない)。次に、反応混合物をヘプタン(2L)で希釈した後、窒素下で濾過した。溶媒を減圧下で濾液から除去して、窒素でロトバップをベントした。残留油をヘプタン(1L)で希釈し、再濃縮した。ヘプタン付加時に固体が生じた場合は、二次濾過が必要である。次いで、クーゲルロールを用いて減圧下(約0.5Torrで70〜90℃)で残渣を希釈して、1−トリメチルシリル−4−ヨードピラゾール(15、263g、274.1g(理論値)、96%)を無色油として得た(TMS基は急速に加水分解するため、この物質は、全時点で窒素下に保持されなければならない)。その後、1−トリメチルシリル−4−ヨードピラゾールは、2当量のヘキサメチルジシラザンとともにヨードピラゾール(14)を1時間加熱することにより調製され得る、ということが判明した。
【0445】
4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(17). 機械的撹拌器、窒素流入口、添加漏斗およびサーモウェルを装備したフラスコに、1−トリメチルシリル−4−ヨードピラゾール(15、225.1g、0.85mol)およびTHF(2200mL)を投入した。この混合物を、氷/塩/ブライン浴中で−6℃に冷却し、温度が0℃を超えないような速度でイソプロピルマグネシウムクロリド(THF中2M、510ml、1.02mol、1.2当量)を付加した。金属/ハロゲン交換の程度をGCによりモニタリングし、約10分後に完了したことが判明した。橙褐色溶液に、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(イソプロピルピナコールボレート、16、347mL、1.7mol、2.0当量)を、先ず、0℃より低い温度を保持しながら徐々に、次いで、化合物の2分の1を付加後にはかなり迅速に付加すると、温度は5℃に達した(反応液は非常に濃くなり、次いで徐々に薄くなる)。次に、反応液を0℃で10分間撹拌した後、1時間掛けて室温に温めて、室温でさらに1時間撹拌した。反応液を6℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液(2.2L)を付加すると、温度は25℃に上がった。混合物を5時間撹拌後、トルエン(10L)で希釈した。層を分離し(大量の固体が水性層中に存在する)、有機層を水(6x2.2L)、ブライン(2x2.2L)で順次洗浄して、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留トルエンをヘプタンと同時蒸発させて、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(17、90.3g、164.9g(理論値)、54.8%)を白色固体として得た。17に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400MHz)δppm 13.08 (bs, 1H), 7.94 (s,1H), 7.62 (s,1H), 1.23 (s, 12H);C
9H
15BN
2O
2(分子量 194.04)、LCMS(EI)m/e195(M
++H)。
【0446】
1−(エトキシエチル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(19). 機械的撹拌器、サーモウェル、添加漏斗、冷却器およびN
2流入口を装備した22L四つ首フラスコに、4−(4,4,5,5−テトラ−メチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(17、1.42kg、7.32mol)、トルエン(9.5L)およびエチルビニルエーテル(18、790.5g、1050mL、10.98mol、1.50当量)を投入した。ジオキサン(50mL)中の4M HClを、10分間掛けて添加漏斗により付加し、その結果生じた反応混合物を35〜40℃で7時間加熱して、透明均質溶液を得た。GCにより反応が完了したようであることが示されたら、固体NaHCO
3(130g)を付加し、混合物を1時間撹拌した後、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。ヘプタン(200mL)を残渣に付加すると、結晶化が起きた。固体を濾過により収集し、真空炉中で乾燥して、1−(エトキシエチル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(19、1.896Kg、1.948Kg(理論値)、97.3%)を白色〜オフホワイト色固体として得た。19に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400MHz)δppm 8.09 (s, 1H), 8.58 (s,1H), 7.62 (s,1H), 5.55 (q, 1H, J = 6.1 Hz), 3.37 (dq, 1H, J = 7.1, 9.6 Hz), 3.12 (dq, 1H, J = 7.0, 9.7 Hz), 1.56 (d, 3H, J = 6.0 Hz), 1.24 (s, 12H), 1.00 (t, 3H, J = 7.0 Hz);C
13H
23BN
2O
3(分子量 266.14)、LCMS(EI)m/e267(M
++H)。
【0447】
【化237】
[この文献は図面を表示できません]
1−(エトキシエチル)−4−ヨード−1H−ピラゾール(20). 機械的撹拌器、サーモウェル、N
2流入口および冷却器を装備した22L四つ首フラスコに、4−ヨード−1H−ピラゾール(14、1.00Kg、5.16mol)およびトルエン(10L)を投入し、エチルビニルエーテル(18、557g、740mL、7.73mol、1.5当量)を付加した。この懸濁液に、ジオキサン中の4M HCl(32mL、0.128mol、0.025当量)を5分間に亘って付加すると、わずかに濃い白色懸濁液を生じた。混合物を注意深く35〜40℃に加熱すると、この時点で、約40℃までの軽度の発熱が起きて、全固体が急速に溶解し、透明薄黄色溶液を得た。反応完了をGC分析が示すまで、反応混合物をさらに0.5時間、約40℃で加熱した。溶液を25〜30℃に冷却させて、固体NaHCO
3(108g、1.29mol、0.25当量)を付加した。懸濁液を室温で1時間撹拌して、HClの完全中和を保証した。次に、混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留液体を分留して、1−(エトキシエチル)−4−ヨード−1H−ピラゾール(20、1.346Kg、1.373Kg(理論値)、98%)を淡黄色液として得た(約1torrで沸点89〜93°)。20に関しては:
1H NMR(CDCl
3,250 MHz)δppm 7.61 (s, 1H), 7.47 (s, 1H), 5.46 (q, 1H, J = 6.0 Hz), 3.48-3.23 (m, 2H), 1.60 (d, 3H, J = 6.0 Hz), 1.11 (t, 3H, J = 7.0 Hz);C
7H
11IN
2O(分子量 266.08)、LCMS(EI)m/e267(M
++H)。
【0448】
2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン(16). 還流冷却器、機械的撹拌器、N
2流入口およびサーモウェルを装備した5L四つ首フラスコをN
2で十分に洗い流して、ホウ酸イソプロピル(2.673L、11.5mol、1.15当量)およびピナコール(1.179kg、10mol)を投入した。その結果生じた混合物を、一晩、加熱還流(80〜85℃)した。次いで、混合物を室温に冷まして、24インチ・ビグリューカラム、磁気撹拌器およびサーモウェルを装備した5L四つ首フラスコに移した。混合物を、窒素下で周囲温度で蒸留した。主に2−プロパノールおよびホウ酸イソプロピルを含有する(GC分析)低沸点分画(沸点90〜180℃)を除去し、蒸留を完了して、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン(10、1.628kg、1.86Kg(理論値)、87.5%)を無色液体として得た(沸点180〜185℃、GC純度>97.5%)。この物質をSure/Sealボトル中に保存して、加水分解を最小限にした。
【0449】
1−(エトキシエチル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(19). 機械的撹拌器、サーモウェル、添加漏斗およびN
2流入口を装備した22L四つ首フラスコに、1−(エトキシエチル)−4−ヨード−1H−ピラゾール(20、700.0g、2.63mol)およびTHF(5.5L)を投入した。その結果生じた溶液を、−12℃〜−15℃に冷却した。THF中の2M i−PrMgCl(1513mL、3.03mol、1.15当量)の溶液を、反応温度を<−5℃に保持しながら、30分間に亘って、添加漏斗により付加して、黄褐色懸濁液を<−5℃で0.75時間撹拌した。その結果生じた反応混合物をさらに−15℃に冷却して、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン(16、734g、805mL、3.95mol、1.5当量)を添加漏斗により迅速に付加すると、反応温度が約−5℃に上がった[注:類似のTMS保護ピラゾールを用いた以前の研究は、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロランの緩徐添加がより低い収率を生じることを示している]。ほぼ透明な薄褐色溶液が出現し、その後、灰色がかった薄色懸濁液が再形成された。次いで、冷却浴を除去し、反応混合物を0.75時間掛けて16℃に加温した。混合物を、撹拌飽和NH
4Cl水溶液(4L)を含有する50L分離漏斗中に注ぎ入れた。混合物を、トルエン(8L)、ヘプタン(8L)およびH
2O(2L)で希釈した。水性相を除去し、有機相を温(30°C)H
2O(4x3L)および飽和ブライン(2x3L)で洗浄した。有機相をNa
2SO
4上で乾燥して、溶媒を減圧下で除去した。残留トルエンをさらにヘプタン(2L)との同時蒸発により除去した。残留油を、最小量のヘプタン(100mL)を用いて、4Lビーカーに移して、掻き集めて結晶化を誘導した。固体を濾過し、ヘプタン(200mL)で洗浄して、真空炉中で30〜40℃で一晩乾燥した。濾液を減圧下で濃縮して、残渣を一晩放置した。その結果生じた固体を濾過し、ヘプタン(100mL)で洗浄して、真空炉中で30〜40℃で一晩乾燥した。2つの生成物を併合して、1−(エトキシエチル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(19、596g、700g(理論値)、85.1%)を白色〜オフホワイト色固体として得た。19に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400MHz)δppm 8.09 (s, 1H), 8.58 (s,1H), 7.62 (s,1H), 5.55 (q, 1H, J = 6.1 Hz), 3.37 (dq, 1H, J = 7.1, 9.6 Hz), 3.12 (dq, 1H, J = 7.0, 9.7 Hz), 1.56 (d, 3H, J = 6.0 Hz), 1.24 (s, 12H), 1.00 (t, 3H, J = 7.0 Hz);C
13H
23BN
2O
3(分子量 266.14)、LCMS(EI)m/e267(M
++H)。
【0450】
【化238】
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4−ブロモピラゾール(21). ピラゾール(13、34.0g、0.5mol)おおびNBS(89.0g、0.5 mol、1.0当量)を、水(625ml)中に懸濁した。その結果生じた懸濁液を、室温で一晩撹拌した。次いで、反応混合物をEtOAc(2×100mL)で抽出した。併合EtOAc抽出物を、Na
2S
2O
3水溶液およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、減圧下で濃縮して、4−ブロモピラゾール(21、72.0g、73.5g(理論値)、収率98%)を白色固体として得た(GC純度:>98%)。
【0451】
4−ブロモ−1−(エトキシエチル)−1H−ピラゾール(22). CH
2Cl
2(600mL)中の4−ブロモピラゾール(21、70.0g、0.476mol)の溶液に、ジオキサン(4mL)中の3.1M HClの溶液およびエチルビニルエーテル(18、41g、0.569mol、1.2当量)を付加した。その結果生じた反応混合物を、室温で3時間撹拌した。NaHCO
3水溶液で反応をクエンチして、2つの層を分離した。有機層を水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、減圧下で濃縮、乾燥して、4−ブロモ−1−(エトキシエチル)−1H−ピラゾール(22、113g、104.3g(理論値)、収率97%)を油状物として得て(GC純度:89%)、これをさらに精製せずにその後の反応に直接用いた。
【0452】
1−(エトキシエチル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(19). iPrMgCl.LiCl(50mmol、1.8当量)の100mL溶液に、4−ブロモ−1−(エトキシエチル)−1H−ピラゾール(22、6.15g、28mmol)を室温で付加した。その結果生じた反応混合物を、室温で12時間撹拌し、次いで、−20
oCに冷却した。次に、メトキシピナコールボレート(23、10.6g、67mmol、2.4当量)を反応混合物に付加した。その結果生じた混合物を、0〜10
oCで1時間撹拌した。NH
4Cl水溶液を付加して、反応をクエンチした。次いで、混合物を石油エーテル(PE)で抽出した。併合PE抽出物を、飽和NaHCO
3で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥して、減圧下で濃縮した。粗生成物をPE中で結晶化して、1−(エトキシエチル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(19、4.2g、7.45g(理論値)、収率56.4%)を白色〜オフホワイト色固体として得た(GC純度:〜99%)。19に関しては:
1H NMR(DMSO−d
6,400MHz)δppm 8.09 (s, 1H), 8.58 (s,1H), 7.62 (s,1H), 5.55 (q, 1H, J = 6.1 Hz), 3.37 (dq, 1H, J = 7.1, 9.6 Hz), 3.12 (dq, 1H, J = 7.0, 9.7 Hz), 1.56 (d, 3H, J = 6.0 Hz), 1.24 (s, 12H), 1.00 (t, 3H, J = 7.0 Hz);C
13H
23BN
2O
3(分子量 266.14)、LCMS(EI)m/e267(M
++H)。
【0453】
本発明の多数の実施形態を記載してきた。しかし、本発明の精神および範囲を逸脱せずに、種々の修正がなされ得ることが理解される。したがって、他の実施形態は、下記の発明および以下の特許請求の範囲の範囲内である。
[発明1]
式I:
【化239】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を含む組成物の製造方法であって、式II:
【化240】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を、水素化触媒の存在下で水素ガスと反応させることを包含する方法
(式中、
*は、キラル炭素を示し;
R
1は、C
3−7シクロアルキル、C
1−6アルキルおよびC
1−6フルオロアルキルから選択され;
R
2は、−C(=O)−NH
2、−C(=O)O−R
3およびシアノから選択され;
R
3は、C
1−4アルキルまたはC
1−4フルオロアルキルから選択され;
P
1は、保護基である)。
[発明2]
前記組成物が、エナンチオマー過剰の式Iの化合物の(R)−または(S)−エナンチオマーを含み;前記水素化触媒がL
1を有するルテニウムまたはロジウム触媒であって、L
1がキラルホスフィンリガンドである上記発明1記載の方法。
[発明3]
前記エナンチオマー過剰率が約90%以上である上記発明2記載の方法。
[発明4]
前記エナンチオマー過剰率が約99%以上である上記発明2記載の方法。
[発明5]
前記キラルホスフィンリガンドが、以下のうちの1つから選択される上記発明2記載の方法:
【化241】
[この文献は図面を表示できません]
。
[発明6]
前記組成物が、エナンチオマー過剰の式Iの化合物の(S)−エナンチオマーを含む上記発明2記載の方法。
[発明7]
L
1が、以下のリガンドのうちの1つから選択される上記発明6記載の方法:
【化242】
[この文献は図面を表示できません]
。
[発明8]
前記組成物が、エナンチオマー過剰の式Iの化合物の(R)−エナンチオマーを含む上記発明2記載の方法。
[発明9]
L
1が、以下のリガンドのうちの1つから選択される上記発明8記載の方法:
【化243】
[この文献は図面を表示できません]
。
[発明10]
前記生成物が、式Ia:
【化244】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物である上記発明2〜9のいずれか1つに記載の方法
(式中、
*は、キラル炭素を示し;
R
1は、C
3−7シクロアルキル、C
1−6アルキルおよびC
1−6フルオロアルキルから選択され;
P
1は、保護基である)。
[発明11]
R
2が−C(=O)−NH
2である上記発明2〜9のいずれか1つに記載の方法。
[発明12]
脱水条件下で式Iの前記化合物を反応させて、式Ia:
【化245】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成することをさらに包含する上記発明11記載の方法
(式中、
*は、キラル炭素を示し;
R
1は、C
3−7シクロアルキル、C
1−6アルキルおよびC
1−6フルオロアルキルから選択され;
P
1は、保護基である)。
[発明13]
前記脱水条件が、トリエチルアミンの存在下で塩化トリクロロアセチルを含む上記発明12記載の方法。
[発明14]
R
2が−C(=O)O−R
3である上記発明2〜9のいずれか1つに記載の方法。
[発明15]
R
2が−C(=O)OCH
3である上記発明2〜9のいずれか1つに記載の方法。
[発明16 式Iの前記化合物を金属水酸化物と反応させて、式Ic:
【化246】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成することをさらに包含する上記発明14または15記載の方法
(式中、
*は、キラル炭素を示し;
R
1は、C
3−7シクロアルキル、C
1−6アルキルおよびC
1−6フルオロアルキルから選択され;
P
1は、保護基である)。
[発明17]
前記金属水酸化物がアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物である上記発明16記載の方法。
[発明18]
前記金属水酸化物が水酸化リチウムである上記発明16記載の方法。
[発明19]
式Icの前記化合物をカップリング試薬の存在下でアンモニアまたは水酸化アンモニウムと反応させて、式Ib:
【化247】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成することをさらに包含する上記発明16〜18のいずれか1つに記載の方法
(式中、
*は、キラル炭素を示し;
R
1は、C
3−7シクロアルキル、C
1−6アルキルおよびC
1−6フルオロアルキルから選択され;
P
1は、保護基である)。
[発明20]
前記カップリング剤がN,N−カルボニルジイミダゾールである上記発明19記載の方法。
[発明21]
式Ibの前記化合物を脱水条件下で反応させて、式Ia:
【化248】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成することをさらに包含する上記発明19〜20のいずれか1つに記載の方法
(式中、
*は、キラル炭素を示し;
R
1は、C
3−7シクロアルキル、C
1−6アルキルおよびC
1−6フルオロアルキルから選択され;
P
1は、保護基である)。
[発明22]
P
1が−CH
2OC(=O)C(CH
3)
3または−CH
2OCH
2CH
2Si(CH
3)
3である上記発明2〜21のいずれか1つに記載の方法。
[発明23]
R
1がシクロペンチルである上記発明2〜22のいずれか1つに記載の方法。
[発明24]
式Id:
【化249】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の(R)−または(S)−エナンチオマーが、エナンチオマー過剰となって含まれる組成物の製造方法であって、キラルアミンおよび有機酸の存在下で、式IV:
【化250】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を、式V:
【化251】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と反応させることを包含する方法
(式中、
*は、キラル炭素を示し;
R
1は、C
3−7シクロアルキル、C
1−6アルキルおよびC
1−6フルオロアルキルから選択され;
P
1は、保護基である)。
[発明25]
式VI:
【化252】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の(R)−または(S)−エナンチオマーが、エナンチオマー過剰となって含まれる組成物の製造方法であって、キラルアミンおよび有機酸の存在下で、式V:
【化253】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を、式VII:
【化254】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と反応させることを包含する方法
(式中、
*は、キラル炭素を示し;
R
1は、C
3−7シクロアルキル、C
1−6アルキルおよびC
1−6フルオロアルキルから選択され;
X
1は、ハロゲンである)。
[発明26]
前記有機酸がp−トルエンスルホン酸である上記発明24または25記載の方法。
[発明27]
前記キラルアミンが式A−1:
【化255】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の(R)−または(S)−エナンチオマーである上記発明24〜26のいずれか1つに記載の方法
(式中、XはCY
3Y
4であり、YはCY
5Y
6であるか;あるいは
XはSまたはNY
7であり、YはCY
5Y
6であるか;あるいは
XはCY
3Y
4であり、YはSであり;
Q
1およびQ
2は、各々独立して、H、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、カルボキシ、C
1−6アルキルカルボキサミド、C
1−6アルコキシカルボニル、およびフェニルから選択され、ここで、前記C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6アルキルカルボキサミド、C
1−6アルコキシカルボニルおよびフェニルは、各々、ヒドロキシル、カルボキシ、トリ−C
1−6アルキルシリル、トリ−C
1−6アルキルシリルオキシ、C
6−10アリール、C
6−10アリールアミノ、C
1−9へテロアリールおよびC
1−9へテロアリールアミノから独立して選択される1、2または3つの基により任意に置換され、ここで、前記C
6−10アリール、C
6−10アリールアミノ、C
1−9へテロアリールおよびC
1−9へテロアリールアミノは、各々、ハロゲン、C
1−6アルキルおよびC
1−6ハロアルキルから独立して選択される1、2、3または4つの基により任意に置換され;
Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、Y
6は、各々独立して、H、ヒドロキシル、カルボキシ、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6アルコキシカルボニルおよびフェニルから選択されるか;あるいは
Y
1およびY
2は、一緒になってオキソを形成するか;あるいは
Y
3およびY
4は、一緒になってオキソを形成するか;あるいは
Y
5およびY
6は、一緒になってオキソを形成するか;あるいは
Y
1およびY
2は、それらが結合される炭素と一緒になって5−または6員シクロアルキル環を形成するか;あるいは
Q
1およびY
5は、それらが結合される炭素原子と一緒になって5−または6員シクロアルキル環を形成する)。
[発明28]
前記キラルアミンが、式A−2:
【化256】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の(R)−または(S)−エナンチオマーである上記発明24〜26のいずれか1つに記載の方法
(式中、
*は、(R)−または(S)−立体配置を有するキラル炭素を示し;
Ar
1およびAr
2は、各々独立して、C
6−10アリールであって、C
1−6アルキルおよびC
1−6ハロアルキルから独立して選択される1、2、3または4つの基により任意に置換され;
R
aは、各々独立して、C
1−6アルキルから選択され;
R
bは、H、C
1−6アルキルおよびC
1−6ハロアルキルから選択される)。
[発明29]
Ar
1およびAr
2が、各々独立して、フェニルであって、メチルおよびトリフルオロメチルから独立して選択される1、2、3または4つの基により任意に置換され;
R
aが、各々独立して、メチル、エチルまたはt−ブチルから選択され;
R
bがHである
上記発明28記載の方法。
[発明30]
前記キラルアミンが、プロリン、プロリンアミド、プロリル−L−ロイシン、プロリル−L−アラニン、プロリルグリシン、プロリル−L−フェニルアラニン、ジフェニルピロリジン、ジベンジルピロリジン、N−(1−メチルエチル)−ピロリジンカルボキサミド、2−(アニリノメチル)ピロリジン、2−[ビス(3,5−ジメチルフェニル)メチル]ピロリジン、ジフェニル(ピロリジン−2−イル)メタノール、プロリノール、4−チアゾリジンカルボン酸、トランス−3−ヒドロキシプロリン、トランス−4−ヒドロキシプロリン、4−ベンジル−1−メチル−イミダゾリジン−2−カルボン酸、1−メチル−4−フェニル−イミダゾリジン−2−カルボン酸、4,5−オクタヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−カルボン酸、4,5−ジフェニル−イミダゾリジン−2−カルボン酸、N1−メチル−3−フェニルプロパン−1,2−ジアミン、1,2−ジフェニルエタンジアミン、1−メチル−4−(1−メチル−1H−インドール−3−イルメチル)−イミダゾリジン−2−カルボン酸、4−ベンジル−1−メチル−イミダゾリジン−2−カルボン酸、1,2−シクロヘキサンジアミン、2−フェニル−チアゾリジン−4−カルボン酸、tert−ロイシンメチルエステル、5−ベンジル−2,2,3−トリメチル−イミダゾリジン−4−オン、メチルプロリネート、4,5−ジフェニルイミダゾリジン、2−シクロヘキシル−4,5−ジフェニルイミダゾリジン、2−{ビス−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−トリメチルシラニルオキシ−メチル}−ピロリジン、2−{ビス−[3,5−ジメチルフェニル]−トリメチルシラニルオキシ−メチル}−ピロリジン、2−{ジフェニル−トリメチルシラニルオキシ−メチル}−ピロリジン、2−{ビス[ナフチ−2−イル]−トリメチルシラニルオキシ−メチル}−ピロリジン、2−{tert−ブチルジメチルシリルオキシ−ジフェニル−メチル}−ピロリジン、2−{ビス−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−トリエチルシラニルオキシ−メチル}−ピロリジン、および2−{ビス−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−エチル−ジメチルシリルオキシ−メチル}−ピロリジンから選択される化合物の(R)−または(S)−エナンチオマーである上記発明24〜26のいずれか1つに記載の方法であって、(R)−または(S)−立体配置が前記化合物中のNH基に隣接する炭素で存在する方法。
[発明31]
前記キラルアミンが(R)−エナンチオマーである上記発明27〜30のいずれか1つに記載の方法。
[発明32]
前記キラルアミンが、以下の化合物のうちの1つから選択される上記発明24〜26のいずれか1つに記載の方法:
【化257】
[この文献は図面を表示できません]
。
[発明33]
前記エナンチオマー過剰率が約90%以上である上記発明24〜32のいずれか1つに記載の方法。
[発明34]
前記エナンチオマー過剰率が約99%以上である上記発明24〜32のいずれか1つに記載の方法。
[発明35]
式Idの前記化合物をアンモニアまたは水酸化アンモニウムおよびヨウ素で処理して、式Ia:
【化258】
[この文献は図面を表示できません]
の前記化合物を形成することをさらに包含する上記発明24記載の方法
(式中、
*は、キラル炭素を示し;
R
1は、C
3−7シクロアルキル、C
1−6アルキルおよびC
1−6フルオロアルキルから選択され;
P
1は、保護基である)。
[発明36]
式VIの前記化合物をアンモニアまたは水酸化アンモニウムおよびヨウ素で処理して、式VIII:
【化259】
[この文献は図面を表示できません]
の前記化合物を形成することをさらに包含する上記発明25記載の方法
(式中、
*は、キラル炭素を示し;
R
1は、C
3−7シクロアルキル、C
1−6アルキルおよびC
1−6フルオロアルキルから選択され;
P
1は、保護基であり;
X
1はハロゲンである)。
[発明37]
式VIIIの前記化合物を、式B−1:
【化260】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と反応させて、式IX:
【化261】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を形成することをさらに包含する上記発明36記載の方法
(式中、
*は、キラル炭素を示し;
R
1は、C
3−7シクロアルキル、C
1−6アルキルおよびC
1−6フルオロアルキルから選択され;
X
1はハロであり;
R
cおよびR
dは、各々独立して、HおよびC
1−6アルキルから選択されるか;あるいは
R
cおよびR
dは、それらが結合される酸素原子ならびに酸素原子が結合されるホウ素原子と一緒になって、5〜6員複素環式環を形成して、その複素環式環は、任意に1、2、3または4つのC
1−4アルキル基で任意に置換される)。
[発明38]
式B−1の前記化合物が4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−[2,2’]ビス[1,3,2−ジオキサボロラニル]である上記発明37記載の方法。
[発明39]
パラジウム触媒および塩基の存在下で、式IXの化合物を、式X:
【化262】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と反応させて、式Ia:
【化263】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を形成することをさらに包含する上記発明37または38記載の方法
(式中、
*は、キラル炭素を示し;
R
1は、C
3−7シクロアルキル、C
1−6アルキルおよびC
1−6フルオロアルキルから選択され;
X
2は、トシラート基、トリフラート基、ヨード、クロロまたはブロモであり;
Pは、保護基であり;
R
cおよびR
dは、各々独立して、HおよびC
1−6アルキルから選択されるか;あるいは
R
cおよびR
dは、それらが結合される酸素原子ならびに酸素原子が結合されるホウ素原子と一緒になって、5〜6員複素環式環を形成して、その複素環式環は、任意に1、2、3または4つのC
1−4アルキル基で任意に置換される)。
[発明40]
P
1が−CH
2OC(=O)C(CH
3)
3または−CH
2OCH
2CH
2Si(CH
3)
3である上記発明24、26〜35および24〜39のいずれか1つに記載の方法。
[発明41]
R
1がシクロペンチルである上記発明24〜40のいずれか1つに記載の方法。
[発明42]
エナンチオマー過剰の式IX:
【化264】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の(R)−または(S)−エナンチオマーを含む組成物
(式中、
*は、キラル炭素を示し;
R
1は、C
3−7シクロアルキル、C
1−6アルキルおよびC
1−6フルオロアルキルから選択され;
R
cおよびR
dは、各々独立して、C
1−6アルキルであるか;あるいは
R
cおよびR
dは、それらが結合される酸素原子ならびに酸素原子が結合されるホウ素原子と一緒になって、5〜6員複素環式環を形成して、その複素環式環は、任意に1、2、3または4つのC
1−4アルキル基で任意に置換される)。
[発明43]
R
1がシクロペンチルである上記発明42記載の組成物。
[発明44]
式IXの化合物のラセミ体を含む組成物を、移動相を用いるキラルクロマトグラフィーユニットに通すこと、ならびに式IXの化合物の(R)−または(S)−エナンチオマーが、エナンチオマー過剰となって含まれる組成物を収集することを包含する上記発明42または43記載の組成物の製造方法。
[発明45]
前記移動相がエタノールおよびヘキサンを含み、前記エタノールが約25〜約10容量%の量で存在する上記発明44記載の方法。
[発明46]
前記クロマトグラフィーユニットが8つのカラムまたはキラルカラムユニットの1組を装備した擬似移動床(SMB)クロマトグラフィーユニットであり、各カラムがキラル固定相を詰め込まれる上記発明42または45記載の方法。
[発明47]
前記キラル固定相が改質セルロースキラル固定相である上記発明46記載の方法。
[発明48]
式IXの前記化合物が式:
【化265】
[この文献は図面を表示できません]
を有する上記発明44〜47のいずれか1つに記載の方法。
[発明49]
パラジウム触媒、塩基および溶媒の存在下で、式IX:
【化266】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を、式XI:
【化267】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と反応させて、式III:
【化268】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の(R)−または(S)−エナンチオマーが、エナンチオマー過剰となって含まれる組成物を形成することをさらに包含する上記発明44〜48のいずれか1つに記載の方法
(式中、
*は、キラル炭素を示し;
X
2は、トシラート基、トリフラート基、ヨード、クロロまたはブロモであり;
R
1は、C
3−7シクロアルキル、C
1−6アルキルおよびC
1−6フルオロアルキルから選択され;
R
cおよびR
dは、各々独立して、C
1−6アルキルであるか;あるいは
R
cおよびR
dは、それらが結合される酸素原子ならびに酸素原子が結合されるホウ素原子と一緒になって、5〜6員複素環式環を形成して、その複素環式環は、任意に1、2、3または4つのC
1−4アルキル基で任意に置換される)。
[発明50]
式IX:
【化269】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を、式X:
【化270】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と、パラジウム触媒、塩基および溶媒の存在下で、式Ia:
【化271】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の(R)−または(S)−エナンチオマーが、エナンチオマー過剰となって含まれる組成物を形成するための条件下で、それに十分な時間の間、反応させることをさらに包含する上記発明44〜48のいずれか1つに記載の方法
(式中、
*は、キラル炭素を示し;
R
1は、C
3−7シクロアルキル、C
1−6アルキルおよびC
1−6フルオロアルキルから選択され;
R
cおよびR
dは、各々独立して、C
1−6アルキルであるか;あるいは
R
cおよびR
dは、それらが結合される酸素原子ならびに酸素原子が結合されるホウ素原子と一緒になって、5〜6員複素環式環を形成して、その複素環式環は、任意に1、2、3または4つのC
1−4アルキル基で任意に置換され;
X
2は、トシラート基、トリフラート基、ヨード、クロロまたはブロモであり;
P
1は、保護基である)。
[発明51]
式Ia:
【化272】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物のラセミ体を含む組成物の製造方法であって、
(a)式Iaの化合物の(R)−または(S)−エナンチオマーが、エナンチオマー過剰となって含まれる組成物を、式D−1:
【化273】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を用いて、式IV:
【化274】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を形成するのに十分な条件下で、第一塩基の存在下で、処理すること;および
(b)第二の塩基の存在下で、式IVの化合物を式D−1の化合物と反応させること
を包含する方法
(式中、
*は、キラル炭素を示し;
P
1は、保護基であり;
R
1は、C
3−7シクロアルキル、C
1−6アルキルおよびC
1−6フルオロアルキルから選択される)。
[発明52]
前記第一塩基が炭酸セシウムである上記発明51記載の方法。
[発明53]
前記第二の塩基が1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)である上記発明51または52記載の方法。
[発明54]
式Ia:
【化275】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物のラセミ体を含む組成物の製造方法であって、式Iaの化合物の(R)−または(S)−エナンチオマーが、エナンチオマー過剰となって含まれる組成物を、式D−1:
【化276】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を用いて、式Iaの化合物のラセミ体を形成するのに十分な条件下で、塩基の存在下で、処理することを包含する方法
(式中、
*は、キラル炭素を示し;
P
1は、保護基であり;
R
1は、C
3−7シクロアルキル、C
1−6アルキルおよびC
1−6フルオロアルキルから選択される)。
[発明55]
前記塩基がカリウムt−ブトキシドである上記発明54記載の方法。
[発明56]
式Ia:
【化277】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の(R)−または(S)−エナンチオマーが、エナンチオマー過剰となって含まれる組成物を調製するための工程であって、式Iaの化合物のラセミ体を含む組成物を、移動相を用いるキラルクロマトグラフィーユニットに通すこと、ならびに式Iaの化合物の(R)−または(S)−エナンチオマーが、エナンチオマー過剰となって含まれる組成物を収集することを包含する工程をさらに包含する上記発明51〜55のいずれか1つに記載の方法
(式中、
*は、キラル炭素を示し;
R
1は、C
3−7シクロアルキル、C
1−6アルキルおよびC
1−6フルオロアルキルから選択され;
P
1は、保護基である)。
[発明57]
前記移動相がイソプロパノールおよびヘキサンを含み、前記イソプロパノールが約25〜約10容量%の量で存在する上記発明56記載の方法。
[発明58]
前記クロマトグラフィーユニットが8つのカラムまたはキラルカラムユニットの1組を装備した擬似移動床(SMB)クロマトグラフィーユニットであり、各カラムがキラル固定相を詰め込まれる上記発明56〜57のいずれか1つに記載の方法。
[発明59]
P
1が−CH
2OC(=O)C(CH
3)
3または−CH
2OCH
2CH
2Si(CH
3)
3である上記発明51〜58のいずれか1つに記載の方法。
[発明60]
R
1がシクロペンチルである上記発明51〜60のいずれか1つに記載の方法。
[発明61]
式Ia:
【化278】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の(R)−または(S)−エナンチオマーが、 エナンチオマー過剰となって含まれる組成物の製造方法であって、
(a)式Iaの化合物のラセミ体を含む組成物を、溶媒の存在下で、キラル酸と反応させて、式Iaの化合物の塩を形成すること;
(b)式Iaの化合物(R)−または(S)−エナンチオマーのキラル塩が、エナンチオマー過剰となって含まれる組成物を分離すること;および
(c)前記キラル塩を塩基で処理して、式Iaの化合物の(R)−または(S)−エナンチオマーが、エナンチオマー過剰となって含まれる組成物を形成すること
を包含する方法
(式中、
*は、キラル炭素を示し;
R
1は、C
3−7シクロアルキル、C
1−6アルキルおよびC
1−6フルオロアルキルから選択され;そして
P
1は、保護基である)。
[発明62]
前記キラル酸が、光学活性型のマンデル酸、2−クロロマンデル酸、カンファースルホン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、3−ブロモカンファー−8−スルホン酸、3−ブロモカンファー−10−スルホン酸、10−カンファースルホン酸、ジベンゾイル酒石酸、ジ−p−トルオイル酒石酸、2−アミノ−7,7−ジメチルビシクロp[2,2,1]ヘプタン−1−メチレンスルホン酸および2−アクリルアミド−7,7−ジメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−1−メチレンスルホン酸から選択される上記発明61記載の方法。
[発明63]
前記キラル酸が(+)−ジベンゾイル−D−酒石酸である上記発明61記載の方法。
[発明64]
P
1が−CH
2OC(=O)C(CH
3)
3または−CH
2OCH
2CH
2Si(CH
3)
3である上記発明61〜63のいずれか1つに記載の方法。
[発明65]
R
1がシクロペンチルである上記発明61〜64のいずれか1つに記載の方法。
[発明66]
式XII:
【化279】
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の化合物の製造方法であって、パラジウム触媒、塩基および溶媒の存在下で、式X:
【化280】
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の化合物を、式XIII:
【化281】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と反応させて、式XIIの化合物を形成することを包含する方法
(式中、
*は、キラル炭素を示し;
X
2は、トシラート基、トリフラート基、ヨード、クロロまたはブロモであり;
R
1は、C
3−7シクロアルキル、C
1−6アルキルおよびC
1−6フルオロアルキルから選択され;
R
cおよびR
dは、各々独立して、HまたはC
1−6アルキルであるか;あるいは
R
cおよびR
dは、それらが結合される酸素原子ならびに酸素原子が結合されるホウ素原子と一緒になって、5〜6員複素環式環を形成して、その複素環式環は、任意に1、2、3または4つのC
1−4アルキル基で任意に置換され;
P
1およびP
2は、各々独立して、保護基である)。
[発明67]
式XIIIの前記化合物が次式を有する上記発明66記載の方法:
【化282】
[この文献は図面を表示できません]
。
[発明68]
P
1が−CH
2OC(=O)C(CH
3)
3または−CH
2OCH
2CH
2Si(CH
3)
3である上記発明66〜67のいずれか1つに記載の方法。
[発明69]
P
2が1−(エトキシ)エチルである上記発明66〜68のいずれか1つに記載の方法。
[発明70]
脱保護条件下で式Iaの前記化合物を反応させて、式III:
【化283】
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の化合物を形成することをさらに包含する上記発明10、12、13、21、35、39、50および56〜63のいずれか1つに記載の方法
(式中、
*は、キラル炭素を示し;
R
1は、C
3−7シクロアルキル、C
1−6アルキルおよびC
1−6フルオロアルキルから選択され;
P
1は、保護基である)。
[発明71]
P
1が−CH
2OC(=O)C(CH
3)
3または−CH
2OCH
2CH
2Si(CH
3)
3である上記発明70記載の方法。
[発明72]
R
1がシクロペンチルである上記発明70または71記載の方法。
[発明73]
式IIIの前記化合物が(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリルである上記発明70または71記載の方法。
[発明74]
式IIIの化合物をリン酸と反応させて式IIIの前記化合物のリン酸塩を形成することをさらに包含する上記発明70〜73のいずれか1つに記載の方法。
[発明75]
式XVI:
【化284】
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の化合物の製造方法であって、
(a)式XVIII:
【化285】
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の化合物を、約1当量以上のC
1−6アルキル・グリニャール試薬またはC
1−6アルキルリチウム試薬と反応させた後、約1当量以上の式XVII:
【化286】
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の化合物で処理すること;および
(b)任意に、ステップ(a)の生成物を再保護して、式XVIの化合物を生成すること
を包含する方法
(式中、P
3は、保護基であり;
X
3は、ハロゲンであり;
R
4は、C
1−6アルキルであり;
mは、1および2から選択される整数である)。
[発明76]
X
3がヨードまたはブロモである上記発明75記載の方法。
[発明77]
P
3が1−(エトキシ)エチルである上記発明75または76記載の方法。
[発明78]
式XVIの前記化合物が式:
【化287】
[この文献は図面を表示できません]
を有する上記発明75〜77のいずれか1つに記載の方法。
[発明79]
式XIX:
【化288】
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の化合物を保護することを包含する、式XVIIIの化合物の製造方法をさらに包含する上記発明75〜78のいずれか1つに記載の方法
(式中、P
3は、保護基であり;
X
3は、ハロゲンであり;そして
mは、1および2から選択される整数である)。
[発明80]
1H−ピラゾールをハロゲン化剤と反応させることを包含する方法により式XIXの前記化合物を調製することをさらに包含する上記発明75〜79のいずれか1つに記載の方法(式中、X
3はハロゲンであり;
mは、1および2から選択される整数である)。
[発明81]
前記ハロゲン化剤がN−ブロモスクシンイミドまたはN−ヨードスクシンイミドから選択される上記発明75〜80のいずれか1つに記載の方法。
[発明82]
式XIa:
【化289】
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の化合物の製造方法であって、式F−1:
【化290】
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の化合物を、式XIaの化合物を形成するのに十分な条件下で、酸と反応させることを包含する方法。
[発明83]
前記酸が濃塩酸水溶液である上記発明82記載の方法。
[発明84]
式F−2:
【化291】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を、塩基の存在下で、式−CH
2OCH
3のイリドを有する約1当量以上のウィッティヒ型試薬と反応させることを包含する方法により式F−1の前記化合物を調製することをさらに包含する上記発明82〜83のいずれか1つに記載の方法。
[発明85]
F−3:
【化292】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を、溶媒中の約2当量以上のアンモニアと反応させることを包含する方法により、式F−1の前記化合物を調製することをさらに包含する上記発明82〜84のいずれか1つに記載の方法。
[発明86]
F−4:
【化293】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を、塩素化剤と反応させることを包含する方法により、式F−1の前記化合物を調製することをさらに包含する上記発明82〜85のいずれか1つに記載の方法。
[発明87]
式I:
【化294】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の(R)−または(S)−エナンチオマーが、 エナンチオマー過剰となって含まれる組成物
(式中、
*は、キラル炭素を示し;
R
1は、C
3−7シクロアルキル、C
1−6アルキルおよびC
1−6フルオロアルキルから選択され;
R
2は、−C(=O)−NH
2、−C(=O)O−R
3、−C(=O)OHおよび−C(=O)Hから選択され;
R
3は、C
1−4アルキルまたはC
1−4フルオロアルキルから選択され;
P
1は、保護基である)。
[発明88]
P
1が−CH
2OC(=O)C(CH
3)
3または−CH
2OCH
2CH
2Si(CH
3)
3である上記発明87記載の組成物。
[発明89]
R
1がシクロペンチルである上記発明87または88記載の組成物。
[発明90]
式II:
【化295】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物
(式中、R
1は、C
3−7シクロアルキル、C
1−6アルキルおよびC
1−6フルオロアルキルから選択され;
R
2は、−C(=O)−NH
2および−C(=O)O−R
3から選択され;
R
3は、C
1−4アルキルまたはC
1−4フルオロアルキルから選択され;
P
1は、保護基である)。
[発明91]
P
1が−CH
2OC(=O)C(CH
3)
3または−CH
2OCH
2CH
2Si(CH
3)
3である上記発明90記載の化合物。
[発明92]
R
1がシクロペンチルである上記発明90または91記載の化合物。
[発明93]
90%以上のエナンチオマー過剰率の式III’:
【化296】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の(R)−エナンチオマーを含む組成物の製造方法であって、
(a)式XI’:
【化297】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を、水素化ナトリウムおよび塩化N−ピバロイルオキシメチルで処理して、式X’:
【化298】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を形成すること;
(b)Pd(トリフェニルホスフィン)
4、炭酸カリウムおよび溶媒の存在下で、式X’の前記化合物を、式XIII’:
【化299】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物で処理して、式XII’:
【化300】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を形成すること;
(c)脱保護条件下で、式XII’の前記化合物を反応させて、式IV’:
【化301】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を得ること;
(d)1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンの存在下で、式IV’’の前記化合物を、式XIV’:
【化302】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と反応させて、式II’:
【化303】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を得ること;
(e)[Rh(COD)
2]CF
3SO
3、ならびに以下の:
【化304】
[この文献は図面を表示できません]
から選択されるキラルホスフィンリガンドの存在下で、式II’の前記化合物を水素ガスと反応させて、式I’:
【化305】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を形成すること;および
(f)脱保護条件下で、式I’の前記化合物を反応させて、式III’ の前記化合物を形成すること
を包含する方法
(式中、
*はキラル炭素を示す)。
[発明94]
式XI’:
【化306】
[この文献は図面を表示できません]
の前記化合物を調製することをさらに包含する上記発明93記載の方法であって、
(i)F−4:
【化307】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を、約1〜約2当量のジメチルホルムアミドの存在下で、約3〜約5当量のPOCl
3と反応させて、式F−3:
【化308】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を形成すること;
(ii)F−3の前記化合物を、メタノール中で約2当量のアンモニアと反応させて、式F−2:
【化309】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を形成すること;
(iii)約1〜約1.5当量のカリウムtert−ブトキシドの存在下で、式F−2の前記化合物を、約1〜約1.5当量の式[Ph
3P
+(CH
2OCH
3)]Cl
−(式中、Phはフェニルである)のウィッティヒ型試薬と反応させて、式F−1:
【化310】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を形成すること;
(iv)式F−1の前記化合物を、還流でのテトラヒドロフラン中における濃塩酸水溶液で処理して、式XI’の化合物を形成すること
を包含する方法。
[発明95]
式XIII’:
【化311】
[この文献は図面を表示できません]
の前記化合物を調製することをさらに包含する上記発明93記載の方法であって、
(i)1H−ピラゾールをN−ブロモスクシンイミドと反応させて、式XIX’:
【化312】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を形成すること;
(ii)式XIXの前記化合物を保護して、式XVIII’:
【化313】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を形成すること;および
(iii)式XVIII’の前記化合物を、約1当量以上の塩化イソプロピルマグネシウムと反応させた後、約1当量以上の式XVII’:
【化314】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物で処理して、式XIII’の化合物を形成すること
を包含する方法。
[発明96]
式XIII’:
【化315】
[この文献は図面を表示できません]
の前記化合物を調製することをさらに包含する上記発明93記載の方法であって、
(i)4−ヨード−1H−ピラゾールを保護して、式XVIII’’:
【化316】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を形成すること;および
(ii)式XVIII’’の化合物を、テトラヒドロフラン中で約1当量以上の塩化イソプロピルマグネシウムと反応させた後、約1当量以上の式XVII’:
【化317】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物で処理して、式XIII’の化合物を形成すること
を包含する方法。
[発明97]
ステップ(e)において:
溶媒が、2,2,2−トリフルオロエタノール(TFE)であり;
水素化触媒負荷が、約0.005〜約0.01mol%であり;
式IIの前記化合物の前記水素化触媒に対する比が、約20000/l〜約10000/lであり;
水素圧が、約7〜約60barであり;
反応が、ほぼ室温〜約75℃の温度で実行され;
式IIの前記化合物の式の前記化合物への変換が約99.5以上になるまで、反応が実行され;そして
反応が、約10〜約25時間である
上記発明93記載の方法。
[発明98]
式III’:
【化318】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の(R)−エナンチオマーが、エナンチオマー過剰となって含まれる組成物の製造方法であって、
(a)式XI’:
【化319】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を、水素化ナトリウムおよび2−(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリドで処理して、式X’’:
【化320】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を形成すること;
(b)Pd(トリフェニルホスフィン)
4、炭酸カリウムおよび溶媒の存在下で、式X’’の前記化合物を、式XIII’:
【化321】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物で処理して、式XII’’:
【化322】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を形成すること;
(c)脱保護条件下で、式XII’’の前記化合物を反応させて、式IV’’:
【化323】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を形成すること;
(d)式IV’’の前記化合物と式D−1’:
【化324】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物との反応を、式I’’:
【化325】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物のラセミ体を含む組成物を形成するのに十分な条件下で実施すること;
(e)式I’’の前記化合物の前記ラセミ体を含む前記組成物を、移動相を用いるキラルクロマトグラフィーユニットに通して、式I’’の前記化合物の(R)−エナンチオマーが、エナンチオマー過剰となって含まれる組成物を収集すること;および
(f)式I’’の前記化合物をテトラフルオロホウ酸リチウムと、その後、水酸化アンモニウム水溶液と反応させて、式III’の前記化合物の(R)−エナンチオマーが、エナンチオマー過剰となって含まれる組成物を形成すること
を包含する方法
(式中、
*はキラル炭素である)。
[発明99]
式III’:
【化326】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の(R)−エナンチオマーが、 エナンチオマー過剰となって含まれる組成物の製造方法であって、
(a)式I’’の化合物のラセミ体を形成するのに十分な条件下で、アセトニトリル中の炭酸セシウムの存在下で、式I’’:
【化327】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の(S)−エナンチオマーが、エナンチオマー過剰となって含まれる組成物を、式D−1’:
【化328】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物で処理すること;
(b)式I’’の前記化合物の前記ラセミ体を含む前記組成物を、移動相を用いるキラルクロマトグラフィーユニットに通して、式I’’の前記化合物の(R)−エナンチオマーが、エナンチオマー過剰となって含まれる組成物を収集すること;および
(c)式I’’の前記化合物をテトラフルオロホウ酸リチウムと、その後、水酸化アンモニウム水溶液と反応させて、式III’の前記化合物の(R)−エナンチオマーが、エナンチオマー過剰となって含まれる組成物を形成すること
を包含する方法
(式中、
*はキラル炭素である)。
[発明100]
式III’:
【化329】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の(R)−エナンチオマーが、エナンチオマー過剰となって含まれる組成物の製造方法であって、
(a)式XI’:
【化330】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を、水素化ナトリウムおよび2−(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリドで処理して、式X’’:
【化331】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を形成すること;
(b)Pd(トリフェニルホスフィン)
4、炭酸カリウムおよび溶媒の存在下で、式X’’の前記化合物を、式XIII’:
【化332】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物で処理して、式XII’’:
【化333】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を形成すること;
(c)脱保護条件下で、式XII’’の前記化合物を反応させて、式IV’’:
【化334】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を形成すること;
(d)式IV’’の前記化合物と式D−1’:
【化335】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物との反応を、式I’’:
【化336】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物のラセミ体を含む組成物を形成するのに十分な条件下で実施すること;
(e)式I’’の前記化合物の前記ラセミ体を含む前記組成物を、移動相を用いるキラルクロマトグラフィーユニットに通して、式I’’の前記化合物の(R)−エナンチオマーが、エナンチオマー過剰となって含まれる組成物を収集すること;および
(f)式I’’の前記化合物をボロントリフルオリドジエチルエーテレートと、その後、水酸化アンモニウム水溶液と反応させて、式III’の前記化合物の(R)−エナンチオマーが、エナンチオマー過剰となって含まれる組成物を形成すること
を包含する方法
(式中、
*はキラル炭素である)。
[発明101]
式III’:
【化337】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の(R)−エナンチオマーが、エナンチオマー過剰となって含まれる組成物の製造方法であって、
(a)式I’’の化合物のラセミ体を形成するのに十分な条件下で、アセトニトリル中の炭酸セシウムの存在下で、式I’’:
【化338】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の(S)−エナンチオマーが、エナンチオマー過剰で含まれる組成物を、式D−1’:
【化339】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物で処理すること;
(b)式I’’の前記化合物の前記ラセミ体を含む前記組成物を、移動相を用いるキラルクロマトグラフィーユニットに通して、式I’’の前記化合物の(R)−エナンチオマーが、エナンチオマー過剰となって含まれる組成物を収集すること;および
(c)式I’’の前記化合物をボロントリフルオリドジエチルエーテレートと、その後、水酸化アンモニウム水溶液と反応させて、式III’の前記化合物の(R)−エナンチオマーが、エナンチオマー過剰となって含まれる組成物を形成すること
を包含する方法
(式中、
*はキラル炭素である)。
[発明102]
式III’:
【化340】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の(R)−エナンチオマーが、エナンチオマー過剰となって含まれる組成物の製造方法であって、式I’’:
【化341】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の前記化合物を、ボロントリフルオリドジエチルエーテレートと、その後、水酸化アンモニウム水溶液と反応させて、式III’の前記化合物の(R)−エナンチオマーが、エナンチオマー過剰となって含まれる組成物を形成すること
を包含する方法
(式中、
*はキラル炭素である)。
[発明103]
(3R)−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピラゾール−1−イル]プロピオニトリルリン酸塩の製造方法であって、2−プロパノールおよびジクロロメタンの存在下で、(3R)−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピラゾール−1−イル]プロピオニトリルをリン酸と反応させることを包含する方法。
[発明104]
(3R)−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピラゾール−1−イル]プロピオニトリルリン酸塩の精製方法であって、メタノール、2−プロパノールおよびn−ヘプタンを含む溶媒混合物から(3R)−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピラゾール−1−イル]プロピオニトリルリン酸塩を再結晶化することを包含する方法。
[発明105]
前記2−プロパノールおよびn−ヘプタンが、メタノール中の(3R)−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピラゾール−1−イル]プロピオニトリルリン酸塩の混合物に付加される上記発明104記載の方法。