【文献】
セラミックスと金属の接合 〜基礎から新しい技術まで〜,セラミックス材料学,2000年 2月 2日,URL,http://www.sanken.osaka-u.ac.jp/labs/rci/nano/down/suganuma-joining.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記陽極酸化プロセスが、多孔質バルブ金属酸化物の層へのCa及びPイオンを含有するアルカリ浴内で行われるスパーク陽極酸化プロセスであり、前記多孔質バルブ金属酸化物層は非晶質リン酸カルシウムを含有する、請求項12に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、1つ又は2つ以上の挑戦的課題を克服する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、本発明は、外面及び基材の外面の上に配設された複数の層を有する基材であって、前記基材がポリマー材料を含み、及び前記複数の層が、(i)活性化基材表面層と、(ii)バルブ金属層と、(iii)多孔質バルブ金属酸化物層と、を含み、前記バルブ金属層が前記活性板層と前記多孔質バルブ金属酸化物層との間に配設された、基材、を含む、外科用インプラントを提供する。
【0007】
1つの実施形態では、基材は熱可塑性ポリマー材料を含む。1つの実施形態では、外科用インプラントの基材の、ポリマー材料はポリエチレンである。1つの実施形態では、外科用インプラントの基材は強化ポリアリールエーテルケトン(PAEK)を含む。更なる実施形態では、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)はポリエーテルケトン(PEK),ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK),ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)及びポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)からなる群から独立して選択される。
【0008】
1つの実施形態では、バルブ金属層は、チタン、タングステン、アルミニウム、ハフニウム、ニオビウム、タンタル、及びジルコニウムからなる群から独立して選択される金属から形成される。別の実施形態では、多孔質バルブ金属酸化物層は非晶質リン酸カルシウム組成物を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、複数の層はバッファ層を更に含み、このバッファ層は活性化基材表面層とバルブ金属層との間に配設される。
【0010】
1つの実施形態では、バッファ層は第1の材料と第2の材料の複数の交互層を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、バッファ層は第1の材料と第2の材料の複数の交互層を含む。更なる実施形態では、第1の材料は金属材料を含み、第2の材料は金属材料の窒化物又は炭化物を含む。1つの実施形態では、第1の材料はTi及び/又はCrを含み、第2の材料はTiN及び/又はCrN及び/又はTiC及び/又はCrCを含む。
【0012】
バッファ層の1つの実施形態では、第1の材料及び第2の材料の複数の交互層のそれぞれの交互層は10nm〜100nmの範囲の厚みを有する。いくつかの実施形態では、バッファ層は100nm〜1000nmの範囲の厚みを有する。
【0013】
いくつかの実施形態では、バッファ層は結晶質又は非晶質材料を含む。更なる実施形態では、結晶質又は非晶質材料は、TiO
2、Ta
2O
5、Nb
2O
5、ZrO
2、SiO
2、RuO
2、又はMoO
2、MoO
3、VO、VO
2、V
2O
3、V
2O
5、CrO、Cr
2O
3、CrO
3及びそれらの組み合わせからなる群から独立して選択される。
【0014】
いくつかの実施形態、バッファ層は第1の材料、第2の材料及び第3の材料の複数の交互層を含む。更なる実施形態では、第1の材料は第1の金属材料酸化物を含み、第2の材料は第2の金属材料の窒化物又は炭化物を含み、第2の金属材料は第1の金属材料と同一又はそれと異なるものにできる、及び第3の材料は第3の金属材料を含み、このような第3の金属材料は第1の金属材料及び/又は第2の金属材料と同一又はそれとは異なるものにできる。具体的な実施形態では、第1の材料はTa
2O
5、第2の材料はAlN及び第3の材料はAuであり、結果的にバッファ層はTa
2O
5/AlN/Auの複数の交互層を含む。
【0015】
本発明による外科用インプラントのいくつかの実施形態では、多孔質バルブ金属酸化物層は銀塩層でコーティングを施される。本発明による外科用インプラントの1つの実施形態では、基材は、Zr、ZrO
2、ZnO、Ba、BaSO
4、Ta、Ta
2O
5、Au、Nb、Nb
2O
5、Bi、及びBi
2O
3からなる群から独立して選択される放射線不透過性材料を含む。
【0016】
本発明による外科用インプラントのいくつかの実施形態では、複数の層は活性化基材表面層とバルブ金属層との間に配設されたポリシラン層を更に含む。
【0017】
本発明による外科用インプラントの他の実施形態では、複数の層は導電性の非酸化性金属から形成される導電層を更に含む。1つの実施形態では、導電性の非酸化性金属はAu、Pt、Pd及びそれらの組み合わせからなる群から独立して選択される。別の実施形態では、導電性層は100nm〜1000nmの範囲の厚みを有する。
【0018】
いくつかの例示的な実施形態では、本発明による外科用インプラントは、スクリュー、ピン、ロッド、プレート、釘、骨アンカー、ケーブルタイ、角錐又はスパイク又はキール付きプレート、解剖学的3Dプレート、複合骨置換構造体、及び足場からなる群から独立して選択された形状を有する。
【0019】
1つの実施形態では、多孔質バルブ金属酸化物層は約0.1μm〜約10μmの範囲のサイズ、及び約10,000孔/mm
2〜約500,000孔/mm
2の範囲の孔密度を備えた孔を有する。
【0020】
別の態様では、本発明はポリアリールエーテルケトン(PAEK)外科用インプラントなどの、ポリマー外科用インプラントのために外側コーティング層を提供し、外側コーティング層は複数の層を含む。いくつかの例示的実施形態では、外側コーティング層は約0.1μm〜約10μmの範囲のサイズを備えた孔を有する。他の実施形態では、外側コーティング層は約10,000孔/mm
2〜約500,000孔/mm
2の範囲の孔密度を備えた孔を有する。いくつかの実施形態では、外側コーティング層はTi、O、Ca、及びPの元素又はイオンを更に含む。
【0021】
なお別の態様では、本発明は本明細書に記載した例示的な実施形態のいずれかに従って、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)外科用インプラントなどの、ポリマー外科用インプラントを作製する方法を提供する。1つの例示的な実施形態では、本方法は(A)(i)プラズマ活性化、(ii)電子ビーム照射、(iii)紫外光、及び(iv)低エネルギーAr+イオンビーム照射から構成される1つ又は2つ以上プロセスにより基材の外面を処理することによって、活性化基材表面層を作製することと、(B)活性化基材表面層の上に複数の層を塗布することであって、少なくとも1つの層が約1nm〜約20μmの厚みで塗布されたバルブ金属層を含む、複数の層を塗布することと、(C)バルブ金属層の表面を陽極酸化プロセスにより変換することにより約2μm〜約10μmの厚みを有する多孔質バルブ金属酸化物層を形成することと、を含む。1つの実施形態では、陽極酸化プロセスは多孔質バルブ金属酸化物の層へのCa及びPイオンを含有するアルカリ性浴内で行われるスパーク陽極酸化プロセスに対応し、多孔質バルブ金属酸化物層は非晶質リン酸カルシウムを含有する。別の実施形態では、陽極酸化プロセスは酸性媒質内で行われるカラー陽極酸化プロセスに対応する。このようなカラー陽極酸化プロセスであれば、色付きの表面を生成可能であろう。
【0022】
いくつかの実施形態では、ポリマー材料、特にポリアリールエーテルケトン(PAEK)材料の外科用インプラントを作製する本方法は、バルブ金属層の塗布前に活性化基材表面層の上にバッファ層を塗布する工程を更に含む。更なる実施形態では、バッファ層を塗布する工程は、第1の材料層及び第2の材料層の複数の交互層を塗布することを含む。1つの実施形態では、複数の層は活性化基材表面層を実質的に被覆するように塗布される。
【0023】
ポリマー外科用インプラントを作製する方法の1つの例示的な実施形態では、ポリマーは、PAEK、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)及びポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)からなる群から独立して選択されるPAEKポリマーである。
【0024】
ポリアリールエーテルケトン(PAEK)外科用インプラントなどの、ポリマー外科用インプラントを作製する方法のいくつかの実施形態では、バルブ金属層が、カソードアーク蒸着、マグネトロンスパッタリング物理蒸着、パルスレーザ蒸着、電子ビーム物理蒸着、パイパワーインパルスマグネトロンスパッタリング、フィルタ処理真空アーク蒸着、金属プラズマ浸漬イオン注入及び蒸着、金属蒸気真空アーク注入及びプラズマ支援化学蒸着からなる群から独立して選択されるプロセスにより塗布される。ポリアリールエーテルケトン(PAEK)外科用インプラントなどの、ポリマー外科用インプラントを作製する方法の他の実施形態では、バルブ金属層がTi化合物を含有する溶液中のディップコーティング又はスピンコーティングにより塗布される。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示の様々な実施形態に関して詳細に言及を行い、それらの実施例が添付
図1〜6に示される。可能な限り、同一又は同様の部品に対しては図面全体を通じて同一の参照符号を用いるようにする。
【0028】
1つの態様では、本発明は外面及び基材の外面上に配設された複数の層を有する基材を含む外科用インプラントを提供する。この基材は、ポリマー材料を含み、複数の層は(i)活性化基材表面層、(ii)バルブ金属層、及び(iii)多孔質バルブ金属酸化物層を含み、バルブ金属層は活性化基材層と多孔質バルブ金属酸化物層との間に配設される。
【0029】
典型的には、本発明に従った外科用インプラント用の例示的な基材は、ポリマー材料を含む。このポリマー材料は熱可塑性ポリマー材料、例えば、ポリエチレンであってもよい。別の例では、ポリマー材料はポリアリールエーテルケトン(PAEK)材料であってもよい。1つの実施形態では、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)は、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)及びそれらの組み合わせを含む。1つの実施形態では、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)である。別の実施形態では、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)はポリエーテルケトンケトン(PEKK)である。
【0030】
いくつかの実施形態では、基材は強化ポリアリールエーテルケトン(PAEK)を含む。1つの実施形態では、強化材は短いガラス繊維、長いガラス繊維、炭素繊維又はそれらの組み合わせを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、基材はZr、ZrO
2、ZnO、Ba、BaSO
4、Ta、Ta
2O
5、Au、Nb、Nb
2O
5、Bi、及びBi
2O
3からなる群から独立して選択される放射線不透過性材料を含む。1つの実施形態では、放射線不透過性材料はBaSO
4である。本発明における使用に好適な例示的な放射線不透過性材料は、米国特許出願公開第2007/0191708号に見出すことができ、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【0032】
1つの実施形態では、基材はポリアリールエーテルケトン(「PAEK」)材料又はポリエチレンなどの、熱可塑性材料を含み、それぞれは約1mm〜約5cmの範囲の厚みを有する。別の実施形態では、ポリアリールエーテルケトン(「PAEK」)材料又はポリエチレンなどの熱可塑性材料を含む基材は、約1mm〜約5cmの範囲の厚みを有する。別の実施形態では、PAEK材料又はポリエチレンなどの熱可塑性材料は、約0.1cm〜1cm、約0.2cm〜約1cm、約0.3cm〜約1cm、約0.4cm〜約1cm、約0.5cm〜約1cm、約0.6cm〜約1cm、約0.7cm〜約1cm、約0.8cm〜約1cm、約0.9cm〜約1cm、約0.1cm〜約2m、約0.2cm〜約2cm、約0.3cm〜約2cm、約0.4cm〜約2cm、約0.5cm〜約2cm、約0.6cm〜約2cm、約0.7m〜約2cm、約0.8cm〜約2cm、約0.9cm〜約2cm、約0.1cm〜約3cm、約0.2cm〜約3cm、約0.3cm〜約3cm、約0.4cm〜約3cm、約0.5cm〜約3cm、約0.6cm〜約3cm、約0.7cm〜約3cm、約0.8cm〜約3cm、約0.9cm〜約3cm、約0.1cm〜約4cm、約0.2cm〜約4cm、約0.3cm〜約4cm、約0.4cm〜約4cm、約0.5cm〜約4cm、約0.6cm〜約4cm、約0.7cm〜約4cm、約0.8cm〜約4cm、約0.9cm〜約4cm、約0.1cm〜約5cm、約0.2cm〜約5cm、約0.3cm〜約5cm、約0.4cm〜約5cm、約0.5cm〜約5cm、約0.6cm〜約5cm、約0.7cm〜約5cm、約0.8cm〜約5cm、及び約0.9cm〜約5cmの範囲の厚みを有する。
【0033】
1つの実施形態では、活性化基材表面層は約1原子層と約1μmとの間の表面厚みを有する。1つの実施形態では、活性化基材表面層は約0.1μm〜約1μm、約0.2μm〜約2μm、約0.3μm〜約3μm、約0.4〜約4μm、約0.5〜約5μm、約0.6μm〜約6μm、約0.7μm〜約7μm、約0.8μm〜約8μm、約0.9μm〜約9μm、約0.1μm〜約0.2μm、約0.1μm〜約0.3μm、約0.1μm〜約0.4μm、約0.1〜約0.5μm、約0.1μm〜約0.6μm、約0.1μm〜約0.7μm、約0.1μm〜約0.8μm、約0.1μm〜約0.9μm、約0.2μm〜約0.3μm、約0.2μm〜約0.4μm、約0.2μm〜約0.5μm、約0.2μm〜約0.6μm、約0.2μm〜約0.7μm、約0.2μm〜約0.8μm、約0.2μm〜約0.9μm、約0.3μm〜約0.4μm、約0.3μm〜約0.5μm、約0.3〜約0.6μm、約0.3μm〜約0.7μm、約0.3μm〜約0.8μm、約0.3〜約0.9μm、約0.4μm〜約0.5μm、約0.4μm〜約0.6μm、約0.4μm〜約0.7μm、約0.4μm〜約0.8μm、約0.4μm〜約0.9μm、約0.5μm〜約0.6μm、約0.5μm〜約0.7μm、約0.5μm〜約0.8μm、約0.5μm〜約0.9μm、約0.7μm〜約0.8μm、及び約0.7μm〜約0.9μmからなる群から独立して選択される範囲の表面厚みを有する。
【0034】
いくつかの実施形態では、バルブ金属層はチタン、タングステン、アルミニウム、ハフニウム、ニオビウム、タンタル及びジルコニウムからなる群から独立して選択される。
【0035】
いくつかの実施形態では、バルブ金属層は約1nm〜約20μmの厚みを有する。1つの実施形態では、バルブ金属層は、約1000nm〜約20000nm、約2000nm〜約20000nm、約3000nm〜約20000nm、約4000nm〜約20000m、約5000nm〜約20000nm、約6000nm〜約20000nm、約7000nm〜約20000nm、約8000nm〜約20000nm、約9000nm〜約20000nm、約10000nm〜約20000nm、約11000nm〜約20000nm、約12000nm〜約20000nm、約13000nm〜約20000nm、約14000nm〜約20000nm、約15000nm〜約20000nm、約16000nm〜約20000nm、約17000nm〜約20000nm、約18000nm〜約20000nm、約19000nm〜約20000nm、約1000nm〜約2000nm、約1000nm〜約3000nm、約1000nm〜約4000nm、約1000nm〜約5000nm、約1000nm〜約6000nm、約1000nm〜約7000nm、約1000nm〜約8000nm、約1000nm〜約9000nm、約1000nm〜約10000nm、約1000nm〜約11000nm、約1000nm〜約12000nm、約1000nm〜約13000nm、約1000nm〜約14000nm、約1000nm〜約15000nm、約1000nm〜約16000nm、約1000nm〜約17000nm、約1000nm〜約18000nm、及び約1000nm〜約19000nmからなる群から独立して選択される範囲の厚みを有する。
【0036】
いくつかの実施形態では、多孔質バルブ金属酸化物層は約2μm〜約10μmの厚みを有する。1つの実施形態では、多孔質バルブ金属酸化物層は、2000nm〜3000nm、3000nm〜4000nm、4000nm〜5000nm、5000nm〜6000m、6000nm〜7000nm、7000nm〜8000nm、8000nm〜9000nm、9000nm〜10000nmからなる群から独立して選択される範囲にある厚みを有する。
【0037】
1つの実施形態では、多孔質バルブ金属酸化物層は約0.1μm〜約10μmの範囲のサイズを備えた孔を有する。別の実施形態では、約0.1μm〜約0.2μm、約0.1μm〜約0.3μm、約0.1μm〜約0.4μm、約0.1μm〜約0.5μm、約0.1μm〜約0.6μm、約0.1μm〜約0.7μm、約0.1μm〜約0.8μm、約0.1μm〜約0.9μm、約0.2μm〜約1.2μm、約0.2μm〜約1.3μm、約0.2μm〜約1.4μm、約0.2μm〜約1.5μm、約0.2μm〜約1.6μm、約0.2μm〜約1.7μm、約0.2μm〜約1.8μm、約0.2μm〜約1.9μm、約0.3μm〜約2.2μm、約0.3μm〜約2.3μm、約0.3μm〜約2.4μm、約0.3μm〜約2.5μm、約0.3μm〜約2.6μm、約0.3μm〜約2.7μm、約0.3μm〜約2.8μm、約0.3μm〜約2.9μm、約0.4μm〜約3.2μm、約0.4μm〜約3.3μm、約0.4μm〜約3.4μm、約0.4μm〜約3.5μm、約0.4μm〜約3.6μm、約0.4μm〜約3.7μm、約0.4μm〜約3.8μm、約0.4μm〜約3.9μm、約0.5μm〜約4.2μm、約0.5μm〜約4.3μm、約0.5μm〜約4.4μm、約0.5μm〜約4.5μm、約0.5μm〜約4.6μm、約0.5μm〜約4.7μm、約0.5μm〜約4.8μm、約0.5μm〜約4.9μm、約0.6μm〜約5.2μm、約0.6μm〜約5.3μm、約0.6μm〜約5.4μm、約0.6μm〜約5.5μm、約0.6μm〜約5.6μm、約0.6μm〜約5.7μm、約0.6μm〜約5.8μm、約0.6μm〜約5.9μm、約0.7μm〜約6.2μm、約0.7μm〜約6.3μm、約0.7μm〜約6.4μm、約0.7μm〜約6.5μm、約0.7μm〜約6.6μm、約0.7μm〜約6.7μm、約0.7μm〜約6.8μm、約0.7μm〜約6.9μm、約0.8μm〜約7.2μm、約0.8μm〜約7.3μm、約0.8μm〜約7.4μm、約0.8μm〜約7.5μm、約0.8μm〜約7.6μm、約0.8μm〜約7.7μm、約0.8μm〜約7.8μm、約0.8μm〜約7.9μm、約0.9μm〜約8.2μm、約0.9μm〜約8.3μm、約0.9μm〜約8.4μm、約0.9μm〜約8.5μm、約0.9μm〜約8.6μm、約0.9μm〜約8.7μm、約0.9μm〜約8.8μm、約0.9μm〜約8.9μm、約1μm〜約9.2μm、約1μm〜約9.3μm、約1μm〜約9.4μm、約1μm〜約9.5μm、約1μm〜約9.6μm、約1μm〜約9.7μm、約1μm〜約9.8μm、約1μm〜約9.9μm、約2μm〜約9.2μm、約2μm〜約9.3m、約2μm〜約9.4μm、約2μm〜約9.5μm、約2μm〜約9.6μm、約2μm〜約9.7μm、約2μm〜約9.8μm、約2μm〜約9.9μm、約3μm〜約9.3μm、約3μm〜約9.3μm、約3μm〜約9.4μm、約3μm〜約9.5μm、約3μm〜約9.6μm、約3μm〜約9.7μm、約3μm〜約9.8μm、約3μm〜約9.9μm、約4μm〜約9.2μm、約4μm〜約9.3μm、約4μm〜約9.4μm、約4μm〜約9.5μm、約4μm〜約9.6μm、約4μm〜約9.7μm、約4μm〜約9.8μm、約4μm〜約9.9μm、約5μm〜約9.2μm、約5μm〜約9.3μm、約5μm〜約9.4μm、約5μm〜約9.5μm、約5μm〜約9.6μm、約5μm〜約9.7μm、約5μm〜約9.8μm、約5μm〜約9.9μm、約6μm〜約9.2μm、約6μm〜約9.3μm、約6μm〜約9.4μm、約6μm〜約9.5μm、約6μm〜約9.6μm、約6μm〜約9.7μm、約6μm〜約9.8μm、約6μm〜約9.9μm、約7μm〜約9.2μm、約7μm〜約9.3μm、約7μm〜約9.4μm、約7μm〜約9.5μm、約7μm〜約9.6μm、約7μm〜約9.7μm、約7μm〜約9.8μm、約7μm〜約9.9μm、約8μm〜約9.2μm、約8μm〜約9.3μm、約8μm〜約9.4μm、約8μm〜約9.5μm、約8μm〜約9.6μm、約8μm〜約9.7μm、約8μm〜約9.8μm、約8μm〜約9.9μm、約9μm〜約9.2μm、約9μm〜約9.3μm、約9μm〜約9.4μm、約9μm〜約9.5μm、約9μm〜約9.6μm、約9μm〜約9.7μm、約9μm〜約9.8μm、及び約9μm〜約9.9μm。
【0038】
別の実施形態では、多孔性バルブ金属酸化物層は約10,000孔/mm
2〜約500,000孔/mm
2の範囲の孔密度を有する。別の実施形態では、多孔質バルブ金属酸化物層は、約10,000孔/mm
2〜約50,000孔/mm
2、約10,000孔/mm
2〜約100,000孔/mm
2、約10,000孔/mm
2〜約150,000孔/mm
2、約10,000孔/mm
2〜約250,000孔/mm
2、約10,000孔/mm
2〜約300,000孔/mm
2、約10,000孔/mm
2〜約350,000孔/mm
2、約10,000孔/mm
2〜約400,000孔/mm
2、約10,000孔/mm
2〜約450,000孔/mm
2、約50,000孔/mm
2〜約100,000孔/mm
2、約50,000孔/mm
2〜約150,000孔/mm
2、約50,000孔/mm
2〜約250,000孔/mm
2、約50,000孔/mm
2〜約300,000孔/mm
2、約50,000孔/mm
2〜約350,000孔/mm
2、約50,000孔/mm
2〜約400,000孔/mm
2、約50,000孔/mm
2〜約500,000孔/mm
2、約150,000孔/mm
2〜約150,000孔/mm
2、約150,000孔/mm
2〜約250,000孔/mm
2、約150,000孔/mm
2〜約300,000孔/mm
2、約150,000孔/mm
2〜約350,000孔/mm
2、約150,000孔/mm
2〜約400,000孔/mm
2、約150,000孔/mm
2〜約450,000孔/mm
2、約150,000孔/mm
2〜約450,000孔/mm
2、約200,000孔/mm
2〜約250,000孔/mm
2、200,000孔/mm
2〜約300,000孔/mm
2、約200,000孔/mm
2〜約350,000孔/mm
2、約200,000孔/mm
2〜約400,000孔/mm
2、約200,000孔/mm
2〜約450,000孔/mm
2、約200,000孔/mm
2〜約450,000孔/mm
2、約250,000孔/mm
2〜約300,000孔/mm
2、約250,000孔/mm
2〜約350,000孔/mm
2、約250,000孔/mm
2〜約400,000孔/mm
2、約250,000孔/mm
2〜約450,000孔/mm
2、約250,000孔/mm
2〜約450,000孔/mm
2、約300,000孔/mm
2〜約350,000孔/mm
2、約300,000孔/mm
2〜約400,000孔/mm
2、約300,000孔/mm
2〜約450,000孔/mm
2、約300,000孔/mm
2〜約450,000孔/mm
2、約350,000孔/mm
2〜約400,000孔/mm
2、約350,000孔/mm
2〜約450,000孔/mm
2、約350,000孔/mm
2〜約450,000孔/mm
2、約400,000孔/mm
2〜約450,000孔/mm
2、及び約450,000孔/mm
2〜約500,000孔/mm
2からなる群から独立して選択される範囲にある孔密度を有する。
【0039】
いくつかの実施形態では、複数の層はバッファ層を更に含む。1つの実施形態では、バッファ層は活性化基材表面層とバルブ金属層との間に配設される。
【0040】
いくつかの実施形態では、バッファ層は100nm〜1000nmの範囲の厚みを有する。更なる実施形態では、バッファ層は100nm〜200nm、100nm〜300nm、100nm〜400nm、100nm〜500nm、100nm〜600nm、100nm〜700nm、100nm〜800nm、100nm〜900nm、200nm〜300nm、200nm〜400nm、200nm〜500nm、200nm〜600nm、200nm〜700nm、200nm〜800nm、200nm〜900nm、200nm〜100nm、300nm〜400nm、300nm〜500nm、300nm〜600nm、300nm〜700nm、300nm〜800nm、300nm〜900nm、300nm〜100nm、400nm〜500nm、400nm〜600nm、400nm〜700nm、400nm〜800nm、400nm〜900nm、400nm〜100nm、500nm〜600nm、500nm〜700nm、500nm〜800nm、500nm〜900nm、500nm〜100nm、600nm〜700nm、600nm〜800nm、600nm〜900nm、600nm〜100nm、700nm〜800nm、700nm〜900nm、700nm〜100nm、800nm〜900nm、800nm〜100nm、及び900nm〜1000nmからなる群から独立して選択される範囲の厚みを有する。
【0041】
1つの実施形態では、バッファ層は第1の材料及び第2の材料の複数の交互層を含む。1つの実施形態では、第1の材料は金属材料を含み、第2の材料は金属材料の窒化物又は炭化物を含む。具体的な実施形態では、第1の材料はTi及び/又はCrを含む。別の実施形態では、第2の材料はTiN及び/又はCrN及び/又はTiC及び/又はCrCを含む。
【0042】
1つの実施形態では、第1の材料の複数の交互層の各交互層は10nm〜100nmの範囲の厚みを有する。別の実施形態では、第1の材料の複数の交互層の各交互層は、10nm〜20nm、10nm〜30nm、10nm〜40nm、10nm〜50nm、10nm〜60nm、10nm〜70nm、10nm〜80nm、10nm〜90nm、20nm〜30nm、20nm〜40nm、20nm〜50nm、20nm〜60nm、20nm〜70nm、20nm〜80nm、20nm〜90nm、20nm〜100nm、30nm〜40nm、30nm〜50nm、30nm〜60nm、30nm〜70nm、30nm〜80nm、30nm〜90nm、30nm〜100nm、40nm〜50nm、40m〜60nm、40nm〜70nm、40nm〜80nm、40nm〜90nm、40nm〜100nm、50nm〜60nm、50nm〜70nm、50nm〜80nm、50nm〜90nm、50nm〜100nm、60nm〜70nm、60nm〜80nm、60nm〜90nm、60nm〜100nm、70nm〜80nm、70nm〜90nm、70nm〜100nm、80nm〜90nm、80nm〜100nm、及び90nm〜100nmからなる群から独立して選択される範囲の厚みを有する。
【0043】
1つの実施形態では、第2の材料の複数の交互層の各交互層は10nm〜100nmの範囲の厚みを有する。別の実施形態では、第2の材料の複数の交互層の各交互層は、10nm〜20nm、10nm〜30nm、10nm〜40nm、10nm〜50nm、10nm〜60nm、10nm〜70nm、10nm〜80nm、10nm〜90nm、20nm〜30nm、20nm〜40nm、20nm〜50nm、20nm〜60nm、20nm〜70nm、20nm〜80nm、20nm〜90nm、20nm〜100nm、30nm〜40nm、30nm〜50nm、30nm〜60nm、30nm〜70nm、30nm〜80nm、30nm〜90nm、30nm〜100nm、40nm〜50nm、40nm〜60nm、40nm〜70nm、40nm〜80nm、40nm〜90nm、40nm〜100nm、50nm〜60nm、50nm〜70nm、50nm〜80nm、50nm〜90nm、50nm〜100nm、60nm〜70nm、60nm〜80nm、60nm〜90nm、60nm〜100nm、70nm〜80nm、70nm〜90nm、70nm〜100nm、80nm〜90nm、80nm〜100nm、及び90nm〜100nmからなる群から選択される範囲の厚みを有する。
【0044】
1つの実施形態では、第1の材料及び第2の材料の複数の交互層の各交互層は、10nm〜100nmの範囲の厚みを有する。別の実施形態では、第1の材料及び第2の材料の複数の交互層の各交互層は、10nm〜20nm、10nm〜30nm、10nm〜40nm、10nm〜50nm、10nm〜60nm、10nm〜70nm、10nm〜80nm、10nm〜90nm、20nm〜30nm、20nm〜40nm、20nm〜50nm、20nm〜60nm、20nm〜70nm、20nm〜80nm、20nm〜90nm、20nm〜100nm、30nm〜40nm、30nm〜50nm、30nm〜60nm、30nm〜70nm、30nm〜80nm、30nm〜90nm、30nm〜100nm、40nm〜50nm、40nm〜60nm、40nm〜70nm、40nm〜80nm、40nm〜90nm、40nm〜100nm、50nm〜60nm、50nm〜70nm、50nm〜80nm、50nm〜90nm、50nm〜100nm、60nm〜70nm、60nm〜80nm、60nm〜90nm、60nm〜100nm、70nm〜80nm、70nm〜90nm、70nm〜100nm、80nm〜90nm、80nm〜100nm、及び90nm〜100nmからなる群から独立して選択される範囲の厚みを有する。
【0045】
別の実施形態では、バッファ層は結晶質又は非晶質材料を含む。このような実施形態では、結晶質又は非晶質材料は、TiO
2、Ta
2O
5、Nb
2O
5、ZrO
2、SiO
2、RuO
2、又はMoO
2、MoO
3、VO、VO
2、V
2O
3、V
2O
5、CrO、Cr
2O
3、CrO
3及びそれらの組み合わせからなる群から独立して選択される。
【0046】
なお別の実施形態では、バッファ層は第1の材料、第2の材料及び第3の材料の複数の交互層を含む。1つの実施形態では、バッファ層は3つの交互層の1から10グループまでを含む。更なる実施形態では、第1の材料は第1の金属材料の酸化物を含み、第2の材料は第2の金属材料の窒化物を含み、第2の金属材料は第1の金属材料と同一又はそれとは異なるものにすることができる、及び第3の材料は第3の金属材料を含み、このような第3の金属材料は、第1の金属材料及び/又は第2の金属材料と同一又はそれとは異なるものにすることができる。具体的な実施形態では、第1の材料はTa
2O
5であり、第2の材料はAlNであり及び第3の材料はAuであり、結果的にはバッファ層はTa
2O
5/AlN/Auの複数の交互層を含むことになる。
【0047】
いくつかの実施形態では、本発明によれば、基材の上に配設された複数の層は活性化基材表面層とバルブ金属層との間に配設された接着層を更に含む。1つのこのような実施形態では、接着層はメタクリル酸オキシプロピルトリメトキシシラン(methyacryloxypropyl trimethoxylsilane)から誘導されるポリシラン層である。
【0048】
本発明による外科用インプラントの他の実施形態では、複数の層は導電性の非酸化性金属から形成される導電性層を更に含む。1つの実施形態では、導電性の非酸化性金属はAu、Pt、Pd及びそれらの組み合わせからなる群から独立して選択される。1つの実施形態では、導電性層はバッファ層とバルブ金属層との間に位置づけされる。別の実施形態では、導電性層は、100nm〜1000nm、100nm〜500nm、及び200nm〜300nmの範囲の厚みを有する。
【0049】
いくつかの実施形態では、外科用インプラントは多孔質バルブ金属酸化物層の上に位置する銀塩のコーティングを含む。1つのこのような実施形態では、銀塩はAgNO
3である。
【0050】
本発明による外科用インプラントのいくつかの例示的な実施形態では、外科用インプラントは外面及び基材の外面の上に配設された複数の層を有する基材を含み、基材はポリアリールエーテルケトン(PAEK)材料又はポリエチレンなどの熱可塑性材料を含む。1つの実施形態では、複数の層は基材の外面全体を実質的に被覆する。実施形態の目的のために、「実質的に被覆する」とは、基材の外面の少なくとも95%が複数の層によって被覆されることを意味する。
【0051】
埋め込み可能な医療用装置は、欠損した生物学的構造体を置換する、損傷した生物学的構造体を支持する、又は既存の生物学的構造体を向上させることを含む、多様な医療用途/臨床用途に製造される。人体/人体組織に接触するインプラント及び/又はインプラントの表面はそれらの構成が異なる。インプラントのいくつかは、所望のインプラント機能性に応じてチタン、シリコーン若しくはアパタイトなどの生物医学材料から作製されてよい。場合によって、インプラントは、例えば、人工ペースメーカー及び蝸牛のインプラントなどのエレクトロニクスを内蔵し、かつ/又は埋め込み可能なピル又は薬剤溶出ステントの形態で皮下薬剤送達装置など、生物活性である。
【0052】
外科用インプラントは、とりわけ、整形外科、神経外科、心臓病学、及び心臓胸部の手術の分野において、医療/臨床用途のために存在する。外科用インプラントの非制限実施例としては、例えば、人工心臓弁及び管状血管プロテーゼなどの心臓血管インプラント;例えば、水頭症シャント及びコンポーントなどの神経外科用インプラント;頭蓋内動脈瘤クリップ;例えば、部分的及び完全股関節プロテーゼ及び完全膝関節プロテーゼなどの骨及び関節置換;例えば、金属骨スクリュー、金属骨プレート、髄質ピン、金属骨格ピン及びワイヤー、及び完全椎間脊椎円板プロテーゼなどの骨接合術及び脊髄装置、口腔及び顎顔面外科インプラント;並びにユニバーサル脊椎方式、ハリントン方式、及び従来方式などの脊髄及び骨盤方式が挙げられる。
【0053】
結果的に、外科用インプラントは、構成、構造的複雑性及び医療/臨床用途がさまざまに異なる広範囲の製品を含む。そういうわけで、本発明の例示的な実施形態に従った使用のためのインプラントは、使用状況に応じてサイズ、形状、及び他の物理的及び化学的特性が異なるものにできる。
【0054】
結果的に、1つの実施形態では、本発明による外科用インプラントは、スクリュー、ピン、ロッド、プレート、釘、骨アンカー、ケーブルタイ、角錐又はスパイク又はキール付きのプレート、解剖学的3Dプレート、複合骨置換構造体、及び骨格からなる群から独立して選択された形状を有する。
【0055】
当業者は、所望の結果、例えば、臓器修復、臓器置換、若しくは臓器増強を得るために、好適なインプラントの特性、例えば、規模、形状、化学組成物、その他を選択できることを認識するであろう。
【0056】
別の態様では、本発明はポリアリールエーテルケトン(PAEK)又はポリエチレンなどの熱可塑性材料の、複数の層を含む外科用インプラントのためにコーティングを提供する。別の例示的な実施形態では、コーティングは約0.1μm〜約10μmの範囲のサイズを備えた孔を有する外側コーティング層を有する。別の実施形態では、外側コーティング層は、約0.1μm〜約1μm、約0.2μm〜約2μm、約0.3μm〜約3μm、約0.4〜約4μm、約0.5〜約5μm、約0.6μm〜約6μm、約0.7μm〜約7μm、約0.8μm〜約8μm、約0.9μm〜約9μm、約0.1μm〜約0.2μm、約0.1μm〜約0.3μm、約0.1μm〜約0.4μm、約0.1〜約0.5μm、約0.1μm〜約0.6μm、約0.1μm〜約0.7μm、約0.1μm〜約0.8μm、約0.1μm〜約0.9μm、約0.2μm〜約0.3μm、約0.2μm〜約0.4μm、約0.2μm〜約0.5μm、約0.2μm〜約0.6μm、約0.2μm〜約0.7μm、約0.2μm〜約0.8μm、約0.2μm〜約0.9μm、約0.2μm〜約10μm、約0.3μm〜約0.4μm、約0.3μm〜約0.5μm、約0.3〜約0.6μm、約0.3μm〜約0.7μm、約0.3μm〜約0.8μm、約0.3〜約0.9μm、約0.3μm〜約10μm、約0.4μm〜約0.5μm、約0.4μm〜約0.6μm、約0.4μm〜約0.7μm、約0.4μm〜約0.8μm、約0.4μm〜約0.9μm、約0.4μm〜約10μm、約0.5μm〜約0.6μm、約0.5μm〜約0.7μm、約0.5μm〜約0.8μm、約0.5μm〜約0.9μm、約0.5μm〜約10μm、約0.7μm〜約0.8μm、約0.7μm〜約0.9μm、及び約0.7μm〜約10μmの範囲からなる群から独立して選択されるサイズを備えた孔を有する。
【0057】
他の実施形態では、外側コーティング層は約10,000孔/mm
2〜約500,000孔/mm
2の範囲の孔密度を備えた孔を有する。別の実施形態では、外側コーティング層は、約10,000孔/mm
2〜約50,000孔/mm
2、約10,000孔/mm
2〜約100,000孔/mm
2、約10,000孔/mm
2〜約150,000孔/mm
2、約10,000孔/mm
2〜約250,000孔/mm
2、約10,000孔/mm
2〜約300,000孔/mm
2、約10,000孔/mm
2〜約350,000孔/mm
2、約10,000孔/mm
2〜約400,000孔/mm
2、約10,000孔/mm
2〜約450,000孔/mm
2、約50,000孔/mm
2〜約100,000孔/mm
2、約50,000孔/mm
2〜約150,000孔/mm
2、約50,000孔/mm
2〜約250,000孔/mm
2、約50,000孔/mm
2〜約300,000孔/mm
2、約50,000孔/mm
2〜約350,000孔/mm
2、約50,000孔/mm
2〜約400,000孔/mm
2、約50,000孔/mm
2〜約500,000孔/mm
2、約150,000孔/mm
2〜約150,000孔/mm
2、約150,000孔/mm
2〜約250,000孔/mm
2、約150,000孔/mm
2〜約300,000孔/mm
2、約150,000孔/mm
2〜約350,000孔/mm
2、約150,000孔/mm
2〜約400,000孔/mm
2、約150,000孔/mm
2〜約450,000孔/mm
2、約150,000孔/mm
2〜約450,000孔/mm
2、約200,000孔/mm
2〜約250,000孔/mm
2、約200,000孔/mm
2〜約300,000孔/mm
2、約200,000孔/mm
2〜約350,000孔/mm
2、約200,000孔/mm
2〜約400,000孔/mm
2、約200,000孔/mm
2〜約450,000孔/mm
2、約200,000孔/mm
2〜約450,000孔/mm
2、約250,000孔/mm
2〜約300,000孔/mm
2、約250,000孔/mm
2〜約350,000孔/mm
2、約250,000孔/mm
2〜約400,000孔/mm
2、約250,000孔/mm
2〜約450,000孔/mm
2、約250,000孔/mm
2〜約450,000孔/mm
2、約300,000孔/mm
2〜約350,000孔/mm
2、約300,000孔/mm
2〜約400,000孔/mm
2、約300,000孔/mm
2〜約450,000孔/mm
2、約300,000孔/mm
2〜約450,000孔/mm
2、約350,000孔/mm
2〜約400,000孔/mm
2、約350,000孔/mm
2〜約450,000孔/mm
2、約350,000孔/mm
2〜約450,000孔/mm
2、約400,000孔/mm
2〜約450,000孔/mm
2、及び約450,000孔/mm
2〜約500,000孔/mm
2からなる群から独立して選択される孔密度を備えた孔を有する。
【0058】
いくつかの実施形態では、外側コーティング層はTi、O、Ca、及びPの元素又はイオンを更に含む。
【0059】
別の態様では、本発明はポリアリールエーテルケトン(PAEK)又はポリエチレンなどの熱可塑性材料の、上述の外科用インプラントの様々な実施形態を作製する方法を提供する。
【0060】
1つの例示的な実施形態では、本方法は(A)(i)プラズマ活性化、(ii)電子ビーム照射、(iii)紫外光、及び(iv)低エネルギーAr+イオンビーム照射を含む1つ又は2つ以上のプロセスにより基材の外面を処理することによって活性化基材表面層を生成する工程と、(B)活性化基材表面層の上に複数の層を塗布する工程であって、少なくとも1つの層が約1nm〜約20μmの厚みで塗布されたバルブ金属層を含む、塗布する工程と、(C)陽極酸化プロセスによりバルブ金属層の表面を変換することにより約2μm〜約10μmの厚みを有する多孔質バルブ金属酸化物層を形成する工程と、を含む。
【0061】
ポリアリールエーテルケトン(PAEK)又はポリエチレンなどの熱可塑性材料の外科用インプラントを作製する方法のいくつかの実施形態では、バルブ金属層が、カソードアーク蒸着、マグネトロンスパッタリング物理蒸着、パルスレーザ蒸着、電子ビーム物理蒸着、ハイパワーインパルスマグネトロンスパッタリング、フィルタ処理真空アーク蒸着、金属プラズマ浸漬イオン注入及び蒸着、金属蒸気真空アーク注入及びプラズマ支援化学蒸着からなる群から独立して選択されるプロセスにより塗布される。ポリアリールエーテルケトン(PAEK)又はポリエチレンなどの熱可塑性材料の外科用インプラントを作製する方法の他の実施形態では、バルブ金属層がTi化合物を含有する溶液内でディップ(浸漬)コーティング又はスピンコーティングにより塗布される。
【0062】
1つの実施形態では、陽極酸化プロセスは多孔質バルブ金属酸化物の1つの層へCa及びPイオンを含有するアルカリ浴内で行われるスパーク陽極酸化プロセスに対応し、多孔質バルブ金属酸化物層は非晶質リン酸カルシウムを含有する。別の実施形態では、陽極酸化プロセスは酸性媒質内で行われるカラー陽極酸化プロセスに対応する。このようなカラー陽極酸化プロセスであれば、色付き表面を生み出すことができるであろう。
【0063】
1つの実施形態では、複数の層が活性化基材表面層を実質的に被覆するように塗布される。
【0064】
いくつかの実施形態では、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)又はポリエチレンなどの熱可塑性材料の外科用インプラントを作製する方法は、バルブ金属層の塗布前に活性化基材表面層の上にバッファ層を塗布する工程を更に含む。更なる実施形態では、バッファ層を塗布する工程は、第1の材料層及び第2の材料層の複数の交互層を塗布することを含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)又はポリエチレンなどの熱可塑性材料の外科用インプラントを作製する方法は、活性化基材表面層とバッファ層との間の接着層を塗布する工程を更に含む。
【0066】
いくつかの他の実施形態では、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)外科用インプラントを作製する方法は、導電性の非酸化性金属を塗布することにより陽極酸化プロセスに先行してバルブ金属層の下に導電性層を形成する工程を更に含む。
【0067】
ポリアリールエーテルケトン(PAEK)又はポリエチレンなどの熱可塑性材料の外科用インプラントを作製する方法の別の実施形態では、本方法は多孔質バルブ金属酸化物層の上へ銀塩のコーティングを塗布することの追加の工程を更に含む。AgNO
3は、本方法において用いるための例示的な銀塩である。
【0068】
ポリアリールエーテルケトン(PAEK)又はポリエチレンなどの熱可塑性材料の外科用インプラントを作製する方法の1つの例示的な実施形態では、PAEKはポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)及びポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)からなる群から独立して選択される。
【0069】
添付の図面の
図1〜
図6に図示された上述した様々な実施形態の実施例に関して説明を行う。可能な限り、同一の参照符号は同一の又は類似の部品を言及するために図面全体を通じて用いられる。
【0070】
図1を参照して、本発明による外科用インプラントの例示的な実施形態を通した概略の断面の実例を示している。図示された例示的な外科用インプラントは基材1を含み、その基材は基材外面14、及び基材外面14の上に配設された複数の層を有する。1つの実施形態では、複数の層は活性化基材表面層2を含み、その活性化基材表面層2は基材外面14の少なくとも一部分の上に配設されている。1つの実施形態では、複数の層は活性化基材表面層2の少なくとも一部分の上に配設されたバルブ金属層3を含む。別の実施形態では、複数の層は多孔質バルブ金属酸化物層4を含み、バルブ金属層3は活性化基材表面層2と多孔質バルブ金属酸化物層4との間に配設されている。
【0071】
図2は、本発明による外科用インプラントの別の例示的な実施形態を通した概略断面を示す。図示された実施形態では、外科用インプラントは基材1を含み、その基材は外面及び基材外側面の上に配設された複数の層を有する。1つの実施形態では、複数の層はシリコン及び/又はカーボン含有層5を含む。別の実施形態では、シリコン及び/又は含有層5が活性化基材表面層2とバルブ金属層3との間に配設されている。更なる実施形態では、複数の層はバルブ金属層3の上に配設された多孔質バルブ金属酸化物層4を含む。
【0072】
図3A及び3Bは、それぞれ本発明による外科用インプラントの別の例示的な実施形態を通した略断面を示す。図示された実施形態では、外科用インプラントは基材1を含み、その基材は外面及び基材の外面の上に配設された複数の層を有し、複数の層はバッファ層6を含む。1つの実施形態では、バッファ層は活性化基材表面層2の表面の少なくとも一部分の上に配設されている。別の実施形態では、バッファ層6は活性化基材表面層2とバルブ金属層3との間に配設されている。
【0073】
図3Cは、
図3Bに示されたバッファ層6の例示的な実施形態のより詳細な実例である。図示される通り、バッファ層6の例示的な実施形態は第1の材料7及び第2の材料8の複数の交互層を含む。1つの実施形態では、第1の材料7及び第2の材料8は同一にも又は異なるものにもできる。1つの実施形態では、第1の材料7は金属材料を含む。別の実施形態では、第2の材料8は金属材料の窒化物を含む。1つの実施形態では、第1の材料7は金属材料を含み及び第2の材料8は金属材料の窒化物を含む。1つの実施形態では、第1の材料7はTiを含む。1つの実施形態では、第1の材料7はCrを含む。なお別の実施形態では、第1の材料7はTi及びCrを含む。別の実施形態では、第2の材料はTiNを含む。別の実施形態では、第2の材料はCrNを含む。別の実施形態では、第2の材料はTiCを含む。別の実施形態では、第2の材料はCrCを含む。なお別の実施形態では、第2の材料はTiN、CrN、TiC及びCrCの1つ又は組み合わせを含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、バッファ層6は第1の金属材料の酸化物を含む第1の材料、第1の金属材料と同一又はそれとは異なるものである、第2の金属材料の窒化物を含む第2の材料、及び、例えば、Ta
2O
5/AlN/Auの第3の金属材料の複数の交互層を含む。
【0075】
図3Dは、本発明による外科用インプラントの別の例示的な実施形態を通しての概略断面を示す。図示された実施形態では、外科用インプラントは基材1を含み、その基材は外面及び基材の外面の上に配設された複数の層を有し、複数の層は導電性層15を含む。1つの実施形態では、導電性層15はバッファ層6とバルブ金属層3との間に配設される。別の実施形態では、導電性層は導電性の非酸化性金属を含む。1つの具体的な実施形態では、導電性層はAu、Pt、及びPdからなる群から独立して選択される導電性の非酸化性金属を含む。いくつかの実施形態では、導電性層は1000nm以下である厚みを有する。別の実施形態では、導電性層は100nm以下である厚みを有する。
【0076】
図4はオッセオインテグレーション表面処理を施したPEEKのようなポリマーで作られた例示的な骨アンカーを示す。図示された骨アンカーは、表面処理されたアンカー本体10、アンカー挿入ヘッド9、縫合糸用開口12及びスクリューリセス11を有する。
【0077】
図5は外面20及び内面21が活性化された人間の脊柱から椎間板の摘出後に使用するための概略の外科用インプラントを示す。
【0078】
図6は本明細書に記載した実施形態に従った頭蓋冠の再建ための外科用インプラント30を示す。
【0079】
図6は本明細書に記載した実施形態に従った頭蓋冠の再建のための人間の頭蓋骨35に相対的な外科用インプラント30を示す。
【0080】
本明細書の広義の発明概念から逸脱しないで上に示されかつ記載された例示的な実施形態に対して変更を行うことができることが当業者により認識されるであろう。従って、本発明は図示されかつ記載された例示的な実施形態に限定されないが、請求項により定義されるように本発明の精神及び範囲内の修正を網羅するように意図されることが理解される。例えば、例示的な実施形態の具体的な特徴は請求項に係る発明の一部であってもよいしそうでなくてもよい、また開示された実施形態の特徴は組み合わされてもよい。本明細書に特段の明記がない限り、用語「a」、「an」及び「the」は1つの要素に限定されるものでなく、「少なくとも1つの」を意味するものとして読まれるべきである。
【0081】
本発明の図面及び記載の少なくともいくつかは本発明の明確な理解のために適切である要素に焦点を合わせるように簡略化されてきたことは理解されるべきであるが、一方明確にするために、当業者が認める他の要素を取り除くことはまた本発明の一部分を構成してもよい。しかしながら、このような要素が当該技術分野において周知であるため、及びそれらが本発明のよりよい理解を必ずしも容易にするわけでないため、このような要素の記載は本明細書に提供されない。
【0082】
更に、本明細書に明記されている工程の特定の順序に依拠しないことの範囲内において、工程の特定の順序は請求項に対する制限と解釈されるべきでない。本発明の方法を対象とした請求項は、書かれた順序における工程の実行に限定されるべきでない、また当業者は工程が変わり得るものであってかつ本発明の精神及び範囲内に依然留まり得ることを容易に認識できる。
【0083】
〔実施の態様〕
(1) 外科用インプラントであって、
基材であって、外面及び該基材の外面の上に配設される複数の層を有し、該基材はポリマー材料を含み、かつ
該複数の層は、
(i)活性化基材表面層と、
(ii)バルブ金属層と、
(iii)多孔質バルブ金属酸化物層と、
を含み、
前記バルブ金属層が前記活性化基材層と前記多孔質バルブ金属酸化物層との間に配設されている、基材を含む、外科用インプラント。
(2) 前記基材の前記ポリマー材料が、サーモポリマー材料(thermopolymeric material)である、実施態様1に記載の外科用インプラント。
(3) 前記ポリマー材料が、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)材料である、実施態様1に記載の外科用インプラント。
(4) 前記バルブ金属層が、チタン、タングステン、アルミニウム、ハフニウム、ニオビウム、タンタル及びジルコニウムからなる群から独立して選択される金属から形成される、実施態様1〜3のいずれかに記載の外科用インプラント。
(5) 前記多孔質バルブ金属酸化物層が、非晶質リン酸カルシウム組成物を含む、実施態様1〜4のいずれかに記載の外科用インプラント。
【0084】
(6) 前記複数の層が、バッファ層を更に含み、前記バッファ層が、前記活性化基材表面層と前記バルブ金属層との間に配設される、実施態様1〜5のいずれかに記載の外科用インプラント。
(7) 前記バッファ層が、第1の材料及び第2の材料の複数の交互層を含む、実施態様6に記載の外科用インプラント。
(8) 前記第1の材料が、金属材料を含み、前記第2の材料が、前記金属材料の窒化物及び/又は炭化物を含む、実施態様7に記載の外科用インプラント。
(9) 前記第1の材料が、Ti及びCrを含み、前記第2の材料が、TiN、CrN、TiC、CrC及びそれらの混合物からなる群から独立して選択される組み合わせを含む、実施態様7又は8のいずれかに記載の外科用インプラント。
(10) 各交互層が、10nm〜100nmの範囲の厚みを有する、実施態様7〜9のいずれかに記載の外科用インプラント。
【0085】
(11) 前記バッファ層が、結晶質又は非晶質材料を含む、実施態様6に記載の外科用インプラント。
(12) 前記結晶質又は非晶質材料が、TiO
2、Ta
2O
5、Nb
2O
5、ZrO
2、SiO
2、RuO
2、又はMoO
2、MoO
3、VO、VO
2、V
2O
3、V
2O
5、CrO
2O
3、CrO
3、及びそれらの組み合わせからなる群から独立して選択される、実施態様11に記載の外科用インプラント。
(13) 前記バッファ層が、第1の材料、第2の材料及び第3の材料の複数の交互層を含む、実施態様6に記載の外科用インプラント。
(14) 前記第1の材料が、Ta
2O
5であり、前記第2の材料がAlNでありかつ前記第3の材料がAuである、実施態様13に記載の外科用インプラント。
(15) 前記バッファ層が、100nm〜1000nmの範囲の厚みを有する、実施態様6〜14のいずれかに記載の外科用インプラント。
【0086】
(16) 前記基材が、強化ポリアリールエーテルケトン(PAEK)を含む、実施態様1〜15のいずれかに記載の外科用インプラント。
(17) 前記ポリアリールエーテルケトン(PAEK)は、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK),ポリエーテルケトンケトン(PEKK),ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)及びポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)からなる群から独立して選択される、実施態様3〜16のいずれかに記載の外科用インプラント。
(18) 前記複数の層が、前記基材の外面を実質的に被覆する、実施態様1〜17のいずれかに記載の外科用インプラント。
(19) 前記多孔質バルブ金属酸化物層が銀塩層で被覆される、実施態様1〜18のいずれかに記載の外科用インプラント。
(20) 前記基材が、Zr、ZrO
2、ZnO、Ba、BaSO
4、Ta、Ta
2O
5、Au、Nb、Nb
2O
5、Bi、Bi
2O
3、及びそれらの組み合わせからなる群から独立して選択される放射線不透過性材料を含む、実施態様1〜19のいずれかに記載の外科用インプラント。
【0087】
(21) 前記複数の層が、前記活性化基材表面層と前記バルブ金属層との間に配設されたポリシラン層を更に含む、実施態様1〜20のいずれかに記載の外科用インプラント。
(22) 前記複数の層が、導電性の非酸化性金属から形成される導電性層を更に含む、実施態様1〜21のいずれかに記載の外科用インプラント。
(23) 前記導電性の非酸化性金属が、Au、Pt、Pd、及びそれらの組み合わせからなる群から独立して選択される、実施態様22に記載の外科用インプラント。
(24) 前記導電性層が、100nm〜1000nmの範囲の厚みを有する、実施態様22及び23のいずれかに記載の外科用インプラント。
(25) スクリュー、ピン、ロッド、プレート、釘、骨アンカー、ケーブルタイ、角錐又はスパイク又はキール付きプレート、解剖学的3Dプレート、複合骨置換構造体、及び足場からなる群から独立して選択される形状を有する、実施態様1〜24のいずれかに記載の外科用インプラント。
【0088】
(26) 前記多孔質バルブ金属酸化物層が、約0.1μm〜約10μmの範囲のサイズ、及び約10,000孔/mm2〜約500,000孔/mm2の範囲の孔密度を備えた孔を有する、実施態様1〜25のいずれかに記載の外科用インプラント。
(27) 複数の層を含むポリマー外科用インプラント用コーティングであって、外側コーティング層が約0.1μm〜約10μmの範囲のサイズ及び約10,000孔/mm
2〜約500,000孔/mm
2の範囲の孔密度を備えた孔を有し、該外側コーティング層がTi、O、Ca、及びPの元素又はイオンを更に含む、コーティング。
(28) 前記ポリマー外科用インプラントが、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)外科用インプラントである、実施態様27に記載のコーティング。
(29) 実施態様1〜28のいずれかに記載のポリマー外科用インプラントを作製する方法であって、
A)1つ又は2つ以上のプロセスにより前記基材の外面を処理することにより、活性化基材表面層を作製する工程であって、前記1つ又は2つ以上のプロセスが、
(i)プラズマ活性化、
(ii)電子ビーム照射、
(iii)紫外光、及び
(iv)低エネルギーAr+イオンビーム照射、
を含む、工程と、
B)前記活性化基材表面層の上に複数の層を塗布する工程であって、少なくとも1つの層は約1nm〜約20μmの厚みで塗布されたバルブ金属層を含む、工程と、
C)前記バルブ金属層の表面を陽極酸化プロセスにより変換することにより約2μm〜約10μmの厚みを有する多孔質バルブ金属酸化物層を形成する工程と、
を含む方法。
(30) 前記陽極酸化プロセスが、多孔質バルブ金属酸化物の層へのCa及びPイオンを含有するアルカリ浴内で行われるスパーク陽極酸化プロセスであり、前記多孔質バルブ金属酸化物層は非晶質リン酸カルシウムを含有する、実施態様29に記載の方法。
【0089】
(31) 前記陽極酸化プロセスが、酸性媒質内で行われるカラー陽極酸化プロセスである、実施態様29及び30のいずれかに記載の方法。
(32) 前記バルブ金属層の塗布に先行して前記活性化基材表面層の上にバッファ層を塗布する工程を、更に含む、実施態様29〜31のいずれかに記載の方法。
(33) 前記バッファ層を塗布することが、第1の材料層及び第2の材料層の複数の交互層を塗布することを含む、実施態様32に記載の方法。
(34) 前記複数の層が、前記活性化基材表面層を実質的に被覆するように塗布される、実施態様29〜33のいずれかに記載の方法。
(35) 前記活性化基材表面層と前記バッファ層との間に接着層を塗布することを更に含む、実施態様29〜34のいずれかに記載の方法。
【0090】
(36) 前記陽極酸化プロセスに先行して前記バルブ金属層の下に導電性層を形成するために導電性の非酸化性金属を塗布することを更に含む、実施態様29〜35のいずれかに記載の方法。
(37) 前記ポリマー外科用インプラントが、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)外科用インプラントであり、前記PAEKが、PAEK、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)及びポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)からなる群から独立して選択される、実施態様29〜36のいずれかに記載の方法。
(38) 前記多孔質バルブ金属酸化物層の上に銀塩のコーティングを塗布する追加工程を更に含む、実施態様29〜37のいずれかに記載の方法。
(39) 前記バルブ金属層が、カソードアーク蒸着、マグネトロンスパッタリング物理蒸着、パルスレーザ蒸着、電子ビーム物理蒸着、ハイパワーインパルスマグネトロンスパッタリング、フィルタ処理真空アーク蒸着、金属プラズマ浸漬イオン注入及び蒸着、金属蒸気真空アーク注入(metal vapor vacuum arc implantation)及びプラズマ支援化学蒸着からなる群から独立して選択されるプロセスにより塗布される、実施態様29〜38のいずれかに記載の方法。
(40) 前記バルブ金属層が、Ti化合物を含有する溶液内でディップコーティング又はスピンコーティングにより塗布される、実施態様29〜38のいずれかに記載の方法。