特許第6054379号(P6054379)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6054379キナーゼをモジュレートするための組成物および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6054379
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】キナーゼをモジュレートするための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 417/04 20060101AFI20161219BHJP
   A61K 31/427 20060101ALI20161219BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20161219BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20161219BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20161219BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20161219BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20161219BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20161219BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20161219BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20161219BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20161219BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20161219BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20161219BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20161219BHJP
   A61P 27/04 20060101ALI20161219BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20161219BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20161219BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20161219BHJP
   A61K 31/497 20060101ALI20161219BHJP
   C07D 277/40 20060101ALN20161219BHJP
   C07D 417/14 20060101ALN20161219BHJP
   A61K 31/433 20060101ALN20161219BHJP
   A61K 31/67 20060101ALN20161219BHJP
   A61K 31/714 20060101ALN20161219BHJP
   A61K 31/4188 20060101ALN20161219BHJP
   A61K 31/551 20060101ALN20161219BHJP
   A61K 31/381 20060101ALN20161219BHJP
   A61K 31/429 20060101ALN20161219BHJP
   A61K 31/437 20060101ALN20161219BHJP
   A61K 31/4365 20060101ALN20161219BHJP
   C07D 491/113 20060101ALN20161219BHJP
   C07D 495/04 20060101ALN20161219BHJP
   C07D 471/04 20060101ALN20161219BHJP
   C07D 487/04 20060101ALN20161219BHJP
   C07D 513/04 20060101ALN20161219BHJP
   C07D 495/22 20060101ALN20161219BHJP
   C07D 491/22 20060101ALN20161219BHJP
   C07F 15/06 20060101ALN20161219BHJP
   C07F 9/54 20060101ALN20161219BHJP
   A61K 31/55 20060101ALN20161219BHJP
【FI】
   C07D417/04CSP
   A61K31/427
   A61K31/5377
   A61P43/00 111
   A61P35/00
   A61P35/02
   A61P7/00
   A61K45/00
   A61P37/02
   A61P37/06
   A61P17/06
   A61P19/02
   A61P29/00 101
   A61P29/00
   A61P1/04
   A61P27/04
   A61K31/496
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   A61K31/4439
   A61K31/497
   !C07D277/40
   !C07D417/14
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   !A61K31/4365
   !C07D491/113
   !C07D495/04 105A
   !C07D471/04 108Q
   !C07D487/04 150
   !C07D471/04 108A
   !C07D513/04 301
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   !C07F9/54
   !A61K31/55
【請求項の数】18
【全頁数】372
(21)【出願番号】特願2014-514164(P2014-514164)
(86)(22)【出願日】2012年6月7日
(65)【公表番号】特表2014-520108(P2014-520108A)
(43)【公表日】2014年8月21日
(86)【国際出願番号】IB2012001987
(87)【国際公開番号】WO2012172438
(87)【国際公開日】20121220
【審査請求日】2015年4月14日
(31)【優先権主張番号】61/562,700
(32)【優先日】2011年11月22日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/520,256
(32)【優先日】2011年6月7日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/640,139
(32)【優先日】2012年4月30日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513308860
【氏名又は名称】クレベクセル・ファーマ
【氏名又は名称原語表記】CLEVEXEL PHARMA
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(72)【発明者】
【氏名】ベッカー、オーレン・エム.
(72)【発明者】
【氏名】ブロッチ、イタイ
(72)【発明者】
【氏名】ベン―ゼーブ・エフラット
(72)【発明者】
【氏名】シトリット、アリーナ
(72)【発明者】
【氏名】ヤコバン、アビハイ
(72)【発明者】
【氏名】ガザル、シャロン
(72)【発明者】
【氏名】ベハル、ベレド
(72)【発明者】
【氏名】コンソン、アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】シュッズ、ニリ
(72)【発明者】
【氏名】ミリラシュビリ、シマ
(72)【発明者】
【氏名】ゴラン、ガリ
【審査官】 三木 寛
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第92/009586(WO,A1)
【文献】 特表2003−525291(JP,A)
【文献】 特表2010−502628(JP,A)
【文献】 特表2002−531503(JP,A)
【文献】 Regsitry File(STN),2015年11月 5日,p.1-40,RN:1259200-55-9〜1170775-40-2
【文献】 Regsitry File(STN),2015年11月 5日,p.1-7,RN:1225040-09-4〜1278470-34-0
【文献】 Indian Journal of Chemistry, Secction B Organic Chemistry Including Medicinal Chemistry,1977年,Vol.15(8),p.727-730
【文献】 ALEXANDRU SILBERG,NEUE CHLORAMPHENICOL-ANALOGA MIT THIAZOLRING 1. SYNTHESE VON 以下備考,CHEMISCHE BERICHTE,1964年 7月 1日,V97 N7,P1915-1920,2-DICHLORACETAMINO-1-[2-(P-NITRO-PHENYL)-THIAZOLYL-(4)]-PROPANDIOL-(1.3)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 417/04
A61K 31/427
A61K 31/4439
A61K 31/454
A61K 31/496
A61K 31/497
A61K 31/5377
A61K 45/00
A61P 1/04
A61P 7/00
A61P 17/06
A61P 19/02
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A61P 29/00
A61P 35/00
A61P 35/02
A61P 37/02
A61P 37/06
A61P 43/00
A61K 31/381
A61K 31/4188
A61K 31/429
A61K 31/433
A61K 31/4365
A61K 31/437
A61K 31/55
A61K 31/551
A61K 31/67
A61K 31/714
C07D 277/40
C07D 417/14
C07D 471/04
C07D 487/04
C07D 491/113
C07D 491/22
C07D 495/04
C07D 495/22
C07D 513/04
C07F 9/54
C07F 15/06
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式IVによる化合物
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは多形体を含む医薬組成物[式中、R1は、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、または3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アミン、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニルシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アミンまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRaで置換されており、
ここで、Raは、それぞれの出現において、
a)線状または分枝C1〜C6アルキル、
b)線状または分枝C2〜C6アルケニル、
c)線状または分枝C2〜C6アルキニル、
d)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルキル、
e)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルコキシまたはアリールオキシ、f)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルコキシ、
g)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルキルスルホニル、h)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6チオアルキルまたはチオアリール(ここで、a)〜h)における前記アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、i)C3〜C8シクロアルキル(ここで、前記シクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
j)C3〜C8シクロアルケニル(ここで、前記シクロアルケニルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
k)アリール(ここで、前記アリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
l)ヘテロアリール(ここで、前記ヘテロアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
m)ヘテロシクロアルキル(ここで、前記ヘテロシクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
n)ヒドロキシル、
o)シアノ、
p)アミノ、
q)ニトロ、
r)ハロゲン、
s)CORb
t)COORb
u)CONRbc
v)NHCORb、および
w)NRbc
からなる群から独立に選択されるか、
あるいは2つのRaは、それらが結合している原子と一緒になって、5または6員のヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロ芳香族環を形成し、
ここで、RbおよびRcは、それぞれ独立に、水素、またはハロゲン、C(O)CH3、CF3、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される基であり、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRdで置換されており、ここで、Rdは、それぞれの出現において、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ジアルキルアミン、モノアルキルアミンおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択されるか、
あるいは2つのRbは、それらが結合している原子と一緒になって、5または6員のヘテロシクロアルキル環を形成し、
2およびR3は、
(i)それぞれ独立に、水素、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニルおよびヘテロシクロアルキルからなる群から選択されるか、あるいは
(ii)それらが結合している窒素原子と一緒になって、5、6または7員のヘテロシクロアルキルまたはヘテロ芳香族環(ここで、前記環は無置換である)を形成するかの何れかである]。
【請求項2】
式VIの化合物:
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは多形体を含む請求項1に記載の医薬組成物[式中、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5は、
a)線状または分枝C1〜C6アルキル、
b)線状または分枝C2〜C6アルケニル、
c)線状または分枝C2〜C6アルキニル、
d)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルキル、
e)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルコキシまたはアリールオキシ、f)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルコキシ、
g)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルキルスルホニル、h)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6チオアルキルまたはチオアリール(ここで、a)〜h)における前記アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
i)C3〜C8シクロアルキル(ここで、前記シクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
j)C3〜C8シクロアルケニル(ここで、前記シクロアルケニルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
k)アリール(ここで、前記アリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
l)ヘテロアリール(ここで、前記ヘテロアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
m)ヘテロシクロアルキル(ここで、前記ヘテロシクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
n)ヒドロキシル、
o)シアノ、
p)アミノ、
q)ニトロ、
r)ハロゲン、
s)CORb
t)COORb
u)CONRbc
v)NHCORb
w)NRbc、および
x)水素
からなる群からそれぞれ独立に選択されるか、
あるいはRa1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5の2つは、それらが結合している原子と一緒になって、5もしくは6員のヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロ芳香族環を形成し、
ここで、RbおよびRcは、それぞれ独立に、水素、またはハロゲン、CF3、C(O)CH3、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される基であり、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRdで置換されており、ここで、Rdは、それぞれの出現において、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ジアルキルアミン、モノアルキルアミンおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択され、
2つのRbは、それらが結合している原子と、5または6員のヘテロシクロアルキル環を形成する]。
【請求項3】
2およびR3が、線状または分枝C1〜C6アルキル、水素およびC3〜C8シクロアルキルからそれぞれ独立に選択されるか、あるいはR2およびR3が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5、6または7員のヘテロシクロアルキルを形成する、請求項1または請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
2およびR3が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジンまたはピペリジン環を形成する、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
2およびR3が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジン環を形成する、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
a1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5が、水素、NHCORb、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、C1〜C6アルキル、CF3およびNRbcからそれぞれ独立に選択される、請求項2から5の何れか一項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
a1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5の1つがNHCORbであり、残りのRa1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5が水素である、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
a4が水素ではない、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
a4が、水素、NHCORb、メトキシ、メチルおよび塩素から選択される、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
bが、線状または分枝C1〜C6アルキル、無置換のC3〜C8シクロアルキル、無置換のアリールおよび無置換のヘテロシクロアルキルから選択され、ここで、前記C1〜C6アルキルは、無置換であるか、または1以上のRdで置換されている、請求項1から9の何れか一項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
bが−CH2dである、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
dがモルホリンである、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
式:
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
の2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミドを含む請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項14】
式:
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
のN−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミドを含む請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項15】
チロシンキナーゼ経路阻害剤として使用するための、請求項1から14の何れか一項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
がん/または細胞増殖性障害の予防または治療のための請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
骨髄線維症または急性骨髄性白血病(AML)などの白血病;リンパ腫、真性赤血球増加症(赤血病)、血小板血症、肺がん、結腸がん、膵臓がん、前立腺がん、皮膚がん、卵巣がん、乳がん;移植拒絶反応、関節リウマチ、乾癬性関節炎、筋萎縮性側索硬化症、乾癬などの自己免疫疾患;潰瘍性結腸炎、クローン病、強直性脊椎炎、またはドライアイ疾患の予防または治療のための請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項18】
式:
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
のN−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、2011年6月7日に出願された米国仮出願第61/520,256号、2011年11月22日に出願された同第61/562,700号;および2012年4月30日に出願された同第61/640,139号に関連する。上記出願の教示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の背景】
【0002】
シグナル伝達は、細胞がある種類のシグナルまたは刺激を別のものに変換する任意のプロセスである。シグナル伝達プロセスは、多くの場合、細胞内での一連の生化学的反応を伴い、これは酵素によって行われ、二次メッセンジャーを介して連結している。多くの伝達プロセスにおいて、ますます多数の酵素および他の分子が、最初の刺激から発生する事象に携わるようになってきている。そのような事例において、ステップの連鎖を「シグナリングカスケード」または「二次メッセンジャー経路」と称し、多くの場合、大きな応答を誘発する小さな刺激をもたらす。シグナル伝達に関与する分子の1つのクラスは、酵素のキナーゼファミリーである。キナーゼの最大の群はタンパク質キナーゼであり、これは、特異的タンパク質の活性に作用し、改質する。これらは、細胞内においてシグナルを送信し、複雑なプロセスを制御するために、広く使用されている。
【0003】
タンパク質キナーゼは、タンパク質およびペプチド中におけるATPからSer/ThrまたはTyrの側鎖上のヒドロキシル基へのγ−ホスフェートの移動を触媒し、種々の重要な細胞機能、おそらく最も注目すべきは:成長、増殖、分化、生存、接着、移行の制御に密接に関与する、大きなクラスの酵素である。これらは、ヒト体内においては約2,000の別個のタンパク質キナーゼであると推定され、これらのそれぞれは特定のタンパク質/ペプチド基質をリン酸化するが、高度に保存されたポケット内の同じ第二基質ATPに結合する。タンパク質ホスファターゼは、逆方向へのホスフェートの移動を触媒する。
【0004】
チロシンキナーゼは、ホスフェート基をATPからタンパク質内のチロシン残基へ移動させることができる酵素である。キナーゼによるタンパク質のリン酸化は、酵素活性の調節のためのシグナル伝達において重要な機構である。チロシンキナーゼは、2つの群;細胞質タンパク質であるものおよび膜貫通受容体連結型キナーゼに分けられる。ヒトにおいては、32の細胞質タンパク質チロシンキナーゼおよび58の受容体連結型タンパク質−チロシンキナーゼがある。細胞表面チロシンキナーゼ連結型受容体に対して作用するホルモンおよび成長因子は、概して成長促進型であり、細胞分裂を刺激するように作用する(たとえば、インスリン、インスリン様成長因子1、上皮成長因子)。
【0005】
種々の公知のタンパク質キナーゼまたはタンパク質ホスファターゼの阻害剤は、様々な治療用途を有する。タンパク質キナーゼまたはタンパク質ホスファターゼ阻害剤のための1つの有望な潜在的治療的使用は、抗がん剤としてものである。公知のがん遺伝子産物の約50%はタンパク質チロシンキナーゼ(PTK)であり、それらのキナーゼ活性は細胞形質転換につながることが示されている。
【0006】
キナーゼは、多種多様な正常細胞シグナル伝達経路(たとえば、細胞成長、増殖、分化、生存、接着、移行等)の調節に関与するため、キナーゼは様々な疾患および障害において役割を果たすと考えられている。故に、キナーゼシグナリングカスケードのモジュレーションは、そのような疾患および障害を治療するまたは予防するための重要な手法となることができる。
【発明の概要】
【0007】
本発明の化合物は、正常細胞シグナル伝達経路(たとえば、細胞成長、増殖、分化、生存、接着、移行等)に関与する1以上の成分、または疾患もしくは障害に関与するものをモジュレートするために有用であってもよい。そのような疾患および障害は、細胞増殖性障害(がんを包含する);炎症性障害;免疫障害(自己免疫障害、免疫系の機能不全および移植拒絶反応を包含する)ならびにドライアイ疾患(眼球乾燥症)を包含するがこれらに限定されない。たとえば、本発明の化合物は、チロシンキナーゼのモジュレーター(たとえば、阻害剤)、たとえば、キナーゼシグナリングカスケード(たとえば、JAK、SYKおよび/またはBTK等)の1以上の成分として有用であってもよい。
【0008】
本発明の化合物は、シグナル伝達経路(たとえば、脾臓チロシンキナーゼ(SYK)によってモジュレートされる経路、たとえばBCRシグナリング経路等)によってモジュレートされる疾患および障害を治療する上で有用であってもよい。たとえば、本発明の化合物は、SYK阻害によってモジュレートされる疾患および障害を治療する上で有用であってもよい。本発明の化合物は、付加的にまたは代替として、脾臓チロシンキナーゼを包含しないシグナル伝達経路によってモジュレートされる疾患および障害を治療する上で有用であってもよい。
【0009】
本発明の化合物は、シグナル伝達経路(たとえば、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)によってモジュレートされる経路等)によってモジュレートされる疾患および障害を治療する上で有用であってもよい。たとえば、本発明の化合物は、BTK阻害によってモジュレートされる疾患および障害を治療する上で有用であってもよい。本発明の化合物は、付加的にまたは代替として、ブルトン型チロシンキナーゼを包含しないシグナル伝達経路によってモジュレートされる疾患および障害を治療する上で有用であってもよい。
【0010】
本発明の化合物は、シグナル伝達経路(たとえば、ヤヌスキナーゼ(JAK)によってモジュレートされる経路等)によってモジュレートされる疾患および障害を治療する上で有用であってもよい。たとえば、本発明の化合物は、JAK阻害(たとえば、JAK3)によってモジュレートされる疾患および障害を治療する上で有用であってもよい。本発明の化合物は、付加的にまたは代替として、ヤヌスキナーゼを包含しないシグナル伝達経路によってモジュレートされる疾患および障害を治療する上で有用であってもよい。
【0011】
たとえば、本発明の化合物は、哺乳動物を治療するため(たとえば、ヒトおよび動物を治療するため等)の、抗増殖剤として有用であってもよい。本発明の化合物は、たとえば、抗がん、抗炎症および/または免疫抑制剤として使用されてもよいが、これらに限定されない。
【0012】
一局面において、本発明は、式Iの化合物:
【化1】
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【0013】
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグを包含する[式中、R1、Y、Z、X、VおよびWは、本明細書において記述されている通りである]。
【0014】
一局面において、本発明の化合物は、薬学的作用物質であってもよい。たとえば、本発明の化合物は、ヒトおよび/または動物を治療するため(たとえば、ヒトおよび/または他の哺乳動物を治療するため等)の、抗増殖剤として使用される。本発明の化合物は、たとえば、抗がん、抗炎症および/または免疫抑制剤として使用されてもよいが、これらに限定されない。加えて、本発明の化合物は、細胞増殖関連障害および自己免疫障害のために使用されてもよい。本発明の化合物は、ドライアイ疾患のために使用されてもよい。
【0015】
一局面において、本発明の化合物は、対象において細胞増殖障害を治療するためまたは予防するために使用されてもよい。一局面において、細胞増殖障害は前がんまたはがんである。別の局面において、細胞増殖障害は過剰増殖性障害である。ある特定の態様において、細胞増殖障害、がんまたは過剰増殖性障害の予防または治療は、チロシンキナーゼ、たとえばJAK(JAK3)、SYKまたはBTK等の阻害を介して起こる。ある特定の態様において、対象は哺乳動物、たとえばヒトである。
【0016】
一局面において、本発明は、有効量の本発明の化合物を包含する医薬組成物を投与することによって、対象においてがんおよび/または細胞増殖障害を治療するまたは予防する方法を包含する。たとえば、がんまたは細胞増殖障害は、がん、前がんまたは過剰増殖性障害である。いくつかの態様において、前述の方法は、がんおよび/または細胞増殖障害を予防するまたは治療するための単剤療法である。いくつかの態様において、前述の方法は、他の治療剤(たとえば、がん代謝モジュレーターまたは細胞毒性剤)および/または非薬物療法(たとえば、手術、免疫療法または放射線治療)との併用療法の一部である。併用療法のいくつかの態様において、付加的療法は、医薬組成物の投与と実質的に同時にまたは同時発生的に行われる。いくつかの態様において、医薬組成物の投与は、併用療法の付加的療法の前に行われる。いくつかの態様において、医薬組成物の投与は、付加的療法の後に行われる。いくつかの態様において、医薬組成物は慢性的に(たとえば、維持療法の一部として)投与される。いくつかの態様において、がんおよび/または細胞増殖障害は、血液系の細胞増殖性障害(たとえば、白血病またはリンパ腫)である。いくつかの態様において、血液系のがんは白血病である。いくつかの態様において、白血病は骨髄線維症である。いくつかの態様において、白血病は急性骨髄性白血病(AML)である。いくつかの態様において、細胞増殖障害は、真性赤血球増加症(赤血病)および本態性血小板血症から選択される。いくつかの態様において、がんおよび/または細胞増殖障害は肺の細胞増殖性障害(たとえば、肺がん)である。いくつかの態様において、がんおよび/または細胞増殖障害は、結腸の細胞増殖性障害(たとえば、結腸がん)である。いくつかの態様において、がんおよび/または細胞増殖障害は、膵臓の細胞増殖性障害(たとえば、膵臓がん)である。いくつかの態様において、がんおよび/または細胞増殖障害は、前立腺の細胞増殖性障害(たとえば、前立腺がん)である。いくつかの態様において、がんおよび/または細胞増殖障害は、皮膚の細胞増殖性障害(たとえば、皮膚がん)である。いくつかの態様において、がんおよび/または細胞増殖障害は、卵巣の細胞増殖性障害(たとえば、卵巣がん)である。いくつかの態様において、がんおよび/または細胞増殖障害は、乳房の細胞増殖性障害(たとえば、乳がん)である。
【0017】
一局面において、本発明は、対象において免疫系活性を調節する方法であって、本発明の化合物を投与することを含む方法を包含する。たとえば、免疫系活性をモジュレートすることは、自己免疫疾患、たとえば移植拒絶反応(たとえば、腎臓、心臓、肺、肝臓、膵臓、皮膚、宿主対移植片反応(HVGR)等)、関節リウマチ、乾癬性関節炎および筋萎縮性側索硬化症をモジュレートすることを包含する。一態様において、自己免疫疾患は、乾癬、関節リウマチおよび乾癬性関節炎から選択される。一局面において、本発明は、免疫系活性を調節するための医薬の製造における本発明の化合物の使用を包含する。ある特定の態様において、免疫系の調節は、リンパ球増殖の阻害を介して起こる。ある特定の態様において、免疫系の調節は、リンパ球活性化の阻害を介して起こる。たとえば、T細胞増殖および/または活性化が阻害される。付加的にまたは代替として、B細胞増殖および/または活性化が阻害される。ある特定の態様において、対象は哺乳動物、たとえばヒトである。一局面において、本発明は、炎症性障害または疾患を治療するまたは予防するための医薬の製造における本発明の化合物の使用を包含する。一態様において、炎症性疾患は、炎症性腸疾患および強直性脊椎炎から選択される。一態様において、炎症性腸疾患は、潰瘍性結腸炎およびクローン病から選択される。一局面において、本発明は、ドライアイ疾患を治療するまたは予防するための医薬の製造における本発明の化合物の使用を包含する。
【0018】
一局面において、本発明の化合物の投与は、経口的に、非経口的に、皮下に、静脈内に、筋肉内に、腹腔内に、鼻腔内注入によって、腔内もしくは膀胱内注入によって、局所的に、動脈内に、病巣内に、定量ポンプによって、または粘膜への塗布によって行われる。一局面において、本発明の化合物は、薬学的に許容される担体とともに投与される。一局面において、本発明の化合物は、免疫系異常の発病前に投与される。一局面において、本発明の化合物は、免疫系異常の発病後に投与される。
【0019】
本願は、2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミドの、および2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミドの塩酸塩の、ある特定の多形体ならびにそれらの医薬組成物も対象としている。
【0020】
化合物2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミドもしくは薬学的に許容されるその塩、または化合物もしくは塩の多形体は、正常なシグナル伝達経路(たとえば、細胞成長、増殖、分化、生存、接着、移行等)に関与する1以上の成分をモジュレートするために有用である。より具体的には、この化合物は、キナーゼシグナリング経路、たとえば、ヤヌスキナーゼ(JAK、たとえばJAK3)、脾臓チロシンキナーゼ(SYK)および/またはブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)によってモジュレートされる経路等の1以上の成分をモジュレートする。この化合物は、シグナル伝達経路によってモジュレートされる疾患および障害を治療する上で有用である。たとえば、2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩は、細胞増殖性障害(がんを包含する);炎症性障害;免疫障害(自己免疫障害、免疫系の機能不全および移植拒絶反応を包含する);ならびにドライアイ疾患の治療において有用である。
【0021】
2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミドの、または薬学的に許容されるその塩の多形体形態は開示されていない。しかしながら、薬物の結晶性形態は、物理的および機械的特性の中でも、溶解性、溶解速度、硬度、圧縮率および融点に影響を及ぼすことができる。これらの特性は、今度は、薬物の製造およびその有用性に影響を及ぼすことができるため、化学および治療技術分野において、薬物の結晶性形態の同定およびそれらを作製する手法の必要性が現存している。本明細書において、2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド、および2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミドの塩酸塩はそれぞれ新規結晶性形態として存在し得ることが開示されている。本発明の多形体は、それらを既に公知の化合物および薬学的に許容されるその塩よりも優れたものとする特性を呈する。
【0022】
態様が本発明の異なる局面下で記述されていても、適切な場合にはいつでも、本発明の任意の態様を、本発明の1以上の他の態様と組み合わせることができることが企図されている。
【0023】
上記の記述は、本発明のより重要な特色を、次のその詳細な説明を理解することができるように、かつ当技術分野への当面の寄与をよりよく分かることができるように、さらに広範に説明している。本発明の他の目的および特色は、例と併せて考察される下記の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】対照または化合物7A(100mg/kgおよび300mg/kg)を経口的に投薬した動物の6日間安全性研究における、体重の変化を示す線グラフ。
図2】マウスをビヒクルまたは化合物7A(100mg/kgおよび300mg/kg)で処置した場合のB細胞リンパ腫(Daudi細胞株)を28日間にわたって用いるマウス異種移植片研究における、腫瘍体積の変化を示す線グラフ。
図3A】マウスをビヒクルまたは化合物7A(100mg/kgおよび300mg/kg)で処置した場合のB細胞リンパ腫(Daudi細胞株)を用いるマウス異種移植片研究における、腫瘍サイズの変化を示す図表。
図3B】B細胞リンパ腫(Daudi細胞株)を28日間にわたって用いるマウス異種移植片研究における、ビヒクルまたは化合物7A(100mg/kgおよび300mg/kg)で処置したマウスの腫瘍重量を比較する棒グラフ。
図3C】B細胞リンパ腫(Daudi細胞株)を28日間にわたって用いるマウス異種移植片研究における、ビヒクルまたは化合物7A(100mg/kgおよび300mg/kg)で処置したマウスの、体重の変化を示す線グラフ。
図4A】緩徐進行性CIA疾患モデルを使用する、ビヒクルまたはCP−690550(30mg/kg)またはR−788(60mg/kg)で処置したマウスの20日間研究における、CIA(コラーゲン誘発性関節炎)スコアの変化を示す線グラフ。
図4B】半治療モデルを使用する、ビヒクルまたはCP−690550(10および30mg/kg)で処置したマウスにおけるコラーゲン誘発性関節炎の20日間研究における、疾患重症度スコアの変化を示す線グラフ。
図4C】緩徐進行性CIA疾患モデルを使用する、ビヒクル、CP−690550(30mg/kg)、R−788(60mg/kg)または化合物7A(100mg/kg)で処置したマウスの20日間研究における、CIAスコアの変化を示す線グラフ。
図4D】緩徐進行性CIA疾患モデルを使用する、CP−690550(30mg/kg)、R−788(60mg/kg)または化合物7A(100mg/kg)で処置したマウス対複合ビヒクルで処置したマウスの20日間研究の最終日におけるCIAスコアの低減を比較する棒グラフ。
図4E】ビヒクル、CP−690550(30mg/kg)、R−788(60mg/kg)または化合物7A(100mg/kg)で処置したマウスの20日間CIA研究中の、平均後足厚の変化をmmで示す線グラフ。
図4F】ビヒクル、CP−690550(30mg/kg)、R−788(60mg/kg)または化合物7A(100mg/kg)で処置したマウスの20日間CIA研究中の、後足厚曲線のAUCを比較する棒グラフ。
図4G】緩徐進行性CIA疾患モデルを使用する、ビヒクルまたは化合物7A(15、30および100mg/kgで)で処置したマウスの20日間CIA研究中の、平均CIAスコアの変化を示す線グラフ。
図4H】緩徐進行性CIA疾患モデルを使用する、ビヒクルまたは化合物7A(15、30および100mg/kgで)で処置したマウスの20日間CIA研究中の、平均後足厚の変化をmmで示す線グラフ。
図4I】緩徐進行性CIA疾患モデルを使用する、ビヒクルまたは化合物7A(15、30および100mg/kg)で処置したマウスの20日間CIA研究中の、後足厚曲線の平均AUCを比較する棒グラフ。
図5】例11の方法によって取得され、クロマトグラフィーによって精製された、2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(化合物7A(試料1))の特徴的なX線回折パターン。
図6】2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(化合物7A(試料2))の特徴的なX線回折パターン。
図7】化合物7A(試料1)のX線回折パターン(最上部)と化合物7A(試料2)のX線回折パターン(最下部)とのオーバーレイ。
図8】2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)、化合物9X(試料1)の特徴的なX線回折パターン。
図9】2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)、化合物9X(試料2)の特徴的なX線回折パターン。
図10】2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)、化合物9X(試料1)(例14)のDSCサーモグラム。
図11】2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)化合物9X(試料2)(例14)のDSCサーモグラム。
図12】2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(例14)のDSCサーモグラム。
図13】2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(例15)のメタンスルホン酸塩のDSCサーモグラム。
図14】モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(例15)のメタンスルホン酸塩の特徴的なX線回折パターン。
図15】2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(化合物10X)の結晶性形態の特徴的なX線回折パターン。
図16】2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)(化合物9X(試料3))の結晶性形態の特徴的なX線回折パターン。
図17】化合物10XのX線回折パターン(最上部)と化合物9X(試料3)のX線回折パターン(最下部)とのオーバーレイ。
図18】2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド化合物10X(例14)のDSCサーモグラム。
【発明の詳細な説明】
【0025】
本発明の1以上の態様の詳細を、以下の添付の記述において説明する。本明細書において記述されているものと同様または同等の任意の方法および材料が本発明の実践または試験において使用され得るが、ここでは方法および材料のいくつかについて記述する。本発明の他の特色、目的および利点が記述から明らかになるであろう。本明細書において、単数形は、文脈上明らかに他の意味に解すべき場合を除き、複数形も包含する。特に定義しない限り、本明細書において使用されるすべての技術および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されているのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書が優先するものとする。
【0026】
キナーゼは、多種多様な正常細胞シグナル伝達経路(たとえば、細胞成長、増殖、分化、生存、接着、移行等)の調節に関与するため、キナーゼは、様々な疾患および障害において役割を果たすと考えられる。故に、キナーゼシグナリングカスケードのモジュレーションは、そのような疾患および障害を治療するまたは予防するための重要な手法となることができる。そのような疾患および障害は、たとえば、細胞増殖性障害(がんを包含する);炎症性障害;免疫障害(自己免疫障害、免疫系の機能不全および移植拒絶反応を包含する)ならびにドライアイ疾患(眼球乾燥症)を包含する。
【0027】
一局面において、本発明の化合物は、経路が役割を果たす疾患または障害を予防するためまたは治療するためのシグナル伝達経路(たとえば、チロシンキナーゼ、たとえばJAK、SYKおよび/またはBTK等によってモジュレートされる経路等)に関与する1以上の成分をモジュレートするために有用であってもよい。一局面において、本発明の化合物は、細胞増殖性障害(がんを包含する);炎症性障害、免疫障害(自己免疫障害、免疫系の機能不全および移植拒絶反応を包含する)ならびにドライアイ疾患(眼球乾燥症)を包含するがこれらに限定されないそのような疾患および障害を治療するために有用であってもよい。
【0028】
ヤヌスキナーゼ
一局面において、本発明の化合物は、経路が役割を果たす疾患または障害を予防するためまたは治療するためのシグナル伝達経路、たとえば、ヤヌスキナーゼ(JAK)によってモジュレートされる経路等に関与する1以上の成分をモジュレートするために有用であってもよい。
【0029】
ヤヌスキナーゼ(JAK)は、JAK1、JAK2、JAK3およびチロシンキナーゼ2(TYK2)からなる細胞内非受容体チロシンキナーゼのファミリーである。JAKは、サイトカインシグナリングにおいて重大な役割を果たす。キナーゼのJAKファミリーの下流基質は、転写(STAT)タンパク質のシグナル伝達物質活性化剤を包含する。JAK/STATシグナリングは、多くの異常免疫応答、たとえば、アレルギー、喘息、自己免疫疾患(たとえば、移植(同種移植片)拒絶反応等)、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症および多発性硬化症の媒介、ならびに、固形および血液悪性腫瘍(たとえば、白血病およびリンパ腫等)に関係するとされている。JAK/STAT経路の薬学的介入の総説については、Frank、1999、Mol.Med.5:432:456およびSeidelら、2000、Oncogene 19:2645〜2656を参照されたい。
【0030】
JAK3は、タンパク質キナーゼのヤヌスファミリーのメンバーである。このファミリーの他のメンバーは本質的にすべての組織によって発現されるが、JAK3発現は造血細胞に限定され、その活性化に応答して、インターロイキン受容体によるチロシンリン酸化を経由してシグナルを伝達する。JAK3は、I型サイトカイン受容体ファミリーの共通のガンマ鎖(γC)(たとえば、IL−2R、IL−4R、IL−7R、IL−9R、IL−15RおよびIL−21R等)を用いる受容体との非共有結合性会合によるシグナル伝達に関与する。JAK3機能を抑止する突然変異は、常染色体SCID(重症複合型免疫不全疾患)を引き起こし、JAK3をブロックすることが免疫抑制という結果を伴うはずであることを示唆している。これらの観察は、JAK3がBおよびT細胞成熟において役割を果たすだけではなく、T細胞機能を維持するためにも必要とされることを指示する動物データによって裏付けられた(Fujimoto,M.ら、2000.J.Immunol.165:1799〜806、Bairdら、2000.J Immunol.165:3680〜3688)。
【0031】
JAK3は、様々なヒトがんに関連する。ダウン症(DS)を持つ個体は、急性巨核芽球性白血病(AMKL)を発症しやすい。その後のDSにおける白血病の発症に先行して、多くの場合、もっと早い時期に、一過性骨髄増殖性障害(TMD)がある。JAK3における後天性の突然変異は、TMDを持つDS患者とAMKLを持つ非DS患者の両方において報告されている(Walters DKら、2006.Cancer Cell.10:65〜75、De Vita S.ら、2007.Br.J.Haematol.137:337〜341)。さらなる分析により、JAK3における点突然変異はその偽キナーゼドメインに影響を及ぼし、キナーゼを構成的に活性にすることが明らかになった。動物実験からさらなる裏付けが得られ、ここで、JAK3の異なる突然変異をトランスフェクトしたネズミ骨髄が数種の形態の白血病を誘発し、T細胞リンパ増殖性障害または骨髄増殖性疾患につながった。したがって、この機構を経由するモジュレーションまたは阻害は、免疫増殖性疾患、たとえば自己免疫疾患(たとえば、関節リウマチ)または異なる形態の白血病等の治療に功を奏し得る。故に、当技術分野において、とりわけ、シグナル伝達経路のモジュレーター、たとえばJAK3の阻害剤等が必要である。
【0032】
一局面において、本発明の化合物は、JAKキナーゼシグナリングカスケードの1以上の成分、たとえばJAK3等のモジュレーター(たとえば、阻害剤)として有用であってもよい。一局面において、本発明の化合物は、JAKキナーゼシグナリングカスケードの1を超える成分のモジュレーションにおいて有用であってもよい。一局面において、本発明の化合物は、付加的にまたは代替として、ヤヌスキナーゼを包含しないシグナル伝達経路によってモジュレートされる疾患および障害を治療する上で有用であってもよい。
【0033】
語句「JAKキナーゼシグナリングカスケードの1以上の成分をモジュレートする」は、JAKキナーゼシグナリングカスケードの1以上の成分が、細胞の機能が変化するような影響を受けることを意味する。タンパク質キナーゼシグナリングカスケードの成分は、二次メッセンジャーならびに上流および下流標的を包含するJAKキナーゼシグナリング経路に、直接的にまたは間接的に関与する任意のタンパク質を包含する。
【0034】
脾臓チロシンキナーゼ
一局面において、本発明の化合物は、経路が役割を果たす疾患または障害を予防するためまたは治療するためのシグナリング経路、たとえば脾臓チロシンキナーゼ(SYK)を伴う経路等に関与する1以上の成分をモジュレートするために有用であってもよい。
【0035】
脾臓チロシンキナーゼ(SYK)は、チロシンタンパク質キナーゼのSYKファミリー、単一キナーゼドメインのアミノ末端における2つのSH2ドメインの存在を特徴とする細胞質チロシンキナーゼのファミリーのメンバーである。タンパク質キナーゼのSYKファミリーの相同体が、ヒトZAP−70を包含する若干数の種において同定されている。SYKは、数種の細胞内シグナリング事象に関与することが報告されている。たとえば、SYKは、免疫受容体シグナリング、インテグリンシグナリングおよびGタンパク質共役受容体シグナリングに関与している。SYKは、造血細胞において、ならびに線維芽細胞、上皮細胞、肝細胞、神経細胞、内皮細胞およびマスト細胞において発現されることが公知である。SYKは、造血応答、たとえば増殖等にも関与し、たとえば、SYK阻害剤は、トロンビン誘発性ASM細胞増殖、分化および食作用のモジュレーターとして提示されている。
【0036】
加えて、SYK阻害剤は、非造血細胞、たとえば線維芽細胞、上皮細胞、乳房組織、肝細胞、神経細胞および血管内皮細胞等において重要であることも実証されている。したがって、SYKは、内皮細胞機能(形態形成細胞成長、移行および生存を包含する)における重大な役割を果たすものとして、および血管完全性をインビボで維持することに寄与するものとして関係するとされている。さらなる総説は、Yanagiら、Biochem.Biophys.Res.Comm.288:495〜498(2001)を参照されたい。
【0037】
SYKアンチセンスと特異的阻害剤の両方は、喘息モデルにおいていくらかの活性を有することが示されており、SYKは、喘息および他の気道疾患、ならびにアレルギー、炎症および自己免疫の治療の標的であると考えられている。SYKは、細胞成長におけるその役割により、がん療法におけるアゴニストの開発の標的としても提示されている。
【0038】
SYKは、BCRシグナリングを介するB細胞活性化に必須である。SYKは、リン酸化BCRに結合されると活性化され、故に、BCR活性化に続いて初期シグナリング事象を開始する。SYKが欠乏しているマウスは、B細胞発生において初期ブロックを呈する(Chengら、Nature 378:303、1995;Turnerら、Nature 378:298、1995)。したがって、細胞におけるSYK酵素活性の阻害は、自己抗体産生に対するその影響を介する自己免疫疾患の治療として提示されている。
【0039】
一局面において、本発明の化合物は、SYKのモジュレーター(たとえば、阻害剤)として有用であってもよい。いくつかの化合物は、SYKを伴うシグナリングカスケードの1を超える成分のモジュレーションにおいて有用であってもよい。一局面において、本発明の化合物は、付加的にまたは代替として、BTKを包含しないシグナリング経路によってモジュレートされる疾患および障害を治療する上で有用であってもよい。
【0040】
ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)
一局面において、本発明の化合物は、経路が役割を果たす疾患または障害を予防するためまたは治療するためのシグナリング経路、たとえばBTKによってモジュレートされる経路等に関与している1以上の成分をモジュレートするために有用であってもよい。
【0041】
B細胞受容体(BCR)を経由するシグナリングは、増殖および成熟抗体産生細胞への分化を包含する広範なB細胞応答を制御する。BCRは、B細胞活性のための主要調節点であり、異常なシグナリングは無秩序なB細胞増殖および病原性自己抗体の形成を引き起こし得、これが多重自己免疫および/または炎症性疾患につながる。ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)は、BCRに近接しそこから直下流にある膜である、非BCR関連キナーゼである。BTKの欠如はBCRシグナリングをブロックすることが示されており、したがって、BTKの阻害はB細胞媒介性疾患プロセスをブロックするための有用な治療的アプローチとなり得る。
【0042】
BTKは、チロシンキナーゼのTecファミリーのメンバーであり、初期B細胞発生ならびに成熟B細胞活性化および生存の重大な調節因子であることが示されている(Khanら、Immunity 1995 3:283;Ellmeierら、J.Exp.Med.2000 192:1611)。ヒトにおけるBTKの突然変異は、状態X連鎖無ガンマグロブリン血症(XLA)を招く(Rosenら、New Eng.J.Med.1995 333:431およびLindvallら、Immunol.Rev.2005 203:200において総説されている)。これらの患者は免疫無防備状態であり、B細胞の成熟低下、免疫グロブリンおよび末梢B細胞レベルの減少、T細胞非依存性免疫応答の減退、ならびにBCR刺激後のカルシウム動員の減衰を示す。
【0043】
自己免疫および炎症性疾患におけるBTKの役割の証拠も、BTK欠乏マウスモデルによって提供されている。全身性エリテマトーデス(SLE)の前臨床ネズミモデルにおいて、Btk欠乏マウスは、疾患進行の著しい寛解を示す。加えて、Btk欠乏マウスは、コラーゲン誘発性関節炎に耐性がある(JanssonおよびHolmdahl Clin.Exp.Immunol.1993 94:459)。選択的BTK阻害剤は、マウス関節炎モデルにおいて用量依存性効能を実証した(Z.Panら、Chem.Med Chem.2007 2:58〜61)。
【0044】
BTKは、疾患プロセスに関与していてもよいB細胞以外の細胞によっても発現される。たとえば、BTKはマスト細胞によって発現され、BTK欠乏骨髄由来マスト細胞は、抗体誘発性脱顆粒の低下を実証する(Iwakiら、J.Biol.Chem.2005 280:40261)。これは、BTKが、病理学的マスト細胞応答、たとえばアレルギーおよび喘息等を治療するために有用となり得ることを示している。また、XLA患者からの単球(ここで、BTK活性は存在しない)は、刺激後のTNFアルファ産生の減少を示す(Horwoodら、J Exp Med 2003 197:1603)。したがって、TNFアルファ媒介性炎症は、小分子Btk阻害剤によってモジュレートされ得る。また、Btkはアポトーシスにおいて役割を果たすことが報告されており(IslamおよびSmith Immunol.Rev.2000 178:49)、故に、BTK阻害剤は、ある特定のB細胞リンパ腫および白血病の治療に有用となるであろう(Feldhahnら、J.Exp.Med.2005 201:1837)。
【0045】
一局面において、本発明の化合物は、BTKのモジュレーター(たとえば、阻害剤)として有用であってもよい。一局面において、本発明の化合物は、BTKを伴うシグナリングカスケードの1を超える成分のモジュレーションにおいて有用であってもよい。一局面において、本発明の化合物は、付加的にまたは代替として、BTKを包含しないシグナリング経路によってモジュレートされる疾患および障害を治療する上で有用であってもよい。
【0046】
一局面において、本発明の化合物は、薬学的作用物質として、たとえば、ヒトおよび動物を治療するための治療剤として有用である。一局面において、本発明の化合物は、たとえば、抗がん、抗炎症および/または免疫抑制剤として使用されてもよいが、これらに限定されない。一局面において、本発明の化合物は、他の細胞増殖関連障害および自己免疫障害に使用されてもよい。
【0047】
一局面において、本発明の化合物は、対象において免疫系活性を調節するために使用されてもよく、それにより、自己免疫疾患、たとえば、ループス、移植拒絶反応(たとえば、腎臓、心臓、肺、肝臓、膵臓、皮膚、宿主対移植片反応(HVGR)等)、関節リウマチ、乾癬性関節炎および筋萎縮性側索硬化症、敗血症、T細胞媒介性自己免疫疾患、たとえば多発性硬化症、乾癬およびシェーグレン症候群等、ならびに過敏性反応から保護するまたはそれらを予防することができる。一局面において、本発明の化合物は、固形および血液学的悪性腫瘍、たとえば白血病およびリンパ腫から保護するまたはそれらを予防するために使用されてもよい。一局面において、本発明は、免疫系を調節するための医薬の製造における本発明の化合物を包含する。一局面において、本発明の化合物は、対象において自己免疫疾患を治療するために使用されてもよい。一局面において、本発明は、固形および血液学的悪性腫瘍から保護するまたはそれらを治療するための医薬の製造における、本発明の化合物の使用を包含する。たとえば、本発明の化合物は、対象において、症状の重症度の低減をもたらすこともできるし、あるいは自己免疫疾患または固形もしくは血液悪性腫瘍の切迫した進行を停止させることもできる。ある特定の態様において、免疫系の調節は、リンパ球増殖の阻害を経由して起こる。ある特定の態様において、免疫系の調節は、リンパ球活性化の阻害を経由して起こる。たとえば、T細胞増殖および/または活性化が阻害される。付加的にまたは代替として、B細胞増殖および/または活性化が阻害される。ある特定の態様において、対象は哺乳動物、たとえばヒトである。
【0048】
一局面において、本発明の化合物は、キナーゼシグナリングカスケード、たとえば、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤、たとえばJAK1、JAK2、JAK3等、またはTYK2阻害剤をモジュレートすることに関与していてもよい。故に、理論に縛られることを望むものではないが、本発明の化合物の投与は、JAKキナーゼファミリー(たとえば、JAK1、JAK2、JAK3またはTYK2)の1以上のメンバーをモジュレートし、免疫媒介性疾患、たとえば、過敏性反応、移植拒絶反応(たとえば、急性および慢性移植拒絶反応)、アレルギー、関節リウマチ、乾癬性関節炎、筋萎縮性側索硬化症および悪性腫瘍、たとえば白血病およびリンパ腫の治療に有用であると仮定される。一局面において、免疫媒介性疾患を治療する、予防するまたは寛解する方法において使用される本発明の化合物は、チロシンキナーゼの阻害剤である。一局面において、免疫媒介性疾患を治療する、予防するまたは寛解する方法において使用される本発明の化合物は、JAK(JAK3)、SYKおよびBTKから選択されるチロシンキナーゼの阻害剤である。
【0049】
JAK3キナーゼは、細胞質分裂受容体の共通のガンマ鎖を結合させる。リガンド結合とシグナル伝達の両方に関与するこの共通のガンマ鎖は、サイトカインIL−2、IL−4、IL−7、IL−9、IL−15およびIL−21のための多重鎖受容体の共有サブユニットである。理論に縛られることを意図するものではないが、JAK3キナーゼは、これらの受容体の共通のガンマ鎖を結合させるため、一局面において、本発明の化合物は、これらの、および共通のガンマ鎖を利用する他のサイトカイン受容体シグナリングカスケードを調節するため、特に阻害するために使用されてもよい。故に、一局面において、本発明は、JAKキナーゼが役割を果たすシグナル伝達カスケード、たとえば共通のガンマ鎖を利用するサイトカイン受容体のシグナル伝達カスケード(IL−2、IL−4、IL−7、IL−9、IL−15およびIL−21シグナル伝達カスケードを包含するがこれらに限定されない)を調節する、特に阻害する方法を包含する。一局面において、方法は、概して、JAK依存性受容体、またはJAK依存性受容体を発現している細胞を、シグナル伝達カスケードを調節するまたは阻害するために有効な、ある量の本発明の化合物と接触させることを伴う。方法は、特定のJAK依存性シグナル伝達カスケードの活性化により誘発される下流プロセスまたは細胞性応答を調節する、特に阻害するために使用されてもよい。方法は、JAKキナーゼが役割を果たすことが現在公知であるまたは後に発見される任意のシグナル伝達カスケードを調節するために実践されてよい。方法は、JAK依存性シグナル伝達カスケードの活性化を特徴とする、それによって引き起こされるまたはそれに関連する疾患の治療または予防に対する治療的アプローチとして、インビトロ状況でまたはインビボ状況で実践されてよい。方法に従って治療または予防され得るJAKキナーゼによって少なくとも部分的に媒介される疾患の例は、アレルギー、喘息、自己免疫疾患、たとえば移植拒絶反応(たとえば、腎臓、心臓、肺、肝臓、膵臓、皮膚、宿主対移植片反応(HVGR)等)、関節リウマチ、乾癬性関節炎、ならびに筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、乾癬およびシェーグレン症候等、II型炎症性疾患、たとえば血管炎症(血管炎、動脈炎、アテローム性動脈硬化症および冠動脈疾患を包含する)等、慢性炎症性疾患、たとえば強直性脊椎炎(ベクテレフ病、ベクテレフ症候群およびマリーストリュンペル病としても公知である)等、中枢神経系の疾患、たとえば脳卒中等、肺疾患、たとえば閉塞性細気管支炎および原発性肺高血圧症等、遅発性または細胞媒介性の、IV型過敏症、ならびに固形および血液学的悪性腫瘍、たとえば白血病およびリンパ腫等を包含するがこれらに限定されない。
【0050】
一局面において、本発明の化合物は、キナーゼシグナリングカスケード、たとえば、脾臓チロシンキナーゼ(SYK)阻害剤、たとえばSYK、またはZap-70阻害剤をモジュレートすることに関与していてもよい。故に、理論に縛られることを望むものではないが、本発明の化合物の投与は、SYKキナーゼファミリー(たとえば、SYKまたはZap-70)の1以上のメンバーをモジュレートし、免疫媒介性疾患、たとえば、過敏性反応、移植拒絶反応(たとえば、急性および慢性移植拒絶反応)、アレルギー、関節リウマチ、乾癬性関節炎、筋萎縮性側索硬化症および悪性腫瘍、たとえば白血病およびリンパ腫の治療に有用であると仮定される。一局面において、免疫媒介性疾患を治療する、予防するまたは寛解する方法において使用される本発明の化合物は、チロシンキナーゼの阻害剤である。一局面において、免疫媒介性疾患を治療する、予防するまたは寛解する方法において使用される本発明の化合物は、JAK(JAK3)、SYKおよびBTKから選択されるチロシンキナーゼの阻害剤である。
【0051】
チロシンキナーゼのSykファミリーは、たとえばSYKおよびZap−70を包含する。SYKは、ある特定の細胞表面受容体(たとえば、CD74、Fc受容体およびインテグリン)からのシグナリングカスケードにおいて役割を果たす。理論に縛られることを意図するものではないが、SYKキナーゼは、細胞表面受容体、たとえばCD74、Fc受容体およびインテグリン等を結合させるため、一局面において、本発明の化合物は、これらのおよび同様の受容体を調節する、特に阻害するために使用されてよい。故に、一局面において、本発明は、SYKキナーゼが役割を果たすシグナル伝達カスケードを調節する、特に阻害する方法を包含する。一局面において、方法は、概して、SYK依存性受容体、またはSYK依存性受容体を発現している細胞を、シグナル伝達カスケードを調節するまたは阻害するために有効な、ある量の本発明の化合物と接触させることを伴う。方法は、特定のSYK依存性シグナル伝達カスケードの活性化により誘発される下流プロセスまたは細胞性応答を調節する、特に阻害するために使用されてもよい。方法は、SYKキナーゼが役割を果たすことが現在公知であるまたは後に発見される任意のシグナル伝達カスケードを調節するために実践されてよい。方法は、SYK依存性シグナル伝達カスケードの活性化を特徴とする、それによって引き起こされるまたはそれに関連する疾患の治療または予防に対する治療的アプローチとして、インビトロ状況でまたはインビボ状況で実践されてよい。方法に従って治療または予防され得るSYKキナーゼによって少なくとも部分的に媒介される疾患の例は、アレルギー、喘息、自己免疫疾患、たとえば移植拒絶反応(たとえば、腎臓、心臓、肺、肝臓、膵臓、皮膚、宿主対移植片反応(HVGR)等)、関節リウマチ、乾癬性関節炎、ならびに筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、乾癬およびシェーグレン症候等、II型炎症性疾患、たとえば血管炎症(血管炎、動脈炎、アテローム性動脈硬化症および冠動脈疾患を包含する)等、慢性炎症性疾患、たとえば強直性脊椎炎(ベクテレフ病、ベクテレフ症候群およびマリーストリュンペル病としても公知である)等、中枢神経系の疾患、たとえば脳卒中等、肺疾患、たとえば閉塞性細気管支炎および原発性肺高血圧症等、遅発性または細胞媒介性の、IV型過敏症、ならびに固形および血液学的悪性腫瘍、たとえば白血病およびリンパ腫等を包含するがこれらに限定されない。
【0052】
さらに、理論に縛られることを望むものではないが、本発明の化合物は、以下の例において、JAK依存性シグナル伝達カスケードに加えて他の経路、たとえばリンパ球(たとえば、B細胞およびT細胞)において見られるもの等をモジュレートすることが示されている。理論に縛られることを意図するものではないが、本明細書において記述されている化合物は、リンパ球増殖および/または活性化(たとえば、T細胞増殖および/もしくは活性化ならびに/またはB細胞増殖および/もしくは活性化)を調節する、特に阻害するために使用されてよい。
【0053】
化合物
一局面において、本発明は、式Iによる化合物
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
【0054】
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグを包含する
[式中、
YおよびVは、O、SまたはNHからそれぞれ独立に選択され、
ZおよびXは、CHまたはNからそれぞれ独立に選択され、
Wは、CONR23またはNR23の何れかであり、但し、WがNR23である場合、R1はアリールまたは置換アリールであり、
1は、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、またはヘテロアルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アミン、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アミンまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRaで置換されており、
ここで、Raは、それぞれの出現において、
a)線状または分枝C1〜C6アルキル、
b)線状または分枝C2〜C6アルケニル、
c)線状または分枝C2〜C6アルキニル、
d)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルキル、
e)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルコキシまたはアリールオキシ、
f)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルコキシ、
g)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルキルスルホニル、
h)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6チオアルキルまたはチオアリール(ここで、a)〜h)における前記アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
i)C3〜C8シクロアルキル(ここで、前記シクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
j)C3〜C8シクロアルケニル(ここで、前記シクロアルケニルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
k)アリール(ここで、前記アリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
l)ヘテロアリール(ここで、前記ヘテロアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
m)ヘテロシクロアルキル(ここで、前記ヘテロシクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
n)ヒドロキシル、
o)シアノ、
p)アミノ、
q)ニトロ、
r)ハロゲン、
s)CORb
t)COORb
u)CONRbc
v)NHCORb、および
w)NRbc
からなる群から独立に選択されるか、
あるいは2つのRaは、それらが結合している原子と一緒になって、5または6員のヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロ芳香族環を形成し、
ここで、RbおよびRcは、それぞれ独立に、水素、またはハロゲン、CF3、C(O)CH3、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される基であり、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRdで置換されており、ここで、Rdは、それぞれの出現において、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ジアルキルアミン、モノアルキルアミンおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択されるか、
あるいは2つのRbは、それらが結合している原子と一緒になって、5または6員のヘテロシクロアルキル環を形成し、
2およびR3は、
(i)それぞれ独立に、水素、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキルおよびCORe(ここで、Reは、水素、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニルまたはヘテロシクロアルキルから選択される)
からなる群から選択されるか、あるいは
(ii)それらが結合している窒素原子と一緒になって、5、6または7員のヘテロシクロアルキルまたはヘテロ芳香族環(ここで、前記ヘテロシクロアルキルまたはヘテロ芳香族環は無置換である)を形成するか
の何れかである]。
【0055】
一局面において、本発明の化合物は、式Iの化合物、またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを包含する[式中、
YおよびVは、O、SまたはNHからそれぞれ独立に選択され、
ZおよびXは、CHまたはNからそれぞれ独立に選択され、
Wは、CONR23またはNR23の何れかであり、但し、WがNR23である場合、R1はアリールまたは置換アリールであり、
1は、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、またはヘテロアルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アミン、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アミンまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRaで置換されており、
ここで、Raは、それぞれの出現において、
a)線状または分枝C1〜C6アルキル、
b)線状または分枝C2〜C6アルケニル、
c)線状または分枝C2〜C6アルキニル、
d)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルキル、
e)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルコキシまたはアリールオキシ、
f)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルコキシ、
g)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルキルスルホニル、
h)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6チオアルキルまたはチオアリール(ここで、a)〜h)における前記アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
i)C3〜C8シクロアルキル(ここで、前記シクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
j)C3〜C8シクロアルケニル(ここで、前記シクロアルケニルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
k)アリール(ここで、前記アリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
l)ヘテロアリール(ここで、前記ヘテロアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
m)ヘテロシクロアルキル(ここで、前記ヘテロシクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
n)ヒドロキシル、
o)シアノ、
p)アミノ、
q)ニトロ、
r)ハロゲン、
s)CORb
t)COORb
u)CONRbc
v)NHCORb、および
w)NRbc
からなる群から独立に選択され、
ここで、RbおよびRcは、それぞれ独立に、水素、またはハロゲン、C(O)CH3、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される基であり、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRdで置換されており、ここで、Rdは、それぞれの出現において、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択され、
2およびR3は、
(i)それぞれ独立に、水素、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキルおよびCORe(ここで、Reは、水素、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニルまたはヘテロシクロアルキルから選択される)
からなる群から選択されるか、あるいは
(ii)集合的に、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5から7員のヘテロシクロアルキルまたはヘテロ芳香族環を形成するか
の何れかである]。
【0056】
いくつかの態様において、VはNHである。いくつかの態様において、VはOである。いくつかの態様において、VはSである。いくつかの態様において、ZはNである。いくつかの態様において、ZはCHである。いくつかの態様において、VはNHであり、かつZはNである。いくつかの態様において、YはNHである。いくつかの態様において、YはOである。いくつかの態様において、YはSである。いくつかの態様において、XはNである。いくつかの態様において、XはCHである。いくつかの態様において、YとVは両方Sではない。
【0057】
いくつかの態様において、WはCONR23である。いくつかの態様において、WはNR23である。いくつかの態様において、WはNR23であり、かつR2およびR3の一方はCOReであるのに対し、他方は水素である。
【0058】
一局面において、本発明は、式IIによる化合物
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
【0059】
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグを包含する
[式中、
Yは、OまたはSから選択され、
Xは、CHまたはNから選択され、
Wは、CONR23またはNR23の何れかであり、但し、WがNR23である場合、R1はアリールまたは置換アリールであり、
1は、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、またはヘテロアルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アミン、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アミンまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRaで置換されており、
ここで、Raは、それぞれの出現において、
a)線状または分枝C1〜C6アルキル、
b)線状または分枝C2〜C6アルケニル、
c)線状または分枝C3〜C6アルキニル、
d)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルキル、
e)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルコキシまたはアリールオキシ、
f)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルコキシ、
g)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルキルスルホニル、
h)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6チオアルキルまたはチオアリール(ここで、a)〜h)における前記アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
i)C3〜C8シクロアルキル(ここで、前記シクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
j)C3〜C8シクロアルケニル(ここで、前記シクロアルケニルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
k)アリール(ここで、前記アリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
l)ヘテロアリール(ここで、前記ヘテロアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
m)ヘテロシクロアルキル(ここで、前記ヘテロシクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
n)ヒドロキシル、
o)シアノ、
p)アミノ、
q)ニトロ、
r)ハロゲン、
s)CORb
t)COORb
u)CONRbc
v)NHCORb、および
w)NRbc
からなる群から独立に選択されるか、
あるいは2つのRaは、それらが結合している原子と一緒になって、5または6員のヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロ芳香族環を形成し、
ここで、RbおよびRcは、それぞれ独立に、水素、またはハロゲン、C(O)CH3、CF3、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される基であり、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRdで置換されており、ここで、Rdは、それぞれの出現において、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ジアルキルアミン、モノアルキルアミンおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択されるか、
あるいは2つのRbは、それらが結合している原子と一緒になって、5または6員のヘテロシクロアルキル環を形成し、
2およびR3は、
(i)それぞれ独立に、水素、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキルおよびCORe(ここで、Reは、水素、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニルまたはヘテロシクロアルキルから選択される)
からなる群から選択されるか、あるいは
(ii)それらが結合している窒素原子と一緒になって、5、6または7員のヘテロシクロアルキルまたはヘテロ芳香族環(ここで、前記ヘテロシクロアルキルまたはヘテロ芳香族環は無置換である)を形成するか
の何れかである]。
【0060】
一局面において、本発明は、式IIの化合物、またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを包含する
[式中、
Yは、OまたはSから選択され、
Xは、CHまたはNから選択され、
Wは、CONR23またはNR23の何れかであり、但し、WがNR23である場合、R1はアリールまたは置換アリールであり、
1は、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、またはヘテロアルキル、飽和もしくは不飽和C3〜C8シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル、アミン、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アミンまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRaで置換されており、
ここで、Raは、それぞれの出現において、
a)線状または分枝C1〜C6アルキル、
b)線状または分枝C2〜C6アルケニル、
c)線状または分枝C2〜C6アルキニル、
d)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルキル、
e)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルコキシまたはアリールオキシ、
f)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルコキシ、
g)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルキルスルホニル、
h)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6チオアルキルまたはチオアリール(ここで、a)〜h)における前記アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
i)C3〜C8シクロアルキル(ここで、前記シクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
j)C3〜C8シクロアルケニル(ここで、前記シクロアルケニルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
k)アリール(ここで、前記アリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
l)ヘテロアリール(ここで、前記ヘテロアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
m)ヘテロシクロアルキル(ここで、前記ヘテロシクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
n)ヒドロキシル、
o)シアノ、
p)アミノ、
q)ニトロ、
r)ハロゲン、
s)CORb
t)COORb
u)CONRbc
v)NHCORb、および
w)NRbc
からなる群から独立に選択され、
ここで、RbおよびRcは、それぞれ独立に、水素、またはハロゲン、C(O)CH3、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される基であり、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRdで置換されており、ここで、Rdは、それぞれの出現において、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択され、
2およびR3は、
(i)それぞれ独立に、水素、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキルおよびCORe(ここで、Reは、水素、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニルまたはヘテロシクロアルキルから選択される)
からなる群から選択されるか、あるいは
(ii)集合的に、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5から7員のヘテロシクロアルキルまたはヘテロ芳香族環を形成するか
の何れかである]。
【0061】
いくつかの態様において、YはOである。いくつかの態様において、YはSである。いくつかの態様において、XはNである。いくつかの態様において、XはCHである。
【0062】
いくつかの態様において、WはCONR23である。いくつかの態様において、WはNR23である。いくつかの態様において、WはNR23であり、かつR2およびR3の一方はCOReであるのに対し、他方は水素である。
【0063】
一局面において、本発明は、式IIIによる化合物
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
【0064】
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグを包含する
[式中、
YおよびVは、O、SまたはNHからそれぞれ独立に選択され、
ZおよびXは、CHまたはNからそれぞれ独立に選択され、
1は、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、またはヘテロアルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アミン、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アミンまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRaで置換されており、
ここで、Raは、それぞれの出現において、
a)線状または分枝C1〜C6アルキル、
b)線状または分枝C2〜C6アルケニル、
c)線状または分枝C2〜C6アルキニル、
d)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルキル、
e)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルコキシまたはアリールオキシ、
f)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルコキシ、
g)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルキルスルホニル、
h)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6チオアルキルまたはチオアリール(ここで、a)〜h)における前記アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
i)C3〜C8シクロアルキル(ここで、前記シクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
j)C3〜C8シクロアルケニル(ここで、前記シクロアルケニルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
k)アリール(ここで、前記アリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
l)ヘテロアリール(ここで、前記ヘテロアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
m)ヘテロシクロアルキル(ここで、前記ヘテロシクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
n)ヒドロキシル、
o)シアノ、
p)アミノ、
q)ニトロ、
r)ハロゲン、
s)CORb
t)COORb
u)CONRbc
v)NHCORb、および
w)NRbc
からなる群から独立に選択されるか、
あるいは2つのRaは、それらが結合している原子と一緒になって、5または6員のヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロ芳香族環を形成し、
ここで、RbおよびRcは、それぞれ独立に、水素、またはハロゲン、C(O)CH3、CF3、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される基であり、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRdで置換されており、ここで、Rdは、それぞれの出現において、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ジアルキルアミン、モノアルキルアミンおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択されるか、
あるいは2つのRbは、それらが結合している原子と一緒になって、5または6員のヘテロシクロアルキル環を形成し、
2およびR3は、
(i)それぞれ独立に、水素、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8アルケニルおよびヘテロシクロアルキルからなる群から選択されるか、あるいは
(ii)それらが結合している窒素原子と一緒になって、5、6または7員のヘテロシクロアルキルまたはヘテロ芳香族環(ここで、前記ヘテロシクロアルキルまたはヘテロ芳香族環は無置換である)を形成するか
の何れかである]。
【0065】
一局面において、本発明は、式IIIの化合物、またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを包含する
[式中、
YおよびVは、O、SまたはNHからそれぞれ独立に選択され、
ZおよびXは、CHまたはNからそれぞれ独立に選択され、
1は、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、またはヘテロアルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アミン、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アミンまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRaで置換されており、
ここで、Raは、それぞれの出現において、
a)線状または分枝C1〜C6アルキル、
b)線状または分枝C2〜C6アルケニル、
c)線状または分枝C2〜C6アルキニル、
d)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルキル、
e)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルコキシまたはアリールオキシ、
f)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルコキシ、
g)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルキルスルホニル、
h)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6チオアルキルまたはチオアリール(ここで、a)〜h)における前記アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
i)C3〜C8シクロアルキル(ここで、前記シクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
j)C3〜C8シクロアルケニル(ここで、前記シクロアルケニルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
k)アリール(ここで、前記アリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
l)ヘテロアリール(ここで、前記ヘテロアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
m)ヘテロシクロアルキル(ここで、前記ヘテロシクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
n)ヒドロキシル、
o)シアノ、
p)アミノ、
q)ニトロ、
r)ハロゲン、
s)CORb
t)COORb
u)CONRbc
v)NHCORb、および
w)NRbc
からなる群から独立に選択され、
ここで、RbおよびRcは、それぞれ独立に、水素、またはハロゲン、C(O)CH3、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される基であり、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRdで置換されており、ここで、Rdは、それぞれの出現において、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択され、
2およびR3は、
(i)それぞれ独立に、水素、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニルおよびヘテロシクロアルキルからなる群から選択されるか、あるいは
(ii)集合的に、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5から7員のヘテロシクロアルキルまたはヘテロ芳香族環を形成するか
の何れかである]。
【0066】
いくつかの態様において、VはNHである。いくつかの態様において、VはOである。いくつかの態様において、VはSである。いくつかの態様において、ZはNである。いくつかの態様において、ZはCHである。いくつかの態様において、VはNHであり、かつZはNである。いくつかの態様において、YはNHである。いくつかの態様において、YはOである。いくつかの態様において、YはSである。いくつかの態様において、XはNである。いくつかの態様において、XはCHである。いくつかの態様において、YとVは両方Sではない。
【0067】
一局面において、本発明は、式IVによる化合物
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
【0068】
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグを包含する
[式中、
1は、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、またはヘテロアルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アミン、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アミンまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRaで置換されており、
ここで、Raは、それぞれの出現において、
a)線状または分枝C1〜C6アルキル、
b)線状または分枝C2〜C6アルケニル、
c)線状または分枝C2〜C6アルキニル、
d)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルキル、
e)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルコキシまたはアリールオキシ、
f)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルコキシ、
g)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルキルスルホニル、
h)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6チオアルキルまたはチオアリール(ここで、a)〜h)における前記アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
i)C3〜C8シクロアルキル(ここで、前記シクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
j)C3〜C8シクロアルケニル(ここで、前記シクロアルケニルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
k)アリール(ここで、前記アリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
l)ヘテロアリール(ここで、前記ヘテロアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
m)ヘテロシクロアルキル(ここで、前記ヘテロシクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
n)ヒドロキシル、
o)シアノ、
p)アミノ、
q)ニトロ、
r)ハロゲン、
s)CORb
t)COORb
u)CONRbc
v)NHCORb、および
w)NRbc
からなる群から独立に選択されるか、
あるいは2つのRaは、それらが結合している原子と一緒になって、5または6員のヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロ芳香族環を形成し、
ここで、RbおよびRcは、それぞれ独立に、水素、またはハロゲン、C(O)CH3、CF3、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される基であり、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRdで置換されており、ここで、Rdは、それぞれの出現において、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ジアルキルアミン、モノアルキルアミンおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択されるか、
あるいは2つのRbは、それらが結合している原子と一緒になって、5または6員のヘテロシクロアルキル環を形成し、
2およびR3は、
(i)それぞれ独立に、水素、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニルおよびヘテロシクロアルキルからなる群から選択されるか、あるいは
(ii)それらが結合している窒素原子と一緒になって、5、6または7員のヘテロシクロアルキルまたはヘテロ芳香族環(ここで、前記環は無置換である)を形成するか
の何れかである]。
【0069】
一局面において、本発明は、式IVの化合物、またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを包含する
[式中、
1は、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、またはヘテロアルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アミン、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アミンまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRaで置換されており、
ここで、Raは、それぞれの出現において、
a)線状または分枝C1〜C6アルキル、
b)線状または分枝C2〜C6アルケニル、
c)線状または分枝C2〜C6アルキニル、
d)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルキル、
e)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルコキシまたはアリールオキシ、
f)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルコキシ、
g)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルキルスルホニル、
h)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6チオアルキルまたはチオアリール(ここで、a)〜h)における前記アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
i)C3〜C8シクロアルキル(ここで、前記シクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
j)C3〜C8シクロアルケニル(ここで、前記シクロアルケニルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
k)アリール(ここで、前記アリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
l)ヘテロアリール(ここで、前記ヘテロアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
m)ヘテロシクロアルキル(ここで、前記ヘテロシクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
n)ヒドロキシル、
o)シアノ、
p)アミノ、
q)ニトロ、
r)ハロゲン、
s)CORb
t)COORb
u)CONRbc
v)NHCORb、および
w)NRbc
からなる群から独立に選択され、
ここで、RbおよびRcは、それぞれ独立に、水素、またはハロゲン、C(O)CH3、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される基であり、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRdで置換されており、ここで、Rdは、それぞれの出現において、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択され、
2およびR3は、
(i)それぞれ独立に、水素、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニルおよびヘテロシクロアルキルからなる群から選択されるか、あるいは
(ii)集合的に、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5から7員のヘテロシクロアルキルまたはヘテロ芳香族環を形成するかの何れかである]。
【0070】
一局面において、本発明は、式Vによる化合物:
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
【0071】
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグを包含する[式中、
WはCONR23であり、
1は、
1)NRaa(ここで、a)1つのRaはHであり、かつ1つのRaは1以上のRbで置換されているフェニルであり、b)1つのRaは線状または分枝C1〜C6アルキルであり、かつ1つのRaは無置換のフェニルまたは1以上のRbで置換されているフェニルである)、および
2)1以上のNHCORbで置換されているフェニル(ここで、Rbは、a)無置換のフェニルまたは1以上のRdで置換されているフェニルであり、あるいはb)線状または分枝C1〜C6アルキルであり、ここで、前記アルキルは、線状または分枝C1〜C6アルキルで任意に置換されている5、6または7員のヘテロシクロアルキルで置換されており、但し、前記ヘテロシクロアルキルはモルホリンではない)
から選択され、
2およびR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5、6または7員のヘテロシクロアルキルまたはヘテロ芳香族環を形成し、
bは、ハロゲン、C(O)CH3、CF3、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRdで置換されており、ここで、Rdは、それぞれの出現において、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ジアルキルアミン、モノアルキルアミンおよびヘテロアリールから独立に選択される]。
【0072】
一局面において、R1はNRaRaであり、かつ1つのRaはHである。一局面において、R1はNRaaであり、1つのRaはHであり、かつ1つのRaは1以上のRbで置換されているフェニルである。一局面において、R1はNRaaであり、1つのRaはHであり、かつ1つのRaは1以上のハロゲンまたはC(O)CH3で置換されているフェニルである。
【0073】
一局面において、R1はNRaaであり、かつ1つのRaはCH3である。一局面において、R1はNRaaであり、1つのRaはCH3であり、かつ1つのRaは無置換のフェニルである。
【0074】
一局面において、R1は1つのNHCORbで置換されているフェニルである。一局面において、R1は1つのNHCORbで置換されているフェニルであり、かつRbは無置換のフェニルである。一局面において、R1は1つのNHCORbで置換されているフェニルであり、かつRbは線状C1〜C6アルキルである。一局面において、R1は1つのNHCORbで置換されているフェニルであり、かつRbはヘテロシクロアルキルで置換されているCH2である。一局面において、R1は1つのNHCORbで置換されているフェニルであり、かつRbはピペラジンで置換されているC1〜C6アルキルであり、ここで、前記ピペラジンはメチルで置換されている。
【0075】
一局面において、R2およびR3は、それらが結合している窒素と一緒になって、5員のヘテロシクロアルキルを形成する。
【0076】
一局面において、本発明は、式VIの化合物:
【化7】
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【0077】
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは多形体もしくはプロドラッグを包含する[式中、R2およびR3は、式Iについて、または本明細書においてさらに記述されている通りであり、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5は、
a)線状または分枝C1〜C6アルキル、
b)線状または分枝C2〜C6アルケニル、
c)線状または分枝C2〜C6アルキニル、
d)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルキル、
e)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルコキシまたはアリールオキシ、
f)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルコキシ、
g)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルキルスルホニル、
h)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6チオアルキルまたはチオアリール(ここで、a)〜h)における前記アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
i)C3〜C8シクロアルキル(ここで、前記シクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
j)C3〜C8シクロアルケニル(ここで、前記シクロアルケニルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
k)アリール(ここで、前記アリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
l)ヘテロアリール(ここで、前記ヘテロアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
m)ヘテロシクロアルキル(ここで、前記ヘテロシクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
n)ヒドロキシル、
o)シアノ、
p)アミノ、
q)ニトロ、
r)ハロゲン、
s)CORb
t)COORb
u)CONRbc
v)NHCORb、および
w)NRbc、および
x)水素
からなる群からそれぞれ独立に選択されるか、
あるいはRa1、Ra2、Ra3、Ra4、Ra6およびRa7の2つは、それらが結合している原子と一緒になって、5もしくは6員のヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロ芳香族環を形成し、
ここで、RbおよびRcは、それぞれ独立に、水素、またはハロゲン、CF3、C(O)CH3、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される基であり、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRdで置換されており、ここで、Rdは、それぞれの出現において、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ジアルキルアミン、モノアルキルアミンおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択され、
2つのRbは、それらが結合している原子と、5または6員のヘテロシクロアルキル環を形成する]。
【0078】
一局面において、本発明は、式VIIの化合物:
【化8】
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【0079】
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグを包含する[式中、Ra3、Ra4、R2およびR3は、式VIおよびIについて、ならびに本明細書においてさらに記述されている通りである]。
【0080】
一局面において、本発明は、式VIIIの化合物:
【化9】
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【0081】
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグを包含する[式中、Ra、R2およびR3は、式VIおよびIについて、ならびに本明細書においてさらに記述されている通りである]。
【0082】
一局面において、本発明は、式IXの化合物:
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
【0083】
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグを包含する[式中、Ra、R2およびR3は、式VIおよびIについて、ならびに本明細書においてさらに記述されている通りである]。
【0084】
一局面において、本発明は、式Xの化合物:
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
【0085】
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグを包含する[式中、Ra、Rb、R2およびR3は、式VIおよびIについて、ならびに本明細書においてさらに記述されている通りである]。
【0086】
一局面において、本発明は、式XIの化合物:
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
【0087】
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグを包含する[式中、Ra3、Rb、R2およびR3は、式VIおよびIについて、ならびに本明細書においてさらに記述されている通りである]。
【0088】
一局面において、本発明は、式XIIの化合物:
【化13】
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【0089】
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグを包含する[式中、Ra3、Rd、R2およびR3は、式VIおよびIについて、ならびに本明細書においてさらに記述されている通りである]。
【0090】
一局面において、本発明は、式XIIIの化合物:
【化14】
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【0091】
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグを包含する[式中、R2およびR3は、式Iについておよび本明細書においてさらに記述されている通りであり、
a6およびRa7は、
a)線状または分枝C1〜C6アルキル、
b)線状または分枝C2〜C6アルケニル、
c)線状または分枝C2〜C6アルキニル、
d)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルキル、
e)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルコキシまたはアリールオキシ、
f)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルコキシ、
g)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルキルスルホニル、
h)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6チオアルキルまたはチオアリール(ここで、a)〜h)における前記アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
i)C3〜C8シクロアルキル(ここで、前記シクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
j)C3〜C8シクロアルケニル(ここで、前記シクロアルケニルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
k)アリール(ここで、前記アリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
l)ヘテロアリール(ここで、前記ヘテロアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
m)ヘテロシクロアルキル(ここで、前記ヘテロシクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
n)ヒドロキシル、
o)シアノ、
p)アミノ、
q)ニトロ、
r)ハロゲン、
s)CORb
t)COORb
u)CONRbc
v)NHCORb
w)NRbc、および
x)水素
からなる群から独立に選択されるか、
あるいはRa6およびRa7は、それらが結合している原子と一緒になって、5または6員のヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロ芳香族環を形成し、
ここで、RbおよびRcは、それぞれ独立に、水素、またはハロゲン、CF3、C(O)CH3、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される基であり、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRdで置換されており、ここで、Rdは、それぞれの出現において、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ジアルキルアミン、モノアルキルアミンおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択され、
2つのRbは、それらが結合している原子と、5または6員のヘテロシクロアルキル環を形成する]。
【0092】
一局面において、本発明は、式XIVの化合物:
【化15】
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【0093】
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグを包含する[式中、Ra7、R2およびR3は、式VIIIおよびIについて、ならびに本明細書においてさらに記述されている通りである]。
【0094】
一局面において、本発明は式XVの化合物:
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
【0095】
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグを包含する[式中、R2およびR3は、式Iについて、ならびに本明細書においてさらに記述されている通りであり、Rb1、Rb2、Rb3、Rb4およびRb5は、水素、ハロゲン、CF3、C(O)CH3、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからそれぞれ独立に選択され、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRで置換されており、ここで、Rは、それぞれの出現において、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ジアルキルアミン、モノアルキルアミンおよびヘテロアリールから独立に選択されるか、
あるいはRb1、Rb2、Rb3、Rb4またはRb5の2つは、それらが結合している原子と一緒になって、5または6員のヘテロシクロアルキル環を形成する]。
【0096】
一局面において、本発明は、式XVIの化合物:
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
【0097】
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグを包含する[式中、Rb1、Rb2、Rb3、Rb4、Rb5、R2およびR3は、式XVおよびIについて、ならびに本明細書においてさらに記述されている通りである]。
【0098】
一局面において、本発明は、式XVIIの化合物:
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
【0099】
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグを包含する[式中、Rb1、R2およびR3は、式XVIIおよびIについて、ならびに本明細書においてさらに記述されている通りである]。
【0100】
一局面において、本発明は、式XVIIIの化合物:
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
【0101】
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグを包含する[式中、Rb2、R2およびR3は、式XVおよびIについて、ならびに本明細書においてさらに記述されている通りである]。
【0102】
一局面において、本発明は、式XIXの化合物:
【化20】
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【0103】
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグを包含する[式中、Rb3、R2およびR3は、式XVおよびIについて、ならびに本明細書においてさらに記述されている通りである]。
【0104】
本発明の化合物のすべてが有用であるが、ある特定のクラスが好ましい。下記の段落は、そのような好ましいクラスを列挙する:
1)一局面において、本発明は、式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XII、XIII、XIV、XV、XV、XVI、XVII、XVIIIまたはXIXの化合物[式中、R2およびR3は、線状または分枝C1〜C6アルキル、水素およびC3〜C8シクロアルキルからそれぞれ独立に選択されるか、あるいはR2およびR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5、6または7員のヘテロシクロアルキルを形成する]を包含する。
【0105】
2)一局面において、本発明は、式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XII、XIII、XIV、XV、XV、XVI、XVII、XVIIIまたはXIXの化合物[式中、R2およびR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5、6または7員のヘテロシクロアルキル環を形成する]を包含する。
【0106】
3)一局面において、本発明は、式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XII、XIII、XIV、XV、XV、XVI、XVII、XVIIIまたはXIXの化合物[式中、R2およびR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5または6員のヘテロシクロアルキル環を形成する]を包含する。
【0107】
4)一局面において、本発明は、式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XII、XIII、XIV、XV、XV、XVI、XVII、XVIIIまたはXIXの化合物[式中、R2およびR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5員のヘテロシクロアルキル環を形成する]を包含する。
【0108】
5)一局面において、本発明は、式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XII、XIII、XIV、XV、XV、XVI、XVII、XVIIIまたはXIXの化合物[式中、R2およびR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジンまたはピペリジン環を形成する]を包含する。
【0109】
6)一局面において、本発明は、式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XII、XIII、XIV、XV、XV、XVI、XVII、XVIIIまたはXIXの化合物[式中、R2およびR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジン環を形成する]を包含する。
【0110】
7)一局面において、本発明は、式VIの化合物[式中、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5は、水素、NHCORb、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、C1〜C6アルキル、CF3およびNRbcからそれぞれ独立に選択される]を包含する。
【0111】
8)一局面において、本発明は、式VIの化合物[式中、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5の1つがNHCORbであり、残りのRa1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5が水素である]を包含する。
【0112】
9)一局面において、本発明は、式VIの化合物[式中、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5の1つがハロゲンであり、残りのRa1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5が水素である]を包含する。
【0113】
10)一局面において、本発明は、式VIの化合物[式中、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5の1つがフッ素または塩素であり、残りのRa1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5が水素である]を包含する。
【0114】
11)一局面において、本発明は、式VIの化合物[式中、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5の1つがC1〜C6アルコキシであり、残りのRa1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5が水素である]を包含する。
【0115】
12)一局面において、本発明は、式VIの化合物[式中、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5の1つがメトキシまたはエトキシであり、残りのRa1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5が水素である]を包含する。
【0116】
13)一局面において、本発明は、式VIの化合物[式中、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5の1つがCF3であり、残りのRa1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5が水素である]を包含する。
【0117】
14)一局面において、本発明は、式VIの化合物[式中、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5の1つがC1〜C6アルキルであり、残りのRa1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5が水素である]を包含する。
【0118】
15)一局面において、本発明は、式VIの化合物[式中、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5の1つまたは2つがメチルであり、残りのRa1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5が水素である]を包含する。
【0119】
16)一局面において、本発明は、式VIの化合物[式中、Ra1およびRa3は水素ではない]を包含する。
【0120】
17)一局面において、本発明は、式VIの化合物[式中、Ra5は水素ではない]を包含する。
【0121】
18)一局面において、本発明は、式VIの化合物[式中、Ra4は水素ではない]を包含する。
【0122】
19)一局面において、本発明は、式VIの化合物[式中、Ra3は水素ではない]を包含する。
【0123】
20)一局面において、本発明は、式VIまたはVIIの化合物[式中、Ra3およびRa4は、水素、NHCORb、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、線状C1〜C6アルキルおよびNRbcからそれぞれ独立に選択される]を包含する。
【0124】
21)一局面において、本発明は、式VIまたはVIIの化合物[式中、Ra3およびRa4の1つがNHCORbであり、残りのRa3またはRa4が、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、線状C1〜C6アルキルおよびNRbcから選択される]を包含する。
【0125】
22)一局面において、本発明は、式VIまたはVIIの化合物[式中、Ra3およびRa4の1つがNHCORbであり、残りのRa3またはRa4が、水素、C1〜C6アルコキシおよびハロゲンから選択される]を包含する。
【0126】
23)一局面において、本発明は、式VI、VII、VIII、XIまたはXIIの化合物[式中、Ra3は、水素、NHCORb、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、線状または分枝C1〜C6アルキルおよびNRbcから選択される]を包含する。
【0127】
24)一局面において、本発明は、式VI、VII、VIII、XIまたはXIIの化合物[式中、Ra3は、水素、NHCORb、メトキシ、エトキシ、フッ素、塩素、ヒドロキシル、メチルおよびジメチルアミンから選択される]を包含する。
【0128】
25)一局面において、本発明は、式VI、VII、VIII、XIまたはXIIの化合物[式中、Ra3は、水素、メトキシ、エトキシ、フッ素、塩素、ヒドロキシル、メチルおよびジメチルアミンから選択される]を包含する。
【0129】
26)一局面において、本発明は、式VI、VII、VIII、XIまたはXIIの化合物[式中、Rb3は水素である]を包含する。
【0130】
27)一局面において、本発明は、式VI、VII、IXまたはXの化合物[Ra4は、水素、NHCORb、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、線状または分枝C1〜C6アルキルおよびNRbcから選択される]を包含する。
【0131】
28)一局面において、本発明は、式VI、VII、IXまたはXの化合物[式中、Ra4は、水素、NHCORb、メトキシ、メチルおよび塩素から選択される]を包含する。
【0132】
29)一局面において、本発明は、式VI、VII、IXまたはXの化合物[式中、Ra4は、水素、メトキシ、メチルおよび塩素から選択される]を包含する。
【0133】
30)一局面において、本発明は、式VI、VII、IXまたはXの化合物[式中、Ra4は水素である]を包含する。
【0134】
31)一局面において、本発明は、式VI、VII、IXまたはXの化合物[式中、Rbは、線状または分枝C1〜C6アルキル、無置換のC3〜C8シクロアルキル、無置換のアリールおよび無置換のヘテロシクロアルキルから選択され、ここで、前記C1〜C6アルキルは、無置換であるか、または1以上のRdで置換されている]を包含する。
【0135】
32)一局面において、本発明は、式VI、VII、VIII、IX、XまたはXIの化合物[式中、Rbは、−CH2d、線状または分枝の無置換のC1〜C6アルキル、無置換のヘテロシクロアルキルおよび無置換のC3〜C8シクロアルキルから選択される]を包含する。
【0136】
33)一局面において、本発明は、式VI、VII、VIII、IX、XまたはXIの化合物[式中、Rbはメチルである]を包含する。
【0137】
34)一局面において、本発明は、式VI、VII、VIII、IX、XまたはXIの化合物[式中、Rbは−CH2dである]を包含する。
【0138】
35)一局面において、本発明は、式VI、VII、VIII、IX、XまたはXIの化合物[式中、Rbは、シクロプロピルでも
【化21】
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【0139】
でもない]を包含する。
【0140】
36)一局面において、本発明は、式VI、VII、VIII、IX、X、XIまたはXIIの化合物[式中、Rdは、ヘテロシクロアルキル、ジアルキルアミン、モノアルキルアミンおよびC3〜C8シクロアルキルから選択される]を包含する。
【0141】
37)一局面において、本発明は、式VI、VII、VIII、IX、X、XIまたはXIIの化合物[式中、Rdは、メチルピペラジン、ピペリジン、ジメチルアミン、モルホリン、ジメチルアミンおよびシクロプロピルから選択される]を包含する。
【0142】
38)一局面において、本発明は、式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XIまたはXIIの化合物[式中、Rdは、モルホリンでもシクロプロピルでもない]を包含する。
【0143】
39)一局面において、本発明は、式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XIおよびXIIの化合物[式中、Rdは、メチルピペラジンである]を包含する。
【0144】
40)一局面において、本発明は、式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XIおよびXIIの化合物[式中、Rdは、ピペリジンである]を包含する。
【0145】
41)一局面において、本発明は、式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XIおよびXIIの化合物[式中、Rdは、ジメチルアミンである]を包含する。
【0146】
42)一局面において、本発明は、式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XIおよびXIIの化合物[式中、Rdは、モルホリンである]を包含する。
【0147】
43)一局面において、本発明は、式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XIまたはXIIの化合物[式中、Rdは、C3〜C8シクロアルキルである]を包含する。
【0148】
44)一局面において、本発明は、式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XIまたはXIIの化合物[式中、Rdは、シクロプロピルである]を包含する。
【0149】
45)一局面において、本発明は、式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XIまたはXIIの化合物[式中、R2およびR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジン環を形成しない]を包含する。
【0150】
46)一局面において、本発明は、式XIIIの化合物[式中、Ra6およびRa7は、水素、線状C1〜C6アルキル、アリール、C3〜C8シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルからそれぞれ独立に選択され、ここで、前記アリールまたはアルキルは、無置換であるか、または1以上のRbで置換されており、あるいは、Ra6およびRa7は、それらが結合している原子と一緒になって、5または6員のヘテロシクロアルキルを形成する]を包含する。
【0151】
47)一局面において、本発明は、式XIIIの化合物[式中、Ra6およびRa7は、水素、メチル、フェニル、シクロプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルからそれぞれ独立に選択され、ここで、前記メチルまたはフェニルは、無置換であるか、または1以上のRbで置換されており、あるいは、Ra6およびRa7は一緒になって、メチルピペラジンまたはモルホリンを形成する]を包含する。
【0152】
48)一局面において、本発明は、式XIIIまたはXIVの化合物[式中、Ra7は、フェニル、シクロプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルから選択され、ここで、前記メチルまたはフェニルは、無置換であるか、または1以上のRbで置換されている]を包含する。
【0153】
49)一局面において、本発明は、式XIIIまたはXIVの化合物[式中、Ra7は、無置換のフェニルまたは1以上のRbで置換されているフェニルから選択される]を包含する。
【0154】
50)一局面において、本発明は、式XIIIまたはXVの化合物[式中、Ra6はメチルである]を包含する。
【0155】
51)一局面において、本発明は、式XVまたはXVIの化合物[式中、Rb1、Rb2、Rb3、Rb4およびRb5は、水素、ハロゲン、C(O)CH3、線状C1〜C6アルキル、CF3およびC1〜C6アルコキシからそれぞれ独立に選択され、あるいは、Rb3およびRb4は一緒になって、5または6員のヘテロシクロアルキル環を形成する]を包含する。
【0156】
52)一局面において、本発明は、式XVまたはXVIの化合物[式中、Rb1、Rb2、Rb3、Rb4およびRb5は、水素、フッ素、C(O)CH3、無置換のモルホリン、メチル、CF3およびメトキシからそれぞれ独立に選択され、あるいは、Rb3およびRb4は一緒になって、ジオキサン環を形成する]を包含する。
【0157】
53)一局面において、本発明は、式XVまたはXVIの化合物[式中、Rb1、Rb2、Rb3、Rb4およびRb5は、水素、フッ素、C(O)CH3および無置換のモルホリンからそれぞれ独立に選択される]を包含する。
【0158】
54)一局面において、本発明は、式XVまたはXVIの化合物[式中、Rb2およびRb4は水素である]を包含する。
【0159】
55)一局面において、本発明は、式XVまたはXVIの化合物[式中、Rb1、Rb3およびRb5はフッ素である]を包含する。
【0160】
56)一局面において、本発明は、式XVまたはXVIの化合物[式中、Rb1、Rb2、Rb3、Rb4およびRb5は、水素、ハロゲン、C(O)CH3、ヘテロシクロアルキルからそれぞれ独立に選択され、但し、Rb1、Rb2、Rb3、Rb4およびRb5の1つがフッ素である場合、残りのRb1、Rb2、Rb3、Rb4およびRb5は水素である]を包含する。
【0161】
57)一局面において、本発明は、式XV、XVIまたはXVIIの化合物[式中、Rb1は、水素、ハロゲン、C(O)CH3、ヘテロシクロアルキル、線状C1〜C6アルキル、CF3、C1〜C6アルコキシおよびC3〜C8シクロアルキルから選択される]を包含する。
【0162】
58)一局面において、本発明は、式XV、XVIまたはXVIIの化合物[式中、Rb1は、水素、フッ素、C(O)CH3、無置換のモルホリン、メチル、CF3およびメトキシ、ならびにシクロプロピルから選択される]を包含する。
【0163】
59)一局面において、本発明は、式XV、XVIまたはXVIIの化合物[式中、Rb1は、水素、フッ素、C(O)CH3および無置換のモルホリンから選択される]を包含する。
【0164】
60)一局面において、本発明は、式XV、XVIまたはXVIIの化合物[式中、Rb1はフッ素である]を包含する。
【0165】
61)一局面において、本発明は、式XV、XVIまたはXVIIの化合物[式中、Rb1はメトキシである]を包含する。
【0166】
62)一局面において、本発明は、式XV、XVIまたはXVIIの化合物[式中、Rb1はCF3である]を包含する。
【0167】
63)一局面において、本発明は、式XV、XVIまたはXVIIの化合物[式中、Rb2は、水素、ハロゲン、C(O)CH3、ヘテロシクロアルキル、線状C1〜C6アルキル、CF3、C1〜C6アルコキシおよびC3〜C8シクロアルキルから選択される]を包含する。
【0168】
64)一局面において、本発明は、式XV、XVIまたはXVIIの化合物[式中、Rb2は、水素、フッ素、C(O)CH3、無置換のモルホリン、メチル、CF3およびメトキシ、ならびにシクロプロピルから選択される]を包含する。
【0169】
65)一局面において、本発明は、式XV、XVIまたはXVIIの化合物[式中、Rb2は、水素、フッ素、C(O)CH3および無置換のモルホリンから選択される]を包含する。
【0170】
66)一局面において、本発明は、式XV、XVIまたはXVIIの化合物[式中、Rb2は塩素またはフッ素である]を包含する。
【0171】
67)一局面において、本発明は、式XV、XVIまたはXVIIの化合物[式中、Rb2はメトキシである]を包含する。
【0172】
68)一局面において、本発明は、式XV、XVIまたはXIXの化合物[式中、Rb3は、水素、ハロゲン、C(O)CH3、ヘテロシクロアルキル、線状C1〜C6アルキル、CF3、C1〜C6アルコキシおよびC3〜C8シクロアルキルから選択される]を包含する。
【0173】
69)一局面において、本発明は、式XV、XVIまたはXIXの化合物[式中、Rb3は、水素、フッ素、C(O)CH3、無置換のモルホリン、メチル、CF3およびメトキシ、ならびにシクロプロピルから選択される]を包含する。
【0174】
70)一局面において、本発明は、式XV、XVIまたはXIXの化合物[式中、Rb3は、水素、フッ素、C(O)CH3および無置換のモルホリンから選択される]を包含する。
【0175】
71)一局面において、本発明は、式XV、XVIIまたはXIXの化合物[式中、Rb3は、フッ素、C(O)CH3およびメトキシ、無置換のモルホリン、メトキシおよびメチルから選択される]を包含する。
【0176】
72)一局面において、本発明は、式XV、XVIIまたはXIXの化合物[式中、R3bはフッ素である]を包含する。
【0177】
73)一局面において、本発明は、式XV、XVIIまたはXIXの化合物[式中、R3bはメトキシである]を包含する。
【0178】
74)一局面において、本発明は、式XIII、XIV、XV、XVI、XVII、XVIIIまたはXIXの化合物[式中、R2およびR3は、それらは結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジン環を形成しない]を包含する。
【0179】
上記のクラスを組み合わせて、付加的な好ましいクラスを、たとえば2以上の置換基の好ましい選択の組合せとして形成できることが理解されよう。
【0180】
一局面において、本発明は、表Aの化合物を包含する。一局面において、本発明は、表Bの化合物を包含する。一局面において、本発明は、表Cの化合物を包含する。一局面において、本発明は、表Bまたは表Cの化合物の使用を包含する。一局面において、本発明は、表BおよびCの化合物を包含しない。
【表1-1】
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【表1-2】
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【表1-3】
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【表2-1】
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【表2-2】
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【表2-3】
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【表2-4】
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【表2-5】
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【表3-1】
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【表3-2】
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【表3-3】
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【表3-4】
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【表3-5】
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【表3-6】
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【表3-7】
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【表3-8】
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【表3-9】
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【表3-10】
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【表3-11】
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【表3-12】
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【表3-13】
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【表3-14】
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【表3-15】
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【表3-16】
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【表3-17】
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【表3-18】
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【表3-19】
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【表3-20】
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【表3-21】
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【表3-22】
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【表3-23】
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【表3-24】
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【表3-25】
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【表3-26】
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【表3-27】
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【表3-28】
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【表3-29】
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【表3-30】
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【表3-31】
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【表3-32】
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【表3-33】
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【表3-34】
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【表3-35】
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【表3-36】
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【表3-37】
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【表3-38】
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【表3-39】
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【表3-40】
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【表3-41】
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【表3-42】
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【表3-43】
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【表3-44】
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【表3-45】
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【表3-46】
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【表3-47】
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【表3-48】
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【表3-49】
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【表3-50】
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【表3-51】
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【表3-52】
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【表3-53】
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【表3-54】
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【表3-55】
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【表3-56】
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【表3-57】
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【表3-58】
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【表3-59】
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【表3-60】
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【表3-61】
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【表3-62】
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【表3-63】
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【表3-64】
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【表3-65】
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【表3-66】
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【表3-67】
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【表3-68】
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【表3-69】
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【0181】
一局面において、本発明は、化合物13A、14A、15A、16A、17Aおよび18Aから選択される化合物を包含する。
【0182】
一局面において、本発明は、本発明の化合物の溶媒和物を包含する。一局面において、本発明は溶媒和物を包含し、ここで、該溶媒和物は本発明の化合物の水和物である。一局面において、本発明は、本発明の化合物の酸付加塩、たとえば塩酸塩を包含する。一局面において、本発明は、本発明の化合物の薬学的に許容される塩を包含する。一局面において、本発明は、本発明の化合物と、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物を包含する。
【0183】
一局面において、本発明は、表Cに記載されている化合物の何れか、またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを包含し、ここで、該化合物は、チロシンキナーゼを、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または約95%以上阻害する。
【0184】
一局面において、本発明の化合物は、チロシンキナーゼを、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または約95%以上阻害する。
【0185】
一局面において、本発明は、表Cに記載されている化合物の何れか、またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを包含し、ここで、該化合物は、JAKを、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または約95%以上阻害する。一局面において、JAKはJAK3である。
【0186】
一局面において、本発明の化合物は、JAKを、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または約95%以上阻害する。一局面において、JAKはJAK3である。
【0187】
一局面において、本発明は、表Cに記載されている化合物の何れか、またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを包含し、ここで、該化合物は、SYKを、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または約95%以上阻害する。
【0188】
一局面において、本発明の化合物は、SYKを、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または約95%以上阻害する。
【0189】
一局面において、本発明は、表Cに記載されている化合物の何れか、またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを包含し、ここで、該化合物は、BTKを、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または約95%以上阻害する。
【0190】
一局面において、本発明の化合物は、BTKを、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または約95%以上阻害する。
【0191】
本発明の化合物は、当業者に公知の方法を使用して合成される。
【化22】
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【0192】
たとえば、上記に示した式V−Iによる化合物は、後述の通りに合成され得る。一局面において、上記に示した式V−1についての値:R3、R4、Y、X、R1およびR2は、式VIについて列挙した値に対応する:R3はRbであり、R4はRa1−Ra5であり、YはSであり、XはCHであり、R1およびR2はR2およびR3である。出発材料エチル4−アセチル−1H−ピロール−2−カルボキシレートは、市販の化合物エチル1H−ピロール−2−カルボキシレートから、公開されている手順(たとえば、Journal of the American Chemical Society、129(11)、3078〜3079;2007;Chemical&Pharmaceutical Bulletin、44(1)、48〜54;1996;Heterocycles、27(8)、1855〜60;1988を参照)に従い、塩化アシルをアシル化剤として使用して調製されてもよい。代替として、該出発材料は、同じく市販の化合物である4−アセチル−1H−ピロール−2−カルボン酸から出発して調製されてもよい(スキーム1)。
【化23】
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【0193】
同様に、イミダゾール類似体は、市販のエチル1H−イミダゾール−2−カルボキシレートから出発して調製されてもよい(スキーム2)。
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
【0194】
次のステップは、ピロールまたはイミダゾール窒素を保護すること、次いで公開されている手順(たとえば、Heterocycles、55(8)、1475〜1486;2001;Journal of Medicinal Chemistry、33(2)、543〜52;1990;欧州特許出願第259085号、1988年3月9日を参照)に従うアセチル臭素化(スキーム3)である。
【化25】
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【0195】
代替として、上記の出発材料が、2−ブロモアセチルブロミドとのアシル化反応を受けて、直接的に所望生成物を得てもよい(たとえば、スキーム4を参照)。
【化26】
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【0196】
次のステップにおいて、中間体エチル4−(2−ブロモアセチル)−1H−ピロール−2−カルボキシレート、またはそのイミダゾール類似体が、3−置換ベンゾチアゾール誘導体との縮合反応を受けて、チアゾール化合物[2]を得る(スキーム5)。
【化27】
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【0197】
スキーム5において使用されるチオアミド誘導体は、ローソン試薬を用いるニトリルからチオアミドへのBF3−エーテレート支援変換を使用して調製されてもよい(たとえば、Synthesis、(24)、4012〜4018;2008;Farmaco、54(8)、533〜541;1999を参照)(スキーム6)。
【化28】
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【0198】
代替として、中間体[1]と3−置換ベンズアミド誘導体との縮合により、オキサゾール化合物[3]が得られるであろう(スキーム7)(Letters in Drug Design&Discovery、6(1)、21〜28;2009;Journal of Heterocyclic Chemistry、18(5)、885〜8;1981)。
【化29】
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【0199】
スキーム8を参照すると、取得された中間体[3]は、両側におけるアミド化反応を受け、1つはエチルエステル部分上、2つめはニトロ基の還元後に取得されたアミン上でのものである。Wがヒドロキシルである場合、該中間体はアルキル化反応を受けてもよい。
【化30】
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【0200】
2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミドの結晶性塩酸塩
本発明は、X線回折パターンを特徴とする結晶性2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)、この多形体を含む医薬組成物を作製する方法、ならびにシグナル伝達経路によってモジュレートされる疾患および障害を治療する方法を包含する。たとえば、2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩形態Iは、細胞増殖性障害(がんを包含する);炎症性障害;免疫障害(自己免疫障害、免疫系の機能不全および移植拒絶反応を包含する);ならびにドライアイ疾患の治療において有用である。
【0201】
塩酸塩は、様々な異なる条件下で調製されてもよい。しかしながら、本発明に従って、ある特定の多形体2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩形態Iは、次の通りに調製される:遊離塩基2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミドをトルエンに(加熱することによって)溶解し、EtOH中のHClを滴下添加する。添加が完了したら、沈殿物を濾過によって収集し、洗浄し、真空乾燥させて、結晶性2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)を生じさせる。
【0202】
代替として、2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(化合物8)を、エタノールまたはメタノール中で再結晶させて、N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)を生じさせることができる。
【0203】
2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)は、それを医薬製剤への使用に非常に好適なものとする、医薬製剤において使用される共通の賦形剤に対する不活性と組み合わせた特徴を有する。さらに、2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)は、優れた溶解性を呈する。
【0204】
一局面において、本発明は、式:
【化31】
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【0205】
によって表される多形体2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)であって、下記の少なくとも1つ:図8において明記されているものと実質的に同様のX線回折ピークパターンを特徴とするX線回折パターン、または図10において明記されているものと実質的に同様の分解痕跡を有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを特徴とする、多形体を提供する。
【0206】
一局面において、本発明は、式:
【化32】
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【0207】
によって表される多形体2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)であって、下記の少なくとも1つ:図8において明記されているものと実質的に同様のX線回折ピークパターンを特徴とするX線回折パターンを特徴とする、多形体を提供する。
【0208】
一局面において、本発明は、約26.4、24.1、22.8、20.0、18.9および9.8度2θにおける特徴的なピークを包含するX線回折パターンを特徴とする、多形体2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)を提供する。一局面において、多形体は、約26.4、24.1、22.8、21.4、20.0、19.6、18.9、18.0、16.4、16.0、13.7および9.8度2θにおける特徴的なピークを包含するX線回折パターンを特徴とする。一局面において、多形体は、約4.3、19.2および22.1度2θにおけるピークを欠くX線回折パターンを特徴とする。
【0209】
一局面において、本発明は多形体を提供し、ここで、前記X線回折は、銅X線源を用いて測定される。一局面において、前記X線回折パターンは、Bruker D8アドバンスによって測定される。
【0210】
一局面において、本発明は多形体を提供し、ここで、前記DSCサーモグラムは、DSC Q2000 V24.4ビルド116によって測定される。
【0211】
一局面において、本発明は多形体を提供し、2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)は、1)2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミドをトルエン中で加熱するステップと、2)前記トルエン中の2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミドを、エタノール中の塩酸で処理するステップとを含むプロセスによって取得可能である。一局面において、前記処理することは、エタノール中HClの1.4M溶液を用いるものである。
【0212】
一局面において、本発明は多形体を提供し、2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)は、有機溶媒からの2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミドの塩酸塩の再結晶により取得可能である。一局面において、有機溶媒は、エタノールおよびメタノールから選択される。一局面において、有機溶媒はエタノールである。一局面において、有機溶媒はメタノールである。
【0213】
一局面において、本発明は、式:
【化33】
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【0214】
によって表される2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)からなる活性成分(ここで、前記活性成分は、下記の少なくとも1つ:図8において明記されているものと実質的に同様のX線回折ピークパターンを特徴とするX線回折パターン、または図10において明記されているものと実質的に同様の分解痕跡を有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを特徴とする)を提供する。
【0215】
一局面において、本発明は、式:
【化34】
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【0216】
によって表される2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)からなる活性成分(ここで、前記活性成分は、下記の少なくとも1つ:図8において明記されているものと実質的に同様のX線回折ピークパターンを特徴とするX線回折パターンを特徴とする)を提供する。
【0217】
一局面において、本発明は、約26.4、24.1、22.8、20.0、18.9および9.8度2θにおける特徴的なピークを包含するX線回折パターンを特徴とする、活性成分を提供する。一局面において、活性成分は、約26.4、24.1、22.8、21.4、20.0、19.6、18.9、18.0、16.4、16.0、13.7および9.8度2θにおける特徴的なピークを包含するX線回折パターンを特徴とする。一局面において、活性成分は、約4.3、19.2および22.1度2θにおけるピークを欠くX線回折パターンを特徴とする。
【0218】
一局面において、本発明は活性成分を提供し、ここで、前記X線回折は、銅X線源を用いて測定される。一局面において、前記X線回折パターンは、Bruker D8アドバンスによって測定される。
【0219】
一局面において、本発明は活性成分を提供し、ここで、前記DSCサーモグラムは、DSC Q2000 V24.4ビルド116によって測定される。
【0220】
一局面において、本発明は活性成分を提供し、2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)は、1)2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミドをトルエン中で加熱するステップと、2)前記トルエン中の2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミドを、エタノール中の塩酸で処理するステップとを含むプロセスによって取得可能である。一局面において、前記処理することは、エタノール中HClの1.4M溶液を用いるものである。
【0221】
一局面において、本発明は活性成分を提供し、2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)は、有機溶媒からの2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミドの塩酸塩の再結晶により取得可能である。一局面において、有機溶媒は、エタノールおよびメタノールから選択される。一局面において、有機溶媒はエタノールである。一局面において、有機溶媒はメタノールである。
【0222】
一局面において、本発明は、式:
【化35】
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【0223】
によって表される2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)からなる活性成分(ここで、前記活性成分は、下記の少なくとも1つ:図8において明記されているものと実質的に同様のX線回折ピークパターンを特徴とするX線回折パターン、または図10において明記されているものと実質的に同様の分解痕跡を有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを特徴とする)と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物を提供する。
【0224】
一局面において、本発明は、式:
【化36】
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【0225】
によって表される2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)からなる活性成分(ここで、前記活性成分は、下記の少なくとも1つ:図8において明記されているものと実質的に同様のX線回折ピークパターンを特徴とするX線回折パターンを特徴とする)と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物を提供する。
【0226】
一局面において、本発明は、式:
【化37】
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【0227】
によって表される2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)からなる活性成分(ここで、前記活性成分は、下記の少なくとも1つ:図8において明記されているものと実質的に同様のX線回折ピークパターンを特徴とするX線回折パターン、または図10において明記されているものと実質的に同様の分解痕跡を有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを特徴とする)と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物を提供する。
【0228】
一局面において、本発明は、式:
【化38】
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【0229】
によって表される2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)を含む活性成分(ここで、前記活性成分は、下記の少なくとも1つ:図8において明記されているものと実質的に同様のX線回折ピークパターンを特徴とするX線回折パターンを特徴とする)と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物を提供する。
【0230】
一局面において、本発明は医薬組成物を提供し、ここで、活性成分は、約26.4、24.1、22.8、20.0、18.9および9.8度2θにおける特徴的なピークを包含するX線回折パターンを特徴とする。
【0231】
一局面において、本発明は医薬組成物を提供し、ここで、活性成分は、約26.4、24.1、22.8、21.4、20.0、19.6、18.9、18.0、16.4、16.0、13.7および9.8度2θにおける特徴的なピークを包含するX線回折パターンを特徴とする。一局面において、活性成分は、約4.3、19.2および22.1度2θにおけるピークを欠くX線回折パターンを特徴とする。
【0232】
一局面において、本発明は医薬組成物を提供し、ここで、活性成分の前記X線回折は、銅X線源を用いて測定される。一局面において、前記X線回折パターンは、Bruker D8アドバンスによって測定される。
【0233】
一局面において、本発明は医薬組成物を提供し、ここで、活性成分の前記DSCサーモグラムは、DSC Q2000 V24.4ビルド116によって測定される。
【0234】
一局面において、本発明は医薬組成物を提供し、2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)は、
1)2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミドをトルエン中で加熱するステップと、2)前記トルエン中の2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミドを、エタノール中の塩酸で処理するステップとを含むプロセスによって取得可能である。一局面において、前記処理することは、エタノール中HClの1.4M溶液を用いるものである。
【0235】
一局面において、本発明は医薬組成物を提供し、2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)は、有機溶媒からの2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミドの塩酸塩の再結晶により取得可能である。一局面において、有機溶媒は、エタノールおよびメタノールから選択される。一局面において、有機溶媒はエタノールである。一局面において、有機溶媒はメタノールである。
【0236】
2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミドの遊離塩基
一局面において、本発明は、式:
【化39】
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【0237】
によって表される2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(形態I)からなる多形体(ここで、前記多形体は、下記の少なくとも1つ:図15において明記されているものと実質的に同様のX線回折ピークパターンを特徴とするX線回折パターン、または図18において明記されているものと実質的に同様の分解痕跡を有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを特徴とする)を提供する。
【0238】
一局面において、本発明は、式:
【化40】
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【0239】
によって表される2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(形態I)からなる多形体(ここで、前記多形体は、下記の少なくとも1つ:図15において明記されているものと実質的に同様のX線回折ピークパターンを特徴とするX線回折パターンを特徴とする)を提供する。
【0240】
一局面において、本発明は、約21.3、22.7および24.5度2θにおける特徴的なピークを包含するX線回折パターンを特徴とする、多形体2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(形態I)を提供する。一局面において、多形体は、約18.4、21.3、22.7および24.5度2θにおける特徴的なピークを包含するX線回折パターンを特徴とする。一局面において、2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(形態I)の多形体は、約15.4、18.4、19.5、21.3、22.7、24.5、25.2および28.0度2θにおける特徴的なピークを包含するX線回折パターンを特徴とする。
【0241】
一局面において、本発明は多形体を提供し、ここで、X線回折は、銅X線源を用いて測定される。一局面において、X線回折パターンは、Bruker D8アドバンスによって測定される。
【0242】
一局面において、本発明は多形体を提供し、ここで、DSCサーモグラムは、DSC Q2000 V24.4ビルド116によって測定される。
【0243】
一局面において、本発明は、2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミドの多形体を提供し、ここで、2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(形態I)は、有機溶媒からの2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミドの再結晶によって取得可能である。一局面において、有機溶媒はエタノールである。
【0244】
一局面において、本発明は、式:
【化41】
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【0245】
によって表される2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(形態I)からなる活性成分(ここで、前記活性成分は、下記の少なくとも1つ:図15において明記されているものと実質的に同様のX線回折ピークパターンを特徴とするX線回折パターン、または図18において明記されているものと実質的に同様の分解痕跡を有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを特徴とする)を提供する。
【0246】
一局面において、本発明は、式:
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
【0247】
によって表される2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(形態I)からなる活性成分(ここで、前記活性成分は、下記の少なくとも1つ:図15において明記されているものと実質的に同様のX線回折ピークパターンを特徴とするX線回折パターンを特徴とする)を提供する。
【0248】
一局面において、本発明は、約21.3、22.7および24.5度2θにおいて特徴的なピークを包含するX線回折パターンを特徴とする、2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(形態I)の活性成分を提供する。一局面において、活性成分は、約18.4、21.3、22.7および24.5度2θにおいて特徴的なピークを包含するX線回折パターンを特徴とする。一局面において、活性成分は、約15.4、18.4、19.5、21.3、22.7、24.5、25.2および28.0度2θにおいて特徴的なピークを包含するX線回折を特徴とする。
【0249】
一局面において、本発明は活性成分を提供し、ここで、2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(形態I)のX線回折は、銅X線源を用いて測定される。一局面において、前記X線回折パターンは、Bruker D8アドバンスによって測定される。
【0250】
一局面において、本発明は活性成分を提供し、ここで、2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(形態I)のDSCサーモグラムは、DSC Q2000 V24.4ビルド116によって測定される。
【0251】
一局面において、本発明は、有機溶媒からの2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミドの再結晶によって取得可能である、活性成分、2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(形態I)を提供する。一局面において、有機溶媒はエタノールである。
【0252】
一局面において、本発明は、式:
【化43】
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【0253】
によって表される2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(形態I)からなる活性成分(ここで、前記活性成分は、下記の少なくとも1つ:図15において明記されているものと実質的に同様のX線回折ピークパターンを特徴とするX線回折パターン、または図19において明記されているものと実質的に同様の分解痕跡を有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを特徴とする)と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物を提供する。
【0254】
一局面において、本発明は、式:
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
【0255】
によって表される2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(形態I)からなる活性成分(ここで、前記活性成分は、下記の少なくとも1つ:図15において明記されているものと実質的に同様のX線回折ピークパターンを特徴とするX線回折パターンを特徴とする)と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物を提供する。
【0256】
一局面において、本発明は、式:
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
【0257】
によって表される2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(形態I)からなる活性成分(ここで、前記活性成分は、下記の少なくとも1つ:図15において明記されているものと実質的に同様のX線回折ピークパターンを特徴とするX線回折パターン、または図18において明記されているものと実質的に同様の分解痕跡を有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを特徴とする)と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物を提供する。
【0258】
一局面において、本発明は、式:
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
【0259】
によって表される2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(形態I)からなる活性成分(ここで、前記活性成分は、下記の少なくとも1つ:図15において明記されているものと実質的に同様のX線回折ピークパターンを特徴とするX線回折パターンを特徴とする)と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物を提供する。
【0260】
一局面において、本発明は、約21.3、22.7および24.5度2θにおける特徴的なピークを包含するX線回折パターンを特徴とする活性成分を含む、医薬組成物を提供する。一局面において、医薬組成物は、約18.4、21.3、22.7および24.5度2θにおける特徴的なピークを包含するX線回折パターンを特徴とする活性成分を含む。一局面において、医薬組成物は、約15.4、18.4、19.5、21.3、22.7、24.5、25.2および28.0度2θにおけるピークを欠くX線回折パターンを特徴とする活性成分を含む。
【0261】
一局面において、本発明は医薬組成物を提供し、ここで、活性成分のX線回折は、銅X線源を用いて測定される。一局面において、X線回折パターンは、Bruker D8アドバンスによって測定される。
【0262】
一局面において、本発明は医薬組成物を提供し、ここで、活性成分のDSCサーモグラムは、DSC Q2000 V24.4ビルド116によって測定される。
【0263】
一局面において、本発明は医薬組成物を提供し、ここで、2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(形態I)は、有機溶媒からの2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミドの再結晶によって取得可能である。一局面において、有機溶媒はエタノールである。
【0264】
一局面において、本発明は医薬組成物を提供し、ここで、前記2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(形態I)は、不純物が実質的にない。
【0265】
使用方法
一局面において、本発明は、細胞増殖関連障害(がんを包含する);炎症性障害;免疫障害(自己免疫疾患、免疫系の機能不全および移植拒絶反応を包含する)ならびに/またはドライアイ疾患を、それを必要とする対象に、本発明の化合物と少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤とを包含する医薬組成物をそれを必要とする対象に投与することによって予防するまたは治療する方法を包含する。医薬組成物が、1を超える立体異性形態を有する本発明の化合物を包含する場合、医薬組成物は、少なくとも90%鏡像体過剰率(EE)、少なくとも95%EE、少なくとも98%EEおよび少なくとも99%EEの鏡像体純度を持つ、純粋なまたは本質的に純粋な化合物の鏡像異性形態で調製されてもよい。代替として、医薬組成物は、化合物の鏡像異性形態の混合物として(たとえば、ラセミ混合物として、または鏡像異性形態間で60:40、70:30、80:20または90:10の比を持つ混合物として)調製されてもよい。本発明は、細胞増殖関連障害(がんを包含する);炎症性障害;免疫障害(自己免疫疾患、免疫系の機能不全および移植拒絶反応を包含する)ならびに/またはドライアイ疾患を予防するまたは治療するための医薬の製造における、本発明の化合物の使用も包含する。医薬が、1を超える立体異性形態を有する本発明の化合物を包含する場合、医薬は、少なくとも90%鏡像体過剰率(EE)、少なくとも95%EE、さらに少なくとも98%EEおよび少なくとも99%EEの鏡像体純度を持つ、純粋なまたは本質的に純粋な化合物の鏡像異性形態で調製されてもよい。代替として、医薬は、本発明の化合物の鏡像異性形態の混合物として(たとえば、ラセミ混合物として、または鏡像異性形態間で60:40、70:30、80:20または90:10の比を持つ混合物として)調製されてもよい。
【0266】
本発明は、1以上のチロシンキナーゼ(JAK、SYKおよび/またはBTK)の阻害によってモジュレートされる疾患または障害を、それを必要とする対象に、本発明の化合物と少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤とを包含する医薬組成物を投与することによって治療するまたは予防する方法に関する。医薬組成物が、1を超える立体異性形態を有する本発明の化合物を包含する場合、医薬組成物は、少なくとも90%鏡像体過剰率(EE)、少なくとも95%EE、少なくとも98%EEおよび少なくとも99%EEの鏡像体純度を持つ、純粋なまたは本質的に純粋な化合物の鏡像異性形態で調製されてもよい。代替として、医薬組成物は、本発明の化合物の鏡像異性形態の混合物として(たとえば、ラセミ混合物として、または鏡像異性形態間で60:40、70:30、80:20または90:10の比を持つ混合物として)調製されてもよい。たとえば、1以上のチロシンキナーゼの阻害によってモジュレートされる疾患または障害は、がん、前がんまたは過剰増殖性障害である。
【0267】
いくつかの態様において、本発明の化合物の投与は、経口的に、非経口的に、皮下に、静脈内に、筋肉内に、腹腔内に、鼻腔内注入によって、腔内もしくは膀胱内注入によって、局所的に、動脈内に、病巣内に、定量ポンプによって、または粘膜への塗布によって行われる。いくつかの態様において、本発明の化合物は、薬学的に許容される担体とともに投与される。
【0268】
本発明の一局面は、対象において免疫系活性を調節する方法であって、本発明の化合物を投与することを含む方法を包含する。本発明の態様は、免疫系活性を調節するための医薬の製造における、本発明の化合物の使用も包含する。前述の方法に従って治療または予防することができる疾患の例は、アレルギー、喘息、自己免疫疾患、たとえば移植拒絶反応(たとえば、腎臓、心臓、肺、肝臓、膵臓、皮膚、宿主対移植片反応(HVGR)等)、関節リウマチ、乾癬性関節炎、ならびに筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、乾癬およびシェーグレン症候等、II型炎症性疾患、たとえば血管炎症(血管炎、動脈炎、アテローム性動脈硬化症および冠動脈疾患を包含する)等、慢性炎症性疾患、たとえば強直性脊椎炎(AS)(ベクテレフ病、ベクテレフ症候群およびマリーストリュンペル病としても公知である)等、中枢神経系の疾患、たとえば脳卒中等、肺疾患、たとえば閉塞性細気管支炎および原発性肺高血圧症等、遅発性または細胞媒介性の、IV型過敏症、ならびに固形および血液学的悪性腫瘍、たとえば白血病およびリンパ腫等を包含するがこれらに限定されない。いくつかの態様において、本発明の化合物は、チロシンキナーゼシグナリングカスケードの1以上の成分を阻害する。いくつかの態様において、本発明の化合物はJAKを阻害する。たとえば、JAKはJAK3である。いくつかの態様において、本発明の化合物はSYKを阻害する。いくつかの態様において、本発明の化合物はBTKを阻害する。いくつかの態様において、本発明の化合物はJAKおよびSYKを阻害する。いくつかの態様において、本発明の化合物はJAKおよびBTKを阻害する。いくつかの態様において、本発明の化合物はBTKおよびSYKを阻害する。いくつかの態様において、本発明の化合物は、JAK、SYKおよびBTKを阻害する。いくつかの態様において、本発明の化合物はJAK3を阻害し、JAK2に対して活性を有さない。いくつかの態様において、免疫系の調節は、リンパ球増殖の阻害を介して起こる。ある特定の態様において、免疫系の調節は、リンパ球活性化の阻害を介して起こる。たとえば、T細胞増殖および/または活性化が阻害される。付加的にまたは代替として、B細胞増殖および/または活性化が阻害される。ある特定の態様において、対象は哺乳動物、たとえばヒトである。
【0269】
いくつかの態様において、本発明の化合物の投与は、経口的に、非経口的に、皮下に、静脈内に、筋肉内に、腹腔内に、鼻腔内注入によって、腔内もしくは膀胱内注入によって、局所的に、動脈内に、病巣内に、定量ポンプによって、または粘膜への塗布によって行われる。いくつかの態様において、本発明の化合物は、薬学的に許容される担体とともに投与される。
【0270】
本発明の態様は、対象においてがんまたは増殖障害を治療するまたは予防する方法であって、有効量の本発明の化合物を投与することを含む方法にも関心を寄せている。本発明の化合物は、JAKキナーゼ阻害剤(たとえば、JAK3阻害剤)であってもよい。本発明の化合物は、JAKキナーゼを直接的に阻害することができ、またはJAKキナーゼ経路に影響を及ぼすことができる。本発明の化合物は、SYK阻害剤であってもよい。本発明の化合物は、SYKを直接的に阻害することができ、またはSYK経路に影響を及ぼすことができる。本発明の化合物は、BTK阻害剤であってもよい。本発明の化合物は、BTKを直接的に阻害することができ、またはBTK経路に影響を及ぼすことができる。
【0271】
ある特定の態様において、細胞増殖障害は、固形腫瘍および非固形腫瘍を包含する任意の種類のがんを包含する。具体的な態様において、固形腫瘍は、CNS(中枢神経系)における腫瘍、肝臓がん、結腸直腸癌、乳がん、胃がん、膵臓がん、膀胱癌、子宮頸癌、頭頸部腫瘍、外陰がんおよび皮膚新生物(黒色腫、扁平上皮癌および基底細胞癌を包含する)から選択される。他の態様において、非固形腫瘍は、白血病およびリンパ腫を包含するリンパ増殖性障害を包含する。他の態様において、障害は転移性疾患である。
【0272】
本発明の化合物は、がんまたは細胞増殖障害の治療において、抗がん治療、たとえば、手術、放射線療法、免疫療法の1以上、ならびに/または抗増殖剤、がん細胞代謝をモジュレートする作用物質、細胞毒性剤、細胞増殖抑制剤および化学療法剤、ならびにそれらの塩および誘導体からなる群から選択される1以上の抗がん剤との併用療法で使用されてもよい。一局面において、本発明の化合物は、がんまたは細胞増殖障害の治療において、アルカロイド、アルキル化剤、抗腫瘍抗生物質、代謝拮抗物質、Bcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤、ヌクレオシド類似体、多剤耐性克服剤、DNA結合剤、微小管結合薬、毒素およびDNAアンタゴニストからなる群から選択される薬物の何れか1つとの併用療法で使用されてもよい。当業者ならば、上述した化学療法剤の1以上の特定のクラスに分類される化学療法剤を認識するであろう。
【0273】
付加的な抗増殖剤と組み合わせて使用する場合、本発明の化合物は、これらの作用物質の活性を強化する(たとえば、相乗作用する)ことができる。さらに、そのような相乗作用は、本発明の化合物、付加的な抗増殖剤または両方が、より低い投薬量で投与されることを可能にするであろうし、かつ/または任意の所与の用量の化合物の抗増殖特性を著しく強化することができる。
【0274】
定義
便宜上、明細書、例および添付の請求項において使用されているある特定の用語をここにまとめる。
【0275】
誤解を避けるために、用語「本発明の化合物」は、式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XII、XIII、XIV、XV、XVI、XVII、XVIIIもしくはXIXの化合物、または表A、表Bもしくは表C中の化合物を指す。本発明の文脈で使用される場合にはいつでも、言及は、そのようなことがその状況下で可能かつ/または適切ならば、遊離塩基と対応するその塩、溶媒和物、多形体およびプロドラッグの両方について為されていることを理解されたい。
【0276】
用語「阻害剤」、「活性化剤」および「モジュレーター」は、発現または活性との関連で使用される場合、それぞれ阻害、活性化またはモジュレート分子を指す。本発明による阻害剤は、チロシンタンパク質キナーゼシグナリングカスケード(たとえば、JAKキナーゼシグナリングカスケード(たとえば、JAK3)、SYKシグナリングカスケードおよび/またはBTKシグナリングカスケード等)の1以上の成分の発現を阻害する、あるいは、タンパク質キナーゼシグナリングカスケード(たとえば、JAKキナーゼシグナリングカスケード(たとえば、JAK3)、SYKシグナリングカスケードおよび/またはBTKシグナリングカスケード等)の1以上の成分と結合する、その刺激を部分的にもしくは全体的にブロックする、その活性化を減少させる、予防する、遅延させる、不活性化する、脱感作する、またはその活性を下方制御する、本発明の化合物または組成物を包含する。タンパク質キナーゼシグナリングカスケード(たとえば、JAKキナーゼシグナリングカスケード(たとえば、JAK3)、SYKシグナリングカスケードおよび/またはBTKシグナリングカスケード等)の1以上の成分を含む試料またはアッセイを本発明の化合物で処理し、本発明の化合物のない対照試料と比較することができる。対照試料(本発明の化合物で処理されていない)には、100%の相対活性値を割り当てることができる。ある特定の態様において、タンパク質キナーゼシグナリングカスケード(たとえば、JAKキナーゼ(たとえば、JAK3)、SYKおよび/またはBTKシグナリングカスケード等)の1以上の成分の阻害は、対照に対する活性値が約80%以下である場合に実現される。
【0277】
「治療すること」は、状態、疾患、障害等の改善をもたらす任意の効果、たとえば軽減、低減、モジュレート、または解消を包含する。病状の「治療すること」または「治療」は、(1)病状を阻害すること、すなわち、病状またはその臨床症状の発症を阻止すること、あるいは(2)病状を緩和すること、すなわち、病状またはその臨床症状の一時的または永続的退行を引き起こすことを包含する。
【0278】
「予防すること」は、病状の臨床症状を発症させないこと、すなわち、病状にさらされているまたはかかりやすい可能性があるが、病状の症状を未だ経験しても提示してもいない対象において、疾患の発病を阻害することを意味する。
【0279】
「病状」は、任意の疾患、障害、状態、症状または適応症を意味する。
【0280】
本明細書において使用される場合、用語「細胞増殖性障害」および「細胞増殖関連障害」は、細胞の無調節かつ/または異常な成長が不要な状態または疾患(これはがん性であっても非がん性であってもよい)の発症につながり得る状態、たとえば乾癬性状態を指す。
【0281】
いくつかの態様において、細胞増殖障害はがんである。本明細書において使用される場合、用語「がん」は、固形腫瘍、たとえば肺、乳房、結腸、卵巣、脳、肝臓、膵臓、前立腺、悪性黒色腫、非黒色腫皮膚がん、ならびに血液系腫瘍および/または悪性腫瘍、たとえば小児白血病およびリンパ腫、多発性骨髄腫、ホジキン病、リンパ球および皮膚起源のリンパ腫、急性および慢性白血病、たとえば急性リンパ芽球性、骨髄線維症、急性骨髄性または慢性骨髄性白血病、形質細胞新生物、リンパ系新生物、ならびにAIDSに関連するがんを包含する。
【0282】
化合物の「有効量」は、疾患または障害を有する対象に投与された際に、対象において疾患または障害の退行をもたらす分量である。故に、たとえば、細胞増殖障害では、本発明の化合物の有効量は、細胞増殖障害を有する対象に投与された際に、対象において細胞成長の退行をもたらす分量である。対象に投与される本発明の化合物の量は、特定の障害、投与モード、同時投与される化合物、もしあれば、ならびに対象の特徴、たとえば全般的健康、他の疾患、年齢、性別、遺伝子型、体重および薬物耐性等によって決まることになる。当業者であれば、これらおよび他の要因に応じて適切な投薬量を決定することができるであろう。
【0283】
「治療有効量」は、哺乳動物、たとえばヒトに疾患を治療するために投与された際に、そのような疾患の治療を達成するのに十分な化合物の量を意味する。「治療有効量」は、化合物、疾患およびその重症度、ならびに治療される哺乳動物の年齢、体重等に応じて変動することになる。
【0284】
治療有効量の化合物の1以上は、ヒトまたは動物への投与のために薬学的に許容される担体とともに製剤化され得る。したがって、本発明の化合物またはその製剤は、たとえば、経口、非経口または局所ルートを経由して投与されて、有効量の化合物を提供することができる。一局面において、本発明の化合物を使用して、医療デバイス、たとえばステントをコーティングするまたは含浸させることができる。
【0285】
用語「予防有効量」は、病状を予防するまたはそのリスクを低減させるために投与される本発明の化合物の有効量を意味する。
【0286】
「薬理学的効果」は、本明細書において使用される場合、対象において生成される、意図されている療法の目的を実現する効果を網羅する。
【0287】
用語「結晶性」は、本明細書において使用される場合、分子または外部面平面の規則的に繰り返す配置を有することを意味する。用語「結晶性純度」は、結晶性化合物の、同じ化合物の非晶質形態、化合物の少なくとも1つの他の結晶性形態またはそれらの混合物を含有していてもよい試料中における百分率を意味する。一局面において、2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)は、約97.0%、99.0%、100%結晶性純度の結晶性純度を有する。
【0288】
加えて、多形体は、水和もしくは非水和(無水)形態で、または他の溶媒分子との溶媒和物としての何れかで存在し得る。水和物の非限定的な例は、一水和物、二水和物等を包含する。溶媒和物の非限定的な例は、エタノール溶媒和物、アセトン溶媒和物等を包含する。
【0289】
「本発明の多形体」は、本明細書において使用される場合、2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)または2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(形態I)を意味する。
【0290】
「溶媒和物」は、化学量論または非化学量論何れかの量の溶媒を含有する溶媒付加形態を意味する。いくつかの多形体は、結晶性固体状態での固定モル比の溶媒分子を捕捉し、それにより溶媒和物を形成する傾向を有する。溶媒が水であれば、形成される溶媒和物は水和物であり、溶媒がアルコールである場合、形成される溶媒和物はアルコレートである。水和物は、水の1以上の分子と物質の1つとの組合せによって形成され、ここで、水はその分子状態をH2Oとして保持し、そのような組合せは、1以上の水和物を形成することができる。
【0291】
本発明において有用な化合物に関して、下記の用語が適用可能となり得る:
用語「置換されている」は、本明細書において使用される場合、指定された原子上の任意の1以上の水素が、指示されている群からの選択肢で置きかえられており、但し、指定された原子の正常な原子価を超えないこと、および置換が安定化合物をもたらすことを意味する。置換基がケト(すなわち、=O)である場合、原子上の2個の水素が置きかえられている。ケト置換基は、芳香族部分上には存在しない。環二重結合は、本明細書において使用される場合、2つの隣接する環原子の間に形成された二重結合(たとえば、C=C、C=NまたはN=N)である。
【0292】
本発明は、本発明の化合物において出現する原子のすべての同位体を包含することが意図されている。同位体は、同じ原子番号であるが異なる質量数を有する原子を包含する。一般的な例として、かつ限定されることなく、水素の同位体は三重水素および重水素を包含し、炭素の同位体はC−13およびC−14を包含する。
【0293】
本明細書において記述されている本発明の化合物は、不斉中心を有していてもよい。不斉に置換された原子を含有する本発明の化合物は、光学活性またはラセミ形態で単離することができる。光学活性形態をいかにして調製するかは当技術分野において周知であり、たとえばラセミ形態の分割による、または光学活性出発材料からの合成による。オレフィンの多くの幾何異性体、C=N二重結合等が本明細書において記述されている化合物中に存在してもよく、すべてのそのような安定異性体は、本発明において企図されている。シスおよびトランス幾何異性体は、異性体の混合物として、または分離した異性形態として単離されてもよい。特定の立体化学または異性形態が具体的に指示されているのでない限り、構造のすべてのキラル、ジアステレオマー、ラセミおよび幾何異性形態が意図されている。示されているまたは記述されている化合物のすべての互変異性体も、本発明の一部であるとみなされる。
【0294】
本発明の化合物について任意の構成要素または式において任意の変数(たとえば、Rd)が複数回出現する場合、それぞれの出現におけるその定義は、他のすべての出現におけるその定義とは無関係である。故に、たとえば、基が0〜2つのRd部分で置換されていることが示されていれば、基は最大2つのRd部分で任意に置換されていてもよく、Rdは、それぞれの出現において、Rdの定義からそれぞれ独立に選択される。また、置換基および/または変数の組合せは容認できるが、そのような組合せが安定化合物をもたらす場合のみである。
【0295】
原子または化学的部分に下付きの数値範囲が続く場合(たとえば、C1~6)、本発明は、範囲およびすべての中間範囲内の各数字を網羅することになっている。たとえば、「C1~6アルキル」は、1、2、3、4、5、6、1〜6、1〜5、1〜4、1〜3、1〜2、2〜6、2〜5、2〜4、2〜3、3〜6、3〜5、3〜4、4〜6、4〜5および5〜6個の炭素を持つアルキル基を包含することになっている。
【0296】
本明細書において使用される場合、「アルキル」は、指定数の炭素原子を有する分枝と直鎖(線状)飽和脂肪族炭化水素基の両方を包含することが意図されている。たとえば、C1~6アルキルは、C1、C2、C3、C4、C5およびC6アルキル基を包含することが意図されている。アルキルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、s−ペンチルおよびn−ヘキシルを包含するがこれらに限定されない。ある特定の態様において、直鎖または分枝鎖アルキルは、その骨格中に6個以下の炭素原子を有し(たとえば、直鎖ではC1〜C6、分枝鎖ではC3〜C6)、他の態様において、直鎖(線状)または分枝鎖アルキルは、4個以下の炭素原子を有する。本明細書において使用される場合、「C3〜C8シクロアルキル」は、環構造中に3から8個までの炭素原子を有し、他の態様において、「C5〜C6シクロアルキル」は、環構造中に5または6個の炭素を有する。
【0297】
炭素の数に別段の指定があるのでない限り、「低級アルキル」は、上記で定義した通りであるが、その骨格構造中に、1から10個、または他の態様において1から6個の炭素原子を有するアルキル基を包含する。「低級アルケニル」および「低級アルキニル」は、たとえば、2〜6個の炭素原子の鎖長を有する。
【0298】
用語「置換アルキル」は、炭化水素骨格の1以上の炭素上に水素原子を置きかえている置換基を有するアルキル部分を指す。そのような置換基は、たとえば、アルキル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを包含する)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを包含する)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分を包含し得る。シクロアルキルは、たとえば上述した置換基で、さらに置換されていてもよい。「アルキルアリール」または「アラルキル」部分は、アリールで置換されているアルキルである(たとえば、フェニルメチル(ベンジル))。
【0299】
「アルケニル」は、長さおよび可能な置換は上述したアルキルと類似しているが、少なくとも1つの二重結合を含有する不飽和脂肪族基を包含する。たとえば、用語「アルケニル」は、直鎖(線状)アルケニル基(たとえば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル)、分枝鎖アルケニル基、シクロアルケニル(たとえば、脂環式)基(たとえば、シクロプロペニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル)、アルキルまたはアルケニル置換シクロアルケニル基、およびシクロアルキルまたはシクロアルケニル置換アルケニル基を包含する。ある特定の態様において、直鎖または分枝鎖アルケニル基は、その骨格中に6個以下の炭素原子を有する(たとえば、直鎖(線状)ではC2〜C6、分枝鎖ではC3〜C6)。同様に、シクロアルケニル基は、それらの環構造中に3から8個までの炭素原子を有していてもよく、いくつかの態様において、シクロアルケニル基は、環構造中に5または6個の炭素を有する。用語「C2〜C6」は、2から6個の炭素原子を含有するアルケニル基を包含する。用語「C3〜C6」は、3から6個の炭素原子を含有するアルケニル基を包含する。
【0300】
用語「置換アルケニル」は、1以上の炭化水素骨格炭素原子上に水素原子を置きかえている置換基を有するアルケニル部分を指す。そのような置換基は、たとえば、アルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを包含する)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを包含する)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分を包含し得る。
【0301】
「アルキニル」は、長さおよび可能な置換は上述したアルキルと類似しているが、少なくとも1つの三重結合を含有する不飽和脂肪族基を包含する。たとえば、「アルキニル」は、直鎖アルキニル基(たとえば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル)、分枝鎖アルキニル基、およびシクロアルキルまたはシクロアルケニル置換アルキニル基を包含する。ある特定の態様において、直鎖または分枝鎖アルキニル基は、その骨格中に6個以下の炭素原子を有する(たとえば、直鎖ではC2〜C6、分枝鎖ではC3〜C6)。用語「C2〜C6」は、2から6個の炭素原子を含有するアルキニル基を包含する。用語「C3〜C6」は、3から6個の炭素原子を含有するアルキニル基を包含する。
【0302】
用語「置換アルキニル」は、1以上の炭化水素骨格炭素原子上に水素原子を置きかえている置換基を有するアルケニル部分を指す。そのような置換基は、たとえば、アルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを包含する)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを包含する)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分を包含し得る。
【0303】
「アリール」は、フェニルおよびナフチルを包含する。アリール環は、1以上の環位置において、上述した通りの置換基、たとえば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アラルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを包含する)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを包含する)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分で置換されていてよい。アリール基は、脂環式またはヘテロ環式環と縮合または架橋していてもよく、これは、多環系(たとえば、テトラリン、メチレンジオキシフェニル)を形成するように芳香族ではない。
【0304】
本明細書において使用される場合、「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを指す。用語「過ハロゲン化」は、概して、すべての水素がハロゲン原子によって置きかえられている部分を指す。
【0305】
「対イオン」は、小型の、負に帯電した種、たとえば塩化物、臭化物、水酸化物、アセテートおよびスルフェート等を表すために使用される。
【0306】
用語「非水素置換基」は、水素以外の置換基を指す。非限定的な例は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基、ヒドロキシル基、アリール基等を包含する。
【0307】
本明細書において使用される場合、「炭素環」または「炭素環式環」は、指定数の炭素を有する任意の安定な単環式、二環式または三環式環を意味することが意図されており、これらのそれぞれは、飽和、不飽和または芳香族であってもよい。たとえば、C3~14炭素環は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14個の炭素原子を有する単、二または三環式環を意味することが意図されている。炭素環の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘプテニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、アダマンチル、シクロオクチル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、フルオレニル、フェニル、ナフチル、インダニル、アダマンチルおよびテトラヒドロナフチルを包含するがこれらに限定されない。架橋環も炭素環の定義に包含される(たとえば、[3.3.0]ビシクロオクタン、[4.3.0]ビシクロノナン、[4.4.0]ビシクロデカンおよび[2.2.2]ビシクロオクタンを包含する)。架橋環は、1個以上の炭素原子が2個の隣接しない炭素原子と連結している場合に出現する。いくつかの態様において、架橋環は1または2個の炭素原子である。架橋は、常に単環式環を三環式環に変換することに留意されたい。環が架橋されている場合、環について列挙されている置換基が架橋上に存在していてもよい。縮合(たとえば、ナフチルおよびテトラヒドロナフチル)およびスピロ環も包含される。
【0308】
本明細書において使用される場合、用語「複素環」または「複素環式」は、飽和、不飽和または芳香族であり、炭素原子および1個以上の環ヘテロ原子、たとえば、1または1〜2または1〜3または1〜4または1〜5または1〜6個のヘテロ原子(窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される)を含む、任意の安定な単環式、二環式または三環式環を意味することが意図されている。二環式または三環式複素環は、1つの環中に位置する1個以上のヘテロ原子を有していてもよく、またはヘテロ原子は、1つを超える環中に位置していてもよい。窒素および硫黄ヘテロ原子は、任意に酸化されていてもよい(すなわち、N→OおよびS(O)p、ここでp=1または2)。窒素原子が環中に包含される場合、それは、環中の二重結合に結合しているか否かに応じて、NまたはNHの何れかである(すなわち、窒素原子の三原子価を維持することが必要であれば、水素が存在する)。窒素原子は、置換されていても無置換であってもよい(すなわち、NまたはNRであり、ここで、RはHまたは定義されている通りの別の置換基である)。ヘテロ環式環は、そのペンダント基と任意のヘテロ原子または炭素原子において結合していてもよく、これが安定な構造をもたらす。本明細書において記述されているヘテロ環式環は、得られる化合物が安定であるならば、炭素上でまたは窒素原子上で置換されていてもよい。複素環中の窒素は、任意に四級化されていてもよい。いくつかの態様において、複素環中におけるSおよびO原子の総数が1を超える場合、これらのヘテロ原子は互いに隣接していない。架橋環も複素環の定義に包含される。架橋環は、1個以上の原子(すなわち、C、O、NまたはS)が2個の隣接しない炭素または窒素原子と結合している場合に出現する。架橋は、1個の炭素原子、2個の炭素原子、1個の窒素原子、2個の窒素原子、および炭素−窒素基を包含するがこれらに限定されない。架橋は、常に単環式環を三環式環に変換することに留意されたい。環が架橋されている場合、環について列挙されている置換基が架橋上に存在していてもよい。スピロおよび縮合環も包含される。
【0309】
本明細書において使用される場合、用語「ヘテロシクロアルキル」は、飽和であり、炭素原子および1個以上の環ヘテロ原子、たとえば、1または1〜2または1〜3または1〜4または1〜5または1〜6個のヘテロ原子(窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される)を含む、任意の安定な単環式、二環式または三環式環を意味することが意図されている。
【0310】
本明細書において使用される場合、用語「芳香族複素環」または「ヘテロアリール」は、炭素原子および1個以上の環ヘテロ原子、たとえば、1または1〜2または1〜3または1〜4または1〜5または1〜6個のヘテロ原子(窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される)からなる、安定な5、6もしくは7員の単環式もしくは二環式芳香族ヘテロ環式環、または7、8、9、10、11もしくは12員の二環式芳香族ヘテロ環式環を意味することが意図されている。二環式ヘテロ環式芳香族環の事例において、2つの環の一方のみが芳香族(たとえば、2,3−ジヒドロインドール)である必要があるが、両方が(たとえば、キノリン)であってもよい。第二の環は、複素環について上記で定義した通り、縮合または架橋していてもよい。窒素原子は、置換されていても無置換であってもよい(すなわち、NまたはNRであり、ここで、RはHまたは定義されている通りの別の置換基である)。窒素および硫黄ヘテロ原子は、任意に酸化されていてもよい(すなわち、N→OおよびS(O)p、ここでp=1または2)。芳香族複素環中におけるSおよびO原子の総数は、1を超えないことに留意されたい。
【0311】
複素環の例は、アクリジニル、アゾシニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサゾリニル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダゾリニル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イサチノイル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、メチレンジオキシフェニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾール5(4H)−オン、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキシンドリル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリドニル、4−ピペリドニル、ピペロニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2H−ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、およびキサンテニルを包含するがこれらに限定されない。
【0312】
「アシル」は、アシルラジカル(CH3CO−)を指す。「置換アシル」は、水素原子の1個以上が、たとえば、アルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを包含する)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを包含する)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分によって置きかえられている、アシル基を包含する。
【0313】
「アシルアミノ」は、アシル部分がアミノ基と結合している部分を包含する。たとえば、該用語は、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイド基を包含する。
【0314】
「アロイル」は、アリールまたはヘテロ芳香族部分がカルボニル基と結合している化合物および部分を包含する。アロイル基の例は、フェニルカルボキシ、ナフチルカルボキシ等を包含する。
【0315】
「アルコキシアルキル」、「アルキルアミノアルキル」および「チオアルコキシアルキル」は、上述した通りのアルキル基を包含し、これらは、1個以上の炭化水素骨格炭素原子、たとえば酸素、窒素または硫黄原子を置きかえている酸素、窒素または硫黄原子をさらに包含する。
【0316】
用語「アルコキシ」または「アルコキシル」は、酸素原子と共有結合している置換および無置換のアルキル、アルケニルおよびアルキニル基を包含する。アルコキシ基(またはアルコキシルラジカル)の例は、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、プロポキシ、ブトキシおよびペントキシ基を包含する。置換アルコキシ基の例は、ハロゲン化アルコキシ基を包含する。アルコキシ基は、基、たとえばアルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを包含する)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを包含する)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分等で置換されていてよい。ハロゲン置換アルコキシ基の例は、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロメトキシ、ジクロロメトキシおよびトリクロロメトキシを包含するがこれらに限定されない。
【0317】
用語「チオカルボニル」または「チオカルボキシ」は、硫黄原子と二重結合で結びついた炭素を含有する化合物および部分を包含する。
【0318】
用語「エーテル」または「アルコキシ」は、2個の異なる炭素原子またはヘテロ原子と結合している酸素を含有する化合物または部分を包含する。たとえば、該用語は「アルコキシアルキル」を包含し、これは、別のアルキル基と共有結合している酸素原子と共有結合している、アルキル、アルケニルまたはアルキニル基を指す。
【0319】
用語「エステル」は、酸素原子(これは、カルボニル基の炭素と結合している)と結合している炭素またはヘテロ原子を含有する化合物および部分を包含する。用語「エステル」は、アルコキシカルボキシ基、たとえばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル等を包含する。アルキル、アルケニルまたはアルキニル基は、上記で定義した通りである。
【0320】
用語「チオエーテル」は、2個の異なる炭素またはヘテロ原子と結合している硫黄原子を含有する化合物および部分を包含する。チオエーテルの例は、アルクチオアルキル、アルクチオアルケニルおよびアルクチオアルキニルを包含するがこれらに限定されない。用語「アルクチオアルキル」は、硫黄原子(これは、アルキル基と結合している)と結合しているアルキル、アルケニルまたはアルキニル基を持つ化合物を包含する。同様に、用語「アルクチオアルケニル」およびアルクチオアルキニル」は、アルキル、アルケニルまたはアルキニル基が硫黄原子(これは、アルキニル基と共有結合している)と結合している化合物または部分を指す。
【0321】
用語「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、基−OHを指す。
【0322】
「ポリシクリル」または「多環式ラジカル」は、2個以上の炭素が2つの隣接している環に共通している2つ以上の環式環(たとえば、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリールおよび/またはヘテロシクリル)を指す。隣接していない原子を介して接合している環を、「架橋」環と称する。多環の環のそれぞれは、上述した通りの置換基、たとえば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アラルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを包含する)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを包含する)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分等で置換されていてよい。
【0323】
「アニオン性基」は、本明細書において使用される場合、生理学的pHで負に帯電した基を指す。アニオン性基は、カルボキシレート、スルフェート、スルホネート、スルフィネート、スルファメート、テトラゾリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネートもしくはホスホロチオエート、またはそれらの機能的等価物を包含する。アニオン性基の「機能的等価物」は、バイオイソスター、たとえばカルボキシレート基のバイオイソスターを包含することが意図されている。バイオイソスターは、伝統的なバイオイソステリック等価物と非伝統的なバイオイソステリック等価物の両方を網羅する。伝統的なおよび非伝統的なバイオイソスターが当技術分野において公知である(たとえば、Silverman,R.B.The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action、Academic Press,Inc.:San Diego、Calif.、1992、19〜23頁を参照)。いくつかの態様において、アニオン性基はカルボキシレートである。
【0324】
本明細書において、化合物の構造式は便宜上いくつかの事例におけるある特定の異性体を表すが、本発明は、すべての異性体、たとえば幾何異性体、不斉炭素をベースとする光学異性体、立体異性体、互変異性体等(これらは、構造的に出現する)ならびに異性体混合物を包含し、便宜上の式の記述に限定されず、任意の1つの異性体または混合物であってもよい。したがって、不斉炭素原子が分子中に存在していてもよく、光学活性化合物およびラセミ化合物が化合物中に存在していてもよいが、本発明はそれらに限定されず、任意の1つを包含する。加えて、結晶多形が存在していてもよいが限定されず、任意の結晶形態は、単一もしくは結晶形態混合物、または無水物もしくは水和物であってもよい。さらに、化合物の分解によってインビボで生成される、いわゆる代謝産物は、本発明の範囲内に包含される。
【0325】
「異性」は、同一の分子式を有するが、それらの原子の性質もしくは結合の配列または空間におけるそれらの原子の配置が異なる化合物を意味する。空間におけるそれらの原子の配置が異なる異性体を、「立体異性体」と称する。互いに鏡像ではない立体異性体を「ジアステレオ異性体」と称し、重ね合わせることができない鏡像である立体異性体を「鏡像異性体」、または時に光学異性体と称する。4つの同一でない置換基と結合している炭素原子を、「キラル中心」と称する。
【0326】
「キラル異性体」は、少なくとも1つのキラル中心を持つ化合物を意味する。これは、逆のキラリティーの2つの鏡像異性形態を有し、個々の鏡像異性体として、または鏡像異性体の混合物として存在していてもよい。等量の逆のキラリティーの個々の鏡像異性形態を含有する混合物を、「ラセミ混合物」と称する。1を超えるキラル中心を有する化合物は、2n-1個の鏡像異性体対を有し、ここで、nはキラル中心の数である。1を超えるキラル中心を持つ化合物は、個々のジアステレオマーとして、または「ジアステレオマー混合物」と称されるジアステレオマーの混合物として存在していてもよい。1つのキラル中心が存在する場合、立体異性体は、そのキラル中心の絶対配置(RまたはS)を特徴とするものであってもよい。絶対配置は、キラル中心に結合している置換基の空間における配置を指す。考慮中のキラル中心に結合している置換基は、カーン・インゴルド・プレローグ順位則に従ってランク付けされる(Cahnら、Angew.Chem.Inter.編 1966、5、385;正誤表511;Cahnら、Angew.Chem.1966、78、413;CahnおよびIngold、J.Chem.Soc.1951(London)、612;Cahnら、Experientia 1956、12、81;Cahn、J.,Chem.Educ.1964、41、116)。
【0327】
「幾何異性体」は、その存在を二重結合周囲での束縛回転に負うジアステレオマーを意味する。これらの配置は、接頭辞シスおよびトランス、またはZおよびEにより名前で識別され、これらは、カーン・インゴルド・プレローグ則に従って、基が分子中の二重結合の同じまたは反対側にあることを指示する。
【0328】
さらに、本発明の化合物は、そのアトロプ異性体をすべて包含する。「アトロプ異性体」は、2つの異性体の原子が空間において異なって配置されている一種の立体異性体である。アトロプ異性体は、その存在を、中心結合周囲での大きな基の回転の束縛によって引き起こされる制限された回転に負う。そのようなアトロプ異性体は、典型的には混合物として存在するが、クロマトグラフィーにおける最近の進歩の結果として、選択事例においては2つのアトロプ異性体の混合物を分離することが可能であった。
【0329】
用語「結晶多形体」または「多形体」または「結晶形態」は、本発明の化合物が異なる結晶充填配置で結晶化することができる結晶構造を意味し、そのそれぞれは、同じ元素組成を有する。異なる結晶形態は、通常、異なるX線回折パターン、赤外スペクトル、融点、密度硬度、結晶形状、光学および電気特性、安定性ならびに溶解性を有する。再結晶溶媒、晶析速度、貯蔵温度および他の要因が、1つの結晶形態に支配させていてもよい。本発明の化合物の結晶多形体は、異なる条件下での結晶化によって調製され得る。
【0330】
加えて、本発明の化合物、たとえば本発明の化合物の塩は、水和もしくは非水和(無水)形態の何れかで、または他の溶媒分子との溶媒和物として存在し得る。水和物の非限定的な例は、一水和物、二水和物等を包含する。溶媒和物の非限定的な例は、エタノール溶媒和物、アセトン溶媒和物等を包含する。
【0331】
「溶媒和物」は、化学量論または非化学量論何れかの量の溶媒を含有する溶媒付加形態を意味する。いくつかの化合物は、結晶性固体状態での固定モル比の溶媒分子を捕捉し、それにより溶媒和物を形成する傾向を有する。溶媒が水であれば、形成される溶媒和物は水和物であり、溶媒がアルコールである場合、形成される溶媒和物はアルコレートである。水和物は、水の1以上の分子と物質の1つとの組合せによって形成され、ここで、水はその分子状態をH2Oとして保持し、そのような組合せは、1以上の水和物を形成することができる。
【0332】
「互変異性体」は、その構造が原子の配置において著しく異なるが、容易かつ迅速な平衡で存在する化合物を指す。本発明の化合物は、異なる互変異性体として描写されてもよいことを理解されたい。本発明の化合物が互変異性形態を有する場合、すべての互変異性形態は本発明の範囲内であることが意図されており、化合物の命名はいかなる互変異性体形態も除外しないことも理解すべきである。
【0333】
本発明のいくつかの化合物は、互変異性形態で存在し得、これも本発明の範囲内に網羅されることが意図されている。
【0334】
一局面において、本発明の化合物は、エノールおよびイミン形態、ならびにケトおよびエナミン形態ならびに幾何異性体、ならびにそれらの混合物を包含する、数種の互変異性形態で存在し得る。すべてのそのような互変異性形態は、本発明の範囲内に包含される。互変異性体は、溶液中で互変異性セットの混合物として存在する。固体形態において、通常は1つの互変異性体が優勢である。1つの互変異性体が記述されていることがあるが、本発明は、化合物のすべての互変異性体を包含する。
【0335】
互変異性体は、平衡して存在し、1つの異性形態から別のものへ容易に変換される2つ以上の構造異性体の1つである。この反応は、隣接する共役二重結合の切り替えが付随する水素原子のホルマール移行をもたらす。互変異性化が可能な溶液中においては、互変異性体の化学平衡に達するであろう。互変異性体の正確な比は、温度、溶媒およびpHを包含する数種の要因によって決まる。互変異性化によって相互変換可能である互変異性体の概念を、互変異性と呼ぶ。
【0336】
種々の種類の可能な互変異性のうち、2つが一般に観察される。ケト−エノール互変異性においては、電子および水素原子の同時シフトが起こる。環鎖互変異性は、グルコースによって呈される。糖鎖分子中のアルデヒド基(−CHO)が同じ分子中のヒドロキシ基(−OH)の1つと反応した結果として生じて、環状(環形状)形態にする。
【0337】
互変異性化は、塩基:1.脱プロトン化;2.非局在化アニオン(たとえば、エノレート)の形成;3.アニオンの異なる位置におけるプロトン化;酸:1.プロトン化;2.非局在化カチオンの形成;3.カチオンに隣接する異なる位置における脱プロトン化によって触媒される。
【0338】
一般的な互変異性対は、ヘテロ環式環中(たとえば、核酸塩基グアニン、チミンおよびシトシン中)のケトン−エノール、アミド−ニトリル、ラクタム−ラクチム、アミド−イミド酸互変異性、アミン−エナミンおよびエナミン−エナミンである。
【0339】
本発明の化合物は、不斉炭素原子を包含していてもよい。したがって、そのような不斉から生じる異性体(たとえば、すべての鏡像異性体およびジアステレオマー)は、別段の指示がない限り、本発明の範囲内に包含されることを理解されたい。そのような異性体は、伝統的な分離技術によって、および立体化学的に制御された合成によって、実質的に純粋な形態で取得され得る。さらに、本願において論じられている構造ならびに他の化合物および部分は、その互変異性体もすべて包含する。アルケンは、適切な場合には、E−またはZ−幾何学の何れかを包含し得る。本発明の化合物は立体異性形態で存在していてもよく、したがって、個々の立体異性体として、または混合物として生成され得る。
【0340】
本明細書において使用される場合、用語「類似体」は、別のものと構造的には同様であるが組成がわずかに異なる化合物を指す(1個の原子の異なる元素の原子によるもしくは特定の官能基の存在下での置きかえ、または1個の官能基の別の官能基による置きかえ)。故に、類似体は、参照化合物と機能および外観においては同様または同程度であるが、構造または起源においてはそうではない化合物である。
【0341】
本明細書において定義されている通り、用語「誘導体」は、共通コア構造を有し、本明細書において記述されている通りの種々の基で置換されている化合物を指す。たとえば、式IVによって表される化合物のすべては4−(チアゾール−4−イル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド誘導体であり、4−(チアゾール−4−イル)−1H−ピロール−2−カルボキサミドを共通コアとして有する。
【0342】
「医薬組成物」は、化合物を対象への投与に好適な形態で含有する製剤である。いくつかの態様において、医薬組成物は、バルクまたは単位剤形である。単位剤形は、様々な形態(たとえば、カプセル剤、IVバッグ、錠剤、エアゾール吸入器上の単一ポンプ、またはバイアルを包含する)の何れかである。単位用量の組成物中における活性成分(たとえば、本発明の化合物、またはその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグの製剤)の分量は、有効量であり、関与している特定の治療に従って変動する。当業者であれば、患者の年齢および状態に応じて投薬量に日常的な変動を加えることが時に必要であることが分かるであろう。投薬量は投与ルートにも左右されることになる。様々なルートが企図されており、経口、経肺、直腸、非経口、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、吸入、口腔、舌下、胸膜内、くも膜下腔内、鼻腔内等を包含する。本発明の化合物の局所または経皮投与のための剤形は、散剤、スプレー剤、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、液剤、パッチ剤および吸入剤を包含する。いくつかの態様において、活性化合物は、無菌条件下、薬学的に許容される担体と、および必要とされる任意の保存剤、緩衝剤または噴射剤と混合される。
【0343】
用語「フラッシュ用量」は、迅速に分散する剤形である化合物製剤を指す。
【0344】
用語「即時放出」は、比較的短い期間、概して最大約60分での、剤形からの化合物の放出として定義される。用語「調節放出」は、遅延放出、長期放出およびパルス放出を包含すると定義される。用語「パルス放出」は、剤形からの薬物の一連の放出として定義される。用語「持続放出」または「長期放出」は、長期間にわたる剤形からの化合物の連続的放出として定義される。
【0345】
「対象」は、哺乳動物、たとえば、ヒト、コンパニオンアニマル(たとえば、イヌ、ネコ、鳥類等)、家畜(たとえば、雌ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、家禽等)および実験動物(たとえば、ラット、マウス、モルモット、鳥類等)を包含する。いくつかの態様において、対象はヒトである。
【0346】
本明細書において使用される場合、語句「薬学的に許容される」は、健全な医学的判断の範囲内であり、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または合理的なベネフィット/リスク比に見合った他の問題もしくは合併症なしに、ヒトおよび動物の組織と接触させて使用するのに好適な、化合物、材料、組成物、担体および/または剤形を指す。
【0347】
「薬学的に許容される賦形剤」は、概して安全、非毒性であり、生物学的にも別様にも望ましくないものでない医薬組成物を調製する際に有用な賦形剤を意味し、獣医学への使用およびヒトの薬学への使用に許容される賦形剤を包含する。「薬学的に許容される賦形剤」は、本明細書において使用される場合、1つと1つを超えるそのような賦形剤の両方を包含する。
【0348】
一局面において、本発明の化合物は、塩をさらに形成することができる。このような形態もすべて、本発明の範囲内に企図されている。
【0349】
本発明の化合物の「薬学的に許容される塩」は、薬学的に許容され、親化合物の所望の薬理学的活性を保有する塩を意味する。
【0350】
本明細書において使用される場合、「薬学的に許容される塩」は、本発明の化合物の誘導体を指し、ここで、親化合物は、その酸または塩基塩を作製することによって改質される。薬学的に許容される塩の例は、塩基性残基、たとえばアミンの鉱物または有機酸塩、酸性残基、たとえばカルボン酸等のアルカリまたは有機塩等を包含するがこれらに限定されない。薬学的に許容される塩は、たとえば、非毒性無機または有機酸から形成される、親化合物の従来の非毒性塩または第四級アンモニウム塩を包含する。たとえば、そのような従来の非毒性塩は、2−アセトキシ安息香酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、重炭酸、カルボン酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、1,2−エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グリコリルアルサニル酸、ヘキシルレゾルシン酸、ヒドラバミン酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフトエ酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリルスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナプシリン酸、硝酸、シュウ酸、パモン酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、ポリガラクツロン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、スバセチン酸、コハク酸、スルファミン酸、スルファニル酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、および一般にあるアミン酸、たとえば、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、アルギニン等から選択される、無機および有機酸に由来するものを包含するがこれらに限定されない。
【0351】
他の例は、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、ピルビン酸、マロン酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ−[2.2.2]−オクタ−2−エン−1−カルボン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、ターシャリーブチル酢酸、ムコン酸等を包含する。本発明は、親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、たとえばアルカリ金属イオン、アルカリ土類イオンまたはアルミニウムイオンによって置きかえられている場合;あるいは有機塩基、たとえばエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミン等と配位している場合の何れかに形成される塩も網羅する。
【0352】
薬学的に許容される塩へのすべての言及は、同じ塩の、本明細書において定義されている通りの溶媒付加形態(溶媒和物)または結晶形態(多形体)を包含することを理解すべきである。
【0353】
本発明の薬学的に許容される塩は、塩基性または酸性部分を含有する親化合物から、従来の化学的方法によって合成され得る。概して、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸または塩基形態を、化学量論量の適切な塩基または酸と、水中でもしくは有機溶媒中で、または2つの混合物中で反応させることによって調製することができ;非水性媒質、たとえばエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリル等を使用してよい。好適な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版(Mack Publishing Company、1990)において見られる。
【0354】
本発明の化合物は、プロドラッグ、たとえば薬学的に許容されるプロドラッグとして調製することもできる。用語「プロ−ドラッグ」および「プロドラッグ」は本明細書において交換可能に使用され、活性親薬物をインビボで放出する任意の化合物を指す。プロドラッグは、医薬品の多数の望ましい資質(たとえば、溶解性、バイオアベイラビリティ、製造等)を強化することが公知であるため、本発明の化合物は、プロドラッグ形態で送達され得る。故に、本発明は、現在特許請求されている化合物のプロドラッグ、それを送達する方法およびそれを含有する組成物を包括することが意図されている。「プロドラッグ」は、本発明の活性親薬物を、そのようなプロドラッグが対象に投与される際にインビボで放出する任意の共有結合した担体を包含することが意図されている。プロドラッグは、化合物中に存在する官能基を、修飾が日常的操作またはインビボの何れかで開裂されて親化合物となるような手法で修飾することによって調製されてもよい。プロドラッグは、ヒドロキシ、アミノ、スルフヒドリル、カルボキシまたはカルボニル基が、任意の基(これはインビボで開裂されていてよい)と結合して、それぞれ、遊離ヒドロキシル、遊離アミノ、遊離スルフヒドリル、遊離カルボキシまたは遊離カルボニル基を形成する、本発明の化合物を包含する。
【0355】
プロドラッグの例は、エステル(たとえば、アセテート、ジアルキルアミノアセテート、ホルメート、ホスフェート、スルフェートおよびベンゾエート誘導体)およびヒドロキシ官能基のカルバメート(たとえば、N,N−ジメチルアミノカルボニル)、カルボキシル官能基のエステル基(たとえば、エチルエステル、モルホリノエタノールエステル)、N−アシル誘導体(たとえば、N−アセチル)、アミノ官能基の、N−マンニッヒ塩基、シッフ塩基およびエナミノン、本発明の化合物中のケトンおよびアルデヒド官能基の、オキシム、アセタール、ケタールおよびエノールエステル等を包含するがこれらに限定されず、Bundegaard,H.「Design of Prodrugs」、1〜92頁、Elesevier、New York−Oxford(1985)を参照されたい。
【0356】
「安定化合物」および「安定構造」は、反応混合物から有用な純度までの単離および効果的な治療剤への製剤化に耐え抜くために十分強固な化合物を指示することが意味されている。
【0357】
本明細書において、単数形は、文脈上明らかに他の意味に解すべき場合を除き、複数形も包含する。特に定義しない限り、本明細書において使用されているすべての技術および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されているのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書が優先するものとする。
【0358】
本明細書において使用されているすべての百分率および比率は、別段の指示がない限り、重量によるものである。
【0359】
本発明は、そのような治療を必要とする対象に、治療有効量の本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、多形体もしくは溶媒和物を投与することによる、それを必要とする対象における細胞増殖性障害の治療のための方法を提供する。細胞増殖性障害は、がんまたは前がん状態であってよい。本発明は、細胞増殖性障害の治療に有用な医薬の調製のための、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、多形体もしくは溶媒和物の使用をさらに提供する。
【0360】
本発明は、そのような治療を必要とする対象に、治療有効量の本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、多形体もしくは溶媒和物を投与することによる、それを必要とする対象において細胞増殖性障害から保護する方法も提供する。細胞増殖性障害は、がんまたは前がん状態であってよい。本発明は、細胞増殖性障害の予防に有用な医薬の調製のための、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、多形体もしくは溶媒和物の使用も提供する。
【0361】
本明細書において使用される場合、「それを必要とする対象」は、細胞増殖性障害を有する対象、または人口全般に対して細胞増殖性障害を発症するリスクが高い対象である。それを必要とする対象は、前がん状態を有し得る。一局面において、それを必要とする対象は、がんを有する。「対象」は哺乳動物を包含する。哺乳動物は、たとえば、任意の哺乳動物、たとえば、ヒト、霊長類、鳥類、マウス、ラット、家禽、イヌ、ネコ、雌ウシ、ウマ、ヤギ、ラクダ、ヒツジまたはブタであってよい。一局面において、哺乳動物はヒトである。
【0362】
本明細書において使用される場合、用語「細胞増殖性障害」は、細胞の無調節もしくは異常な成長または両方が、不要な状態または疾患(これは、がん性であってもなくてもよい)の発症につながり得る状態を指す。本発明の例示的な細胞増殖性障害は、細胞分裂が無秩序である様々な状態を網羅する。例示的な細胞増殖性障害は、新生物、良性腫瘍、悪性腫瘍、前がん状態、インサイチュ腫瘍、被包型腫瘍、転移性腫瘍、液性腫瘍、固形腫瘍、免疫学的腫瘍、血液学的腫瘍、がん、癌、白血病、リンパ腫、肉腫および急速に分裂する細胞を包含するがこれらに限定されない。用語「急速に分裂する細胞」は、本明細書において使用される場合、同じ組織内の近隣のまたは並列する細胞中で予期または観察されるものを超えるまたはそれより大きい速度で分裂する任意の細胞として定義される。細胞増殖性障害は、前がんまたは前がん状態を包含する。細胞増殖性障害はがんを包含する。本明細書において提供される方法は、がんの症状を治療するまたは緩和するために使用される。用語「がん」は、固形腫瘍、ならびに血液系腫瘍および/または悪性腫瘍を包含する。「前がん細胞」または「前がん性細胞」は、前がんまたは前がん状態である細胞増殖性障害が現れている細胞である。「がん細胞」または「がん性細胞」は、がんである細胞増殖性障害が現れている細胞である。任意の再現可能な測定手段が、がん細胞または前がん性細胞を同定するために使用されてもよい。がん細胞または前がん性細胞は、組織試料(たとえば、生検試料)の組織学的タイプ分けまたは等級付けによって同定され得る。がん細胞または前がん性細胞は、適切な分子マーカーの使用を介して同定され得る。
【0363】
例示的な非がん性状態または障害は、関節リウマチ;乾癬性関節炎、炎症;自己免疫疾患;ドライアイ疾患、リンパ増殖性状態;先端巨大症;リウマチ様脊椎炎;変形性関節炎;痛風、他の関節炎状態;敗血症;敗血性ショック;内毒素性ショック;グラム陰性菌敗血症;毒素性ショック症候群;喘息;成人呼吸窮迫症候群;慢性閉塞性肺疾患;慢性肺炎症;炎症性腸疾患(たとえば、潰瘍性結腸炎およびクローン病);乾癬;湿疹;膵臓線維症;肝線維症;急性および慢性腎疾患;過敏性腸症候群;発熱;再狭窄;脳マラリア;脳卒中および虚血性傷害;神経系外傷;アルツハイマー病;ハンチントン病;パーキンソン病;急性および慢性疼痛;アレルギー性鼻炎;アレルギー性結膜炎;慢性心不全;急性冠症候群;悪液質;マラリア;ハンセン病;リーシュマニア症;ライム病;ライター症候群;急性滑膜炎;筋肉変性、滑液包炎;腱炎;腱滑膜炎;ヘルニア、脱腸または脱出した椎間板症候群;大理石骨病;血栓症;再狭窄;珪肺症;肺サルコイドーシス;骨吸収疾患、たとえば骨粗しょう症等;移植片対宿主反応;多発性硬化症;ループス;線維筋痛;AIDSおよび他のウイルス性疾患、たとえば帯状疱疹、単純ヘルペスIまたはII型、インフルエンザウイルスおよびサイトメガロウイルス等;ならびに真性糖尿病を包含するがこれらに限定されない。
【0364】
例示的ながんは、副腎皮質癌、AIDS関連がん、AIDS関連リンパ腫、肛門がん、肛門直腸がん、肛門管のがん、虫垂がん、小児小脳星細胞腫、小児大脳星細胞腫、基底細胞癌、皮膚がん(非黒色腫)、胆道がん、肝外胆管がん、肝内胆管がん、膀胱がん、泌尿器(uringary)膀胱がん、骨および関節がん、骨肉腫および悪性線維性組織球腫、脳がん、脳腫瘍、脳幹グリオーマ、小脳星細胞腫、大脳星細胞腫/悪性グリオーマ、上衣腫、髄芽腫、上原始神経外胚葉性腫瘍、視経路および視床下部グリオーマ、乳がん、気管支腺腫/カルチノイド、カルチノイド腫瘍、胃腸、神経系がん、神経系リンパ腫、中枢神経系がん、中枢神経系リンパ腫、子宮頸がん、小児がん、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病(固形腫瘍)、慢性骨髄増殖性障害、結腸がん、結腸直腸がん、皮膚T細胞リンパ腫、リンパ系新生物、菌状息肉腫、セザリー症候群、子宮内膜がん、食道がん、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管がん、目のがん、眼内黒色腫、網膜芽細胞腫、胆嚢がん、胃(gastric)(胃(stomach))がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、胚細胞腫瘍、卵巣胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛腫瘍グリオーマ、頭頸部がん、肝細胞(肝臓)がん、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、眼内黒色腫、眼がん、島細胞腫(内分泌性膵臓)、カポジ肉腫、腎臓(renal)(腎臓(kidney))がん、腎細胞癌(副腎腫)、喉頭がん、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病(AML)(急性骨髄性白血病としても公知である)、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、有毛細胞白血病、口唇および口腔がん、肝臓がん、肺がん、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、AIDS関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、髄芽腫、黒色腫、眼内(目の)黒色腫、メルケル細胞癌、悪性中皮腫、中皮腫、転移性頸部扁平上皮がん、口のがん、舌のがん、多発性内分泌腫瘍症候群、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性疾患、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、慢性骨髄増殖性障害、鼻咽腔がん、神経芽細胞腫、口がん、口腔がん、口腔咽頭がん、卵巣がん、上皮性卵巣がん、卵巣低悪性度腫瘍、膵臓がん、島細胞膵臓がん、副鼻腔および鼻腔がん、副甲状腺がん、陰茎がん、下咽頭がん、褐色細胞腫、松果体芽細胞腫および上原始神経外胚葉性腫瘍、下垂体部腫瘍、形質細胞新生物/多発性骨髄腫、胸膜肺芽腫、前立腺がん、直腸がん、腎盂および尿管、移行細胞がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、ユーイングファミリーの肉腫腫瘍、カポジ肉腫、軟部組織肉腫、子宮がん、子宮肉腫、皮膚がん(非黒色腫)、皮膚がん(黒色腫)、メルケル細胞皮膚癌、小腸がん、軟部組織肉腫、扁平上皮癌、胃(stomach)(胃(gastric))がん、上原始神経外胚葉性腫瘍、精巣がん、喉のがん、胸腺腫、胸腺腫および胸腺癌、甲状腺がん、腎盂および尿管ならびに他の泌尿器の移行細胞がん、妊娠性絨毛腫瘍、尿道がん、子宮内膜子宮がん、子宮肉腫、子宮体がん、膣がん、外陰がん、ならびにウィルムス腫瘍を包含するがこれらに限定されない。
【0365】
「血液系の細胞増殖性障害」は、血液系の細胞が関与する細胞増殖性障害である。血液系の細胞増殖性障害は、リンパ腫、白血病、骨髄性新生物、マスト細胞新生物、骨髄異形成、良性単クローン性免疫グロブリン血症、リンパ腫様肉芽腫症、リンパ腫様丘疹症、真性赤血球増加症(赤血病)、慢性骨髄性白血病、特発性骨髄化生および本態性血小板血症を包含し得る。血液系の細胞増殖性障害は、血液系の細胞の過形成、異形成および化生を包含し得る。一局面において、本発明の組成物は、本発明の血液学的がんまたは本発明の血液学的細胞増殖性障害からなる群から選択されるがんを治療するために使用されてもよい。本発明の血液学的がんは、多発性骨髄腫、リンパ腫(ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、小児リンパ腫、ならびにリンパ球および皮膚起源のリンパ腫を包含する)、白血病(小児白血病、有毛細胞白血病、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病およびマスト細胞白血病を包含する)、骨髄性新生物およびマスト細胞新生物を包含し得る。
【0366】
「肺の細胞増殖性障害」は、肺の細胞が関与する細胞増殖性障害である。肺の細胞増殖性障害は、肺細胞に影響を及ぼす細胞増殖性障害のすべての形態を包含し得る。肺の細胞増殖性障害は、肺がん、肺の前がんまたは前がん状態、肺の良性腫瘍または病変、および肺の悪性腫瘍または病変、ならびに肺以外の体内の組織および臓器における転移性病変を包含し得る。本発明の組成物は、肺がんまたは肺の細胞増殖性障害を治療するために使用されてもよい。肺がんは、肺のがんのすべての形態を包含し得る。肺がんは、悪性肺新生物、上皮内癌、定型カルチノイド腫瘍および非定型カルチノイド腫瘍を包含し得る。肺がんは、小細胞肺がん(「SCLC」)、非小細胞肺がん(「NSCLC」)、扁平上皮癌、腺がん、小細胞癌、大細胞癌、腺扁平上皮細胞癌および中皮腫を包含し得る。肺がんは、「瘢痕癌」、気管支肺胞癌、巨細胞癌、紡錘細胞癌および大細胞神経内分泌癌を包含し得る。肺がんは、組織学的および超微細構造的不均質性を有する肺新生物(たとえば、混合細胞型)を包含し得る。
【0367】
肺の細胞増殖性障害は、肺細胞に影響を及ぼす細胞増殖性障害のすべての形態を包含し得る。肺の細胞増殖性障害は、肺がん、肺の前がん状態を包含し得る。肺の細胞増殖性障害は、肺の過形成、化生および異形成を包含し得る。肺の細胞増殖性障害は、アスベスト誘発性過形成、扁平上皮化生および良性反応性中皮化生を包含し得る。肺の細胞増殖性障害は、重層扁平上皮による円柱上皮の置きかえ、および粘膜異形成を包含し得る。吸入される有害環境要因、たとえばタバコの煙およびアスベスト等に暴露された個体は、肺の細胞増殖性障害を発症するリスクが高い場合がある。個体に肺の細胞増殖性障害の発症をしやすくすることができる先行する肺疾患は、慢性間質性肺疾患、壊死性肺疾患、強皮症、リウマチ性疾患、サルコイドーシス、間質性肺炎、結核、反復する肺炎、特発性肺線維症、肉芽腫、石綿症、線維化性肺胞炎およびホジキン病を包含し得る。
【0368】
「結腸の細胞増殖性障害」は、結腸の細胞が関与する細胞増殖性障害である。結腸の細胞増殖性障害は、結腸がんである。本発明の組成物は、結腸がんまたは結腸の細胞増殖性障害を治療するために使用されてもよい。結腸がんは、結腸のがんのすべての形態を包含し得る。結腸がんは、散発性および遺伝性結腸がんを包含し得る。結腸がんは、悪性結腸新生物、上皮内癌、定型カルチノイド腫瘍および非定型カルチノイド腫瘍を包含し得る。結腸がんは、腺がん、扁平上皮細胞癌および腺扁平上皮細胞癌を包含し得る。結腸がんは、遺伝性の非ポリポーシス結腸直腸がん、家族性腺腫性ポリポーシス、ガードナー症候群、ポイツ・ジェガース症候群、ターコット症候群および若年性ポリポーシスからなる群から選択される遺伝性症候群に関連し得る。結腸がんは、遺伝性の非ポリポーシス結腸直腸がん、家族性腺腫性ポリポーシス、ガードナー症候群、ポイツ・ジェガース症候群、ターコット症候群および若年性ポリポーシスからなる群から選択される遺伝性症候群によって引き起こされ得る。
【0369】
結腸の細胞増殖性障害は、結腸細胞に影響を及ぼす細胞増殖性障害のすべての形態を包含し得る。結腸の細胞増殖性障害は、結腸がん、結腸の前がん状態、結腸の腺腫性ポリープおよび結腸の異時性病変を包含し得る。結腸の細胞増殖性障害は、腺腫を包含し得る。結腸の細胞増殖性障害は、結腸の過形成、化生および異形成を特徴とし得る。個体に結腸の細胞増殖性障害の発症をしやすくすることができる先行する結腸疾患は、先行する結腸がんを包含し得る。個体に結腸の細胞増殖性障害の発症をしやすくすることができる現在の疾患は、クローン病および潰瘍性結腸炎を包含し得る。結腸の細胞増殖性障害は、p53、ras、FAPおよびDCCからなる群から選択される遺伝子における突然変異に関連し得る。個体は、p53、ras、FAPおよびDCCからなる群から選択される遺伝子における突然変異の存在により、結腸の細胞増殖性障害を発症するリスクが高まり得る。
【0370】
「膵臓の細胞増殖性障害」は、膵臓の細胞が関与する細胞増殖性障害である。膵臓の細胞増殖性障害は、膵臓細胞に影響を及ぼす細胞増殖性障害のすべての形態を包含し得る。膵臓の細胞増殖性障害は、膵臓がん、膵臓の前がんまたは前がん状態、膵臓の過形成、および膵臓の異形成、膵臓の良性腫瘍または病変、および膵臓の悪性腫瘍または病変、ならびに膵臓以外の体内の組織および臓器における転移性病変を包含し得る。膵臓がんは、膵臓のがんのすべての形態を包含し得る。膵臓がんは、導管腺癌、腺扁平上皮癌、多形性巨細胞癌、粘液腺癌、破骨細胞様巨細胞癌、ムチン性嚢胞腺癌、細葉細胞癌、未分類大細胞癌、小細胞癌、膵芽腫、乳頭新生物、粘液性嚢胞腺腫、乳頭嚢胞性新生物および漿液性嚢胞腺腫を包含し得る。膵臓がんは、組織学的および超微細構造的不均質性を有する膵臓新生物(たとえば、混合細胞型)も包含し得る。
【0371】
「前立腺の細胞増殖性障害」は、前立腺の細胞が関与する細胞増殖性障害である。前立腺の細胞増殖性障害は、前立腺細胞に影響を及ぼす細胞増殖性障害のすべての形態を包含し得る。前立腺の細胞増殖性障害は、前立腺がん、前立腺の前がんまたは前がん状態、前立腺の良性腫瘍または病変、および前立腺の悪性腫瘍または病変、ならびに前立腺以外の体内の組織および臓器における転移性病変を包含し得る。前立腺の細胞増殖性障害は、前立腺の過形成、化生および異形成を包含し得る。
【0372】
「皮膚の細胞増殖性障害」は、皮膚の細胞が関与する細胞増殖性障害である。皮膚の細胞増殖性障害は、皮膚細胞に影響を及ぼす細胞増殖性障害のすべての形態を包含し得る。皮膚の細胞増殖性障害は、皮膚の前がんまたは前がん状態、皮膚の良性腫瘍または病変、皮膚の黒色腫、悪性黒色腫および他の悪性腫瘍または病変、ならびに皮膚以外の体内の組織および臓器における転移性病変を包含し得る。皮膚の細胞増殖性障害は、皮膚の過形成、化生および異形成を包含し得る。
【0373】
「卵巣の細胞増殖性障害」は、卵巣の細胞が関与する細胞増殖性障害である。卵巣の細胞増殖性障害は、卵巣の細胞に影響を及ぼす細胞増殖性障害のすべての形態を包含し得る。卵巣の細胞増殖性障害は、卵巣の前がんまたは前がん状態、卵巣の良性腫瘍または病変、卵巣がん、卵巣の悪性腫瘍または病変、ならびに卵巣以外の体内の組織および臓器における転移性病変を包含し得る。皮膚の細胞増殖性障害は、卵巣の過形成、化生および異形成を包含し得る。
【0374】
「乳房の細胞増殖性障害」は、乳房の細胞が関与する細胞増殖性障害である。乳房の細胞増殖性障害は、乳房細胞に影響を及ぼす細胞増殖性障害のすべての形態を包含し得る。乳房の細胞増殖性障害は、乳がん、乳房の前がんまたは前がん状態、乳房の良性腫瘍または病変、および乳房の悪性腫瘍または病変、ならびに乳房以外の体内の組織および臓器における転移性病変を包含し得る。乳房の細胞増殖性障害は、乳房の過形成、化生および異形成を包含し得る。
【0375】
乳房の細胞増殖性障害は、乳房の前がん状態であってよい。本発明の組成物は、乳房の前がん状態を治療するために使用されてもよい。乳房の前がん状態は、乳房の非定型過形成、導管上皮内癌(DCIS)、乳管内癌、小葉上皮内癌(LCIS)、小葉新生組織形成、および乳房のステージ0またはグレード0の腫瘍または病変(たとえば、ステージ0もしくはグレード0の乳がん、または上皮内癌)を包含し得る。乳房の前がん状態は、対がん米国合同委員会(AJCC)によって認可されている通りのTNM分類スキームに従って病期分類することができ、ここで、原発腫瘍(T)にはT0またはTisのステージが割り当てられており;所属リンパ節(N)にはN0のステージが割り当てられており;遠隔転移(M)にはM0のステージが割り当てられている。
【0376】
乳房の細胞増殖性障害は、乳がんであってよい。乳がんは、乳房のがんのすべての形態を包含する。乳がんは、原発性上皮乳がんを包含し得る。乳がんは、乳房に他の腫瘍、たとえばリンパ腫、肉腫または黒色腫が関与しているがんを包含し得る。乳がんは、乳房の癌、乳房の管癌、乳房の小葉癌、乳房の未分化癌、乳房の葉状嚢肉腫、乳房の血管肉腫、および乳房の原発性リンパ腫を包含し得る。乳がんは、ステージI、II、IIIA、IIIB、IIICおよびIVの乳がんを包含し得る。乳房の管癌は、侵襲性癌、乳管内成分が優位の侵襲性上皮内癌、炎症性乳がん、ならびに、面皰、粘液(コロイド)、髄質、リンパ球浸潤を伴う髄質、乳頭、スキルスおよび管状からなる群から選択される組織学的型を持つ乳房の管癌を包含し得る。乳房の小葉癌は、インサイチュ成分が優位の侵襲性小葉癌、侵襲性小葉癌および浸潤性小葉癌を包含し得る。乳がんは、パジェット病、乳管内癌を伴うパジェット病、および侵襲性管癌を伴うパジェット病を包含し得る。乳がんは、組織学的および超微細構造的不均質性を有する乳房新生物(たとえば、混合細胞型)を包含し得る。
【0377】
治療される乳がんは、家族性乳がんを包含し得る。治療される乳がんは、散発性乳がんを包含し得る。治療される乳がんは、男性対象において生じ得る。治療される乳がんは、女性対象において生じ得る。治療される乳がんは、閉経前女性対象または閉経後女性対象において生じ得る。治療される乳がんは、30歳以上の対象または30歳未満の対象において生じ得る。治療される乳がんは、50歳以上の対象または50歳未満の対象において生じた。治療される乳がんは、70歳以上の対象または70歳未満の対象において生じ得る。
【0378】
治療される乳がんは、BRCA1、BRCA2またはp53における家族性または自然突然変異を同定するためにタイプ分けされ得る。治療される乳がんは、HER2/neu遺伝子増幅を有するものとして、HER2/neuを過剰発現させるものとして、または低、中もしくは高レベルのHER2/neu発現を有するものとしてタイプ分けされ得る。治療される乳がんは、HER2陰性またはHER2陽性としてタイプ分けされ得る。乳がんのHER2タイプ分けは、任意の再現可能な手段によって実施されてもよい。治療される乳がんは、エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)、ヒト上皮成長因子受容体−2、Ki−67、CA15−3、CA27−29およびc−Metからなる群から選択されるマーカーについてタイプ分けされ得る。治療される乳がんは、ER未知、ERリッチまたはERプアとしてタイプ分けされ得る。治療される乳がんは、ER陰性またはER陽性としてタイプ分けされ得る。乳がんのERタイプ分けは、任意の再現可能な手段によって実施されてもよい。乳がんのERタイプ分けは、Onkologie 27:175〜179(2004)において説明されている通りに実施され得る。治療される乳がんは、PR未知、PRリッチまたはPRプアとしてタイプ分けされ得る。治療される乳がんは、PR陰性またはPR陽性としてタイプ分けされ得る。乳がんのPRタイプ分けは、任意の再現可能な手段によって実施されてもよい。治療される乳がんは、受容体陽性または受容体陰性としてタイプ分けされ得る。治療される乳がんは、受容体陽性または受容体陰性としてそれぞれ独立にタイプ分けされる多重受容体を有し得る。たとえば、治療され得る乳がんは、「三重陰性乳がん」であってよい(すなわち、ER陰性、PR陰性およびHER2陰性としてタイプ分けされる)。治療される乳がんは、CA15−3もしくはCA27−29、または両方の血中レベル上昇に関連するものとしてタイプ分けされ得る。
【0379】
治療される乳がんは、乳房の限局性腫瘍を包含し得る。治療される乳がんは、陰性センチネルリンパ節(SLN)生検に関連する乳房の腫瘍を包含し得る。治療される乳がんは、陽性センチネルリンパ節(SLN)生検に関連する乳房の腫瘍を包含し得る。治療される乳がんは、1以上の陽性腋窩リンパ節に関連する乳房の腫瘍を包含し得、ここで、腋窩リンパ節は、任意の適用可能な方法によって病期分類されている。治療される乳がんは、節の陰性状態(たとえば、節陰性)または節の陽性状態(たとえば、節陽性)を有するものとしてタイプ分けされた乳房の腫瘍を包含し得る。治療される乳がんは、体内の他の場所に転移した乳房の腫瘍を包含し得る。治療される乳がんは、骨、肺、肝臓または脳からなる群から選択される場所に転移したものとして分類され得る。治療される乳がんは、転移性、限局性、所属、局所所属、局所進行性、遠隔、多中心性、両側性、同側性、対側性、新たに診断された、再発性および手術不可能からなる群から選択される特徴に従って分類され得る。
【0380】
本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、多形体もしくは溶媒和物は、乳房の細胞増殖性障害を治療するもしくは予防するために、または人口全般に対して乳がんを発症するリスクが高い対象において、乳がんを治療するもしくは予防するために使用されてもよい。人口全般に対して乳がんを発症するリスクが高い対象は、乳がんの家族歴または既往歴を持つ女性対象である。人口全般に対して乳がんを発症するリスクが高い対象は、BRCA1もしくはBRCA2または両方における生殖細胞系または自然突然変異を有する女性対象である。人口全般に対して乳がんを発症するリスクが高い対象は、乳がんの家族歴およびBRCA1もしくはBRCA2または両方における生殖細胞系または自然突然変異を持つ女性対象である。人口全般に対して乳がんを発症するリスクが高い対象は、30歳超、40歳超、50歳超、60歳超、70歳超、80歳超、または90歳超の女性である。人口全般に対して乳がんを発症するリスクが高い対象は、乳房の非定型過形成、腺管上皮内癌(DCIS)、乳管内癌、小葉上皮内癌(LCIS)、小葉組織形成、または乳房のステージ0の腫瘍(growth)または病変(たとえば、ステージ0またはグレード0の乳がん、または上皮内癌)を持つ対象である。
【0381】
治療される乳がんは、スカーフ・ブルーム・リチャードソン(Scarff-Bloom-Richardson)システムに従って組織学的にグレード分けされ、ここで、乳房腫瘍には、1、2または3の有糸分裂カウントスコア;1、2または3の核多形性スコア;1、2または3の細管形成スコア;および3乃至9の総スカーフ・ブルーム・リチャードソンスコアが割り当てられている。治療される乳がんには、グレード1、グレード1−2、グレード2、グレード2−3、またはグレード3からなる群から選択される、乳がんの治療に対する国際的なコンセンサスパネル(International Consensus Panel on the Treatment of Breast Cancer)に従って、腫瘍グレードが割り当てられ得る。
【0382】
治療されるがんは、対がん米国合同委員会(AJCC)TNM分類システムにしたがって病期分類され得、ここで、腫瘍(T)には、TX、T1、T1mic、T1a、T1b、T1c、T2、T3、T4、T4a、T4b、T4cまたはT4dのステージが割り当てられており;所属リンパ節(N)には、NX、N0、N1、N2、N2a、N2b、N3、N3a、N3bまたはN3cのステージが割り当てられており;遠隔転移(M)には、MX、M0またはM1のステージが割り当てられ得る。治療されるがんは、対がん米国合同委員会(AJCC)分類に従って、ステージI、ステージIIA、ステージIIB、ステージIIIA、ステージIIIB、ステージIIICまたはステージIVとして病期分類され得る。治療されるがんには、AJCC分類に従って、グレードGX(たとえば、グレードを評価できない)、グレード1、グレード2、グレード3またはグレード4としてグレードが割り当てられ得る。治療されるがんは、pNX、pN0、PN0(I−)、PN0(I+)、PN0(mol−)、PN0(mol+)、PN1、PN1(mi)、PN1a、PN1b、PN1c、pN2、pN2a、pN2b、pN3、pN3a、pN3bまたはpN3cのAJCC病理学的分類(pN)に従って病期分類され得る。
【0383】
治療されるがんは、直径約2センチメートル以下であると決定された腫瘍を包含し得る。治療されるがんは、直径約2から約5センチメートルまでであると決定された腫瘍を包含し得る。治療されるがんは、直径約3センチメートル以上であると決定された腫瘍を包含し得る。治療されるがんは、直径5センチメートル超であると決定された腫瘍を包含し得る。治療されるがんは、顕微鏡像により、高分化、中分化、低分化、または未分化として分類され得る。治療されるがんは、顕微鏡像により、有糸分裂カウント(たとえば、細胞分裂の量)または核多形性(たとえば、細胞の変化)に関して分類され得る。治療されるがんは、顕微鏡像により、壊死領域(たとえば、死滅または変性細胞の領域)に関連するものとして分類され得る。治療されるがんは、異常核型を有する、異常な数の染色体を有する、または外観が異常な1以上の染色体を有するとして分類され得る。治療されるがんは、異数性、三倍体、四倍体であるとして、または変更された倍数性を有するとして分類され得る。治療されるがんは、染色体転座、または染色体全体の欠失もしくは複製、または染色体の一部の欠失、複製もしくは増幅の領域を有するとして分類され得る。
【0384】
治療されるがんは、DNAサイトメトリー、フローサイトメトリーまたはイメージサイトメトリーによって評価され得る。治療されるがんは、細胞分裂の合成ステージにおいて(たとえば、細胞分裂のS期において)、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%の細胞を有するとしてタイプ分けされ得る。治療されるがんは、低いS期分画または高いS期分画を有するとしてタイプ分けされ得る。
【0385】
本明細書において使用される場合、「正常細胞」は、「細胞増殖性障害」の一部として分類することができない細胞である。正常細胞は、不要な状態または疾患の発症につながり得る無調節もしくは異常な成長または両方を欠いている。一局面において、正常細胞は、正常に機能している細胞周期チェックポイント制御機構を保有する。
【0386】
本明細書において使用される場合、「細胞と接触すること」は、化合物または他の物質組成物(composition of matter)が、細胞と直接接触している、または細胞において所望の生物学的効果を誘発するのに十分接近している状態を指す。
【0387】
本明細書において使用される場合、「候補化合物」は、1以上のインビトロまたはインビボ生物学的アッセイにおいて、その化合物が、研究者または臨床医が求めている細胞、組織、系、動物またはヒトにおける所望の生物学的または医学的応答を誘発する可能性があるか否かを決定するために試験された、または試験されることになっている、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、多形体もしくは溶媒和物を指す。候補化合物は、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、多形体もしくは溶媒和物である。生物学的または医学的応答は、がんの治療となり得る。生物学的または医学的応答は、細胞増殖性障害の治療または予防となり得る。インビトロまたはインビボ生物学的アッセイは、酵素活性アッセイ、電気泳動移動度シフトアッセイ、レポーター遺伝子アッセイ、インビトロ細胞生存アッセイ、および本明細書において記述されているアッセイを包含し得るがこれらに限定されない。
【0388】
本明細書において使用される場合、「単剤療法」は、単一の活性または治療化合物の、それを必要とする対象への投与を指す。一局面において、単剤療法は、治療有効量の活性化合物の投与を伴うことになる。たとえば、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体の1つによる、がんの治療を必要とする対象へのがん単剤療法である。単剤療法は、複数の活性化合物の組合せが投与される、または組合せの各成分が治療有効量で存在する併用療法と対比されてもよい。一局面において、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、多形体もしくは溶媒和物による単剤療法は、所望の生物学的効果を誘発する上で、併用療法よりも有効である。
【0389】
本明細書において使用される場合、「治療すること」または「治療する」は、疾患、状態または障害と闘う目的での患者の管理およびケアについて記述するものであり、疾患、状態または障害の症状または合併症を緩和するため、あるいは疾患、状態または障害を解消するための、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、多形体もしくは溶媒和物の投与を包含する。
【0390】
本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、多形体もしくは溶媒和物は、疾患、状態または障害を予防するために使用することもできる。本明細書において使用される場合、「予防すること」または「予防」は、疾患、状態または障害の症状または合併症の発病を低減させるまたは解消することについて記述するものである。
【0391】
本明細書において使用される場合、用語「緩和する」は、障害の兆候または症状の重症度を減少させるプロセスについて記述することになっている。重要なことには、兆候または症状を解消することなく緩和することができる。一態様において、本発明の医薬組成物の投与は兆候または症状の解消につながるが、解消は必要とされていない。有効な投薬量は、兆候または症状の重症度を減少させることが予期されている。たとえば、障害、たとえば複数の場所において出現し得るがんの兆候または症状は、複数の場所の少なくとも1つ内でがんの重症度が減少すれば、緩和される。
【0392】
本明細書において使用される場合、用語「重症度」は、前がんまたは良性から悪性状態へ転換するがんの潜在性について記述することになっている。代替として、または加えて、重症度は、たとえばTNMシステム(国際対がん連合(UICC)および対がん米国合同委員会(AJCC)によって認可されている)に従う、または他の当技術分野において承認されている方法による、がんのステージについて記述することになっている。がんのステージは、要因、たとえば原発腫瘍の場所、腫瘍サイズ、腫瘍の数、およびリンパ節転移(involvement)(リンパ節へのがんの広がり)等に基づく、がんの程度または重症度を指す。代替として、または加えて、重症度は、当技術分野において承認されている方法による腫瘍グレードについて記述することになっている(国立がん研究所、www.cancer.govを参照)。腫瘍グレードは、顕微鏡下でいかに異常に見えるかおよび腫瘍がいかに迅速に成長し広がる可能性があるかという観点からがん細胞を分類するために使用されるシステムである。腫瘍グレードを決定する際には、細胞の構造および成長パターンを包含する多くの要因を考慮する。腫瘍グレードを決定するために使用される特定の要因は、がんの各型によって変動する。重症度は、分化とも呼ばれる組織学的グレードについても記述するものであり、これは、腫瘍細胞が同じ組織型の正常細胞とどのくらい似ているかを指す(国立がん研究所、www.cancer.govを参照)。さらに、重症度は核グレードについて記述するものであり、これは、腫瘍細胞中における核のサイズおよび形状ならびに分裂している腫瘍細胞の百分率を指す(国立がん研究所、www.cancer.govを参照)。
【0393】
本発明の別の局面において、重症度は、腫瘍が、成長因子を分泌した、細胞外マトリックスを分解した、血管新生された、並列する組織への接着を喪失した、または転移した程度について記述するものである。その上、重症度は、原発腫瘍が転移した場所の数について記述するものである。最後に、重症度は、様々な型および場所の腫瘍を治療することの困難を包含する。たとえば、手術不可能な腫瘍、複数の体組織により一層近づきやすいがん(血液学的および免疫学的腫瘍)、および伝統的な治療に最も耐性があるものが、最も重症であるとみなされる。これらの状況においては、対象の平均余命を延ばすことおよび/または疼痛を低減させること、がん性細胞の割合を減少させることまたは細胞を1つの系に制限すること、ならびにがんのステージ/腫瘍グレード/組織学的グレード/核グレードを改善することが、がんの兆候または症状を緩和することであるとみなされる。
【0394】
本明細書において使用される場合、用語「症状」は、疾患、病気、傷害、または体内における何らかの正しくないことの指示として定義される。症状は、症状を経験している個体によって感じられるまたは気付かれるが、他者には容易に気付くことができない。他者は、非医療専門家として定義される。
【0395】
本明細書において使用される場合、用語「兆候」も、体内における何らかの正しくないことの指示として定義される。しかし、兆候は、医師、看護師、または他の医療専門家に見えるものとして定義される。
【0396】
がんは、ほぼすべての兆候または症状を引き起こすことができる疾患の群である。兆候および症状は、がんがどこにあるか、がんのサイズ、およびそれが近隣の臓器または構造にどのくらい影響を及ぼすかによって決まることになる。がんが広がれば(転移すれば)、症状は身体の異なる部分に現れることができる。
【0397】
がんが成長するにつれて、近隣の臓器、血管および神経に進み始める。この圧力が、がんの兆候および症状のいくつかを作り出す。がんが重大な領域、たとえば脳のある特定の部分にある場合、最も小さい腫瘍であっても初期症状を引き起こし得る。
【0398】
しかし、時に、がんは所々で始まり、ここで、がんが極めて大きく成長するまで何ら症状を引き起こさない。膵臓がんは、たとえば、通常、体の外側から感じられるのに十分なほど大きくは成長しない。いくつかの膵臓がんは、それらが近隣の神経周囲で成長し始める(これは背痛を引き起こす)まで、症状を引き起こさない。その他は胆管周囲で成長し、これは胆汁の流れをブロックし、黄疸として公知である皮膚の黄変につながる。膵臓がんがこれらの兆候または症状を引き起こす時までに、通常は進行したステージに達している。
【0399】
がんは、症状、たとえば発熱、疲労または体重減少等を引き起こすこともできる。これは、がん細胞が体のエネルギー供給の大部分を使い果たす、または体の代謝を変化させる物質を放出するためである可能性がある。あるいは、がんは、免疫系に、これらの症状を生成する手法で反応させることができる。
【0400】
時に、がん細胞は、血流中に、がんから生じるとは通常考えられない症状を引き起こす物質を放出する。たとえば、膵臓のいくつかのがんは、血栓を脚の静脈内で発症させる物質を放出し得る。いくつかの肺がんは、血中カルシウムレベルに影響を及ぼすホルモン様物質を作製して神経および筋肉に影響を及ぼし、衰弱および目まいを引き起こす。
【0401】
がんは、がん細胞の様々な亜型が存在する場合に出現する数種の全身兆候または症状を提示する。ほとんどのがんの人々は、それらの疾患により何れかの時点で体重が減ることになる。10ポンド以上の説明のつかない(意図的でない)体重減少は、がん、特に、膵臓、胃、食道または肺のがんの第一の兆候であってもよい。
【0402】
発熱は、がんに伴って非常によく見られるが、進行性疾患においてさらに頻繁に見られる。ほぼすべてのがん患者が、何れかの時点で、とりわけ、がんまたはその治療が免疫系に影響を及ぼして体が感染症と闘うのをより難しくする場合に、発熱することになる。頻度は低いものの、発熱は、がん(たとえば、白血病またはリンパ腫による)の初期兆候であってもよい。
【0403】
疲労は、がんが進行するにつれ重要な症状となり得る。それは、初期ではあるが、がん(たとえば、白血病による)において、または、いくつかの結腸または胃がんのように、継続中の失血をがんが引き起こしている場合に起こり得る。
【0404】
疼痛は、いくつかのがん、たとえば骨がんまたは精巣がん等による初期症状であってもよい。しかし、最も頻繁には、疼痛は進行性疾患の症状である。
【0405】
皮膚のがん(次項を参照)とともに、いくつかの体内がんは、見える皮膚の兆候を引き起こし得る。これらの変化は、暗く(色素過剰)、黄色(黄疸)もしくは赤色(紅斑)に見える皮膚;そう痒;または多毛症を包含する。
【0406】
代替として、または加えて、がん亜型は、特異的な兆候または症状を提示する。排便習慣または膀胱機能の変化は、がんを指示している場合がある。長期にわたる便秘、下痢、または便のサイズの変化は、結腸がんの兆候であってもよい。排尿痛、血尿、または膀胱機能の変化(たとえば、頻度の高いまたは頻度の低い排尿等)は、膀胱または前立腺がんに関連している場合がある。
【0407】
皮膚状態の変化または新たな皮膚状態の出現は、がんを指示している場合がある。皮膚がんは、出血し、治癒しないびらんのように見えることがある。口内における長く続くびらんは、とりわけ喫煙する、噛みタバコを噛む、または頻繁に飲酒する患者においては、口がんである場合がある。陰茎または膣のびらんは、感染症の兆候または初期がんの何れかであってもよい。
【0408】
異常出血または分泌物は、がんを指示している場合がある。異常出血は、初期または進行したがんの何れかにおいて起こり得る。唾液(痰)中の血液は、肺がんの兆候であってもよい。血便(または暗色もしくは黒色便)は、結腸または直腸がんの兆候である場合がある。頸部または子宮内膜(子宮の内層)のがんは、膣出血を引き起こし得る。血尿は、膀胱または腎臓がんの兆候であってもよい。乳首からの血性分泌物は、乳がんの兆候であってもよい。
【0409】
乳房における、または体の他の部分における肥厚またはしこりは、がんの存在を指示している場合がある。多くのがんは、主に乳房、精巣、リンパ節(腺)および体の軟部組織において、皮膚を介して感じることができる。しこりまたは肥厚は、がんの初期または後期兆候であってもよい。任意のしこりまたは肥厚は、とりわけ形成が新しくサイズが成長している場合に、がんを指示するものであり得る。
【0410】
消化不良または嚥下困難は、がんを指示している場合がある。これらの症状は一般に他の原因を有するが、消化不良または嚥下の問題は、食道、胃または咽頭(喉)のがんの兆候であってもよい。
【0411】
疣贅またはほくろにおける最近の変化は、がんを指示するものであり得る。色、サイズもしくは形状が変化している、またはその明確な境界を失っている任意の疣贅、ほくろまたはそばかすは、がんの潜在的発症を指示している。たとえば、皮膚病変は、黒色腫であってもよい。
【0412】
持続性の咳または嗄声は、がんを指示するものであり得る。治らない咳は、肺がんの兆候であってもよい。嗄声は、喉頭(発声器)または甲状腺のがんの兆候であってもよい。
【0413】
上記に挙げた兆候および症状は、がんに見られるより一般的なものであるが、他にもあまり一般的ではなく本明細書において挙げられていない多くのものがある。しかしながら、がんのすべての当技術分野において承認されている兆候および症状が、本発明によって企図および網羅されている。
【0414】
がんを治療することは、腫瘍のサイズの低減をもたらし得る。腫瘍のサイズの低減を、「腫瘍退縮」と称してもよい。一局面において、治療後、腫瘍サイズは治療前のそのサイズに対して約5%以上低減し;腫瘍サイズは約10%以上低減し;約20%以上低減し;約30%以上低減し;約40%以上低減し;約50%以上低減し;約75%超以上低減する。腫瘍のサイズは、任意の再現可能な測定手段によって測定されてもよい。腫瘍のサイズは、腫瘍の直径として測定されてもよい。
【0415】
がんを治療することは、腫瘍体積の低減をもたらし得る。一局面において、治療後、腫瘍体積は治療前のそのサイズに対して約5%以上低減し;腫瘍体積は約10%以上低減し;約20%以上低減し;約30%以上低減し;約40%以上低減し;約50%以上低減し;約75%超以上低減する。腫瘍体積は、任意の再現可能な測定手段によって測定されてもよい。
【0416】
がんを治療することは、腫瘍の数の減少をもたらす。一局面において、治療後、腫瘍数は治療前の数に対して約5%以上低減し;腫瘍数は約10%以上低減し;約20%以上低減し;約30%以上低減し;約40%以上低減し;約50%以上低減し;約75%超低減する。腫瘍の数は、任意の再現可能な測定手段によって測定されてもよい。腫瘍の数は、肉眼でまたは指定倍率で可視の腫瘍をカウントすることによって測定されてもよい。一局面において、指定倍率は、2×、3×、4×、5×、10×または50×である。
【0417】
がんを治療することは、原発腫瘍部位から離れた他の組織または臓器における転移性病変の数の減少をもたらし得る。一局面において、治療後、転移性病変の数は治療前の数に対して約5%以上低減し;転移性病変の数は約10%以上低減し;約20%以上低減し;約30%以上低減し;約40%以上低減し;約50%以上低減し;約75%超低減する。転移性病変の数は、任意の再現可能な測定手段によって測定されてもよい。転移性病変の数は、肉眼でまたは指定倍率で可視の転移性病変をカウントすることによって測定されてもよい。一局面において、指定倍率は、2×、3×、4×、5×、10×または50×である。
【0418】
がんを治療することは、担体単独を受けている集団と比較した治療対象の集団の平均生存時間の増大をもたらし得る。一局面において、平均生存時間は30日超;60日超;90日超;120日超増大する。集団の平均生存時間の増大は、任意の再現可能な手段によって測定されてもよい。集団の平均生存時間の増大は、たとえば、集団について、活性化合物による治療の開始後の平均生存長さを算出することによって測定されてもよい。集団の平均生存時間の増大は、たとえば、集団について、活性化合物による第一回の治療の完了後の平均生存長さを算出することによって測定されてもよい。
【0419】
がんを治療することは、未治療対象の集団と比較した治療対象の集団の平均生存時間の増大をもたらし得る。一局面において、平均生存時間は30日超;60日超;90日超;120日超増大する。集団の平均生存時間の増大は、任意の再現可能な手段によって測定されてもよい。集団の平均生存時間の増大は、たとえば、集団について、活性化合物による治療の開始後の平均生存長さを算出することによって測定されてもよい。集団の平均生存時間の増大は、たとえば、集団について、活性化合物による第一回の治療の完了後の平均生存長さを算出することによって測定されてもよい。
【0420】
がんを治療することは、薬物(これは、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体ではない)による単剤療法を受けている集団と比較した治療対象の集団の平均生存時間の増大をもたらし得る。一局面において、平均生存時間は30日超;60日超;90日超;120日超増大する。集団の平均生存時間の増大は、任意の再現可能な手段によって測定されてもよい。集団の平均生存時間の増大は、たとえば、集団について、活性化合物による治療の開始後の平均生存長さを算出することによって測定されてもよい。集団の平均生存時間の増大は、たとえば、集団について、活性化合物による第一回の治療の完了後の平均生存長さを算出することによって測定されてもよい。
【0421】
がんを治療することは、担体単独を受けている集団と比較した治療対象の集団の死亡率の減少をもたらし得る。がんを治療することは、未治療集団と比較した治療対象の集団の死亡率の減少をもたらし得る。がんを治療することは、薬物(これは、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体ではない)による単剤療法を受けている集団と比較した治療対象の集団の死亡率の減少をもたらし得る。一局面において、死亡率は約2%超;約5%超;約10%超;約25%超減少する。治療対象の集団の死亡率の減少は、任意の再現可能な手段によって測定されてもよい。集団の死亡率の減少は、たとえば、集団について、活性化合物による治療の開始後の、単位時間当たりの疾患関連死の平均数を算出することによって測定されてもよい。集団の死亡率の減少は、たとえば、集団について、活性化合物による第一回の治療の完了後の、単位時間当たりの疾患関連死の平均数を算出することによって測定されてもよい。
【0422】
がんを治療することは、腫瘍成長速度の減少をもたらし得る。一局面において、治療後、腫瘍成長速度は治療前の数に対して少なくとも約5%低減し;腫瘍成長速度は少なくとも約10%低減し;少なくとも約20%低減し;少なくとも約30%低減し;少なくとも約40%低減し;少なくとも約50%低減し;少なくとも約50%低減し;少なくとも約75%低減する。腫瘍成長速度は、任意の再現可能な測定手段によって測定されてもよい。腫瘍成長速度は、単位時間当たりの腫瘍直径の変化によって測定することができる。
【0423】
がんを治療することは、腫瘍再成長の減少をもたらし得る。一局面において、治療後、腫瘍再成長は約5%未満であり;腫瘍再成長は約10%未満;約20%未満;約30%未満;約40%未満;約50%未満;約50%未満;約75%未満である。腫瘍再成長は、任意の再現可能な測定手段によって測定されてもよい。腫瘍再成長は、たとえば、先行する腫瘍縮小後の、治療の後の腫瘍の直径の増大を測定することによって測定される。腫瘍再成長の減少は、治療が停止した後に腫瘍が再発に失敗することによって指示される。
【0424】
細胞増殖性障害を治療するまたは予防することは、細胞増殖率の低減をもたらし得る。一局面において、治療後、細胞増殖率は少なくとも約5%;少なくとも約10%;少なくとも約20%;少なくとも約30%;少なくとも約40%;少なくとも約50%;少なくとも約75%低減する。細胞増殖率は、任意の再現可能な測定手段によって測定されてもよい。細胞増殖率は、たとえば、単位時間当たりの組織試料中における分裂細胞の数を測定することによって測定される。
【0425】
細胞増殖性障害を治療するまたは予防することは、増殖細胞の割合の低減をもたらし得る。一局面において、治療後、増殖細胞の割合は少なくとも約5%;少なくとも約10%;少なくとも約20%;少なくとも約30%;少なくとも約40%;少なくとも約50%;少なくとも75%低減する。増殖細胞の割合は、任意の再現可能な測定手段によって測定されてもよい。一局面において、増殖細胞の割合は、たとえば、組織試料中における非分裂細胞の数に対する分裂細胞の数を定量化することによって測定される。増殖細胞の割合は、分裂指数と同等であってよい。
【0426】
細胞増殖性障害を治療するまたは予防することは、細胞増殖の領域またはゾーンのサイズの減少をもたらし得る。一局面において、治療後、細胞増殖の領域またはゾーンのサイズは治療前のそのサイズに対して少なくとも約5%低減し;少なくとも約10%低減し;少なくとも約20%低減し;少なくとも約30%低減し;少なくとも約40%低減し;少なくとも約50%低減し;少なくとも約75%低減する。細胞増殖の領域またはゾーンのサイズは、任意の再現可能な測定手段によって測定されてもよい。細胞増殖の領域またはゾーンのサイズは、細胞増殖の領域またはゾーンの直径または幅として測定されてもよい。
【0427】
細胞増殖性障害を治療するまたは予防することは、異常な外観または形態学を有する細胞の数または割合の減少をもたらし得る。一局面において、治療後、異常な形態学を有する細胞の数は治療前のそのサイズに対して少なくとも約5%低減し;少なくとも約10%低減し;少なくとも約20%低減し;少なくとも約30%低減し;少なくとも約40%低減し;少なくとも約50%低減し;少なくとも約75%低減する。異常な細胞の外観または形態学は、任意の再現可能な測定手段によって測定されてもよい。異常な細胞の形態学は、顕微鏡法によって、たとえば反転組織培養顕微鏡を使用して測定することができる。異常な細胞の形態学は、核多形性の形態をとることができる。
【0428】
本明細書において使用される場合、用語「選択的に」は、ある集団において別の集団よりも高頻度で起こる傾向があることを意味する。比較される集団は、細胞集団であってよい。一局面において、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、多形体もしくは溶媒和物は、がんまたは前がん性細胞には選択的に作用するが、正常細胞にはしない。一局面において、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、多形体もしくは溶媒和物は、ある分子標的(たとえば、JAK3)をモジュレートするように選択的に作用するが、別の分子標的(たとえば、JAK2)を著しくモジュレートするとはいえない。本発明は、酵素、たとえばキナーゼ(たとえば、JAK3)等の活性を選択的に阻害するまたは活性化させるための方法も提供する。一局面において、事象は、集団Bと比較した際に集団Aにおいて2倍以上頻繁に起こる場合、集団Bと比べて集団Aにおいて選択的に起こる。事象は、集団Aにおいて5倍以上頻繁に起こる場合、選択的に起こる。事象は、集団Bと比較した際に集団Aにおいて10倍以上頻繁に起こる;集団Aにおいて50倍以上;100倍以上;1000倍以上頻繁に起こる場合、選択的に起こる。たとえば、細胞死は、正常細胞と比較した際にがん細胞において2倍以上頻繁に起こった場合、がん細胞において選択的に起こるといえるであろう。
【0429】
本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、多形体もしくは溶媒和物は、分子標的(たとえば、JAK3)の活性をモジュレートすることができる。モジュレートすることは、分子標的の活性を刺激することまたは阻害することを指す。一局面において、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、多形体もしくは溶媒和物は、それが分子標的の活性を、前記化合物の存在のみを欠いている以外は同じ条件下での分子標的の活性に対して少なくとも10%刺激するまたは阻害する場合、分子標的の活性をモジュレートする。一局面において、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、多形体もしくは溶媒和物は、それが分子標的の活性を、前記化合物の存在のみを欠いている以外は同じ条件下での分子標的の活性に対して少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍刺激するまたは阻害する場合、分子標的の活性をモジュレートする。分子標的の活性は、任意の再現可能な手段によって測定されてもよい。分子標的の活性は、インビトロでまたはインビボで測定されてもよい。たとえば、分子標的の活性は、酵素活性アッセイによってインビトロでまたはインビボで測定されてもよい。
【0430】
本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、多形体もしくは溶媒和物は、化合物の添加が、分子標的の活性を、前記化合物の存在のみを欠いている以外は同じ条件下での分子標的の活性に対して10%超刺激も阻害もしない場合、分子標的の活性を著しくモジュレートするとはいえない。
【0431】
本明細書において使用される場合、用語「アイソザイム選択的」は、酵素の第二のアイソフォームと比較した、酵素の第一のアイソフォームの優先的な阻害または刺激(たとえば、キナーゼアイソザイムベータと比較した、キナーゼアイソザイムアルファの優先的な阻害または刺激)を意味する。
【0432】
本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、多形体もしくは溶媒和物によって引き起こされた酵素活性の変化は、開示されているアッセイにおいて測定することができる。酵素活性の変化は、ある特定の基質のリン酸化の程度の変化を特徴とし得る。本明細書において使用される場合、「リン酸化」は、タンパク質および有機分子を包含する基質へのホスフェート基の添加を指し;タンパク質の生物学的活性を調節する上で重要な役割を果たす。一局面において、アッセイされ測定されるリン酸化は、チロシン残基へのホスフェート基の添加を伴う。基質は、ペプチドまたはタンパク質であってよい。
【0433】
いくつかのアッセイにおいて、免疫学的試薬、たとえば抗体および抗体が用いられる。蛍光は、いくつかのアッセイにおいて、酵素活性の測定に利用され得る。本明細書において使用される場合、「蛍光」は、分子が、同じ分子によって高エネルギーの入射光子を吸収した結果として光子を放射するプロセスを指す。本発明の化合物の生物学的活性を評価するための特異的な方法を例において記述する。
【0434】
活性化させることは、物質組成物(たとえば、タンパク質または核酸)を、所望の生物学的機能を行うのに好適な状態に置くことを指す。活性化されることができる物質組成物は、非活性化状態も有する。活性化された物質組成物は、阻害性もしくは刺激性生物学的機能または両方を有していてもよい。
【0435】
上昇は、物質組成物(たとえば、タンパク質または核酸)の所望の生物学的活性の増大を指す。上昇は、物質組成物の濃度の増大を介して起こり得る。
【0436】
がんまたは細胞増殖性障害を治療することは、細胞死をもたらし得、細胞死は、集団における細胞数の少なくとも約10%の減少をもたらす。一局面において、細胞死は、少なくとも約20%の減少;少なくとも約30%の減少;少なくとも約40%の減少;少なくとも約50%の減少;少なくとも約75%の減少を意味する。集団における細胞数は、任意の再現可能な手段によって測定されてもよい。集団における細胞数は、蛍光活性化細胞分類(FACS)、免疫蛍光顕微鏡法および光学顕微鏡法によって測定され得る。細胞死を測定する方法は、Liら、Proc Natl Acad Sci USA.100(5):2674〜8、2003において示されている通りである。一局面において、細胞死はアポトーシスによって起こる。
【0437】
一局面において、有効量の本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、多形体もしくは溶媒和物は、正常細胞に対して著しく細胞毒性であるとはいえない。治療有効量の化合物は、治療有効量での化合物の投与が正常細胞の10%超において細胞死を誘発しない場合、正常細胞に対して著しく細胞毒性であるとはいえない。治療有効量の化合物は、治療有効量での化合物の投与が正常細胞の10%超において細胞死を誘発しない場合、正常細胞の生存に著しく影響を及ぼすとはいえない。一局面において、細胞死はアポトーシスによって起こる。
【0438】
細胞を、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、多形体もしくは溶媒和物と接触させることは、がん細胞において選択的に細胞死を誘発または活性化し得る。それを必要とする対象に、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、多形体もしくは溶媒和物を投与することは、がん細胞において選択的に細胞死を誘発または活性化し得る。細胞を、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、多形体もしくは溶媒和物と接触させることは、細胞増殖性障害に冒されている1以上の細胞において選択的に細胞死を誘発し得る。一局面において、それを必要とする対象に、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、多形体もしくは溶媒和物を投与することは、細胞増殖性障害に冒されている1以上の細胞において選択的に細胞死を誘発する。
【0439】
当業者は、本明細書において論じられている公知の技術または同等の技術の詳細な説明のための一般参照テキストを参照してもよい。これらのテキストは、Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley and Sons,Inc.(2005);Sambrookら、Molecular Cloning、A Laboratory Manual(第3版)、Cold Spring Harbor Press、Cold Spring Harbor、New York(2000);Coliganら、Current Protocols in Immunology、John Wiley&Sons、N.Y.;Ennaら、Current Protocols in Pharmacology、John Wiley&Sons、N.Y.;Finglら、The Pharmacological Basis of Therapeutics(1975)、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.、Easton、PA、第18版(1990)を包含する。これらのテキストは、当然ながら、本発明の局面を作製するまたは使用する上で参照されてもよい。
【0440】
「併用療法」(または「共同療法」)は、本発明の化合物および少なくとも第二の作用物質の投与を、これらの治療剤の共同作用からの有益な効果を提供することが意図されている特異的治療計画の一部として包含する。組合せの有益な効果は、治療剤の組合せによって生じる薬物動態または薬力学的共同作用を包含するがこれらに包含されない。これらの治療剤を組み合わせての投与は、典型的には、所定の期間(通常、選択される組合せに応じて、数分間、数時間、数日間または数週間)にわたって行われる。「併用療法」は、これらの治療剤の2以上の投与を、偶然にかつ恣意的に本発明の組合せをもたらす別個の単剤療法計画の一部として網羅することが意図されていてもよいが、概してされていない。
【0441】
「併用療法」は、これらの治療剤の、連続様式での、すなわち、各治療剤が異なる時間に投与される場合の投与、ならびに、これらの治療剤または治療剤の少なくとも2つの、実質的に同時様式での投与を内包することが意図されている。実質的に同時投与は、たとえば、対象に、固定比率の各治療剤を有する単一のカプセル剤を、または治療剤のそれぞれについて複数、単一のカプセル剤で投与することによって遂行され得る。各治療剤の連続または実質的に同時投与は、経口ルート、静脈内ルート、筋肉内ルート、および粘膜組織を介する直接吸収を包含するがこれらに限定されない任意の適切なルートによって達成され得る。治療剤は、同じルートによってまたは異なるルートによって投与され得る。たとえば、選択された組合せの第一の治療剤は静脈内注射によって投与されてもよく、一方で、組合せの他の治療剤は経口的に投与されてもよい。代替として、たとえば、すべての治療剤が経口的に投与されてもよく、またはすべての治療剤が静脈内注射によって投与されてもよい。治療剤が投与される順序は、厳密には重大ではない。
【0442】
「併用療法」は、他の生物学的に活性な成分および/または非薬物療法(たとえば、手術、免疫療法または放射線治療)と組み合わせた上述した通りの治療剤(複数可)の投与も内包する。併用療法が非薬物治療を含む場合、非薬物治療は、治療剤(複数可)および非薬物治療の組合せの共同作用からの有益な効果が実現される限り、任意の適切な時間で行われてもよい。たとえば、適切な事例において、非薬物治療が、治療剤の投与から一時的に、おそらく数日間またはさらには数週間除去される場合にも依然として有益な効果が実現される。
【0443】
本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体は、第二の抗がん剤と組み合わせて投与されてもよい。第二の抗がん剤(抗新生物剤または抗増殖剤とも称される)は、がん代謝をモジュレートする作用物質、アルキル化剤;抗生物質;代謝拮抗物質;解毒剤;インターフェロン;ポリクローナルまたはモノクローナル抗体;EGFR阻害剤;HER2阻害剤;ヒストンデアセチラーゼ阻害剤;ホルモン;分裂阻害剤;MTOR阻害剤;マルチキナーゼ阻害剤;セリン/トレオニンキナーゼ阻害剤;チロシンキナーゼ阻害剤;VEGF/VEGFR阻害剤;タキサンまたはタキサン誘導体、アロマターゼ阻害剤、アントラサイクリン、微小管標的薬物、トポイソメラーゼ毒薬物、分子標的または酵素の阻害剤(たとえば、キナーゼ阻害剤)、シチジン類似体薬物、あるいはwww.cancer.org/docroot/cdg/cdg_0.aspに記載されている任意の化学療法、抗新生物または抗増殖剤であり得る。
【0444】
例示的なアルキル化剤は、シクロホスファミド(サイトキサン;ネオサール);クロラムブシル(ロイケラン);メルファラン(アルケラン);カルムスチン(BiCNU);ブスルファン(ブスルフェクス);ロムスチン(CeeNU);ダカルバジン(DTIC−ドーム);オキサリプラチン(エロキサチン);カルムスチン(ギリアデル);イホスファミド(イフェックス);メクロレタミン(マスタージェン);ブスルファン(ミレラン);カルボプラチン(パラプラチン);シスプラチン(CDDP;プラチノール);テモゾロマイド(テモダール);チオテパ(チオプレックス);ベンダムスチン(トレアンダ);またはストレプトゾシン(ザノサール)を包含するがこれらに限定されない。
【0445】
例示的な抗生物質は、ドキソルビシン(アドリアマイシン);ドキソルビシンリポソーマル(ドキシル);ミトキサントロン(ノバントロン);ブレオマイシン(ブレノキサン);ダウノルビシン(セルビジン);ダウノルビシンリポソーマル(ダウノキソーム);ダクチノマイシン(コスメゲン);エピルビシン(エレンス);イダルビシン(イダマイシン);プリカマイシン(ミトラシン);マイトマイシン(ムタマイシン);ペントスタチン(ナイペント);またはバルルビシン(バルスター)を包含するがこれらに限定されない。
【0446】
例示的な代謝拮抗物質は、フルオロウラシル(アドルシル);カペシタビン(ゼローダ);ヒドロキシウレア(ハイドレア);メルカプトプリン(プリントール);ペメトレキセド(アリムタ);フルダラビン(フルダラ);ネララビン(アラノン);クラドリビン(クラドリビンノバプラス);クロファラビン(クロラール);シタラビン(サイトサール−U);デシタビン(ダコジェン);シタラビンリポソーマル(デポサイト);ヒドロキシウレア(ドロキシア);プララトレキサート(フォロチン);フロクスウリジン(FUDR);ゲムシタビン(ジェムザール);クラドリビン(ロイスタチン);フルダラビン(オフォルタ(Oforta));メトトレキサート(MTX;リウマトレックス);メトトレキサート(トレキサール);チオグアニン(タブロイド);TS−1またはシタラビン(タラビンPFS)を包含するがこれらに限定されない。
【0447】
例示的な解毒剤は、アミフォスチン(エチオール)またはメスナ(メスネックス)を包含するがこれらに限定されない。
【0448】
例示的なインターフェロンは、インターフェロンアルファ−2b(イントロンA)またはインターフェロンアルファ−2a(ロフェロン−A)を包含するがこれらに限定されない。
【0449】
例示的なポリクローナルまたはモノクローナル抗体は、トラスツズマブ(ハーセプチン);オファツムマブ(アルゼラ);ベバシズマブ(アバスチン);リツキシマブ(リツキサン);セツキシマブ(エルビタックス);パニツムマブ(ベクティビックス(登録商標));トシツモマブ/ヨウ素131トシツモマブ(ベキサール);アレムツズマブ(キャンパス);イブリツモマブ(ゼバリン;In−111;Y−90ゼバリン);ゲムツズマブ(マイロターグ);エクリズマブ(ソリリス)オルデノスマブ(ordenosumab)を包含するがこれらに限定されない。
【0450】
例示的なEGFR阻害剤は、ゲフィチニブ(イレッサ);ラパチニブ(タイケルブ);セツキシマブ(エルビタックス);エルロチニブ(タルセバ);パニツムマブ(ベクティビックス);PKI−166;カネルチニブ(CI−1033);マツズマブ(Emd7200)またはEKB−569を包含するがこれらに限定されない。
【0451】
例示的なHER2阻害剤は、トラスツズマブ(ハーセプチン);ラパチニブ(タイケルブ)またはAC−480を包含するがこれらに限定されない。
【0452】
ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ボリノスタット(ゾリンザ)を包含するがこれらに限定されない。
【0453】
例示的なホルモンは、タモキシフェン(ソルタモックス;ノルバデックス);ラロキシフェン(エビスタ);メゲストロール(メゲース);ロイプロリド(ルプロン;ルプロンデポ;エリガード;ビアドゥール(Viadur);フルベストラント(ファスロデックス);レトロゾール(フェマーラ);トリプトレリン(トレルスターLA;トレルスターデポ);エキセメスタン(アロマシン);ゴセレリン(ゾラデックス);ビカルタミド(カソデックス);アナストロゾール(アリミデックス);フルオキシメステロン(アンドロキシ;ハロテスチン);メドロキシプロゲステロン(プロベラ;デポプロベラ);エストラムスチン(エムサイト);フルタミド(エウレキシン);トレミフェン(ファレストン);デガレリクス(ファーマゴン);ニルタミド(ニランドロン);アバレリクス(プレナキシス);またはテストラクトン(テスラック)を包含するがこれらに限定されない。
【0454】
例示的な分裂阻害剤は、パクリタキセル(タキソール;オンキソール;アブラキサン);ドセタキセル(タキソテール);ビンクリスチン(オンコビン;ビンカサールPFS);ビンブラスチン(ベルバン);エトポシド(トポサール;エトポホス;ベプシド);テニポシド(ブモン);イクサベピロン(イクセンプラ);ノコダゾール;エポチロン;ビノレルビン(ナベルビン);カンプトセシン(CPT);イリノテカン(カンプトサール);トポテカン(ハイカムチン);アムサクリンまたはラメラリンD(LAM−D)を包含するがこれらに限定されない。
【0455】
例示的なMTOR阻害剤は、エベロリムス(アフィニトール)もしくはテムシロリムス(トーリセル);ラパミューン、リダフォロリムス;またはAP23573を包含するがこれらに限定されない。
【0456】
例示的なマルチキナーゼ阻害剤は、ソラフェニブ(ネクサバール);スニチニブ(スーテント);BIBW2992;E7080;Zd6474;PKC−412;モテサニブ;またはAP24534を包含するがこれらに限定されない。
【0457】
例示的なセリン/トレオニンキナーゼ阻害剤は、ルボキシスタウリン;エリル/ファスジル塩酸塩;フラボピリドール;セリシクリブ(CYC202;ロスコビチン);SNS−032(BMS−387032);Pkc412;ブリオスタチン;KAI−9803;SF1126;VX−680;Azd1152;Arry−142886(AZD−6244);SCIO−469;GW681323;CC−401;CEP−1347またはPD332991を包含するがこれらに限定されない。
【0458】
例示的なチロシンキナーゼ阻害剤は、エルロチニブ(タルセバ);ゲフィチニブ(イレッサ);イマチニブ(グリベック);ソラフェニブ(ネクサバール);スニチニブ(スーテント);トラスツズマブ(ハーセプチン);ベバシズマブ(アバスチン);リツキシマブ(リツキサン);ラパチニブ(タイケルブ);セツキシマブ(エルビタックス);パニツムマブ(ベクティビックス);エベロリムス(アフィニトール);アレムツズマブ(キャンパス);ゲムツズマブ(マイロターグ);テムシロリムス(トーリセル);パゾパニブ(ヴォトリエント);ダサチニブ(スプリセル);ニロチニブ(タシグナ);バタラニブ(Ptk787;ZK222584);CEP−701;SU5614;MLN518;XL999;VX−322;Azd0530;BMS−354825;SKI−606 CP−690;AG−490;WHI−P154;WHI−P131;AC−220;またはAMG888を包含するがこれらに限定されない。
【0459】
例示的なVEGF/VEGFR阻害剤は、ベバシズマブ(アバスチン);ソラフェニブ(ネクサバール);スニチニブ(スーテント);ラニビズマブ;ペガプタニブ;またはバンデタニブを包含するがこれらに限定されない。
【0460】
例示的な微小管標的薬物は、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ノコダゾール、エポチロンおよびナベルビンを包含するがこれらに限定されない。
【0461】
例示的なトポイソメラーゼ毒薬物は、テニポシド、エトポシド、アドリアマイシン、カンプトセシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、ミトキサントロン、アムサクリン、エピルビシンおよびイダルビシンを包含するがこれらに限定されない。
【0462】
例示的なタキサンまたはタキサン誘導体は、パクリタキセルおよびドセタキソールを包含するがこれらに限定されない。
【0463】
例示的な一般的化学療法、抗新生物、抗増殖剤は、アルトレタミン(ヘキサレン);イソトレチノイン(アキュテイン;アムネスティーム;クララビス;ソトレット);トレチノイン(ベサノイド);アザシチジン(ビダーザ);ボルテゾミブ(ベルケイド)アスパラギナーゼ(エルスパー);レバミゾール(エルガミソール);ミトタン(リソドレン);プロカルバジン(マツラン);ペグアスパラガーゼ(オンキャスパー);デニロイキンディフティトックス(オンタック);ポルフィマー(フォトフリン);アルデスロイキン(プロロイキン);レナリドマイド(レブラミド);ベキサロテン(ターグレチン);サリドマイド(サロミド);テムシロリムス(トーリセル);三酸化ヒ素(トリセノックス);ベルテポルフィン(ビスダイン);ミモシン(ロイセノール);(1Mテガフール−0.4M5−クロロ−2,4−ジヒドロキシピリミジン−1Mオキソン酸カリウム)またはロバスタチンを包含するがこれらに限定されない。
【0464】
別の局面において、第二の化学療法剤は、サイトカイン、たとえばG−CSF(顆粒球コロニー刺激因子)等であってよい。別の局面において、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体は、放射線療法と組み合わせて投与されてもよい。放射線療法は、本発明の化合物および本明細書において記述されている別の化学療法剤と組み合わせて、多剤療法の一部として投与されてもよい。また別の局面において、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体は、標準的な化学療法併用、たとえば、制限されないが、CMF(シクロホスファミド、メトトレキサートおよび5−フルオロウラシル)、CAF(シクロホスファミド、アドリアマイシンおよび5−フルオロウラシル)、AC(アドリアマイシンおよびシクロホスファミド)、FEC(5−フルオロウラシル、エピルビシンおよびシクロホスファミド)、ACTもしくはATC(アドリアマイシン、シクロホスファミドおよびパクリタキセル)、リツキシマブ、ゼローダ(カペシタビン)、シスプラチン(CDDP)、カルボプラチン、TS−1(1:0.4:1のモル比のテガフール、ギメスタットおよびオタスタットカリウム)、カンプトセシン−11(CPT−11、イリノテカンまたはCamptosar(商標))またはCMFP(シクロホスファミド、メトトレキサート、5−フルオロウラシルおよびプレドニゾン)等と組み合わせて投与されてもよい。
【0465】
一局面において、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、多形体もしくは溶媒和物は、酵素の阻害剤、たとえば受容体または非受容体キナーゼドメイン等とともに投与されてもよい。本発明の受容体および非受容体キナーゼは、たとえば、チロシンキナーゼまたはセリン/トレオニンキナーゼである。本発明のキナーゼ阻害剤は、小分子、ポリ核酸、ポリペプチドまたは抗体である。
【0466】
例示的なキナーゼ阻害剤は、ベバシズマブ(標的VEGF)、BIBW2992(標的EGFRおよびErb2)、セツキシマブ/エルビタックス(標的Erb1)、イマチニブ/グリベック(標的Bcr−Abl)、トラスツズマブ(標的Erb2)、ゲフィチニブ/イレッサ(標的EGFR)、ラニビズマブ(標的VEGF)、ペガプタニブ(標的VEGF)、エルロチニブ/タルセバ(標的Erb1)、ニロチニブ(標的Bcr−Abl)、ラパチニブ(標的Erb1およびErb2/Her2)、GW−572016/トシル酸ラパチニブ(標的HER2/Erb2)、パニツムマブ/ベクティビックス(標的EGFR)、バンデタニブ(標的RET/VEGFR)、E7080(RETおよびVEGFRを包含する多重標的)、ハーセプチン(標的HER2/Erb2)、PKI−166(標的EGFR)、カネルチニブ/CI−1033(標的EGFR)、スニチニブ/SU−11464/スーテント(標的EGFRおよびFLT3)、マツズマブ/Emd7200(標的EGFR)、EKB−569(標的EGFR)、Zd6474(標的EGFRおよびVEGFR)、PKC−412(標的VEGRおよびFLT3)、バタラニブ/Ptk787/ZK222584(標的VEGR)、CEP−701(標的FLT3)、SU5614(標的FLT3)、MLN518(標的FLT3)、XL999(標的FLT3)、VX−322(標的FLT3)、Azd0530(標的SRC)、BMS−354825(標的SRC)、SKI−606(標的SRC)、CP−690(標的JAK)、AG−490(標的JAK)、WHI−P154(標的JAK)、WHI−P131(標的JAK)、ソラフェニブ/ネクサバール(標的RAFキナーゼ、VEGFR−1、VEGFR−2、VEGFR−3、PDGFR−β、KIT、FLT−3およびRET)、ダサチニブ/スプリセル(BCR/ABLおよびSrc)、AC−220(標的Flt3)、AC−480(標的すべてのHERタンパク質、「panHER」)、モテサニブジホスフェート(標的VEGF1−3、PDGFRおよびc−kit)、デノスマブ(標的RANKL、SRCを阻害する)、AMG888(標的HER3)、ならびにAP24534(Flt3を包含する多重標的)を包含するがこれらに限定されない。
【0467】
例示的なセリン/トレオニンキナーゼ阻害剤は、ラパミューン(標的mTOR/FRAP1)、デホロリムス(標的mTOR)、サーティカン/エベロリムス(標的mTOR/FRAP1)、AP23573(標的mTOR/FRAP1)、エリル/ファスジル塩酸塩(標的RHO)、フラボピリドール(標的CDK)、セリシクリブ/CYC202/ロスコビチン(標的CDK)、SNS−032/BMS−387032(標的CDK)、ルボキシスタウリン(標的PKC)、Pkc412(標的PKC)、ブリオスタチン(標的PKC)、KAI−9803(標的PKC)、SF1126(標的PI3K)、VX−680(標的オーロラキナーゼ)、Azd1152(標的オーロラキナーゼ)、Arry−142886/AZD−6244(標的MAP/MEK)、SCIO−469(標的MAP/MEK)、GW681323(標的MAP/MEK)、CC−401(標的JNK)、CEP−1347(標的JNK)、およびPD332991(標的CDK)を包含するがこれらに限定されない。
【0468】
組成物が特定の成分を有する、包含するまたは含むものとして記述されている場合、本明細書全体を通して、組成物は、列挙されている成分から本質的になるまたはそれらからなることも企図されている。同様に、プロセスが特定のプロセスステップを有する、包含するまたは含むものとして記述されている場合、プロセスも、列挙されているプロセシングステップから本質的になるまたはそれらからなる。さらに、ステップの順序またはある特定の行動を実施する順序は、本発明が動作可能なままである限り重要でないことを理解すべきである。その上、2以上のステップまたは行動が同時に行われてもよい。
【0469】
一局面において、本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩は、経口的に、鼻腔内に、経皮的に、経肺、吸入により、口腔内に、舌下に、腹腔内に、皮下に、筋肉内に、静脈内に、直腸内に、胸膜内に、くも膜下腔内におよび非経口的に投与される。いくつかの態様において、本発明の化合物は、経口的に投与される。当業者であれば、ある特定の投与ルートの利点を認識するであろう。
【0470】
本発明の化合物を利用する投薬計画は、患者の種類、種、年齢、体重、性別および医学的状態;治療される状態の重症度;投与ルート;患者の腎および肝機能;ならびに用いられる特定の化合物またはその塩を包含する様々な要因に従って選択される。通常の知識を有する医師または獣医であれば、状態の進行を予防し、それに対抗し、または阻止するために必要とされる薬物の有効量を容易に決定し、処方することができる。
【0471】
本発明の化合物の製剤化および投与のための技術は、Remington:the Science and Practice of Pharmacy、第19版、Mack Publishing Co.、Easton、PA(1995)において見ることができる。一局面において、本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩は、医薬調製物において薬学的に許容される担体または賦形剤と組み合わせて使用される。好適な薬学的に許容される担体は、不活性固体充填剤または賦形剤および滅菌水溶液または有機溶液を包含する。化合物は、そのような医薬組成物中に、本明細書において記述されている範囲内の所望の投薬量を提供するのに十分な量で存在することになる。
【0472】
いくつかの態様において、本発明の化合物は経口投与のために調製され、ここで、本発明の化合物またはその塩は、好適な固体または液体の担体または賦形剤と組み合わせられて、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、シロップ剤、液剤、懸濁剤等を形成する。
【0473】
錠剤、丸剤、カプセル剤等は、約1から約99重量パーセントの活性成分ならびに結合剤、たとえばトラガカントガム、アカシア、コーンスターチもしくはゼラチン等;賦形剤、たとえば第二リン酸カルシウム等;崩壊剤、たとえばコーンスターチ、ジャガイモデンプンもしくはアルギン酸等;滑沢剤、たとえばステアリン酸マグネシウム等;および/または甘味剤、たとえばスクロース、ラクトース、サッカリン、キシリトール等を含有する。投薬量単位形態がカプセル剤である場合、それは多くの場合、上記の種類の材料に加えて、液体担体、たとえば脂肪油等を含有する。
【0474】
いくつかの態様において、種々の他の材料は、コーティングとして、または投薬量単位の物理的形態を改質するために存在する。たとえば、いくつかの態様において、錠剤は、セラック、糖、または両方でコーティングされている。いくつかの態様において、シロップ剤またはエリキシル剤は、活性成分に加えて、スクロースを甘味剤として、メチルおよびプロピルパラベンを保存剤として、染料、および香味料、たとえばサクランボまたはオレンジ風味等を含有する。
【0475】
非経口投与に関係するいくつかの態様では、本発明の化合物を滅菌水溶液または有機媒質と組み合わせて、注射溶液または懸濁液を形成することができる。いくつかの態様において、注射用組成物は、等張水溶液または懸濁液である。組成物は、滅菌されていても、かつ/またはアジュバント、たとえば保存、安定化、湿潤もしくは乳化剤等、溶液プロモーター、浸透圧を調節するための塩、および/または緩衝剤を含有していてもよい。加えて、組成物は、他の治療的価値が高い物質を含有していてもよい。組成物は、従来の混合、造粒またはコーティング方法に従ってそれぞれ調製され、約0.1から75%を含有し、別の態様において、組成物は約1から50%の活性成分を含有する。
【0476】
たとえば、注射溶液は、溶媒、たとえばゴマもしくはラッカセイ油またはプロピレングリコール水溶液、および本発明の化合物の水溶性の薬学的に許容される塩の水溶液を使用して生成される。いくつかの態様において、分散液は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびそれらの油中混合物中において調製される。普通の貯蔵および使用条件下において、これらの調製物は、微生物の成長を予防するための保存剤を含有する。用語「非経口投与」および「非経口的に投与される」は、本明細書において使用される場合、通常は注射による腸内および局所投与以外の投与モードを意味し、静脈内、筋肉内、動脈内、くも膜下腔内、関節包内、眼窩内、心腔内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、髄腔内および胸骨内注射および注入を包含するがこれらに限定されない。
【0477】
直腸内投与では、好適な医薬組成物は、たとえば、局所調製物、坐剤または浣腸剤である。坐剤は、有利にも、脂肪エマルションまたは懸濁液から調製される。組成物は、滅菌されていても、かつ/またはアジュバント、たとえば保存、安定化、湿潤もしくは乳化剤等、溶液プロモーター、浸透圧を調節するための塩、および/または緩衝剤を包含していてもよい。加えて、組成物は、他の治療的価値が高い物質を含有していてもよい。組成物は、従来の混合、造粒またはコーティング方法に従ってそれぞれ調製され、約0.1から75%を含有し、別の態様において、組成物は約1から50%の活性成分を含有する。
【0478】
いくつかの態様において、本発明の化合物は、活性剤を、経肺投与、たとえば活性剤を含有するエアゾール製剤の、たとえば手動ポンプスプレー、ネブライザーまたは加圧定量吸入器からの投与によって送達するように製剤化される。いくつかの態様において、この種の好適な製剤は、他の作用物質、たとえば帯電防止剤等も、本発明の化合物を有効なエアゾールとして維持するために包含する。
【0479】
エアゾールを送達するための薬物送達デバイスは、記述されている通りの医薬エアゾール製剤を含有する絞り弁および缶を保持し薬物送達を可能にするように適合されたアクチュエータハウジング付きの好適なエアゾール缶を含む。薬物送達デバイスにおける缶は、缶の全体積の約15%超を表すヘッドスペースを有する。多くの場合、経肺投与が意図されているポリマーは、溶媒、界面活性剤および噴射剤の混合物中で、溶解、懸濁または乳化される。混合物は、加圧下、絞り弁で密閉された缶内に維持される。
【0480】
鼻腔投与には、固体または液体担体の何れかが使用され得る。固体担体は、たとえば、約20から約500ミクロンまでの範囲内の粒径を有する粗粉末を包含し、そのような製剤は、急速吸入により鼻孔を介して投与される。液体担体が使用されるいくつかの態様において、製剤は、鼻腔用スプレーまたは点滴薬として投与され、活性成分の油または水溶液を包含する。
【0481】
「フラッシュ用量」形態としても公知の、迅速に分散する剤形である製剤も企図されている。特に、本発明のいくつかの態様は、それらの活性成分を、短期間内、たとえば、典型的には約5分未満、別の態様において約90秒未満、別の態様において約30秒未満、別の態様において約10または15秒未満、放出する組成物として製剤化される。そのような製剤は、様々なルートを経由する、たとえば体腔への挿入または湿った体表面もしくは開放創への塗布による、対象への投与に好適である。
【0482】
典型的には、「フラッシュ投薬量」は、経口的に投与される固体剤形であり、これは口内で迅速に分散し、それ故、嚥下するのに多大な努力を必要とせず、口の粘膜を介して化合物を迅速に摂取または吸収させる。いくつかの態様において、好適な迅速に分散する剤形は、創傷および他の体の損傷の治療ならびに外部から供給された水分により医薬の放出が不可能な病的状態を包含する他の用途においても使用される。
【0483】
「フラッシュ用量」形態は、当技術分野において公知であり;たとえば、米国特許第5,578,322号および同第5,607,697号における発泡性単位剤形および不溶性微粒子の急速放出コーティング;米国特許第4,642,903号および同第5,631,023号におけるフリーズドライ泡状物および液体;米国特許第4,855,326号、同第5,380,473号および同第5,518,730号における剤形の融解紡糸;米国特許第6,471,992号における固体、遊離形態作製;米国特許第5,587,172号、同第5,616,344号、同第6,277,406号および同第5,622,719号におけるサッカリドベースの担体マトリックスおよび液体結合剤;ならびに当技術分野に公知の他の形態を参照されたい。
【0484】
本発明の化合物は、「パルス放出」製剤としても製剤化され、ここで、化合物は、医薬組成物から一連の放出(すなわち、パルス)で放出される。本発明の化合物は、「持続放出」製剤としても製剤化され、ここで、化合物は、医薬組成物から長期間にわたって連続的に放出される。
【0485】
環式もしくは非環式封入または溶媒和剤、たとえばシクロデキストリン、ポリエーテルまたは多糖(たとえば、メチルセルロース)、あるいは別の態様において、アルキルエーテルスペーサー基または多糖によって脂溶性の空洞(lipophilic cavity)から分離しているスルホン酸ナトリウム塩基を持つポリアニオン系β−シクロデキストリン誘導体を包含する製剤、たとえば液体製剤も企図されている。いくつかの態様において、作用物質はメチルセルロースである。別の態様において、作用物質は、ブチルエーテルスペーサー基によって脂溶性の空洞から分離されたスルホン酸ナトリウム塩を持つポリアニオン系β−シクロデキストリン誘導体、たとえば、CAPTISOL(登録商標)(CyDex Pharmaceuticals Inc.、Lenexa、KS)である。当業者であれば、水中作用物質の溶液、たとえば、40重量%溶液を調製し;連続希釈物を調製して、たとえば20%、10、5%、2.5%、0%(対照)等の溶液を作製し;過剰(作用物質によって可溶化され得る量と比較して)の化合物を添加し;適切な条件、たとえば、加熱、かき混ぜ、音波処理下等で混合し;得られた混合物を遠心分離または濾過して透明な溶液を取得し;溶液を化合物の濃度について分析することにより、好適な作用物質/化合物製剤比を評価することができる。
【0486】
本明細書において引用されているすべての刊行物および特許文書は、それぞれのそのような刊行物または文書が、具体的にかつ個々に参照により組み込まれると指示されているかの如く、参照により本明細書に組み込まれる。刊行物および特許文書の引用は、何れかが先行技術に関連のあるものであることの認可として意図されておらず、その内容または日付について何らかの承認を構成するものでもない。書面による明細によってここで記述された発明は、当業者であれば、本発明が様々な態様で実践され得ること、ならびに前述の記述および以下の例は例証を目的とするものであって次の請求項の限定ではないことを認識するであろう。
【0487】
[実施例]
例1:
本発明の化合物および関連誘導体は、当業者に公知の方法によって合成される。
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
【0488】
たとえば、式V−1による化合物は、後述する通りに合成することができる。一局面において、上記に示した式V−1の値:R3、R4、Y、X、R1およびR2は、式VIについて列挙した値に対応し:R3はRbであり、R4はRa1−Ra5であり、YはSであり、XはCHであり、R1およびR2はR2およびR3である。出発材料エチル4−アセチル−1H−ピロール−2−カルボキシレートは、市販の化合物エチル1H−ピロール−2−カルボキシレートから、公開されている手順(たとえば、Journal of the American Chemical Society、129(11)、3078〜3079;2007;Chemical&Pharmaceutical Bulletin、44(1)、48〜54;1996;Heterocycles、27(8)、1855〜60;1988を参照)に従い、塩化アシルをアシル化剤として使用して調製されてもよい。代替として、同じく市販の化合物である4−アセチル−1H−ピロール−2−カルボン酸(スキーム1)から出発して調製されてもよい。
【化48】
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【0489】
同様に、イミダゾール類似体は、市販のエチル1H−イミダゾール−2−カルボキシレートから出発して調製されてもよい(スキーム2)。
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
【0490】
次のステップは、公開されている手順(たとえば、Heterocycles、55(8)、1475〜1486;2001;Journal of Medicinal Chemistry、33(2)、543〜52;1990;欧州特許出願第259085号、1988年3月9日を参照)に従って、ピロールまたはイミダゾール窒素を保護すること、および次いでアセチル臭素化(スキーム3)である。
【化50】
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【0491】
代替として、上記の出発材料が2−ブロモアセチルブロミドとのアシル化反応を受けて、所望生成物を直接得てもよい(たとえば、スキーム4を参照)。
【化51】
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【0492】
次のステップにおいて、中間体エチル4−(2−ブロモアセチル)−1H−ピロール−2−カルボキシレートまたはそのイミダゾール類似体は、3−置換ベンゾチアゾール誘導体との縮合反応を受けて、チアゾール化合物[2]を得る(スキーム5)。
【化52】
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【0493】
スキーム5において使用されるチオアミド誘導体は、ローソン試薬によるニトリルからチオアミドへのBF3−エーテレート支援変換を使用して調製されてもよい(たとえば、Synthesis、(24)、4012〜4018;2008;Farmaco、54(8)、533〜541;1999を参照)(スキーム6)。
【化53】
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【0494】
代替として、中間体[1]と3−置換ベンズアミド誘導体との縮合により、オキサゾール化合物[3]を得る(スキーム7)(Letters in Drug Design&Discovery、6(1)、21〜28;2009;Journal of Heterocyclic Chemistry、18(5)、885〜8;1981)。
【化54】
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【0495】
スキーム8を参照すると、取得された中間体[3]は、両側におけるアミド化反応を受け、1つはエチルエステル部分上、2つめはニトロ基の還元後に取得されたアミン上でのものである。Wがヒドロキシルである場合、該中間体はアルキル化反応を受けてもよい。
【化55】
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【0496】
本明細書において記述されている合成において参照される化合物番号は、合成の記述を進める関連スキームにおいて示されている番号に対応することに留意されたい。
【0497】
例2:2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミドの合成:
2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(式VI−1)は、次の通りに合成した:
【化56】
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【化57】
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【表4】
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【0498】
1の合成
DCM(30mL)中のメチル1H−ピロール−2−カルボキシレートの溶液を、DCM(70mL)中のAlCl3および塩化クロロアセチルの撹拌混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加し、白色沈殿物形成をもたらした。添加が完了したら、混合物を還流させ、HPLCによってモニターした。2時間後、HPLC分析は90%変換を示し、反応を完了させるために、追加で25ミリモルの複合体を添加した。完全変換が観察されたら、反応物を100mLの水およびクラッシュアイスに注ぎ入れ、1時間撹拌した。有機相を収集し、生成物を(部分的に沈殿物として)多量のDCMに数回抽出した。有機画分を合わせ、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させて、白色固体生成物(6.85g、68%収率)を産出した。
【表5】
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【0499】
2の合成
ローソン試薬を、ジメトキシエタン−THF 2:1中の3−ニトロベンズアミドの撹拌混合物に添加した。反応物を50℃で2時間撹拌し、完了したら、重炭酸ナトリウムを添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物を、水およびクラッシュアイスの撹拌混合物(150mL)にゆっくり添加した。乳状混合物を沸騰するまで加熱し、次いで室温に冷却させておくと、黄色結晶(1.4g、77%収率)をもたらした。
【表6】
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【0500】
3の合成
試薬を酢酸中で撹拌し、加熱還流させて、透明な溶液、続いて沈殿物形成をもたらした。混合物を6〜8時間還流させた(出発材料の変換をHPLCによってモニターした)。溶媒を減圧下で除去し、残留物をDCMおよび水に溶かした。有機相を収集し、生成物を多量のDCMで(乏しい溶解性により)抽出した。有機相を蒸発させて、3.4g(69%)の緑色固体を産出した。
【表7】
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【0501】
4の合成
NaOHを、2:1 ジオキサン−H2O中のエステルの混合物に添加した。混合物を70〜80℃に加熱し、その間に暗色溶液が形成される。反応が完了したら、有機溶媒を蒸発させ、残留物を、濃塩酸を使用して酸性化した。生成物を酢酸エチルに抽出し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させて、黄緑色粉末(2.9g、92%収率)を産出した。
【表8】
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【0502】
5の合成:
トリエチルアミンを、アセトニトリル中の酸および活性化剤の混合物に添加して、透明な溶液をもたらした。成分を室温で撹拌し、活性エステル形成をHPLCによってモニターした。次いで、ピロリジンを添加し、アミドの即時形成が観察された。追加分のピロリジンを、活性エステルの完全変換が観察されるまで添加した。次いで、溶媒を減圧下で除去し、クロロホルムを添加し、混合物を飽和重炭酸塩溶液で3回洗浄した。有機溶媒を蒸発させて、緑色粉末(2g、73%)を産出した。
【表9】
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【0503】
6の合成:
出発ニトロ化合物を、THFに溶解した。触媒を添加し、混合物を水素雰囲気に終夜供した。触媒をセライト上での濾過によって除去し、溶媒を蒸発させて、白色泡状物(1.8g、定量的収率)を産出した。
【表10】
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【0504】
7の合成:
THF中塩化クロロアセチルの溶液(30mL)を、THF中アニリンおよびトリエチルアミンの溶液(50mL)中の出発材料に、氷浴上で冷却しながら滴下添加した。反応混合物を1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物をそのまま次のステップにおいて使用した。
【0505】
8の合成:
ジオキサンを油性残留物に、モルホリンおよびトリエチルアミンとともに添加した。混合物を2〜3時間撹拌した。反応が完了したら、溶媒を減圧下で除去した。残留物を沸騰しているEtOAcに溶かし、飽和重炭酸塩溶液で洗浄し、有機相を蒸発させて、橙色固体(1.5g、90%純度)を産出し、これをフラッシュクロマトグラフィー(PE−THF勾配)によってさらに精製して、280mg(11.1%)の純粋生成物を産出した。
【0506】
代替として、2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(式VI)は、次の通りに合成した:
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
【化59】
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【表11】
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【0507】
手順
DCM(80mL)中のメチル1H−ピロール−2−カルボキシレート(6.25g、50ミリモル)の溶液を、DCM(50mL)中のAlCl3(16.67g、125ミリモル)および塩化クロロアセチル(10mL、125ミリモル)の撹拌混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加して、白沈殿物形成をもたらした。添加が完了したら、混合物を還流させ、HPLCによってモニターした。完全変換が観察されたら、反応物を水およびクラッシュアイス(300mL)の混合物に注ぎ入れ、有機相がなくなるまで撹拌した。生成物をEAに抽出し、飽和重炭酸塩溶液で3回洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、灰色固体(9g、90%収率)を産出した。
【表12】
[この文献は図面を表示できません]
【0508】
手順
ローソン試薬を、ジメトキシエタン−THF(2:1)中の3−ニトロベンズアミドの撹拌混合物に添加した。反応物を50℃で2時間撹拌し、完了したら、重炭酸ナトリウムを添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物を、水およびクラッシュアイスの撹拌混合物(300mL)にゆっくり添加した。乳状混合物を沸騰するまで加熱し、次いで室温に冷却させておくと、黄色結晶(2.8g、77%収率)をもたらした。
【表13】
[この文献は図面を表示できません]
【0509】
手順
試薬を酢酸中で撹拌し、加熱還流して、透明な溶液、続いて沈殿物形成をもたらした。混合物を3〜5時間還流させた(出発材料の変換をHPLCによってモニターした)。混合物を室温に冷却し、固体を濾過によって収集し、氷水(80mL)で洗浄し、風乾させ、次いで真空乾燥させた。(90%からし色粉末)。
【表14】
[この文献は図面を表示できません]
【0510】
手順
NaOHを、ジオキサン−H2O(2:1)中のエステルの混合物に添加した。混合物を70〜80℃に加熱し、その間に暗色溶液が形成される。反応が完了したら、有機溶媒を蒸発させ、残留物を、濃塩酸を使用して酸性化した。生成物を酢酸エチルに抽出し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させて、黄緑色粉末(5.8g、92%収率)を産出した。
【表15】
[この文献は図面を表示できません]
【0511】
手順
トリエチルアミンを、アセトニトリル−ジオキサン混合物中の酸の混合物に添加して、透明な溶液をもたらした。次いで、活性化剤を添加し、成分を室温で撹拌した。活性エステル形成をHPLCによってモニターし、少量分の活性化剤を、90〜95%変換の時点まで添加した。次いで、ピロリジンを添加し、アミドの即時形成(沈殿物)が観察された。追加分のピロリジンを、活性エステルの完全変換が観察されるまで添加した。固体を濾過によって収集し、水(70mL)で洗浄し、真空乾燥させた(2g、73%)。
【表16】
[この文献は図面を表示できません]
【0512】
手順
ニトロ化合物を、沸騰しているTHFに溶解した。触媒を添加し、混合物を水素雰囲気に終夜供した。触媒をセライト上での濾過によって除去し、溶媒を蒸発させて、白色泡状物(1.8g、定量的収率)を産出した。
【表17】
[この文献は図面を表示できません]
【0513】
7の合成
DCM中塩化クロロアセチルの溶液(30mL)を、DCM中アニリンおよびトリエチルアミン(50mL)の混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加した。(混合物は添加時に透明な溶液に変わる)反応混合物を1時間撹拌した。(追加分の塩化クロロアセチルは必要に応じて添加する)。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物をそのまま次のステップにおいて使用した。
【0514】
8の合成
ジオキサンを油性残留物に、モルホリンおよびトリエチルアミンとともに添加した。混合物を2〜3時間激しく還流させた(反応完了が必要ならばモルホリンを添加する)。反応が完了したら、加熱を停止し、ノーリットを添加し、混合物を30分間撹拌した。固体を濾過によって除去し、溶媒を減圧下で除去した。油性残留物をEtOHから結晶化させた(2g、80%)。HPLC−99%純度。LCMS−(ES+)計算値465.58、実測値466.56(MH+)。
【0515】
例3A:JAK3酵素活性アッセイ
数種の化合物による1%DMSO中JAK3の阻害を、Z’−LYTE(登録商標)生化学的キナーゼアッセイ(Invitrogen、Madison、WI)を使用して決定した。アッセイは、時間依存性阻害についてアッセイすることができるように、キナーゼ反応前に4℃で2時間プレインキュベートしたことを除き、メーカーのプロトコールに従って実施した。
【0516】
化合物に加えて、各10μLのJAK3キナーゼ反応物は、50mMのHEPES(pH7.5)、0.01%のBRIJ−35、10mMのMgCl2および1mMのEGTA中に、0.43〜1.89ngのJAK3および2μMのペプチド基質を含有していた。キナーゼ反応を1時間進めた。本発明のJAK3活性無細胞(4℃で2時間プレインキュベーション)化合物についてのKiを、以下の表1(第3列)において提示する。データが提示されており、ここで、文字「A」は0.0000001μM乃至1μMのKiを有する化合物を意味し、文字「B」は1.1μM乃至10μMのKiを有する化合物を意味し、文字「C」は10μMより大きいKiを有する化合物を意味する。
【0517】
本発明の化合物の細胞ベースのJAK3経路阻害についてのIC50も、以下の表1(第4列)において提示する。本発明の化合物の細胞ベースのJAK3経路阻害についてのIC50は、次の通りに決定した:STAT6−bla RA1細胞を解凍し、アッセイ培地(OPTI−MEM、0.5%の透析FBS、0.1mMのNEAA、1mMのピルビン酸ナトリウム、100U/mL/100μg/mLのペニシリン/ストレプトマイシン、および550ng/mLのCD40L)に、781,250細胞/mLの濃度まで再懸濁した。32μLの細胞懸濁液(25,000細胞)を、384ウェルTC処理アッセイプレートの各ウェルに添加した。アッセイ培地中の細胞を、プレート中、37℃/5%CO2、加湿インキュベーター内で16〜24時間インキュベートした。4μLの本発明の化合物の10×連続希釈物を、プレートの適切なウェルに添加し、37℃/5%CO2、加湿インキュベーター内で細胞とともに30分間プレインキュベートした。4μLの予め決定されたEC80濃度の10×対照活性化剤IL−4を、本発明の化合物を含有するウェルに添加した。プレートを、37℃/5%CO2、加湿インキュベーター内で5時間インキュベートした。8μLの1μM基質ローディング溶液を各ウェルに添加し、プレートを室温で2時間インキュベートした。プレートを蛍光プレートリーダーで読み取った。
【0518】
データが提示されており、ここで、文字「E」は、0.0000001μM乃至0.1μMのIC50を有する化合物を意味し、文字「F」は、0.11μM乃至1.0μMのIC50を有する化合物を意味し、文字「G」は、1.1μM乃至10μMのIC50を有する化合物を意味し、文字「H」は、10μMより大きいIC50を有する化合物を意味する。
【0519】
当業者には、化合物が他のチロシンキナーゼに対して評価され得ること、およびデータの提示は例証的なものであり、本発明の範囲を限定することは全く意図されていないことが認識されるであろう。本発明の化合物は、増進することが所望される性能活性に応じて、広範なチロシンキナーゼに対してアッセイされ得る。さらに、文字「A」、「B」、「C」、「E」、「F」、「G」および「H」も例証的なものであり、本発明の範囲を限定することは全く意図されていない。たとえば、記号「C」は、化合物が必ずしも活性または有用性を欠いているとは限らず、むしろ指示されているチロシンキナーゼに対するそのKi値が10μMより大きいことを指示することになっている。
【0520】
例3B:B細胞受容体NFAT−bla RA1阻害活性アッセイ
数種の化合物によるB細胞受容体NFAT−bla RA1(ヤギ抗ヒトIgMによって活性化されたものであり、これは、SYKシグナリング経路を刺激する)の阻害を、スクリーニングプロトコールおよびアッセイ条件(Invitrogen、Madison、WI)を使用して決定した。アッセイは、メーカーのプロトコールに従って実施した。詳細については、例4、Ramos細胞における細胞株特異的プロトコールB細胞受容体活性を参照されたい。
【0521】
本発明の化合物のB細胞受容体NFAT−bla RA1阻害についてのIC50を、以下の表1(第6列)において提示する。
【0522】
データが提示されており、ここで、文字「I」は、0.0000001μM乃至0.1μMのIC50を有する化合物を意味し、文字「J」は、0.11μM乃至1.0μMのIC50を有する化合物を意味し、文字「K」は、1.1μM乃至10μMのIC50を有する化合物を意味し、文字「L」は、10μMを超えるIC50を有する化合物を意味する。文字「I」、「J」、「K」および「L」も例証的なものであり、本発明の範囲を限定することは全く意図されていない。
【0523】
例3C:インターロイキン4/STAT6−STAT6−bla RA1阻害活性アッセイ
数種の化合物によるインターロイキン4/STAT6−STAT6−bla RA1(IL−4によって活性化されたもの)の阻害を、スクリーニングプロトコールおよびアッセイ条件(Invitrogen、Madison、WI)を使用して決定した。アッセイは、メーカーのプロトコールに従って実施した。詳細については、例4、Ramos細胞における細胞株特異的プロトコールIL−4刺激STAT6活性。本発明の化合物のインターロイキン4/STAT6−STAT6−bla RA1阻害についてのIC50を、以下の表1(第7列)において提示する。
【0524】
データが提示されており、ここで、文字「M」は、0.0000001μM乃至0.1μMのIC50を有する化合物を意味し、文字「N」は、0.11μM乃至1.0μMのIC50を有する化合物を意味し、文字「O」は、1.1μM乃至10μMのIC50を有する化合物を意味し、文字「P」は、10μMより大きいIC50を有する化合物を意味する。文字「M」、「N」、「O」および「P」も例証的なものであり、本発明の範囲を限定することは全く意図されていない。
【表18-1】
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【表18-2】
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【表18-3】
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【表18-4】
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【表18-5】
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【表18-6】
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【表18-7】
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【0525】
例4:インビトロ細胞アッセイ
この例は、様々な細胞株の細胞増殖を阻害する、および数種のシグナル伝達経路を阻害する、本発明の化合物の能力を測定するためのアッセイについて記述するものである。
【0526】
機構ベースのアッセイプロトコール
一般的プロトコール
化合物7Aを使用する機構ベースの阻害アッセイ(表1)は、GeneBLAzer(登録商標)テクノロジー(Invitrogen Corporation)を使用し、メーカーの仕様書に従って実施した。簡潔に述べると、GeneBLAzer(登録商標)テクノロジーは、哺乳類向けに最適化されたベータ−ラクタマーゼレポーター遺伝子(bla)をFRET可能な基質と組み合わせて使用して、無傷細胞における確実かつ高感度な検出を提供するものである。細胞に、2つのフルオロフォア、クマリンおよびフルオレセインを含有する人工蛍光基質をロードした。bla発現はなく、基質分子は無傷のままである。この状態において、クマリンの励起は、フルオレセイン部分への蛍光共鳴エネルギー移動および緑色光の放射をもたらす。しかし、blaが発現されている場合、基質は開裂され、フルオロフォアは分離され、エネルギー移動は妨害される。ベータ−ラクタマーゼ活性の存在下におけるクマリンの励起は、青色蛍光シグナルをもたらす。得られたクマリン:フルオレセイン比は、正規化されたレポーター応答を提供し、これは、根本にある関心対象の生物学的応答をマスクし得る実験のノイズを最小化することができる。さらに具体的な詳細を以下に提供する。
【0527】
一般的な活性化剤アッセイプロトコール
1. アッセイ培地中で適切な細胞密度に希釈した32μLの細胞を、アッセイプレートに添加した。必要ならば、細胞を37℃/5%CO2で6または16〜24時間(細胞株特異性に応じて)インキュベートした後、化合物を添加した。
【0528】
2. 40nLの1000×化合物または公知の活性化剤滴定+4μLのアッセイ培地を、アッセイプレート中の細胞に添加した。
【0529】
3. 4μLのアッセイ培地をすべてのウェルに添加して、最終アッセイ体積を40μLにした。
【0530】
4. アッセイプレートを、37℃/5%CO2、加湿インキュベーター内で5または16時間(細胞株特異性に応じて)インキュベートした。
【0531】
5. 8μLの基質ローディング溶液をアッセイプレートに添加した。
【0532】
6. アッセイプレートを、室温、暗所で2時間インキュベートした。
【0533】
7. アッセイプレートを蛍光プレートリーダー(Tecan Safire2)で読み取り、データを分析した。
【0534】
一般的な阻害剤アッセイプロトコール
活性化剤アッセイスクリーニングを実行して、ステップ3において添加するための公知の活性化剤のEC80濃度を取得した。
【0535】
1. アッセイ培地中で適切な細胞密度に希釈した32μLの細胞を、アッセイプレートに添加した。必要ならば、細胞を37℃/5%CO2で6または16〜24時間(細胞株特異性に応じて)インキュベートした後、化合物を添加した。
【0536】
2. 40nLの1000×化合物または公知の阻害剤滴定+4μLのアッセイ培地を、アッセイプレート中の細胞に添加し、37℃/5%CO2、加湿インキュベーター内で30分間インキュベートした。
【0537】
3. 活性化剤アッセイにおいて決定された通りの、4μLのEC80濃度の活性化剤を、化合物および公知の阻害剤を含有するすべてのウェルに添加して、最終アッセイ体積を40μLにした。
【0538】
4. 4μLのアッセイ培地を残りの対照ウェルに添加して、体積を最大40μLにした。
【0539】
5. アッセイプレートを、37℃/5%CO2、加湿インキュベーター内で5または16時間(細胞株特異性に応じて)インキュベートした。
【0540】
6. 8μLの基質ローディング溶液をアッセイプレートに添加した。
【0541】
7. アッセイプレートを、室温、暗所で2時間インキュベートした。
【0542】
8. アッセイプレートを蛍光プレートリーダー(Tecan Safire)で読み取り、データを分析した。
【0543】
細胞株特異的プロトコール
Ramos細胞におけるIL−4刺激STAT6活性
STAT6−bla RA1細胞を解凍した。32μLの細胞懸濁液を、384ウェルTC処理アッセイプレートの各ウェルに添加した。アッセイ培地中の細胞を、プレート中、37℃/5%CO2、加湿インキュベーター内で16〜24時間インキュベートした。4μLの、JAK阻害剤I(対照阻害剤出発濃度、10,000nM)または化合物の10×連続希釈物を、プレートの適切なウェルに添加し、37℃/5%CO2、加湿インキュベーター内で細胞とともに30分間プレインキュベートした。4μLの予め決定されたEC80濃度の10×対照活性化剤IL−4を、対照阻害剤または化合物を含有するウェルに添加した。プレートを、37℃/5%CO2、加湿インキュベーター内で5時間インキュベートした。8μLの1μM基質ローディング溶液を各ウェルに添加し、プレートを室温で2時間インキュベートした。プレートを蛍光プレートリーダーで読み取った。
【0544】
Ramos細胞におけるB細胞受容体活性
NFAT−bla RA1細胞を解凍した。4μLの、Syk阻害剤II(対照阻害剤出発濃度、10,000nM)または化合物の10×連続希釈物を、ポリ−D−リジンアッセイプレートの適切なウェルに添加した。32μLの細胞懸濁液をウェルに添加し、37℃/5%CO2、加湿インキュベーター内、化合物および対照阻害剤滴定とともに30分間プレインキュベートした。4μLの予め決定されたEC80濃度の10×対照活性化剤ヤギ抗ヒトIgMを、対照阻害剤または化合物を含有するウェルに添加した。プレートを、37℃/5%CO2、加湿インキュベーター内で5時間インキュベートした。8μLの1μM基質ローディング溶液を各ウェルに添加し、プレートを室温で2時間インキュベートした。プレートを蛍光プレートリーダーで読み取った。
【0545】
CTLL−2細胞におけるIL−2刺激STAT5活性
Irf1−bla CTLL−2細胞を解凍し、活性化剤スクリーニングについて上述した通りに調製した。32μLの細胞懸濁液を、384ウェルTC処理アッセイプレートの各ウェルに添加した。アッセイ培地中の細胞を、プレート中、37℃/5%CO2、加湿インキュベーター内で16〜24時間インキュベートした。4μLの、JAK阻害剤I(対照阻害剤出発濃度、1,000nM)または化合物の10×連続希釈物を、プレートの適切なウェルに添加し、37℃/5%CO2、加湿インキュベーター内で細胞とともに30分間プレインキュベートした。4μLの予め決定されたEC80濃度の10×対照活性化剤EPOを、対照阻害剤または化合物を含有するウェルに添加した。プレートを、37℃/5%CO2、加湿インキュベーター内で5時間インキュベートした。8μLの1μM基質ローディング溶液を各ウェルに添加し、プレートを室温で2時間インキュベートした。プレートを蛍光プレートリーダーで読み取った。
【0546】
NFkB−NFkB−bla THP−1−活性化剤スクリーニング
NFkB−bla THP−1細胞を解凍し、アッセイ培地(RPMI、10%の透析FBS、0.1mMのNEAA、1mMのピルビン酸ナトリウム、100U/mL/100μg/mLのペニシリン/ストレプトマイシン)に、625,000細胞/mLの濃度まで再懸濁した。32μLの細胞懸濁液(20,000細胞)を、384ウェルTC処理アッセイプレートの各ウェルに添加した。アッセイ培地中の細胞を、プレート中、37℃/5%CO2、加湿インキュベーター内で16〜24時間インキュベートした。4μLの、TNF−アルファ(対照活性化剤出発濃度、1nM)または化合物の10×連続希釈物を、プレートの適切なウェルに添加した。4μLのアッセイ培地をすべてのウェルに添加して、最終アッセイ体積を40μLにした。プレートを、37℃/5%CO2、加湿インキュベーター内で5時間インキュベートした。8μLの1μM基質ローディング溶液を各ウェルに添加し、プレートを室温で2時間インキュベートした。プレートを蛍光プレートリーダーで読み取った。
【0547】
NFkB/Ramos
細胞を、アッセイ前日に播種した。必要とされる培地は、下記を包含するものであった:
【表19】
[この文献は図面を表示できません]
【0548】
1. 細胞を成長培地中の培養物から収穫し、アッセイ培地に1.6×106細胞/mlの密度で再懸濁した。
【0549】
2. ウェル当たり32μlのアッセイ培地を、無細胞対照ウェルに添加した。ウェル当たり32μlの細胞懸濁液を、無刺激および刺激ウェルに添加した。
【0550】
3. 播種した後、プレートを、37℃/5%CO2インキュベーター内で16〜20時間インキュベートした。
【0551】
DMSO溶液の調製:
溶液は、アッセイ培地中5%DMSO溶液(10×)のものを調製した。
【0552】
ストック溶液の調製:
溶液は、アッセイ培地中10×TNFα溶液のものを調製した。用量応答曲線を実行して、刺激溶液のEC80を決定することが推奨される。
【0553】
細胞刺激
1. 4μlの10×DMSO溶液を各ウェルに添加した。
【0554】
2. 4μlのアッセイ培地を、無刺激ウェルおよび無細胞ウェルに添加した。
【0555】
3. 4μlの10×TNFαを、刺激ウェルに添加した。
【0556】
4. アッセイプレートを、加湿37℃/5%CO2インキュベーター内で5時間インキュベートした。
【0557】
基質ローディングおよびインキュベーション
このプロトコールは、細胞にLiveBLAzer(商標)−FRET B/G基質(CCF4−AM)またはCCF2−AMをロードするために設計されている。代替的な基質を使用するならば、基質に備わっているローディングプロトコールに準拠することが推奨される。6×LiveBLAzer(商標)−FRET B/G基質(CCF4−AM)またはCCF2−AM混合物を調製し、細胞ローディングは直接的な強い照明の非存在下で行った。
【0558】
1. 溶液Aを調製した:乾燥DMSO中の1mMのLiveBLAzer(商標)−FRET B/G基質(CCF2−AM、分子量=1096)ストック溶液。ストック溶液のアリコートを使用するまで−20℃で貯蔵した。
【0559】
2. 6×Live BLAzer(商標)−FRET B/G(CCF4−AM)基質混合物の調製は、次の通りに行った:
6μlの溶液Aを60μlの溶液Bに添加し、ボルテックスをかけた。
【0560】
934μlの溶液Cを上記ステップからの混合溶液に添加し、ボルテックスをかけた。
【0561】
3. アッセイプレートを、加湿37℃/5%CO2インキュベーターから取り出した。
【0562】
4. 8μlのステップ2からの6×基質混合物を各ウェルに添加した。
【0563】
5. プレートを覆って光および蒸発から保護した。
【0564】
6. 室温で2.5時間インキュベートした。
【0565】
上記プロトコールにおいて使用した細胞の詳細な成長条件
解凍方法
1. ブラストサイジンを加えていない14mlの成長培地をT75フラスコに入れた。
【0566】
2. フラスコを加湿37℃/5%CO2インキュベーターに15分間入れ、培地を適正なpHおよび温度に平衡化した。
【0567】
3. 解凍する細胞のバイアルを液体窒素から取り出し、37℃の水浴に入れて1〜2分間穏やかにかき混ぜることによって、急速に解凍した。
【0568】
4. バイアルを70%エタノールで拭くことによって浄化した後、クラスII生物学的安全キャビネット内で開けた。
【0569】
5. バイアル内容物を、滅菌15ml円錐管内、ブラストサイジンを加えていない10mlの成長培地に滴下して移した。
【0570】
6. 細胞を、200×gで5分間遠心分離した。
【0571】
7. 上清を吸引し、細胞ペレットを、ブラストサイジンを加えていない1mlの新鮮な成長培地に再懸濁した。
【0572】
8. 内容物を、ブラストサイジンを加えていない予め平衡化した成長培地を含有するT75組織培養フラスコに移し、フラスコを加湿37℃/5%CO2インキュベーターに入れた。
【0573】
9. 初代継代で、ブラストサイジンを加えた成長培地への切り替えを行った。
【0574】
繁殖方法
1. 細胞を少なくとも週に2回継代または栄養補給した。細胞を2×105乃至1×106細胞/mlの細胞密度に維持した。
【0575】
2. 細胞を継代するために、所望の量の細胞懸濁液を遠心分離し、新鮮な成長培地中に200,000細胞/mlで再懸濁した。
【0576】
凍結方法
1. 細胞を、項7.2において記述した通りに収穫した。細胞をカウントし、次いで細胞を沈降させ、4℃の凍結培地に5×106細胞/mlで再懸濁した。
【0577】
2. 1.0mlのアリコートを極低温バイアルに分注した。
【0578】
3. アリコートを徐冷のために絶縁容器に入れ、−80℃で終夜貯蔵した。
【0579】
4. 貯蔵の翌日、液体窒素に移した。
【0580】
JAK2/STAT5−irf1−bla TF1−活性化剤スクリーニング
irf1−bla TF1細胞を解凍し、アッセイ培地(OPTI−MEM、0.5%の透析FBS、0.1mMのNEAA、1mMのピルビン酸ナトリウム、100U/mL/100μg/mLのペニシリン/ストレプトマイシン)に、1,562,500細胞/mLの濃度まで再懸濁した。32μLの細胞懸濁液(50,000細胞)を、384ウェルTC処理アッセイプレートの各ウェルに添加した。アッセイ培地中の細胞を、プレート中、37℃/5%CO2、加湿インキュベーター内で16〜24時間インキュベートした。4μLの、EPO(対照活性化剤出発濃度、10nM)または化合物の10×連続希釈物を、プレートの適切なウェルに添加した。4μLのアッセイ培地をすべてのウェルに添加して、最終アッセイ体積を40μLにした。プレートを、37℃/5%/CO2、加湿インキュベーター内で5時間インキュベートした。8μLの1μM基質ローディング溶液を各ウェルに添加し、プレートを室温で2時間インキュベートした。プレートを蛍光プレートリーダーで読み取った。
【0581】
PBMCのIL−2刺激増殖
新鮮な血液採取およびPBMC分離アッセイ
1. 3人のドナーを使用して、十分な血液試料を収集した。新鮮な血液をヘパリンナトリウム管中に貯蔵した。
【0582】
2. 血液を50mlの遠心管に移した。15mlの血液を管に入れた。
【0583】
3. 同じ体積のDPBSを血液管に添加し、穏やかに混合した。
【0584】
4. ピペットを使用して10mlのフィコールをゆっくり底に沈めた(2相を乱さないように慎重に)。
【0585】
5. 800g、室温で30分間間断なく遠心分離した。
【0586】
6. 軟膜(PBMCを含有する)を、血清とフィコールとの界面で吸引した。PBMCを十分なDPBSによって洗浄し、900gで遠心分離して、フィコールを除去した。
【0587】
7. RPMI−1640培地を、収集されたPBMCに添加し、PBMCの濃度をカウントした。少なくとも100万のPBMCを1mlの血液から分離した。
【0588】
Cell Titer GlowアッセイによるPBMCのIL−2誘発性増殖
1. PBMC数をカウントし、細胞密度を1.0*10^6/mlに調整した。
【0589】
2. 細胞を完全RPMIに、PHA(フィトヘムアグルチニン、10ug/ml)の存在下で播種した。
【0590】
3. 100μlの細胞懸濁液を96ウェルプレート(白色)に、計画されたプレートマップに従って添加した。そのため、各ウェル中に1.0*10^5細胞があった。3日間培養した。
【0591】
4. 培地を完全RPMI+IL−2、100単位/mlおよび化合物に置きかえ、たとえば、化合物をIL−2インキュベーションステップにおいてのみ添加した。2日間培養した。
【0592】
5. IL−2をウェルに、計画されたプレートマップに従って添加することにより、プラス/マイナス刺激を行った。
【0593】
6. プレートを、37℃、CO2細胞インキュベーター内で2日間インキュベートした。96ウェルプレートの外側のウェルを、5日間を超える培養で頻繁に乾燥させた。外側のウェルが滅菌水またはPBSで満たされることができるようにプレートを設定することが好ましい。
【0594】
7. 終点で、プレートを室温におよそ30分間平衡化した。
【0595】
8. 100μlのCellTiter−Glo試薬をプレートの各ウェルに添加した。
【0596】
9. 内容物を2分間、オービタルシェーカー上で混合して、細胞融解を誘発した。
【0597】
10. プレートを室温で10分間インキュベートさせて、ルミネッセンスシグナルを安定化した。
【0598】
11. ルミネッセンスをフレックスステーション3で記録し、データをエクスポートする。
【0599】
RS4;11、Ramos、Namalwa、RL、Molt−4およびDaudi細胞の増殖
ヒト腫瘍細胞株、RS4;11およびDaudiに対する成長阻害活性を、PromegaのCell Titer−Glo(登録商標)アッセイを使用して決定した。ヒト腫瘍細胞を、96ウェルマイクロ培養プレート(Costar白色、平底3917番)に、90μL/ウェルの全体積で入れた。加湿インキュベーター内、37℃、5%CO2および95%空気で24時間インキュベーション後、10μLの、成長培地中の連続希釈した検査薬を各ウェルに添加した。CO2インキュベーター内で合計96時間の培養後、播種した細胞およびCell Titer−Glo(登録商標)(Promega G7571番)試薬を室温にして、30分間平衡化した。100μLのCell Titer−Glo(登録商標)試薬を各ウェルに添加した。プレートを2分間振とうし、次いで10分間平衡化しておいた後、ルミネッセンスをTecanジェニオスマイクロプレートリーダーで読み取った。
【0600】
細胞成長のパーセント阻害を、未処理対照ウェルと比べて算出した。すべての試験を各濃度レベルにおいて2連で実施した。検査薬のIC50値は、プリズム3.03を使用し、下記の4パラメーターロジスティック方程式:
【数1】
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【0601】
を使用してデータを曲線当てはめすることにより、推定した[式中、トップは対照吸光度の最大%であり、ボトムは最高作用物質濃度における対照吸光度の最小%であり、Yは対照吸光度の%であり、Xは作用物質濃度であり、IC50は細胞成長を対照細胞と比較して50%阻害する作用物質の濃度であり、nは曲線の傾斜である]。
【0602】
NALM−6細胞の増殖
ヒトB細胞前駆体白血病腫瘍細胞株NALM−6の細胞増殖を、細胞増殖指数アッセイによって測定した。このアッセイは、細胞分裂と直接的に関係している蛍光膜マーカーの希釈率に基づくものであった。簡潔に述べると、アッセイは、細胞に非毒性蛍光リン脂質類似体をロードした後で播種することによって実施された。プローブは、原形質膜に安定に挿入し、分裂後、娘細胞間に分配された。蛍光プローブのフローサイトメトリー分析は、細胞のローディングの直後および96時間の培養後に実施された。単一細胞レベルの蛍光プローブの希釈率は、細胞分裂の数と直接的に相関していた。すべての実験は3連で実施した。
【0603】
細胞的事象の検出は、96ウェルプレート中、自動フローサイトメトリーによる72時間の処理後に3連で実施した。非線形回帰は、GraphPadプリズム4.01ソフトウェアを用いて実施した。
【0604】
実験の経時変化は次の通りであった:
細胞を予め解凍し、標準的な培養条件(37℃、5%CO2)で増幅した。NALM−6細胞を、RPMI1640+10%不活性化ウシ胎仔血清中で栽培した。
【0605】
0日目:細胞を、その後の増殖測定のために標識化し、96ウェル培養プレート中に8000細胞/ウェルで、標準的な培養条件に準拠して播種した。
【0606】
1日目:24時間の培養後、細胞をスタウロスポリン(抗増殖性参照化合物)により用量応答(ゼロを包含する8つの濃度)で;および6つの化合物により用量応答(ゼロを包含する8つの濃度)で処理した。
【0607】
4日目:72時間の処理後、細胞を自動フローサイトメトリーによって分析した。
【0608】
結果
化合物7Aを使用する機構ベースおよび細胞増殖ベースのアッセイの結果を、以下の表にまとめる。表2において、*より低い無細胞の効力は、「非I型」阻害によるものである。
【表20】
[この文献は図面を表示できません]
【表21】
[この文献は図面を表示できません]
【0609】
例5:薬理学的プロフィール
一局面において、本発明の化合物は経口的に投与される。たとえば、化合物7Aの薬理学的プロフィールを以下の表5において示す。これは経口臨床的な開発候補についての基準を満たすものである。
【表22】
[この文献は図面を表示できません]
【0610】
例6:安全性
本発明の化合物は、投与に安全である。たとえば、優れた安全性データは、6から8週齢のメスICRヌードマウスに経口投与された、100mg/kgおよび300mg/kgの化合物7Aでの6日間の最大耐量研究において取得された。化合物7を投与した動物は、死亡率も、体重減少も、飼料消費の変化も、臨床観察における異常も示さず、剖検は正常(内部および外部)であった。図1は、研究の間の体重変化を示し、以下の表6は、研究の1日目および6日における個々の飼料消費をグラムで示すものである。
【表23】
[この文献は図面を表示できません]
【0611】
例7:B細胞リンパ腫によるインビボ異種移植片研究
本発明の化合物の抗腫瘍効果は、インビボで評価することができる。たとえば、化合物7Aの抗腫瘍効果は、B細胞リンパ腫(Daudi細胞株)によるマウス異種移植片研究を使用して決定した。マウス(n=全部で8匹)に、化合物7Aを28日間にわたって投与した。化合物は、100mg/kgで腹腔内に1日1回および300mg/kgで経口的に1日1回投薬した。腫瘍体積を経時的に測定した。
【0612】
Daudi細胞株培養物は、Daudi細胞株(ATCC、USA)、RPMI1640培地(Invitrogen、USA)およびFBS(Invitrogen、Australia)を使用して調製した。メスBalb/cヌードマウス(Slac Laboratory Animal Co.,Ltd.、Shanghai、China)に3日間の順化期間を与えた後、マウスの右脇腹に、200μlの50%マトリゲル中10×106Daudi細胞を皮下に(s.c.)埋め込んだ。腫瘍が100〜200mm3の平均体積に達したら、担腫瘍マウスを無作為に8つの群に割り当てた後、10ml/kgのビヒクルまたは化合物7Aを28日間投薬した。処置中、化合物7Aの懸濁液を、0.5%CMC(Sigma、USA)および1%ツイン80(Sigma、USA)中で毎日新たに作製した。
【0613】
投薬する毎にマウスを秤量し、毎日記録した。腫瘍サイズは、キャリパーを使用して隔日に二次元で測定し、体積は、式:V=0.5a×b2[式中、aおよびbはそれぞれ腫瘍の長短直径である]を使用してmm3で表現した。実験終点において、マウスをCO2暴露によって最終投薬の翌日に安楽死させた。腫瘍体積、解離した腫瘍の重量およびマウスの体重を測定し、記録した。腫瘍を撮影し、次いで未来のアッセイのために−80℃で保存した。
【0614】
処置およびビヒクル群における腫瘍体積の平均値の差異は、対数変換後の各時点における一元ANOVA検定を使用して有意性について分析した。処置およびビヒクル群における腫瘍重量の平均値の差異は、t検定を使用して有意性について分析した。両方の分析において、Pが0.05未満であれば統計的に有意とみなした。
【0615】
100mg/kgの腹腔内1日1回で処置したマウスは89%の腫瘍成長阻害を示し、300mg/kgの経口1日1回で処置したマウスは87%の腫瘍成長阻害を示した。この研究の結果を図2および3に示す。図2は腫瘍体積の変化を示す。図3Aおよび3Bは腫瘍サイズおよび重量を比較し、図3Cは体重の変化を比較するものである。
【0616】
例8 インビボCIAモデル
本発明の化合物を、マウスコラーゲン誘発性関節炎(CIA)モデルにおいて評価した。以下の表において概説される通り、数種の公知のCIAモデルがある:
【表24】
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【0617】
CIA研究では、軽度(緩徐進行性)疾患モデルを利用した。DBA/1マウスは、Hooke Kit(商標)ニワトリコラーゲン/完全フロイントアジュバント(CFA)エマルション(EK−0210)による免疫感作、続いてHooke Kit(商標)ニワトリコラーゲン/不完全フロイントアジュバント(IFA)エマルション(EK−0211)の追加投薬後に、コラーゲン誘発性関節炎(CIA)を発症した。各研究では、54匹のメスDBA/1マウス(Taconic FarmsモデルDBA1BO、9週齢)を使用し、後に1群当たり10匹の4つの実験群に割り当てた。4匹のマウスには免疫感作も処置もせず、可能な組織学的分析のためのナイーブ対照群として残しておいた。他の50匹のマウスを治療的に処置した。
【0618】
一方の研究は、群1−ビヒクル、群2−CP−690550、30mg/kg経口1日1回、群3−R−788、60mg/kg経口1日1回および群4−化合物7、100mg/kg腹腔内1日1回を含む。他方の研究は、群1−ビヒクル、群2−化合物7、15mg/kg経口1日1回、群3−化合物7、30mg/kg経口1日1回および群4−化合物7、100mg/kg腹腔内1日1回を含む。
【0619】
マウスを、少なくとも7日間順化させた後、0日目に、最初にコラーゲン/CFAエマルションで免疫感作する。免疫感作の手順は次の通りであった:マウスを、拘束器を使用して固定化した。尾部を70%エタノールで消毒し、その領域を滅菌ガーゼで拭き取った。コラーゲン/CFAエマルションを含有するシリンジを尾部と平行に位置付け、針の先端を、尾部の背部および外側静脈の間の空間を通して、マウスの体に向けた。針を皮下腔に7から10mm挿入して、針が皮膚下で可視であることを確実にした。注射中におけるエマルションのいかなる逆漏出も防止するために、針入部位を強く押圧した。0.05mlのエマルションを注射すると、白色エマルションが皮下腔に入るのが見えた。針を、注射後10から15秒間挿入したまま保ち、エマルションの漏出を回避した。次いで、マウスをケージに戻した。手順をすべてのマウスで繰り返した。
【0620】
21日目における、ニワトリコラーゲン/IFAによる追加免疫の手順は、次の通りであった:免疫感作マウスを、拘束器を使用して固定化した。尾部を70%エタノールで消毒し、その領域を滅菌ガーゼで拭き取った。II型コラーゲン/IFAエマルションを含有するシリンジ/針を尾部と平行に位置付け、針の先端をマウスの体に向けた。エマルションを、尾部の最初の免疫感作の注射を受けていない部位に注射した。拡張した血管またはその近接領域に穿刺することを回避するために、色の薄い領域を注射に選択した。針を皮下腔に7から10mm挿入して、針が皮膚下で可視であることを確実にした。注射中におけるエマルションのいかなる逆漏出も防止するために、針入部位において針および尾部を極めてしっかりと押圧した。0.05mlのエマルションを(または0.025mlのエマルションを2つの部位に)極めてゆっくり注射した。針を、注射後10から15秒間挿入したまま保ち、エマルションの漏出を回避した。次いで、マウスをケージに戻した。手順をすべての免疫感作マウスで繰り返した。
【0621】
マウスを、免疫感作後14日目に開始して2から3日毎に、CIAの兆候について確認した。関節の炎症の最初の兆候が出現したら直ちに、ケージの床でマウスに飼料ペレットおよびウェット飼料ならびに容易にアクセス可能な水を提供した。トランスゲル(Charles River Laboratories)を水源として使用した。
【0622】
免疫感作マウスは最初、21日目におけるニワトリコラーゲン/IFAによる追加免疫まで、単一群とみなした。21日目に関節炎の何らかの兆候があったマウスは、研究から除外した。CIAの臨床兆候を新たに発症した各マウスを、5つの実験群のうちの1つに均衡の取れた様式で割り当て、それらのマウスの処置を同じ日に開始した。
【0623】
マウスに、研究の終わりまで毎日同じ時間(±1時間)に経口的に投薬した。本発明の化合物を毎週製剤化した(合計で3つの調製物)。
【0624】
CIAスコア、関節強直スコア、体重および後足厚を包含するすべての読み出し値を研究の終わり(これは、各マウスの組み入れの20日後であった)まで求めた。研究の最終日は、マウスによって異なっていた。
【0625】
CIAスコア:毎日のCIAスコアリングは21日目に開始し、40匹のマウスを研究に組み入れるまで続けた。組み入れ後、マウスは隔日にスコアリングされた。CIAスコアリングは、各マウスについての処置と前回のスコアの両方を知らない人物により、盲検法で実施した。マウスは、下記の基準を使用して、0から16(各足について0から4、4本すべての足についてスコアを追加する)の等級でスコアリングした:
【表25】
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【0626】
関節強直スコア:関節強直スコアリングは、各マウスについての処置と前回のスコアの両方を知らない人物により、盲検法で実施した。CIAスコアリングを実施する(組み入れの最中と後の両方)と同時に、下記の基準を使用し、関節強直を各足について0〜3のスコアの和としてスコアリングした:
【表26】
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【0627】
体重:体重は、−1日目(免疫感作の1日前)、次いで組み入れ日に再度測定した。組み入れ後、体重は隔日に測定した。
【0628】
平均後足厚:免疫感作後(組み入れが始まる前)、1日目と14日目との間に2回、すべてのマウスの両後足を、キャリパーを使用して測定して、足厚についてのベースライン値を確立した。実験群の1つへの組み入れ時に、各マウスを後足腫脹について検査した。その時に腫脹した後足を持っていたマウスの足をキャリパーによって測定した。両後足が腫脹していれば、さらに腫脹した足を測定した。その後、それらのマウスは、CIAスコアリングと同時に同じ後足をキャリパーで測定した。前足に最初に足腫脹を発症したマウスは、組み入れ後に測定されたそれらの足の何れの厚さも有していなかった。
【0629】
図4Aおよび4Bは、軽度疾患モデルにおける陽性対照の結果を示す。対照化合物は、Pfizerで第III相臨床試験中のpan−JAK阻害剤であるCP−690,550(トファシチニブ)、およびRigel/AstraZenecaで第III相臨床試験中の非選択的SYK阻害剤であるR−788(フォスタマチニブ)である。図4Aは、公知の軽度疾患モデルにおける陽性対照での20日間の処置日数にわたるCIAスコアを示す。CP−690,550は30mg/kgで経口1日1回投与し、R−788は60mg/kgで経口1日1回投与した。図4Bは、公知の半治療CIAモデル(Pfizer 2010)における陽性対照での処置後20日間にわたる疾患重症度スコアを示す(H.T.Linら、Arthritis Rheum.(2010)、62:2283〜93)。CP−690,550は、10mg/kgおよび30mg/kgで投与した。図4Cは、対照と比較した軽度CIAモデルにおける化合物7Aの結果を示す。化合物7Aは、100mg/kgで腹腔内1日1回、n=全部で10匹、P<0.05で投与した。化合物7Aは、最終日における対複合ビヒクルのCIAスコアにおいて低減を示した(図4D)。後足厚の増大は、関節炎の兆候である。図4Eおよび4Fは、陽性対照と比較した、化合物7Aを100mg/kgで腹腔内1日1回投与する20日間にわたる処置後の後足厚の結果を示す。図4Gは、3つの異なる投薬量で(15mg/kgで経口1日1回、30mg/kgで経口1日1回、および100mg/kgで腹腔内1日1回)20日間にわたって投与された化合物7AについてのCIAスコアを示す。
【0630】
例9:本発明の化合物の合成
以下で提供するのは、本発明の化合物の例証的な合成例である。本明細書で記述されている合成において言及する化合物番号は、合成の記述を進める関連スキームにおいて示されている番号に対応することに留意されたい。
【0631】
化合物の合成:
【化60】
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【化61】
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【表27】
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【0632】
手順
DCM(80mL)中のメチル1H−ピロール−2−カルボキシレート(6.25g、50ミリモル)の溶液を、DCM(50mL)中のAlCl3(16.67g、125ミリモル)および塩化クロロアセチル(10mL、125ミリモル)の撹拌混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加して、白色沈殿物形成をもたらした。添加が完了したら、混合物を還流させ、HPLCによってモニターした。完全変換が観察されたら、反応物を水およびクラッシュアイス(300mL)の混合物に注ぎ入れ、有機相がなくなるまで撹拌した。生成物をEAに抽出し、飽和重炭酸塩溶液で3回洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、灰色固体(9g、90%収率)を産出した。
【表28】
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【0633】
手順
両方の試薬を、HCl 1N中で終夜還流させた。完全変換が観察されたら、反応を停止させ、混合物を氷浴上で冷却した。形成された沈殿物を濾過によって収集し、水(30mL)で洗浄した。収率4.5g(30%)。
【表29】
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【0634】
手順
試薬を酢酸中で撹拌し、加熱還流して、透明な溶液、続いて沈殿物形成をもたらした。混合物を3〜5時間還流させた(出発材料の変換をHPLCによってモニターした)。混合物を室温に冷却し、固体を濾過によって収集し、氷水(80mL)で洗浄し、風乾させ、次いで真空乾燥させた。(定量的、黄色粉末)。
【表30】
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【0635】
手順
NaOHを、ジオキサン−H2O 2:1(150mL)中のエステルの混合物に添加した。混合物を70〜80℃に加熱し、その間に暗色溶液が形成される。反応が完了したら、有機溶媒を蒸発させ、残留物を、濃塩酸を使用してpH−5に酸性化した。生成物を酢酸エチルに抽出し(抽出が失敗するならば、追加のHCl 1Nを添加すべきである)、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させて、緑色粉末(定量的収率)を産出した。
【表31】
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【0636】
手順
トリエチルアミンを、アセトニトリル中の酸の混合物に添加して、透明な溶液をもたらした。次いで、活性化剤を添加し、成分を室温で撹拌した。活性エステル形成をHPLCによってモニターし、少量分の活性化剤を、90〜95%変換の時点まで添加した。次いで、ピロリジンを添加し、アミドの即時形成(沈殿物)が観察された。追加分のピロリジンを、活性エステルの完全変換が観察されるまで添加した。有機溶媒を減圧下で除去した。DCMを飽和重炭酸塩溶液とともに添加した。分液漏斗内で振とう時に形成された沈殿物を、濾過によって収集し、沸騰しているMeOHで洗浄した(1.3g、38%)。HPLC−98%純度。LCMS−(ES+)計算値338.43、実測値339.25(MH+)。
【0637】
化合物の合成:
【化62】
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【化63】
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【表32】
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【0638】
手順
DCM(80mL)中のメチル1H−ピロール−2−カルボキシレート(6.25g、50ミリモル)の溶液を、DCM(50mL)中のAlCl3(16.67g、125ミリモル)および塩化クロロアセチル(10mL、125ミリモル)の撹拌混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加して、白色沈殿物形成をもたらした。添加が完了したら、混合物を還流させ、HPLCによってモニターした。完全変換が観察されたら、反応物を水およびクラッシュアイス(300mL)の混合物に注ぎ入れ、有機相がなくなるまで撹拌した。生成物をEAに抽出し、飽和重炭酸塩溶液で3回洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、灰色固体(9g、90%収率)を産出した。
【表33】
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【0639】
手順
ローソン試薬を、ジメトキシエタン−THF(2:1)中の3−ニトロベンズアミドの撹拌混合物に添加した。反応物を50℃で2時間撹拌し、完了したら、重炭酸ナトリウムを添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物を、水およびクラッシュアイスの撹拌混合物(300mL)にゆっくり添加した。乳状混合物を沸騰するまで加熱し、次いで室温に冷却させておくと、黄色結晶(2.8g、77%収率)をもたらした。
【表34】
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【0640】
手順
試薬を酢酸中で撹拌し、加熱還流して、透明な溶液、続いて沈殿物形成をもたらした。混合物を3〜5時間還流させた(出発材料の変換をHPLCによってモニターした)。混合物を室温に冷却し、固体を濾過によって収集し、氷水(80mL)で洗浄し、風乾させ、次いで真空乾燥させた。(90%からし色粉末)。
【表35】
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【0641】
手順
NaOHを、ジオキサン−H2O(2:1)中のエステルの混合物に添加した。混合物を70〜80℃に加熱し、その間に暗色溶液が形成される。反応が完了したら、有機溶媒を蒸発させ、残留物を、濃塩酸を使用して酸性化した。生成物を酢酸エチルに抽出し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させて、黄緑色粉末(5.8g、92%収率)を産出した。
【表36】
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【0642】
手順
トリエチルアミンを、アセトニトリル−ジオキサン混合物中の酸の混合物に添加して、透明な溶液をもたらした。次いで、活性化剤を添加し、成分を室温で撹拌した。活性エステル形成をHPLCによってモニターし、少量分の活性化剤を、90〜95%変換の時点まで添加した。次いで、ピロリジンを添加し、アミドの即時形成(沈殿物)が観察された。追加分のピロリジンを、活性エステルの完全変換が観察されるまで添加した。有機溶媒を減圧下で除去した。重炭酸塩の飽和溶液を添加し、生成物をDCM(約1000mLに溶かし、追加分の重炭酸塩で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させて、黄色粉末(定量的収率)を産出した。
【表37】
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【0643】
手順
ニトロ化合物を、沸騰しているTHFに溶解した。触媒を添加し、混合物を水素雰囲気に終夜供した。触媒をセライト上での濾過によって除去し、溶媒を蒸発させて、白色泡状物(1.8g、定量的収率)を産出した。
【表38】
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【0644】
7の合成
成分を、DCM−THF 3:1の混合物中で撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、生成物をMeOHから結晶化させた(170mg、25%)。HPLC−98%純度。LCMS−(ES+)計算値442.53、実測値443.46(MH+)。
【0645】
化合物の合成:
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
【化65】
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【表39】
[この文献は図面を表示できません]
【0646】
手順
DCM(80mL)中のメチル1H−ピロール−2−カルボキシレート(6.25g、50ミリモル)の溶液を、DCM(50mL)中のAlCl3(16.67g、125ミリモル)および塩化クロロアセチル(10mL、125ミリモル)の撹拌混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加して、白色沈殿物形成をもたらした。添加が完了したら、混合物を還流させ、HPLCによってモニターした。完全変換が観察されたら、反応物を水およびクラッシュアイス(300mL)の混合物に注ぎ入れ、有機相がなくなるまで撹拌した。生成物をEAに抽出し、飽和重炭酸塩溶液で3回洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、灰色固体(9g、90%収率)を産出した。
【表40】
[この文献は図面を表示できません]
【0647】
手順
ローソン試薬を、ジメトキシエタン−THF 2:1中の3−ニトロベンズアミドの撹拌混合物に添加した。反応物を50℃で2時間撹拌し、完了したら、重炭酸ナトリウムを添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物を、水およびクラッシュアイスの撹拌混合物(300mL)にゆっくり添加した。乳状混合物を沸騰するまで加熱し、次いで室温に冷却させておくと、黄色結晶(2.8g、77%収率)をもたらした。
【表41】
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【0648】
手順
試薬を酢酸中で撹拌し、加熱還流して、透明な溶液、続いて沈殿物形成をもたらした。混合物を3〜5時間還流させた(出発材料の変換をHPLCによってモニターした)。混合物を室温に冷却し、固体を濾過によって収集し、氷水(80mL)で洗浄し、風乾させ、次いで真空乾燥させた。(90%からし色粉末)。
【表42】
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【0649】
手順
NaOHを、2:1 ジオキサン−H2O中のエステルの混合物に添加した。混合物を70〜80℃に加熱し、その間に暗色溶液が形成される。反応が完了したら、有機溶媒を蒸発させ、残留物を、濃塩酸を使用して酸性化した。生成物を酢酸エチルに抽出し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させて、黄緑色粉末(5.8g、92%収率)を産出した。
【表43】
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【0650】
手順
トリエチルアミンを、アセトニトリル−ジオキサン混合物中の酸の混合物に添加して、透明な溶液をもたらした。次いで、活性化剤を添加し、成分を室温で撹拌した。活性エステル形成をHPLCによってモニターし、少量分の活性化剤を、90〜95%変換の時点まで添加した。次いで、ピロリジンを添加し、アミドの即時形成(沈殿物)が観察された。追加分のピロリジンを、活性エステルの完全変換が観察されるまで添加した。有機溶媒を減圧下で除去した。重炭酸塩の飽和溶液を添加し、生成物をDCM(約1000mLに溶かし、追加分の重炭酸塩で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させて、黄色粉末(定量的収率)を産出した。
【表44】
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【0651】
手順
ニトロ化合物を、沸騰しているTHFに溶解した。触媒を添加し、混合物を水素雰囲気に終夜供した。触媒をセライト上での濾過によって除去し、溶媒を蒸発させて、白色泡状物(1.8g、定量的収率)を産出した。
【表45】
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【0652】
7の合成
DCM中塩化クロロアセチルの溶液(30mL)を、DCM中アニリンおよびトリエチルアミン(50mL)の混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加した。(混合物は添加時に透明な溶液に変わる)反応混合物を1時間撹拌した。(追加分の塩化クロロアセチルは必要に応じて添加する)。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物をそのまま次のステップにおいて使用した。
【0653】
8の合成
ジオキサンを、油性残留物に、1−メチルピペラジンおよびトリエチルアミンとともに添加した。混合物を2時間激しく還流させた(反応完了が必要ならば1−メチルピペラジンを添加する)。反応が完了したら、加熱を停止し、溶媒を減圧下で除去した。油性残留物を、沸騰しているアセトン中で粉砕した(収率−150mg、20%)。HPLC−100%純度。LCMS−(ES+)計算値478.61、実測値479.56(MH+)。
【0654】
化合物の合成:
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
【化67】
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【表46】
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【0655】
手順
DCM(80mL)中のメチル1H−ピロール−2−カルボキシレート(6.25g、50ミリモル)の溶液を、DCM(50mL)中のAlCl3(16.67g、125ミリモル)および塩化クロロアセチル(10mL、125ミリモル)の撹拌混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加して、白色沈殿物形成をもたらした。添加が完了したら、混合物を還流させ、HPLCによってモニターした。完全変換が観察されたら、反応物を水およびクラッシュアイス(300mL)の混合物に注ぎ入れ、有機相がなくなるまで撹拌した。生成物をEAに抽出し、飽和重炭酸塩溶液で3回洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、灰色固体(9g、90%収率)を産出した。
【表47】
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【0656】
手順
両方の試薬を、HCl 1N中で終夜還流させた。アニリンの橙色は1時間後に消失した。混合物を冷却し、形成された沈殿物を濾過によって収集し、水(30mL)で洗浄した。収率3g(35%)。
【表48】
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【0657】
手順
試薬を酢酸中で撹拌し、加熱還流して、透明な溶液、続いて沈殿物形成をもたらした。混合物を3〜5時間還流させた(出発材料の変換をHPLCによってモニターした)。混合物を室温に冷却し、固体を濾過によって収集し、氷水(80mL)で洗浄し、風乾させ、次いで真空乾燥させた。白色粉末、定量的収率。
【表49】
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【0658】
手順
NaOHを、ジオキサン−H2O 2:1(150mL)中のエステルの混合物に添加した。混合物を70〜80℃に加熱し、その間に暗色溶液が形成される。反応が完了したら、有機溶媒を蒸発させ、残留物を、塩酸(1N)を使用してpH−1〜2に酸性化した。生成物を酢酸エチルに抽出し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させて、緑色粉末(2.5g、84%)を産出した。
【表50】
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【0659】
手順
トリエチルアミンを、アセトニトリル中の酸および活性化剤の混合物に添加した。溶解性は観察されず、ジオキサンを添加して、透明な溶液をもたらした。活性エステル形成をHPLCによってモニターし、少量分の活性化剤を、90〜95%変換の時点まで添加した。次いで、ピロリジンを添加し、アミドの即時形成(沈殿物)が観察された。追加分のピロリジンを、活性エステルの完全変換が観察されるまで添加した。有機溶媒を減圧下で除去した。酢酸エチルを飽和重炭酸塩溶液とともに添加した。分液漏斗内で振とう時に形成された沈殿物を、濾過によって収集した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて褐色油を産出し、これを、EtOHを使用して粉砕した(収率25mg、3.5%)。HPLC−100%純度。LCMS−(ES+)計算値356.42、実測値357.33(MH+)。
【0660】
化合物の合成:
【化68】
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【化69】
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【表51】
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【0661】
手順
DCM(80mL)中のメチル1H−ピロール−2−カルボキシレート(6.25g、50ミリモル)の溶液を、DCM(50mL)中のAlCl3(16.67g、125ミリモル)および塩化クロロアセチル(10mL、125ミリモル)の撹拌混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加して、白色沈殿物形成をもたらした。添加が完了したら、混合物を還流させ、HPLCによってモニターした。完全変換が観察されたら、反応物を水およびクラッシュアイス(300mL)の混合物に注ぎ入れ、有機相がなくなるまで撹拌した。生成物をEAに抽出し、飽和重炭酸塩溶液で3回洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、灰色固体(9g、90%収率)を産出した。
【表52】
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【0662】
手順
両方の試薬を、HCl 1N中で終夜還流させた。生成物を酢酸エチル(100mL)に抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、油性残留物を産出した。
【表53】
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【0663】
手順
試薬を酢酸中で撹拌し、加熱還流して、透明な溶液をもたらした。完全変換が観察されたら、有機相を酢酸エチルに溶かし、水で洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、褐色油性生成物(2.1g、95%)を産出した。
【表54】
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【0664】
手順
NaOHを、ジオキサン−H2O 2:1(150mL)中のエステルの混合物に添加した。混合物を70〜80℃に加熱し、その間に暗色溶液が形成される。反応が完了したら、有機溶媒を蒸発させ、残留物を、塩酸(1N)を使用してpH−1〜2に酸性化した。生成物を酢酸エチルに抽出し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させて、茶色泡状末(1.6g、84%)を産出した。
【表55】
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【0665】
手順
酸、Et3Nおよび活性化剤を、アセトニトリル−ジオキサン 1:1の混合物(100mL)に溶かした。活性エステル形成をHPLCによってモニターし、少量分の活性化剤を、完全変換の時点まで添加した。次いで、ピロリジンを添加し、混合物を室温で撹拌した。有機溶媒を減圧下で除去した。酢酸エチルを添加し、有機相を飽和重炭酸塩溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、褐色泡状物を産出し、これを、沸騰しているEtOHを使用して粉砕した(褐色粉末、160mg、8%)。HPLC−100%純度。LCMS−(ES+)計算値352.45、実測値353.32(MH+)。
【0666】
化合物の合成:
【化70】
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【化71】
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【表56】
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【0667】
手順
DCM(80mL)中のメチル1H−ピロール−2−カルボキシレート(6.25g、50ミリモル)の溶液を、DCM(50mL)中のAlCl3(16.67g、125ミリモル)および塩化クロロアセチル(10mL、125ミリモル)の撹拌混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加して、白色沈殿物形成をもたらした。添加が完了したら、混合物を還流させ、HPLCによってモニターした。完全変換が観察されたら、反応物を水およびクラッシュアイス(300mL)の混合物に注ぎ入れ、有機相がなくなるまで撹拌した。生成物をEAに抽出し、飽和重炭酸塩溶液で3回洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、灰色固体(9g、90%収率)を産出した。
【表57】
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【0668】
手順
両方の試薬を、HCl 1N中で終夜還流させた。沈殿物が形成され、HCl 1N(10mL)を添加し、混合物を氷浴上で冷却した。黄色固体を濾過によって収集した(2.5g、70%)。
【表58】
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【0669】
手順
試薬を酢酸中で撹拌し、加熱還流した。完全変換が観察されたら、混合物を室温に冷却した。固体を濾過によって収集し、氷水(80mL)で洗浄して、黄色粉末(定量的収率)を産出した。
【表59】
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【0670】
手順
NaOHを、ジオキサン−H2O 2:1(150mL)中のエステルの混合物に添加した。混合物を70〜80℃に加熱し、その間に暗色溶液が形成される。反応が完了したら、有機溶媒を蒸発させ、残留物を、塩酸(1N)を使用してpH−1〜2に酸性化した。生成物を濾過によって収集した(1.34g、58%)。
【表60】
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【0671】
手順
酸、Et3Nおよび活性化剤を、アセトニトリル−ジオキサン 1:1の混合物(100mL)に溶かした。溶解性を実現するためにDMFを添加した。活性エステル形成をHPLCによってモニターし、少量分の活性化剤を、完全変換の時点まで添加した。次いで、ピロリジンを添加し、混合物を室温で撹拌した。有機溶媒を減圧下で除去し、残留物を、水およびエタノールを使用して粉砕した。混合物を沸騰させ、固体を濾過によって収集した。収率60mg(5%)。HPLC−100%純度。LCMS−(ES+)計算値380.46、実測値381.38(MH+)。
【0672】
化合物の合成:
【化72】
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【化73】
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【表61】
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【0673】
手順
DCM(80mL)中のメチル1H−ピロール−2−カルボキシレート(6.25g、50ミリモル)の溶液を、DCM(50mL)中のAlCl3(16.67g、125ミリモル)および塩化クロロアセチル(10mL、125ミリモル)の撹拌混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加して、白色沈殿物形成をもたらした。添加が完了したら、混合物を還流させ、HPLCによってモニターした。完全変換が観察されたら、反応物を水およびクラッシュアイス(300mL)の混合物に注ぎ入れ、有機相がなくなるまで撹拌した。生成物をEAに抽出し、飽和重炭酸塩溶液で3回洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、灰色固体(9g、90%収率)を産出した。
【表62】
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【0674】
手順
両方の試薬をHCl 1N中で終夜還流させると、完全変換が観察され、混合物を氷浴上で冷却した。生成物を濾過によって収集した(2.1g、68%)。
【表63】
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【0675】
手順
試薬を酢酸中で撹拌し、加熱還流した。完全変換が観察されたら、混合物を室温に冷却した。固体を濾過によって収集し、氷水(80mL)で洗浄して、黄色粉末(定量的収率)を産出した。
【表64】
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【0676】
手順
NaOHを、ジオキサン−H2O 2:1(60mL)中のエステルの混合物に添加した。混合物を70〜80℃に加熱し、その間に暗色溶液が形成される。反応が完了したら、有機溶媒を蒸発させ、残留物を、塩酸(1N)を使用してpH−1〜2に酸性化した。生成物を濾過によって収集した(1.45g、85%)
【表65】
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【0677】
手順
酸、Et3Nおよび活性化剤を、アセトニトリル−ジオキサン 1:1の混合物に溶かした。活性エステル形成をHPLCによってモニターし、少量分の活性化剤を、完全変換の時点まで添加した。次いで、ピロリジンを添加し、混合物を室温で撹拌した。有機溶媒を減圧下で除去し、残留物をアセトン中で沸騰させた。白色沈殿物を濾過によって除去した。濾液を蒸発させ、EtOH−水から結晶化させた。混合物を沸騰させ、固体を濾過によって収集した。収率300mg(38%)。HPLC−100%純度。LCMS−(ES+)計算値392.40、実測値393.36(MH+)。
【0678】
化合物の合成:
【化74】
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【化75】
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【表66】
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【0679】
手順
DCM(80mL)中のメチル1H−ピロール−2−カルボキシレート(6.25g、50ミリモル)の溶液を、DCM(50mL)中のAlCl3(16.67g、125ミリモル)および塩化クロロアセチル(10mL、125ミリモル)の撹拌混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加して、白色沈殿物形成をもたらした。添加が完了したら、混合物を還流させ、HPLCによってモニターした。完全変換が観察されたら、反応物を水およびクラッシュアイス(300mL)の混合物に注ぎ入れ、有機相がなくなるまで撹拌した。生成物をEAに抽出し、飽和重炭酸塩溶液で3回洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、灰色固体(9g、90%収率)を産出した。
【表67】
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【0680】
手順
アセトン中の塩化ベンゾイルの溶液を、アセトン中のアンモニウムイソチオシアネートの溶液に滴下添加した。得られた混合物を30分間還流させ、続いてアニリンを添加し、追加で30分間還流させた。成分をクラッシュアイス(100mL)に注ぎ入れて暗色固体をもたらし、これを濾過によって収集し、NaOH(5%、100mL)溶液に添加した。混合物を80℃で撹拌した。加水分解生成物を濾過によって収集した(1.5g、42%)。
【表68】
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【0681】
手順
試薬を酢酸中で撹拌し、加熱還流した。完全変換が観察されたら、混合物を室温に冷却した。このとき、沈殿物が形成された。固体を濾過によって収集し、多量の氷水で洗浄して、1.56g(80%)の緑色固体を産出した。
【表69】
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【0682】
手順
NaOHを、ジオキサン−H2O 2:1(60mL)中のエステルの混合物に添加した。混合物を70〜80℃に加熱し、その間に暗色溶液が形成される。反応が完了したら、有機溶媒を蒸発させ、残留物を、塩酸(1N)を使用してpH−1〜2に酸性化した。生成物を濾過によって収集した(0.9g、60%)。
【表70】
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【0683】
手順
酸、Et3Nおよび活性化剤を、アセトニトリル−ジオキサン 1:1の混合物(150mL)中で撹拌した。溶解性を実現するために、DMF(30mL)を添加した。活性エステル形成をHPLCによってモニターし、少量分の活性化剤を、完全変換の時点まで添加した。次いで、ピロリジンを添加し、混合物を室温で撹拌した。有機溶媒を減圧下で除去し、残留物を水で粉砕し、残留物を追加量の水で洗浄し、濾過によって収集した。取得された固体を沸騰しているEtOHで洗浄し、濾過によって収集して、緑色固体(60mg、7%)を産出した。HPLC−95%純度。LCMS−(ES+)計算値423.53、実測値424.43(MH+)。
【0684】
化合物の合成:
【化76】
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【化77】
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【表71】
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【0685】
手順
DCM(80mL)中のメチル1H−ピロール−2−カルボキシレート(6.25g、50ミリモル)の溶液を、DCM(50mL)中のAlCl3(16.67g、125ミリモル)および塩化クロロアセチル(10mL、125ミリモル)の撹拌混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加して、白色沈殿物形成をもたらした。添加が完了したら、混合物を還流させ、HPLCによってモニターした。完全変換が観察されたら、反応物を水およびクラッシュアイス(300mL)の混合物に注ぎ入れ、有機相がなくなるまで撹拌した。生成物をEAに抽出し、飽和重炭酸塩溶液で3回洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、灰色固体(9g、90%収率)を産出した。
【表72】
[この文献は図面を表示できません]
【0686】
手順
ローソン試薬を、ジメトキシエタン−THF2:1中の3−ニトロベンズアミドの撹拌混合物に添加した。反応物を50℃で2時間撹拌し、完了したら、重炭酸ナトリウムを添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物を、水およびクラッシュアイスの撹拌混合物(300mL)にゆっくり添加した。乳状混合物を沸騰するまで加熱し、次いで室温に冷却させておくと、黄色結晶(2.8g、77%収率)をもたらした。
【表73】
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【0687】
手順
試薬を酢酸中で撹拌し、加熱還流して、透明な溶液、続いて沈殿物形成をもたらした。混合物を3〜5時間還流させた(出発材料の変換をHPLCによってモニターした)。混合物を室温に冷却し、固体を濾過によって収集し、氷水(80mL)で洗浄し、風乾させ、次いで真空乾燥させた。(90%からし色粉末)。
【表74】
[この文献は図面を表示できません]
【0688】
手順
NaOHを、ジオキサン−H2O 2:1中エステルの混合物に添加した。混合物を70〜80℃に加熱し、その間に、暗色溶液が形成される。反応が完了したら、有機溶媒を蒸発させ、残留物を、濃塩酸を使用して酸性化した。生成物を酢酸エチルに抽出するかまたは濾過によって収集するかの何れかとした。黄色粉末(5.8g、92%収率)。
【表75】
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【0689】
手順
トリエチルアミンを、アセトニトリル−ジオキサン混合物中の酸の混合物に添加して、透明な溶液をもたらした。次いで、活性化剤を添加し、成分を室温で撹拌した。活性エステル形成をHPLCによってモニターした。過剰分の活性化剤を、90〜95%変換の時点まで添加した。次いで、ピロリジンを添加し、アミドの即時形成(沈殿物)が観察された。追加分のピロリジンを、活性エステルの完全変換が観察されるまで導入した。取得された固体を濾過によって収集し、水(70mL)で洗浄し、真空乾燥させた(2g、73%)。
【表76】
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【0690】
手順
ニトロ化合物を、沸騰しているTHFに溶解した。触媒を添加し、混合物を水素雰囲気に終夜供した。触媒をセライト上での濾過によって除去し、溶媒を蒸発させて、白色泡状物(1.8g、定量的収率)を産出した。
【表77】
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【0691】
7の合成
DCM中塩化クロロアセチルの溶液を、DCM中アニリンおよびトリエチルアミンの混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加した。(混合物は添加時に透明な溶液に変わる)反応混合物を1時間撹拌した。(追加分の塩化クロロアセチルは必要に応じて添加する)。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物をそのまま次のステップにおいて使用した。
【0692】
8の合成
ジオキサンを、油性残留物に、ピペリジンおよびトリエチルアミンとともに添加した。混合物を2〜3時間激しく還流させた(反応完了が必要ならばモルホリンを添加する)。反応が完了したら、加熱を停止した。生成物をMeOHから再結晶させた(159mg、34%)。HPLC−99%純度。MS−(ES+)計算値463.2、実測値464.2(MH+)。
【0693】
化合物の合成:
【化78】
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【化79】
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【表78】
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【0694】
手順
DCM(80mL)中のメチル1H−ピロール−2−カルボキシレート(6.25g、50ミリモル)の溶液を、DCM(50mL)中のAlCl3(16.67g、125ミリモル)および塩化クロロアセチル(10mL、125ミリモル)の撹拌混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加して、白色沈殿物形成をもたらした。添加が完了したら、混合物を還流させ、HPLCによってモニターした。完全変換が観察されたら、反応物を水およびクラッシュアイス(300mL)の混合物に注ぎ入れ、有機相がなくなるまで撹拌した。生成物をEAに抽出し、飽和重炭酸塩溶液で3回洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、灰色固体(9g、90%収率)を産出した。
【表79】
[この文献は図面を表示できません]
【0695】
手順
ローソン試薬を、ジメトキシエタン−THF2:1中の3−ニトロベンズアミドの撹拌混合物に添加した。反応物を50℃で2時間撹拌し、完了したら、重炭酸ナトリウムを添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物を、水およびクラッシュアイスの撹拌混合物(300mL)にゆっくり添加した。乳状混合物を沸騰するまで加熱し、次いで室温に冷却させておくと、黄色結晶(2.8g、77%収率)をもたらした。
【表80】
[この文献は図面を表示できません]
【0696】
手順
試薬を酢酸中で撹拌し、加熱還流して、透明な溶液、続いて沈殿物形成をもたらした。混合物を3〜5時間還流させた(出発材料の変換をHPLCによってモニターした)。混合物を室温に冷却し、固体を濾過によって収集し、氷水(80mL)で洗浄し、風乾させ、次いで真空乾燥させた。(90%からし色粉末)。
【表81】
[この文献は図面を表示できません]
【0697】
手順
NaOHを、ジオキサン−H2O 2:1中エステルの混合物に添加した。混合物を70〜80℃に加熱し、その間に、暗色溶液が形成される。反応が完了したら、有機溶媒を蒸発させ、残留物を、濃塩酸を使用して酸性化した。生成物を酢酸エチルに抽出するかまたは濾過によって収集するかの何れかとした。黄色粉末(5.8g、92%収率)。
【表82】
[この文献は図面を表示できません]
【0698】
手順
トリエチルアミンを、アセトニトリル−ジオキサン混合物中の酸の混合物に添加して、透明な溶液をもたらした。次いで、活性化剤を添加し、成分を室温で撹拌した。活性エステル形成をHPLCによってモニターした。過剰分の活性化剤を、90〜95%変換の時点まで添加した。次いで、ピロリジンを添加し、アミドの即時形成(沈殿物)が観察された。追加分のピロリジンを、活性エステルの完全変換が観察されるまで導入した。取得された固体を濾過によって収集し、水(70mL)で洗浄し、真空乾燥させた(2g、73%)。
【表83】
[この文献は図面を表示できません]
【0699】
手順
ニトロ化合物を、沸騰しているTHFに溶解した。触媒を添加し、混合物を水素雰囲気に終夜供した。触媒をセライト上での濾過によって除去し、溶媒を蒸発させて、白色泡状物(1.8g、定量的収率)を産出した。
【表84】
[この文献は図面を表示できません]
【0700】
手順
DCM中の塩化アセチルの溶液を、DCM中のアニリンおよびトリエチルアミンの混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加した。部分溶解、続いて白色沈殿物が観察された。固体を濾過によって収集し、水で洗浄し、真空乾燥させて、白色粉末(0.128g 22%)を産出した。HPLC−100%純度。LCMS−(ES+)計算値380.13、実測値381.1(MH+)。
【0701】
化合物の合成:
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
【表85】
[この文献は図面を表示できません]
【0702】
手順
DCM(80mL)中のメチル1H−ピロール−2−カルボキシレート(6.25g、50ミリモル)の溶液を、DCM(50mL)中のAlCl3(16.67g、125ミリモル)および塩化クロロアセチル(10mL、125ミリモル)の撹拌混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加して、白色沈殿物形成をもたらした。添加が完了したら、混合物を還流させ、HPLCによってモニターした。完全変換が観察されたら、反応物を水およびクラッシュアイス(300mL)の混合物に注ぎ入れ、有機相がなくなるまで撹拌した。生成物をEAに抽出し、飽和重炭酸塩溶液で3回洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、灰色固体(9g、90%収率)を産出した。
【表86】
[この文献は図面を表示できません]
【0703】
手順
ローソン試薬を、ジメトキシエタン−THF 2:1中の4−ニトロベンズアミドの撹拌混合物に添加した。反応物を50℃で2時間撹拌し、完了したら、重炭酸ナトリウムを添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物を、水およびクラッシュアイスの撹拌混合物(600mL)にゆっくり添加した。乳状混合物を沸騰するまで加熱し、次いで30℃に冷却させておくと、黄色結晶(4.5g、61%収率)をもたらした。
【表87】
[この文献は図面を表示できません]
【0704】
手順
試薬を酢酸中で撹拌し、加熱還流して、透明な溶液、続いて沈殿物形成をもたらした。混合物を3〜5時間還流させた(出発材料の変換をHPLCによってモニターした)。混合物を室温に冷却し、固体を濾過によって収集し、氷水(80mL)で洗浄し、風乾させ、次いで真空乾燥させた。(2.86g、90%からし色粉末)。
【表88】
[この文献は図面を表示できません]
【0705】
手順
NaOHを、ジオキサン−H2O 2:1中エステルの混合物に添加した。混合物を70〜80℃に加熱し、その間に、暗色溶液が形成される。反応が完了したら、有機溶媒を蒸発させ、残留物を、濃塩酸を使用して酸性化した。生成物を濾過によって収集した。黄色粉末(定量的収率)。
【表89】
[この文献は図面を表示できません]
【0706】
手順
トリエチルアミンを、アセトニトリル−ジオキサン混合物中の酸の混合物に添加して、透明な溶液をもたらした。次いで、活性化剤を添加し、成分を室温で撹拌した。活性エステル形成をHPLCによってモニターした。過剰分の活性化剤を、95%変換の時点まで添加した(全部で1.28g、5ミリモル)。次いで、ピロリジンを添加し、アミドの即時形成(沈殿物)が観察された。追加分のピロリジンを、活性エステルの完全変換が観察されるまで導入した。取得された固体を濾過によって収集し、水(100mL)で洗浄し、真空乾燥させた(1.6g、50%)。
【表90】
[この文献は図面を表示できません]
【0707】
手順
ニトロ化合物を、沸騰しているTHFに溶解した。触媒を添加し、混合物を水素雰囲気に終夜供した。触媒をセライト上での濾過によって除去し、溶媒を蒸発させて、黄色粉末(0.8g、55%)を産出した。
【表91】
[この文献は図面を表示できません]
【0708】
7の合成
DCM中塩化クロロアセチルの溶液を、DCM中アニリンおよびトリエチルアミンの混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加した。(混合物は添加時に透明な溶液に変わる)反応混合物を1時間撹拌した。(追加分の塩化クロロアセチルは必要に応じて添加する)溶媒を減圧下で除去し、油性残留物をそのまま次のステップにおいて使用した。
【0709】
8の合成
ジオキサンを油性残留物に、モルホリンおよびトリエチルアミンとともに添加した。混合物を2〜3時間激しく還流させた(反応完了が必要ならばモルホリンを添加する)。反応が完了したら、加熱を停止した。生成物をMeOHから再結晶させ、濾過によって収集し、水で洗浄した(109mg、23%)。HPLC−96%純度。MS−(ES+)計算値465.18、実測値466.3(MH+)。
【0710】
化合物の合成:
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
【表92】
[この文献は図面を表示できません]
【0711】
手順
DCM(80mL)中のメチル1H−ピロール−2−カルボキシレート(6.25g、50ミリモル)の溶液を、DCM(50mL)中のAlCl3(16.67g、125ミリモル)および塩化クロロアセチル(10mL、125ミリモル)の撹拌混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加して、白色沈殿物形成をもたらした。添加が完了したら、混合物を還流させ、HPLCによってモニターした。完全変換が観察されたら、反応物を水およびクラッシュアイス(300mL)の混合物に注ぎ入れ、有機相がなくなるまで撹拌した。生成物をEAに抽出し、飽和重炭酸塩溶液で3回洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、灰色固体(9g、90%収率)を産出した。
【表93】
[この文献は図面を表示できません]
【0712】
手順
ローソン試薬を、ジメトキシエタン−THF2:1中の3−ニトロベンズアミドの撹拌混合物に添加した。反応物を50℃で2時間撹拌し、完了したら、重炭酸ナトリウムを添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物を、水およびクラッシュアイスの撹拌混合物(300mL)にゆっくり添加した。乳状混合物を沸騰するまで加熱し、次いで室温に冷却させておくと、黄色結晶(2.8g、77%収率)をもたらした。
【表94】
[この文献は図面を表示できません]
【0713】
手順
試薬を酢酸中で撹拌し、加熱還流して、透明な溶液、続いて沈殿物形成をもたらした。混合物を3〜5時間還流させた(出発材料の変換をHPLCによってモニターした)。混合物を室温に冷却し、固体を濾過によって収集し、氷水(80mL)で洗浄し、風乾させ、次いで真空乾燥させた。(90%からし色粉末)。
【表95】
[この文献は図面を表示できません]
【0714】
手順
NaOHを、ジオキサン−H2O 2:1中エステルの混合物に添加した。混合物を70〜80℃に加熱し、その間に、暗色溶液が形成される。反応が完了したら、有機溶媒を蒸発させ、残留物を、濃塩酸を使用して酸性化した。生成物を酢酸エチルに抽出するかまたは濾過によって収集するかの何れかとした。黄色粉末(5.8g、92%収率)。
【表96】
[この文献は図面を表示できません]
【0715】
手順
DSCを、ジオキサン−アセトニトリル中の酸およびトリエチルアミンの溶液に添加し、成分を室温で撹拌した。活性エステル形成をHPLCによってモニターした。過剰分の活性化剤を、90〜95%変換の時点まで添加した。次いで、ジメチルアミンを添加し、アミドの即時形成が観察された(反応物の色が変化した)。追加分のジメチルアミンを、活性エステルの完全変換が観察されるまで導入した。取得された固体を濾過によって除去し、水で洗浄し、高真空下で乾燥させて、所望生成物を帯褐色固体:580mg、84.7%収率として生じさせた。
【表97】
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【0716】
手順
ニトロ化合物を、沸騰しているTHFに溶解した。触媒を添加し、混合物を水素雰囲気に48時間供した。触媒をセライト上での濾過によって除去し、溶媒を蒸発させて、生成物を黄色固体:470mg、89%収率として産出した。
【表98】
[この文献は図面を表示できません]
【0717】
7の合成
DCM中塩化クロロアセチルの溶液を、DCM中アニリンおよびトリエチルアミンの混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加した。(混合物は添加時に透明な溶液に変わる)反応混合物を1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物をそのまま次のステップにおいて使用した。
【0718】
8の合成
ジオキサンを油性残留物に、モルホリンおよびトリエチルアミンとともに添加した。混合物を2時間激しく還流させた(反応完了が必要ならばモルホリンを添加する)。反応が完了したら、加熱を停止し、ノーリットを添加し、混合物を20分間撹拌した。木炭を濾過によって除去し、溶媒を減圧下で蒸発させた。濾液を蒸発させ、油性生成物を順相シリカ上で精製(PE:THF勾配によって溶離)して、純粋生成物を白色固体:35mg、15.9%収率、100%純度として生じさせた。HPLC−100%純度。MS−(ES+)計算値439.5、実測値440.1(MH+)。
【0719】
化合物の合成:
【化84】
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【化85】
[この文献は図面を表示できません]
【表99】
[この文献は図面を表示できません]
【0720】
手順
DCM(80mL)中のメチル1H−ピロール−2−カルボキシレート(6.25g、50ミリモル)の溶液を、DCM(50mL)中のAlCl3(16.67g、125ミリモル)および塩化クロロアセチル(10mL、125ミリモル)の撹拌混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加して、白色沈殿物形成をもたらした。添加が完了したら、混合物を還流させ、HPLCによってモニターした。完全変換が観察されたら、反応物を水およびクラッシュアイス(300mL)の混合物に注ぎ入れ、有機相がなくなるまで撹拌した。生成物をEAに抽出し、飽和重炭酸塩溶液で3回洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、灰色固体(9g、90%収率)を産出した。
【表100】
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【0721】
手順
ローソン試薬を、ジメトキシエタン−THF2:1中の3−ニトロベンズアミドの撹拌混合物に添加した。反応物を50℃で2時間撹拌し、完了したら、重炭酸ナトリウムを添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物を、水およびクラッシュアイスの撹拌混合物(300mL)にゆっくり添加した。乳状混合物を沸騰するまで加熱し、次いで室温に冷却させておくと、黄色結晶(2.8g、77%収率)をもたらした。
【表101】
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【0722】
手順
試薬を酢酸中で撹拌し、加熱還流して、透明な溶液、続いて沈殿物形成をもたらした。混合物を3〜5時間還流させた(出発材料の変換をHPLCによってモニターした)。混合物を室温に冷却し、固体を濾過によって収集し、氷水(80mL)で洗浄し、風乾させ、次いで真空乾燥させた。(90%からし色粉末)。
【表102】
[この文献は図面を表示できません]
【0723】
手順
NaOHを、ジオキサン−H2O 2:1中エステルの混合物に添加した。混合物を70〜80℃に加熱し、その間に、暗色溶液が形成される。反応が完了したら、有機溶媒を蒸発させ、残留物を、濃塩酸を使用して酸性化した。生成物を酢酸エチルに抽出するかまたは濾過によって収集するかの何れかとした。黄色粉末(5.8g、92%収率)。
【表103】
[この文献は図面を表示できません]
【0724】
手順
DSCを、ジオキサン−アセトニトリル中の酸およびトリエチルアミンの溶液に添加し、成分を室温で撹拌した。活性エステル形成をHPLCによってモニターした。過剰分の活性化剤を、90〜95%変換の時点まで添加した。次いで、ジメチルアミンを添加し、アミドの即時形成が観察された(反応物の色が変化した)。追加分のジメチルアミンを、活性エステルの完全変換が観察されるまで導入した。取得された固体を濾過によって除去し、水で洗浄し、高真空下で乾燥させて、所望生成物を帯褐色固体:580mg、84.7%収率として生じさせた。
【表104】
[この文献は図面を表示できません]
【0725】
手順
ニトロ化合物を、沸騰しているTHFに溶解した。触媒を添加し、混合物を水素雰囲気に48時間供した。触媒をセライト上での濾過によって除去し、溶媒を蒸発させて、生成物を黄色固体:470mg、89%収率として産出した。
【表105】
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【0726】
7の合成
DCM中塩化クロロアセチルの溶液を、DCM中アニリンおよびトリエチルアミンの混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加した。(混合物は添加時に透明な溶液に変わる)反応混合物を1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物をそのまま次のステップにおいて使用した。
【0727】
8の合成
ジオキサンを油性残留物に、ピペリジンおよびトリエチルアミンとともに添加した。混合物を1時間激しく還流させた(反応完了が必要ならばピペリジンを添加する)。反応が完了したら、加熱を停止し、ノーリットを添加し、混合物を20分間撹拌した。木炭を濾過によって除去し、溶媒を減圧下で蒸発させた。濾液を蒸発させ、油性生成物を順相シリカ上で精製(PE:THF勾配によって溶離)して、純粋生成物を黄色固体:15mg、6.9%収率、96%純度として生じさせた。HPLC−96%純度。MS−(ES+)計算値437.5、実測値438.1(MH+)。
【0728】
化合物の合成:
【化86】
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【化87】
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【表106】
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【0729】
手順
DCM(80mL)中のメチル1H−ピロール−2−カルボキシレート(6.25g、50ミリモル)の溶液を、DCM(50mL)中のAlCl3(16.67g、125ミリモル)および塩化クロロアセチル(10mL、125ミリモル)の撹拌混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加して、白色沈殿物形成をもたらした。添加が完了したら、混合物を還流させ、HPLCによってモニターした。完全変換が観察されたら、反応物を水およびクラッシュアイス(300mL)の混合物に注ぎ入れ、有機相がなくなるまで撹拌した。生成物をEAに抽出し、飽和重炭酸塩溶液で3回洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、灰色固体(9g、90%収率)を産出した。
【表107】
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【0730】
手順
ローソン試薬を、ジメトキシエタン−THF2:1中の3−ニトロベンズアミドの撹拌混合物に添加した。反応物を50℃で2時間撹拌し、完了したら、重炭酸ナトリウムを添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物を、水およびクラッシュアイスの撹拌混合物(300mL)にゆっくり添加した。乳状混合物を沸騰するまで加熱し、次いで室温に冷却させておくと、黄色結晶(2.8g、77%収率)をもたらした。
【表108】
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【0731】
手順
試薬を酢酸中で撹拌し、加熱還流して、透明な溶液、続いて沈殿物形成をもたらした。混合物を3〜5時間還流させた(出発材料の変換をHPLCによってモニターした)。混合物を室温に冷却し、固体を濾過によって収集し、氷水(80mL)で洗浄し、風乾させ、次いで真空乾燥させた。(90%からし色粉末)。
【表109】
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【0732】
手順
NaOHを、ジオキサン−H2O 2:1中エステルの混合物に添加した。混合物を70〜80℃に加熱し、その間に、暗色溶液が形成される。反応が完了したら、有機溶媒を蒸発させ、残留物を、濃塩酸を使用して酸性化した。生成物を酢酸エチルに抽出するかまたは濾過によって収集するかの何れかとした。黄色粉末(5.8g、92%収率)。
【表110】
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【0733】
手順
DSCを、ジオキサン−アセトニトリル中の酸およびトリエチルアミンの溶液に添加し、成分を室温で撹拌した。活性エステル形成をHPLCによってモニターした。過剰分の活性化剤を、90〜95%変換の時点まで添加した。次いで、ジメチルアミンを添加し、アミドの即時形成が観察された(反応物の色が変化した)。追加分のジメチルアミンを、活性エステルの完全変換が観察されるまで導入した。取得された固体を濾過によって除去し、水で洗浄し、高真空下で乾燥させて、所望生成物を帯褐色固体:580mg、84.7%収率として生じさせた。
【表111】
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【0734】
手順
ニトロ化合物を、沸騰しているTHFに溶解した。触媒を添加し、混合物を水素雰囲気に48時間供した。触媒をセライト上での濾過によって除去し、溶媒を蒸発させて、生成物を黄色固体:470mg、89%収率として産出した。
【表112】
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【0735】
7の合成
DCM中塩化クロロアセチルの溶液を、DCM中アニリンおよびトリエチルアミンの混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加した。(混合物は添加時に透明な溶液に変わる)反応混合物を1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物をそのまま次のステップにおいて使用した。
【0736】
8の合成
ジオキサンを油性残留物に、1−メチルピペラジンおよびトリエチルアミンとともに添加した。混合物を1時間激しく還流させた(反応完了が必要ならば1−メチルピペラジンを添加する)。反応が完了したら、加熱を停止し、ノーリットを添加し、混合物を20分間撹拌した。木炭を濾過によって除去し、溶媒を減圧下で蒸発させた。濾液を蒸発させ、油性生成物を順相シリカ上で精製(PE:THF勾配によって溶離)して、純粋生成物を黄色固体:156mg、69%収率、100%純度として生じさせた。HPLC−100%純度。MS−(ES+)計算値452.6、実測値453.1(MH+)。
【0737】
化合物の合成:
【化88】
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【化89】
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【表113】
[この文献は図面を表示できません]
【0738】
手順
DCM(80mL)中のメチル1H−ピロール−2−カルボキシレート(6.25g、50ミリモル)の溶液を、DCM(50mL)中のAlCl3(16.67g、125ミリモル)および塩化クロロアセチル(10mL、125ミリモル)の撹拌混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加して、白色沈殿物形成をもたらした。添加が完了したら、混合物を還流させ、HPLCによってモニターした。完全変換が観察されたら、反応物を水およびクラッシュアイス(300mL)の混合物に注ぎ入れ、有機相がなくなるまで撹拌した。生成物をEAに抽出し、飽和重炭酸塩溶液で3回洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、灰色固体(9g、90%収率)を産出した。
【表114】
[この文献は図面を表示できません]
【0739】
手順
ローソン試薬を、ジメトキシエタン−THF2:1中の3−ニトロベンズアミドの撹拌混合物に添加した。反応物を50℃で2時間撹拌し、完了したら、重炭酸ナトリウムを添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物を、水およびクラッシュアイスの撹拌混合物(300mL)にゆっくり添加した。乳状混合物を沸騰するまで加熱し、次いで室温に冷却させておくと、黄色結晶(2.8g、77%収率)をもたらした。
【表115】
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【0740】
手順
試薬を酢酸中で撹拌し、加熱還流して、透明な溶液、続いて沈殿物形成をもたらした。混合物を3〜5時間還流させた(出発材料の変換をHPLCによってモニターした)。混合物を室温に冷却し、固体を濾過によって収集し、氷水(80mL)で洗浄し、風乾させ、次いで真空乾燥させた。(90%からし色粉末)。
【表116】
[この文献は図面を表示できません]
【0741】
手順
NaOHを、ジオキサン−H2O 2:1中エステルの混合物に添加した。混合物を70〜80℃に加熱し、その間に、暗色溶液が形成される。反応が完了したら、有機溶媒を蒸発させ、残留物を、濃塩酸を使用して酸性化した。生成物を酢酸エチルに抽出するかまたは濾過によって収集するかの何れかとした。黄色粉末(5.8g、92%収率)。
【表117】
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【0742】
手順
トリエチルアミンを、アセトニトリル−ジオキサン混合物中の酸の混合物に添加して、透明な溶液をもたらした。次いで、活性化剤を添加し、成分を室温で撹拌した。活性エステル形成をHPLCによってモニターした。過剰分の活性化剤を、90〜95%変換の時点まで添加した。次いで、ピロリジンを添加し、アミドの即時形成(沈殿物)が観察された。追加分のピロリジンを、活性エステルの完全変換が観察されるまで導入した。取得された固体を濾過によって収集し、水(70mL)で洗浄し、真空乾燥させた(2g、73%)。
【表118】
[この文献は図面を表示できません]
【0743】
手順
ニトロ化合物を、沸騰しているTHFに溶解した。触媒を添加し、混合物を水素雰囲気に終夜供した。触媒をセライト上での濾過によって除去し、溶媒を蒸発させて、白色泡状物(1.8g、定量的収率)を産出した。
【表119】
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【0744】
7の合成
DCM中塩化クロロアセチルの溶液を、DCM中アニリンおよびトリエチルアミンの混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加した。(混合物は添加時に透明な溶液に変わる)反応混合物を1時間撹拌した。(追加分の塩化クロロアセチルは必要に応じて添加する)溶媒を減圧下で除去し、油性残留物をそのまま次のステップにおいて使用した。
【0745】
8の合成
ジオキサンを油性残留物に、ジメチルアミンおよびトリエチルアミンとともに添加した。混合物を2〜3時間激しく還流させた(反応完了が必要ならばジメチルアミンを添加する)。反応が完了したら、加熱を停止した。溶媒を減圧下で除去した。残留物を、イソプロパノールを使用して粉砕し、濾過によって収集し、水で洗浄した。高真空で乾燥させることにより、55mg(13%)を生じさせた。HPLC−96%純度。MS−(ES+)計算値423.17、実測値424.2(MH+)。
【0746】
化合物の合成:
【化90】
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【化91】
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【表120】
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【0747】
手順
DCM(80mL)中のメチル1H−ピロール−2−カルボキシレート(6.25g、50ミリモル)の溶液を、DCM(50mL)中のAlCl3(16.67g、125ミリモル)および塩化クロロアセチル(10mL、125ミリモル)の撹拌混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加して、白色沈殿物形成をもたらした。添加が完了したら、混合物を還流させ、HPLCによってモニターした。完全変換が観察されたら、反応物を水およびクラッシュアイス(300mL)の混合物に注ぎ入れ、有機相がなくなるまで撹拌した。生成物をEAに抽出し、飽和重炭酸塩溶液で3回洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、灰色固体(9g、90%収率)を産出した。
【表121】
[この文献は図面を表示できません]
【0748】
手順
ローソン試薬を、ジメトキシエタン−THF2:1中の3−ニトロベンズアミドの撹拌混合物に添加した。反応物を50℃で2時間撹拌し、完了したら、重炭酸ナトリウムを添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物を、水およびクラッシュアイスの撹拌混合物(300mL)にゆっくり添加した。乳状混合物を沸騰するまで加熱し、次いで室温に冷却させておくと、黄色結晶(2.8g、77%収率)をもたらした。
【表122】
[この文献は図面を表示できません]
【0749】
手順
試薬を酢酸中で撹拌し、加熱還流して、透明な溶液、続いて沈殿物形成をもたらした。混合物を3〜5時間還流させた(出発材料の変換をHPLCによってモニターした)。混合物を室温に冷却し、固体を濾過によって収集し、氷水(80mL)で洗浄し、風乾させ、次いで真空乾燥させた。(90%からし色粉末)。
【表123】
[この文献は図面を表示できません]
【0750】
手順
NaOHを、ジオキサン−H2O 2:1中エステルの混合物に添加した。混合物を70〜80℃に加熱し、その間に、暗色溶液が形成される。反応が完了したら、有機溶媒を蒸発させ、残留物を、濃塩酸を使用して酸性化した。生成物を酢酸エチルに抽出するかまたは濾過によって収集するかの何れかとした。黄色粉末(5.8g、92%収率)。
【表124】
[この文献は図面を表示できません]
【0751】
手順
DSCを、ジオキサン−アセトニトリル中の酸およびトリエチルアミンの溶液に添加し、成分を室温で撹拌した。活性エステル形成をHPLCによってモニターした。過剰分の活性化剤を、90〜95%変換の時点まで添加した。次いで、シクロプロピルアミンを添加し、アミドの即時形成(沈殿物)が観察された。追加分のピロリジンを、活性エステルの完全変換が観察されるまで導入した。取得された固体を濾過によって除去し、濾液(90%純度)を蒸発させ、得られた固体を水(30mL)中で撹拌した。真空乾燥により、0.46g(43%)の黄色固体を生じさせた。
【表125】
[この文献は図面を表示できません]
【0752】
手順
ニトロ化合物を、沸騰しているTHFに溶解した。触媒を添加し、混合物を水素雰囲気に終夜供した。触媒をセライト上での濾過によって除去し、溶媒を蒸発させて、白色泡状物(0.32g、76%)を産出した。
【表126】
[この文献は図面を表示できません]
【0753】
7の合成
DCM中塩化クロロアセチルの溶液を、DCM中アニリンおよびトリエチルアミンの混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加した。(混合物は添加時に透明な溶液に変わる)反応混合物を1時間撹拌した。(追加分の塩化クロロアセチルは必要に応じて添加する)。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物をそのまま次のステップにおいて使用した。
【0754】
8の合成
ジオキサンを油性残留物に、モルホリンおよびトリエチルアミンとともに添加した。混合物を2時間激しく還流させた(反応完了が必要ならばモルホリンを添加する)。反応が完了したら、加熱を停止した。溶媒を減圧下で除去した。残留物をEtOHに溶かし、ノーリットを添加した。混合物を30分間撹拌し、木炭を濾過によって除去した。濾液を蒸発させ、油性生成物を順相シリカ上で精製(PE:THF勾配によって溶離)した。20mg(4.46%)。HPLC−98%純度。MS−(ES+)計算値451.17、実測値451.6(MH+)。
【0755】
化合物の合成:
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
【表127】
[この文献は図面を表示できません]
【0756】
手順
DCM(80mL)中のメチル1H−ピロール−2−カルボキシレート(6.25g、50ミリモル)の溶液を、DCM(50mL)中のAlCl3(16.67g、125ミリモル)および塩化クロロアセチル(10mL、125ミリモル)の撹拌混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加して、白沈殿物形成をもたらした。添加が完了したら、混合物を還流させ、HPLCによってモニターした。完全変換が観察されたら、反応物を水およびクラッシュアイス(300mL)の混合物に注ぎ入れ、有機相がなくなるまで撹拌した。生成物をEAに抽出し、飽和重炭酸塩溶液で3回洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、灰色固体(9g、90%収率)を産出した。
【表128】
[この文献は図面を表示できません]
【0757】
手順
ローソン試薬を、ジメトキシエタン−THF2:1中の3−ニトロベンズアミドの撹拌混合物に添加した。反応物を50℃で2時間撹拌し、完了したら、重炭酸ナトリウムを添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物を、水およびクラッシュアイスの撹拌混合物(300mL)にゆっくり添加した。乳状混合物を沸騰するまで加熱し、次いで室温に冷却させておくと、黄色結晶(2.8g、77%収率)をもたらした。
【表129】
[この文献は図面を表示できません]
【0758】
手順
試薬を酢酸中で撹拌し、加熱還流して、透明な溶液、続いて沈殿物形成をもたらした。混合物を3〜5時間還流させた(出発材料の変換をHPLCによってモニターした)。混合物を室温に冷却し、固体を濾過によって収集し、氷水(80mL)で洗浄し、風乾させ、次いで真空乾燥させた。(90%からし色粉末)。
【表130】
[この文献は図面を表示できません]
【0759】
手順
NaOHを、ジオキサン−H2O 2:1中エステルの混合物に添加した。混合物を70〜80℃に加熱し、その間に、暗色溶液が形成される。反応が完了したら、有機溶媒を蒸発させ、残留物を、濃塩酸を使用して酸性化した。生成物を酢酸エチルに抽出するかまたは濾過によって収集するかの何れかとした。黄色粉末(5.8g、92%収率)。
【表131】
[この文献は図面を表示できません]
【0760】
手順
トリエチルアミンを、アセトニトリル−ジオキサン混合物中の酸の混合物に添加して、透明な溶液をもたらした。次いで、活性化剤を添加し、成分を室温で撹拌した。活性エステル形成をHPLCによってモニターした。過剰分の活性化剤を、90〜95%変換の時点まで添加した。次いで、ピロリジンを添加し、アミドの即時形成(沈殿物)が観察された。追加分のピロリジンを、活性エステルの完全変換が観察されるまで導入した。取得された固体を濾過によって収集し、水(70mL)で洗浄し、真空乾燥させた(2g、73%)。
【表132】
[この文献は図面を表示できません]
【0761】
手順
ニトロ化合物を、沸騰しているTHFに溶解した。触媒を添加し、混合物を水素雰囲気に終夜供した。触媒をセライト上での濾過によって除去し、溶媒を蒸発させて、白色泡状物(1.8g、定量的収率)を産出した。
【表133】
[この文献は図面を表示できません]
【0762】
7の合成
成分を、アセトニトリル−THF 1:1の混合物中、70℃で撹拌した。反応進行をHPLCによってモニターした。完全変換が観察され、続いて終夜撹拌し、溶媒を減圧下で除去した。生成物を、順相シリカ(PE−THFを使用する溶離)勾配で精製した(32mg、7%)。HPLC−98%純度。MS−(ES+)計算値451.17、実測値451.7(MH+)。
【0763】
化合物の合成:
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
【表134】
[この文献は図面を表示できません]
【0764】
手順
DCM(80mL)中のメチル1H−ピロール−2−カルボキシレート(6.25g、50ミリモル)の溶液を、DCM(50mL)中のAlCl3(16.67g、125ミリモル)および塩化クロロアセチル(10mL、125ミリモル)の撹拌混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加して、白色沈殿物形成をもたらした。添加が完了したら、混合物を還流させ、HPLCによってモニターした。完全変換が観察されたら、反応物を水およびクラッシュアイス(300mL)の混合物に注ぎ入れ、有機相がなくなるまで撹拌した。生成物をEAに抽出し、飽和重炭酸塩溶液で3回洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、灰色固体(9g、90%収率)を産出した。
【表135】
[この文献は図面を表示できません]
【0765】
手順
ローソン試薬を、ジメトキシエタン−THF2:1中の3−ニトロベンズアミドの撹拌混合物に添加した。反応物を50℃で2時間撹拌し、完了したら、重炭酸ナトリウムを添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物を、水およびクラッシュアイスの撹拌混合物(300mL)にゆっくり添加した。乳状混合物を沸騰するまで加熱し、次いで室温に冷却させておくと、黄色結晶(2.8g、77%収率)をもたらした。
【表136】
[この文献は図面を表示できません]
【0766】
手順
試薬を酢酸中で撹拌し、加熱還流して、透明な溶液、続いて沈殿物形成をもたらした。混合物を3〜5時間還流させた(出発材料の変換をHPLCによってモニターした)。混合物を室温に冷却し、固体を濾過によって収集し、氷水(80mL)で洗浄し、風乾させ、次いで真空乾燥させた。(90%からし色粉末)。
【表137】
[この文献は図面を表示できません]
【0767】
手順
NaOHを、ジオキサン−H2O 2:1中エステルの混合物に添加した。混合物を70〜80℃に加熱し、その間に、暗色溶液が形成される。反応が完了したら、有機溶媒を蒸発させ、残留物を、濃塩酸を使用して酸性化した。生成物を酢酸エチルに抽出するかまたは濾過によって収集するかの何れかとした。黄色粉末(5.8g、92%収率)。
【表138】
[この文献は図面を表示できません]
【0768】
手順
DSCを、ジオキサン−アセトニトリル中の酸およびトリエチルアミンの溶液に添加し、成分を室温で撹拌した。活性エステル形成をHPLCによってモニターした。過剰分の活性化剤を、95%変換の時点まで添加した。次いで、アンモニア溶液を添加し、アミドの即時形成(沈殿物)が観察された。追加分のアンモニアを、活性エステルの完全変換が観察されるまで導入した。取得された固体を濾過によって収集し、水で洗浄し、EtOHに溶かし、蒸発乾固させて、0.32g(1.02ミリモル、40%収率)の黄色粉末を産出した。
【表139】
[この文献は図面を表示できません]
【0769】
手順
ニトロ化合物を、沸騰しているTHFに溶解した。触媒を添加し、混合物を水素雰囲気に終夜供した。触媒をセライト上での濾過によって除去し、溶媒を蒸発させて、白色泡状物(定量的収率)を産出した。
【表140】
[この文献は図面を表示できません]
【0770】
7の合成
DCM中塩化クロロアセチルの溶液を、DCM中アニリンおよびトリエチルアミンの溶液中の出発材料に、氷浴上で冷却しながら滴下添加した。(混合物は添加時に透明な溶液に変わる)反応混合物を1時間撹拌した。(追加分の塩化クロロアセチルは必要に応じて添加する)。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物をそのまま次のステップにおいて使用した。
【0771】
8の合成
ジオキサンを油性残留物に、モルホリンおよびトリエチルアミンとともに添加した。混合物を2時間激しく還流させた(反応完了が必要ならばモルホリンを添加する)。反応が完了したら、加熱を停止した。溶媒を減圧下で除去した。濾液を蒸発させ、油性生成物を順相シリカ上で精製(PE:THF勾配によって溶離)した。20mg(5%)。HPLC−96%純度。MS−(ES+)計算値411.14、実測値411.8(MH+)。
【0772】
化合物の合成:
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
【化97】
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【表141】
[この文献は図面を表示できません]
【0773】
手順
DCM(80mL)中のメチル1H−ピロール−2−カルボキシレート(6.25g、50ミリモル)の溶液を、DCM(50mL)中のAlCl3(16.67g、125ミリモル)および塩化クロロアセチル(10mL、125ミリモル)の撹拌混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加して、白色沈殿物形成をもたらした。添加が完了したら、混合物を還流させ、HPLCによってモニターした。完全変換が観察されたら、反応物を水およびクラッシュアイス(300mL)の混合物に注ぎ入れ、有機相がなくなるまで撹拌した。生成物をEAに抽出し、飽和重炭酸塩溶液で3回洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、灰色固体(9g、90%収率)を産出した。
【表142】
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【0774】
手順
ローソン試薬を、ジメトキシエタン−THF2:1中の3−ニトロベンズアミドの撹拌混合物に添加した。反応物を50℃で2時間撹拌し、完了したら、重炭酸ナトリウムを添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物を、水およびクラッシュアイスの撹拌混合物(300mL)にゆっくり添加した。乳状混合物を沸騰するまで加熱し、次いで室温に冷却させておくと、黄色結晶(2.8g、77%収率)をもたらした。
【表143】
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【0775】
手順
試薬を酢酸中で撹拌し、加熱還流して、透明な溶液、続いて沈殿物形成をもたらした。混合物を3〜5時間還流させた(出発材料の変換をHPLCによってモニターした)。混合物を室温に冷却し、固体を濾過によって収集し、氷水(80mL)で洗浄し、風乾させ、次いで真空乾燥させた。(90%からし色粉末)。
【表144】
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【0776】
手順
NaOHを、ジオキサン−H2O 2:1中エステルの混合物に添加した。混合物を70〜80℃に加熱し、その間に、暗色溶液が形成される。反応が完了したら、有機溶媒を蒸発させ、残留物を、濃塩酸を使用して酸性化した。生成物を酢酸エチルに抽出するかまたは濾過によって収集するかの何れかとした。黄色粉末(5.8g、92%収率)。
【表145】
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【0777】
手順
DSCを、ジオキサン−アセトニトリル中の酸およびトリエチルアミンの溶液に添加し、成分を室温で撹拌した。活性エステル形成をHPLCによってモニターした。過剰分の活性化剤を、97%変換の時点まで添加した。次いで、ジエチルアミンを添加した。追加分のジエチルアミンを、活性エステルの完全変換が観察されるまで導入した。溶媒を減圧下で除去した。DCMを添加し、溶液を飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、0.8g(86%)の黄色粉末を産出した。
【表146】
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【0778】
手順
ニトロ化合物を、沸騰しているTHFに溶解した。触媒を添加し、混合物を水素雰囲気に終夜供した。触媒をセライト上での濾過によって除去し、溶媒を蒸発させて、白色泡状物(定量的収率)を産出した。
【表147】
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【0779】
7の合成
DCM中塩化クロロアセチルの溶液を、DCM中アニリンおよびトリエチルアミンの混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加した。(混合物は添加時に透明な溶液に変わる)反応混合物を1時間撹拌した。(追加分の塩化クロロアセチルは必要に応じて添加する)。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物をそのまま次のステップにおいて使用した。
【0780】
8の合成
ジオキサンを油性残留物に、モルホリンおよびトリエチルアミンとともに添加した。混合物を2時間激しく還流させた(反応完了が必要ならばモルホリンを添加する)。反応が完了したら、加熱を停止した。溶媒を減圧下で除去した。溶液を蒸発させ、油性生成物を順相シリカ上で精製(PE:THF勾配によって溶離)した。画分を合わせ、蒸発させた。油性生成物を、少量のTHFを使用してさらに粉砕した(87mg、9.3%)。HPLC−100%純度。MS−(ES+)計算値467.2、実測値467.9(MH+)。
【0781】
化合物の合成:
【化98】
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【化99】
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【表148】
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【0782】
手順
DCM(80mL)中のメチル1H−ピロール−2−カルボキシレート(6.25g、50ミリモル)の溶液を、DCM(50mL)中のAlCl3(16.67g、125ミリモル)および塩化クロロアセチル(10mL、125ミリモル)の撹拌混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加して、白色沈殿物形成をもたらした。添加が完了したら、混合物を還流させ、HPLCによってモニターした。完全変換が観察されたら、反応物を水およびクラッシュアイス(300mL)の混合物に注ぎ入れ、有機相がなくなるまで撹拌した。生成物をEAに抽出し、飽和重炭酸塩溶液で3回洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、灰色固体(9g、90%収率)を産出した。
【表149】
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【0783】
手順
ローソン試薬を、ジメトキシエタン−THF2:1中の3−ニトロベンズアミドの撹拌混合物に添加した。反応物を50℃で2時間撹拌し、完了したら、重炭酸ナトリウムを添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物を、水およびクラッシュアイスの撹拌混合物(300mL)にゆっくり添加した。乳状混合物を沸騰するまで加熱し、次いで室温に冷却させておくと、黄色結晶(2.8g、77%収率)をもたらした。
【表150】
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【0784】
手順
試薬を酢酸中で撹拌し、加熱還流して、透明な溶液、続いて沈殿物形成をもたらした。混合物を3〜5時間還流させた(出発材料の変換をHPLCによってモニターした)。混合物を室温に冷却し、固体を濾過によって収集し、氷水(80mL)で洗浄し、風乾させ、次いで真空乾燥させた。(90%からし色粉末)。
【表151】
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【0785】
手順
NaOHを、ジオキサン−H2O 2:1中エステルの混合物に添加した。混合物を70〜80℃に加熱し、その間に、暗色溶液が形成される。反応が完了したら、有機溶媒を蒸発させ、残留物を、濃塩酸を使用して酸性化した。生成物を酢酸エチルに抽出するかまたは濾過によって収集するかの何れかとした。黄色粉末(5.8g、92%収率)。
【表152】
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【0786】
手順
DSCを、ジオキサン−アセトニトリル中の酸およびトリエチルアミンの溶液に添加し、成分を室温で撹拌した。活性エステル形成をHPLCによってモニターした。過剰分の活性化剤を、90〜95%変換の時点まで添加した。次いで、ピペリジンを添加し、アミドの即時形成(沈殿物)が観察された。追加分のピロリジンを、活性エステルの完全変換が観察されるまで導入した。取得された固体を濾過によって除去し、濾液(90%純度)を蒸発させ、得られた固体を水(30mL)中で撹拌した。真空乾燥により、0.33g(34%)の黄色固体を生じさせた。
【表153】
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【0787】
手順
ニトロ化合物を、沸騰しているTHFに溶解した。触媒を添加し、混合物を水素雰囲気に終夜供した。触媒をセライト上での濾過によって除去し、溶媒を蒸発させて、白色泡状物(0.3g、定量的収率)を産出した。
【表154】
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【0788】
7の合成
DCM中塩化クロロアセチルの溶液を、DCM中アニリンおよびトリエチルアミンの混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加した。(混合物は添加時に透明な溶液に変わる)反応混合物を1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物をそのまま次のステップにおいて使用した。
【0789】
8の合成
ジオキサンを油性残留物に、モルホリンおよびトリエチルアミンとともに添加した。混合物を2時間激しく還流させた(反応完了が必要ならばモルホリンを添加する)。反応が完了したら、加熱を停止し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をEtOHに溶かし、ノーリットを添加した。混合物を30分間撹拌し、木炭を濾過によって除去した。濾液を蒸発させ、油性生成物を順相シリカ上で精製(PE:THF勾配によって溶離)した。104mg(25%)。HPLC−97.4%純度。MS−(ES+)計算値479.59、実測値480.9(MH+)。
【0790】
化合物の合成:
【化100】
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【化101】
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【表155】
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【0791】
手順
DCM(80mL)中のメチル1H−ピロール−2−カルボキシレート(6.25g、50ミリモル)の溶液を、DCM(50mL)中のAlCl3(16.67g、125ミリモル)および塩化クロロアセチル(10mL、125ミリモル)の撹拌混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加して、白色沈殿物形成をもたらした。添加が完了したら、混合物を還流させ、HPLCによってモニターした。完全変換が観察されたら、反応物を水およびクラッシュアイス(300mL)の混合物に注ぎ入れ、有機相がなくなるまで撹拌した。生成物をEAに抽出し、飽和重炭酸塩溶液で3回洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、灰色固体(9g、90%収率)を産出した。
【表156】
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【0792】
手順
ローソン試薬を、ジメトキシエタン−THF2:1中の4−メトキシ−3−ニトロベンズアミドの撹拌混合物に添加した。反応物を50℃で2時間撹拌し、完了したら、重炭酸ナトリウムを添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物を、水およびクラッシュアイスの撹拌混合物(300mL)にゆっくり添加した。乳状混合物を沸騰するまで加熱し、次いで室温に冷却させておくと、黄色結晶(0.9g、76%収率)をもたらした。
【表157】
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【0793】
手順
試薬を酢酸中で撹拌し、加熱還流して、透明な溶液、続いて沈殿物形成をもたらした。混合物を2時間還流させた(出発材料の変換をHPLCによってモニターした)。混合物を室温に冷却し、固体を濾過によって収集し、氷水(80mL)で洗浄し、風乾させ、次いで真空乾燥させた(1.04g、68%橙色固体)。
【表158】
[この文献は図面を表示できません]
【0794】
手順
NaOHを、ジオキサン−H2O 2:1の混合物中のエステルの混合物に添加した。混合物を70〜80℃に加熱し、その間に、暗色溶液が形成された。反応が完了したら、有機溶媒を蒸発させ、残留物を、濃塩酸を使用して酸性化した。生成物を酢酸エチルに抽出するかまたは濾過によって収集するかの何れかとした。橙色固体(980mg、98%収率)。
【表159】
[この文献は図面を表示できません]
【0795】
手順
DSCを、ジオキサン−アセトニトリル中の酸およびトリエチルアミンの溶液に添加し、成分を室温で撹拌した。活性エステル形成をHPLCによってモニターした。過剰分の活性化剤を、90〜95%変換の時点まで添加した。次いで、ピロリジンを添加し、アミドの即時形成が観察された(反応物の色が変化した)。追加分のピロリジンを、活性エステルの完全変換が観察されるまで導入した。取得された固体を濾過によって除去し、水で洗浄し、高真空下で乾燥させて、所望生成物を橙色固体:1.04g、91.9%収率として生じさせた。
【表160】
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【0796】
手順
ニトロ化合物を、沸騰しているTHFに溶解した。触媒を添加し、混合物を水素雰囲気に48時間供した。触媒をセライト上での濾過によって除去し、溶媒を蒸発させて、生成物を黄色固体:950mg、98.8%収率として産出した。
【表161】
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【0797】
7の合成
DCM中塩化クロロアセチルの溶液を、DCM中アニリンおよびトリエチルアミンの混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加した。(混合物は添加時に透明な溶液に変わる)反応混合物を1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物をそのまま次のステップにおいて使用した。
【0798】
8の合成
ジオキサンを油性残留物に、モルホリンおよびトリエチルアミンとともに添加した。混合物を1時間激しく還流させた(反応完了が必要ならばモルホリンを添加する)。反応が完了したら、加熱を停止し、ノーリットを添加し、混合物を20分間撹拌した。木炭を濾過によって除去し、溶媒を減圧下で蒸発させた。濾液を蒸発させ、油性生成物を順相シリカ上で精製(PE:THF勾配によって溶離)して、純粋生成物を黄色固体:7.5mg、2.3%収率、100%純度として生じさせた。HPLC−100%純度。MS−(ES+)計算値495.59、実測値496.27(MH+)。
【0799】
化合物の合成:
【化102】
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【化103】
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【表162】
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【0800】
手順
DCM(80mL)中のメチル1H−ピロール−2−カルボキシレート(6.25g、50ミリモル)の溶液を、DCM(50mL)中のAlCl3(16.67g、125ミリモル)および塩化クロロアセチル(10mL、125ミリモル)の撹拌混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加して、白色沈殿物形成をもたらした。添加が完了したら、混合物を還流させ、HPLCによってモニターした。完全変換が観察されたら、反応物を水およびクラッシュアイス(300mL)の混合物に注ぎ入れ、有機相がなくなるまで撹拌した。生成物をEAに抽出し、飽和重炭酸塩溶液で3回洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、灰色固体(9g、90%収率)を産出した。
【表163】
[この文献は図面を表示できません]
【0801】
手順
ローソン試薬を、ジメトキシエタン−THF2:1中の4−メトキシ−3−ニトロベンズアミドの撹拌混合物に添加した。反応物を50℃で2時間撹拌し、完了したら、重炭酸ナトリウムを添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物を、水およびクラッシュアイスの撹拌混合物(300mL)にゆっくり添加した。乳状混合物を沸騰するまで加熱し、次いで室温に冷却させておくと、黄色結晶(0.9g、76%収率)をもたらした。
【表164】
[この文献は図面を表示できません]
【0802】
手順
試薬を酢酸中で撹拌し、加熱還流して、透明な溶液、続いて沈殿物形成をもたらした。混合物を2時間還流させた(出発材料の変換をHPLCによってモニターした)。混合物を室温に冷却し、固体を濾過によって収集し、氷水(80mL)で洗浄し、風乾させ、次いで真空乾燥させた(1.04g、68%橙色固体)。
【表165】
[この文献は図面を表示できません]
【0803】
手順
NaOHを、ジオキサン−H2O 2:1の混合物中のエステルの懸濁液に添加した。混合物を70〜80℃に加熱し、その間に、暗色溶液が形成された。反応が完了したら、有機溶媒を蒸発させ、残留物を、濃塩酸を使用して酸性化した。生成物を酢酸エチルに抽出するかまたは濾過によって収集するかの何れかとした。橙色固体(980mg、98%収率)。
【表166】
[この文献は図面を表示できません]
【0804】
手順
DSCを、ジオキサン−アセトニトリル中の酸およびトリエチルアミンの溶液に添加し、成分を室温で撹拌した。活性エステル形成をHPLCによってモニターした。過剰分の活性化剤を、90〜95%変換の時点まで添加した。次いで、ピロリジンを添加し、アミドの即時形成が観察された(反応物の色が変化した)。追加分のピロリジンを、活性エステルの完全変換が観察されるまで導入した。取得された固体を濾過によって除去し、水で洗浄し、高真空下で乾燥させて、所望生成物を橙色固体:1.04g、91.9%収率として生じさせた。
【表167】
[この文献は図面を表示できません]
【0805】
手順
ニトロ化合物を、沸騰しているTHFに溶解した。触媒を添加し、混合物を水素雰囲気に48時間供した。触媒をセライト上での濾過によって除去し、溶媒を蒸発させて、生成物を黄色固体:950mg、98.8%収率として産出した。
【表168】
[この文献は図面を表示できません]
【0806】
7の合成
DCM中塩化クロロアセチルの溶液を、DCM中アニリンおよびトリエチルアミンの混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加した。(混合物は添加時に透明な溶液に変わる)反応混合物を1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物をそのまま次のステップにおいて使用した。
【0807】
8の合成
ジオキサンを油性残留物に、ピペリジンおよびトリエチルアミンとともに添加した。混合物を1時間激しく還流させた(反応完了が必要ならばピペリジンを添加する)。反応が完了したら、加熱を停止し、ノーリットを添加し、混合物を20分間撹拌した。木炭を濾過によって除去し、溶媒を減圧下で蒸発させた。濾液を蒸発させ、油性生成物を順相シリカ上で精製(PE:EtOAc勾配によって溶離)して、純粋生成物を黄色固体:31mg、9.7%収率、99%純度として生じさせた。HPLC−99%純度。MS−(ES+)計算値439.62、実測値494.51(MH+)。
【0808】
化合物の合成:
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
【表169】
[この文献は図面を表示できません]
【0809】
手順
DCM(80mL)中のメチル1H−ピロール−2−カルボキシレート(6.25g、50ミリモル)の溶液を、DCM(50mL)中のAlCl3(16.67g、125ミリモル)および塩化クロロアセチル(10mL、125ミリモル)の撹拌混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加して、白色沈殿物形成をもたらした。添加が完了したら、混合物を還流させ、HPLCによってモニターした。完全変換が観察されたら、反応物を水およびクラッシュアイス(300mL)の混合物に注ぎ入れ、有機相がなくなるまで撹拌した。生成物をEAに抽出し、飽和重炭酸塩溶液で3回洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、灰色固体(9g、90%収率)を産出した。
【表170】
[この文献は図面を表示できません]
【0810】
手順
ローソン試薬を、ジメトキシエタン−THF2:1中の4−メトキシ−3−ニトロベンズアミドの撹拌混合物に添加した。反応物を50℃で2時間撹拌し、完了したら、重炭酸ナトリウムを添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物を、水およびクラッシュアイスの撹拌混合物(300mL)にゆっくり添加した。乳状混合物を沸騰するまで加熱し、次いで室温に冷却させておくと、黄色結晶(0.9g、76%収率)をもたらした。
【表171】
[この文献は図面を表示できません]
【0811】
手順
試薬を酢酸中で撹拌し、加熱還流して、透明な溶液、続いて沈殿物形成をもたらした。混合物を2時間還流させた(出発材料の変換をHPLCによってモニターした)。混合物を室温に冷却し、固体を濾過によって収集し、氷水(80mL)で洗浄し、風乾させ、次いで真空乾燥させた(1.04g、68%橙色固体)。
【表172】
[この文献は図面を表示できません]
【0812】
手順
NaOHを、ジオキサン−H2O(2:1)中のエステルの混合物に添加した。反応混合物を70〜80℃に加熱し、その間に、暗色溶液が形成された。反応が完了したら、有機溶媒を蒸発させ、残留物を、濃HClを使用して酸性化した。生成物を酢酸エチルに抽出するかまたは濾過によって収集するかの何れかとした。橙色固体(980mg、98%収率)。
【表173】
[この文献は図面を表示できません]
【0813】
手順
DSCを、ジオキサン−アセトニトリル中の酸およびトリエチルアミンの溶液に添加し、成分を室温で撹拌した。活性エステル形成をHPLCによってモニターした。過剰分の活性化剤を、90〜95%変換の時点まで添加した。次いで、ピロリジンを添加し、アミドの即時形成が観察された(反応物の色が変化した)。追加分のピロリジンを、活性エステルの完全変換が観察されるまで導入した。取得された固体を濾過によって除去し、水で洗浄し、高真空下で乾燥させて、所望生成物を橙色固体:1.04g、91.9%収率として生じさせた。
【表174】
[この文献は図面を表示できません]
【0814】
手順
ニトロ化合物を、沸騰しているTHFに溶解した。触媒を添加し、混合物を水素雰囲気に48時間供した。触媒をセライト上での濾過によって除去し、溶媒を蒸発させて、生成物を黄色固体:950mg、98.8%収率として産出した。
【表175】
[この文献は図面を表示できません]
【0815】
7の合成
DCM中塩化クロロアセチルの溶液を、DCM中アニリンおよびトリエチルアミンの混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加した。(混合物は添加時に透明な溶液に変わる)反応混合物を1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物をそのまま次のステップにおいて使用した。
【0816】
8の合成
ジオキサンを油性残留物に、ジエチルアミンおよびトリエチルアミンとともに添加した。混合物を1時間激しく還流させた(反応完了が必要ならばジエチルアミンを添加する)。反応が完了したら、加熱を停止し、ノーリットを添加し、混合物を20分間撹拌した。木炭を濾過によって除去し、溶媒を減圧下で蒸発させた。濾液を蒸発させ、油性生成物を順相シリカ上で精製(PE:EtOAc勾配によって溶離)して、純粋生成物を黄色固体:32mg、10.3%収率、99%純度として生じさせた。HPLC−99%純度。MS−(ES+)計算値481.61、実測値482.23(MH+)。
【0817】
化合物の合成:
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
【表176】
[この文献は図面を表示できません]
【0818】
手順
DCM(80mL)中のメチル1H−ピロール−2−カルボキシレート(6.25g、50ミリモル)の溶液を、DCM(50mL)中のAlCl3(16.67g、125ミリモル)および塩化クロロアセチル(10mL、125ミリモル)の撹拌混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加して、白色沈殿物形成をもたらした。添加が完了したら、混合物を還流させ、HPLCによってモニターした。完全変換が観察されたら、反応物を水およびクラッシュアイス(300mL)の混合物に注ぎ入れ、有機相がなくなるまで撹拌した。生成物をEAに抽出し、飽和重炭酸塩溶液で3回洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、灰色固体(9g、90%収率)を産出した。
【表177】
[この文献は図面を表示できません]
【0819】
手順
ステップA:トルエン中の4−フルオロ−3−ニトロ安息香酸の混合物に、塩化チオニルを添加した。混合物を80℃で20時間撹拌し、溶媒を蒸発させて、塩化アシルを得た。
【0820】
ステップB:塩化アシルをトルエンに溶解した。MeOH中のアンモニアを、溶液に滴下添加して、黄色沈殿物形成をもたらした。混合物を室温で15分間撹拌した。次いで、1M HClを添加した。固体を濾過によって収集し、水で洗浄し、真空下で乾燥させて、純粋生成物を黄色固体:740mg、67%収率として生じさせた。
【表178】
[この文献は図面を表示できません]
【0821】
手順
ローソン試薬を、ジメトキシエタン−THF2:1中の4−フルオロ−3−ニトロベンズアミドの撹拌混合物に添加した。反応物を50℃で2時間撹拌し、完了したら、重炭酸ナトリウムを添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物を、水およびクラッシュアイスの撹拌混合物(60mL)にゆっくり添加した。乳状混合物を沸騰するまで加熱し、次いで室温に冷却させておくと、黄色結晶(1.23g、75.4%収率)をもたらした。
【表179】
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【0822】
手順
試薬を酢酸中で撹拌し、加熱還流して、透明な溶液、続いて沈殿物形成をもたらした。混合物を2時間還流させた(出発材料の変換をHPLCによってモニターした)。混合物を室温に冷却し、固体を濾過によって収集し、氷水(80mL)で洗浄し、風乾させ、次いで真空乾燥させた(1.5g、70.3%橙色固体)。
【表180】
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【0823】
手順
ニトロ化合物を、沸騰しているTHFに溶解した。触媒を添加し、混合物を水素雰囲気に72時間供した。触媒をセライト上での濾過によって除去し、溶媒を蒸発させて、生成物を褐色固体:680mg、100%収率として産出した。
【表181】
[この文献は図面を表示できません]
【0824】
5の合成
DCM中塩化クロロアセチルの溶液を、DCM中アニリンおよびトリエチルアミンの混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加した。(混合物は添加時に透明な溶液に変わる)反応混合物を1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物をそのまま次のステップにおいて使用した。
【0825】
6の合成
ジオキサンを油性残留物に、モルホリンおよびトリエチルアミンとともに添加した。混合物を2時間激しく還流させた(反応完了が必要ならばモルホリンを添加する)。反応が完了したら、加熱を停止し、ノーリットを添加し、混合物を20分間撹拌した。木炭を濾過によって除去し、溶媒を減圧下で蒸発させた。濾液を蒸発させ、油性生成物をさらに処理することなく次のステップに持ち込んだ:1.2g、100%収率。
【表182】
[この文献は図面を表示できません]
【0826】
手順
NaOHを、ジオキサン−H2O 2:1中のエステルの混合物に添加した。混合物を80℃に2時間加熱し、その間に、暗色溶液が形成された。反応が完了したら、有機溶媒を蒸発させ、残留物を、濃塩酸を使用して酸性化した。生成物を濾過によって収集し、水で洗浄した。真空で乾燥させた後、所望生成物が褐色固体(380mg、32.7%収率)として取得された。
【表183】
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【0827】
手順
DSCを、ジオキサン−アセトニトリル中の酸およびトリエチルアミンの溶液に添加し、成分を室温で撹拌した。活性エステル形成をHPLCによってモニターした。過剰分の活性化剤を、90〜95%変換の時点まで添加した。次いで、ピロリジンを添加し、アミドの即時形成が観察された(反応物の色が変化した)。追加分のピロリジンを、活性エステルの完全変換が観察されるまで導入した。取得された固体を濾過によって収集し、水で洗浄し、高真空下で乾燥させて、粗生成物を生じさせた。粗製物をコンビフラッシュカラムによって精製して、94%純度を持つ生成物を得た。熱MeOHからの結晶化により、純粋な所望生成物を白色固体:15mg、3.5%収率、100%純度として生じさせた。HPLC−100%純度。MS−(ES+)計算値483.56、実測値484.36(MH+)。
【0828】
化合物の合成:
【化108】
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【化109】
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【表184】
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【0829】
手順
DCM(80mL)中のメチル1H−ピロール−2−カルボキシレート(6.25g、50ミリモル)の溶液を、DCM(50mL)中のAlCl3(16.67g、125ミリモル)および塩化クロロアセチル(10mL、125ミリモル)の撹拌混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加して、白色沈殿物形成をもたらした。添加が完了したら、混合物を還流させ、HPLCによってモニターした。完全変換が観察されたら、反応物を水およびクラッシュアイス(300mL)の混合物に注ぎ入れ、有機相がなくなるまで撹拌した。生成物をEAに抽出し、飽和重炭酸塩溶液で3回洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、灰色固体(9g、90%収率)を産出した。
【表185】
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【0830】
手順
ローソン試薬を、ジメトキシエタン−THF2:1中の3−ニトロベンズアミドの撹拌混合物に添加した。反応物を50℃で2時間撹拌し、完了したら、重炭酸ナトリウムを添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物を、水およびクラッシュアイスの撹拌混合物(300mL)にゆっくり添加した。乳状混合物を沸騰するまで加熱し、次いで室温に冷却させておくと、黄色結晶(2.8g、77%収率)をもたらした。
【表186】
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【0831】
手順
試薬を酢酸中で撹拌し、加熱還流して、透明な溶液、続いて沈殿物形成をもたらした。混合物を3〜5時間還流させた(出発材料の変換をHPLCによってモニターした)。混合物を室温に冷却し、固体を濾過によって収集し、氷水(80mL)で洗浄し、風乾させ、次いで真空乾燥させた(90%からし色粉末)。
【表187】
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【0832】
手順
NaOHを、ジオキサン−H2O(2:1)中エステルの混合物に添加した。反応混合物を70〜80℃に加熱し、その間に、暗色溶液が形成される。反応が完了したら、有機溶媒を蒸発させ、残留物を、濃塩酸を使用して酸性化した。生成物を酢酸エチルに抽出するかまたは濾過によって収集するかの何れかとした。黄色粉末(5.8g、92%収率)。
【表188】
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【0833】
手順
DSCを、ジオキサン−アセトニトリル中の酸およびトリエチルアミンの溶液に添加し、成分を室温で撹拌した。活性エステル形成をHPLCによってモニターした。過剰分の活性化剤を、90〜95%変換の時点まで添加した。次いで、ピロリジンを添加し、アミドの即時形成(沈殿物)が観察された。追加分のピロリジンを、活性エステルの完全変換が観察されるまで導入した。取得された固体を濾過によって除去し、濾液(90%純度)を蒸発させ、得られた固体を水(30mL)中で撹拌した。真空乾燥により、3.68g、100%収率の純粋な所望生成物を生じさせた。
【表189】
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【0834】
手順
ニトロ化合物を、沸騰しているTHFに溶解した。触媒を添加し、混合物を水素雰囲気に終夜供した。触媒をセライト上での濾過によって除去し、溶媒を蒸発させて、白色泡状物(1.0g、80%)を産出した。
【表190】
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【0835】
7の合成
DCM中の3−メチルブタノイルクロリドの溶液を、DCM中のアニリンおよびトリエチルアミンの混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加した。反応混合物を1時間撹拌した。生成物が混合物から次第に沈殿し、濾過によって収集し、水で洗浄した。160mg、31%収率。HPLC−100%純度。MS−(ES+)計算値422.54、実測値423.31(MH+)。
【0836】
化合物の合成:
【化110】
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【化111】
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【表191】
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【0837】
手順
DCM(80mL)中のメチル1H−ピロール−2−カルボキシレート(6.25g、50ミリモル)の溶液を、DCM(50mL)中のAlCl3(16.67g、125ミリモル)および塩化クロロアセチル(10mL、125ミリモル)の撹拌混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加して、白色沈殿物形成をもたらした。添加が完了したら、混合物を還流させ、HPLCによってモニターした。完全変換が観察されたら、反応物を水およびクラッシュアイス(300mL)の混合物に注ぎ入れ、有機相がなくなるまで撹拌した。生成物をEAに抽出し、飽和重炭酸塩溶液で3回洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、灰色固体(9g、90%収率)を産出した。
【表192】
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【0838】
手順
ローソン試薬を、ジメトキシエタン−THF2:1中の3−ニトロベンズアミドの撹拌混合物に添加した。反応物を50℃で2時間撹拌し、完了したら、重炭酸ナトリウムを添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物を、水およびクラッシュアイスの撹拌混合物(300mL)にゆっくり添加した。乳状混合物を沸騰するまで加熱し、次いで室温に冷却させておくと、黄色結晶(2.8g、77%収率)をもたらした。
【表193】
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【0839】
手順
試薬を酢酸中で撹拌し、加熱還流して、透明な溶液、続いて沈殿物形成をもたらした。混合物を3〜5時間還流させた(出発材料の変換をHPLCによってモニターした)。混合物を室温に冷却し、固体を濾過によって収集し、氷水(80mL)で洗浄し、風乾させ、次いで真空乾燥させた(90%からし色粉末)。
【表194】
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【0840】
手順
NaOHを、ジオキサン−H2O 2:1中エステルの混合物に添加した。混合物を70〜80℃に加熱し、その間に、暗色溶液が形成される。反応が完了したら、有機溶媒を蒸発させ、残留物を、濃塩酸を使用して酸性化した。生成物を酢酸エチルに抽出するかまたは濾過によって収集するかの何れかとした。黄色粉末(5.8g、92%収率)。
【表195】
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【0841】
手順
DSCを、ジオキサン−アセトニトリル中の酸およびトリエチルアミンの溶液に添加し、成分を室温で撹拌した。活性エステル形成をHPLCによってモニターした。過剰分の活性化剤を、90〜95%変換の時点まで添加した。次いで、ピロリジンを添加し、アミドの即時形成(沈殿物)が観察された。追加分のピロリジンを、活性エステルの完全変換が観察されるまで導入した。取得された固体を濾過によって除去し、濾液(90%純度)を蒸発させ、得られた固体を水(30mL)中で撹拌した。真空乾燥により、3.68g、100%収率の純粋な所望生成物を生じさせた。
【表196】
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【0842】
手順
ニトロ化合物を、沸騰しているTHFに溶解した。触媒を添加し、混合物を水素雰囲気に終夜供した。触媒をセライト上での濾過によって除去し、溶媒を蒸発させて、白色泡状物(1.0g、80%)を産出した。
【表197】
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【0843】
7の合成
DCM中の塩化アセチルの溶液を、DCM中のアニリンおよびトリエチルアミンの混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加した。反応混合物を1時間撹拌した。生成物が混合物から次第に沈殿し、濾過によって収集し、水で洗浄した。生成物をMeOHから結晶化させた。83mg、22%収率。HPLC−97.6%純度。MS−(ES+)計算値380.46、実測値381.30(MH+)。
【0844】
化合物の合成:
【化112】
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【化113】
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【表198】
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【0845】
手順
DCM(80mL)中のメチル1H−ピロール−2−カルボキシレート(6.25g、50ミリモル)の溶液を、DCM(50mL)中のAlCl3(16.67g、125ミリモル)および塩化クロロアセチル(10mL、125ミリモル)の撹拌混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加して、白色沈殿物形成をもたらした。添加が完了したら、混合物を還流させ、HPLCによってモニターした。完全変換が観察されたら、反応物を水およびクラッシュアイス(300mL)の混合物に注ぎ入れ、有機相がなくなるまで撹拌した。生成物をEAに抽出し、飽和重炭酸塩溶液で3回洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、灰色固体(9g、90%収率)を産出した。
【表199】
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【0846】
手順
ローソン試薬を、ジメトキシエタン−THF2:1中の3−ニトロベンズアミドの撹拌混合物に添加した。反応物を50℃で2時間撹拌し、完了したら、重炭酸ナトリウムを添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物を、水およびクラッシュアイスの撹拌混合物(300mL)にゆっくり添加した。乳状混合物を沸騰するまで加熱し、次いで室温に冷却させておくと、黄色結晶(2.8g、77%収率)をもたらした。
【表200】
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【0847】
手順
試薬を酢酸中で撹拌し、加熱還流して、透明な溶液、続いて沈殿物形成をもたらした。混合物を3〜5時間還流させた(出発材料の変換をHPLCによってモニターした)。混合物を室温に冷却し、固体を濾過によって収集し、氷水(80mL)で洗浄し、風乾させ、次いで真空乾燥させた(90%からし色粉末)。
【表201】
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【0848】
手順
NaOHを、ジオキサン−H2O(2:1)中エステルの混合物に添加した。反応混合物を70〜80℃に加熱し、その間に、暗色溶液が形成される。反応が完了したら、有機溶媒を蒸発させ、残留物を、濃塩酸を使用して酸性化した。生成物を酢酸エチルに抽出するかまたは濾過によって収集するかの何れかとした。黄色粉末(5.8g、92%収率)。
【表202】
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【0849】
手順
DSCを、ジオキサン−アセトニトリル中の酸およびトリエチルアミンの溶液に添加し、成分を室温で撹拌した。活性エステル形成をHPLCによってモニターした。過剰分の活性化剤を、90〜95%変換の時点まで添加した。次いで、ピロリジンを添加し、アミドの即時形成(沈殿物)が観察された。追加分のピロリジンを、活性エステルの完全変換が観察されるまで導入した。取得された固体を濾過によって除去し、濾液(90%純度)を蒸発させ、得られた固体を水(30mL)中で撹拌した。真空乾燥により、3.68g、100%収率の純粋な所望生成物を生じさせた。
【表203】
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【0850】
手順
ニトロ化合物を、沸騰しているTHFに溶解した。触媒を添加し、混合物を水素雰囲気に終夜供した。触媒をセライト上での濾過によって除去し、溶媒を蒸発させて、白色泡状物(1.0g、80%)を産出した。
【表204】
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【0851】
7の合成
DCM中のシクロプロパンカルボニルクロリドの溶液を、DCM中のアニリンおよびトリエチルアミンの混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加した。反応混合物を1時間撹拌した。生成物が混合物から次第に沈殿し、濾過によって収集し、水で洗浄した。87.6mg、31%収率。HPLC−99%純度。MS−(ES+)計算値406.50、実測値407.40(MH+)。
【0852】
例10:Daudi細胞の増殖
本発明の化合物を、例4(Daudi細胞について):RS4;11、Ramos、Namalwa、RL、Molt−4およびDaudi細胞の増殖における手順に従って、Daudi増殖について試験した。本発明の化合物を、Daudi増殖(72時間)、3倍希釈、および9点について2連で試験した。本発明の化合物の最大濃度は10uMであり;参照化合物7Aの最大濃度は10uMであり;パクリタキセルは500nMであった。細胞生存は、Cell Titer Glo(CTG)試薬を使用して決定し、エンビジョンによって検出した。EC50は、プリズム5によって算出した。
【0853】
アッセイの原理を以下のスキームにおいて描写する:
【化114】
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【0854】
CellTiter−Glo(商標)ルミネッセンス細胞生存アッセイでは、ルシフェラーゼ反応の必要とされる補助因子であるATPを、代謝的に活性な細胞の指標として使用する。酵素ルシフェラーゼは、Mg2+およびATPの存在下でルシフェリンに作用して、オキシルシフェリンを生成し、エネルギーをルミネッセンスの形態で放出する。ルシフェラーゼ反応はATPを必要とするため、生成されるルミネッセンスは、細胞の代謝活性の指標であるATPの存在する量に比例する。
【0855】
以下の表7は、Daudi CTGアッセイ結果を示す。データが提示されており、ここで、文字「A」は0.0000001μM乃至0.1μMのIC50を有する化合物を意味し、文字「B」は0.11μM乃至1.0μMのIC50を有する化合物を意味し、文字「C」は1.1μM乃至10μMのIC50を有する化合物を意味し、文字「D」は10μMより大きいIC50を有する化合物を意味する。
【表205】
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【0856】
パクリタキセルおよび化合物7A対照のIC50は4.495nMおよび101.5nMであり、それぞれ4.691nMおよび122.1nMの過去データで確認された。化合物32Aおよび33Aを60℃および70℃に加熱してそれらを溶解し、細胞に添加した後、化合物沈殿物があった。アッセイを繰り返し、結果は同程度であった。
【0857】
例11:遊離塩基2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(化合物7A(試料1))の調製
【化115】
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【表206】
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【0858】
手順
DCM(150mL)中のメチル1H−ピロール−2−カルボキシレート(12.5グラム、100ミリモル)の溶液を、DCM(100mL)中のAlCl3(33.3グラム、250ミリモル)および塩化クロロアセチル(20mL、250ミリモル)の撹拌混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加して、白色沈殿物形成をもたらした。添加が完了したら、混合物を還流させ、HPLCによってモニターした。完全変換が観察されたら、反応物を水およびクラッシュアイスの混合物(600mL)に注ぎ入れ、有機相がなくなるまで撹拌した。生成物を酢酸エチルに抽出し、飽和重炭酸塩溶液で3回洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、純粋生成物を灰色固体(19.9グラム、98.7%収率、100%純度)として産出した。
【表207】
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【0859】
手順
ローソン試薬を、DME/THF(2:1)の混合物中の3−ニトロベンズアミドの撹拌混合物に添加した。反応混合物を50℃で2時間撹拌し、完了したら(HPLCによる)重炭酸ナトリウムを添加し、撹拌を室温にて追加で1時間続けた。溶媒を減圧下で除去し、油性残留物を水およびクラッシュアイスの撹拌混合物(400mL)にゆっくり添加して、黄色結晶をもたらした。混合物を15分間撹拌しながら70〜80℃に加熱し、次いで室温に冷却させた。固体を濾過によって収集し、水で洗浄し、風乾させ、次いで真空乾燥させた。純粋生成物が黄色結晶性固体(9.9グラム、100%収率、100%純度)として取得された。
【表208】
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【0860】
手順
3−ニトロチオベンズアミドおよびメチル4−(2−クロロアセチル)−1H−ピロール−2−カルボキシレートを酢酸に懸濁し、酢酸ナトリウムを添加した。反応混合物を加熱還流して、透明な溶液、続いて沈殿物形成をもたらした。混合物を1〜2時間還流させ(出発材料の変換をHPLCによってモニターした)、次いで室温に冷却した。固体を濾過によって収集し、氷水(200mL)で洗浄し、風乾させ、次いで真空乾燥させて、純粋生成物をからし色固体(15.6グラム、75%収率、100%純度)として生じさせた。
【表209】
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【0861】
手順
メチル4−(2−(3−ニトロフェニル)チアゾール−4−イル)−1H−ピロール−2−カルボキシレートを、ジオキサン/H2O(2:1)の混合物に溶解し、NaOHを添加した。混合物を70〜80℃に加熱し、その間に、暗色溶液が形成された。進行を、HPLCおよびLCMSを使用してモニターした。反応が完了したら(1時間)、有機溶媒の体積を蒸発によって(約30mLに)低減させ、次いで濃HClを使用して酸性化した。形成された固体を氷浴中で10分間冷却し、次いで濾過によって収集し、水で洗浄した。真空で乾燥させた後、所望生成物が黄色粉末(21.4グラム、95%収率、100%純度)として取得された。
【表210】
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【0862】
手順
ACN/ジオキサン混合物中の酸の混合物に、トリエチルアミンを添加して、透明な溶液をもたらした。次いで、活性化剤を添加し、成分を室温で撹拌して、中間体生成物を調製した。活性エステル形成を、HPLCおよびLCMSによってモニターした。過剰分の活性化剤を、90〜95%変換の時点まで(2時間)添加した。次いで、ピロリジンを添加し、アミドの即時形成(沈殿物)が観察された。追加分のピロリジンを、活性エステルから所望生成物への完全変換が観察されるまで(1時間)、導入した。取得された固体を濾過によって収集し、水(200mL)で洗浄し、真空乾燥させて、純粋生成物を黄色固体(7.9グラム、71.5%)として生じさせた。濾液を蒸発させ、取得された残留物に、EtOAcおよび1M HClを添加した。酸性相中に形成された固体を濾過によって単離し、水で洗浄して、さらに多くの純粋生成物(1.5グラム、13.6%収率)を得た。生成物の全収率は、9.4グラム、85.1%収率、100%純度であった。
【表211】
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【0863】
手順
ニトロ化合物を、沸騰しているTHF(HPLC)に溶解した。触媒試薬を添加し、混合物を水素雰囲気に終夜供した。室温で48時間後、HPLCおよびLCMSは、出発材料が完全に消費されたことを指示した。触媒をセライト上での濾過によって除去し、溶媒を蒸発させて、白色固体(10.0グラム、定量的収率)を産出した。
【表212】
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【0864】
7の合成
DCM中塩化クロロアセチルの溶液(30mL)を、DCM中アニリンおよびトリエチルアミンの溶液(50mL)中の混合物に、氷浴上で冷却しながら滴下添加した。(混合物は添加時に透明な溶液に変わる)反応混合物を1時間撹拌した。(追加分の塩化クロロアセチルは必要に応じて添加する)溶媒を減圧下で除去し、油性残留物をそのまま次のステップにおいて使用した。
【0865】
化合物7A(試料1)、7A(試料2)および10Xの合成
ジオキサンを油性残留物に、モルホリンおよびトリエチルアミンとともに添加した。混合物を2〜3時間激しく還流させた(反応完了が必要ならばモルホリンを添加する)。反応が完了したら、加熱を停止し、ノーリットを添加し、混合物を30分間撹拌した。
【0866】
固体を濾過によって除去し、溶媒を減圧下で除去した。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(コンビフラッシュ)によって精製した。
【0867】
図5は、上記の方法によって調製された化合物7A(試料1)の特徴的なX線回折パターンを示す。化合物7A(試料1)は非晶質結晶である。
【0868】
化合物7A(試料1)をエタノールから再結晶させて、化合物10Xを生じさせた。図15は、化合物10Xの特徴的なX線回折パターンを示す。表10は、化合物10XのXRDパラメーターを記載するものである。図18は、化合物10XのDSCサーモグラムを示す。
【表213】
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【0869】
化合物7A(試料1)のX線回折パターンを、2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(Enamine/www.enamine.netからの化合物7A(試料2);注文番号:Z134827882)の試料のX線回折パターンと比較した(図6)。
【表214】
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【0870】
図7は、2つのスペクトルのオーバーレイを示す。2つの試料の結晶形態は同一である。XRDパターンは、10%を上回る強度を持つピークについて見られる100%の類似度を有する。
【表215】
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【0871】
実験:
機器:Bruker D8アドバンス
最小限40kVおよび200mAで動作するCuK源(=1.54056オングストローム)は、各試料を4乃至40度2シータでスキャンする。
【0872】
例12:2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)(化合物9X)の調製
【化116】
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【表216】
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【0873】
9X−HCl塩の手順
2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(化合物7A(試料1))をトルエンに(加熱することによって)溶解し、HCl(EtOH中1.41M溶液)を滴下添加して、黄色沈殿物形成をもたらした。添加が完了したら、沈殿物を室温で30分間静置させておき、次いで濾過によって収集し、水で洗浄し、真空で乾燥させ、化合物9X(試料3)を生じさせた。
【0874】
熱EtOHからの再結晶により、純粋生成物をオフホワイトの結晶性固体:360ミリグラム、70%収率(化合物9X(試料2))として生じさせた。代替として、熱メタノールからの再結晶により、純粋生成物をオフホワイトの結晶性固体(化合物9X(試料1))として生じさせた。化合物9Xの3つすべての試料の結晶形態は同じである。
【0875】
分析(化合物7A(試料1))
1H-NMR - DMSO-d6, ppm.: 1.87-1.98 (4H, m, -CH2-CH2-); 2.45-2.55 (4H, m, -CH2-CH2-); 3.17 (2H, s, -CH2-CO-NH); 3.53 (2H, 広幅, -CH2- N); 3.66 (4H, t, -CH2-O-CH2-); 3.78 (2H, 広幅, -N-CH2-); 7.08 (1H, 広幅, CH Ar); 7.42 (1H, t, CH Ar); 7.67 (1H, d, CH Ar); 7.72 (1H, s, CH-S); 7.77 (1H, d, CH Ar); 8.31 (1H, s, CH-); 9.94 (1H, s, CH-NH); 11.58 (1H, s, NH).
HPLC - 100 %純度.
MS - (ES+) 計算値465.18, 実測値466.0 (MH+).
図8は、上記の方法によって調製された2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)(化合物9X(試料1))の特徴的なX線回折パターンを示す。
【表217-1】
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【表217-2】
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【0876】
化合物9X(試料1)のX線回折パターン(表11を参照)を、2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)(化合物9X(試料2))の試料のX線回折パターンと比較した(図9を参照)。試料は、10%を上回る強度を持つピークについて見られる92.31%の類似度の、同じXRDパターンを有することが分かった。
【表218】
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【0877】
化合物9X(試料3)のXRDは、化合物9X(試料1)および化合物9X(試料2)のものと同じである。
【0878】
実験:
機器:Bruker D8アドバンス
最小限40kVおよび40mAで動作するCuK源(=1.54056オングストローム)は、各試料を4乃至40度2シータでスキャンする。
【0879】
例13:
例11の方法によって取得された化合物7A(試料1)および例12の方法によって調製された化合物9X(試料1)のX線回折パターンの比較。化合物9X(試料1)と比較して、化合物7A(試料1)は、4.262°、19.126°、22.072°においてそれぞれ独特のピークを有し、化合物7Aが異なる結晶形態を有することを指示している。試料は、10%を上回る強度を持つピークについて見られる30.77%の類似度の、異なるXRPDパターンを有する。
【0880】
例14:
示差走査熱量計測定(DSC)分析を、本発明のプロセスに従って取得された化合物7A(試料1)、化合物9X(試料1および2)、および化合物10Xに対して実施した。DSCサーモグラムを、図10、11、13および18において示す。親化合物(遊離塩基)は217.6℃で融解する。対照的に、2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)は、分解を受けた後で融解し、故に、認識される明らかなピークはない。
【0881】
設備:DSC Q2000 V24.4ビルド116
示差走査熱量計条件:
ガス1:窒素50.0ml/分
皿の質量:29.765 28.364mg
皿のタイプ:アルミニウム
方法の記録:
1: 25.00℃で平衡化する
2: 10.00℃/分で400.00℃に上昇させる
3: 方法の終わり
例15:水溶解性試験
試験化合物の動力学的溶解性は、100mMリン酸緩衝液(7.4)中で評価した。試験濃度は100μM(試験化合物では0%のDMSO、参照化合物では1%のDMSO)であった。試験系は100mMリン酸緩衝液(pH7.4)であった。試料サイズは2連(n=2)であり、生物学的分析法はLC−UV(Agilent−1200)であった。移動相A:H2O−1%TFA、B:MeOH−1%TFA;カラムBoston Symmetrix ODS−H(2.1×50mm、5μm);LC条件0.4mL/分。
【0882】
試験化合物の場合:
時間(分) ポンプB
0.1 30
1.6 95
3.8 95
4.0 30
6.0 停止
【表219】
[この文献は図面を表示できません]
【0883】
結果を以下の表13に示す。タモキシフェンは低溶解性対照であり、PBS中1μM未満を示し;ケトコナゾールは中溶解性対照であり、PBS中15.9μMの溶解性を示し;プロプラノロールは高溶解性対照であり、投薬濃度100μM前後のPBS中溶解性を示した。表13中の結果は、結晶性塩酸塩(化合物9X(試料2))が、親化合物7A(試料1)を上回る優れた溶解性を呈することを示すものである。具体的には、化合物の溶解性は、PBS中10μM未満と低いのに対し、化合物9X(試料2)はPBS中10〜80μMの溶解性を呈した。
【表220】
[この文献は図面を表示できません]
【0884】
アッセイ手順
1. 参照化合物の場合:
− 8μLの10mM DMSOストック溶液を、792μLの100mMリン酸緩衝液に添加する(n=2)。最終濃度=100μM(1%のDMSO)
試験化合物の場合:
− 8μLの10mM DMSOストック溶液を管に添加する(n=2)。
【0885】
− 試料を窒素下で乾燥させる。
【0886】
− 800μLの100mMリン酸緩衝液を管に添加する。最終濃度=100μM(0%のDMSO)
2. 試料管を室温および37℃で1時間振とうする(1000rpm)。
【0887】
3. 試料を遠心分離(10分−12000rpm)して、溶解していない粒子を沈殿させる。
【0888】
4. 上清を新たな管に移す。
【0889】
5. 遠心分離後の上清の濃度を、LC−UV検出によって決定する。
【0890】
例16:他の結晶塩形態の調製
2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミドの他の結晶塩形態の調製を試みた。具体的には、試みは、H2SO4、メタンスルホン酸および酢酸塩の結晶性形態を調製するために為された。トルエンからの硫酸塩および酢酸塩の再結晶は、さらなる研究に好適な結晶性形態を生じさせなかった。トルエンからのメタンスルホン酸塩の再結晶により、非晶質形態を生成した。図13および14は、このメタンスルホン酸塩について取得されたDSCおよびXRPDデータを示す。
【0891】
他の態様
本発明をその詳細な説明と併せて記述してきたが、前述の記述は本発明の範囲を限定することではなく例証することが意図されており、該範囲は添付の請求項の範囲によって定義される。他の局面、利点および修正形態は、下記の請求項の範囲内である。当業者には、形態および詳細における種々の変化が、添付の請求項によって網羅される本発明の範囲を逸脱することなくその中で為されていてもよいことが理解されるであろう。
以下に、本願の種々の実施態様を付記する。
[1]
式Iによる化合物
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグ
[式中、
YおよびVは、O、SまたはNHからそれぞれ独立に選択され、
ZおよびXは、CHまたはNからそれぞれ独立に選択され、
Wは、CONR23またはNR23の何れかであり、但し、WがNR23である場合、R1はアリールまたは置換アリールであり、
1は、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線
状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、またはヘテロアルキル、C3〜C8シクロアルキル、
3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アミン、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アミンまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRaで置換されており、
ここで、Raは、それぞれの出現において、
a)線状または分枝C1〜C6アルキル、
b)線状または分枝C2〜C6アルケニル、
c)線状または分枝C2〜C6アルキニル、
d)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルキル、
e)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルコキシまたはアリールオキシ、
f)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルコキシ、
g)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルキルスルホニル、
h)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6チオアルキルまたはチオアリール(ここで、a)〜h)における前記アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
i)C3〜C8シクロアルキル(ここで、前記シクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
j)C3〜C8シクロアルケニル(ここで、前記シクロアルケニルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
k)アリール(ここで、前記アリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
l)ヘテロアリール(ここで、前記ヘテロアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
m)ヘテロシクロアルキル(ここで、前記ヘテロシクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
n)ヒドロキシル、
o)シアノ、
p)アミノ、
q)ニトロ、
r)ハロゲン、
s)CORb
t)COORb
u)CONRbc
v)NHCORb、および
w)NRbc
からなる群から独立に選択されるか、
あるいは2つのRaは、それらが結合している原子と一緒になって、5または6員のヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロ芳香族環を形成し、
ここで、RbおよびRcは、それぞれ独立に、水素、またはハロゲン、CF3、C(O)CH3、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される基であり、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRdで置換されており、ここで、Rdは、それぞれの出現において、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ジアルキルアミン、モノアルキルアミンおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択されるか、あるいは2つのRbは、それらが結合している原子と一緒になって、5または6員のヘテロシクロアルキル環を形成し、
2およびR3は、
(i)それぞれ独立に、水素、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキルおよびCORe(ここで、Reは、水素、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニルまたはヘテロシクロアルキルから選択される)からなる群から選択されるか、あるいは
(ii)それらが結合している窒素原子と一緒になって、5、6または7員のヘテロシクロアルキルまたはヘテロ芳香族環(ここで、前記ヘテロシクロアルキルまたはヘテロ芳香族環は無置換である)を形成するか
の何れかである]。
[2]
式IIによる化合物
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグ
[式中、
Yは、OまたはSから選択され、
Xは、CHまたはNから選択され、
Wは、CONR23またはNR23の何れかであり、但し、WがNR23である場合、R1はアリールまたは置換アリールであり、
1は、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、またはヘテロアルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アミン、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アミンまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRaで置換されており、
ここで、Raは、それぞれの出現において、
a)線状または分枝C1〜C6アルキル、
b)線状または分枝C2〜C6アルケニル、
c)線状または分枝C3〜C6アルキニル、
d)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルキル、
e)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルコキシまたはアリールオキシ、
f)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルコキシ、
g)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルキルスルホニル、
h)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6チオアルキルまたはチオアリール(ここで、a)〜h)における前記アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
i)C3〜C8シクロアルキル(ここで、前記シクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
j)C3〜C8シクロアルケニル(ここで、前記シクロアルケニルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
k)アリール(ここで、前記アリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
l)ヘテロアリール(ここで、前記ヘテロアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
m)ヘテロシクロアルキル(ここで、前記ヘテロシクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
n)ヒドロキシル、
o)シアノ、
p)アミノ、
q)ニトロ、
r)ハロゲン、
s)CORb
t)COORb
u)CONRbc
v)NHCORb、および
w)NRbc
からなる群から独立に選択されるか、
あるいは2つのRaは、それらが結合している原子と一緒になって、5または6員のヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロ芳香族環を形成し、
ここで、RbおよびRcは、それぞれ独立に、水素、またはハロゲン、C(O)CH3、CF3、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される基であり、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRdで置換されており、ここで、Rdは、それぞれの出現において、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ジアルキルアミン、モノアルキルアミンおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択されるか、
あるいは2つのRbは、それらが結合している原子と一緒になって、5または6員のヘテロシクロアルキル環を形成し、
2およびR3は、
(i)それぞれ独立に、水素、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキルおよびCORe(ここで、Reは、水素、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニルまたはヘテロシクロアルキルから選択される)からなる群から選択されるか、あるいは
(ii)それらが結合している窒素原子と一緒になって、5、6または7員のヘテロシクロアルキルまたはヘテロ芳香族環(ここで、前記ヘテロシクロアルキルまたはヘテロ芳香族環は無置換である)を形成するか
の何れかである]。
[3]
式IIIによる化合物
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグ
[式中、
YおよびVは、O、SまたはNHからそれぞれ独立に選択され、
ZおよびXは、CHまたはNからそれぞれ独立に選択され、
1は、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、またはヘテロアルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アミン、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アミンまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRaで置換されており、
ここで、Raは、それぞれの出現において、
a)線状または分枝C1〜C6アルキル、
b)線状または分枝C2〜C6アルケニル、
c)線状または分枝C2〜C6アルキニル、
d)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルキル、
e)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルコキシまたはアリールオキシ、
f)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルコキシ、
g)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルキルスルホニル、
h)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6チオアルキルまたはチオアリール(ここで、a)〜h)における前記アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
i)C3〜C8シクロアルキル(ここで、前記シクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
j)C3〜C8シクロアルケニル(ここで、前記シクロアルケニルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
k)アリール(ここで、前記アリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
l)ヘテロアリール(ここで、前記ヘテロアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
m)ヘテロシクロアルキル(ここで、前記ヘテロシクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
n)ヒドロキシル、
o)シアノ、
p)アミノ、
q)ニトロ、
r)ハロゲン、
s)CORb
t)COORb
u)CONRbc
v)NHCORb、および
w)NRbc
からなる群から独立に選択されるか、
あるいは2つのRaは、それらが結合している原子と一緒になって、5または6員のヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロ芳香族環を形成し、
ここで、RbおよびRcは、それぞれ独立に、水素、またはハロゲン、C(O)CH3、CF3、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される基であり、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRdで置換されており、ここで、Rdは、それぞれの出現において、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ジアルキルアミン、モノアルキルアミンおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択されるか、
あるいは2つのRbは、それらが結合している原子と一緒になって、5または6員のヘテロシクロアルキル環を形成し、
2およびR3は、
(i)それぞれ独立に、水素、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8アルケニルおよびヘテロシクロアルキルからなる群から選択されるか、あるいは
(ii)それらが結合している窒素原子と一緒になって、5、6または7員のヘテロシクロアルキルまたはヘテロ芳香族環(ここで、前記ヘテロシクロアルキルまたはヘテロ芳香族環は無置換である)を形成するかの何れかである]。
[4]
式IVによる化合物
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグ
[式中、
1は、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、またはヘテロアルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アミン、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アミンまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRaで置換されており、
ここで、Raは、それぞれの出現において、
a)線状または分枝C1〜C6アルキル、
b)線状または分枝C2〜C6アルケニル、
c)線状または分枝C2〜C6アルキニル、
d)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルキル、
e)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルコキシまたはアリールオキシ、
f)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルコキシ、
g)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルキルスルホニル、
h)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6チオアルキルまたはチオアリール(ここで、a)〜h)における前記アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
i)C3〜C8シクロアルキル(ここで、前記シクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
j)C3〜C8シクロアルケニル(ここで、前記シクロアルケニルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
k)アリール(ここで、前記アリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
l)ヘテロアリール(ここで、前記ヘテロアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
m)ヘテロシクロアルキル(ここで、前記ヘテロシクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
n)ヒドロキシル、
o)シアノ、
p)アミノ、
q)ニトロ、
r)ハロゲン、
s)CORb
t)COORb
u)CONRbc
v)NHCORb、および
w)NRbc
からなる群から独立に選択されるか、
あるいは2つのRaは、それらが結合している原子と一緒になって、5または6員のヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロ芳香族環を形成し、
ここで、RbおよびRcは、それぞれ独立に、水素、またはハロゲン、C(O)CH3、CF3、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される基であり、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRdで置換されており、ここで、Rdは、それぞれの出現において、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ジアルキルアミン、モノアルキルアミンおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択されるか、
あるいは2つのRbは、それらが結合している原子と一緒になって、5または6員のヘテロシクロアルキル環を形成し、
2およびR3は、
(i)それぞれ独立に、水素、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニルおよびヘテロシクロアルキルからなる群から選択されるか、あるいは
(ii)それらが結合している窒素原子と一緒になって、5、6または7員のヘテロシクロアルキルまたはヘテロ芳香族環(ここで、前記環は無置換である)を形成するかの何れかである]。
[5]
式Vによる化合物:
【化121】
[この文献は図面を表示できません]
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグ[式中、WはCONR23であり、R1は、
1)NRaa(ここで、a)1つのRaはHであり、かつ1つのRaは1以上のRbで置換されているフェニルであり、b)1つのRaは線状または分枝C1〜C6アルキルであり、かつ1つのRaは無置換のフェニルまたは1以上のRbで置換されているフェニルである)、および
2)1以上のNHCORbで置換されているフェニル(ここで、Rbは、a)無置換のフェニルまたは1以上のRdで置換されているフェニルであり、あるいはb)線状または分枝C1〜C6アルキルであり、ここで、前記アルキルは、線状または分枝C1〜C6アルキルで任意に置換されている5、6または7員のヘテロシクロアルキルで置換されており、但し、前記ヘテロシクロアルキルはモルホリンではない)から選択され、
2およびR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5、6または7員のヘテロシクロアルキルまたはヘテロ芳香族環を形成し、
bは、ハロゲン、C(O)CH3、CF3、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRdで置換されており、ここで、Rdは、それぞれの出現において、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ジアルキルアミン、モノアルキルアミンおよびヘテロアリールから独立に選択される]。
[6]
式VIの[1]に記載の化合物:
【化122】
[この文献は図面を表示できません]
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは多形体もしくはプロドラッグ[式中、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5は、
a)線状または分枝C1〜C6アルキル、
b)線状または分枝C2〜C6アルケニル、
c)線状または分枝C2〜C6アルキニル、
d)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルキル、
e)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルコキシまたはアリールオキシ、
f)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルコキシ、
g)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルキルスルホニル、
h)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6チオアルキルまたはチオアリール(ここで、a)〜h)における前記アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
i)C3〜C8シクロアルキル(ここで、前記シクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
j)C3〜C8シクロアルケニル(ここで、前記シクロアルケニルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
k)アリール(ここで、前記アリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
l)ヘテロアリール(ここで、前記ヘテロアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
m)ヘテロシクロアルキル(ここで、前記ヘテロシクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
n)ヒドロキシル、
o)シアノ、
p)アミノ、
q)ニトロ、
r)ハロゲン、
s)CORb
t)COORb
u)CONRbc
v)NHCORb
w)NRbc、および
x)水素
からなる群からそれぞれ独立に選択されるか、
あるいはRa1、Ra2、Ra3、Ra4、Ra6およびRa7の2つは、それらが結合している原子と一緒になって、5もしくは6員のヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロ芳香族環を形成し、
ここで、RbおよびRcは、それぞれ独立に、水素、またはハロゲン、CF3、C(O)CH3、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される基であり、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRdで置換されており、ここで、Rdは、それぞれの出現において、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ジアルキルアミン、モノアルキルアミンおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択され、
2つのRbは、それらが結合している原子と、5または6員のヘテロシクロアルキル環を形成する]。
[7]
式VIIの[6]に記載の化合物:
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグ。
[8]
式VIIIの[6]に記載の化合物:
【化124】
[この文献は図面を表示できません]
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグ。
[9]
式IXの[6]に記載の化合物:
【化125】
[この文献は図面を表示できません]
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグ。
[10]
式Xの[6]に記載の化合物:
【化126】
[この文献は図面を表示できません]
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグ。
[11]
式XIの[6]に記載の化合物:
【化127】
[この文献は図面を表示できません]
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグ。
[12]
式XIIの[6]に記載の化合物:
【化128】
[この文献は図面を表示できません]
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグ。
[13]
式XIIIの[1]に記載の化合物:
【化129】
[この文献は図面を表示できません]
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグ[式中、Ra6およびRa7は、
a)線状または分枝C1〜C6アルキル、
b)線状または分枝C2〜C6アルケニル、
c)線状または分枝C2〜C6アルキニル、
d)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルキル、
e)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルコキシまたはアリールオキシ、
f)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6ハロアルコキシ、
g)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6アルキルスルホニル、
h)線状または分枝、飽和または不飽和のC1〜C6チオアルキルまたはチオアリール(ここで、a)〜h)における前記アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
i)C3〜C8シクロアルキル(ここで、前記シクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
j)C3〜C8シクロアルケニル(ここで、前記シクロアルケニルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
k)アリール(ここで、前記アリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
l)ヘテロアリール(ここで、前記ヘテロアリールは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
m)ヘテロシクロアルキル(ここで、前記ヘテロシクロアルキルは、無置換であるか、またはそれぞれの出現において、1以上のRbで独立に置換されている)、
n)ヒドロキシル、
o)シアノ、
p)アミノ、
q)ニトロ、
r)ハロゲン、
s)CORb
t)COORb
u)CONRbc
v)NHCORb
w)NRbc、および
x)水素
からなる群からそれぞれ独立に選択されるか、
あるいはRa6およびRa7は、それらが結合している原子と一緒になって、5もしくは6員のヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロ芳香族環を形成し、
ここで、RbおよびRcは、それぞれ独立に、水素、またはハロゲン、CF3、C(O)CH3、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される基であり、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRdで置換されており、ここで、Rdは、それぞれの出現において、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ジアルキルアミン、モノアルキルアミンおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択され、2つのRbは、それらが結合している原子と、5または6員のヘテロシクロアルキル環を形成する]。
[14]
式XIVの[13]に記載の化合物:
【化130】
[この文献は図面を表示できません]
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグ。
[15]
式XVの[13]に記載の化合物:
【化131】
[この文献は図面を表示できません]
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグ[式中、Rb1、Rb2、Rb3、Rb4およびRb5は、水素、ハロゲン、CF3、C(O)CH3、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからそれぞれ独立に選択され、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、無置換であるか、または1以上のRdで置換されており、ここで、Rdは、それぞれの出現において、線状もしくは分枝C1〜C6アルキル、線状もしくは分枝C2〜C6アルケニル、線状もしくは分枝C2〜C6アルキニル、C
3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ジアルキルアミン、モノアルキルアミンおよびヘテロアリールから独立に選択されるか、あるいはRb1、Rb2、Rb3、Rb4またはRb5の2つは、それらが結合している原子と一緒になって、5または6員のヘテロシクロアルキル環を形成する]。
[16]
式XVIの[15]に記載の化合物:
【化132】
[この文献は図面を表示できません]
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグ。
[17]
式XVIIの[16]に記載の化合物:
【化133】
[この文献は図面を表示できません]
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグ。
[18]
式XVIIIの[16]に記載の化合物:
【化134】
[この文献は図面を表示できません]
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグ。
[19]
式XIXの[16]に記載の化合物:
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグ。
[20]
2およびR3が、線状または分枝C1〜C6アルキル、水素およびC3〜C8シロアルキルからそれぞれ独立に選択されるか、あるいはR2およびR3が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5、6または7員のヘテロシクロアルキルを形成する、[1]から[19]の何れか一項に記載の化合物。
[21]
2およびR3が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5、6または7員のヘテロシクロアルキル環を形成する、[20]に記載の化合物。
[22]
2およびR3が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5または6員のヘテロシクロアルキル環を形成する、[21]に記載の化合物。
[23]
2およびR3が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5員のヘテロシクロアルキル環を形成する、[22]に記載の化合物。
[24]
2およびR3が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジンまたはピペリジン環を形成する、[23]に記載の化合物。
[25]
2およびR3が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジン環を形成する、[24]に記載の化合物。
[26]
a1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5が、水素、NHCORb、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、C1〜C6アルキル、CF3およびNRbcからそれぞれ独立に選択される、[6]または[20]から[25]の何れか一に記載の化合物。
[27]
a1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5の1つがNHCORbであり、残りのRa1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5が水素である、[26]に記載の化合物。
[28]
a1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5の1つがハロゲンであり、残りのRa1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5が水素である、[26]に記載の化合物。
[29]
a1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5の1つがフッ素または塩素であり、残りのRa1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5が水素である、[28]に記載の化合物。
[30]
a1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5の1つがC1〜C6アルコキシであり、残りのRa1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5が水素である、[26]に記載の化合物。
[31]
a1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5の1つがメトキシまたはエトキシであり、残りのRa1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5が水素である、[30]に記載の化合物。
[32]
a1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5の1つがCF3であり、残りのRa1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5が水素である、[26]に記載の化合物。
[33]
a1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5の1つまたは2つがC1〜C6アルキルであり、残りのRa1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5が水素である、[26]に記載の化合物。
[34]
a1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5の1つまたは2つがメチルであり、残りのRa1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5が水素である、[33]に記載の化合物。
[35]
a1およびRa3が水素ではない、[33]または[34]に記載の化合物。
[36]
a5が水素ではない、[6]または[20]から[34]の何れか一に記載の化合物。
[37]
a4が水素ではない、[6]または[20]から[34]の何れか一に記載の化合物。
[38]
a3が水素ではない、[6]または[20]から[34]の何れか一に記載の化合物。
[39]
a3およびRa4が、水素、NHCORb、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、線状C1〜C6アルキルおよびNRbcからそれぞれ独立に選択される、[6]から[7]または[20]から[25]の何れか一に記載の化合物。
[40]
a3およびRa4の1つがNHCORbであり、残りのRa3またはRa4が、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、線状C1〜C6アルキルおよびNRbcから選択される、[39]に記載の化合物。
[41]
a3およびRa4の1つがNHCORbであり、残りのRa3またはRa4が、水素、C1〜C6アルコキシおよびハロゲンから選択される、[40]に記載の化合物。
[42]
a3が、水素、NHCORb、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、線状または分枝C1〜C6アルキルおよびNRbcから選択される、[6]から[8]、[11]から[12]または[20]から[25]の何れか一に記載の化合物。
[43]
a3が、水素、NHCORb、メトキシ、エトキシ、フッ素、塩素、ヒドロキシル、メチルおよびジメチルアミンから選択される、[42]に記載の化合物。
[44]
a3が、水素、メトキシ、エトキシ、フッ素、塩素、ヒドロキシル、メチルおよびジメチルアミンから選択される、[43]に記載の化合物。
[45]
a4が、水素、NHCORb、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、線状または分枝C1〜C6アルキルおよびNRbcから選択される、[6]から[10]および[20]から[25]の何れか一に記載の化合物。
[46]
a4が、水素、NHCORb、メトキシ、メチルおよび塩素から選択される、[45]に記載の化合物。
[47]
a4が、水素、メトキシ、メチルおよび塩素から選択される、[46]に記載の化合物。
[48]
bが、線状または分枝C1〜C6アルキル、無置換のC3〜C8シクロアルキル、無置換のアリールおよび無置換のヘテロシクロアルキルから選択され、ここで、前記C1〜C6アルキルは、無置換であるか、または1以上のRdで置換されている、[1]から[4]、[6]から[11]または[20]から[25]の何れか一に記載の化合物。
[49]
bが、−CH2d、線状または分枝の無置換のC1〜C6アルキル、無置換のヘテロシクロアルキルおよび無置換のC3〜C8シクロアルキルから選択される、[48]に記載の化合物。
[50]
bがメチルである、[49]に記載の化合物。
[51]
bが−CH2dである、[49]に記載の化合物。
[52]
dが、ヘテロシクロアルキル、ジアルキルアミン、モノアルキルアミンおよびC3〜C8シクロアルキルから選択される、[1]から[4]、[6]から[12]、[20]から[25]、[39]から[43]、[46]、[48]から[49]または[51]の何れか一に記載の化合物。
[53]
dが、メチルピペラジン、ピペリジン、ジメチルアミン、モルホリン、ジメチルアミンおよびシクロプロピルから選択される、[52]に記載の化合物。
[54]
dが、モルホリンでもシクロプロピルでもない、[1]から[12]、[20]から[25]、[39]から[43]、[46]、[48]から[49]、[51]から[52]または[53]の何れか一に記載の化合物。
[55]
dがメチルピペラジンである、[53]に記載の化合物。
[56]
dがピペリジンである、[53]に記載の化合物。
[57]
dがジメチルアミンである、[53]に記載の化合物。
[58]
dがモルホリンである、[53]に記載の化合物。
[59]
dがC3〜C8シクロアルキルである、[52]に記載の化合物。
[60]
dがシクロプロピルである、[59]に記載の化合物。
[61]
2およびR3が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジン環を形成しない、[1]から[24]または[26]から[60]の何れか一に記載の化合物。
[62]
a6およびRa7が、水素、線状C1〜C6アルキル、アリール、C3〜C8シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルからそれぞれ独立に選択され、ここで、前記アリールまたはアルキルは、無置換であるか、または1以上のRbで置換されており、あるいは、Ra6およびRa7が、それらが結合している原子と一緒になって、5または6員のヘテロシクロアルキルを形成する、[13]または[20]から[25]の何れか一に記載の化合物。
[63]
a6およびRa7が、水素、メチル、フェニル、シクロプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルからそれぞれ独立に選択され、ここで、前記メチルまたはフェニルは、無置換であるか、または1以上のRbで置換されており、あるいは、Ra6およびRa7が一緒になって、メチルピペラジンまたはモルホリンを形成する、[62]に記載の化合物。
[64]
a7が、フェニル、シクロプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルから選択され、ここで、前記メチルまたはフェニルは、無置換であるか、または1以上のRbで置換されている、[62]または[63]に記載の化合物。
[65]
a7が、無置換のフェニルまたは1以上のRbで置換されているフェニルから選択される、[62]から[64]に記載の化合物。
[66]
a6がメチルである、[61]から[65]何れか一に記載の化合物。
[67]
b1、Rb2、Rb3、Rb4およびRb5が、水素、ハロゲン、C(O)CH3、線状C1〜C6アルキル、CF3およびC1〜C6アルコキシからそれぞれ独立に選択され、
あるいは、Rb3およびRb4が一緒になって、5または6員のヘテロシクロアルキル環を形成する、[15]から[16]または[20]から[25]の何れか一に記載の化合物。
[68]
b1、Rb2、Rb3、Rb4およびRb5が、水素、フッ素、C(O)CH3、無置換のモルホリン、メチル、CF3およびメトキシからそれぞれ独立に選択され、あるいは、Rb3およびRb4が一緒になって、ジオキサン環を形成する、[67]に記載の化合物。
[69]
b1、Rb2、Rb3、Rb4およびRb5が、水素、フッ素、C(O)CH3および無置換のモルホリンからそれぞれ独立に選択される、[68]に記載の化合物。
[70]
b2およびRb4が水素である、[67]から[69]の何れか一に記載の化合物。
[71]
b1、Rb3およびRb5がフッ素である、[67]から[69]の何れか一に記載の化合物。
[72]
b1、Rb2、Rb3、Rb4およびRb5が、水素、ハロゲン、C(O)CH3、ヘテロシクロアルキルからそれぞれ独立に選択され、但し、Rb1、Rb2、Rb3、Rb4およびRb5の1つがフッ素である場合、残りのRb1、Rb2、Rb3、Rb4およびRb5は水素である、[15]から[16]または[20]から[25]の何れか一に記載の化合物。
[73]
b1が、水素、ハロゲン、C(O)CH3、ヘテロシクロアルキル、線状C1〜C6アルキル、CF3、C1〜C6アルコキシおよびC3〜C8シクロアルキルから選択される、[15]から[17]、[20]から[25]または[67]から[72]の何れか一に記載の化合物。
[74]
b1が、水素、フッ素、C(O)CH3、無置換のモルホリン、メチル、CF3およびメトキシ、ならびにシクロプロピルから選択される、[73]に記載の化合物。
[75]
b1が、水素、フッ素、C(O)CH3および無置換のモルホリンから選択される、[74]に記載の化合物。
[76]
b1がフッ素である、[75]に記載の化合物。
[77]
b1がメトキシである、[74]に記載の化合物。
[78]
b1がCF3である、[74]に記載の化合物。
[79]
b2が、水素、ハロゲン、C(O)CH3、ヘテロシクロアルキル、線状C1〜C6アルキル、CF3、C1〜C6アルコキシおよびC3〜C8シクロアルキルから選択される、[15]から[16]、[18]、[20]から[25]または[67]から[78]の何れか一に記載の化合物。
[80]
b2が、水素、フッ素、C(O)CH3、無置換のモルホリン、メチル、CF3およびメトキシ、ならびにシクロプロピルから選択される、[79]に記載の化合物。
[81]
b2が、水素、フッ素、C(O)CH3および無置換のモルホリンから選択される、[80]に記載の化合物。
[82]
b2が塩素またはフッ素である、[79]に記載の化合物。
[83]
b2がメトキシである、[80]に記載の化合物。
[84]
b3が、水素、ハロゲン、C(O)CH3、ヘテロシクロアルキル、線状C1〜C6アルキル、CF3、C1〜C6アルコキシおよびC3〜C8シクロアルキルから選択される、[15]から[16]、[19]、[20]から[25]または[67]から[83]の何れか一に記載の化合物。
[85]
b3が、水素、フッ素、C(O)CH3、無置換のモルホリン、メチル、CF3およびメトキシ、ならびにシクロプロピルから選択される、[84]に記載の化合物。
[86]
b3が、水素、フッ素、C(O)CH3および無置換のモルホリンから選択される、[85]に記載の化合物。
[87]
b3が、フッ素、C(O)CH3およびメトキシ、無置換のモルホリン、メトキシおよびメチルから選択される、[85]に記載の化合物。
[88]
3bがフッ素である、[85]に記載の化合物。
[89]
3bがメトキシである、[85]に記載の化合物。
[90]
2およびR3が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジン環を形成しない、[13]から[23]または[62]から[89]の何れか一に記載の化合物。
[91]
表Aから選択される化合物。
[92]
式:
【化136】
[この文献は図面を表示できません]
によって表される多形体2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)であって、下記の少なくとも1つ:図8において明記されているものと実質的に同様のX線回折ピークパターンを特徴とするX線回折パターン、または図10において明記されているものと実質的に同様の分解痕跡を有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを特徴とする、多形体。
[93]
約26.4、24.1、22.8、20.0、18.9および9.8度2θにおける特徴的なピークを包含するX線回折パターンを特徴とする、[92]に記載の多形体。
[94]
約26.4、24.1、22.8、21.4、20.0、19.6、18.9、18.0、16.4、16.0、13.7および9.8度2θにおける特徴的なピークを包含するX線回折パターンを特徴とする、[93]に記載の多形体。
[95]
約4.3、19.2および22.1度2θにおけるピークを欠くX線回折パターンを特徴とする、[92]から[94]の何れか一に記載の多形体。
[96]
前記X線回折が、銅X線源を用いて測定される、[92]から[95]の何れか一に記載の多形体。
[97]
前記DSCサーモグラムが、DSC Q2000 V24.4ビルド116によって測定される、[92]に記載の多形体。
[98]
前記X線回折パターンが、Bruker D8アドバンスによって測定される、[92]から[97]の何れか一に記載の多形体。
[99]
前記2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)が、
1)2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミドをトルエン中で加熱するステップと、
2)前記トルエン中の2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミドを、エタノール中の塩酸で処理するステップと
を含むプロセスによって取得可能である、[92]から[98]の何れか一に記載の多形体。
[100]
前記処理することが、エタノール中HClの1.4M溶液を用いるものである、[99]に記載の多形体。
[101]
2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)が、有機溶媒からの2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミドの塩酸塩の再結晶化により取得可能である、[92]から[98]の何れか一に記載の多形体。
[102]
前記有機溶媒が、エタノールおよびメタノールから選択される、[101]に記載の多形体。
[103]
前記有機溶媒がエタノールである、[102]に記載の多形体。
[104]
前記有機溶媒がメタノールである、[102]に記載の多形体。
[105]
式:
【化137】
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によって表される2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)からなる活性成分であって、下記の少なくとも1つ:図8において明記されているものと実質的に同様のX線回折ピークパターンを特徴とするX線回折パターン、または図10において明記されているものと実質的に同様の分解痕跡を有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを特徴とする、活性成分。
[106]
式:
【化138】
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によって表される2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)からなる活性成分(ここで、前記活性成分は、下記の少なくとも1つ:図8において明記されているものと実質的に同様のX線回折ピークパターンを特徴とするX線回折パターン、または図10において明記されているものと実質的に同様の分解痕跡を有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを特徴とする)と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
[107]
式:
【化139】
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によって表される多形体2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(形態I)であって、下記の少なくとも1つ:図15において明記されているものと実質的に同様のX線回折ピークパターンを特徴とするX線回折パターン、または図19において明記されているものと実質的に同様の分解痕跡を有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを特徴とする、多形体。
[108]
約21.3、22.7および24.5度2θにおける特徴的なピークを包含するX線回折パターンを特徴とする、[107]に記載の多形体。
[109]
約18.4、21.3、22.7および24.5度2θにおける特徴的なピークを包含するX線回折パターンを特徴とする、[108]に記載の多形体。
[110]
約15.4、18.4、19.5、21.3、22.7、24.5、25.2および28.0度2θにおける特徴的なピークを包含するX線回折パターンを特徴とする、[109]に記載の多形体。
[111]
前記X線回折が、銅X線源を用いて測定される、[107]から[110]の何れか一に記載の多形体。
[112]
前記DSCサーモグラムが、DSC Q2000 V24.4ビルド116によって測定される、[107]に記載の多形体。
[113]
前記X線回折パターンが、Bruker D8アドバンスによって測定される、[107]から[112]の何れか一に記載の多形体。
[114]
前記2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(形態I)が、有機溶媒からの2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミドの再結晶化により取得可能である、[107]から[113]の何れか一に記載の多形体。
[115]
前記有機溶媒が、エタノールである、[114]に記載の多形体。
[116]
式:
【化140】
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によって表される2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(形態I)からなる活性成分であって、下記の少なくとも1つ:図15において明記されているものと実質的に同様のX線回折ピークパターンを特徴とするX線回折パターン、または図18において明記されているものと実質的に同様の分解痕跡を有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを特徴とする、活性成分。
[117]
式:
【化141】
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によって表される2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(形態I)からなる活性成分(ここで、前記活性成分は、下記の少なくとも1つ:図15において明記されているものと実質的に同様のX線回折ピークパターンを特徴とするX線回折パターン、または図18において明記されているものと実質的に同様の分解痕跡を有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを特徴とする)と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
[118]
1以上のチロシンキナーゼ経路を阻害する、[1]から[91]の何れか一に記載の化合物。
[119]
1以上のチロシンキナーゼ経路を少なくとも約10%阻害する、[118]に記載の化合物。
[120]
前記経路において阻害されるチロシンキナーゼが、JAK、SYKおよびBTKから選択される、[119]に記載の化合物。
[121]
前記チロシンキナーゼがJAK3および/またはSYKである、[120]に記載の化合物。
[122]
1以上のチロシンキナーゼ経路を少なくとも約10%阻害する表Bまたは表Cの化合物、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
[123]
前記阻害されるチロシンキナーゼ経路が、JAKおよび/またはSYK、ならびにBTKから選択される、[122]に記載の化合物。
[124]
前記チロシンキナーゼ経路がJAK3である、[123]に記載の化合物。
[125]
前記チロシンキナーゼ経路がSYKである、[123]に記載の化合物。
[126]
[122]に記載の化合物と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む、医薬組成物。
[127]
がんおよび/または細胞増殖障害を予防するまたは治療するための医薬の製造における、[1]から[91]または[118]から[125]の何れか一に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグの使用。
[128]
がんおよび/または細胞増殖性障害を予防するまたは治療するための医薬の製造における、[92]から[105]の何れか一に記載の2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)の多形体または活性成分の使用。
[129]
がんおよび/または細胞増殖性障害を予防するまたは治療するための医薬の製造における、[107]から[116]の何れか一に記載の2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(形態I)の多形体または活性成分の使用。
[130]
前記がんおよび/または細胞増殖障害が、血液系の細胞増殖性障害である、[127]から[129]の何れか一に記載の使用。
[131]
前記がんが白血病である、[130]に記載の使用。
[132]
前記白血病が骨髄線維症である、[131]に記載の使用。
[133]
前記白血病が急性骨髄性白血病である、[131]に記載の使用。
[134]
前記細胞増殖障害が、真性赤血球増加症および本態性血小板血症から選択される、[127]から[129]の何れか一に記載の使用。
[135]
前記がんおよび/または細胞増殖障害が肺の細胞増殖性障害である、[127]から[129]の何れか一項に記載の使用。
[136]
前記がんおよび/または細胞増殖障害が結腸の細胞増殖性障害である、[127]から[129]の何れか一に記載の使用。
[137]
前記がんおよび/または細胞増殖障害が膵臓の細胞増殖性障害である、[127]から[129]の何れか一に記載の使用。
[138]
前記がんおよび/または細胞増殖障害が前立腺の細胞増殖性障害である、[127]から[129]の何れか一に記載の使用。
[139]
前記がんおよび/または細胞増殖障害が皮膚の細胞増殖性障害である、[127]から[129]の何れか一に記載の使用。
[140]
前記がんおよび/または細胞増殖障害が卵巣の細胞増殖性障害である、[127]から[129]の何れか一に記載の使用。
[141]
前記がんおよび/または細胞増殖障害が乳房の細胞増殖性障害である、[127]から[129]の何れか一に記載の使用。
[142]
前記医薬が、長期療法または維持療法として投与される、[127]から[141]の何れか一に記載の使用。
[143]
前記医薬が、付加的療法を含む併用療法の一部として投与される、[127]から[141]の何れか一項に記載の使用。
[144]
前記併用療法が、前記医薬の投与および少なくとも1つの付加的な治療剤の投与を含む、[143]に記載の使用。
[145]
前記併用療法が、非薬物療法を含む、[144]に記載の使用。
[146]
前記非薬物療法が、手術、免疫療法および放射線治療からなる群から選択される、[145]に記載の使用。
[147]
免疫系の機能不全、自己免疫疾患および移植拒絶反応から選択される障害を予防するまたは治療するための医薬の製造における、[1]から[91]または[118]から[125]の何れか一に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグの使用。
[148]
免疫系の機能不全、自己免疫疾患および移植拒絶反応から選択される障害を予防するまたは治療するための医薬の製造における、[92]から[105]の何れか一に記載の2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)の多形体または活性成分の使用。
[149]
免疫系の機能不全、自己免疫疾患および移植拒絶反応から選択される障害を予防するまたは治療するための医薬の製造における、[107]から[116]の何れか一に記載の2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(形態I)の多形体または活性成分の使用。
[150]
前記障害が移植拒絶反応である、[147]から[149]の何れか一に記載の使用。
[151]
前記移植拒絶反応が、腎臓、心臓、肺、肝臓もしくは膵臓の拒絶反応、または移植片対宿主病(GVHD)である、[150]に記載の使用。
[152]
前記自己免疫系疾患が、乾癬、関節リウマチおよび乾癬性関節炎から選択される、[147]から[149]の何れか一に記載の使用。
[153]
対象において炎症性障害または疾患を予防するまたは治療するための医薬の製造における、[1]から[91]または[118]から[125]の何れか一に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグの使用。
[154]
対象において炎症性障害または疾患を予防するまたは治療するための医薬の製造における、[92]から[105]の何れか一に記載の2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)の多形体または活性成分の使用。
[155]
対象において炎症性障害または疾患を予防するまたは治療するための医薬の製造における、[107]から[116]の何れか一に記載の2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(形態I)の多形体または活性成分の使用。
[156]
前記炎症性疾患が、炎症性腸疾患および強直性脊椎炎から選択される、[153]から[155]の何れか一に記載の使用。
[157]
前記炎症性腸疾患が、潰瘍性結腸炎およびクローン病から選択される、[156]に記載の使用。
[158]
ドライアイ疾患を予防するまたは治療するための医薬の製造における、[1]から[91]または[118]から[125]の何れか一に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグの使用。
[159]
対象においてドライアイ疾患を予防するまたは治療するための医薬の製造における、[92]から[105]の何れか一に記載の2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)の多形体または活性成分の使用。
[160]
対象においてドライアイ疾患を予防するまたは治療するための医薬の製造における、[107]から[116]の何れか一に記載の2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(形態I)の多形体または活性成分の使用。
[161]
対象においてリンパ球増殖を阻害するための医薬の製造における、[1]から[91]または[118]から[125]の何れか一に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグの使用。
[162]
対象においてリンパ球増殖を阻害するための医薬の製造における、[92]から[105]の何れか一に記載の2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)の多形体または活性成分の使用。
[163]
対象においてリンパ球増殖を阻害するための医薬の製造における、[107]から[116]の何れか一に記載の2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(形態I)の多形体または活性成分の使用。
[164]
対象においてリンパ球活性化を阻害するための医薬の製造における、[1]から[91]または[118]から[125]の何れか一に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグの使用。
[165]
対象においてリンパ球活性化を阻害するための医薬の製造における、[92]から[105]の何れか一に記載の2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)の多形体または活性成分の使用。
[166]
対象においてリンパ球活性化を阻害するための医薬の製造における、[107]から[116]の何れか一に記載の2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(形態I)の多形体または活性成分の使用。
[167]
前記リンパ球がT細胞である、[164]から[166]の何れか一に記載の使用。
[168]
前記リンパ球がB細胞である、[164]から[166]の何れか一に記載の使用。
[169]
対象において、チロシンキナーゼ阻害によってモジュレートされる疾患または障害を治療するまたは予防するための医薬の製造における、[1]から[91]または[118]から[125]の何れか一に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体もしくはプロドラッグの使用。
[170]
対象において、チロシンキナーゼ阻害によってモジュレートされる疾患または障害を治療するまたは予防するための医薬の製造における、[92]から[105]の何れか一に記載の2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド塩酸塩(形態I)の多形体または活性成分の使用。
[171]
対象において、チロシンキナーゼ阻害によってモジュレートされる疾患または障害を治療するまたは予防するための医薬の製造における、[107]から[116]の何れか一に記載の2−モルホリノ−N−(3−(4−(5−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトアミド(形態I)の多形体または活性成分の使用。
[172]
前記チロシンキナーゼが、JAK、SYKおよびBTKから選択される、[169]から[171]の何れか一に記載の使用。
[173]
前記チロシンキナーゼがJAK3である、[172]に記載の使用。
[174]
前記チロシンキナーゼがSYKである、[172]に記載の使用。
[175]
前記医薬が、経口的に、局所的にまたは静脈内に投与される、[127]から[174]の何れか一に記載の使用。
図1
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図2
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図3A
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図3B
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図3C
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図4A
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図4B
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図4C
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図4D
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図4E
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図4F
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図4G
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図4H
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図4I
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図5
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図6
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図7
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図8
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図9
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図10
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図11
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図12
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図13
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図14
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図15
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図16
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図17
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図18
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