(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
〔実施形態1〕
図2は、酸化物半導体液晶表示パネルを1Hzのリフレッシュレートで駆動した時の、各階調のフリッカ率を示すグラフである。フリッカ率は、フリッカの視認されやすさを表し、その値が大きいほどフリッカが視認されやすい。例えば、フリッカ率1.5%がフリッカが視認されやすいか否かの1つの基準になる。低リフレッシュレートで駆動した場合に、フリッカが生じやすいか否かは、表示する画像の階調に依存する。
図2では、最小の階調(黒)が0、最大の階調(白)が255である。なお、フリッカの視認されやすさは、画面の大きさおよび製造工程によっても異なる。パネル1はパネル2に比べて大型の液晶表示パネルである。パネル1とパネル2とは製造工程も異なる。
【0015】
中間階調では液晶の応答速度が比較的遅い。また、中間階調では、TFTを介した電荷の漏れによる階調の変化(液晶分子の配向の変化)が生じやすい。ここで、中間階調とは、飽和階調(最小の階調および最大の階調)を除いた階調のことである。例えば最小の階調を0、最大の階調を255としたときは、階調1から階調254の範囲が中間階調である。ノーマリブラックの場合、中間階調の中でも、例えば階調10から階調200の範囲でフリッカがより視認されやすい。さらに、階調20から階調80の範囲でフリッカがより視認されやすく、特に階調40から階調60の範囲でフリッカが視認されやすい。例えば、上記の範囲の階調の画素が多く含まれる画像を、1Hzのリフレッシュレートで表示した場合、1秒毎に画面がリフレッシュされるので、ユーザは1秒毎にフリッカを視認する可能性がある。
【0016】
そこで、本実施形態では、画像に所定の範囲の階調の画素が多く含まれる場合、リフレッシュレートを上げて駆動を行うことにより、フリッカが視認されることを防止する。
【0017】
(表示装置1の構成)
図1は、本発明に係る一実施形態の表示装置の構成を示すブロック図である。表示装置1は、表示部10と、表示駆動部20と、ホスト制御部30(制御装置)とを備えている。
【0018】
表示部10は画面を備えており、例えば、アクティブマトリクス型液晶表示パネルとしての酸化物半導体液晶表示パネルによって構成されている。酸化物半導体液晶表示パネルとは、二次元的に配列された複数の画素の少なくとも1つ毎に対応して設けられたスイッチング素子に、前述した酸化物半導体−TFTを採用した液晶表示パネルである。酸化物半導体−TFTは、半導体層に酸化物半導体が用いられたTFTである。酸化物半導体としては、例えば、インジウム・ガリウム・亜鉛の酸化物を用いた酸化物半導体(InGaZnO系酸化物半導体)がある。酸化物半導体−TFTは、オン状態において流れる電流が大きく、オフ状態におけるリーク電流が小さい。そのため、スイッチング素子に、酸化物半導体−TFTを採用したことにより、画素開口率を向上させることができる上に、画面表示のリフレッシュレートを1Hz程度にまで低減させることができる。リフレッシュレートの低減は、省電力効果をもたらす。なお、画素開口率の向上は、表示を明るくする効果、または表示の明るさをCGシリコン液晶表示パネルなどと同じにする場合には、バックライトの光量を下げることによる省電力効果をもたらす。なお、本発明は、酸化物半導体−TFTを用いた表示装置には限定されず、リフレッシュレートを変更可能な表示装置に適用することができる。
【0019】
(ホスト制御部30の構成)
ホスト制御部30は、画面更新検知部31(更新検知部)、CPU32、ホストメモリ33、ホストTG34(ホストタイミングジェネレータ)、画像判定部35、および駆動変更部36を備えている。ホスト制御部30は、例えば基板上に形成された制御回路で構成される。
【0020】
上記画面更新検知部31は、表示部10の画面の表示を更新する必要があるかどうかを検知する。例えば、表示装置1内で起動され実行中のアプリケーションが、表示の更新を画面更新検知部31に通知してきた場合、表示装置1のユーザが入力部を介して表示の更新を画面更新検知部31に通知してきた場合、インターネットを介したデータストリーミングまたは放送波などによる表示の更新が画面更新検知部31に通知された場合などに、画面更新検知部31は、CPU32に画面の表示(画像)を更新する必要があることを知らせる。
【0021】
ここでは、画面更新検知部31に入力される表示データは、表示が更新されるフレームの画像と、該画像データを表示するタイミングを示す表示更新フラグ(タイムリファレンス)とを含む。複数フレームに渡って画像の内容が変化しない場合、変化しない間のフレームのデータは、表示データには含まれない。画面更新検知部31は、表示更新フラグに基づいて、表示の更新の必要性を検知することができる。画面更新検知部31は、画像の内容が変化したフレームの時刻を記憶する。画面更新検知部31は、表示更新フラグに基づいて、前に画像の内容が変化したフレームから(表示更新されるフレームから)次に画像の内容が変化するフレームまでの間隔を検知する。画像の内容が変化する間隔から、表示が動画であるか静止画であるかを判別することができる。画面更新検知部31は、表示更新フラグと表示データとをCPU32に出力する。また、画面更新検知部31は、画像の内容が変化する間隔を、駆動変更部36に出力する。
【0022】
なお、表示データに、表示更新フラグが含まれておらず、全てのフレームのデータが含まれている場合、画面更新検知部31は、前のフレームの画像と後のフレームの画像とを比較することにより、画像の内容が変化したか否かを判断することができる。画面更新検知部31は、この比較結果より、表示の更新の必要性を検知することができる。この場合も、画面更新検知部31は、更新されたフレームの時刻から、画像の内容が変化してから次に画像の内容が変化するまでの間隔を検知する。
【0023】
CPU32は、1画面分の表示データを画面更新検知部31から取得し、ホストメモリ33に表示データを書き込む。また、CPU32は、画像判定部35に表示データを出力する。CPU32は、更新フラグをホストTG34に出力する。
【0024】
ホストメモリ33は、VRAM(Video Random Access Memory)等で構成される記憶装置である。
【0025】
ホストTG34は、CPU32から更新フラグを受け取ると、ホストメモリ33から表示データを取得し、表示駆動部20に表示データを転送する。ホストTG34は、表示の更新が必要な時のみ、更新されるフレーム画像の表示データを表示駆動部20に転送する。表示データの転送は、例えばMIPI(ミピ:Mobile Industry Processor Interface)等のモバイル機器のデータ通信仕様に従って行われる。なお、ホストTG34は、表示データと共に同期信号を表示駆動部20に転送する。
【0026】
画像判定部35は、表示データが示す画像が、フリッカが生じやすい画像であるか否かを判定する。具体的には、画像判定部35は、画像中の各画素について、階調20から階調80の範囲(第1範囲)の階調であるか否かを判定する。画像判定部35は、画像の所定の領域における第1範囲の階調である画素の割合を求める。具体的には、画像判定部35は、例えば10階調刻みで複数の画素を分類したヒストグラムを生成し、ヒストグラムから第1範囲の階調である画素の割合を求める。ここでは上記所定の領域は画像の全体であるが、上記所定の領域は画像の一部の領域であってもよい。画像判定部35は、第1範囲の階調である画素の割合が30%(第1閾値)以上であるか否かを判定する。画像判定部35は、上記割合が30%以上である場合、その画像がフリッカが生じやすい画像であると判定し、上記割合が30%未満である場合、その画像がフリッカが生じやすい画像ではないと判定する。画像判定部35は、第1範囲の階調である画素の割合が第1閾値以上であるか否かの判定結果を、駆動変更部36に出力する。なお、第1範囲および第1閾値等の値は、一例であり、他の値であってもよい。
【0027】
駆動変更部36は、画像判定部35の判定結果に基づいて、表示部10のリフレッシュレートを変更する。表示が静止画であり、第1範囲の階調である画素の割合が第1閾値未満である場合、駆動変更部36は、第1リフレッシュレート(1Hz)で表示を行うことを決定する。表示が静止画であり、第1範囲の階調である画素の割合が第1閾値以上である場合、駆動変更部36は、第1リフレッシュレートよりも高い第2リフレッシュレート(60Hz)で表示を行うことを決定する。ただし、表示が動画である場合、駆動変更部36は、第1リフレッシュレートと第2リフレッシュレートとの間の第3リフレッシュレート(30Hz)で表示を行うことを決定する。表示が動画である場合、短い間隔で画像の内容が変化するので、第1範囲の階調の画素が多くてもフリッカが視認されにくい。そのため、例えば動画の更新頻度が30Hzである場合に、30Hzより高い60Hzでリフレッシュする必要は無い。例えば動画の更新頻度が15Hzである場合、15Hzでリフレッシュしてもよいし、30Hzでリフレッシュしてもよい。なお、駆動変更部36は、画像の内容が変化する間隔から、表示が動画であるか静止画であるかを判定することができる。駆動変更部36は、決定されたリフレッシュレートで表示部10が駆動されるよう、表示駆動部20にリフレッシュレートを指示する。
【0028】
(表示駆動部20の構成)
表示駆動部20は、例えば、表示部10のガラス基板にCOG(Chip on Glass)実装された、いわゆるCOGドライバであり、上記画面に、表示データに基づく表示を行わせるように、表示部10を駆動する。表示駆動部20は、メモリ21、TG22(タイミングジェネレータ)、およびソースドライバ23を備える。
【0029】
メモリ21は、ホスト制御部30から転送された表示データを記憶する。メモリ21は、次に表示の更新が行われるまで(すなわち画像の内容が変化しない限り)、表示データを保持し続ける。
【0030】
TG22は、ホスト制御部30から指示されたリフレッシュレートに基づいて、メモリ21から表示データを読み出し、表示データをソースドライバ23に出力する。また、TG22は、指示されたリフレッシュレートで表示部10を駆動するためのタイミング信号を生成し、ソースドライバ23に供給する。なお、TG22は、タイミング信号を生成するためにホストTGから入力される同期信号を利用してもよい。
【0031】
ソースドライバ23は、タイミング信号に従って、表示部10の画素に、表示データに対応した表示電圧を書き込む。
【0032】
なお、表示装置1の好適な例として、例えば、携帯電話機、スマートフォン、ノート型PC、タブレット端末、電子書籍リーダー、またはPDA等、特に携行性を重視する表示装置を挙げることができる。
【0033】
(表示駆動方法)
図3は、表示装置1において静止画を表示するときのタイミングチャートである。
図3は、静止画像Aと静止画像Bとが順に表示される場合を示す。画像Aは、第1範囲(階調20〜階調80)の階調の画素の割合が第1閾値(30%)以上であり、フリッカを生じやすい画像である。画像Bは、第1範囲の階調の画素の割合が第1閾値よりも小さく、フリッカを生じにくい画像である。そのため、画像Aは60Hzのリフレッシュレートで表示され、画像Bは1Hzのリフレッシュレートで表示される。
【0034】
図3の(a)に示すように、画像の内容が変化したときのみ、ホスト制御部30から表示駆動部20に1画面分の表示データ(画像A、画像B)が転送される。画像Aの表示データが転送された後、次にホスト制御部30から表示駆動部20に表示データが転送されるのは、表示が画像Bに更新されるときである。
【0035】
表示駆動部20は、受け取った表示データ(画像A)をメモリ21に格納すると共に、
図3の(b)のドライバ内部垂直同期信号に同期したタイミングで、表示部10の表示を画像Aに更新する(
図3の(c))。ドライバ内部垂直同期信号は、指定されたリフレッシュレートに応じて、TG22が生成する。なお、表示駆動部20が表示データを受け取ってから表示するまでの遅延時間は、ここでは省略している。点線のパルスは、そこでは垂直同期信号が生成されていないことを示す。
【0036】
その後、画像Aの表示のリフレッシュは、1/60秒毎に行われる。表示駆動部20において、1/60秒毎に、TG22がメモリ21から表示データ(画像A)を読み出し、ソースドライバ23が表示データを表示部10に供給する。
【0037】
一方で、画像Bが表示部10に表示された後は、画像Bの表示のリフレッシュは、1秒毎に行われる。表示駆動部20において、1秒毎に、TG22がメモリ21から表示データ(画像B)を読み出し、ソースドライバ23が表示データを表示部10に供給する。このとき、ドライバ内部垂直同期信号も、1Hzのリフレッシュレートに合わせて生成される。
【0038】
図4は、表示装置1において動画を表示するときのタイミングチャートである。
図4は、動画である画像A〜画像Eが順に表示される場合を示す。画像A、B、D、Eはそれぞれ1/30秒間表示され、画像Cは1/15秒間表示される。画像の内容が変化する間隔は、画像A〜画像Eのいずれでも間隔閾値(例えば400ms)以下である。そのため、画像A〜画像Eは動画であると判断されるので、画像の階調に関係なく画像A〜画像Eは30Hzのリフレッシュレートで表示される。
【0039】
図4の(a)(b)に示すように、画像の内容が変化したときのみ、垂直同期信号(転送)に同期したタイミングで、ホスト制御部30から表示駆動部20に1画面分の表示データ(画像A〜画像E)が転送される。
【0040】
表示駆動部20は、受け取った表示データ(画像A)をメモリ21に格納すると共に、
図4の(c)のドライバ内部垂直同期信号に同期したタイミングで、表示部10の表示を画像Aに更新する(
図4の(d))。ドライバ内部垂直同期信号は、指定されたリフレッシュレートに応じて、TG22が生成する。
【0041】
画像Cのように、画像の内容が変化する間隔がリフレッシュ間隔(1/30秒)より長い場合、表示駆動部20において、1/30秒毎に、TG22がメモリ21に保持されている表示データ(画像C)を読み出し、ソースドライバ23が表示データを表示部10に供給する。
【0042】
(リフレッシュレート決定フロー1)
図5は、ホスト制御部30がリフレッシュレートを決定するフローチャートを示す図である。画面更新検知部31が表示の更新(画像の内容の変化)を検知する毎に、
図5のフローが実行される。
【0043】
画面更新検知部31は、表示更新フラグ等から画像の内容の変化を検知すると、画像の内容が変化する間隔を検知する。駆動変更部36は、画像の内容が変化する間隔(更新間隔)が所定の間隔閾値(例えば400ms)以下であるか否かを判定する(S1)。
【0044】
画像の内容が変化する間隔が間隔閾値以下である場合(S1でYes)、駆動変更部36は、表示される画像が動画であると判断し、リフレッシュレートを30Hzに決定する(S2)。
【0045】
画像の内容が変化する間隔が間隔閾値より大きい場合(S1でNo)、駆動変更部36は、表示される画像が静止画であると判断する。画像判定部35は、画像全体における第1範囲(階調20から階調80の範囲)の階調である画素の割合を求める。そして、画像判定部35は、第1範囲の階調である画素の割合が第1閾値(30%)以上であるか否かを判定する(S3)。
【0046】
画像の内容が変化する間隔が間隔閾値より大きく、かつ第1範囲の階調である画素の割合が第1閾値(30%)未満である場合(S3でNo)、駆動変更部36は、リフレッシュレートを1Hzに決定する(S4)。
【0047】
画像の内容が変化する間隔が間隔閾値より大きく、かつ第1範囲の階調である画素の割合が第1閾値(30%)以上である場合(S3でYes)、駆動変更部36は、リフレッシュレートを60Hzに決定する(S5)。
【0048】
(表示装置1の効果)
本実施形態の表示装置1によれば、静止画の表示において、フリッカが視認されやすい画像を表示する場合に、リフレッシュレートを高く設定することによりフリッカが視認されることを防止することができる。また、静止画の表示において、フリッカが視認されにくい画像を表示する場合に、リフレッシュレートを低く設定することにより消費電力を低減することができる。それゆえ、表示装置1は、表示品位を高く保ちつつ消費電力を低減することができる。
【0049】
動画の表示においては、画像の階調に関係なくフリッカが視認されにくい。表示装置1は、動画の表示において、リフレッシュレートを中程度に設定することにより、過剰なリフレッシュを抑制して消費電力を低減することができる。このときのリフレッシュレートは、少なくとも動画の更新頻度以上であればよい。
【0050】
なお、表示装置1は、動画または静止画に関係なく、画像における第1範囲の階調である画素の割合に応じてリフレッシュレートを決定する構成であってもよい。例えば、高いリフレッシュレートを60Hz、低いリフレッシュレートを15Hzとしてもよい。
【0051】
表示装置1では、画像が変化しない期間では、リフレッシュ動作は表示駆動部20が行い、ホスト制御部30は表示駆動部20に画像を転送する必要がない。そのため、画像が変化しない期間においてホスト制御部30の動作を休止させることができる。ホスト制御部30が休止することによる省電力効果は、非常に大きい。
【0052】
(変形例1)
なお1つの絵素にはRGBの画素が含まれる。上記の例では、画像判定部35は、画素の色(色成分:RGB)に関係なく、画像における第1範囲の階調である画素の割合を判定する。
【0053】
一方で、画像判定部35は、RGB毎に第1範囲の階調である画素の割合を求め、該割合に色毎に重みづけをしてもよい。この場合、画像判定部35は、該割合に色毎に重みづけをした合計値が所定の閾値以上であるか否かを判定する。一般的に、人間のRGBの認識度の強さは、R:G:B=3:6:1であると言われる。すなわち、人間はG(緑)画素を強く認識するので、G画素に第1範囲の階調が多いと、フリッカが視認されやすい。それゆえ、画像判定部35は、画像の所定の領域において、R(赤)画素のうち第1範囲の階調であるR画素の割合Rrと、G画素のうち第1範囲の階調であるG画素の割合Rgと、B画素のうち第1範囲の階調であるB画素の割合Rbとを求める。画像判定部35は、重みづけをした合計値として(3×Rr)+(6×Rg)+(1×Rb)を求める。画像判定部35は、この合計値が所定の閾値(例えば、(3+6+1)×30[%])以上であれば、その画像がフリッカが視認されやすい画像であると判定することができる。
【0054】
画像判定部35は、RGBの階調から求めた絵素の輝度Yに基づいて、その画像がフリッカが視認されやすい画像であるか否か判定してもよい。画像判定部35は、各絵素について、例えば輝度Y=R階調×0.29891+G階調×0.58661+B階調×0.11448として、輝度Yを求める。画像判定部35は、絵素の輝度Yが所定の範囲(例えば20〜80)の中にあれば、その絵素に含まれる複数の画素は第1範囲の階調であると判定してもよい。すなわち、輝度Yが所定の範囲内にある絵素の割合が第1閾値(30%)以上であれば、フリッカの視認を防止するために、高いリフレッシュレート(60Hz)で表示が行われる。この場合、画像判定部35は、各絵素の輝度Yについてのヒストグラムを記憶すればよいので、各画素の階調についてのヒストグラムを記憶する場合に比べて記憶容量が1/3程度で済む。
【0055】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上述の実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。本実施形態では、表示装置のブロック構成は実施形態1と同じであるが、リフレッシュレートの決定フローが実施形態1とは異なる。
【0056】
(リフレッシュレート決定フロー2)
図6は、本実施形態においてホスト制御部30がリフレッシュレートを決定するフローチャートを示す図である。画面更新検知部31が表示の更新(画像の内容の変化)を検知する毎に、
図6のフローが実行される。
【0057】
画面更新検知部31は、表示更新フラグ等から画像の内容の変化を検知すると、画像の内容が変化する間隔を検知する。また、画像判定部35は、階調をビンとして画像の各画素を分類するヒストグラムを生成する。駆動変更部36は、画像の内容が変化する間隔(更新間隔)が所定の間隔閾値以下であるか否かを判定する(S11)。
【0058】
画像の内容が変化する間隔が間隔閾値より大きい場合(S11でNo)、駆動変更部36は、表示される画像が静止画であると判断する。画像判定部35は、条件1を満たすか否かを判定する(S12)。条件1は、画像全体における第1範囲(階調20から80の範囲)の階調である画素の割合が第1閾値(30%)以上であることである。
【0059】
画像の内容が変化する間隔が間隔閾値より大きく、かつ条件1を満たす場合(S12でYes)、駆動変更部36は、リフレッシュレートを60Hzに決定する(S13)。
【0060】
画像の内容が変化する間隔が間隔閾値より大きく、かつ条件1を満たさない場合(S12でNo)、画像判定部35は、条件2を満たすか否かを判定する(S14)。条件2は、画像全体における第2範囲(階調10から160の範囲)の階調である画素の割合が第2閾値(20%)以上であることである。
【0061】
画像の内容が変化する間隔が間隔閾値より大きく、かつ条件1を満たさず、かつ条件2を満たす場合(S14でYes)、駆動変更部36は、リフレッシュレートを30Hzに決定する(S15)。第2範囲は第1範囲を包含するが第1範囲より広い。第2範囲の階調である画素は、第1範囲の階調である画素に比べればフリッカを生じさせにくいが、若干フリッカを生じさせる可能性はある。それゆえ、条件1より緩い条件2を満たす場合、フリッカの視認を防止するために、中程度のリフレッシュレートで表示を行う。これにより、過剰なリフレッシュを抑制して消費電力を低減することができる。
【0062】
画像の内容が変化する間隔が間隔閾値より大きく、かつ条件1を満たさず、かつ条件2を満たさない場合(S14でNo)、駆動変更部36は、リフレッシュレートを1Hzに決定する(S16)。条件1も条件2も満たされない場合、低リフレッシュレートで表示を行ってもフリッカが視認されないと判断できる。そのため、低リフレッシュレートで表示を行うことで、消費電力を低減する。
【0063】
画像の内容が変化する間隔が間隔閾値以下である場合(S11でYes)、駆動変更部36は、表示される画像が動画であると判断する。画像判定部35は、条件3を満たすか否かを判定する(S17)。条件3は、画像全体における第3範囲(階調40から60の範囲)の階調である画素の割合が第3閾値(40%)以上であることである。ここでは第3範囲は、第1範囲に包含され、かつ第1範囲より狭い範囲である。
【0064】
画像の内容が変化する間隔が間隔閾値以下であり、かつ条件3を満たす場合(S17でYes)、駆動変更部36は、リフレッシュレートを60Hzに決定する(S18)。動画であっても、特にフリッカを生じやすい階調の画素が多い場合は、フリッカが視認される可能性がある。この場合でも、高リフレッシュレートで表示を行うことにより、フリッカの視認を防止することができる。
【0065】
画像の内容が変化する間隔が間隔閾値以下であり、かつ条件3を満たさない場合(S17でNo)、画像判定部35は、条件4を満たすか否かを判定する(S19)。条件4は、画像全体における第4範囲(階調20から80の範囲)の階調である画素の割合が第4閾値(30%)以上であることである。
【0066】
画像の内容が変化する間隔が間隔閾値以下であり、かつ条件3を満たさず、かつ条件4を満たす場合(S19でYes)、駆動変更部36は、リフレッシュレートを30Hzに決定する(S20)。第4範囲は第3範囲を包含するが第3範囲より広い。それゆえ、条件3より緩い条件4を満たす場合、フリッカの視認を防止するために、中程度のリフレッシュレートで表示を行う。
【0067】
画像の内容が変化する間隔が間隔閾値以下であり、かつ条件3を満たさず、かつ条件4を満たさない場合(S19でNo)、駆動変更部36は、リフレッシュレートを15Hzに決定する(S21)。この場合、表示される画像が動画であるので、低くかつ動画表示として適切なリフレッシュレート(15Hz)で表示を行う。
【0068】
上記フロー2では、フリッカを生じやすい階調の画素の割合に応じて、段階的にリフレッシュレートを変更する。それゆえ、より表示品位を高く保ちつつ、不要なリフレッシュを削減することができる。なお、静止画より動画の方がフリッカが視認されにくいので、動画のための条件3、4はそれぞれ、静止画のための条件1、2より厳しい条件(満たす画像が少ない条件)になっている。
【0069】
(リフレッシュレート決定フロー3)
図7の(a)および(b)は、表示装置1の画面に表示される画像(静止画)の例を示す図である。これらの画像F、Gでは、白地の背景の中に、ユーザが選択するためのYesボタンおよびNoボタンが配置されている。白地の背景には例えば黒色の文字が描かれる。画像Fでは、ボタン領域は一定の階調30であり、画像Gでは、ボタン領域は一定の階調70である。画像Fにおいて、階調30のボタン領域は全体の18%の割合を占め、画像Gにおいて、階調70のボタン領域は全体の18%の割合を占める。すなわち、画像F、Gにおいて、白地の背景および黒色の文字からなる階調0から5および階調200から255の領域(背景領域)は、全体の80%以上を占める。
【0070】
これらの画像F、Gについて、上記フロー1、2に従ってリフレッシュレートを決定すると、1Hzのリフレッシュレートで表示を行うことになる。しかしながら、画像Fまたは画像Gでは、階調30または70の領域が固まって存在するため、低リフレッシュレートで表示を行うとボタン領域にフリッカが視認される可能性がある。かといって、第1範囲(階調20から80の範囲)に対する第1閾値を15%に設定すると、多くの画像が条件を満たしてしまい、低リフレッシュレートでもフリッカが視認されない画像まで60Hzのリフレッシュレートで表示することになる。そこで、以下で説明するフロー3では、階調の範囲を小さく分割して、判定を行う。
【0071】
図8は、ホスト制御部30がリフレッシュレートを決定するフローチャートを示す図である。
【0072】
画像判定部35は、条件5を満たすか否かを判定する(S31)。条件5は、画像全体における第5範囲(階調20から40の範囲)の階調である画素の割合が第5閾値(15%)以上であることである。
【0073】
条件5を満たす場合(S31でYes)、駆動変更部36は、リフレッシュレートを60Hzに決定する(S32)。
【0074】
条件5を満たさない場合(S31でNo)、画像判定部35は、条件6を満たすか否かを判定する(S33)。条件6は、画像全体における第6範囲(階調41から80の範囲)の階調である画素の割合が第6閾値(15%)以上であることである。
【0075】
条件5を満たさず、かつ条件6を満たす場合(S33でYes)、駆動変更部36は、リフレッシュレートを60Hzに決定する(S34)。
【0076】
条件5を満たさず、かつ条件6を満たさない場合(S33でNo)、駆動変更部36は、リフレッシュレートを1Hzに決定する(S34)。
【0077】
ここで、第5範囲と第6範囲とは、連続しているが範囲が重ならない。また、第5閾値と第6閾値とは同じ値(15%)である。このように、フリッカが生じやすい中間階調(例えば階調20−80)を、2つの範囲に分割してそれぞれ割合を判定することにより、画像F、Gのような小さい領域でフリッカが視認される画像を高リフレッシュレートで表示することができる。それゆえ、ボタン領域のような、フリッカが生じやすい階調が固まって存在する画像についても、フリッカの視認を防止することができる。また、フリッカが生じない画像を適切に判別し、該画像を低リフレッシュレートで表示することができる。
【0078】
なお、第5範囲と第6範囲とは、範囲が一部重なっていてもよく、異なる範囲であればよい。第5閾値と第6閾値とは、異なっていてもよい。
【0079】
〔実施形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上述の実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。本実施形態では、表示装置のブロック構成は実施形態1と同じである。
【0080】
(画像判定方法1)
実施形態1では画像全体における所定の範囲の階調である画素の割合を求めたが、画像の一部の領域において所定の範囲の階調である画素の割合を求めてもよい。
【0081】
図9の(a)(b)は、異なる表示装置の画面を示す図である。画素の容量の均一性は、製造工程に依存する。そのため、表示装置の画面において、画素の容量が均一でない領域は、一定の箇所に偏ることが多い。例えば、
図9の(a)に示す表示装置の例では、画面11aの中央に画素の容量が均一でない領域12が分布している。また、
図9の(b)に示す表示装置の例では、画面11bの下部に画素の容量が均一でない領域12が分布している。すなわち、画面全体に同じ階調の画像を表示した場合であっても、
図9の(a)では画面11aの中央においてフリッカが視認されやすく、
図9の(b)では画面11bの下部においてフリッカが視認されやすい。
【0082】
そこで、画素の容量が均一でない領域12に対応する画像の領域に、フリッカを生じやすい階調の画素が分布しているか否かを判定すれば、その画像がフリッカを生じやすい画像であるか否かを判別することができる。
【0083】
図9の(a)の表示装置では、画像判定部35(領域指定部)は、画像における中央の一部の領域を所定の解析領域13として指定する。
図9の(b)の表示装置では、画像判定部35は、画像における下部の一部の領域を所定の解析領域13とする。解析領域13は、画素の容量が均一でない領域12に対応する領域を含む。そして、画像判定部35は、解析領域13における第1範囲(例えば階調20から80の範囲)の階調である画素の割合が、第1閾値(例えば30%)以上であるか否かを判定する。
【0084】
このように、画面のフリッカが生じやすい領域に対応する画像の一部の領域のみにおいて、中間階調の画素の割合を判定することにより、画素の階調を判定する処理を低減することができる。また、ヒストグラムのための記憶容量も低減することができる。
【0085】
また、画像の解析領域13においてフリッカが生じやすい(第1範囲の階調の画素の割合が第1閾値以上である)と判定された場合、画面11a、11bの全体ではなく、画面11a、11bの一部の領域14のみが高リフレッシュレート(60Hz)で駆動されてもよい。アクティブマトリクス型表示装置では、画素への書き込みは走査信号線毎に行われるので、表示装置は、解析領域13に対応する複数の走査信号線を含む領域14のみをリフレッシュすることができる。領域14ではない他の領域は、例えば低リフレッシュレート(1Hz)で駆動される。
【0086】
(画像判定方法2)
画像判定部35は、画像の複数の領域について、所定の範囲の階調である画素の割合を求めてもよい。
【0087】
図10の(a)に示す表示装置の例では、画面11cの中央から下部にかけて画素の容量が均一でない領域12が分布している。そこで、画像判定部35は、複数の解析領域13a、13bを設定する。画素の容量が均一でない領域12のうち画面11cの中央部は、解析領域13aに含まれる。画素の容量が均一でない領域12のうち画面11cの下部は、解析領域13bに含まれる。
【0088】
画像判定部35は、複数の解析領域13a、13b毎に、第1範囲の階調の画素の割合が第1閾値以上であるか否かを判定する。画像の解析領域13a、13bのいずれかの解析領域においてフリッカが生じやすい(第1範囲の階調の画素の割合が第1閾値以上である)と判定された場合、少なくともフリッカが生じやすいと判定された解析領域については、高リフレッシュレート(60Hz)で表示を行う。例えば、解析領域13aにおける第1範囲の階調の画素の割合が第1閾値以上である場合、駆動変更部36は、解析領域13aに対応する複数の走査信号線を含む画面11cの領域14aを、高リフレッシュレート(60Hz)で駆動すると決定する。
【0089】
例えば、画面11cの領域14aについては、対応する解析領域13aにおける複数の画素の階調に応じてリフレッシュレートが決定され、画面11cの領域14bについては、対応する解析領域13bにおける複数の画素の階調に応じてリフレッシュレートが決定される。画面11cのその他の領域については、静止画であれば常に1Hzのリフレッシュレートで表示が行われる。なお、駆動変更部36は、いずれかの解析領域でフリッカが生じやすいと判定された場合、画面11c全体を高リフレッシュレート(60Hz)で駆動するように構成されていてもよい。
【0090】
図10の(b)に示すように、画像判定部35は、画像(画面11d)全体を複数の解析領域13c〜13hに区分し、解析領域毎に第1範囲の階調の画素の割合が第1閾値以上であるか否かを判定してもよい。この場合、画像判定部35は、解析領域毎に、画素を分類するヒストグラムを生成する。解析領域13cおよび解析領域13dは、共通の走査信号線によって駆動される。そのため、解析領域13cおよび解析領域13dの少なくともいずれか一方においてフリッカが生じやすい(第1範囲の階調の画素の割合が第1閾値以上である)と判定された場合、駆動変更部36は、解析領域13cおよび解析領域13dの両方に対応する画面11dの領域を高リフレッシュレート(60Hz)で駆動すると決定する。
【0091】
なお、複数の解析領域13c〜13h毎に、判定のための条件が異なっていてもよい。例えば、画像判定部35は、解析領域13eについては、第1範囲の階調の画素が第1閾値以上であるという条件を満たすか判定し、解析領域13fについては、第1範囲と異なる第2範囲の階調の画素が第1閾値と異なる第2閾値以上であるという条件を満たすか判定してもよい。
【0092】
複数の解析領域毎に判定を行うことによって、フリッカが生じやすい画素が局所的に集まっている画像に対しても、適切にリフレッシュレートを変更して、フリッカの視認を防止することができる。また、フリッカが生じにくい画像(または領域)に対しては、低リフレッシュレートで表示を行うことにより、消費電力を低減することができる。
【0093】
(画像判定方法3)
画像の中に所定のパターンにマッチする領域があるかを判定することにより、その画像がフリッカが生じやすい領域を有するかを判定することもできる。
【0094】
図11の(a)は、所定のパターン15を示す図である。パターン15は、3行×6列の画素で構成される矩形のパターンである。「1」は対応する画素の階調が第1範囲(階調20から80の範囲)内であることを示し、「0」は対応する画素の階調が第1範囲ではないことを示す。すなわち、パターン15は、第1範囲の階調である複数の画素が2次元的に集まって構成されるパターンである。
【0095】
図11の(b)(c)は、画像の各画素の階調を表す階調マップを示す図である。画像判定部35は、画像の各画素の階調が第1範囲の階調であるか否かを判定し、階調マップ16a、16bを生成する。階調マップ16a、16bでは、画素の階調が第1範囲内であれば値を「1」とし、画素の階調が第1範囲でなければ値を「0」とする。
【0096】
図11の(c)の階調マップ16bのように、第1範囲の階調である画素が多く存在しても、第1範囲の階調である画素が粗に分散していれば、フリッカは視認されにくい。
図11の(b)の階調マップ16aのように、第1範囲の階調である画素が密に分布している領域が局所的に存在すると、たとえ全体における第1範囲の階調である画素の割合は小さくても、フリッカが視認されやすい。すなわち、第1範囲の階調である画素が一定領域以上固まって存在すると、よりフリッカが視認されやすくなる。
【0097】
画像判定部35は、階調マップ16a、16bにおいて所定のパターン15にマッチする領域が存在するか否かを判定する。駆動変更部36は、画像がパターン15にマッチする領域を有するか否かに応じて、リフレッシュレートを変更する。
【0098】
ある画像の階調マップ16aは、パターン15にマッチする領域17を有する。そのため、階調マップ16aに対応する画像はフリッカを生じやすいので、駆動変更部36は、該画像を高リフレッシュレート(60Hz)で表示することを決定する。別の画像の階調マップ16bは、パターン15にマッチする領域を有しない。そのため、階調マップ16bに対応する画像はフリッカを生じにくいので、駆動変更部36は、該画像を低リフレッシュレート(1Hz)で表示することを決定する。
【0099】
このように、画像が所定のパターン15にマッチするか否かに応じてリフレッシュレートを決定することにより、局所的にフリッカが視認されやすい画像(
図11の(b))を高リフレッシュレートで表示し、フリッカの視認を防止することができる。また、第1範囲の階調である画素が多く含まれるがフリッカが視認されにくい画像(
図11の(c))を低リフレッシュレートで表示し、消費電力を低減することができる。
【0100】
なお、駆動変更部36は、マッチする領域に対応する画像の一部の領域のみについて、高リフレッシュレートで表示を行うと決定してもよい。また、100%の完全なマッチではなくとも、パターン15に所定の割合(例えば80%)以上マッチする領域が画像に存在すれば、駆動変更部36は、該画像を高リフレッシュレートで表示すると決定してもよい。
【0101】
なお、上記の例では、画素の色に関係なくパターンマッチを行っているが、絵素毎にパターンマッチを行ってもよい。すなわち、画像判定部35は、絵素の輝度Yが所定の範囲であるかを示す階調マップを生成し、複数の絵素で構成される所定のパターンが画像にマッチするか否かを判定してもよい。また、画像判定部35は、1つの画像に対してRGBの色毎に階調マップを生成し、各色の階調マップに対して所定のパターンがマッチするか否かを判定してもよい。
【0102】
〔実施形態4〕
本発明のさらに他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上述の実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。本実施形態では、リフレッシュレートの決定を行う画像判定部および駆動変更部が、ホスト制御部以外の基板に設けられている。
【0103】
(表示装置2の構成)
図12は、本実施形態の表示装置の構成を示すブロック図である。表示装置2は、表示部10と、表示駆動部40と、表示制御部50(制御装置)と、ホスト制御部60とを備える。
【0104】
実施形態1と同様に、表示駆動部40は、表示部10のガラス基板にCOG実装された、COGドライバであり、表示部10の駆動を行う。ホスト制御部60は、基板上に形成された制御回路で構成される制御基板であり、表示装置2のホスト側の制御を主に担う。表示制御部50は、表示する画像に対する画像処理等のために、ホスト制御部60とは別に設けられる制御基板である。本実施形態では、リフレッシュレートの決定を、表示制御部50で行う。これにより、ホスト制御部60の負荷を減らし、ホスト制御部60に表示以外の別の処理を行わせるための処理能力を確保することができる。
【0105】
(ホスト制御部60の構成)
ホスト制御部60は、画面更新検知部61、CPU62、ホストメモリ33、およびホストTG34を備える。
【0106】
画面更新検知部61は、画像の内容が変化する間隔を検知して表示制御部50に通知してもよいし、画像の内容が変化する間隔を検知しなくてもよい。例えば、画像の内容が変化する間隔の検知は、表示制御部50側で行われてもよい。その他の点については、画面更新検知部61は、実施形態1の画面更新検知部31と同様の処理を行う。
【0107】
CPU62は、画像判定部に表示データを出力しない点を除き、実施形態1のCPU32と同様の処理を行う。
【0108】
ホストTG34は、表示の更新が必要な時のみ、更新される画像の表示データを表示制御部50に転送する。
【0109】
(表示制御部50の構成)
表示制御部50は、画像処理部51、画像判定部52、駆動変更部53、メモリ21、およびTG22を備える。
【0110】
画像処理部51は、ホスト制御部60から受け取った表示データに対して、色彩調整等の画像処理を行う。画像処理部51は、画像処理された表示データをメモリ21に書き込む。
【0111】
メモリ21が格納する表示データが更新されると、画像判定部52は、メモリ21から表示データを取得する。画像判定部52は、表示データが示す画像が、フリッカが生じやすい画像であるか否かを判定する。画像判定部52の判定処理は、上述の実施形態で説明した通りである。画像判定部52は、判定結果を駆動変更部53に出力する。また、画像判定部52(更新検知部)は、画像が変化する間隔を検知し、画像が変化する間隔を駆動変更部53に出力することができる。
【0112】
駆動変更部53は、画像判定部52の判定結果に基づいてリフレッシュレートを決定し、決定されたリフレッシュレートで表示部10が駆動されるよう、TG22にリフレッシュレートを指示する。
【0113】
TG22は、駆動変更部53から指示されたリフレッシュレートに基づいて、メモリ21から表示データを読み出し、表示データを表示駆動部40のソースドライバ23に転送する。なお、TG22は、画像の更新の有無に関わらず、リフレッシュレートに合わせて表示データを表示駆動部40に転送する。
【0114】
表示駆動部40は、ソースドライバ23を備える。ソースドライバ23の構成は実施形態1と同様である。
【0115】
〔実施形態5〕
本発明のさらに他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上述の実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。本実施形態では、リフレッシュレートの決定を行う画像判定部および駆動変更部が、COGドライバである表示駆動部に設けられている。
【0116】
(表示装置3の構成)
図13は、本実施形態の表示装置の構成を示すブロック図である。表示装置3は、表示部10と、表示駆動部70(制御装置)と、ホスト制御部60とを備える。ホスト制御部60の構成は、実施形態4と同様である。ホスト制御部60は、表示の更新が必要な時のみ、更新される画像の表示データを表示駆動部70に転送する。
【0117】
表示駆動部70は、表示部10のガラス基板にCOG実装された、COGドライバであり、表示部10の駆動を行う。表示駆動部70は、画像判定部52、駆動変更部53、メモリ21、TG22、およびソースドライバ23を備える。表示駆動部70の各部の動作は、実施形態4と同様である。
【0118】
本実施形態では、リフレッシュレートの決定を、COGドライバ(表示駆動部70)で行う。これにより、ホスト制御部60とは別の基板を設けることなく、ホスト制御部60の負荷を減らすことができる。アクティブマトリクス基板に形成されるCOGドライバは実装面積が制限されるため、本実施形態は、画像判定部52および駆動変更部53において簡単な判定処理のみを行う場合に適している。
【0119】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る制御装置は、表示装置の制御装置であって、第1範囲の階調は中間階調であり、画像における複数の画素について、上記第1範囲の階調であるか否かを判定する画像判定部と、上記画像判定部の判定結果に応じて上記表示装置のリフレッシュレートを変更する駆動変更部とを備える。
【0120】
本発明の態様2に係る制御装置は、上記態様1において、上記画像判定部が、上記画像の所定の領域における上記第1範囲の階調である画素の割合が第1閾値以上であるか否かを判定する構成であってもよい。
【0121】
本発明の態様3に係る制御装置は、上記態様2において、上記駆動変更部が、上記第1範囲の階調である画素の割合が上記第1閾値未満である場合、第1リフレッシュレートで表示を行うことを決定し、上記第1範囲の階調である画素の割合が上記第1閾値以上である場合、上記第1リフレッシュレートより高い第2リフレッシュレートで表示を行うことを決定する構成であってもよい。
【0122】
本発明の態様4に係る制御装置は、上記態様3において、上記画像の内容が変化する間隔を検知する画面更新検知部を備え、上記駆動変更部は、上記間隔が所定の間隔閾値以下である場合、上記第1リフレッシュレートより高くかつ上記第2リフレッシュレートより低い第3リフレッシュレートで表示を行うことを決定し、上記間隔が上記間隔閾値より大きくかつ上記第1範囲の階調である画素の割合が上記第1閾値未満である場合、上記第1リフレッシュレートで表示を行うことを決定し、上記間隔が上記間隔閾値より大きくかつ上記第1範囲の階調である画素の割合が上記第1閾値以上である場合、上記第2リフレッシュレートで表示を行うことを決定する構成であってもよい。
【0123】
本発明の態様5に係る制御装置は、上記態様2において、第2範囲の階調は中間階調であり、上記第2範囲は上記第1範囲とは異なる範囲であり、上記第1範囲の階調である画素の割合が上記第1閾値以上であることを第1条件とし、上記第2範囲の階調である画素の割合が第2閾値以上であることを第2条件とし、上記第1条件を満たす場合、上記駆動変更部は、第2リフレッシュレートで表示を行うことを決定し、上記第1条件を満たさずかつ上記第2条件を満たす場合、上記駆動変更部は、上記第2リフレッシュレートより低い第3リフレッシュレートで表示を行うことを決定し、上記第1条件を満たさずかつ上記第2条件を満たさない場合、上記駆動変更部は、上記第3リフレッシュレートより低い第1リフレッシュレートで表示を行うことを決定する構成であってもよい。
【0124】
本発明の態様6に係る制御装置は、上記態様1において、1つの絵素は、色の異なる複数の画素を含み、上記画像判定部は、上記画像の所定の領域における上記第1範囲の階調である画素の割合に、色毎に重みづけをした合計値を求め、上記合計値が第5閾値以上であるか否かを判定する構成であってもよい。
【0125】
本発明の態様7に係る制御装置は、上記態様1において、1つの絵素は、色の異なる複数の画素を含み、上記画像判定部は、上記絵素に含まれる上記複数の画素の階調から上記絵素の輝度を求め、上記絵素の輝度が第2範囲の中にあれば、上記絵素に含まれる上記複数の画素は上記第1範囲の階調であると判定する構成であってもよい。
【0126】
本発明の態様8に係る制御装置は、上記態様2において、上記所定の領域は、上記画像の一部の領域であり、上記駆動変更部は、上記第1範囲の階調である画素の割合が上記第1閾値以上である場合、上記所定の領域について第2リフレッシュレートで表示を行うことを決定し、上記画像のその他の領域について上記第2リフレッシュレートより低い第1リフレッシュレートで表示を行うことを決定する構成であってもよい。
【0127】
本発明の態様9に係る制御装置は、上記態様1において、上記画像の第1領域および第2領域を指定する領域指定部を備え、上記画像判定部は、上記第1領域および上記第2領域のそれぞれについて、該領域における上記第1範囲の階調である画素の割合が第1閾値以上であるか否かを判定し、上記駆動変更部は、上記第1領域および上記第2領域の両方において上記第1範囲の階調である画素の割合が上記第1閾値未満である場合、第1リフレッシュレートで表示を行うことを決定し、上記第1領域および上記第2領域のいずれかの領域において上記第1範囲の階調である画素の割合が上記第1閾値以上である場合、少なくとも該いずれかの領域について上記第1リフレッシュレートより高い第2リフレッシュレートで表示を行うことを決定する構成であってもよい。
【0128】
本発明の態様10に係る制御装置は、上記態様9において、上記駆動変更部は、上記第1領域および上記第2領域のそれぞれについて、上記第1範囲の階調である画素の割合が上記第1閾値未満である領域について上記第1リフレッシュレートで表示を行うことを決定し、上記第1範囲の階調である画素の割合が上記第1閾値以上である領域について上記第2リフレッシュレートで表示を行うことを決定する構成であってもよい。
【0129】
本発明の態様11に係る制御装置は、上記態様1において、上記画像判定部は、上記第1範囲の階調である複数の画素で構成される所定のパターンが上記画像中に存在するか否かを判定し、上記駆動変更部は、上記画像が上記所定のパターンを有しない場合、第1リフレッシュレートで表示を行うことを決定し、上記画像が上記所定のパターンを有する場合、上記第1リフレッシュレートより高い第2リフレッシュレートで表示を行うことを決定する構成であってもよい。
【0130】
本発明の態様12に係る表示装置は、上記態様1から11のいずれか一態様の制御装置を備える。
【0131】
本発明の態様13に係る表示装置では、上記表示装置の画素に含まれるTFT(thin film transistor)の半導体層には、酸化物半導体が用いられていてもよい。
【0132】
本発明の態様14に係る制御方法は、表示装置の制御方法であって、第1範囲の階調は中間階調であり、画像における複数の画素について、上記第1範囲の階調であるか否かを判定する画像判定ステップと、上記画像判定ステップにおける判定結果に応じて上記表示装置のリフレッシュレートを変更する駆動変更ステップとを含む。
【0133】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。