(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ユーザが、表示される前記ビデオ広告の1つにたいしスキップを選択することなく、所定の数の前記ビデオ広告が前記ユーザに提示されるまで前記ユーザへの非広告ベースのビデオ番組の表示を保留するステップをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
一つまたは複数のビデオ広告のための特定の1つまたは複数のフォーマットに対する前記ユーザの嗜好を示す情報を受信するステップであって、前記1つまたは複数のフォーマットは、前記1つまたは複数のビデオ広告の内容とは区別される、ステップと、
好ましい1つまたは複数のフォーマットにおいて前記1つまたは複数のビデオ広告を提供するステップと、
をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
ユーザが表示されている前記ビデオ広告のスキップを選択したという指示を受信する前記ステップは、前記ビデオ広告の所定の部分が前記ビデオ表示システムの前記ユーザに表示されたかどうかを判定するステップをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
所定のパーセンテージ以上のビデオ広告が前記ユーザに提示される前に、前記ユーザが前記ビデオ広告のスキップを選択したと判定されたならば、前記ユーザによりスキップされたものとして前記ビデオ広告を識別するステップをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
対応するビデオ広告の個々の視聴に対し、ユーザにより前記ビデオ広告がスキップされたか、または視聴されたかどうかを示す嗜好ログを更新するステップをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
前記ビデオ広告モニタは、前記ユーザが、表示される前記ビデオ広告の1つにたいしスキップを選択することなく、所定の数の前記ビデオ広告が前記ユーザに提示されるまで前記ユーザへの非広告ベースのビデオ番組の表示を保留するようにさらにプログラムされていることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
前記ビデオ広告セレクタは、一つまたは複数のビデオ広告のための特定の1つまたは複数のフォーマットに対する前記ユーザの嗜好を示す情報を受信し、好ましい1つまたは複数のフォーマットにおいて前記1つまたは複数のビデオ広告を提供するようにさらにプログラムされており、
前記1つまたは複数のフォーマットは、前記1つまたは複数のビデオ広告の内容とは区別されることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
前記ユーザよるビデオ広告のスキップの発生を識別するために、前記ビデオ広告モニタは、前記ビデオ広告の所定の部分が前記ビデオ表示システムの前記ユーザに表示されたかどうかを判定するようにさらにプログラムされていることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
ユーザよるビデオ広告のスキップの発生を識別するために、前記ビデオ広告モニタは、所定のパーセンテージ以上のビデオ広告が前記ユーザに提示される前に、前記ユーザによる前記ビデオ広告のスキップの発生があることを判定するようにさらにプログラムされていることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
前記ビデオ広告モニタは、対応するビデオ広告の個々の視聴に対し、ユーザにより前記ビデオ広告がスキップされたか、または視聴されたかどうかを示す嗜好ログを更新するようにさらにプログラムされていることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
前記動作は、前記ユーザが、表示される前記ビデオ広告の1つにたいしスキップを選択することなく、所定の数の前記ビデオ広告が前記ユーザに提示されるまで前記ユーザへの非広告ベースのビデオ番組の表示を保留することをさらに具備することを特徴とする請求項17に記載の有形のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
ユーザが表示されている前記ビデオ広告のスキップを選択したという指示を受信することは、前記ビデオ広告の所定の部分が前記ビデオ表示システムの前記ユーザに表示されたかどうかを判定することをさらに具備することを特徴とする請求項17に記載の有形のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
前記動作は、所定のパーセンテージ以上のビデオ広告が前記ユーザに提示される前に、前記ユーザが前記ビデオ広告のスキップを選択したと判定されたならば、前記ユーザによりスキップされたものとして前記ビデオ広告を識別することをさらに具備することを特徴とする請求項17に記載の有形のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
前記動作は、対応するビデオ広告の個々の視聴に対し、ユーザにより前記ビデオ広告がスキップされたか、または視聴されたかどうかを示す嗜好ログを更新することをさらに具備することを特徴とする請求項17に記載の有形のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明を実施するための形態】
【0015】
様々な図面内の同じ参照符号は、同じ要素を示す。
【0016】
図1は、ビデオ番組の視聴者104に対するプロモーション素材を識別しかつ選択するシステム100の概念図である。一般には、この図は、テレビまたはコンピュータなどのビデオモニタの視聴者104に表示するべきコマーシャル候補または他の形式のプロモーション素材102a〜102dの待ち行列を一直線に示す。視聴者104は、遠隔制御装置110のような装置を使用して、特定のコマーシャルをスキップしもしくはその他の方法で拒否し、または受け入れもしくは視聴する。以前のコマーシャルに対するユーザの挙動、たとえば、以前のコマーシャルを視聴したのかそれともスキップしたのかに基づいて、システムは、視聴者に表示する待ち行列内の広告または待ち行列に追加する広告を選択することができる。一般に、選択された広告は、視聴者104が視聴した広告と共通の1つまたは複数の特徴を有し、拒否された広告は、視聴者104が視聴した広告とは異なる特徴、および/または視聴者104がスキップしもしくはその他の方法で承認しなかった広告に類似する特徴を有する。
【0017】
例示的ビデオ配信システム100は、テレビ上、コンピュータ上、IPTVもしくはケーブルボックスのような周辺装置を備えるテレビ、または他の適当な構造上に表示されるビデオ番組を通じて動作することができる。配信されるビデオはまた、ストリーミングビデオ、個人用ビデオレコーダ上の素材などの格納された番組、または様々な形式の揮発性もしくは不揮発性媒体上の素材など、様々な形式をとることができる。素材はまた、映画、テレビ番組、短編、コマーシャル、および他のビデオ番組(音声を伴うこともある)の形式をとることもできる。
【0018】
ビデオ配信システム100は、プロモーションアイテム102a〜dおよび112〜128を含み、これらのプロモーションアイテムは、他の方式の中でも、標準的なビデオコマーシャル、バナー広告、ポップアップ広告(たとえば、流れているビデオ画像の上に表示される広告)、または音声のみの広告の形をとることができる。ビデオ配信システム100は、プロモーションアイテム102a〜dおよび112〜128のいくつかの特徴に基づいて、視聴者104に標的を定めることができる特定のアイテムを選択しかつ提示することができる。ビデオ配信システム100によって追跡される特徴には、たとえば、プロモーションされている製品(たとえば、自動車、パーソナルケア製品、医薬、保険、投資など)もしくはサービスタイプ(たとえば、いわゆる垂直型)、広告素材のジャンルもしくはスタイル(たとえば、教育的、空想的、コメディー、風変わり、アクション満載など)、アイテムの視覚的印象(たとえば、明るい/暗い、音が大きい/静か、元気がある/元気がないなど)、および/または他の関連する属性を含めることができる。
【0019】
例示のアイテム102a〜dおよび112〜128は、説明のために、2つの関連する属性を有するものとして示されている。一方の属性をアイテム102a〜dおよび112〜128の形状によって表し、他方の属性を形状内の数字によって表す。たとえば、アイテムの形状は、バナー広告、調査、または特定の長さの標準的なコマーシャルなど、プロモーションフォーマットを表すことができる。アイテム内の数字は、アクション、教育、または空想的など、その広告の「スタイルスタイル」を表すことができる。したがって、たとえば、数字1を中に有する正方形は、教育スタイルスタイルの30秒間のコマーシャルを表すことができ、一方中に数字4を有する正方形は、アクションスタイルスタイルの30秒間のコマーシャルを表すことができる。
【0020】
いくつかの実装形態では、システム100は、視聴者104に提示されたプロモーションアイテムに対する視聴者104の反応を示すデータを格納することができる。反応に基づいて、ビデオ配信システム100は、視聴者104のプロファイルを生成する。このプロファイルは、コンテンツに対する視聴者の反応から、またおそらく、視聴者によって提供される明示的な情報(たとえば、年齢、性別など)から推論される視聴者104の好みを表すことができる。次いで、ビデオ配信システム100は、生成した視聴者プロファイルに基づいて、視聴者104に対するプロモーションアイテムを選択することができる。
【0021】
ビデオ配信システム100の概念図は、受入れビン106および廃棄ビン108を示す。視聴者104があるプロモーションアイテムをスキップしたとき、視聴者104はそのアイテムを好まなかったことが推論されるので、そのアイテムは、(「N」とラベルを付けた経路を介して)廃棄ビン108内に置かれるものとして示されている。たとえば、視聴者104は、現在表示されているアイテムをスキップするために、遠隔制御装置110を使用する(たとえば、遠隔制御装置110内の「スキップ」ボタンを選択することによって)ことができる。システム100は、以下により詳細に論じるように、ユーザに対して記憶される特徴が拒否されたアイテムに関連付けられた特徴から遠ざかるようにユーザのプロファイルを修正することなど、ユーザの廃棄動作を反映させるために、様々な手法を使用することができる。ユーザの反応はまた、アイテムの表示についての今後の判別で使用するために、アイテムに格付けまたは人気点を与えるなど、個人的ではなく他のユーザの反応と集約した形で反映させることもできる。
【0022】
視聴者104がアイテムを視聴した場合、そのアイテムは、(「Y」とラベルを付けた経路を介して)「受入れ」ビン106内に置かれるものとして示されている。この場合も、システム100は、視聴者104によるアイテムの受入れを反映させる機構を実現することができる。アイテムが視聴されたのかそれともスキップされたのかをビデオ配信システム100が判別するための機構については、
図6を参照してさらに詳細に説明する。
【0023】
例示的なシステムの位置付けとして、
図1内の正方形は30秒間のコマーシャルを表し、六角形は15秒間のコマーシャルを表し、三角形はユーザ調査を表し、円形はバナー広告を表すものとする。また、数字1は教育広告を表し、数字2は空想的広告を表し、数字3はコメディー広告を表し、数字4はアクション広告を表すものとする。
【0024】
図示の例では、廃棄ビン108は、三角形(ユーザ調査)で表されるフォーマットおよび数字1(教育)で表されるスタイルを有する2つのアイテム112、114と、三角形(ユーザ調査)および数字2(空想的)を有するアイテム116と、円形(バナー広告)および数字2(空想的)を有するアイテム118と、円形(バナー広告)および数字3(コメディー)を有するアイテム120と、を含む。受入れビン106は、正方形(30秒間のコマーシャル)および数字3(コメディー)を有するアイテム122と、三角形(ユーザ調査)および数字4(アクション)を有するアイテム124と、正方形(30秒間のコマーシャル)および数字4(アクション)を有するアイテム126と、六角形(15秒間のコマーシャル)および数字2(空想的)を有するアイテム128と、を含む。
【0025】
ビデオ配信システム100は、ユーザの以前の動作から得られた情報に基づいて、プロモーションアイテム候補102a〜dから、表示または再生するためのアイテムを選択する。たとえば、例示的システム内の限られたデータから、視聴者104は、コマーシャル(正方形および六角形)を好み、アクション(数字4)を好み、かつ教育広告(数字1)を好まないことを判別することができる。典型的なシステムでは、視聴者の好みについてより確実な判別を行うために、より多くのデータを利用できる可能性がある。
【0026】
この情報を使用して、ビデオ配信システム100は、視聴者104に今後表示するために、特定のアイテムを受け入れ、かつ他のアイテムを受け入れないようにすることができる。この図では、この例で提示されるはずである選択されたアイテム102a、102bには、上に「×」をつけずに示されており、視聴者104に提示されないはずであるアイテム102c、102dには、上に「×」をつけて示されている。提示するアイテムの選択は、以下により詳細に説明するように、複数の方法で行うことができる。たとえば、図に概念的に示すように、アイテムは単に、サービスによって視聴者のテレビまたはコンピュータにダウンロードすることができ、待ち行列内に保持されているそのようなアイテムから選択を行うことができる。別法として、伝送帯域幅に対する必要性を最小限にするために、アイテムが視聴者のビデオ装置へ伝送される前に、アイテムプロファイルなどのアイテムに関する情報を分析することもできる。そのような状況では、アイテムの待ち行列は存在しないはずであるが、システムの動作をよりよく理解するための助けとして、概念的な目的で、
図1には待ち行列を表示する。
【0027】
図示の例では、アイテム102cは、数字1(教育)および円形(バナー広告)で表される特徴を有しており、視聴者104は教育広告を好まないと考えられるので無視された。アイテム102dは、数字1(教育)および三角形(ユーザ調査)で表される特徴を有しており、この場合も、ユーザが教育広告を好まず、またおそらくユーザが調査を好意的にとらえていない傾向を有する(前に2つの調査を拒否し、1つだけを受け入れたことが示す)ので無視された。
【0028】
ビデオ配信システム100は、たとえばアイテム102bが、すでに受け入れられたアイテム128と同じ特徴を有するという理由、および/または、その2つの特徴を組み合わせると、受け入れる方へ偏っていることを示すという理由で、アイテム102bを提示することを選択することができる。いくつかの例では、1つの要因だけでは、広告素材を受け入れまたは阻止するのに十分ではない可能性がある。たとえば、アイテム102aは、そのフォーマット(円形=バナー広告)がもっぱら拒否ビン108内に現れているが、そのスタイル(4=アクション)はもっぱら受入れビン106内に現れるという理由で、提示されるように設定される。
【0029】
その上、特定のアイテムは、オーバーライドインジケータ(すべての特徴をゼロなどの特定の値に設定することを含むことができる)を備えることができ、アイテムの特徴をも問わず、視聴者104に提示することができる。そのようなアイテムには、たとえば、国家安全保障上の発表、共通の放送業者からの他の番組に対するプロモーション、および広告主が広告料を支払ったプロモーションを含めることができる。そのようなアイテムに対する「強制的な」点数により、特定の視聴者または視聴者群の特徴は別として、特定の時間にまたは特定の頻度でそれらのアイテムを表示することが必要となる。
【0030】
また、
図1は必然的に比較的変化しないが、その動作中にシステム全体を更新し、かつその他の方法で影響を与えることができる。たとえば、アイテム102a、102bが視聴者104に提供されたとき、視聴者104は、それらのアイテムを受け入れる可能性も拒否する可能性もある。たとえば、視聴者104がアイテム102aを拒否した場合、システムは、少なくとも特定の期間は視聴者104に別のバナー広告が表示される可能性を低くするように、視聴者104に対するプロファイルを調整することができる(ユーザがずっと前の判断に縛られないように、またシステムによって不適当な推論が行われ、それに長時間縛られることがないように、システムが特定のプロファイルパラメータの時間に基づく減衰を可能にする場合)。
【0031】
その上、アイテムを視聴者104に提示するかどうかについての判断は、多くの異なるパラメータの混合に基づいて行うことができる。このようにして、1つの要因が提示判断に過度に影響を与えるのを防止することができる。その上、追加のパラメータを使用することにより、適切な場合には特定のパラメータが視聴者のシステムに「戻る」ことを可能にすることができる。たとえば、単一のパラメータが制御する場合、ユーザが偶然に複数の教育広告を拒否した場合、ユーザがそれらの広告を異なる理由で拒否した場合でも、システムは、ユーザが教育広告を見るのを阻止する可能性がある。複数のパラメータが使用される場合、今後の教育広告は、システムによって「こっそりと取り入れられる」可能性があり、ユーザは、それらの広告を視聴することを選択する可能性があり、その後、類似するスタイルの広告をより多く視聴者に表示するように、そのパラメータに対する点数に影響を与えることができる。
【0032】
明白かつ暗黙の視聴者の好みとプロモーションアイテムの特徴との相関関係に影響を与える様々な他の機構について、以下の図でより詳細に説明する。
【0033】
様々なプロモーションアイテムに関する判断はまた、1つのビデオ配布サービスのユーザのすべてまたは実質上すべてを含めて、複数の視聴者にわたって集約することができる。たとえば、コマーシャルへの反応は、肯定的なもの(すなわち、視聴者がそのコマーシャルのすべてまたは実質上すべてを視聴した)と否定的なもの(すなわち、視聴者がそのコマーシャルのすべてまたは一部をスキップすることを選択した)をどちらも集約して、コマーシャルに対する点数または他のタイプの評価を提供することができる。いくつかの実施形態では、点数は、視聴者または視聴されている番組に関連付けられたキーワードのリストとコマーシャルに関連付けられたキーワードとの間の一致レベルを基にすることができる。たとえば、ビールの広告主は、「ビール」、「フットボール」、「スポーツ」、および「コメディー」のようなキーワードを広告に関連付けることができる。同様に、ビデオ番組は、ビデオの発信者またはビデオの視聴者がその番組にタグを割り当てる「タグ付け」工程などにより、キーワードに関連付させることもできる。そのようなタグまたはキーワードを使用して、番組中に表示するための広告を選択することができる。同様にして、視聴者は、自身を特定するキーワードを特定することができ、かつ/またはシステムによって、視聴者が視聴する番組または広告と相関するキーワードなどの特定のキーワードをユーザに関連付けることができる。
【0034】
点数はまた、選択のために複数のコマーシャルがユーザに提示されたとき、全体的にまたは部分的に、そのコマーシャルが視聴された回数を基にすることもできる。具体的には、点数は、コマーシャルに関連付けられたキーワードに加えて、「視聴割合」に結びつけることができる。「視聴割合」は、あるコマーシャルが特定のキーワードまたは他の要因に対して視聴された総回数を、提示されたすべてのコマーシャルが視聴された総回数で割った値をとる。点数はまた、あるコマーシャルが視聴された回数を、そのコマーシャルが選択肢としてユーザに表示された回数で割った比較を基にすることもできる(すなわち、「インプレッション」の数を使用して、視聴数をインプレッション数で割った割合を算出する)。人気または適合性の他の様々な適当な尺度を採用することもできる。
【0035】
好みに関する情報は、様々な視聴期間にわたって収集することができる。たとえば、情報をセッション識別子と適合させることなどによって、単一のセッションにわたって視聴データを蓄積することができる。そのような識別子は、匿名のものとすることもできるが、それでもなお、視聴セッションをユーザにとってより楽しいものとするのに役立つ適切な情報を得ることができる。別法として、複数のセッションにわたって情報を蓄積することもできる。視聴者はまた、情報が単一のセッションだけにわたって蓄積されるのか、それとも複数のセッションにわたって蓄積されるのかを選択する機会を得ることができる。
【0036】
その上、特定の技法を使用して、たとえば頻度制限アイテムによって、いくつかのプロモーションアイテムが1人のユーザに何度も表示されるのを防止することができる。単一のアイテムを繰り返し視聴することは、視聴者にとっても広告主にとってもよくない。アイテムが表示される頻度を制限するそのような手法は、関連するアイテムのプールが少ない場合、特に適当である可能性がある。制限のレベルは、プールが空になる前に制限が行われるように、または以前に拒否されたアイテムが、受け入れられてすでに表示されたアイテムより好まれてもよいように、関連するプールのサイズに依存させることができる。拒否されたアイテムのプールのうち、受け入れられたアイテムと最も密接に適合する拒否されたアイテムは、そのような状況でユーザに表示されるアイテムとなる可能性がある。
【0037】
図2A〜
図2Cは、ビデオ配信システムがプロモーションアイテムおよびユーザに対するプロファイルを生成するために使用できる例示的な工程を示す。
図2Aおよび
図2Bでは、システムが既知のエンティティの特徴を使用して未知のエンティティへ、ユーザからプロモーションアイテムへまたはプロモーションアイテムからユーザへ、特徴を当てはめることができる工程を示す。具体的には、
図2Aでは、いかなる種類のプロファイルももたない新しい広告がシステムに入り、最終的に、その広告を視聴する視聴者のプロファイルと適合しかつその広告を拒否する視聴者のプロファイルと適合しないプロファイルを割り当てられる。したがって、既知の視聴者の特徴を、未知のプロモーションアイテムに当てはめることができる。
図2Bでは、システムが情報をほとんどまたはまったくもたない新しい視聴者が、既知のプロモーションアイテムを受け入れまたは拒否するとき、その視聴者にプロファイルが割り当てられる。視聴者またはプロモーションアイテムがあまりに新しく、システムがそのプロファイルに関する妥当な確実性をもたないとき、その視聴者またはプロモーションアイテムにはプロファイルが与えられない可能性があり、いかなるプロファイルにもかかわりなく、その他の方法で扱うことができる。たとえば、新しいコマーシャルは、すべてのプロファイルを有するユーザに表示することができる。
【0038】
別法として、システムは、良好なプロファイルをより迅速に生成するために、新しいアイテムに対して特定の視聴者または新しい視聴者に対して特定のアイテムを選択することができる。たとえば、新しいアイテムを、様々なプロファイルを有する視聴者に、または非常に極端なプロファイルを有する視聴者に表示することができる。前者はおそらく、より正確な特徴付けを可能にし、後者はおそらく、より迅速な特徴付けを可能にする。たとえば、教育コマーシャルは決して視聴しようとしないが、代わりにコメディー広告だけは視聴するはずであることを示すプロファイルを有する視聴者もいれば、正反対の視聴者もいる可能性がある。新しいコマーシャルには、そのような視聴者を選択することができる。そのコマーシャルの「スタイル」に対する彼らの反応は決定的であると予期することができ、それによって、そのコマーシャルをすぐに分類またはプロファイリングすることができるからである。すべてのパラメータにわたってアイテムを迅速にプロファイリングするために、等しく決定的な視聴者を他のパラメータに選択することができる。
【0039】
図2Aは、ビデオ配信システム100などのシステムが、プロファイリングされていないコマーシャルを特徴付けるために使用できる例示的な工程200を示す。たとえば、広告主は、プロファイリングされていないコマーシャルを、提示のためにビデオ配信システム100に提供することができる。他の例では、たとえばビデオ配信システム100が、既存のプロファイルが正確ではないと判別したとき、ビデオ配信システム100は、コマーシャルのプロファイルをリセットすることができる。ビデオ配信システム100は、工程200に従って、コマーシャル(または他のプロモーションアイテム)のパラメータに属性を割り当てることができる。
【0040】
いくつかの実装形態では、システム100は、複数のユーザによってコマーシャルに与えられた反応に基づいて、コマーシャルに属性を割り当てることができる。図示の例では、工程200は、プロファイリングされずにシステムに入る3つの元のコマーシャル202a、202b、202cを含む。これらのコマーシャルの様々なプロファイルパラメータには、値は割り当てられていない。図示の例では、3つのパラメータを示し、パラメータのうちの2つはスライダバーとして図示し、1つは特定のジャンルを表す用語(キーワードなどの形で)として図示する。スライダバーは、特定のパラメータに対するコマーシャルの類似性を示す1〜100の間の値などの値を表すことができる。たとえば、パラメータの1つは「動き」とすることができ、低い値は、そのコマーシャルにはほとんど動きがないと認識されることを表し、高い値は、コマーシャルには高レベルの動きがあると視聴者が認識することを表す。
【0041】
第2のスライダは、コマーシャルの音の大きさ、すなわち音量を表すことができる。テレビの音量は通常、ある最大値に制限されるが、コマーシャルの中には、音量がほぼ最大で持続するために、他のコマーシャルより大きな音を出す可能性のあるコマーシャルがある。研究では、特定の視聴者が動きおよび音量に対して特定の好みを有することを見出すことができ、したがって、これらのパラメータをコマーシャル(および視聴者)に割り当てて、コマーシャルを視聴者のこれらの好みと適合させるのに役立てることができる。他の属性に対しては、ビデオ配信システム100は、離散値(たとえば、2進値または複数の選択値)を割り当てて、属性を示すことができる。たとえば、性別属性は、2つの値だけを有するはずであり、一方
図2Aに示す最後の値は、複数の選択値を示す。
【0042】
理解されるはずであるように、様々な他のパラメータを割り当てることもできる。また、比較的簡単な実装形態では、特定のアイテムに対する視聴者の好みを追跡することができ、したがって、ユーザがアイテムを拒否した場合(ユーザがすべてのアイテムをスキップしたため、そのユーザに表示する他のアイテムがなくなったのでない限り)、そのアイテムは、そのユーザには再び表示されない。そのような状況では、アイテムは、各ユーザに対して単一の2進パラメータを有するものと見なすことができる。
【0043】
特定のアイテムへの視聴者による反応以外のソースから、特定のパラメータを規定しまたは推論することもできる。たとえば、ユーザのIPアドレスなどによって、地理をユーザに関連付けることができ、また、そのような情報を使用して、アイテムを選択することができる。たとえば、特定の地域からの人々は、特定のタイプの広告により良好な反応を示すことが知られている可能性がある。または、おそらくDinty Mooreは、ダラスでは辛口チリソースの広告を、ミネアポリスでは甘口チリソースの対応する広告を流したいと望む。そのような位置情報により、特定の言語を広告に関連付けることもでき、または、ビデオ要求が行われたウェブブラウザもしくは他の番組の言語を使用して、広告を選択することもできる。また、国際化されたシステムでは、要求が行われた国を知ることは特に役立ち、たとえば、Chevroletは、フランス、日本、またさらにはイングランドでも、1/2トンピックアップトラックの広告を流したいと望まないはずである。広告に必要な配信機構を効果的に規定する、コマーシャルに対するそのようなパラメータは、視聴者の好みだけを反映するパラメータに優先するようにプログラムすることができる。
【0044】
他のパラメータは、ユーザによってユーザ自身またはアイテムに明示的に割り当てることができる。たとえば、タグ、コメント、および格付けを、すべて周知のオンライン形式で適用して、オンラインビデオおよびアイテムの分類をより豊富にすることができる。そのような情報(複数のユーザから集約される)はまた、広告または広告のプレビュー(静止フレームなど)とともに表示することもできる。このようにして、ユーザは、たとえば、ユーザが最初に広告を視聴し始めたとき、または広告を視聴する前でも(たとえば、入ってくる広告の待ち行列がユーザに表示される場合)、他のユーザがその広告に提供した格付けレベル(たとえば、1〜5つ星)を見ることができる。ユーザはまた、自身をあるグループに関連付けることができ、このグループが、格付けなどのパラメータに関連付けられる。たとえば、あるティーンエイジャーは、高齢者(心は若い高齢者かもしれないが)からの格付けよりも、他のティーンエイジャーからの広告の格付けに関心をもつ可能性があり、したがって、自身をティーンエイジャーとして特定して、そのようなグループの一部となることができる。
【0045】
アイテムには、G、PG、Rなどの馴染みのある映画格付けシステムなど、第3者による格付けを提供することもできる。したがって、ユーザまたはユーザの保護者は、表示するべきアイテムに対して、格付けレベルまたは最大格付けレベルを選択することができる。レベルが明示的に選択されない場合、他のパラメータなどからレベルを推論することができる。
【0046】
工程200に従って、ビデオ配信システムは、プロファイリングされていないコマーシャル202a〜cを既知のプロファイル206a〜dの複数のユーザに提示し、かつそれらのユーザの反応を収集して、コマーシャル202a〜cに属性値を割り当てる。図示の例では、工程200では、割り当てられた属性値を繰り返し調整することができる。図示のように、ユーザプロファイル206a〜dは、工程200によって知られており、かつアクセス可能である。ユーザプロファイル206a〜dはそれぞれ、コマーシャル202a〜cを特徴付ける属性の上2つに対する値を示すスライダバー210によって表される。ユーザの反応およびユーザプロファイル206a〜dを使用して、工程200では、関連する属性値を、それらのコマーシャルをスキップしたユーザによって保持される値からそれらのコマーシャルを視聴したユーザの値の方へ押し動かすことによって、コマーシャル202a〜cの特徴に近似する属性値を繰り返し概算することができる。特定のコマーシャルに対して属性値が変更される量は、とりわけ、コマーシャルが何回提示されたのか(コマーシャルが何度も提示されたとき、値の変化はより小さい)、コマーシャルを受け入れまたは拒否した視聴者の好みがどれだけ強いのか(たとえば、ある属性に対する視聴者の値が中央値からどれだけ離れているか)、およびある属性に対する視聴者の値がコマーシャルの値からどれだけ離れているのかの要因となりうる。
【0047】
コマーシャル202a〜cの主題などの1つまたは複数の属性は、変化しない可能性がある。この例では、1つのコマーシャルは自動車に関し、別のコマーシャルは映画(たとえば、映画予告編)に関し、もう1つのコマーシャルはスポーツ(たとえば、プレーオフゲームのプロモーション)に関するものである。これらの属性は、広告主その他によって設定することができ、コマーシャル202a〜cを視聴者と適合させるために使用することができる。スライダによって表示されるものなどの他の属性は、コマーシャルが初期プロファイルを有するように、予め割り当てることもできる。これらの要因は、視聴者がそのコマーシャルを受け入れまたはスキップするのに従って、設定することができ、または変更することもできる。
【0048】
工程200では、コマーシャル202a〜cは、特定のパラメータに対していかなる属性ももたずに図の上部に入るものとして示す。各コマーシャルは、4人の異なる視聴者のうちの1人に表示され、かつその視聴者からの反応を受け取った後、ページを下がるものとして示す。コマーシャルが下方へ進むにつれ、肯定的に反応する視聴者のプロファイルを取り入れ、否定的に反応する視聴者のプロファイルから離れる。
【0049】
コマーシャル202a〜cはまず、ユーザプロファイル206aに関連付けられたユーザに提示することができる。このユーザは、下向きの矢印208a、208bで示すように、それぞれコマーシャル202a、202bをスキップする。しかし、このユーザは、上向きの矢印208cで示すように、コマーシャル202cを受け入れる。このユーザの反応に基づいて、次いでビデオ配信システム100は、ユーザプロファイル206aまたはプロファイル206aの一部分を取得し、かつ初期属性をコマーシャル202a〜cに割り当てることができる。たとえば、ビデオ配信システム100は、更新されたプロファイル212a、212b、212cで示すように、プロファイル204a〜c内の属性値を初期化することができる。このユーザはコマーシャル202cを受け入れたので、工程200では、ユーザプロファイル206aに対する値をコマーシャル202cに割り当てる。このユーザはコマーシャル202a、202bをスキップしたので、工程200では初めに、ユーザプロファイル206a内の値の補数を割り当てる。たとえば、0〜100の値の範囲内で80という属性値の補数は、属性値20となりうる。
【0050】
適当な実装形態では、パラメータに対する段階は、-1〜1の間の範囲とすることができる。たとえば、音の大きさに対するユーザの好みは、-1(静かなコマーシャルだけを好む)〜1(音が大きいコマーシャルだけを好む)の間で等級分けすることができる。次いで、コマーシャルに対するプロファイルパラメータを、ユーザのプロファイルの「加重平均」として計算することができる。ただし、重みは、ユーザがコマーシャルを視聴した場合は1であり、スキップした場合は-1である。したがって、ユーザAが自身のプロファイル内で音の大きさに対して0.7を有し、かつあるコマーシャル受け入れ、0.2をもつユーザBがこのコマーシャルをスキップし、-0.5をもつユーザCがこのコマーシャルをスキップした場合、このコマーシャルに対して結果として得られる音の大きさプロファイルは、(0.7
*1+0.2
*(-1)+(-0.5)
*(-1))/3=0.33となるはずである。これらの重みは、ユーザがコマーシャルをどれだけ視聴するかに応じて、適当な状況で調整することができ、たとえば、「すぐにスキップした」場合は-1とし、それ対して「全部視聴した」場合は1とすることができる。
【0051】
次に、工程200では、コマーシャルに対するプロファイルが図の下方へ移動することで示すように、コマーシャル202a〜cを、プロファイル206bに関連付けられたユーザに提示する。受け取った反応(上下矢印で示す)に基づいて、工程200では、プロファイル212a〜c内の属性を調整することができる。いくつかの実装形態では、工程200では、重み関数を使用して、コマーシャル202a〜cに対する属性を調整することができる。たとえば、工程200では、まずユーザのプロファイル内の属性値とコマーシャルプロファイル内の現在の属性値との差を判別し、次いでその差に増分量を掛けることによって、受け入れられたコマーシャルに対する調整値を算出することができる。また、工程200では、まずユーザのプロファイル内の属性値の補数とコマーシャルプロファイル内の現在の属性値との間の差を判別し、次いでその差に増分量を掛けることによって、スキップされたコマーシャルに対する調整値を算出することができる。
【0052】
上下矢印で示すように、第2の視聴者は、コマーシャル202a、202cをスキップするが、コマーシャル202bを視聴する。したがって、工程200では、第2の視聴者のプロファイル206bを使用して、プロファイル212a〜cをプロファイル214a〜cに調整することができる。他の実装形態では、工程200では、受け取ったすべての反応をユーザプロファイルに関連付けて記憶し、かつ、記憶した反応に基づいて、属性それぞれに対して最良適合値を生成する。たとえば、工程200では、記憶したデータを使用して最良適合値を生成するために、人工ニューラルネットワーク、最小二乗アルゴリズム、または他の適切なアルゴリズムを使用することができる。また、システムは単に、視聴者プロファイルに関係なく、コマーシャルが受け入れられた場合はコマーシャルに格付けを与えて格付けを上げ、拒否された場合は格付けを下げることもできる。
【0053】
次いで工程200では、コマーシャル202a〜cを、プロファイル206cに関連付けられた視聴者に提示することができる。図示のように、視聴者は、コマーシャル202b、202cをスキップするが、コマーシャル202aはスキップしない。したがって工程200では、図示のように、プロファイル214a〜cをプロファイル215a〜cに調整することができる。同様に、工程200では、コマーシャル202a〜cを、プロファイル206dを有する視聴者に提示することができ、それに応じて、コマーシャルプロファイル216a、216b、216cを更新することができる。
【0054】
いくつかの実装形態では、工程200では、コマーシャルが他のユーザに提示されるとき、コマーシャル202a〜cのプロファイルを引き続き調整することができる。他の実装形態では、システム100は、決まった数の調整が行われたとき、プロファイル202a〜cの調整を止めることができる。また、見やすいように、コマーシャル202a〜cは同じ順序で同じ視聴者に提示されるものとして示すが、視聴者に関連付けられた装置がコマーシャルを要求したとき、これらのコマーシャルを単に多数の視聴者に配布することもできる。たとえば、多数の視聴者が同時に、自身のコンピュータでビデオを視聴している可能性があり、工程200に関連付けられた工程には、様々な視聴者すべてに表示するのに適当なコマーシャルを選択することができる。もちろん、ここでは例示的なフォーマットとしてコマーシャルを使用するが、様々な他の形式のプロモーションアイテムも、同様に選択しかつ提供することができる。
【0055】
前述のように、広告主はまた、コマーシャルに対する自身のプロファイルを提供することもできる。広告主は、プロファイルを変更できないようにコマーシャルのプロファイルを固定することができ、またはプロファイルを変動させることもできる。たとえば、広告主は、特定のユーザグループに標的を定めたコマーシャルを制作することができる。コマーシャルのプロファイルを固定することによって、広告主は、特定の視聴者グループに到達するように、コマーシャルの標的を定めることができる。たとえば、広告主は、ある視聴者グループを人口統計学的に規定するコマーシャルに、家計所得および年齢などの1組の固定の属性値を割り当てることができる。また、広告主は、途中でプロモーションを放送するべき番組または番組群を選択することができる。たとえば、製薬会社は、報道番組中だけ、またさらには60 Minutes中だけ放送するように、コマーシャルプロファイルを設定することができ、一方コンバーチブル車の広告主は、音楽番組だけ、またはより若い層に関連付けられた番組だけに標的を定めることができる。
【0056】
別の例では、広告主は、到達するべき特定の標的ユーザグループをもたないコマーシャルを制作することができる。たとえば、広告主は、コマーシャルをまず可能な限りあらゆるユーザに到達させ、かつそのコマーシャルにより関心をもちうる一部のユーザに徐々に焦点を合わせたいと望む可能性がある。コマーシャルのプロファイルを変動させることによって、コマーシャルをすべての視聴者に到達させ、次いでそのコマーシャルにより関心をもちうる視聴者に向けることができる。プロファイリング工程200中、コマーシャルは、そのコマーシャルを受け入れる可能性がより高いユーザによってコマーシャルが視聴されうるプロファイルを創り出すことができる。
【0057】
図2Bは、様々なプロファイリングされたコマーシャルに対するユーザの反応に基づいてユーザをプロファイリングする例示的な工程220を示す。図示の例では、工程220は、
図1Aで確立された、コマーシャル#1、#2、および#3に関するコマーシャルプロファイル216a〜cと、新しいユーザ221のユーザプロファイル206eとを含む。工程220の初めには、ユーザのプロファイル206eは、そのプロファイルに割り当てられた属性をもたない可能性がある(または、特定のパラメータには属性が割り当てられているが、他の属性は何も記録されないままである可能性がある)。たとえば、ユーザ221は、ビデオ配信システム100の新しいユーザである可能性がある。別の例として、ユーザ221は、たとえばシステムが提示しているコマーシャルが期待外れであるという理由で、自身のプロファイルをリセットすることができる。別の例として、放送ネットワークもまた、たとえばユーザ221がユーザのプロファイル206eに従って選択されたコマーシャルの大部分をスキップするという理由で、ユーザ221のプロファイルをリセットすることができる。別法として、好みに関する情報は、単一のセッションの間しか維持されない可能性があり、したがって、各セッションで再構築しなければならない可能性がある。
【0058】
ユーザはまた、プロファイルに関連付けられた一部またはすべての属性を明示的に設定することができる。たとえば、ユーザは、性別および生年月日もしくは年齢を特定することができ、または、コマーシャルに対して、ユーザがより好む様々な製品または主題を選択することができ、したがってシステムは、ユーザがコマーシャルを受け入れるのかそれとも拒否するのかに基づいて、他の属性を推論することができる。別法として、ユーザは、ユーザに適合するグループを選択することができ、そのグループに適合するように、プロファイルを設定することができる。
【0059】
工程220では、まず、コマーシャル202cなどのコマーシャルをユーザ221に提示することによって、プロファイル206e内の属性を初期化することができる。コマーシャルプロファイル216cに隣接する下向きの矢印で示すように、ユーザ221は、コマーシャル202cをスキップする。したがって、工程220では、プロファイル状態222に示すように、属性を初期化することができる。プロファイル状態222は、プロファイル216c内の属性値の補数(または、-1〜+1の範囲が使用される場合は負の値)である属性値を含む。次に、工程220では、コマーシャル202bをユーザに提示することができる。
図2Bに示すように、ユーザ221は、コマーシャル202bを受け入れる。したがって工程220は、更新されたプロファイル状態224に示すように、プロファイル状態222をコマーシャルプロファイル216b内の属性の方へ調整することができる。
【0060】
また、工程220では、ユーザ221の反応を使用して、ユーザ221が関心のある特定の製品を判別することができる。たとえば、ユーザ221は、映画のコマーシャルであるコマーシャル202bを受け入れるので、工程220では、プロファイル224に示すように、ユーザ221は映画に関心があるとプロファイリングすることができる。
【0061】
次いで、工程220では、コマーシャル202aをユーザ221に提示することができる。ユーザ221は、コマーシャル202aをスキップする。図示の例では、工程220では、プロファイル216a内の属性値の補数を使用してプロファイル206eを更新することによって、プロファイル206eを調整することができる。したがって、ユーザのプロファイルの調整は、ユーザ221がさらなるコマーシャルを受け入れかつ拒否するのに従って、プロファイルが確実であるとするのが妥当になる(たとえば、統計的に決定される)まで続けることができ、または連続して続けることができる。前述のように、ユーザのプロファイルはまた、不正確に推定されたプロファイルがそのユーザに固定されたままにならないように、定期的にリセットすることができる。また、プロファイルの精度を試験するために、様々なプロファイル外のアイテムを定期的にユーザ221に表示することもできる。たとえば、ユーザがプロファイル外のアイテムを視聴した場合、プロファイルを変更しなければならない可能性がある。
【0062】
図2Cは、特定のユーザに対するユーザプロファイルを生成する別の例示的な工程240を示す。この工程は、上に論じた工程に類似するが、さらに分かりやすくするために、さらに詳細に示す。工程240中、5つのコマーシャル242a、242b、242c、242d、242eがユーザに提示される。コマーシャル242a〜eはそれぞれ、1つのプロファイルに関連付けられている。たとえば、コマーシャル242aは、プロファイル244に関連付けられている。
【0063】
プロファイル244は、コマーシャルに対する固有の識別(ID)番号、フォーマット、動き、音、色、スタイル、年齢、性別、およびタイプなどの様々なフィールドを含む。プロファイル244はまた、単一の人気点フィールドなど、より多くのまたはより少ないフィールドまたはパラメータを含むことができる。ビデオ配信システム100などのシステムは、ID番号を使用してコマーシャルを識別することができる。フォーマットフィールドは、標準的なコマーシャル、または「スクイーズ」タイプの広告(たとえば、クレジットが流れている間などにディスプレイの一部分に表示される広告)、バナー広告、もしくは他のタイプの広告などの他の種類の広告など、アイテムの特定のフォーマットを示すことができる。いくつかのタイプの広告について、
図3を参照して以下に説明する。図示の例では、リストに記載されたフィールドは、コマーシャルプロファイルとユーザプロファイルとの間で同じであり、したがって、コマーシャルとユーザのいずれかにプロファイルを割り当てるのはより容易である。他の実装形態では、コマーシャルプロファイルとユーザプロファイルは、いくつかの異なるフィールドを有することもできる。
【0064】
コマーシャルの前後で放送するべき番組もまた、プロファイルを有することができ、これらのプロファイルは、視聴者およびコマーシャルに対する属性と同じまたは異なる属性を使用することができる。たとえば、番組は、単に性別および年齢に対する属性を有することができ、これらの属性を使用して、番組の視聴者に関する他の属性を推論することができる(たとえば、男性、18〜24歳、映画では、「アクション」を好む視聴者がいる可能性がある)。したがって、そのような映画中には、視聴者のプロファイルにかかわらず、またさらには視聴者のプロファイルが記憶されておらず、もしくは知られていない場合でも、「アクション」属性を有するコマーシャルを表示することができる(または、その映画に対するコマーシャルを他の「アクション」ビデオ中に表示することができる)。
【0065】
工程240には、ユーザID 12613113のプロファイル246を有するユーザも含まれる。プロファイル246は、所得、年齢、および性別など、ユーザに関するいくつかの人口統計学的情報を含む。この情報は、ユーザがビデオサービスに登録したときに得ることができ、またはユーザプロファイリング工程(たとえば、工程220もしくは240)中に見出すこともできる。
【0066】
図2Cに示すように、ユーザは、5つのコマーシャル242a〜eを視聴した。ユーザの反応を顔248、250、252、254、256で表す。顔250、252、256などの笑っている顔は、ユーザがコマーシャルを視聴したことを表す。顔248、254などの悲しい顔は、ユーザがコマーシャルをスキップしたことを表す。
【0067】
コマーシャルの媒体ファイル全部がユーザに再生された場合、またはかなりの部分が再生された場合、コマーシャルは視聴されたものと見なすことができる。コマーシャルのうちの5秒未満もしくはさらに20秒未満など、コマーシャルのわずかな部分しか再生されなかった場合、またはコマーシャルのプレビュー(単一のフレームなど)は表示されたがコマーシャルはスキップされた場合、コマーシャルはスキップされたものと見なすことができる。そのような情報は、ビデオ供給のストリーミングを追跡することによって得ることができ、または、以下により詳細に示すように、視聴者のローカルの装置に記憶しかつ集中システムに折り返し報告することもできる。そのような報告は、各広告の「インプレッション」の数を追跡するために、広告主に対する請求作業の一部として独立して行うことができる。スキップされたのかそれとも視聴されたのかというコマーシャルの状態は、放送業者と広告主との間の法的な契約によって規定することができる(たとえば、広告主は、コマーシャル全部がユーザに表示されない限り、支払いを拒否する)。
【0068】
反応情報を使用して、工程240では、ユーザプロファイル246を生成することができる。たとえば、工程240では、コマーシャル242b、242c、242eはスタンダード(standard)15フォーマットであり、ユーザがそれらのコマーシャルを視聴したことから、このユーザはスタンダード15フォーマットのコマーシャル(たとえば、長さ15秒の通常のテレビコマーシャル)をより好むと判別することができる。工程240では、コマーシャル242b、242cはどちらも中の動きを有し、ユーザがこれらのコマーシャルを視聴したことから、このユーザは動きが中程度のコマーシャルを好むと判別することができる。工程240では、コマーシャル242c、242eはどちらも静かな音楽を有し、ユーザがこれらのコマーシャルを視聴したことから、このユーザは音楽が静かなコマーシャルを好むと判別することができる。工程240では、ユーザが明るい色のコマーシャル242b、242cをすべて視聴し、中程度またはくすんだ色のコマーシャル242a、242dをスキップしたことから、このユーザは色鮮やかなコマーシャルを好むと判別することができる。また、ユーザが何を視聴しかつ何をスキップするのかということから、工程240では、ユーザが自動車および飲料に関するコマーシャルをより好み、スポーツ用品および低級レストラン、または他の類似する垂直的もしくは半垂直的カテゴリのコマーシャルを好まないとプロファイリングすることができる。
【0069】
図3は、30分間のテレビ番組の時間表を図示する例示的なタイミング
図300を示す。一般には、この図は、コマーシャルのスタイルまたはコンテンツに加えて、プロモーションアイテムのフォーマットの標的をどのようにしてユーザに対して定めることができるのかを示す。通常、番組は、いくつかのコマーシャルによる中断期間が番組全体にわたって均一に間隔を空けて配置されるように分割される。そのようなシステムは、柔軟性のないものとすることができ、すなわち、広告主には強制的に、特定の長さ(たとえば、15、30、または60秒)のコマーシャルを制作させ、また視聴者には強制的に、そのフォーマットのコマーシャルを視聴させる。しかし、放送業者は、単に番組から特定の金額の広告収入を得ることに関心があり、広告がどのように配信されるのかについては無関心である可能性がある。
【0070】
たとえば、放送業者は、1時間のドラマ(従来の広告モデルでは広告による中断のため50分未満である可能性がある)を各視聴者に表示することから$1の広告収入を得たいと望むものとする。おそらく、多くの広告主は、その番組中に20個のコマーシャルのうちの1つを流すために、視聴者1人当たり5セントの料金を進んで費やそうとする。同時に、おそらく広告主の中には、視聴者に消費者調査に記入させ、かつおそらく郵送先住所などの追加の情報を提供するために、視聴者1人当たり$1を進んで支払おうとする広告主もいる。特定のユーザは、番組全部を途切れなく視聴でき、かつ10分間のコマーシャルを視聴しなくてすむ場合、番組を開始する前に5〜10分を費やしてそのような調査に記入することに関心をもつ可能性がある。別の代替手段として、放送業者は、すべてのコマーシャルをスキップすることとの引き換えに$2支払う(GBuyなどの少額決済システムなどによる)という選択肢を、ユーザに提供することができる。
【0071】
タイミング
図300は、標的を定めたプロモーションスタイルに加えて、またはそれに代わる手段として、標的を定めたプロモーションフォーマットをどのようにしてそのような視聴者に提供できるかを示す。タイミング
図300は、テレビ番組の長さを表す時間表302を含む。時間表302の陰影のない部分は、番組が放送される時間を表す。この例では、番組は、30分間のコメディー番組である。時間表302の陰影をつけた部分は、従来の広告枠304のタイミングを表す。図示のように、1つの広告枠304aは、時間00:48で開始し、時間2:48で終了する。別の広告枠304bは、時間12:00で開始し、時間14:00で終了する。第3の広告枠304cは、時間20:00で開始し、時間21:30で終了し、第4の広告枠304dは、時間29:30で開始し、時間30:30で終了する。人気ドラマ「24」の視聴者には、従来の広告枠の位置およびタイミングが理解されるであろう。図中のこれらの枠は、番組の導入後の1組のコマーシャル、番組中の2つのコマーシャル、および別の番組が開始する前の締めくくりの1組のコマーシャルを表す。そのような枠の特定の数およびタイミングは、変えることができる。
【0072】
たとえば、システムは、ユーザのプロファイルに基づいて、広告枠304a〜d中にユーザに提示するべきコマーシャルを選択することができる。このシステムは、上に論じたように、ユーザの好みに合わせたフォーマットおよびスタイルを有するコマーシャルを選択することができる。たとえば、コマーシャルは、30秒フォーマット、60秒フォーマット、および15秒フォーマットを含むことができる。ユーザのプロファイルに示された好みに応じて、システムは、テレビ番組内の広告枠304中にフォーマットの1つを提示することができる。たとえば、ユーザプロファイル246は、標準的な15秒間のコマーシャルがより好まれることを示すので、システムは、ユーザに提示するために、30秒間のコマーシャルを選択するのではなく、15秒間のコマーシャルを選択することができる。
【0073】
いくつかの実装形態では、ビデオ配信システム100はまた、テレビ番組が表示されている間に広告を提示することができる。タイミング
図300は、そのような広告を表すための、標準的なフォーマットではないコマーシャル306を含む。図示のように、コマーシャル308aは、規定の枠306a中にフライオーバ方式のコマーシャルとして表示することができる。そのようなコマーシャルは、ある期間にわたって、テレビ番組上に重なる小さなオブジェクトを表示する。規定の枠306aは、コマーシャルが番組から不必要に注意をそらさないように、番組内で動きが衰退している時間中に発生するように、その番組に対して特別に規定された期間(たとえば、規定の先頭および規定の最大継続時間による)とすることができる。番組は、そのような期間がいつ開始するべきか、およびそのような期間がどのくらい続くべきかを示す信号で符号化することができ、したがって飛出し広告は、システムによって選択しかつ表示することができる。
【0074】
コマーシャル308bは、ある期間にわたって、静止画、動画、またはスクロール表示などで、時間枠306b中にテレビディスプレイの下部に情報(たとえば、文字、画像、または両方)のバナーを表示するバナーコマーシャルとすることができる。この場合も、時間枠の先頭および継続時間は、特定の番組に対して規定することができ、かつシステムからアクセス可能なメタデータの形で番組を保持するファイル内に記憶することができる。視聴するのに邪魔にならず、かつ番組が表示されている間に表示できる、Google(登録商標)のウェブクリップ表示などのバナーコマーシャルまたは他の表示は、ユーザがそれらのコマーシャルをスキップするという選択肢なしで提供することができる。たとえば、ユーザが十分な数の標準的なコマーシャルをスキップした場合、このユーザには単に、バナーまたはスクロール広告のような広告を画面の縁部に表示することができる。別法として、そのような邪魔にならない広告は、スキップボタンなどによって、またはユーザが広告のスクロールを早送りできるようにすることによって、早送りしまたはスキップすることができる。
【0075】
コマーシャル308cは、クレジットが流れている間などのテレビ番組の終了中にディスプレイ308cの右下の隅にコマーシャルを表示する「スクイーズ」コマーシャルとすることができる。いくつかの実装形態では、システムは、たとえば、非標準的なコマーシャルを提示するべき時間を無作為に選択しまたはユーザプロファイルから判別することができる。たとえば、システムは、ユーザが、長い複数の広告枠があるよりも、テレビ番組の終了時に1つの長期間のスクイーズコマーシャルをより好むと判別する可能性がある。したがって、システムは、たとえば、テレビ番組の終了時に5分間の長いスクイーズコマーシャルを提示し、かつ番組内では比較的短い広告枠304を提示することができる。(しかし、そのような手法は、ユーザが番組を早めに放棄することを助長する可能性がある。)
【0076】
広告枠304a〜d内で提示されるコマーシャルは、他のフォーマットでのように単に番組表示を補完するのではなく、テレビの表示全体に取って代わる。したがって、コマーシャルが流れている間、テレビ番組は停止する。いくつかの実装形態では、システムはまた、他の方法でコマーシャルを提示することができる。たとえば、システムは、テレビ番組の初めに大きな広告枠を単一のコマーシャル(たとえば、BMWの自動車の4分間の短い映画)で提示することができる。いくつかの実装形態では、ユーザは、この長い広告枠を視聴して、テレビ番組の残りの間はこれ以上の広告枠304を表示されることなくテレビ番組を得ることを選択することができる。
【0077】
別の例として、ユーザプロファイルに応じて、システムはまた、スケジュールされた広告枠304a〜dを挿入し、削除し、または修正することができる。たとえば、ユーザが標準的なコマーシャルを好まないことをユーザプロファイルが示すとき、システムは、広告枠304a〜dの1つまたは複数を時間表302から削除することができる。その代わりに、このシステムは、コマーシャル308a〜cなどのより非標準的なコマーシャルをテレビ番組内に挿入することができる。別の例として、ユーザプロファイルは、ユーザがより長いがより頻度の低い広告枠をより好むことを示す可能性がある。したがって、システムは、このユーザに対して、たとえば広告枠304aおよび304cを長くし、かつ広告枠304bを削除することができる。
【0078】
そのようなビデオ配信システムは、広告主が自身のコマーシャルの標的をよりよく定められるようにすることによって、広告主の利益になるコマーシャルを柔軟に選択することができる。たとえば、広告主は、標的視聴者の人口統計学的データを示すことができるプロファイルを規定することによって、自身の広告の標的を視聴者によりよく定めることができる。放送業者などのシステムの操作者はまた、コマーシャルを適切な視聴者に配信し、それによって広告主からより高い料金を得ることが可能になることによって、利益を得ることができる。ビデオ配信システムはまた、視聴者がより楽しむスタイルおよびフォーマットのコマーシャルを選択することによって、視聴者が自身の視聴経験を向上させるのに役立つことができる。
【0079】
特定の実装形態では、ユーザは、特定のコマーシャルをスキップすることができるが、番組を視聴するためには一定の数のコマーシャルを視聴しまたは受け入れることが必要となりうる。必要な数は、たとえば11個のコマーシャルまたは広告インプレッションなどの一定の整数とすることができる(広告の影響力の尺度とすることができ、したがって従来のコマーシャルがバナー広告より高いインプレッション数を有する可能性がある)。別法として、必要な数は、支払われた広告の金額に対応させることができ、したがって、放送システムに対して一定の値の広告収入を生み出すのに十分な広告を視聴者が視聴するまで、広告が表示される。
【0080】
システムによって好みログを記憶して、この後で、視聴者の動作を分析しまたは処理することもできる。たとえば、ログは、プロモーションアイテムID、視聴者ID、アイテムが表示された時間、広告が表示されたときに視聴者が視聴していた番組を表す番組ID、および視聴者がアイテムを視聴するのに費やした時間(ならびに/またはユーザがアイテムを視聴したか否かについての2進インジケータ)に対するフィールドを含むことができる。好みログを分析して、たとえば、特定のアイテムの人気(アイテムが受け入れられた回数をアイテムが表示された回数で割った値を反映する割合など)を判別することができる。より複雑なシナリオでは、アイテムを表示された視聴者の様々なプロファイルにこのアイテムを結び付けることができ、その結果、システムによって、アイテムのプロファイルに影響を与えることができる。
【0081】
これらのログにより、システムは、プロモーションアイテムに対する反応群を様々な目的で分析することもできる。たとえば、特定のコンピュータに複数の反応があることで、現在の視聴者のプロファイルがこのコンピュータに関連付けられた前のプロファイルとは実質上異なることを示す場合、システムは、異なる人がコンピュータを使用していると推論することができ、また、このコンピュータを使用した元の視聴者に対するプロファイルにセッションが与えた影響を消去するために、好みログを使用して、現在のセッションから視聴者の動作を「戻る」ことができる(たとえば、セッション中に視聴者に表示されたすべてのプロモーションアイテムを逆に視聴者のプロファイルに当てはめることによる)。複数の視聴者が同じ視聴装置を定期的に使用した場合、類似の分析を使用して、特定の視聴者を識別することができる。
【0082】
同様に、複数のアイテムが拒否なく視聴されたとき、システムは、視聴者が部屋を離れたかまたは注意を払っていないかのいずれかであると推論することができる。そのような状況では、視聴者がアイテムを受け入れたかどうかは、視聴者の好みに正確に反映されない可能性があり、好みログを使用してセッションを戻り、視聴者のプロファイルへのセッションの影響を取り除くことができる。
【0083】
図4A〜
図4Bは、前述の技法を実装できる2つの例示的なシステムを示す。一般には、
図4Aは、番組を記憶しかつ選択しならびにプロモーションアイテムも記憶できる個人用ビデオレコーダまたは類似の装置を使用して実装できるシステムなどのシステム400を示す。
図4Bは、ストリーミングビデオまたは類似のビデオ配信を受信する標準的なデスクトップコンピュータを使用して実装できるシステムなどのシステム402を示す。ただし、番組およびプロモーションアイテムは、1つまたは複数の集中サーバで記憶されかつスケジュールされる。
【0084】
図4Aに示すように、システム400は、プロモーションアイテムおよび番組をユーザに配信するように構成される。システム400は、集中システム410と、ネットワーク418と、ビデオ選択装置420と、テレビ428または他の種類のビデオモニタ(コンピュータモニタなど)とを含む。集中システム410は、ネットワーク418を介してビデオ選択装置420にビデオおよび他のデータを伝送するビデオサーバを含むことができる。たとえば、集中システム410は、有線、無線、または有線/無線を組み合わせたネットワークなどの放送ネットワークを介してビデオ選択装置420にビデオを伝送するビデオ放送システムとすることができる。別の例では、ネットワーク418はインターネットを含むことができ、このインターネットを使用して、集中システム410は、ビデオ選択装置420にビデオデータストリームまたはファイルを伝送することができる。
【0085】
集中システム410はまた、プロファイルデータベース417を含むことができ、プロファイルデータベース417は、様々なユーザに伝送するべきプロモーションアイテムを選択するために適当な状況で使用することができ、また、集中システム410の操作者からまたは(システム400に関する人口統計学的データを分析したいと望む可能性がある)広告主などの他者からアクセスすることもできる。単一のエンティティとして示すが、集中システム410は、1つの位置または複数の位置にある装置を含めて、複数の装置を含むことができる。たとえば、プロファイルデータベース417は集中拠点に収容し、一方、集中システム410の一部であるビデオサーバは、エンドユーザにより近接しそれによってネットワーク中のデータトラフィックを最小限にするように構成されたデータセンター内の多くの異なる位置に分散させることができる。
【0086】
システム400はまた、ネットワーク418に接続されたコンピュータ440を含む。いくつかの実装形態では、コンピュータ440は、集中システム410およびビデオ選択装置420内のデータにアクセスして、たとえば、ユーザの反応、ユーザプロファイル(プロファイルデータベース417にアクセスすることなどによる)、および広告プロファイルに関する分析を実施することができる。コンピュータ440はまた、ビデオをプロモーションアイテムとともに表示するように構成することができる。
【0087】
ビデオ選択装置420は、テレビ428に接続されたものとして示す。ビデオ選択装置420は、テレビセットの一部とすることができ、または、個人用ビデオレコーダ(PVR)の場合など、テレビセットに取り付けることができ、また、パーソナルコンピュータに据え付けられた装置またはコンピュータ内のソフトウェアプログラムとすることができる。その上、ビデオ選択装置420は、他のそのような装置の中でもとりわけ、携帯情報端末またはスマートフォンの一部とすることができる。
【0088】
集中システム410は、インターフェース412と、プロモーションセレクタ414と、プロモーションデータベース416とを含む。集中システム410は、インターフェース412を使用してプロモーションをビデオセレクタ420に伝送することができ、また適当な状況では、番組を伝送することもできる。たとえば、IPTV実装形態では、集中システム410(共通のサーバ内に実装されているのかそれとも複数の異なるサーバ内に実装されているのかにかかわらない)は、ビデオストリームのすべての成分をビデオセレクタ420に伝送することができる。別法として、番組は、衛星または無線放送などの標準的な機構によって伝送することができ、コマーシャルまたは他のプロモーションアイテムは、ネットワーク418を介してビデオセレクタ420に送信して、後に番組内に挿入することができる。
【0089】
いくつかの実装形態では、プロモーションセレクタ414は、ビデオ選択装置420に送信するべきプロモーションを選択することができる。たとえば、集中システム410は、ビデオ選択装置420からのコマーシャルを求める要求に応答することができる。この要求は、たとえば、必要とされるコマーシャルのタイプを特定する様々なパラメータを含むことができる。これらのパラメータは、選択装置420のユーザによる過去の動作に基づいて選択装置420に割り当てることができるパラメータである。要求は、たとえば、選択装置420がユーザにアイテムを提示することが必要となる前の規定の時間に、または番組がユーザに提示され始めた時間に行うことができる。
【0090】
集中システム410は、デジタルビデオファイルなどの形の1つまたは複数のコマーシャルを選択し、かつビデオ選択装置420に伝送することができる。コマーシャルは、選択装置420に関連付けられたプロファイルに基づいて、集中システム410によって選択することができ、またはこの図に示すように、単に、広告主によって現在流されているコマーシャルを送信することもできる。広告主は、このコマーシャルに対して料金を支払うこととなる。集中システム410はまた、その人が視聴しているがユーザのプロファイルとは無関係である番組に基づいて、コマーシャルの選択を行うこともできる。そのような状況では、要求は、番組を特定する1つまたは複数の引数を含むことができる。
【0091】
別の例では、プロモーションセレクタ414は、1組のプロモーションを選択しかつその組をビデオ選択装置420に送信することによって、ビデオ選択装置420内のコマーシャルなどのプロモーションアイテムを(たとえば、週に1回または2週間に1回)更新することができる。具体的には、選択装置420は、比較的多数のプロモーションアイテムを記憶することができ、かつユーザに適当なアイテムを選択するための論理を実行することができる。
【0092】
ビデオ選択装置420は、番組スケジューラ422と、ビデオドライバ424と、番組およびプロモーションデータベース426とを含む。番組スケジューラ422は、番組とまたコマーシャルなどのプロモーションとを含めて、特定のアイテムをユーザに表示するべきかどうかを判別する。たとえば、番組スケジューラ422は、特定の番組を表示するためのユーザからのコマンドを受信することができる。番組スケジューラ422はまた、プロモーション素材を提示するために番組内で特定された適当な位置を追跡することができる。番組スケジュールおよびユーザプロファイルに従って、番組スケジューラ422は、番組中にユーザに表示するべき1つまたは複数のコマーシャルを選択することができる。番組スケジューラは、視聴者がより好むアイテムだけを視聴者に表示するように、プロモーションに対する所望のプロファイルを特定するのに役立つ1つまたは複数のパラメータを渡すことができる。
【0093】
番組およびプロモーションデータベース426は、番組およびコマーシャルなどのプロモーションアイテムに対するコンテンツを含むビデオファイルおよび類似のアイテムを記憶する。いくつかの実装形態では、番組およびプロモーションデータベース426は、取り外しできないハードディスク記憶装置とすることができる。番組スケジューラ422は、番組およびプロモーションデータベース426からコンテンツを受信する。番組およびプロモーションデータベース426は、wavフォーマット、mpegフォーマット、または他の適当なフォーマットなどの番組およびコマーシャルに関する様々なファイルを記憶することができる。番組およびプロモーションデータベース426はまた、たとえば、番組およびプロモーションがどれだけ長いのか、番組およびプロモーションが何に関するのか、プロモーションに対するユーザプロファイルなどを含めて、これらの番組およびプロモーションに関するメタデータを記憶することができる。選択後、番組スケジューラ422は、ビデオドライバ424を使用して、選択したコンテンツをテレビ428に表示することができる。
【0094】
動作の際には、システム400は、番組およびプロモーションデータベース426内の表示可能なコンテンツの大部分またはすべてを読み込むことができる。番組スケジューラ422ならびに番組およびプロモーションデータベース426を使用して、ユーザは、ビデオコンテンツを一時停止したり、または巻き戻して繰り返したりすることができる。いくつかの実装形態では、番組スケジューラ422により、ユーザは、時間によって、たとえば番組タイトルを入力することによって、および/またはジャンル、俳優、監督などの組合せを指定することによって、集中システム410から(または番組およびプロモーションデータベース426から)どの番組を取得するべきかを指定することもできる。次いで番組スケジューラ422は、データベース426からまたは集中システム410から、指定された番組を選択しかつ取得することができる。番組の取出しをスケジュールすることに加えて、番組スケジューラ422はまた、視聴者への番組の表示を制御することができる。
【0095】
番組スケジューラ422はまた、記憶されたユーザプロファイルに基づいて、集中システム410から番組およびプロモーションを取得することができる。番組の場合、スケジューラは、番組に対するセッションの記録をスケジュールすることができ、通常、ユーザからのリアルタイムコマンドを待ってから、記録された番組を再生する。
【0096】
ビデオ選択装置420は、ユーザの好みを示す1つまたは複数のユーザプロファイルを記憶することができる。たとえば、ビデオ選択装置420は、ユーザが番組を好意的にまたは否定的に格付けするとき(たとえば、5つ星が最も好ましく星なしが最も好ましくない場合に、リンゴの数を番組に割り当てることによる)、ユーザの好みを得ることができる。別の例では、ビデオ選択装置420は、ユーザの視聴習慣に基づいて、ユーザプロファイルを生成することができる。いくつかの実装形態では、そのようなユーザプロファイルは、
図2Bおよび
図2Cを参照して説明したユーザプロファイルに付加することができる。
【0097】
ユーザプロファイルに基づいて、番組スケジューラ422または集中システム410は、システム400内のどのプロモーションアイテムをビデオ選択システム420内に取得するべきであるかを判別することができる。その上、ユーザは、番組スケジューラ422によって提示されたアイテムをスキップすることができる。コマーシャルまたは他のアイテムがスキップされたとき、番組スケジューラ422は、提示するべき別のコマーシャルを選択することができ、かつユーザのプロファイル、スキップされた広告のプロファイル、または両方を更新することができる。スケジューラはまた、たとえば集中システム410がプロモーションアイテムプロファイルを更新できるように、集中システム410に情報を提供することができる。スケジューラ422はまた、特定の数のコマーシャルが視聴されるべきであるという要件を実施しながら、利用可能なコマーシャルの数から可能な限り多くのコマーシャルを視聴者がスキップするのを許可することができる。
【0098】
番組スケジューラ422はまた、プロモーションアイテムをテレビ番組内またはその前後に配置することができる。たとえば、番組スケジューラ422は、プロモーションアイテムを通常の広告枠(たとえば、
図3内の広告枠304)内に配置することができ、また番組中にプロモーションアイテムを配置することもできる(たとえば、
図3内の非標準的な広告306)。たとえば、番組のビデオファイル内のフラグまたは他のインジケータがトリガされて、その時点でプロモーションアイテムを表示する必要があることを示すとき、番組スケジューラ422は、主番組の表示を一時停止しまたはその他の方法で影響を与えながら、アイテムを選択し、かつそのアイテムの表示を開始することができる。したがって、様々なフォーマットの広告から提示するものを選択することによって、番組スケジューラ422は、選択した広告を表示する番組を決定しかつ編集することができる。
【0099】
図4Bに示すように、別のシステム402は、ネットワークを介して視聴者にビデオストリームを伝送するように構成される。たとえば、システム402は、ブロードバンド接続によるインターネットプロトコル(IP)を使用して視聴者にビデオ番組を配信するインターネットプロトコルテレビ(IPTV)システムとすることができる。このシステムは、視聴者によって視聴されているときリアルタイムに、ビデオストリームなどの形でコンテンツを伝送することができる。一般には、システム402はシステム400に類似するが、コンテンツ選択の責任は、ローカルシステム448ではなく集中システム432が負う。
【0100】
システム402は、集中システム432と、ネットワーク446と、ローカルシステム448とを含む。集中システム432は、ネットワーク446を介して、ビデオストリームまたは他のビデオ伝送方式の形で符号化されたビデオデータをローカルシステム448に伝送することができる。ローカルシステム448は、パーソナルコンピュータまたは類似の装置を含むことができる。システム402はまた、ビデオモニタ454(コンピュータシステムまたは標準的なテレビの一部とすることができる)とコンピュータ456とを含む。ローカルシステム448は、受信したビデオデータをモニタ454に表示することができる。
【0101】
集中システム432は、インターフェース434と、ストリーミングビデオエンコーダ436と、番組スケジューラ438と、プロファイルデータベース440と、番組ビデオデータベース442と、プロモーションビデオデータベース444とを含む。集中システム432は、インターフェース434を使用して、ネットワーク446を介して遠隔システム448にビデオデータを伝送することができる。ストリーミングビデオエンコーダ436は、番組ビデオデータベース442およびプロモーションビデオデータベース444から、それぞれ番組およびプロモーションを読み込む。
【0102】
いくつかの実装形態では、ストリーミングビデオエンコーダ436は、ビデオデータを指定のストリーミングフォーマットに符号化することができる。ビデオストリーミングエンコーダ436は、ビデオデータを、ユーザのインターネット接続に適した異なるサイズまたは速度に符号化することができる。たとえば、IPTVは、Moving Pictures Experts Group (MPEG) layer 2 Transport streamでまたはMPEG4 H.264フォーマットで、ビデオデータストリームを符号化することができる。一部のIPTVシステムでは、ビデオストリーミングエンコーダ436はまた、ビデオデータを、IPTVに使用される基礎となるプロトコル(たとえば、生放送のTV向けのチャンネル変更通知用IGMP version 2、ビデオオンデマンド向けのRTSPなど)に符号化することができる。
【0103】
ビデオストリーミングエンコーダ436はまた、番組スケジューラ438からの命令に従って、番組ビデオ内にプロモーションビデオを配置することができる。番組スケジューラ438は、プロファイルデータベース440からプロファイルデータを受信する。プロファイルデータベース440内のデータに基づいて、番組スケジューラ438は、どの番組およびプロモーションを伝送するべきか、ならびにどのようにしておよびどの順序でおよびどの時間に番組およびプロモーションを提示するべきかについて、ストリーミングビデオエンコーダ436に命令することができる。たとえば、番組スケジューラ438は、現在ユーザにストリーミングされているビデオ内の特定の時点でユーザに提示するために、バナーフォーマットの自動車のコマーシャルを読み込むように、ストリーミングビデオエンコーダ436に命令することができる。次いでストリーミングビデオエンコーダ436は、バナー広告をビデオの上にまたはそれに隣接して重ね合わせることができる。
【0104】
ローカルシステム448は、プロセッサ450とビデオドライバ452とを含む。プロセッサ450は、受信したビデオストリームを処理することができる(たとえば、復号、解凍など)。次いで、プロセッサ450は、テレビ454内で表示するために、処理されたビデオストリームをビデオドライバ452に送信することができる。プロセッサ450は、1つまたは複数の一般的なマイクロプロセッサ(たとえば、Intel Pentium(登録商標)チップ)およびビデオドライバカード上に置かれたプロセッサなどの専用ビデオプロセッサとすることができる。ビデオは、ローカルシステム448上のランダムアクセスメモリ(RAM)の形の揮発性メモリなどのメモリ上に記憶し、かつそこからアクセスすることができる。
【0105】
集中システム432は、ローカルシステム448のユーザプロファイルに応じて、ローカルシステム448に伝送するべきアイテムを選択することができる。いくつかの実装形態では、ローカルシステム448は、ユーザを識別するIPアドレスまたはウェブクッキーなどの識別子を含むことができる。たとえば、集中システム432がローカルシステム448からビデオデータを求める要求を受信したとき、集中システム432は、ローカルシステム448の識別子を確認することによって、応答することができる。次いで集中システム432は、ローカルシステム448のユーザを識別することができ、かつ識別されたユーザのユーザプロファイルをプロファイルデータベース440から取得することができる。取得したユーザプロファイルを使用して、番組スケジューラ438は、たとえばユーザが受け入れできる可能性のあるスタイル、タイプ、および/またはフォーマットを判別することができる。
【0106】
適当なアイテムの選択はまた、化粧品、旅行、投資、宗教など、アイテムに関連付けられた垂直的カテゴリなどのカテゴリを基にすることができる。そのような要因はまた、ユーザがあるタイプのビデオでは映画予告編をスキップするが別のタイプのビデオでは同じ予告編をスキップしないなど、特定のタイプの番組に対するユーザの反応を含むことができる。
【0107】
いくつかの実装形態では、番組スケジューラ438は、ストリーミングビデオエンコーダ436を使用して、プロモーションビデオデータベース444から適切なプロモーションを選択し、かつ番組ビデオデータベース442から要求されたビデオを選択することができる。次いでストリーミングビデオエンコーダ436は、取得したビデオ(プロモーションビデオおよび番組ビデオを含む)を符号化することができる。番組スケジューラはまた、伝送されたストリームが、番組からコマーシャルへ、そして再び番組へ継ぎ目なく確実に進むようにするのに役立つことができる。
【0108】
符号化工程では、ストリーミングビデオエンコーダ436はまた、プロモーションビデオと番組ビデオとを混合して、ローカルシステム448に伝送するべき1つのビデオデータストリームにすることができる。プロモーションのタイプに基づいて、ストリーミングビデオエンコーダ436は、異なる方法で、プロモーションを番組内に混合することができる。たとえば、ストリーミングビデオエンコーダ436は、番組ビデオの上にプロモーションビデオを重ねることができる。
【0109】
別の例では、ストリーミングビデオエンコーダ436は、番組ビデオの下にバナーアイテムを表示することができる。別の例では、ストリーミングビデオエンコーダ436はまた、番組のストリーミングを停止し、かつ1つまたは複数のプロモーションビデオ(たとえば、コマーシャル)を表示してから番組を再開することができる。別の例では、ストリーミングビデオエンコーダ436は、番組を開始する前に、ユーザが記入する調査を表示することができ、または調査を提示する別の機構に制御を移行することができる。ユーザが完全に調査に記入した場合、ストリーミングビデオエンコーダ436は、ビデオデータストリーム内でアイテムを表示する頻度を減少させ、またはこれ以上のプロモーションアイテムを削除することができる。同様に、ストリーミングビデオエンコーダは、視聴者からの支払いを受信しその後プロモーション素材のさらなる表示を削減または削除する支払いシステムに制御を渡すこともできる。その上、番組を一時停止しまたは引き続き再生しながら、視聴者によるプロモーションアイテムの選択により、その視聴者の注目を、たとえば広告主に関連付けられたウェブサイトに向けさせることができる。
【0110】
図5は、広告プロファイリングのための例示的なデータを示す。例示的な広告プロファイル500は、フォーマットフィールド502、動きフィールド504、音フィールド506、色フィールド508、スタイルフィールド510、年齢フィールド512、性別フィールド514、および製品タイプフィールド516といういくつかのフィールドのうちの1つまたは複数を含む。これらのフィールドは、視聴者が広告において望ましいまたは望ましくないものとして認識する特徴を表すように選択することができる。フィールド内の値は、視聴者および視聴者に表示するべき広告の区分化を可能にする値である。図示のように、値の大部分は多肢選択式であるが、「動き」フィールドの場合など、範囲(たとえば、1〜10または1〜100)を使用することもできる。いくつかの実装形態では、広告プロファイル500は、広告に関連付けることができる。
【0111】
フォーマットフィールド502は、広告のフォーマット特性を含む。図示のように、フォーマットフィールド502内の利用可能な特性は、スンタンダード30(従来の30秒間のコマーシャルを表す)、スタンダード15(15秒間のコマーシャルを表す)、バナー、フライオーバ、スクイーズ、およびインタラクティブである。バナーフォーマットのコマーシャルは、文字および/または画像がバナーとしてディスプレイに表示される広告(たとえば、
図3内のコマーシャル308b)である。フライオーバフォーマットのコマーシャルは、フライオーバ画像としてディスプレイに表示されるコマーシャル(たとえば、
図3内のコマーシャル308a)である。スクイーズフォーマットのコマーシャルは、番組の全画面表示のサイズを縮小してディスプレイの一部分に表示されるコマーシャル(たとえば、
図3内のコマーシャル308c)である。インタラクティブフォーマットのコマーシャルは、記入する(completed)のにユーザインタラクションを必要とする広告(たとえば、調査)である。他のフォーマットを含むこともできる。
【0112】
動きフィールド504は、高動き特性、中動き特性、および低動き特性を含み、これらの特性はそれぞれ、コマーシャル内で表示される動きのレベルを示す。たとえば、自動車のコマーシャルは通常、多くの動きを有し、一方医薬のコマーシャルは通常、少ない動きを有する。
【0113】
音フィールド506は、高音楽特性、中音楽特性、および低音楽特性を含み、これらの特性はそれぞれ、コマーシャル内で聞かれる音楽(または他の音)の音レベルを示す。音フィールド506はまた、高音声特性、中音声特性、および低音声特性を含み、これらの特性はそれぞれ、コマーシャル内で聞かれる音楽の音声レベルを示す。たとえば、ロックンロール音楽で始まるコマーシャルは、「高音楽」として分類される可能性が高いはずであり、一方失禁用の製品に対するコマーシャルは、「低音声」の音レベルとして分類される可能性が高いはずである。
【0114】
色フィールド508は、明るい特性、中程度の特性、およびくすんだ特性を含み、これらの特性はそれぞれ、コマーシャル内で表示される色調を示す。スタイルフィールド510は、アクション特性、ユーモア特性、空想的特性、および教育的特性を含み、これらの特性はそれぞれ、コマーシャル内のスタイルを示す。たとえば、自動車のコマーシャルは、「アクション」のコマーシャルであることが多く、一方ビールのコマーシャルは、「ユーモア」のコマーシャルであることが多い。
【0115】
年齢フィールド512は、その広告の標的年齢グループを示すことができる広告の年齢特性を含む。図示のように、年齢フィールド512内で利用可能な特性は、若年層の子供、若年層のティーンエイジャー、年長のティーンエイジャー、大学生、20歳代、30歳代、40歳代、50歳代、60歳代、および70歳以上というカテゴリである。性別フィールド514は、その広告の標的性別を示すことができる広告の性別特性を含む。
【0116】
製品タイプフィールド516は、アイテムの種々の製品タイプを含む。たとえば、製品タイプフィールド516は、自動車、医薬品、健康関連製品、高級食品(たとえば、有機食品およびステーキ)、低級食品(たとえば、キャンデー)、高級レストラン(たとえば、シーフードおよびステーキレストラン)、低級レストラン(たとえば、ファーストフードレストラン)、衛生製品(たとえば、シャンプーおよび練り歯磨き)、旅行関連製品(たとえば、航空、ホテル、レンタカーなど)、買い物(たとえば、Mall of America)、飲料(たとえば、ビールおよび炭酸飲料)、ならびに/または他の製品タイプを含むことができる。これらの製品タイプは、特定の状況では、広告垂直型と呼ぶことができる。
【0117】
いくつかの実装形態では、広告プロファイル500のフィールドは、広告主が完成させかつ固定することができ、したがって広告主は、その広告に対して標的を定めた視聴者グループを指定することができる。他の実装形態では、広告プロファイル500は、ビデオ配信システム100によって修正できるいくつかの修正可能なフィールドを含むことができる。たとえば、フォーマットフィールド502および製品タイプフィールド516は、修正可能とすることができない。しかし、他のフィールドは、工程220によって修正できる可能性がある。
【0118】
その上、プロモーションアイテムは、番組が流されるべき期間を規定する「時間」フィールドを備えることができる。このフィールドは、複数の態様を有することができる。たとえば、「時間」フィールドは、電子機器店の週に1回の特売広告の場合は日曜から日曜までの日など、広告キャンペーンの開始および終了日を規定することができる。「時間」フィールドはまた、その広告がゴールデンタイムの視聴中にのみ表示されるべきであることを規定することなどによって、時刻態様を有することもできる。その上、そのようなフィールドまたは類似のフィールドは、途中で広告を表示するべき番組、または途中で広告を表示するべき番組のタイプ(たとえば、スポーツ競技中のみ)を特定することができる。
【0119】
プロファイル500内のフィールドを使用して、ビデオ配信システムは、アイテムを分類することができる。たとえば、典型的なコマーシャル「Fluffy Bun」(「Where's the beef?」といううたい文句を特徴とする)の場合、プロファイル500は、このコマーシャルがユーモアのスタイルで少ない動き、大きな音声、および明るい色を有する低級レストラン製品のためのスンタンダード30のコマーシャルであることを示すことができる。別の例では、世界中からの若者たちが丘の頂上で「I'd Like to Teach the World to Sing (In Perfect Harmony)」という歌を歌うことを特徴とする1971年のTVコマーシャルは、プロファイル500によって、中程度音楽および明るい色を有する飲料製品のためのスンタンダード30のコマーシャルとして分類することができる。このプロファイルはまた、このコマーシャルが、たとえばティーンエイジャーおよび20歳代の人たちに標的を定めていることを示すこともできる。特定のフィールドはまた、入力を含まないで、このコマーシャルがフィールドの何らかの特定のサブセット向けではないことを示す可能性があり、したがってこのフィールドは、コマーシャルを分類するのに使用されない。
【0120】
そのようなプロファイルデータはまた、上に論じたように、システムが視聴者について記述するために使用することができる。広告をプロファイリングするモードを、視聴者をプロファイリングするモードと適合させることによって、広告と視聴者との間の適合をより容易に実現することができる。また、番組も同様にプロファイリングすることができ、したがって、番組中に視聴者に提示されうる広告群の中で、適当な広告が最初に選択される。一般には、これらの技法により、従来ほとんど標的をもたなかった媒体、テレビおよびテレビに類似する番組の表示(たとえば、オンラインビデオ)で、特定的にかつ効率的に標的を定めることができる。
【0121】
図6は、標的を定めたビデオプロモーション素材を提供する例示的な方法600を示す。方法600は、クライアント装置(たとえば、ローカルシステム420)内のプロセッサおよび/または広告サーバ(たとえば、広告サーバ410)内のプロセッサによって実施することができる。たとえば、方法600は、クライアント装置が選択された番組を表示するための処理の多くを実施でき、またサーバ装置がクライアント装置からの直接要求に応答できる一実施形態に関連しうる。
【0122】
方法600は、クライアント装置が表示するべき番組を選択するステップ602で開始する。たとえば、クライアント装置は、たとえばハイパーリンクをクリックしまたはデジタルTVメニューから番組を選択することによって、ユーザ選択を受信することができる。図示のように、クライアント装置は、選択した番組を求める要求をサーバ装置に伝送することができる。
【0123】
この要求を受信した後、サーバは、ステップ604で、プロモーションポイントを含む番組をクライアントに供給することができる。たとえば、サーバ装置は、選択された番組内に、1つまたは複数の2分間のブロックを設定することができ、そのブロック中に、4つの30秒間のコマーシャルを表示することができる。別の例では、サーバ装置は、選択された番組中に、非標準的な広告(たとえば、バナー広告またはフライオーバ広告)を表示できる時間を決定することができる。
【0124】
いくつかの実装形態では、番組制作者は、番組内で、広告に適当である時間を特定することができる。たとえば、番組制作者は、番組を理解するのに視聴者が完全に注目する必要のない時間を特定することができる。いくつかの実装形態では、これらの時間に印を付けるために、番組にフラグを関連付けることができる。たとえば、番組スケジューラ422は、これらの時間を特定し、かつこれらの時間にだけ、画面上に広告を表示することができる。いくつかの実装形態では、サーバは、インターフェース412を介して要求を受信することができ、かつ選択された番組をビデオデータベース416から取得することができる。他の実装形態では、サーバは、選択された番組内でプロモーションポイントをどこに挿入するべきかについてクライアント装置に通知するコマンドを、クライアントに伝送することができる。プロモーションの開始および終了時間は、プロモーションポイントと呼ぶことができる。
【0125】
次いで、クライアント装置は、ステップ606で、選択した番組を表示する。たとえば、クライアント装置は、ビデオドライバ424を使用して、選択した番組をディスプレイ428に表示することができる。ステップ608では、クライアント装置は、プロモーションを選択し、かつ選択したプロモーションを表示する。たとえば、クライアント装置は、番組を表示しつつ、この番組内のプロモーションポイントに到達することができる。次いで、クライアント装置は、ユーザプロファイル(たとえば、ユーザプロファイル246)に基づいて、サーバ装置から、表示するべきプロモーションを選択することができる。たとえば、番組スケジューラ422は、番組およびプロモーションデータベース426からコマーシャルを選択することができる。まず、広告主が自身のコマーシャルに対して特定した番組(もしあれば)を特定し、かつ視聴者が現在視聴している番組とサブセットを適合させることによって、1群の可能なコマーシャルを確立することができる。次いで、コマーシャルのこのサブセットのプロファイルを視聴者のプロファイルと比較させて、番組および/またはユーザの関心に最もよく適合するものとして、どのコマーシャルを視聴者に提示するべきかを判別することができる。
【0126】
図示の例では、クライアント装置はまた、サーバ装置に要求を伝送することによって、サーバ装置からプロモーションを取得することができる。次いでサーバ装置は、ステップ610で、要求されたプロモーションをクライアント装置に伝送することができる。たとえば、クライアント装置が、ユーザプロファイルによれば番組およびプロモーションデータベース426内に適切なアイテムが記憶されていないと判別したとき、クライアント装置は、より多くのアイテムを求める要求を伝送することができる。
【0127】
クライアント装置からの要求は、単にコマーシャル一般(もしくは特定の番組に関連付けられたコマーシャル)を求めるものとすることができ、または特定のコマーシャルもしくは特定のプロファイルを有するコマーシャルを求める要求とすることもできる。要求が、特定のコマーシャルを求めるものである場合、クライアント装置には、いくつかのコマーシャルのプロファイルに関する情報が以前に与えられている可能性があり、またクライアント装置のユーザに関連して、クライアントに記憶されたローカルプロファイルに対してそれらのプロファイルの分析を行った可能性がある。要求が、特定のプロファイルを有するコマーシャルを求めるものである場合、クライアントは、クライアント装置に関連するユーザの識別情報(ID番号またはプロファイル値のリストなど)を伝送することができ、またサーバシステムは、その情報を使用して、ユーザプロファイルを利用可能なコマーシャルプロファイルに適合させることができる。
【0128】
ステップ612では、クライアント装置は、表示したプロモーションが視聴されたかどうかを判別する。たとえば、クライアント装置は、アイテムのうちの視聴された割合を判別することができる。ユーザが、プロモーションを閾値(たとえば、30秒間のコマーシャルのうちの25秒、または30秒間のコマーシャルのうちの他の長さの部分)より長く視聴した場合、クライアント装置は、表示したプロモーションが視聴されたと判別することができる。クライアントシステムが、プロモーションが視聴されたと判別した場合、クライアント装置は、ステップ614で、ユーザプロファイルおよび/または広告プロファイルを調整することができる。たとえば、広告プロファイルが固定されていない場合、クライアント装置は、ユーザの反応およびユーザプロファイルに基づいて(たとえば、工程200に類似の工程を使用して)、広告プロファイルを調整することができる。プロモーションが視聴されたかどうかの判別はまた、システムがストリーミング手法を使用してビデオを提供するときなど、サーバ装置によって行うこともでき、また、広告主に適切に課金できるようにコマーシャルの視聴を報告するものとすることもできる。
【0129】
別の例として、広告プロファイルが固定されている場合、クライアント装置は、ユーザの反応および広告プロファイルに基づいて(たとえば、工程220に類似の工程を使用して)、ユーザプロファイルを調整することができる。次に、クライアント装置は、ステップ616で、プロモーションセッションが終了したかどうかを判別することができる。プロモーションセッションが終了した場合、システムは、番組の表示(動作606)に戻ることができ、プロモーションセッションが終了しなかった場合、システムは、別のプロモーションを表示することができる(608)。たとえば、クライアント装置は、ユーザが視聴する広告の数を数えることができる。このシステムでは、ユーザがスキップしたいと望むプロモーションをすべてスキップすることを許可することができるが、またユーザに対して、少なくとも4つのプロモーションを完全に視聴してから番組を続けるように要求することもできる。同様に、このシステムでは、ユーザに対して、特定の金額の広告収入または広告ポイント(たとえば、直接的または間接的に広告収入に相当しうるもの)を発生させる行為に従ってから番組を続けるように要求することができる。このようにして、ユーザは、自身が好まないプロモーションをスキップすることができるが、ある種のプロモーションの視聴を完全にスキップすることはできない。その結果、放送業者は、いくらかの広告視聴者数の獲得を確信することができ、それによって、潜在的な広告収入を増やすことができる。
【0130】
ステップ612で、クライアント装置が、プロモーションが視聴されなかったと判別した場合、クライアントシステムは、ステップ618で、たとえばユーザがあまりにも多くのコマーシャルをスキップしたという理由で、拒否制限が満たされたかどうか判別することができる。たとえば、ユーザがたとえば20個の標準的なコマーシャルをスキップしたとき、クライアント装置は、このユーザは標準的なコマーシャルを好まない可能性があると判別することができ、フォーマットを変え(622)、それに応じてユーザのプロファイルを調整する(620)ことができる。
【0131】
いくつかの実装形態では、広告主は、自身のコマーシャルに値を付けることができ、また視聴されたコマーシャルの付け値に基づいて、ユーザのプロモーション制限を算出することができる。たとえば、広告主の中には、特定の人口統計学的グループ内のユーザに自身のコマーシャルを表示させるように、特定の値を付ける広告主もいる可能性がある。たとえば、広告主またはビデオ配信システムは、視聴者のプロファイルから人口統計学的グループを分類することができる。たとえば、自動車Audi A3の広告主は、若くかつ特定の所得を得る視聴者に表示するように、ビデオ配信システムに値を付けることができる。次いで、ビデオ配信システムは、視聴者のプロファイルから、たとえば年間約$50,000〜$70,000を稼ぎかつ20歳代および30歳代である視聴者に、Audi A3の広告を表示することができる。
【0132】
いくつかの実装形態では、付け値の高いコマーシャルを視聴した視聴者には、付け値のより低いコマーシャルの視聴者より、コマーシャルを視聴するのに費やす時間を短くすることができる。たとえば、ビデオ配信システムは、視聴者がコマーシャルを視聴することによって放送業者に対して1ドルの付け値を得たとき、視聴者にコマーシャルを表示するのを停止することができる。広告主はまた、途中でプロモーションを流すべき番組の識別情報を含めて、視聴者に関する他の要因に基づいて、コマーシャルに対して異なる付け値を提示することもできる。
【0133】
ユーザが番組を終了したとき、クライアントシステムは、ステップ624で、表示したプロモーションをサーバ装置に報告することができる。次に、サーバシステムは、ステップ626で、表示されたプロモーションをログ記録することができる。たとえば、サーバは、表示された各プロモーションの数をログ記録し、かつプロモーションが表示された回数に基づいて、広告主に課金することができる。そのような報告は、他の適当な時間に行うことができ、またサーバシステムがビデオ番組および/またはプロモーションアイテムをストリーミングしている場合、即座に、または好みログを介して行うことができる。
【0134】
ここに示すステップの付属物として、システムはまた、上に論じたように、ユーザがプロモーションアイテムを視聴しているか否かに関する判別を行うことができる。たとえば、番組の視聴中にいかなる種類のアイテムもスキップされない場合、ユーザはその場所を去ったことを示す可能性がある。また、番組中にまたは番組が表示された後長期間にわたって、表示モニタに対する行為(たとえば、チャンネルの変更またはキーボードの入力)が行われない場合も、ユーザが去ったことを推論することができる。そのような状況では、ユーザが特定のプロモーションアイテムを視聴したのでそのユーザはそれらのアイテムを好むという仮定の下で行われたプロファイルの変更は、取り消しまたは防止することができる。ユーザが実際にそれらのアイテムを視聴したと仮定するのは公正ではないからである。
【0135】
さらに、システムは、ビデオモニタへのアクセスを有するユーザのグループの中で、どのユーザが特定の番組を視聴しているユーザであるのかについて判別を試みることができる。たとえば、特定のチャンネル(たとえば、ESPNおよびFOX Sports)を視聴するユーザもいれば、他の番組(たとえば、Oxygen、Lifetime、HGTV)を視聴する視聴者もいる可能性があり、特定のユーザに関連付けられた番組の視聴者層により、システムは、コマーシャルを選択するときにその人のプロファイルを使用することができる。別法としてまたは付加的に、システムは、チャンネル変更の頻度および他の遠隔制御装置の操作など、未知のユーザによる他の行為パターンに注意を向けることができる。たとえば、特定の性別の構成員を、そのような行為に関連付けることができ、したがって、遠隔制御装置での操作が多いということから、システムは、特定のユーザのプロファイルを利用することができる。
【0136】
図7は、広告を有する例示的なビデオ表示の画面写真である。この画面写真は全体として、周知のGoogle Videoサービスの形式に従い、ビデオ表示領域710がストリーミングビデオファイルの表示を提供し、情報領域744が、タイトル、格付け(1〜5つ星)、簡単な説明、複数のタグ、およびビデオが表示された回数などのビデオに関する情報を提供する。ハイパーリンクの形などの他の制御も提供される。プレビュー領域742も提供され、現在表示されているビデオに類似のビデオなど、視聴者が選択しうる他のビデオを表示する。各ビデオからの単一のビデオフレームが、タイトルおよび簡単な説明とともに表示される。この図では、フレームおよびタイトルはハイパーリンクであり、これらのハイパーリンクを選択することにより、関連するビデオが表示される。
【0137】
別法として、プレビュー領域742は、今後表示するべきプロモーションアイテムを表示することができる。たとえば、領域742は、特定の時間にわたってビデオが表示され、広告による中断が近付いてきた後、そのような表示に切り換わることができる。検索領域746を提供することもでき、検索領域746により、視聴者は、ビデオに対する、またはGoogleによって提供される様々なサービス(地図、画像、ウェブ検索など)などの他のサービスに対する検索クエリーを入力することができる。
【0138】
プロモーション領域720を提供することもでき、様々なビデオの表示中にバナー状広告が表示される領域として働くことができる。これらの広告は、特定のビデオに適合するように、または視聴者が視聴する広告および視聴者がスキップする広告によって示唆される特徴など、視聴者の特徴に適合するように、選択することができる。
【0139】
制御領域730は、ビデオの表示に影響を与えるいくつかの制御を含む。たとえば、典型的な再生、一時停止、停止ボタンを表示することができる。また、「進行メーター」を提供して、ビデオ内にどれだけの時間が残っているのかを表示し、かつ任意選択で、特定のプロモーション期間がどこで発生するようにスケジュールされているのかを表示することもでき、したがって視聴者は、視聴しまたはスキップするプロモーションアイテムのフォーマットについてよりよい決定を行うことができる。「広告スキップ」制御740もハイパーリンクの形で表示され、視聴者が、表示されているまたは表示されようとしているプロモーションアイテム(たとえば、領域742内でプレビューされる)をスキップすることができるようにする。広告スキップ制御は、視聴者が視聴する広告に対して追加レベルの制御を視聴者に提供できると有利である。その結果、視聴者が、視聴経験を楽しみかつより頻繁にビデオシステムを使用する可能性が高くなり、また広告主が、通常広告主の製品またはサービスにより反応を示す視聴者に到達する可能性が高くなる。
【0140】
図8は、汎用コンピュータシステム800の一例の概略図である。一実装形態によれば、システム800は、工程200、220、240、および方法600に関連して説明した動作のために使用することができる。たとえば、システム800は、ビデオ配信システム100、集中システム410、ビデオ選択装置420、コンピュータ440、集中システム436、ローカルシステム448、および/またはコンピュータ456のうちのいずれかまたはすべての中に含むことができる。
【0141】
システム800は、プロセッサ810と、メモリ820と、記憶装置830と、入出力装置840とを含む。構成要素810、820、830、および840はそれぞれ、システムバス850を使用して相互に接続される。プロセッサ810は、システム800内の実行に対する命令を処理することができる。一実装形態では、プロセッサ810は、シングルスレッドプロセッサである。別の実装形態では、プロセッサ810は、マルチスレッドプロセッサである。プロセッサ810は、メモリ820内または記憶装置830上に記憶された命令を処理して、ユーザインターフェースのための図形情報を入出力装置840に表示することができる。
【0142】
メモリ820は、システム800内の情報を記憶する。一実装形態では、メモリ820は、コンピュータ可読媒体である。一実装形態では、メモリ820は、揮発性メモリユニットである。別の実装形態では、メモリ820は、不揮発性メモリユニットである。
【0143】
記憶装置830は、システム800のための大容量記憶域を提供することができる。一実装形態では、記憶装置830は、コンピュータ可読媒体である。様々な異なる実装形態では、記憶装置830は、フロッピー(登録商標)ディスク装置、ハードディスク装置、光ディスク装置、またはテープ装置とすることができる。
【0144】
入出力装置840は、システム800のための入出力動作を提供する。一実装形態では、入出力装置840は、キーボードおよび/またはポインティング装置を含む。別の実装形態では、入出力装置840は、グラフィカルユーザインターフェースを表示するための表示ユニットを含む。
【0145】
記載の特徴は、デジタル電子回路内、もしくはコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア内、またはそれらの組合せ内に実装することができる。この装置は、プログラム可能なプロセッサによって実行するために、情報担体内で有形に実施されたコンピュータプログラム製品内、たとえば機械可読記憶装置内または伝搬された信号内で、実装することができ、方法ステップは、プログラム可能なプロセッサが、入力データに対して動作しかつ出力データを生成することによって、記載の実装形態の機能を実施するための命令プログラムを実行することによって実施することができる。記載の特徴は、データ記憶システムからデータおよび命令を受信しかつデータ記憶システムへデータおよび命令を伝送するように結合された少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサと、少なくとも1つの入力装置と、少なくとも1つの出力装置とを含むプログラム可能なシステム上で実行可能な1つまたは複数のコンピュータプログラム内で実装できると有利である。コンピュータプログラムは、特定の行為を実施しまたは特定の結果をもたらすためにコンピュータ内で直接的または間接的に使用できる1組の命令である。コンピュータプログラムは、コンパイラ型またはインタープリタ型言語を含む任意の形式のプログラミング言語で書くことができ、スタンドアロンプログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、もしくはコンピュータ環境内での使用に適した他のユニットとしての形式を含む任意の形式で配布することができる。
【0146】
例として、命令プログラムの実行に適したプロセッサには、汎用マイクロプロセッサと特殊目的マイクロプロセッサの両方、ならびに任意の種類のコンピュータの単独のプロセッサまたは複数のプロセッサのうちの1つが含まれる。一般に、プロセッサは、読出し専用メモリもしくはランダムアクセスメモリまたは両方から命令およびデータを受信する。コンピュータの不可欠な要素は、命令を実行するためのプロセッサ、ならびに命令およびデータを記憶するための1つまたは複数のメモリである。一般に、コンピュータはまた、データファイルを記憶するための1つもしくは複数の大容量記憶装置を含み、またはこれらの大容量記憶装置と通信するように動作可能に結合される。そのような装置には、内蔵ハードディスクおよび取り外し可能ディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、ならびに光ディスクが含まれる。コンピュータプログラム命令およびデータを有形に実施するのに適した記憶装置には、例として、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリ装置などの半導体メモリ装置、内蔵ハードディスクおよび取り外し可能ディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、ならびにCD-ROMおよびDVD-ROMディスクを含むすべての形式の不揮発性メモリが含まれる。プロセッサおよびメモリは、ASIC(特定用途向け集積回路)によって補完することができ、またはASIC内に組み込むことができる。
【0147】
ユーザとのインタラクションを実現するために、これらの特徴は、ユーザに情報を表示ためのCRT(陰極線管)またはLCD(液晶表示)モニタなどの表示装置と、ユーザがコンピュータへの入力を提供できるキーボードおよびマウスまたはトラックボールなどのポインティング装置とを有するコンピュータ上で実装することができる。
【0148】
これらの特徴は、データサーバなどのバックエンド構成要素を含み、またはアプリケーションサーバもしくはインターネットサーバなどのミドルウエア構成要素を含み、またはグラフィカルユーザインターフェースもしくはインターネットブラウザを有するクライアントコンピュータなどのフロントエンド構成要素を含む、コンピュータシステム、あるいはそれらの任意の組合せ内で実装することができる。システムの構成要素は、通信ネットワークなどの任意の形式または媒体のデジタルデータ通信によって接続することができる。通信ネットワークの例には、たとえば、LAN、WAN、ならびにインターネットを形成するコンピュータおよびネットワークが含まれる。
【0149】
コンピュータシステムは、クライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントおよびサーバは一般に、互いに遠く離れ、かつ通常、前述のものなどのネットワークを介して相互に作用する。クライアントとサーバの関係は、コンピュータプログラムがそれぞれのコンピュータ上で動作しかつ互いにクライアントとサーバの関係を有することによって生じる。
【0150】
いくつかの実装形態について上に詳細に説明してきたが、他の変更形態も可能である。さらに、ユーザに試験項目情報を提示するための他の機構を使用することもできる。その上、図で表した論理流れは、望ましい結果を実現するのに図示の特定の順序または順番を必要とするものではない。他のステップを提供することができ、または記載の流れからステップを削除することができ、ならびに他の構成要素を記載のシステムに追加し、または記載のシステムから取り除くこともできる。したがって、他の実装形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。