(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
機械横方向で前記吸収性コアと共に組み立てられるその他の前記物品要素が、捕捉システム層(50)、腰部バンド、横方向バリアカフ、トップシート(24)、及びこれらの組み合わせから選択される要素を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
機械方向で組み立てられる前記更なる物品要素が、バックシート(26)、ランディング領域(44)、レッグカフ(32)、ローション、及びこれらの組み合わせから選択される要素を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
機械横方向に配向された吸収性コア(28)の連続供給(100)を機械方向へと転向し、同時に前記吸収性コアの供給(100)を2つ以上のサブライン(120a、120b)へ分割するための装置(110)であって、
−複数の転向プレート(150)と、
−前記転向プレートをコア取り上げポイント(P)からコア放出ポイント(R)へ可逆的に移送するための手段(200)と、を備え、
−前記吸収性コアが、前記転向プレート上に保持された状態で、前記取り上げポイント(P)における機械横方向から前記放出ポイント(R)における機械方向へ再配向され得るように、前記転向プレート(150)の各々が軸(160)に回転可能に設けられ、
各転向プレートが、2つ以上の前記吸収性コアを同時に取り上げ、保持し、及び放出するための手段(170)を備え、
各転向プレートが、2つ以上のサブプレート(170)を備え、前記サブプレートの各々が、1つの前記吸収性コアを取り上げ、保持し、及び放出する手段を備え、かつ、前記サブプレートは、前記転向プレートをコア取り上げポイント(P)からコア放出ポイント(R)へ移送する間に離間されることを特徴とする、装置。
前記転向プレートをコア取り上げポイント(P)からコア放出ポイント(R)へ可逆的に移送するための前記手段がホイール(200)であり、前記ホイール(200)は、前記コアの前記供給(100)の方向に対して垂直である固定回転軸(180)を有し、かつ前記転向プレート(180)の前記回転軸(160)を支える、請求項9に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
用語の定義
用語「吸収性物品」は、本明細書で使用する場合、身体排出物を吸収して封じ込める装置を指し、より具体的には、着用者の身体に接して又は着用者の身体に近接して配置されて、身体から排泄された様々な排出物を吸収して封じ込める装置を指す。本明細書では、用語「使い捨て」は、洗濯又は他の方法で吸収性物品として修復若しくは再使用することを一般に意図しない(すなわち、その物品を、1回の使用後に廃棄するか、好ましくはリサイクルするか、堆肥化するか、そうでなければ環境に適応した方法で処分することを意図する)吸収性物品を説明するのに使用される。
【0012】
「一体の」吸収性物品とは、共に合体した別個の部分から形成されて、調和した統一体を形成し、その結果、別個のホルダー及び/又はライナーのような別個の操作部分を必要としない吸収性物品を指す。本発明の一体型吸収性物品の一例示的実施形態は、
図1に示す使い捨ておむつ20である。用語「おむつ」は、本明細書で使用するとき、一般に乳幼児及び失禁症者により着用者の腰及び脚を囲むように胴体下部周りに着用される、並びに尿及び糞便排泄物を受け入れて封じ込めるように特に適合された、吸収性物品を指す。用語「おむつ」は、本明細書で使用するとき、小児又は成人の着用者向けに設計された、腰部開口部及び脚部開口部を有する使い捨て衣類を指す「トレーニングパンツ」も更に含む。本発明は更に、失禁用パンツ、失禁用下着、吸収性挿入物品、おむつホルダー及びライナー、女性用衛生衣類、拭き取り用品、モップ、包帯などといったその他の吸収性物品にも適用可能である。
【0013】
「吸収性コア」は、吸収性物品のトップシートとバックシートとの間に配置された、吸収性物品によって受容された液体を吸収及び封じ込めするための構造体を意味する。本発明に関しては、吸収性コアは吸収性物品のトップシート、バックシート、及び(存在する場合は)捕捉システムを含まない。典型的な吸収性コアの構造の更なる詳細を以下で説明する。
【0014】
「不織布ウェブ」とは、摩擦及び/又は粘着及び/又は接着により結合させた、指向性に若しくはランダムに配向された繊維から作られたシート、ウェブ、又は打延べ綿シートであり、紙、及び、更なるニードル加工の有無を問わず、結束糸若しくはフィラメントを組み込んだ織り製品、編み製品、タフテッド製品、ステッチ結合製品、又は湿式粉砕によるフェルト製品は含まれない。繊維は、天然起源のものであっても人工起源のものであってもよく、短繊維若しくは連続フィラメントであっても、又はその場で形成されたものであってもよい。市販の繊維は、約0.001mm未満から約0.2mm超の範囲の直径を有し、短繊維(ステープル繊維又は細断繊維として知られる)、連続単繊維(フィラメント又はモノフィラメント)、連続フィラメントの撚っていない束(麻くず)、及び連続フィラメントの撚り束(編み糸(yam))などのいくつかの異なる形態で提供される。不織布ウェブは、メルトブロー、スパンボンド、溶媒紡糸、電界紡糸、カード、及びエアレイなどの多くのプロセスによって形成され得る。不織布ウェブの坪量は、通常は、グラム毎平方メートル(g/m
2)で表される。
【0015】
「含む」、「含んでいる」は制約のない用語であり、それぞれは後に続くもの、例えば、構成要素の存在を特定するが、他の特徴、例えば当該技術分野において既知の又は本明細書で開示される要素、工程、構成要素の存在を除外しない。
【0016】
「加工ライン」は、吸収性物品が完成品に組み立てられる組立ラインを意味する。最新の加工ラインは高度に自動化されかつ効率的であり、1回の連続プロセスで吸収性物品のすべての要素を組み立てることができる。完成の様々な段階にある吸収性物品は、当該技術分野において「機械方向」又はMDとして知られる経路に従って進む。一方で、垂直方向は「機械横」方向、又はCDと呼ばれる。一般に、吸収性物品は機械方向で製造されるが、これは、組立の様々な段階の間、物品の全長が機械方向に配向して、その幅が機械横方向に配向することを意味する。しかしながら、上記の背景技術の項で記載したように、物品が部分的に機械方向で製造され、部分的に機械横方向で製造されるように、吸収性物品を横方向で製造すること、すなわちプロセス工程中の物品の配向をある方向から他の方向へ変更することもまた知られている。
【0017】
吸収性物品
おむつ20の形態の典型的な吸収性物品を
図1に示す。より詳細には、
図1は本発明の方法を用いて製造され得る例示的なおむつ20を広げた状態の平面図であり、おむつ20の構造をより明瞭に示すために、構造の一部は切り取られている。本発明は、広範囲なおむつ又はその他の吸収性物品類を製造するために用いられるため、このおむつ20は説明のみを目的として示される。以下、用語「おむつ」を便宜上用いるが、以下に説明する内容は、特に除外しない限り、任意のその他の種類の吸収性物品にも適用可能であることを理解されたい。
【0018】
図1及び
図2に示すように、本明細書ではおむつである吸収性物品は、液体透過性トップシート24、液体不透過性バックシート26、好ましくはトップシート24及びバックシート26の少なくとも一部の間に配置される吸収性コア28、捕捉システム50、弾性レッグカフ32及びバリアレッグカフ34、並びにランディング領域44と協働する粘着タブ42、を含み得る締結システムを含んでよい。おむつは、背面弾性腰部機構、前面弾性腰部機構、サイドパネル、横方向バリア、又はローションの適用などの、図示されないその他の要素を更に含んでもよい。
【0019】
図1に示されるおむつ20は、理論上、第1腰部区域36と、第1腰部区域36に対向する第2腰部区域38と、第1腰部区域36と第2腰部区域38との間に位置する股部区域37に分割することができる(第1腰部区域及び第2腰部区域はそれぞれおむつの長さの約30%に相当し、股部区域は残りの40%に相当する)。長手方向中心線80は、おむつをその長さに沿って2等分に分離する想像線である。横断方向中心線90は、広げたおむつの平面内の長手方向線80に対して垂直であり、かつおむつの全長の中央を横切るイメージ線である。おむつ20の外周部は、おむつ20の外側縁部によって画定される。おむつの長手方向縁部は、おむつ20の長手方向中心線80に概して平行に走ってよく、終縁部は、おむつ20の横断方向中心線90に概して平行な長手方向縁部の間を走ってよい。
【0020】
おむつ20のシャーシ22は、おむつ20の本体を含む。シャーシ22は吸収性コア28、及び好ましくはトップシート24及び/又はバックシート26を含む外側カバーを備える。おむつの大部分は一体型であり、シャーシ22は、おむつの主要構造に加えて、取り付けられて複合おむつ構造体を形成する後部耳部40及び/又はバリアカフ34などのその他の機構を備える。トップシート24、バックシート26、及び吸収性コア28は、様々な周知される構造で、特に接着又熱エンボス加工によって組み立てられてもよい。例示的なおむつの構造は、米国特許第3,860,003号、同第5,221,274号、同第5,554,145号、同第5,569,234,号、同第5,580,411号、及び同第6,004,306に一般に記載される。
【0021】
バックシート
バックシート26は、概して、吸収性コア28の衣類面表面に隣接して配置され、かつ吸収性コア28内に吸収及び封じ込められた排出物がベッドシーツや下着などの物品を汚すことを防ぐ、おむつ20の一部である。通常、バックシート26は液体(例えば尿)に不透過性である。バックシートは、例えば厚さ約0.012mm〜約0.051mmの熱可塑性フィルムなどの薄いプラスチックフィルムであってもよく、又はそれを含んでもよい。例示的なバックシートフィルムとしては、Tredegar Corporation(Richmond,VA)が製造し、CPC2フィルムの商品名で市販されるものが挙げられる。他の好適なバックシート材料としては、おむつ20から蒸気を逃しながらも、同時に排出物がバックシート26を透過することを防ぐ、通気性材料を挙げられ得る。例示的な通気性材料としては、織布ウェブ、不織布ウェブ、フィルムコーティング不織布ウェブのような複合材料、Mitsui Toatsu Co.(Japan)よりESPOIR NOの名称で製造されるもの、及びTredegar Corporation(Richmond,VA)より製造されEXAIREの名称で販売されるもののような微多孔性フィルム、並びにClopay Corporation(Cincinnati,OH)によりHYTRELブレンドP18−3097の名称で製造されるもののようなモノリシックフィルムなどの材料を挙げることができる。一部の通気性複合材料については、E.I.DuPont名義で1995年6月22日に公開された国際出願番号第WO 95/16746号、米国特許第5,938,648号(LaVonら)、同第4,681,793(Linmanら)、同第5,865,823(Curro)、並びに米国特許第5,571,096号(Dobrinら)、及び同第6,946,585B2号(London Brown)で、より詳細に記載される。
【0022】
バックシート26は、トップシート24、吸収性コア28、又はおむつ20の他の任意の要素に、当該技術分野において既知の任意の取り付け手段によって接合されてもよい(本明細書で使用するとき、「接合される」という用語には、ある要素を別の要素に直接結合することによって、ある要素を別の要素に直接固定する構成と、ある要素を(1つ又は複数の)中間部材に結合してから、その中間部材を他の要素に結合することによって、ある要素を別の要素に間接的に固定する構成とが含まれる)。例えば、取り付け手段としては、接着剤の均一な連続層、接着剤のパターンが施された層、又は接着剤の分離した線、らせん、若しくは点の配列を挙げてよい。好適な取り付け手段には、米国特許第4,573,986号で開示される、接着剤のフィラメントの開放パターン網状組織が含まれる。他の好適な取り付け手段としては、米国特許第3,911,173号、同第4,785,996号、及び同第4,842,666号に記載される装置及び方法により説明される、らせん模様に渦を巻く接着剤フィラメントのいくつかの線が挙げられる。満足のいくものであることが判明した接着剤は、H.B.Fuller Company(St.Paul,Minesota)が製造し、HL−1620及びHL 1358−XZPの名称で市販される。あるいは、取り付け手段は、熱接着、圧力接着、超音波接着、動的機械的接着、又は当該技術分野で既知の他のいかなる好適な取り付け手段、若しくはこれら取り付け手段の組み合わせを含んでもよい。
【0023】
トップシート
トップシート24は、通常は吸収性コア28の身体面に隣接して配置され、当該技術分野で既知の任意の取り付け手段により、そこに及び/又はバックシート26に接合されてもよい。好適な取り付け手段は、バックシート26をおむつ20の他の要素に接合させるための手段と関連してじ上で説明されている。通常、トップシート24及びバックシート26は、一部の場所(例えばおむつ外周部上又はおむつ外周部に近接した)で互いに直接接合され、他の場所では、おむつ20の1つ又は複数のその他の要素にこれらを直接接合することにより、間接的に接合される。
【0024】
トップシート24は、順応性があり、柔らかな感触で、着用者の皮膚を刺激しないものであることが好ましい。更に、トップシート24の少なくとも一部は液体透過性であり、液体はその厚さに容易に浸透して貫くことが可能である。適切なトップシートは、例えば、多孔質発泡体、網状発泡体、孔あきプラスチックフィルム、又は天然繊維(例えば、木材繊維又は綿繊維)、合成繊維若しくはフィラメント(例えば、ポリエステル繊維若しくはポリプロピレン繊維若しくはPE/PPの2成分繊維又はこれらの混合物)、若しくは天然繊維と合成繊維との組み合わせの織布若しくは不織布材料などの、広範囲の材料から製造され得る。トップシート24が繊維を含む場合、繊維は、スパンボンド法、カード法、湿式堆積法、メルトブロー法、水流交絡法、又は当該技術分野において既知の別の方法、特にスパンボンドPP不織布法で処理され得る。単繊維長のポリプロピレン繊維のウェブを含む1つの適切なトップシート24は、P−8の名称でVeratec,Inc.(International Paper Company(Walpole,MA)の一部門)によって製造されている。
【0025】
好適な形成されたフィルムトップシートが、米国特許第3,929,135号、同4,324,246号、同4,342,314号、同4,463,045号、同5,006,394号に記載される。他の好適なトップシート30は、米国特許第4,609,518号及び同第4,629,643号(それぞれCurroら)にしたがって作製することができる。こうした成形フィルムは、The Procter & Gamble Company(Cincinnati,Ohio)から「DRI−WEAVE」として、及びTredegar Corporation,(Richmond,VA)から「CLIFF−T」として入手可能である。
【0026】
トップシート24の任意の部分が、当該技術分野で既知のローションで覆われてもよい。好適なローションの例としては、米国特許第5,607,760号、同第5,609,587号、同第5,635号、同第5,643,588号、同第5,968,025及び号、同第6,716,441号に記載されるものが挙げられる。トップシート24は更に、抗菌剤を含むか、又は抗菌剤によって処理されてもよく、その例のいくつかは国際公開番号第WO95/24173号で開示される。更に、トップシート24、バックシート26、又はトップシート若しくはバックシートの任意の部分は、より布様の外観をもたらすために、エンボス加工及び/又はつや消し仕上げされてもよい。
【0027】
トップシート24は、尿及び/又は糞便(固体、半固体、又は液体)などの、排出物のトップシート24への浸透を容易にするための1つ又は複数の開口部を含んでもよい。少なくとも一次開口部のサイズは、所望の排泄物封入性能を獲得するために重要である。一次開口部が小さ過ぎると、排泄物は、排泄物源と開口部位置との配列がよくないことが原因で、あるいは開口部より大きい直径を有する糞便の塊が原因で、開口部を通過しないことがある。開口部が大き過ぎると、物品からの「再湿潤」によって汚染される恐れのある皮膚の領域が拡大する。一般的に、おむつ表面の開口部の領域は、約10cm
2〜約50cm
2、特に約15cm
2〜35cm
2の領域を有してよい。開口部を有するトップシートの例が、BBA NONWOVENS(SIMPSONVILLE)に帰属する米国特許第6632504号で開示される。国際公開番号第WO2011/163582号にもまた、12〜18gsmの坪量を有し、かつ複数の結合点を備える、好適な着色トップシートが開示される。各結合点は、2mm
2〜5mm
2 2の表面積を有し、複数の接合点の累積表面積は、トップシート合計表面積の10〜25%である。
【0028】
一般的なおむつのトップシートは、約10〜約21gsm、特に約12〜約18gsmの坪量を有するが、他の坪量も可能である。
【0029】
吸収性コア
吸収性物品は、尿などの液体及び他の特定の身体排出物を吸収及び保持することを目的とする吸収性コアを一般に備える。吸収性コア28は、当該技術分野で公知である通り、様々な方法で組み立てられた多種多様な材料から製造されてよい。吸収性コアは、1つ又は2つの基材層56、58の間に挟まれ得る又は封入され得る、少なくとも1層の吸収性材料60を典型的に含む。典型的な吸収性材料は、セルロース繊維、改質セルロース繊維(例えば架橋セルロース繊維)、超吸収性ポリマー材料、吸収性発泡体、ティッシュ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。一般的に使用される使い捨ておむつ及びその他の吸収性物品用の材料としては、一般にエアフェルトと呼ばれる粉砕木材パルプ、及び粉砕木材パルプと、粒子形態では吸収性ゲル化材料(AGM)とも呼ばれる超吸収性ポリマー(SAP)との混合物が挙げられる。このようなコアを、AGM粒子66を概略的に示した
図1及び2に例示的に示す。実現可能な基材層56、58について以下で更に論じる。
【0030】
本明細書で使用するとき、「超吸収性ポリマー」とは、遠心分離保持能試験(Edana 441.2−05)を用いて測定した、その重量の少なくとも10倍の、好ましくはその重量の少なくとも15倍の、より好ましくはその重量の少なくとも20倍の0.9%食塩水溶液を吸収可能な架橋ポリマー材料である吸収性材料を意味する。超吸収性ポリマーは、乾燥状態で流動可能となるような粒子形態を有し得る。典型的な粒子状吸収性ポリマー材料は、ポリ(メタ)アクリル酸(acylic acid)ポリマーから製造される。しかしながら、例えばデンプン系粒子状吸収性ポリマー材料を使用することもできる。
【0031】
本発明に有用な超吸収性ポリマー粒子は、様々な形状であってよい。「粒子」という用語は、顆粒、繊維、フレーク、球体、粉末、小板、並びに超吸収性ポリマー粒子の、当業者に既知のその他の形状及び形態のことを指す。いくつかの実施形態では、超吸収性ポリマー粒子は、繊維の形状、すなわち細長い針状の超吸収性ポリマー粒子であってもよい。こうした実施形態において、超吸収性ポリマー粒子繊維は、約1mm未満、通常、約500μm未満、あるいは好ましくは250μm未満から50μmまでの小さい寸法(すなわち、繊維の直径)を有する。繊維の長さは、好ましくは約3mm〜約100mmである。繊維はまた、織ることのできる長いフィラメントの形態であってもよい。
【0032】
典型的には、超吸収性ポリマー粒子は球状粒子である。本発明によれば、繊維とは対照的に、「球状粒子」は、粒子の最長粒径と最短粒径との比が1〜5の範囲内である、最長及び最短の寸法を有し、値1は完全な球形粒子と等しく、値5は、そのような球形粒子から幾分か逸脱し得る。超吸収性ポリマー粒子は、EDANA法WSP 220.2−05にしたがって測定したときに、850μm未満、又は50〜850μm、好ましくは100〜500μm、より好ましくは150〜300μmの粒径を有してもよい。比較的小さな粒径を有する超吸収性ポリマー粒子は、液体排出物と接触する吸収性材料の表面積の増加に役立ち、したがって液体排出物の素早い吸収を助ける。
【0033】
本発明で有用な超吸収性ポリマー粒子としては、非水溶性ではあるが大量の流体を吸収できる様々な水膨潤性ポリマーが挙げられる。このようなポリマー材料は、一般に当該技術分野において既知である。
【0034】
好適な超吸収性ポリマー粒子は、例えば、米国特許番号第4,340,706号及び同第5,849,816号に記載されるような逆相懸濁重合、又は米国特許出願番号第2009/0192035号、同第2009/0258994号、及び同第2010/0068520号に記載されるような噴霧液相分散重合又は他の気相分散重合から得ることができる。いくつかの実施形態では、好適な超吸収性ポリマー粒子は、国際公開第2006/083584号の12頁23行目〜20頁27行目により詳細に記載されるような現況技術の製造工程によって得ることができる。
【0035】
超吸収性ポリマー粒子の表面は、例えばカチオン性ポリマーでコーティングしてもよい。好適なカチオン性ポリマーとしては、ポリアミン又はポリイミン材料が挙げられる。いくつかの実施形態では、超吸収性ポリマー粒子は、米国特許第7,537,832 B2号で開示されるものなどのキトサン材料でコーティングされてもよい。いくつかの他の実施形態では、超吸収性ポリマー粒子は、国際公開番号第99/34841号及び同第99/34842号で開示されるものなどの混合床イオン交換吸収性ポリマーを含んでもよい。
【0036】
吸収性コア28は、多種多様の大きさ及び形状(例えば、矩形、砂時計形、ドッグボーン型、「T」字形、非対称形など)に製造することができる。吸収性コア28の構成及び構造はまた、変化してもよい(例えば、(1つ又は複数の)吸収性コア又は(1つ又は複数の)他の吸収性構造体は、様々なキャリパーゾーン、(1つ又は複数の)親水性勾配、(1つ又は複数の)超吸収性勾配、若しくはより低い平均密度及びより低い平均坪量の獲得区域を有してよく、若しくは1つ若しくは複数の層若しくは構造体を含んでよい)。吸収性コア28として用いるための例示的な吸収性構造体は、米国特許第4,610,678号、同第4,673,402号、同第4,834,735号、同第4,888,231号、同第5,137,537号、同第5,147,345号、同第5,342,338号、同第5,260,345号、同第5,387,207号、及び同第5,625,222に記載される。当該技術分野において通例である通り、吸収性コアは、吸収性繊維と超吸収性材料(SAP)との混合物を含んでもよく、又は吸収性繊維を含まなくてもよい(「エアフェルトフリー」)。
【0037】
エアフェルトフリーコア
コアが、繊維接着剤によって固定化され、かつエアフェルトを実質的に含まないAGM粒子層を含有する、いわゆる「エアフェルトフリー」コアを有するおむつが知られている。こうしたコアの例としては、例えば米国特許第5,562,645号(Tanzerら)、同第7,750,203号(Busamら)、並びに同第2008/0312622号、同第2008/0312617A1、及び同第2008/0312617A1号(全てHunsdorfら)で開示される。例えば米国特許第5,830,202号(Bogdanskiら)で開示されるように、コアは更に、AGM層、及びAGMと混合されたエアフェルト層を含むこともできる。このような実施形態では、吸収性コアは、吸収性材料の80重量%超の、好ましくは90重量%超の、より好ましくは95重量%超の、更により好ましくは98重量%超の超吸収性ポリマー材料を含んでもよい。吸収性コアの吸収性材料はまた、粒子状吸収性ポリマー材料のみから構成されてもよい。吸収性材料は、吸収性材料の10重量%未満のセルロース繊維を含んでもよく、又はセルロースを実質的に含有していなくてもよい(すなわちセルロースが1%未満)。吸収性材料60がセルロースを実質的に含まないこれらの実施形態では、吸収性材料60の密度は、約0.4g/m
3超、約0.5g/m
3超、又は約0.6g/m
3超となり得る。
【0038】
超吸収性ポリマー粒子66は、たとえ膨潤状態、すなわち液体が吸収されたときであっても、特に材料が約10、40、80、100、110、120、150超の、又は200×10
−7cm
3・sec/gの、吸収性ポリマー材料の塩水流伝導度(SFC)によって示される透過性と、約20g/g超、25g/g超、及び/又は約40g/g未満、約35g/g未満の遠心分離保持能(CRC)とを有するとき、材料全体にわたる液流を実質的に妨げないことが望ましい。吸収性粒子状ポリマー材料は、約100×10
−7cm
3・sec/g超の塩水流伝導度、及び約20g/g超の遠心分離保持能を有し得る。吸収性粒子状ポリマー材料は、約70×10
−7cm
3・sec/g超の塩水流伝導度、及び約25g/g超の遠心分離保持能を有し得る。塩水流伝導度は、当該技術分野において広く認知されるパラメータであり、2007年3月15日出願の米国特許第2007/219521号で開示される試験方法にしたがって測定される。遠心分離保持能は、当該技術分野において広く認知されるもう1つのパラメータであり、国際公開番号第WO2007/047598号で開示される試験方法にしたがって測定される。
【0039】
超吸収性ポリマー粒子は、少なくとも約200g/m
2、少なくとも約400g/m
2、又は少なくとも600g/m
2の坪量内に存在することができる。可撓性を維持するために、坪量は、望ましくは約2000g/m
2未満であってよい。
【0040】
着用時の快適性を向上させるために、吸収性材料60は、吸収性物品の股部領域に比較的狭い幅を有してもよい。したがって、吸収性材料60は、吸収性物品の前縁部及び後縁部まで等間隔に位置する横断方向線に沿って測定したとき、約100mm、90mm、80mm、70mm、60mm未満、又は更に約50mm未満の幅を有してもよい。
【0041】
おむつなどの多くの吸収性物品において、主としておむつの前半分において液体の排出が生じることが分かっている。吸収性コアの前半分が、コアの吸収能力の大部分を備えることが望ましい場合がある。したがって、特定の実施形態によれば、吸収性コアの前半分は、約60%超の超吸収性ポリマー粒子を、又は約65%、70%、75%、80%、85%、若しくは90%超の超吸収性ポリマー粒子を含み得る。
【0042】
コアカバー及びダスティング層
吸収性コア28の吸収性材料60は、取り扱いを容易にするために、及び/又は吸収性材料がおむつ外部に漏出するリスクを減少させるために、1つ又は複数の基材内に封じ込め又は包装されてよい。
図2で示すように、吸収性材料60は、例えば材料の外周部にて結合した2つの材料層の間に挟まれてよい。上層56は、コアカバーと称され得、一方で下層58はダスティング層と称され得る。基材は更に、吸収性材料の回りに巻きつけられた1つの層で作られてもよい。1つ又は複数の基材を、コア又はその一部の外周部全体に沿って、例えばコアの長手方向枠部に沿って、一般的には接着又は熱/圧結合によってシーリングしてもよい。コアカバーは、コアの吸収性材料60、及びコアの吸収性材料60とコアカバー56の巻きつけフラップ(wrapped flaps)との間に配置されたダスティング層58の回りにC状に巻きつけられ(C-wrapped)てもよい。上層及び下層の両方は、典型的には不織布層から作られる。言うまでもなく、コアカバーは流体透過性であるべきであり、また、その親水性を改善するために表面処理されてもよい。
【0043】
コアカバー58及び/又はダスティング層56は、例えばスパンメルトPP不織布であってよく、特にSMMS構造を有し、約5gsm〜15gsmの範囲の、特に8gsmの坪量を有するスパンメルトPP不織布であってよい。その他の好適な材料としては、例えば結合パターン改善の一般的な説明に関する米国特許第2011/0268932A1号、同第2011/0319848A1号、又は同第2011/0250413A1号で開示される。
【0044】
捕捉システム
当該技術分野で公知である通り、おむつ20は、吸収性コア28に加えて、トップシート24とバックシート26との間に配置された1つ又は複数の副層を含み得る。副層は、身体排出物を受容、貯蔵又は不動化することのできる任意の材料又は構造体であってもよい。特に、おむつは、トップシート24と吸収性コア28との間に捕捉システムを含んでよい。獲得システム50は、吸収性コアと直接接触していてよい。捕捉システム50は、流体を素早く捕捉して、次により広い範囲に分散させることで、コアの貯蔵容量を最大限に活用することが望ましい。捕捉システム50は、尿の噴出のような急増する液体を受容するように機能してもよい。換言すれば、獲得システム50は、吸収性コア14が液体を吸収できるまで液体の一時的リザーバとしての機能を果たしてもよい。
【0045】
捕捉システム50は、吸収性不織布の単一層、又は複数層を含んでよい。捕捉システムは、例えば異なる不織布の積層体、又は例えば当該技術分野で公知である通りの、組み込まれて一体型捕捉システムを形成するエアレイド層などの異なる副層を含む一体層であり得る。好ましい実施形態では、捕捉システムは、上部捕捉層52及び下部捕捉層54を含み得る。以下でより詳細に説明する通り、捕捉システム50は、例えば、流体を素早く捕捉するように界面活性剤によって処理され得る天然又は合成繊維製の不織布層を含む上部捕捉層52として、また、その下には、より広い表面にわたり流体を分散させるために架橋セルロース繊維を含み得る下部捕捉層54を含み得る。
【0046】
上部捕捉層
上部捕捉層52は、典型的には不織布材料であってもよいか、又は不織布材料を含んでもよい。不織布材料の好適な例としては、スパンボンド層、メルトブロー層、及び更なるスパンボンド層を含むSMS材料又はSMMS材料、あるいは、毛羽立て加工された化学結合不織布が挙げられるが、これらに限定されない。不織布材料は、ラテックス結合されてもよい。例示的な上部捕捉層52は、米国特許第7,786,341号で開示される。特に用いられる繊維が中実の円形PET短繊維(6デニール繊維と9デニール繊維との50/50又は40/60混合)である場合、毛羽立て加工された樹脂結合不織布を用いてもよい。例示的なバインダは、ブタジエン/スチレンラテックスである。
【0047】
不織布は、多孔質であってよい。不織布製造のために使用されるポリマーは、本来疎水性であるため、これは親水性コーティングによりコーティングされ得る。永続的親水性のコーティングを有する不織布を製造する方法の1つは、米国特許番号第2005/159720号に記載されるように、親水性モノマー及びラジカル重合開始剤を不織布上に適用し、続いて紫外線を用いて重合を活性化することで、不織布表面にモノマーを化学結合させるものである。永続的親水性のコーティングを有する不織布を製造するためのもう1つの方法は、米国特許第7,112,621号(Rohrbaughら)及び国際公開番号第WO 02/064877号に記載されるように、親水性ナノ粒子で不織布をコーティングする方法である。
【0048】
更なる有用な不織布が、米国特許第6,645,569号(Cramerら)、同第6,863,933号(Cramerら)、同第7,112,621号(Rohrbaughら)、並びに同時係属中の米国特許出願2003/148684(Cramerら)、及び同2005/008839(Cramerら)に記載される。
【0049】
上部捕捉層52は、例えばスチレン−ブタジエンラテックスバインダ(SBラテックス)などのラテックスバインダによって安定化されてもよい。そのようなラチスを得るプロセスは、例えば、欧州特許第149,880号(Kwok)及び米国特許第2003/0105190号(Diehlら)より知られる。ある実施形態では、バインダは、約12重量%、約14重量%、又は約16重量%超で上部捕捉層52に存在してもよい。SBラテックスは、OMNOVA Solutions Inc.(Akron,Ohio)から商標名GENFLO(商標)3160で入手可能である。
【0050】
下部捕捉層
捕捉システム50は、特に下部捕捉層54内に化学的に架橋されたセルロース繊維を含み得る。例示的な化学的に架橋されたセルロース繊維は、米国特許第5,137,537号、国際公開番号第WO9534329、及び米国特許2007/118087号で開示される。クエン酸などのポリカルボン酸は、例示的な架橋剤として用いられ得る。化学的に架橋されたセルロース繊維は、グルコース単位に基づき、約0.5モル%〜約10.0モル%のC
2〜C
9ポリカルボン酸架橋剤、又は約1.5モル%〜約6.0モル%のC
2〜C
9ポリカルボン酸架橋剤により架橋され得る。ポリアクリル酸もまた、架橋剤として用いられ得る。架橋セルロース繊維は、捲縮されても、撚り合わされても、若しくはカールされてもよく、又は、捲縮、撚り合わせ、及びカールを含むそれらの組み合わせであってもよい。
【0051】
下部捕捉層54の例には、約70重量%の化学的に架橋されたセルロース繊維、約10重量%のポリエステル(PET)、及び約20重量%の未処理パルプ繊維が含まれ得る。別の実施例では、下部捕捉層54は、約70重量%の化学的に架橋されたセルロース繊維、約20重量%のリオセル繊維、及び約10重量%のPET繊維を含み得る。別の実施例では、下部捕捉層54は、約68重量%の化学的に架橋されたセルロース繊維、約16重量%の未処理パルプ繊維、及び約16重量%のPET繊維を含み得る。別の実施例では、下部捕捉層54は、約90〜100重量%の化学的に架橋されたセルロース繊維を含み得る。
【0052】
締結システム
おむつ20は更に、締結システム42〜44を含み得る。締結システムは、おむつ20を着用者上に保持するために、第1腰部区域36及び第2腰部区域38を、おむつ20の周囲付近で横方向の引っ張りを与えるような構成に維持するために用いられ得る。締結システム42〜44は、通常、テープタブ、フック及びループの締結要素、タブ及びスロットのような噛み合い式締結具、バックル、ボタン、スナップ、並びに/又は雌雄同体の締結要素といった締結具を含んでよいが、他の既知のいかなる締結手段も、一般には許容される。締結具が取り外し可能に取り付けられるように、ランディング領域44は、通常は第1腰部区域36上に提供される。いくつかの例示的な表面締結システムが、米国特許第3,848,594号、同第4,662,875号、同第4,846,815号、同第4,894,060号、同第4,946,527号、同第5,151,092号、及び同第5,221,274(Buell)で開示される。例示的な噛み合い式締結システムが、米国特許第6,432,098号で開示される。締結システム42〜44は更に、米国特許第4,963,140号(Robertsonら)で開示されるように、物品を廃棄構成に保持するための手段を提供してもよい。
【0053】
締結システムとしては、重なり部分の移動を減少させる米国特許第4,699,622号で開示されるような、又はフィットを改善させる米国特許第5,242,436号、同5,499,978号、同5,507,736号、及び同5,591,152号で開示されるような、第1及び第2締結システムも更に挙げられ得る。
【0054】
前部耳部及び後部耳部
当該技術分野で公知である通り、おむつ20は、前部耳部46及び後部耳部40を含み得る。耳部は、例えばトップシート及び/又はバックシートからサイドパネルとして形成される、シャーシの一体部分であってよい。あるいは、
図1に示される通り、耳部は、接着及び/又は熱エンボス加工によって取り付けられる別個の要素であってもよい。後部耳部40は、有利には、ランディング領域40上へのタブ42の取り付けが容易になるように、かつテープ型おむつが乳児の腰部周辺に保持されるように、伸縮性である。後部耳部30は更に、弾性耳部がおむつ20の側部を伸縮させるために、先ずおむつ20を着用者にぴったりとフィットさせ、続いておむつ20が排出物で充填されてからかなり後の着用期間中もこのフィットを維持することにより、より快適で体形に合ったフィットを提供するように、弾性又は延伸性であってもよく、その例は米国特許第3,860,003号、及び米国特許第5,151,092号を参照されたい。
【0055】
レッグカフ
おむつ20は、液体及び他の身体排出物の改善された封じ込めを提供するレッグカフ32を備えてもよい。レッグカフ32は更に、レッグバンド、サイドフラップ、バリアカフ、又は弾性カフと称してもよい。通常、各レッグカフは、おむつの使用中に効果的な封入を提供するため、例えば脚部開口部領域でのトップシートとバックシートとの間などの、おむつのシャーシ内に含まれる、
図2に誇張した形態で示す1つ又は複数のゴムひも33を含むことになる。レッグカフが、脚部区域における封じ込めを改善する「立ち上がり」弾性フラップ(バリアレッグカフ)34を備えることも、また一般的である。各バリアレッグカフは、典型的には1つ又は複数のゴムひも35を備える。
【0056】
米国特許第3,860,003号には、サイドフラップ、及び弾性レッグカフ(ガスケットカフ)を提供する1つ又は複数の弾性部材を有する、収縮可能な脚部開口部を提供する使い捨ておむつが記載される。米国特許第4,808,178号及び同4,909,803号(Azizら)には、脚部区域における封じ込めを改善する「立ち上がり」弾性フラップ(バリアカフ)を有する使い捨ておむつが記載される。米国特許第4,695,278号、及び同第4,795,454号(それぞれLawson及びDragoo)には、ガスケットカフ及びバリアレッグカフを含む二重カフを有する使い捨ておむつが記載される。一部の実施形態では、上述したように、レッグカフ32の全体又は一部をローションで処理することが望ましい場合がある。
【0057】
弾性腰部機構
おむつ20は更に、改善したフィット及び封じ込めを提供する上で役立つ、少なくとも1つの弾性腰部機構(図示せず)を備え得る。弾性腰部機構は、一般に、弾性的に伸縮して、着用者の腰部に動的に適合することを意図される。弾性腰部機構は、吸収性コア28の少なくとも1つの腰部縁部から少なくとも長手方向外方へ延びて、おむつ20の終縁部の少なくとも一部を一般に形成することが好ましい。使い捨ておむつは、2つの弾性腰部機構を有し、一方を第1腰部区域36内に、一方を第2腰部区域38内に配置されるように構築され得る。弾性腰部機構は、米国特許第4,515,595号、同第4,710,189号、同第5,151,092号、及び同第5,221,274号に記載されるものを含む、多種多様な構成で構築されてもよい。
【0058】
方法の発明
第一の工程では、本発明の方法は、加工ライン上に機械横方向(CD)に配向された吸収性コア28の連続供給100を形成する工程を含む。コアがCDに配向されているため、m/秒単位での所定の速度のラインは、コアがMDに配向されていた場合よりも多くの吸収性コアを供給することができる。コア供給100が形成される方法は、本発明との関係において重要ではない。従来のコア製造技術としては、例えば、パルプと超吸収性ポリマーとの混合物のエアレイイング法が挙げられるが、例えば、不織布上にSAPをプリントしてエアフェルトフリーコアを形成するなど、他の技術を用いることも可能である(例えば国際公開番号第WO2006/014854号、同第WO2006/015141号、及び同第WO2006/015138号を参照)。婦人用ケア衛生物品との関係においては、後に直列で分離される予備製造された連続コアウェブを使用することも、一般的な方法である。
【0059】
本発明の方法では、コアは、少なくとも1200ユニット/分のユニット速度で、機械横方向で供給され得る。二重レーンプロセスでは、少なくとも1500ユニット/分、少なくとも2000ユニット/分、少なくとも2500ユニット/分、若しくは更に速い速度が実現可能であり、又は三重レーンプロセスでは少なくとも3000ユニット/分などの、より速い速度が実現可能である。CDに配向されたコアの供給ラインの速度は、少なくとも2m/秒であり得、好ましくはより速い、例えば少なくとも3m/秒、少なくとも4m/秒、又は少なくとも5m/秒、及び最大で8m/秒以上が実現可能である。
【0060】
一旦、吸収性コアが機械横方向の連続供給に組み入れられると、吸収性コアはその他の物品要素、特にCD方向でより容易に吸収性コアに取り付けられるような要素に組み立てられ得る。これらの要素は、例えば捕捉システム50、1つ又は複数の弾性腰部機構、横方向バリアカフ(どちらも図示せず)、トップシート22、又はこれらの組み合わせから選択され得る。これらの要素の吸収性コア28への取り付けは、接着法又は圧着法などの既知の従来技術を用いて実施され得る。
【0061】
次の工程では、上述したように、その他の物品要素と共に組み立てられ得た吸収性コアは、機械方向に転向されて、続いて複数のサブラインへ分割される。コアはまた、方法の任意のポイントで離間され(「リピッチされ」)得る。「離間される」とは、サブライン間に機械横方向の隙間が提供されることを意味する。サブラインは、平行して離間されかつ配向されることが好ましい。本発明の好ましい実施形態では、吸収性コアを機械方向に転向する工程と、吸収性コアの供給を2つ以上のサブラインへ分割する工程とは、同時に実施され得る。あるいは、逐次的にコアが転向され、その後分割され得ることも想定される。例えば、機械方向で左右に分割された2つのサブラインを提供するために、吸収性コアを交互かつ逐次的に左のサブライン及び右のサブラインに転向することができる。
【0062】
これらの工程の目的は2つある。第1に、機械方向では、吸収性物品の特定の要素を吸収性コアにより容易に取り付けることができる。これらの要素としては、例えばバックシート26、ランディング領域44、レッグカフ32、(長手方向ストライプとして適用が可能な)ローションが挙げられる。第2に、吸収性コアが比較的速いユニット速度にてCDで製作されたため、このユニット速度は、MDの単一ラインでは制御できない恐れがある。吸収性コアの流れを、更なる加工のために、2つの又は任意でより多くのサブラインへ分割することは、さもなければライン全体の生産量を低下させていたボトルネックを回避するための洗練された方法である。例えば、コアの流れを2つのサブラインに分割することで、各サブラインは、吸収性コア製造プロセス速度のおよそ半分で運転できるようになる。もちろん、複数のサブラインに対する必要性は、何らかの方法で複雑性と関連する資本コストとを増加させるのだが、本発明の方法は更に、従来型のラインの数倍の生産量を生産することも可能にする。本発明の方法を用いた関連する資本コストは、全く新しいラインを建造することと比較すれば少ない。なぜなら、コア製造ユニット、及びCDで吸収性コアに取り付けられる要素を扱うすべてのユニットなどの数種類の作業ユニットが、重複する必要がないからである。本発明により、生産される1ユニット当たりの資本コストは、したがって従来型の単一ライン加工ラインよりも少なくなり、かつ、現行の生産性の向上による節約も提供される。
【0063】
吸収性コアは、機械横方向に配向された吸収性コアの連続供給100を機械方向へ転向し、同時に吸収性コアの連続供給を2つ以上のサブライン120a、120bへ分割することが可能な装置110を用いて、CDからMDへ有利に転向され得る。こうした装置110の例示的実施形態を、これから
図3〜6に関連して説明する。
図3〜6は、本発明の第2の態様の装置を用いて、いかにしてコアの転向、離間、及び分割工程が同時に実施され得るかを概略的に説明する。しかし、本発明の方法は更に、これらの工程がいかなる順序で実施された場合でも、これらの工程を包含する。例えば、従来の装置を用いて、はじめにコアを機械方向に転向して、続いて2つ以上のサブラインに分割してもよく、又はその逆であってもよい。
【0064】
図3〜6の右側に例示的に示されるように、コンベヤ130は、機械横方向に配向される、予め形成された吸収性コア28の供給100を、転向装置110に運ぶ。コアは他の吸収性物品要素、例えば捕捉システム、トップシート、任意の形態のカフ(クロスバリア、MD、又は両方の組み合わせ)、又は任意の種類の腰部機構(伸縮又は非伸縮)、及びもちろんこれらの組み合わせなど、に取り付けられていてもよい。コアは、他の要素に取り付けられることなく独立してもよい。以下、他の要素に取り付けられたコアと独立したコアとは区別しない。
【0065】
コンベヤ130に到着した吸収性コア28は個別化される、すなわち互いに接合されていないことが好ましい。コアがまだ個別化されていなかった場合は、転向装置によって各コアが個別に扱われるように、切断装置(図示せず)を用いて、CDでの吸収性コアの供給を処理してもよい。切断装置は更に、不織布コアカバー及び/又は不織布ダスティング層などの特定のコア要素が存在する場合、その結果、これらの不織布層の間にSAP及びフラッフを封入するようにこれらを圧着することで、吸収性コアの長さに沿って圧力及び熱を同時に用いてシームを形成してもよい。こうした切断装置は、送り込みコンベヤ及び取り出しコンベヤを備えた標準的ウェブ切断装置であってよい。コアが転向装置に入る前に既に離間されるように、取り出しコンベヤは送り込みコンベヤより高速であってよい。分離装置は更に、コアが転向装置に移送される前に、コアをもう1つのコアから離間する(リピッチする)ために用いられてもよい。これらのリピッチ装置は周知されており、例えば米国特許第6,450,321号、同第6,705,453号、又は同第6,811,019号に記載される。
【0066】
次に、コア取り上げ点(P)で、吸収性コアを吸収性コア供給部から転向装置へ移送する。コアの供給部が、CDに配向した転向装置に接近すると、コアは、転向装置上へのコアの配置を助ける移送ロール140によって取り上げられてよい。切断装置が存在する場合は、切断装置も移送ロールに組み込まれてよい。
【0067】
図7Aは、吸収性コア28が最初にペアで90度転向され、続いて離間(「リピッチ」)されて、2つのサブライン120a、120bを形成する、本発明の方法の1実施形態を図示する。
【0068】
図7Bは、吸収性コア28が、先ず機械方向で左の120a及び右の120bの2つのサブラインに交互に離間され、続いて各吸収性コア28が90度転向される、本発明の方法の1実施形態を図示する。
【0069】
装置の発明
以下に詳細に記載する通り、転向装置110は、複数の転向プレート150を含み、各転向プレート150は、プレート上に置かれた吸収性コアが、取り上げポイントでの機械横方向から放出ポイントでの機械方向へ再配向され得るように、個別の軸160に回転可能に設けられる。
【0070】
各転向プレート150は、例えば欧州特許第1,947,037 A1号に記載の搬送要素として開示されるものなどの、当該技術分野で既知の吸引装置又はクランプ装置といった、吸収性コアを取り上げ、保持し、及び放出するための手段を備える。各転向プレートは、少なくとも2つの吸収性コアを同時に取り上げ、保持し、かつ放出することができる。転向プレートは、吸収性コアを取り上げ、保持し、かつ放出するための複数のサブプレート170を備え得る。
図3〜7に示す概略図では、2つの吸収性コアを取り上げる各転向プレートが示されるが、1つの転向プレート当たりより多くの、例えば3つ、4つ、5つ、6つ、又は7つの吸収性コアも検討され得る。
【0071】
続いて、吸収性コアがCD方向からMD方向に再配向されると同時に、転向プレートが、コア取り上げポイント(P)からコア放出ポイント(R)へ可逆的に移送される。図に示す通り、P−R間で移送が実施されると同時に、転向プレートのそれぞれがこの軸に対して90度回転できるように、転向プレートのそれぞれは、軸160に回転可能に設けられ得る。
図1及び2に示される通り、上方から見るとき、転向プレートの回転方向は、P−R間で反時計回りであってよい。続いて、プレートがR−P間のPに戻ったときに、方向を逆転してもよい。言うまでもなく、その他の回転方向を用いてもよい。欧州特許第1,947,037A1号は、転向プレートによって支えられるそれぞれのカムフォロワ(カムフォロワは、転向プレートによってとられる配向を決定するために、カム構造とカムフォロワ関係で協働可能である)を用いて、いかにしてこのような機構が構築し得るかについて、より詳細に記載している。
【0072】
コア供給100に対して垂直の固定回転軸180を有するホイール200は、転向プレートの回転軸を支えることができ、また、転向プレートをコア取り上げポイントPからコア放出ポイントRへ運び、その後、放出ポイントRから取り上げポイントPへ戻すことができる。図に示す通り、転向プレートの回転軸160は、ホイールの中心から外側へ半径方向に消費し得る。図示した実施形態では、軸180周囲での転向プレートの回転の間、転向プレートの半径方向速度及び転向プレートの回転ホイール軸180に対する距離は、一定に保たれ得る。例えば米国特許第4,617,082号で開示される通り、コア取り上げポイントPとコア放出ポイントRとの間で回転ホイール軸からの転向プレートの距離を増加させることが、同時にプレート間の距離も増加し、かつ吸収性コアの放出を助け得るので、コア取り上げポイントPとコア放出ポイントRとの間で回転ホイール軸からの転向プレートの距離を伸ばすことも可能である。例えば、回転を制御するための対応する部材と連結される、それぞれが転向プレートを支える複数の同軸シャフトを用いる欧州特許第1,947,037 A1号に記載される通り、コア取り上げポイントとコア放出ポイントとの間で、軸180に対する転向プレートの回転速度を上げる又は下げることもまた望ましい場合がある。回転を制御するための対応する部材には、プーリー又は歯車などの回転体が含まれ得る。
【0073】
各コアは、個々のサブプレート170によって転向プレートのそれぞれに固定されてよい。図に示されるように、少なくとも2つのサブプレートが存在するが、転向プレートごとにより多くの、例えば3つ、4つ、5つ、6つ、又は7つのサブプレートが存在してもよい。
図3〜7のサブプレート上の相反する矢印によって概略的に示される通り、コア取り上げポイントとコア放出ポイントとの間で、転向プレートがその軸上で転向されて吸収性コアを離間させるとき、サブプレートは、好ましくは互いから遠ざかって移動してもよい。サブプレートは、例えばホイール又は電動モーター上の転向プレートの位置によって制御される回転ホイール又は空気圧シリンダによって駆動されるカムフォロアシステムを用いて、離れるように移動され得る。
【0074】
コアを再配向すると同時に、離間させることにより、コアを複数のサブラインに分割する工程がより単純になり得る。一方で、転向工程の間にコアを離間させる必要がないように、転向装置に入る前にコアが既に十分に離間されていてもよい。例えば、上述したように、吸収性コアは、コアが取り上げられる前に、スペーシング装置を使用した別のユニットによって既に離間されてもよい。こうすることで、移動可能なサブプレートが必要でなくなるため、転向プレートの構造が単純化され得る。一方で、スペーシング装置を有することは、考えられる高い生産速度では好ましからぬプロセスの偏差の発生源を1つ追加するため、離間工程と転向工程を同時に行うことが有利であり得る。コアは更に、例えば機械方向で隣り合っているとき、2つの独立したウェブトラッキングテーブル(web-tracking tables)を用いて、転向装置から放出された後で離間することもできる。これもまた、同時の転向及び離間工程と比較して、更なるプロセスの偏差をもたらし得る。
【0075】
機械方向に配向され、かつ転向プレート上に保持された2つ以上のコアは、ホイールの回転の半分の後で到達されるコア放出ポイントRで、同時に放出される。コアはコンベヤに放出されてもよく、又はコンベヤの移送機能を引き継ぐ受け入れウェブ190上に直接放出されてもよい。受け入れウェブは、例えばバックシート材料であってもトップシート材料でもあってよい。これは、バックシート材料などの1つの受け入れウェブ190a、190bがそれぞれのコアのために存在する、例えば
図3及び
図5に示されている。すべてのサブラインに対して単一の受け入れウェブを用いることもでき、その場合、ウェブは、サブラインの更に下流で、機械方向でその長さに沿って切断されてもよい。
【0076】
同時に放出された2つ以上のコア28が、放出されるときに既に離間されている場合、各コア間の距離が単一のウェブには大きすぎる場合があるため、受け入れウェブは、コアに対する同じ数のサブウェブに分割されることが好ましい。続いてウェブは、2つ以上のサブウェブ190a、190bに分割される材料の単一ロールからもたらされてもよい。
【0077】
続いて吸収性コアは、(CD方向で既に取り付けられていてもよいその他の物品要素と共に)機械方向の複数のサブラインのそれぞれの上で、更なる物品要素と組み立てられる。したがって、特に完成品は、サブラインのそれぞれの上で完成され得る。機械方向で組み立てられる更なる物品要素は、例えばバックシート、ランディング領域、レッグカフ、ローション、及びこれらの組み合わせから選択され得る。
【0078】
複数のサブラインのそれぞれは、更に別の袋詰装置(図示せず)に通じてもよい。これにより、例えば様々な袋数で製袋することが可能となり得る。一方で、サブラインは再び単一ラインへ合流されてもよく、その結果、部分的に組み立てられたコア若しくは完成品が更に加工される、及び/又は単一の袋詰装置へ運ばれることが可能となる。1つ又は複数のサブラインを再び分割して、例えば2つ以上の更なる袋詰装置へ通じさせることも可能である。
【0079】
一旦コアがコア放出ポイントRで転向装置から放出されれば、ホイールが後半分の回転を行う間に、転向プレートはコア取り上げポイントへ移送されて戻される。存在する場合、移動可能なサブプレートは、この後半分の回転の間に閉位置へ移送されて戻され、取り上げポイントPで別の複数のコアの取り上げができる状態となり得る。
【0080】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らないかぎり、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0081】
任意の相互参照又は関連特許若しくは関連出願を包含する本明細書に引用される全ての文献は、明確に除外ないしは別の方法で限定されない限り、その全てを本明細書中に参照により組み込まれる。いずれの文献の引用も、こうした文献が本願で開示又は特許請求される全ての発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他の全ての参照文献とのあらゆる組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更に、本文書において、用語の任意の意味又は定義の範囲が、参考として組み込まれた文書中の同様の用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合には、本文書中で用語に割り当てられる意味又は定義に準拠するものとする。
【0082】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。