(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6054539
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】電気コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/6581 20110101AFI20161219BHJP
H01R 13/506 20060101ALI20161219BHJP
H01R 13/52 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
H01R13/6581
H01R13/506
H01R13/52 301H
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-536226(P2015-536226)
(86)(22)【出願日】2012年10月15日
(65)【公表番号】特表2015-531538(P2015-531538A)
(43)【公表日】2015年11月2日
(86)【国際出願番号】IB2012002343
(87)【国際公開番号】WO2014060789
(87)【国際公開日】20140424
【審査請求日】2015年4月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】514002684
【氏名又は名称】デルフィ・インターナショナル・オペレーションズ・ルクセンブルク・エス・アー・エール・エル
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・ファブル
(72)【発明者】
【氏名】ジル・シュミット
【審査官】
楠永 吉孝
(56)【参考文献】
【文献】
特表2011−530151(JP,A)
【文献】
特開2012−033348(JP,A)
【文献】
特開2011−119120(JP,A)
【文献】
特開2009−048919(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第2413431(EP,A1)
【文献】
特表2011−515788(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/40〜13/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
− 剛性の電気絶縁材料で作られる筐体(23)であって、外側部分(4)及び電気端子を受容するように設計された内側部分(3)を有し、後方セクション(8)から前方セクション(7)まで延在する筐体(23)と、
− 前記内側部分(3)を覆う、導電性材料で作られる単一片のシールディング(2)であって、後方セクションから前方セクションまで延在し、かつ、後方拡張部(9)を含む、シールディング(2)と、
− 前記シールディング(2)と前記筐体(23)の前記外側部分(4)との間で前記シールディング(2)の前記後方拡張部(9)に配設される外側シール(5)と、前記内側部分(3)と前記シールディング(2)との間に配設される内側シール(6)と、を備えるシーリングシステムと、
を備えており、
前記内側部分(3)と前記シールディング(2)との間の安定的な接続を確実にするために、前記内側部分(3)の孔(13)が前記シールディング(2)の係合部(14)と協働し、且つ、前記内側部分(3)と前記外側部分(4)との間の固定された位置を確実にするするために、前記外側部分(4)の少なくとも1つのラッチ要素(17)が前記内側部分(3)の相補的なラッチ要素(24)と協働し、それによって、前記外側シール(5)が前記シールディング(2)の前記後方拡張部(9)と前記外側部分(4)との間に密封の連続性をもたらすと共に、前記内側シール(6)が前記内側部分(3)と前記シールディング(2)との間の密封の連続性をもたらすことを特徴とする電気コネクタ(1)。
【請求項2】
前記内側部分(3)の前記後方セクション(8)は、少なくとも2つの円筒状の通路(22)を画定し、前記通路(22)それぞれが電気装置の壁を通過するように適合されることを特徴とする請求項1に記載の電気コネクタ(1)。
【請求項3】
前記筐体の前記前方セクション(21)で、前記内側部分は、少なくとも2つの円筒状の開口(12)を画定し、他の電気コネクタの前端が前記開口(12)内で結合され得ることを特徴とする請求項1または2に記載の電気コネクタ(1)。
【請求項4】
前記後方拡張部(9)は、結合軸に垂直な組立面において前記シールディングの中心に対して半径方向に延在することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気コネクタ(1)。
【請求項5】
前記筐体の前記後方セクションで、前記外側部分(4)は、当該電気コネクタと相補的な電気装置との間のねじ込み式接続を提供するための別の係合システム(16)を画定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気コネクタ(1)。
【請求項6】
前記外側部分(4)の内面は、前記シールディング(2)と前記筐体(23)との間の組立工程に役立つように設計された複数の内側突出部(19)を画定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電気コネクタ(1)。
【請求項7】
− 剛性の電気絶縁材料で作られる筐体(23)を提供するステップであって、外側部分(4)及び電気端子を受容するように設計された内側部分(3)を有し、後方セクション(8)から前方セクション(7)まで延在する筐体(23)を提供するステップと;
− 前記内側部分を覆う、導電性材料で作られる単一片のシールディング(2)を提供するステップであって、後方セクションから前方セクションまで延在し、かつ、後方拡張部(9)を含むシールディング(2)を提供するステップと;
− 前記シールディングと前記筐体の前記外側部分との間に設けられる外側シール(5)と、前記内側部分と前記シールディングとの間に設けられる内側シール(6)と、を備えるシーリングシステムを提供するステップと;
− 前記内側部分(3)上に前記シールディング(2)を取り付けるステップであって、前記内側部分の孔(13)が前記シールディングの係合部(13)と協働し、これにより、前記内側部分と前記シールディングとの間の安定的な接続を確実にする、ステップと;
− 前記外側シール(5)を前記シールディングの前記後方拡張部(9)上に挿入するステップと;
− 前記シールディング上に前記外側部分(4)を取り付けるステップであって、これにより、前記外側シール(5)は、前記シールディングの前記後方拡張部と前記外側部分との間に密封の連続性をもたらし、前記外側部分の少なくとも1つのラッチ要素(17)は、前記内側部分の相補的なラッチ要素(24)と協働し、これにより前記外側部分と前記内側部分との間の固定された位置を確実にする、ステップと;
− 前記内側部分の前記後方セクション上に前記内側シール(6)を取り付けるステップであって、これにより、前記内側シールは前記内側部分と前記シールディング(2)との間の密封の連続性をもたらす、ステップと;
を備えることを特徴とする電気コネクタ(1)を組み立てる方法。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の電気コネクタを備えるコネクタアセンブリであって、装置は、前記電気コネクタが取り付けられる壁を有し、かつ、前記後方拡張部(9)が、前記外側シール(5)、前記内側シール(6)、及び、前記壁(100)によって閉じ込められることを特徴とするコネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電気コネクタ及びこのようなコネクタを備える電気アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
特に、本発明は、今日ハイブリッドまたは電気車両に使用されるもののような、このような電気的にシールドされたコネクタと電線を有する相補的な電気コネクタとの間のシールドされた電気接続を設ける電気的にシールドされたコネクタに関する。ある電気コネクタは、電線に取り付けられた2つ以上の電気端子を受容するように意図され、端子と、電気コネクタ内に受容される電線の端部分と、を覆うシールディングが設けられる。
【0003】
一般的に、このようなシールディングは、接地した導電性システムに在し、電磁波の漏れ及びシールディングの外側/内側の干渉を防止し、かつ、これらまたは別の電線及び装置によってもたらされる信号を保護するための手段である。
【0004】
従って、端子または電線と導電性システムとの間に、それらの間の任意の接触を防ぐために絶縁体が設けられるべきである。電気コネクタが相補的な電気コネクタと対になる際に、電気接続の必要な密封及びシールディング特性を保つための特定の解決策が必要である。
【0005】
筐体の内側に本体シールドシステムを有する電気コネクタ本体部分と、本体シールド部材とそこにコネクタ本体が固定される電気装置とに間に電気的導通をもたらす金属シールド板と、を備える電気コネクタアセンブリが、特許文献1から既知である。
【0006】
それでもなお、電気自動車産業は、そのシールディング及び容易な組立/分解特性を保持しつつ湿度への耐性を同時に有する電磁シールディング効果を有する高電力コネクタアセンブリの高まる必要性に直面している。
【0007】
適切なシールディング解決策が、容易、迅速、かつ、効率的な組立/分解を保持しつつ、シールディングと相補的なシールディング部品との間の電気接続点で顕著な電磁波障害を削減すべきである。
【0008】
特に、シールディングシステムは、2つ以上のシールディングシェルの組立体として構成され、シェルの端部は、それらの間の電気接触を確実にするために重ねられ、不必要な水は、2つの重ねられたシェルの間を巡回し、次いで、この水は例えばコネクタ本体が取り付けられる装置に届き得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公報第2012/056325号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、改善された解決策を提供すること特に課題とする。
【0011】
コネクタアセンブリのシールディングを改善することが本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題のために、本発明によると、密封されかつシールドされた電気コネクタは:
− 剛性の電気絶縁材料で作られる筐体であって、外側部分と、電気端子を受容するように設計された内側部分と、を有し、後方セクションから前方セクションまで延在する筐体と、
− 内側部分を覆う、導電性材料で作られる単一片のシールディングであって、後方セクションから前方セクションまで延在し、かつ、後方拡張部を含む、シールディングと、
− シールディングと筐体の外側部分との間に設けられる外側シールと、内側部分とシールディングとの間に設けられる内側シールと、を備えるシーリングシステムと、
を備える。
【0013】
この配置により、電気ケーブル対応する電気装置との間の電気接続の電磁シールディング保護が確実にされ、一方でシールディングの内外面の両面上において密封が施される。
【0014】
ある別の実施形態では、従属請求項において定義される1つまたは複数の特徴を使うこともできる。
【0015】
別の態様によると、本発明は、電気コネクタを組み立てる方法にも向けられる。この方法は、上述の特徴を有する本発明における密封されシールドされた電気コネクタを提供する。
【0016】
この方法は、
− 内側部分上に単一片のシールディングを取り付けるステップであって、内側部分の孔がシールディングの係合部と協働し、これにより、内側部分とシールディングとの間の安定的な接続を確実にする、ステップと;
− 外側シールをシールディングの後方セクション上に挿入するステップと;
− シールディング上に外側部分を取り付けるステップであって、これにより、外側部分は、シールディングの後方拡張部と外側部分との間に密封の連続性をもたらし、外側部分のラッチ要素は、溝と協働し、これにより外側部分と内側部分との間の固定された位置を確実にする、ステップと;
−内側部分の後方セクション上に内側シールを取り付けるステップであって、これにより、内側シールは内側部分とシールディングとの間の密封の連続性をもたらす、ステップと;
をさらに備え得る。
【0017】
別の態様によると、本発明は、上述の電気コネクタを備えるコネクタアセンブリであって、装置がこの電気コネクタが取り付けられる壁を有し、かつ、後方拡張部が、外側シール、内側シール、及び、壁によって閉じ込められる。
【0018】
これらの特徴を有することで、必要な機能を一切失うことなく、簡単かつ信頼性の高い密封されたシールディング電気接続が提供される。従って、本実施形態は、より安全で、耐久性が高く、メンテナンスが低コストであり、かつ、電線の内側/外側で電磁干渉の最小化されたリークを有する電気接続を提供する。特に、相補的な電気装置のシールドと電気接触するシールドのシールディング部分は密封される。
【0019】
上述の密封されたシールディングを含む任意のコネクタの実施形態は、任意の上述のシステムと相補的な接続とを備えるアセンブリにおいて使用され得る。
【0020】
さらなる情報が発明を実施するための形態で与えられる。ある実施形態では、単独でまたは組み合せで適用される、特許請求の範囲の1つまたは複数の特徴が使用され得る。
【0021】
当然、本発明の異なる特徴、変更、及び/または実施形態は、それらが相容れなくない、または、他を相互に除かない範囲で、種々の構成において互いに組み合され得る。
【0022】
本発明は、非限定的な例として示される実施形態を含む次の詳細な説明を読むことで本発明はより良く理解され、他の特徴及び利点が明確になるだろう。非限定的な例は、本発明及び明細書の理解を完全にし、かつ、適切な場合にはその定義に役立てるために使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】一実施形態における密封されかつシールドされた電気コネクタの分解された正面斜視図である。
【
図2】単一片のシールディングを示す、組み立てられた密封されかつシールドされた電気コネクタの部分的な後面斜視図である。
【
図3】
図1に図示されるような筐体の外側部分を有する、組み立てられた、密封されかつシールドされた電気コネクタの正面斜視図である。
【
図4】
図2に示されるVでの拡大された垂直断面図である。
【
図5】
図3に示されるVIでの拡大された垂直断面図である。
【
図6】
図4に示されるシールディング及び内側部分を固定するロックシステムのVIIでの詳細な垂直断面図である。
【
図7】
図6に示される内側部分と筐体との間の、密封されかつシールドされたアセンブリの詳細な垂直断面図である。
【
図8a】シールディングの別の実施形態を示す図である。
【
図8b】シールディングの別の実施形態を示す図である。
【
図8c】シールディングの別の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図では、異なる実施形態に対して共通である構造的かつ/または機能的要素が、同一の符号を有し得ることが注意されるべきである。従って、記載されていない限り、これらの要素は、同一の構造的、寸法的、かつ材料的な特性を有する。
【0025】
図1に示される例示的な例によると、密封されたシールディング電気コネクタ1は、それぞれの電気装置(図示せず)と結合され、かつ、相補的な電気コネクタ(図示せず)の少なくとも2つの電気端子を受容するように適合される内側部分3、内側部分3を覆う単一片のシールディング2、及び、シールディング2と一緒に内側部分を覆う外側部分4の3つの主部品から成る。水、塩水、または埃などの材料のコネクタの内部空間への進入を防ぐために、内側部分、シールディング、及び外側部分の間にシールディングシステム5及び6が設けられる。
【0026】
図2に示されるように、非導電(絶縁)材料で作られる内側部分3は、前方セクションと後方セクションとの間の結合軸に沿って延在し、かつ、その全体形状は、断面においてかなり楕円である。内側部分3は、複数の容器を画定し、容器それぞれは、相互的な電気端子(図示せず)を受容する。その後方セクションには、少なくとも2つの円筒状の突出部22が設けられる。これらの突出部は、電気装置の壁を貫通して挿入されるように設計される。内側部分3の前方セクション21には、電気端子とこれらの端子に取り付けられる電線とを含む相補的な電気コネクタを受容することを意図する、少なくとも2つの円筒状の開口12が設けられる。内側部分3の外面は、シールディング2の係合部14と協働することを意図される一定に形状化された複数の孔13をさらに含む。これらの孔13は、一定の間隔で、かつ、結合軸に対して対称的に分配される。内側部分3の孔13とシールディングの係合部14とは、内側部分とシールディングとを互いに係合する係合システムの一例を共に形成する。内側部分3の外面上には、少なくとも2つの一定に形状化された溝24が存在する。これらの溝は、内側部分3を外側部分4の内側に係合するためにラッチ要素17を受容する働きをする(
図4参照)。
【0027】
導電材で作られ、かつ、内側部分3を隙間なく覆うシールディング2は、内側部分の後端からその前方セクションまで延在する。シールディング2の後方拡張部9は、結合軸に対して半径方向に延在するフランジから突出する複数の突出部10を備える(
図8b参照)。言い換えると、後方拡張部9は、結合軸に対して垂直な組立面においてシールディングの中心に対して半径方向に延在する。シールディング2に関して、後方拡張部9の異なる実施形態が考慮され得る(
図8a、
図8b、
図8c、
図8aは前から図示された状態)。
図8cの実施形態では、半径方向のフランジ及び突出部10は、複数の開口11bを有する中間部分11aによってシールディングの残部に繋げられた外側冠状体10aによって置き換えられる。これらの開口11bは、中間部分に弾力性を与え、これにより、外側冠状体は、コネクタ1がその上に取り付けられる際に装置の壁100またはシールドに対して効果的に押圧され得る。
【0028】
図8aの実施形態は、
図8cのものと殆ど同じである。可撓性舌片10bが、開口において後方に延在し、これにより、コネクタ1が取り付けられる装置の壁100またはシールディングに対して弾性的に押圧される。
【0029】
いかなる場合でも、突出部、外側冠状体、または舌片は、電気装置のシールドまたは壁と接触するように配置される。これらは外側部分4の後方セクション上に、かつ、すなわち、シールディング2と外側部分4との間の密封接続に対してシール5を押し付けるように設計される(
図7)。逆もまた同様に、シール5は、シールディングと壁100との間のより良好な電気接触のために、突出部、外側冠状体、または舌片を、コネクタ1が取り付けられる装置のシールドまたは壁に押圧する。さらに、これらの突出部の端部は曲げられ、かつ、シールディングの後方セクションから後方に突出する。
【0030】
シールディング2の表面は、少なくとも2つのスロット15及び係合部14も備える(
図2)。これらの2つのスロットは、結合軸に対して対称的に分配され、かつ、シールディング2と外側部分4との間の固定された位置を確立するために外側部分4の内面でラッチ要素17と協働することを意図される(
図6)。シールディング2の表面上に、かつ、結合軸に対して対称的に設けられる係合部14は、内側部分3を覆うシールディングの内部空間内に突き出る。そのように、係合部14は、シールディング2と内側部分3との間の固定された組立てを確実にするために孔13の1つと協働する。
【0031】
導電性シールディング2の内面は、内側部分3及び同類物の外側面と隣接し、シールディング2の外面は、外側部分4の内面と隣接する。
【0032】
従って、シールディング2は、内側部分3を覆う単一の構成要素として設けられる。このようなシールディングは、金属ブランクからの深絞り工程によって実施され得る。
【0033】
剛性の電気絶縁材料で作られた外側部分4は、内側部分3と一緒にシールディング2を覆い、かつ、その後方セクション8から前方セクション7まで延在する。外側部分4の後方セクションは、電気コネクタ1を電気装置(図示せず)にねじによって留めるために複数のボルトを通すように意図された複数の穴16を画定する。外側部分4の画面は、複数の外側突出部18をさらに画定する。外側部分4の外周全体に一定の間隔で分配された、これらの外側突出部18は、外側部分4と別の電気コネクタ(図示せず)との間の組立工程に役立つように設計される。その内面には、外側部分4は、シールディング2と外側部分4との間の組立工程に役立つように設計された、複数の内側突出部19を画定し、これらの2つの部品、シールディング2と外側部分4は、組立のために互いに対して移動可能である。さらに、筐体の内面は、結合軸に対して対称的に位置する少なくとも2つのラッチ要素17を画定する。これらのラッチ要素は、シールドのスロット15を通して、かつ、すなわち、シールディング2を通して内側筐体の溝24内に篏合し、外側部分4と内側部分3との間の固定された接続を確実にするように設計される。 実際に、外側部分4のラッチ要素17は、シールディング2の係合部14と共に、外側部分4、内側部分3、及びシールディング2の組立工程より簡単かつより迅速にすることができる。
【0034】
エラストマ―材料で作られるシーリングシステムは、内側シール6及び外側シール5から成る。内側シール6は、内側部分3の後面に配置され、その全体形状は、内側部分3の形状と一致する(本願の例では、かなり楕円である)。この内側シールは、内側部分3の少なくとも2つの円筒状の突出部22が通過できる、少なくとも2つの円状の穴20を含む。内側シールは、内側部分3とシールディング2との間の密封接続をもたらすように設計される。外側シール5もエラストマ―材料で作られ、シールディング2と外側部分4との間を密封するように篏合するように意図される。内側シール6の寸法と比較すると、外側シール5はより大きいもので、それらの間に位置するシールディング2と共に内側シール6を隙間なく覆う。
【0035】
コネクタが装置壁に取り付けられる際に、後方拡張部9と突出部部10は、外側シール5、内側シール6、及び、壁に密封して閉じ込められ、これにより、シールディングの表面上を流れ得る任意の水分も装置内に入ることはない。
【0036】
さらに、上記の説明から、ラッチ及びシールディングシステムは、機能的かつ空間的に分離される。シールドが外側部分、内側部分、及びシールドを全て一緒にラッチするための穴を有するところでは、シーリングは効果的でなないが、内側及び外側シールが、水または任意の他の液体、埃
などがコネクタが取り付けられる電気装置内にシールドの表面を沿って進入するのを防ぐために配置される。
【0037】
また、本発明は、対応する電気装置及び/または電気的に相補的なコネクタを有する電気コネクタを組み立てるための組立方法に向けられている。この方法は:
− 一時的に内側部分3上に単一片のシールディング2を取り付けるステップであって、孔13は、シールディングの係合部14と協働して、それらの安定した接続を確
実にし、このステップは、内側部分3に対して結合軸に沿ってシールディング2を、それらが係合部14と孔134との協働によって一緒に係合するまで滑らすことによって実施される、ステップと、 − シールディングの後方拡張部9上に外側シール5を挿入するステップと、
− シールディング上に外側部分4を取り付けるステップであって、これにより、外側シール5は、シールディング部の後方拡張部と外側部分との間にシールディングの連続性を与え、外側部分の少なくとも1つのラッチ要素17は、内側筐体、シールド、及び外側筐体の間の固定された位置を確実にするために溝24と協働し、このステップは、結合軸に沿って、組み立てられた内側部分3とシールディング2とに対して外側部分4をスライドさせることによって実施される、ステップと、
内側部分3の後方セクション上に内側シール6を取り付けるステップであって、これにより、内側シールは、内側部分とシールディング2との間に密封の連続性を与える、ステップと、
を備える。
【0038】
異なる実施形態において、密封を組み立てるステップは、様々な順番で行われ得る。
【0039】
結果として、内側部分3を覆い、かつ、外側部分4によって覆われるシールディング2は、筐体23の前方セクション7から後方セクション8の恒久的かつ連続した電磁気防御を提供する。さらに、シールディングの外の接触部分(後方拡張部9)は、シールドの前方から、または、シールドの内外面に沿って侵入し得るいかなる湿潤からも保護される。
【0040】
従って、電気端子及び電線を含む相補的な電気コネクタから対応する電気装置への電気的及び密封性連続性は確実なものとなる。
【0041】
明らかに、本発明は、本願において例として説明され、提供される実施形態に限定されない。本発明は、単独でまたは組み合せで取り上げられた、本願において上記に説明された異なる実施形態の全ての組み合わせを含む、当業者に本発明の一部として考慮され得る異なる変更及び変形をも含む。
【符号の説明】
【0042】
1 電気コネクタ
2 シールディング
3 内側部分
4 外側部分
5 外側シール
6 内側シール
7 前方セクション
8 後方セクション
9 後方拡張部
10 突出部
12 開口
13 孔
14 係合部
15 スロット
16 係合システム
17 ラッチ要素
19 内側突出部
21 前方セクション
22 円筒状の突出部、通路
23 筐体
24 溝、相補的なラッチ要素