(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6054558
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】粉末状または顆粒状皮膚洗浄料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/44 20060101AFI20161219BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20161219BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20161219BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
A61K8/44
A61K8/34
A61K8/02
A61Q19/10
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-20830(P2016-20830)
(22)【出願日】2016年2月5日
【審査請求日】2016年9月12日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】593106918
【氏名又は名称】株式会社ファンケル
(74)【代理人】
【識別番号】100122954
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷部 善太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162396
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 泰之
(74)【代理人】
【識別番号】100194803
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 理弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202430
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 千香子
(72)【発明者】
【氏名】最上 理映
【審査官】
福永 千尋
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭57−167398(JP,A)
【文献】
特開平03−059099(JP,A)
【文献】
特開2005−325244(JP,A)
【文献】
特開2001−152183(JP,A)
【文献】
特開2013−032499(JP,A)
【文献】
特開2002−020267(JP,A)
【文献】
特開昭54−061118(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00−8/99
C11D 1/10
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
N−アシルグルタミン酸塩と、炭素数20〜24の直鎖高級アルコールとを含むことを特徴とする粉末状または顆粒状の皮膚洗浄料。
【請求項2】
前記N−アシルグルタミン酸塩と前記炭素数20〜24の直鎖高級アルコールが、100:1〜1:1の質量比で配合されていることを特徴とする請求項1に記載の皮膚洗浄料。
【請求項3】
前記炭素数20〜24の直鎖高級アルコールが、ベヘニルアルコールを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の皮膚洗浄料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末状または顆粒状の皮膚洗浄料に関する。
【背景技術】
【0002】
粉末状皮膚洗浄料は、洗浄剤とビルダーとなる無機粉体や有機粉体を混合粉砕して調製される。また、顆粒状皮膚洗浄料とする場合は、混合粉砕ののち至適条件で造粒して調製される。粉末状または顆粒状皮膚洗浄料は、液状やジェル状に比べ水分がないため、防腐剤や殺菌剤を配合せずに製品化することが可能であり、より安全性の高い製品の提供が可能である。ところが、粉末状または顆粒状皮膚洗浄料は、手のひらやスポンジなどで水に溶かす際に均一に溶けず、「ダマ」または「継粉(ままこ)」と呼ばれる塊ができる欠点があった。また、起泡性も液状やジェル状に比べると劣る欠点があった。特にN−アシルグルタミン酸塩は弱酸性であり、皮膚への刺激が少ないことから、安全性の高い洗浄成分として多用されるが、水に溶解しにくく、粉末洗浄料としたときに起泡性に劣ることが欠点であった。
【0003】
本出願人は、処方中にカチオン化デキストランを配合することにより、安全性の高い、使用時の溶解性を向上させ、起泡性にも優れ、さらには手のひらなどでの泡立ての際、ザラツキを生じず使用性を高めた粉末状の皮膚洗浄料を提案した(特許文献1:特許第4712222号公報)。また、N−アシルグルタミン酸塩または高級脂肪酸塩と、ポリアミノ酸と、中性アミノ酸を配合した泡立ちに優れた粉末状の洗浄料組成物(特許文献2:特許第4253687号公報)、N−アシルグルタミン酸塩と環状構造保有分岐状グルカン、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸、ポリデキストロースを配合した泡質及び起泡性に優れた粉末状の洗浄料(特許文献3:特許第5662986号公報)を提案した。
【0004】
さらにまた、本発明出願時には未公開であるが、N−アシルグルタミン酸塩と脂肪酸アミドアルキルジメチルアミンオキシドを配合した泡立ちの早さや泡質を改善した粉末状の皮膚洗浄料(特許文献4:特願2015−067958号)、N−アシルグルタミン酸塩とN−脂肪酸アシルアミノエチル−N−2−ヒドロキシエチルグリシン塩を配合した泡立ちの早さや泡質を改善した粉末状の皮膚洗浄料(特許文献5:特願2015−068622号)を提案した。
しかしながら、泡立ちの早さ、泡質についてさらなる性能の向上が求められている。
【0005】
一方、泡立ちや泡質以外の特長として、すすぎ時につるつるした感触が得られる皮膚洗浄料が求められている。例えば、脂肪酸塩とアシルイセチオン酸塩と固体脂を含む、すすぎ時につるつるした感触が得られる固形洗浄剤組成物(特許文献6:特開2008−189872号公報)、アシルイセチオン酸塩とアニオン界面活性剤と2−エチルヘキシルグリセリルエーテルを含有し、洗浄剤を水道水で流した直後に肌を指で触るとつるつるする感じを与える皮膚洗浄剤組成物(特許文献7:特開2015−124214号公報)、増粘性高分子化合物とN−アシルアミノ酸型界面活性剤とアルキルアミノジカルボン酸型界面活性剤を含有する洗い上がりのつるつる感に優れる洗顔料(特許文献8:特開2008−100921号公報)が提案されている。
すすぎ時につるつるした感触が得られる洗浄料が求められているが、粉末皮膚洗浄料の剤型でこのような感触を十分に得られるものは無く、粉末状皮膚洗浄料は、さらなるつるつる感の向上が求められている。本願発明は粉末状皮膚洗浄料の剤型で、その感触の実現を追求するものである。
【0006】
炭素数20〜24の直鎖高級アルコールは、乳液やクリームなどのスキンケア製品へ乳化安定剤として配合されることが多いが、洗浄剤においても、クリーム剤型の安定化のためにクリーム状の皮膚洗浄料に配合される場合がある。炭素数20〜24の直鎖高級アルコールは、室温では軟らかく滑らかなワックス状の固体であり、粉砕して粉末にして粉末状または顆粒状皮膚洗浄料に配合する試みはなされていない。また、炭素数20〜24の直鎖高級アルコールは、粉砕して粉末とすることが一般的ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4712222号公報
【特許文献2】特許第4253687号公報
【特許文献3】特許第5662986号公報
【特許文献4】特願2015−067958号
【特許文献5】特願2015−068622号
【特許文献6】特開2008−189872号公報
【特許文献7】特開2015−124214号公報
【特許文献8】特開2008−100921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、泡立ちの早さと洗い流した後のつるつる感に優れた粉末状または顆粒状の皮膚洗浄料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1.N−アシルグルタミン酸塩と、炭素数20〜24の直鎖高級アルコールとを含むことを特徴とする粉末状または顆粒状の皮膚洗浄料。
2.前記N−アシルグルタミン酸塩と前記炭素数20〜24の直鎖高級アルコールが、100:1〜1:1の質量比で配合されていることを特徴とする1.に記載の皮膚洗浄料。
3.前記炭素数20〜24の直鎖高級アルコールが、ベヘニルアルコールを含むことを特徴とする1.または2.に記載の皮膚洗浄料。
【発明の効果】
【0010】
本発明の皮膚洗浄料は、従来の粉末状皮膚洗浄料と比較して溶解性に優れ、水に溶かす際に「ダマ」や「継粉(ままこ)」が生じにくく、素早く泡立てることができる。粉末状または顆粒状皮膚洗浄料は使用前に泡立てる行為が必要であるが、本発明の皮膚洗浄料は、ストレスを感じることなく泡立てることができる。また、本発明の皮膚洗浄料は、洗い流した後のつるつる感に優れており、肌の汚れ落ちと肌表面が平滑になり美しくなった感覚を感じることができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の皮膚洗浄料は、洗い流した後のつるつる感に優れている。「つるつる」とは、広辞苑(岩波書店)によると、「(1)動きが、すべるようになめらかなさま。するする。(2)表面が、なめらかなさま、また、すべりやすいさま。」とされている。洗い流した後のつるつる感とは、洗い流した後に肌が濡れた状態で、肌を指で触った時に指がすべるようになめらかに動く状態、すなわち、指が抵抗感なく動く状態のことを指す。べたついたり、ぬるついたり、摩擦感によりひっかかったりすることのない感触であるともいえる。粉末皮膚洗浄料の剤型において、べたついたり、ぬるつくことはあまりないが、配合する界面活性剤や保湿剤によってはべたつきや、ぬるつきの問題を生じることがある。他に、粉末皮膚洗浄料においては、皮脂が除去されることや石鹸カス(スカム)が肌に残ることにより、肌と指との間に摩擦感が生じ、「ひっかかる」(「つっぱる」)感触を生じることが問題となっている。このような「ひっかかり」は、皮脂や汚れが除去されたことによる感触として認識される場合があるが、滑らかな肌とは異なる感触であり、一般的に好ましい感触であるとはされていない。べたつきやぬるつきがなく、かつ、摩擦感によるひっかかりもない、「つるつる」した感触が洗浄後の肌が平滑になり美しくなった感覚を想起するものとして求められている。
【0012】
本発明に用いるN−アシルグルタミン酸塩としては、N−ラウロイルグルタミン酸塩、N−ミリストイルグルタミン酸塩、N−パルミトイルグルタミン酸塩、N−ステアロイルグルタミン酸塩、N−オレオイルグルタミン酸塩等が挙げられる。また、それらの混合物としてN−(ヤシ脂肪酸/パーム脂肪酸/ヒマワリ脂肪酸)アシルグルタミン酸塩、N−ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸塩、N−パーム油脂肪酸アシルグルタミン酸塩、N−水素添加牛脂脂肪酸アシルグルタミン酸塩等が挙げられる。また、塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩、リジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。
本発明に用いるN−アシルグルタミン酸塩の配合量は粉末状または顆粒状の皮膚洗浄料中1〜99質量%が好ましく、10〜50質量%がさらに好ましく、15〜40質量%が特に好ましい。
【0013】
本発明に用いられる炭素数20〜24の直鎖高級アルコールとして、アラキルアルコール(C20)、ベヘニルアルコール(C22)、リグノセリルアルコール(C24)等が挙げられる。また、ベヘニルアルコールを主成分として含有する水添ナタネ油アルコールを用いることもできる。
本発明に用いられる炭素数20〜24の直鎖高級アルコールは、粉砕機で粉砕して目開き300μm以下の篩で篩過したものが好ましく、180μm以下の篩で篩過したものが特に好ましい。粒径が300μmを超えるものを配合すると、洗浄時に刺激を生じる恐れがある。
本発明に用いる炭素数20〜24の直鎖高級アルコールの配合量は0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜10質量%がさらに好ましく、1〜5質量%が特に好ましい。
【0014】
本発明に用いられるN−アシルグルタミン酸塩と炭素数20〜24の直鎖高級アルコールの質量比は100:1〜1:1が好ましく、80:1〜5:1がさらに好ましく、50:1〜8:1が特に好ましい。
【0015】
その他配合成分
本発明の皮膚洗浄料には界面活性剤として、N−アシルグルタミン酸塩以外のアニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤を配合することができる。
アニオン界面活性剤としては、高級脂肪酸塩、N−アシルアラニン塩、N−アシルメチルタウリン塩、N−アシルイセチオン酸塩、N−アシルグリシン塩、モノアルキルリン酸塩、エ−テルカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、脂肪酸アミドアルキルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。両性界面活性剤としては、カルボベタイン型界面活性剤、スルホベタイン型界面活性剤、アミドベタイン型界面活性剤、イミダゾリン型界面活性剤等が挙げられる。
【0016】
本発明の皮膚洗浄料には、糖類、糖アルコール類、ロウ類、有機粉体、無機粉体、高分子類、防腐剤、金属イオン封鎖剤、紫外線吸収剤、紫外線遮断剤、保湿剤、香料、pH調整剤、乾燥剤等を含有させることができる。その他の薬効成分、生理活性成分を含有させることもできる。
【0017】
糖類、糖アルコール類としては、グルコース、ソルビトール、マンノース、マンニトール、ガラクトース、ガラクチトール、マルトース、マルチトール、トレハロース、エリスロース、エリスリトール、キシロース、キシリトール、スクロース、ラクトース、ラクチトール、ダイフラクトースアンハイドライド等が挙げられる。
【0018】
ロウ類としては、コメヌカロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等が挙げられる。
【0019】
有機粉体としてはポリエチレン粉末、ポリスチレン粉末、ポリメチルメタアクリレート粉末、ナイロン粉末、ポリウレタン粉末、寒天粉末、コルク粉末、澱粉等を挙げることができる。
無機粉体としては、タルク、カオリン、シリカ、雲母、ゼオライト、ベントナイト、二酸化チタン等が挙げられる。
【0020】
高分子類としては、アラビアゴム、トラガカントガム、ガラクタン、グアーガム、カラギーナン、ペクチン、キサンタンガム、クインスシード、デキストラン、カチオン化デキストラン、プルラン、カルボキシメチルデンプン、コラーゲン、カゼイン、ゼラチンメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー等を挙げることができる。
【0021】
金属イオン封鎖剤として、例えばエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エデト酸、エデト酸ナトリウム塩等のエデト酸塩を挙げることができる。
薬効成分としては、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸モノパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−グルコシド等のビタミンC類等、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ローヤルゼリー等の皮膚賦活剤、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸γ−オリザノール等の血行促進剤、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、アズレン等の消炎剤、常在菌コントロール剤のマルトースショ糖縮合物、塩化リゾチーム等を挙げることができる。
【0022】
本発明の皮膚洗浄料組成物は、粉末状または顆粒状である。
本発明の皮膚洗浄料は、洗顔や、身体の洗浄に使用することができる。
【実施例】
【0023】
実施例1〜4、比較例1〜4として、各成分を表1に示す質量比で配合し、洗顔パウダーを調製した。なお、ベヘニルアルコール(高級アルコール工業(株)製「ベヘニルアルコール」)、水添ナタネ油アルコール(高級アルコール工業(株)製「アルコールNO.20−B」)、ステアリルアルコール(高級アルコール工業(株)製「ステアリルアルコール」)はミキサーで粉砕し、目開き180μmの篩で篩過して配合した。ステアリン酸は粉末状で供給されている日油(株)製「日局ステアリン酸 NAA−180P−1」をそのまま用いた。ベヘン酸は粉末状で供給されている日油(株)製「ベヘン酸 NAA−222S」をそのまま用いた。
調製した洗顔パウダーの泡立ちの早さ、洗い流した後のつるつる感を以下の基準にて評価した。
【0024】
泡立ちの早さの評価
専門パネラー10名に、調製した洗顔パウダー1gを手のひらにとり、水道水約2〜3mLを加えて、両手をこすり合わせるように約20秒間泡立てさせ、さらに水道水3mLを加えながら泡に空気を巻き込むようにしっかりと泡立て操作をさせた。泡立て操作の時間は合計で1分間とし、泡立て操作中の泡立ちの早さを観察した。
比較例1の洗顔パウダーの泡立ちの早さを標準として、以下の基準により評価させた。
2点:泡立ちが早い
1点:泡立ちの早さが変わらない
0点:泡立ちが遅い
各パネラーの泡立ちの早さの評価の平均値を求め、以下の基準により評価した。
○:1.5点以上2点以下
×:1.5点未満
評価結果を表1に示す。
【0025】
洗い流した後のつるつる感の評価
専門パネラー10名に、洗い流した後のつるつる感を評価させた。評価方法は下記の通りである。
調製した洗顔パウダー1gを手のひらにとり、水道水約2〜3mLを加えて、両手をこすり合わせるように約20秒間泡立てたのち、さらに水道水3mLを加えながら泡に空気を巻き込むようにしっかりと泡立てた。泡立て操作の時間は合計で1分間とした。
水道水の流水にて両手をこすり合わせながら泡を洗い流し泡が全て流れ落ちた後、濡れた状態で手のひらをこすり合わせた時に感じる手のひらの感触を評価した。
比較例1の洗顔パウダーの洗い流した後のつるつる感を標準として、以下の基準により評価させた。
4点:つるつる感に優れている
3点:つるつる感にやや優れている
2点:つるつる感が変わらない
1点:ややひっかかる
0点:ひっかかる
各パネラーの洗い流した後のつるつる感の評価の平均値を求め、以下の基準により評価した。
◎ :3.5点以上4点以下
○ :2.5点以上3.5点未満
△ :1.5点以上2.5点未満
× :0.5点以上1.5点未満
××:0.5点未満
評価結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
本発明である、べヘニルアルコール(C22)を含む実施例1〜4の洗顔パウダーは、標準とした比較例1の洗顔パウダーと比較して、泡立ちの早さ、つるつる感に優れていた。ベヘニルアルコールを3質量%以上含む実施例1、4は、特に優れたつるつる感を示した。
比較例2の洗顔パウダーは、ステアリルアルコール(C18)を含むが、泡立ちの早さ、つるつる感ともに劣っていた。直鎖高級アルコールに変えて直鎖脂肪酸を含む比較例3、4の洗顔パウダーは、さらにつるつる感が低下した。
【0028】
処方例1 洗顔パウダー
成分 配合量(質量%)
N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウム 30
ベヘニルアルコール 3
ラウラミドプロピルアミンオキシド 4
ポリγグルタミン酸ナトリウム 0.02
L−セリン 0.02
マンニトール 30
ブドウ糖 10
環状構造保有分岐状グルカン 3
ポリデキストロース 3
タルク 残余
【0029】
処方例2 洗顔パウダー
成分 配合量(質量%)
N−ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウム 30
水添ナタネ油アルコール 8
コカミドプロピルアミンオキシド 4
N−ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム 5
ポリγグルタミン酸ナトリウム 4
L−セリン 4
マンニトール 20
ブドウ糖 10
環状構造保有分岐状グルカン 1
ポリデキストロース 1
タルク 残余
【0030】
処方例3 洗顔パウダー
成分 配合量(質量%)
N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウム 10
N−ミリストイルグルタミン酸カリウム 18
ベヘニルアルコール 1
ラウラミドプロピルアミンオキシド 4
ミリスチン酸カリウム 2
ポリγグルタミン酸ナトリウム 0.3
L−セリン 0.3
ヤシ油脂肪酸エチルエステルスルホン酸ナトリウム 10
マンニトール 10
マルチトール 10
カチオン化デキストラン−2 0.1
寒天粉末 2
デキストリン末 2
ヒドロキシプロピルデンプンリン酸 5
タルク 残余
【要約】
【課題】泡立ちの早さと洗い流した後のつるつる感に優れた粉末状または顆粒状の皮膚洗浄料を提供することを課題とする。
【解決手段】N−アシルグルタミン酸塩と、炭素数20〜24の直鎖高級アルコールとを含む粉末状または顆粒状の皮膚洗浄料。
【選択図】なし