特許第6054619号(P6054619)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6054619
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】流し台用シンク
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/18 20060101AFI20161219BHJP
   A47B 77/06 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   E03C1/18
   A47B77/06
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-76524(P2012-76524)
(22)【出願日】2012年3月29日
(65)【公開番号】特開2013-127195(P2013-127195A)
(43)【公開日】2013年6月27日
【審査請求日】2015年2月16日
(31)【優先権主張番号】特願2011-250140(P2011-250140)
(32)【優先日】2011年11月15日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】593078279
【氏名又は名称】吉本産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100102185
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 繁範
(72)【発明者】
【氏名】吉本 明義
【審査官】 藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−092035(JP,A)
【文献】 特開2009−285426(JP,A)
【文献】 特開平08−068087(JP,A)
【文献】 特開平02−144009(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/12−1/33
A47B 77/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面部と、
前記底面部から起立する奥壁部、前壁部及び一対の側壁部と、
前記底面部における前記前壁部と前記側壁部とが交わる角部に設けられ、平面視で略三角形状に前記底面部から隆起する第1デッキ部と、を備え
前記底面部は、平面視において矩形形状に形成され、
前記第1デッキ部は、前記前壁部と前記一対の側壁部との境界部分近傍にそれぞれ設けられる流し台用シンク。
【請求項2】
前記第1デッキ部の高さは、該流し台用シンクの深さの15%〜30%である請求項1に記載の流し台用シンク。
【請求項3】
前記底面部における前記奥壁部と前記一対の側壁部の一方の側壁部との境界部分近傍に設けられ、前記奥壁部よりも奥側に凹むと共に前記第1デッキ部の高さと略等しくなるように隆起する第2デッキ部を更に備える請求項1又は2に記載の流し台用シンク。
【請求項4】
前記第1デッキ部と前記第2デッキ部との間に掛け渡されて配置されるブリッジ部材を更に備える請求項に記載の流し台用シンク。
【請求項5】
前記第2デッキ部における前記奥壁部よりも奥側に凹んだ凹み部と底面部との間を仕切る仕切り部材を更に備える請求項又はに記載の流し台用シンク。
【請求項6】
合成樹脂部材により一体成型されて形成される請求項1〜のいずれかに記載の流し台用シンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流し台用シンクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、台所等に配置される流し台は、上面が略水平面となったカウンターと、このカウンターに配置され、カウンターの上面から下方に窪む流し台用シンクと、を備える。また、流し台を利用する場合に用いる洗剤やスポンジを配置するための段差部を、流し台の利用者が立つ位置から奥側に設けた流し台用シンクも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−78648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、流し台用シンクでは、種々の食器や調理器具が洗浄される。そのため、流し台用シンクには、多くの食器や調理器具を収容可能な広いスペースが求められる。特に、流し台の利用者が食器の洗浄等をする場合には、利用者の立ち位置と作業の利便性との関係から、流し台用シンクの奥側に広いスペースを設けることが好ましい。
しかしながら、従来の流し台用シンクでは、広いスペースが求められる流し台用シンクの奥側に段差部を設けているため、流し台の利用者による作業の利便性を十分に向上できなかった。
【0005】
従って、本発明は、洗剤やスポンジを配置するためのスペースを確保しつつ、流し台の利用者による作業の利便性を向上できる流し台用シンクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、底面部と、前記底面部から起立する奥壁部、前壁部及び一対の側壁部と、前記底面部における前記前壁部側に設けられ、該底面部から隆起する第1デッキ部と、を備える流し台用シンクに関する。
【0007】
また、前記底面部は、平面視において矩形形状に形成され、前記第1デッキ部は、前記前壁部と前記一対の側壁部との境界部分近傍にそれぞれ設けられることが好ましい。
【0008】
また、前記第1デッキ部は、前記前壁部に沿って設けられていることが好ましい。
【0009】
また、前記第1デッキ部の高さは、該流し台用シンクの深さの15%〜30%であることが好ましい。
【0010】
また、前記底面部における前記奥壁部と前記一対の側壁部の一方の側壁部との境界部分近傍に設けられ、前記奥壁部よりも奥側に凹むと共に前記第1デッキ部の高さと略等しくなるように隆起する第2デッキ部を更に備えることが好ましい。
【0011】
また、前記第1デッキ部と前記第2デッキ部との間に掛け渡されて配置されるブリッジ部材を更に備えることが好ましい。
【0012】
また、前記第2デッキ部における前記奥壁部よりも奥側に凹んだ凹み部と底面部との間を仕切る仕切り部材を更に備えることが好ましい。
【0013】
また、合成樹脂部材により一体成型されて形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、洗剤やスポンジを配置するためのスペースを確保しつつ、流し台の利用者による作業の利便性を向上できる流し台用シンクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態における流し台用シンクを示す斜視図である。
図2】第1実施形態の流し台用シンクを示す平面図である。
図3図2のA−A線断面図である。
図4図2のB−B線断面図である。
図5図2のC−C線断面図である。
図6】本発明の第2実施形態における流し台用シンクを示す図である。
図7】第2実施形態の流し台用シンクを示す平面図である。
図8図7のD−D線断面図である。
図9図7のE−E線断面図である。
図10】第2実施形態における変形例1を示す部分斜視図である。
図11】第2実施形態における変形例2を示す部分斜視図である。
図12】第3実施形態における第2デッキ部の部分斜視図である。
図13】第3実施形態の第2デッキ部の仕切りを解除した状態を示す図である。
図14】第3実施形態における変形例3を示す部分斜視図である。
図15】変形例3の仕切りを解除した状態を示す図である。
図16】第3実施形態における変形例4を示す部分斜視図である。
図17】本発明の第4実施形態における流し台用シンクを示す図である。
図18】第4実施形態の流し台用シンクを示す平面図である。
図19図18のF−F線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施系形態の流し台用シンク1を示す斜視図である。図2は、第1実施形態の流し台用シンク1を示す平面図であり、水栓3及び蓋部材12を省略して示した図である。図3は、図2のA−A断面図である。図4は、図2のB−B断面図である。図5は、図2のC−C断面図である。
第1実施形態の流し台用シンク1は、台所や洗面所等に配置される流し台100の一部を構成する。より具体的には、流し台100は、流し台本体としてのカウンター10と、流し台用シンク1と、水栓3と、を備える。
【0017】
カウンター10は、上面10aが床面から所定の高さに位置すると共に、この上面10aが略水平となるように構成される。このカウンター10の上面10aには、流し台用シンク1が収容可能な開口部(図示せず)が形成される。
流し台用シンク1は、カウンター10に形成された開口を塞ぐように配置される。この流し台用シンク1は、図1に示すように、シンク本体11と、蓋部材12と、を備える。
【0018】
シンク本体11は、上面が開口した略直方体形状に構成される。シンク本体11は、図1及び図2に示すように、底面部13と、前壁部14と、奥壁部15と、一対の側壁部16と、上面部17と、排水部18と、第1デッキ部5と、を有する。
【0019】
底面部13は、シンク本体11の底面を構成し、平面視において矩形形状に形成される。底面部13の上面は、図3及び図4に示すように、平坦面となっており、流し台100を利用する利用者が立つ手前側FSから奥側BSに向かってわずかに下り傾斜している。また、底面部13は、図5に示すように、手前側FS及び奥側BSにおける一端及び他端側から中心側に向かってわずかに下り傾斜している。
本実施形態では、底面部13は、平面視において、手前側FSと奥側BSとをつなぐ方向である奥行き方向D1が短く、奥行き方向に直交する幅方向D2が長い矩形形状に構成される。
【0020】
前壁部14は、底面部13の手前側FSに位置し、底面部13から起立している。奥壁部15は、前壁部14に対向する奥側BSにおいて底面部13から起立している。一対の側壁部16は、前壁部14及び奥壁部15を繋ぐように底面部13から起立している。一対の側壁部16は、前壁部14及び奥壁部15に対して略直交する方向に延びている。前壁部14及び一対の側壁部16の上端は、図1及び図2に示すように、外方に向かって屈曲されており、この屈曲された部分がカウンター10の開口に嵌合可能に構成されている。前壁部14、奥壁部15及び一対の側壁部16は、シンク本体11における外形の寸法を規定する。例えば、シンク本体11は、長手方向が55〜90cm、短手方向が45〜60cm、高さが17cm〜22cmの寸法を有する。
【0021】
上面部17は、奥壁部15の上端から外方に向かって略水平に延びる。上面部17における幅方向D2の中央部あたりには、水栓3を取り付ける水栓取り付け穴17aが形成されている。また、上面部17の外方の縁は、カウンター10の開口部に嵌合可能に構成されている。
【0022】
排水部18は、底面部13の奥壁部15側における幅方向D2の中央部に設けられている。排水部18は、窪み部181と、排水穴182と、を備える。窪み部181は、底面部13の一部が下方に窪んで形成される。排水穴182は、窪み部181の底面の一部に形成される。この排水穴182には、排水管(図示せず)が接続される。
【0023】
第1デッキ部5は、図1に示すように、底面部13における前壁部14側で、前壁部14と一対の側壁部16との境界部分近傍にそれぞれ設けられている。第1デッキ部5は、前壁部14と側壁部16とが交わる角部において、底面部13から所定の高さ隆起して形成されている。第1デッキ部5は、平面視で略三角形状であり、その上面51は略平面状に形成される。図4に示すように、第1デッキ部5の底面部13から上面51までの高さH1は、シンク本体11の深さH2の15〜30%である。例えば、第1デッキ部5の高さH1は、好ましくは、3cm〜6cmである。また、第1デッキ部5の前壁部14及び側壁部16に沿う側縁52の長さL1は、14cm〜18cmであり、第1デッキ部5は略二等辺三角形に形成されている。ここで、シンク本体11の深さH2とは、底面部13と排水部18との境界からシンク本体11の上端までの間の距離を指す。また、第1デッキ部5の高さH1とは、底面部13と排水部18との境界から水平に延びる仮想線Kと、第1デッキ部5の上面51との間の距離を指す。
【0024】
以上のシンク本体11は、シートモールディングコンパウンド(Sheet Molding Compound)や、バルクモールディングコンパウンド(Bulk Molding Compound)等の合成樹脂製の成形材料を用いて、熱圧成形(所定の高温高圧下で行われるプレス成形法)や、真空成形、注型法、ハンドレイアップ法等により成形される。
【0025】
蓋部材12は、シンク本体11における排水部18を塞ぐと共に、取り外し可能に設けられる。蓋部材12は、シンク本体11と同じ材料又は他の合成樹脂、金属等により製造される。
【0026】
水栓3は、水栓取り付け穴17aを挿通するように取り付けられる。この水栓3は、シンク本体11の上面部17から上方に延びている。水栓3の下端部は、流し台100の取り付けられる壁面から引き込まれた水道管(図示せず)に接続されている。水栓3は、シンク本体11の内方に向かって延びる蛇口部31を有する。
【0027】
第1実施形態の流し台用シンク1によれば、以下のような作用効果を奏する。
【0028】
(1)流し台用シンク1では、利用者の立ち位置と作業の利便性との関係から、奥側BSに広いスペースが求められる。そこで、第1デッキ部5を、底面部13における前壁部14側に設けた。これにより、手前側FSに設けた第1デッキ部5に洗剤やスポンジ等の小物を配置できるので、流し台用シンク1の奥側BSに広いスペースを確保できる。よって、洗剤やスポンジを配置するためのスペースを確保しつつ、流し台100の利用者による作業の利便性を向上できる。
【0029】
(2)第1デッキ部5を、前壁部14と前記一対の側壁部16との境界部分近傍にそれぞれ設けた。これにより、複数の小物を第1デッキ部5に配置できる。また、流し台100の利用者が右利きであっても左利きであっても、利き手で使う小物を第1デッキ部5に配置できるので、流し台100の利用者による作業の利便性をより向上できる。
【0030】
(3)第1デッキ部5の高さを、流し台用シンク1の深さの15%〜30%に形成した。これにより、第1デッキ部5に小物を置いた場合、置いた小物がシンク本体11の上端を越えにくく、シンク本体11の内側に納まりやすい。よって、シンク本体11の周りのスペースを広くとることができる。また、利用者が流し台100の手前側FSで作業をしやすい。
【0031】
(4)シンク本体11を、合成樹脂部材により一体成型して形成した。これにより、第1デッキ部5のような変形箇所を容易に成形することができる。
【0032】
(5)底面部13を、前壁部14から奥壁部15側に向かって緩やかに傾斜させた。また、底面部13を、一対の側壁部16から排水部18側に向かって緩やかに傾斜させた。流し台100の利用者は、主に底面部13の中央から奥壁部15側で食器等の洗浄を行うので、底面部13の手前側FSにはあまり水がかからない。更に、底面部13を奥壁部15側に向かって緩やかに傾斜させたので、水栓3から流した水を前壁部14側、特に、第1デッキ部5が設けられた前壁部14と一対の側壁部16とが交わる隅の部分により水を届きづらくできる。よって、第1デッキ部5に配置した洗剤やスポンジ等に、ゆすぎ等で汚れた水をかかりにくくできるので衛生的である。
【0033】
次に、本発明の第2実施形態に係る流し台用シンク1Aについて、図6〜9を参照しながら説明する。図6は、第2実施形態の流し台用シンク1Aを示す斜視図である。図7は、第2実施形態における流し台用シンクを示す平面図である。図7において、水栓3及び蓋部材12は省略されている。図8は、図7のD−D断面図である。図9は、図7のE−E断面図である。
尚、第2実施形態以降の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
【0034】
第2実施形態の流し台用シンク1Aは、主として、シンク本体11が凹み部9及び第2デッキ部6を有する点において、第1実施形態と異なる。
【0035】
凹み部9は、奥壁部15の一部が更に奥側BSに凹んで形成される。凹み部9は、図6及び7に示すように、奥壁部15と側壁部16の境界部近傍に形成される。
【0036】
第2デッキ部6は、図8及び図9に示すように、シンク本体11における一対の側壁部16のうち一方の側壁部16側で、奥壁部15とこの一方の側壁部16の境界部近傍に設けられる。本実施形態では、第2デッキ部6は、凹み部9に設けられる。
第2デッキ部6は、平面視で略矩形形状を有する。
【0037】
第2デッキ部6は、底面部13から隆起している。図8に示すように、第2デッキ部6の上面61の高さH3は、第1デッキ部5の上面51の高さH2と略等しくなるように形成されている。第2デッキ部6の上面61は平面状に形成され、ほぼ水平面となっている。
【0038】
次に、図10及び図11により、第2実施形態の流し台用シンク1Aの変形例について説明する。図10は、第2実施形態の流し台用シンク1Aの変形例1の部分斜視図である。変形例1の流し台用シンク1Aは、第1デッキ部5と第2デッキ部6との間に掛け渡されて配置されるブリッジ部材としての水切りかご71を更に備える。
【0039】
水切りかご71は、細長い棒状の部材が長手方向及び短手方向において互いに交差する網状のかごである。水切りかご71は、長手方向における一端部及び他端部が第1デッキ部5の上面51及び第2デッキ部6の上面61の上にそれぞれ載置されて掛け渡される。水切りかご71は、側壁部16の長さよりもわずかに短い側縁と、第2デッキ部6の長手方向の側縁62よりもわずかに短い側縁とを有する。水切りかご71は、長手方向に延びる側縁が側壁部16に沿うように配置される。
【0040】
図11は、流し台用シンク1Aにおける変形例2の部分斜視図である。変形例2の流し台用シンク1Aは、ブリッジ部材として水切り板72を備える。水切り板72は、長方形の板部材に、複数の貫通穴72aが設けられて形成されている。貫通穴72aは、板部材の全面に等間隔で設けられている。水切り板72は、水切りかご71と同様に、第1デッキ部5及び第2デッキ部6に掛け渡し可能な寸法を備える。
【0041】
以上の水切りかご71及び水切り板72の材質は、合成樹脂、ステンレス、金属にビニルコーティングを施したもの等、公知の材質であってよい。
【0042】
第2実施形態の流し台用シンク1Aによれば、上述した(1)〜(5)の作用効果を奏する他、以下のような作用効果を奏する。
【0043】
(6)奥壁部15よりも奥側に凹むと共に第1デッキ部5の高さと略等しくなるように隆起する第2デッキ部6を設けた。これにより、奥壁部15よりも更に奥まった部分に小物等を置くことができる。よって、流し台用シンク1Aに十分な作業スペースを確保することができる。
【0044】
(7)第1デッキ部5と第2デッキ部6との間に掛け渡されて配置されるブリッジ部材を設けた。水切りかご71を掛け渡した場合、水切りかご71が底面部13から隆起する第1デッキ部5及び第2デッキ部6の上に載置される。これにより、洗い終わった食器等を水切りかご71に置いても、食器等がカウンター10の上から大きくはみ出さず、場所をとりにくい。よって、シンク本体11の周りで広いスペースを生むことができる。
また、そばやうどん等の麺類や、菜っ葉類を茹でた後、水切りかご71の上に茹でた麺類や菜っ葉類を入れたかごを置くと、水切りかご71と底面部13との間がわずかしか離れていないため、かごから垂れる茹で水が跳ねにくい。更に、麺類や菜っ葉類を入れたかごを底面部13に直に置くことなく水が切れるので、衛生的である。
【0045】
水切り板72を掛け渡した場合も、水切りかご71とほぼ同様の作用効果が奏される。水切り板72は、水切りかご71と比較して厚みがあるので、水切りかご71よりも大きな荷重に耐えることができる。
【0046】
次に、本発明の第3実施形態に係る流し台用シンク1Bについて、図12〜16を参照しながら説明する。図12は、流し台用シンク1Bにおける第2デッキ部6の部分斜視図である。図13は、図12の流し台用シンク1Bにおいて、仕切り部材8を移動させて仕切りを解除した状態を示す図である。
【0047】
第3実施形態の流し台用シンク1Bは、凹み部9と底面部13との間を、底面部13に対して略垂直方向に仕切る仕切り部材8を備える点において、第2実施形態と異なる。
【0048】
仕切り部材8は、水平方向に移動可能な細長部材81と、この細長部材81を奥壁部15に留める留め具82により構成される。細長部材81は、互いに平行に延びる二本の細い棒状の部材により構成される。細長部材81は、長手方向の一方及び他方で二本の棒状の部材が繋がるように形成されており、細長部材81の長手方向における端部はU字状に形成されている。留め具82は、奥壁部15に固定されると共に、両端が細長部材81のスライド方向に開口した筒状に形成されている。留め具82は、筒の内部に、棒状の部材の一方と他方がスライドする部分を2室に分ける境界部82aを有する。境界部82aは、細長部材81がスライドした際にU字状の部分を留めるように構成されている。
【0049】
細長部材81を第2デッキ部6が設けられている側の側壁部16の方へスライドさせると、図12に示すように、凹み部9と底面部13との間を、底面部13に対して略垂直方向に仕切ることができる。また、細長部材81を第2デッキ部6が設けられている側の側壁部16から遠ざけるようにスライドさせると、図13に示すように、凹み部9と底面部13との間の仕切りを解除することができる。
【0050】
図14は、流し台用シンク1Bにおける変形例3の部分斜視図である。図15は、変形例3の使用の状態を示す図である。変形例3の仕切り部材8は、板状の部材83と、この板状の部材83を周方向に移動可能に奥壁部15に留める軸部84により構成される。板状の部材83は、一方の端部側において、軸部84に回転可能に嵌合する。板状の部材83は、軸部84に水平方向から垂直方向に90度回転できるように留められる。
【0051】
板状の部材83を水平方向に向くように回転させると、図14に示すように、凹み部9と底面部13との間を、底面部13に対して略垂直方向に仕切ることができる。また、板状の部材83を略垂直方向に回転させると、図15に示すように、凹み部9と底面部13との間の仕切りを解除することができる。
【0052】
図16は、流し台用シンク1Bの変形例4の部分斜視図である。変形例4の仕切り部材8は、板部材86により構成される。板部材86は、一端が奥壁部15に、他端が第2デッキ部6が設けられている側の側壁部16に固定される。板部材86によれば、凹み部9と底面部13との間を、底面部13に対して略垂直方向に仕切ることができる。
【0053】
第3実施形態の流し台用シンク1Bによれば、上述した(1)〜(7)の作用効果を奏する他、以下のような作用効果を奏する。
【0054】
(8)第2デッキ部6における奥壁部15よりも奥側に凹んだ凹み部9と底面部13との間を仕切る仕切り部材8を設けた。これにより、第2デッキ部6に、洗剤や歯ブラシ等の、縦長で、立てて収納する小物を置いた際、仕切り部材8により小物の転倒が防止される。よって、安定して縦長の小物を立てて置くことができる。
また、第2デッキ部6に、石鹸等、滑りやすい小物を置いた際にも、仕切り部材8により第2デッキ部6に置いた物が底面部13に落ちることを防止できる。
【0055】
次に、本発明の第4実施形態に係る流し台用シンク1Cについて、図17〜19を参照しながら説明する。図17は、第4実施形態の流し台用シンク1Cを示す斜視図である。図18は、第4実施形態における流し台用シンクを示す平面図である。図18において、水栓3及び蓋部材12は省略されている。図19は、図18のF−F線断面図である。
【0056】
第4実施形態の流し台用シンク1Cは、主として、第1デッキ部5Cが前壁部14に沿って設けられている点で第2実施形態と異なる。図18及び図19に示すように、第4実施形態の流し台用シンク1Cは、第2実施形態と同様に第2デッキ部6を有している。
【0057】
第1デッキ部5Cは、流し台用シンク1Cの前壁部14において、一方の側壁部16側から他方の側壁部16側に延びるように形成されている。第1デッキ部5Cは、前壁部14から水平に延びる上面51と、上面51の奥側で前壁部14の延びる方向に沿う側縁53を有する。第1デッキ部5Cは、図18に示すように、上面51における前壁部14から側縁53までの奥行き方向D1の長さL2が、第2デッキ部6の上面61における奥行き方向の長さL3よりも短くなるように形成されている。
【0058】
第1デッキ部5Cは、第1デッキ部5の上面51の高さH2と、第2デッキ部6の上面61の高さH3とが、略等しくなるように形成されている。第1デッキ部5Cは、上面51と第2デッキ部6の上面61とが略同一の水平面上となるように形成されている。
【0059】
第2デッキ部6は、第4実施形態では、流し台用シンク1Cの幅方向D2における両側に、左右対称に二つ設けられている。
【0060】
第4実施形態の流し台用シンク1Cによれば、上述した(1)〜(8)の作用効果を奏する他、以下のような作用効果を奏する。
【0061】
(9)第1デッキ部5Cを前壁部14に沿って設けると共に、第2デッキ部6を流し台用シンク1Cの幅方向D2における両側に設けた。これにより、水切りかご71や水切り板72を流し台用シンク1Cの両側に配置することができる。また、利用者の利用しやすい方を選んで一方に配置することができる。
【0062】
(10)第1デッキ部5Cの上面51における奥行き方向の長さL2を、第2デッキ部6の上面61における奥行き方向の長さL3よりも短く構成した。これにより、第2デッキ部6の上面61と、第1デッキ部5Cの上面51とに水切りかご71等を掛け渡した場合でも、水切りかご71から落ちた水が、第2実施形態と比べて底面部13に落ちやすく、水が切りやすい。
【0063】
以上、本発明の好ましい各実施形態について説明したが、本発明は、上述した各実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、第1実施形態〜第4実施形態では、第1デッキ部5の上面51及び第2デッキ部6の61を平坦面により構成したが、これに限らない。即ち、第1デッキ部の上面及び第2デッキ部の上面に、半球状の複数の凸部を設けてもよい。これにより、第1デッキ部の上面及び第2デッキ部の上面に置いた小物が滑ることを防げる。
【0064】
また、第1実施形態〜第4実施形態では、シンク本体11をSMC又はBMC等の樹脂部材により構成したが、これに限らない。即ち、シンク本体をステンレス等の金属部材を成形して構成してもよい。
【0065】
また、第1実施形態〜第4実施形態では、シンク本体11は略直方体のものとして説明したが、これに限らない。シンク本体は前壁部側に第1デッキ部5を設けることが可能であれば、略立方体、略楕円形、複数の曲線からなる瓢箪形状等、所望の形状であってよい。
【符号の説明】
【0066】
1、1A、1B、1C 流し台用シンク
5、5C 第1デッキ部
6 第2デッキ部
7 ブリッジ部材
8 仕切り部材
9 凹み部
13 底面部
14 前壁部
15 奥壁部
16 側壁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
図16
図17
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