特許第6054654号(P6054654)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6054654
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】レーザービームを用いた歩行者警告方法
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/24 20060101AFI20161219BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   B60Q1/24 A
   G08G1/16 C
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-145441(P2012-145441)
(22)【出願日】2012年6月28日
(65)【公開番号】特開2013-124092(P2013-124092A)
(43)【公開日】2013年6月24日
【審査請求日】2015年5月19日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0134139
(32)【優先日】2011年12月14日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】閔 庚 務
(72)【発明者】
【氏名】劉 キョン 虎
(72)【発明者】
【氏名】張 ユン 豪
(72)【発明者】
【氏名】任 成 修
(72)【発明者】
【氏名】李 熙 承
(72)【発明者】
【氏名】金 鎭 學
(72)【発明者】
【氏名】崔 恩 眞
【審査官】 丹治 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−157023(JP,A)
【文献】 特開2011−218826(JP,A)
【文献】 特開2010−095048(JP,A)
【文献】 特開2010−264912(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/00 − 1/56
G08G 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)に備えられた前方センサー(13)の検出領域(15)内に存在する物体を検出する段階
前記検出領域(15)内に存在する物体の中で車両(1)と同一方向に移動する第1移動物体(16)の移動経路ベクトル(V1、vector)を生成する段階
前記第1移動物体(16)の移動経路ベクトル(V1)の向きが車両移動ベクトル(V2)の向きの誤差範囲内に存在すれば、レーザー警告候補群に指定した後、レーザービームの出力角度を生成する段階と、
生成された前記レーザービームの出力角度に基づいてレーザーライト(11)からレーザービーム(12)を出力する段階、を含み、
前記検出領域(15)内に存在する物体の中で車両(1)の移動方向とは違う方向に移動する第2移動物体(17)及び固定物体(18)はレーザー警告除外候補群に指定することを特徴とするレーザービームを用いた歩行者警告方法。
【請求項2】
前記第1移動物体(16)の移動経路ベクトル(V1)の向きが車両移動ベクトル(V2)の向きに対して±10度(°)の範囲内に存在すれば、レーザー警告候補群に指定し、
前記±10度(°)の範囲外に存在すれば、レーザー警告除外候補群に指定することを特徴とする請求項1に記載のレーザービームを用いた歩行者警告方法。
【請求項3】
前記レーザーライト(11)から出力される前記レーザービーム(12)は前記第1移動物体(16)が移動する方向に前記第1移動物体(16)の前方の路面に投射されることを特徴とする請求項1に記載のレーザービームを用いた歩行者警告方法。
【請求項4】
前記レーザービーム(12)の出力角度は下記の数1及び数2によって生成されることを特徴とする請求項に記載のレーザービームを用いた歩行者警告方法。
[数1]
θ1=arctan((Y1+Y2)/(X1+X2))
[数2]
θ2=arctan((H1)/(X1+X2))
前記θ1はレーザーライト(11)の左右方向回転角、θ2はレーザーライト(11)の上下方向回転角、X1は前方センサー(13)と第1移動物体(16)の間隔、X2は第1移動物体(16)とレーザービームが投射される地点(14)の間隔、H1は路面からレーザーライト(11)までの高さ、Y1は車両(1)の前方中心部と第1移動物体(16)の中心部の間隔、Y2は車両(1)の前方中心部とレーザーライト(11)の間隔である。
【請求項5】
前記レーザー警告候補群に指定した前記第1移動物体(16)以外に新しい新規移動物体(19)が前記検出領域(15)内に存在すれば、前記新規移動物体(19)の移動経路ベクトル(V3)を生成する段階、及び
前記新規移動物体(19)の移動経路ベクトル(V3)の向きが前記車両移動ベクトル(V2)の向きの誤差範囲内に存在すれば、レーザー警告候補群に指定し、前記車両移動ベクトル(V2)の向きの誤差範囲内に存在しなければ、前記新規移動物体(19)をレーザー警告除外候補群に指定する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のレーザービームを用いた歩行者警告方法。
【請求項6】
前記新規移動物体(19)の移動経路ベクトル(V3)の向きが前記車両移動ベクトル(V2)の向きに対して±10度(°)の範囲内に存在すれば、レーザー警告候補群に指定し、
前記±10度(°)の範囲外に存在すれば、レーザー警告除外候補群に指定することを特徴とする請求項に記載のレーザービームを用いた歩行者警告方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレーザービームを用いた歩行者警告方法に係り、より詳しくは、車両が移動する前方に歩行者がいる場合、レーザービームを用いて歩行者に警告することができるレーザービームを用いた歩行者警告方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示すように、車両1が進行する前方に歩行者2がいる場合、これまでは運転者が車両1に備えられた警音器(horn)を作動させて音を発生させていた。
しかし、住宅街や学校などのように、周囲が静かな地域で警音器を作動させれば、騷音による被害を与えることになり、特に歩行者の立場で高音の警笛音を聞くことになればストレスを受ける欠点がある。
【0003】
また、地域的特性によって、特定の区間では道交法によって警音器を操作することができないように規制している。このような地域では、車両が進行している状態であることを歩行者に知らせる方法がない。
車両の技術が急激に発展するにつれて車両の走行騷音は格段に減っており、特に電気車のような環境に優しい車両が普及している状況では警音器以外の方法で歩行者に警告をすることが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2007−503004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記問題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、歩行者の前方路面にレーザービームを投射して、歩行者に車両が進行していることを知らせるレーザービームを用いた歩行者警告方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のレーザービームを用いた歩行者警告方法は、車両に備えられた前方センサーの検出領域内に存在する物体を検出する段階、検出領域内に存在する物体の中で車両と同一方向に移動する第1移動物体の移動経路ベクトルを生成する段階、第1移動物体の移動経路ベクトルの向きが車両移動ベクトルの向きの誤差範囲内に存在すれば、レーザー警告候補群に指定した後、レーザービームの出力角度を生成する段階、及び生成されたレーザービームの出力角度に基づいてレーザーライトからレーザービームを出力する段階、を含むことを特徴とする。
【0007】
前記検出領域内に存在する物体の中で車両の移動方向とは違う方向に移動する第2移動物体及び固定物体に対してはレーザー警告除外候補群に指定することを特徴とする。
【0008】
前記第1移動物体の移動経路ベクトルの向きが車両移動ベクトルの向きに対して±10度(°)の範囲内に存在すれば、レーザー警告候補群に指定し、±10度(°)の範囲外に存在すれば、レーザー警告除外候補群に指定することが好ましい
【0009】
レーザーライトから出力されるレーザービームは第1移動物体が移動する方向に第1移動物体の前方の方路面に投射されることを特徴とする。
【0010】
レーザービームの出力角度は下記の数1及び数2によって生成されることが好ましい
[数1]
θ1=arctan((Y1+Y2)/(X1+X2))
[数2]
θ2=arctan((H1)/(X1+X2))
θ1はレーザーライトの左右方向回転角、θ2はレーザーライトの上下方向回転角、X1は前方センサーと第1移動物体の間隔、X2は第1移動物体とレーザービームが投射される地点の間隔、H1は路面からレーザーライトまでの高さ、Y1は車両の前方中心部と第1移動物体の中心部の間隔、Y2は車両の前方中心部とレーザーライトの間隔である。
【0011】
前記レーザー警告候補群に指定した第1移動物体以外に新しい新規移動物体が検出領域内に存在すれば、新規移動物体の移動経路ベクトルを生成する段階、及び新規移動物体の移動経路ベクトルの向きが車両移動ベクトルの向きの誤差範囲内に存在すれば、レーザー警告候補群に指定し、車両移動ベクトルの向きの誤差範囲内に存在しなければ、新規移動物体をレーザー警告除外候補群に指定する段階をさらに含むことが好ましい
【0012】
前記新規移動物体の移動経路ベクトルの向きが車両移動ベクトルの向きに対して±10度(°)の範囲内に存在すれば、レーザー警告候補群に指定し、±10度(°)の範囲外に存在すれば、レーザー警告除外候補群に指定することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によるレーザービームを用いた歩行者警告方法によれば、歩行者の前方路面にレーザービームを投射することで歩行者に不快感を与えずに歩行者に車両が進行していることを知らせる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】警音器を用いて歩行者に警告する従来の方法を説明する図である。
図2】本発明によるレーザービームを用いた歩行者警告方法を説明する図である。
図3】本発明によるレーザービームを用いた歩行者警告方法を説明する図である。
図4】本発明によるレーザービームを用いた歩行者警告方法を説明する図である。
図5】本発明によるレーザービームを用いた歩行者警告方法を説明する図である。
図6】本発明によるレーザービームを用いた歩行者警告方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施例によるレーザービームを用いた歩行者警告方法について説明する。
本発明は、図2に示すように、車両1に備えられたレーザーライト11を用いて、車両1が移動する前方に歩行者2がいる場合、歩行者2が移動する方向の前方路面にレーザービーム12を投射することで、歩行者2が車両1が近付いていることが分かるように警告する技術である。
このために、車両1の前方中央部には物体を検出することができる前方センサー13が備えられる。前方センサー13には一例として歩行者2との距離を測定することができる距離測定センサー(Laser Scanner、Radar)を使う。
【0016】
そして、レーザーライト11は車両1の前方左右側部にヘッドライトとともに装着されることが好ましく、通常多様な色相を持ち透視が可能であり、消費電力が低いレーザーダイオード(Laser Diode)を使うことが好ましい。
また、レーザーライト11は左右方向への回転及び上下方向への回転ができるように構成される。
そして、車両1には、前方センサー13の信号に基づいてレーザーライト11の作動を制御することができる機能を有するコントローラー(図示せず)が備えられる。
図2に示す未説明符号14は路面にレーザービーム12が投射される地点である。
【0017】
以下、本発明によるレーザービームを用いた歩行者警告方法について図3図5を参照してより詳細に説明する。
車両レーザーライトシステムが作動すれば、まず車両1の前方に装着された前方センサー13が作動して検出領域15内に存在する物体を検出する(段階S1)。
検出領域15内に存在する物体には大別して車両1と同一方向に移動する移動物体16、車両1とは違う方向に移動する第2移動物体17、そして移動がない固定物体18がある。
本発明において、第1,第2移動物体16、17は動きがある歩行者であり、固定物体18は動きがない障害物を意味する。
【0018】
前方センサー13が物体を検出すれば、物体が車両1と同一方向に移動するかどうかを判断する(段階S2)。この際、物体の中で車両1と同一方向に移動する移動物体16があると、移動物体16の移動経路ベクトル(V1、vector)を生成する(段階S3)。
そして、検出領域15内に存在する物体の中で車両1の移動方向とは違う方向に移動する移動物体17及び固定物体18に対してはレーザー警告除外候補群に指定する。
【0019】
一方、移動物体16の移動経路ベクトル(V1)の向きが車両1が進行する移動ベクトル(V2)の向きの誤差範囲内に存在するかどうかを判断したとき(段階S4)、移動物体16の移動経路ベクトル(V1)の向きが車両1が進行する移動ベクトル(V2)の向きの誤差範囲内に存在すると判断すれば、移動物体16をレーザー警告候補群に指定し、(段階S5)、車両1の移動ベクトル(V2)の向きの誤差範囲の外に存在すると判断すれば、レーザー警告除外候補群に指定する(段階S6)。より詳細に説明すれば、移動物体16の移動経路ベクトル(V1)の向きが車両移動ベクトル(V2)の向きに対して±10度(°)の範囲内に存在すれば、レーザー警告候補群に指定し、±10度(°)の範囲外に存在すれば、レーザー警告除外候補群に指定する。
【0020】
車両移動ベクトル(V2)の向きに対する誤差範囲±10度(°)は必要によって多様な角度にチューニング可能であるが、±10度(°)の誤差範囲を外れると、レーザーライトシステムの正確性が格段に落ちるおそれがあるから誤差範囲を維持することが好ましい。そして、前記のように、レーザー警告除外候補群に指定された物体に対してはレーザービームを投射しない。移動物体16がレーザー警告候補群に指定されてからは、レーザービーム12を出力する前に検出領域15に新たに移動する新規移動物体19が存在するかどうかをもう一度検出する(段階S7)。
【0021】
この際、検出領域15に新たに移動する新規移動物体19が存在しないと判断すれば、レーザービーム12を出力するための出力角度を生成し(段階S8)、生成されたレーザービームの出力角度に基づいてレーザーライト11からレーザービーム12を出力する(段階S9)。
レーザーライト11から出力されるレーザービーム12は移動物体16が移動する方向に移動物体16の前方の路面に投射されることが好ましい。
移動物体16の後方または側方の路面にレーザービーム12が投射されると、歩行者がこれを把握することができない欠点があり、移動物体16に直接レーザービーム12が投射されると、歩行者に不快感を与える。
【0022】
そして、レーザービームの出力角度は、図6に示すように、下記の数1及び数2によって生成される。
[数1]
θ1=arctan((Y1+Y2)/(X1+X2))
[数2]
θ2=arctan((H1)/(X1+X2))
ここで、θ1はレーザーライト11の左右方向回転角、θ2はレーザーライト11の上下方向回転角、X1は前方センサー13と移動物体16の間隔、X2は移動物体16とレーザービーム12が投射される地点14の間隔、H1は路面からレーザーライト11までの高さ、Y1は車両1の前方中心部と移動物体16の中心部の間隔、Y2は車両1の前方中心部とレーザーライト11の間隔である。
【0023】
一方、移動物体16がレーザー警告候補群に指定された後、検出領域15に新たに移動する新規移動物体19が存在すれば、新規移動物体19の移動経路ベクトル(V3)を生成することになり(段階S10)、新規移動物体19の移動経路ベクトル(V3)の向きが車両移動ベクトル(V2)の誤差範囲内に存在すれば(段階11)、レーザー警告候補群に指定し(段階S5に復帰)、車両移動ベクトル(V2)の向きの誤差範囲内に存在しなければ、新規移動物体19をレーザー警告除外候補群に指定する(段階S6に復帰)。ここで、新規移動物体19に対する誤差範囲も移動物体16と同様に車両移動ベクトル(V2)の向きに対して±10度(°)の範囲で設定することが好ましい。以上説明した通り、本発明による実施例は車両の警音器を用いて歩行者に警告するものではなく、レーザーライト11から投射されるレーザービーム12を用いて歩行者に警告する方法であるため、歩行者に不快感を与えなくてすむ利点があり、その上電気車のように騷音が発生しない環境に優しい車両に適用するのに適している。
【0024】
以上、本発明に関する好ましい実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の属する技術分野を逸脱しない範囲での全ての変更が含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、歩行者の前方路面にレーザービームを投射することで、歩行者に車両が進行していることを知らせるレーザービームを用いた歩行者警告方法に利用可能である。
【符号の説明】
【0026】
1 車両
11 レーザーライト
12 レーザービーム
13 前方センサー
15 検出領域
16 第1移動物体
17 第2移動物体
18 固定物体
19 新規移動物体
図1
図2
図3
図4
図5
図6