特許第6054667号(P6054667)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6054667
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20161219BHJP
【FI】
   A63F7/02 320
【請求項の数】2
【全頁数】51
(21)【出願番号】特願2012-164962(P2012-164962)
(22)【出願日】2012年7月25日
(65)【公開番号】特開2014-23633(P2014-23633A)
(43)【公開日】2014年2月6日
【審査請求日】2014年8月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(72)【発明者】
【氏名】山下 裕太
(72)【発明者】
【氏名】星野 研
(72)【発明者】
【氏名】中村 遼太
(72)【発明者】
【氏名】山本 恵輝
(72)【発明者】
【氏名】八木 岳史
【審査官】 貝沼 憲司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−136829(JP,A)
【文献】 特開2009−261738(JP,A)
【文献】 特開2000−140286(JP,A)
【文献】 特開2005−261474(JP,A)
【文献】 特開2010−057725(JP,A)
【文献】 特開2010−035769(JP,A)
【文献】 特開2013−042781(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを表示する表示手段を備え、前記図柄変動ゲームにて大当り表示結果が表示された場合に、特別入賞手段が所定回数開放される大当り遊技が行われる遊技機において、
図柄変動ゲームの始動条件を付与する始動検知手段と、
前記始動検知手段で検知された遊技球を始動保留球として記憶上限数まで記憶する保留記憶手段と、
前記保留記憶手段に記憶された始動保留球に基づく図柄変動ゲームの実行保留回数を報知する報知手段と、
始動保留球に基づく図柄変動ゲームを開始させるときよりも前に図柄変動ゲームの演出内容を事前判定する事前判定手段と、
前記事前判定手段によって遊技者にとって有利な特定演出内容となることが事前判定されたときに、前記特定演出内容となることが事前判定された図柄変動ゲームよりも前に実行される図柄変動ゲームについて予め定めた規定条件を満たすか否かを判定する条件判定手段と、
前記事前判定手段によって前記特定演出内容となることが事前判定されたときに、該事前判定された図柄変動ゲームが前記特定演出内容となることを報知する事前演出を、前記事前判定された図柄変動ゲームが終了するまでの間に前記表示手段に実行させる事前演出制御手段と、を備え、
前記報知手段は、前記表示手段の表示領域において、各始動保留球に基づく図柄変動ゲームに対応する保留画像をそれぞれ表示させ、保留されている図柄変動ゲームが実行される度に、実行された図柄変動ゲームに対応する保留画像を消去するようになっており、
前記条件判定手段によって第1規定条件を満たすと判定された場合、前記事前演出制御手段は、前記事前演出として、前記事前判定された図柄変動ゲームに対応する保留画像の表示態様を、前記特定演出内容となることを報知する特別な表示態様に変化させる保留変化演出を実行させる一方で、
前記条件判定手段によって第2規定条件を満たすと判定された場合、前記事前演出制御手段は、前記事前演出として、前記特定演出内容で行われる図柄変動ゲームまでの残り回数を示す識別情報が記載された特殊保留画像を表示させ、保留されている図柄変動ゲームが実行される度に前記識別情報の内容を更新し、前記残り回数を示す識別情報が規定数となることで前記特定演出内容となることを報知する連続演出を実行させ
前記報知手段は、前記条件判定手段によって前記第2規定条件を満たすと判定された場合、各始動保留球に基づく図柄変動ゲームに対応する保留画像を消去し、前記保留画像が表示されていた表示領域とは異なる表示領域において前記特殊保留画像を表示させ、その後、前記始動検知手段で検知された遊技球については、前記特殊保留画像を表示させた状態で、前記特殊保留画像を表示させた後に記憶された始動保留球に基づく図柄変動ゲームに対応する保留画像を表示させる遊技機。
【請求項2】
図柄変動ゲームの始動条件を付与する始動検知手段と、
前記始動検知手段で検知された遊技球を始動保留球として記憶上限数まで記憶する保留記憶手段と、
前記保留記憶手段に記憶された始動保留球に基づく図柄変動ゲームの実行保留回数を報知する報知手段と、
始動保留球に基づく図柄変動ゲームを開始させるときよりも前に図柄変動ゲームの演出内容を事前判定する事前判定手段と、
前記事前判定手段によって特定演出内容となることが事前判定されたときに、該事前判定された図柄変動ゲームが前記特定演出内容となることを報知する事前演出を、前記事前判定された図柄変動ゲームが終了するまでの間に表示手段に実行させる事前演出制御手段と、を備え、
前記報知手段は、前記表示手段の表示領域において、各始動保留球に基づく図柄変動ゲームに対応する保留画像をそれぞれ表示させ、保留されている図柄変動ゲームが実行される度に、実行された図柄変動ゲームに対応する保留画像を消去するようになっており、
前記事前演出として、前記事前判定された図柄変動ゲームに対応する保留画像の表示態様を、前記特定演出内容となることを報知する特別な表示態様に変化させる第1演出を実行可能であって、
前記事前演出として、前記特定演出内容で行われる図柄変動ゲームまでの残り回数を示す識別情報が記載された特殊保留画像を表示させ、保留されている図柄変動ゲームが実行される度に前記識別情報の内容を更新し、前記残り回数を示す識別情報が規定数となることで前記特定演出内容となることを報知する第2演出を実行可能であり、
前記第2演出は、前記特殊保留画像を表示する際に、保留されている図柄変動ゲームに対応する保留画像を消去し、前記特殊保留画像を表示後に前記始動検知手段で検知された遊技球については、前記特殊保留画像を表示させた状態で、前記特殊保留画像を表示させた後に記憶された始動保留球に基づく図柄変動ゲームに対応する保留画像を表示させる遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、始動検知手段での遊技球の検知を契機として、始動保留球として記憶された遊技球に基づく図柄変動ゲームを開始させるときよりも前に図柄変動ゲームの演出内容を事前判定する事前判定が行われる遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、大当り判定の判定結果に基づき図柄変動ゲームを表示するとともに、この図柄変動ゲームにおいて大当り表示結果を導出させた場合に大入賞口を開放する大当り遊技が付与されるようになっている。そして、このような図柄変動ゲームにおける遊技者の興趣向上を目的として、始動入賞口に遊技球が入球したことを契機として、この入球に基づく図柄変動ゲームの変動内容を事前判定し、事前演出の実行を決定するものがある(例えば、特許文献1)。また、事前演出の実行を決定したときの始動保留球が複数球存在する場合には、大当り演出となる図柄変動ゲームよりも前の図柄変動ゲームから事前演出を実行させる。これにより、遊技者に数回前の図柄変動ゲームから大当りへの期待感を持たせることができ、遊技を継続させる意欲を向上させることができる。
【0003】
特許文献1のパチンコ遊技機では、事前演出として、保留中の図柄変動ゲームを示す保留画像を変化させる保留変化予告が実行されている。具体的には、事前判定した変動内容をもとに選択されたキャラクタ画像(帽子や王冠など)を保留画像に付加することにより、その保留画像に対応する図柄変動ゲームにおける大当り期待度を報知するようになっている。このため、特許文献1のパチンコ遊技機では、保留変化予告の対象とされた図柄変動ゲームにおいて大当りとなることに期待感を抱かせ、その興趣を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−340038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1のパチンコ遊技機では、保留変化予告の演出態様が変わったとしても、保留画像の表示態様は一義的であった。詳しくは、表示装置において始動保留球の記憶数を報知するために、始動保留球の記憶上限数と同一個数の個別表示部位が表示されている。そして、始動保留球が記憶されているときには個別表示部位が白から黒となることで、黒となった個別表示部位の個数から、始動保留球の記憶数が報知されるようになっている。
【0006】
よって、保留変化予告として様々な演出態様が設定されている場合であっても、事前演出の基盤となる保留画像の表示態様が一義的であるため、その変化態様の乏しさから、異なる演出内容の事前演出が実行されたとしても、どの事前演出も代わり映えしないような印象を与え、遊技者に飽きを感じさせてしまう虞があった。
【0007】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、事前演出の演出態様に合わせて保留表示態様を異ならせることで、事前演出に対する興趣の向上を図ることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数種類の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを表示する表示手段を備え、前記図柄変動ゲームにて大当り表示結果が表示された場合に、特別入賞手段が所定回数開放される大当り遊技が行われる遊技機において、図柄変動ゲームの始動条件を付与する始動検知手段と、前記始動検知手段で検知された遊技球を始動保留球として記憶上限数まで記憶する保留記憶手段と、前記保留記憶手段に記憶された始動保留球に基づく図柄変動ゲームの実行保留回数を報知する報知手段と、始動保留球に基づく図柄変動ゲームを開始させるときよりも前に図柄変動ゲームの演出内容を事前判定する事前判定手段と、前記事前判定手段によって遊技者にとって有利な特定演出内容となることが事前判定されたときに、前記特定演出内容となることが事前判定された図柄変動ゲームよりも前に実行される図柄変動ゲームについて予め定めた規定条件を満たすか否かを判定する条件判定手段と、前記事前判定手段によって前記特定演出内容となることが事前判定されたときに、該事前判定された図柄変動ゲームが前記特定演出内容となることを報知する事前演出を、前記事前判定された図柄変動ゲームが終了するまでの間に前記表示手段に実行させる事前演出制御手段と、を備え、前記報知手段は、前記表示手段の表示領域において、各始動保留球に基づく図柄変動ゲームに対応する保留画像をそれぞれ表示させ、保留されている図柄変動ゲームが実行される度に、実行された図柄変動ゲームに対応する保留画像を消去するようになっており、前記条件判定手段によって第1規定条件を満たすと判定された場合、前記事前演出制御手段は、前記事前演出として、前記事前判定された図柄変動ゲームに対応する保留画像の表示態様を、前記特定演出内容となることを報知する特別な表示態様に変化させる保留変化演出を実行させる一方で、前記条件判定手段によって第2規定条件を満たすと判定された場合、前記事前演出制御手段は、前記事前演出として、前記特定演出内容で行われる図柄変動ゲームまでの残り回数を示す識別情報が記載された特殊保留画像を表示させ、保留されている図柄変動ゲームが実行される度に前記識別情報の内容を更新し、前記残り回数を示す識別情報が規定数となることで前記特定演出内容となることを報知する連続演出を実行させ、前記報知手段は、前記条件判定手段によって前記第2規定条件を満たすと判定された場合、各始動保留球に基づく図柄変動ゲームに対応する保留画像を消去し、前記保留画像が表示されていた表示領域とは異なる表示領域において前記特殊保留画像を表示させ、その後、前記始動検知手段で検知された遊技球については、前記特殊保留画像を表示させた状態で、前記特殊保留画像を表示させた後に記憶された始動保留球に基づく図柄変動ゲームに対応する保留画像を表示させることを要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、図柄変動ゲームの始動条件を付与する始動検知手段と、前記始動検知手段で検知された遊技球を始動保留球として記憶上限数まで記憶する保留記憶手段と、前記保留記憶手段に記憶された始動保留球に基づく図柄変動ゲームの実行保留回数を報知する報知手段と、始動保留球に基づく図柄変動ゲームを開始させるときよりも前に図柄変動ゲームの演出内容を事前判定する事前判定手段と、前記事前判定手段によって特定演出内容となることが事前判定されたときに、該事前判定された図柄変動ゲームが前記特定演出内容となることを報知する事前演出を、前記事前判定された図柄変動ゲームが終了するまでの間に表示手段に実行させる事前演出制御手段と、を備え、前記報知手段は、前記表示手段の表示領域において、各始動保留球に基づく図柄変動ゲームに対応する保留画像をそれぞれ表示させ、保留されている図柄変動ゲームが実行される度に、実行された図柄変動ゲームに対応する保留画像を消去するようになっており、前記事前演出として、前記事前判定された図柄変動ゲームに対応する保留画像の表示態様を、前記特定演出内容となることを報知する特別な表示態様に変化させる第1演出を実行可能であって、前記事前演出として、前記特定演出内容で行われる図柄変動ゲームまでの残り回数を示す識別情報が記載された特殊保留画像を表示させ、保留されている図柄変動ゲームが実行される度に前記識別情報の内容を更新し、前記残り回数を示す識別情報が規定数となることで前記特定演出内容となることを報知する第2演出を実行可能であり、前記第2演出は、前記特殊保留画像を表示する際に、保留されている図柄変動ゲームに対応する保留画像を消去し、前記特殊保留画像を表示後に前記始動検知手段で検知された遊技球については、前記特殊保留画像を表示させた状態で、前記特殊保留画像を表示させた後に記憶された始動保留球に基づく図柄変動ゲームに対応する保留画像を表示させることを要旨とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、事前演出の演出態様に合わせて保留表示態様を異ならせることで、事前演出に対する興趣の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】遊技盤を示す正面図。
図2】大当りの種類を説明する説明図。
図3】演出モードの移行態様を示す模式図。
図4】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
図5】(a)は、個別表示態様で表示される保留画像表示領域を示す模式図、(b)は、数字表示態様で表示される保留画像表示領域を示す模式図。
図6】はずれ時に参照される演出グループ振分テーブルを説明する説明図。
図7】当り時に参照される演出グループ振分テーブルを説明する説明図。
図8】通常モード及び第1潜確モード設定時に参照される変動パターン振分テーブルを説明する説明図。
図9】第2潜確モード及び確定モード設定時に参照される変動パターン振分テーブルを説明する説明図。
図10】特別図柄入力処理の流れを示すフローチャート。
図11】先読みコマンド設定処理の流れを示すフローチャート。
図12】先読みコマンドの種類、及び先読みコマンドで特定される特定内容を説明する説明図。
図13】演出設定処理の流れを示すフローチャート。
図14】演出実行処理の流れを示すフローチャート。
図15】保留変化演出の流れを示すタイミングチャート。
図16】カウントダウン演出の流れを示すタイミングチャート。
図17】第2実施形態における保留変化演出の流れを示すタイミングチャート。
図18】第3実施形態における変動パターン振分テーブルを説明する説明図。
図19】第3実施形態における保留変化演出の流れを示すタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機に具体化した第1実施形態を図1図16に従って説明する。
【0014】
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示手段としての演出表示装置11が装着されている。
また、演出表示装置11の左下方には、7セグメント型の特別図柄表示装置12が配設されている。特別図柄表示装置12では、特別図柄(以下、「特図」と示す)を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特図は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。以下、特別図柄表示装置12の図柄変動ゲームを「特図変動ゲーム」と示す。
【0015】
特別図柄表示装置12には、複数種類の特図の中から、大当り抽選の抽選結果に応じて選択された特図が、特図変動ゲームの終了によって確定停止表示される。複数種類の特図は、大当りを認識し得る図柄となる大当り図柄(大当り表示結果に相当する)と、はずれを認識し得る図柄となるはずれ図柄とに分類される。大当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。
【0016】
また、演出表示装置11には、図柄列毎に複数種類の飾り図柄(飾図)が表示される。そして、各図柄列は、図柄変動ゲームが開始すると、所定の変動方向に図柄の変動(縦スクロール変動)が開始される。
【0017】
演出表示装置11は、特別図柄表示装置12に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示される。このため、遊技者は、演出表示装置11に確定停止表示された飾図から大当り又ははずれを認識し得る。そして、演出表示装置11には、特図変動ゲームの表示結果に応じた表示結果が表示される。特図変動ゲームで大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。
【0018】
また、特図変動ゲームではずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図によるはずれ図柄は、全列の図柄が異なる図柄となる図柄組み合わせ([135],[246]など)、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる図柄となる図柄組み合わせ([151],[767]など)とされている。
【0019】
また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄列の変動が停止するとともに、変動停止によって図柄列毎に飾図が一旦停止表示される。そして、本実施形態では、特定の複数列(左右の2列)の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせが、リーチの図柄組み合わせとなる。図柄の変動が停止するとは、演出表示装置11において図柄が停止表示されている状態を示す。そして、停止表示には、図柄がゆれ変動状態で表示されている一旦停止表示と、図柄が確定停止している確定停止表示とがある。本実施形態では、複数の図柄列のうち左列が第1停止列、右列が第2停止列、中列が第3停止列(最終停止列)となり、左列及び右列がリーチを形成するリーチ形成列となる。以下、特図変動ゲームに対応する飾図の図柄変動ゲームを纏めて「図柄変動ゲーム」と示す場合がある。
【0020】
演出表示装置11の右下方には、複数個(本実施形態では2個)の特図保留発光部を備えた特別図柄保留表示装置13が配設されている。特別図柄保留表示装置13は、機内部で記憶した特図変動ゲーム用の始動保留球の記憶数を遊技者に報知する。以下、特図変動ゲーム用の始動保留球の記憶数を「保留記憶数」と示す。保留記憶数は、遊技盤10に配設した始動入賞口15A,15Bに遊技球が入球することで「1」加算される一方で、特図変動ゲームの開始により「1」減算される。したがって、特図変動ゲーム中に始動入賞口15A,15Bに遊技球が入球すると、保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では「4」)まで累積される。保留記憶数は、実行保留中の特図変動ゲームの実行回数を示す。
【0021】
また、特別図柄保留表示装置13の左下方には、普通図柄表示装置14が配設されている。普通図柄表示装置14では、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す)を変動させて表示する普通図柄変動ゲーム(以下、「普図ゲーム」と示す)が行われる。普図は、普図当りか否かの内部抽選(普図当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
【0022】
また、画像表示部GHの下方領域には、保留記憶数を画像表示するための保留画像表示領域Hが、区画形成されている。保留画像表示領域Hは、保留記憶数の上限数に対応する4つの個別表示領域(個別表示部位)H1,H2,H3,H4によって構成されている。そして、保留画像表示領域Hでは、保留記憶数に対応する個数の個別表示領域を保留有表示の態様で表示させることで、保留記憶数が報知される。
【0023】
例えば、保留記憶数が1球も記憶されていない状態で上始動入賞口15Aに遊技球が2球入球したとする。この場合、2個の個別表示領域H1,H2が保留有表示の態様(図5(a)では、色付きの丸で示す)で画像表示される一方で、残りの個別表示領域H3,H4が保留無表示の態様(図5(a)では、色無しの丸で示す)で画像表示される。これにより、始動保留球に基づく保留中の図柄変動ゲームを示す保留画像(保留有表示の態様)が表示されることになる。また、以下の説明では、保留有表示の態様を保留画像X1と示すことがある。そして、保留されている図柄変動ゲームが実行される度に、実行された図柄変動ゲームに対応する個別表示領域が保留無表示の態様で表示される。よって、遊技者は、保留有表示の態様となっている個別表示領域の個数を数えるだけで、実行が保留されている図柄変動ゲームの回数を把握することができる。なお、保留画像表示領域Hの表示態様は、予め定めた条件が成立すると、その表示態様が変化するようになっている。詳細は後述する。
【0024】
図1に示すように、遊技盤10において、演出表示装置11の下方には、遊技球の入球口としての上入賞口15aを有する上始動入賞口15A(始動検知手段)が配設されている。上始動入賞口15Aの奥方には入球した遊技球を検知する始動検知手段としての上始動口スイッチSW1(図4に示す)が配設されている。上始動入賞口15Aは、入球した遊技球を上始動口スイッチSW1で検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
【0025】
また、上始動入賞口15Aの下方には、遊技球の入球口としての下入賞口15bを有する下始動入賞口15B(始動検知手段)が配設されている。下始動入賞口15Bは普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根16を備えている。下始動入賞口15Bは、開閉羽根16の開動作により入口が拡大されて遊技球が入球し易い開放状態とされる一方で、開閉羽根16の閉動作により入口が拡大されずに遊技球が入球し難い閉鎖状態とされる。すなわち、開閉羽根16は、下始動入賞口15Bの下入賞口15bを、遊技球が入球し難い閉鎖状態から遊技球が入球し易い開放状態に可変させる。そして、下始動入賞口15Bの奥方には入球した遊技球を検知する始動検知手段としての下始動口スイッチSW2(図4に示す)が配設されている。下始動入賞口15Bは、入球した遊技球を下始動口スイッチSW2で検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
【0026】
また、演出表示装置11の左方には、作動ゲート19が配設されている。作動ゲート19の奥方には、通過した遊技球を検知するゲートスイッチSW4(図4に示す)が配設されている。作動ゲート19は、通過した遊技球をゲートスイッチSW4で検知することにより、普図ゲームの始動条件を付与し得る。普図ゲームは、下始動入賞口15Bの開閉羽根16を開放状態とするか否かの抽選結果を導出するために行われる演出である。そして、普図当り抽選に当選すると、開閉羽根16の開放によって下始動入賞口15Bに遊技球を入球させ易くなり、遊技者は、特図変動ゲームの始動条件と賞球を容易に獲得できる機会を得ることができる。
【0027】
また、下始動入賞口15Bの下方には、特別入賞手段としての大入賞口20が配設されている。大入賞口20は、正面視横長矩形状に形成されており、大入賞口ソレノイドSOL2(図4に示す)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉21を備えている。
【0028】
大入賞口20の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図4に示す)が配設されている。大入賞口20は、入球した遊技球をカウントスイッチSW3で検知することにより、予め定めた個数(例えば9個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口20は、大当り遊技中に大入賞口扉21の開動作によって開放されることで遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。
【0029】
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、大当り遊技終了後に大当り抽選の抽選確率を低確率から高確率に変動させる確変状態(確率変動状態)を付与する機能である。本実施形態において確変状態は、次回、大当り遊技が生起される迄の間、付与される。確変状態は、大当り抽選の抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利な状態となり得る。
【0030】
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り遊技の終了後に、遊技者に有利な変動時間短縮状態(以下、「変短状態」と示す)が付与される。変短状態では、普図当り抽選の抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が、変短状態が付与されていないとき(非変動時間短縮状態(以下、「非変短状態」と示す)と比べて短縮される。また、変短状態では、普図当り抽選の抽選確率が低確率から高確率に変動する。また、変短状態では、普通当り抽選に当選した際、非変短状態とは異なる動作パターン、かつ多い回数で開閉羽根16が開閉動作する。また、変短状態では、普図当り抽選に当選した際、1回の普図当り抽選に当選したことに基づく開閉羽根16の開放時間が、非変短状態中に比して長くなる。
【0031】
本実施形態において変短状態は、次回の大当りが生起されるまでの間、予め定めた変短上限回数の図柄変動ゲームが終了する迄の間、又は変短上限回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。変短状態は、開閉羽根16が遊技者にとって有利に動作し、単位時間あたりの下始動入賞口15Bへの入球率が向上するため、遊技者にとって有利な状態となり得る。そして、変短状態は、開閉羽根16の単位時間あたりの開放時間の増加を伴う開放時間増加状態であって、開放時間の増加によって入球率が向上する入球率向上状態でもある。
【0032】
以下、本実施形態のパチンコ遊技機に規定する大当りの種類について、図2に従って説明する。
以下の説明では、パチンコ遊技機の遊技状態として、非確変状態、かつ非変短状態を「低確+変短なし」と示すとともに、確変状態、かつ非変短状態を「高確+変短なし」と示す。また、非確変状態、かつ変短状態を「低確+変短あり」と示すとともに、確変状態、かつ変短状態を「高確+変短あり」と示す。
【0033】
大当り遊技は、特図変動ゲームにて大当り図柄が確定停止表示され、その特図変動ゲームの終了後に開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出の終了後には、大入賞口20が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口20の開閉動作が所定回数(本実施形態では1回)行われるまでであり、1回のラウンド遊技中に大入賞口20は、入球上限個数の遊技球が入球するまでの間、又は予め定めたラウンド遊技時間(本実施形態では、25秒)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、最終回のラウンド遊技が終了すると、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて大当り遊技が終了する。
【0034】
本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り抽選に当選した場合、6種類の大当りの中から1つの大当りが決定され、その決定された大当りに基づく大当り遊技が付与される。6種類の大当りのうち、何れの大当りとするかは、大当り抽選に当選した場合に決定する特図(大当り図柄)の種類に応じて決定される。
【0035】
大当り図柄(特図)の決定には、後述する特図振分用乱数が用いられ、その特図振分用乱数の抽出値をもとに特図が決定される。大当り図柄(特図)には、各特図に対して、特図振分用乱数の取り得る数値(本実施形態では0〜199までの全200通りの整数値)が、所定個数ずつ(本実施形態では1つずつ)振分けられている。
【0036】
具体的には、図2に示すように、特図振分用乱数「0」〜「117」までの118個の値が、図柄Aに振り分けられている。一方、特図振分用乱数「118」〜「139」までの22個が、図柄Bに振り分けられている。また、特図振分用乱数「140」〜「159」までの20個が、図柄Cに振り分けられている。また、特図振分用乱数「160」〜「173」までの14個が、図柄Dに振り分けられている。また、特図振分用乱数「174」〜「186」までの13個が、図柄Eに振り分けられている。また、特図振分用乱数「187」〜「199」までの13個が、図柄Fに振り分けられている。
【0037】
また、本実施形態では、図柄A〜Fを決定した場合、決定した図柄を把握するための特図種別フラグ(後述する)に、図柄A〜Fを区別する値が設定されるようになっている。
図2に示すように、図柄Aの大当りは、16ラウンド大当り遊技を付与するとともに、大当り抽選当選時の遊技状態に関係なく(図中、「問わない」と示す)、大当り遊技終了後、次回大当り抽選に当選するまでの間、確変状態及び変短状態を付与する。以下の説明では、図柄Aの大当りを「大当りA」と示す。
【0038】
図柄Bの大当りは、8ラウンド大当り遊技を付与するとともに、大当り抽選当選時の遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後、次回大当り抽選に当選するまでの間、確変状態及び変短状態を付与する。以下の説明では、図柄Bの大当りを「大当りB」と示す。
【0039】
図柄Cの大当りは、4ラウンド大当り遊技を付与するとともに、大当り抽選当選時の遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後、次回大当り抽選に当選するまでの間、確変状態を付与する。その一方で、図柄Cの大当りは、大当り抽選当選時の遊技状態に応じて、大当り遊技終了後に異なる条件下で変短状態を付与する。具体的に説明すると、大当り抽選当選時の遊技状態が「低確+変短なし」又は「高確+変短なし」である場合(図中、「変短なし」と示す)、変短状態を付与しない。一方、大当り抽選当選時の遊技状態が「低確+変短あり」又は「高確+変短あり」である場合(図中、「変短あり」と示す)、変短上限回数を100回とする変短状態を付与する。以下の説明では、図柄Cの大当りを「大当りC」と示す。
【0040】
図柄D〜Fの大当りは、4ラウンド大当り遊技を付与するとともに、大当り抽選当選時の遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後、確変状態を付与しない(非確変状態を付与する)。その一方で、図柄D〜Fの大当りは、大当り抽選当選時の遊技状態に応じて、大当り遊技終了後に異なる条件下で変短状態を付与する。具体的に説明すると、大当り抽選当選時の遊技状態が「低確+変短なし」又は「高確+変短なし」である場合、変短状態を付与しない。一方、大当り抽選当選時の遊技状態が「低確+変短あり」又は「高確+変短あり」である場合、大当りに応じた回数を変短上限回数として変短状態を付与する。具体的には、図柄Dでは、変短上限回数が「100回」に、図柄Eでは変短上限回数が「50回」に、図柄Fでは変短上限回数が「30回」にそれぞれ定められている。以下の説明では、図柄Dの大当りを「大当りD」と示し、図柄Eの大当りを「大当りE」と示し、図柄Fの大当りを「大当りF」と示す。
【0041】
本実施形態では、大当りA,Bのラウンド遊技時間を第1ラウンド時間(例えば、25秒)に設定する一方で、大当りC〜Fのラウンド遊技時間を第1ラウンド時間よりも短い第2ラウンド時間(例えば、0.2秒)に設定している。これにより、1回のラウンド遊技時間が長いほど、遊技者は、多くの賞球を得る機会が増えることになる。また、本実施形態では、確変状態が付与されていないときよりも確変状態が付与されている方が、遊技者にとって有利な状態となり得るとともに、変短状態が付与されていないときよりも変短状態が付与されている方が、遊技者にとって有利な状態となり得る。そして、変短状態が付与されている場合は、変短上限回数が多いほど遊技者にとって有利な状態となり得る。これにより、本実施形態では、大当りF<大当りE<大当りD<大当りC<大当りB<大当りAの順に、遊技者にとって有利な特典を付与する大当りとして定義されていることになる。
【0042】
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、確変状態が付与されている可能性を遊技者に報知するため、複数種類の演出モードを設定している。演出モードとは、演出表示装置11の表示態様によって、確変状態が付与されている可能性の高低を遊技者に報知するためのものである。また、演出表示装置11では、飾図による図柄変動ゲームで表示される飾図を除いて構成し得るとともに、飾図よりも背面に表示される背景画像が、演出モード毎に設定されており、演出表示装置11に表示される背景画像の種類から設定されている演出モードの種類を遊技者が把握し得るようになっている。
【0043】
本実施形態における演出モードとして、通常モードM1、第1潜確モードM2、第2潜確モードM3、及び確定モードM4が設定されている。
通常モードM1は、「低確+変短なし」又は「高確+変短なし」のときに設定される演出モードである。通常モードM1は、他の演出モードと比較して、確変状態が付与されている期待度(以下、確変期待度と示す)が最も低い演出モードとされている。
【0044】
第1潜確モードM2は、「低確+変短なし」又は「高確+変短なし」のときに設定される演出モードである。第1潜確モードM2は、通常モードM1よりも確変期待度が高く、かつ確定モードM4よりも確変期待度が低い演出モードとされている。
【0045】
第2潜確モードM3は、「低確+変短あり」又は「高確+変短あり」のときに設定される演出モードである。第2潜確モードM3は、通常モードM1よりも確変期待度が高く、かつ確定モードM4よりも確変期待度が低い演出モードとされている。
【0046】
確定モードM4は、「高確+変短あり」のときに設定される演出モードである。確定モードM4は、他の演出モードと比較して確変期待度が最も高い演出モードとされている。
以下、大当りの種類毎に対応付けられた演出モードの移行態様について、図2及び図3に従って説明する。なお、図3における「A」〜「F」は、それぞれ前述した大当りの種類に対応する。
【0047】
最初に、大当りA又は大当りB当選時における演出モードの移行形態について説明する。
大当りA又は大当りBに当選した場合、大当り抽選当選時の遊技状態及び設定されている演出モードの種類に係わらず、大当り遊技終了後、確定モードM4に移行する。
【0048】
次に、大当りC、大当りD、大当りE、又は大当りF当選時における演出モードの移行形態について説明する。
大当りC、大当りD、大当りE、又は大当りFに当選した場合、大当り抽選当選時に通常モードM1又は第1潜確モードM2が設定されていたのであれば、大当り遊技終了後、第1潜確モードM2に移行する。なお、第1潜確モードM2が設定されているときに大当り抽選に当選せず、かつ通常モードM1に移行させるか否かの移行抽選に当選した場合、第1潜確モードM2から通常モードM1に移行する。また、大当りC、大当りD、大当りE、又は大当りFに当選した場合、大当り抽選当選時に第2潜確モードM3又は確定モードM4が設定されていたのであれば、大当り遊技終了後、第2潜確モードM3に移行する。そして、第2潜確モードM3に移行後、変短上限回数の図柄変動ゲームが実行されると、変短状態の終了に伴って第2潜確モードM3から第1潜確モードM2に移行する。
【0049】
なお、大当りC又は大当りDに当選した場合、第2潜確モードM3で100回の図柄変動ゲームが行われた後、101回目の図柄変動ゲームから第1潜確モードM2が設定される。一方、大当りEに当選した場合、第2潜確モードM3で50回の図柄変動ゲームが行われた後、51回目の図柄変動ゲームから第1潜確モードM2が設定される。一方、大当りFに当選した場合、第2潜確モードM3で30回の図柄変動ゲームが行われた後、31回目の図柄変動ゲームから第1潜確モードM2が設定される。つまり、当選した大当りの種類により、第2潜確モードM3で行われる図柄変動ゲームの回数が異なるようになっている。
【0050】
次に、パチンコ遊技機の制御構成について説明する。
図4に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機の機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御手段としての主制御基板30が配設されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御手段としての演出制御基板31が配設されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、演出表示装置11の動作を制御する。
【0051】
ここで、主制御基板30及び演出制御基板31の具体的構成について以下に説明する。
まず、主制御基板30について説明する。
図4に示すように、主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aのメイン制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW4が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、各種ソレノイドSOL1,SOL2、特別図柄表示装置12、特別図柄保留表示装置13、及び普通図柄表示装置14が接続されている。
【0052】
また、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数(当り判定用乱数)、特図振分用乱数(大当り遊技特定用乱数)、リーチ判定用乱数、普図当り判定用乱数、及び変動パターン振分用乱数(変動内容決定用乱数)などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当りとなる場合に生起される大当り遊技の種類、つまり、大当り図柄となる特図を決定する場合に用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。普図当り判定用乱数は、普図当り抽選で用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、図柄変動ゲームの変動内容を決定する変動パターンを選択する際に用いる乱数である。
【0053】
本実施形態では、3種類の変動パターン振分用乱数F1,F2,F3を用いて変動パターンを選択するようになっている。3種類の変動パターン振分用乱数F1,F2,F3は、それぞれが取り得る数値範囲(乱数更新処理において乱数値が更新される範囲)が異なるとともに、変動パターンの選択に係る処理において用途が異なっている。
【0054】
変動パターン振分用乱数F1は、単数又は複数の変動パターンを対応付けた演出グループ(図6図7の演出グループEA〜EL)を特定する際に用いる乱数として機能する。また、変動パターン振分用乱数F2は、特定した演出グループの中からいずれかの変動パターンを特定する際に用いる乱数として機能する。また、変動パターン振分用乱数F3は、大当り抽選に当選しなかった場合に演出グループを特定する際に用いる乱数として機能する。
【0055】
また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、各種の判定値(大当り判定値、リーチ判定値、普図当り判定値、はずれ内容判定値など)が記憶されている。
【0056】
大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。そして、大当り判定値は、非確変状態時の大当り抽選で用いる低確率用の大当り判定値(低確判定値)と、確変状態時の大当り抽選で用いる高確率用の大当り判定値(高確判定値)とがある。高確判定値の設定数は、低確判定値の設定数よりも多く設定されている。また、高確判定値には、低確判定値を含んでいる。そして、低確判定値と高確判定値は、その総数は異なるが、設定値については一部の値が共通値とされている。共通値は、非確変状態時及び確変状態時の何れの状態においても大当り判定用乱数の値と一致する値とされている。一方、高確判定値において、共通値を除く他の値は、低確判定値(共通値)とは異なる非共通値とされている。非共通値は、大当り抽選時の遊技状態に応じて、大当り判定値と一致する場合と一致しない場合とがある。具体的に言えば、非共通値は、非確変状態時の大当り抽選において、大当り判定用乱数の値とは一致しない。その一方で、非共通値は、確変状態時の大当り抽選において、大当り判定用乱数の値と一致する。
【0057】
また、リーチ判定値は、はずれを決定する場合にリーチを形成するか否かの内部抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜240までの全241通りの整数)の中から定められている。なお、リーチ判定値は、図6及び図7に示すように、変短状態の有無及び保留記憶数により、その数が異なっている。
【0058】
普図当り判定値は、普図当り抽選で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。なお、普図当り判定値は、変短状態の有無により、その数が異なっている。具体的には、非変短状態時における普図当り判定値よりも、変短状態時における普図当り判定値の設定値が多くなるように定められている。
【0059】
はずれ内容判定値は、大当り抽選に当選しなかった場合に演出グループを特定する際に用いる判定値であり、変動パターン振分用乱数F3の取り得る数値(0〜232までの全233通りの整数)の中から定められている。
【0060】
また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特図及び飾図)の変動が開始してから図柄(特図及び飾図)が確定停止表示されるまでの間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの変動内容(演出内容)及び変動時間(演出時間)を特定し得る。本実施形態において、複数種類の変動パターンは、大当り変動用の変動パターン、はずれリーチ変動用の変動パターン、及びはずれ変動用の変動パターンに分類される。
【0061】
大当り変動は、大当り抽選に当選した場合に行われる変動である。そして、大当り変動では、特図変動ゲームにおいて最終的に大当り図柄を確定停止表示させる。一方、大当り変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、最終的に大当り図柄を確定停止表示させる。なお、飾図による図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経て、大当り図柄を導出させる。
【0062】
はずれリーチ変動は、大当り抽選に当選せずに、リーチ抽選に当選した場合に行われ、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。一方、はずれリーチ変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経て、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。はずれ変動は、大当り抽選及びリーチ抽選の何れにも当選しなかった場合に行われ、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。一方、はずれ変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経ないで、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。なお、特図変動ゲームでは、特図の変動が開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで特図の変動が継続される。そして、大当り変動用、はずれリーチ変動用及びはずれ変動用の変動パターンは、それぞれ複数種類あり、何れかが選択される。
【0063】
以下、本実施形態に定められた変動パターンについて説明する。
図8及び図9に示すように、変動パターンP1〜P3は、大当り抽選及びリーチ抽選の何れにも当選しなかった場合に選択可能なはずれ変動用の変動パターンとされている。変動パターンP1には、変動内容として「通常変動」が、変動パターンP2には、変動内容として「短縮変動」が、変動パターンP3には、変動内容として「超短縮変動」がそれぞれ対応付けられている。「通常変動」では、図柄変動ゲームの開始後、各図柄列の図柄(飾図)が予め定めた変動停止順(本実施形態では、左列→右列→中列)に従って変動が停止されて図柄が導出される。また、「短縮変動」及び「超短縮変動」では、図柄変動ゲームの開始後、各図柄列の変動がほぼ同一のタイミングで停止されて各図柄列に図柄が導出される。なお、「通常変動」と「短縮変動」では、「短縮変動」の方が、変動時間が短く設定されているとともに、「短縮変動」と「超短縮変動」では、「超短縮変動」の方が、変動時間が短く設定されている。
【0064】
変動パターンP4〜P12(図8及び図9参照)及び変動パターンP12a(図9参照)は、大当り抽選に当選せず、かつリーチ抽選に当選した場合に選択可能なはずれリーチ変動用の変動パターンとされている。また、変動パターンP13〜P25(図8及び図9参照)及び変動パターンP21a(図9参照)は、大当り抽選に当選した場合に選択可能な大当り変動用の変動パターンとされている。
【0065】
そして、変動パターンP4〜P6,P13〜P15には、変動内容として、ノーマルリーチNR1〜NR3がそれぞれ対応付けられている。また、変動パターンP7〜P12,P16〜P25には、変動内容として、スーパーリーチSR4〜スーパーリーチSR13がそれぞれ対応付けられている。
【0066】
一方、変動パターンP12a,P21aには、変動内容として、スーパーリーチSR9aが対応付けられている。なお、変動パターンP12a,P21aは、図9に示すテーブルにのみ設定されているので、変短あり時専用の変動パターンとなっている。
【0067】
ノーマルリーチは、予め定めた複数の図柄列(本実施形態では、左列と右列の2列)に同一の飾図を導出させてリーチを形成し、残り1列(本実施形態では、中列)を変動させて飾図を導出する変動内容のリーチ演出である。スーパーリーチは、ノーマルリーチの演出で残り1列の変動中又は変動が停止した後、例えば、特定のキャラクタが登場し、その登場キャラクタの名称で呼ばれる「○○リーチ」へ移行(発展)して飾図を導出する変動内容のリーチ演出である。
【0068】
このようにリーチ演出の演出内容を複数の段階に発展させることにより、遊技者が抱く大当りへの期待感を変化させることができ、発展前の演出(ノーマルリーチ)に比して、発展後の演出(スーパーリーチ)の方が、大当り期待度が高い。大当り期待度とは、大当りになる場合の出現率とはずれになる場合の出現率を合算した全体出現率に対し、大当りになる場合の出現率の割合を示すものである。このため、大当り期待度は、全体出現率に対して大当りになる場合の出現率の割合が高いほど高くなる。また、スーパーリーチに分類されるリーチ演出に関しても、夫々大当り期待度が異なっている。
【0069】
そして、前述した変動パターンは、図8及び図9に示すように、変短状態の有無に応じて設定された変動パターン振分テーブルに設定されている。さらに、変動パターン振分テーブルでは、演出グループが複数設定されている。そして、各演出グループには、単数又は複数の変動パターンが対応付けられているとともに、変動パターン振分用乱数F2の値が振り分けられている。これにより、演出グループと変動パターン振分用乱数F2の値とによって、1つの変動パターンを特定し得るように構成されている。
【0070】
以下、演出グループについて説明する。
図8は、変短なし時に参照される変動パターン振分テーブルTA2(以下、テーブルTA2と示すことがある)である一方、図9は、変短あり時に参照される変動パターン振分テーブルTB2(以下、テーブルTB2と示すことがある)である。テーブルTA2,TB2は、主制御用ROM30bに記憶されている。
【0071】
そして、図8及び図9に示すように、本実施形態では、12種類の演出グループEA〜ELが設定されている。
具体的に説明すると、図8に示すように、変動パターン振分テーブルTA2では、演出グループEAに対して、はずれ変動用の変動パターンP1が分類されており、変動パターンP1のみを選択し得るように変動パターン振分用乱数F2の値が振り分けられている。また、演出グループEBに対して、はずれ変動用の変動パターンP2が分類されており、変動パターンP2のみを選択し得るように変動パターン振分用乱数F2の値が振り分けられている。また、演出グループECに対して、はずれ変動用の変動パターンP3が分類されており、変動パターンP3のみを選択し得るように変動パターン振分用乱数F2の値が振り分けられている。
【0072】
また、演出グループEDに対して、はずれリーチ変動用の変動パターンP4,P5,P6が分類されており、変動パターンP4〜P6のうちいずれか1つを選択し得るように変動パターン振分用乱数F2の値が振り分けられている。また、演出グループEGに対して、大当り変動用の変動パターンP13,P14,P15が分類されており、変動パターンP13〜P15のうちいずれか1つを選択し得るように変動パターン振分用乱数F2の値が振り分けられている。以降、演出グループEE,EFに対しても、はずれリーチ変動用の変動パターンが複数分類され、分類された変動パターンのうちいずれか1つを選択し得るように変動パターン振分用乱数F2の値が振り分けられている。また、演出グループEH〜ELに対しても、大当り変動用の変動パターンが複数分類され、分類された変動パターンのうちいずれか1つを選択し得るように変動パターン振分用乱数F2の値が振り分けられている。
【0073】
これにより、演出グループEA〜ECは、はずれ変動用の変動パターンを特定する演出グループとなる。また、演出グループED〜EFは、はずれリーチ変動用の変動パターンを特定する演出グループとなる。また、演出グループEG〜ELは、大当り変動用の変動パターンを特定する演出グループとなる。なお、本実施形態では、異なる演出グループにおいて同一の変動パターンが分類されていない。
【0074】
次に、変動パターン振分テーブルTB2における演出グループ及び変動パターンについて、図9に従って説明する。
図9に示すように、変動パターン振分テーブルTB2では、演出グループEFに対して、はずれリーチ変動用の変動パターンP10,P11,P12に加えて、はずれリーチ変動用の変動パターンP12aが分類されている。また、演出グループEIに対して、大当り変動用の変動パターンP19,P20,P21に加えて、大当り変動用の変動パターンP21aが分類されている。なお、その他の演出グループについては、変動パターン振分テーブルTA2と同一の変動パターンが分類されている。ただし、各変動パターンの選択割合は、変動パターン振分テーブルTA2,TB2において異なっている。
【0075】
本実施形態では、変動パターン振分テーブルTA2,TB2が、複数の変動パターンを定めた変動内容群に相当する。また、変動パターン振分テーブルTA2,TB2は、変短状態の有無によって定められているため、変短状態の有無が切り替わるタイミングが、予め定めた切り替わりタイミングの到来に相当する。また、変動パターン振分テーブルTA2,TB2から変動パターンを選択している期間、すなわち、変短状態の有無が切り替わるまでの期間が、特定期間に相当する。
【0076】
そして、前述した演出グループは、図6及び図7に示すように、大当りとなるか否かに応じて設定された演出グループ振分テーブルにおいて複数設定されている。そして、各演出グループには、変動パターン振分用乱数F1の値が振り分けられている。これにより、変動パターン振分用乱数F1の値によって1つの演出グループを特定し得るように構成されている。
【0077】
図6は、はずれ時において演出グループを特定するための演出グループ振分テーブルTA1(以下、テーブルTA1と示すことがある)である。一方、図7は、大当り時において演出グループを特定するための演出グループ振分テーブルTB1(以下、テーブルTB1と示すことがある)である。テーブルTA1,TB1は、主制御用ROM30bに記憶されている。なお、図6及び図7において、「F1」は、変動パターン振分用乱数F1を示し、「F3」は、変動パターン振分用乱数F3を示す。
【0078】
大当りとならない場合、図6に示すテーブルTA1が参照される。さらに、テーブルTA1では、変短状態の有無、変動パターン振分用乱数F3の取り得る数値、保留記憶数、及びリーチ判定用乱数の取り得る数値によって、演出グループを特定する変動パターン振分用乱数F1の取り得る数値範囲を異ならせている。
【0079】
具体的に説明すると、変短状態が付与されていない場合、取得した変動パターン振分用乱数F3の値が「0」〜「3」のうちいずれかであるならば、保留記憶数及び取得したリーチ判定用乱数の値にかかわらず、演出グループED〜EFのうちいずれか1つを選択し得るように変動パターン振分用乱数F1の値が振り分けられている。なお、本実施形態では、変動パターン振分用乱数F3の取り得る「0」〜「3」までの4個の値が、リーチ判定用乱数の値にかかわらず、リーチ演出を実行させるための値として設定されている。一方、変動パターン振分用乱数F3の取り得る「4」〜「232」までの229個の値が、リーチ判定用乱数の取り得る数値に応じてリーチ演出を実行させるための値として設定されている。
【0080】
図6の説明に戻り、取得した変動パターン振分用乱数F3の値が「4」〜「232」のうちいずれかであるならば、保留記憶数に応じて設定されたリーチ判定値と一致するリーチ判定用乱数の値を取得している場合に、演出グループED〜EFのうちいずれか1つを選択し得るように変動パターン振分用乱数F1の値が振り分けられている。ただし、演出グループED〜EFに定められた変動パターン振分用乱数F1の数値範囲が、保留記憶数に応じて異なるように設定されている。
【0081】
具体的に説明すると、保留記憶数が「0」又は「1」の場合、リーチ判定値と一致するリーチ判定用乱数の値を取得しているときには、変動パターン振分用乱数F1の取り得る「0」〜「162」までの163個の値が、演出グループEDに振り分けられている。一方、変動パターン振分用乱数F1の取り得る「163」〜「221」までの59個の値が、演出グループEEに振り分けられている。また、変動パターン振分用乱数F1の取り得る「222」〜「238」までの17個の値が、演出グループEFに振り分けられている。
【0082】
一方、保留記憶数が「2」の場合、リーチ判定値と一致するリーチ判定用乱数の値を取得しているときには、変動パターン振分用乱数F1の取り得る「0」〜「153」までの154個の値が、演出グループEDに振り分けられている。一方、変動パターン振分用乱数F1の取り得る「154」〜「218」までの65個の値が、演出グループEEに振り分けられている。また、変動パターン振分用乱数F1の取り得る「219」〜「238」までの20個の値が、演出グループEFに振り分けられている。
【0083】
なお、本実施形態では、非変短状態時において、図柄変動ゲームの開始時に1減算した後の保留記憶数が「0」又は「1」の場合、リーチ判定値として、「0」〜「28」までの29個が定められている。非変短状態時において、図柄変動ゲームの開始時に1減算した後の保留記憶数が「2」の場合、リーチ判定値として、「0」〜「18」までの19個が定められている。非変短状態時において、図柄変動ゲームの開始時に1減算した後の保留記憶数が「3」の場合、リーチ判定値として、「0」〜「2」までの3個が定められている。このように、非変短状態時におけるリーチ判定値は、保留記憶数によって取り得る値の範囲が異なるように設定されているが、保留記憶数が異なったとしてもその一部は同じ値を取り得るように設定されている。すなわち、リーチ判定値は、「0」〜「2」の値を必ずその範囲に含んでいる。本実施形態では、「0」〜「2」の値が、共通リーチ判定値となる一方で、「3」〜「28」までの値が、非共通リーチ判定値となる。また、「29」〜「240」までの値が、非リーチ判定値となる。
【0084】
一方、保留記憶数に応じて設定されたリーチ判定値と一致しないリーチ判定用乱数の値を取得している場合、演出グループED〜EFとは異なる演出グループを選択し得るように変動パターン振分用乱数F1の値が振り分けられている。
【0085】
具体的に説明すると、保留記憶数が「0」又は「1」の場合、リーチ判定値と一致しないリーチ判定用乱数の値を取得しているときには、変動パターン振分用乱数F1の取り得る「0」〜「238」までの239個の値が、演出グループEAに振り分けられている。保留記憶数が「2」の場合、リーチ判定値と一致しないリーチ判定用乱数の値を取得しているときには、変動パターン振分用乱数F1の取り得る「0」〜「238」までの239個の値が、演出グループEBに振り分けられている。保留記憶数が「3」の場合、リーチ判定値と一致しないリーチ判定用乱数の値を取得しているときには、変動パターン振分用乱数F1の取り得る「0」〜「238」までの239個の値が、演出グループECに振り分けられている。
【0086】
一方、変短状態が付与されている場合も、変短状態が付与されていない場合と同じように演出グループが対応付けられている。すなわち、取得した変動パターン振分用乱数F3の値が「0」〜「3」のうちいずれかであるならば、保留記憶数及び取得したリーチ判定用乱数の値にかかわらず、演出グループED〜EFのうちいずれか1つを選択し得るように変動パターン振分用乱数F1の値が振り分けられている。
【0087】
一方、取得した変動パターン振分用乱数F3の値が「4」〜「232」のうちいずれかであるならば、変短状態が付与されていない場合と同じく、リーチ判定値と一致するリーチ判定用乱数の値を取得している場合に、演出グループED〜EFのうちいずれか1つを選択し得るように変動パターン振分用乱数F1の値が振り分けられている。ただし、演出グループED〜EFに定められた変動パターン振分用乱数F1の数値範囲が、保留記憶数に応じて異なるように設定されている。また、本実施形態では、変短状態が付与されている場合、保留記憶数が如何なる値であっても、リーチ判定値として、「0」〜「2」までの3個が定められている。
【0088】
一方、リーチ判定値と一致しないリーチ判定用乱数の値を取得している場合、変短状態が付与されていない場合と同じく、保留記憶数に応じて、演出グループEA〜ECがそれぞれ対応付けられている。
【0089】
次に、大当りとなる場合に選択される演出グループについて説明する。
大当りとなる場合、図7に示すテーブルTB1が参照される。さらに、テーブルTB1では、変短状態の有無及び大当りの種類によって、演出グループを特定する変動パターン振分用乱数F1の取り得る数値範囲を異ならせている。
【0090】
具体的に説明すると、変短状態が付与されていない場合、大当りAを特定する特図振分用乱数の値(「0」〜「117」までの118個)を取得しているときには、演出グループEG〜EJのうちいずれか1つを選択し得るように変動パターン振分用乱数F1の値が振り分けられている。
【0091】
一方、変短状態が付与されていない場合、大当りBを特定する特図振分用乱数の値(「118」〜「139」までの22個)を取得しているときには、演出グループEG〜EIのうちいずれか1つを選択し得るように変動パターン振分用乱数F1の値が振り分けられている。
【0092】
一方、変短状態が付与されていない場合、大当りCを特定する特図振分用乱数の値(「140」〜「159」までの20個)を取得しているときには、演出グループEKのみを選択し得るように変動パターン振分用乱数F1の値が振り分けられている。また、変短状態が付与されている場合、大当りD〜Fを特定する特図振分用乱数の値(「160」〜「199」までの40個)を取得しているときには、演出グループELのみを選択し得るように変動パターン振分用乱数F1の値が振り分けられている。
【0093】
一方、変短状態が付与されている場合も、変短状態が付与されていない場合と同じく、大当りの種類に応じて、それぞれ異なる演出グループが対応付けられており、いずれか1つの演出グループを選択し得るように変動パターン振分用乱数F1の値が振り分けられている。
【0094】
本実施形態では、変短状態の有無に応じて、各演出グループに対応付ける変動パターン振分用乱数F1の個数を異ならせるとともに、演出グループに分類される変動パターンを異ならせたり、変動パターンに対応付ける変動パターン振分用乱数F2の個数を異ならせている。これにより、同一の変動パターン振分用乱数F1,F2の値を取得している場合であっても、乱数取得時とゲーム開始時の遊技状態や保留記憶数が異なれば、異なる演出グループや変動パターンが特定されることもあり得る。
【0095】
本実施形態では、変動パターン振分テーブルTA2,TB2を記憶する主制御用ROM30bが、図柄変動ゲームの変動内容を記憶する変動内容記憶手段として機能する。
次に、演出制御基板31について説明する。
【0096】
図4に示すように、演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。また、演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、演出制御用CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御用RAM31cの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。そして、演出制御用CPU31aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置11が接続されている。また、演出制御用ROM31bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
【0097】
また、演出制御用ROM31bには、主制御用ROM30bに記憶された演出グループ振分テーブルTA1,TB1、及び変動パターン振分テーブルTA2,TB2と同一の演出グループ及び変動パターンを定めたサブ側演出グループ振分テーブル及びサブ側変動パターン振分テーブルが記憶されている。本実施形態では、サブ側演出グループ振分テーブル及びサブ側変動パターン振分テーブルを記憶する演出制御用ROM31bが、サブ側変動内容記憶手段として機能する。
【0098】
以下、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。なお、特別図柄開始処理は、特別図柄入力処理の終了後に実行される。
【0099】
最初に、特別図柄入力処理について、図10に従って説明する。
図10に示すように、まず、主制御用CPU30aは、上始動入賞口15A又は下始動入賞口15Bに遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS11)。すなわち、主制御用CPU30aは、上始動口スイッチSW1又は下始動口スイッチSW2が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力したか否かを判定する。
【0100】
ステップS11の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、ステップS11の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS12)。
【0101】
ステップS12の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、ステップS12の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数を1加算し、保留記憶数を書き換える(ステップS13)。このとき、主制御用CPU30aは、1加算後の保留記憶数を表すように特別図柄保留表示装置13の表示内容を制御する。続いて、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、変動パターン振分用乱数F1〜F3を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を保留記憶数に対応付けられた主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶する(ステップS14)。
【0102】
また、主制御用CPU30aは、特図振分用乱数で特定される大当りの種類を、特図種別フラグに設定する。また、主制御用CPU30aは、1加算後の保留記憶数を示す保留指定コマンドを送信バッファにセットする。保留指定コマンドは、次周期からの制御周期において出力される。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0103】
本実施形態では、ステップS13の処理により、上始動入賞口15A又は下始動入賞口15Bに入球した遊技球が始動保留球として主制御用RAM30cに記憶される。このことから、主制御用RAM30cは、始動保留球を記憶する保留記憶手段として機能する。また、本実施形態では、ステップS14の処理により、大当り判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、及び変動パターン振分用乱数F1〜F3の値が、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶される。このことから、主制御用CPU30aは、各種乱数の値を取得する乱数取得手段として機能する。また、主制御用RAM30cは、各種乱数の値を記憶する乱数記憶手段として機能する。
【0104】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
まず、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行中、又は大当り遊技中か否かの実行条件判定を実行する。この実行条件判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0105】
一方、実行条件判定の判定結果が否定(図柄変動ゲーム中ではなく、かつ大当り遊技中ではない)の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否かを判定する。保留記憶数が「0(零)」の場合、主制御用CPU30aは、保留中の図柄変動ゲームが存在しないので、特別図柄開始処理を終了する。一方、保留記憶数が1以上の場合、主制御用CPU30aは、保留中の図柄変動ゲームが存在するので、保留記憶数を−1(1減算)する。また、主制御用CPU30aは、保留記憶数を1減算した際、1減算後の保留記憶数を表すように特別図柄保留表示装置13の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、1減算後の保留記憶数を指示する保留指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0106】
そして、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられた大当り判定用乱数の値を読み出す。このとき、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている始動保留球のうち、最も早く記憶した始動保留球に対応する大当り判定用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、当該大当り判定値と一致するか否かの大当り判定(大当り抽選)を実行する。なお、大当り判定値は、確変状態が付与されているか否かで変更される。本実施形態では、図柄変動ゲームを開始させるとき、すなわち、特別図柄開始処理において大当り判定を行う主制御用CPU30aが、開始期当り判定手段として機能する。
【0107】
大当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられた特図振分用乱数の値を読み出し、読み出した特図振分用乱数の値をもとに特図の大当り図柄を特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特図として決定する。本実施形態では、特別図柄開始処理において大当り図柄を決定する主制御用CPU30aが、大当り遊技決定手段として機能する。また、大当りを決定した主制御用CPU30aは、大当り変動用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0108】
具体的に説明すると、主制御用CPU30aは、作動フラグに設定されている値から特別図柄開始処理を開始させたときの遊技状態を確認する。そして、主制御用CPU30aは、演出グループ振分テーブルTB1(図7)において、確認した変短状態の有無を参照し、特図振分用乱数の値で特定される大当りに対応付けられる演出グループの中から、変動パターン振分用乱数F1の値に基づき、いずれかの演出グループを特定する。そして、主制御用CPU30aは、確認した変短状態の有無を参照して、変動パターン振分テーブルTA2(図8)又は変動パターン振分テーブルTB2(図9)を特定する。次に、主制御用CPU30aは、特定したテーブルTA2,TB2において、特定された演出グループに対応付けられる変動パターンの中から、変動パターン振分用乱数F2の値に基づき、いずれかの大当り変動用の変動パターンを特定する。
【0109】
一方、大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値が大当りとなる値ではないことからはずれを認識する。次に、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられた変動パターン振分用乱数F3の値を読み出すとともに、変動パターン振分用乱数F3の値とはずれ内容判定値を比較する。変動パターン振分用乱数F3の値がはずれ内容判定値と一致した場合、主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特図としてはずれ図柄を決定するとともに、はずれリーチ変動用の変動パターンを選択し、決定する。
【0110】
具体的に説明すると、主制御用CPU30aは、作動フラグに設定されている値から特別図柄開始処理を開始させたときの遊技状態を確認する。そして、主制御用CPU30aは、演出グループ振分テーブルTA1(図6)において、確認した変短状態の有無を参照し、保留記憶数やリーチ判定用乱数の値にかかわらず、変動パターン振分用乱数F1の値に基づき、いずれかの演出グループを特定する。そして、主制御用CPU30aは、確認した変短状態の有無を参照して、振分テーブルTA2又は振分テーブルTB2を特定する。次に、主制御用CPU30aは、特定したテーブルTA2,TB2において、特定された演出グループに対応付けられる変動パターンの中から、変動パターン振分用乱数F2の値に基づき、いずれかのはずれリーチ変動用の変動パターンを特定する。
【0111】
一方、変動パターン振分用乱数F3の値がはずれ内容判定値と一致しなかった場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられたリーチ判定用乱数の値を読み出すとともに、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較してリーチか否かのリーチ判定(リーチ抽選)を行う。なお、リーチ判定値は、変短状態が付与されているか否か、及び保留記憶数によって変更される。リーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ抽選でリーチに当選したことから、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特図としてはずれ図柄を決定するとともに、はずれリーチ変動用の変動パターンを選択し、決定する。
【0112】
具体的に説明すると、主制御用CPU30aは、作動フラグに設定されている値から特別図柄開始処理を開始させたときの遊技状態を確認する。そして、主制御用CPU30aは、演出グループ振分テーブルTA1において、確認した変短状態の有無を参照し、変動パターン振分用乱数F1の値に基づき、いずれかの演出グループを特定する。そして、主制御用CPU30aは、確認した変短状態の有無を参照して、振分テーブルTA2又は振分テーブルTB2を特定する。次に、主制御用CPU30aは、特定したテーブルTA2,TB2において、特定された演出グループに対応付けられる変動パターンの中から、変動パターン振分用乱数F2の値に基づき、いずれかのはずれリーチ変動用の変動パターンを特定する。
【0113】
一方、リーチ判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特図としてはずれ図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、はずれ変動用の変動パターンを選択し、決定する。
【0114】
具体的に説明すると、主制御用CPU30aは、作動フラグに設定されている値から特別図柄開始処理を開始させたときの遊技状態を確認する。そして、主制御用CPU30aは、演出グループ振分テーブルTA1において、確認した変短状態の有無を参照し、変動パターン振分用乱数F1の値に基づき、いずれかの演出グループを特定する。そして、主制御用CPU30aは、確認した変短状態の有無を参照して、振分テーブルTA2又は振分テーブルTB2を特定する。次に、主制御用CPU30aは、特定したテーブルTA2,TB2において、特定された演出グループに対応付けられる変動パターンの中から、変動パターン振分用乱数F2の値に基づき、いずれかのはずれ変動用の変動パターンを特定する。
【0115】
そして、特別図柄開始処理において特図及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU30aは、特図を指示する特図指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する全図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力する。
【0116】
本実施形態では、特別図柄開始処理において変動パターンを決定する主制御用CPU30aが、変動内容決定手段として機能する。また、本実施形態では、変動パターン指定コマンドが、第1制御コマンドに相当する。
【0117】
また、主制御用CPU30aは、大当り抽選に当選している場合、大当り遊技を行うための大当り遊技処理によって大当り遊技を実行させる。
次に、大当り遊技終了後の遊技状態に関して主制御用CPU30aが実行する制御を説明する。
【0118】
主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に確変状態を付与する場合には確変フラグに「1」を設定するとともに、確変状態であることを指示する確変コマンドを出力する。一方、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に確変状態を付与しない場合には確変フラグに「0」を設定するとともに、非確変状態であることを指示する非確変コマンドを出力する。
【0119】
また、主制御用CPU30aは、変短状態を付与する場合には作動フラグに「1」を設定するとともに、変短状態であることを指示する作動コマンドを出力する。一方、主制御用CPU30aは、変短状態を付与しない場合には作動フラグに「0」を設定するとともに、非変短状態であることを指示する非作動コマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、変短状態を付与する場合、大当りの種類毎に設定された変短上限回数を、作動回数として主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。そして、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームが実行される毎に作動回数を「1」減算し、値が「0」となると、特図変動ゲームの終了時に作動フラグに「0」を設定し、非作動コマンドを出力する。
【0120】
また、主制御用CPU30aは、大当り遊技の開始時に、確変フラグ、作動フラグ、及び作動回数に「0」を設定する。これにより、大当り遊技中の遊技状態は、「低確+変短なし」となる。
【0121】
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが統括制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容(変動内容)をもとに、画像データを選択する。また、演出制御用CPU31aは、特図指定コマンドを入力すると、当該コマンドにしたがって演出表示装置11に確定停止表示させる飾図を決定する。特図として大当り図柄が指示されている場合、演出制御用CPU31aは、大当りを認識し得る大当りの図柄組み合わせを決定する。
【0122】
具体的に説明すると、大当りAが指示されている場合、大当りの図柄組み合わせとして[111]、[333]、[555]、又は[777]を決定する。一方、大当りBが指示されている場合、大当りの図柄組み合わせとして[222]、[444]、又は[666]を決定する。一方、大当りC〜Fのうちいずれかが指示されている場合、大当りの図柄組み合わせとして、確変示唆の図柄組み合わせ([121]、[232]など)を決定する。
【0123】
その一方で、特図としてはずれ図柄が指示されている場合、演出制御用CPU31aは、飾図としてはずれの図柄組み合わせを決定する。このとき、はずれリーチ変動用の変動パターンが指示されている場合、演出制御用CPU31aは、飾図として、リーチの図柄組み合わせを含むはずれの図柄組み合わせ(例えば、[121]など)を決定する。なお、リーチの図柄組み合わせを含むはずれの図柄組み合わせには、確変示唆の図柄組み合わせとして導出される図柄組み合わせと同一の図柄組み合わせが含まれる。その一方、はずれ変動用の変動パターンが指示されている場合、演出制御用CPU31aは、飾図として、リーチの図柄組み合わせを含まないはずれの図柄組み合わせ(例えば、[123]など)を決定する。そして、演出制御用CPU31aは、画像データをもとに図柄変動ゲームを画像表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。その後、図柄変動ゲーム中に全図柄停止コマンドを入力すると、演出制御用CPU31aは、決定した飾図を演出表示装置11に確定停止表示させて図柄変動ゲームを終了させる。また、演出制御用CPU31aは、演出表示装置11の飾図による図柄変動ゲームの開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と画像表示用データをもとに画像表示部GHに映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に切り替える。
【0124】
また、演出制御用CPU31aは、保留指定コマンドを入力すると、該保留指定コマンドにより指定された表示態様で保留画像を演出表示装置11の画像表示部GHに表示させる制御を行う。具体的に説明すると、保留記憶数の1加算後に出力された保留指定コマンドを入力した場合、演出制御用CPU31aは、保留有の態様とする個別表示領域の個数を1つ増加させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。一方、保留記憶数の1減算後に出力された保留指定コマンドを入力した場合、演出制御用CPU31aは、個別表示領域H1を保留無の態様で表示させ、保留有の態様とする個別表示領域の個数を1つ減少させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。本実施形態では、保留画像表示領域Hが、実行が保留されている図柄変動ゲームの実行保留回数を報知する報知手段として機能する。
【0125】
また、演出制御用CPU31aは、確変コマンド、非確変コマンド、作動コマンド及び非作動コマンドを入力すると、確変状態や変短状態の付与状態を示す情報を演出制御用RAM31cに設定する。演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cの設定内容によって、遊技状態が確変状態であるか否か、変短状態であるか否かを把握している。また、演出制御用CPU31aは、非変短状態時に大当りC〜Fのうちいずれかが指示された場合、変短上限回数をサブ側作動回数として演出制御用RAM31cに設定する。そして、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力する度にサブ側作動回数を「1」減算するようになっている。
【0126】
また、演出制御用CPU31aは、所定のモードの移行の契機の到来により、該モードの移行の契機に応じた移行態様で演出モードの移行を制御する。演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに演出モードの種類を示すモードフラグ(情報)を設定することで、設定している演出モードを把握する。また、演出制御用CPU31aは、変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)の開始毎にモードフラグに示す演出モードとなるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0127】
このように構成した本実施形態のパチンコ遊技機では、実行が保留されている図柄変動ゲームの中に、遊技者にとって有利な特定演出内容となる図柄変動ゲームが記憶されていることを報知する事前演出が実行されるようになっている。本本実施形態では、遊技者にとって有利な特定演出内容を、大当り抽選に当選すること、又はスーパーリーチの内容ではずれリーチ演出が行われることとしている。
【0128】
以下、本実施形態において実行される事前演出の種類を説明する。
本実施形態の事前演出として、保留変化演出及びカウントダウン演出(連続演出)が設定されている。また、事前演出は、保留画像表示領域Hにおいて実行されるようになっている。なお、保留画像表示領域Hは、常には、図5(a)に示すように、保留記憶数の上限数に対応する4つの個別表示領域H1〜H4を表示させる態様となっている。ただし、予め定めた条件が成立すると、図5(b)に示すように、保留画像表示領域Hの表示態様が変化し、1つの表示領域のみが表示されるようになっている。本実施形態では、カウントダウン演出の実行が決定されることが、条件成立に相当する。
【0129】
以下、変化後の保留画像表示領域Hについて、図5(b)に従って説明する。
変化後の保留画像表示領域Hは、1つの表示領域によって構成されており、変化前の保留画像表示領域Hとは異なる表示領域となっている。また、変化後の保留画像表示領域Hの表示面積は、変化前の保留画像表示領域Hにおける各個別表示領域H1〜H4の1個あたりの表示面積と略同一となっている。これにより、変化後の保留画像表示領域Hの表示面積は、変化前の保留画像表示領域Hの表示面積よりも小さいことになる。そして、変化後の保留画像表示領域Hの表示面積が小さいことで、変化前の保留画像表示領域Hが表示されていた表示スペースに重複するように、その他の演出画像を表示させることも可能である。
【0130】
なお、本実施形態では、カウントダウン演出の実行中に始動入賞口15A,15Bに遊技球が入球し、始動保留球として記憶された場合、特殊保留画像X2とは別に個別表示領域を表示させ、特殊保留画像X2を表示させた状態で、個別表示領域において保留画像X1を表示させるようになっている。以下の説明では、変化前の保留画像表示領域Hを、保留画像表示領域Haと示す一方で、変化後の保留画像表示領域Hを、保留画像表示領域Hbと示す。
【0131】
次に、保留変化演出について説明する。
保留変化演出は、個別表示態様で表示される保留画像表示領域Haにおいて、事前判定された図柄変動ゲームに対応する個別表示領域の保留画像X1を、特定演出内容となることを報知する特別な表示態様に変化させる態様で行われる演出である。本実施形態では、図5(a)に示すように、事前判定された図柄変動ゲームに対応する個別表示領域の保留画像X1を、丸型からブロックに変化する態様で保留変化演出が実行されるようになっている。また、変化後の保留画像X1には、「リーチ演出が行われる」といったどのリーチ演出でも当てはまる広義の内容ではなく、事前判定された図柄変動ゲームが実行されるときのリーチ演出内容を報知する狭義の情報(図5(a)では、スーパーリーチSR8を特定する「R8」のメッセージ)が記載されている。ただし、事前判定された図柄変動ゲームに対応しない保留画像X1は、丸型から変化しないようになっている。また、本実施形態では、ノーマルリーチよりもスーパーリーチの方が、大当り期待度が高く設定されているとともに、スーパーリーチに分類されるリーチ演出に付いても大当り期待度が異なっている。これにより、保留変化演出によって、スーパーリーチ演出の種類及び大当り期待度が報知されているとも言える。
【0132】
そして、個別表示態様で表示される保留画像表示領域Haにおいて、図柄変動ゲームが実行される毎に、変化後の保留画像X1の表示位置が変更され、変化後の保留画像X1で特定される図柄変動ゲームが実行されるまで、変化後の保留画像X1が複数回の図柄変動ゲームに亘って表示される。
【0133】
次に、カウントダウン演出について説明する。
カウントダウン演出は、数字表示態様で表示される保留画像表示領域Hbにおいて、図5(b)に示すように、事前判定された図柄変動ゲームまでの残り回数を示すアラビア数字が記載された特殊保留画像X2を表示させる態様で行われる演出である。
【0134】
そして、数字表示態様で表示される保留画像表示領域Hbにおいて、図柄変動ゲームが実行される毎に、特殊保留画像X2の数字が1ずつ小さくなるように表示情報の更新が行われ、「0」と表示されるまで、複数回の図柄変動ゲームに亘ってカウントダウン演出が実行される。つまり、カウントダウンによって「0」と表示された際には、「0」と表示された図柄変動ゲームが、大当り又はスーパーリーチ演出の内容で行われる可能性があることが示唆されることになる。
【0135】
以下、事前演出に係わる処理について説明する。
まず、事前判定に係わる先読みコマンド設定処理について、図11に従って説明する。
先読みコマンド設定処理は、特別図柄入力処理において上始動入賞口15A又は下始動入賞口15Bで入球検知されたときに取得した大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数を、該入球に対応する図柄変動ゲームを開始させるときよりも前に(事前に)判定し、その事前判定の結果を指示する先読みコマンドを設定するための処理である。さらに、先読みコマンド設定処理では、上始動入賞口15A又は下始動入賞口15Bで入球検知されたときに取得した特図振分用乱数で特定される大当りの種類を指示する制御コマンドと、変動パターン振分用乱数の値を指示する制御コマンドが生成されるようになっている。先読みコマンド設定処理は、主制御用CPU30aによって実行される。また、先読みコマンド設定処理は、特別図柄入力処理の終了後、続けて実行される。
【0136】
また、本実施形態では、コマンド設定処理の実行時期を、「上始動入賞口15A又は下始動入賞口15Bへの入球(検知)時」と示すことがある。また、以下の説明における「図柄変動ゲームの開始時」とは、特別図柄開始処理の実行期間を指す。
【0137】
図11に示すように、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数を取得すると、取得した値が共通値と一致するか否かを判定する(ステップS21)。ステップS21の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、図10のステップS11の入球検知の対象となる始動保留球が、大当り抽選実行時の遊技状態に関係なく大当りとなることを事前に認識する。そして、主制御用CPU30aは、共通値と一致したことを示す先読みコマンドを生成し、該先読みコマンドを送信バッファに設定する(ステップS22)。具体的には、主制御用CPU30aは、ステップS22において、先読みコマンド設定処理実行時における保留記憶数と、共通値と一致したことを示す先読みコマンドを生成する。その後、主制御用CPU30aは、ステップS23に移行する。
【0138】
一方、ステップS21の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、取得した大当り判定用乱数の値が、非共通値と一致するか否かを判定する(ステップS24)。ステップS24の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、入球検知の対象となる始動保留球が、大当り抽選実行時に確変状態が付与されている場合に限って大当りとなることを事前に認識する。そして、主制御用CPU30aは、非共通値と一致したことを示す先読みコマンドを生成し、該先読みコマンドを送信バッファに設定する(ステップS25)。具体的には、主制御用CPU30aは、ステップS25において、先読みコマンド設定処理実行時における保留記憶数と、非共通値と一致したことを示す先読みコマンドを生成する。その後、主制御用CPU30aは、ステップS23に移行する。
【0139】
一方、ステップS24の判定結果が否定(非共通値と一致しない)の場合、主制御用CPU30aは、入球検知の対象となる始動保留球が、大当り抽選実行時の遊技状態にかかわらず、大当りとならないことを事前に認識する。そして、主制御用CPU30aは、はずれとなることを示す先読みコマンドを生成し、該先読みコマンドを送信バッファに設定する(ステップS26)。具体的には、主制御用CPU30aは、ステップS26において、先読みコマンド設定処理実行時における保留記憶数と、はずれとなることを示す先読みコマンドを生成する。その後、主制御用CPU30aは、ステップS23に移行する。
【0140】
ステップS23に移行した主制御用CPU30aは、ステップS22,S25,S26で設定した先読みコマンドに加え、以下に示す先読みコマンドを生成し、送信バッファに設定する。具体的に説明すると、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理において特図種別フラグに設定した値から、大当り図柄(特図)の種類を指示する特図種別先読みコマンドを生成し、送信バッファに設定する。また、主制御用CPU30aは、図10のステップS14で取得したリーチ判定用乱数の値を指示するリーチ先読みコマンドを生成し、送信バッファに設定する。さらに、主制御用CPU30aは、図10のステップS14で取得した変動パターン振分用乱数F1〜F3の値を指示する第1〜第3先読みコマンドをそれぞれ生成し、送信バッファに設定する。その後、主制御用CPU30aは、先読みコマンド設定処理を終了する。
【0141】
つまり、主制御用CPU30aは、大当りとなることを事前に認識した(ステップS21,S24が肯定判定された)場合であっても、リーチ先読みコマンドを生成し、演出制御基板31に出力することになる。また、主制御用CPU30aは、はずれとなることを事前に認識した(ステップS24が否定判定された)場合であっても、特図種別先読みコマンドを生成し、演出制御基板31に出力することになる。また、主制御用CPU30aは、ステップS21,S24において、入球検知の対象となる始動保留球に基づく図柄変動ゲームが大当りとなるか否かを事前に判定し、その判定結果を先読みコマンドとして演出制御基板31に出力している。また、主制御用CPU30aは、取得した特図振分用乱数の値によって特定される大当りの種類を事前に判定し、その判定結果を特図種別先読みコマンドとして演出制御基板31に出力している。その一方で、主制御用CPU30aは、取得した変動パターン振分用乱数F1〜F3の値と各種振分テーブルTA1,TA2,TB1,TB2に振り分けられた数値を比較して演出グループや変動パターンを事前に判定するのではなく、変動パターン振分用乱数F1〜F3の値そのものを指示する先読みコマンドを演出制御基板31に出力している。
【0142】
本実施形態では、ステップS21,S24の処理を実行する主制御用CPU30aが、開始前大当り判定手段として機能する。また、ステップS21,S24の処理を実行する主制御用CPU30aが、図柄変動ゲームの演出内容(主に、大当りか否か)を事前判定する事前判定手段として機能する。また、ステップS22,S25,S26で生成された先読みコマンドが、事前判定の判定結果を指示する第2制御コマンドに相当する。また、特図種別先読みコマンドが、大当り遊技の種類を指示する第3制御コマンドに相当する。また、変動パターン振分用乱数F1〜F3の値そのものを指示する第1先読みコマンド、第2先読みコマンド、及び第3先読みコマンドが、第4制御コマンドに相当する。
【0143】
また、主制御用CPU30aは、先読みコマンド設定処理とは別の処理において、主制御用RAM30cに設定した先読みコマンドを所定のタイミングで演出制御基板31に出力する。そして、各種先読みコマンドを入力すると、主制御用CPU30aで行われた事前判定の判定結果、及び取得した各種乱数の値を、事前判定の対象となる図柄変動ゲームの開始よりも前に演出制御用CPU31aが把握することができる。本実施形態では、各種コマンドを演出制御基板31に出力する主制御用CPU30aが、コマンド制御手段として機能する。
【0144】
また、コマンド設定処理を実行する時点では、主制御用CPU30aは、上始動入賞口15A又は下始動入賞口15Bに遊技球が入球した結果として、保留記憶数に1加算して、主制御用RAM30cの記憶内容をすでに書き換えている。また、コマンド設定処理を実行する時点では、特別図柄開始処理が実行される前であるため、保留記憶数に1加算後、当該保留記憶数から1減算されていない。
【0145】
以下、先読みコマンドの種類、及び先読みコマンドで特定される特定内容について、図12に従って説明する。
図12に示すように、大当り判定の結果を示す先読みコマンド(図11のステップS22,S25,S26)の上位バイトには、「D9H」が設定される。詳しくは、上位バイト「D9H」には、大当りか否かの事前判定結果が対応付けられている。一方、大当り判定の結果を示す先読みコマンドの下位バイトには、「00H」〜「0BH」が設定される。詳しくは、下位バイト「00H」には、保留記憶数「1」及びはずれとなることが対応付けられている。下位バイト「01H」には、保留記憶数「1」及び共通値と一致する大当りとなることが対応付けられている。下位バイト「02H」には、保留記憶数「1」及び非共通値と一致する大当りとなることが対応付けられている。以下、下位バイト「03H」〜「0BH」に対しても、保留記憶数と大当り判定値との比較結果とが対応付けられている。
【0146】
また、図12に示すように、特図種別先読みコマンドの上位バイトには、「D0H」が設定される。詳しくは、上位バイト「D0H」には、大当り図柄(特図)の種類を示すことが対応付けられている。一方、特図種別先読みコマンドの下位バイトには、「01H」〜「06H」が設定される。詳しくは、下位バイト「01H」には、特図種別フラグに「01H」が設定されていること、すなわち、大当りAが決定されたことが対応付けられている。また、下位バイト「02H」には、特図種別フラグに「02H」が設定されていること、すなわち、大当りBが決定されたことが対応付けられている。以下同様に、下位バイト「03H」〜「06H」に対しても、特図種別フラグの値、すなわち、大当りの種類を示す情報がそれぞれ対応付けられている。
【0147】
また、リーチ先読みコマンドの上位バイトには、「D1H」又は「D2H」が設定される。詳しくは、上位バイト「D1H」,「D2H」には、リーチ判定用乱数の値を示すことが対応付けられている。一方、リーチ先読みコマンドの上位バイトに「D1H」が設定されている場合、下位バイト「00H」〜「7FH」が設定される。また、リーチ先読みコマンドの上位バイトに「D2H」が設定されている場合、下位バイト「00H」〜「70H」が設定される。
【0148】
また、第1先読みコマンドの上位バイトには、「D3H」又は「D4H」が設定される。詳しくは、上位バイト「D3H」,「D4H」には、変動パターン振分用乱数F1の値を示すことが対応付けられている。一方、第1先読みコマンドの上位バイトに「D3H」が設定されている場合、下位バイト「00H」〜「7FH」が設定される。また、第1先読みコマンドの上位バイトに「D4H」が設定されている場合、下位バイト「00H」〜「6EH」が設定される。
【0149】
また、第2先読みコマンドの上位バイトには、「D5H」又は「D6H」が設定される。詳しくは、上位バイト「D5H」,「D6H」には、変動パターン振分用乱数F2の値を示すことが対応付けられている。一方、第2先読みコマンドの上位バイトに「D5H」が設定されている場合、下位バイト「00H」〜「7FH」が設定される。また、第2先読みコマンドの上位バイトに「D6H」が設定されている場合、下位バイト「00H」〜「7AH」が設定される。
【0150】
また、第3先読みコマンドの上位バイトには、「D7H」又は「D8H」が設定される。詳しくは、上位バイト「D7H」,「D8H」には、変動パターン振分用乱数F3の値を示すことが対応付けられている。一方、第3先読みコマンドの上位バイトに「D7H」が設定されている場合、下位バイト「00H」〜「7FH」が設定される。また、第3先読みコマンドの上位バイトに「D8H」が設定されている場合、下位バイト「00H」〜「68H」が設定される。
【0151】
そして、リーチ先読みコマンド及び第1〜第3先読みコマンドでは、それぞれ1つの乱数を対応付けている。例えば、リーチ先読みコマンドの上位バイトに「D1H」が設定されている場合、下位バイト「00H」には、リーチ判定用乱数の値「0」を示すことが対応付けられている。また、リーチ先読みコマンドの上位バイトに「D2H」が設定されている場合、下位バイト「00H」には、リーチ判定用乱数の値「128」を示すことが対応付けられている。
【0152】
また、第1先読みコマンドの上位バイトに「D3H」が設定されている場合、下位バイト「00H」には、変動パターン振分用乱数F1の値「0」を示すことが対応付けられている。また、第1先読みコマンドの上位バイトに「D4H」が設定されている場合、下位バイト「00H」には、変動パターン振分用乱数F1の値「128」を示すことが対応付けられている。
【0153】
このように、本実施形態のパチンコ遊技機では、大当りか否かについては、事前判定の判定結果を示す先読みコマンドを送信する一方で、変動パターンの種類を特定する場合は、各種テーブルTA2,TB2に対応付けられた変動パターンの特定結果ではなく、取得した乱数値そのものを指示する先読みコマンドを送信するようになっている。これにより、主制御用CPU30aは、変動パターンの決定は、特別図柄開始処理によって1回行うだけであって、特別図柄開始処理が行われる前段階では、あくまで変動パターンを特定するために使用する変動パターン振分用乱数の値を指示していることになる。
【0154】
そして、演出制御用CPU31aは、各種先読みコマンドを入力すると、先読みコマンドを入力する度に、当該コマンドで特定される保留記憶数に対応する記憶領域に各種先読みコマンドを記憶させるようになっている。
【0155】
また、演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲームの開始時(変動パターン指定コマンドの入力時)に、最も早く記憶した保留記憶数「1」に対応付けられた記憶領域に記憶されている先読みコマンドの値を今回の図柄変動ゲームを実行させるための実行領域に対応付けて記憶する。なお、演出制御用CPU31aは、その後、保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶されている先読みコマンドを保留記憶数「1」に対応付けられた記憶領域に記憶する。同様に、演出制御用CPU31aは、保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶されている先読みコマンドを保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶する。同様に、演出制御用CPU31aは、保留記憶数「4」に対応付けられた記憶領域に記憶されている先読みコマンドを保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶する(シフト処理)。
【0156】
次に、演出制御用CPU31aによって実行される演出設定処理について図13を参照して以下に説明する。この演出設定処理は、保留変化演出又はカウントダウン演出のうちどちらを実行させるかを決定するために行う処理である。そして、演出制御用CPU31aは、先読みコマンドを入力する度に当該処理を実行するようになっている。
【0157】
図13に示すように、演出制御用CPU31aは、先読みコマンドで指示される変動パターンが、大当り又ははずれとなるスーパーリーチ演出を特定する変動パターンであるか否かを判定する(ステップS31)。前述したように、演出制御用ROM31bには、主制御用ROM30bに記憶された演出グループ振分テーブルTA1,TB1、及び変動パターン振分テーブルTA2,TB2と同一の演出グループ及び変動パターンを定めたサブ側演出グループ振分テーブル及びサブ側変動パターン振分テーブルが記憶されている。これにより、ステップS31において、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶されているモードフラグの値を確認し、設定している演出モードを把握する。
【0158】
そして、演出制御用CPU31aは、把握した演出モードに対応付けられているサブ側演出グループ振分テーブル及びサブ側変動パターン振分テーブルを特定する。その後、演出制御用CPU31aは、各種先読みコマンドに基づき、特定したサブ側演出グループ振分テーブルの中から演出グループを特定する。なお、演出グループを特定するための各種先読みコマンドとは、大当りとなるか否かの事前判定結果と保留記憶数を指示する先読みコマンドと、第3先読みコマンドと、リーチ先読みコマンドと、第1先読みコマンドである。その後、演出制御用CPU31aは、第2先読みコマンドで特定される変動パターン振分用乱数F2の値に基づき、特定した演出グループの中からいずれか1つの変動パターンを特定する。本実施形態では、主制御用ROM30bに記憶された各種テーブルTA1,TB1,TA2,TB2と同一の演出グループ及び変動パターンを定めた各種テーブルを演出制御用ROM31bに設定している。これにより、特別図柄開始処理の実行前であっても、演出制御用CPU31aが、図柄変動ゲームの開始時に選択され得る変動パターンを事前に把握することができる。
【0159】
また、前述したように、演出制御用CPU31aは、大当り遊技終了後や変短状態の終了タイミングなど遊技状態が変化するタイミングで、主制御用CPU30aから確変コマンドや作動コマンドなどの遊技状態の変化に係る各種コマンドを入力する。これにより、演出制御用CPU31aは、現在の遊技状態を把握し得るようになっている。そして、演出制御用CPU31aは、先読みコマンドを入力することで大当り・はずれの情報と図柄種別の情報を把握し得るため、把握している現在の遊技状態と、大当り・はずれの情報と図柄種別の情報とから、先読み対象となっている図柄変動ゲームが行われるときの遊技状態を事前に把握することが可能となる。
【0160】
ステップS31の判定結果が否定の場合、先読みコマンドで指示される変動パターンが、大当り又ははずれとなるスーパーリーチ演出を特定する変動パターンではないため、演出制御用CPU31aは、演出設定処理を終了する。
【0161】
一方、ステップS31の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、はずれとなることを示す先読みコマンドを入力しているときには、第3先読みコマンドによって特定される変動パターン振分用乱数F3の値が、はずれ内容判定値と一致するか否かを判定する(ステップS32)。
【0162】
ステップS32の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、演出設定処理を終了する。一方、ステップS32の判定結果が肯定の場合、ステップS33に移行する。なお、演出制御用CPU31aは、大当りとなる先読みコマンドを入力している場合、ステップS32の抽選を行うことなく、ステップS33に移行する。これにより、本実施形態では、確実にリーチ演出が行われる場合に事前演出が実行可能となる。
【0163】
ステップS33に移行した演出制御用CPU31aは、カウントダウン演出(図中、CD演出と示す)の実行中であるか否かを判定する(ステップS33)。なお、ステップS33において、演出制御用CPU31aは、演出フラグにカウントダウン演出の実行中であることを示す値「2」がセットされているか否かを判定することで、カウントダウン演出の実行中であるか否かを判定する。
【0164】
ステップS33の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、演出制御処理を終了する。これにより、演出制御用CPU31aは、カウントダウン演出が終了していないにもかかわらず、再度、カウントダウン演出を開始させることがない。
【0165】
一方、ステップS33の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、先読みコマンドで特定される保留記憶数が「2」以上であるか否かを判定する(ステップS34)。すなわち、演出制御用CPU31aは、入力した先読みコマンドが「D903H〜0BH」のうちいずれであるかを判定する。ステップS34の判定結果が否定の場合、カウントダウン演出が1回の図柄変動ゲームで終了してカウントダウンができないため、演出制御用CPU31aは、演出制御処理を終了する。
【0166】
一方、ステップS34の判定結果が肯定の場合、カウントダウン演出が2回以上の図柄変動ゲームに跨って実行されることになる。次に、演出制御用CPU31aは、各種先読みコマンドを入力した時点で既に記憶されている始動保留球に基づく図柄変動ゲームにリーチ演出の可能性を含んでいないか否かを判定する(ステップS35)。
【0167】
前述したように、演出制御用CPU31aは、先読みコマンドを入力する度に、当該コマンドで特定される保留記憶数に対応する記憶領域に先読みコマンドを記憶させるようになっている。したがって、演出制御用CPU31aは、新たに先読みコマンドを入力した場合、既に記憶されている保留記憶数に対応付けられた記憶領域に記憶された先読みコマンドを読み出すことで、カウントダウン演出の途中にはずれリーチ演出又は大当り演出が実行される可能性があるか否かを事前に確認することができる。
【0168】
そして、既に記憶されている全ての始動保留球に対応付けられた先読みコマンドが、リーチ演出を伴わないはずれとなることを指示する先読みコマンドであった場合、演出制御用CPU31aは、ステップS35を肯定判定する。なお、「リーチ演出を伴わないはずれ」と事前判定される条件は、以下の条件を指す。すなわち、演出設定処理の実行契機となった始動保留球よりも前の保留記憶数に対応する記憶領域に、「D900H」,「D903H」,「D906H」,「D909H」のうちいずれかの先読みコマンドと、非リーチ判定値「30」〜「240」のうちいずれかを指示するリーチ先読みコマンドが記憶されていることである。なお、本実施形態において演出制御用CPU31aは、事前演出の実行中に大当りとなる図柄変動ゲームが行われた場合、大当り遊技終了後、事前演出を再開させないようになっている。つまり、大当り遊技の開始に伴って、保留記憶数に対応する記憶領域に設定された各種先読みコマンドをリセットするようになっている。
【0169】
そして、ステップS35の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、保留画像表示領域Hの表示態様を、数字表示態様となる保留画像表示領域Hbとし、該表示領域にてカウントダウン演出を実行させることを決定する(ステップS36)。そして、演出制御用CPU31aは、事前演出の実行状況を管理する演出フラグにおいて、カウントダウン演出の実行中であることを示す値「2」をセットする(ステップS37)。また、演出制御用CPU31aは、入力した先読みコマンドで特定される保留記憶数と同一数を、カウントダウン演出を実行させる図柄変動ゲーム数を示すカウント残回数として、演出制御用RAM31cにセットする。そして、演出制御用CPU31aは、演出制御処理を終了する。
【0170】
一方、既に記憶されている始動保留球に対応付けられた先読みコマンドが、1つでもリーチ演出を含む先読みコマンドであったり、リーチ判定に当選する可能性があることを示す先読みコマンドであった場合、演出制御用CPU31aは、ステップS35を否定判定する。なお、リーチ判定に当選する可能性があることを示す先読みコマンドとは、非共通リーチ判定値と一致するリーチ判定用乱数の値を指示するリーチ先読みコマンドである。
【0171】
そして、ステップS35を否定判定した演出制御用CPU31aは、ステップS31で判定したリーチ演出内容が、図柄変動ゲーム開始時においてその他の演出内容に変わらないか否かを判定する(ステップS38)。具体的に説明すると、ステップS38では、指示された変動パターン振分用乱数F1〜F3で特定される演出設定処理を実行したときの遊技状態における変動パターンと、指示された変動パターン振分用乱数F1〜F3で特定される図柄変動ゲーム開始時における変動パターンが同一であるか否かを判定するようになっている。指示された変動パターン振分用乱数F1〜F3で特定される変動パターンが同一であるならば、ステップS38が肯定判定される一方、指示された変動パターン振分用乱数F1〜F3で特定される変動パターンが異なるならば、ステップS38が否定判定されるようになっている。
【0172】
本実施形態では、主制御用ROM30bに記憶された各種テーブルTA1,TB1,TA2,TB2と同一の演出グループ及び変動パターンを定めたサブ側演出グループ振分テーブル及びサブ側変動パターン振分テーブルが記憶されている。また、演出制御用CPU31aは、特別図柄開始処理が行われるよりも前に特図種別先読みコマンドを入力している。さらに、演出制御用CPU31aは、確変コマンド、非確変コマンド、作動コマンド及び非作動コマンドを入力すると、確変状態や変短状態の付与状態を示す情報を演出制御用RAM31cに設定している。また、演出制御用CPU31aは、非変短状態時に大当りC〜Fのうちいずれかが指示された場合、変短上限回数をサブ側作動回数として演出制御用RAM31cに設定している。
【0173】
これにより、演出制御用CPU31aは、先読みコマンドを入力すると、入力した先読みコマンドで特定される保留記憶数や、既に記憶されている先読みコマンドで特定される演出内容に基づき、図柄変動ゲームが開始されるときの遊技状態を事前に把握することができる。そして、図柄変動ゲームが開始されるときの遊技状態を事前に把握することができたのであれば、図柄変動ゲームが開始されるときの遊技状態に対応する各種テーブルから、演出グループ及び変動パターンを事前に特定することが可能となる。つまり、図柄変動ゲームの開始前であっても、図柄変動ゲームが開始されるときにどの変動パターンが特定されるのかを事前に把握することができる。
【0174】
ステップS38の判定結果が否定の場合、コマンド設定処理が行われたときの遊技状態で特定され得る変動パターンと、図柄変動ゲームが開始されるときの遊技状態で特定され得る変動パターンが異なることになる。この場合、演出制御用CPU31aは、事前演出の実行を決定することなく、演出設定処理を終了する。なお、ステップS38が否定判定される状況は、コマンド設定処理が行われたときに変短状態が付与されているが、図柄変動ゲームが開始されるときには変短状態が終了しており、異なる変動パターン振分テーブルが特定されることで、異なる変動パターンが特定されるようなときに起こり得る。
【0175】
一方、ステップS38の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、保留画像表示領域Hの表示態様を、個別表示態様となる保留画像表示領域Haとし、該表示領域にて保留変化演出を実行させることを決定する(ステップS39)。そして、演出制御用CPU31aは、事前演出の実行状況を管理する演出フラグにおいて、保留変化演出の実行中であることを示す値「1」をセットする(ステップS39)。また、演出制御用CPU31aは、入力した先読みコマンドで特定される保留記憶数と同一数を、保留変化演出を実行させる図柄変動ゲーム数を示す保留残回数として、演出制御用RAM31cにセットする。そして、演出制御用CPU31aは、演出制御処理を終了する。
【0176】
本実施形態では、各種先読みコマンドを入力した時点で既に記憶されている始動保留球に基づく図柄変動ゲームにリーチ演出の可能性を含んでいることが、第1規定条件の成立に相当する。一方、各種先読みコマンドを入力した時点で既に記憶されている始動保留球に基づく図柄変動ゲームにリーチ演出の可能性を含んでいないことが、第2規定条件の成立に相当する。また、ステップS31において、図柄変動ゲームの変動内容を判定していることから、ステップS31の処理を実行する演出制御用CPU31aが、図柄変動ゲームの演出内容を事前判定する事前判定手段として機能する。また、特別図柄開始処理よりも前に、第1〜第3先読みコマンドで特定される変動パターン振分用乱数F1〜F3の値に基づいて、サブ側演出グループ振分テーブル及びサブ側変動パターン振分テーブルから変動内容を特定する演出制御用CPU31aが、開始前判定手段として機能する。また、各種先読みコマンドを入力した時点で既に記憶されている始動保留球に基づく図柄変動ゲームについて、第1規定条件又は第2規定条件が成立するか否かを判定する演出制御用CPU31aが、条件判定手段として機能する。
【0177】
次に、保留変化演出及びカウントダウン演出を実行させるための演出実行処理について、図14に従って説明する。演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力した後、当該処理を所定周期毎に実行するようになっている。
【0178】
図14に示すように、まず、演出制御用CPU31aは、演出フラグにカウントダウン演出の実行中であることを示す値として「2」が設定されているか否かを判定する(ステップS41)。ステップS41の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶されているカウント残回数を1減算して、演出制御用RAM31cの記憶内容を更新する(ステップS42)。
【0179】
次に、演出制御用CPU31aは、カウント残回数が「0」であるか否かを判定する(ステップS43)。すなわち、ステップS83において、演出制御用CPU31aは、これから実行させようとしている図柄変動ゲームが、カウントダウン演出の対象となる図柄変動ゲームであるか否かを判定する。
【0180】
ステップS43の判定結果が肯定の場合、カウントダウン演出の対象となる図柄変動ゲームが実行され、カウントダウン演出が終了するため、演出制御用CPU31aは、演出フラグに、いずれの事前演出も行われていないことを示す値として「0」を設定する(ステップS44)。その後、演出制御用CPU31aは、演出実行処理を終了する。
【0181】
一方、ステップS43の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、カウントダウン演出の対象となる図柄変動ゲームがいつ実行されるかを示すため、カウント残回数を1減算した値に対応するアラビア数字が記載された特殊保留画像X2を表示させる(ステップS45)。これにより、演出制御用CPU31aは、カウントダウン演出を実行させると、以降、図柄変動ゲームが開始される度に特殊保留画像X2で示されるアラビア数字を1減算した値に更新し、表示させる。
【0182】
一方、ステップS41の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、演出フラグに保留変化演出の実行中であることを示す値として「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS46)。この判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、カウントダウン演出及び保留変化演出のいずれも実行中でないため、演出実行処理を終了する。一方、ステップS46の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶されている保留残回数を1減算して、演出制御用RAM31cの記憶内容を更新する(ステップS47)。
【0183】
次に、演出制御用CPU31aは、保留残回数が「0」であるか否かを判定する(ステップS48)。すなわち、ステップS48において、演出制御用CPU31aは、これから実行させようとしている図柄変動ゲームが、保留変化演出の対象となる図柄変動ゲームであるか否かを判定する。
【0184】
ステップS48の判定結果が肯定の場合、保留変化演出の対象となる図柄変動ゲームが実行され、保留変化演出が終了するため、演出制御用CPU31aは、演出フラグに「0」を設定する(ステップS49)。その後、演出制御用CPU31aは、演出実行処理を終了する。
【0185】
一方、ステップS48の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、保留変化演出の対象となる図柄変動ゲームがいつ実行されるかを示す。具体的には、演出制御用CPU31aは、保留残回数を1減算した値に対応するように、表示態様を色付きの丸型から、リーチ演出内容を報知する情報が記載されているブロックに変化させた変化後の保留画像X1を、入球順序が1つ前の始動保留球に対応する個別表示領域に表示させる(ステップS50)。これにより、演出制御用CPU31aは、保留変化演出を実行させると、以降、図柄変動ゲームが開始される度に変化後の保留画像X1を、入球順序が1つ前の始動保留球に対応する個別表示領域に1つずつ移動させる。
【0186】
このような制御を実行することで、本実施形態では、各種先読みコマンドを入力した時点で既に記憶されている始動保留球に基づく図柄変動ゲームにリーチ演出の可能性を含んでいるか否かによって、実行される事前演出の種類が変更されることになる。詳しくは、途中でリーチとならない場合には、カウントダウン演出の実行が決定される一方で、途中でリーチとなる可能性がある場合には、保留変化演出の実行が決定されるようになっている。そして、保留変化演出では、図13のステップS31で判定したリーチ演出内容が、図柄変動ゲーム開始時においてその他の演出内容に変わらない場合に限って、保留変化演出の実行を許可している。これにより、変短状態が終了する等して、先読みコマンド設定処理が行われたときの遊技状態と、図柄変動ゲームが開始されるときの遊技状態が異なるような場合であっても、図柄変動ゲーム開始前に特定された演出内容から変化しないのであれば、保留変化演出が実行され得ることになる。そして、先読みコマンド設定処理の実行対象となった始動保留球に基づく図柄変動ゲームが実際に行われるときの遊技状態で行われる変動内容を報知する(例えば、スーパーリーチSR8であることを具体的に報知する内容)態様で事前演出が行われることになる。本実施形態では、事前演出を実行させる演出制御用CPU31aが、事前演出制御手段として機能する。
【0187】
なお、図13のステップS35の判定結果が肯定の場合、ステップS38の処理を実行することなく、カウントダウン演出の実行を決定している。カウントダウン演出では、リーチ演出内容を報知する情報(例えば、スーパーリーチSR8であることを具体的に報知する内容)の報知ではなく、事前判定されたゲームまでの残り回数の報知が行われるようになっている。つまり、カウントダウン演出では、先読みコマンドを入力した時点で特定したリーチ内容と、図柄変動ゲーム開始時に特定したリーチ内容が変わったとしても、残り回数がどの程度であるかということしか報知されない。よって、先読みコマンドの入力時と図柄変動ゲームの開始時とでリーチ内容が変わったとしても、遊技者はその変化を知り得ないので、カウントダウン演出の実行に規制をかける必要がない。ただし、ステップS38のように、ゲーム実行時に内容が変わらないか判定していないことで、先読みコマンドの入力時には「スーパーリーチSR8」が特定されているが、ゲーム実行時の遊技状態が先読みコマンド入力時の遊技状態から変化していた場合には、異なるスーパーリーチが特定されることもある。
【0188】
次に、保留変化演出及びカウントダウン演出の流れについて、その作用とともに図15及び図16に従って説明する。なお、図中、「99回」などの回数は、大当り遊技終了後から付与された変短状態の付与回数を示す。また、図15図16では、変短状態中に大当りCに当選したことを前提としている。
【0189】
以下、保留変化演出の流れについて図15に従って説明する。
図15に示すように、前提により大当りCが決定されていることから、大当り遊技終了後、変短上限回数(本実施形態では100回)の図柄変動ゲームが終了する迄、変短状態が付与される。そして、時点a1の時点では、カウントダウン演出の実行が決定されていないとする。この場合、個別表示態様で保留画像表示領域Haが表示されることになる。そして、時点a2に示すように、大当り遊技終了後、99回目の図柄変動ゲームの実行中に下始動入賞口15Bに遊技球が入球したとする。なお、時点a2では、大当りAを特定する特図振分用乱数と、変動パターン振分用乱数F1として「150」と、変動パターン振分用乱数F2として「100」を指示する各種先読みコマンドを入力していたとする。そして、時点a2で下始動入賞口15Bに入球した遊技球が保留記憶数「4」として記憶されたとする。
【0190】
このとき、演出制御用CPU31aは、図13に示すステップS38の処理において、時点a2における遊技状態で特定される変動パターンを判定する。図7に示す演出グループ振分テーブルTB1において、取得した変動パターン振分用乱数F1の値「150」は、演出グループEIに振り分けられる値と一致するので、演出グループEIが特定されることになる。
【0191】
そして、図9に示す変動パターン振分テーブルTB2では、演出グループEIにおいて、取得した変動パターン振分用乱数F2の値「100」は、変動パターンP20に振り分けられる値と一致するので、変動パターンP20が特定されることになる。
【0192】
また、演出制御用CPU31aは、図13に示すステップS38の処理において、時点a2で保留記憶数「4」として記憶された遊技球に基づく図柄変動ゲームが実行されるときの遊技状態を把握する。この例では、大当り遊技終了後、100回目の図柄変動ゲームから1回目の保留変化演出が行われ、4回目(最終回)の保留変化演出が、大当り遊技終了後、103回目の図柄変動ゲームで実行されることになる。これにより、演出制御用CPU31aは、時点a2で保留記憶数「4」として記憶された遊技球に基づく図柄変動ゲームが実行されるときの遊技状態が、「高確+変短なし」となることを事前に把握する。そして、遊技状態を把握した後、演出制御用CPU31aは、図13に示すステップS38の処理において、把握した遊技状態で特定される変動パターンを判定する。前述したように、「高確+変短なし」となることを事前に把握したことで、図6に示す演出グループ振分テーブルTB1において、取得した変動パターン振分用乱数F1の値「150」は、演出グループEIに振り分けられる値と一致するので、演出グループEIが特定されることになる。
【0193】
そして、図8に示すように、変動パターン振分テーブルTA2では、演出グループEIにおいて、取得した変動パターン振分用乱数F2の値「100」は、変動パターンP20に振り分けられる値と一致するので、変動パターンP20が特定されることになる。
【0194】
このように、時点a2における遊技状態で特定した変動パターンと、時点a2で保留記憶数「4」として記憶された遊技球に基づく図柄変動ゲームが実行されるときの遊技状態で特定した変動パターンが、どちらも「変動パターンP20」となっている。これにより、演出制御用CPU31aは、図13に示すステップS39の処理において、保留変化演出の実行を決定する。よって、下始動入賞口15Bに遊技球が入球したことを契機として、時点a2のタイミングで、個別表示領域H4に、リーチ演出内容を報知する情報が記載されているブロックに変化した保留画像X1が表示される。これにより、遊技者は、次の図柄変動ゲームから数えて4回目の図柄変動ゲームで、大当りとなることに期待を持つことになる。
【0195】
そして、大当り遊技終了後、99回目の図柄変動ゲームが終了すると、時点a3に示すように、次の図柄変動ゲームが実行される(100回目)。そして、時点a3では、図柄変動ゲームが開始されたことにより、各保留画像X1が、入球順序が1つ前の始動保留球に対応する個別表示領域に移動される。これにより、変化後の保留画像X1は、個別表示領域H3に表示される。
【0196】
そして、大当り遊技終了後、100回目の図柄変動ゲームが終了すると、変短上限回数に到達したことにより、大当り遊技終了後、100回目の図柄変動ゲームの終了を以て変短状態が終了する。そして、時点a4に示すように、大当り遊技終了後、101回目の図柄変動ゲームから非変短状態が付与される(変短状態が付与されない)。そして、時点a4では、図柄変動ゲームが開始されたことにより、各保留画像X1が、入球順序が1つ前の始動保留球に対応する個別表示領域に移動される。これにより、変化後の保留画像X1は、個別表示領域H2に表示される。
【0197】
そして、時点a5に示すように、大当り遊技終了後、101回目の図柄変動ゲームの実行中に下始動入賞口15Bに遊技球が入球したとする。なお、時点a5で検知された遊技球に基づく図柄変動ゲームでは保留変化演出の実行が決定されなかったとすると、個別表示領域H3に保留画像X1が表示されるが、リーチ演出内容を報知する情報が記載されているブロックに変化しない。
【0198】
そして、大当り遊技終了後、101回目の図柄変動ゲームが終了すると、時点a6に示すように次の図柄変動ゲームが実行される(102回目)。そして、時点a6では、図柄変動ゲームが開始されたことにより、変化後の保留画像X1が、個別表示領域H1に表示される。
【0199】
そして、大当り遊技終了後、102回目の図柄変動ゲームが終了すると、時点a7に示すように次の図柄変動ゲームが実行される(103回目)。そして、時点a7では、図柄変動ゲームが開始されたことにより、変化後の保留画像X1が、非表示状態とされる。つまり、大当り遊技終了後、103回目の図柄変動ゲームが、保留変化演出の対象となる図柄変動ゲームとなる。
【0200】
そして、大当り遊技終了後、103回目の図柄変動ゲームは、保留変化演出で予告されていたとおり、スーパーリーチSR8となる大当り変動の内容で実行されたことになる。
ちなみに、先読みコマンド設定処理において、該処理の実行時における遊技状態に従って特定した変動パターンを演出制御基板31に指示したとしても、特別図柄開始処理が実行されるときに遊技状態が変化していたとすれば、その遊技状態では、指示された変動パターンが設定されていないこともある。つまり、主制御用CPU30aから指示された変動パターンが設定されていないことで、実際の図柄変動ゲーム開始時には、指示された変動パターンに基づく図柄変動ゲームが実行できないことがある。ただし、遊技状態が変化しても、取得した乱数値が変化することはない。よって、本実施形態では、先読みコマンド設定処理における遊技状態で特定される変動パターンではなく、取得した乱数値そのものを指示する先読みコマンドを送信するようになっている。
【0201】
次に、カウントダウン演出の流れについて図16に従って説明する。
図16に示すように、前提により大当りCが決定されていることから、大当り遊技終了後、変短上限回数(本実施形態では100回)の図柄変動ゲームが終了する迄、変短状態が付与される。そして、時点b1の時点では、カウントダウン演出の実行が決定されていないとする。この場合、個別表示態様で保留画像表示領域Haが表示されることになる。そして、時点b2に示すように、図柄変動ゲームの実行中に下始動入賞口15Bに遊技球が入球したとする。なお、時点b2では、図15の時点a2と同じく、大当りAを特定する特図振分用乱数と、変動パターン振分用乱数F1として「150」と、変動パターン振分用乱数F2として「100」を指示する各種先読みコマンドを入力していたとする。そして、時点b2で下始動入賞口15Bに入球した遊技球が保留記憶数「3」として記憶されたとする。
【0202】
この場合、演出制御用CPU31aは、図13に示すステップS35の処理において、保留記憶数「1」「2」に基づく図柄変動ゲームにリーチ演出の可能性を含んでいないか否かを判定する。保留記憶数「1」「2」に基づく図柄変動ゲームでリーチ演出とならないことが判定されると、演出制御用CPU31aは、図13に示すステップS36の処理において、カウントダウン演出の実行を決定する。この場合、時点b2では、下始動入賞口15Bに遊技球が入球したことを契機として、数字表示態様の保留画像表示領域Hbに変化し、保留画像表示領域Hbに「3」が記載された特殊保留画像X2が表示される。これにより、遊技者は、次の図柄変動ゲームから数えて3回目の図柄変動ゲームで、大当りとなることに期待を持つことになる。
【0203】
そして、実行中の図柄変動ゲームが終了すると、時点b3に示すように次の図柄変動ゲームが開始され、保留画像表示領域Hbに表示された特殊保留画像X2が「2」に更新される。これにより、遊技者は、次の図柄変動ゲームから数えて2回目の図柄変動ゲームで、大当りとなることに期待を持つことになる。
【0204】
そして、実行中の図柄変動ゲームが終了すると、時点b4に示すように次の図柄変動ゲームが開始され、保留画像表示領域Hbに表示された特殊保留画像X2が「1」に更新される。これにより、遊技者は、次の図柄変動ゲームで、大当りとなることに期待を持つことになる。
【0205】
また、時点b5に示すように、図柄変動ゲームの実行中に、下始動入賞口15Bに遊技球が1球入球したとする。この場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数として「2」を記憶するが、カウントダウン演出の実行中であるため、時点b5では、保留画像表示領域Hbとは別に個別表示領域H1が表示され、特殊保留画像X2が表示された状態で、個別表示領域H1において保留画像X1が表示される。
【0206】
そして、実行中の図柄変動ゲームが終了すると、時点b6に示すように次の図柄変動ゲームが開始され、保留画像表示領域Hbに表示された特殊保留画像X2が「0」に更新される。これにより、遊技者は、当該図柄変動ゲームで大当りとなることに期待を持つことになる。なお、時点b6では、個別表示領域H1が表示されている。
【0207】
そして、実行中の図柄変動ゲームが終了すると、時点b7に示すように次の図柄変動ゲームが開始される。ただし、特殊保留画像X2が「0」となり、カウントダウン演出が終了したため、数字表示態様の保留画像表示領域Hbから、個別表示態様の保留画像表示領域Haに表示態様が変化する。
【0208】
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)特定演出内容(大当り抽選に当選すること、又はスーパーリーチの内容ではずれリーチ演出が行われること)となることが事前判定された図柄変動ゲームよりも前に実行される図柄変動ゲームについてどのような規定条件が判定されたかを確認するようにした。そして、その判定された規定条件に応じて、事前演出の演出態様(保留変化演出とカウントダウン演出)を異ならせ、かつその演出態様に合わせて保留表示態様を異ならせた。これによれば、規定条件に応じて事前演出の演出態様が変化するため、特定演出内容となることが事前判定された図柄変動ゲームよりも前に実行される図柄変動ゲームの結果によって事前演出の解釈に混乱を与えることがない。そして、規定条件によって事前演出の演出態様と保留表示態様を異ならせた場合、始動保留球の個数を報知しつつ、事前演出の演出態様のバリエーションを増加させることができるので、事前演出に対する興趣の向上を図ることができる。
【0209】
(2)また、事前演出の演出態様に合わせて規定条件を設定することで、事前演出の見た目の態様とゲーム結果が合致し、見易くなる。
(3)第2規定条件(図13のステップS35が肯定判定されること)を満たすと判定された場合、カウントダウン演出として、保留画像X1が表示されていた表示領域とは異なる表示領域において特殊保留画像X2を表示させるようにした。なお、その後に検知された遊技球については、特殊保留画像X2を表示させた状態で、特殊保留画像X2が表示された後に記憶された始動保留球に基づく図柄変動ゲームに対応する保留画像X1を表示させるようにした。このように、第2規定条件の成立前後で始動保留球の報知態様を異ならせることで、連続演出の対象となる始動保留球とそうでない始動保留球の見分けが付け易くなる。
【0210】
(4)カウントダウン演出では、特殊保留画像X2に記載された残り回数を示す識別情報が規定数(例えば、「零」)となることで特定演出内容となることが報知される。ただし、事前演出において特定演出内容(大当り抽選に当選すること、又はスーパーリーチの内容ではずれリーチ演出が行われること)となることが報知されるよりも前に、その他の始動保留球に基づく図柄変動ゲームが実行される。よって、特定演出内容となることが事前判定された図柄変動ゲームよりも前に実行される図柄変動ゲームが特定演出内容となる場合、本来であれば、残り回数が規定数に到達して初めて特定演出内容となることが報知されるにもかかわらず、規定数に到達する前に特定演出内容で図柄変動ゲームが実行されると、遊技者を混乱させてしまうことがある。そこで、図13のステップS35の処理において、特定演出内容となることが事前判定された図柄変動ゲームよりも前に実行される図柄変動ゲームにおいて特定演出内容を含まないと事前判定された場合に限ってカウントダウン演出を実行させるようにした。これによれば、特定演出内容となることが事前判定された図柄変動ゲームよりも前に実行される図柄変動ゲームの結果によってカウントダウン演出の解釈に混乱を与えることなく、遊技者に見せたいカウントダウン演出を本来の形で見せることができる。
【0211】
(5)一方、保留変化予告は、事前判定が行われた図柄変動ゲームに対応する保留画像X1を、特定演出内容となることを報知する特別な表示態様(実施形態では、事前判定された図柄変動ゲームが実行されるときのリーチ演出内容を報知する情報)に変化させる態様で行われる。つまり、保留変化演出では、特定演出内容となる図柄変動ゲームまでの回数が報知されるわけではなく、保留画像X1の個数から特定演出内容となる図柄変動ゲームまでの回数をダイレクトに理解可能となる。つまり、特定演出内容となる図柄変動ゲームよりも前に如何なる内容で図柄変動ゲームが行われたとしても、特別な表示態様に変化した保留画像X1に対応する図柄変動ゲームが「特定変動内容」となることに変わりはない。したがって、特定演出内容となることが事前判定された図柄変動ゲームよりも前に実行される図柄変動ゲームの結果によって保留変化演出の解釈に混乱を与えることなく、遊技者に見せたい保留変化演出を本来の形で見せることができる。
【0212】
(6)保留画像表示領域Haでは、保留画像X1をそれぞれ表示させることで始動保留球の個数が報知される。このため、保留画像X1の個数を数えれば、始動保留球の個数を知ることができるので、遊技者に分かり易い報知態様となる。言い換えれば、保留画像表示領域Haでは、始動保留球が1個の場合と4個の場合とでは、保留画像X1の個数が異なるため、保留画像表示領域Haに占める保留画像X1の面積からも、始動保留球の個数を容易に把握できる。一方、保留画像表示領域Hbでは、始動保留球が1個の場合と4個の場合とで、保留有であることを示す表示面積が変化するわけではない。よって、保留画像表示領域Haにおいては、保留画像X1の表示面積の大小からも、始動保留球の多少を特定できる。
【0213】
(7)カウントダウン演出は、数値が減算する態様で行われる。これにより、カウントダウン演出と、始動保留球の個数の減少が連動して行われているかのような印象を遊技者に抱かせることができる。
【0214】
(8)カウントダウン演出では、遊技者にとって有利な特定演出内容となることが報知されるため、遊技者は、カウントダウン演出の結果に注目している。また、カウントダウン演出は、保留画像表示領域Hbにて行われるため、事前判定の対象となる図柄変動ゲームが特定演出内容であると事前判定されたことを契機に始動保留球の個数を報知することで、遊技者が注目するカウントダウン演出を確実に見せることができる。
【0215】
(9)演出制御用CPU31aは、事前判定の対象となる図柄変動ゲームの開始前であっても、先読みコマンド及び特図種別先読みコマンドの指示内容に基づいて事前判定の対象となる図柄変動ゲームが実行されるときの遊技状態を予め把握することができる。そして、把握した遊技状態に対応付けられた変動パターン振分テーブルの中から第1〜第3先読みコマンドの指示内容に基づいて図柄変動ゲームの変動内容を事前に判定することができる。また、演出制御基板31は、主制御基板30が有する演出グループ振分テーブル及び変動パターン振分テーブルと同一の変動内容を記憶するサブ側演出グループ振分テーブル及びサブ側変動パターン振分テーブルを有している。また、演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aと同一の手法で、サブ側演出グループ振分テーブル及びサブ側変動パターン振分テーブルの中から変動内容を判定している。よって、サブ側演出グループ振分テーブル及びサブ側変動パターン振分テーブルの中から第1〜第3先読みコマンドの指示内容に基づいて判定されたゲーム実行時の変動内容を事前に把握することができる。これにより、事前判定の対象となる図柄変動ゲームが実行されるときの遊技状態における変動内容を特定できたのであれば、事前演出の実行を禁止したり中断したりする必要がなくなるため、事前演出を最後まで遊技者に見せて、事前演出に対する興趣の向上を図ることができる。
【0216】
(10)主制御基板30は、図柄変動ゲームを開始させるときに、1回のみ図柄変動ゲームの変動内容を決定するようになっている。なお、主制御基板30が、図柄変動ゲームを開始させるよりも前に、何度も変動内容(変動パターン)を特定することも可能である。ただし、主制御基板30は、図柄変動ゲームの制御以外にも遊技を行うための重要な制御(大当り遊技の開始や遊技状態の管理など)を実行しなければならないため、何度も変動内容を特定させようとすると主制御基板30に負担を強いることになる。そこで、変動パターン振分用乱数F1〜F3の値を指示する第1〜第3先読みコマンドを送信するようにした。演出制御基板31は、主制御基板30のように遊技を行うための重要な制御を行う必要がないので、何度、変動内容を特定することも可能である。また、演出制御用CPU31aが変動内容を特定することを考えると、主制御基板30が有する演出グループ振分テーブルTA1,TB1及び変動パターン振分テーブルTA2,TB2と同一の変動内容を記憶するサブ側演出グループ振分テーブル及びサブ側変動パターン振分テーブルを有している。よって、主制御基板30から変動パターンが指示されなくても演出制御用CPU31a独自で変動内容を特定することができるので、制御の手間を有効に省くことができる。
【0217】
(11)主制御基板30から変動パターンが指示された場合、演出制御用CPU31aは、指示された変動パターンに基づいて変動内容を把握することができる。ところが、主制御基板30から指示される内容は、事前判定実行時の遊技状態において特定される変動パターンを示す内容であるため、もし、事前判定時とゲーム開始時で遊技状態が変わっていたとしても、演出制御用CPU31aは、変動パターンから遊技状態の変化を知ることができない。このような場合、演出制御用CPU31aは、変動パターンを入力したとしても、何をしたら良いか分からなくなる。そこで、変動パターン振分用乱数F1〜F3の値を指示する第1〜第3先読みコマンドを演出制御用CPU31aに送信するようにした。これによれば、演出制御用CPU31aは、遊技状態が変化したとしても、第1〜第3先読みコマンドで指示される乱数から変動内容を特定することができる。
【0218】
(12)主制御用ROM30b及び演出制御用ROM31bには、特定期間(実施形態では、変短状態の有無)毎に変動パターン振分テーブルTA2,TB2が記憶されている。したがって、演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから各種先読みコマンドを入力すると、図柄変動ゲームの開始前であっても、変短状態の付与状態が切り替わる切り替わりタイミング到来後に変動パターン振分用乱数F1〜F3の値によって特定される変動内容を、サブ側演出グループ振分テーブルやサブ側変動パターン振分テーブルを用いて事前に把握することができる。よって、図柄変動ゲーム開始時における変動内容を判定できたのであれば、事前演出の実行を禁止したり中断したりする必要がなくなるため、事前演出を最後まで遊技者に見せて、事前演出に対する興趣の向上を図ることができる。
【0219】
(13)事前演出では、リーチ演出が行われるか否かといった報知ではなく、リーチ演出の種類が報知される。このため、報知されたリーチ演出の種類が、大当り期待度が高いリーチ演出であれば、遊技者は、事前演出が最後まで実行されて、最終的に、報知された内容のリーチ演出が実行されて事前演出が終了することを望むことになる。よって、事前演出を中断させることなく最後まで遊技者に見せることで、事前演出に対する興趣の向上を図ることができる。
【0220】
(14)図11に示す先読みコマンド設定処理では、大当り抽選に当選するか否かを問わず、特図種別先読みコマンド及びリーチ先読みコマンドを出力するようになっている。つまり、大当り抽選に当選するか否かを問わず、コマンド設定処理として行う制御を共通化しているので、制御の簡素化を図ることができる。
【0221】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
なお、以下に説明する実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成及び同一制御内容などは、同一の符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。
【0222】
本実施形態では、演出グループ振分テーブル及び変動パターン振分テーブルを、演出モード毎に設定している。これにより、同一の遊技状態であっても、演出モードに応じて異なる演出グループ振分テーブル及び変動パターン振分テーブルが設定されていることから、変動パターン振分用乱数F1〜F3の値として同一値を取得している場合であっても、異なる変動パターンが特定されることがある。ただし、演出モードが変わったことで、演出グループ振分テーブル及び変動パターン振分テーブルも変化したとしても、第1実施形態と同じく、保留変化演出を実行可としている。つまり、先読みコマンド設定処理の実行時の演出モードで特定した変動パターンと、先読みコマンド設定処理の実行対象となった図柄変動ゲームが実行されるときの演出モードで特定した変動パターンが同一であった場合は、保留変化演出を実行できる。
【0223】
なお、本実施形態では、第1潜確モードM2の上限滞在回数が100回に定められ、上限滞在回数に到達すると、第1潜確モードM2から通常モードM1に移行するものとする。また、通常モードM1用として、図8に示す変動パターン振分テーブルTA2が設定されているものとする。また、第1潜確モードM2用として、図9に示す変動パターン振分テーブルTB2が設定されているものとする。
【0224】
以下、複数の演出モードを跨ぐ保留変化演出の流れについて、その作用とともに図17に従って説明する。なお、図17に示すように、「高確+変短なし」の第1潜確モードM2が設定されてから99回目の図柄変動ゲームの実行中、時点c1に示すように上始動入賞口15Aに遊技球が入球したとする。なお、時点c1では、図15の時点a2と同じく、大当りAを特定する特図振分用乱数と、変動パターン振分用乱数F1として「150」と、変動パターン振分用乱数F2として「100」を指示する先読みコマンドを入力していたとする。
【0225】
このとき、演出制御用CPU31aは、第1実施形態と同じく、時点c1における遊技状態で特定される変動パターンを判定する。また、演出制御用CPU31aは、時点c1で保留記憶数「4」として記憶された遊技球に基づく図柄変動ゲームが実行されるときの遊技状態を把握する。この例では、第1潜確モードM2が設定されてから100回目の図柄変動ゲームから1回目の保留変化演出が行われ、4回目(最終回)の保留変化演出が、通常モードM1が設定されてから3回目の図柄変動ゲームで実行されることになる。これにより、演出制御用CPU31aは、時点c1で保留記憶数「4」として記憶された遊技球に基づく図柄変動ゲームが実行されるときの遊技状態が、「高確+変短なし」の通常モードM1となることを事前に把握する。そして、演出制御用CPU31aは、把握した遊技状態で特定される変動パターンを判定する。
【0226】
本実施形態では、図15の時点a2と同じ乱数を取得している。よって、時点c1における遊技状態で特定した変動パターンと、時点c1で保留記憶数「4」として記憶された遊技球に基づく図柄変動ゲームが実行されるときの遊技状態で特定した変動パターンが、どちらも「変動パターンP20」となっている。これにより、演出制御用CPU31aは、保留変化演出の実行を決定する。よって、上始動入賞口15Aに遊技球が入球したことを契機として、時点c1のタイミングで、個別表示領域H4に、リーチ演出内容を報知する情報が記載されているブロックに変化した保留画像X1が表示される。
【0227】
そして、第1潜確モードM2が設定されてから99回目の図柄変動ゲームが終了すると、時点c2に示すように次の図柄変動ゲームが開始される(100回目)。そして、時点c2では、図柄変動ゲームが開始されたことにより、各保留画像X1が、入球順序が1つ前の始動保留球に対応する個別表示領域に移動される。これにより、変化後の保留画像X1は、個別表示領域H3に表示される。
【0228】
そして、第1潜確モードM2が設定されてから100回目の図柄変動ゲームが終了すると、第1潜確モードM2の上限滞在回数に到達したことにより、第1潜確モードM2が終了する。そして、時点c3に示すように、次の図柄変動ゲームは、通常モードM1で開始される。そして、時点c3では、図柄変動ゲームが開始されたことにより、各保留画像X1が、入球順序が1つ前の始動保留球に対応する個別表示領域に移動される。これにより、変化後の保留画像X1は、個別表示領域H2に表示される。
【0229】
以降、図柄変動ゲームが実行される度に各保留画像X1が、入球順序が1つ前の始動保留球に対応する個別表示領域に移動され、時点c4に示すように、通常モードM1が設定されてから3回目の図柄変動ゲームが実行される。そして、時点c4では、図柄変動ゲームが開始されたことにより、変化後の保留画像X1が非表示状態とされる。そして、通常モードM1が設定されてから3回目の図柄変動ゲームは、保留変化演出で予告されていたとおり、スーパーリーチSR8となる大当り変動の内容で実行されたことになる。
【0230】
したがって、本実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)〜(14)に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
(15)演出グループ振分テーブル及び変動パターン振分テーブルを、演出モード毎に設定するようにした。これにより、同一の遊技状態であっても、演出モードに応じて異なる演出グループ振分テーブル及び変動パターン振分テーブルが設定されていることから、変動パターン振分用乱数F1〜F3の値として同一値を取得している場合であっても、異なる変動パターンが特定されることがある。ただし、演出モードが変わったことで、演出グループ振分テーブル及び変動パターン振分テーブルも変化したとしても、保留変化演出の実行を決定し得るようにした。つまり、先読みコマンド設定処理の実行時の遊技状態で特定した変動パターンと、先読みコマンド設定処理の実行対象となった図柄変動ゲームが実行されるときの遊技状態で特定した変動パターンが同一であった場合は、保留変化演出を実行できる。これにより、事前判定の対象となる図柄変動ゲームが実行されるときの遊技状態における変動内容を特定できたのであれば、事前演出の実行を禁止したり中断したりする必要がなくなるため、事前演出を最後まで遊技者に見せて、事前演出に対する興趣の向上を図ることができる。
【0231】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
なお、以下に説明する実施形態において、既に説明した第1実施形態と同一構成及び同一制御内容などは、同一の符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。
【0232】
本実施形態では、変短状態中に大当りC〜Fのうちいずれかに当選した場合、大当り遊技終了後、規定回数目の図柄変動ゲームにおいて、変短状態が継続するか否かを遊技者に報知する途切れ目演出が実行されるようになっている。なお、途切れ目演出では、図19に示すように、遊技者を投影する味方キャラクタMと、味方キャラクタMと敵対する敵キャラクタTとが戦う演出が行われ、変短状態が継続する場合には、味方キャラクタMが敵キャラクタTに勝利する態様の演出が行われる。一方、変短状態が終了する場合には、味方キャラクタMが敵キャラクタTに敗北する態様の演出が行われる。
【0233】
本実施形態では、変短上限回数として「30回」、「50回」、及び「100回」の3種類が設定されている。これにより、変短状態中に大当りFに当選した場合、大当り遊技終了後、30回目の図柄変動ゲームにおいて途切れ目演出を実行させ、味方キャラクタMの敗北結果が導出され、変短状態が終了する。
【0234】
一方、変短状態中に大当りEに当選した場合、大当り遊技終了後、30回目の図柄変動ゲームにおいて途切れ目演出を実行させ、味方キャラクタMの勝利結果が導出され、変短状態が継続する。その後、大当り遊技終了後、50回目の図柄変動ゲームにおいて、再度、途切れ目演出を実行させ、味方キャラクタMの敗北結果が導出され、変短状態が終了する。
【0235】
一方、変短状態中に大当りC又は大当りDに当選した場合、大当り遊技終了後、30回目の図柄変動ゲームにおいて途切れ目演出を実行させ、味方キャラクタMの勝利結果が導出され、変短状態が継続する。その後、大当り遊技終了後、50回目の図柄変動ゲームにおいて、再度、途切れ目演出を実行させ、味方キャラクタMの勝利結果が導出され、変短状態が継続する。その後、大当り遊技終了後、100回目の図柄変動ゲームにおいて、再度、途切れ目演出を実行させ、味方キャラクタMの敗北結果が導出され、変短状態が終了する。
【0236】
また、図柄変動ゲーム中に途切れ目演出を実行させるために、図18に示すように、途切れ目演出専用の変動パターン振分テーブルTC2が設定されている。図18に示す変動パターン振分テーブルTC2は、大当り遊技終了後、30回、50回、及び100回目の図柄変動ゲームで選択させる変動パターンを定めている。具体的に説明すると、はずれ変動用の変動パターンとして変動パターンP26が、はずれリーチ変動用の変動パターンとして変動パターンP27が、大当り変動用の変動パターンとして変動パターンP28が夫々定められている。なお、途切れ目演出において、味方キャラクタMの勝利結果又は敗北結果のどちらを導出させるかは、変短上限回数に基づき、演出制御用CPU31aが決定するようになっている。
【0237】
これにより、同一の遊技状態であっても、変短状態が付与されてから実行された図柄変動ゲームの回数によって、異なる演出グループ振分テーブル及び変動パターン振分テーブルが設定されていることから、変動パターン振分用乱数F1〜F3の値として同一値を取得している場合であっても、異なる変動パターンが特定されることがある。ただし、変短状態が付与されてから実行された図柄変動ゲームの回数の違いによって、演出グループ振分テーブル及び変動パターン振分テーブルも変化したとしても、保留変化演出を実行可としている。つまり、先読みコマンド設定処理の実行時の遊技状態で特定した変動パターンと、先読みコマンド設定処理の実行対象となった図柄変動ゲームが実行されるときの遊技状態で特定した変動パターンが同一であった場合は、保留変化演出を実行できる。
【0238】
つまり、演出制御用CPU31aは、サブ側作動回数から、変短状態が付与される残りの図柄変動ゲーム数と、直近に決定された大当りの種類から、途切れ目演出の実行タイミングを事前に特定している。これにより、演出制御用CPU31aは、途切れ目演出の終了後、先読みコマンド設定処理の実行時の遊技状態で特定した変動パターンと、先読みコマンド設定処理の実行対象となった図柄変動ゲームが実行されるときの遊技状態で特定した変動パターンが同一であった場合は、保留変化演出を実行させることができる。本実施形態では、途切れ目演出の実行タイミングが、切り替わりタイミングに相当する。
【0239】
なお、先読みコマンド設定処理の実行対象となった図柄変動ゲームが実行されるときの遊技状態に従って特定した変動パターンが、途切れ目演出を実行させるための変動パターンであったり、先読みコマンド設定処理実行時の遊技状態で特定した変動パターンと異なっていた場合、演出制御用CPU31aは、保留変化演出を実行させない。
【0240】
次に、途切れ目演出を跨ぐ保留変化演出の流れについて、その作用とともに図19に従って説明する。なお、以下の説明では、変短状態中に大当りEに当選したことで、大当り遊技終了後、50回の図柄変動ゲームを対象として変短状態が付与されることを前提としている。また、図19に示すように、「低確+変短あり」の第2潜確モードM3が設定されてから、すなわち、大当り遊技終了後、28回目の図柄変動ゲームの実行中、時点d1に示すように下始動入賞口15Bに遊技球が入球したとする。なお、時点d1では、図15の時点a2と同じく、大当りAを特定する特図振分用乱数と、変動パターン振分用乱数F1として「150」と、変動パターン振分用乱数F2として「100」を指示する先読みコマンドを入力していたとする。
【0241】
このとき、演出制御用CPU31aは、第1実施形態と同じく、時点d1における遊技状態で特定される変動パターンを判定する。また、演出制御用CPU31aは、時点d1で保留記憶数「4」として記憶された遊技球に基づく図柄変動ゲームが実行されるときの遊技状態を把握する。この例では、大当り遊技終了後、29回目の図柄変動ゲームから1回目の保留変化演出が行われることになる。そして、図19では、変短状態中に大当りEに当選したことを前提としているので、大当り遊技終了後、30回目の図柄変動ゲームで途切れ目演出が行われるが、31回目以降の図柄変動ゲームにおいても変短状態が付与され、第2潜確モードM3が設定された状態である。
【0242】
これにより、演出制御用CPU31aは、時点d1で保留記憶数「4」として記憶された遊技球に基づく図柄変動ゲームが実行されるときの遊技状態が、「低確+変短あり」の第2潜確モードM3となることを事前に把握する。そして、演出制御用CPU31aは、把握した遊技状態で特定される変動パターンを判定する。
【0243】
本実施形態では、図15の時点a2と同じ乱数を取得している。よって、時点d1における遊技状態で特定した変動パターンと、時点d1で保留記憶数「4」として記憶された遊技球に基づく図柄変動ゲームが実行されるときの遊技状態で特定した変動パターンが、どちらも「変動パターンP20」となっている。これにより、演出制御用CPU31aは、保留変化演出の実行を決定する。よって、下始動入賞口15Bに遊技球が入球したことを契機として、時点d1のタイミングで、個別表示領域H4に、リーチ演出内容を報知する情報が記載されているブロックに変化した保留画像X1が表示される。
【0244】
そして、第2潜確モードM3が設定されてから28回目の図柄変動ゲームが終了すると、時点d2に示すように次の図柄変動ゲームが実行される(29回目)。そして、時点d2では、図柄変動ゲームが開始されたことにより、各保留画像X1が、入球順序が1つ前の始動保留球に対応する個別表示領域に移動される。これにより、変化後の保留画像X1は、個別表示領域H3に表示される。
【0245】
そして、第2潜確モードM3が設定されてから29回目の図柄変動ゲームが終了すると、時点d3に示すように次の図柄変動ゲームが実行される(30回目)。そして、時点d3では、図柄変動ゲームが開始されたことにより、各保留画像X1が、入球順序が1つ前の始動保留球に対応する個別表示領域に移動される。これにより、変化後の保留画像X1は、個別表示領域H2に表示される。また、変短状態が付与されてから規定回数目(この例では30回)の図柄変動ゲームであることにより、図18に示す変動パターン振分テーブルTC2から変動パターンが選択され、味方キャラクタM及び敵キャラクタTによる途切れ目演出が実行される。
【0246】
そして、変短状態中に大当りEが決定されていることにより、第2潜確モードM3が設定されてから30回目の図柄変動ゲームが終了しても、次の図柄変動ゲームは第2潜確モードM3が設定された状態で開始されることになる。これにより、時点d4に示すように、第2潜確モードM3が設定されてから31回目の図柄変動ゲームが開始されたことにより、各保留画像X1が、入球順序が1つ前の始動保留球に対応する個別表示領域に移動される。これにより、変化後の保留画像X1は、個別表示領域H1に表示される。
【0247】
以降、図柄変動ゲームが実行される度に各保留画像X1が、入球順序が1つ前の始動保留球に対応する個別表示領域に移動され、時点d5に示すように、第2潜確モードM3が設定されてから32回目の図柄変動ゲームが実行される。そして、時点d5では、図柄変動ゲームが開始されたことにより、変化後の保留画像X1が非表示状態とされる。そして、第2潜確モードM3が設定されてから32回目の図柄変動ゲームは、保留変化演出で予告されていたとおり、スーパーリーチSR8となる大当り変動の内容で実行されたことになる。
【0248】
したがって、本実施形態によれば、上記実施形態の効果(1)〜(14)に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
(16)同一の遊技状態であっても、変短状態が付与されてから実行された図柄変動ゲームの回数によって、異なる演出グループ振分テーブル及び変動パターン振分テーブルを設定するようにした。このような場合、変動パターン振分用乱数F1〜F3の値として同一値を取得していたとしても、異なる変動パターンが特定されることがある。ただし、変短状態が付与されてから実行された図柄変動ゲームの回数の違いによって、演出グループ振分テーブル及び変動パターン振分テーブルも変化したとしても、保留変化演出を実行可としている。つまり、先読みコマンド設定処理の実行時の遊技状態で特定した変動パターンと、先読みコマンド設定処理の実行対象となった図柄変動ゲームが実行されるときの遊技状態で特定した変動パターンが同一であった場合は、保留変化演出を実行できる。これにより、事前判定の対象となる図柄変動ゲームが実行されるときの遊技状態における変動内容を特定できたのであれば、事前演出の実行を禁止したり中断したりする必要がなくなるため、事前演出を最後まで遊技者に見せて、事前演出に対する興趣の向上を図ることができる。
【0249】
なお、上記実施形態は以下のように変更しても良い。
・各実施形態では、特図種別先読みコマンドに対して、大当りの種類に加えて該コマンド生成時における変短状態の有無も対応付けても良い。
【0250】
・第2実施形態において、潜確モードM2の上限滞在回数を大当りの種類によって異ならせても良い。
・各実施形態において、演出制御基板31が、事前演出の実行可否を決定するために事前抽選を行うようにしても良い。
【0251】
・各実施形態において、カウントダウン演出の実行中に変短状態が終了してしまうような場合は、カウントダウン演出の実行を規制しても良い。
・各実施形態では、演出表示装置11の表示面積に比して各保留画像表示領域Ha,Hbが小さい。よって、保留画像表示領域Hbで行われるカウントダウン演出の表示面積も、保留画像表示領域Hbの表示面積に応じた大きさとなる。そこで、変更例として、保留画像表示領域Hbにおいてカウントダウン演出を実行させつつ、画像表示部GHにおいて、保留画像表示領域Hbの表示面積よりも大きい画像を表示させ、カウントダウン演出の実行中であることを遊技者に分かり易く報知させるようにしても良い。例えば、演出表示装置11の画像表示部GH全域を用いて「3」などの数字を表示させるようにしても良い。
【0252】
・各実施形態において、事前演出を、どちらも連続演出としても良い。
・各実施形態において、始動入賞口15A,15Bに遊技球が入球したことを契機に保留画像表示領域Haを表示させるが、一定時間が経過した後、保留画像表示領域Haを非表示状態としても良い。また、カウントダウン演出の実行を決定したことを契機に保留画像表示領域Hbを表示させるが、一定時間が経過した後、保留画像表示領域Hbを非表示状態としても良い。ただし、主制御用CPU30aに記憶されている保留記憶数は変化しないものとする。
【0253】
・各実施形態において、成立した規定条件の違いによって保留画像表示領域Hの表示態様を異ならせるが、事前演出は実行させなくても良い。
・各実施形態において、個別表示態様で保留画像表示領域Haを表示させている場合、事前演出を実行可能とする一方で、数字表示態様で保留画像表示領域Hbを表示させている場合、事前演出を実行させなくても良い。
【0254】
・各実施形態において、数字表示態様で保留画像表示領域Hbを表示させている場合、事前演出を実行可能とする一方で、個別表示態様で保留画像表示領域Haを表示させている場合、事前演出を実行させなくても良い。
【0255】
・各実施形態において、非変短状態中、又は変短状態中、どちらか一方の遊技状態が設定されている場合のみ事前演出を実行させても良い。
・各実施形態において、複数回の図柄変動ゲームに跨って行われる態様であれば、連続演出はどのような態様で行われても良い。
【0256】
・各実施形態において、変短状態の残り回数が保留記憶数の上限数と同一回数以下となったことを条件として、保留画像表示領域Hの表示態様を個別表示態様から数字表示態様に変化させても良い。これによれば、変短状態の残り回数に連動してカウントダウン演出が行われるため、変短状態の残り回数が少なくなってきたときにおける興趣の向上を図り、図柄変動ゲームに注目させることができる。
【0257】
・各実施形態において、図13のステップS35の判定結果が肯定の場合、必ずカウントダウン演出を実行させ、保留変化演出は、ステップS35が否定判定された場合のみ実行させるようにしても良い。
【0258】
・各実施形態では、保留変化演出において、事前判定された図柄変動ゲームが実行されるときのリーチ演出内容を報知する情報ではなく、リーチ演出が実行されることを指示する広義の情報が報知されても良い。
【0259】
・各実施形態において、事前判定の対象となる図柄変動ゲームがリーチ演出を伴わないはずれとなる場合であっても、カウントダウン演出の実行を決定し得るようにしても良い。
【0260】
・各実施形態では、今回入球検知された始動保留球に対応する保留画像を所定のキャラクタに変更させて、予告演出が実行される図柄変動ゲーム数を表す態様としても良い。
・各実施形態において、リーチ判定値及びリーチ確率は、遊技状態(確変状態の有無、保留記憶数など)に応じて変更されなくても良い。
【0261】
・各実施形態において、事前判定されたときの保留記憶数に応じて、連続演出を実行させるか否かの抽選を異ならせても良い。このような場合、現在の遊技状態でリーチ判定に当選することが確定すると判定されたときの保留記憶数が多いほど、連続演出を実行させるか否かの抽選に当選し難くなるようにしても良い。これによれば、大きい数字からカウントダウンされるほど、大当りとなることに期待を持たせ易くすることができる。
【0262】
・各実施形態において、変動パターンの種類を変動パターン振分テーブル毎に異ならせても良い。
・各実施形態において、図11に示す先読みコマンド設定処理ではずれと判定された場合は、特図種別先読みコマンドを演出制御基板31に出力しなくても良い。
【0263】
・各実施形態では、大当りD〜Fが決定された場合、変短状態の終了に伴って第2潜確モードM3から第1潜確モードM2に移行するようになっている。そこで、大当りの種類に応じて、第1潜確モードM2の滞在回数を異ならせても良い。例えば、変短上限回数が大当りE,Fよりも多く設定されている大当りDでは、大当りE,Fよりも第1潜確モードM2の滞在回数が多くなるようにしても良い。
【0264】
・各実施形態における変短状態は、普図ゲームの変動時間の短縮、普図当り抽選に当選する確率の向上、開閉羽根16の開放回数の増加、及び開閉羽根16の開放時間の増加のうち、少なくともいずれか1つを含んでいれば良い。
【0265】
・各実施形態において、事前演出の実行タイミングは、事前演出の実行を決定した後〜事前判定の対象となった図柄変動ゲームが終了するまでの期間中に完結するのであれば、どのタイミングに設定しても良い。
【0266】
・各実施形態では、特図種別先読みコマンドに変えて、特図振分用乱数そのものの値を指示する先読みコマンドを出力するようにしても良い。
・各実施形態において、コマンド設定処理の実行タイミングは、特別図柄入力処理の終了後〜事前判定の対象となった図柄変動ゲームを開始させるための特別図柄開始処理が開始されるまでの期間中であれば、どのタイミングに設定しても良い。
【0267】
・各実施形態における保留変化演出では、先読みコマンド設定処理の実行時の遊技状態では変動パターンを特定しなくても良い。つまり、先読みコマンド設定処理の実行対象となる図柄変動ゲームが行われるときの遊技状態で特定される変動パターンに定められたリーチ演出内容を、始動入賞口での入球検知を契機に報知するような演出としても良い。
【0268】
・各実施形態において、特別図柄入力処理の終了直後でなく、事前判定の対象となる図柄変動ゲームを開始させるための特別図柄開始処理が開始される前であれば、演出制御用CPU31aが、何回、図13に示す演出設定処理を実行しても良い。また、前回行った演出設定処理で判定した変動内容と、今回行った演出設定処理で判定した変動内容が異なる場合、今回行った演出設定処理で判定した変動内容を報知する内容で事前演出を行うよう、事前演出の内容を変更しても良い。例えば、図15では、時点a2において、スーパーリーチSR8となることを報知しているが、変短状態が終了したことで、変短状態終了後、1回目の図柄変動ゲームの実行中に演出設定処理を実行した際に、スーパーリーチSR9を特定したとする。このような場合、変短状態終了後、2回目の図柄変動ゲームの開始時に、スーパーリーチSR9となることを報知する内容で保留変化演出を実行させても良い。これによれば、事前演出の実行途中に変動内容が変化した場合であっても、報知対象とする変動内容を直近で判定した変動内容を報知する内容に変更することで、事前演出が途中で終了することがないため、事前演出を最後まで遊技者に見せることができ、事前演出に対する興趣の向上を図ることができる。また、報知内容が途中で変化した際には、遊技者に意外性を与えることができる。
【0269】
・各実施形態では、遊技盤10の左方領域を転動するように遊技球を発射させた際に、始動入賞口15Aには遊技球が入球し得るが、始動入賞口15Bには遊技球が入球し得ないような位置に、始動入賞口15A,15Bを夫々配置しても良い。同様に、遊技盤10の右方領域を転動するように遊技球を発射させた際に、始動入賞口15Bには遊技球が入球し得るが、始動入賞口15Aには遊技球が入球し得ないような位置に、始動入賞口15A,15Bを夫々配置しても良い。
【0270】
・各実施形態における変短状態は、特図変動ゲームの変動時間、特に、はずれ表示結果が確定停止表示される特図変動ゲームの変動時間が、非変短状態中に比して短縮されることであっても良い。
【0271】
・各実施形態において、当りの種類を変更しても良い。
・各実施形態では、主制御用CPU30aが、特図指定コマンドに代えて、当りの種類を示す制御コマンドを出力しても良い。なお、この制御コマンドは、当りの種類毎に設定されたコマンドであって、特図の種類は特定できない。また、当りの種類毎に変動パターンを設定した場合には、変動パターン指定コマンドをもとに演出制御用CPU31aが、当りの種類を把握するようにしても良い。
【0272】
・各実施形態は、特図と飾図を用いるパチンコ遊技機に具体化したが、特図のみを用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
【0273】
(イ)前記始動検知手段への単位時間あたりの遊技球の入球率を通常状態時における前記始動検知手段への単位時間あたりの遊技球の入球率よりも向上させる入球率向上状態の付与状態を制御する遊技状態制御手段と、前記入球率向上状態の付与回数を計数する計数手段と、を備え、前記条件判定手段によって、予め定めた第3規定条件として、前記入球率向上状態の残り回数が前記記憶上限数と同一回数以下となったと判定された場合、前記報知手段は、前記表示手段の表示領域において、前記保留画像を前記入球率向上状態の付与が終了する図柄変動ゲームまでの残り回数を示す識別情報が記載された専用保留画像を表示させ、保留されている図柄変動ゲームが実行される度に前記識別情報の内容を更新し、前記識別情報が規定数となることで前記入球率向上状態の付与が終了することを報知する。この場合、変短状態が付与されていない「低確+変短なし」及び「高確+変短なし」の遊技状態が、通常状態に相当する。また、主制御用CPU30aが、遊技状態制御手段として機能する。また、主制御用RAM30cが計数手段として機能する。
【符号の説明】
【0274】
F1〜F3…変動パターン振分用乱数(第4制御コマンド)、GH…画像表示部、Ha,Hb…保留画像表示領域(報知手段)、SW1…上始動口スイッチ(始動検知手段)、SW2…下始動口スイッチ(始動検知手段)、TA2,TB2…変動パターン振分テーブル(変動内容群)X1…保留画像、X2…特殊保留画像、10…遊技盤、11…演出表示装置(表示手段)、15A…上始動入賞口(始動検知手段)、15B…下始動入賞口(始動検知手段)、20…大入賞口(特別入賞手段)、30…主制御基板(主制御手段)、30a…主制御用CPU(乱数取得手段、開始期大当り判定手段、大当り遊技決定手段、変動内容決定手段、開始前大当り判定手段、事前判定手段、第1事前判定手段、第2事前判定手段、開始期大当り判定手段、遊技状態制御手段、コマンド制御手段)、30b…変動内容記憶手段、30c…主制御用RAM(保留記憶手段、乱数記憶手段)、31…演出制御基板(演出制御手段)、31a…演出制御用CPU(事前判定手段、開始前判定手段、条件判定手段、事前演出制御手段)、31b…演出制御用ROM(サブ側変動内容記憶手段)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19