特許第6054670号(P6054670)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6054670
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】電力供給システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/35 20060101AFI20161219BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20161219BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20161219BHJP
   H02J 9/06 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   H02J7/35 G
   H02J7/35 K
   H02J3/32
   H02J3/38 130
   H02J9/06 120
【請求項の数】7
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-171945(P2012-171945)
(22)【出願日】2012年8月2日
(65)【公開番号】特開2014-33518(P2014-33518A)
(43)【公開日】2014年2月20日
【審査請求日】2015年7月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】原田 真宏
【審査官】 永井 啓司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−074781(JP,A)
【文献】 特開2011−250650(JP,A)
【文献】 特開平05−328633(JP,A)
【文献】 特開2012−196023(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3178526(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J3/00−7/12
7/34−11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光を利用して発電可能な太陽光発電部と、
電力を充放電可能な蓄電池、及び前記太陽光発電部からの電力を前記蓄電池に充電させる充電器を有する蓄電装置と、
を具備し、
前記太陽光発電部からの電力を前記蓄電装置に充電すると共に、前記蓄電装置が放電した電力を特定の負荷に供給する電力供給システムであって、
前記太陽光発電部が受ける日射量を検出する日射量計と、
前記日射量計により検出される日射量に基づいて、前記太陽光発電部において発電されると予測される予測電力を算出し、当該予測電力よりも少ない電力だけを前記蓄電池に充電させるように前記充電器を制御する制御手段と、
を具備し、
前記制御手段は、
前記蓄電装置が満充電となった場合、前記太陽光発電部からの電力を前記特定の負荷以外の一般の負荷に供給可能とすることを特徴とする、
電力供給システム。
【請求項2】
太陽光を利用して発電可能な太陽光発電部と、
電力を充放電可能な蓄電池、並びに前記太陽光発電部及び商用電源からの電力を前記蓄電池に充電させる充電器を有する蓄電装置と、
を具備し、
前記太陽光発電部及び前記商用電源からの電力を前記蓄電装置に充電すると共に、前記蓄電装置が放電した電力を特定の負荷に供給する電力供給システムであって、
前記太陽光発電部が受ける日射量を検出する日射量計と、
前記商用電源が停電した場合には、前記日射量計により検出される日射量に基づいて前記太陽光発電部において発電されると予測される予測電力を算出し、当該予測電力よりも少ない電力だけを前記蓄電池に充電させるように前記充電器を制御する制御手段と、
を具備し、
前記制御手段は、
前記蓄電装置が満充電となった場合、前記太陽光発電部からの電力を前記特定の負荷以外の一般の負荷に供給可能とすることを特徴とする、
電力供給システム。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記太陽光発電部からの電力を前記一般の負荷に供給可能とした場合、
前記太陽光発電部からの電力を前記蓄電装置にも継続して供給することを特徴とする、
請求項1又は請求項2に記載の電力供給システム。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記特定の負荷及び前記一般の負荷において消費される電力が、前記予測電力よりも多くなった場合、
前記太陽光発電部から前記一般の負荷への電力の供給を停止することを特徴とする、
請求項3に記載の電力供給システム。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記太陽光発電部からの電力を前記一般の負荷に供給可能とした場合、
前記太陽光発電部から前記蓄電装置への電力の供給を停止することを特徴とする、
請求項1又は請求項2に記載の電力供給システム。
【請求項6】
前記制御手段は、
前記一般の負荷において消費される電力が、前記予測電力よりも多くなった場合、
前記太陽光発電部から前記一般の負荷への電力の供給を停止することを特徴とする、
請求項に記載の電力供給システム。
【請求項7】
前記制御手段は、
前記蓄電装置の充電量が所定値以下になった場合、
前記太陽光発電部から前記蓄電装置への電力の供給を再開することを特徴とする、
請求項5又は請求項6に記載の電力供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電部からの電力を蓄電装置に充電すると共に、当該蓄電装置が放電した電力を特定の負荷に供給する電力供給システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽光発電部からの電力を蓄電装置(蓄電池)に充電可能とした電力供給システムの技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1に記載の技術では、太陽光発電部からの電力を複数の蓄電装置(蓄電池)に充電することが可能であり、また所望の場合に当該蓄電装置が放電した電力を使用することが可能である。
【0004】
しかし、このような電力供給システムで太陽光発電部からの電力を蓄電装置に充電している際に、当該太陽光発電部における発電量が急に減少して蓄電装置への充電量を下回った場合、蓄電装置が太陽光発電部から無理に電力を引き出そうとして当該太陽光発電部による発電が停止してしまう場合がある点で不利であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−85402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、太陽光発電部における発電量が急に減少した場合においても、太陽光発電部による発電が停止するのを抑制することができる電力供給システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、太陽光を利用して発電可能な太陽光発電部と、電力を充放電可能な蓄電池、及び前記太陽光発電部からの電力を前記蓄電池に充電させる充電器を有する蓄電装置と、を具備し、前記太陽光発電部からの電力を前記蓄電装置に充電すると共に、前記蓄電装置が放電した電力を特定の負荷に供給する電力供給システムであって、前記太陽光発電部が受ける日射量を検出する日射量計と、前記日射量計により検出される日射量に基づいて、前記太陽光発電部において発電されると予測される予測電力を算出し、当該予測電力よりも少ない電力だけを前記蓄電池に充電させるように前記充電器を制御する制御手段と、を具備し、前記制御手段は、前記蓄電装置が満充電となった場合、前記太陽光発電部からの電力を前記特定の負荷以外の一般の負荷に供給可能とするものである。
【0009】
請求項2においては、太陽光を利用して発電可能な太陽光発電部と、電力を充放電可能な蓄電池、並びに前記太陽光発電部及び商用電源からの電力を前記蓄電池に充電させる充電器を有する蓄電装置と、を具備し、前記太陽光発電部及び前記商用電源からの電力を前記蓄電装置に充電すると共に、前記蓄電装置が放電した電力を特定の負荷に供給する電力供給システムであって、前記太陽光発電部が受ける日射量を検出する日射量計と、前記商用電源が停電した場合には、前記日射量計により検出される日射量に基づいて前記太陽光発電部において発電されると予測される予測電力を算出し、当該予測電力よりも少ない電力だけを前記蓄電池に充電させるように前記充電器を制御する制御手段と、を具備し、前記制御手段は、前記蓄電装置が満充電となった場合、前記太陽光発電部からの電力を前記特定の負荷以外の一般の負荷に供給可能とするものである。
【0010】
請求項3においては、前記制御手段は、前記太陽光発電部からの電力を前記一般の負荷に供給可能とした場合、前記太陽光発電部からの電力を前記蓄電装置にも継続して供給するものである。
【0011】
請求項4においては、前記制御手段は、前記特定の負荷及び前記一般の負荷において消費される電力が、前記予測電力よりも多くなった場合、前記太陽光発電部から前記一般の負荷への電力の供給を停止するものである。
【0012】
請求項5においては、前記制御手段は、前記太陽光発電部からの電力を前記一般の負荷に供給可能とした場合、前記太陽光発電部から前記蓄電装置への電力の供給を停止するものである。
【0013】
請求項6においては、前記制御手段は、前記一般の負荷において消費される電力が、前記予測電力よりも多くなった場合、前記太陽光発電部から前記一般の負荷への電力の供給を停止するものである。
【0014】
請求項7においては、前記制御手段は、前記蓄電装置の充電量が所定値以下になった場合、前記太陽光発電部から前記蓄電装置への電力の供給を再開するものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0017】
請求項1においては、太陽光発電部における発電量が急に減少した場合においても、当該発電量が蓄電池への充電量を下回り難くすることで、太陽光発電部による発電が停止するのを抑制することができる。また、太陽光発電部で発電された電力を無駄にすることなく利用することができる。
【0018】
請求項2においては、太陽光発電部における発電量が急に減少した場合においても、当該発電量が蓄電池への充電量を下回り難くすることで、太陽光発電部による発電が停止するのを抑制することができる。これによって、商用電源が停電した場合に、太陽光発電部によって発電される電力を有効利用することができる。また、太陽光発電部で発電された電力を無駄にすることなく利用することができる。
【0019】
請求項3においては、蓄電装置が放電した分の電力を当該蓄電装置に充電しながら、一般の負荷に電力を供給することができる。
【0020】
請求項4においては、太陽光発電部における発電量が、蓄電装置及び一般の負荷に供給される電力を下回るのを防止することができ、ひいては太陽光発電部による発電が停止するのを防止することができる。
【0021】
請求項5においては、蓄電装置の過充電を防止しながら、一般の負荷に電力を供給することができる。
【0022】
請求項6においては、太陽光発電部における発電量が、一般の負荷に供給される電力を下回るのを防止することができ、ひいては太陽光発電部による発電が停止するのを防止することができる。
【0023】
請求項7においては、蓄電装置の充電が無くなるのを防止し、特定の負荷に安定して電力を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態に係る電力供給システムの構成を示したブロック図。
図2】通常時における電力供給システムの電力の供給態様を示したブロック図。
図3】停電時における電力供給システムの電力の供給態様を示したブロック図。
図4】停電時における制御手段による制御の第一実施形態を示したフローチャート。
図5】第一実施形態において、制御手段が一般の負荷への電力供給を停止する際の制御の様子を示したフローチャート。
図6】第一実施形態において、一般の負荷に電力が供給される様子を示したブロック図。
図7】停電時における制御手段による制御の第二実施形態を示したフローチャート。
図8】第二実施形態において、一般の負荷に電力が供給される様子を示したブロック図。
図9】第二実施形態において、制御手段が一般の負荷への電力供給を停止する際の制御の様子を示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下では、図1を用いて、本発明の実施の一形態に係る電力供給システム1の構成について説明する。
【0027】
電力供給システム1は、住宅等に設けられ、商用電源200からの電力及び太陽光を利用して発電された電力を負荷へと供給するものである。電力供給システム1は、主として太陽光発電部10、パワーコンディショナ20、ブレーカー30、分電盤40、蓄電装置50、特定の負荷60、一般の負荷70、日射量計80、電力計90、制御手段100及び携帯型端末110を具備する。
【0028】
太陽光発電部10は、太陽光を利用して発電する装置であり、太陽電池パネル等により構成される。太陽光発電部10は、例えば、住宅の屋根の上等の日当たりの良い場所に設置される。
【0029】
パワーコンディショナ20は、太陽光発電部10において発電された直流電力を交流電力に変換し、商用電源200の電圧、周波数、位相に合わせる機能を有するものである。パワーコンディショナ20は、太陽光発電部10に接続される。
パワーコンディショナ20には、停電時(商用電源200からの電力が供給不能な場合)における「自立運転モード」のONとOFFとを切り替えるための運転切換スイッチ(不図示)が設けられる。
【0030】
分電盤40は、図示せぬ漏電遮断器、配線遮断器及び制御ユニット等をまとめたものである。分電盤40は、後述する一般の負荷70・70・・・への電力の供給の可否をそれぞれ切り替えることが可能な停電時切替用スイッチ41・41・・・を具備する。分電盤40は、パワーコンディショナ20及び商用電源200に接続される。
【0031】
ブレーカー30は、規定値を超える電力(電流)が流れた時に、当該電力の供給を停止するためのものである。ブレーカー30は、パワーコンディショナ20及び商用電源200と分電盤40との間に配置される。
【0032】
蓄電装置50は、電力を充電すると共に、当該電力を放電し後述する特定の負荷60へと供給するものである。蓄電装置50の電力の入力側は、パワーコンディショナ20及び分電盤40とそれぞれ接続される。蓄電装置50は、主として充電器51、蓄電池52、インバータ53及びスイッチ54を具備する。
【0033】
充電器51は、供給された交流電力を所定の電圧に変換し、整流して後述する蓄電池52に充電させるものである。充電器51の電力の入力側は、蓄電装置50の電力の入力側と接続される。
【0034】
蓄電池52は、電力を充放電可能に構成されるものである。蓄電池52の電力の入力側は、充電器51の電力の出力側と接続される。蓄電池52は、本実施形態において、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等により構成される。
【0035】
インバータ53は、直流電力を交流電力に変換するものである。インバータ53の電力の入力側は、蓄電池52の電力の出力側と接続される。インバータ53の電力の出力側は、蓄電装置50の電力の出力側と接続される。
【0036】
スイッチ54は、蓄電装置50の電力の入力側と出力側とを充電器51等を介さずに接続するバイパス回路に設けられ、当該バイパス回路を介した電力の流通の可否を切り替えるものである。スイッチ54が入れられる(バイパス回路を介した電力の流通が許可される)と、蓄電装置50の入力側に供給されてきた電力は、充電器51等を介することなく当該蓄電装置50の出力側へと流通することができる。スイッチ54が切られる(バイパス回路を介した電力の流通が禁止される)と、蓄電装置50の入力側に供給されてきた電力は、充電器51等を介さなければ当該蓄電装置50の出力側へと流通することができない。
【0037】
特定の負荷60は、住宅内において電力が消費される電化製品等が接続される回路であり、特に、停電時(非常時)においても電力を供給する必要があるものである。具体的には、リビングに設けられるコンセントや照明、冷蔵庫等に電力を供給する回路を特定の負荷60として選定することができる。特定の負荷60は、蓄電装置50の電力の出力側と接続される。
【0038】
一般の負荷70・70・・・は、住宅内において電力が消費される電化製品等が接続される回路であり、前述の特定の負荷60とは異なり、停電時(非常時)においては電力を供給する必要がない(非常時に電力を供給する必要性が低い)負荷である。具体的には、リビング以外の部屋に設けられるコンセント等に電力を供給する回路を一般の負荷70として選定することができる。一般の負荷70・70・・・は、例えば部屋ごとや、大きな電力を消費する機器専用のコンセントごとに設けられる。一般の負荷70・70・・・は、それぞれ分電盤40(より詳細には、分電盤40の停電時切替用スイッチ41・41・・・のそれぞれ)に接続される。停電時切替用スイッチ41が「入」操作された場合には、分電盤40から当該停電時切替用スイッチ41に対応する一般の負荷70へと電力が供給可能となる。
【0039】
日射量計80は、日射量を測定するものである。日射量計80は、太陽光発電部10の近傍(太陽光発電部10と同様に日当たりの良い場所)に設置される。
【0040】
電力計90は、回路を流れる電力を測定するものである。電力計90は、パワーコンディショナ20と分電盤40及び蓄電装置50との間に配置される。
【0041】
制御手段100は、電力供給システム1内の情報を管理すると共に、各機器の運転を制御するものである。制御手段100は、RAMやROM等の記憶部、CPU等の演算処理部等により構成される。
【0042】
制御手段100は分電盤40の停電時切替用スイッチ41・41・・・とそれぞれ接続され、当該停電時切替用スイッチ41・41・・・の「入」/「切」を個別に切り替えることができる。
【0043】
制御手段100は蓄電装置50に接続され、当該蓄電装置50の運転を制御することができる。
より具体的には、制御手段100は、充電器51及びインバータ53の運転、並びにスイッチ54の「入」/「切」操作を制御することができる。また、制御手段100は蓄電池52の充電量の情報を受信することができる。
【0044】
制御手段100は日射量計80に接続され、当該日射量計80により測定された日射量の情報を受信することができる。
【0045】
制御手段100は電力計90に接続され、当該電力計90により測定された電力の情報を受信することができる。
【0046】
また、制御手段100は特定の負荷60及び各一般の負荷70・70・・・にそれぞれ設けられた図示せぬ電力計に接続され、当該特定の負荷60及び各一般の負荷70・70・・・により使用されている電力の情報を受信することができる。
【0047】
携帯型端末110は、住宅の居住者が電力供給システム1の状態を確認したり、当該電力供給システム1の運転状態を変更するための操作をしたりするためのものである。携帯型端末110としては、表示装置と入力装置を組み合わせたタッチパネル等を用いることができる。携帯型端末110は制御手段100に接続され、当該制御手段100と各種情報の送受信を行うことができる。
【0048】
次に、図2を用いて、上述の如く構成された電力供給システム1において、商用電源200からの電力が問題なく供給される場合の電力の供給態様について説明する。
【0049】
通常、すなわち商用電源200からの電力が問題なく供給可能な場合、パワーコンディショナ20の運転切換スイッチは居住者によってOFFに切り替えられている。この場合、パワーコンディショナ20の自立運転モードはOFFとされ、当該パワーコンディショナ20から蓄電装置50への電力の取り出しはできない。
【0050】
この状態においては、太陽光発電部10において発電された直流電力は、パワーコンディショナ20において交流電力に変換され、ブレーカー30を介して分電盤40に供給される。また、商用電源200からの交流電力もブレーカー30を介して分電盤40に供給される。
【0051】
太陽光発電部10及び商用電源200から分電盤40に供給された電力は、一般の負荷70に供給可能とされる。すなわち、居住者は、太陽光発電部10及び商用電源200からの電力によって、リビング以外の各部屋の機器を使用することができる。
【0052】
また、太陽光発電部10及び商用電源200から分電盤40に供給された電力は、適宜の時間帯に蓄電装置50に充電される。当該充電する時間帯は携帯型端末110を用いて任意に設定することができ、制御手段100によって充電器51の運転を制御することで当該設定された時間帯に蓄電装置50(蓄電池52)を充電することができる。例えば深夜に充電するように設定すれば、料金の安い深夜電力を蓄電装置50に充電することができる。また、昼間の太陽光が十分に照射される時間帯に太陽光発電部10からの電力を充電するように設定すれば、当該太陽光発電部10において自然エネルギー(太陽光)を利用して発電された電力を蓄電装置50に充電することができる。
【0053】
さらに、蓄電装置50に充電された電力を特定の負荷60に供給することが可能である。蓄電装置50(蓄電池52)に充電された電力は、インバータ53によって交流電力に変換された後、特定の負荷60へと供給される。居住者は、蓄電装置50からの電力によって、リビングのコンセントに接続された機器や照明、冷蔵庫等を使用することができる。
【0054】
また、特定の負荷60及び一般の負荷70で消費する電力が、太陽光発電部10からの電力だけで十分まかなえる場合は、商用電源200からの電力を用いないようにすることも可能である。これによって、電力料金を節約することができる。
【0055】
上述の如く、太陽光発電部10及び商用電源200からの電力を適宜一般の負荷70、蓄電装置50及び特定の負荷60へと供給するための制御は、制御手段100に記憶された制御プログラムに基づいてなされる。また、上述の如き電力の供給状態は携帯型端末110の表示装置に表示され、居住者は当該携帯型端末110により電力の供給状態を確認することができる。
【0056】
次に、図3を用いて、停電時(商用電源200からの電力が供給不能な場合)における電力の供給態様について説明する。
【0057】
停電時(非常時)においては、電力会社の電力復旧作業を妨げないように、原則として、商用電源200から分電盤40への電力系統及びパワーコンディショナ20から分電盤40への電力系統(分電盤40を介する電力系統)に電力が流されることがない。
【0058】
この停電時(非常時)においては、居住者は、パワーコンディショナ20の運転切換スイッチをONに切り替える。これによって、パワーコンディショナ20の自立運転モードがONとされ、当該パワーコンディショナ20から蓄電装置50への電力の取り出しが可能となる。
但し、当該運転切換スイッチは、分電盤40において停電であることが検知された情報をパワーコンディショナ20に送信し、自動的にONに切り替えられるように構成することも可能である。
【0059】
この状態においては、太陽光発電部10において発電された電力は、パワーコンディショナ20を介して蓄電装置50に充電される。
【0060】
さらに、蓄電装置50に充電された電力を特定の負荷60に供給することが可能である。蓄電装置50(蓄電池52)に充電された電力は、インバータ53によって交流電力に変換された後、特定の負荷60へと供給される。居住者は、蓄電装置50からの電力によって、リビングのコンセントに接続された機器や照明、冷蔵庫等を使用することができる。
【0061】
なお、停電時においては使用できる電力量が限られているため、電力を供給するのは必要最低限の負荷(特定の負荷60)のみであり、その他の負荷(一般の負荷70)には原則として電力は供給されない。
【0062】
以下では、図3から図6までを用いて、第一実施形態に係る停電時(商用電源200からの電力が供給不能な場合)における電力の供給態様について、制御手段100による制御の様子と併せて詳細に説明する。
【0063】
停電が発生した場合、制御手段100は、図4及び図5に示すフローチャートに従って電力供給システム1(図3を適宜参照のこと)の制御を行う。
【0064】
図4に示すステップS101において、制御手段100は、蓄電装置50のインバータ53の運転を制御し、当該蓄電装置50から特定の負荷60への放電を開始する。
制御手段100は、ステップS101の処理を行った後、ステップS102に移行する。
【0065】
ステップS102において、制御手段100は、日射量計80により測定された日射量に基づいて、太陽光発電部10で発電されると予測される電力(予測電力)Peを算出する。当該予測電力Peを算出する際に用いられる日射量と発電される電力との関係を示すマップは、予め制御手段100に記憶されている。
【0066】
なお、制御手段100により予測電力Peを算出する際、電力計90によって測定された実際に発電された電力の値をフィードバックすることによって、予測電力Peの値を補正し、当該予測電力Peをより正確な値に近づける構成とすることも可能である。
【0067】
制御手段100は、ステップS102の処理を行った後、ステップS103に移行する。
【0068】
ステップS103において、制御手段100は、予測電力Peよりも少ない電力だけを蓄電装置50(具体的には、蓄電池52)に充電させるように充電器51を制御する。
例えば、制御手段100は、予測電力Peの7割の電力だけ蓄電装置50に充電させるように充電器51を制御する。
【0069】
このように制御することによって、例えば突然空が曇って日射量が減少し、太陽光発電部10における発電量が急に減少した場合においても、当該発電量が蓄電装置50(蓄電池52)への充電量を下回り難くすることができる。これによって、太陽光発電部10における発電量が蓄電装置50への充電量を下回り、当該蓄電装置50が太陽光発電部10から無理に電力を引き出そうとして当該太陽光発電部10による発電が停止してしまうのを抑制することができる。
【0070】
制御手段100は、ステップS103の処理を行った後、ステップS104に移行する。
【0071】
ステップS104において、制御手段100は、蓄電装置50(蓄電池52)が満充電であるか否かを判定する。
制御手段100は、蓄電装置50(蓄電池52)が満充電であると判定した場合、ステップS105に移行する。
制御手段100は、蓄電装置50(蓄電池52)が満充電でないと判定した場合、ステップS102に移行する。
【0072】
ステップS105において、制御手段100は、特定の負荷60で使用(消費)される電力Psが予測電力Peよりも少ないか否かを判定する。
制御手段100は、特定の負荷60で使用(消費)される電力Psが予測電力Peよりも少ないと判定した場合、ステップS106に移行する。
制御手段100は、特定の負荷60で使用(消費)される電力Psが予測電力Pe以上であると判定した場合、ステップS102に移行する。
【0073】
ステップS106において、制御手段100は、一般の負荷70・70・・・のうち、余剰電力で使用可能な一般の負荷70・70・・・を居住者に報知する。
【0074】
具体的には、予測電力Peから特定の負荷60で使用(消費)される電力Ps(すなわち、蓄電装置に充電される電力)を差し引いた電力が余剰電力として余分に発電されることになる。この余剰電力を有効活用するために、制御手段100は、当該余剰電力で使用可能な(余剰電力よりも使用(消費)される電力が少ない)一般の負荷70・70・・・を判定し、居住者に報知する。
【0075】
この際、各一般の負荷70・70・・・で使用(消費)される電力は、制御手段100が、普段居住者が使用する電力を事前に学習しておくことによって当該制御手段100に記憶されている。
【0076】
制御手段100は、余剰電力で使用可能な一般の負荷70・70・・・を携帯型端末110の表示装置に表示することで、居住者に当該使用可能な一般の負荷70・70・・・を報知することができる。
【0077】
制御手段100は、ステップS106の処理を行った後、ステップS107に移行する。
【0078】
ステップS107において、制御手段100は、居住者が選択した一般の負荷70に対応する停電時切替用スイッチ41を「入」に切り替え、当該一般の負荷70に電力を供給する。
【0079】
具体的には、制御手段100は、ステップS106において報知した使用可能な一般の負荷70・70・・・の中から、実際に使用するものを居住者に選択させる。居住者は、携帯型端末110の入力装置を用いて、使用する一般の負荷70を選択することができる。
【0080】
制御手段100は、図6に示すように、居住者が選択した一般の負荷70に対応する停電時切替用スイッチ41(本実施形態においては、図6における一番右側の停電時切替用スイッチ41)を「入」に切り替える。これによって、太陽光発電部10(パワーコンディショナ20)からの電力が、分電盤40を介して居住者によって選択された一般の負荷70へと供給される。
【0081】
このように、余剰電力を一般の負荷70で使用することができるようにすることで、太陽光発電部10で発電された電力を無駄にすることなく利用することができる。
【0082】
なお、居住者が選択できるのは1つの一般の負荷70に限らず、余剰電力で使用可能であれば複数の一般の負荷70・70・・・を選択することも可能である。
【0083】
制御手段100は、ステップS107の処理を行った後、ステップS108に移行する。
【0084】
ステップS108において、制御手段100は、負荷全体で使用(消費)される電力(特定の負荷60で使用される電力Ps及び一般の負荷70・70・・・で使用される電力Pgの合計)が予測電力Peよりも多いか否かを判定する。
制御手段100は、負荷全体で使用(消費)される電力(Ps+Pg)が予測電力Peよりも多いと判定した場合、ステップS109に移行する。
制御手段100は、負荷全体で使用(消費)される電力(Ps+Pg)が予測電力Pe以下であると判定した場合、ステップS108の処理を再度行う。
【0085】
ステップS109において、制御手段100は、居住者が選択した一般の負荷70・70・・・への電力の供給を停止する旨を居住者に報知した後、当該一般の負荷70・70・・・への電力の供給を停止する。
【0086】
以下では、図5を用いて、ステップS109の処理について詳細に説明する。
【0087】
ステップS151において、制御手段100は、蓄電装置50の充電器51の運転を制御し、当該蓄電装置50の充電を停止させる。
【0088】
これによって、太陽光発電部10において発電された電力は、蓄電装置50には供給されなくなり、居住者が選択した一般の負荷70・70・・・にだけ供給されることになる。このように太陽光発電部10において発電された電力を全て一般の負荷70・70・・・に供給することで、居住者が使用していた一般の負荷70・70・・・が電力不足によって不意に停止してしまうのを防止することができる。
【0089】
なお、蓄電装置50の充電を停止させても、当該蓄電装置50にすでに充電されている電力を特定の負荷60に供給することができるため、当該特定の負荷60がすぐに電力不足で停止してしまうことはない。
【0090】
制御手段100は、ステップS151の処理を行った後、ステップS152に移行する。
【0091】
ステップS152において、制御手段100は、居住者が選択して使用している一般の負荷70・70・・・への電力の供給を停止する旨を当該居住者に報知する。
【0092】
具体的には、負荷全体で使用(消費)される電力(Ps+Pg)を減らすために、居住者が選択して使用している一般の負荷70・70・・・への電力の供給を停止することになるため、当該居住者に事前にその旨を報知する。これによって、不意に居住者が選択して使用している一般の負荷70・70・・・が停止するのを防止することができる。
【0093】
制御手段100は、居住者が選択して使用している一般の負荷70・70・・・への電力の供給を停止する旨を携帯型端末110の表示装置に表示することで、居住者に報知することができる。
【0094】
制御手段100は、ステップS152の処理を行った後、ステップS153に移行する。
【0095】
ステップS153において、制御手段100は、居住者が選択した一般の負荷70に対応する停電時切替用スイッチ41を「切」に切り替え、当該一般の負荷70への電力の供給を停止する。
【0096】
この場合において、居住者が選択した一般の負荷70・70・・・が複数ある場合、制御手段100は当該複数の一般の負荷70・70・・・への電力の供給を同時に停止することも、所定の順番(予め定められた優先順位に従う順番や、居住者が携帯型端末110を操作することで任意に定める順番等)で1つずつ停止することも可能である。
【0097】
制御手段100は、ステップS153の処理を行った後、ステップS154に移行する。
【0098】
ステップS154において、制御手段100は、蓄電装置50の充電器51の運転を制御し、当該蓄電装置50の充電を再開させる。
【0099】
これによって、図3に示すように、太陽光発電部10において発電された電力は、一般の負荷70・70・・・には供給されなくなり、蓄電装置50にだけ供給されることになる。
【0100】
制御手段100は、ステップS154の処理を行った後、ステップS102(図4参照)に移行する。
【0101】
以上の如く、本実施形態に係る電力供給システム1は、太陽光を利用して発電可能な太陽光発電部10と、電力を充放電可能な蓄電池52、及び太陽光発電部10からの電力を蓄電池52に充電させる充電器51を有する蓄電装置50と、を具備し、太陽光発電部10からの電力を蓄電装置50に充電すると共に、蓄電装置50が放電した電力を特定の負荷60に供給する電力供給システム1であって、太陽光発電部10が受ける日射量を検出する日射量計80と、日射量計80により検出される日射量に基づいて、太陽光発電部10において発電されると予測される予測電力Peを算出し(ステップS102)、当該予測電力Peよりも少ない電力だけを蓄電池52に充電させるように充電器51を制御する(ステップS103)制御手段100と、を具備するものである。
このように構成することにより、太陽光発電部10における発電量が急に減少した場合においても、当該発電量が蓄電池52への充電量を下回り難くすることで、太陽光発電部10による発電が停止するのを抑制することができる。
【0102】
また、本実施形態に係る電力供給システム1は、太陽光を利用して発電可能な太陽光発電部10と、電力を充放電可能な蓄電池52、並びに太陽光発電部10及び商用電源200からの電力を蓄電池52に充電させる充電器51を有する蓄電装置50と、を具備し、太陽光発電部10及び商用電源200からの電力を蓄電装置50に充電すると共に、蓄電装置50が放電した電力を特定の負荷60に供給する電力供給システム1であって、太陽光発電部10が受ける日射量を検出する日射量計80と、商用電源200が停電した場合には、日射量計80により検出される日射量に基づいて太陽光発電部10において発電されると予測される予測電力Peを算出し(ステップS102)、当該予測電力Peよりも少ない電力だけを蓄電池52に充電させるように充電器51を制御する(ステップS103)制御手段100と、を具備するものである。
このように構成することにより、太陽光発電部10における発電量が急に減少した場合においても、当該発電量が蓄電池52への充電量を下回り難くすることで、太陽光発電部10による発電が停止するのを抑制することができる。これによって、商用電源200が停電した場合に、太陽光発電部10によって発電される電力を有効利用することができる。
【0103】
また、制御手段100は、蓄電装置50が満充電となった場合(ステップS104)、太陽光発電部10からの電力を特定の負荷60以外の一般の負荷70・70・・・に供給可能とする(ステップS107)ものである。
このように構成することにより、太陽光発電部10で発電された電力を無駄にすることなく利用することができる。
【0104】
また、制御手段100は、太陽光発電部10からの電力を一般の負荷70・70・・・に供給可能とした場合、太陽光発電部10からの電力を蓄電装置50にも継続して供給するものである。
このように構成することにより、蓄電装置50が放電した分の電力を当該蓄電装置50に充電しながら、一般の負荷70・70・・・に電力を供給することができる。
【0105】
また、制御手段100は、特定の負荷60及び一般の負荷70・70・・・において消費される電力(Ps+Pg)が、予測電力Peよりも多くなった場合(ステップS108)、太陽光発電部10から一般の負荷70・70・・・への電力の供給を停止する(ステップS109)ものである。
このように構成することにより、太陽光発電部10における発電量が、蓄電装置50及び一般の負荷70・70・・・に供給される電力を下回るのを防止することができ、ひいては太陽光発電部10による発電が停止するのを防止することができる。
【0106】
以下では、図3から図5まで、並びに図7から図9までを用いて、第二実施形態に係る停電時(商用電源200からの電力が供給不能な場合)における電力の供給態様について、制御手段100による制御の様子と併せて詳細に説明する。
【0107】
なお、第二実施形態における制御手段100による制御(図7に示すフローチャート)のうち、第一実施形態における制御手段100による制御(図4に示すフローチャート)と同じ処理には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0108】
停電が発生した場合、制御手段100は、図7に示すフローチャートに従って電力供給システム1(図3を適宜参照のこと)の制御を行う。
【0109】
図7に示すステップS101からステップS106までの処理は、第一実施形態(図4参照)におけるステップS101からステップS106までの処理と同じであるため、説明を省略する。
【0110】
制御手段100は、ステップS106の処理を行った後、ステップS207に移行する。
【0111】
ステップS207において、制御手段100は、蓄電装置50の充電器51の運転を制御し、当該蓄電装置50の充電を停止させると共に、居住者が選択した一般の負荷70に対応する停電時切替用スイッチ41を「入」に切り替え、当該一般の負荷70に電力を供給する。
【0112】
これによって、図8に示すように、太陽光発電部10(パワーコンディショナ20)からの電力が、蓄電装置50には供給されなくなると共に、分電盤40を介して居住者によって選択された一般の負荷70へと供給されるようになる。
【0113】
このように、満充電となった蓄電装置50への電力の供給(充電)を停止することで当該蓄電装置50の過充電を防止すると共に、太陽光発電部10(パワーコンディショナ20)からの電力全てを一般の負荷70で使用することが可能となる。これによって、太陽光発電部10で発電された電力を無駄にすることなく利用することができる。
【0114】
制御手段100は、ステップS207の処理を行った後、ステップS208に移行する。
【0115】
ステップS208において、制御手段100は、一般の負荷70・70・・・で使用される電力Pgが予測電力Peよりも多いか否かを判定する。
制御手段100は、一般の負荷70・70・・・で使用される電力Pgが予測電力Peよりも多いと判定した場合、ステップS209に移行する。
制御手段100は、一般の負荷70・70・・・で使用される電力Pgが予測電力Pe以下であると判定した場合、ステップS210に移行する。
【0116】
ステップS209において、制御手段100は、居住者が選択した一般の負荷70・70・・・への電力の供給を停止する旨を居住者に報知した後、当該一般の負荷70・70・・・への電力の供給を停止する。
【0117】
図9には、ステップS209の処理をフローチャートで示している。当該ステップS209の処理が、第一実施形態(図4参照)におけるステップS109の処理(図5参照)と異なる点は、ステップS151の処理を行わない点である。これは、蓄電装置50への充電はすでに停止している(図7のステップS207参照)ためである。その他のステップ(ステップS152からステップS154まで)は第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0118】
一方、ステップS210において、制御手段100は、蓄電装置50(蓄電池52)の充電残量が所定値(例えば、満充電時の50%)以下であるか否かを判定する。
制御手段100は、蓄電装置50(蓄電池52)の充電残量が所定値以下であると判定した場合、ステップS209に移行する。
制御手段100は、蓄電装置50(蓄電池52)の充電残量が所定値より大きいと判定した場合、ステップS208に移行する。
【0119】
以上の如く、本実施形態に係る制御手段100は、太陽光発電部10からの電力を一般の負荷70・70・・・に供給可能とした場合、太陽光発電部10から蓄電装置50への電力の供給を停止する(ステップS207)ものである。
このように構成することにより、蓄電装置50の過充電を防止しながら、一般の負荷70・70・・・に電力を供給することができる。
【0120】
また、制御手段100は、一般の負荷70・70・・・において消費される電力Pgが、予測電力Peよりも多くなった場合(ステップS208)、太陽光発電部10から一般の負荷70・70・・・への電力の供給を停止する(ステップS109)ものである。
このように構成することにより、太陽光発電部10における発電量が、一般の負荷70・70・・・に供給される電力を下回るのを防止することができ、ひいては太陽光発電部10による発電が停止するのを防止することができる。
【0121】
また、制御手段100は、蓄電装置50の充電量が所定値以下になった場合(ステップS210)、太陽光発電部10から蓄電装置50への電力の供給を再開する(ステップS209)ものである。
このように構成することにより、蓄電装置50の充電が無くなるのを防止し、特定の負荷60に安定して電力を供給することができる。
【0122】
なお、本実施形態のステップS210において、制御手段100は、蓄電装置50(蓄電池52)の充電残量が所定値(例えば、満充電時の50%)以下であるか否かを判定するものとしたが、当該所定値は任意に定めることが可能である。例えば、満充電時の30%や70%でも良く、また満充電時に対する割合ではなく具体的な数値を設定しても良い。
【符号の説明】
【0123】
1 電力供給システム
10 太陽光発電部
50 蓄電装置
52 蓄電池
51 充電器
60 特定の負荷
70 一般の負荷
80 日射量計
100 制御手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9