(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6054684
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】ポリカーボネート樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
C08L 69/00 20060101AFI20161219BHJP
C08L 33/06 20060101ALI20161219BHJP
C08K 5/527 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
C08L69/00
C08L33/06
C08K5/527
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-194771(P2012-194771)
(22)【出願日】2012年9月5日
(65)【公開番号】特開2014-51539(P2014-51539A)
(43)【公開日】2014年3月20日
【審査請求日】2015年8月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】396001175
【氏名又は名称】住化スタイロンポリカーボネート株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】特許業務法人 小笠原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永野 圭哉
(72)【発明者】
【氏名】長尾 厚史
【審査官】
岸 智之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−036263(JP,A)
【文献】
特開2012−025790(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 69/00
C08K 5/527
C08L 33/06
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリカーボネート樹脂(A)35〜75重量%および表面硬度向上剤(B)25〜65重量%からなる樹脂成分100重量部あたり、リン系酸化防止剤(C)0.02〜1重量部を含むポリカーボネート樹脂組成物であって、表面硬度向上剤(B)が芳香族(メタ)アクリレート単位5〜80重量%およびメチルメタクリレート単位20〜95重量%からなる共重合体であり、かつ当該共重合体の重量平均分子量が5000〜30000であり、
前記リン系酸化防止剤(C)が、3,9−ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカンであることを特徴とする、ポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項2】
前記樹脂成分が、ポリカーボネート樹脂(A)45〜65重量%および表面硬度向上剤(B)35〜55重量%からなることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項3】
リン系酸化防止剤(C)の配合量が、前記樹脂成分100重量部あたり、0.04〜0.3重量部であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面硬度のみならず色相にも優れたポリカーボネート樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性、耐熱性、透明性、熱安定性等に優れた熱可塑性樹脂であることから、ガラスの代用として自動車や建材の窓部やディスプレイ部に利用されている。しかし、ポリカーボネート樹脂は表面硬度が低く、傷つきやすいという欠点があり、その用途は制限されている。
この欠点を改良するために、紫外線硬化型樹脂をポリカーボネート樹脂表面にコーティングする方法が提案されている。しかしながら、この方法ではポリカーボネート樹脂由来の柔軟性から、ディスプレイ用途などで要求される鉛筆硬度の要求を満たすことができないという問題があった。
一方、表面硬度と透明性に優れた成形体を得るために、ポリカーボネート樹脂とアクリル系の表面硬度向上剤との樹脂組成物が提案されている。(特許文献1および特許文献2参照)しかしながら、この樹脂組成物は、表面硬度は高いが色相が劣るという問題を抱えていた。
【0003】
【特許文献1】特開2009−280713号公報
【特許文献2】特開2010−116501号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前述の諸問題を解決した、すなわち高い表面
硬度と優れた色相を有するポリカーボネート樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、特定の酸化防止剤を用いることにより、表面硬度のみならず色相にも優れたポリカーボネート樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、ポリカーボネート樹脂(A)35〜75重量%および表面硬度向上剤(B)25〜65重量%からなる樹脂成分100重量部あたり、リン系酸化防止剤(C)0.02〜1重量部を含むポリカーボネート樹脂組成物であって、表面硬度向上剤(B)が芳香族(メタ)アクリレート単位5〜80重量%およびメチルメタクリレート単位20〜95重量%からなる共重合体であり、かつ当該共重合体の重量平均分子量が5000〜30000であ
り、リン系酸化防止剤(C)が、3,9−ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカンであることを特徴とする、ポリカーボネート樹脂組成物に関するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物から得られた成形品は、高い表面硬度を有し、かつ色相にも優れている。そのため、成形品表面の傷付きが敬遠され、かつ透明感を要望される用途、例えばディスプレイ、電気電子・OA機器、自動車部品、インテリア、エクステリア等の用途に好適に使用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0009】
本発明に使用されるポリカーボネート樹脂(A)とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
【0010】
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
【0011】
これらは、単独または2種類以上混合して使用することができる。これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。
【0012】
さらに、上記のジヒドロキシアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用してもよい。3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタンおよび2,2−ビス−[4,4−(4,4′−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル]−プロパンなどが挙げられる。
【0013】
ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量は、通常10000〜100000、好ましくは25000〜39000、さらに好ましくは、28000〜35000である。かかるポリカーボネート樹脂を製造するに際し、分子量調節剤、触媒等を必要に応じて使用することができる。
【0014】
本発明にて使用される表面硬度向上剤(B)とは、芳香族(メタ)アクリレート単位5〜80重量%およびメチルメタクリレート単位20〜95重量%からなる共重合体であり、かつ当該共重合体の重量平均分子量が5000〜30000であることを特徴とする。尚、本明細書においては(メタ)アクリレートはアクリレート又はメタクリレートを意味する。
【0015】
芳香族(メタ)アクリレートとしては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートを挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、好ましくはフェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレートであり、より好ましくはフェニルメタクリレートである。
【0016】
表面硬度向上剤(B)中の芳香族(メタ)アクリレート単位の含有率が5重量%以上であれば、透明性が維持され、80重量%以下であれば、ポリカーボネート樹脂(A)との相容性が高過ぎず、成形体表面への移行性が低下しないため、表面硬度が低下しないので好ましい。また、芳香族(メタ)アクリレート単位の含有率が20〜70重量%の範囲であれば、さらに透明性を維持しつつ高い表面硬度を発現することから、更に好ましい。
【0017】
表面硬度向上剤(B)には、必要に応じて芳香族(メタ)アクリレート単位およびメチルメタクリレート単位以外の他の単量体単位を含有させてもよい。他の単量体単位を構成するその他の単量体としては、例えば、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のメタクリレート;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、プロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリシジルアクリレート等のアクリレート;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン等のジエン系単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル系単量体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸系ビニル単量体;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン系単量体;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のエチレン系不飽和カルボン酸単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル単量体;マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−メチルマレイミド等のマレイミド系単量体;アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、1,3−ブチレンジメタクリレート等の架橋剤を挙げることができる。これらのうち、好ましくはメタクリレート、アクリレート、シアン化ビニル単量体であり、表面硬度向上剤(B)の熱分解を抑制するという観点からより好ましくはアクリレートである。これらの単量体は1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0018】
その他の単量体単位を含有する場合、表面硬度向上剤(B)の構成単量体は、芳香族(メタ)アクリレート単位5〜79.9重量%、メチルメタクリレート単位20〜94.9重量%およびその他の単量体単位0.1〜10重量%の範囲であることが好ましい。
【0019】
表面硬度向上剤(B)を得るための単量体の重合方法としては、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法等の公知の方法を使用することができる。好ましくは懸濁重合法や塊状重合法であり、さらに好ましくは懸濁重合法である。また、重合に必要な添加剤等は必要に応じて適宜添加することができ、例えば、重合開始剤、乳化剤、分散剤、連鎖移動剤が挙げられる。
【0020】
表面硬度向上剤(B)の重量平均分子量は、5000〜30000である。重量平均分子量が5000〜30000の範囲において、ポリカーボネート樹脂(A)との相容性が良好であり、表面硬度の向上効果に優れる。尚、好ましくは10000〜25000の範囲である。
【0021】
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定され、その詳細条件は以下のとおりである:
GPCのカラムとして、アジレント・テクノロジー社製 PLGEL 5μm MIXED−Cを使用し、移動相としては、THFを用いた。
【0022】
本発明にて使用されるリン系酸化防止剤(C)としては、ポリカーボネート樹脂用に使用される公知のリン系酸化防止剤、例えば、BASF社製IRGAFOSP−EPQ、BASF社製IRGAFOSP−168、ADEKA社製アデカスタブPEP−36等が挙げられる。このうち、下記一般式1に示す化合物がとりわけ好適に使用できる。
一般式1
【0023】
【化1】
【0024】
一般式1において、R1、R2は炭素数1〜20のアルキル基、またはアルキル基で置換されてもよいアリール基を、a、bは整数0〜3を示す。
【0025】
リン系酸化防止剤(C)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)35〜75重量%および表面硬度向上剤(B)25〜65重量%からなる樹脂成分100重量部あたり、0.02〜1重量部である。配合量が0.02重量部未満の場合には、色相に劣り、また1重量部を超えると曇価率が上がるため、好ましくない。好ましくは、0.03〜0.5重量部、さらに好ましくは0.04〜0.3重量部の範囲である。
【0026】
更に、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明のポリカーボネート樹脂組成物に各種の樹脂、蛍光増白剤、顔料、染料、カーボンブラック、充填材、離型剤、帯電防止剤、ゴム、軟化材、展着剤(流動パラフィン、エポキシ化大豆油等)、難燃剤、有機金属塩等の添加剤、滴下防止用ポリテトラフルオロエチレン樹脂等を配合しても良い。
【0027】
各種の樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、ABS、AES、AAS、AS、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド樹脂等が挙げられ、これらは一種もしくは二種以上で併用してもよい。
【実施例】
【0028】
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はそれら実施例に制限されるものではない。尚、実施例中の「部」、「%」は断りのない限り重量基準に基づく。
【0029】
使用した原料の詳細は以下のとおりである。
ポリカーボネート樹脂(A):
ビスフェノールAおよびホスゲンから合成されたポリカーボネート樹脂
(住化スタイロン ポリカーボネート社製カリバー200−3、粘度平均分子量
28,500、以下「PC」と略記)
表面硬度向上剤(B):
芳香族(メタ)アクリレート単位及びメチルメタクリレート単位の共重合体
(三菱レイヨン株式会社製メタブレンH−880、重量平均分子量10000、
以下「B成分」と略記)
リン系酸化防止剤(C):
3,9−ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン
(ADEKA社製アデカスタブPEP−36、以下「AO」と略記)
【0030】
表1〜2に示す配合比率にて、上記の原料をそれぞれタンブラーに投入し、4分間乾式混合した後、二軸押出機(L/D=42、Φ=37mm、神戸製鋼社製KTX−37)を用いて、溶融温度240℃にて溶融混錬し、各種ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
【0031】
得られたペレットを、100℃で6時間乾燥してから、シリンダー温度260℃の条件にて、日本精鋼社製射出成形機(J100S EIIP)を用いて、各種評価項目用の試験片(50mm×90mm×3mmおよび50mm×90mm×2mm)を成形した。
【0032】
評価方法は、以下のとおりである。
(色相)
得られた試験片の色相は、厚さ3mmの試験片を用いて、スペクトロフォトメーター(村上色彩研究所製CMS35−SP)にて、D65光源、視野角10°の条件で測定したYellowness Index(YI)の値で評価した。
YIが2.0以下を良好とした。結果を表1および表2に示す。
【0033】
(鉛筆硬度)
厚さ2mmの試験片を用いて、JISK5600−5−4に従い鉛筆硬度測定機(東洋精機社製鉛筆引掻塗膜硬さ試験機)にて、試験片表面に擦り傷が観察されない鉛筆硬度を求めた。鉛筆硬度が、HB以上を良好とした。結果を表1および表2に示す。
【0034】
(曇価率)
厚さ2mmの試験片を用いて、JISK7105に従い、ヘーズメーター(村上色彩技術研究所社製HM150)にて曇価率(H)を求めた。尚、曇価率(H)は下記式に従い算出した。
曇価率H(%)=(拡散透過率Td/全光線透過率Tt)×100
曇価率(H)が2.0%以下を良好とした。結果を表1および表2に示す。
【0035】
【表1】
判定: ○: 良好 ×:不良
【0036】
【表2】
判定: ○: 良好 ×:不良
【0037】
実施例1〜6に示すように、本発明の構成要件を満足するものについては、要求性能を満たしていた。
一方、比較例1〜4に示すように、本発明の構成要件を満足しないものについては、それぞれ次のとおり欠点を有していた。
比較例1は、AOの配合量が規定量よりも少ない場合で、YIが不良となった。
比較例2は、AOの配合量が規定量よりも多い場合で、曇価率が不良となった。
比較例3は、B成分(表面硬度改良剤)の配合量が規定量よりも少ない場合で、鉛筆硬度が不良となった。
比較例4は、B成分(表面硬度改良剤)の配合量が規定量よりも多い場合で、曇価率が2.0以上になり不良となった。