(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1に示す接地抵抗の測定を行う場合、その測定に先立って、第1補助接地極Pと第2補助接地極Cといった2本の補助接地極を大地に打ち込む必要がある。その後に、アース極E、第1補助接地極Pおよび第2補助接地極Cに測定ケーブルを接続する。そして、接地抵抗計は、アース極E側に置いて、接地抵抗の測定を行っている。
【0005】
このような配線状態(接続状態)の構築は、簡易にできることが好ましいが、現状では、2本の補助接地極を大地に打ち込む必要がある等、手間が掛かるものとなっている。
【0006】
また、特許文献1の構成では、接地抵抗計での測定のために、それぞれの極に測定ケーブルを接続する必要があり、そのため合計3本の測定ケーブルが必要となっている。そうすると、たとえばアース極Eと第1補助接地極Pの間は、接続される測定ケーブルが2本近接した状態で存在し、それらの測定ケーブルが絡まってしまう場合がある。その場合には、測定後に測定ケーブルを巻き取るのが困難となる、という問題がある。
【0007】
次に、たとえば、各極の間隔が10mである場合を考える。この場合、3本の測定ケーブルの長さの合計(トータルの長さ)としては、30m以上必要となる。そのため、測定ケーブルを巻き取るのに時間が掛かり、手間を要するという問題もある。さらに、接地抵抗計は、地面に置かれた状態で測定を行うため、接地抵抗計に泥等が付着して、当該接地抵抗計が汚れてしまう、という問題もある。
【0008】
本発明は上記の事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、配線状態の構築が容易であると共に、接続される測定ケーブルのトータルの長さを短くすることが可能であり、測定ケーブルの巻き取りが容易となる接地抵抗計を提供しよう、とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点によると、第1補助接地極を被測定接地極と第2補助接地極との間に配置した状態で被測定接地極の接地抵抗を測定する接地抵抗計であって、本体部に設けられると共に第1補助接地極と電気的に接続するための第1接続端子と、本体部に設けられると共に測定ケーブルを介して第2補助接地極と電気的に接続される第2接続端子と、本体部に設けられると共に測定ケーブルを介して被測定接地極と電気的に接続される第3接続端子と、を具備し、第1補助接地極は、本体部に取り付け可能に設けられていて、本体部に第1補助接地極が取り付けられた後に接地抵抗の測定を行う場合には、第1補助接地極は、
少なくとも一部が本体部
のうち地面に設置される一方の面側で地面に接触する、ことを特徴とする接地抵抗計が提供される。
【0010】
また、本発明の他の側面は、上述の発明において、第1補助接地極は、本体部のうち地面に設置される一方の面側に着脱自在に設けられる取付接地極であると共に、取付接地極は、本体部を地面に設置する際に当該地面に接触する脚部を備えている、ことが好ましい。
【0011】
さらに、本発明の他の側面は、上述の発明において、第1接続端子は、筒状体に設けられていると共に、取付接地極は、筒状体の第1接続端子に差し込むことが可能な差込端子部を有する、ことが好ましい。
【0012】
また、本発明の他の側面は、上述の発明において、第1補助接地極は、本体部のうち地面とは対向しない他方の面側に設けられる孔部を介して第1接続端子と接続可能に設けられていて、さらに第1補助接地極は、孔部に差し込まれる差込端子部と電気的に接続されると共に地面と本体部の間に位置する回り込み部を有する、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、接地抵抗計において、配線状態の構築が容易となる。また、接続される測定ケーブルのトータルの長さを短くすることが可能となり、さらに測定ケーブルの巻き取りが容易となる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態における接地抵抗計10について説明する。
【0016】
<接地抵抗計10の構成について>
図1は、接地抵抗計10の概略的な構成を示すブロック図である。
図2は、接地抵抗計10を上方から見たときの外観を示す平面図である。接地抵抗計10は、本体部20と、取付接地極40Pとを備えている。ただし、接地抵抗計10は、取付接地極40Pを備えない構成を採用しても良い。
【0017】
本体部20は、信号生成部21、電流測定部22、電圧測定部23、制御部24、記憶部25、表示部26、操作入力部27を備え、裏面用接続端子30、C接続端子31、E接続端子32、P接続端子33を備えている。
【0018】
そして、接地抵抗計10は、裏面用接続端子30に接続される取付接地極40P(この取付接地極40Pは第1補助接地極として機能)と、測定ケーブル50を介してC接続端子31に接続される第2補助接地極Cとを用いて、測定ケーブル50を介してE接続端子32に接続される被測定接地極(アース極)Eの接地抵抗Reを、3電極法によって繰り返し測定する。
【0019】
ただし、3電極法による接地抵抗Reの測定においては、取付接地極40Pではなく、第1補助接地極(以下では、第1補助接地極を第1補助接地極Pと称呼する)を用いるようにしても良い。この場合には、測定ケーブル50がP接続端子33に取り付けられ、その測定ケーブル50を介してP接続端子33に第1補助接地極Pが接続される。なお、第1補助接地極Pを用いて測定を行う場合においては、取付接地極40Pは、本体部20に取り付けられていても良く、本体部20から取り外されていても良い。
【0020】
なお、被測定接地極Eは、電路と電気的に接続される導体であり、接地工事によって地中に埋設される。第2補助接地極Cは、3電極法によって接地抵抗Reを測定する際に、一時的に地面に差し込まれる導体である。第2補助接地極Cは、地中に差し込まれる部分と地中に差し込まれずに露出する接続部分とを有する略T字形状に設けられている。これら被測定接地極E、取付接地極40Pおよび第2補助接地極Cについては、単に接地極と称呼する場合もある。
【0021】
以下の説明では、必要に応じて、第2補助接地極Cに接続されるべき測定ケーブル50を、測定ケーブル50cと称呼し、被測定接地極Eに接続されるべき測定ケーブル50を、測定ケーブル50eと称呼する。また、後述する
図4においては、第1補助接地極Pに接続されるべき測定ケーブル50を、測定ケーブル50pと称呼する。ただし、測定ケーブル50cと測定ケーブル50eと測定ケーブル50pを区別する必要がない場合には、単に測定ケーブル50と称呼する。
【0022】
図1の構成のうち、信号生成部21は、後述する制御部24の制御に基づいて、一定の周波数(既知の周波数)で、かつ一定の振幅の交流電圧(一例として正弦波電圧)V1を生成して一対の出力端子(不図示)から出力する。また、信号生成部21は、一対の出力端子のうちの一方の出力端子がC接続端子31に接続され、他方の端子が、後述する電流測定部22に接続されている。
【0023】
電流測定部22は、一例として、その全部または一部が交流電流計から構成されている。電流測定部22は、一対の入力端子(不図示)のうちの一方の入力端子が信号生成部21に接続され、かつ他方の入力端子がE接続端子32に接続される。それにより、電流測定部22は、信号生成部21に直列に接続されて、信号生成部21、C接続端子31、およびE接続端子32を含む電流経路(測定ループ)を流れる交流電流I1の電流値を予め決められた周期(一例として、交流電圧V1の周期に同期した周期)で測定する。また、電流測定部22は、電流値を測定する都度、測定した電流値(以下、「測定電流値」とも称する)を、後述する制御部24に出力する。
【0024】
電圧測定部23は、一例として、その全部または一部が交流電圧計から構成されている。電圧測定部23は、一対の入力端子(不図示)のうちの一方の入力端子が裏面用接続端子30およびP接続端子33に接続されると共に、他方の入力端子がE接続端子32に接続されて、裏面用接続端子30およびP接続端子33と、E接続端子32との間に発生する交流電圧Veの電圧値を予め決められた周期(一例として、交流電圧V1の周期に同期した周期)で測定する。また、電圧測定部23は、電圧値を測定する都度、測定した電圧値(以下、「測定電圧値」とも称する)を後述する制御部24に出力する。
【0025】
制御部24は、例えば、CPUなどの演算素子、および、内部メモリなどを備えて構成され、後述する操作入力部27からユーザの操作入力に対応する信号の入力を受信し、電流測定部22から供給される測定電流値、および、電圧測定部23から供給される測定電圧値に基づいて、接地抵抗Reを求めるための演算処理を実行する。すなわち、制御部24は、被測定接地極Eの接地抵抗Reの測定結果を所定数蓄積し、蓄積された被測定接地極Eの接地抵抗Reの測定結果のうち、値が一致する桁数を判断する。そして、制御部24は、その桁数の被測定接地極Eの接地抵抗Reの測定結果が、後述する表示部26へ表示されるのを制御する。
【0026】
記憶部25は、例えば、その全部または一部が半導体メモリやハードディスクなどで構成され、CPUなどの制御部24の演算素子が実行する動作プログラムなどが予め記憶されている。
【0027】
表示部26は、例えば、その全部または一部がLCD(Liquid Crystal Display)などのディスプレイ装置で構成されて、制御部24が実行した各処理での結果を画面上に表示させる。なお、表示部26は、後述するハウジング100の操作面100a(他方の面に対応)に露出している。
【0028】
操作入力部27は、例えば、ボタン、レバー、ダイヤル、タッチパネルなどの入力デバイスを有していて、ユーザからの操作入力を受け、ユーザからの操作入力を示す信号を制御部24に供給する。
【0029】
裏面用接続端子30は、取付接地極40Pが電気的に接続される端子である。この裏面用接続端子30は、後述する差込端子部42が差し込まれるメス側端子であり、第1接続端子に対応する。裏面用接続端子30は、その外観が金属製の筒状体に形成されている。
【0030】
図3は、取付接地極40Pが取り付けられた接地抵抗計10を側方から見たときの外観を示す図であり、一部を断面で示している。
図3に示すように、裏面用接続端子30を構成する筒状体は、ハウジング100の内部に設けられている。また、筒状体の先端が、ハウジングの裏面100b(一方の面に対応)の孔部201から露出し、取付接地極40Pを差し込むことを可能としている。すなわち、裏面用接続端子30は、ハウジング100の裏面100bに設けられる、メス側端子となっている。ただし、筒状体は、孔部201から露出していない構成を採用しても良い。
【0031】
C接続端子31は、第2補助接地極Cへ接続されるべき測定ケーブル50cが接続される端子である。C接続端子31は、第2接続端子に対応する。また、E接続端子32も、被測定接地極Eに接続されるべき測定ケーブル50eが接続される端子である。E接続端子32は、第3接続端子に対応する。本実施の形態では、C接続端子31およびE接続端子32は、それぞれメス側端子となっていて、測定ケーブル50c,50eのオス側端子を差し込み可能となっている。
【0032】
P接続端子33は、第1補助接地極Pへ接続されるべき測定ケーブル50pが接続される端子である。ただし、測定において取付接地極40Pが用いられる場合には、P接続端子33には、測定ケーブル50p(
図4参照)を差し込む必要がない。
【0033】
続いて、取付接地極40Pについて説明する。取付接地極40Pは、導電性を備える金属等が地面に接触するように構成されているが、その全体が金属等の導電性を備えるものとしても良い。この取付接地極40Pは、第1補助接地極の一例に対応する。取付接地極40Pは、脚部41と、差込端子部42とを有している。
図3に示すように、脚部41は、本体部20に取り付けた場合に、ハウジング100の裏面100bから離れる向き(
図3では下向き)に飛び出し、その飛び出しにより、脚部41の底面側が地面に接触し、本体部20を支持する。
【0034】
図3に示すように、脚部41は、曲面を有する形状に設けられている。この曲面を有する形状としては、球体やその一部を切り欠いたもの、楕円球体やその一部を切り欠いたもの等が挙げられる。しかしながら、脚部41は、どのような立体形状を採用しても良い。
【0035】
上述の脚部41に連続するように、差込端子部42が設けられている。差込端子部42は、P接続端子33に差し込まれる部分(オス側端子となる部分)であり、この差込端子部42を差し込むことで、取付接地極40Pが本体部20に取り付けられる。特に、差込端子部42をP接続端子33に差し込む際には、所定のクリック感および付勢力が得られるように構成することが好ましい。このように構成する場合には、取付接地極40Pを本体部20に取り付けた際に、その取り付け状態が維持される。
【0036】
ここで、取付接地極40Pは、幾つ設けられていても良いが、接地抵抗計10を置いた際に、本体部20を地面から離した状態とするためには、3つ以上設けられることが好ましい。たとえば、本体部20の四隅のそれぞれに、合計4つの取付接地極40Pを取り付けるように構成しても良い。また、取付接地極40Pは1つまたは2つ設けると共に、取付接地極40Pと同様または類似する形状のダミー接地極を本体部20に取り付けて、本体部20を地面から離した状態を維持するようにしても良い。
【0037】
図2に示すように、接地抵抗計10は、ハウジング100を備え、そのハウジング100の操作面100aには、上述した表示部26が視認可能な状態に設けられている。また、ハウジング100の操作面100aには、測定ケーブル50e,50p,50cが差し込まれる孔部200e,200p,200cが設けられていて、それぞれの孔部200e,200p,200cは、メス側端子であるC接続端子31、E接続端子32およびP接続端子33の構成要素となっている。ただし、孔部200e,200p,200cは、C接続端子31、E接続端子32およびP接続端子33の構成要素でなくても良い。
【0038】
また、ハウジング100の裏面100bには、孔部201が設けられていて、その孔部201は、裏面用接続端子30の構成要素となっている。ただし、孔部201は、裏面用接続端子30の構成要素でなくても良い。
【0039】
<接地抵抗計10を用いた接地抵抗Reを測定する際の接続方法について>
次に、上述した接地抵抗計10を用いた接地抵抗Reを測定する際の接続方法について、以下に説明する。
【0040】
本実施の形態の接地抵抗計10を用いて接地極E,P,Cに対する接続を行う場合、まず、ユーザは、第2補助接地極Cを地面に打ち込む。このとき、取付接地極40Pが地面に接触する位置(接地抵抗計10を置く位置)から距離L1(後述する
図5参照)だけ離れた位置に、第2補助接地極Cを打ち込む。
【0041】
なお、このときの接地抵抗計10と被測定接地極Eとの間の距離は、距離L2であり、被測定接地極Eと第2補助接地極Cとの間の距離(すなわち距離L1と距離L2の合計)は、距離L3であるとする。この場合、通常は、被測定接地極E、第1補助接地極Pおよび第2補助接地極Cの3つを結ぶと、直線状をなすように配置される。
【0042】
また、ユーザは、C接続端子31に測定ケーブル50cを接続し、その測定ケーブル50cを第2補助接地極Cに接続する。また、ユーザは、E接続端子32に測定ケーブル50eを接続し、その測定ケーブル50eを被測定接地極Eに接続する。
【0043】
また、ユーザは、上述した第2補助接地極Cの打ち込みや測定ケーブル50c,50eの接続に前後して、裏面100bの孔部201に、取付接地極40Pの差込端子部42を差し込んで、取付接地極40Pを本体部20に取り付ける。この取り付けにより、取付接地極40Pが、電圧測定部23の一方の入力端子に対して電気的に接続された状態となる。
【0044】
以上のように測定ケーブル50c,50eの接続や、取付接地極40Pの取り付けを行った後に、接地抵抗計10を地面に置くが、その位置は、上述したように、被測定接地極Eから距離L2だけ離れた位置であり、第2補助接地極Cから距離L1だけ離れた位置である。このようにして、3つの電極が接地抵抗計10に電気的に接続され、接地抵抗Reの測定が可能な状態となる。
【0045】
なお、
図1に示すように、取付接地極40Pは、電圧を測定するための部分であるので、抵抗Rpには元々ほとんど電流が流れず(微弱な電流しか流れない)ので、この抵抗Rpは無視できる状態となっている。そのため、取付接地極40Pの抵抗が比較的大きくても、接地抵抗Reの測定は行える。それに対して、第2補助接地極Cは、測定のための交流電流I1を出力する部分であるため、第2補助接地極Cの抵抗が大きい場合には、電流値I1が減少し、接地抵抗Reの測定が行えない。以上から、取付接地極40Pは、第2補助接地極Cの代わりとしては本体部20に取り付けられないが、第1補助接地極Pの代わりとしては本体部20に取り付けることが可能である。
【0046】
ここで、従来の接地抵抗Reを測定する際の接続方法と、本実施の形態における、接地抵抗Reを測定する際の接続方法とを、
図4および
図5を用いて対比説明する。
図4は、従来の接地抵抗Reを測定する際の接続方法を示す図である。なお、
図4では、従来の接地抵抗計を接地抵抗計10Apとする。
図4に示すように、従来の接地抵抗Reの接続方法を採用する場合、接地抵抗計10Apの本体部20と、被測定接地極E、第1補助接地極P、および第2補助接地極Cのそれぞれが、測定ケーブル50e,50p,50cで接続される。すなわち、合計3本の測定ケーブル50e,50p,50cが、接地抵抗計の本体部に接続されている。
【0047】
ところで、接地抵抗Reの測定を行う場合、被測定接地極E、第1補助接地極Pおよび第2補助接地極Cを用いた3電極法にて、測定が行われる。3電極法では、第1補助接地極Pは被測定接地極Eから距離L2だけ離して設置し、さらに第2補助接地極Cは第1補助接地極Pから距離L1だけ離して設置する。このとき、被測定接地極Eと第2補助接地極Cとの間は、距離L3だけ離れるが、その距離L3は、距離L1と距離L2の合計に近いものとなる。すなわち、通常は、被測定接地極E、第1補助接地極Pおよび第2補助接地極Cの3つを結ぶと、直線状をなすように配置される。
【0048】
なお、実際の現場では、距離L1と距離L2は、5〜10mであることが多く、そのため距離L3も10〜20mであることが多い。
【0049】
ここで、距離L1と距離L2を10mとし、距離L3を20mとする。このとき、現状の測定では、接地抵抗計10Apは、接地抵抗Reを測定する対象である、被測定接地極Eの近傍に配置される。すなわち、接地抵抗計10Apは、被測定接地極Eの近傍の地面に置かれる等するのが通常である。その場合、測定ケーブル50pの長さは10m以上となり、測定ケーブル50cの長さは20m以上となる。加えて、測定ケーブル50eの長さも所定以上の長さがあるが、現状では、測定ケーブル50eの長さは、10m以上であることが多い。その場合、3つの測定ケーブル50の長さの合計は、40m以上となる。
【0050】
なお、3本の測定ケーブル50の中で測定ケーブル50eの長さを非常に短くしたとしても、3本の測定ケーブル50の長さの合計は、30m以上となる。
【0051】
これに対し、本実施の形態における、接地抵抗Reを測定する際の接続態様のイメージを、
図5に示す。
図5に示すように、本実施の形態では、第1補助接地極Pに対応する取付接地極40Pが、直接的に地面に置かれるが、そのときに、測定ケーブル50pは用いられていない。すなわち、3本の測定ケーブル50e,50p,50cではなく、2本の測定ケーブル50e,50cが接続に際して用いられている。具体的には、測定ケーブル50eを被測定接地極Eに接続し、測定ケーブル50cを第2補助接地極Cに接続する。
【0052】
このように接続することで、測定ケーブル50c,50eの長さの合計は、20m以上となり、大幅に測定ケーブル50c,50eの長さの合計を短くすることが可能となっている。
【0053】
<効果>
以上のような構成の接地抵抗計10によると、接地抵抗計10に対する電気的な配線状態の構築が容易となる。すなわち、従来の接地抵抗計10Apでは、第1補助接地極Pを地面に打ち込む必要があり、その分だけ設置の工数が必要となっている。しかしながら、本実施の形態の接地抵抗計10では、第1補助接地極Pを地面に打ち込む必要がなく、その代わりに接地抵抗計10を地面に置くだけで、取付接地極40Pが地面と接触し、その取付接地極40Pが第1補助接地極Pとして機能する。そのため、第1補助接地極Pを地面に打ち込む工数を削減することができ、接地抵抗計10の配線状態の構築が容易となる。
【0054】
また、本実施の形態では、接地抵抗計10に接続される測定ケーブル50は、測定ケーブル50cと測定ケーブル50eの2本で済む。そのため、2本の測定ケーブル50のトータルの長さは、距離L3に近いものとなる。それにより、その測定ケーブル50e,50cのトータルの長さを短くすることが可能となる。
【0055】
また、このように測定ケーブル50e,50cの2本が近接しなくなるので、接地抵抗Reの測定の際に、測定ケーブル50同士が絡まるのを防止可能となる。そのため、絡まった測定ケーブル50をほどく作業が不要となり、作業の全体的な効率を向上させることが可能となる。さらに、測定ケーブル50のトータルの長さが短くなるので、測定に際して引き出された測定ケーブル50e,50cの巻き取りが容易となる。
【0056】
また、本実施の形態の接地抵抗計10では、本体部20に第1補助接地極Pが取り付けられた後に接地抵抗Reの測定を行う場合には、取付接地極40Pは、本体部20と地面との間に位置している。このため、本体部20と地面との間に取付接地極40Pを挟み込む状態として、取付接地極40Pを地面に対して電気的に接触させることができる。
【0057】
また、本実施の形態では、取付接地極40Pは、本体部20を地面に設置する際の脚部41を備えている。このため、接地抵抗計10を地面に置くと、脚部41によって接地抵抗計10を支持することができる。また、本体部20は、直接地面に接触しない状態とすることができるので、本体部20に泥等が付着して、本体部20が汚れるのを防止可能となる。
【0058】
さらに、本実施の形態では、裏面用接続端子30は、金属製の筒状体に形成されていて、取付接地極40Pは、筒状体の裏面用接続端子30に差し込むことが可能な差込端子部42を有している。このため、差込端子部42を裏面用接続端子30に差し込むだけで、本体部20へ取付接地極40Pが取り付けられるので、取り付け作業が煩雑とならず、非常に容易に取り付けを実現することができる。
【0059】
<変形例>
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下、それについて述べる。
【0060】
上述の実施の形態においては、取付接地極40Pは、本体部20に対して取り付けおよび取り外しが可能となるように設けられている。しかしながら、取付接地極40Pは、本体部20から取り外せないように本体部20に固着されていても良い。このように構成しても、第1補助接地極Pを地面に打ち込む必要はなく、接地抵抗計10における配線状態の構築は容易となる。また、測定ケーブル50c,50eの2本だけを接地抵抗計10に接続するだけで済み、2本の測定ケーブル50c,50eのトータルの長さを短くすることが可能となる。また、測定ケーブル50同士が絡まるのを防止可能となる。
【0061】
また、本実施の形態では、本体部20は、裏面用接続端子30を備えていて、その裏面用接続端子30に取付接地極40Pの差込端子部42を差し込むように構成されている。しかしながら、次のように構成しても良い。すなわち、
図6に示すような取付接地極40P2のように、その側面形状が、操作面100aと対向する部位と、裏面100bと対向する部位である回り込み部43を有する形状としても良い。なお、
図6に示す取付接地極40P2では、P接続端子33に差し込まれる差込部44を備えているが、取付接地極40P2とは別途の導電部材をP接続端子33に差し込み、その導電部材を介して取付接地極40P2とP接続端子33とが電気的に接続される構成を採用しても良い。
【0062】
このように、
図6に示すような構成としても、取付接地極40P2が第1補助接地極Pとして機能するので、第1補助接地極Pを地面に打ち込む必要がなくなり、接地抵抗計10における配線状態の構築は容易となる。また、測定ケーブル50c,50eの2本だけを接地抵抗計10に接続するだけで済み、2本の測定ケーブル50c,50eのトータルの長さを短くすることが可能となる。また、測定ケーブル50同士が絡まるのを防止可能となる。
【0063】
また、たとえば導電性を有する箱状部材を用い、その箱状部材をP接続端子33と電気的に接続する構成としても良い。
【0064】
また、上述の実施の形態では、本体部20において、孔部200e,200p,200cを設ける位置は、操作面100aには限られず、たとえは操作面100aとは反対側の裏面や側面に、孔部200e,200p,200cを設ける構成を採用しても良い。