(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6054756
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】インクジェットプリンター
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20161219BHJP
B65H 18/08 20060101ALI20161219BHJP
B65H 16/06 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
B41J2/01 305
B65H18/08
B65H16/06
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-13300(P2013-13300)
(22)【出願日】2013年1月28日
(65)【公開番号】特開2014-144557(P2014-144557A)
(43)【公開日】2014年8月14日
【審査請求日】2015年11月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】395003187
【氏名又は名称】株式会社OKIデータ・インフォテック
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 正文
【審査官】
下村 輝秋
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−162333(JP,A)
【文献】
特開2012−153456(JP,A)
【文献】
特開2012−166914(JP,A)
【文献】
特開2007−261754(JP,A)
【文献】
特開2010−179564(JP,A)
【文献】
特開2012−153463(JP,A)
【文献】
特開平04−241153(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01−2/215
B65H 16/06
B65H 18/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙管に記録媒体が巻回された供給ロールから前記記録媒体を供給する供給部と、
前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記供給部から供給された前記記録媒体に記録を行う記録ヘッドと、
前記記録ヘッドで記録された前記記録媒体を巻取りロールに巻取る巻取り部と、
前記記録ヘッドを搭載し、前記記録媒体の搬送方向に対して交差する方向に移動するキャリッジと、
前記記録ヘッドに対向する位置に配置されると共に前記記録媒体を支持するプラテンと、
前記プラテンの前記搬送方向の下流側に配置され、前記記録ヘッドによって記録された前記記録媒体を加熱すると共に前記記録媒体の搬送を案内するガイドと、を備えるインクジェットプリンターにおいて、
前記巻取り部と前記供給部の少なくとも一方は、
前記交差する方向に沿って配置された2本の支持軸と、
前記2本の支持軸が摺動可能に配置された摺動部を備えると共に前記紙管を固定する1対のホルダーと、
前記2本の支持軸に掛け渡されて載置され、前記巻取りロールまたは前記供給ロールを載置する受具と、
前記2本の支持軸に掛け渡されて載置され、前記巻取りロールまたは前記供給ロールを載置し、該載置された前記巻取りロールまたは前記供給ロールを上下に移動させる昇降手段を備えるリフトと、を有し、
前記受具と前記リフトが前記2本の支持軸に対して着脱可能であり、
前記1対のホルダーは、
夫々の前記ホルダーの本体部の上方部には、回動可能に支持され、前記紙管を固定する紙管固定部と、
夫々の前記ホルダーの前記本体部の下方部に備えられ、前記2本の支持軸のうち少なくとも片方に固定する固定手段と、
夫々の前記ホルダーの前記本体部の前記下方部に前記摺動部が備わり、該摺動部は少なくとも、前記2本の支持軸の内の一方の前記支持軸の外径と同形状の内周部を有し、前記一方の前記支持軸に摺動可能に取り付けられる第一摺動部と、前記2本の支持軸の内の他方の前記支持軸の外径と異形状の内周部を有し、前記他方の前記支持軸に摺動可能に取り付けられる第二摺動部と、
を有し、
夫々の前記ホルダーは前記2本の支持軸を摺動し、前記2本の支持軸の任意の位置で前記固定手段によって固定されることを特徴とするインクジェットプリンター。
【請求項2】
前記昇降手段は、ハンドルと、前記ハンドルの回転に連動するネジ部を備え、一方の方向に前記ハンドルを回転させると前記巻取りロールまたは前記供給ロールが降下し、他方の方向に回転させると前記巻取りロールまたは前記供給ロールが上昇することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンター。
【請求項3】
紙管に記録媒体が巻回された供給ロールから前記記録媒体を供給する供給部と、
前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記供給部から供給された前記記録媒体に記録を行う記録ヘッドと、
前記記録ヘッドで記録された前記記録媒体を巻取りロールに巻取る巻取り部と、
前記記録ヘッドを搭載し、前記記録媒体の搬送方向に対して交差する方向に移動するキャリッジと、
前記記録ヘッドに対向する位置に配置されると共に前記記録媒体を支持するプラテンと、
前記プラテンの前記搬送方向の下流側に配置され、前記記録ヘッドによって記録された前記記録媒体を加熱すると共に前記記録媒体の搬送を案内するガイドと、を備えるインクジェットプリンターにおいて、
前記巻取り部と前記供給部の少なくとも一方は、
前記交差する方向に沿って配置された2本の支持軸と、
前記2本の支持軸が摺動可能に配置された摺動部を備えると共に前記紙管を固定する1対のホルダーと、
前記2本の支持軸に掛け渡されて載置され、前記巻取りロールまたは前記供給ロールを載置する受具と、
前記2本の支持軸に掛け渡されて載置され、前記巻取りロールまたは前記供給ロールを載置し、該載置された前記巻取りロールまたは前記供給ロールを上下に移動させる昇降手段を備えるリフトと、を有し、
前記受具と前記リフトが前記2本の支持軸に対して着脱可能であり、
前記昇降手段は、ハンドルと、前記ハンドルの回転に連動するネジ部を備え、一方の方向に前記ハンドルを回転させると前記巻取りロールまたは前記供給ロールが降下し、他方の方向に回転させると前記巻取りロールまたは前記供給ロールが上昇することを特徴とするインクジェットプリンター。
【請求項4】
前記インクジェットプリンターの下側に接続された脚部を更に有し、前記脚部に前記巻取り部を案内するレールを備え、
前記レールを前記巻取り部が摺動することで、前記巻取り部が前記ガイドの下方に配置された状態と、前記巻取り部が前記ガイドの下方から引き出された状態にすることができ、
前記記録媒体に記録を行っている場合は、前記巻取り部が前記ガイドの下方に配置された状態であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載のインクジェットプリンター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば比較的幅広の記録媒体に、画像の記録を行うインクジェットプリンターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙や塩化ビニールフィルムなどの記録媒体にインク滴を吐出して文字や画像等の記録を行うインクジェット方式のプリンターが知られている。このインクジェット方式のプリンターには、記録媒体の搬送方向に直交する幅、すなわち記録媒体の幅が、例えば1m〜3m程度の、比較的幅広のものに記録を行う比較的大型のインクジェットプリンターがある。
【0003】
この種のプリンターは、記録媒体に記録を行う記録ユニットと、この記録ユニットによって記録される記録媒体を搬送する搬送ユニットとを備えている。記録ユニットは、記録媒体にインク滴を吐出するインクジェット方式の記録ヘッドと、記録媒体の搬送方向に直交する幅方向に記録ヘッドを走査させるヘッド移動機構とを有している。搬送ユニットは、記録媒体が巻回された供給ロールから記録媒体を供給する供給部と、記録ヘッドによって記録される記録媒体を支持するプラテンと、記録ヘッドによって記録された記録媒体を巻取りロールに巻取る巻取り部とを有している。
【0004】
上述のように構成された従来のプリンターは、供給部の供給ロールから供給された記録媒体が、プラテン上に支持されて、記録ヘッドによって記録が行われる。記録が行われた記録媒体は、巻取り部の巻取りロールに巻取られる。このようなプリンターでは、記録媒体の幅は特定の幅のものだけではなく、様々な幅のものが使用される。このような様々な幅のものを、供給部および巻取り部に装着できる必要がある。このような装置の例として、例えば特開2010−168220号公報に記載の装置がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−168220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来のプリンターでは、紙管の中にロール軸を挿入し、そのロール軸の両端を回動可能に支えている。ロール軸は使用可能な最大幅に対応できるようになっているのでかなり長いものになっている。これは、幅の狭い記録媒体を使う時でも必ずロール軸を使用しなければならず、長いロール軸は取り扱いが不便であった。また、ロール軸の一方の端部を基準にロール状の記録媒体を配置する必要があり、軸方向に記録媒体を移動させることが困難であった。
【0007】
また、記録媒体が巻き回されたロールは数十キログラムあり、使用者が一人で作業する場合に取扱いが難しかった。例えば、供給部にセットする場合でも、巻取り部から取り外す場合でも、数十キログラムのロールを持ち上げてホルダーに取り付ける作業をしなければならず、一人でセットあるいは取り外す作業は困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のインクジェットプリンターは、紙管に記録媒体が巻回された供給ロールから前記記録媒体を供給する供給部と、前記記録媒体を搬送する搬送手段と、前記供給部から供給された前記記録媒体に記録を行う記録ヘッドと、前記記録ヘッドで記録された前記記録媒体を巻取りロールに巻取る巻取り部と、前記記録ヘッドを搭載し、前記記録媒体の搬送方向に対して交差する方向に移動するキャリッジと、前記記録ヘッドに対向する位置に配置されると共に前記記録媒体を支持するプラテンと、前記プラテンの前記搬送方向の下流側に配置され、前記記録ヘッドによって記録された前記記録媒体を加熱すると共に前記記録媒体の搬送を案内するガイドと、を備えるインクジェットプリンターにおいて、前記巻取り部と前記供給部の少なくとも一方は、前記交差する方向に沿って配置された2本の支持軸と、前記2本の支持軸が摺動可能に配置された摺動部を備えると共に前記紙管を固定する1対のホルダーと、前記2本の支持軸に掛け渡されて載置され、前記巻取りロールまたは前記供給ロールを載置する受具と、前記2本の支持軸に掛け渡されて載置され、前記巻取りロールまたは前記供給ロールを載置し、該載置された前記巻取りロールまたは前記供給ロールを上下に移動させる昇降手段を備えるリフトと、を有し、前記受具と前記リフトが前記2本の支持軸に対して着脱可能である
。
さらに、前記1対のホルダーは、夫々の前記ホルダーの本体部の上方部には、回動可能に支持され、前記紙管を固定する紙管固定部と、夫々の前記ホルダーの前記本体部の下方部に備えられ、前記2本の支持軸のうち少なくとも片方に固定する固定手段と、夫々の前記ホルダーの前記本体部の前記下方部に前記摺動部が備わり、該摺動部は少なくとも、前記2本の支持軸の内の一方の前記支持軸の外径と同形状の内周部を有し、前記一方の前記支持軸に摺動可能に取り付けられる第一摺動部と、前記2本の支持軸の内の他方の前記支持軸の外径と異形状の内周部を有し、前記他方の前記支持軸に摺動可能に取り付けられる第二摺動部と、を有し、夫々の前記ホルダーは前記2本の支持軸を摺動し、前記2本の支持軸の任意の位置で前記固定手段によって固定されることを特徴とする。また、前記昇降手段は、ハンドルと、前記ハンドルの回転に連動するネジ部を備え、一方の方向に前記ハンドルを回転させると前記巻取りロールまたは前記供給ロールが降下し、他方の方向に回転させると前記巻取りロールまたは前記供給ロールが上昇することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
ロール軸を使用せずに容易に様々な幅の記録媒体を装着でき、また装着した記録媒体を幅方向に容易に移動させることができるインクジェットプリンターを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、インクジェットプリンターの全体の外観図である。
【
図4】
図4(a)、(b)、(c)は、ロールリフト部の動作を説明する図である。
【
図5】
図5は、ホルダーにロールが取り付けられた状態を説明する図である。
【
図6】
図6(a)、(b)、(c)、(d)は、ホルダーにロールを取り付ける動作を説明する図である。
【
図7】
図7は、記録媒体の位置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、インクジェットプリンターの全体の外観図である。
インクジェットプリンター1では、記録媒体として、例えば、搬送方向に直交する幅寸法が最大3m程度の比較的幅広にされた紙や塩化ビニル樹脂やPET樹脂などの合成樹脂フィルム等が用いられる。キャリッジ3は記録ヘッドとしてインクジェットヘッドを搭載し、Yレール4に沿って往復移動する。インクジェットヘッドは、往復移動しながらプラテン2上に搬送された記録媒体にインクを吐出し、画像を記録する。プラテン2の記録媒体の搬送方向上流には、プラテン2に沿って搬送ローラー5が配置されている。搬送ローラー5によって記録媒体が搬送される。記録された記録媒体は、ペーパーガイド6に沿って搬送される。ペーパーガイド6にはヒーターが備わり、記録後の記録媒体を加熱することでインクの定着を促進させる。
【0012】
インクジェットプリンター1には、記録された記録媒体を巻取る巻取り装置16が備わる。インクジェットプリンター1の幅方向に軸14と軸15が平行に配置されている。インクジェットプリンター1の下側に本体を支える脚部が備わり、その脚部にはレール8が備わっている。このレール8に沿って軸14と軸15が固定されている台が移動する。台にはキャスター7が備わり、接地面を転がる。
【0013】
軸14と軸15には、軸の長手方向に摺動可能に、ホルダー10とホルダー11が備わる。ホルダー10には、記録媒体を巻取る動力源としてモーター9が備わる。また、記録媒体を仮置きするロール受12とリフト13が着脱可能に備わる。ロール受12とリフト13は記録媒体をホルダー10とホルダー11に取り付けたり外したりする場合に使用する。また2本の軸14と軸15の間にロール受12を配置することで、誤って紙管および巻かれた記録媒体が下に落ちことがないので、落とすことによる傷付の防止ができる。
【0014】
図2は、巻取り装置の斜視図である。巻取り装置16のホルダー10は、紙管に挿入してその紙管を固定する紙管固定部であるコネクター19が備わる。また、コネクター19はホルダー10の本体部の上方部に回転可能に支持され、モーター9の回転に応じて回転する。巻取り装置16のホルダー11は、紙管に挿入して固定するコネクター18が備わる。コネクター18は回転可能に支持されている。巻取り装置16はインクジェットプリンター1に取り付けられている。紙管の両端にコネクター18とコネクター19が固定され、モーター9を回転させることで、紙管を回転させ記録媒体を巻取る。
【0015】
また、図示はしていないが、インクジェットプリンター1の給紙側にも同様の装置を用いることができる。その場合、紙管に記録媒体が巻き回されているロールを用いる。コネクター18とコネクター19にロールの紙管を固定する。記録媒体が引き出される方向に回転する場合は自由に回転でき、逆方向にはモーター9によって記録媒体を巻く。例えばワンウエイクラッチを用いて巻き取る方向のみモーター9の回転に応じてロールが回転するように構成する。ロールから記録媒体をインクジェットプリンター1に供給し、画像を記録し、巻取り装置16で記録後の記録媒体を巻取ることになる。摺動部17によってホルダー11が軸14を摺動可能に支持されている。ホルダー10にも同様に摺動部が備わる。
【0016】
図3は、ロール受の側面図である。ロール受12は、軸14と軸15に載置して使用する。ロール受12は軸14に載置した時に軸と交差する方向に移動しないように、ロール受12の下部に曲げ部23と鍔部24が備わる。曲げ部23と鍔部24の間に軸14が入るように載置する。ロール受12の上部には、第1クッション20、第2クッション21、第3クッション22が備わる。第2クッション21と第3クッション22はテーパー部が備わる。第1クッション20が中央、第2クッション21と第3クッション22を端部に配置することで、ロールを置いた時にロールが転げ落ちないようにしている。
【0017】
図4(a)、(b)、(c)は、リフトの動作を説明する図である。リフト13は、軸14と軸15に載置して使用する。リフト13は軸14に載置した時に軸と交差する方向に移動しないように、リフト13の下部に曲げ部33と鍔部34が備わる。曲げ部33と鍔部34の間に軸14が入るように載置する。リフト13の上部には、リフト部が備わる。ハンドル31を回転させることで軸32を回転させる。軸32はねじが刻まれ、回転させることで、関節部29と30の角度が変わり、高さを可変できる。更に上部にはロール載置部があり、底部27、第1斜部26、第2斜部28が備わる。ロール載置部がハンドルの回転によって昇降する。また、ロール載置部にロールを載置した場合に第1斜部26、第2斜部28によってロールが転げ落ちることを防止している。
【0018】
図4(a)は、ロール載置部が降下したところに位置している状態を示す。
図4(b)は、ロール載置部が中間に位置している状態を示す。
図4(c)は、ロール載置部が昇ったところに位置している状態を示す。ロール載置部は、ハンドル31を回転させることで昇降し、ハンドルを止めることでその場に停止する。昇降の方向はハンドル31の回転方向に基づく。
【0019】
図5は、ホルダーにロールが取り付けられた状態を説明する図である。ロール35の紙管に、ホルダー11のコネクター18が食付き固定されている。ホルダー11の本体部36の上部に回動可能にコネクター18が備わる。本体部36は基底部と立設部とが備わり、立設部にはコネクター18が備わり、基底部には摺動部17と固定ネジ37が備わる。
【0020】
摺動部17は筒状であり、軸14に摺動可能にはめられている。摺動部17の内径はほぼ軸14の直径に等しく、隙間なく摺動する。また、基底部の軸15側にも摺動部が備わり、軸15に摺動可能にはめられている。軸15側の摺動部は、軸15の直径に比べ2%から10%程度太い内径となっている。またこの軸15側の摺動部は矩形とすることもできる。このように差を設けることで、掛からずにホルダー11をスムーズに摺動できる。すなわち両方の摺動部に隙間があると、移動方向に対して斜めに向き、掛かってしまう恐れがある。また両者に隙間が無いと多少の軸の曲りで移動できなくなってしまう恐れがある。後述するロールの取り付けあるいは取り外しのときにスムーズに動くことが重要となる。また、この摺動部の構成は、ホルダー10側も同様の構成を備える。摺動部は、フッ素を含む樹脂で構成することで滑りを良くできる。
【0021】
図6(a)、(b)、(c)、(d)は、ホルダーにロールを取り付ける動作を説明する図である。以下はインクジェットプリンター1の供給部あるいは巻取り部の記録媒体のロールをホルダー10とホルダー11に装着あるいは取り外す方法を示すものでもある。
【0022】
先ず
図6(a)のように、軸14と軸15上にロール受12とリフト13を載置し、そして、その上にロール35を載置する。
次に
図6(b)のように、紙管がコネクター19に嵌められる高さまでリフト13を上げる。そして、ホルダー10を移動させて紙管にコネクター19を嵌める。この際、ロール受12があるためロール35の傾斜が緩やかになり、コネクター19を紙管の奥まで差し込める。リフト13は下ろす。ホルダー10はスムーズに摺動することが好ましい。
【0023】
次に
図6(c)のように、リフト13をホルダー11側に移動させる。この時好ましくは中央よりホルダー11側にリフト13をセットする。
次に
図6(d)のように、紙管がコネクター18に嵌められる高さまでリフト13を上げる。そして、ホルダー11を移動させて紙管にコネクター18を嵌める。そしてリフト13を下げる。ホルダー11はスムーズに摺動することが好ましい。
【0024】
次にホルダー10かホルダー11の一方を軸14に固定し、固定していない側を移動させて、紙管に更に強固に食付かせる。その後、逆側も紙管に強固に食付かせる。ホルダー10あるいはホルダー11はスムーズに摺動することが好ましく、斜めになったり軸に掛かったりする等の問題があると強く食付かせることができない場合がある。
【0025】
次に、軸との固定を解除して、所望の位置にロール35をホルダー10、ホルダー11と共に移動させる。
ロール35を取り外す場合はこの逆の工程を行う。ロール受12を使うことで、ロールの傾きを小さくでき、容易に嵌めること、および抜くことができる。また、ロール受12とリフト13が1セットあれば、巻取り装置16以外に給紙側のロールのセットにも使用できる。
【0026】
図7は、記録媒体の位置を説明する図である。巻取り装置16はインクジェットプリンター1に移動可能に取り付けられている。印刷中は、ペーパーガイド6の下にロール35が位置するように配置する。ロール35を取り外す場合、あるいは紙管を取り付けるばあいなど巻取り装置16を操作する場合に、外側に引き出す。外に引き出した場合を点線で図示した。キャスター7とレール8によって容易に引き出したり、押し込んだりすることができる。印刷中は、ペーパーガイド6から出た記録媒体38に弛みを持たせ、インクを乾燥させる時間を長くしながら、ロール35に巻取る。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、インクジェットプリンターに利用できる。
【符号の説明】
【0028】
1 インクジェットプリンター
2 プラテン
3 キャリッジ
4 Yレール
5 搬送ローラー
6 ペーパーガイド
10 ホルダー
11 ホルダー
12 ロール受
13 リフト
14 軸
15 軸
16 巻取り装置
18 コネクター
19 コネクター