(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の一実施形態によるビデオ符号化方法は、階層的構造のデータ単位に基づいて、前記ビデオを構成するピクチャを符号化する段階と、前記符号化されたピクチャに係わるシンボルが属するデータ単位の階層情報に基づいて、前記シンボルのエントロピ符号化に利用されるコンテクスト・モデルを決定する段階と、前記決定されたコンテクスト・モデルを利用して、前記シンボルをエントロピ符号化する段階と、を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明の一実施形態によるビデオ符号化装置は、階層的構造のデータ単位に基づいて、前記ビデオを構成するピクチャを符号化する階層的符号化部と、前記符号化されたピクチャに係わるシンボルが属するデータ単位の階層情報に基づいて、前記シンボルのエントロピ符号化に利用されるコンテクスト・モデルを決定し、前記決定されたコンテクスト・モデルを利用して、前記シンボルを符号化するエントロピ符号化部と、を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の一実施形態によるビデオ復号化方法は、符号化されたビットストリームをパージングし、階層的構造のデータ単位に基づいて、符号化されたピクチャに係わるシンボルを抽出する段階と、前記シンボルが属するデータ単位の階層情報に基づいて、前記シンボルのエントロピ復号化に利用されるコンテクスト・モデルを決定する段階と、前記決定されたコンテクスト・モデルを利用して、前記シンボルをエントロピ復号化する段階と、を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の一実施形態によるビデオ復号化装置は、符号化されたビットストリームをパージングし、階層的構造のデータ単位に基づいて、符号化されたピクチャに係わるシンボルを抽出するシンボル抽出部と、前記シンボルが属するデータ単位の階層情報に基づいて、前記シンボルのエントロピ復号化に利用されるコンテクスト・モデルを決定し、前記決定されたコンテクスト・モデルを利用して、前記シンボルをエントロピ復号化するエントロピ復号化部と、を含むことを特徴とする。
【0011】
以下、本明細書に記載された本発明の多様な実施形態で、「映像」は、静止映像だけではなく、ビデオのような動画を含んで包括的に指称するのである。
【0012】
映像に係わるデータに対して、各種動作が遂行されるとき、映像に係わるデータは、データグループに分割され、同一データグループに含まれるデータに対して、同一の動作が遂行される。以下、本明細書で、所定基準によって形成されるデータグループを「データ単位」と称する。以下、本明細書で、「データ単位」ごとになされる動作は、データ単位に含まれたデータを利用して、当該動作が遂行されるということを意味する。
【0013】
以下、
図1ないし
図13を参照し、本発明の一実施形態によって、ツリー構造による符号化単位及び変換単位に基づいたツリー構造のシンボルを符号化/復号化するビデオの符号化/復号化方法及びその装置を開示する。また、
図14ないし
図31を参照し、
図1ないし
図13で説明したビデオの符号化方式及び復号化方式で利用されるエントロピ符号化及びエントロピ復号化の過程について具体的に説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態によるビデオ符号化装置のブロック図を図示している。
【0015】
一実施形態によるビデオ符号化装置100は、階層的符号化部110及びエントロピ符号化部120を含む。
【0016】
階層的符号化部110は、符号化される現在ピクチャを、所定サイズのデータ単位に分割し、データ単位別に符号化を行う。具体的には、階層的符号化部110は、現在ピクチャを、最大サイズの符号化単位である最大符号化単位に基づいて、現在ピクチャを分割することができる。一実施形態による最大符号化単位は、サイズ32x32,64x64,128x128,256x256のようなデータ単位で、縦横に大きさが8より大きい2の自乗である正方形のデータ単位でもある。
【0017】
一実施形態による符号化単位は、最大サイズ及び最大深度で特徴づけられる。深度とは、最大符号化単位から、符号化単位が空間的に分割された回数を示し、深度が深くなるほど、深度別符号化単位は、最大符号化単位から最小符号化単位まで分割される。最大符号化単位の深度が最上位深度であり、最小符号化単位が最下位符号化単位と定義される。最大符号化単位は、深度が深くなるにつれて、深度別符号化単位の大きさは縮小される、上位深度の符号化単位は、複数個の下位深度の符号化単位を含む。
【0018】
前述のように、符号化単位の最大サイズによって、現在ピクチャの映像データを最大符号化単位に分割し、それぞれの最大符号化単位は、深度別に分割される符号化単位を含んでもよい。一実施形態による最大符号化単位は、深度別に分割されるので、最大符号化単位に含まれた空間領域(spatial domain)の映像データが、深度によって階層的に分類される。
【0019】
最大符号化単位の高さ及び幅を階層的に分割することができる総回数を制限する最大深度及び符号化単位の最大サイズがあらかじめ設定されている。
【0020】
階層的符号化部110は、深度ごとに、最大符号化単位の領域が分割された少なくとも1つの分割領域を符号化し、少なくとも1つの分割領域別に、最終符号化結果が出力される深度を決定する。すなわち、階層的符号化部110は、現在ピクチャの最大符号化単位ごとに、深度別符号化単位で映像データを符号化し、最小符号化誤差が発生する深度を選択して符号化深度として決定する。決定された符号化深度及び最大符号化単位別映像データは、エントロピ符号化部120に出力される。
【0021】
最大符号化単位内の映像データは、最大深度以下の、少なくとも1つの深度によって、深度別符号化単位に基づいて符号化され、それぞれの深度別符号化単位に基づいた符号化結果が比較される。深度別符号化単位の符号化誤差の比較結果、符号化誤差が最小である深度が選択される。それぞれの最大化符号化単位ごとに、少なくとも1つの符号化深度が決定される。
【0022】
最大符号化単位の大きさは、深度が深くなるにつれて、符号化単位が階層的に分割されて分割され、符号化単位の個数は増加する。また、1つの最大符号化単位に含まれる同一の深度の符号化単位であるとしても、それぞれのデータに係わる符号化誤差を測定し、下位深度への分割いかんが決定される。従って、1つの最大符号化単位に含まれるデータであるとしても、位置によって、深度別符号化誤差が異なるので、位置によって、符号化深度が異なって決定されもする。従って、1つの最大符号化単位について、符号化深度が一つ以上設定されもし、最大符号化単位のデータは、一つ以上の符号化深度の符号化単位によって区画される。
【0023】
従って、一実施形態による階層的符号化部110は、現在最大符号化単位に含まれるツリー構造による符号化単位を決定することができる。一実施形態による「ツリー構造による符号化単位」は、現在最大符号化単位に含まれる全ての深度別符号化単位において、符号化深度として決定された深度の符号化単位を含む。符号化深度の符号化単位は、最大符号化単位内で、同一領域では、深度によって階層的に決定され、他の領域については、独立して決定される。同様に、現在領域に係わる符号化深度は、他の領域に係わる符号化深度と独立して決定される。
【0024】
一実施形態による最大深度は、最大符号化単位から最小符号化単位までの分割回数に係わる指標である。一実施形態による第1最大深度は、最大符号化単位から最小符号化単位までの総分割回数を示すことができる。一実施形態による第2最大深度は、最大符号化単位から最小符号化単位までの深度レベルの総個数を示すことができる。例えば、最大符号化単位の深度が0であるとするとき、最大符号化単位が1回分割された符号化単位の深度は、1に設定され、2回分割された符号化単位の深度は、2に設定される。その場合、最大符号化単位から4回分割された符号化単位が最小符号化単位であるならば、深度0,1,2,3及び4の深度レベルが存在するので、第1最大深度は、4、第2最大深度は、5に設定される。
【0025】
最大符号化単位の予測符号化及び周波数変換が行われる。予測符号化及び周波数変換も同様に、最大符号化単位ごとに、最大深度以下の深度ごとに、深度別符号化単位を基に遂行される。
【0026】
最大符号化単位が深度別に分割されるたびに、深度別符号化単位の個数が増加するので、深度が深くなるにつれて生成される全ての深度別符号化単位について、予測符号化及び周波数変換を含んだ符号化が行われなければならない。以下、説明の便宜のために、少なくとも1つの最大符号化単位において、現在深度の符号化単位を基に、予測符号化及び周波数変換について説明する。
【0027】
一実施形態によるビデオ符号化装置100は、映像データの符号化のためのデータ単位の大きさまたは形態を多様に選択することができる。映像データの符号化のためには、予測符号化、周波数変換、エントロピ符号化などの段階を経るが、全ての段階にわたって、同一のデータ単位が使用され、段階別にデータ単位が変更されもする。
【0028】
例えば、ビデオ符号化装置100は、映像データの符号化のための符号化単位だけでなく、符号化単位の映像データの予測符号化を行うため、符号化単位と異なるデータ単位を選択することができる。
【0029】
最大符号化単位の予測符号化のためには、一実施形態による符号化深度の符号化単位、すなわち、それ以上分割されない符号化単位を基に、予測符号化が行われる。以下、予測符号化の基になる、それ以上分割されない符号化単位を「予測単位」と称する。予測単位が分割されたパーティションは、予測単位及び予測単位の高さ及び幅のうち、少なくとも一つが分割されたデータ単位を含んでもよい。
【0030】
例えば、サイズ2Nx2N(ただし、Nは、正の整数)の符号化単位がそれ以上分割されない場合、サイズ2Nx2Nの予測単位になり、パーティションの大きさは、2Nx2N,2NxN,Nx2N,NxNなどでもある。一実施形態によるパーティションタイプは、予測単位の高さまたは幅が対称的な比率で分割された対称的パーティションだけではなく、1:nまたはn:1のように、非対称的な比率で分割されたパーティション、幾何学的な形態に分割されたパーティション、任意的形態のパーティションなどを選択的に含みもする。
【0031】
予測単位の予測モードは、イントラモード、インターモード及びスキップモードのうち少なくとも一つでもある。例えば、イントラモード及びインターモードは、2Nx2N,2NxN,Nx2N,NxNサイズのパーティションに対して遂行される。また、スキップモードは、2Nx2Nサイズのパーティションに対してのみ遂行される。符号化単位以内の1つの予測単位ごとに、独立して符号化が行われ、符号化誤差が最小である予測モードが選択される。
【0032】
また、一実施形態によるビデオ符号化装置100は、映像データの符号化のための符号化単位だけでなく、符号化単位と異なるデータ単位を基に、符号化単位の映像データの周波数変換を行うことができる。
【0033】
符号化単位の周波数変換のためには、符号化単位より小さいか、あるいはそれと同じ大きさのデータ単位を基に、周波数変換が行われる。例えば、周波数変換のためのデータ単位は、イントラモードのためのデータ単位及びインターモードのためのデータ単位を含んでもよい。
【0034】
以下、周波数変換の基になるデータ単位を、「変換単位」と称する。符号化単位と類似した方式で、符号化単位内の変換単位も、再帰的にさらに小サイズの変換単位に分割されながら、符号化単位の残差データが、変換深度によって、ツリー構造による変換単位によって分割される。
【0035】
一実施形態による変換単位についても、符号化単位の高さ及び幅が分割され、変換単位に至るまでの分割回数を示す変換深度が設定される。例えば、サイズ2Nx2Nの現在符号化単位の変換単位の大きさが2Nx2Nであるならば、変換深度0、変換単位の大きさがNxNであるならば、変換深度1、変換単位の大きさがN/2xN/2であるならば、変換深度2に設定される。すなわち、変換単位についても、変換深度によって、ツリー構造による変換単位が設定される。
【0036】
符号化深度別符号化情報は、符号化深度だけでなく、予測関連情報及び周波数変換関連情報が必要である。従って、階層的符号化部110は、最小符号化誤差を発生させた符号化深度だけでなく、予測単位をパーティションに分割したパーティション・タイプ、予測単位別予測モード、周波数変換のための変換単位の大きさなどを決定することができる。
【0037】
一実施形態による最大符号化単位のツリー構造による符号化単位及びパーティションの決定方式については、
図3ないし
図12を参照して詳細に説明する。
【0038】
階層的符号化部110は、深度別符号化単位の符号化誤差をラグランジュ乗数(Lagrangian multiplier)基盤の率・歪曲最適化技法(rate-distortion optimization)を利用して測定することができる。
【0039】
エントロピ符号化部120は、階層的符号化部110で決定された少なくとも1つの符号化深度に基づいて符号化された最大符号化単位の映像データ及び深度別符号化モードに係わる情報を、ビットストリーム形態で出力する。符号化された映像データは、映像の残差データの符号化結果でもある。深度別符号化モードに係わる情報は、符号化深度情報、予測単位のパーティション・タイプ情報、予測モード情報、変換単位のサイズ情報などを含んでもよい。特に後述するように、一実施形態によるエントロピ符号化部120は、最大符号化単位の映像データ及び深度別符号化モードに係わるシンボルを符号化するとき、前述の階層的構造のデータ単位の階層構造情報、及び階層構造以外に、ビデオ符号化方式に利用されたカラー成分のような情報に基づいて、コンテクスト・モデルを選択してエントロピ符号化を行う。
【0040】
符号化深度情報は、現在深度で符号化せずに、下位深度の符号化単位で符号化するか否かを示す深度別分割情報を利用して定義される。現在符号化単位の現在深度が符号化深度であるならば、現在符号化単位は、現在深度の符号化単位で符号化されるので、現在深度の分割情報は、それ以上下位深度で分割されないように定義される。反対に、現在符号化単位の現在深度が符号化深度ではないならば、下位深度の符号化単位を利用した符号化を試みなければならないので、現在深度の分割情報は、下位深度の符号化単位で分割されるように定義される。
【0041】
現在深度が符号化深度ではないならば、下位深度の符号化単位に分割された符号化単位について符号化が行われる。現在深度の符号化単位内に、下位深度の符号化単位が一つ以上存在するので、それぞれの下位深度の符号化単位ごとに、反復して符号化が行われ、同一の深度の符号化単位ごとに、再帰的(recursive)符号化が行われる。
【0042】
1つの最大符号化単位内に、ツリー構造の符号化単位が決定されれば、符号化深度の符号化単位ごとに、少なくとも1つの符号化モードに係わる情報が決定されなければならないので、1つの最大符号化単位については、少なくとも1つの符号化モードに係わる情報が決定される。また、最大符号化単位のデータは、深度によって、階層的に分割され、位置別に符号化深度が異なることがあるので、データについて、符号化深度及び符号化モードに係わる情報が設定される。
【0043】
従って、一実施形態によるエントロピ符号化部120は、最大符号化単位に含まれている符号化単位、予測単位及び最小単位のうち少なくとも一つに対して、当該符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報を割り当てることができる。
【0044】
一実施形態による最小単位は、最下位符号化深度である最小符号化単位が4分割された大きさの正方形のデータ単位であり、最大符号化単位に含まれる全ての符号化単位、予測単位及び変換単位内に含まれる最大サイズの正方形データ単位でもある。
【0045】
例えば、エントロピ符号化部120を介して出力される符号化情報は、深度別符号化単位別符号化情報と、予測単位別符号化情報とに分類される。深度別符号化単位別符号化情報は、予測モード情報、パーティションサイズ情報を含んでもよい。予測単位別に伝送される符号化情報は、インターモードの推定方向に係わる情報、インターモードの参照映像インデックスに係わる情報、動きベクトルに係わる情報、イントラモードのクロマ成分に係わる情報、イントラモードの補間方式に係わる情報などを含んでもよい。また、ピクチャ、スライスまたはGOP(group of pictures)別に定義される符号化単位の最大サイズに係わる情報、及び最大深度に係わる情報は、ビットストリームのヘッダに挿入される。
【0046】
ビデオ符号化装置100の最も簡単な形態の実施形態によれば、深度別符号化単位は、1階層上位深度の符号化単位の高さ及び幅を半分にした大きさの符号化単位である。すなわち、現在深度の符号化単位の大きさが2Nx2Nであるならば、下位深度の符号化単位の大きさは、NxNである。また、2Nx2Nサイズの現在符号化単位は、NxNサイズの下位深度符号化単位を最大4個含む。
【0047】
従って、一実施形態によるビデオ符号化装置100は、現在ピクチャの特性を考慮して決定された最大符号化単位の大きさ及び最大深度を基に、それぞれの最大符号化単位ごとに、最適の形態及び大きさの符号化単位を決定し、ツリー構造による符号化単位を構成することができる。また、それぞれの最大符号化単位ごとに、多様な予測モード、周波数変換方式などで符号化することができるので、多様な映像サイズの符号化単位の映像特性を考慮して、最適の符号化モードが決定される。
【0048】
従って、映像の解像度が非常に高かったり、あるいはデータ量が非常に多い映像を既存マクロブロック単位で符号化するならば、ピクチャ当たりマクロブロックの数が過度に多くなる。これにより、マクロブロックごとに生成される圧縮情報も多くなるので、圧縮情報の伝送負担が大きくなり、データ圧縮効率が低下する傾向がある。従って、一実施形態によるビデオ符号化装置100は、映像の大きさを考慮して、符号化単位の最大サイズを増大させながら、映像特性を考慮して、符号化単位を調節することができるので、映像圧縮効率が向上する。
【0049】
図2は、本発明の一実施形態によるビデオ復号化装置のブロック図を図示している。
【0050】
一実施形態によるビデオ復号化装置200は、シンボル抽出部210、エントロピ復号化部220及び階層的復号化部230を含む。一実施形態によるビデオ復号化装置200の各種プロセッシングのための符号化単位、深度、予測単位、変換単位、各種符号化モードに係わる情報など各種用語の定義は、
図1及びビデオ符号化装置100を参照して説明したところと同一である。
【0051】
シンボル抽出部210は、符号化されたビデオに係わるビットストリームを受信してパージング(parsing)する。エントロピ復号化部220は、パージングされたビットストリームから、最大符号化単位別に、ツリー構造による符号化単位によって、符号化単位ごとに符号化された映像データを抽出し、階層的復号化部230に出力する。エントロピ復号化部220は、現在ピクチャに係わるヘッダから、現在ピクチャの符号化単位の最大サイズに係わる情報を抽出することができる。
また、エントロピ復号化部220は、パージングされたビットストリームから、最大符号化単位別に、ツリー構造による符号化単位に係わる符号化深度及び符号化モードに係わる情報を抽出する。抽出された符号化深度及び符号化モードに係わる情報は、階層的復号化部230に出力される。すなわち、ビット列の映像データを最大符号化単位に分割し、階層的復号化部230に、最大符号化単位ごとに、映像データを復号化させることができる。
【0052】
最大符号化単位別符号化深度及び符号化モードに係わる情報は、一つ以上の符号化深度情報について設定されもし、符号化深度別符号化モードに係わる情報は、当該符号化単位のパーティション・タイプ情報、予測モード情報及び変換単位の大きさ情報などを含んでもよい。また、符号化深度情報として、深度別分割情報が抽出されもする。
【0053】
エントロピ復号化部220が抽出した最大符号化単位別符号化深度及び符号化モードに係わる情報は、一実施形態によるビデオ符号化装置100のように符号化端で、最大符号化単位別深度別符号化単位ごとに反復して符号化を行い、最小符号化誤差を発生させることにより、決定された符号化深度及び符号化モードに係わる情報である。従って、ビデオ復号化装置200は、最小符号化誤差を発生させる符号化方式によって、データを復号化して映像を修復することができる。
【0054】
一実施形態による符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報は、当該符号化単位、予測単位及び最小単位において、所定データ単位について割り当てられているので、エントロピ復号化部220は、所定データ単位別に符号化深度及び符号化モードに係わる情報を抽出することができる。所定データ単位別に、当該最大符号化単位の符号化深度及び符号化モードに係わる情報が記録されているならば、同一の符号化深度及び符号化モードに係わる情報を有している所定データ単位は、同一の最大符号化単位に含まれるデータ単位と類推される。
【0055】
特に、後述するように、一実施形態によるエントロピ復号化部220は、最大符号化単位の映像データ及び深度別符号化モードに係わるシンボルを復号化するとき、前述の階層的構造のデータ単位の階層構造情報、及び階層構造以外に、カラー成分などの多様な情報に基づいて、コンテクスト・モデルを選択してエントロピ復号化を行う。
【0056】
階層的復号化部230は、最大符号化単位別符号化深度及び符号化モードに係わる情報に基づいて、それぞれの最大符号化単位の映像データを復号化し、現在ピクチャを修復する。すなわち、映像データ復号化部230は、最大符号化単位に含まれるツリー構造による符号化単位のうち、それぞれの符号化単位ごとに、判読されたパーティション・タイプ、予測モード、変換単位に基づいて、符号化された映像データを復号化することができる。復号化過程は、イントラ予測及び動き補償を含む予測過程、及び周波数逆変換過程を含んでもよい。
【0057】
階層的復号化部230は、符号化深度別符号化単位の予測単位のパーティション・タイプ情報及び予測モード情報に基づいて、符号化単位ごとにそれぞれのパーティション及び予測モードによって、イントラ予測または動き補償を行うことができる。
【0058】
また、階層的復号化部230は、最大符号化単位別周波数逆変換のために、符号化深度別符号化単位の変換単位のサイズ情報に基づいて、符号化単位ごとに、それぞれの変換単位によって、周波数逆変換を行うことができる。
【0059】
階層的復号化部230は、深度別分割情報を利用して、現在最大符号化単位の符号化深度を決定することができる。もし分割情報が現在深度で、それ以上分割されないことを示しているならば、現在深度が符号化深度である。従って、階層的復号化部230は、現在最大符号化単位の映像データについて、現在深度の符号化単位を予測単位のパーティション・タイプ、予測モード及び変換単位サイズ情報を利用して復号化することができる。
【0060】
すなわち、符号化単位、予測単位及び最小単位において、所定データ単位について設定されている符号化情報を観察し、同一の分割情報を含んだ符号化情報を保有しているデータ単位が集まり、階層的復号化部230によって、同一の符号化モードで復号化する1つのデータ単位と見なされる。
【0061】
一実施形態によるビデオ復号化装置200は、符号化過程で、最大符号化単位ごとに再帰的に符号化を行い、最小符号化誤差を発生させた符号化単位に係わる情報を獲得し、現在ピクチャに係わる復号化に利用することができる。すなわち、最大符号化単位ごとに、最適符号化単位と決定されたツリー構造による符号化単位の符号化された映像データの復号化が可能になる。
【0062】
従って、高い解像度の映像、またはデータ量が過度に多い映像でも、符号化端から伝送された最適符号化モードに係わる情報を利用して、映像の特性に適応的に決定された符号化単位の大きさ及び符号化モードによって、効率的に映像データを復号化して修復することができる。
【0063】
以下、
図3ないし
図13を参照し、本発明の一実施形態によるツリー構造による符号化単位、予測単位及び変換単位の決定方式について説明する。
【0064】
図3は、階層的符号化単位の概念を図示している。
【0065】
符号化単位の例は、符号化単位の大きさは、幅x高さで表現され、サイズ64x64である符号化単位から、サイズ32x32,16x16,8x8を含んでもよい。サイズ64x64の符号化単位は、サイズ64x64,64x32,32x64,32x32のパーティションに分割され、サイズ32x32の符号化単位は、サイズ32x32,32x16,16x32,16x16のパーティションに、サイズ16x16の符号化単位は、サイズ16x16,16x8,8x16,8x8のパーティションに、サイズ8x8の符号化単位は、サイズ8x8,8x4,4x8,4x4のパーティションに分割される。
【0066】
ビデオデータ310については、解像度が1920x1080、符号化単位の最大サイズが64、最大深度が2に設定されている。ビデオデータ320については、解像度が1920x1080、符号化単位の最大サイズが64、最大深度が3に設定されている。ビデオデータ330については、解像度が352x288、符号化単位の最大サイズが16、最大深度が1に設定されている。
図3に図示された最大深度は、最大符号化単位から最小符号化単位までの総分割回数を示す。
【0067】
解像度が高いか、あるいはデータ量が多い場合、符号化効率の向上及び映像特性を正確に反映するために、符号化サイズの最大サイズが相対的に大きいことが望ましい。従って、ビデオデータ330に比べ、解像度の高いビデオデータ310,320は、符号化サイズの最大サイズが64に選択される。
【0068】
ビデオデータ310の最大深度が2であるので、ビデオデータ310の符号化単位315は、長軸サイズが64である最大符号化単位から、2回分割されて深度が2階層深くなり、長軸サイズが32,16である符号化単位まで含んでもよい。一方、ビデオデータ330の最大深度が1であるので、ビデオデータ330の符号化単位335は、長軸サイズが16である符号化単位から、1回分割されて深度が1階層深くなり、長軸サイズが8である符号化単位まで含んでもよい。
【0069】
ビデオデータ320の最大深度が3であるので、ビデオデータ320の符号化単位325は、長軸サイズが64である最大符号化単位から、3回分割されて深度が3階層深くなり、長軸サイズが32,16,8である符号化単位まで含んでもよい。深度が深くなるほど、詳細情報の表現能力が向上するのである。
【0070】
図4は、本発明の一実施形態による階層的構造の符号化単位に基づいたビデオ符号化装置の具体的なブロック図を図示している。
【0071】
イントラ予測部410は、現在フレーム405において、イントラモードの符号化単位についてイントラ予測を行い、動き推定部420及び動き補償部425は、インターモードの現在フレーム405及び参照フレーム495を利用して、インター推定及び動き補償を行う。
【0072】
イントラ予測部410、動き推定部420及び動き補償部425から出力されたデータは、周波数変換部430及び量子化部440を経て、量子化された変換係数として出力される。量子化された変換係数は、逆量子化部460、周波数逆変換部470を介して、空間領域のデータに復元され、復元された空間領域のデータは、デブロッキング部480及びループ・フィルタリング部490を経て後処理され、参照フレーム495として出力される。量子化された変換係数は、エントロピ符号化部450を経て、ビットストリーム455として出力される。
【0073】
一実施形態によるエントロピ復号化部450は、最大符号化単位の映像データ及び深度別符号化モードに係わるシンボルを符号化するとき、階層的構造のデータ単位の階層構造情報、及び階層構造以外に、カラー成分などの多様な情報に基づいて、コンテクスト・モデルを選択してエントロピ復号化を行う。
【0074】
一実施形態によるビデオ符号化装置100に適用されるためには、映像符号化部400の構成要素である、イントラ予測部410、動き推定部420、動き補償部425、周波数変換部430、量子化部440、エントロピ符号化部450、逆量子化部460、周波数逆変換部470、デブロッキング部480及びループ・フィルタリング部490がいずれも、最大符号化単位ごとに、最大深度を考慮し、ツリー構造による符号化単位において、それぞれの符号化単位に基づいた作業を行わなければならない。
【0075】
特に、イントラ予測部410、動き推定部420及び動き補償部425は、現在最大符号化単位の最大サイズ及び最大深度を考慮して、ツリー構造による符号化単位において、それぞれの符号化単位のパーティション及び予測モードを決定し、周波数変換部430は、ツリー構造による符号化単位において、それぞれの符号化単位内の変換単位の大きさを決定する。また、本発明の一実施形態によるエントロピ符号化部450は、シンボルをエントロピ符号化するのに利用されるコンテクスト・モデルを、当該シンボルの類型によって、階層的構造のデータ単位の階層構造情報、及び階層構造以外に、カラー成分などの多様な情報に基づいて、コンテクスト・モデルを選択してエントロピ符号化を行う。
【0076】
図5は、本発明の一実施形態による階層的構造の符号化単位に基づいたビデオ復号化装置の具体的なブロック図を図示している。
【0077】
ビットストリーム505がパージング部510を経て、復号化対象である符号化された映像データ、及び復号化のために必要な符号化に係わる情報がパージングされる。符号化された映像データは、エントロピ復号化部520及び逆量子化部530を経て、逆量子化されたデータとして出力され、周波数逆変換部540を経て、空間領域の映像データが復元される。
【0078】
空間領域の映像データについて、イントラ予測部550は、イントラモードの符号化単位についてイントラ予測を行い、動き補償部560は、参照フレーム585を共に利用して、インターモードの符号化単位について動き補償を行う。
【0079】
イントラ予測部550及び動き補償部560を経た空間領域のデータは、デブロッキング部570及びループ・フィルタリング部580を経て後処理され、復元フレーム595として出力される。また、デブロッキング部570及びループ・フィルタリング部580を経て後処理されたデータは、参照フレーム585として出力される。
【0080】
一実施形態によるビデオ復号化装置200に適用されるためには、映像復号化部500の構成要素である、パージング部510、エントロピ復号化部520、逆量子化部530、周波数逆変換部540、イントラ予測部550、動き補償部560、デブロッキング部570及びループ・フィルタリング部580がいずれも、最大符号化単位ごとに、ツリー構造による符号化単位に基づいて、作業を行わなければならない。
【0081】
特に、イントラ予測部550、動き補償部560は、ツリー構造による符号化単位ごとにそれぞれ、パーティション及び予測モードを決定し、周波数逆変換部540は、符号化単位ごとに、変換単位の大きさを決めなければならない。また、本発明の一実施形態によるエントロピ復号化部520は、復号化対象である符号化された映像データ、及び復号化のために必要な符号化に係わる情報を示すシンボルをエントロピ復号化するのに利用されるコンテクスト・モデルを、当該シンボルの類型によって、階層的構造のデータ単位の階層構造情報、及び階層構造以外に、カラー成分などの多様な情報に基づいて、コンテクスト・モデルを選択してエントロピ復号化を行う。
【0082】
図6は、本発明の一実施形態による深度別符号化単位及びパーティションを図示している。
【0083】
一実施形態によるビデオ符号化装置100、及び一実施形態によるビデオ復号化装置200は、映像特性を考慮するために、階層的な符号化単位を使う。符号化単位の最大高さ及び幅、最大深度は、映像の特性によって、適応的に決定され、ユーザの要求によって多様に設定される。既定の符号化単位の最大サイズによって、深度別符号化単位の大きさが決定される。
【0084】
一実施形態による符号化単位の階層構造600は、符号化単位の最大高さ及び幅が64であり、最大深度が4である場合を図示している。一実施形態による符号化単位の階層構造600の縦軸に沿って深度が深くなるので、深度別符号化単位の高さ及び幅がそれぞれ分割される。また、符号化単位の階層構造600の横軸に沿って、それぞれの深度別符号化単位の予測符号化の基になる予測単位及びパーティションが図示されている。
【0085】
すなわち、符号化単位610は、符号化単位の階層構造600において、最大符号化単位であって深度が0であり、符号化単位の大きさ、すなわち、高さ及び幅が64x64である。縦軸に沿って深度が深くなり、サイズ32x32である深度1の符号化単位620、サイズ16x16である深度2の符号化単位630、サイズ8x8である深度3の符号化単位640、サイズ4x4である深度4の符号化単位650が存在する。サイズ4x4である深度4の符号化単位650は、最小符号化単位である。
【0086】
それぞれの深度別に横軸に沿って、符号化単位の予測単位及びパーティションが配列される。すなわち、深度0のサイズ64x64の符号化単位610が予測単位であるならば、予測単位は、サイズ64x64の符号化単位610に含まれるサイズ64x64のパーティション610、サイズ64x32のパーティション612、サイズ32x64のパーティション614、サイズ32x32のパーティション616に分割される。
【0087】
同様に、深度1のサイズ32x32の符号化単位620の予測単位は、サイズ32x32の符号化単位620に含まれるサイズ32x32のパーティション620、サイズ32x16のパーティション622、サイズ16x32のパーティション624、サイズ16x16のパーティション626に分割される。
【0088】
同様に、深度2のサイズ16x16の符号化単位630の予測単位は、サイズ16x16の符号化単位630に含まれるサイズ16x16のパーティション630、サイズ16x8のパーティション632、サイズ8x16のパーティション634、サイズ8x8のパーティション636に分割される。
【0089】
同様に、深度3のサイズ8x8の符号化単位640の予測単位は、サイズ8x8の符号化単位640に含まれるサイズ8x8のパーティション640、サイズ8x4のパーティション642、サイズ4x8のパーティション644、サイズ4x4のパーティション646に分割される。
【0090】
最後に、深度4のサイズ4x4の符号化単位650は、最小符号化単位であり、最下位深度の符号化単位であり、当該予測単位も、サイズ4x4のパーティション650だけで設定される。
【0091】
一実施形態によるビデオ符号化装置100の符号化単位決定部120は、最大符号化単位610の符号化深度を決定するため、最大符号化単位610に含まれるそれぞれの深度の符号化単位ごとに、符号化を行わなければならない。
【0092】
同一の範囲及び大きさのデータを含むための深度別符号化単位の個数は、深度が深くなるほど、深度別符号化単位の個数も増加する。例えば、深度1の符号化単位一つを含むデータについて、深度2の符号化単位は、四つが必要である。従って、同一のデータの符号化結果を深度別に比べるため、1つの深度1の符号化単位及び四つの深度2の符号化単位を利用して、それぞれ符号化されなければならない。
【0093】
それぞれの深度別符号化のためには、符号化単位の階層構造600の横軸に沿って、深度別符号化単位の予測単位ごとに符号化を行い、当該深度で、最小符号化誤差である代表符号化誤差が選択されもする。また、符号化単位の階層構造600の縦軸に沿って深度が深くなり、それぞれの深度ごとに符号化を行い、深度別代表符号化誤差を比べて最小符号化誤差が検索される。最大符号化単位610において、最小符号化誤差が発生する深度及びパーティションが、最大符号化単位610の符号化深度及びパーティション・タイプに選択される。
【0094】
図7は、本発明の一実施形態による、符号化単位及び変換単位の関係を図示している。
【0095】
一実施形態によるビデオ符号化装置100、または一実施形態によるビデオ復号化装置200は、最大符号化単位ごとに、最大符号化単位より小さいか、あるいはそれと同じサイズの符号化単位で、映像を符号化したり復号化する。符号化過程において、周波数変換のための変換単位の大きさは、それぞれの符号化単位ほど大きくないデータ単位を基に選択される。
【0096】
例えば、一実施形態によるビデオ符号化装置100、または一実施形態によるビデオ復号化装置200で、現在符号化単位710が64x64サイズであるとき、32x32サイズの変換単位720を利用して、周波数変換が行われる。
【0097】
また、64x64サイズの符号化単位710のデータを、64x64サイズ以下の32x32,16x16,8x8,4x4サイズの変換単位でそれぞれ周波数変換を行って符号化した後、原本との誤差が最小である変換単位が選択される。
【0098】
図8は、本発明の一実施形態によって、深度別符号化情報を図示している。
【0099】
一実施形態によるビデオ符号化装置100の出力部130は、符号化モードに係わる情報として、それぞれの符号化深度の符号化単位ごとに、パーティション・タイプに係わる情報800、予測モードに係わる情報810、変換単位サイズに係わる情報820を符号化して伝送することができる。
【0100】
パーティション・タイプに係わる情報800は、現在符号化単位の予測符号化のためのデータ単位として、現在符号化単位の予測単位が分割されたパーティションの形態に係わる情報を示す。例えば、サイズ2Nx2Nの現在符号化単位CU_0は、サイズ2Nx2Nのパーティション802、サイズ2NxNのパーティション804、サイズNx2Nのパーティション806、サイズNxNのパーティション808のうちいずれか1つのタイプに分割されて利用される。この場合、現在符号化単位のパーティション・タイプに係わる情報800は、サイズ2Nx2Nのパーティション802、サイズ2NxNのパーティション804、サイズNx2Nのパーティション806及びサイズNxNのパーティション808のうち一つを示すように設定される。
【0101】
予測モードに係わる情報810は、それぞれのパーティションの予測モードを示す。例えば、予測モードに係わる情報810を介して、パーティション・タイプに係わる情報800が示すパーティションが、イントラモード812、インターモード814及びスキップモード816のうち一つで予測符号化が行われるが設定される。
【0102】
また、変換単位サイズに係わる情報820は、現在符号化単位を、いかなる変換単位を基に周波数変換を行うかを示す。例えば、変換単位は、第1イントラ変換単位サイズ822、第2イントラ変換単位サイズ824、第1インター変換単位サイズ826、第2イントラ変換単位サイズ828のうち一つである。
【0103】
一実施形態によるビデオ復号化装置200の映像データ及び符号化情報抽出部210は、それぞれの深度別符号化単位ごとに、パーティション・タイプに係わる情報800、予測モードに係わる情報810、変換単位サイズに係わる情報820を抽出し、復号化に利用することができる。
【0104】
図9は、本発明の一実施形態による深度別符号化単位を図示している。
【0105】
深度の変化を示すために、分割情報が利用される。分割情報は、現在深度の符号化単位が、下位深度の符号化単位に分割されるか否かを示す。
【0106】
深度0及び2N_0x2N_0サイズの符号化単位900の予測符号化のための予測単位910は、2N_0x2N_0サイズのパーティション・タイプ912、2N_0xN_0サイズのパーティション・タイプ914、N_0x2N_0サイズのパーティション・タイプ916、N_0xN_0サイズのパーティション・タイプ918を含んでもよい。予測単位が対称的な比率で分割されたパーティション912,914,916,918だけが例示されているが、前述のように、パーティション・タイプは、これらに限定されるものではなく、非対称的パーティション、任意的形態のパーティション、幾何学的形態のパーティションなどを含んでもよい。
【0107】
パーティション・タイプごとに、1つの2N_0x2N_0サイズのパーティション、2つの2N_0xN_0サイズのパーティション、2つのN_0x2N_0サイズのパーティション、4つのN_0xN_0サイズのパーティションごとに、反復して予測符号化が行われなければならない。サイズ2N_0x2N_0、サイズN_0x2N_0、サイズ2N_0xN_0及びサイズN_0xN_0のパーティションについては、イントラモード及びインターモードで、予測符号化が行われる。スキップモードは、サイズ2N_0x2N_0のパーティションでのみ予測符号化が行われる。
【0108】
サイズ2N_0x2N_0、サイズ2N_0xN_0及びサイズN_0x2N_0のパーティション・タイプ912,914,916のうち一つによる符号化誤差が最も小さければ、それ以上下位深度に分割する必要ない。
【0109】
サイズN_0xN_0のパーティション・タイプ918による符号化誤差が最も小さければ、深度0を1に変更しながら分割し(920)、深度2及びサイズN_0xN_0のパーティション・タイプの符号化単位930に対して、反復して符号化を行い、最小符号化誤差を検索して行くことができる。
【0110】
深度1及びサイズ2N_1x2N_1(=N_0xN_0)の符号化単位930の予測符号化のための予測単位940は、サイズ2N_1x2N_1のパーティション・タイプ942、サイズ2N_1xN_1のパーティション・タイプ944、サイズN_1x2N_1のパーティション・タイプ946、サイズN_1xN_1のパーティション・タイプ948を含んでもよい。
【0111】
また、サイズN_1xN_1サイズのパーティション・タイプ948による符号化誤差が最も小さければ、深度1を深度2に変更しながら分割し(950)、深度2及びサイズN_2xN_2の符号化単位960に対して、反復して符号化を行い、最小符号化誤差を検索して行くことができる。
【0112】
最大深度がdである場合、深度別分割情報は、深度d−1になるまで設定され、分割情報は、深度d−2まで設定される。すなわち、深度d−2から分割され(970)、深度d−1まで符号化が行われる場合、深度d−1及びサイズ2N_(d−1)x2N_(d−1)の符号化単位980の予測符号化のための予測単位990は、サイズ2N_(d−1)x2N_(d−1)のパーティション・タイプ992、サイズ2N_(d−1)xN_(d−1)のパーティション・タイプ994、サイズN_(d−1)x2N_(d−1)のパーティション・タイプ996、サイズN_(d−1)xN_(d−1)のパーティション・タイプ998を含んでもよい。
【0113】
パーティション・タイプのうち、1つのサイズ2N_(d−1)x2N_(d−1)のパーティション、2つのサイズ2N_(d−1)xN_(d−1)のパーティション、2つのサイズN_(d−1)x2N_(d−1)のパーティション、4つのサイズN_(d−1)xN_(d−1)のパーティションごとに、反復して予測符号化を介した符号化が行われ、最小符号化誤差が発生するパーティション・タイプが検索される。
【0114】
サイズN_(d−1)xN_(d−1)のパーティション・タイプ998による符号化誤差が最も小さいとしても、最大深度がdであるので、深度d−1の符号化単位CU_(d−1)は、それ以上下位深度への分割過程を経ず、現在最大符号化単位900に係わる符号化深度が深度d−1として決定され、パーティション・タイプは、N_(d−1)xN_(d−1)に決定される。また最大深度がdであるので、深度d−1の符号化単位952について、分割情報は設定されない。
【0115】
データ単位999は、現在最大符号化単位に係わる「最小単位」であると称される。一実施形態による最小単位は、最下位符号化深度である最小符号化単位が4分割された大きさの正方形のデータ単位でもある。このような反復的符号化過程を介して、一実施形態によるビデオ符号化装置100は、符号化単位900の深度別符号化誤差を比較し、最小符号化誤差が発生する深度を選択し、符号化深度を決定し、当該パーティション・タイプ及び予測モードが、符号化深度の符号化モードとして設定される。
【0116】
このように、深度0,1,…,d−1,dの全ての深度別最小符号化誤差を比較し、誤差が最小である深度が選択され、符号化深度に決定される。符号化深度、予測単位のパーティション・タイプ及び予測モードは、符号化モードに係わる情報として符号化されて伝送される。また、深度0から符号化深度に至るまで符号化単位が分割されなければならないので、符号化深度の分割情報だけが「0」に設定され、符号化深度を除いた深度別分割情報は、「1」に設定されなければならない。
【0117】
一実施形態によるビデオ復号化装置200の映像データ及び符号化情報抽出部220は、符号化単位900に係わる符号化深度、及び予測単位に係わる情報を抽出し、符号化単位912を復号化するのに利用することができる。一実施形態によるビデオ復号化装置200は、深度別分割情報を利用して、分割情報が「0」である深度を符号化深度として把握し、当該深度に係わる符号化モードに係わる情報を利用して、復号化に利用することができる。
【0118】
図10、
図11及び
図12は、本発明の一実施形態による、符号化単位、予測単位及び周波数変換単位の関係を図示している。
【0119】
符号化単位1010は、最大符号化単位について、一実施形態によるビデオ符号化装置100が決定した符号化深度別符号化単位である。予測単位1060は、符号化単位1010において、それぞれの符号化深度別符号化単位の予測単位のパーティションであり、変換単位1070は、それぞれの符号化深度別符号化単位の変換単位である。
【0120】
深度別符号化単位1010は、最大符号化単位の深度が0であるとするならば、符号化単位1012,1054は、深度が1、符号化単位1014,1016,1018,1028,1050,1052は、深度が2、符号化単位1020,1022,1024,1026,1030,1032,1048は、深度が3、符号化単位1040,1042,1044,1046は、深度が4である。
【0121】
予測単位1060のうち一部パーティション1014,1016,1022,1032,1048,1050,1052,1054は、符号化単位が分割された形態である。すなわち、パーティション1014,1022,1050,1054は、2NxNのパーティション・タイプであり、パーティション1016,1048,1052は、Nx2Nのパーティション・タイプ、パーティション1032は、NxNのパーティション・タイプである。深度別符号化単位1010の予測単位及びパーティションは、それぞれの符号化単位より小さいか、あるいは同じである。
【0122】
変換単位1070のうち一部変換単位1052の映像データについては、符号化単位に比べて小サイズのデータ単位であり、周波数変換または周波数逆変換が行われる。また、変換単位1014,1016,1022,1032,1048,1050,1052,1054は、予測単位1060のうち、当該予測単位及びパーティションと比較すれば、互いに異なるサイズまたは形態のデータ単位である。すなわち、一実施形態によるビデオ符号化装置100、及び一実施形態で他のビデオ復号化装置200は、同一の符号化単位に係わるイントラ予測/動き推定/動き補償作業、及び周波数変換/逆変換作業であるとしても、それぞれ別個のデータ単位を基に遂行することができる。
【0123】
これにより、最大符号化単位ごとに、領域別に階層的な構造の符号化単位ごとに、再帰的に符号化が行われ、最適符号化単位が決定されることにより、ツリー構造による符号化単位が構成される。符号化情報は、符号化単位に係わる分割情報、パーティション・タイプ情報、予測モード情報、変換単位サイズ情報を含んでもよい。以下、表1は、一実施形態によるビデオ符号化装置100、及び一実施形態によるビデオ復号化装置200で設定することができる一例を示している。
【0124】
【表1】
一実施形態によるビデオ符号化装置100のエントロピ符号化部120は、ツリー構造による符号化単位に係わる符号化情報を出力し、一実施形態によるビデオ復号化装置200のエントロピ復号化部210は、受信されたビットストリームをパージングし、ツリー構造による符号化単位に係わる符号化情報を抽出することができる。
【0125】
分割情報は、現在符号化単位が、下位深度の符号化単位に分割されるか否かを示す。現在深度dの分割情報が0であるならば、現在符号化単位が、それが下位符号化単位にそれ以上分割されない深度が符号化深度であるので、符号化深度について、パーティション・タイプ情報、予測モード、変換単位サイズ情報が定義される。分割情報によって、1段階さらに分割されなければならない場合には、分割された4個の下位深度の符号化単位ごとに、独立して符号化が行われなければならない。
【0126】
予測モードは、イントラモード、インターモード及びスキップモードのうち一つで示すことができる。イントラモード及びインターモードは、全てのパーティション・タイプで定義され、スキップモードは、パーティション・タイプ2Nx2Nでのみ定義される。
【0127】
パーティション・タイプ情報は、予測単位の高さまたは幅が、対称的な比率で分割された対称的パーティション・タイプ2Nx2N,2NxN,Nx2N及びNxNと、非対称的な比率で分割された非対称的パーティション・タイプ2NxnU,2NxnD,nLx2N,nRx2Nを示すことができる。非対称的パーティション・タイプ2NxnU及び2NxnDは、それぞれ高さが1:n(nは、1より大きい整数)及びn:1に分割された形態であり、非対称的パーティション・タイプnLx2N及びnRx2Nは、それぞれ幅が1:n及びn:1に分割された形態を示す。
【0128】
変換単位サイズは、イントラモードで、2種類の大きさ、インターモードで、2種類の大きさに設定される。すなわち、変換単位分割情報が0であるならば、変換単位の大きさが、現在符号化単位のサイズ2Nx2Nに設定される。変換単位分割情報が1であるならば、現在符号化単位が分割された大きさの変換単位が設定される。また、サイズ2Nx2Nである現在符号化単位に係わるパーティション・タイプが、対称形パーティション・タイプであるならば、変換単位の大きさは、NxN、非対称形パーティション・タイプであるならば、N/2xN/2に設定される。
【0129】
一実施形態によるツリー構造による符号化単位の符号化情報は、符号化深度の符号化単位、予測単位及び最小単位のうち少なくとも一つに対して割り当てられる。符号化深度の符号化単位は、同一の符号化情報を保有している予測単位及び最小単位を一つ以上含んでもよい。
【0130】
従って、隣接したデータ単位同士それぞれ保有している符号化情報を確認すれば、同一の符号化深度の符号化単位に含まれるか否かが確認される。また、データ単位が保有している符号化情報を利用すれば、当該符号化深度の符号化単位を確認することができるので、最大符号化単位内の符号化深度の分布が類推される。
【0131】
従って、その場合、現在符号化単位が周辺データ単位を参照して予測する場合、現在符号化単位に隣接する深度別符号化単位内のデータ単位の符号化情報が直接参照されて利用される。
【0132】
他の実施形態で、現在符号化単位が周辺符号化単位を参照して予測符号化が行われる場合、隣接する深度別符号化単位の符号化情報を利用して、深度別符号化単位内で、現在符号化単位に隣接するデータが検索されることにより、周辺符号化単位が参照されもする。
【0133】
図13は、表1の符号化モード情報による符号化単位、予測単位及び変換単位の関係を図示している。
【0134】
最大符号化単位1300は、符号化深度の符号化単位1302,1304,1306,1312,1314,1316,1318を含む。このうち、1つの符号化単位1318は、符号化深度の符号化単位であるので、分割情報が0に設定される。サイズ2Nx2Nの符号化単位1318のパーティション・タイプ情報は、パーティション・タイプ2Nx2N 1322、2NxN 1324、Nx2N 1326、NxN 1328、2NxnU 1332、2NxnD 1334、nLx2N 1336及びnRx2N 1338のうち一つに設定される。
【0135】
パーティション・タイプ情報が、対称形パーティション・タイプ2Nx2N 1322、2NxN 1324、Nx2N 1326及びNxN 1328のうち一つに設定されている場合、変換単位分割情報(TU size flag)が0であるならば、サイズ2Nx2Nの変換単位1342が設定され、変換単位分割情報が1であるならば、サイズNxNの変換単位1344が設定される。
【0136】
パーティション・タイプ情報が、非対称形パーティション・タイプ2NxnU 1332,2NxnD 1334、nLx2N 1336及びnRx2N 1338のうち一つに設定された場合、変換単位分割情報(TU size flag)が0であるならば、サイズ2Nx2Nの変換単位1352が設定され、変換単位分割情報が1であるならば、サイズN/2xN/2の変換単位1354が設定される。
【0137】
変換単位分割情報(TU size flag)は、変換インデックスの一種であり、変換インデックスに対応する変換単位の大きさは、符号化単位の予測単位タイプまたはパーティション・タイプによって変更される。
【0138】
例えば、パーティション・タイプ情報が、対称形パーティション・タイプ2Nx2N 1322,2NxN 1324,Nx2N 1326及びNxN 1328のうち一つに設定されている場合、変換単位分割情報が0であるならば、サイズ2Nx2Nの変換単位1342が設定され、変換単位分割情報が1であるならば、サイズNxNの変換単位1344が設定される。
【0139】
パーティション・タイプ情報が、非対称形パーティション・タイプ2NxnU 1332,2NxnD 1334,nLx2N 1336及びnRx2N 1338のうち一つに設定された場合、変換単位分割情報(TU size flag)が0であるならば、サイズ2Nx2Nの変換単位1352が設定され、変換単位分割情報が1であるならば、サイズN/2xN/2の変換単位1354が設定される。
【0140】
図9を参照して説明した変換単位分割情報(TU size flag)は、0または1の値を有するフラグであるが、一実施形態による変換単位分割情報が、1ビットのフラグに限定されるものではなく、設定によって、0,1,2,3,…などに増加させ、変換単位が階層的に分割されもする。変換単位分割情報は、変換インデックスの一実施形態として利用される。
【0141】
その場合、一実施形態による変換単位分割情報を、変換単位の最大サイズ、変換単位の最小サイズと共に利用すれば、実際に利用された変換単位の大きさが表現される。一実施形態によるビデオ符号化装置100は、最大変換単位サイズ情報、最小変換単位サイズ情報及び最大変換単位分割情報を符号化することができる。符号化された最大変換単位サイズ情報、最小変換単位サイズ情報及び最大変換単位分割情報は、SPS(sequence parameter set)に挿入される。一実施形態によるビデオ復号化装置200は、最大変換単位サイズ情報、最小変換単位サイズ情報及び最大変換単位分割情報を利用して、ビデオ復号化に利用することができる。
【0142】
例えば、(a)現在符号化単位がサイズ64x64であり、最大変換単位サイズが32x32であるならば、(a−1)変換単位分割情報が0であるとき、変換単位の大きさが32x32、(a−2)変換単位分割情報が1であるとき、変換単位の大きさが16x16、(a−3)変換単位分割情報が2であるとき、変換単位の大きさが8x8に設定される。
【0143】
他の例で、(b)現在符号化単位がサイズ32x32であり、最小変換単位大きさが32x32であるならば、(b−1)変換単位分割情報が0であるとき、変換単位の大きさが32x32に設定され、変換単位の大きさが32x32より小さいこともあるので、それ以上の変換単位分割情報が設定されることがない。
【0144】
さらに他の例で、(c)現在符号化単位がサイズ64x64であり、最大変換単位分割情報が1であるならば、変換単位分割情報は、0または1であり、他の変換単位分割情報が設定されることがない。
【0145】
従って、最大変換単位分割情報を「MaxTransformSizeIndex」、最小変換単位サイズを「MinTransformSize」、変換単位分割情報が0である場合の変換単位、すなわち、基礎変換単位RootTuの大きさを「RootTuSize」と定義するとき、現在符号化単位で可能な最小変換単位サイズ「CurrMinTuSize」は、下記数式(1)のように定義される。
【0146】
CurrMinTuSize
=max(MinTransformSize,RootTuSize/(2^MaxTransformSizeIndex)) (1)
現在符号化単位で可能な最小変換単位サイズ「CurrMinTuSize」と比較し、基礎変換単位サイズである「RootTuSize」は、システム上採択可能な最大変換単位サイズを示すことができる。すなわち、数式(1)によれば、「RootTuSize/(2^MaxTransformSizeIndex)」は、基礎変換単位サイズである「RootTuSize」を最大変換単位分割情報に相応する回数ほど分割した変換単位サイズであり、「MinTransformSize」は、最小変換単位サイズであるので、それらのうち小さい値が、現在現在符号化単位で可能な最小変換単位サイズ「CurrMinTuSize」であるのである。
【0147】
一実施形態による基礎変換単位サイズ「RootTuSize」は、予測モードによって変わりもする。
【0148】
例えば、現在予測モードがインターモードであるならば、「RootTuSize」は、下記数式(2)によって決定される。数式(2)で、「MaxTransformSize」は、最大変換単位サイズ、「PUSize」は、現在予測単位サイズを示す。
【0149】
RootTuSize=min(MaxTransformSize,PUSize) (2)
すなわち、現在予測モードがインターモードであるならば、変換単位分割情報が0である場合の変換単位である基礎変換単位サイズである「RootTuSize」は、最大変換単位サイズ及び現在予測単位サイズのうち小さい値に設定される。
【0150】
現在パーティション単位の予測モードがイントラモードであるならば、「RootTuSize」は、下記数式(3)によって決定される。「PartitionSize」は、現在パーティション単位の大きさを示す。
【0151】
RootTuSize=min(MaxTransformSize,PartitionSize) (3)
すなわち、現在予測モードがイントラモードであるならば、基礎変換単位サイズである「RootTuSize」は、最大変換単位サイズ及び現在パーティション単位サイズのうち小さい値に設定される。
【0152】
ただし、パーティション単位の予測モードによって変動する一実施形態による現在最大変換単位サイズである基礎変換単位サイズ「RootTuSize」は、一実施形態であるのみ、現在最大変換単位サイズを決定する要因がこれに限定されるものではないということに留意しなければならない。
【0153】
以下、
図1のビデオ符号化装置100のエントロピ符号化部120で遂行されるシンボルのエントロピ符号化過程、及び
図2のビデオ復号化装置200のエントロピ復号化部220で遂行されるシンボルのエントロピ復号化過程について詳細に説明する。
【0154】
前述のように、本発明の一実施形態によるビデオ符号化装置100、及びビデオ復号化装置200は、最大符号化単位より小さいか、あるいはそれと同じ符号化単位に最大符号化単位を分割し、符号化及び復号化を行う。予測過程及び変換過程に利用される予測単位及び変換単位は、他のデータ単位と独立して、コストに基づいて決定される。このように、最大符号化単位に含まれた、階層的な構造の符号化単位ごとに再帰的に符号化が行われ、最適符号化単位が決定されることにより、ツリー構造によるデータ単位が構成される。すなわち、最大符号化単位ごとに、ツリー構造の符号化単位、ツリー構造の予測単位及び変換単位が決定される。復号化のために、かような階層的構造のデータ単位の構造情報を示す情報である階層情報と、該階層情報以外に、復号化のための階層以外の情報とが伝送される必要がある。
【0155】
階層的構造に係わる情報は、前述の
図10ないし
図12で説明したツリー構造の符号化単位、ツリー構造の予測単位及びツリー構造の変換単位を決定するために必要な情報であり、最大符号化単位の大きさ、符号化深度、予測単位のパーティション情報、符号化単位の分割いかんを示す分割フラグ(split flag)、変換単位のサイズ情報、変換単位の分割いかんを示す変換単位分割フラグ(TU size flag)などを含む。階層的構造情報以外の符号化情報としては、各予測単位に適用されたイントラ/インター予測の予測モード情報、動きベクトル情報、予測方向情報、複数個のカラー成分が利用された場合、当該データ単位に適用されたカラー成分情報、変換係数のようなテクスチャ情報などを含む。
【0156】
図14は、本発明の一実施形態によるエントロピ符号化装置の構成を示したブロック図である。
図14のエントロピ符号化装置1400は、
図1のビデオ符号化装置100のエントロピ符号化部120に対応する。
【0157】
エントロピ符号化装置1400は、符号化対象である階層的構造に係わる情報、及び階層的構造情報以外の符号化情報を示すシンボルをエントロピ符号化する。
【0158】
図14を参照すれば、一実施形態によるエントロピ符号化装置1400は、コンテクスト・モデリング部1410、確率推定部1420及びレギュラ・コーディング部1430を含む。
【0159】
コンテクスト・モデリング部1410は、符号化されたピクチャに係わるシンボルが属するデータ単位の階層情報に基づいて、シンボルのエントロピ符号化に利用されるコンテクスト・モデルを決定する。具体的には、コンテクスト・モデリング部1410は、現在符号化される対象シンボルが属するデータ単位の階層的構造に係わる階層情報がI(Iは、正の整数)個の状態値を有するとするとき、階層情報の状態値によって、I個以下のコンテクスト・モデルを設定し、階層情報の状態値によって、I個以下のコンテクスト・モデルのうち一つを示すコンテクスト・インデックスを割り当てることにより、現在シンボルの符号化に利用されるコンテクスト・モデルを決定することができる。例えば、現在符号化される対象シンボルが属するデータ単位の大きさが、2x2,4x4,8x8,16x16,32x32,64x64の総5個の状態値を有し、かようなデータ単位の大きさを階層情報として利用する場合を仮定すれば、コンテクスト・モデリング部1410は、データ単位の大きさによって、5個以下のコンテクスト・モデルを設定し、現在シンボルが属するデータ単位の大きさに基づいて、現在シンボルのエントロピ符号化時に利用されるコンテクスト・モデルを示すコンテクスト・インデックスを決定して出力することができる。
【0160】
一方、前述の例のように、データ単位の絶対的サイズ情報以外に、上位データ単位との関係で、シンボルが属するデータ単位の相対的サイズを示す相対的階層情報を利用することができる。例えば、現在データ単位が、2Nx2Nサイズの上位データ単位から分割されたNxNサイズのデータ単位である場合、現在シンボルが属するデータ単位の大きさは、2Nx2Nサイズの上位データ単位の分割いかんを示す分割フラグを介して決定される。従って、コンテクスト・モデリング部1410は、かような上位データ単位のサイズ情報、及び上位データの分割いかんを示す分割フラグを介して、現在シンボルが属するデータ単位の大きさを決定し、決定されたデータ単位のサイズ情報に基づいて、現在シンボルに適用されるコンテクスト・モデルを決定することができる。また、階層情報として、上位データ単位の大きさに対比させた現在シンボルが属するデータ単位の大きさの比率を示す情報が利用されもする。例えば、現在データ単位が、2Nx2Nサイズの上位データ単位の1/2比率の大きさを有するデータ単位である場合、かような比率情報から、現在シンボルが属するデータ単位の大きさであるNxNサイズが決定される。従って、コンテクスト・モデリング部1410は、階層情報として、かような上位データ単位との関係で、現在シンボルが属するデータ単位の相対的サイズを示す相対的階層情報を利用して、現在シンボルが属するデータ単位の大きさを決定し、決定されたデータ単位の大きさに基づいて、コンテクスト・モデルを決定することもできる。
【0161】
また、コンテクスト・モデリング部1410は、エントロピ符号化される対象シンボルの類型によって、階層情報と、該階層情報以外の多様な付加情報との組み合わせに基づいて、対象シンボルのエントロピ符号化に利用されるコンテクスト・モデルを決定することができる。具体的には、現在符号化される対象シンボルが属するデータ単位の階層的構造に係わる階層情報がI個の状態値を有し、該階層情報以外の他階層以外の情報がJ(Jは、正の整数)個の状態値を有すると仮定すれば、階層情報、及び該階層以外の情報の可能な場合の数は、総IxJ個である。コンテクスト・モデリング部1410は、かようなIxJ個の状態値組み合わせによって、IxJ個以下のコンテクスト・モデルを設定し、現在シンボルが属するデータ単位の階層情報、及び該階層以外の情報の状態値によって、IxJ個以下のコンテクスト・モデルのうち一つを示すコンテクスト・インデックスを割り当てることにより、現在シンボルの符号化に利用されるコンテクスト・モデルを決定することができる。例えば、階層情報として、2x2,4x4,8x8,16x16,32x32,64x64の総5個の状態値を有するシンボルが属するデータ単位のサイズ情報を利用して、階層以外の情報として、輝度成分と色差成分との2種状態値を有するシンボルが属するデータ単位のカラー成分情報を利用する場合を仮定する。かような場合、階層情報、及び該階層以外の情報の状態値は、総5x2、すなわち、10個の組み合わせが可能であり、コンテクスト・モデリング部1410は、10個の状態値組み合わせに対応する10個以下のコンテクスト・モデルを設定し、現在シンボルに係わる状態値によって決定されたコンテクスト・インデックスを決定して出力する。
【0162】
前述の例に限定せず、コンテクスト・モデリング部1410は、符号化されるシンボルの類型によって、階層情報、及び該階層以外の情報を多様に組み合わせ、複数個のコンテクスト・モデルのうち1つのコンテクスト・モデルを選択することができる。すなわち、n(nは、整数)個の階層情報、及び該階層以外の情報をコンテクスト・モデルの決定時に利用して、n個の階層情報、及び該階層以外の情報は、それぞれS
i(S
iは、整数、iは、1からnまでの整数)個の状態値を有すると仮定すれば、コンテクスト・モデリング部1410は、S
1xS
2x…xS
n個の状態値組み合わせに対応する複数個のコンテクスト・モデルのうち、符号化される現在シンボルに係わる状態値に基づいて、1つのコンテクスト・モデルを示すコンテクスト・インデックスを決定して出力することができる。S
1xS
2x…xS
n個の状態値をグループ化し、S
1xS
2x…xS
n個以下のコンテクスト・モデルを利用することができる。
【0163】
再び
図14を参照すれば、確率推定部1420は、コンテクスト・モデリング部1410から出力されたコンテクスト・インデックス情報を利用して、0と1との二進信号のうち、MPS(most probable symbol)及びLPS(least probable symbol)に該当する二進信号に係わる情報、及びMPSまたはLPSに係わる確率値情報を決定して出力する。かようなMPSまたはLPSの確率値は、既定のルックアップ(look-up)テーブルから、コンテクスト・インデックスが示す確率値を読み取って決定される。また、MPS及びLPSの確率値は、二進信号の発生統計累積値に基づいて更新されもする。
レ ギュラ・コーディング部1430は、MPSまたはLPSに該当する二進信号情報及び確率値情報に基づいて、現在シンボルをエントロピ符号化して出力する。
【0164】
一方、エントロピ符号化装置1400は、MPS及びLPSの確率値に基づいて、シンボルを符号化するコンテクスト基盤適応的二進算術符号化(context-adaptive binary arithmetic coding)以外に、階層情報、及び該階層以外の情報の組み合わせによって、既定のコードワードを割り当てる可変長符号化方式を介して、各シンボルを符号化することができる。
【0165】
以下、階層情報に基づいたコンテクスト・モデリングを利用して、シンボルをエントロピ符号化する過程について説明する。具体的には、変換係数に係わるシンボル、変換単位の階層的構造に係わるシンボル、及び階層的構造の符号化単位に係わるシンボルを符号化する過程について説明する。
【0166】
図15は、本発明の一実施形態による階層的構造のデータ単位と、階層的構造のデータ単位分割情報と、を図示する。以下の説明で、データ単位は、変換単位である場合を仮定する。
【0167】
前述のように、本発明の一実施形態によれば、階層的構造の符号化単位、予測単位及び変換単位を利用して、符号化が行われる。
図15では、最上位レベルであるレベル0のNxNサイズの変換単位1500が、1段階下位レベルであるレベル1の変換単位31a,31b,31c,31dに分割され、レベル1の一部変換単位31a,31dは、それぞれ、さらに1段階下位レベルであるレベル2の変換単位32a,32b,32c,32d,32e,32f,32g,32hに分割された場合を図示する。かような変換単位の階層的構造を示すためのシンボルとして、それぞれの変換単位が1段階下位レベルの変換単位に分割されるか否かを示す変換単位分割フラグ(TU size flag)が利用される。例えば、現在変換単位に係わる変換単位分割フラグが1であるならば、現在変換単位が、下位レベルの変換単位に分割されることを示し、0であるならば、それ以上分割されないことを示すことができる。
【0168】
レベル0の変換単位30から分割された変換単位30,31a,31b,31c,31d,32a,32b,32c,32d,32e,32f,32g,32hが階層的構造を形成することにより、それぞれの変換単位に係わる変換単位分割情報も、階層的構造を形成することができる。すなわち、階層的構造の変換単位分割情報33は、最上位レベル0の変換単位分割情報34、レベル1の変換単位分割情報35a,35b,35c,35d、レベル2の変換単位分割情報36a,36b,36c,36d,36e,36f,36g,36hを含む。
【0169】
階層的構造の変換単位分割情報33のうち、レベル0の変換単位分割情報34は、最上位レベル0の変換単位30が分割されることを示すことができる。類似した方式で、レベル1の一部変換単位分割情報35a,35dは、それぞれ、レベル1の変換単位31a,31dが、レベル2の変換単位32a,32b,32c,32d,32e,32f,32g,32hに分割されることを示すことができる。
【0170】
レベル1の一部変換単位31b,31cは、それ以上分割されず、ツリー構造において、子ノード(child node)が存在しないリーフ(leaf)ノードに該当する。同様に、レベル2の変換単位32a,32b,32c,32d,32e,32f,32g,32hは、それ以上下位レベルの変換単位に分割されないリーフノードに該当する。
【0171】
このように、上位レベルの変換単位が、下位レベルの変換単位に分割されるか否かを示す変換単位分割フラグ(TU size flag)は、変換単位の階層的構造を示すシンボルとして利用される。
【0172】
かような変換単位の階層的構造を示す変換単位分割フラグ(TU size flag)をエントロピ符号化するとき、一実施形態によるビデオ符号化装置100は、全体全てのノードの変換単位分割フラグ(TU size flag)をエントロピ符号化したり、子ノードを有さないリーフノードの変換単位分割フラグのみをエントロピ符号化することができる。
【0173】
図16及び
図17は、本発明の一実施形態によって、データ単位の階層的構造を示すシンボルを図示した参照図である。
【0174】
図16及び
図17で、フラグ(flag)は、
図15のツリー構造33で、各ノードの変換単位が、下位レベルの変換単位に分割されるか否かを示す変換単位分割フラグ(TU size flag)であると仮定する。
図16を参照すれば、一実施形態によるビデオ符号化装置100は、変換単位の階層的構造を示すシンボルとして、全てのレベルの変換単位30,31a,31b,31c,31d,32a,32b,32c,32d,32e,32f,32g,32hに係わる変換単位分割フラグ情報flag0,flag1a,flag1b,flag1c,flag1d,flag2a,flag2b,flag2c,flag2d,flag2e,flag2f,flag2g,flag2hをいずれもエントロピ符号化することができる。また、ビデオ符号化装置100は、
図17に図示されたように、子ノードを有さないリーフノードに該当する変換単位の変換単位分割フラグ情報flag1b,flag1c,flag2a,flag2b,flag2c,flag2d,flag2e,flag2f,flag2g,flag2hのみをエントロピ符号化することができる。なぜならば、下位レベルの変換単位分割フラグ情報の存在いかんによって、上位レベルの変換単位の分割いかんが決定されるからである。例えば、
図17で、レベル2の変換単位36a,36b,36c,36dの変換単位分割フラグflag2a,flag2b,flag2c,flag2dが存在する場合、レベル2の変換単位36a,36b,36c,36dの上位レベルであるレベル1の変換単位35aは、当然下位レベルであるレベル2の変換単位に分割されなければならないので、別途にレベル1の変換単位35aの変換単位分割フラグ情報flag1aが符号化される必要はない。
【0175】
一実施形態によるビデオ復号化装置200は、シンボル階層的復号化モードによって、全てのレベルの変換単位30,31a,31b,31c,31d,32a,32b,32c,32d,32e,32f,32g,32hに係わる変換単位分割フラグflag,flag1a,flag1b,flag1c,flag1d,flag2a,flag2b,flag2c,flag2d,flag2e,flag2f,flag2g,flag2hをいずれも抽出して判読することにより、変換単位の階層的構造を決定することができる。また、一実施形態によるビデオ復号化装置200は、リーフノードに該当する変換単位31b,31c,32a,32b,32c,32d,32e,32f,32g,32hに係わる変換単位分割フラグflag1b,flag1c,flag2a,flag2b,flag2c,flag2d,flag2e,flag2f,flag2g,flag2hだけが符号化された場合、抽出された変換単位分割フラグflag1b,flag1c,flag2a,flag2b,flag2c,flag2d,flag2e,flag2f,flag2g,flag2hを基に、残りの変換単位分割フラグflag0,flag1a,flag1b,flag1c,flag1dを決定することにより、変換単位の階層的構造を決定することができる。
【0176】
前述のように、コンテクスト・モデリング部1410は、階層情報、または階層情報と階層以外の情報との組み合わせによる状態値に基づいて、変換単位の階層的構造を示す変換単位分割フラグをエントロピ符号化するための複数個のコンテクスト・モデルのうち、1つのコンテクスト・モデルを決定することができる。
【0177】
具体的には、コンテクスト・モデリング部1410は、符号化される現在変換単位分割フラグが属する変換単位の階層情報に基づいて、現在変換単位分割フラグのエントロピ符号化に利用されるコンテクスト・モデルを決定することができる。
【0178】
図19は、本発明の一実施形態による、データ単位の大きさに基づいて、コンテクスト・モデルを決定するためのコンテクスト・インデックスの例示である。
【0179】
図19を参照すれば、コンテクスト・モデリング部1410は、現在変換単位フラグが属する変換単位のサイズ情報に基づいて、既定の複数個のコンテクスト・モデルを示すコンテクスト・インデックスのうち一つを割り当てることにより、現在変換単位フラグをエントロピ符号化するためのコンテクスト・モデルを決定することができる。例えば、現在変換単位フラグが属した変換単位の大きさが16x16である場合、6のコンテクスト・インデックス値を有するコンテクスト・モデルが選択される。
【0180】
図20は、本発明の一実施形態によるコンテクスト・モデルの一例を示した参照図である。
【0181】
前述のように、確率値推定部1420は、コンテクスト・モデリング部1410から出力されたコンテクスト・インデックス情報を利用して、0と1との二進信号のうち、MPS(most probable symbol)及びLPS(least probable symbol)に該当する二進信号に係わる情報、及びMPSまたはLPSに係わる確率値情報を決定して出力する。
【0182】
図20を参照すれば、確率値推定部1420は、二進信号の発生確率をルックアップ・テーブル形態で複数個具備し、現在符号化されるシンボルと周囲の状況とによって、二進信号の発生確率を変更して決定された確率値情報を、レギュラ・コーディング部1430に出力する。具体的には、コンテクスト・モデリング部1410で、現在シンボルに適用されるコンテクスト・モデルを示すコンテクスト・インデックス(index番号)が伝達されれば、確率値推定部1420は、当該コンテクスト・インデックス(index番号)に対応する発生確率表のインデックス(pStateIdx)及びMPSに該当する二進信号を決定することができる。
【0183】
図21は、本発明の一実施形態によるMPSの発生確率値の一例を示している。
【0184】
発生確率表は、MPSの確率値を示すものであり、発生確率表のインデックス(pStateIdx)が指定されれば、当該MPSの確率値が決定される。例えば、コンテクスト・モデリング部1410で、現在シンボルの符号化に利用されるコンテクスト・モデルのインデックスの値を1に決定して出力すれば、確率値推定部1420は、
図20に図示されたコンテクスト・モデルのうち、コンテクスト・インデックス1に対応するpStateIdx値7とMPSの0とを決定する。また、確率値推定部1420は、
図21のように、pStateIdx値によって、既定のMPSの確率値のうち、pStateIdx=7に対応するMPSの確率値を決定する。MPSとLPSとの確率値の和が1であるので、MPSまたはLPSのうち1つの確率値が分かれば、残りの二進信号の確率値は決定される。
【0185】
一方、確率値推定部1420は、レギュラ・コーディング部1430で、1つのビン(bin)を符号化するたびに、MPSを符号化したか、あるいはLPSを符号化したかということにより、pStateIdxの値を更新することにより、二進信号の発生統計を考慮し、MPS及びLPSの確率値を更新することができる。例えば、確率値推定部1420は、レギュラ・コーディング部1430の符号化結果を考慮し、MPSを符号化するとき、更新後のpStateIdxの値であるtransIdxMPS、LPSを符号化するとき、更新後のpStateIdxの値であるtranIdxLPSを、所定のルックアップ・テーブル形態で設定した後、符号化動作ごとに、pStateIdx値を更新することにより、MPSの確率値を変更することができる。
【0186】
レギュラ・コーディング部1430は、MPSまたはLPSに該当する二進信号情報及び確率値情報に基づいて、現在シンボルに該当する二進信号をエントロピ符号化して出力する。
【0187】
図26は、
図14のレギュラ・コーディング部1420で遂行される二進算術符号化過程について説明するための図面である。
図26で、変換単位の階層的構造を示す変換単位分割フラグ(TU size flag)が二進値「010」であり、1の発生確率が0.2、0の発生確率が0.8であると仮定する。ここで、1及び0の発生確率は、現在変換単位分割フラグが属する変換単位の階層情報、例えば、変換単位のサイズ情報に基づいて、決定された確率値である。
【0188】
図26を参照すれば、二進値「010」において、最初のビン(bin)値「0」を符号化する場合、初期区間[0.0〜1.0]において、下端80%部分である[0.0〜0.8]が新しい区間に更新され、次のビン値「1」を符号化する場合、[0.0〜0.8]の上端の20%部分である[0.64〜0.8]が新しい区間に更新される。また、次の「0」を符号化する場合、[0.64〜0.8]の下端の80%部分である[0.64〜0.768]が新しい区間に更新される。最終的な区間[0.64〜0.768]間に入る実数である0.75に対応する二進数0.11で、最初の0を除いた小数点以下の「11」が、変換単位分割フラグ(TU size flag)の二進値「010」に対応するビットストリームとして出力される。
【0189】
一方、コンテクスト・モデリング部1410は、変換単位のサイズ情報に基づいて、変換単位分割フラグ(TU size flag)のエントロピ符号化のためのコンテクスト・モデルを決定するとき、変換単位の大きさをグループ化し、
図22に図示されたように、コンテクスト・モデルの決定のためのコンテクスト・インデックスを設定することができる。
【0190】
また、コンテクスト・モデリング部1410は、変換単位の絶対的サイズ情報以外に、上位変換単位との関係で、シンボルが属するデータ単位の相対的サイズを示す相対的階層情報を利用することができる。例えば、現在変換単位が、2Nx2Nサイズの上位変換単位の1/2比率の大きさを有する変換単位である場合、コンテクスト・モデリング部1410は、比率情報から、現在変換単位分割フラグ(TU size flag)が属する変換単位が、NxNサイズを有すると決定し、決定された変換単位の大きさに基づいて、コンテクスト・モデルを決定することができる。
【0191】
また、コンテクスト・モデリング部1410は、エントロピ符号化される対象シンボルの類型によって、階層情報と、該階層情報以外の多様な付加情報との組み合わせに基づいて、変換単位分割フラグ(TU size flag)のエントロピ符号化に利用されるコンテクスト・モデルを決定することができる。
【0192】
図25は、本発明の一実施形態によって、階層情報と、該階層情報以外の多様な付加情報との組み合わせに基づいて、コンテクスト・インデックスを決定する事例を示した参照図である。
【0193】
図25を参照すれば、コンテクスト・モデリング部1410は、I(Iは、整数)個の状態値を有する第1情報p1ないしpI、及びJ(Jは、整数)個の状態値を有する第2情報q1ないしqJの組み合わせによって、複数個のコンテクスト・モデルのうち、1つのコンテクスト・モデルを示すコンテクスト・インデックスを設定し、現在符号化されるシンボルに係わる第1情報及び第2情報によって、コンテクスト・インデックスを決定して出力する。例えば、第1情報として、2x2,4x4,8x8,16x16,32x32,64x64の総5個の状態値を有するシンボルが属するデータ単位のサイズ情報を利用して、階層以外の情報として、輝度成分と色差成分との2種状態値を有するカラー成分情報を利用する場合、10個の組み合わせが可能であり、コンテクスト・モデリング部1410は、10個の状態値組み合わせに対応する10個以下のコンテクスト・モデルを設定し、現在シンボルに係わる状態値によって決定されたコンテクスト・インデックスを決定して出力する。また、コンテクスト・モデリング部1410は、
図22のように、状態値をグループ化し、グループ化された状態値別に、コンテクスト・インデックスを設定することができる。
【0194】
このように、本発明の一実施形態によるコンテクスト・モデリング部1410は、符号化されるシンボルの類型によって、階層情報、及び該階層以外の情報を多様に組み合わせ、複数個のコンテクスト・モデルのうち、1つのコンテクスト・モデルを選択することができる。
【0195】
一方、前述の変換単位の階層的構造を示すためのシンボルの符号化過程は、符号化単位または予測単位の階層的構造を示すシンボルを符号化する過程にも、同一に適用される。符号化単位の階層的構造を示すためのシンボルとして、それぞれの符号化単位が、1段階下位レベルの符号化単位に分割されるか否かを示す分割フラグ(split flag)が利用される。例えば、現在符号化単位に係わる符号化単位フラグが1であるならば、現在符号化単位が、下位レベルの符号化単位に分割されるということを示し、0であるならば、現在符号化単位がそれ以上分割されないということを示すことができる。かような分割フラグ(split flag)は、前述の変換単位分割フラグ(TU size flag)のエントロピ符号化過程と同様に、階層情報、及び該階層以外の情報を多様に組み合わせた状態値によって、選択されたコンテクスト・モデルに基づいて、エントロピ符号化される。
【0196】
以下、変換係数に係わるシンボルをエントロピ符号化する過程について説明する。
【0197】
図18は、本発明の一実施形態によって、変換係数のエントロピ符号化過程について説明するための参照図である。
【0198】
階層的構造の変換単位に基づいて、変換された変換係数に係わるシンボルは、変換単位に含まれた変換係数のうち、0ではない変換係数値が存在するか否かを示すフラグ(coded_block_flag)、0ではない変換係数の位置を示すフラグ(significant_coeff_flag)、最後の0ではない変換係数の位置を示すフラグ(last_significant_coeff_flag)、及び0ではない変換係数の絶対値を含む。
【0199】
フラグ(coded_block_flag)が0であるならば、現在変換単位内に、0ではない変換係数が存在しない場合であり、それ以上伝送される情報がないということを意味する。各変換単位ごとに、0または1の二進値を有するフラグ(coded_block_flag)が決定され、前述の
図15の変換単位の階層的構造を示す変換単位分割フラグ(TU size flag)と同様に、フラグ(coded_block_flag)は、エントロピ符号化される。上位ノードに該当する変換単位のフラグ(coded_block_flag)が0であるならば、子ノードに該当する変換単位のフラグ(coded_block_flag)は、いずれも0の値を有するので、上位ノードのフラグ(coded_block_flag)だけがエントロピ符号化される。
【0200】
図18を参照すれば、変換単位2000内の変換係数は、図示されたようなジグザグ(zigzag)スキャン順序によってスキャニングされる。スキャニング順序は、変更される。
図18で、空スペースに該当する変換係数は、いずれも0である変換係数を有すると仮定する。
図18で、最後の有効変換係数は、「−1」の値を有する図面符号2010で表示された変換係数である。エントロピ符号化装置1400は、変換単位2000内の各変換係数をスキャニングしながら、各変換係数が0ではない変換係数であるか否かを示すフラグ(significant_coeff_flag)、0ではない変換係数がスキャニング順序上、最後の位置の0ではない変換係数であるか否かを示すフラグ(last_significant_coeff_flag)を符号化する。すなわち、フラグ(significant_coeff_flag)が1であるならば、当該位置の変換係数は、0ではない値を有する有効変換係数であるということを示し、0であるならば、当該位置の変換係数が0である変換係数であるということを意味する。フラグ(last_significant_coeff_flag)が0であるならば、スキャニング順序上、後に位置した有効変換係数が存在するということを意味し、フラグ(last_significant_coeff_flag)が1であるならば、当該位置の有効変換係数が最後の有効変換係数であるということを意味する。最後の有効変換係数の位置を示すために、フラグ(last_significant_coeff_flag)の代わりに、最後の有効変換係数の相対的位置を示す座標情報が利用されもする。例えば、
図18に図示されたように、最左上側の変換係数を中心に、最後の有効変換係数「−1」2010は、横軸方向に5番目、縦軸方向に5番目に位置するので、エントロピ符号化装置1400は、最後の有効変換係数の位置情報として、x=5,y=5の値を符号化することができる。
【0201】
コンテクスト・モデリング部1410は、階層情報、または階層情報と、階層以外の情報との組み合わせによる状態値に基づいて、変換係数に係わるシンボルをエントロピ符号化するためのコンテクスト・モデルを決定することができる。すなわち、前述の変換単位の階層的構造を示す変換単位分割フラグのエントロピ符号化時に利用されるコンテクスト・モデル決定過程と同様に、コンテクスト・モデリング部1410は、符号化される現在変換係数が含まれる変換単位の階層情報に基づいて、変換係数に係わるシンボルのエントロピ符号化に利用されるコンテクスト・モデルを決定することができる。例えば、コンテクスト・モデリング部1410は、現在変換係数が含まれた変換単位のサイズ情報に基づいて、
図19または
図22に図示されたように、既定のコンテクスト・インデックスを利用して、変換係数に係わるシンボルのエントロピ符号化時に利用されるコンテクスト・モデルを決定することができる。
【0202】
また、コンテクスト・モデリング部1410は、変換単位の絶対的サイズ情報以外に、上位変換単位との関係でシンボルが属するデータ単位の相対的サイズを示す相対的階層情報を利用することができる。
【0203】
また、コンテクスト・モデリング部1410は、階層情報と、該階層情報以外の多様な付加情報との組み合わせに基づいて、変換係数に係わるシンボルのエントロピ符号化に利用されるコンテクスト・モデルを決定することができる。例えば、コンテクスト・モデリング部1410は、変換単位のサイズ情報、及び階層以外の情報として、カラー成分情報に基づいて、コンテクスト・インデックスを設定することができる。また、コンテクスト・モデリング部1410は、変換係数が0ではない変換係数であるか否かを示すフラグ(significant_coeff_flag)、0ではない変換係数が、スキャニング順序上、最後の位置の0ではない変換係数であるか否かを示すフラグ(last_significant_coeff_flag)のように、ピクセル単位で設定されるシンボルのエントロピ符号化時に、階層以外の情報として、各ピクセルの位置情報を利用することができる。
【0204】
図23及び
図24は、本発明の一実施形態によって、データ単位の位置情報に基づいて設定されるコンテクスト・インデックス・マッピングテーブルの一例を示した参照図である。
【0205】
図23及び
図24を参照すれば、コンテクスト・モデリング部1410は、ピクセル単位で設定されるシンボルのエントロピ符号化時に、各ピクセルの位置によって、図面符号2500及び2600で図示されたように、コンテクスト・インデックスを割り当て、現在シンボルの位置によって決定されたコンテクスト・インデックスを利用して、コンテクスト・モデルを決定することができる。また、コンテクスト・モデリング部1410は、ピクセル単位で設定されるシンボルのエントロピ符号化時に、階層情報との組み合わせを介して、コンテクスト・モデルを決定することができる。例えば、変換係数が0ではない変換係数であるか否かを示すフラグ(significant_coeff_flag)、0ではない変換係数がスキャニング順序上、最後の位置の0ではない変換係数であるか否かを示すフラグ(last_significant_coeff_flag)は、変換単位の大きさによる第1情報、及び変換係数の位置による第2情報を組み合わせて決定される。前述の
図25のように、コンテクスト・モデリング部1410は、I(Iは、整数)個の状態値を有する第1情報p1ないしpI、及びJ(Jは、整数)個の状態値を有する第2情報q1ないしqJの組み合わせによって、複数個のコンテクスト・モデルのうち、1つのコンテクスト・モデルを示すコンテクスト・インデックスを設定し、現在変換係数が含まれた変換単位のサイズ情報及び現在変換係数の位置によって、コンテクスト・インデックスを決定して出力することができる。
【0206】
一方、前述の説明では、コンテクスト基盤適応的二進算術符号化(CABAC:context-adaptive binary arithmetic coding)方式を適用し、シンボルを符号化及び復号化することを中心に説明したが、エントロピ符号化装置1400は、階層情報、及び該階層以外の情報の組み合わせによって、既定のコードワードを割り当てる可変長符号化方式を介して、各シンボルを符号化することができる。
【0207】
前述の実施形態で限定されるものではなく、本発明の一実施形態によるエントロピ符号化装置1400は、符号化単位の階層情報、予測単位の階層情報、変換単位の階層情報、カラー成分情報、予測モード情報、最大符号化単位の大きさ、符号化深度、予測単位のパーティション情報、符号化単位の分割いかんを示す分割フラグ(split flag)、変換単位のサイズ情報、変換単位の分割いかんを示す変換単位分割フラグ(TU size flag)、各予測単位に適用されたイントラ/インター予測の予測モード情報、動きベクトル情報、予測方向情報、シンボルの位置に係わる情報のうち選択された少なくとも一つ以上の情報の組み合わせを介して、複数個のコンテクストのうち1つのコンテクスト・モデルを決定し、決定されたコンテクスト・モデルを利用して、シンボルに係わるエントロピ符号化を行うことができる。
【0208】
図27は、本発明の一実施形態による、階層的構造のデータ単位を利用したビデオ符号化方法を示したフローチャートである。
図27を参照すれば、段階2910で、階層的符号化部110は、階層的構造のデータ単位に基づいて、ビデオを構成するピクチャを符号化する。階層的構造のデータ単位に基づいたピクチャの符号化過程で、最大符号化単位ごとに、階層的に構成される深度別符号化単位、符号化深度の符号化単位を含むツリー構造による符号化単位、符号化深度の符号化単位ごとの予測符号化のためのパーティション、及び階層的構造の変換単位が決定される。
【0209】
段階2920で、エントロピ符号化部120は、符号化されたピクチャに係わるシンボルが属するデータ単位の階層情報に基づいて、シンボルのエントロピ符号化に利用されるコンテクスト・モデルを決定する。また、エントロピ符号化部120は、階層構造に係わる情報、及び階層構造以外の付加情報の組み合わせを介して、複数個のコンテクスト・モデルのうち、現在シンボルに適用されるコンテクスト・モデルを決定することができる。
【0210】
階層情報は、シンボルが属するデータ単位のサイズ情報、及びシンボルが属するデータ単位より大サイズの上位階層のデータ単位との関係でbシンボルが属するデータ単位の相対的サイズを示す相対的階層情報のうち一つでもある。相対的階層情報は、上位データ単位のサイズ情報と、上位データ単位の分割いかんを示す分割フラグ、または上位データ単位を基準に、シンボルが属するデータサイズの相対的な比率に係わる情報とを含んでもよい。
【0211】
段階2930で、エントロピ符号化部120は、決定されたコンテクスト・モデルを利用して、シンボルをエントロピ符号化する。シンボルは、変換係数関連情報、階層的構造のデータ単位を利用した符号化時に利用された変換単位の階層的構造に係わる情報、及びピクチャの階層的構造に係わる情報を含んでもよい。
【0212】
図28は、本発明の一実施形態によるエントロピ復号化装置の構成を示したブロック図である。
図28のエントロピ符号化装置3000は、
図2のビデオ復号化装置200のエントロピ復号化部220に対応する。
【0213】
エントロピ復号化装置3000は、
図2のシンボル抽出部210で抽出された符号化対象である階層的構造に係わる情報、及び階層的構造情報以外の符号化情報を示すシンボルをエントロピ復号化する。
【0214】
図28を参照すれば、一実施形態によるエントロピ復号化装置3000は、コンテクスト・モデリング部3010、確率推定部3020及びレギュラ・デコーディング部3030を含む。
【0215】
コンテクスト・モデリング部3010は、シンボルが属するデータ単位の階層情報に基づいて、シンボルのエントロピ復号化に利用されるコンテクスト・モデルを決定する。具体的には、コンテクスト・モデリング部3010は、現在復号化される対象シンボルが属するデータ単位の階層的構造に係わる階層情報が、I(Iは、正の整数)個の状態値を有するとするとき、階層情報の状態値によって、I個以下のコンテクスト・モデルを設定し、階層情報の状態値によって、I個以下のコンテクスト・モデルのうち一つを示すコンテクスト・インデックスを割り当てることにより、現在シンボルの復号化に利用されるコンテクスト・モデルを決定することができる。また、コンテクスト・モデリング部3010は、データ単位の絶対的サイズ情報以外に、上位データ単位との関係で、シンボルが属するデータ単位の相対的サイズを示す相対的階層情報を利用することができる。階層情報として、上位データ単位の大きさに対比させた現在シンボルが属するデータ単位の大きさの比率を示す情報が利用されもする。コンテクスト・モデリング部3010は、階層情報として、かような上位データ単位との関係で、現在シンボルが属するデータ単位の相対的サイズを示す相対的階層情報を利用して、現在シンボルが属するデータ単位の大きさを決定し、決定されたデータ単位の大きさに基づいて、コンテクスト・モデルを決定することもできる。また、コンテクスト・モデリング部3010は、シンボルの類型によって、階層情報と、該階層情報以外の多様な付加情報との組み合わせに基づいて、対象シンボルのエントロピ復号化に利用されるコンテクスト・モデルを決定することができる。具体的には、現在復号化される対象シンボルが属するデータ単位の階層的構造に係わる階層情報がI個の状態値を有し、該階層情報以外の他階層以外の情報が、J(Jは、正の整数)個の状態値を有すると仮定すれば、コンテクスト・モデリング部3010は、かようなIxJ個の状態値組み合わせによって、IxJ個以下のコンテクスト・モデルを設定し、現在シンボルが属するデータ単位の階層情報、及び該階層以外の情報の状態値によって、IxJ個以下のコンテクスト・モデルのうち一つを示すコンテクスト・インデックスを割り当てることにより、現在シンボルの復号化に利用されるコンテクスト・モデルを決定することができる。また、コンテクスト・モデリング部3010で、階層情報及び階層外情報の組み合わせに基づいて、決定されるコンテクスト・モデルは、エントロピ符号化装置1400のコンテクスト・モデリング部1410と同一に設定される。
【0216】
前述の例に限定されず、コンテクスト・モデリング部3010は、復号化されるシンボルの類型によって、階層情報、及び該階層以外の情報を多様に組み合わせ、複数個のコンテクスト・モデルのうち、1つのコンテクスト・モデルを選択することができる。
【0217】
確率推定部3020は、コンテクスト・モデリング部3010から出力されたコンテクスト・インデックス情報を利用して、0と1との二進信号のうち、MPS(most probable symbol)及びLPS(least probable symbol)に該当する二進信号に係わる情報、及びMPSまたはLPSに係わる確率値情報を決定して出力する。かようなMPSまたはLPSの確率値は、既定のルックアップ・テーブルから、コンテクスト・インデックスが示す確率値を読み取って決定される。また、MPS及びLPSの確率値は、二進信号の発生統計累積値に基づいて更新されもする。
【0218】
レギュラ・デコーディング部3030は、MPSまたはLPSに該当する二進信号情報及び確率値情報に基づいて、ビットストリームに含まれた現在シンボルに係わるエントロピ復号化を行い、復号化されたシンボル情報を出力する。
【0219】
図29は、本発明の一実施形態による階層的構造のデータ単位を利用したビデオ復号化方法を示したフローチャートである。
図29を参照すれば、段階3110で、シンボル抽出部210は、符号化されたビットストリームをパージングし、階層的構造のデータ単位に基づいて、符号化されたピクチャに係わるシンボルを抽出する。
【0220】
段階3120で、エントロピ復号化部220は、シンボルが属するデータ単位の階層情報に基づいて、シンボルのエントロピ復号化に利用されるコンテクスト・モデルを決定する。また、エントロピ復号化部220は、階層構造に係わる情報、及び階層構造以外の付加情報の組み合わせを介して、複数個のコンテクスト・モデルのうち、現在シンボルに適用されるコンテクスト・モデルを決定することができる。
【0221】
階層情報は、シンボルが属するデータ単位のサイズ情報、及びシンボルが属するデータ単位より大サイズの上位階層のデータ単位との関係で、シンボルが属するデータ単位の相対的サイズを示す相対的階層情報のうち一つでもある。相対的階層情報は、上位データ単位のサイズ情報と、上位データ単位の分割いかんを示す分割フラグ、または上位データ単位を基準にシンボルが属するデータサイズの相対的な比率に係わる情報とを含んでもよい。
【0222】
段階3130で、エントロピ復号化部220は、決定されたコンテクスト・モデルを利用して、シンボルをエントロピ符号化する。シンボルは、変換係数関連情報、階層的構造のデータ単位を利用した符号化時に利用された変換単位の階層的構造に係わる情報、及びピクチャの階層的構造に係わる情報を含んでもよい。
【0223】
一方、前述の本発明の実施形態は、コンピュータで実行されるプログラムで作成可能であり、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を利用して、前記プログラムを動作させる汎用デジタルコンピュータで具現される。前記コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、マグネチック記録媒体(例えば、ROM(read-only memory)、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光学的判読媒体(例えば、CD(compact disc)−ROM、DVD(digital versatile disc)など)のような記録媒体を含む。
【0224】
以上、本発明について、その望ましい実施形態を中心に説明した。本発明が属する技術分野で当業者であるならば、本発明が本発明の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態で具現されるということを理解することができるであろう。従って、開示された実施形態は、限定的な観点ではなく、説明的な観点から考慮されなければならない。本発明の範囲は、前述の説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての差異は、本発明に含まれたものであると解釈されなければならないであろう。