特許第6054907号(P6054907)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6054907
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】導電材料配合物及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C08L 65/00 20060101AFI20161219BHJP
   H01G 9/028 20060101ALI20161219BHJP
   C08G 61/12 20060101ALI20161219BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20161219BHJP
   C08K 3/22 20060101ALI20161219BHJP
   C08K 3/36 20060101ALI20161219BHJP
   H01B 1/12 20060101ALI20161219BHJP
   H01B 1/06 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   C08L65/00
   H01G9/02 331G
   C08G61/12
   C08L101/00
   C08K3/22
   C08K3/36
   H01B1/12 F
   H01B1/06 A
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2014-103130(P2014-103130)
(22)【出願日】2014年5月19日
(65)【公開番号】特開2014-227551(P2014-227551A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2014年6月30日
(31)【優先権主張番号】102117785
(32)【優先日】2013年5月20日
(33)【優先権主張国】TW
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500202322
【氏名又は名称】長興材料工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ETERNAL MATERIALS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】陳 信宏
【審査官】 井津 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−241359(JP,A)
【文献】 特開2010−043249(JP,A)
【文献】 特表2012−524831(JP,A)
【文献】 特開平11−067602(JP,A)
【文献】 特開2012−241068(JP,A)
【文献】 特開平09−293639(JP,A)
【文献】 特開2008−109069(JP,A)
【文献】 特開2005−146259(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00−101/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)導電性ポリマー材料と、
(b)絶縁材料と、を備える導電材料結合体であって、
前記導電性ポリマー材料は導電性ポリマー及び多価陰イオンに由来し、前記導電性ポリマーは式(I)のモノマーに由来する重合ユニットを含み、
【化1】
Aは(R)で置換されたCからCのアルキレンであり、
XはOまたはSであり、
RはH、無置換若しくは置換されたCからC20のアルキル若しくはアルコキシ、または無置換若しくは置換されたCからC20のアリールであり、
pは0、1または2であり、
前記導電性ポリマーはさらに以下からなる群から選択されたモノマーに由来する重合ユニットを含み、
【化2】
R1及びR2はそれぞれ独立にHまたはCからCのアルキル若しくはアルコキシであり、
前記導電性ポリマーは重量平均分子量が3000から30000の範囲であり、
前記絶縁材料(b)は、導電性ポリマー材料(a)の100重量部を基に0.01から200重量部の量であり、
前記導電性ポリマー材料が、10から1000nmの範囲の大きさを有する、導電材料結合体。
【請求項2】
式(I)の前記モノマーが、
【化3】
及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、
R4及びR5は、それぞれ独立してH、無置換若しくは置換されたCからC15のアルキル若しくはアルコキシ、又は無置換若しくは置換されたCからC15のアリールである、請求項1に記載の導電材料結合体。
【請求項3】
前記絶縁材料が、10から1012Ωmの抵抗を有する、請求項1に記載の導電材料結合体。
【請求項4】
前記絶縁材料が、無機酸化物、非共役ポリマー及びそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の導電材料結合体。
【請求項5】
前記無機酸化物が、二酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、インジウムスズ酸化物及びシリカからなる群から選択される、請求項4に記載の導電材料結合体。
【請求項6】
前記非共役ポリマーが、エポキシモノマー、エポキシオリゴマー、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリイミド、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、及びポリテトラフルオロエテンからなる群から選択される、請求項4に記載の導電材料結合体。
【請求項7】
アノードと、
前記アノード上に形成された誘電体層と、
カソードと、
前記誘電体層及び前記カソードの間に位置する固体電解質と、を備える固体キャパシタであって、
前記固体電解質が請求項1から6のいずれか一項に記載の導電材料結合体を含む固体キャパシタ。
【請求項8】
前記固体電解質が、前記導電性ポリマー材料と前記絶縁材料との混合物を備えた単一層構造である、請求項7に記載の固体キャパシタ。
【請求項9】
前記固体電解質が複数層構造である請求項7に記載の固体キャパシタ。
【請求項10】
前記複数層構造が2層の絶縁材料層に挟まれた1層の導電性ポリマー材料層を備えている、請求項9に記載の固体キャパシタ。
【請求項11】
前記複数層構造が2層の導電性ポリマー材料層に挟まれた1層の絶縁材料層を備えている、請求項9に記載の固体キャパシタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は導電材料配合物(conductive material formulation)に関連し、特に固体キャパシタに使用される導電材料配合物に関連する。本発明は上記導電材料配合物を用いた固体キャパシタにも関連する。
【背景技術】
【0002】
キャパシタは様々な電気製品で広く使用される電子的要素の一つである。技術の発展に伴って、電気製品は小型化され、軽量化される傾向にある。従ってそのような電気製品に使用されるキャパシタは、小型化され、高容量を有し、高周波数で低いインピーダンスを有することが期待される。
【0003】
電解質の種類の観点からはキャパシタは従来の液体キャパシタと新たに開発された固体キャパシタとに分類される。従来技術のアルミニウム液体キャパシタでは、液体の電解質が電化輸送物質として使用された。液体電解質の主要な成分は沸点の高いアルコール、イオン液体、ホウ酸、リン酸、有機カルボン酸、アンモニウム塩、高極性有機溶媒及び少量の水である。電化輸送物質の役割に加えて、上述の成分はアルミニウム箔上にアルミナ誘電体層を修復する機能も有する。内部層中のアルミニウム金属がアルミナ誘電体層上の欠陥によって露出されると、キャパシタの充放電のプロセス中に、電解質と露出されたアルミニウム金属との反応で生成されるアルミナによってアルミナ誘電体層の修復が達成されるだろう。しかし従来のアルミニウム液体キャパシタは安価ではあるものの、キャパシタ中で液体電解質を使用することは、低伝導率及び高温耐性が低いなどの欠点をもたらす。さらに、アルミナが発生する際に、水素もまた発生する。キャパシタ中の過度の水素の蓄積はキャパシタの破裂を引き起こし、電気製品を損傷するだろう。キャパシタが破裂するリスクを低減するために液体電解質に水素吸着剤が添加され得るが、問題は根本的には解決しない。従来の液体電解質の用途は、高容量とは関係なく、高い等価直列抵抗(ESR)によって限定されている。
【0004】
前述の観点から、液体電解質が固体電解質で置換される、新世代の固体キャパシタが開発される。導電性ポリマーが、開発された固体電解質の一つである。導電性ポリマーの導電性は、ポリマー構造にドーパントとして酸化剤のアニオンを混ぜることによって形成されるホールに由来する。従来の電解質キャパシタで使用される液体電解質またはテトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯塩のような固体半導体錯塩及び無機半導体MnOに比べて、導電性ポリマーは高い導電性および適切な高い高温絶縁特性を有するので、導電性ポリマーは、現在の電解質キャパシタにおいて固体電解質を使用する傾向の発展を推進してきた。
【0005】
一般的なキャパシタの使用寿命より6倍長い長期の使用寿命を有することに加え、固体キャパシタは改良された安定性を有し、その容量は使用時の周囲温度および湿度の影響を容易には受けない。さらには、固体キャパシタは低ESR、低い容量変化率、優れた周波数応答(高周波耐性)、高温耐性、および高電流耐性という利点を有し、漏電およびプラズマ爆発の問題は解消される。
【0006】
Jesse S. Shafferらは、電解質キャパシタの電解質に導電性ポリマーを使用する方法を、特許文献1において初めて開示している。該方法は、キャパシタのアノードアルミニウム箔を、導電性ポリマーであるポリアニリン粉末およびドーパントのLiClOにより形成される混合液に浸漬し、次いでアルミニウム箔上の溶媒を除去する工程を含む。ポリアニリンはその過度に高い分子量のために、アノード箔の微細孔に浸透できないので、この方法により得られるキャパシタの含浸率は乏しく、インピーダンスは高い。次いで、ポリマーがアノード箔の微細孔に容易に浸透できるようにするために、Gerhard Hellwigらは、導電性ポリマーをキャパシタの電解質として使用する化学酸化重合法を、特許文献2において開示している。該方法は、キャパシタを、導電性ポリマーのモノマーおよび酸化剤の溶液に浸漬すること、および導電性ポリマーのモノマーを適切な条件において重合させる工程をそれぞれ含み、導電性ポリマー電解質が複数回の浸漬によって十分な厚さまで堆積する。その後、Bayer Corporation(ドイツ)のFriedrich Jonasらは、モノマーである3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)を酸化剤のp−トルエンスルホン酸鉄(III)と組み合わせて使用することによって、ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)を電解質として含むアルミニウム固体キャパシタを製造する方法を、特許文献3において初めて開示している。さらには、EDOTと構造的に関連している3,4−エチレンジチアチオフェン(EDTT)を電気活性ポリマーに変換できることが見出されている(非特許文献1参照)。
【0007】
導電性ポリマーPEDOTは、高い耐熱性、高い導電性、高い電荷移動速度、無毒性である、長期の使用寿命、およびキャパシタに適用した際にキャパシタ破裂が起きないという利点を有する。PEDOTは直接キャパシタ中で、モノマーEDOTおよびp−トルエンスルホン酸鉄(III)の重合を実施することで準備される。上記の工程はその場(in−situ)反応に属し、浸漬プロセスの観点から分類される1液法、2液法または多液法で実施され得る。1液法はキャパシタ要素を、熱重合の前にEDOT及びp−トルエンスルホン酸鉄(III)の混合液に浸漬するステップを含む。2液法はキャパシタ要素を、熱重合の前にEDOTおよびp−トルエンスルホン酸鉄(III)にそれぞれ浸漬するステップを含む。しかし1液法では浸漬する前にEDOTが重合するのを防ぐために工程パラメータを注意して制御する必要があり、2液法は液体汚染の問題の対象である。
【0008】
さらにアノード箔上の誘電体層の表面又は微細孔中でのその場重合由来のPEDOTは粉末状構造を有し、そのような粉末状構造は重合度が小さく、物理的性質が低く、電極表面又は表面微細孔への接着力が弱いために脱落しやすく、動作電圧への耐性が限定的である傾向がある。粉末状構造のPEDOTは上記欠点を有するので、16V以上の固体キャパシタは実現されていない。
【0009】
上記課題を解決するために、Stephan Kirchmeyerらは導電性ポリマーの非その場重合を提案した(非特許文献2)。しかし一般に非その場重合で合成された導電性ポリマーは、短い繰り返しユニット(約6から18繰り返しユニット)及び小さい重合度(重量平均分子量が約2500以下)という欠点を有する。重合度が小さいことに由来する低い物理的性質によって、重合度が小さいポリマーは高電圧の動作環境では使用できない。
【0010】
従って小型化、高容量、高温耐性及び高周波数の要請を満たすために、物理的特性が向上し、高電圧耐性を備えて固体キャパシタに適用可能であり、安定性のよい導電材料が従来の液体キャパシタの代替として期待されている。
【0011】
電子が透過する可能性を低減し、固体キャパシタ中のカソード及びアノード間の絶縁性を高め、固体キャパシタの耐電圧を向上するための向上した物理的性質を備えた固体電解質を有する固体キャパシタを提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第4609971号明細書
【特許文献2】米国特許第4803596号明細書
【特許文献3】米国特許第4910645号明細書
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Lambertus Groenendaalら、Adv.Mater.、2000年、12巻、No.7
【非特許文献2】J.Mater.Chem.、2005年、15巻、2077−2088頁
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
一態様では、(a)導電性ポリマー材料及び(b)絶縁材料を備える導電材料配合物を提供する。
【0015】
別の態様では、
アノードと、
上記アノード上に形成された誘電体層と、
カソードと、
上記誘電体層及び上記カソードの間に位置する固体電解質と、を備え、
上記固体電解質は本発明に係る導電材料配合物を含む固体キャパシタが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】従来の固体キャパシタアセンブリ。
図2】従来の固体キャパシタ。
図3】本発明の実施形態に係る固体キャパシタ。
図4】本発明の実施形態に係る固体キャパシタ。
図5】本発明の実施形態に係る固体キャパシタ。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の開示を理解しやすくするために、以下で用語を定義する。
【0018】
「約」との語は当業者によって測定された所定の値の許容できる乖離を意味し、一部、測定方法または値の決定方法に依存する。
【0019】
「アルキル」との語は直鎖または分岐した炭素鎖基を意味する。ある実施形態ではアルキルは炭素数が1から20(C1−20)、1から15(C1−15)、1から10(C1−10)、または1から6(C1−6)の炭素鎖基である。アルキルの例は、メチル、エチル、(異性体のすべてを含む)プロピル、(異性体のすべてを含む)ブチル、(異性体のすべてを含む)ペンチル、及び(異性体のすべてを含む)ヘキシルを含むが限定はされない。
【0020】
用語「アルキレン」は、直鎖または分枝鎖の二価の炭素鎖基を意味する。特定の実施形態において、アルキレンは炭素数が1〜4(C1−4)の炭素鎖基である。アルキレンの例は、これらに限定されないが、メチレン、エチレン、(異性体形態のすべてを含む)プロピレン、および(異性体のすべてを含む)ブチレンである。
【0021】
「アルコキシ」との語は、酸素原子を介して残りの分子に結合される前述したアルキルを意味する。アルコキシの例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、n−プロポキシ、2−プロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、及びtert−ブトキシ、であるが、これらに限定されない。
【0022】
「アリール」との語は、単環式または多環式の一価の芳香族基を意味する。特定の実施形態において、アリールは6〜20の環原子(C6−20)、6〜15の環原子(C6−15)または6〜10の環原子(C6−10)を有する。アリールの例は、フェニル、ナフチル、フルオレニル、アズレニル、アントリル、フェナントリル、ピレニル、ビフェニリル、及びテルフェニリルであるが、これらに限定されるものではない。アリールは二環式または三環式炭素環も意味し、その環の一つは芳香環であり、それ以外の部分は飽和しているか、部分的に不飽和か、または例えばジヒドロナフチル、インデニル、ジヒドロインデニルまたはテトロヒドロナフチル(テトラリニル)のような芳香環である。
【0023】
以下、本発明に係るいくつかの実施形態を詳細に説明する。しかし、本発明は、本発明の精神からの逸脱することなく種々の態様で実施することができる。本発明の範囲は、明細書に記載のものと限定するものとして解釈されるべきではない。さらに、別段の指定がない限り、本明細書(特に添付の特許請求の範囲)で使用される「1つの(a、an)」、「その(the)」などの表現は単数形及び複数形を含むとみなされ、「置換」という言葉は、置換基による水素の置換を指す。また、明確性のために、構成要素および領域の各々は、大きさが誇張され、縮尺通りに描かれていないことがある。
【0024】
[導電材料配合物]
本発明に係る導電材料配合物は(a)導電性ポリマー材料及び(b)絶縁材料を含む。
【0025】
[導電性ポリマー材料]
本発明に係る導電性ポリマー材料は導電性ポリマー及び多価陰イオンに由来し、上記導電性ポリマーは式(I)のモノマーに由来する重合ユニットを含む:
【化1】
ここでAは、(R)で置換されたCからCのアルキレンであり、XはOまたはSである。RはH、無置換若しくは置換されたCからC20のアルキル若しくはアルコキシ、または無置換若しくは置換されたCからC20のアリールであり、pは0、1または2である。
【0026】
式(I)のモノマーは好ましくは以下を含むが、これらに限定されない:
【化2】
またはこれらの組み合わせ。ここでR4及びR5は、それぞれ独立してH、無置換若しくは置換されたCからC15のアルキル若しくはアルコキシ、又は無置換若しくは置換されたCからC15のアリールであり、好ましくは、R4及びR5は、それぞれ独立して、HまたはCからCのアルキルまたはアルコキシである。
【0027】
本発明の特定の実施形態によると、式(I)のモノマーは、
【化3】
(3,4−エチレンジオキシチオフェン、EDOT)
【化4】
(チエノ[3,4−d][1,3]ジオキソール)
または
【化5】
(3−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキセピン)
であってもよいが、これらに限定されない。
【0028】
上記導電性ポリマーはホモポリマーまたはコポリマーでもよい。導電性ポリマーを形成するための重合モノマーとして単独で使用されるだけでなく、式(I)のモノマーは(例えば後述の式(II)のモノマー等の)他のモノマーと組み合わせて使用され得る。
【0029】
本発明の好ましい実施形態によると、導電性ポリマーの重合度及びその容量を向上するために、導電性ポリマーはさらに式(II)のモノマーに由来する重合ユニットを含む:
【化6】
ここでB1はO、SまたはNであり、B2はNまたはCであり、R1、R2及びR3はそれぞれ独立にH、無置換若しくは置換されたCからC20のアルキル若しくはアルコキシ、または無置換若しくは置換されたCからC20のアリールであり、q及びwはそれぞれ独立に0または1である(B1がOまたはSの時にqは0であり、B2がNの時にwは0である)。
【0030】
式(II)のモノマーは好ましくは、
【化7】
またはこれらの組み合わせであるが、これらに限定されない。ここでR1、R2及びR3はそれぞれ独立にHまたはCからCのアルキル若しくはアルコキシである。
【0031】
本発明に係るいくつかの実施形態において、式(II)のモノマーは、
【化8】
またはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0032】
本発明に係る導電性ポリマーは、大きな重合度を有し、3000〜30000の範囲の、好ましくは4000〜18000の範囲の、より好ましくは5000〜16000の範囲の重量平均分子量を有する。
【0033】
本発明に係る導電性ポリマーの配合については、式(II)のモノマーに対する式(I)のモノマーの比率は特別に限定されない。比率は必要に応じて調整され得る。もし式(II)のモノマーが過剰に使用されると、使用される固体キャパシタの容量は悪影響を受けるだろう。従って一般的に、式(II)のモノマーが存在するならば、式(II)のモノマーは、式(I)のモノマーの100重量部を基に、約1から約800重量部、好ましくは約5から約400重量部の量で使用される。本発明に係るいくつかの実施形態では、式(II)のモノマーは、式(I)のモノマー100重量部に対して、約5〜約50重量部の量で使用される。
【0034】
本発明で使用される多価陰イオンは特段制限されない。本発明で使用される多価陰イオンは周知のものでもよい。重合に多価陰イオンを使用することによって、本来水に不溶性のポリチオフェン化合物を分散可能に、または水和性にする。本発明で使用される多価陰イオンは遊離酸の形の酸性ポリマーでもよく、例えばポリカルボン酸、ポリスルホン酸又はそれらの組合せでよいが、これらに限定されない。上記ポリカルボン酸は例えばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸又はポリリンゴ酸でもよい。上記スルホン酸は例えばポリスチレンスルホン酸又はポリビニルスルホン酸でもよい。導電性の観点では、ポリスチレンスルホン酸が最も好ましい。遊離酸部分が中和された塩の形が本発明で使用され得る。
【0035】
多価陰イオンとして使用されるポリカルボン酸又はポリスルホン酸の分子量は特段制限されない。導電性のために、重量平均分子量が約10000から約150000であることが好ましく、約70000から約100000であることがさらに好ましい。
【0036】
本発明によると、多価陰イオンに対する導電性ポリマーの重量比は約0.05から約10の範囲であり、好ましくは約0.1から約8の範囲であり、さらに好ましくは約0.2から約5の範囲である。
【0037】
本発明に係る導電性ポリマー材料は、約10から約1000nmの範囲、好ましくは約30から約500nmの範囲、さらに好ましくは約50から約300nmの範囲の大きさを有する。
【0038】
本発明に係る導電性ポリマー材料は、約100から約1000Ω/□(Ω/□はオーム/スクウェアを表す)の範囲、好ましくは約150から約850Ω/□の範囲、さらに好ましくは約200から約750Ω/□の範囲のシート抵抗値を有する。
【0039】
[絶縁材料]
本発明の絶縁材料は、固体キャパシタ材料の構造のための保護層として機能する別の誘電体層(例えば図3のD1)として使用され得る。固体キャパシタ内のカソード及びアノード間の絶縁性が向上し、電子が透過する可能性が減少し、固体キャパシタの耐電圧が増加する。本発明に係る絶縁材料は10から1012Ωmの抵抗を有し、無機酸化物、非共役ポリマー又はそれらの組み合わせから選択される。
【0040】
上記無機酸化物は、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、チタン、亜鉛、ジルコニウム、アンチモン、インジウム、スズ、アルミニウム、鉄、及びケイ素からなる群、好ましくはチタン、亜鉛、インジウム、スズ、アルミニウムおよびケイ素からなる群から選択される少なくとも一つの元素の酸化物を含む。本発明の特定の実施形態によれば、上記無機酸化物は二酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、インジウムスズ酸化物、及びシリカであり得る。
【0041】
上記非共役ポリマーは構造中の単結合と二重結合とが交互にならないポリマーを意味する。上記非共役ポリマーは、モノマー、オリゴマーまたはポリマーの一つ以上に由来し、好ましくはエポキシモノマー、エポキシオリゴマー、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリイミド、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、及びテフロン(登録商標)からなる群から選択される。
【0042】
本発明によれば、絶縁材料(b)は導電性ポリマー材料100重量部に対して約0.01から約200重量部、好ましくは約0.1から約50重量部、さらに好ましくは約1から約20重量部の量を有する。
【0043】
本発明に係る上記導電材料配合物は、(a)導電性ポリマー材料及び(b)絶縁材料を備える。両者の間に化学反応は生じない。導電性ポリマー材料は良好な耐熱性を有し、高い電気伝導性を有し、高速で電荷を転送し、長寿命であり、キャパシタに適用した際にキャパシタ破裂の発生が生じず、毒性もない。さらに、本発明に係る上記導電性ポリマー材料はナノサイズを有し、高分子量であり、良好な電気伝導性を有するので、アノード箔上の誘電体層の表面上または微細孔中に効率的に充填され得る。本発明に係る導電性ポリマー材料から準備された固体キャパシタだけが高い耐電圧(180V以上)及び高容量を有する。上記絶縁材料は固体キャパシタ中のカソード、アノード間の絶縁性を向上し、電子が透過する可能性を低減し、固体キャパシタの耐電圧を増加する。従って、本発明に係る導電材料配合物から準備された固体キャパシタは200V以上の、好ましくは270V以上の高電圧動作環境で使用され得る。
【0044】
[導電性ポリマー材料の準備]
本願は、以下のステップを備える、上記導電性ポリマー材料の準備方法も提供する:
(a)式(I)のモノマー
【化1】
と、選択的に式(II)のモノマー
【化6】
とを多価陰イオンと共に混合するステップであって、
AはCからCの(R)で置換されたアルキレンであり、
XはOまたはSであり、
B1はO、SまたはNであり、
B2はNまたはCであり、
R1、R2、R3及びRはそれぞれ独立にH、無置換若しくは置換されたCからC20のアルキル若しくはアルコキシまたは無置換若しくは置換されたCからC20のアリールであり、
pは0、1または2であり、
q及びwはそれぞれ独立に0または1であるステップ。
(b)ミセルを形成するためにステップ(a)からの混合物を第一の超音波振動にかけるステップ。
(c)テンプレートの役割を果たす多価陰イオンをもとにモノマーの酸化重合が生じることを可能にし、多価陰イオンを含む複合物を形成するために酸化剤を添加するステップ。
(d)ステップ(c)で得られた生成物を第二の超音波振動にかけるステップ。
【0045】
ステップ(a)で使用される式(I)のモノマー、式(II)のモノマー、及び多価陰イオンの種類、好ましい形態、及び投入量は上述した通りである。
【0046】
本発明によると、ステップ(a)は室温で実行されてもよい。上記多価陰イオンは遊離型の酸性ポリマーであり、酸性ポリマーを溶媒に添加して溶液を提供し、溶液中の酸性ポリマーを分離することで生産される。上記酸性ポリマーはすでに明らかにした通りである。
【0047】
本発明で使用され得る溶媒は特段限定されないが、例えば水、アルコール、ベンゼン、またはそれらの組み合わせ、好ましくはメタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、水、またはそれらの組み合わせを含み、より好ましくは水であるがこれらに限定されない。
【0048】
本発明では多価陰イオンはテンプレートとして使用され得る。多価陰イオンは式(I)のモノマーと完全に混合され、選択的に式(II)のモノマーと混合され、混合物は第一の超音波振動にかけられ、モノマーをカプセル化するミセルを形成する。
【0049】
本発明のステップ(a)で準備されたミセルは凡そマイクロメートルサイズ以上である。しかしオーバーサイズのミセルは、オーバーサイズの導電性ポリマーを生じさせるだろう。それは浸漬中に電極箔のマイクロ微細孔へと侵入するのが困難である。本発明の発明者は第一の超音波振動(ステップ(b))及び第二の超音波振動(ステップ(d))をそれぞれ氷浴(温度は約0℃)で実施した。ポリマー材料のサイズは望ましくナノメートルオーダーまで低減し、良好な電気伝導性を備えた導電性ポリマー材料が得られた。
【0050】
本発明のステップ(b)では、ミセルのサイズは酸化重合の前に第一の超音波振動によって低減される。もし超音波振動が酸化重合の後に実施されると、形成されたポリマー材料のサイズはナノメートルオーダーに達しないことがあり得る。
【0051】
上記第一の超音波振動は約10kHzから約50kHzの範囲の振動数を有し、好ましくは約20kHzから約40kHzの範囲である。上記第一の超音波振動は約1分から100分、好ましくは約20分から約40分の範囲の時間の間継続する。
【0052】
ステップ(c)において得られる導電性ポリマーは酸化剤の存在下でモノマーを酸化重合させることによって形成され得る。導電性ポリマーは酸化重合に由来する正電荷を帯びるので、負電荷を帯びた多価陰イオンとポリマー材料を形成し得る。
【0053】
本発明で用いられる酸化剤に特段の限定はない。酸化剤は当業者にとって周知であり、例えば以下が挙げられるが限定されない:過硫酸アルカリ、アンモニウム塩、過酸化物、有機酸の第二鉄塩、またはそれらの組み合わせ、好ましくはp−トルエンスルホン酸鉄(III)、硫酸アンモニウム、過硫酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、過塩素酸アンモニウム、過酸化水素又はこれらの混合物、より好ましくはp−トルエンスルホン酸鉄(III)又は過酸化水素。本発明の実施形態によれば、本発明で使用される酸化剤は過酸化水素である。
【0054】
酸化剤は全モノマー(式(I)及び選択的に式(II)のモノマー)を100重量部として、約5から約3000重量部、好ましくは約50から約1000重量部、最も好ましくは約100から約300重量部の範囲の量で使用される。
【0055】
一般的に非その場重合で準備された導電性ポリマーは大きな重合度を有さず、重量平均分子量が2500以下である。対照的に本発明に係る導電性ポリマーは大きな重合度を有し、重量平均分子量は3000から30000、好ましくは5000から16000の範囲である。
【0056】
本発明では、ステップ(c)で得られたポリマー材料のサイズはステップ(d)の第二の超音波振動によってさらに低減される。上記導電性高重合体は、後のキャパシタの浸漬中に誘電体層の表面または微細孔中を効率的に充填するように、テンプレートの外に曝露され得る。
【0057】
第二の超音波振動は約10kHzから約50kHzの範囲の振動数を有し、好ましくは約20kHzから約40kHzの範囲である。上記第二の超音波振動は約1分から100分、好ましくは約20分から約40分の範囲の時間の間継続する。
【0058】
本発明の方法によって準備された上記導電性ポリマー材料は約10から約1000ナノメートル、好ましくは約30から約500ナノメートル、より好ましくは約50から約300ナノメートルの範囲のサイズを有する。
【0059】
キャパシタボディを本発明の導電材料配合物中に浸漬する方法に対して特段の限定はない。例えば導電性ポリマー材料は絶縁材料と混合されて、キャパシタボディの浸漬のために単一の溶液に配合されてもよい。代替的にキャパシタボディは、導電性ポリマー材料溶液と絶縁材料溶液とにそれぞれ優先順位なく浸漬されることもできる。キャパシタボディは所望の時間浸漬され、取り出され、特定の温度で加熱乾燥される。上記のステップは固体電解質を形成するために数回繰り返されてもよい。上記溶液で使用される溶媒は限定されない。例えば溶媒は以下を含むがこれらに限定されない:水、アルコール、ベンゼン、アルカン、ケトンまたはそれらの組み合わせ、好ましくはメタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、2−ブタノン(メチルエチルケトン)、水またはそれらの組合せ、より好ましくは水。従って本発明の固体電解質は動作中の電気的な透過の可能性を低減し、固体キャパシタの耐電圧を増加する。
【0060】
その場プロセスとは対照的に、本発明は導電性ポリマー材料を浸漬に先行して準備する。従ってプロセス中のポリマー材料の重合度は容易に制御され得る。また1液法や2液法等のその場プロセスに伴う欠点もなくなる。例えば浸漬中のプロセスパラメータを注意深く制御することは本発明ではもはや必要でないことがあり得る。
【0061】
さらに本発明は、アノードと、アノード上に形成された誘電体層と、カソードと、誘電体層及びカソード間の固体電解質と、を含み、固体電解質が本発明に係る導電材料配合物を含み、導電材料配合物が絶縁材料を含む固体キャパシタを提供する。
【0062】
特に、固体キャパシタのメインボディとして、エッチングされた導電性金属箔をアノード箔として使用し、アノード箔の表面を陽極酸化させ、アノード箔からワイヤを引くことでアノードが形成され、別の金属箔をカソード箔として使用し、カソード箔からワイヤを引くことによってカソードが形成される。酸化物などを含む誘電体層はアノード箔の表面及びアノード箔とカソード箔の間に形成される。アノード箔及びカソード箔はアルミニウム、タンタル、ニオブ、アルミニウム酸化物、タンタル酸化物、ニオブ酸化物、チタンコートされたアルミニウム、またはカーボンコートされたアルミニウムで構成される。アノード膜及びカソード膜がシリンダーに巻かれた後、キャパシタボディは導電性ポリマー材料及び絶縁材料の混合物中へと浸漬され、吸引及び加熱による除去などのステップによって溶媒が除去される。上述のステップは選択的に2回、3回またはそれ以上繰り返され得る。代替的に、キャパシタボディは導電性ポリマー材料及び絶縁材料の一つに所望の間浸漬され、その後吸引及び加熱による除去などのステップによって溶媒が除去され得る。上述のステップは選択的に2回、3回またはそれ以上繰り返され得る。さらにキャパシタボディは本発明の導電性ポリマー材料及び絶縁材料のもう一方に浸漬され、その後吸引及び加熱によって溶媒が除去される。上述のステップは選択的に2回、3回、またはそれ以上の回数繰り返され得る。誘電体層と固体キャパシタのカソード箔との間に固体電解質が形成される。
【0063】
固体キャパシタはアルミニウム、タンタルまたはニオブ固体キャパシタでもよい。
【0064】
キャパシタアセンブリ内に固体電解質を形成した後で、固体キャパシタは従来の技術によって従来の材料から形成され得る。例えばキャパシタアセンブリは底を有する箱に配置されてもよく、箱の上にワイヤを露出するための開口を備えた封止部材が配され得る。固体キャパシタは封止後に形成される。
【0065】
以下で本発明の範囲を限定する意図ではなく、図面を用いて従来の固体キャパシタ及び本発明の好ましい実施形態の固体キャパシタの製造方法が記述される。変形及び当業者によって容易に達成される改変は、本明細書の開示の範囲内に包含される。
【0066】
図1は従来の固体キャパシタアセンブリを示す。図1のように、アノード箔1及びカソード箔3はスペーサ部品5a及び5bと共に巻かれ、キャパシタアセンブリ9を形成する。リード線7a及び7bが、カソード箔3及びアノード箔1をそれぞれ外部のワイヤと接続するためのターミナルとして使用された。
【0067】
カソード箔及びアノード箔への接続のためのワイヤの数は、カソード箔及びアノード箔の両方がワイヤと接続される限り特段制限されない。カソード箔及びアノード箔の数は特段限定されない。例えば、カソード箔の数はアノード箔の数と同じ、または多くてもよい。酸化物などを含む誘電体層(図示せず)はアノード箔の表面上に形成され、アノード箔及びカソード箔の間に配される。アノード箔1、カソード箔3、スペーサ部品5a、5b及びリード線7a、7bは周知の技術で周知の材料からつくられる。
【0068】
図2のように、従来の固体キャパシタは、アノード(A)と、アノード(A)上に形成される誘電体層(D)と、固体電解質(E)と、カソード(C)とを含み、誘電体層及び固体キャパシタのカソード箔の間の固体電解質はキャパシタアセンブリ9を従来の導電性ポリマーに浸漬することで形成される。
【0069】
本発明の一つの実施形態では、キャパシタアセンブリ9は絶縁材料中に浸漬され、高温で加熱して乾燥され、カソード及び誘電体層のそれぞれの表面上に絶縁材料層を形成する。キャパシタアセンブリ9は導電性ポリマー材料中に浸漬され、高温で加熱して乾燥され、固体電解質層を形成する。図3で示されるように本発明の固体キャパシタは、以下の部品を順に配置及び封止した後に形成される:アノード(A);誘電体層(D);絶縁材料(D1);導電性ポリマー材料(E1):絶縁材料(D1);及びカソード(C)。
【0070】
本発明の一つの実施形態では、キャパシタアセンブリ9は導電性ポリマー材料中に浸漬され、高温で加熱して乾燥され、カソード及び誘電体層のそれぞれの表面上に絶縁材料層を形成する。キャパシタアセンブリ9は絶縁材料中に浸漬され、高温で加熱して乾燥され、固体電解質層を形成する。図4で示されるように本発明の固体キャパシタは、以下の部品を順に配置及び封止した後に形成される:アノード(A);誘電体層(D);導電性ポリマー材料(E1):絶縁材料(D1);導電性ポリマー材料(E1);及びカソード(C)。
【0071】
本発明の一つの実施形態では、キャパシタアセンブリ9は導電性ポリマー材料と絶縁材料の混合物中に浸漬され、高温で加熱して乾燥され、固体電解質層を形成する。図5で示されるように本発明の固体キャパシタは、以下の部品を順に配置及び封止した後に形成される:アノード(A);誘電体層(D);導電性ポリマー材料(E1)及び絶縁材料(D1)の混合物;並びにカソード(C)。
【0072】
本発明によって作成された固体キャパシタは高耐電圧及び高容量を有し、270V以上の耐電圧を有するものとして使用され得る。本発明は産業上必要な固体キャパシタの性能に対する要請を満足する。従って本発明の固体キャパシタは、例えばLEDランプ、電気省エネランプ及び整流器のための駆動力、車両、コンピュータのマザーボード、周波数変換器、ネットワーク通信、医療機器の電源、UPS及びその他の高度なフィールド用の電子機器などの、高電圧キャパシタが必要な産業で広く使用され得る。
【0073】
本発明はさらに以下の実施形態で例示されるが、本発明の例示であり、本発明の範囲に何らかの限定を与えるものではない。当業者によって容易に達成される変形及び改変は、明細書の開示および添付の特許請求の範囲の範囲内に包含される
【0074】
[実施例]
[固体キャパシタの準備]
[実施例1]
水100ml中の0.3gのポリスチレンスルホン酸(Alfa Acsar、CAS NO:28210−41−5、30%水溶液。分子量75000)に1gの
【化3】
が添加され、均一に撹拌され、その後30kHzの超音波振動に30分間かけた。酸化重合のために1.55gの過酸化水素が添加され、ポリマー材料を形成した。上記ポリマー材料は30kHzの超音波振動に30分間かけられ、導電性ポリマー材料1を得た。
【0075】
20gのメタノール中に、硬化剤として、0.5gの
【化9】
及び0.3gの
【化10】
が溶かされ、触媒として0.01gの
【化11】
が溶かされて絶縁材料1を得た。
【0076】
図1に示されるキャパシタアセンブリ9は導電性ポリマー材料1中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。キャパシタアセンブリ9は絶縁材料1中に5分間浸漬され、130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。固体電解質が形成された。
【0077】
固体キャパシタの準備は上記固体電解質を備えるキャパシタアセンブリ9を底のある箱に配し、箱を封止し、ワイヤを露出して完成した。
【0078】
[実施例2]
水100ml中の3.3gのポリスチレンスルホン酸に1gの
【化3】
が添加され、均一に撹拌され、その後30kHzの超音波振動に30分間かけた。酸化重合のために1.55gの過酸化水素が添加され、ポリマー材料を形成した。上記ポリマー材料は30kHzの超音波振動に30分間かけられ、導電性ポリマー材料2を得た。
【0079】
20gのメタノール中に、硬化剤として、0.5gの
【化12】
及び0.3gの
【化13】
が溶かされ、触媒として0.01gの
【化11】
が溶かされて絶縁材料2を得た。
【0080】
図1に示されるキャパシタアセンブリ9は導電性ポリマー材料2中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。キャパシタアセンブリ9は絶縁材料2中に5分間浸漬され、130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。固体電解質が形成された。
【0081】
固体キャパシタの準備は上記固体電解質を備えるキャパシタアセンブリ9を底のある箱に配し、箱を封止し、ワイヤを露出して完成した。
【0082】
[実施例3]
水100ml中の3.3gのポリスチレンスルホン酸に0.9gの
【化3】
及び0.1gの
【化14】
が添加され、均一に撹拌され、その後30kHzの超音波振動に30分間かけた。酸化重合のために1.55gの過酸化水素が添加され、ポリマー材料を形成した。上記ポリマー材料は30kHzの超音波振動に30分間かけられ、導電性ポリマー材料3を得た。
【0083】
10gの水中に0.1gのポリエチレングリコールを溶かし、絶縁材料3を得た。
【0084】
図1に示されるキャパシタアセンブリ9は絶縁材料3中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。キャパシタアセンブリ9は導電性ポリマー材料3中に5分間浸漬され、130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。固体電解質が形成された。
【0085】
固体キャパシタの準備は上記固体電解質を備えるキャパシタアセンブリ9を底のある箱に配し、箱を封止し、ワイヤを露出して完成した。
【0086】
[実施例4]
水100ml中の3.3gのポリスチレンスルホン酸に0.9gの
【化3】
及び0.1gの
【化15】
が添加され、均一に撹拌され、その後30kHzの超音波振動に30分間かけた。酸化重合のために1.55gの過酸化水素が添加され、ポリマー材料を形成した。上記ポリマー材料は30kHzの超音波振動に30分間かけられ、導電性ポリマー材料4を得た。
【0087】
10gのベンゼン中に0.1gのポリエチレングリコールを溶かし、絶縁材料4を得た。
【0088】
図1に示されるキャパシタアセンブリ9は絶縁材料4中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。キャパシタアセンブリ9は導電性ポリマー材料4中に5分間浸漬され、130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。固体電解質が形成された。
【0089】
固体キャパシタの準備は上記固体電解質を備えるキャパシタアセンブリ9を底のある箱に配し、箱を封止し、ワイヤを露出して完成した。
【0090】
[実施例5]
水100ml中の3.3gのポリスチレンスルホン酸に0.9gの
【化3】
及び0.1gの
【化16】
が添加され、均一に撹拌され、その後30kHzの超音波振動に30分間かけた。酸化重合のために1.55gの過酸化水素が添加され、ポリマー材料を形成した。上記ポリマー材料は30kHzの超音波振動に30分間かけられ、導電性ポリマー材料5を得た。
【0091】
10gのテトラヒドロフラン中に1gのポリウレタンを溶かし、絶縁材料5を得た。
【0092】
図1に示されるキャパシタアセンブリ9は導電性ポリマー材料5及び絶縁材料5の混合液中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。固体電解質が形成された。
【0093】
固体キャパシタの準備は上記固体電解質を備えるキャパシタアセンブリ9を底のある箱に配し、箱を封止し、ワイヤを露出して完成した。
【0094】
[実施例6]
水100ml中の3.3gのポリスチレンスルホン酸に0.9gの
【化3】
及び0.1gの
【化17】
が添加され、均一に撹拌され、その後30kHzの超音波振動に30分間かけた。酸化重合のために1.55gの過酸化水素が添加され、ポリマー材料を形成した。上記ポリマー材料は30kHzの超音波振動に30分間かけられ、導電性ポリマー材料6を得た。
【0095】
10gのテトラヒドロフラン中に0.2gのポリイミドを溶かし、絶縁材料6を得た。
【0096】
図1に示されるキャパシタアセンブリ9は導電性ポリマー材料6及び絶縁材料6の混合液中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。固体電解質が形成された。
【0097】
固体キャパシタの準備は上記固体電解質を備えるキャパシタアセンブリ9を底のある箱に配し、箱を封止し、ワイヤを露出して完成した。
【0098】
[実施例7]
水100ml中の3.3gのポリスチレンスルホン酸に0.9gの
【化3】
及び0.1gの
【化18】
が添加され、均一に撹拌され、その後30kHzの超音波振動に30分間かけた。酸化重合のために1.55gの過酸化水素が添加され、ポリマー材料を形成した。上記ポリマー材料は30kHzの超音波振動に30分間かけられ、導電性ポリマー材料7を得た。
【0099】
15gの水中に0.2gのカルボキシメチルセルロースを溶かし、絶縁材料7を得た。
【0100】
図1に示されるキャパシタアセンブリ9は導電性ポリマー材料7中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。キャパシタアセンブリ9は絶縁材料7中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。固体電解質が形成された。
【0101】
固体キャパシタの準備は上記固体電解質を備えるキャパシタアセンブリ9を底のある箱に配し、箱を封止し、ワイヤを露出して完成した。
【0102】
[実施例8]
水100ml中の3.3gのポリスチレンスルホン酸に0.9gの
【化3】
及び0.1gの
【化19】
が添加され、均一に撹拌され、その後30kHzの超音波振動に30分間かけた。酸化重合のために1.55gの過酸化水素が添加され、ポリマー材料を形成した。上記ポリマー材料は30kHzの超音波振動に30分間かけられ、導電性ポリマー材料8を得た。
【0103】
10gの水中に0.2gのカルボキシメチルセルロースを分散し、絶縁材料8を得た。
【0104】
図1に示されるキャパシタアセンブリ9は導電性ポリマー材料8中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。キャパシタアセンブリ9は絶縁材料8中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。固体電解質が形成された。
【0105】
固体キャパシタの準備は上記固体電解質を備えるキャパシタアセンブリ9を底のある箱に配し、箱を封止し、ワイヤを露出して完成した。
【0106】
[実施例9]
水100ml中の3.3gのポリスチレンスルホン酸に0.9gの
【化3】
及び0.1gの
【化20】
が添加され、均一に撹拌され、その後30kHzの超音波振動に30分間かけた。酸化重合のために1.55gの過酸化水素が添加され、ポリマー材料を形成した。上記ポリマー材料は30kHzの超音波振動に30分間かけられ、導電性ポリマー材料9を得た。
【0107】
10gの水中に0.01gのポリビニルアルコールを溶かし、絶縁材料9を得た。
【0108】
図1に示されるキャパシタアセンブリ9は導電性ポリマー材料9中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。キャパシタアセンブリ9は絶縁材料9中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。固体電解質が形成された。
【0109】
固体キャパシタの準備は上記固体電解質を備えるキャパシタアセンブリ9を底のある箱に配し、箱を封止し、ワイヤを露出して完成した。
【0110】
[実施例10]
水100ml中の3.3gのポリスチレンスルホン酸に0.9gの
【化3】
及び0.1gの
【化21】
が添加され、均一に撹拌され、その後30kHzの超音波振動に30分間かけた。酸化重合のために1.55gの過酸化水素が添加され、ポリマー材料を形成した。上記ポリマー材料は30kHzの超音波振動に30分間かけられ、導電性ポリマー材料10を得た。
【0111】
10gの水中に0.1gのポリアクリルアミドを溶かし、絶縁材料10を得た。
【0112】
図1に示されるキャパシタアセンブリ9は絶縁材料10中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。キャパシタアセンブリ9は導電性ポリマー材料10中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。固体電解質が形成された。
【0113】
固体キャパシタの準備は上記固体電解質を備えるキャパシタアセンブリ9を底のある箱に配し、箱を封止し、ワイヤを露出して完成した。
【0114】
[実施例11]
水100ml中の0.3gのポリスチレンスルホン酸に1gの
【化3】
が添加され、均一に撹拌され、その後30kHzの超音波振動に30分間かけた。酸化重合のために1.55gの過酸化水素が添加され、ポリマー材料を形成した。上記ポリマー材料は30kHzの超音波振動に30分間かけられ、導電性ポリマー材料11を得た。
【0115】
20gの水中に0.5gの二酸化チタンを分散し、絶縁材料11を得た。
【0116】
図1に示されるキャパシタアセンブリ9は絶縁材料11中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。キャパシタアセンブリ9は導電性ポリマー材料11中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。固体電解質が形成された。
【0117】
固体キャパシタの準備は上記固体電解質を備えるキャパシタアセンブリ9を底のある箱に配し、箱を封止し、ワイヤを露出して完成した。
【0118】
[実施例12]
水100ml中の0.3gのポリスチレンスルホン酸に1gの
【化3】
が添加され、均一に撹拌され、その後30kHzの超音波振動に30分間かけた。酸化重合のために1.55gの過酸化水素が添加され、ポリマー材料を形成した。上記ポリマー材料は30kHzの超音波振動に30分間かけられ、導電性ポリマー材料12を得た。
【0119】
20gの水中に0.1gのシリカを分散し、絶縁材料12を得た。
【0120】
図1に示されるキャパシタアセンブリ9は導電性ポリマー材料12中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。キャパシタアセンブリ9は絶縁材料12中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。固体電解質が形成された。
【0121】
固体キャパシタの準備は上記固体電解質を備えるキャパシタアセンブリ9を底のある箱に配し、箱を封止し、ワイヤを露出して完成した。
【0122】
[実施例13]
水100ml中の0.3gのポリスチレンスルホン酸に1gの
【化3】
が添加され、均一に撹拌され、その後30kHzの超音波振動に30分間かけた。酸化重合のために1.55gの過酸化水素が添加され、ポリマー材料を形成した。上記ポリマー材料は30kHzの超音波振動に30分間かけられ、導電性ポリマー材料13を得た。
【0123】
20gの水中に0.2gのアルミナを分散し、絶縁材料13を得た。
【0124】
図1に示されるキャパシタアセンブリ9は絶縁材料13中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。キャパシタアセンブリ9は導電性ポリマー材料13中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。固体電解質が形成された。
【0125】
固体キャパシタの準備は上記固体電解質を備えるキャパシタアセンブリ9を底のある箱に配し、箱を封止し、ワイヤを露出して完成した。
【0126】
[実施例14]
水100ml中の0.3gのポリスチレンスルホン酸に1gの
【化3】
が添加され、均一に撹拌され、その後30kHzの超音波振動に30分間かけた。酸化重合のために1.55gの過酸化水素が添加され、ポリマー材料を形成した。上記ポリマー材料は30kHzの超音波振動に30分間かけられ、導電性ポリマー材料14を得た。
【0127】
20gの水中に0.2gのインジウムスズ酸化物を分散し、絶縁材料14を得た。
【0128】
図1に示されるキャパシタアセンブリ9は導電性ポリマー材料14中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。キャパシタアセンブリ9は絶縁材料14中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。固体電解質が形成された。
【0129】
固体キャパシタの準備は上記固体電解質を備えるキャパシタアセンブリ9を底のある箱に配し、箱を封止し、ワイヤを露出して完成した。
【0130】
[実施例15]
水100ml中の0.3gのポリスチレンスルホン酸に1gの
【化3】
が添加され、均一に撹拌され、その後30kHzの超音波振動に30分間かけた。酸化重合のために1.55gの過酸化水素が添加され、ポリマー材料を形成した。上記ポリマー材料は30kHzの超音波振動に30分間かけられ、導電性ポリマー材料15を得た。
【0131】
20gの水中に0.1gの酸化亜鉛を分散し、絶縁材料15を得た。
【0132】
図1に示されるキャパシタアセンブリ9は絶縁材料15中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。キャパシタアセンブリ9は導電性ポリマー材料15中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。固体電解質が形成された。
【0133】
固体キャパシタの準備は上記固体電解質を備えるキャパシタアセンブリ9を底のある箱に配し、箱を封止し、ワイヤを露出して完成した。
【0134】
[実施例16]
水100ml中の0.3gのポリスチレンスルホン酸に1gの
【化3】
が添加され、均一に撹拌され、その後30kHzの超音波振動に30分間かけた。酸化重合のために1.55gの過酸化水素が添加され、ポリマー材料を形成した。上記ポリマー材料は30kHzの超音波振動に30分間かけられ、導電性ポリマー材料16を得た。
【0135】
20gの水中に0.1gのポリアクリルアミドを溶かして溶液を形成し、溶液中に0.5gの酸化亜鉛を分散して絶縁材料16を得た。
【0136】
図1に示されるキャパシタアセンブリ9は導電性ポリマー材料16中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。キャパシタアセンブリ9は絶縁材料16中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。固体電解質が形成された。
【0137】
固体キャパシタの準備は上記固体電解質を備えるキャパシタアセンブリ9を底のある箱に配し、箱を封止し、ワイヤを露出して完成した。
【0138】
[実施例17]
水100ml中の0.3gのポリスチレンスルホン酸に1gの
【化3】
が添加され、均一に撹拌され、その後30kHzの超音波振動に30分間かけた。酸化重合のために1.55gの過酸化水素が添加され、ポリマー材料を形成した。上記ポリマー材料は30kHzの超音波振動に30分間かけられ、導電性ポリマー材料17を得た。
【0139】
20gの水中に0.2gのポリビニルアルコールを溶かして溶液を形成し、溶液中に0.5gのシリカを分散して絶縁材料17を得た。
【0140】
図1に示されるキャパシタアセンブリ9は絶縁材料17中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。キャパシタアセンブリ9は導電性ポリマー材料17中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。固体電解質が形成された。
【0141】
固体キャパシタの準備は上記固体電解質を備えるキャパシタアセンブリ9を底のある箱に配し、箱を封止し、ワイヤを露出して完成した。
【0142】
[実施例18]
水100ml中の0.3gのポリスチレンスルホン酸に1gの
【化3】
が添加され、均一に撹拌され、その後30kHzの超音波振動に30分間かけた。酸化重合のために1.55gの過酸化水素が添加され、ポリマー材料を形成した。上記ポリマー材料は30kHzの超音波振動に30分間かけられ、導電性ポリマー材料18を得た。
【0143】
10gのテトラヒドロフラン中に0.2gのポリウレタンを溶かして溶液を形成し、溶液中に0.5gのアルミナを分散して絶縁材料18を得た。
【0144】
図1に示されるキャパシタアセンブリ9は導電性ポリマー材料18中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。キャパシタアセンブリ9は絶縁材料18中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。固体電解質が形成された。
【0145】
固体キャパシタの準備は上記固体電解質を備えるキャパシタアセンブリ9を底のある箱に配し、箱を封止し、ワイヤを露出して完成した。
【0146】
[実施例19]
水100ml中の0.3gのポリスチレンスルホン酸に1gの
【化3】
が添加され、均一に撹拌され、その後30kHzの超音波振動に30分間かけた。酸化重合のために1.55gの過酸化水素が添加され、ポリマー材料を形成した。上記ポリマー材料は30kHzの超音波振動に30分間かけられ、導電性ポリマー材料19を得た。
【0147】
20gの水中に0.2gのカルボキシメチルセルロースを溶かして溶液を形成し、溶液中に0.5gのインジウムスズ酸化物を分散して絶縁材料19を得た。
【0148】
図1に示されるキャパシタアセンブリ9は導電性ポリマー材料19及び絶縁材料19の混合液中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。固体電解質が形成された。
【0149】
固体キャパシタの準備は上記固体電解質を備えるキャパシタアセンブリ9を底のある箱に配し、箱を封止し、ワイヤを露出して完成した。
【0150】
[実施例20]
水100ml中の0.3gのポリスチレンスルホン酸に1gの
【化3】
が添加され、均一に撹拌され、その後30kHzの超音波振動に30分間かけた。酸化重合のために1.55gの過酸化水素が添加され、ポリマー材料を形成した。上記ポリマー材料は30kHzの超音波振動に30分間かけられ、導電性ポリマー材料20を得た。
【0151】
20gの水中に0.2gのカルボキシメチルセルロースを溶かして溶液を形成し、溶液中に0.5gの酸化亜鉛を分散して絶縁材料20を得た。
【0152】
図1に示されるキャパシタアセンブリ9は導電性ポリマー材料20及び絶縁材料20の混合液中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。固体電解質が形成された。
【0153】
固体キャパシタの準備は上記固体電解質を備えるキャパシタアセンブリ9を底のある箱に配し、箱を封止し、ワイヤを露出して完成した。
【0154】
[比較例1]
水100ml中の3.3gのポリスチレンスルホン酸に1gの
【化3】
が添加され、均一に撹拌され、その後30kHzの超音波振動に30分間かけた。酸化重合のために1.55gの過酸化水素が添加され、ポリマー材料を形成した。上記ポリマー材料は30kHzの超音波振動に30分間かけられ、導電性ポリマー材料21を得た。
【0155】
図1に示されるキャパシタアセンブリ9は導電性ポリマー材料21中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。固体電解質が形成された。
【0156】
固体キャパシタの準備は上記固体電解質を備えるキャパシタアセンブリ9を底のある箱に配し、箱を封止し、ワイヤを露出して完成した。
【0157】
[比較例2]
水100ml中の0.3gのポリスチレンスルホン酸に0.9gの
【化5】
及び0.1gの
【化15】
が添加され、均一に撹拌され、その後30kHzの超音波振動に30分間かけた。酸化重合のために1.55gの過酸化水素が添加され、ポリマー材料を形成した。上記ポリマー材料は30kHzの超音波振動に30分間かけられ、導電性ポリマー材料22を得た。
【0158】
図1に示されるキャパシタアセンブリ9は導電性ポリマー材料22中に5分間浸漬され、取り出されて130℃に加熱して乾燥された。上記のステップは3回繰り返された。固体電解質が形成された。
【0159】
固体キャパシタの準備は上記固体電解質を備えるキャパシタアセンブリ9を底のある箱に配し、箱を封止し、ワイヤを露出して完成した。
【0160】
[固体キャパシタの物理的特性テスト]
得られた固体キャパシタの容量は20℃、120Hzの周波数でHP4284A LCR計によって測定された。クロマモデル11200キャパシタリーク電流/絶縁抵抗計を用いて、得られた固体キャパシタの耐電圧及び特性を測定した。表1に測定結果のリストを示す。
【0161】
【表1】
【0162】
実施例1から20並びに比較例1及び2の結果から、絶縁材料を備えた固体キャパシタが高容量及び高耐電圧を有することが分かる。
【符号の説明】
【0163】
1 アノード箔
3 カソード箔
5a スペーサ部品
5b スペーサ部品
7a リード線
7b リード線
9 キャパシタアセンブリ
図1
図2
図3
図4
図5