特許第6055032号(P6055032)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッドの特許一覧

特許6055032携帯式電子機器の管理ボックス、キャビネットおよび管理方法
<>
  • 特許6055032-携帯式電子機器の管理ボックス、キャビネットおよび管理方法 図000002
  • 特許6055032-携帯式電子機器の管理ボックス、キャビネットおよび管理方法 図000003
  • 特許6055032-携帯式電子機器の管理ボックス、キャビネットおよび管理方法 図000004
  • 特許6055032-携帯式電子機器の管理ボックス、キャビネットおよび管理方法 図000005
  • 特許6055032-携帯式電子機器の管理ボックス、キャビネットおよび管理方法 図000006
  • 特許6055032-携帯式電子機器の管理ボックス、キャビネットおよび管理方法 図000007
  • 特許6055032-携帯式電子機器の管理ボックス、キャビネットおよび管理方法 図000008
  • 特許6055032-携帯式電子機器の管理ボックス、キャビネットおよび管理方法 図000009
  • 特許6055032-携帯式電子機器の管理ボックス、キャビネットおよび管理方法 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6055032
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】携帯式電子機器の管理ボックス、キャビネットおよび管理方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20161219BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20161219BHJP
   G06F 1/26 20060101ALI20161219BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   H02J7/00 301B
   H02J7/02 F
   G06F1/26 Z
   G06F1/16 313A
【請求項の数】14
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-123377(P2015-123377)
(22)【出願日】2015年6月19日
【審査請求日】2015年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106699
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 弘道
(72)【発明者】
【氏名】中垣 佳士
【審査官】 古河 雅輝
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−519948(JP,A)
【文献】 特開2008−295273(JP,A)
【文献】 特開平10−162241(JP,A)
【文献】 特開2011−125203(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3197575(JP,U)
【文献】 特開2003−131757(JP,A)
【文献】 特開2010−044500(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0110461(US,A1)
【文献】 国際公開第2012/003404(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/00
G06F 1/16− 1/18
G06F 1/26− 1/32
G06F 9/06
G06F 9/44− 9/445
G06F 9/48− 9/50
G06F 9/54−11/00
G06F 11/36
G06F 13/00
H02J 7/00− 7/12
H02J 7/34− 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の携帯式電子機器をマウントすることが可能な管理ボックスであって、
マウントされた前記複数の携帯式電子機器に充電電力を供給するボックス側電力供給部と、
複数の収納ラックを備えたキャビネットのいずれかの前記収納ラックに収納された状態で前記キャビネットから前記充電電力を受け取り、いずれの前記収納ラックにも収納されないときに外部電源から前記充電電力を受け取ることが可能なボックス側電力受取部と
を有する管理ボックス。
【請求項2】
前記携帯式電子機器がタブレット端末である請求項1に記載の管理ボックス。
【請求項3】
それぞれ前記携帯式電子機器をマウントする複数のスロットを有し、前記携帯式電子機器が前記スロットにマウントされた状態で前記ボックス側電力供給部がそれぞれの前記携帯式電子機器に電力を供給するように、それぞれの前記スロットが前記ボックス側電力供給部を有する請求項1に記載の管理ボックス。
【請求項4】
それぞれの前記スロットが、マウント状態の前記携帯式電子機器の両側の側面を弾力的に押さえる固定ブロックを有する請求項3に記載の管理ボックス。
【請求項5】
それぞれの前記スロットが、
前記携帯式電子機器を前記スロットの下方向に押し込んだときに前記固定ブロックを上方向にシフトさせるリンク機構と、
所定の位置で前記固定ブロックの上方向へのシフトを停止させるキー機構を有する請求項4に記載の管理ボックス。
【請求項6】
前記キー機構が深さの異なる複数のキー溝と該キー溝に係合するキーで構成され、前記携帯式電子機器を前記スロットの下方向に押し込んだときに前記固定ブロックが前記携帯式電子機器の側面で押圧されて左右外側方向にシフトし、シフトした位置において前記複数のキー溝のいずれかが前記キーに係合する請求項5に記載の管理ボックス。
【請求項7】
それぞれの前記スロットが、マウント状態の前記携帯式電子機器を吸着して前記スロットに保持するマグネットを有する請求項3に記載の管理ボックス。
【請求項8】
それぞれの前記スロットが、前記携帯式電子機器を前記スロットの下方向に押し込んだときに、前記携帯式電子機器に押圧された前記ボックス側電力供給部に弾力を付与する弾性部材を含む請求項3に記載の管理ボックス。
【請求項9】
前記携帯式電子機器の充電状態を表示する表示パネルを有する請求項1に記載の管理ボックス。
【請求項10】
前記表示パネルは前記携帯式電子機器が使用するデータの更新状態を表示する請求項9に記載の管理ボックス。
【請求項11】
前記管理ボックスが前記複数の携帯式電子機器をマウントした状態で人間が持ち運び可能である請求項1に記載の管理ボックス。
【請求項12】
前記携帯式電子機器を急速充電と通常充電のいずれかに切り換えて充電することが可能な充電器を有する請求項1に記載の管理ボックス。
【請求項13】
複数の携帯式電子機器をマウントすることが可能な管理ボックスであって、
それぞれ前記携帯式電子機器のマウントが可能でマウントされた前記携帯式電子機器の両側の側面を弾力的に押さえる固定ブロックを有する複数のスロットと、
前記携帯式電子機器を前記スロットの下方向に押し込んだときに前記固定ブロックを上方向にシフトさせるリンク機構と、
所定の位置で前記固定ブロックの上方向へのシフトを停止させるキー機構と、
マウントされた前記複数の携帯式電子機器に充電電力を供給するボックス側電力供給部と、
複数の収納ラックを備えたキャビネットのいずれかの前記収納ラックに収納された状態で前記キャビネットから前記充電電力を受け取るボックス側電力受取部と、
を有する管理ボックス。
【請求項14】
前記キー機構が深さの異なる複数のキー溝と該キー溝に係合するキーで構成され、前記携帯式電子機器を前記スロットの下方向に押し込んだときに前記固定ブロックが前記携帯式電子機器の側面で押圧されて左右外側方向にシフトし、シフトした位置において前記複数のキー溝のいずれかが前記キーに係合する請求項13に記載の管理ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の携帯式電子機器の充電状態やデータ更新などの管理を効率的にする技術に関し、さらには、複数の携帯式電子機器の複数のユーザへの配布を容易にする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ノートブック型パーソナル・コンピュータ、またはタブレット端末などの携帯式電子機器は、大型店舗、学校、または公衆の展示場のようなさまざまな場所で使用される。一般的に携帯式電子機器は個人が所有して充電状態やデータ更新などを所有者が管理するが、上述のような特定の場所では携帯式電子機器を法人が使用者に貸与する場合がある。このとき、ある目的に基づいて複数の携帯式電子機器をグループごとにカスタマイズして配布する場合がある。一例を挙げると、学校では教師が、事前に授業に沿った教材やアプリケーションをタブレット端末に導入してから生徒に配布することがある。
【0003】
このときある場面では、生徒をグループに分けて配布するタブレット端末にはグループごとに異なる教材を導入する。また、授業の開始前には回収しておいたすべてのタブレット端末の充電を完了しておく必要がある。特許文献1は、モバイル・コンピューティング装置を充電し、さらに、ネットワークに接続するためのカートを開示する。
【0004】
カートは、モバイル・コンピューティング装置を収納するキャビネット、給電システム、ファンおよびネットワーク接続システムなどを含む。キャビネットは、複数のモバイル・コンピューティング装置を収納する空間と給電システムに接続するためのドッキング・ステーションを備えている。また、キャビネットは車輪を備えて移動式になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2013−519948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
先に説明したような教育の場面ではこれまで、教師が各タブレット端末のUSBコネクタと充電器を個別に接続して充電をしていた。また、教材の導入も簡単ではなく柔軟性に欠けていた。タブレット端末に教材およびアプリケーション(以後両者を含めて、データという。)を導入し、充電を完了させておく作業は配布するタブレット端末の台数が増えるほど教師にとって大きな負担になっていた。
【0007】
特許文献1の発明では、比較的多い台数のタブレット端末を収納した状態のカートを人間が手で押して移動させるため、所定の台数ごとに小分けして運搬したい場合には機動性に欠ける面がある。特に、エレベータがない建物では、カートをタブレット端末の利用場所まで運ぶことは容易ではない。タブレット端末は、グループごとに1台ずつ配布したり、各生徒に配布したりするため、配布する台数も変化に富んでいる。したがって、携帯式電子機器の充電状態やデータの更新状態をより柔軟かつ簡単に管理し、かつ配布する方法が求められている。
【0008】
そこで本発明の目的は、複数の携帯式電子機器をマウントして充電することが可能な管理ボックスを提供することにある。さらに本発明の目的は、それぞれが複数の携帯式電子機器をマウントした複数の管理ボックスを収納して充電状態を管理することが可能なキャビネットを提供することにある。さらに、本発明の目的は、複数の携帯式電子機器の充電状態を管理する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様は、複数の携帯式電子機器をマウントすることが可能な管理ボックスを提供する。管理ボックスは、マウントされた複数の携帯式電子機器に充電電力を供給するボックス側電力供給部と、複数の収納ラックを備えたキャビネットのいずれかの収納ラックに収納された状態でキャビネットから充電電力を受け取るボックス側電力受取部とを有する。ボックス側電力供給部は、携帯式電子機器のコネクタに接続できるコネクタを含むことができる。ボックス側電力受取部は、キャビネットとケーブルで接続するコネクタを含むことができる。
【0010】
各管理ボックスは、それぞれ複数の携帯式電子機器をマウントした状態でキャビネットに収納することで、マウント状態の携帯式電子機器を充電することができる。管理ボックスを複数の携帯式電子機器をマウントした状態で人間が持ち運び可能な大きさおよび重量とすれば、ユーザは管理ボックスの単位で複数の携帯式電子機器を運搬することができて便利である。ボックス側電力受取部は、管理ボックスが収納ラックに収納されないときに外部電源から充電電力を受け取ることができるようにしてもよい。
【0011】
この場合、管理ボックスだけを使用してマウント状態の携帯式電子機器を充電することができる。携帯式電子機器は、USB規格に適合するタブレット・コネクタを備えたタブレット端末とすることができる。管理ボックスは、それぞれ携帯式電子機器をマウントする複数のスロットを有し、携帯式電子機器がスロットにマウントされた状態でボックス側電力供給部がそれぞれの携帯式電子機器に電力を供給するように、それぞれのスロットがボックス側電力供給部を備えるようにしてもよい。
【0012】
各スロットが、マウント状態の携帯式電子機器の両側の側面を弾力的に押さえる固定ブロックを有していれば、充電中に携帯式電子機器がスロットの中で移動するような事態を防ぐことができる。各スロットは、携帯式電子機器をスロットの下方行に押し込んだときに固定ブロックを上方向にシフトさせるリンク機構と、所定の位置で固定ブロックの上方向へのシフトを停止させるキー機構を有するようにしてもよい。
【0013】
このときキー機構を深さの異なる複数のキー溝とキー溝に係合するキーで構成し、携帯式電子機器をスロットの下方行に押し込んだときに固定ブロックが携帯式電子機器の側面で押圧されて左右外側方向にシフトし、シフトした位置において複数のキー溝のいずれかがキーに係合するようにしてもよい。これにより、携帯式電子機器の筐体の大きさに応じて固定ブロックが左右外側方向にシフトする量を変化させ、キーに係合するキー溝を変更することで、携帯式電子機器のサイズが異なってもマウント状態の携帯式電子機器の管理ボックスに対する側面の高さを整合させることができる。
【0014】
各スロットが、マウント状態の携帯式電子機器を吸着してスロット内に保持するマグネットを有していれば、携帯式電子機器を固定ブロックの押圧力に加えてより確実にスロット内に保持することができる。各スロットは、携帯式電子機器をスロットの下方向に押し込んだときに、携帯式電子機器に押圧されたボックス側電力供給部に弾力を付与する弾性体を含むようにしてもよい。弾性体を設けることでスロットにサイズの異なる携帯式電子機器を容易にマウントできるようになる。
【0015】
管理ボックスは、携帯式電子機器の充電状態を表示する表示パネルを有するようにしてもよい。表示パネルには、携帯式電子機器のデータの更新状態を表示することもできる。したがってユーザは、表示パネルをみて充電状態やデータ更新の点で利用に適した携帯式電子機器をマウントしている管理ボックスを見つけることができる。管理ボックスは、携帯式電子機器を急速充電と通常充電のいずれかに切り換えて充電することが可能な充電器を有するようにしてもよい。
【0016】
本発明の第2の態様は、それぞれが複数の携帯式電子機器をマウントして充電する複数の管理ボックスを収納することが可能なキャビネットを提供する。キャビネットは、管理ボックスを収納する複数の収納ラックと、収納状態の管理ボックスに充電電力を供給するキャビネット側電力供給部とを有する。キャビネットは複数の管理ボックスを収納して、同時に多数の携帯式電子機器を充電することができる。
【0017】
キャビネットは、管理ボックスがマウントする携帯式電子機器の充電状態を管理ボックスの単位で表示する表示パネルと、表示パネルに表示する画像データを生成するコントローラとを有していてもよい。ユーザは、表示パネルをみて、利用可能な携帯式電子機器のグループを管理ボックスの単位で探すことができる。
【0018】
コントローラは、管理用コンピュータが導入した携帯式電子機器のデータの更新状態を管理ボックスごとに表示するための画像データを生成することができる。ユーザは、表示パネルをみて、利用可能なデータが導入された携帯式電子機器のグループを管理ボックスの単位で探すことができる。キャビネットは複数の管理ボックスを収納した状態で人間による運搬を可能にする車輪を含むようにしてもよい。この場合、同時に多数の携帯式電子機器を容易に移動させることができる。
【0019】
本発明の第3の態様は、携帯式電子機器の充電が可能な管理ボックスにマウントされた複数の携帯式電子機器を管理用コンピュータが管理する方法を提供する。管理ボックスがマウントされた複数の携帯式電子機器を通常充電する。管理用コンピュータは、管理ボックスにマウントされた複数の携帯式電子機器の充電状態を認識する。管理用コンピュータは、充電状態に応じて所定の管理ボックスに対して急速充電の指示をする。これによりユーザは、管理ボックスの単位で充電時間を調整することができる。
【0020】
管理用コンピュータは、複数の携帯式電子機器のデータの更新状態を認識し、更新状態に応じて所定の管理ボックスがマウントする複数の携帯式電子機器に対して更新データを送付することができる。これによりユーザは、容易に複数の携帯式電子機器が使用するデータを更新することができる。管理用コンピュータがそれぞれ携帯式電子機器をマウントする複数の管理ボックスに接続されているときは、管理ボックスごとに異なる更新データを送付することができる。これによりユーザは、管理ボックスの単位でデータの更新をすることができるため、目的の異なる複数の利用者に携帯式電子機器を配布することが容易になる。
【発明の効果】
【0021】
本発明により、複数の携帯式電子機器をマウントして充電することが可能な管理ボックスを提供することができた。さらに本発明により、それぞれが複数の携帯式電子機器をマウントした複数の管理ボックスを収納して充電状態を管理することが可能なキャビネットを提供することができた。さらに、本発明により、複数の携帯式電子機器の充電状態を管理する方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】キャビネット100の構造の一例を説明するための斜視図である。
図2】バスケット200の構造の一例を説明するための斜視図である。
図3】タブレット端末300の一例を説明するための平面図および側面図である。
図4】バスケット200をマウントした状態のキャビネット100およびバスケット200を説明するための機能ブロック図である。
図5】バスケット200のスロット207の内部構成を説明するための模式的な断面図である。
図6】スロット207にタブレット端末300をマウントするときの様子を説明するための図である。
図7】スロット207にタブレット端末350aをマウントする様子を説明するための図である。
図8】キャビネット100およびバスケット200を利用してタブレット端末200を管理するための管理システム500、600を説明するための図である。
図9】管理システム500の動作の手順を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、キャビネット100の構造の一例を説明するための斜視図である。図2は、バスケット200の構造の一例を説明するための斜視図である。図3は、タブレット端末300の一例を説明するための平面図および側面図である。図4は、バスケット200をマウントした状態のキャビネット100およびバスケット200を説明するための機能ブロック図である。図2において、バスケット200は、それぞれ1台のタブレット端末300(図3)をマウントすることができる複数のスロット207を備えている。
【0024】
本発明において1個のバスケット200が保有するスロット207の数は限定しないが、バスケット200の大きさおよび重量は、すべてのスロット207にタブレット端末300をマウントした状態で一人の人間が容易に持ち運びできる範囲に制限すると利便性が向上する。重量は、一般的な小学生以上であれば持ち運びできる範囲が想定される場合もあれば、一般的な成人が持ち運びできる範囲が想定される場合もあり、すべてのスロット207にタブレット端末300をマウントした状態で、例えば数Kgから10数Kgが想定できる。ここでは、例示的に6個のスロット207を示している。スロット207は、上部の開放面からタブレット端末300を押し込んでマウントすることができる。ここにマウントとは、タブレット端末300のタブレット・コネクタ303(図3)をスロット207が保有するスロット・コネクタ253(図4図5)に接続するとともに、本体の自由な移動を制約してコネクタの接続が維持できるようにタブレット端末300をスロット207の内部に保持することを意味する。
【0025】
バスケット200は、キャビネット100の収納ラック101に収納した状態または単独状態で、マウント状態のタブレット端末300を充電することができる。キャビネット100に収納したときに前面に位置する側面201cには、表示パネル257、信号個別コネクタ203、および電源個別コネクタ205を配置している。内部にはバスケット・コントローラ251および充電器255を配置している。側面201a、201bには、それぞれ通風用のルーバ209を形成している。一例として人間が容易に持ち運びできるように、バスケット200の側面201a、201bには、運搬用のハンドル211を取り付けている。
【0026】
バスケット・コントローラ251は、管理用コンピュータ551(図8)とのインターフェース、キャビネット・コントローラ113とのインターフェース、CPU、RAM、ROM、およびUSBハブなどを含む。バスケット200の他の例では、表示パネル257、バスケット・コントローラ251および充電器255を設けないで、信号個別コネクタ203、電源個別コネクタ205を通じてキャビネット100からデータおよび充電電力を受け取るようにすることができる。この場合、バスケット・コントローラ251は、バスケット200に設けないでキャビネット・コントローラに組み込んだり、管理用コンピュータ551に組み込んだりできる。バスケット200の側面200cと各スロット207の頂部には、それぞれ目視で確認できるバスケット番号258またはスロット番号208を付している。バスケット・コントローラ251は、バスケット番号258と6個のスロット番号208に対応する識別子を保有する。
【0027】
バスケット・コントローラ251は、管理用コンピュータ551から受け取ったデータを、スロット・コネクタ253を通じてタブレット端末300に送付することができる。バスケット・コントローラ251は、各タブレット端末300から充電状態およびデータ更新状態の情報を取得して表示パネル257に表示する画像データを生成するとともに、情報をキャビネット・コントローラ113に通知する。バスケット・コントローラ251は充電器255の動作を制御する。
【0028】
表示パネル257は、一例において、バスケット200ごとにマウントするタブレット端末300の充電状態およびデータの更新状態を表示することが可能な液晶ディスプレイとすることができる。充電器255は、スロット・コネクタ253およびタブレット・コネクタ303を通じてタブレット端末300を充電する。充電器255は、バスケット・コントローラ251からの指示で所定の電流で充電する通常充電および通常充電よりも大きな電流で充電する急速充電の切り換えをすることができる。側面201a、201bに形成した2つのルーバ209は、放熱ファン・ユニット115が生成した空気流がスロット207の内部から放熱するための吸気口および排気口に相当する。
【0029】
図1において、キャビネット100は複数のバスケット200を収納するための複数の収納ラック101を含んでいる。収納ラック101の数は特に限定しないが、図1では6個の収納ラック101を例示している。前面パネル102cおよび側面パネル102a、102bには、それぞれ収納ラック101に対応する位置に開口を形成している。各収納ラック101には、前面パネル102cに形成した開口から1個のバスケット200を収納することができる。
【0030】
キャビネット100は、固定式でもよいが一例として底部に4個の車輪111を備えた移動式としている。移動式のキャビネット100の大きさおよび重量は、それぞれ6台のタブレット端末300をマウントした6個のバスケット200を収納した状態で一人の人間が手で押しながら安全かつ容易に移動させることができる範囲に制限すると利便性が向上する。
【0031】
収納ラック101には、収納したバスケット200が移動中に位置が変化しないように図示しないロック機構を設けることができる。前面パネル102cには、表示パネル121、信号1次コネクタ107、電源1次コネクタ109、および各収納ラック101に対応する位置に信号2次コネクタ103および電源2次コネクタ105を配置している。キャビネット100は、内部に電源装置119、放熱ファン・ユニット115、放熱ダクト117およびキャビネット・コントローラ113を配置している。キャビネット100の他の例では、キャビネット・コントローラ113および表示パネル121を設けないで、管理用コンピュータ551や外部電源からバスケット200に対して、コネクタ109、電源2次コネクタ105と信号1次コネクタ107、信号2次コネクタ103を通じて充電電力の供給とデータの送付をするようにしてもよい。この場合、キャビネット・コントローラ113は、キャビネット100に設けないで管理用コンピュータ551に組み込むことができる。
【0032】
表示パネル121は、一例において、バスケット200の単位でマウント状態の複数のタブレット端末300の充電状態およびデータの更新状態を表示する液晶ディスプレイとすることができる。信号1次コネクタ107には、管理用コンピュータ551を接続する。電源1次コネクタ109には、交流の外部電源501(図8)を接続する。バスケット200を収納したときにユーザは、信号ケーブル151(図4)で信号2次コネクタ103を信号個別コネクタ203に接続し、電源ケーブル153(図4)で電源2次コネクタ105を電源個別コネクタ205に接続する。
【0033】
電源装置119は、交流電圧を直流電圧に変換するためのAC/DCコンバータを含み、各バスケット200の充電器255に充電電力を供給し、放熱ファン・ユニット115に放熱ファンの駆動用の電力を供給する。放熱ファン・ユニット115は、バスケット200のスロット207から放熱するために、放熱ダクト117を通じて送風する。空気流は、放熱ダクト117、中央部のパネルに形成した開口131、および側面201a、201bのルーバ209を通じて外部に放出される。
【0034】
キャビネット・コントローラ113は、管理用コンピュータ551とのインターフェース、バスケット・コントローラ251とのインターフェース、CPU、RAM、ROM、およびUSBハブなどを含む。キャビネット・コントローラ113は、バスケット・コントローラ251からタブレット端末300の充電状態およびデータ更新状態の情報を取得して表示パネル121に表示するための画像データを生成することができる。
【0035】
図3において、タブレット端末300は不揮発性メモリに、管理システム500、600(図8)を構成するためのプログラムである管理用アプリケーション301を格納している。タブレット端末300は、側面351cに一例としてUSB規格に適合するタブレット・コネクタ303を配置し、その両側に係合溝305a、305bを形成している。タブレット端末300の筐体は金属材料で形成している。
【0036】
タブレット端末300の筐体は、一例において側面351a、351b間の長さL1が側面351c、351d間の長さL2よりも長く、平面的な形状が矩形になっている。図4は、3つのバスケット200を例示し、かつ、そのうちの1つのバスケットについてだけ内部構成を示している。この図から6個またはそれ以上のバスケット200を収納することが可能なキャビネット100の構成を理解することができる。スロット・コネクタ253は、図5に示すように各スロット207の底部に配置され、マウント状態でタブレット・コネクタ303に接続される。
【0037】
図5は、バスケット200に形成したスロット207の内部構成を説明するための模式的な断面図である。図5において、スロット207について、タブレット端末300を挿入するための開口の位置を上といい両側を左右ということにする。また、タブレット端末300をマウントする空間を内側といい、内側に対して側壁201a、201bを外側ということにする。図5は、タブレット端末300をマウントする前の状態(空き状態)を示している。
【0038】
固定ブロック401a、401bは、左右方向および上下方向に移動することができる。空き状態における固定ブロック401a、401bは、弾性部材425a、425bで下方向に弾力が付与され、弾性部材411a、411bにより左右内側方向に弾力が付与されている。固定ブロック401a、401bの内側の面には、薄い表面部材403a、403bとマグネット419a、419bが貼り付けられている。表面部材403a、403bは、タブレット端末300をスロット207にマウントする際に筐体の側面351a、351bを保護するとともに、図6図7に示すタブレット端末300、300aのマウント状態で、弾性部材411a、411bの弾力でスロット207内にタブレット端末300を確実に保持するための摩擦力を付与する。表面部材403a、403bはスポンジや軟質のゴムを成形して作成することができる。
【0039】
固定ブロック401a、401bの頂部には、内側のキー溝405a、405bと外側のキー溝407a、407bが形成されている。タブレット端末300が挿入されたときは、後に動作を説明するように、筐体の大きさに応じてキー溝405a、407aのいずれかがキー409aに係合し、キー溝405b、407bのいずれかがキー409bに係合する。具体的には、小型のタブレット端末が挿入されたときは外側のキー溝407a、407bが係合し、大型のタブレット端末が挿入されたときは内側のキー溝405a、405bが係合する。キー409a、409bに代えてキー溝を設け、キー溝405a、407a、405b、407bに代えて長さの異なるキーを設けるようにしてもよい。
【0040】
スロット207の底部には、縦スライダ413a、413b、突起415a、415b、スロット・コネクタ253、弾性部材417および横スライダ423a、423bを配置している。空き状態における縦スライダ413a、413bは、弾性部材421a、421bで上方向に弾力が付与されている。空き状態における横スライダ423a、423bは、弾性部材425a、425bで左右内側方向に弾力が付与されている。
【0041】
つぎに図6を参照して、スロット207にタブレット端末300をマウントするときの様子を説明する。図6は、タブレット端末300のマウント状態を示している。ユーザはタブレット端末300をタブレット・コネクタ303が下を向くように保持してスロット207に挿入していく。最初に筐体の側面351a、351bが表面部材403a、403bに接触する。
【0042】
表面部材403a、403bの間隔は、タブレット端末300の長さL1よりわずかに狭くなっている。タブレット端末300をさらに下に押し込んでいくと、固定ブロック401a、401bには、左右外側方向に広げようとする力が働く。タブレット端末300を、弾性部材411a、411bの弾力に抗してさらに押し込んでいくと、固定ブロック401a、401bは左右方向において、外側のキー溝407a、407bがキー409a、409bに係合できる位置で左右外側方向へのシフトが停止する。
【0043】
さらにタブレット端末300を押し込んでいくと突起415a、415bが係合溝305a、305bに係合する。また、弾性部材417がわずかに撓んでタブレット・コネクタ303とスロット・コネクタ253が接続を開始する。弾性部材411a、411b、417の弾力に抗してさらにタブレット端末300を押し込んでいくと、側面351cが縦スライダ413a、413bの頂部に当たって押し込む。
【0044】
タブレット端末300を、さらに弾性部材421a、421bの弾力に抗して押し込んでいくと、下方向にシフトした縦スライダ413a、413bは、横スライダ423a、423bを左右外側方向にシフトさせる。タブレット端末300を、さらに弾性部材425a、425bの弾力に抗して押し込んでいくと、横スライダ423a、423bは、固定ブロック401a、401bを上方向にシフトさせる。やがてキー溝407a、407bがキー409a、409bに係合すると、それ以上タブレット端末300を押し込むことができなくなって、ユーザはマウントが完了したことを知る。
【0045】
この時点に至るまでの間に、マグネット419a、419bが側面351a、351bに吸着し、タブレット・コネクタ303がスロット・コネクタ253に完全に接続されて、タブレット端末300のマウントが完了する。タブレット端末300は、筐体がマグネット419a、419bの吸着力と弾性部材411a、411bの弾力でスロット207の中に保持されるため、充電中にタブレット・コネクタ303とスロット・コネクタ253の接続が不完全になって発熱するような事態を防ぐことができる。タブレット端末300を弾性部材411a、411bの弾力と表面部材403a、403bの摩擦力、およびマグネット419a、419bの吸着力よりも大きい力でスロット207から引き出すと、内部の要素は弾性部材の作用で空き状態に戻る。
【0046】
図7は、スロット207にタブレット端末300aを挿入する様子を説明するための図である。図7はタブレット端末300aのマウント状態を示している。タブレット端末300aがタブレット端末300と異なる点は、筐体の長さL1、L2がタブレット端末300よりも大きい点だけである。タブレット端末300aは、長さL1がタブレット端末300よりも長いため、固定ブロック401a、401bは、左右方向において、キー溝405a、405bがキー409a、409bに係合できる位置まで左右外側方向にシフトする。
【0047】
また、キー溝405a、405bは、キー溝407a、407bよりも深いため、固定ブロック401a、401bの上方向へのシフト量は、タブレット端末300を挿入したときよりも多くなる。したがって、タブレット端末300aの長さL2がタブレット端末300より長くても、マウント状態におけるタブレット端末300、300aの側面351dのバスケット200に対する位置を一致させることができる。
【0048】
同一のバスケット200にサイズの異なるタブレット端末300、300aをマウントしたときであっても、マウント状態での側面351dの位置が一致していることは、美観的に好ましいだけでなく、マウント状態のタブレット端末300、300aの側面351dを押さえるストッパをバスケット200に容易に設けることを可能にする。また、収納ラック101の高さを必要以上に大きくする必要がなくなる。
【0049】
図8は、キャビネット100およびバスケット200を利用してタブレット端末200を管理するための管理システム500、600を説明するための図で、図9はその手順を説明するためのフローチャートである。ここでは、教育現場への適用方法の一例を説明するが、本発明は利用場面を限定する必要はなく、多数のタブレット端末を管理する広範囲な用途に適用することができる。ブロック701では、キャビネット100を教員室に配置する。
【0050】
図8(A)に示すように、教師はキャビネット100の信号1次コネクタ107に管理用コンピュータ551を接続し、電源1次コネクタ109に外部電源501を接続する。ブロック703で教師は、授業が終わって生徒から回収した複数のタブレット端末300、300aを図8(B)に示すようにバスケット200にマウントして教員室まで持ち運んでからキャビネット100に収納する。他の例ではブロック701でキャビネット100を教室の中に配置し、ブロック703で教師は複数のバスケット200を収納したキャビネット100を教室から教員室まで移動させる。
【0051】
いずれの方法を採用するかは、配布するタブレット端末300、300aの数で決めることができる。図8(A)においてキャビネット100は、複数のバスケット200を収納している。各バスケット200には、図5図7を参照して説明した手順で複数のタブレット端末300、300aがマウントされている。バスケット・コントローラ251は、マウントされたタブレット端末300、300aをスロット番号208の識別子に対応付けて認識している。ブロック705で教師は、バスケット200とキャビネット100を、信号ケーブル151と電源ケーブル153で接続する。ブロック706で充電電力が供給された充電器255は、通常充電でタブレット端末300の充電を開始する。
【0052】
管理用コンピュータ551は不揮発性記憶装置に、複数のタブレット端末300、300aを管理するためのプログラムである管理用アプリケーション553を格納している。ブロック707で教師は、管理用アプリケーション553を実行する。管理用コンピュータ551は、キャビネット100に収納されたバスケット200を認識してそれらがマウントするタブレット端末300を管理モードで動作させるための特定のコマンドをバスケット・コントローラ251に送る。
【0053】
バスケット・コントローラ251は、スロット・コネクタ253に接続されている複数のタブレット端末300、300aに対してコマンドを送って、管理モードで動作するように指示する。特定のコマンドを受け取ったタブレット端末300、300aは、管理用アプリケーション301を実行して管理モードで動作する。ブロック709で管理用コンピュータ551は、各タブレット端末300、300aからソフトウェアの更新情報、保有している教材の情報、急速充電の適応性に関する情報、および充電状態に関する情報などを受け取る。
【0054】
ブロック711で教師は、次の授業で使用する教材をキャビネット100、およびバスケット200を経由してタブレット端末300、300aに送る。教材は、キャビネット100が含むすべてのタブレット端末300、300aに対して共通していてもよいが、バスケット200の単位で異なる教材を送付することもできる。たとえば、バスケット番号#1がマウントする複数のタブレット端末300、300aには教材Aを送付し、バスケット番号#2がマウントする複数のタブレット端末300、300aには教材Bを送付することができる。
【0055】
これによって、教師はバスケット200の単位で異なる教材が導入されたタブレット端末300、300aを容易に生徒に配布することができる。このとき管理用コンピュータ551は、バスケット200の単位で異なるアプリケーションを導入することもできる。本発明における教材の送付には、タブレット端末300、300aの不揮発性メモリに直接格納することだけでなく、タブレット端末300、300aがアクセスできるクラウド環境に送付することも含む。前の生徒が使ったタブレット端末を他の生徒に配布する場合に、授業のデータが残っていることはプライバシーや公正の観点で望ましくない場合がある。残存データの消去も教師にとっては大きな負担であるが、管理用コンピュータ551は、それまでに使用したデータを消去することもできる。
【0056】
ブロック713で教師は、管理用コンピュータ551に、バスケット200ごとに次にタブレット端末300、300aを利用する時刻を入力する。管理用プログラム553は、特定のバスケット200がマウントする各タブレット端末300、300aの残容量と充電完了までの残存時間から当該バスケット200のタブレット端末300、300aに急速充電が必要と判断したときは、当該バスケット200のバスケット・コントローラ251に急速充電の指示をする。バスケット・コントローラ251は、管理用コンピュータ551から急速充電の指示を受け取ると、充電器255を急速充電モードで動作させる。
【0057】
複数のバスケット200に急速充電の指示をするときは、管理用コンピュータ551は、各バスケット200の電力が重畳して外部電源501、電源装置119のピーク電力が増加しないように、各バスケット200の急速充電の時間をシフトさせることができる。急速充電は電池の劣化を促進するために、管理用コンピュータ551は、次の利用まで充電時間に余裕のあるバスケット200については通常充電を維持する。
【0058】
管理モードで動作するタブレット端末300は、多くの時間帯でスリープ状態に遷移する。ブロック715でスリープ状態のタブレット端末300、300aは、定期的にウェイクアップして電池の残容量をバスケット・コントローラ251に通知する。またタブレット端末300、300aは、ウェイクアップのタイミングで管理用コンピュータ551が送付していたデータを受け取ることができる。バスケット・コントローラ251は受け取った残容量をキャビネット・コントローラ251に送る。
【0059】
ブロック717でバスケット・コントローラ251は表示パネル257にスロット番号ごとにタブレット端末300、300aの残容量と教材の導入状態を表示する。また、キャビネット・コントローラ113は表示パネル121に、バスケット番号ごとにタブレット端末300、300aの残容量を教材の導入状態を表示する。一例において、表示するバスケット番号ごとの残容量は、当該バスケット200がマウントする複数のタブレット端末300、300aのなかで最低の残容量とし、教材の導入状態は当該バスケットがマウントする複数のタブレット端末300、300aが共通して保存している最新の教材のタイトルとすることができる。
【0060】
ブロック719で教師は、つぎの授業のために生徒にタブレット端末300を配布する。これまでの手順で授業に使用するタブレット端末300の充電と教材の導入は完了している。教師はバスケット200に記されたバスケット番号213を目視して、キャビネット100から目的とするバスケット200を取り出し、図8(B)に示すように教室まで運ぶ。あるいは、複数のバスケット200を収納したキャビネット100を教室まで運んで、生徒にタブレット端末300を配布する。
【0061】
図8(C)に示す管理システム600は、信号個別コネクタ203、電源個別コネクタ205にそれぞれ管理用コンピュータ551および直流の外部電源601を接続して構成する。教師は、キャビネット100を利用しないでも、バスケット200の単位で複数のタブレット端末300、300aの充電とデータの更新を管理することができる。このとき、管理用コンピュータ551は、バスケット200ごとに異なる教材を送付することで、複数のタブレット端末300、300aに対して目的別に教材を導入して配布することができる。教師は、バスケット200の単位で教材を管理することでタブレット端末300、300aに導入されている教材を容易に識別することができる。
【0062】
これまで、キャビネット100およびバスケット200の内部を有線の電力系統で構成した例を説明したが、キャビネット113からバスケット200に対して、およびバスケット200からタブレット端末300、300aに対して非接触電力伝送をするようにしてもよい。この場合、非接触電力伝送を可能にするために、各コネクタに相当するものとして、非接触で電力を伝送するコイル、コンデンサ、アンテナ等の構成を設ける。例えば、ボックス側電力供給部、ボックス側電力受取部、キャビネット側電力供給部として、スロット・コネクタ253、電源個別コネクタ205、電源2次コネクタ105の代わりに非接触で電力を供給あるいは受取ることができるコイル、コンデンサ、アンテナ等の構成を設ける。
【0063】
また、信号伝送のための各コネクタの代わりに、無線で信号の送信と受信を行うアンテナ等を用い、管理用コンピュータ551からタブレット端末300、300aまでの信号伝送またはバスケット200からタブレット端末300、300aまでの信号伝送を無線で行ってもよい。さらに、電力の供給や電力の受け取りと、信号の伝送とを共通のコネクタ等で構成するようにしてもよい。管理用コンピュータ551からキャビネット113に充電モードの指示をする例を示したが、表示パネル121、257をタッチスクリーンで構成して、キャビネット100またはバスケット200に対してユーザが直接指示するようにしてもよい。バスケット200とキャビネット100をケーブルで接続する例を説明したが、バスケット200を収納したときに自動的に接続するコネクタをバスケット200とキャビネット100に設けるようにしてもよい。
【0064】
これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
【符号の説明】
【0065】
100 キャビネット
101 収納ラック
103 信号2次コネクタ
105 電源2次コネクタ
107 信号2次コネクタ
109 電源2次コネクタ
111 車輪
113 キャビネット・コントローラ
115 放熱ファン・ユニット
117 放熱ダクト
119 電源装置
121 表示パネル
200 バスケット
203 信号個別コネクタ
205 電源個別コネクタ
207 スロット
251 バスケット・コントローラ
253 スロット・コネクタ
255 充電器
257 表示パネル
300、300a タブレット端末
301 管理用アプリケーション
303a、303b キー溝
303 タブレット・コネクタ
401a、401b 固定ブロック
403a、403b 表面部材
405a、405b 大型のタブレット端末用のキー溝
407a、407b 小型のタブレット端末用のキー溝
409a、409b キー
413a、413b 縦スライダ
415a、415b 突起
417 弾性部材
419a、419b マグネット
423a、423b 横スライダ
500、600 管理システム
501、601 外部電源
551 管理用コンピュータ
【要約】
【課題】複数の携帯式電子機器をマウントして充電およびデータ更新をする管理ボックスを提供する。
【解決手段】バスケット200は、それぞれタブレット端末をマウントする複数のスロット207を備える。スロットの底部には、タブレット端末に接続可能なコネクタを配置している。バスケットは、表示パネル257、信号個別コネクタ203、電源個別コネクタ205、充電器255、バスケット・コントローラ257などを含む。複数のタブレット端末をマウントしたバスケットは、複数の収納ラックを備えるキャビネットのいずれかの収納ラックに収納することができる。バスケットは、信号個別コネクタ、電源個別コネクタでキャビネットに接続され、キャビネット経由で管理用コンピュータや外部電源に接続される。信号個別コネクタ、電源個別コネクタには、直接管理用コンピュータおよび外部電源を接続することができる。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9