(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遊技価値を使用するゲームを実行可能であり、当該ゲームにて入賞した場合に遊技価値を付与する遊技機であって、遊技者にとって通常状態よりも有利な遊技状態であり、終了したことを直接的に特定可能な遊技信号が出力対象とされない遊技状態であってゲーム数が変動する可能性のある特別状態を発生可能な遊技機の遊技情報を管理対象とする遊技情報管理システムにおいて、
遊技機側から出力される遊技信号であって、実行されたゲーム数、入賞役、使用された遊技価値、及び入賞した場合に付与された遊技価値の内、少なくとも1つの遊技情報を特定可能な遊技情報信号によって遊技情報を特定する遊技情報特定手段と、
遊技機側から出力される遊技信号であって、前記特別状態が開始したことを特定可能な特別状態開始信号によって前記特別状態が開始したことを特定する開始特定を行う開始特定手段と、
前記開始特定後に特定される期間であって予め設定される終了期間特定条件により特定される終了判定期間において、前記遊技情報特定手段により特定される遊技情報である終了判定情報と、当該終了判定情報に対して予め設定される終了基準情報とを比較することで、前記特別状態が終了したことを特定する終了特定を行う終了特定手段と、
前記開始特定から前記終了特定までの期間を前記特別状態が発生している期間である特別状態期間として特定する特別状態特定手段と、
前記特別状態期間において前記遊技情報特定手段により特定された遊技情報、及び前記特別状態が発生した回数である特別状態発生回数の内、少なくとも一方である特別状態情報を管理する遊技情報管理手段と、
遊技機側から出力される経過期間を示す遊技情報である経過情報を特定可能な経過信号によって特定される経過情報であって、前記特別状態期間における経過期間を示す特別経過情報を特定する経過情報特定手段と、
前記経過情報特定手段により特定される特別経過情報と、当該特別経過情報に対して予め設定される前記特別経過情報の基準を示す基準特別経過情報とを比較した結果に応じて、前記終了特定手段による前記終了特定を抑制する抑制処理を行う抑制手段と、
を備えたことで、前記遊技機にて前記特別状態が発生している期間において前記特別経過情報が前記基準特別経過情報より少ない場合に前記終了特定を抑制することを特徴とする遊技情報管理システム。
前記遊技機は、前記特別状態期間において特定のゲーム数を実行することで成立する終了条件が予め設定される一方、通常状態よりも遊技者にとって有利であって前記特別状態とは異なるボーナス状態を前記特別状態期間において発生可能であり、更に、前記特別状態期間に前記ボーナス状態が発生し、その後に前記特別状態を再開する場合に、前記終了条件を成立させるための残りゲーム数を持越す第1遊技機と、持越さない第2遊技機とに区分され、
前記遊技情報特定手段は、遊技機側から出力されるボーナス状態を特定可能なボーナス信号によりボーナス状態が発生したことを特定可能であり、
前記抑制手段は、前記特別状態期間において前記遊技情報特定手段により前記ボーナス状態が発生したことが特定され、その後、再度前記特別状態の開始特定があった場合に、前記第1遊技機に対して前記抑制処理を行う場合には、前記ボーナス状態発生前から持越された前記特別経過情報と、前記基準特別経過情報とを比較した結果に応じて前記抑制処理を行う一方、前記第2遊技機に対して前記抑制処理を行う場合には、前記ボーナス状態発生前から持越されない前記特別経過情報と前記基準特別経過情報とを比較した結果に応じて前記抑制処理を行うことを特徴とする請求項1記載の遊技情報管理システム。
前記遊技機は、前記特別状態の発生に応じて特別状態が開始したことを示す特別状態信号を出力可能であり、前記特別状態信号を、連続的に発生した特別状態である連荘特別状態については出力対象とせずに、通常状態から先の特別状態が発生することなく発生した特別状態である初回特別状態については出力対象とする第1出力遊技機と、前記連荘特別状態、及び前記初回特別状態のいずれについても出力対象とする第2出力遊技機とに区分けされ、
前記開始特定手段は、前記遊技情報信号を前記特別状態開始信号として前記開始特定を行う第1開始特定と、前記特別状態信号を前記特別状態開始信号として前記開始特定を行う第2開始特定とを実行可能であり、
前記制御手段は、前記第1出力遊技機に対して前記開始特定が行われる場合には、前記第1開始基準情報を前記開始基準情報とした第1開始特定を抑制する一方、前記第2出力遊技機に対して前記開始特定が行われる場合には、前記第1開始基準情報、及び前記第2開始基準情報を前記開始基準情報とした第1開始特定を抑制することを特徴とする請求項3記載の遊技情報管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態による遊技情報管理システムについて、
図1から
図15を参照しながら説明する。
図1は、遊技情報管理システム1の全体構成を概略的に示している。遊技情報管理システム1が設けられている遊技場内には、複数台の遊技機2が設置されている。本実施形態の場合、遊技機2は所謂スロットマシンを想定している。各遊技機2には、貸出装置3及び情報表示装置4がそれぞれ付設されており、これら遊技機2や貸出装置3及び情報表示装置4は、中継装置5に接続されている。中継装置5は、LAN6を介して管理装置7に接続しており、遊技機2や貸出装置3等の遊技機2側の機器から出力される後述する遊技信号は、中継装置5によって管理装置7に送信される。管理装置7は、遊技場内の例えば事務所等に設置されており、モニタ8等が接続されている。尚、遊技場内には、例えば数百台の遊技機2が設置されており、管理装置7の管理対象となっている。
【0018】
遊技機2は、表示窓2a、スタートレバー2b、ストップボタン2c、液晶部2d、メダル投入口2e及びBETボタン2f等が設けられている。遊技者は、表示窓2aを通じて内部に設けられたリールの図柄を視認可能となっている。各図柄は、
図2に示すように、左リール、中リール及び右リールの円周面に描かれてり、各リールが停止した状態では、表示窓2aの上段、中段及び下段に対応して停止表示される。即ち、遊技機2には、各リールそれぞれについて3図柄ずつ、合計9図柄分の図柄表示領域が形成されている。遊技機2は、遊技者によってメダル投入口2eからメダル(遊技価値に相当する)を投入、或いは、BETボタン2fを操作することでクレジットメダル(遊技価値に相当する)が所定枚数(例えば通常状態では3枚)投入された状態でスタートレバー2bが操作されると(ゲームが開始されると)、内部抽選を実行すると共にリールの変動を開始させ、ストップボタン2cを操作することによって所謂引込制御(予め規定された引込範囲例えば4図柄までにある図柄を有効ライン上に引込んで停止表示させる制御)によってリールの変動を停止する。
【0019】
図3は、遊技機2に設定されている内部当選役の役構成を示している。遊技機2には、所謂ボーナス役としてのBB(ビッグボーナス)役及びRB(レギュラーボーナス)役、所謂小役としての5枚役A〜F、15枚役、2枚役、1枚役A及び1枚役B、及びリプレイ役が設けられている。遊技機2には、
図4に示すように、合計4本(表示窓2aの上段、中段に対応した横方向に1本ずつの2本、及び斜め方向の2本)の有効ライン1〜4が設けられている。遊技者によるストップボタン2cの操作によってこれらの有効ライン1〜4のうち何れかの有効ライン上に内部当選役に対応する図柄が揃ったとき、即ち、有効ライン上に停止表示された図柄の組合せが内部当選役に対応する図柄の組合せと一致したときに入賞が発生する。そして、入賞が発生した場合には、対応する枚数のメダルの払出(遊技価値の付与)、或いは後述するBB状態やRB状態へ移行等が行われる。尚、遊技機2では、1ゲーム当たりのメダルの投入枚数(BET数)は遊技状態によらず3枚に設定されている。
【0020】
また、遊技機2は、ゲーム開始時の内部抽選において、0〜65535の間で発生する乱数のうち1つを抽出し、抽出した乱数と図示しない抽選テーブルとを照合することにより、内部当選であるか否かを判定している。
図5は、遊技機2に設定されている内部当選設定テーブル、即ち、内部抽選における各役に割り振られている乱数の数を示している。この内部当選テーブルは、後述する遊技機2の遊技状態に応じて設けられている。例えば、通常状態では、BB役及びRB役に対して64個、5枚役が2種類同時当選する5枚役A+5枚役B〜Fにそれぞれ1952個、2枚役に128個、1枚役A及び1枚役Bにそれぞれ4096個、リプレイ役Aに8978個、リプレイ役Bに4096個、はずれに38350個の乱数が割り振られている。
【0021】
この遊技機2は、図示しない設定値操作部から内部当選確率等を規定するための例えば「1」〜「6」の6段階の設定値が設定され、そのうち1つの設定値を有効化することにより、所謂出玉率が理論値として設定される。遊技機2は、この設定値の値が大きいほど、例えばボーナス役の内部当選確率が高くなる等、遊技者にとって有利になる。尚、例えば
図5に示す内部当選テーブルを設定値に対応付けて複数設け、設定された設定値により内部当選テーブルを選択することで遊技者の有利と不利とを調整可能にする構成であっても良い。
ここで、遊技機2の遊技状態について説明する。遊技機2は、通常状態、ボーナス状態(BB状態又はRB状態)、及びART状態(特別状態に相当する)の3つの遊技状態が設けられている。以下、ART状態を単にARTと称する。
【0022】
遊技機2は、通常は通常状態となっており、BB役又はRB役の入賞に応じてBB状態又はRB状態に移行する。BB状態は420枚を越えるメダルの払出によって終了し、RB状態は110枚を越えるメダルの払出によって終了する。BB状態又はRB状態が終了すると、遊技機2は、通常状態に移行する。
ARTは、後述するように遊技者にストップボタン2cの操作順序を報知するAT状態(アシストタイム。特定状態に相当する)と、リプレイ役の内部当選確率が通常よりも向上するRT(リプレイタイム)状態とが複合して発生している遊技状態である。遊技機2は、RT中に終了役(本実施形態では1枚役A又は1枚役B)が入賞するとRTを終了するので、ART中に終了役が入賞した場合にはATとなる(パンクする)。このパンクが、特別状態を終了させる第2終了条件に相当する。
一方、AT終了後のRT中に終了役が入賞した場合には通常状態に移行する。
【0023】
遊技機2は、リプレイ役Bの入賞に応じてRTに移行するものの、リプレイ役Bはリプレイ役Aと当選乱数の一部が重複して設定されており、リプレイ役Bに内部当選しても右リールを最初に停止しないとリプレイ役Aが入賞するようになっている。また、遊技機2は、通常状態において例えば1ゲーム毎にATを発生させるためのAT抽選を行っており、AT抽選に当選するとリプレイ役Bの入賞操作を補助する報知を行うATを発生させる。そして、ATが発生すると、リプレイ役Bの入賞操作を補助する報知(開始役報知)が行われるので、ARTが発生する。尚、通常状態時に右リールを最初に停止させた場合にはAT抽選を行わない等のペナルティがあるので、例えば毎回右リールを最初に停止させて仮にリプレイ役Bが入賞したとしても、ATが伴わないRTとなり、後述するようにそのRTは程なく終了することになる。
【0024】
遊技機2は、AT中には、5枚役Aが複数ライン(複数の有効ライン上)にて入賞し、15枚の払出を得るためのストップボタン2cの操作順序を、遊技機2の液晶部2dにて報知する。即ち、1ゲームの払出枚数が15枚であるAT役の入賞操作(AT役入賞操作)を補助する報知(AT役報知)を行い、遊技者がその報知通り操作すればAT役が入賞し、操作しなければAT役でない一般役(払出枚数が5枚)が入賞する。また、遊技機2は、AT中には一枚役A及び1枚役Bのいずれが内部当選したのかを報知する。即ち、終了役の非入賞操作(終了役の入賞を防止する操作)を補佐する報知(終了役報知)を行い、遊技者がその報知の通り操作すれば終了役入賞を防止出来る。
【0025】
遊技機2は、ART発生時等に抽選により決定されたATゲーム数を実行するまでATを継続し、ATゲーム数を実行するとATを終了してRTへと移行する。このATゲーム数の実行が、特別状態を終了させる第1終了条件に相当する。尚、ATが重複していないRTでは終了役報知が行われないため、遊技者は終了役入賞を防止出来ない(より厳密には、終了役入賞を防止出来る可能性が著しく低下する)。このため、ATが終了するとほどなくRTも終了する。ATゲーム数の抽選は、上記した遊技機2の設定値により変更可能である。本実施形態では、設定値が「6」の場合の平均ATゲーム数が70ゲームに設定されており遊技者にとって最も有利となり、設定値が「1」の場合の平均ATゲーム数が50ゲームに設定されており遊技者にとって最も不利となるように、設定値に応じて段階的に遊技者の遊技度が異なっている。尚、抽選されるATゲーム数の最低値は30ゲームとなっており、ARTが発生すれば少なくとも30ゲームはARTが継続する。
【0026】
次に、5枚役について説明する。5枚役Aは単独で内部当選(単独当選)する場合と、5枚役B〜Fのいずれか1つと同時に内部当選(同時当選)する場合との全部で6通りの設定が設けられている。尚、5枚役Aの単独当選は、
図5に示すようにボーナス状態中のみである。遊技機2では、5枚役Aは、単独当選及び同時当選のいずれの場合にも、実際に入賞するのは5枚役Aのみである。但し、5枚役B〜Fの何れか1つと同時当選した場合には、その組み合わせと押し順に応じてベル図柄(5枚役Aの図柄。
図3参照)が中リールの上段或いは中段に停止表示するように制御されるので、上段に停止した場合(有効ライン1本で入賞)には5枚(一般役)、中段に停止した場合(有効ライン3本で入賞)には15枚(AT役)のメダルが払出される。尚、5枚役Aの単独当選時は、押し順に関わらずベル図柄が中リールの中段に停止する。
【0027】
具体的には、5枚役Aは、以下の場合に中段で停止し、その他の場合に上段で停止する。尚、「左」、「中」、「右」及び矢印は、それぞれどのリールをどの順序で停止するかを示しており、例えば「左」→「中」→「右」であれば、左リールを最初に停止し、続いて中リールを停止し、最後に右リールを停止することを意味している。
・5枚役A+5枚役Bが同時当選:中リールを最初に停止(中→左→右、又は中→右→左の順に停止)
・5枚役A+5枚役Cが同時当選:左→中→右の順に停止
・5枚役A+5枚役Dが同時当選:左→右→中の順に停止
・5枚役A+5枚役Eが同時当選:右→中→左の順に停止
・5枚役A+5枚役Fが同時当選:右→左→中の順に停止
このように、AT役操作報知では、操作するストップボタン2cの押し順がゲーム開始時等に報知される。このため、AT中(及びART中)には遊技者が何れかの役を入賞させる可能性が高くなる一方、はずれとなる可能性は低くなる。
【0028】
貸出装置3は、
図1に示すように、最上部に動作状態を示す動作ランプ3a、その下方に貨幣投入口3b、下部にメダル払出口3cを備えている。動作ランプ3aは、不具合が生じた場合等に点灯し、従業員に不具合の発生等を報知する。この貸出装置3は、遊技者が貨幣投入口3bに有価価値(例えば貨幣)を投入すると、メダル払出口3cから投入された有価価値に応じた数のメダルを遊技機2に貸し出す。
これら遊技機2側の機器からは、以下に示すような遊技信号が出力される。
・アウト信号:遊技機2から出力(遊技情報信号、経過信号に相当する)。ゲームの開始操作に応じBET状態のメダルを使用したとしてBET状態のメダル数(3枚)分がパルス出力されるので、アウト信号数×1がアウト(使用媒体数。使用された遊技価値に相当する)となる。尚、リプレイ役入賞に応じた開始操作時にも対応分を出力する。
【0029】
・セーフ信号:遊技機2から出力(遊技情報信号、経過信号に相当する)。メダルが1枚払出される毎に1パルス出力されるので、セーフ信号数×1がセーフ(払出媒体数。付与された遊技価値に相当する)となる。尚、リプレイ役入賞時にも、そのゲームに使用されたメダル分を出力する。つまり、リプレイ役入賞時には、一旦3枚のメダルが遊技者に付与され、付与された3枚のメダルが自動で(実際の払出は伴わないで)BETされたものとして、セーフ信号が出力される。
・BB信号、RB信号:遊技機2から出力(遊技情報信号に相当する)。対応するボーナス状態(BB状態又はRB状態)中にレベル出力されるので、信号を受信すればボーナス状態であると特定し、信号受信期間をボーナス状態として特定する。
【0030】
・売上信号:貸出装置3から出力。貸出メダル5枚(100円相当)毎に1パルス出力されるので、売上信号数×100が売上金額となる。尚、対価となる有価価値としては現金等の有価価値は勿論、所謂貯玉(貯メダル)等の有価価値も含まれる。即ち、所謂再プレイにより貸出されるメダルを貸出メダルとしても良い。
・ART開始信号:遊技機2から出力(特別状態開始信号に相当する)。ARTの開始時点で1パルス出力されるが、遊技機2の機種により対象となるARTが異なっている。具体的には、
図6に示すように、例えば機種Aの遊技機2では、初回ART及び連荘中ARTがART開始信号の出力対象となっている。
図6では、「○」が出力対象、「×」が非出力対象を示している。初回ARTは、通常状態からARTへ移行したとき(準備段階を介する場合も含む)にART開始信号が出力されることを意味している。
【0031】
遊技機2は、ART中等にARTを継続するか否かを抽選する継続抽選を行っており、継続抽選に当選、即ち、予め定められた継続条件が成立した場合には、ARTが継続する。その後ATゲーム数の実行が終了すると、終了役報知のみを行わないATとなる。ATとなると、ほどなくしてRTは終了するものの、AT役報知によりAT役が入賞するためART程ではないにしろ、通常状態よりも遊技者にとって有利な状態となる。この状態が、準備状態に相当する。そして、この準備状態において開始役報知によりリプレイ役Bが入賞すると、ARTが再開する。このような場合が連荘によるARTの再開であり、
図6の連荘中ARTに対応する。また、連荘中ARTが「○」の機種のみ、この連荘による再開時にART開始信号を出力する。尚、遊技場には、初回ART及び連荘中ARTのいずれもART開始信号を出力しない機種Cのような遊技機も存在する。
【0032】
情報表示装置4(遊技情報特定手段、開始特定手段、終了特定手段、特別状態特定手段、遊技情報管理手段、経過情報特定手段、抑制手段、制御手段に相当する)は、
図1に示すように、データ表示部41(表示手段)を備えている。情報表示装置4は、図示しないCPU、ROM、RAM、信号を送受信する入出力部等を備えたマイクロコンピュータで構成されており、例えばROM等に記憶されている制御プログラムに従って作動する。この情報表示装置4は、遊技機2側の機器から出力される各種の遊技信号を受信して各種の遊技情報を集計すると共に、受信した遊技信号を管理装置7へ転送する。また、情報表示装置4は、集計した遊技情報及び管理装置7から取得した各種の情報を、
図7及び
図8に示すようにデータ表示部41に表示する。
【0033】
図7は、ART中の表示態様の一例を示しており、データ表示部41の液晶画面部4aには、状態表示部4b及び各種の情報表示部4c〜4fが設けられている。尚、データ表示部41は、液晶に限らず例えば有機ELのような表示器を採用してもよい。状態表示部4bは、遊技機2の遊技状態を表示し、
図7の場合、遊技機2がARTであることが示されている。情報表示部4cは、当日のBB状態及びRB状態の発生回数並びにスタート回数を表示する。情報表示部4d〜4fは、遊技機2の遊技状態に対応した情報、例えば、情報表示部4dにはARTの発生回数及びボーナス状態の連荘回数、情報表示部4eにはART中の差数(連荘中獲得数。ART中における後述する特別差数。
図13参照)、情報表示部4fにはART中に実行されたゲーム数(後述する特別ゲーム数。
図13参照)が表示されている。これらの遊技情報は、スイッチ類4gの操作により切換可能である。また、情報表示装置4には、遊技場の従業員を呼び出す呼出ボタン4hも設けられている。
【0034】
一方、
図8は、通常状態における表示態様の一例を示しており、液晶画面部4aには、情報表示部5a〜5fが設けられている。情報表示部5aには当日及び1日前のボーナス状態の発生回数、情報表示部5bには差数の推移グラフ、情報表示部5cにはARTの発生回数、情報表示部5dにはゲーム数(後述する終了後G数、総ゲーム数、総特別ゲーム数)、情報表示部5eには遊技場からのメッセージ等のテロップが表示される。また、情報表示部5fには、発生した最新を左端側として発生順のゲーム数の推移が、発生した特別状態の種類と終了後G数(1目盛り100ゲーム)を目盛りにて、特別状態の種類を示す情報と共に表示されていると共に、ARTについては特別ゲーム数が数値にて表示されている。また、終了後G数が後述する連荘G数以下で次のボーナス状態等が発生した場合には連荘と対応付け、連荘表示5gのような連荘中の特別状態の発生回数(
図8では最新を含む6回=「6連荘」)の表示が行われる。
【0035】
情報表示装置4は、例えばARTが発生した場合には、情報表示部5cに示されるART回数(特別状態情報のうち、特別状態発生回数に相当する)を更新し、情報表示部5fに示されるボーナス後のゲーム数とARTの発生を示す情報とを追加して更新する。また、ARTの終了後には特定される特別ゲーム数をさらに追加すると共に情報表示部5dの総特別ゲーム数を更新する。尚、ART中には
図7に示す表示態様に切り替わるため、
図8の表示の更新は実際にはART後に行われるものであるが、情報表示装置4は、遊技情報の更新そのものは随時行っている。
【0036】
管理装置7(遊技情報特定手段、開始特定手段、終了特定手段、特別状態特定手段、遊技情報管理手段、経過情報特定手段、抑制手段、制御手段に相当する)は、図示しないCPU、ROM、RAM、信号を送受信するための入出力部、及び、HDD等の記憶手段を備えたコンピュータで構成されており、ROMやHDD等に記憶されている制御プログラムに従って作動する。この管理装置7は、遊技機2側の機器から送信される上記したような各種の遊技信号に基づいて遊技情報を集計する。管理装置7は、周知のように、例えば遊技機2が通常状態であるかボーナス状態であるかの特定、或いは差枚数(=セーフ−アウトで算出)、出玉率(=セーフ÷アウトで算出)、売上げ(=貸出メダルや売上金額)、ゲーム回数等の遊技情報を特定している。
【0037】
次に、上記した遊技情報管理システム1の作用について説明する。
情報表示装置4は、上記したように遊技情報の集計を行っていると共に、以下に説明するように、特別状態(本実施形態の場合、ART)の開始又は終了の特定、並びに、特別状態である期間(=特別期間。特別状態期間に相当する)の特定を行っている。そして、情報表示装置4は、特別状態等の特定を行うために、
図9に示す設定情報を設定及び記憶している。この設定情報には、以下の項目が記憶されている。また、この設定情報は遊技機2の機種毎に設定されており、情報表示装置4は、
図9に示す設定情報を設定することで、第1特別状態発生遊技機と第2特別状態発生遊技機とを区分けしている。また、遊技情報に基づいてARTの開始又は終了を判定することを第1判定と称し、ART開始信号に基づいてARTの開始を判定することを第2判定と称する。
【0038】
・設定アウト:ゲームを特定するためのアウト。アウトがこの設定値分更新される毎にゲームを特定する。尚、1ゲームの最大BET数(本実施形態では3枚)を基準として設定する。
・判定ゲーム:特別状態の終了を判定するための判定期間に対応するゲーム数(終了期間特定条件に相当する)。判定時点からこの設定値だけ遡った期間を判定期間(終了判定期間に相当する)として特定する。
・第1はずれゲーム、第2はずれゲーム:判定期間におけるはずれゲーム(ゲーム間セーフ=0の非入賞ゲームの数。終了判定情報、基準特別経過情報に相当する)に対する基準値(終了基準情報に相当する)。はずれゲーム数とこの設定値とを比較することで特別状態の終了特定を行う。尚、第1はずれゲーム(第1開始基準情報に相当する)は通常状態から発生する初回ART、第2はずれゲーム(第2開始基準情報に相当する)は準備期間から発生する連荘ARTの開始を判定するための基準値。
【0039】
・第1再判定値、第2再判定値:終了特定後の判定状態となった場合に、判定期間内のはずれゲームの数と比較することで持越し条件が成立したとして判定状態を持越すための基準値。第1再判定値は初回ART、第2再判定値は連荘ARTの開始判定時に参照する基準値。尚、終了判定時には第2はずれゲームを再判定値として参照し、第2再判定値は終了判定時のはずれゲームとして参照されるが、兼用せずに各々第3の設定値を設定しても良い。また、第1再判定値及び第2再判定値は、各々はずれゲームよりも大きな値に設定すれば良いので、はずれゲームから減算する値を設定しても良い。同様に、第3の設定値を設定した場合には、第3再判定値は第3はずれゲームよりも小さな値となれば良いので、第3はずれゲームに加算する値を設定しても良い。
【0040】
・出力形式:ART開始信号の出力形式(
図6参照)を示しており、遊技機2のスペックに応じて、ART開始信号を出力しない「出力無し」、初回ARTの開始時には出力するが連荘ARTの開始時には出力しない「初回のみ」、初回ART及び連荘ARTのいずれも出力する「毎回」を設定する。また、「初回のみ」が設定された遊技機2が第1出力遊技機に相当し、「毎回」が設定された遊技機2が第2出力遊技機に相当する。
・ゲーム継続フラグ:対象となる遊技機2が、ART中にボーナス状態が発生し、その後にARTを再開する場合にその後の残りゲーム数をボーナス状態の発生時から継続する遊技機2(第1遊技機に相当する)であるのか、継続せずに始めから(初期化して)再開する遊技機2(第2遊技機に相当する)であるのかを特定するための設定値(フラグ)。遊技機2のスペックに応じて、継続する場合には「1」、継続しない場合には「0」を設定する。
【0041】
・連荘G数:ボーナス状態又はART終了後のゲーム数(終了後G数)に対する設定値(基準終了経過情報に相当する)。終了後G数がこの設定値以下で新たにボーナス状態やARTが発生した場合に連荘として両者を対応付ける。また、終了後G数がこの設定値未満で発生したARTを連荘ART、設定値以上で発生したARTを初回ARTとして特定する。準備状態に想定されるゲーム数を想定して設定する。
・基準ゲーム:ARTゲーム数(特別経過情報に相当する。ARTの開始特定後に実行されたゲーム数)に対する基準値で、はずれゲームによる終了判定を開始する条件を示す設定値。ART発生時に少なくとも実行するゲーム数(最低ARTG数)の対応値を設定する。尚、
図9の場合、最低ARTG数が30Gであることから判定ゲームを加算した40Gを設定しているが、最低ARTG数をそのまま設定して、最低ARTG数までのゲームについて小役履歴を作成しない或いは参照しない様にしても良い。
尚、連荘G数及び基準ゲーム等は対応する期間を特定出来る値であれば良いことから、設定対象としてゲームだけではなく、アウトやセーフ等の他の遊技情報を採用したり経過時間を採用したりするようにしても良い。
【0042】
情報表示装置4は、上記した第1はずれゲーム、第2はずれゲーム、第1再判定値及び第2再判定値を、以下の様な状況を考慮して設定している。
図10(A)は、遊技機2のスペック等により想定される遊技状態により区分けした判定期間中のはずれゲームを示しており、
図10(B)は、後述する判定処理の判定対象により区分けした各判定結果を得るためのはずれゲームを示している。また、
図10(B)の「切替G」は遊技状態が切替わった旨、例えば開始判定であればARTの開始、終了判定であればARTの終了を特定しても良いと考えられるはずれゲームを示し、「持越G」は持越条件が成立した旨、「継続G」は仮判定が誤判定であるとして仮判定状態の終了を特定しても良いと考えられるはずれゲームを各々示している。
【0043】
例えば、ある遊技機2のスペックが、
図10(A)に示すように、通常状態で想定される判定期間中のはずれゲーム(その遊技状態において、後述する
図12に示すゲーム履歴に記憶されるはずれゲームの数)が6〜10ゲーム(6〜10G)、準備状態(AT)で想定されるはずれゲームが4〜5ゲーム、特別状態(ART)で想定されるはずれゲームが0〜3ゲームであったとする。この場合、ARTの初回開始時(
図11(B)の「初回開始」)は通常状態から少なくとも準備状態へと移行した旨を判定すれば良いので、準備状態に対応したはずれゲームの上限(5G)未満の0〜4Gを「切替」Gとし、準備状態の上限(5G)から通常状態の下限(6G)の間の5〜6Gを判定し難いはずれゲームとして「持越G」とし、通常状態の下限(6G)を超過している7〜10Gを「継続G」とすれば良いことが分かる。
【0044】
また、連荘開始時(
図11(B)の「連荘開始」)は準備状態から特別状態へと移行した旨を判定すれば良いので、特別状態の上限(3G)未満の0〜2Gを「切替G」、特別状態の上限(3G)から準備状態の下限(4G)の間の3〜4Gを「持越G」、準備状態の下限(4G)を超過している5〜10Gを「継続G」とすれば良いことが分かる。
同様に、特別状態終了時(
図11(B)の「終了」)は特別状態から少なくとも準備状態へと移行した旨を判定すれば良いので、準備状態の下限を超過している5〜10Gを「切替G」、特別状態の上限から準備状態の下限までの間の3〜4Gを「持越G」、特別状態の上限未満の0〜2Gを「継続G」とすれば良いことが分かる。
【0045】
このようにARTゲームが基準ゲームを超過していることを条件として終了判定を行うので、通常状態への移行ではなく、準備状態への移行を基準とした少し厳し目の設定が可能となり判定精度を高めることが可能となる。同様に終了後ゲーム数(終了経過情報に相当する)が連荘ゲームを超過していることを条件として開始判定の基準を変更するので、初回開始時にART開始の特定漏れを防ぎつつ、連荘中に準備状態のまま連荘ARTが開始したと判定する誤判定を防止出来、その判定精度を高めることが可能となる。
尚、以上を考慮して
図9の設定情報を設定すると、判定の性能上、連荘開始の継続Gと終了の切替G、及び連荘開始の切替Gと終了の継続Gとが、各々同範囲となるので、
図9では終了判定時に採用するための第3の設定値としてのはずれゲームを第2再判定値で兼用し、第3の再判定値を第2はずれゲームにて兼用している。
【0046】
この情報表示装置4は、遊技信号に基づいて、
図12に示すゲーム履歴(経過情報、終了判定情報、特別期間においては特別経過情報に相当する)を更新及び記憶している。このゲーム履歴には、過去10ゲーム分に対応する以下の項目が、所謂先入れ先出し方式にて更新されつつ履歴として記憶されている。
・状況:そのゲームが入賞ゲームであったか(「入賞」)、又は、はずれゲームであったか(「はずれ」)。
・ゲーム間セーフ:そのゲームにおいて付与されたメダルの数(セーフ)。
【0047】
図12(A)の場合、例えば「今回」を含めて「3回前」までのゲームは、ゲーム間セーフが0枚の非入賞ゲーム(はずれゲーム)であることが示されており、「4G前」のゲームはゲーム間セーフが3枚の入賞ゲームであったことが示されている。つまり、情報表示装置4は、ゲームにより付与されたメダルがある入賞ゲーム、及びゲームにより付与されたメダルが無い非入賞ゲームのいずれであるかを特定可能に区分けしていると共に、区分けされた結果に基づいて入賞ゲーム、及び非入賞ゲームのいずれであるかを特定可能な履歴情報を記憶している。尚、
図12では、はずれゲームの「ゲーム間セーフ」をハッチングにて識別可能に示している。
このゲーム履歴は、特別状態の判定処理に用いられる履歴であり、
図12に示す特別状態判定処理、
図13に示す特別状態開始判定処理、及び
図13に示す特別状態終了判定処理を実行することによって更新される。尚。
図11〜
図13のフローチャートには示していないが、
図7及び
図8に示した遊技情報は随時更新されている。
【0048】
情報表示装置4は、
図12に示す特別状態判定処理において、ボーナスフラグ(ボーナス状態が発生すると1が設定される)が0であるか(A1)、アウト信号を入力したか(A2)、セーフ信号を入力したか(A12)、ボーナス信号が入力されたか(A17)を判定しており、ボーナス状態ではなく(A1:YES)、いずれの信号も入力していない場合には(A2:NO、A12:NO、A17:NO)、リターンする。
遊技者によりゲームが実行されると、遊技機2からは上記した遊技信号が出力されるので、情報表示装置4は、ボーナス状態ではない遊技状態(通常状態やART)において(A1:YES)、アウト信号が入力された場合には(A2:YES)、ゲームアウト(累計のアウト)を加算した後(A3)、前回ゲームの終了時よりゲームアウトが設定アウト(3枚)分更新されたかを判定する(A4)。そして、設定アウト分のゲームアウトの更新があれば(A4:YES)、ゲームが開始されたと特定する。尚、ゲームアウトの差が設定アウト分ではない場合には(A4:NO)、ゲームの開始が特定出来ないとしてリターンする。
【0049】
ゲームが開始されたと特定すると、情報表示装置4は、ゲーム間セーフが0より大きいかを判定する(A5)。ここで、ゲーム間セーフは、セーフ信号が入力された場合(A12:YES)に加算される(A13)データである。即ち、情報表示装置4は、ステップA4でゲームが開始されたことを特定した場合には、ステップA5において前回のゲームで、即ち前回のゲームの開始を特定してから今回のゲームの開始を特定するまでの間にセーフがあったか否か(メダルの付与があったか否か)を判定している。
情報表示装置4は、ゲーム間セーフが0より大きい場合、即ち、ゲームにより付与されたメダルが有る場合には(A5:YES)、最新ゲームを入賞とし(A7)、例えば
図11(A)に示すゲーム履歴に「入賞」と記憶する。一方、ゲーム間セーフが0以下の場合、即ち、ゲームにより付与されたメダルが無い場合には(A5:NO)、最新ゲームをはずれとし(A6)、ゲーム履歴に「はずれ」を記憶する。このように、情報表示装置4は、遊技信号によって、ゲームの実行を特定すると共に、そのゲームにより付与されたメダルの有無を特定している。
【0050】
メダルの有無を特定すると、情報表示装置4は、次回の判定に影響を与えないようにゲーム間セーフを初期化した後(A8)、特別状態開始判定処理を実行する(A8)。このステップA8において、情報表示装置4は、
図13に示す特別状態開始判定処理を実行し、ART開始信号が入力されたかを判定する(B1)。このとき、ART開始信号が入力された場合には(B1:YES)、仮フラグを0にすると共に、ARTフラグを1にして(B18)、ARTの開始を特定する。つまり、ARTは、ART開始信号に基づいて開始特定される。尚、ARTフラグは、ARTである旨を特定した場合に1になるフラグであり、通常状態では0になっている。
【0051】
これに対して、情報表示装置4は、ART開始信号が入力されていなければ(B1:NO)、
図9の出力形式が「毎回」であるかを判定する(B2)。ここで、以降の処理は出力形式により分岐するものの、説明の簡略化のため、出力形式が「出力無し」の場合について処理の流れをまず全体的に説明し、その後、出力形式が「毎回」又は「初回のみ」の遊技機2について「出力無し」との相違点を説明する。以下、このステップB2における処理の分岐点を便宜的に「分岐点A」と称し、後述するステップB15における処理の分岐点を便宜的に「分岐点B」と称する。
【0052】
<出力形式=「出力無し」の場合>
遊技情報の集計対象がART開始信号を出力対象としない(
図9に示す出力形式が「出力無し」)の遊技機2の場合、情報表示装置4は、以下のようにしてARTの開始特定及び終了特定を行っている。情報表示装置4は、上記した分岐点Aにおいて、出力形式が「出力無し」であるので(B2:NO)、ARTフラグが0であるかを判定する(B3)。ARTフラグは通常は0であるので(B3:YES)。続いて、ゲーム履歴内のゲーム(ゲーム履歴に記憶されているゲーム数)が判定ゲームより小さいかを判定し(B4)、小さい場合には(B4:YES)、リターンする。つまり、情報表示装置4は、このステップB4において、前回の判定を行ってから判定期間が経過したか否かを判定しており、判定期間が経過していない場合には、そのままリターンする。
【0053】
特別状態開始判定処理からリターンすると、情報表示装置4は、
図12に示す特別状態判定処理において特別状態終了判定処理を実行する(A10)。この特別状態終了判定処理では、
図14に示すように、ARTフラグが1であるかを判定し(C1)、この時点ではARTフラグ=0であるので(C1:NO)、そのままリターンする。特別状態終了判定処理からリターンすると、情報表示装置4は、
図12に示す特別状態判定処理において、ゲーム履歴を更新(ゲーム履歴に新規レコードを作成)する(A11)。これにより、例えば
図11(B)に示すようにゲーム履歴が更新される。
【0054】
さて、遊技者により次のゲームが実行されると、情報表示装置4は、
図12に示す特別状態判定処理において特別状態開始判定処理(A9)を実行し、再びゲーム履歴内のゲームが判定ゲームに達したかを判定する(B1:NO、B2:NO、B3:YES、B4)。このとき、未だゲーム履歴内のゲームが判定ゲーム未満である場合には(B4:YES)、同様の処理を繰り返す。
【0055】
これに対して、ゲーム履歴内のゲームが判定ゲーム以上になった(判定ゲームに達した)場合には(B4:NO)、終了後ゲーム数が連荘G数を超えているかを判定し(B5)、終了後ゲーム数が連荘G数を超えていれば、つまり、連荘でないと判定できる状況であれば(B5:YES)、今回は出力形式が「出力無し」であるので(B15:NO)、ゲーム履歴内の「はずれ」が第1はずれゲーム未満であるかを判定する(B16)。通常状態では
図10(A)に示すように判定期間において想定されるはずれゲーム数が多いので、ゲーム履歴内の「はずれ」が第1はずれゲームを超えている可能性が高く(B16:NO)、また、この時点では仮フラグ(ARTの開始又は終了を仮特定したときに1なるフラグ)も0であるので(B21:NO)、そのままリターンする。そして、上記したように
図14に示す特別状態終了判定処理を実行し(A10)、ゲーム履歴を更新する(A11)。
【0056】
情報表示装置4は、遊技者によりゲームがさらに実行され、ボーナス状態になることなく特別状態開始判定処理(A9)が実行された際、判定期間が経過しており(B1:NO、B2:NO、B3:YES、B4:NO)、終了後ゲーム数が連荘G数を超えていれば(B5:YES、B15:NO)、上記したステップB16においてゲーム履歴内の「はずれ」が第1はずれゲーム未満であると(B16:YES)、情報表示装置4は、ARTが発生した可能性があるとして、仮フラグが0であるので(B17:NO)、仮フラグを1にする(B20)。これにより、ARTの開始が仮特定される。そして、
図11(C)に示すようにゲーム履歴を初期化して(B24)、リターンする。ここで、ステップB24においてゲーム履歴を初期化しているのは、次の判定期間におけるARTの終了特定に影響を与えないようにするためである。つまり、情報表示装置4は、終了後ゲーム数が連荘G数を超えていれば、第1はずれゲームを参照してARTの開始を仮特定する。
【0057】
情報表示装置4は、遊技者によりさらにゲームが実行されて次の判定期間が経過し(B1:NO、B2:NO、B3:YES、B4:NO)、終了後ゲーム数が連荘G数を超えた場合には(B5:YES、B15:NO)、ゲーム履歴内の「はずれ」が第1はずれゲーム未満であれば(B16:YES)、仮フラグが1であるので(B17:YES)、仮フラグを0にすると共にARTフラグを1にする(B18)。つまり、情報表示装置4は、連続する2回の判定期間において、共にゲーム履歴内の「はずれ」が第1はずれゲーム以上となった場合には、ARTが開始されたと判定して(本特定して)、ARTフラグを1にする(ARTの開始特定を行う)。続いて、ART回数を計数し(B19)、ゲーム履歴を初期化して(B24)、リターンする。
【0058】
このように、情報表示装置4は、ARTの開始を仮特定した後には、第1はずれゲームを参照してARTの開始を特定する(ARTの開始特定を行う)。また、通常状態においてARTの開始特定を行うことが、初回ARTの開始判定に相当し、遊技情報に基づいてARTの開始特定を行うことが第1開始特定に相当する。このとき、情報表示装置4は、その表示を、
図7に示すART中の表示態様に切り替える。
【0059】
また、情報表示装置4は、2回目の判定期間(即ち、仮フラグ=1の状態)においてゲーム履歴内の「はずれ」が第1はずれゲーム未満である場合には(B16:NO)、仮フラグが1であるので(B21:YES)、ゲーム履歴内の「はずれ」が第1再判定値を超えているかを判定し(B22)、超えていれば(B22:YES)、先の特定が誤りであったとして、仮フラグを0にして(B23)、ゲーム履歴を初期化した後(B24)、リターンする。一方、ゲーム履歴内の「はずれ」が第1再判定値を超えていない場合には(B22:NO)、ゲーム履歴を初期化して(B24)リターンする。つまり、仮フラグを0にすることなくリターンすることで、次の判定期間に判定を持越している。
【0060】
さて、情報表示装置4は、ARTの開始を特定した状態(ARTフラグ=1の状態)でリターンするとステップA8において特別状態終了判定処理を実行し、ARTフラグが1であることから(C1:YES)、ARTゲーム数(ARTの開始特定を行った後に実行されたゲーム数)が基準ゲームを超えたかを判定し(C2)、超えていなければ(C2:NO)、そのままリターンする。つまり、情報表示装置4は、ARTゲーム数が基準ゲーム数未満である場合には、ART中であると判定する。
【0061】
これに対して、情報表示装置4は、ARTゲーム数が基準ゲームを超えたと判定すると(C2:YES)、ゲーム履歴内のゲームが判定ゲーム未満であるかを判定し(C3)、つまり、判定期間が経過したかを判定し、判定期間が経過していない場合には(C3:YES)、リターンする。一方、情報表示装置4は、ゲーム履歴内のゲームが判定ゲームを超えたと判定すると(C3:NO)、つまり、判定期間が経過したと判定すると、ゲーム履歴内の「はずれ」が第2再判定値を超えたかを判定する(C4)。このとき、ゲーム履歴内の「はずれ」が第2再判定値を超えると(C4:YES)、仮フラグが0であるので(C10:NO)、仮フラグを1にする(C9)。つまり、情報表示装置4は、ART中と判定している状態においてゲーム履歴内の「はずれ」が多くなった場合には、ARTが終了した可能性があるとして、ARTの終了を仮特定する。その後、次の判定期間に影響を与えないようにゲーム履歴を初期化して(C8)、リターンする。
【0062】
情報表示装置4は、この状態(ARTフラグ=1且つ仮フラグ=1の状態)で次の判定期間が経過したときに(C1:YES、C2:YES、C3:NO)、再度ゲーム履歴内の「はずれ」が第2再判定値を超えた場合には(C4:YES)、仮フラグが1であることから(C10:YES)、仮フラグ及びARTフラグを0にする(C11)。つまり、情報表示装置4は、連続する2回の判定期間においてゲーム履歴内の「はずれ」が第2再判定値を超えた場合には、ARTが終了したと判定(本特定)する(ARTの終了特定を行う)。
【0063】
このように、情報表示装置4は、ARTの終了特定を行っている。このとき、情報表示装置4は、その表示を、
図8に示す通常状態の表示態様に切り替える。
尚、情報表示装置4は、2回目の判定期間(即ち、仮フラグ=1の状態)においてゲーム履歴内の「はずれ」が第2再判定値未満である場合には(C4:NO)、仮フラグが1であるので(C5:YES)、ゲーム履歴内の「はずれ」が第2はずれゲーム未満であるかを判定する(C6)。そして、ゲーム履歴内の「はずれ」が第2はずれゲームを超えている場合には(C6:YES)、先の仮特定が誤りであったとして、仮フラグを0にして(C7)、ゲーム履歴を初期化した後(C8)、リターンする。一方、ゲーム履歴内の「はずれ」が第2はずれゲームを超えていない場合には(C6:NO)、次の判定期間に判定を持越すために仮フラグを0にすることなく、ゲーム履歴だけを初期化して(C8)、リターンする。また、情報表示装置4は、ART中は上記したようにリプレイ役の入賞率が高まりはずれゲームが少ないので、判定期間が経過しても(C3:YES)実際のARTが終了するまではゲーム履歴内の「はずれ」が第2再判定値を超えることなく(C4:NO)、仮フラグも0のままであるので(C5:NO)そのままリターンする。
【0064】
このように、情報表示装置4は、ART開始信号を出力対象としない遊技機2に対して、ARTの開始と終了とを、遊技情報に基づいて間接的に特定している(第1判定)。
尚、情報表示装置4は、次の判定期間が経過したときに(B1:NO、B2:NO、B3:YES、B4:NO)、終了後ゲーム数が連荘G数を超えていない場合には(B5:NO)、つまり連荘の可能性がある場合には、ゲーム履歴内の「はずれ」が第2はずれゲーム未満であるかを判定し(B6)、第2はずれゲーム未満であれば(B6:YES)、仮フラグが0であれば(B7:NO)、仮フラグを1にして(B10)ARTが開始されたと仮判定し(連荘ARTを仮特定し)、ゲーム履歴を初期化して(B14)、リターンする。そして、連荘ARTを仮特定した状態で遊技者によりゲームが実行され、終了後ゲーム数が連荘G数を超えていない状態で(B5:NO)、ゲーム履歴内の「はずれ」が第2はずれゲーム未満になると(B6:YES)、仮フラグが1であるので(B7:YES)、仮フラグを0にすると共に、ARTフラグを1にして(B8)、ARTの開始を特定(本特定)し、ART回数の計数(B9)及びゲーム履歴の初期化(B14)を行った後、リターンする。このように、情報表示装置4は、連荘の可能性がある期間においては、第2はずれゲームを参照してARTの開始を仮特定する(連荘ARTの開始特定を行う)。尚、説明を省略したが、連荘中にも上記したARTの終了特定は行われている。
【0065】
また、情報表示装置4は、上記したステップB6において、ゲーム履歴内の「はずれ」が第2はずれゲームを超えていれば(B6:NO)、仮フラグが1であるので(B11:YES)、ゲーム履歴内の「はずれ」が第2再判定値を超えているかを判定する(B12)。そして、第2再判定値を超えていなければ(B12:NO)、判定を持越すために、ゲーム履歴を初期化した後(B14)、リターンする。一方、ゲーム履歴内の「はずれ」が第2再判定値を超えている場合には(B12:YES)、先の仮特定が誤りであったとして、仮フラグを0にし(B13)、ゲーム履歴を初期化した後(B14)リターンする。
【0066】
<出力形式=「初回のみ」の場合>
情報表示装置4は、
図9の設定情報に示す出力形式が「初回のみ」の遊技機2(第1出力遊技機)に対して、以下のようにしてARTの開始特定及び終了特定を行っている。尚、ARTの終了特定については上記した出力形式=「出力無し」の遊技機2と共通するので、即ち、遊技信号に基づいて間接的に特定しているので説明を省略する。
情報表示装置4は、
図13に示す特別状態開始判定処理において、ART信号が入力されずに判定期間が経過し(B1:NO、B2:NO、B3:YES、B4:NO)、終了後ゲーム数が連荘G数を超えた場合には(B5:YES)、分岐点B(ステップB15)において、出力形式が「初回のみ」であるので(B15:YES)、そのままリターンする。つまり、情報表示装置4は、第1出力遊技機に対しては、ステップB15以降の処理(第1はずれゲームを参照する第1開始特定)を行わない(抑制する)。
このように、情報表示装置4は、ART開始信号が初回ARTのときのみ出力される遊技機2に対しては、ART開始信号に基づいて直接的に初回ARTの開始特定(第2判定)を行うと共に、遊技信号に基づいて連荘ARTの開始特定及び終了特定(第1判定)を行っている。
【0067】
<出力形式=「毎回」の場合>
情報表示装置4は、
図9の設定情報に示す出力形式が「毎回」の遊技機2(第2出力遊技機)に対して、以下のようにしてARTの開始特定及び終了特定を行っている。尚、ARTの終了特定については上記した出力形式=「出力無し」の遊技機2と共通するので、即ち、遊技信号に基づいて間接的に特定しているので説明を省略する。
情報表示装置4は、
図13に示す特別状態開始判定処理の分岐点A(ステップB2)において、出力形式が「毎回」であるので(B2:YES)、そのままリターンする。つまり、出力形式が「毎回」の遊技機2は、ARTが発生すると必ずART開始信号が出力されるので、そのART開始信号に基づいてARTの開始特定(第2開始特定)を行うことが出来るため、ステップB2以降の処理(第1はずれゲーム或いは第2はずれゲームを参照する第1開始特定)を行わない。
【0068】
つまり、情報表示装置4は、出力形式が「毎回」の遊技機2に対しては、遊技情報に基づくARTの開始特定(第1開始特定)を抑制する一方、ART開始信号に基づくARTの開始特定(第2開始特定)は許容する。
このように、情報表示装置4は、ART開始信号が毎回出力される遊技機2に対しては、ART開始信号に基づいて直接的に初回ART及び連荘ARTの開始特定(第2判定)を行うと共に、遊技信号に基づいて間接的にARTの終了特定(第1判定)を行っている。
【0069】
情報表示装置4は、上記したようにARTの開始と終了とを特定すると、開始特定から終了特定までの期間を特別期間(特別状態期間に相当する)として特定し、
図15に示すように、特別状態ではない期間(つまり、通常期間)における遊技情報である通常情報(
図15の場合、通常ゲーム)と、特別期間における遊技情報である特別情報(特別状態情報に相当する。
図15の場合、特別ゲーム)とを区分けして集計し、履歴情報として記憶する。この履歴情報には、以下の項目が記憶されている。
・種別:発生したボーナス状態又は特別状態(ART)の種類。
・通常ゲーム:レコード中の通常期間におけるゲーム数。
・特別ゲーム:レコード中の特別期間におけるゲーム数。
・特別差数:レコード中の通常期間以外の差数で、ボーナス状態又は特別状態中の差数(セーフ−アウト)。
・平均差数:特別状態における1ゲーム当たりの平均差数(特別差数÷特別ゲーム)。
・平均:レコード毎の平均値を示し、合計はレコードの合計値を示す。尚、平均差数の合計のみ特別差数の合計÷特別ゲームの合計として算出している。
【0070】
図15では、履歴レコードの作成契機として特別状態とボーナス状態との双方を採用したが、一方のみであっても良いし、他の契機(予め設定される所定時間毎)等としても良い。その場合、特別差数をボーナス状態と特別状態とで区分けする必要がある。尚、例えば特別状態を発生させる平均ゲーム数(全ての通常ゲーム÷ART発生数等)を特定すべく、合計や平均についてARTやボーナスの一方を対象として特定しても良い。また、ARTの特別期間をARTの終了特定をするまで(本特定するまで)の期間としたが、仮特定した時点までの期間とするようにしても良い。
【0071】
このとき、情報表示装置4は、
図15に示すボーナス状態における遊技情報を以下のように集計している。ボーナス状態が発生した場合には遊技機2からボーナス信号が入力されるので、情報表示装置4は、
図12に示す特別状態発生処理において、ボーナス信号の入力を開始すると(A1:YES、A2:NO、A12:NO、A17:YES)、ボーナスフラグを1にし(A18)、ARTフラグが1で無ければ(A19:NO)、そのままリターンする。これに対して、ARTフラグが1であれば(A19:YES)、ARTフラグを0にした後(A20)、
図9に示すゲーム継続フラグを参照して、ゲーム継続フラグ=0の場合(A21:YES)、つまり、ARTゲーム数が初期化される、即ち、ARTゲーム数を持越さない第2遊技機である場合には、ARTゲーム数を0に初期化する(A22)。一方、ARTゲーム数が継続される場合には(A21:NO)、つまり、ARTゲーム数が初期化されない、即ち、ARTゲーム数を持越す第1遊技機である場合には、そのままリターンする。
【0072】
そして、情報表示装置4は、ボーナス状態中、つまり、ボーナスフラグが1である場合には(A1:NO)、ボーナス信号が入力されている場合には(A14:NO)そのままリターンする一方、ボーナス信号の入力が終了した場合には(A14:YES)、ゲーム履歴を初期化して(A15)、終了後ゲーム数を0にして(A16)、リターンする。そして、ボーナス状態であった期間をボーナス期間として特定し、そのボーナス期間に集計した遊技情報を、
図15に示すように履歴情報として記憶する。尚、ARTゲーム数の初期化は、ボーナス状態開始時ではなく、ボーナス状態終了時に行っても良い。同様に、終了後ゲーム数も、ボーナス開始時に初期化しても良い。
【0073】
さて、ボーナス状態は、ART中(ARTフラグ=1)に発生することがある。このとき、第1遊技機ではボーナス状態が発生したときのARTゲーム数が持越されるので、ボーナス状態の終了を特定した後の
図14に示す特別状態終了判定処理では、ステップC2におけるARTゲーム数は、残りARTゲーム数が採用される。一方、第2遊技機ではステップC2におけるARTゲーム数は、0からカウントされる。つまり、情報表示装置4は、第1遊技機に対してはボーナス状態発生前から持越されたARTゲーム数(特別経過情報)と基準ゲーム(準特別経過情報)とを比較した結果に応じてARTの終了特定を行うか否かを判定する一方、第2遊技機に対しては、ボーナス状態発生前から持越されないARTゲーム数と基準ゲームとを比較した結果に応じてARTの終了特定を行うか否かを判定している。
【0074】
このように、情報表示装置4は、遊技機2のスペックに応じて、遊技信号に基づいて直接的或いは間接的に初回ART及び連荘ARTの開始特定を行い、ARTゲーム数(特別経過情報)と基準ゲーム(準特別経過情報)とを比較した結果に応じて終了特定を行うと共に、ART中及びボーナス状態における遊技情報を集計している。
【0075】
以上説明した遊技情報管理システム1によれば、次のような効果を奏する。
遊技機2側から特別状態が終了したことを直接的に特定出来ず、遊技情報により間接的に特定する必要のある遊技機2を管理対象とした場合に、ARTゲーム数(特別経過情報)と基準ゲーム(基準特別経過情報)とを比較した結果に応じてARTの終了特定を行うか否かを判定するので(ARTの終了特定を抑制するので)、連荘により準備期間へと移行する遊技機2に対して準備期間への移行を前提としたはずれゲーム(第2再判定値)を設定した場合であっても、想定し得ない程に短い期間にてARTが終了したと特定することを防止可能となり、ARTが終了したことを適切に特定することができる。
【0076】
遊技機2の中にはART中にボーナス状態が発生した場合に終了条件となる例えば残りゲーム数を持越す遊技機2(第1遊技機)もあれば持越さない遊技機2(第2遊技機)もあるが、上記したように遊技機2に応じてボーナス状態発生前から持越されたARTゲーム数と基準データとを比較するか、ボーナス状態発生前から持越されないARTゲーム数と基準データとを比較するかを特定し、その特定した比較結果に応じてARTの終了特定を抑制する抑制処理を行うことにより、いずれの遊技機2についてもARTが終了したことを適切に特定することができる。
【0077】
終了後ゲーム数(終了経過情報)と、終了後ゲーム数に対して予め設定される連荘G数(基準終了経過情報)とを比較した結果に応じて第1はずれゲーム(第1開始基準情報)を開始基準情報としてARTの開始特定を行わせるのか、第2はずれゲーム(第2開始基準情報)を開始基準情報としてARTの開始特定を行わせるのかを制御するので、ARTが開始したことを間接的に特定する場合、ARTの連荘時に遊技機では特定期間(準備期間)のままでもARTが再開した旨を誤判定する虞を極力排除した上で、通常状態からART或いはATへと移行したことを適切に特定出来るようになり、判定精度を高めることが出来る。
【0078】
第1出力遊技機に対しては第1はずれゲームに基づくARTの開始特定(第1開始特定)を抑制する一方、第2出力遊技機に対しては第1はずれゲーム及び第2はずれゲームに基づくARTの開始特定(第2開始特定)を抑制するので、第1出力遊技機については通常状態からの開始特定にて間接的な特定(つまり、遊技情報に基づく特定)による誤判定を防止しつつ連荘による開始特定を間接的ではあるが特定することが出来るようになると共に、第2出力遊技機については連荘による開始特定において間接的な特定による誤判定を防止出来るので、遊技機2に応じて適切に開始特定を行うことが出来る。
【0079】
遊技情報に基づいてARTの開始特定を行う第1開始特定を抑制する一方、ART開始信号に基づくARTの開始特定は許容するので、例えば出力形式が「初回」の遊技機2にて連荘自体は終了したが、間接的に特定する終了特定が行われないまま次の特別状態が発生した場合であっても、適切に特別状態の開始特定が可能になると共に、特別状態中に無闇に開始特定する虞を防止出来、判定精度を高めることが出来る。
【0080】
また、ゲーム履歴を記憶しているので、そのゲーム履歴のうちはずれゲームが設定はずれゲームを越えたか否かによってARTの開始或いは終了を特定可能となり、ARTの開始から終了までの期間を直接的に特定可能な遊技信号が出力対象とされない遊技機2におけるARTの開始或いは終了を特定することが出来る。したがって、入賞毎の払出数の把握や複雑な設定を行うことなくARTの開始或いは終了を特定可能となり、汎用性を極めて向上させることが出来る。
【0081】
(その他の実施形態)
本発明は、上記した一実施形態にて例示したものに限定されることなく、次のように変形又は拡張することが出来る。
第1判定にて1度目の開始特定又は終了特定で判定状態としてから(仮判定してから)判定状態中の開始又は終了の特定に応じて開始特定又は終了特定(本特定)を行ったが、1度目や3度目以上等の特定で本特定を行うようにしても良い。また、3度目以上の特定にて本特定を行う場合、仮フラグ等を複数採用すれば良い。
【0082】
仮特定、本特定のいずれにおいても、ゲーム履歴内の入賞又ははずれゲーム数と設定値とを比較したが、ゲーム履歴内における入賞ゲームやはずれゲームの割合を比較対象とすることで、間接的にはずれゲームが基準値に達したのかを比較、判定しても良い。
第1判定はART中に設けた判定期間中の遊技情報と基準値とを比較することで特定すれば、はずれゲーム数以外の特定役、例えばAT役やリプレイ役の入賞数や、出玉率や差数等の判定期間中の遊技情報に対して予め基準値を設定し、その基準値に達するか否かにより特定しても良い。
開始信号として遊技機2から出力される信号(ART開始信号)を例示したが、例えば遊技機2にて特別状態の開始時に点灯するランプに対して光センサを設け、その光センサの検出信号等を開始信号としても良い。
【0083】
第1判定の本特定時にARTの開始又は終了を特定すれば良いが、仮特定時の遊技情報を記憶しておき、本特定時に仮特定時の遊技情報をART中の遊技情報として特定しても良い。
仮フラグを更新する等の仮特定後にゲーム履歴を初期化したが、その仮特定時を特定出来れば必ずしも初期化する必要は無い。この場合、いずれのゲームにて仮特定したかを特定可能にゲーム履歴を記憶すれば良い。これはARTフラグを更新する等の本特定時も同様である。
ARTの発生契機として、例えばボーナスの終了、通常状態での設定ゲーム数のゲーム実行、ART終了に応じた継続抽選での当選等、どのような発生契機を採用した遊技機を対象としても良い。
【0084】
特別状態信号としては特別状態の開始に応じて出力開始する一方、特別状態の終了に関わり無く出力終了するような信号であれば、パルス信号以外に、例えば30秒だけ出力したり、5ゲームだけ出力したりする等、特別状態の終了とは異なる出力終了条件が設定されていれば本件を適用可能である。また、ARTの開始ではなく、ATの開始に応じて出力されるような特別状態信号等を対象としても勿論良い。
特別状態は、通常状態よりも遊技者にとって有利であり、且つ発生期間が遊技信号により直接的に特定出来ない遊技状態である。即ち、実質的に同一の遊技状態であっても、遊技信号により発生期間が直接的に特定出来なければ特別期間となり、特定出来れば特定期間となる。
【0085】
ATは他の状態よりも報知確率が高くなれば100%報知しなくとも良い。更にAT役操作報知として押順の報知以外に、入賞役を報知する等、ストップボタン2cを操作するタイミングを報知しても良い。終了役報知も同様でどのような報知態様が採用されても良い。AT役と一般役について、複数ラインの一般役入賞をAT役入賞としたが、AT役と一般役とを各々設けたり、AT役と一般役とが重複して入賞する等、どのようにAT役と一般役とを構成しても良い。
対象となる遊技機として特別状態を発生可能であれば、ボーナス(大当たり)を発生させないような遊技機であっても対象となり得る。更に、スロットマシン以外にパチンコ遊技機を対象としても良い。また、遊技媒体を用いない、点数による遊技を可能とする所謂封入式やクレジット式を対象としても良く、これらを考慮し、遊技媒体と点数とを包含する遊技価値と表現する。
【0086】
遊技機2のスペックや設定値等、例示した全ての数値、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。勿論、その他の遊技情報も、直接的、間接的を問わず適宜最適な特定方法にて特定すれば良い。特にゲームをアウト信号の設定数更新により特定したが、アウト信号入力後に設定期間アウト信号を入力しないことや、アウト信号入力後のセーフ信号入力等の周知の条件によりゲームを特定したり、ゲームの実行を直接的に特定可能な遊技信号により特定したりしても良い。このいずれの場合も含めるため遊技情報信号との表現を用いた。更に、情報表示装置4が行う情報処理の一部を中継装置5や管理装置7にて行っても良い。また、一実施形態では情報表示装置4のみで遊技情報管理システム1を構成したが、このように情報表示装置4単体、或いは中継装置5や管理装置7単体であっても、遊技情報管理システム1を構成することができる。即ち、中継装置5や管理装置7に遊技情報特定手段、開始特定手段、終了特定手段、特別状態特定手段、遊技情報管理手段、経過情報特定手段、抑制手段、制御手段などを設けても良い。また、特に示さなかったが、遊技者向けの遊技情報だけでなく、遊技場管理者向けの遊技情報を集計したり、出力対象として表示等だけでなく外部サーバへと情報出力したりしても良い。