(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6055249
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】塑性変形自在部材入り積層ゴム支承
(51)【国際特許分類】
F16F 15/04 20060101AFI20161219BHJP
F16F 1/40 20060101ALI20161219BHJP
E04H 9/02 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
F16F15/04 P
F16F1/40
E04H9/02 331A
【請求項の数】16
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-204794(P2012-204794)
(22)【出願日】2012年9月18日
(65)【公開番号】特開2014-59021(P2014-59021A)
(43)【公開日】2014年4月3日
【審査請求日】2015年7月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000103644
【氏名又は名称】オイレス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098095
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 武志
(72)【発明者】
【氏名】仲村 崇仁
(72)【発明者】
【氏名】河内山 修
(72)【発明者】
【氏名】和氣 知貴
【審査官】
岩田 健一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−082539(JP,A)
【文献】
特開2010−261484(JP,A)
【文献】
特開2010−180962(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 15/04
F16F 1/40
E04H 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚のゴム板と、このゴム板と交互に積層されて当該ゴム板に加硫接着された複数枚の剛性板と、これら積層された複数枚のゴム板及び剛性板からなる積層ゴム体内に当該複数枚のゴム板及び剛性板を積層方向に貫通して配された複数本の鉛からなる塑性変形自在部材とを具備しており、複数本の塑性変形自在部材の夫々は、積層方向に対して直交する直交断面における積層ゴム体の重心を中心とする当該直交断面における積層ゴム体の外周面に外接する外接円の半径をRとすると共に該直交断面における塑性変形自在部材の最大直径をDとすると、前記直交断面における塑性変形自在部材の重心が該積層ゴム体の重心から[(1/3)・R+(1/2)・D]以上離れていると共に積層ゴム体の重心を中心とした円周方向において互いに離間して積層ゴム体内に配されている塑性変形自在部材入り積層ゴム支承。
【請求項2】
ゴム板は、高減衰ゴムから形成されている請求項1に記載の塑性変形自在部材入り積層ゴム支承。
【請求項3】
複数本の塑性変形自在部材の夫々は、その重心が該積層ゴム体の重心から[(1/2)・R+(1/2)・D]以上離れて、積層ゴム体内に配されている請求項1又は2に記載の塑性変形自在部材入り積層ゴム支承。
【請求項4】
複数本の塑性変形自在部材の夫々は、その重心が該積層ゴム体の重心から[(2/3)・R+(1/2)・D]以上離れて、積層ゴム体内に配されている請求項1又は2に記載の塑性変形自在部材入り積層ゴム支承。
【請求項5】
複数本の塑性変形自在部材は、前記直交断面において、その重心が該積層ゴム体の重心に関して点対称に位置して積層ゴム体内に配されている請求項1から4のいずれか一項に記載の塑性変形自在部材入り積層ゴム支承。
【請求項6】
複数本の塑性変形自在部材は、前記直交断面における積層ゴム体の重心を中心とした円周方向において隣接するその重心間が該積層ゴム体の重心に関して等中心角度をもって積層ゴム体内に配されている請求項1から5のいずれか一項に記載の塑性変形自在部材入り積層ゴム支承。
【請求項7】
複数本の塑性変形自在部材の夫々は、その重心が積層ゴム体の外周面から(3/2)・D以上離れて積層ゴム体内に配されている請求項1から6のいずれか一項に記載の塑性変形自在部材入り積層ゴム支承。
【請求項8】
複数本の塑性変形自在部材の夫々は、前記直交断面における形状が円形からなる円柱体である請求項1から7のいずれか一項に記載の塑性変形自在部材入り積層ゴム支承。
【請求項9】
複数本の塑性変形自在部材の夫々は、互いに同一の直径を有している請求項8に記載の塑性変形自在部材入り積層ゴム支承。
【請求項10】
複数本の塑性変形自在部材の夫々は、その夫々の重心が前記直交断面における該積層ゴム体の重心を中心とした円上に位置して積層ゴム体内に配されている請求項1から9のいずれか一項に記載の塑性変形自在部材入り積層ゴム支承。
【請求項11】
複数本の塑性変形自在部材のうちの少なくとも一つは、積層ゴム体内に隙間なしに嵌装された鉛支柱からなる請求項1から10のいずれか一項に記載の塑性変形自在部材入り積層ゴム支承。
【請求項12】
積層ゴム体は、前記直交断面における形状が方形若しくは正方形からなる直方体又は円形からなる円柱体である請求項1から11のいずれか一項に記載の塑性変形自在部材入り積層ゴム支承。
【請求項13】
積層ゴム体は、積層方向の一端では、下部構造物に、積層方向の他端では、上部構造物に夫々固定されるようになっている請求項1から12のいずれか一項に記載の塑性変形自在部材入り積層ゴム支承。
【請求項14】
積層ゴム体は、積層方向の一端では、当該一端に固定された下部取付板を介して下部構造物に、積層方向の他端では、当該他端に固定された上部取付板を介して上部構造物に夫々固定されるようになっており、複数本の塑性変形自在部材の夫々は、その一端面が下部取付板の上面に、その他端面が上部取付板の下面に夫々隙間なしに接触して、積層ゴム体内に配されている請求項13に記載の塑性変形自在部材入り積層ゴム支承。
【請求項15】
積層ゴム体の重心と同心に積層ゴム体内に配されている円柱状の塑性変形自在部材を更に具備している請求項1から14のいずれか一項に記載の塑性変形自在部材入り積層ゴム支承。
【請求項16】
複数の塑性変形自在部材は、同径であり、積層ゴム体と塑性変形自在部材の夫々とは、積層ゴム体の高さをHとすると、比(H/D)=1.25〜6.0の関係を有している請求項1から15のいずれか一項に記載の塑性変形自在部材入り積層ゴム支承。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物の地震等の振動を免震する塑性変形自在部材入り積層ゴム支承に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴム板及び剛性板が相互に加硫接着されて交互に積層されてなる積層ゴム体と、この積層ゴム体内に嵌装された鉛プラグとを具備した鉛プラグ入り積層ゴム支承は、積層方向の一端で一方の構造物、例えば地盤に固定された基礎に、積層方向の他端で他方の構造物、例えば、上部建物に夫々固定されて、上部建物の鉛直荷重を支持すると共に地震等の地盤の水平方向の振動を積層ゴム体のゴム板の水平方向の弾性剪断変形で緩衝して当該振動の上部建物への伝達を阻止すると共に阻止されずに一部伝達された水平方向の振動による上部建物の振動を鉛プラグの水平方向の塑性剪断変形で早期に減衰させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−326812号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】日本建築学会構造系論文集 第74巻 第638号 639−645, 2009年4月 「高減衰積層ゴム支承の水平2方向変形時の力学特性に関する実大実験およびモデル化」
【非特許文献2】日本免震構造協会会誌 MENSHIN NO.63 2009.2 「積層ゴム支承の水平二軸変形特性について」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
地震等による地盤の振動は、通常、水平面内の一の方向であるX方向のX方向振動成分と、水平面内の一の方向に直交する他の一の方向であるY方向のY方向振動成分とを含んでおり、斯かる地震等による地盤の振動を免震する鉛プラグ入り積層ゴム支承においては、これらX方向振動成分とY方向振動成分との振幅の大きさ、振動周波数成分及び位相の相違により、例えば、上部建物に固定された積層方向の他端を固定端とみた場合に、基礎に固定された積層方向の一端は、固定端である他端を支点として水平面内で揺動することになり、例えば、X方向振動成分とY方向振動成分との振幅の大きさ及び振動周波数が同一及び位相が同相である地震等による地盤の振動では、水平面内で直線的に揺動、即ち、直線運動し、X方向振動成分とY方向振動成分との振幅の大きさ及び振動周波数が同一であって、位相差が90°である地震等による地盤の振動では、水平面内で円形に揺動、即ち、円運動し、X方向振動成分の振幅に対してY方向振動成分の振幅が半分であって、振動周波数が同一であり、位相差が90°である地震等による地盤の振動では、水平面内で楕円形に揺動、即ち、楕円運動することになる。
【0006】
そして、鉛プラグ入り積層ゴム支承においては、積層ゴム体と鉛プラグとのX方向及びY方向の剪断変形により、上部建物に固定された積層方向の他端を固定端とみた場合における基礎に固定された積層方向の一端の上記の地震等による地盤の振動での直線的な水平面内の揺動を生じさせる地震等による地盤の振動の上部建物への伝達を積層ゴム体の弾性剪断変形で阻止すると共に阻止されずに一部伝達された水平方向の振動による上部建物の水平面内の振動を鉛プラグの塑性剪断変形で早期に減衰させるようになっている。
【0007】
また、上部建物に固定された積層方向の他端を固定端とみた場合における基礎に固定された積層方向の一端の上記の地震等による地盤の振動での円形又は楕円形の揺動を生じさせる地震等においても、鉛プラグ入り積層ゴム支承では、地盤の振動の上部建物への伝達を積層ゴム体の弾性剪断変形で阻止すると共に阻止されずに一部伝達された水平方向の振動による上部建物の水平面内の振動を鉛プラグの塑性剪断変形で早期に減衰させるようになっている。
【0008】
水平面内での直線的な揺動及び円形又は楕円形の揺動のいずれの場合でも、積層ゴム体の水平方向の弾性剪断変形が生じるのであるが、この弾性剪断変形は、積層ゴム体のゴム板で行わせており、このゴム板が弾性係数kのみをもった材料(純粋の弾性材料)からなる場合には、弾性剪断変形における積層ゴム体のゴム板の任意の一点における内部応力(復元力)は、変形原点位置に向かう弾性力のみとなり、積層ゴム体は、X方向及びY方向に弾性剪断変形されるだけになる。
【0009】
ところで、実際のゴム板は、弾性係数kと減衰係数rとをもった材料からなる結果、ゴム板の弾性剪断変形における積層ゴム体のゴム板の任意の一点における内部応力は、弾性係数kによる変形原点位置に向かう弾性力と減衰係数rによる揺動軌跡に対しての接線方向の応力(減衰力)との合力となるために、直線的な揺動を除いて水平面内での円形又は楕円形の揺動の場合、ゴム板には、この内部応力により弾性捩じり変形が生じることになり、この弾性捩じり変形は、ゴム板に機械的疲労に起因する早期の破断又は剛性板からのゴム板の早期の剥離を生じさせる虞がある。
【0010】
斯かるゴム板の弾性捩じり変形は、X方向振動成分とY方向振動成分との振幅の大きさ及び振動周波数が同一及び位相が同相である地震等による地盤の水平面内での振動以外のX方向振動成分とY方向振動成分とを含む地震等による地盤の水平面内での振動において生じ得る。
【0011】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ゴム板の弾性捩じり変形を低減できて、ゴム板の早期の破断又は剛性板からのゴム板の早期の剥離を回避できる塑性変形自在部材入り積層ゴム支承を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の塑性変形自在部材入り積層ゴム支承は、複数枚のゴム板と、このゴム板と交互に積層されて当該ゴム板に加硫接着された複数枚の剛性板と、これら積層された複数枚のゴム板及び剛性板からなる積層ゴム体内にゴム板及び剛性板を積層方向に貫通して配された複数本の塑性変形自在部材とを具備しており、複数本の塑性変形自在部材の夫々は、積層方向に対して直交する直交断面における積層ゴム体の重心を中心とする当該直交断面における積層ゴム体の外周面に外接する外接円の半径をRとすると共に該直交断面における塑性変形自在部材の最大直径をDとすると、前記直交断面におけるその塑性変形自在部材の重心が該積層ゴム体の重心から[(1/3)・R+(1/2)・D]以上離れていると共に積層ゴム体の重心を中心とした円周方向において互いに離間して積層ゴム体内に配されている。
【0013】
本発明は、積層ゴム支承の捩じり率(捩じり易さ)が当該積層ゴム支承の断面極二次モーメントの逆数に比例することに着目したものであって、本発明の塑性変形自在部材入り積層ゴム支承によれば、積層ゴム体の重心から[(1/3)・R+(1/2)・D]以上離れている重心を有する複数本の塑性変形自在部材がゴム板及び剛性板を積層方向に貫通すると共に積層ゴム体の重心を中心とした円周方向において互いに離間して積層ゴム体内に配されているために、当該塑性変形自在部材の剛性でもってゴム板の減衰係数rによる積層ゴム体の揺動における接線方向の応力に起因する弾性捩じり変形に対抗できる結果、断面極二次モーメントを大きくできて捩じり率を小さくでき、ゴム板の弾性捩じり変形を所定の大きさ以下にでき、而して、ゴム板の早期の破断又は剛性板からのゴム板の早期の剥離、特に、積層ゴム体の積層方向における両端の近傍での当該剥離を回避できる。
【0014】
塑性変形自在部材の重心が積層ゴム体の重心から[(1/3)・R+(1/2)・D]以上離れていないで、複数本の塑性変形自在部材がゴム板において積層ゴム体の重心の近傍に集中して配されるようになるにつれて、断面極二次モーメントが急激に小さくなって捩じり率が急激に大きくなり、積層ゴム体の外周面の近傍でのゴム板の減衰係数rによる積層ゴム体の揺動における接線方向の応力に起因するゴム板の弾性捩じり変形を塑性変形自在部材の剛性で抑制できなくなる結果、斯かるゴム板の応力でもってゴム板に弾性捩じり変形が大きく生じ、ゴム板の早期の破断又は剛性板からのゴム板の早期の剥離、特に、積層ゴム体の積層方向における両端の近傍での当該剥離が生じる。
【0015】
また、後述の実施例からも明らかであるように、塑性変形自在部材の重心が積層ゴム体の重心から[(1/3)・R+(1/2)・D]以上離れるにしたがって、複数本の塑性変形自在部材によるゴム板の弾性捩じり変形に対する変形抑制機能が安定的に得られて、ゴム板の弾性捩じり変形の減少が安定して得られることになる。
【0016】
本発明においては、外接円とは、直交断面における積層ゴム体の外周面の形状が三角形を含む多角形である場合には、当該多角形の全ての頂点を通る一つの円を意味し、直交断面おける積層ゴム体の外周面の形状が円形である場合には、同径の円を意味し、そして、直交断面における積層ゴム体の外周面の形状が楕円形である場合には、長軸の径を直径とする円を意味するものとする。
【0017】
本発明において、ゴム板は、天然ゴム又は合成ゴムから形成されたものであってもよく、また、これらにカーボンブラック等の減衰剤が添加された高減衰ゴムから形成されたものであってもよく、本発明は、減衰係数rが大きな斯かる高減衰ゴムに対して効果的に作用し、剛性板には、通常、鋼板が使用されるが、繊維補強硬質ゴム板又は繊維補強剛性樹脂板であってもよい。
【0018】
本発明では、積層ゴム体は、天然ゴム、合成ゴム又は高減衰ゴムのみからなるゴム板からなっていても、これらからなるゴム板が混在していてもよく、同様に、鋼板、繊維補強硬質ゴム板又は繊維補強剛性樹脂板のみからなる剛性板からなっていても、これらからなる剛性板が混在していてもよい。
【0019】
塑性変形自在部材は、本発明においては、塑性変形が可能であって剪断変形後の積層ゴム体の元の形状への復帰に促されて同様に元の形状へ復帰させられることができる部材であって、塑性変形において機械的変形エネルギーを効率よく熱エネルギーに不可逆的に変換できるものからなっていればよく、例えば、棒状の鉛からなる鉛支柱(鉛プラグ)等の金属支柱又は合成樹脂製の粉体からなる合成樹脂支柱、更には、エラストマーと金属粉体とからなる弾塑性支柱であってもよく、好ましくは、鉛支柱(鉛プラグ)からなる。
【0020】
本発明では、複数本の塑性変形自在部材の夫々は、好ましくは、その部材重心が該積層ゴム体の重心から[(1/2)・R+(1/2)・D]以上離れて、より好ましくは、その部材重心が該積層ゴム体重心から[(2/3)・R+(1/2)・D]以上離れて積層ゴム体内に配されており、また、好ましくは、その重心が該積層ゴム体の重心を中心とする円上に位置して、積層ゴム体内に配されている。
【0021】
複数本の塑性変形自在部材は、前記直交断面において、その重心が該積層ゴム体の重心に関して点対称に位置して積層ゴム体内に配されていても、前記直交断面における積層ゴム体の重心を中心とした円周方向において隣接するその重心間が該積層ゴム体の重心に関して等中心角度をもって積層ゴム体内に配されていてもよい。
【0022】
複数本の塑性変形自在部材の夫々は、好ましくは、その重心が積層ゴム体の外周面から(3/2)・D以上離れて積層ゴム体内に配されており、これに対して、塑性変形自在部材の重心が積層ゴム体の外周面から(3/2)・D以上離れて積層ゴム体内に配されていないと、言い換えると、塑性変形自在部材が積層ゴム体の外周面の近傍において積層ゴム体内に配されていると、積層ゴム体の繰り返しの水平方向の剪断変形で塑性変形自在部材と積層ゴム体の外周面との間のゴム板に早期の損壊が生じて、積層ゴム体の外周面の近傍でのゴム板の機能が得られ難くなる虞がある。
【0023】
本発明において、複数本の塑性変形自在部材の夫々は、前記直交断面における形状が円形である円柱体であり、複数本の塑性変形自在部材の夫々の前記直交断面における直径は、互いに同一であってもよいが、互いに異なっていてもよく、更に、複数本の塑性変形自在部材の夫々の積層方向における前記直交断面の夫々の直径は、互いに同一であってもよいが、互いに異なっていてもよい。
【0024】
本発明の塑性変形自在部材入り積層ゴム支承では、積層ゴム体は、前記直交断面における形状が方形からなる直方体であっても、前記直交断面における形状が正方形からなる直方体であっても、更には、前記直交断面における形状が円形からなる円柱体であってもよい。
【0025】
また、本発明では、複数本の塑性変形自在部材の夫々は、前記直交断面におけるその夫々の重心が当該直交断面での該積層ゴム体の重心を中心とした円上に位置して積層ゴム体内に配されていてもよく、積層ゴム体内に隙間なしに嵌装された鉛支柱からなっていてもよい。
【0026】
本発明ではまた、積層ゴム体は、積層方向の一端では、下部構造物に、積層方向の他端では、上部構造物に夫々固定されるようになっていてもよく、この場合、積層ゴム体は、積層方向の一端では、当該一端に固定された下部取付板を介して下部構造物に、積層方向の他端では、当該他端に固定された上部取付板を介して上部構造物に夫々固定されるようになっており、複数本の塑性変形自在部材の夫々は、その一端面が下部取付板の上面に、その他端面が上部取付板の下面に夫々隙間なしに接触して、積層ゴム体内に配されているとよい。
【0027】
本発明の塑性変形自在部材入り積層ゴム支承は、積層ゴム体の重心と同心に積層ゴム体内に配されている円柱状の塑性変形自在部材を更に具備していてもよい。
【0028】
本発明では、複数の塑性変形自在部材は、同径であってもよく、この場合、積層ゴム体と塑性変形自在部材の夫々とは、積層ゴム体の高さをHとすると、比(H/D)=1.25〜6.0の関係を有しているとよい。
【0029】
比(H/D)が1.25よりも小さいと、塑性変形自在部材に繰り返し剪断変形を受けた場合に、塑性変形自在部材の端部が球形に変形する虞を有する一方、比(H/D)が6.0より大きいと、塑性変形自在部材の積層ゴム体への圧入において緩みが生じると共に安定した特性が得られ難くなる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、ゴム板の弾性捩じり変形を低減できて、ゴム板の早期の破断又は剛性板からのゴム板の早期の剥離を回避できる塑性変形自在部材入り積層ゴム支承を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、本発明による好ましい実施例の斜視説明図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す実施例の積層ゴム体の斜視説明図である。
【
図5】
図5は、
図3に示す積層ゴム体の積層方向に対して直交する直交断面(
図2に示すV−V線矢視断面)説明図である。
【
図8】
図8は、本発明による好ましい他の実施例の積層ゴム体の直交断面説明図である。
【
図9】
図9は、本発明による好ましい更に他の実施例の積層ゴム体の直交断面説明図である。
【
図10】
図10は、本発明による好ましい更に他の実施例の積層ゴム体の直交断面説明図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施例及び比較例の測定結果の説明図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施例の積層ゴム体の重心から鉛支柱の重心までの距離と断面極二次モーメントの逆数との関係の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
次に本発明の実施の形態を、図に示す好ましい例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
【0033】
塑性変形自在部材入り積層ゴム支承としての
図1から
図5に示す鉛プラグ入り積層ゴム支承1は、夫々高減衰ゴムからなる複数枚のゴム板2と、ゴム板2と交互に積層されて当該ゴム板2に加硫接着されていると共に夫々鋼板からなる複数枚の剛性板3と、これら積層された複数枚のゴム板2及び剛性板3からなる円柱状の積層ゴム体4内に当該複数枚のゴム板2及び剛性板3を積層方向に貫通して配されていると共に複数本の塑性変形自在部材としての夫々棒状の鉛からなる四本の円柱状の鉛支柱(鉛プラグ)5と、積層ゴム体4の積層方向Aの一端にボルト6を介して固定されていると共に矩形状の板材からなる下部取付板7と、積層ゴム体4の積層方向Aの他端にボルト8を介して固定されていると共に矩形状の板材からなる上部取付板9と、下部取付板7の上面10及び積層ゴム体4の積層方向Aの一端面11の夫々に形成された凹所12及び13に嵌装されて当該上面10及び一端面11間に介在された剪断キー14と、上部取付板9の下面15及び積層ゴム体4の積層方向Aの他端面16の夫々に形成された凹所17及び18に嵌装されて当該下面15及び他端面16間に介在された剪断キー19とを具備している。
【0034】
剛性板3は、下部取付板7及び上部取付板9がボルト6及び8を介して夫々固定された一対の厚肉剛性板21及び22と、積層方向Aにおいて厚肉剛性板21及び22間に配された複数枚の薄肉剛性板23とを具備しており、厚肉剛性板21に凹所13が、厚肉剛性板22に凹所18が夫々形成されている。
【0035】
積層方向Aに対して直交する直交断面(
図2に示すV−V線矢視断面)における形状が円形からなると共に円筒状の外周面24を有して円柱体である積層ゴム体4は、ゴム板2及び剛性板3に加えて、ゴム板2に一体形成されていると共に各剛性板3の円環状の外周面25に加硫接着されて各剛性板3の円環状の外周面25を被覆した円筒状の被覆層26を有している。
【0036】
積層ゴム体4と同様に積層方向Aに対して直交する直交断面における形状が円形からなって円筒状の外周面33を有して円柱体であると共に積層ゴム体4の複数枚のゴム板2及び剛性板3の各内周面31で規定された貫通孔32の夫々に挿着されて積層ゴム体4内に隙間なしに、即ち各内周面31に外周面33でぴったりと接触して嵌装されている鉛支柱5の夫々は、互いに同一の直径Dを有していると共に積層ゴム体4の積層方向Aに対して直交する直交断面における積層ゴム体の重心G0(本例では積層ゴム体4の直交断面における円形の中心)を中心とする当該直交断面における積層ゴム体4の外周面24に外接する外接円(本例では、直交断面における外周面24に一致する)の半径をRとすると、直交断面におけるその重心(本例では鉛プラグ5の直交断面における円形の中心)G1が重心G0から[(1/3)・R+(1/2)・D]以上の距離L1、本例では[(1/3)・R+(3/2)・D]の距離L1をもって且つ積層ゴム体4の外周面24から(3/2)・D以上の距離L2、本例では(3/2)・Dの距離L2をもって離れていると共に重心G0を中心とした円周方向において互いに離間して、本例では隣接する重心G1間が該重心G0に関して等中心角度θ1(=90°)をもって、しかも、重心G1が重心G0に関して点対称であって、直交断面における重心G0を中心とした円34上に位置して積層ゴム体4内に配されている。
【0037】
斯かる鉛プラグ入り積層ゴム支承1において、積層ゴム体4は、積層方向Aの一端となる一端面11では、当該一端面11に固定された下部取付板7を介して下部構造物である基礎45に、積層方向Aの他端となる他端面16では、当該他端面16に固定された上部取付板9を介して上部構造物である上部建物46に夫々ボルト47を介して固定されており、鉛支柱5の夫々は、その一端面48が下部取付板7の上面10に、その他端面49が上部取付板9の下面15に夫々隙間なしに接触して、積層ゴム体4内に隙間なしに配されている。
【0038】
以上の鉛プラグ入り積層ゴム支承1においては、地震等の地盤のX方向振動成分とY方向振動成分を含む水平方向の振動により基礎45が上部建物46に対して水平方向に振動されると、積層ゴム体4及び鉛支柱5の夫々は、水平方向の例えばX方向振動成分の振動により、
図6に示すように、X方向に弾性剪断変形及び塑性剪断変形され、水平方向のY方向振動成分の振動によっても同様にY方向に弾性剪断変形及び塑性剪断変形され、而して、斯かる水平方向の地盤の振動の上部建物46への伝達を積層ゴム体4の弾性剪断変形で阻止すると共に阻止されずに伝達された水平方向の振動による上部建物46の水平面内の振動を鉛支柱5の塑性剪断変形で早期に減衰させるようになっている。
【0039】
そして、例えば、X方向振動成分がp・sin(ωt)であって、Y方向振動成分がp・sin(ωt+π/2)であるとすると、初期振動を除いて、積層ゴム体4の積層方向Aの他端面16は、積層方向Aの一端面11に対して相対的に円形に揺動(旋回)されることになり、積層ゴム体4の積層方向Aの他端面16における重心G0は、
図7に示すように、振動前の重心G0を中心とする二点鎖線円51で示す軌跡をもって矢印方向に同様に揺動(旋回)される結果、積層方向Aの一端面11を除いて積層ゴム体4のその他の部分も二点鎖線円51で示す軌跡に相当する軌跡をもって揺動(旋回)されることになる。
【0040】
この揺動において、積層ゴム体4のゴム板2は、その弾性係数kによる変形原点位置に向かう弾性力Fs、即ち、重心G0に向かう弾性力Fsと、その減衰係数rによる揺動軌跡に対しての接線方向の応力(減衰力)Frとの合力である内部応力Fをもって変形される。
【0041】
弾性力Fsは、ゴム板2の弾性剪断変形に関係する一方、応力(減衰力)Frは、ゴム板2の弾性捩じり変形に関係する。
【0042】
ところで、鉛プラグ入り積層ゴム支承1においては、互いに同一の直径Dを有している鉛支柱5の夫々は、重心G1が重心G0から[(1/3)・R+(3/2)・D]の距離L1をもって且つ積層ゴム体4の外周面24から(3/2)・Dの距離L2をもって離れていると共に重心G1間が該重心G0に関して等中心角度θ1(=90°)をもって、しかも、重心G1が重心G0に関して点対称であって、直交断面での重心G0を中心とした円34上に位置して積層ゴム体4内に配されているために、ゴム板2の応力Frに起因するゴム板2の弾性捩じり変形が鉛支柱5の剛性により効果的に抑制されることになり、而して、この弾性捩じり変形に起因するゴム板2の早期の破断又は剛性板3からのゴム板2の早期の剥離を回避できる。
【0043】
即ち、鉛プラグ入り積層ゴム支承1によれば、重心G1が重心G0から[(1/3)・R+(3/2)・D]の距離L1をもって離れていると共に重心G0を中心とした円周方向において互いに離間して、四本の鉛支柱5が積層ゴム体4の貫通孔32に隙間なしに充填、嵌装されているために、鉛支柱5の剛性でもってゴム板2の減衰係数rによる接線方向の応力Frに起因するゴム板2の弾性捩じり変形、延いては、積層ゴム体4の弾性捩じり変形を効果的に抑止することができる結果、ゴム板2の早期の破断又は剛性板3からのゴム板2の早期の剥離を回避できる上に、重心G1が積層ゴム体4の外周面24から(3/2)・Dの距離L2をもって離れているために、積層ゴム体4の繰り返しの水平方向の剪断変形で鉛支柱5と積層ゴム体4の外周面24との間のゴム板2の早期の損壊を防止でき、積層ゴム体4の外周面24の近傍でのゴム板の機能を長期に亘って維持できる。
【0044】
ところで、上記の鉛プラグ入り積層ゴム支承1は、円柱状の積層ゴム体4を具備しているが、これに代えて、
図8に示すように、直交断面における形状が正方形からなる直方体の積層ゴム体4を具備していてもよく、この場合、互いに同一の直径Dを有している鉛支柱5の夫々は、直交断面における重心G0(本例では積層ゴム体4の直交断面における対角線56及び57の交点)を中心とする当該直交断面における積層ゴム体4の正方形の外周面24に外接する外接円55の半径をRとすると、該直交断面における重心G1が重心G0から[(1/3)・R+(1/2)・D]以上、本例では[(1/3)・R+2・D]の距離L1をもって且つ積層ゴム体4の外周面24の夫々の辺から(3/2)・D以上の距離L2をもって離れていると共に重心G0を中心とした円周方向において隣接する重心G1間が重心G0に関して等中心角度θ1(=90°)をもって互いに離間して、しかも、重心G1が該重心G0に関して点対称であって、該直交断面内での重心G0を中心とした円34及び積層ゴム体4の正方形の外周面24の対角線56及び57上に位置して積層ゴム体4内に配されている。
【0045】
図8に示す鉛プラグ入り積層ゴム支承1でも、重心G1が重心G0から[(1/3)・R+2・D]の距離L1をもって離れていると共に重心G0を中心とした円周方向において互いに離間して、四本の鉛支柱5が積層ゴム体4の貫通孔32に隙間なしに嵌装されているために、当鉛支柱5の剛性でもってゴム板2の減衰係数rによる接線方向の応力Frに起因するゴム板2の弾性捩じり変形を抑止することができる結果、ゴム板の早期の破断又は剛性板からのゴム板の早期の剥離を回避できる上に、重心G1が積層ゴム体4の外周面24から距離L2をもって離れているために、積層ゴム体4の繰り返しの水平方向の剪断変形で鉛支柱5と積層ゴム体4の外周面24との間のゴム板2の早期の損壊を防止でき、積層ゴム体4の外周面24の近傍でのゴム板の機能を長期に亘って維持できる。
【0046】
図1から
図5に示す鉛プラグ入り積層ゴム支承1において、
図9に示すように、重心G0と同心に積層ゴム体4内に配されている中心鉛支柱61を更に具備していてもよく、斯かる中心鉛支柱61は、
図8に示す鉛プラグ入り積層ゴム支承1に設けてもよい。
【0047】
更に、
図9に示すように、重心G0を中心とした[(1/3)・R+(1/2)・D]以上の半径の円62上であって重心G0に関して等角度(=120°)をもって各重心G1を位置させた互いに同一の直径Dの三個の鉛支柱5と、重心G0を中心とする円62よりも大径の円63上であって重心G0に関して等角度(=120°)をもって位置させた互いに同一の直径Dの他の三個の鉛支柱5とを、重心G0を中心とする円周方向において60°の角度関係をもって積層ゴム体4内に配して、鉛プラグ入り積層ゴム支承1を構成してもよい。
【0048】
また、
図10に示すように、直交断面における形状が長方形からなる立方体の積層ゴム体4を具備していてもよく、この場合でも、互いに同一の直径Dを有している鉛支柱5の夫々は、直交断面における重心G0(本例では積層ゴム体4の直交断面における対角線56及び57の交点)を中心とする当該直交断面における積層ゴム体4の長方形の外周面24に外接する外接円の半径をRとすると、該直交断面における重心G1が重心G0から[(1/3)・R+1.5・D]の距離L1をもって且つ積層ゴム体4の外周面24の夫々の辺から(3/2)・D以上の距離L2をもって離れていると共に重心G0を中心とした円周方向において隣接する重心G1間が重心G0に関して中心角度θ1(=70°)及びθ2(=110°)をもって互いに離間して、しかも、該直交断面内での重心G0を中心とした円34及び積層ゴム体4の長方形の外周面24の対角線56及び57上に位置して積層ゴム体4内に配されている。
【0049】
(実施例)
厚み22mm、外周面24の直交断面での一辺の長さ200mmの直交断面が正方形の鋼製角板からなる厚肉剛性板21及び22と、厚み1.2mm、外周面24の直交断面での一辺の長さ200mmの28枚の直交断面が正方形の鋼製角板からなる薄肉剛性板23と、厚み1.4mm、外周縁の一辺の長さ200mmの剪断弾性率G=4kg/cm
2の天然ゴムからなる29枚の直交断面が正方形のゴム板2と、直径D=20mmの同径の四本の円柱状の鉛からなると共に半径70mmの円34上に、重心G0に関して隣接する中心角度θ1が互いに同一の角度(=90°)をもって重心G1が位置する円柱状の鉛支柱5とをもった外周縁一辺の長さ200mm、高さH=118.2mmの角柱状であって被覆層26を具備しない
図8に示す態様の積層ゴム体4を準備して、この積層ゴム体4の両端に下部取付板7及び上部取付板9に固定して鉛プラグ入り積層ゴム支承1を形成し、斯かる鉛プラグ入り積層ゴム支承1において、下部取付板7を固定する一方、上部取付板9にX方向振動成分が√2p・sin(ωt)であって、Y方向振動成分が√2p・sin(ωt+π/2)の水平振動を付与して、積層ゴム体4の高さ方向の各位置での直交断面の外周面24の捩じり変形を測定した。その測定結果を
図11において■印で示す。
【0050】
本実施例では、R=√2・100(mm)、D=20(mm)であるから、[(1/3)・R+(1/2)・D]=[(1/3)・√2・100+(1/2)・20≒60(mm)、3/2・D=30(mm)であり、比(H/D)は、118.2/20=5.91である。
【0051】
(比較例)
四本の円柱状の鉛支柱5を積層ゴム体4内に配する代わりに、重心G1が重心G0に一致するようにして、直径D=40mmの一本の円柱状の鉛支柱5を前記実施例と同様の積層ゴム体4に配し、この積層ゴム体4の両端に、前記実施例と同様に、下部取付板7及び上部取付板9に固定して鉛プラグ入り積層ゴム支承を形成し、斯かる鉛プラグ入り積層ゴム支承において、前記と同様に、下部取付板7を固定する一方、上部取付板9にX方向振動成分が√2p・sin(ωt)であって、Y方向振動成分が√2p・sin(ωt+π/2)の水平振動を付与して、積層ゴム体4の高さ方向の各位置での直交断面の外周面の捩じり変形を測定した。その測定結果を
図11において●印で示す。
【0052】
図11の夫々において、横軸は、捩れ変位(mm)であり、縦軸は、積層ゴム体4の高さ方向の位置(mm)であり、
図11において、(a)は、ひずみレベルγ(=(√2・p)/H:ここでHは、ゴム板2の総厚み)が300%の場合、(b)は、ひずみレベルγが350%の場合、そして、(c)は、ひずみレベルγが400%の場合であり、(a)、(b)及び(c)で示す実施例及び比較例の測定結果から明らかであるように、実施例の鉛プラグ入り積層ゴム支承1では、ゴム板2の弾性捩じり変形、即ち、積層ゴム体4の弾性捩じり変形が減少されている。
【0053】
また、上記実施例の鉛プラグ入り積層ゴム支承1において、鉛支柱5の重心G1の位置を種々変化させて、積層ゴム体4の重心G0から鉛支柱5の重心G1までの距離L(mm)と断面極二次モーメントIの逆数(=1/I)との関係を求めたところ、
図12に示す曲線71のようになった。
図12の曲線71から明らかなように、重心G1が重心G0から[(1/3)・R+(1/2)・D]=60(mm)以上離れていると、断面極二次モーメントIの逆数の値が極めて小さく、したがって、鉛プラグ入り積層ゴム支承1は、極めて捩じり難くなり、ゴム板2の弾性捩じり変形を所定の大きさ以下にでき、而して、ゴム板2の早期の破断又は薄肉剛性板23からのゴム板2の早期の剥離、特に、積層ゴム体4の積層方向Aにおける両端の近傍での当該剥離を回避できる。
【符号の説明】
【0054】
1 鉛プラグ入り積層ゴム支承
2 ゴム板
3 剛性板
4 積層ゴム体
5 鉛支柱
7 下部取付板
9 上部取付板
21、22 厚肉剛性板
23 薄肉剛性板
24 外周面
25 外周面
26 被覆層